説明

HCV阻害剤として有用なプテリジンおよびその製造方法

本発明は、HCV複製の阻害剤としてのプテリジンの使用ならびにHCV感染を処置するかもしくはそれと闘うことを目的とする製薬学的組成物におけるそれらの使用に関する。さらに、本発明は化合物それ自体および薬剤としてのそれらの使用に関する。本発明はまた、そのような化合物の製造方法、それらを含んでなる製薬学的組成物、および他の抗HCV薬と該化合物との組み合わせにも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HCV複製の阻害剤としてのプテリジンの使用ならびにHCV感染を処置するかもしくはそれと闘うことを目的とする製薬学的組成物におけるそれらの使用に関する。さらに、本発明は化合物それ自体および薬剤としてのそれらの使用に関する。本発明はまた、そのような化合物の製造方法、それらを含んでなる製薬学的組成物、および他の抗HCV薬と該化合物との組み合わせにも関する。
【背景技術】
【0002】
C型肝炎ウイルス(HCV)は、非A非B型ウイルス性肝炎の大部分に関与する因子としての1989年におけるその発見の後(非特許文献1)、多くの医学研究の焦点になっている(非特許文献2)。HCVはヘパシウイルス属におけるウイルスのフラビウイルス科のメンバーであり、そしてテングウイルスおよび黄熱病ウイルスのようなヒト疾患に関与する多数のウイルスが包含されるフラビウイルス属と、そしてウシウイルス性下痢ウイルス(BVDV)が包含される動物ペスチウイルス科と近縁関係にある。HCVは、約9,600塩基のゲノムを有するプラスセンス一本鎖RNAウイルスである。ゲノムは、RNA二次構造を取る5’および3’非翻訳領域の両方、ならびに約3,010〜3,030アミノ酸の単一ポリタンパク質をコードする中央のオープンリーディングフレームを含んでなる。ポリタンパク質は、ホストおよびウイルスプロテアーゼの両方により媒介される組織化された一連の翻訳時および翻訳後エンドプロテオリティック(endoproteolytic)切断により前駆体ポリタンパク質から生成される10個の遺伝子産物をコードする。ウイルス構造タンパク質には、コアヌクレオキャプシドタンパク質ならびに2つのエンベロープ糖タンパク質E1およびE2が包含される。非構造(NS)タンパク質は、いくつかの必須ウイルス酵素機能(ヘリカーゼ、ポリメラーゼ、プロテアーゼ)、ならびに未知の機能のタンパク質をコードする。ウイルスゲノムの複製は、非構造タンパク質5b(NS5B)によりコードされるRNA依存性RNAポリメラーゼにより媒介される。ポリメラーゼに加えて、両方とも二機能性NS3タンパク質においてコードされる、ウイルスのヘリカーゼおよびプロテアーゼ機能は、感染のチンパンジーモデルにおいてHCV RNAの複製に必須であることが示されている(非特許文献3)。NS3セリンプロテアーゼに加えて、HCVはまたNS2領域においてメタロプロテイナーゼもコードする。
【0003】
HCVは肝細胞において優先的に複製するが直接的に細胞変性性ではなく、持続感染をもたらす。特に、活発なTリンパ球応答の欠如および突然変異するウイルスの高い傾向は、高い率の慢性感染を促進するように思われる。6つの主要なHCV遺伝子型および50より多くのサブタイプがあり、これらは地理的に異なって分布している。HCV1型は、米国および欧州における優勢遺伝子型である。例えば、HCV1型は、米国における全てのHCV感染の70〜75%を占める。HCVの大きな遺伝的多様性は重要な診断的および臨床的意味を有し、おそらくワクチン開発における困難および治療への応答の欠如を説明する。世界中で推定1億7千万人の人々がC型肝炎ウイルス(HCV)に感染している。初期急性感染の後に、感染した個体の大部分は慢性肝炎を発症し、それは肝線維症に進行し、肝硬変、末期肝疾患およびHCC(肝細胞癌)をもたらし得る(非特許文献4)。HCV感染に起因する肝硬変は、米国だけにおいて年間約10,000人の死亡の原因であり、そして肝移植の主要な原因である。HCVの伝染は、例えば輸血もしくは静脈内薬物使用の後に、汚染された血液もしくは血液製剤との接触を介して起こり得る。血液スクリーニングにおいて使用される診断試験の導入は、輸血後のHCV発生率の減少傾向をもたらしている。しかしながら、末期肝疾患への緩徐な進行を考えると、現在の感染は数十年間深刻な医学的および経済的負担を与え続ける(非特許文献5)。
