説明

GLP−1の類似体

【課題】ネーティブなグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)より活性が高い、または代謝的により安定であるGLP−1類似体を提供する。
【解決手段】グルカゴン様ペプチド−1のペプチド類似体、及びその製剤的に許容される塩であって、該ペプチド類似体は、主に約36〜39程度の特定の配列のアミノ酸またはその類縁体から構成されるが、一部鎖内にアミノ酸の代わりにアルキルまたはアシル誘導体を含み、代謝安定性を増している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グルカゴン様ペプチド−1のペプチド類似体、その製剤的に許容される塩、哺乳動物を治療するためにそのような類似体を使用する方法、及びそのために有用な前記類似体を含んでなる医薬組成物に向けられている。
【背景技術】
【0002】
グルカゴン様ペプチド−1(7−36)アミド(GLP−1)は、グルカゴン前駆体のプレプログルカゴンの組織特異的な翻訳後プロセシングにより腸のL細胞において合成され(Varndell, J. M., et al., J. Histochem Cytochem, 1985: 33: 1080-6)、食事に反応して循環中へ放出される。GLP−1の血漿濃度は、約15ピコモル/Lの絶食レベルから40ピコモル/Lのピーク食後レベルへ上昇する。血漿インスリンの増加は、血漿グルコース濃度における一定の上昇について、グルコースを静脈内投与した場合に比較して経口投与したほうが約3倍大きいことが示されている(Kreymann, B., et al., Lancet 1987: 2, 1300-4)。このインクレチン(incretin)効果として知られるインスリン放出の食事による増強は主に体液性のものであり、GLP−1はヒトにおいて最も強力な生理学的インクレチンであると今日考えられている。インスリン放出作用だけでなく、GLP−1はグルカゴンの分泌を抑制し、胃の空洞化を遅らせ(Wettergren A., et al., Dig Dis
Sci 1993: 38: 665-73)、末梢のグルコース処理を高める可能性がある(D'Alessio, D.
A. et al., J. Clin Invest 1994: 93: 2293-6)。
【0003】
1994年、GLP−1の単回皮下(s/c)投与によりインスリン非依存型糖尿病(NIDDM)の患者において食後のグルコースレベルが完全に正常化され得るという観察事実から、GLP−1の治療薬としての可能性が示唆された(Gutniak, M. K., et al., Diabetes Care 1994: 17: 1039-44)。この効果は、インスリン放出の増加とグルカゴン
分泌の減少の両方により介在されると考えられた。さらに、GLP−1を静脈内注入すると、NIDDM患者において食後の胃の空洞化を遅らせることが示された(Williams, B., et al., J. Clin Endo Metab 1996: 81: 327-32)。スルホニル尿素と異なり、GLP
−1のインスリン放出促進作用は血漿グルコース濃度に依存している(Holz, G. G. 4th,
et al., Nature 1993: 361: 362-5)。つまり、低い血漿グルコース濃度ではGLP−1介在性のインスリン放出がないために、重篤な低血糖症を招かないのである。この複合的な作用により、GLP−1は、NIDDMを治療するために現在使用されている他の薬剤に対する独自の潜在的な治療優位性を有している。
【0004】
数多くの研究は、健常被検者へ与えたとき、GLP−1がインスリン及びグルカゴンの濃度だけでなく血糖レベルにも強力に影響を及ぼすこと(Orskov, C, Diabetologia 35: 701-711, 1992; Holst, J. J., et al., Potential of GLP-1 in diabetes management in Glucagon III, Handbook of Experimental Pharmacology, Lefevbre PJ, Ed. Berlin, Springer Verlag, 1996, p. 311-326)、及びこの効果がグルコース依存的である(Kreymann, B., et al., Lancet ii: 1300-1304, 1987; Weir, G. C., et al., Diabetes 38: 338-342, 1989)ことを示した。さらに、それはまた糖尿病を有する患者にも有効であり(Gutniak, M., N. Engl J Med 226: 1316-1322, 1992; Nathan, D. M., et al., Diabetes
Care 15: 270-276, 1992)、2型糖尿病の被検者において血糖レベルを正常化し(Nauck, M. A., et al., Diabetologia 36: 741-744, 1993)、1型患者において血糖コントロ
ールを改善し(Creutzfeldt, W. O., et al., Diabetes Care 19: 580-586, 1996)、治
療薬としてのその使用の可能性を高めている。
【0005】
しかしながら、GLP−1は代謝的に不安定であり、in vivo での血漿半減期(t1/2
)は1〜2分にすぎない。外から投与したGLP−1も急速に分解される(Deacon, C. F., et al., Diabetes 44: 1126-1131, 1995)。この代謝不安定性はネーティブなGLP
−1の治療薬としての可能性を制限する。従って、ネーティブなGLP−1より活性であるか又はより代謝的に安定であるGLP−1類似体に対するニーズが存在するのである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の要約
1つの側面では、本発明は、式(I)の化合物
(R23)−A7−A8−A9−A10−A11−A12−A13−A14−A15−A16−A17−A18
−A19−A20−A21−A22−A23−A24−A25−A26−A27−A28−A29−A30−A31−A32−A33−A34−A35−A36−A37−A38−A39−R1 (I)
[式中:
7はL−His、Ura、Paa、Pta、Amp、Tma−His、des−アミノ
−Hisであるか又は削除され;
8はAla、D−Ala、Aib、Acc、N−Me−Ala、N−Me−D−Ala
又はN−Me−Glyであり;
9はGlu、N−Me−Glu、N−Me−Asp又はAspであり;
10はGly、Acc、β−Ala又はAibであり;
11はThr又はSerであり;
12はPhe、Acc、Aic、Aib、3−Pal、4−Pal、β−Nal、Cha、Trp又はX1−Pheであり;
13はThr又はSerであり;
14はSer又はAibであり;
15はAsp又はGluであり;
16はVal、Acc、Aib、Leu、Ile、Tle、Nle、Abu、Ala又はChaであり;
17はSer又はThrであり;
18はSer又はThrであり;
19はTyr、Cha、Phe、3−Pal、4−Pal、Acc、β−Nal又はX1
−Pheであり;
20はLeu、Acc、Aib、Nle、Ile、Cha、Tle、Val、Phe又はX1−Pheであり;
21はGlu又はAspであり;
22はGly、Acc、β−Ala、Glu又はAibであり;
23はGln、Asp、Asn又はGluであり;
24はAla、Aib、Val、Abu、Tle又はAccであり;
25はAla、Aib、Val、Abu、Tle、Acc、Lys、Arg、hArg、Orn、HN−CH((CH2n−N(R1011))−C(O)又はHN−CH((CH2e−X3)−C(O)であり;
26はLys、Arg、hArg、Orn、HN−CH((CH2n−N(R1011))−C(O)又はHN−CH((CH2e−X3)−C(O)であり;
27はGlu、Asp、Leu、Aib又はLysであり;
28はPhe、Pal、β−Nal、X1−Phe、Aic、Acc、Aib、Cha又
はTrpであり;
29はIle、Acc、Aib、Leu、Nle、Cha、Tle、Val、Abu、Ala又はPheであり;
30はAla、Aib又はAccであり;
31はTrp、β−Nal、3−Pal、4−Pal、Phe、Acc、Aib又はChaであり;
32はLeu、Acc、Aib、Nle、Ile、Cha、Tle、Phe、X1−Ph
e又はAlaであり;
33はVal、Acc、Aib、Leu、Ile、Tle、Nle、Cha、Ala、Phe、Abu、Lys又はX1−Pheであり;
34はLys、Arg、hArg、Orn、HN−CH((CH2n−N(R1011))−C(O)又はHN−CH((CH2e−X3)−C(O)であり;
35はGly、β−Ala、D−Ala、Gaba、Ava、HN−(CH2m−C(O)、Aib、Acc又はD−アミノ酸であり;
36はL−又はD−Arg、D−又はL−Lys、D−又はL−hArg、D−又はL−Orn、HN−CH((CH2n−N(R1011))−C(O)、HN−CH((CH2
e−X3)−C(O)であるか又は削除され;
37はGly、β−Ala、Gaba、Ava、Aib、Acc、Ado、Arg、Asp、Aun、Aec、HN−(CH2m−C(O)、HN−CH((CH2n−N(R1011))−C(O)、D−アミノ酸であるか又は削除され;
38はD−又はL−Lys、D−又はL−Arg、D−又はL−hArg、D−又はL−Orn、HN−CH((CH2n−N(R1011))−C(O)、HN−CH((CH2
e−X3)−C(O)、Ava、Ado、Aecであるか又は削除され;
39はD−又はL−Lys、D−又はL−Arg、HN−CH((CH2n−N(R1011))−C(O)、Ava、Ado又はAecであり;
1は、それぞれの出現につき、(C1−C6)アルキル、OH及びハロからなる群から独
立して選択され;
1はOH、NH2、(C1−C30)アルコキシ又はNH−X2−CH2−Z0であり{ここでX2は(C1−C12)炭化水素部分であり、Z0はH、OH、CO2H又はCONH2である
};
3
【0007】
【化1】

【0008】
【化2】

【0009】
又は−C(O)−NHR12であり{ここで、X4は、それぞれの出現につき独立して、−
C(O)−、−NH−C(O)−又は−CH2−であり、及びfは、それぞれの出現につ
き独立して、1から29を含む整数である};
2及びR3のそれぞれは、H、(C1−C30)アルキル、(C2−C30)アルケニル、フェニル(C1−C30)アルキル、ナフチル(C1−C30)アルキル、ヒドロキシ(C1−C30
)アルキル、ヒドロキシ(C2−C30)アルケニル、ヒドロキシフェニル(C1−C30)アルキル、及びヒドロキシナフチル(C1−C30)アルキルからなる群から独立して選択さ
れるか;又はR2及びR3の1つは
【0010】
【化3】

【0011】
(C1−C30)アシル、(C1−C30)アルキルスルホニル、C(O)X5
【0012】
【化4】

【0013】
又は
【0014】
【化5】

【0015】
であり{ここで、YはH、OH又はNH2であり;rは0〜4であり;qは0〜4であり
;及びX5は(C1−C30)アルキル、(C2−C30)アルケニル、フェニル(C1−C30)アルキル、ナフチル(C1−C30)アルキル、ヒドロキシ(C1−C30)アルキル、ヒドロキシ(C2−C30)アルケニル、ヒドロキシフェニル(C1−C30)アルキル又はヒドロキシナフチル(C1−C30)アルキルである};
eは、それぞれの出現につき独立して、1から4を含む整数であり;
mは、それぞれの出現につき独立して、5から24を含む整数であり;
nは、それぞれの出現につき独立して、1から5を含む整数であり;
10及びR11のそれぞれは、それぞれの出現につき独立して、H、(C1−C30)アルキ
ル、(C1−C30)アシル、(C1−C30)アルキルスルホニル、−C((NH)(NH2
))又は
【0016】
【化6】

【0017】
であり;及び
12及びR13のそれぞれは、それぞれの出現につき独立して、(C1−C30)アルキルで
ある;
但し:
7がUra、Paa又はPtaである場合、R2及びR3は削除され;
10が(C1−C30)アシル、(C1−C30)アルキルスルホニル、−C((NH)(NH2))又は
【0018】
【化7】

【0019】
である場合、R11はH又は(C1−C30)アルキルであり;
(i)式(I)の化合物の少なくとも1つのアミノ酸は、hGLP−1(7−36,−37又は−38)NH2又はhGLP−1(7−36、−37又は−38)OHのネーティ
ブ配列と同じではなく;
(ii)式(I)の化合物は、1つの位置がAlaにより置換されたhGLP−1(7−36,−37又は−38)NH2又はhGLP−1(7−36、−37又は−38)OH
の類似体ではなく;
(iii)式(I)の化合物は、(Arg26,34,Lys38)hGLP−1(7−38)
−E、(Lys26(Nε−アルカノイル))hGLP−1(7−36,−37又は−38)−E、(Lys34(Nε−アルカノイル))hGLP−1(7−36,−37又は−38)−E、(Lys26,34−ビス(Nε−アルカノイル))hGLP−1(7−36,−
37又は−38)−E、(Arg26,Lys34(Nε−アルカノイル))hGLP−1(8−36,−37又は−38)−E、(Arg26,34,Lys36(Nε−アルカノイル)
hGLP−1(7−36,−37又は−38)−E又は(Arg26,34,Lys38(Nε
−アルカノイル)hGLP−1(7−38)−Eではなく(ここでEは−OH又は−NH2である);
(iv)式(I)の化合物はZ1−hGLP−1(7−36,−37又は−38)−OH
又はZ1−hGLP−1(7−36,−37又は−38)−NH2ではなく{ここでZ1
以下の群から選択される:
(a)(Arg26),(Arg34),(Arg26,34),(Lys36),(Arg26
Lys36),(Arg34,Lys36),(D−Lys36),(Arg36),(D−Arg36),(Arg26,34,Lys36)又は(Arg26,36,Lys34);
(b)(Asp21);
(c)(Aib8),(D−Ala8)及び(Asp9)のうち少なくとも1つ;及び
(d)(Tyr7),(N−アシル−His7),(N−アルキル−His7),(N−
アシル−D−His7)又は(N−アルキル−D−His7)};
(v)式(I)の化合物は群(a)〜(d)に列挙した置換基のいずれか2つの組み合わせではなく;及び
(vi)式(I)の化合物は(N−Me−Ala8)hGLP−1(8−36又は−37
)、(Glu15)hGLP−1(7−36又は−37)、(Asp21)hGLP−1(7−36又は−37)又は(Phe31)hGLP−1(7−36又は−37)ではない]、又はその製剤的に許容される塩に向けられている。
【0020】
直前に述べた化合物群の好ましい化合物の群は、A11がThrであり;A13がThrであり;A15がAspであり;A17がSerであり;A18がSer又はLysであり;A21がGluであり;A23がGln又はGluであり;A27がGlu、Leu、Aib又はLysであり;及びA31がTrp、Phe又はβ−Nalである化合物、又はその製剤的に許容される塩である。
【0021】
直前の化合物群の好ましい化合物の群は、A9がGlu、N−Me−Glu又はN−M
e−Aspであり;A12がPhe、Acc、β−Nal又はAicであり;A16がVal、Acc又はAibであり;A19がTyr又はβ−Nalであり;A20がLeu、Acc又はChaであり;A24がAla、Aib又はAccであり;A25がAla、Aib、Acc、Lys、Arg、hArg、Orn、HN−CH((CH2n−N(R1011))−C(O)又はHN−CH((CH2e−X3)−C(O)であり;A28がPhe又はβ
−Nalであり;A29がIle又はAccであり;A30がAla又はAibであり;A32がLeu、Acc又はChaであり;及びA33がVal、Lys又はAccである化合物、又はその製剤的に許容される塩である。
【0022】
直前の化合物群の好ましい化合物の群は、A8がAla、D−Ala、Aib、A6c
、A5c、N−Me−Ala、N−Me−D−Ala又はN−Me−Glyであり;A10がGlyであり;A12がPhe、β−Nal、A6c又はA5cであり;A16がVal、A6c又はA5cであり;A20がLeu、A6c、A5c又はChaであり;A22がGly、β−Ala、Glu又はAibであり;A24がAla又はAibであり;A29がIle、A6c又はA5cであり;A32がLeu、A6c、A5c又はChaであり;A33がVal、Lys、A6c又はA5cであり;A35がAib、β−Ala、Ado、A6c
、A5c、D−Arg又はGlyであり;及びA37がGly、Aib、β−Ala、Ado、D−Ala、Ava、Asp、Aun、D−Asp、D−Arg、Aec、HN−CH((CH2n−N(R1011))−C(O)であるか又は削除されている化合物、又はその製剤的に許容される塩である。
【0023】
直前の化合物群の好ましい化合物の群は、X4がそれぞれの出現につき−C(O)−で
あり;及びR1がOH又はNH2である化合物、又はその製剤的に許容される塩である。
直前の化合物群の好ましい化合物の群又はその製剤的に許容される塩では、R2がHで
あり、R3が(C1−C30)アルキル、(C2−C30)アルケニル、(C1−C30)アシル、(C1−C30)アルキルスルホニル、
【0024】
【化8】

【0025】
【化9】

【0026】
又は
【0027】
【化10】

【0028】
である。
式(I)の好ましい化合物は、A8がAla、D−Ala、Aib、A6c、A5c、
N−Me−Ala、N−Me−D−Ala又はN−Me−Glyであり;A10がGlyであり;A12がPhe、β−Nal、A6c又はA5cであり;A16がVal、A6c又はA5cであり;A20がLeu、A6c、A5c又はChaであり;A22がGly、β−Ala、Glu又はAibであり;A24がAla又はAibであり;A29がIle、A6c又はA5cであり;A32がLeu、A6c、A5c又はChaであり;A33がVal、Lys、A6c又はA5cであり;A35がAib、β−Ala、Ado、A6c、A5c、D−Arg又はGlyであり;及びA37がGly、Aib、β−Ala、Ado、D−Ala、Ava、Asp、Aun、D−Asp、D−Arg、Aec、HN−CH((CH2n−N(R1011))−C(O)であるか又は削除されていて;X4がそれぞれの出現
につき−C(O)−であり;eがそれぞれの出現につき独立して1又は2であり;R1
OH又はNH2であり;R10が(C1−C30)アシル、(C1−C30)アルキルスルホニル
、又は
【0029】
【化11】

【0030】
であり、及びR11がHである化合物、又はその製剤的に許容される塩である。
直前の化合物群でより好ましいのは、R10が(C4−C20)アシル、(C4−C20)アル
キルスルホニル又は
【0031】
【化12】