【0004】
現在の治療は部分的にのみ有効であり、そして望ましくない副作用により制限されるので、この慢性疾患の処置は満たされていない臨床的必要性である。
【0005】
現在のHCV治療は、リバビリンと組み合わせた(PEG化)インターフェロン−アルファ(IFN−α)に基づく。この併用療法は、遺伝子型1型ウイルスに感染した患者の40%より多くそして遺伝子型2および3型に感染したものの約80%において持続性ウイルス学的著効をもたらす。HCV1型への限られた効能に加えて、併用療法は重大な副作用を有し、そして多数の患者において十分に耐容されない。例えば、PEG化インターフェロンおよびリバビリンの登録試験において、重大な副作用は患者の約10〜14%における処置の中断をもたらした。併用療法の主要な副作用には、インフルエンザ様症状、血液学的異常および神経精神症状が包含される。より有効な都合のよいそして耐容される処置の開発は、主要な公衆衛生目標である。
【0006】
従って、HCV複製の阻害をもたらす低分子量化合物の高い医学的必要性がある。
【0007】
驚くべきことに、プテリジンの誘導体はHCVに感染した哺乳類において抗ウイルス活性を示し、特にこれらの誘導体はHCV複製を阻害することが見出されている。従って、これらの化合物はHCV感染を処置するかもしくはそれと闘うことにおいて有用である。
【0008】
特許文献1は、I型TGF−β受容体(TGFβ−R1)に特異的に結合するTGF−βの非ペプチド小分子阻害剤を投与することにより、TGF−βシグナル伝達と関連する線維増殖性疾患を処置する方法を開示する。阻害剤は、好ましくはキナゾリン誘導体である。
【0009】
特許文献2はさらに、TGF−β受容体を介したTGF−βシグナル伝達を阻害することができる化合物の有効量を投与することによりβ−アドレナリン作動性シグナル伝達経路におけるβ−アドレナリン作動感受性の喪失を妨げる方法を記述する。
【0010】
特許文献3は、縮合ピリジンおよびピリミジンならびにALK−5受容体リガンドとしてのそれらの使用に関する。特に、この発明は治療的に有効な置換されたキノリンおよびキナゾリン化合物、治療における、特にトランスフォーミング増殖因子β(TGF−β)の過剰発現を特徴とする疾患の処置もしくは予防におけるその使用、ならびにそのような治療における使用のための製薬学的組成物を開示する。
【0011】
C型肝炎ウイルスへの初期暴露後に、HCV RNAは1〜3週のうちに血液において検出されることができる。平均50日以内に実質的に全ての患者は肝細胞損傷を発症する。患者の大部分は、無症候性で無黄疸性である。25〜35%のみが倦怠感、脱力感もしくは食欲不振を発症し、そしてあるものは黄疸になる。HCVに対する抗体(抗HCV)は、疾患の経過中にほとんど必ず検出可能になる。抗HCVは、症状の発症時に患者の50〜70%においてそして感染の開始後3ヶ月で患者の約90%において検出されることができる。HCV感染は、症例の15%のみにおいて自己限定的である。回復は、血液からのHCV RNAの消失および正常に肝臓酵素が戻ることを特徴とする。
【0012】
HCVに感染した個体の約85%は6ヶ月までにウイルスを取り除くことができず、そして間欠性である時もあるが、持続性のウイルス血症とともに慢性肝炎を発症する。慢性肝炎をもたらすこの能力は、HCV感染の最も顕著な特徴の1つである。C型慢性肝炎は典型的に、仮にそうであるとしても、感染後最初の20年間患者の大部分において症状もしくは身体的徴候なしに遅い速度で進行する潜行性プロセスである。症状は、進行した肝疾患の発症時にC型慢性肝炎にかかっている多くの患者において最初に現れる。
【0013】