【0032】
である化合物、又はその製剤的に許容される塩である。
式(I)のより好ましい化合物は、以下の式である前記化合物、又はその製剤的に許容される塩である:
(Aib8,35)hGLP−1(7−36)NH2
((Nα−HEPES−His)7,Aib8,35)hGLP−1(7−36)NH2
((Nα−HEPA−His)7,Aib8,35)hGLP−1(7−36)NH2
(Aib8,β−Ala35)hGLP−1(7−36)NH2
(Aib8,35,Arg26,34,Lys36(Nε−テトラデカノイル))hGLP−1(7
−36)NH2
(Aib8,35,Arg26,Lys34(Nε−テトラデカノイル))hGLP−1(7−36)NH2
(Aib8,35,37,Arg26,34,Lys38(Nε−テトラデカノイル))hGLP−1(7−38)NH2
(Aib8,35,Arg26,34,Lys36(Nε−デカノイル))hGLP−1(7−36
)NH2
(Aib8,35,Arg26,34,Lys36(Nε−ドデカンスルホニル))hGLP−1(
7−36)NH2
(Aib8,35,Arg26,34,Lys36(Nε−2−(4−テトラデシル−1−ピペラジ
ン)−アセチル)))hGLP−1(7−36)NH2
(Aib8,35,Arg26,34,Asp36(1−(4−テトラデシル−ピペラジン)))h
GLP−1(7−36)NH2
(Aib8,35,Arg26,34,Asp36(1−テトラデシルアミノ))hGLP−1(7
−36)NH2
(Aib8,35,Arg26,34,Lys36(Nε−テトラデカノイル),β−Ala37)h
GLP−1(7−37)OH又は
(Aib8,35,Arg26,34,Lys36(Nε−テトラデカノイル))hGLP−1(7
−36)OH。
【0033】
直前の化合物群の中でより好ましいのは以下の式である化合物、又はその製剤的に許容される塩である:
(Aib8,35)hGLP−1(7−36)NH2
(Aib8,β−Ala35)hGLP−1(7−36)NH2
(Aib8,35,Arg26,Lys34(Nε−テトラデカノイル))hGLP−1(7−36)NH2
(Aib8,35,37,Arg26,34,Lys38(Nε−テトラデカノイル))hGLP−1(7−38)NH2
(Aib8,35,Arg26,34,Lys36(Nε−デカノイル))hGLP−1(7−36
)NH2、又は
(Aib8,35,Arg26,34,Lys36(Nε−テトラデカノイル),β−Ala37)h
GLP−1(7−37)OH。
【0034】
式(I)のもう1つのより好ましい化合物は、以下の式である前記化合物であるか、又はその製剤的に許容される塩である:
【0035】
【化13】

【0036】
【化14】

【0037】
式(I)のもう1つのより好ましい化合物は、以下にある本発明の開示の実施例部分に特に列挙されている化合物群のそれぞれであるか、又はその製剤的に許容される塩である。
【0038】
もう1つの側面では、本発明は、上記に定義したような式(I)の化合物又はその製剤的に許容される塩の有効量と製剤的に許容される担体又は希釈剤を含んでなる医薬組成物を提供する。
【0039】
さらにもう1つの側面では、本発明は、GLP−1受容体からの作動効果をそれが必要とされる被検者において誘導する、上記に定義したような式(I)の化合物又はその製剤的に許容される塩の有効量を前記被検者へ投与することを含む方法を提供する。
【0040】
さらなる側面では、本発明は、I型糖尿病、II型糖尿病、肥満、グルカゴノーマ、気道の分泌障害、代謝性障害、関節炎、骨粗鬆症、中枢神経系疾患、再狭窄、神経変性疾患、腎不全、うっ血性心不全、ネフローゼ症候群、肝硬変、肺浮腫、高血圧、及び食物摂取の低減が所望される障害からなる群から選択される疾患を治療が必要とされる被検者において治療する、上記に定義したような式(I)の化合物又はその製剤的に許容される塩の有効量を前記被検者へ投与することを含む方法を提供する。直前の方法の好ましい方法では、治療される疾患はI型糖尿病又はII型糖尿病である。
【0041】
N末端アミノ酸を例外とし、本明細書に開示されるアミノ酸のあらゆる略号(例、Ala)は、−NH−CH(R)−CO−の構造を表し、ここでRはアミノ酸の側鎖である(
例えば、AlaではCH3)。N末端アミノ酸では、略号は(R23)−N−CH(R)
−CO−の構造を表し、ここでRはアミノ酸の側鎖であり、R2及びR3は上記の定義通りであるが、A7がUra、Paa又はPtaである場合、Ura、Paa及びPtaがこ
こではdes−アミノ酸と考えられるので、R2とR3は存在しない。Amp、β−Nal、Nle、Cha、3−Pal、4−Pal及びAibは、それぞれ、以下のα−アミノ酸の略号である:4−アミノ−フェニルアラニン、β−(2−ナフチル)アラニン、ノルロイシン、シクロヘキシルアラニン、β−(3−ピリジニル)アラニン、β−(4−ピリジニル)アラニン及びα−アミノイソ酪酸。他のアミノ酸の定義は以下の通りである:Uraはウロカン酸;Ptaは(4−ピリジルチオ)酢酸;Paaはtrans−3−(3−ピリジル)アクリル酸;Tma−HisはN,N−テトラメチルアミジノ−ヒスチジン;N−Me−AlaはN−メチル−アラニン;N−Me−GlyはN−メチル−グリシン;N−Me−GluはN−メチル−グルタミン酸;Tleはtert−ブチルグリシン;Abuはα−アミノ酪酸;Tbaはtert−ブチルアラニン;Ornはオルニチン;Aibはα−アミノイソ酪酸;β−Alaはβ−アラニン;Gabaはγ−アミノ酪酸;Avaは5−アミノ吉草酸;Adoは12−アミノドデカン酸;Aicは2−アミノインダン−2−カルボン酸;Aunは11−アミノウンデカン酸;及びAecは、以下の構造式
【0042】
【化15】

【0043】
により表される、4−(2−アミノエチル)−1−カルボキシメチルピペラジンである。
Accが意味するものは、1−アミノ−1−シクロプロパンカルボン酸(A3c);1−アミノ−1−シクロブタンカルボン酸(A4c);1−アミノ−1−シクロペンタンカルボン酸(A5c);1−アミノ−1−シクロヘキサンカルボン酸(A6c);1−アミノ−1−シクロヘプタンカルボン酸(A7c);1−アミノ−1−シクロオクタンカルボン酸(A8c);及び1−アミノ−1−シクロノナンカルボン酸(A9c)の群から選択されるアミノ酸である。上記の式では、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシフェニルアルキル、及びヒドロキシナフチルアルキルは、1〜4個のヒドロキシ置換基を含有し得る。COX5は−C=O・X5を表す。−C=O・X5の例には、限定しないが、アセチル及びフ
ェニルプロピオニルが含まれる。
【0044】
Lys(Nε−アルカノイル)が意味するものは以下の構造により表される:
【0045】
【化16】

【0046】
Lys(Nε−アルキルスルホニル)が意味するものは以下の構造により表される:
【0047】
【化17】

【0048】
Lys(Nε−(2−(4−アルキル−1−ピペラジン)−アセチル))が意味するものは以下の構造により表される:
【0049】
【化18】

【0050】
Asp(1−(4−アルキル−ピペラジン))が意味するものは以下の構造により表される:
【0051】
【化19】

【0052】
Asp(1−アルキルアミノ)が意味するものは以下の構造により表される:
【0053】
【化20】

【0054】
Lys(Nε−Aec−アルカノイル)が意味するものは以下の構造により表される:
【0055】
【化21】

【0056】
上述した諸構造におけるnの変数は1〜30である。Lys(Nε−ace−アルカノイル)が意味するものは以下の構造により表される:
【0057】
【化22】

【0058】
本明細書に使用される他の略号の完全な名称は以下の通りである:Boc=t−ブチルオキシカルボニル、HF=フッ化水素、Fm=ホルミル、Xan=キサンチル、Bzl=ベンジル、Tos=トシル、DNP=2,4−ジニトロフェニル、DMF=ジメチルホルムアミド、DCM=ジクロロメタン、HBTU=2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム・ヘキサフルオロリン酸、DIEA=ジイソプロピルエチルアミン、HOAc=酢酸、TFA=トリフルオロ酢酸、2ClZ=2−クロロベンジルオキシカルボニル、2BrZ=2−ブロモベンジルオキシカルボニル、OcHex=O−シクロヘキシル、Fmoc=9−フルオレニルメトキシカルボニル、HOBt=N−ヒドロキシベンゾトリアゾール、及びPAM樹脂=4−ヒドロキシメチルフェニルアセトアミドメチル樹脂。
【0059】
「ハロ」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを含む。
「(C1−C30)炭化水素部分」という用語は、アルキル、アルケニル及びアルキニル
を含み、アルケニル及びアルキニルの場合はC2−C30である。
【0060】
本発明のペプチドはまた、本明細書では別の形式により、天然の配列から置換されたアミノ酸を最初の括弧のなかに配置して、例えば(A5c8)hGLP−1(7−36)N
2と示される(例えば、hGLP−1のAla8に対するA5c8)。略号GLP−1は
グルカゴン様ペプチド−1を意味する;hGLP−1はヒトグルカゴン様ペプチド−1を意味する。括弧内の数字はこのペプチドに存在するアミノ酸の位数を意味する(例えば、hGLP−1(7−36)はヒトGLP−1のペプチド配列のアミノ酸7位〜36位である。hGLP−1(7−37)の配列が Mojsov, S., Int. J. Peptide Protein Res., 40, 1992, pp. 333-342 に挙げられている。hGLP−1(7−36)NH2における「NH2」の明示はこのペプチドのC末端がアミド化されていることを示す。hGLP−1(
7−36)はC末端がフリーの酸であることを示す。hGLP−1(7−38)では、37位及び38位の残基は、それぞれ、Gly及びArgである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0061】
発明の詳細な説明
本発明のペプチドは標準的な固相ペプチド合成により製造し得る。例えば、Stewart, J. M., et al., Solid Phase Synthesis (Pierce Chemical Co., 2d ed. 1984) を参照の
こと。上記一般式の置換基R2及びR3は、当技術分野で知られている標準法により、N末端アミノ酸のフリーアミンに付けることが可能である。例えば、アルキル基、例えば(C1−C30)アルキルは、還元的アルキル化を使用して付けることができる。ヒドロキシア
ルキル基、例えば(C1−C30)ヒドロキシアルキルも、フリーのヒドロキシル基がt−
ブチルエステルで保護されている還元的アルキル化を使用して付けることができる。アシル基、例えばCOE1は、処理済の樹脂を3モル当量のフリー酸及びジイソプロピルカル
ボジイミドとともに塩化メチレンにおいて1時間混合することにより、フリーの酸、例え
ばE1COOHをN末端アミノ酸のフリーアミンへカップリングさせることによって付け
ることができる。フリーの酸がフリーのヒドロキシ基を含有する場合(例えば、p−ヒドロキシフェニルプロピオン酸)、このカップリングはさらに3モル当量のHOBTとともに実施されるべきである。
【0062】
1がNH−X2−CH2−CONH2(即ち、Z0=CONH2)である場合、ペプチドの合成はBoc−HN−X2−CH2−COOHをMBHA樹脂へカップルさせることから始まる。R1がNH−X2−CH2−COOH(即ち、Z0=COOH)である場合、ペプチドの合成はBoc−HN−X2−CH2−COOHをPAM樹脂へカップルさせることから始まる。この特定の工程では、4モル当量のBoc−HN−X2−CH2−COOH、HBTU及びHOBtと10モル当量のDIEAが使用される。カップリング時間は約8時間である。
【0063】
保護化アミノ酸、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−1−シクロヘキサン−カルボン酸(Boc−A6c−OH)を以下のように合成した。1−アミノ−1−シクロヘキサンカルボン酸(Acros Organics,Fisher Scientific,ピッツバーグ、PA)19.1g(0.133モル)をジオキサン200ml及び水100mlに溶かした。それへ2N NaOH 67mlを加えた。この溶液を氷水浴に冷やした。ジ−tert−ブチル−ジカーボネート32.0g(0.147モル)をこの溶液へ加えた。この反応混合液を室温で一晩撹拌した。次いで、減圧下でジオキサンを除去した。この残存した水溶液へ酢酸エチル200mlを加えた。この混合液を氷水浴に冷やした。4N HClを加えることによって、水層のpHを約3へ調整した。有機層を分離した。水層を酢酸エチル(1x100ml)で抽出した。2つの有機層を一緒にし、水(2x150ml)で洗浄し、無水MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃
縮乾固させた。酢酸エチル/ヘキサンにおいて残渣を再結晶させた。純生成物9.2gを得た。収率29%。
【0064】
Boc−A5c−OHはBoc−A6c−OHに類似したやり方で合成した。他の保護化Accアミノ酸も、本明細書の教示により可能なように、類似したやり方で当業者により製造し得る。
【0065】
A5c、A6c及び/又はAibを含有する本発明のGLP−1類似体の合成においては、上記の残基群とその直後に述べた残基につき、カップリング時間は2時間である。(Tma−His7)hGLP−1(7−36)NH2の合成については、最終のカップリング反応において、HBTU(2ミリモル)及びDIEA(1.0ml)/DMF 4mlを使用して、ペプチド−樹脂のN末端フリーアミンと反応させるが、このカップリング時間は約2時間である。
【0066】
上記一般式の置換基R2及びR3は、当技術分野で知られている標準法により、N末端アミノ酸のフリーアミンに付けることが可能である。例えば、アルキル基、例えば(C1
30)アルキルは、還元的アルキル化を使用して付けることができる。ヒドロキシアルキル基、例えば(C1−C30)ヒドロキシアルキルも、フリーのヒドロキシル基がt−ブチ
ルエステルで保護されている還元的アルキル化を使用して付けることができる。アシル基、例えばCOX1は、処理済の樹脂を3モル当量のフリー酸及びジイソプロピルカルボジ
イミドとともに塩化メチレンにおいて1時間混合することにより、フリーの酸、例えばX1COOHをN末端アミノ酸のフリーアミンへカップリングさせることによって付けるこ
とができる。フリーの酸がフリーのヒドロキシ基を含有する場合(例えば、p−ヒドロキシフェニルプロピオン酸)、このカップリングはさらに3モル当量のHOBTとともに実施されるべきである。
【0067】
本発明の化合物は、以下の方法により、GLP−1受容体に結合する化合物としての活性について試験し得る。
【0068】
細胞培養:
GLP−1受容体を発現する、RIN 5F ラットインスリノーマ細胞(ATCC−# CRL−2058,American Type Culture Collection,マナッサス、VA)を、10%胎仔血清含有ダルベッコ改良イーグル培地(DMEM)で培養し、5% CO2/95%空気の加湿気体において約37℃に維持した。
【0069】
放射リガンド結合:
放射リガンド結合試験のために、Brinkman Polytron(ウェストベリー、NY)(目盛6にセット、15秒)を用いて、氷冷50mM トリス−HCl 20mlにおいてRIN細胞を均質化することにより膜を調製した。このホモジェネートを遠心分離(39,000g/10分)により2回洗浄し、最終ペレットを、2.5mM MgCl2,バシトラシン(シグマケミカル、セントルイス、MO)0.1mg/ml、及
び0.1% BSAを含有する50mM トリス−HClに再懸濁させた。アッセイでは、0.05nM(125I)GLP−1(7−36)(〜2200Ci/ミリモル、New
England Nuclear、ボストン、MA)とともに、非標識の競合試験ペプチド0.05mlとともにか、又は含まずに、アリコート(0.4ml)をインキュベートした。100分のインキュベーション(25℃)後に、0.5%ポリエチレンイミンに前もって浸漬しておいたGF/Cフィルター(Brandel,ゲイサースブルグ、MD)を通す高速濾過により、結合した(125I)GLP−1(7−36)をフリーのものか
ら分離した。次いで、氷冷した50mMトリス−HClのアリコート5mlを用いてこのフィルターを3回洗浄し、フィルター上にトラップされた結合放射活性をガンマ分析計(Wallac LKB,ゲイサースブルグ、MD)により計数した。[全(125I)GL
P−1(7−36)結合]から[GLP−1(7−36)(Bachem,トーランス、CA)1000nM存在下での結合]を差引いたものを特異的な結合と定義した。
【0070】
本発明のペプチドは製剤的に許容される塩の形態で提供され得る。そのような塩の例には、限定しないが、有機酸(例、酢酸、乳酸、マレイン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、コハク酸、安息香酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸又はパモン酸)、無機酸(例、塩酸、硫酸、又はリン酸)及びポリマーの酸(例、タンニン酸、カルボキシメチルセルロース、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、又はポリ乳酸−グリコール酸のコポリマー)とともに形成されるものが含まれる。本発明のペプチドの塩を製造する典型的な方法は当技術分野でよく知られていて、塩交換の標準法により達成し得る。従って、本発明のペプチドのTFA塩(TFA塩は、緩衝溶液含有TFAで溶出させる調製用HPLCを使用することによってペプチドの精製から生じる)は、少量の0.25N酢酸水溶液にこのペプチドを溶かすことによって酢酸塩のような別の塩へ変換することができる。生成した溶液を半調製用HPLCカラム(Zorbax,300SB,C−8)にかける。このカラムを(1)0.1N酢酸アンモニウム水溶液、0.5時間(2)0.25N酢酸水溶液、0.5時間、及び(3)線形勾配(20%〜100%のB溶液、30分)、流速4ml/分(A溶液:0.25N酢酸水溶液;B溶液:0.25N酢酸のアセトニトリル/水、80:20溶液)で溶出させる。ペプチドを含有する分画を回収し、凍結乾燥させる。