慢性肝炎において、炎症細胞は門脈路に浸潤し、そしてまた実質において小クラスター状に集まり得る。後者の場合は、通常、巣状肝細胞壊死を伴う。実質および門脈路の辺縁は、この部位での肝細胞壊死とともに、炎症を起こし得る(インターフェース肝炎)。もし疾患が進行する時は、炎症および肝細胞死は線維症をもたらし得る。軽度の線維症は門脈路および直接隣接した実質に限定される。より重度の線維症は、門脈路間および門脈路と肝静脈間の架橋をもたらす。そのような線維症は、線維性中隔が肝細胞のクラスターを結節に分離するびまん性線維症の状態として定義される肝硬変に進行し得る。線維症の程度は病期を決定し、そして確実に評価することができる。重度の線維症および壊死性炎症変化は、肝硬変への進行を予測する。いったん肝硬変が確立すると、黄疸、腹水、静脈瘤出血および脳症のような、肝不全にそして/もしくは門脈圧亢進症に続発する合併症が結果として起こり得る。これらの合併症のいずれかの発症は、代償性から非代償性肝硬変への移行を示す。
【0014】
C型慢性肝炎感染は、感染の開始の20年以内に患者の少なくとも20%において肝硬変をもたらす。肝硬変および末期肝疾患は、時折、特にアルコール摂取を伴う患者間で、急速に発症し得る。HCVによる慢性感染は、肝臓癌の増加した危険性と関連する。一般概念は、肝細胞癌(HCC)は約30年以上の経過にわたる慢性肝炎と関連する炎症および再生の背景に対して起こるということである。HCV関連HCCの大部分の症例は、肝硬変の存在下で起こる。
【0015】
肝線維症は、肝臓が損傷を受ける場合に起こる過程の1つである。そのような損傷は、ウイルス活性(例えば、BもしくはC型慢性肝炎)もしくは他の肝臓感染(例えば、寄生虫、細菌);化学物質(例えば、薬剤、娯楽のための薬物、過剰のアルコール、汚染物質への暴露);免疫過程(例えば、自己免疫性肝炎);代謝障害(例えば、脂質、グリコーゲンもしくは金属貯蔵障害);または癌増殖(原発性もしくは続発性肝臓癌)の結果であり得る。線維症は、肝臓損傷の徴候および肝臓の進行性肝硬変による肝不全への潜在的寄与因子の両方である。
【0016】
TGFβキナーゼのファミリーの阻害は、肝線維症を包含する線維増殖性疾患の処置において有用であることが開示されている。しかしながら、上記のように、肝線維症はC型肝炎ウイルスを包含する異なる病原因子により引き起こされ得る。最も重要なことには、肝線維症はHCVに感染した患者の疾患の進行における特定の症状である。
【0017】
驚くべきことに、本発明の化合物はHCV複製を阻害することが見出された。HCV複製は、HCV RNAのコピーを再生するかもしくは作る過程をさす。本発明において、HCV複製は全体としてのHCVウイルスの複製もしくはHCV RNAゲノムの複製の両方をさす。
【0018】
疾患の進行を防ぎ、それにより患者が慢性肝炎、肝線維症、肝硬変、肝細胞癌(HCC)を発症するかもしくは死亡することを防ぐために初期段階でHCV感染患者を処置することは重要である。
【0019】
さらに、本発明の化合物は、それらが検出されないレベルまで患者のHCVウイルス量を減少し得る点において有益である。
【0020】
【特許文献1】US20040038856明細書
【特許文献2】WO04/048930明細書
【特許文献3】WO04/065392明細書
【非特許文献1】Choo et al.,Science 244,359−362,1989
【非特許文献2】Lauer,G.M.and Walker,B.D.,New Eng.J Med.345,41−52,2001
【非特許文献3】Kolykhalov,A.A.,Mihalik,K.,Feinstone,S.M.,and Rice,C.M.J Virol.74,2046−2051,2000
【非特許文献4】National Institutes of Health Consensus Development Conference Statement:Management of Hepatitis C.Hepatology,36,5 Suppl.S3−S20,2002
【非特許文献5】Kim,W.R.Hepatology,36,5 Suppl.S30−S34,2002
【発明の開示】
【0021】
従って、本発明は、HCVに感染した哺乳類におけるHCV活性を阻害するために有用な薬剤の製造のための式(I)の化合物の使用に関する。該化合物は、式(I):
【0022】
【化1】

【0023】