【0071】
当業者によく知られているように、GLP−1の既知の使用と潜在的な使用は様々で、多岐に渡っている(Todd, J. F. et al., Clinical Science, 1998, 95, pp. 325-329;
及び Todd, J. F. et al., European Journal of Clinical Investigation, 1997, 27 pp. 533-536 を参照のこと)。従って、作動効果を誘導する目的のために本発明の化合物を投与すると、GLP−1そのものと同じ効果及び使用を有し得る。こういったGLP−1
の様々な使用は以下のように要約し得る:I型糖尿病、II型糖尿病、肥満、グルカゴノーマ、気道の分泌障害、代謝性障害、関節炎、骨粗鬆症、中枢神経系疾患、再狭窄、神経変性疾患、腎不全、うっ血性心不全、ネフローゼ症候群、肝硬変、肺浮腫、高血圧、及び食物摂取の低減が所望される障害の治療。被検者から拮抗効果を誘導する本発明のGLP−1類似体は、以下を治療するために使用し得る:低血糖症、及び胃切除又は小腸切除に関連した吸収不全症候群。
【0072】
従って、本発明は、製剤的に許容される担体とともに有効成分として式(I)の化合物群の少なくとも1つを含んでなる医薬組成物を、その範囲内に包含する。
【0073】
本発明の組成物にある有効成分の用量は変化し得るが、有効成分の量は好適な剤形が得られるようなものであることが必要である。選択される投与量は、所望される治療効果、投与経路、及び治療期間に依存する。一般に、本発明の諸活性に有効な投与量は、1x10-7〜200mg/kg/日、好ましくは1x10-4〜100mg/kg/日の範囲にあり、これは単回用量として投与し得るか又は数回投与へ分割し得る。
【0074】
本発明の化合物は、経口、腸管外(例、筋肉内、腹腔内、静脈内又は皮下注射、又は埋め込み)、鼻、膣、直腸、舌下又は局所の投与経路により投与され、製剤的に許容される担体と製剤化されてそれぞれの投与経路に適した剤形を提供し得る。
【0075】
経口投与用の固体剤形には、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉末及び顆粒剤が含まれる。そのような固体剤形では、活性化合物が、スクロース、ラクトース又はデンプンのような少なくとも1種の製剤的に許容される不活性な担体とともに混和される。そのような剤形は、普通の方法として、そのような不活性希釈剤以外の追加物質、例えば、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤も含み得る。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、剤形は緩衝剤を含む場合がある。錠剤と丸剤は、さらに腸溶コーティング剤とともに製造し得る。
【0076】
経口投与用の液体剤形には、当技術分野で通常使用される水のような不活性希釈剤を含有する、製剤的に許容される乳液、溶液、懸濁液、シロップ、エリキシル液が含まれる。そのような不活性希釈剤とは別に、組成物は、湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、甘味剤、フレーバー及び芳香剤のようなアジュバントを包含し得る。
【0077】
本発明による腸管外投与の調製物には、滅菌の水溶液又は非水溶液、懸濁液又は乳液が含まれる。非水性の溶媒又は担体の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油やトウモロコシ油のような植物油、ゼラチン、及びオレイン酸エチルのような注射可能な有機エステルである。そのような剤形はまた、保存剤、湿潤剤、乳化剤、及び分散剤のようなアジュバントを含有し得る。それらは、例えば、細菌保持フィルターを通した濾過、滅菌剤を組成物へ取込むこと、組成物に照射すること、又は組成物を加熱することによって滅菌し得る。それらはまた、使用直前に滅菌水か又は他の無菌媒体に溶かし得る無菌の固体組成物の形態でも製造し得る。
【0078】
直腸又は膣に投与する組成物は、好ましくは、有効成分に加えて、ココア脂や坐剤用ワックスのような賦形剤を含有し得る坐剤である。
鼻内又は舌下に投与する組成物もまた当技術分野でよく知られている標準的な賦形剤とともに製造される。
【0079】
さらに、本発明の化合物は、以下の特許及び特許出願に記載されたような徐放性組成物において投与し得る。米国特許第5,672,659号は、生物活性剤及びポリエステルを含んでなる徐放性組成物を教示する。米国特許第5,595,760号は、ゲル化し得る形態に生物活性剤を含んでなる徐放性組成物を教示する。1997年9月9日に出願さ
れた米国特許出願第08/929,363号は、生物活性剤及びキトサンを含んでなる高分子性の徐放性組成物を教示する。1996年11月1日に出願された米国特許出願第08/740,778号は、生物活性剤及びシクロデキストリンを含んでなる徐放性組成物を教示する。1998年1月29日に出願された米国特許出願第09/015,394号は、生物活性剤の吸収可能な徐放性組成物を教示する。1998年7月23日に出願された米国特許出願第09/121,653号は、ペプチドのような治療薬を含んでなるミクロ粒子を水中油型の方法で製造する方法を教示する。1998年8月10日に出願された米国特許出願第09/131,472号は、ペプチドのような治療薬とリン酸化したポリマーを含んでなる複合体を教示する。1998年11月2日に出願された米国特許出願第09/184,413号は、ペプチドのような治療薬と重合化しないラクトンを担うポリマーを含んでなる複合体を教示する。上述の特許及び出願は参照により本明細書に組込まれている。
【0080】
特に断らなければ、本明細書に使用されるあらゆる技術及び科学の用語は、本発明が属する当技術分野の当業者により普通に理解されるのと同じ意味を有する。また、上記に述べたあらゆる出版物、特許出願、特許及び他の文献は、参照により本明細書に組込まれている。
【0081】
以下の実施例では本発明のペプチドを製造する合成法について説明するが、この方法は当業者のよく知るところである。当業者に知られている他の方法もある。この実施例は説明のために提供されるのであって、本発明の範囲を決して制限するためのものではない。
【0082】
Boc−β−Ala−OH、Boc−D−Arg(Tos)−OH及びBoc−D−Asp(OcHex)は、Nova Biochem,サンディエゴ、カリフォルニアから購入した。Boc−Aun−OHは、Bachem,King of Prussia,PAから購入した。Boc−Ava−OH及びBoc−Ado−OHは、Chem−Impex International,Wood Dale,ILから購入した。Boc−Nal−OHは、Synthetech,Inc.,アルバニー、ORから購入した。
【実施例】
【0083】
実施例1:(Aib8,35)hGLP−1(7−36)NH2
加速化されたBoc−ケミストリー固相ペプチド合成を実行するように改良されたApplied Biosystems(フォスターシティ、CA)モデル 430Aペプチド合成機において表題ペプチドを合成した。Schnolzer, et al., Int. J. Peptide Protein Res., 90: 180 (1992) を参照のこと。0.91ミリモル/gの置換基を有する4−メチルベンズヒドリルアミン(MBHA)樹脂(Peninsula,ベルモント、CA)を使用した。以下の側鎖保護を有するBocアミノ酸(Bachem,CA,トーランス、CA;Nova Biochem.,ラジョラ、CA)を使用した:Boc−Ala−OH、Boc−Arg(Tos)−OH、Boc−Asp(OcHex)−OH、Boc−Tyr(2BrZ)−OH、Boc−His(DNP)−OH、Boc−Val−OH、Boc−Leu−OH、Boc−Gly−OH、Boc−Gln−OH、Boc−Ile−OH、Boc−Lys(2ClZ)−OH、Boc−Thr(Bzl)−OH、Boc−Ser(Bzl)−OH、Boc−Phe−OH、Boc−Aib−OH、Boc−Glu(OcHex)−OH及びBoc−Trp(Fm)−OH。合成は0.20ミリモルのスケールで実行した。Boc基は、100% TFA、2x1分の処理で除去した。Bocアミノ酸(2.5ミリモル)をHBTU(2.0ミリモル)及びDIEA(1.0mL)/DMF 4mLでプレ活性化し、ペプチド−樹脂TFA塩の先行中和をせずにカップルさせた。カップリング時間は5分であったが、Boc−Aib−OH残基と以下の残基、Boc−Lys(2ClZ)−OH及びBoc−His(DNP)−OHではカップリング時間を2時間とした。
【0084】
ペプチド鎖の組立て終了時に、20%メルカプトエタノール/10% DIEAのDMF溶液で2x30分間樹脂を処理し、His側鎖上のDNP基を除去した。次いで、100% TFA、2x2分の処理によりN末端Boc基を除去した。ペプチド−樹脂を10% DIEA/DMFで中和(1x1分)した後に、15%エタノールアミン/15%水/70% DMFの溶液で2x30分処理することにより、Trpの側鎖上のホルミル基を除去した。このペプチド−樹脂をDMF及びDCMで洗浄し、減圧下で乾燥させた。アニソール1mL及びジチオスレイトール(24mg)を含有するHF 10mLにおいて、0℃で75分間このペプチド−樹脂を撹拌することによって、最後の開裂を実施した。窒素流によりHFを除去した。残渣をエーテル(6x10mL)で洗浄し、4N HOAc(6x10mL)で抽出した。
【0085】
水性抽出液中のペプチド混合物を、逆相VYDAC(登録商標)C18カラム(Nest
Group,Southborough,MA)を使用する調製用逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で精製した。流速10mL/分の線形勾配液(20%〜50%の溶液B、105分)を用いてカラムを溶出させた(溶液A=0.1% TFAを含有する水;溶液B=0.1% TFA含有アセトニトリル)。分画を回収し、分析用HPLCで検査した。純生成物を含有する分画を一緒にし、凍結乾燥させて、白色の固形物135mgを得た。分析用HPLC分析に基づけば、純度は98.6%であった。エレクトロ−スプレイ質量分析(MS(ES))は、分子量3339.7を示した(計算の分子量:3339.7に一致した)。
【0086】
実施例2:((Nα−HEPES−His)7,Aib8,35)hGLP−1(7−36)
NH2
表題化合物(HEPESは(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジン−エタンスルホン酸)である)は、以下のように合成し得る:実施例1の方法によりMBHA樹脂(0.20ミリモル)上でペプチド(Aib8,35)hGLP−1(7−36)NH2を組
立てた後に、このペプチド−樹脂を100% TFA(2x2分)で処理し、DMF及びDCMで洗浄する。次いで、10% DIEA/DMF、2分間でこの樹脂を中和する。DMF及びDCMで洗浄した後、2−クロロ−1−エタンスルホニルクロリド(0.23ミリモル)及びDIEA(0.7ミリモル)/DMFでこの樹脂を約1時間処理する。DMF及びDCMで樹脂を洗浄し、2−ヒドロキシエチルピペラジン1.2ミリモルで約2時間処理する。この樹脂をDMF及びDCMで洗浄し、種々の試薬((1)20%メルカプトエタノール/10% DIEA/DMF、及び(2)15%エタノールアミン/15%水/70% DMF)で処理し、上記のように、ペプチドの樹脂からの最終的なHF開裂の前に、His側鎖上のDNP基とTrp側鎖上のホルミル基を除去する。
【0087】
実施例3:((Nα−HEPA−His)7,Aib8,35)hGLP−1(7−36)N
2
表題化合物(HEPAは(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジン−アセチル)である)は、((Nα−HEPES−His)7,Aib8,35)hGLP−1(7−3
6)NH2を合成する実施例2に記載の方法により実質的に合成し得る。ただし、2−ク
ロロ−1−エタンスルホニルクロリドの代わりに2−ブロモ無水酢酸を使用する。
【0088】
実施例4:(Aib8,β−Ala35)hGLP−1(7−36)NH2
表題化合物は、適切な保護化アミノ酸を使用して、実質的に実施例1に記載の方法により合成した。MS(ES)は、分子量3325.7を示した(計算分子量=3325.8)。純度=99%、収量=85mg。
【0089】
本発明の他の化合物の合成は、上記実施例1の(Aib8,35)hGLP−1(7−36
)NH2の合成についての記載と実質的に同じやり方で達成し得るが、所望のペプチドに
応じて適切な保護化アミノ酸を使用する。
【0090】
実施例5:(Aib8,35,Arg26,34,Lys36(Nε−テトラデカノイル))hGL
P−1(7−36)NH2
使用するBocアミノ酸は、実施例1に記載した(Aib8,35)hGLP−1(7−36)NH2の合成の場合と同じであったが、この実施例ではFmoc−Lys(Boc)
−OHを使用した。最初のアミノ酸残基をシェーカー上で手動により樹脂へカップルさせた。Fmoc−Lys(Boc)−OH 2.5ミリモルを0.5N HBTU/DMF
4mLに溶かした。この溶液へDIEA 1mLを加えた。この混合液を約2分間振盪した。次いで、この溶液へMBHA樹脂(置換基=0.91ミリモル/g)0.2ミリモルを加えた。この混合液を約1時間振盪した。DMFでこの樹脂を洗浄し、100% TFAで2x2分処理してBoc保護基を除去した。樹脂をDMFで洗浄した。ミリスチン酸(2.5ミリモル)をHBTU(2.0ミリモル)及びDIEA(1.0mL)/DMF 4mLで2分間プレ活性化し、Fmoc−Lys−樹脂にカップルさせた。カップリング時間は約1時間であった。DMFで樹脂を洗浄し、25%ピペリジン/DMFで2x20分処理してFmoc保護基を除去した。樹脂をDMFで洗浄し、ペプチド合成機の反応槽へ移した。ペプチドの合成及び精製法についての以下の工程は、実施例1の(Aib8,35)hGLP−1(7−36)NH2の合成工程と同じであった。表題化合物43.1
mgを白色の固形物として得た。分析用HPLC分析に基づけば、純度は98%であった。エレクトロ−スプレイ質量分析は分子量:3577.7を示し、計算の分子量:3578.7に一致していた。
【0091】
実施例6〜8
実施例6〜8は、適切な保護化アミノ酸と、実施例5で使用したミリスチン酸に代わる適切な酸を使用して、実質的に実施例5に記載の方法により合成した。
【0092】
実施例6:(Aib8,35,Arg26,Lys34(Nε−テトラデカノイル))hGLP−1(7−36)NH2;収量=89.6mg;MS(ES)=3577.2,計算分子量
=3578.7;純度96%。
【0093】
実施例7:(Aib8,35,37,Arg26,34,Lys38(Nε−テトラデカノイル))hGLP−1(7−38)NH2;収量=63.3mg;MS(ES)=3818.7,計算
分子量=3819.5;純度96%。
【0094】
実施例8:(Aib8,35,Arg26,34,Lys36(Nε−デカノイル))hGLP−1
(7−36)NH2;収量=57.4mg;MS(ES)=3521.5,計算分子量=
3522.7;純度98%;酸=デカン酸
【0095】
Lys(Nε−アルカノイル)残基を含有する本発明の他の化合物の合成は、実施例5:(Aib8,35,Arg26,34,Lys36(Nε−テトラデカノイル))hGLP−1(
7−36)NH2について記載の方法に類似したやり方で実行し得る。このペプチドのL
ys(Nε−アルカノイル)残基にFmoc−Lys(Boc)−OHアミノ酸を使用し、Lysの残基にはBoc−Lys(2ClZ)−OHアミノ酸を使用する。Lys(Nε−アルカノイル)残基がC末端でない場合、Lys(Nε−アルカノイル)残基の直前にあるペプチドフラグメントがペプチド合成機の樹脂上で最初に組立てられる。所望のアルカノイルに対応する適切な酸(例、オクタン酸、デカン酸、ラウリル酸及びパルミチン酸)は、アルドリッチケミカル社、ミルウォーキー、WI,USAから購入し得る。
【0096】
実施例9:(Aib8,35,Arg26,34,Lys36(Nε−ドデカンスルホニル))hG
LP−1(7−36)NH2
この合成に使用されるBocアミノ酸は実施例5の合成に使用されるものと同じである。最初のアミノ酸残基をシェーカー上で手動により樹脂へカップルさせる。Fmoc−Lys(Boc)−OH 2.5ミリモルを0.5N HBTU/DMF 4mLに溶かす。この溶液へDIEA 1mLを加える。この混合液を約2分間振盪する。次いで、この溶液へMBHA樹脂(置換基=0.91ミリモル/g)0.2ミリモルを加える。この混合液を約1時間振盪する。DMFで樹脂を洗浄し、100% TFAで2x2分処理してBoc保護基を除去する。この樹脂をDMFで洗浄し、それにDMF 4mL及びDIEA 1mLに溶かした1−ドデカンスルホニルクロリドの0.25ミリモルを加える。この混合液を約2時間振盪する。DMFで樹脂を洗浄し、25%ピペリジン/DMFで2x20分処理してFmoc保護基を除去する。樹脂をDMFで洗浄し、ペプチド合成機の反応槽へ移す。ペプチドの残りの合成及び精製法は、実施例1に記載のものと同じである。
【0097】
Lys(Nε−アルキルスルホニル)残基を含有する本発明の他の化合物の合成は、実施例9に記載の方法に類似したやり方で実行し得る。このペプチドのLys(Nε−アルキルスルホニル)残基にFmoc−Lys(Boc)−OHアミノ酸を使用し、Lysの残基にはBoc−Lys(2ClZ)−OHアミノ酸を使用する。Lys(Nε−アルキルスルホニル)残基がC末端でない場合、Lys(Nε−アルキルスルホニル)残基の直前にあるペプチドフラグメントがペプチド合成機の樹脂上で最初に組立てられる。適切なアルキルスルホニルクロリド(例、1−オクタンスルホニルクロリド、1−デカンスルホニルクロリド、1−ドデカンスルホニルクロリド、1−ヘキサデカンスルホニルクロリド及び1−オクタデシルスルホニルクロリド)は、Lancaster Synthesis Inc.,ウィンダム、NH,USAから入手し得る。
【0098】
実施例10:(Aib8,35,Arg26,34,Lys36(Nε−2−(4−テトラデシル−
1−ピペラジン)−アセチル)))hGLP−1(7−36)NH2
この実施例に使用されるBocアミノ酸は実施例5の合成に使用されるものと同じである。最初のアミノ酸残基をシェーカー上で手動により樹脂へカップルさせる。Fmoc−Lys(Boc)−OH 2.5ミリモルを0.5N HBTU/DMF 4mLに溶かす。この溶液へDIEA 1mLを加える。この混合液を約2分間振盪する。次いで、この溶液へMBHA樹脂(置換基=0.91ミリモル/g)0.2ミリモルを加える。この混合液を約1時間振盪する。DMFでこの樹脂を洗浄し、100% TFAで2x2分処理してBoc保護基を除去する。DMFでこの樹脂を洗浄する。2−ブロモ酢酸(2.5ミリモル)をHBTU(2.0ミリモル)及びDIEA(1mL)/DMF 4mLで約2分間プレ活性化し、樹脂へ加える。この混合液を約10分振盪し、DMFで洗浄する。次いで、この樹脂をピペラジン1.2ミリモル/DMF 4mLで約2時間処理する。樹脂をDMFで洗浄し、1−ヨードテトラデカン2ミリモルで約4時間処理する。DMFで洗浄した後、無水酢酸(3ミリモル)及びDIEA(1mL)/DMF 4mLで樹脂を約0.5時間処理する。この樹脂をDMFで洗浄し、25%ピペリジン/DMFで2x20分処理する。樹脂をDMFで洗浄し、ペプチド合成機の反応槽へ移し、反応を続ける。ペプチドの残りの合成及び精製法は、実施例1に記載のものと同じである。
【0099】
Lys(Nε−(2−(4−アルキル−1−ピペラジン)−アセチル))残基を含有する本発明の他の化合物の合成は、実施例10の合成に記載の方法に類似したやり方で実行される。このペプチドのLys(Nε−(2−(4−アルキル−1−ピペラジン)−アセチル))残基にFmoc−Lys(Boc)−OHアミノ酸を使用し、Lysの残基にはBoc−Lys(2ClZ)−OHアミノ酸を使用する。アルキル化の工程では、Lys(Nε−(2−(4−アルキル−1−ピペラジン)−アセチル))の残基に対応するヨードアルカンを使用する。Lys(Nε−(2−(4−アルキル−1−ピペラジン)−アセチル))残基がC末端でない場合、Lys(Nε−(2−(4−アルキル−1−ピペラジ
ン)−アセチル))残基の直前にあるペプチドフラグメントがペプチド合成機の樹脂上で最初に組立てられる。
【0100】
実施例11:(Aib8,35,Arg26,34,Asp36(1−(4−テトラデシル−ピペラ
ジン)))hGLP−1(7−36)NH2