[式中、
は独立して水素、アミノ、モノもしくはジ置換されたアミノであり、ここで、アミノの置換基はC1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜4アルコキシC1〜4アルキル、ジC1〜4アルキルアミノC1〜4アルキル、ピペリジン−1−イル−C1〜4アルキル、アリールC1〜6アルキルから選択することができ、ここで、アリール基はC1〜4アルキルもしくはC1〜4アルコキシでさらに置換されることができ;
Lは−NR−、−NR−C1〜6アルカンジイル−、−NR−CO−C1〜6アルカンジイル−、−NR−SO−C1〜6アルカンジイル−、−O−、−O−C1〜6アルカンジイル−、−O−CO−、−O−CO−C1〜6アルカンジイル−、−S−、−S−C1〜6アルカンジイル−もしくは
【0024】
【化2】

【0025】
であり、ここで、点線の環はNおよびZと一緒になって環員NおよびZを含む5〜8員を有するHetサイクルを形成し、そしてここで、該L環は窒素原子によりプテリジン環に結合しており;
ZはNもしくはCHを表し;
は水素、ヒドロキシC1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、アリール、He
もしくはHetを表し、ここで、該C3〜7シクロアルキル、アリール、HetおよびHetは各々独立して場合によりC1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、ポリハロC1〜4アルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、−COR、−COOR、−CONR4a4b、−OR、−OCOR、−OCONR4a4b、−NR4a4b、−NR4aCOR、−NR4aCONR4a4b、−NR4aSOR、−NR4aSO、−SR、−SOR、−SO、−SO、−SONR4a4b、モルホリン−4−イル、フェニル、アミノフェニルおよびアミノフェニルカルボニルから選択される1個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、そしてここで、C1〜4アルキルは−COORでさらに置換されることができ;
は各々独立して場合によりC1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、ポリハロC1〜4アルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、−COR、−COOR、−CONR4a4b、−OR、−OCOR、−OCONR4a4b、−NR4a4b、−NR4aCOR、−NR4aCOOR、−NR4aCONR4a4b、−NR4aSOR、−NR4aSO、−SR、−SOR、−SO、−SO、−SONR4a4bから選択される1個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよい、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、アリール、アリールC1〜6アルキル、Het、HetもしくはHet−C1〜6アルキルを表し;そしてここで、R4aおよびR4bは場合により、それらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により1もしくは2個の追加のヘテロ原子を含んでなっていてもよい、5〜8員の飽和、不飽和もしくは部分的に不飽和の環を形成していてもよく;
各R4aおよびR4bは独立して水素、C1〜4アルキル、ヒドロキシC1〜4アルキル、Het−C1〜4アルキル、ポリハロC1〜4アルキル、シアノもしくはニトロであり;
各Rは独立して水素もしくはC1〜4アルキルであり;
各Rは独立して水素もしくはC1〜4アルキルであり;
各Rは独立して水素もしくはC1〜4アルキルであり;そして