この実施例に使用されるBocアミノ酸は実施例5の合成に使用されるアミノ酸と同じであるが、36位にはFmoc−Asp(O−tBu)−OHを使用する。最初のアミノ酸残基をシェーカー上で手動により樹脂へカップルさせる。Fmoc−Asp(O−tBu)−OH 2.5ミリモルを0.5N HBTU/DMF 4mLに溶かす。この溶液へDIEA 1mLを加える。この混合液を約2分間振盪する。次いで、この溶液へMBHA樹脂(置換基=0.91ミリモル/g)0.2ミリモルを加える。この混合液を約1時間振盪する。DMFで樹脂を洗浄し、100% TFAで2x15分処理してtBu保護基を除去する。この樹脂をDMFで洗浄し、HBTU(0.6ミリモル)及びDIEA(1mL)/DMF 4mLで約15分処理する。この反応混合液へピペラジン0.6ミリモルを加え、この混合液を約1時間振盪する。DMFで樹脂を洗浄し、1−ヨードテトラデカン3ミリモルで約4時間処理する。DMFで洗浄した後、無水酢酸(3ミリモル)及びDIEA(1mL)/DMF 4mLで樹脂を約0.5時間処理する。この樹脂をDMFで洗浄し、25%ピペリジン/DMFで2x20分処理し、Fmoc保護基を除去する。樹脂をDMFで洗浄し、ペプチド合成機の反応槽へ移し、反応を続ける。ペプチドの残りの合成及び精製法は、実施例1に記載のものと同じである。
【0101】
Asp(1−(4−アルキルピペラジン)又はGlu(1−(4−アルキルピペラジン)残基を含んでなる本発明の他の化合物の合成は、実施例11の合成について記載した方法に類似したやり方で実行される。このペプチドのAsp(1−(4−アルキルピペラジン)又はGlu(1−(4−アルキルピペラジン)残基にFmoc−Asp(O−tBu)−OH又はFmoc−Glu(O−tBu)−OHアミノ酸を使用し、Asp又はGluの残基にはBoc−Asp(OcHex)−OH又はBoc−Glu(OcHex)−OHアミノ酸を使用する。アルキル化の工程では、Lys(Nε−(2−(4−アルキル−1−ピペラジン)−アセチル))の残基に対応するヨードアルカンを使用する。Asp(1−(4−アルキルピペラジン))又はGlu(1−(4−アルキルピペラジン))残基がC末端でない場合、Asp(1−(4−アルキルピペラジン))又はGlu(1−(4−アルキルピペラジン))残基の直前にあるペプチドフラグメントがペプチド合成機の樹脂上で最初に組立てられる。
【0102】
実施例12:(Aib8,35,Arg26,34,Asp36(1−テトラデシルアミノ))hG
LP−1(7−36)NH2
この実施例に使用されるBocアミノ酸は実施例5に使用されるものと同じである。最初のアミノ酸残基をシェーカー上で手動により樹脂へカップルさせる。Fmoc−Asp(O−tBu)−OH 2.5ミリモルを0.5N HBTU/DMF 4mLに溶かす。この溶液へDIEA 1mLを加える。この混合液を約2分間振盪する。次いで、この溶液へMBHA樹脂(置換基=0.91ミリモル/g)0.2ミリモルを加える。この混合液を約1時間振盪する。DMFでこの樹脂を洗浄し、100% TFAで2x15分処理してt−Bu保護基を除去する。樹脂をDMFで洗浄し、HBTU(0.6ミリモル)及びDIEA(1mL)/DMF 4mLで約15分処理する。この反応混合液へ1−テトラデカンアミン 0.6ミリモルを加え、この混合液を約1時間振盪する。DMFで樹脂を洗浄し、25%ピペリジン/DMFで2x20分処理し、Fmoc保護基を除去する。樹脂をDMFで洗浄し、ペプチド合成機の反応槽へ移し、反応を続ける。この実施例のペプチドに関する残りの合成及び精製法は、実施例1の合成に記載のものと同じである。
【0103】
Asp(1−アルキルアミノ)又はGlu(1−アルキルアミノ)残基を含有する本発
明の他の化合物の合成は、実施例12の合成に記載したものと類似したやり方で実行される。このペプチドのAsp(1−アルキルアミノ)又はGlu(1−アルキルアミノ)残基に、Fmoc−Asp(O−tBu)−OH又はFmoc−Glu(O−tBu)−OHアミノ酸をそれぞれ使用し、Asp又はGluの残基にはBoc−Asp(OcHex)−OH又はBoc−Glu(OcHex)−OHアミノ酸をそれぞれ使用する。Asp(1−アルキルアミノ)又はGlu(1−アルキルアミノ)残基がC末端でない場合、Asp(1−アルキルアミノ)又はGlu(1−アルキルアミノ)残基の直前にあるペプチドフラグメントがペプチド合成機の樹脂上で最初に組立てられる。
【0104】
実施例13:(Aib8,35,Arg26,34,Lys36(Nε−テトラデカノイル),β−
Ala37)hGLP−1(7−37)OH
使用するBocアミノ酸は、(Aib8,35,Arg26,34,Lys36(Nε−テトラデ
カノイル))hGLP−1(7−36)NH2(実施例5)の合成に使用されるものと同
じである。Boc−β−Ala−PAM樹脂(Novabiochem,サンディエゴ、カリフォルニア、置換基=0.74ミリモル/g)270mgを使用した。シェーカー上で100% TFAを初めに2x2分用いてBoc−β−Ala−PAM樹脂上のBoc保護基を脱保護化した。残りの合成及び精製法は実施例5のそれと同じであった。表題ペプチド83.0mgを白色の固形物として得た。分析用HPLC分析に基づけば、純度は99%であった。エレクトロ−スプレイ質量分析は分子量:3650.5を示し、計算の分子量:3650.8に一致していた。
【0105】
実施例14:(Aib8,35,Arg26,34,Lys36(Nε−テトラデカノイル))hG
LP−1(7−36)OH
使用するBocアミノ酸は、(Aib8,35,Arg26,34,Lys36(Nε−テトラデ
カノイル))hGLP−1(7−36)NH2(実施例5)の合成に使用されるものと同
じである。Fmoc−Lys(Boc)−OH(2.5ミリモル)をHBTU(2.0ミリモル)、HOBt(2.0ミリモル)及びDIEA(2.5ml)/DMF(4ml)で約2分間プレ活性化する。このアミノ酸を、シェーカー上、手動でPAM樹脂(Chem−Impex,Wood Dale,IL;置換基=0.85ミリモル/g)へカップルさせる。カップリング時間は約8時間である。残りの合成及び精製法は実施例5のそれと同じである。エレクトロ−スプレイ質量分析は分子量:3579.15を示し、計算の分子量:3579.5に一致していた。
【0106】
Lys(Nε−アルカノイル)残基を含有する本発明の他の類似体、hGLP−1(7−36)OH、hGLP−1(7−37)OH及びhGLP−1(7−38)OHの合成は、実施例14の合成に記載した方法と類似したやり方で実行し得る。このペプチドのLys(Nε−アルカノイル)残基にFmoc−Lys(Boc)−OHアミノ酸を使用し、Lysの残基にはBoc−Lys(2ClZ)−OHアミノ酸を使用する。
【0107】
実施例366:(Aib8,β−Ala35,Aec37)hGLP−1(7−37)NH2
反応槽中のMBHA樹脂(0.2ミリモル、置換基=0.91ミリモル/g)、Fmoc−Aec−OH(0.40g,0.829ミリモル)、HBTU(1.5mL,0.5M/DMF)及びDIEA(0.5mL)混合液をシェーカー上で4時間室温で振盪した。次いで、この樹脂をDMFで洗浄し、25% ピペリジン/DMFで2x20分処理した。DMF及びDCMでこの樹脂を洗浄し、ペプチド合成機の反応槽へ移し、実施例1に記載の方法により残りのペプチドの組立てを続けた。精製法も実施例1に記載のものと同じであった。エレクトロ−スプレイ質量分析は分子量:3494.8を示し、計算の分子量:3494.99に一致していた。純度 93%;収量 79.1mg。
【0108】
実施例367:(Aib8,β−Ala35,Aec38)hGLP−1(7−38)NH2
実施例367は、実質的に実施例366に記載の方法により合成した。MS(ES)=3551.7、計算分子量=3552.04;純度 97%;収量 97.4mg。
【0109】
実施例368:(Aib8,β−Ala35,Aec37,38)hGLP−1(7−38)NH2
反応槽中のMBHA樹脂(0.2ミリモル、置換基=0.91ミリモル/g)、Fmoc−Aec−OH(0.289g,0.6ミリモル)、HBTU(1.12mL,0.5M/DMF)及びDIEA(0.4mL)混合液をシェーカー上で2時間室温で振盪した。次いで、この樹脂をDMFで洗浄し、30% ピペリジン/DMFで2x15分処理した。DMFでこの樹脂を洗浄した。この反応槽へFmoc−Aec−OH(0.289g,0.6ミリモル)、HBTU(1.12mL,0.5M/DMF)及びDIEA(0.4mL)を加えた。この混合液を室温で2時間振盪した。この樹脂をDMFで洗浄し、30% ピぺリジン/DMFで2x15分処理した。DMF及びDCMで樹脂を洗浄し、ペプチド合成機の反応槽へ移し、実施例1に記載の方法により残りのペプチドの組立てを続けた。精製法も実施例1に記載のものと同じであった。エレクトロ−スプレイ質量分析は分子量:3663.9を示し、計算の分子量:3664.26に一致していた。純度 100%;収量 75.3mg。
【0110】
実施例369:(Aib8,Arg26,34,β−Ala35,Lys36(Nε−Aec−デカノイル))hGLP−1(7−36)NH2
反応槽中のMBHA樹脂(0.2ミリモル、置換基=0.91ミリモル/g)、Boc−Lys(Fmoc)−OH(1.17g,2.5ミリモル)、HBTU(4mL,0.5M/DMF)及びDIEA(1mL)混合液をシェーカー上で10分間室温で振盪した。この樹脂をDMFで洗浄し、25% ピペリジン/DMFで2x15分処理した。DMFでこの樹脂を洗浄した。この反応槽へFmoc−Aec−OH(0.289g,0.6ミリモル)、HBTU(1.12mL,0.5M/DMF)及びDIEA(0.4mL)を加えた。この混合液を室温で10分間振盪した。この樹脂をDMFで洗浄し、30% ピぺリジン/DMFで2x15分処理した。DMFで樹脂を洗浄し、デカン酸(431mg,2.5ミリモル)、HBTU(4mL,0.5M/DMF)及びDIEA(1mL)の混合液で10分処理した。この樹脂をDMFで洗浄し、100% TFAで2x2分処理した。DMF及びDCMで樹脂を洗浄し、ペプチド合成機の反応槽へ移し、実施例1に記載の方法により残りのペプチドの組立てを続けた。精製法も実施例1に記載したものと同じであった。エレクトロ−スプレイ質量分析は分子量:3677.0を示し、計算の分子量:3677.25に一致していた。純度 97.6%;収量 44.8mg。
【0111】
以下の実施例は、上記の適切な方法により合成し得る。
【0112】
【化23】

【0113】
【化24】

【0114】
【化25】

【0115】
【化26】

【0116】
【化27】

【0117】
【化28】

【0118】
【化29】

【0119】
【化30】

【0120】
【化31】

【0121】
【化32】

【0122】
【化33】

【0123】
【化34】

【0124】
【化35】

【0125】
【化36】

【0126】
【化37】

【0127】
本明細書に例示した化合物の代表的なサンプルについての物理データを表1に示す。
【0128】
【表1】

【0129】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物
(R23)−A7−A8−A9−A10−A11−A12−A13−A14−A15−A16−A17−A18−A19−A20−A21−A22−A23−A24−A25−A26−A27−A28−A29−A30−A31−A32−A33−A34−A35−A36−A37−A38−A39−R1
(I)
[式中:
7はL−Hisであり;
8はAla、Aib、Gly又はSerであり;
9はGluであり;
10はGlyであり;
11はThrであり;
12はPhe又はβ−Nalであり;
13はThrであり;
14はSerであり;
15はAspであり;
16はValであり;
17はSer又はAibであり;
18はSer又はLysであり;
19はTyr又はβ−Nalであり;
20はLeuであり;
21はGluであり;
22はGly又はGluであり;
23はGln又はGluであり;
24はAla、Aib、Val、Abu、Tle又はAccであり;
25はAla、Aib又はLysであり;
26はLys、Arg又はHN−CH((CH2n−N(R1011))−C(O)であり;
27はGlu、Leu、Aib又はLysであり;
28はPhe又はβ−Nalであり;
29はIleであり;
30はAlaであり;
31はTrp、β−Nal又はPheであり;
32はLeu又はAccであり;
33はVal又はLysであり;
34はLys、Arg又はHN−CH((CH2n−N(R1011))−C(O)であり;
35はGly、β−Ala、Aib又はD−Argであり;
36はL−又はD−Arg、L−Lys、HN−CH((CH2n−N(R1011))−C(O)であり;
37はGly、β−Ala、Ava、Aib、Acc、Ado、Arg、Asp、Aun、Aec、L−Arg、Ser、L−Lys、HN−(CH2m−C(O)、HN−CH((CH2n−N(R1011))−C(O)であるか又は削除され;
38はL−Lys、L−Arg、HN−CH((CH2n−N(R1011))−C(O)、Ava、Ado、Aecであるか又は削除され;
39はL−Lys、L−Arg、HN−CH((CH2n−N(R1011))−C(O)、Ado、Aec、Aunであるか又は削除され;
1はOH又はNH2であり;
2及びR3のそれぞれはHであり;
mは、それぞれの出現につき独立して、5から24を含む整数であり;
nは、それぞれの出現につき独立して、1から5を含む整数であり;
10及びR11のそれぞれは、それぞれの出現につき独立して、H、(C1−C30)アルキル、又は(C1−C30)アシルであり;
但し:
10が(C1−C30)アシルである場合、R11はH又は(C1−C30)アルキルであり;
(i)式(I)の化合物の少なくとも1つのアミノ酸は、hGLP−1(7−36,−37又は−38)NH2又はhGLP−1(7−36、−37又は−38)OHのネーティブ配列と同じではなく;
(ii)式(I)の化合物は、1つの位置がAlaにより置換されたhGLP−1(7−36,−37又は−38)NH2又はhGLP−1(7−36、−37又は−38)OHの類似体ではなく;
(iii)式(I)の化合物は、(Arg26,34,Lys38)hGLP−1(7−38)−E、(Lys26(Nε−アルカノイル))hGLP−1(7−36,−37又は−38)−E、(Lys34(Nε−アルカノイル))hGLP−1(7−36,−37又は−38)−E、(Lys26,34−ビス(Nε−アルカノイル))hGLP−1(7−36,−37又は−38)−E、(Arg26,Lys34(Nε−アルカノイル))hGLP−1(8−36,−37又は−38)−E、(Arg26,34,Lys36(Nε−アルカノイル)hGLP−1(7−36,−37又は−38)−E又は(Arg26,34,Lys38(Nε−アルカノイル)hGLP−1(7−38)−Eではなく(ここでEは−OH又は−NH2である);
(iv)式(I)の化合物はZ1−hGLP−1(7−36,−37又は−38)−OH又はZ1−hGLP−1(7−36,−37又は−38)−NH2ではなく{ここでZ1は以下の群から選択される:
(a)(Arg34),(Arg26,34),(Lys36),(Arg26,Lys36),(Arg34,Lys36),(D−Lys36),(Arg36),(D−Arg36),(Arg26,34,Lys36)又は(Arg26,36,Lys34);及び
(b)(Aib8)};
(v)式(I)の化合物は群(a)又は(b)に列挙した置換基のいずれか2つの組み合わせではなく;
(vi)式(I)の化合物は(Aib8,35)hGLP−1(7−36)NH2ではなく;及び
(vii)式(I)の化合物は(Aib8,35,Arg26,34,Phe31)hGLP−1(7−36)NHではない]、又はその製剤的に許容される塩。
【請求項2】
17がSerであり;A18がSerであり;A27がGluであり;及びA31がTrpである、請求項1に記載の化合物、又はその製剤的に許容される塩。
【請求項3】
12がPhe;A16がValであり;A19がTyrであり;A28がPheであり;及びA33がValである、請求項2に記載の化合物、又はその製剤的に許容される塩。
【請求項4】
8がAla又はAibであり;A12がPheであり;A22がGlyであり;A32がLeu、A6c又はA5cであり;A33がValであり;A35がAib、β−Ala又はGlyであり;及びA37がGly、Aib、β−Alaであるか又は削除されている、請求項3に記載の化合物、又はその製剤的に許容される塩。
【請求項5】
10が(C1−C30)アシルであり、R11がHである、請求項4に記載の化合物又はその製剤的に許容される塩。
【請求項6】
10が(C4−C20)アシルである、請求項5に記載の化合物又はその製剤的に許容される塩。
【請求項7】
前記化合物が、
(Aib8,β−Ala35)hGLP−1(7−36)NH2
(Aib8,35,Arg26,34,Lys36(Nε−テトラデカノイル))hGLP−1(7−36)NH2
(Aib8,35,Arg26,Lys34(Nε−テトラデカノイル))hGLP−1(7−36)NH2
(Aib8,35,37,Arg26,34,Lys38(Nε−テトラデカノイル))hGLP−1(7−38)NH2、又は
(Aib8,35,Arg26,34,Lys36(Nε−デカノイル))hGLP−1(7−36)NH2である、請求項1に記載の化合物、又はその製剤的に許容される塩。
【請求項8】
前記化合物が、
(Aib8,β−Ala35)hGLP−1(7−36)NH2
(Aib8,35,Arg26,Lys34(Nε−テトラデカノイル))hGLP−1(7−36)NH2
(Aib8,35,37,Arg26,34,Lys38(Nε−テトラデカノイル))hGLP−1(7−38)NH2、又は
(Aib8,35,Arg26,34,Lys36(Nε−デカノイル))hGLP−1(7−36)NH2
である、請求項7に記載の化合物、又はその製剤的に許容される塩。
【請求項9】
前記化合物が以下のものである、請求項1に記載の化合物、又はその製剤的に許容される塩。
(Aib8,35,A6c32)hGLP−1(7−36)NH2
(Aib8,35,Glu23)hGLP−1(7−36)NH2
(Aib8,24,35)hGLP−1(7−36)NH2
(Aib8,25,35)hGLP−1(7−36)NH2
(Aib8,35,Glu23,A6c32)hGLP−1(7−36)NH
(Aib,Glu23,β−Ala35)hGLP−1(7−36)NH
(Aib8,35,Arg26,34)hGLP−1(7−36)NH
(Aib,Arg26,34,β−Ala35)hGLP−1(7−36)NH
(Aib8,35,Arg26,34,Lys36(Nε−オクタノイル))hGLP−1(7−36)NH
【化1】

【化2】

【請求項10】
前記化合物が
【化3】

【化4】

【化5】

である、請求項9に記載の化合物、又はその製剤的に許容される塩。
【請求項11】
前記化合物が
(Aib8,β−Ala35,Aec37)hGLP−1(7−37)NH2
(Aib8,β−Ala35,Aec38)hGLP−1(7−38)NH2
(Aib8,β−Ala35,Aec37,38)hGLP−1(7−38)NH2
である、請求項1に記載の化合物、又はその製剤的に許容される塩。

【公開番号】特開2008−1710(P2008−1710A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−191581(P2007−191581)
【出願日】平成19年7月24日(2007.7.24)
【分割の表示】特願2005−374822(P2005−374822)の分割
【原出願日】平成11年12月7日(1999.12.7)
【出願人】(500511604)ソシエテ・ドゥ・コンセイユ・ドゥ・ルシェルシュ・エ・ダプリカーション・シャンティフィック・エス・ア・エス (22)
【Fターム(参考)】