は水素、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C1〜10アルキルカルボニル、アミノC1〜10アルキル、アリール、アリールカルボニル、アリールC1〜10アルキル、Het、Het1〜6アルキルもしくは保護基であり、ここで、アリールは場合によりC1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、C1〜4アルキルカルボニル、フェニル、C1〜4アルキルフェニル、フェニルカルボニル、アミノフェニル、アミノC1〜4アルキルフェニル、アミノフェニルカルボニル、ハロ、−OR、−NR4a4b、−SR、−SOR、−NR4aSOR、−NR4aSO、−SO、−OCOR、−NR4aCOR、−NR4aCONR4a4b、−NR4aCOOR、−OCONR4a4b、−COOR、−SO、−CONR4a4b、−SONR4a4b、シアノ、ポリハロC1〜4アルキルおよびニトロから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
基もしくは基の一部としてのHetは、窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1個もしくはそれ以上のヘテロ原子環員を含有しそして場合によりC1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、場合によりモノもしくはジ置換されていてもよいアミノ、ニトロ、シアノ、ポリハロC1〜4アルキル、カルボキシル、C1〜6アルコキシカルボニル、C3〜7シクロアルキル、場合によりモノもしくはジ置換されていてもよいアミノカルボニル、メチルチオ、メチルスルホニル、アリールおよび窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1個もしくはそれ以上のヘテロ原子環員を含有する3〜12個の環員を有する飽和もしくは部分的に不飽和の単環式、二環式もしくは三環式複素環により1個もしくはそれ以上の炭素原子上で置換されていてもよい、好ましくは3〜12個の環員、より好ましくは5〜10個の環員、そしてより好ましくは5〜8個の環員を有する飽和したもしくは部分的に不飽和の単環式、二環式もしくは三環式複素環として定義され、そしてここで、いずれかのアミノ官能基上の場合による置換基は水素もしくはC1〜4
アルキルであり;
基もしくは基の一部としてのHetは、窒素、酸素もしくは硫黄から各々独立して選択される1個もしくはそれ以上のヘテロ原子環員を含有しそして場合によりC1〜6アルキル、場合によりモノもしくはジ置換されていてもよいアミノC1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、場合によりモノもしくはジ置換されていてもよいアミノ、ニトロ、シアノ、ポリハロC1〜4アルキル、カルボキシル、C1〜6アルコキシカルボニル、C3〜7シクロアルキル、場合によりモノもしくはジ置換されていてもよいアミノカルボニル、メチルチオ、メチルスルホニル、アリール、Hetおよび3〜12個の環員を有する芳香族単環式、二環式もしくは三環式複素環により1個もしくはそれ以上の炭素原子上で置換されていてもよい、3〜14個の環員、好ましくは5〜10個の環員、そしてより好ましくは5〜6個の環員を有する芳香族単環式、二環式もしくは三環式複素環として定義され;ここで、いずれかのアミノ官能基上の場合による置換基は水素もしくはC1〜4アルキルであり;そして
基もしくは基の一部としてのアリールはフェニルである]
のプテリジン、そのN−オキシド、塩、立体異性体、ラセミ混合物、プロドラッグ、エステルもしくは代謝物である。
【0026】
本発明はさらに、HCVに感染した哺乳類におけるHCV活性を阻害するために有用な薬剤の製造のための式(II)の化合物の使用に関する。該化合物は式(II):
【0027】
【化3】

【0028】
[式中、R、R、R4a、R4b、R、R、R、R、HetおよびHetは上記に示したとおりの意味を有し;
はC1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、ポリハロC1〜4アルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、−COR、−COOR、−CONR4a4b、−OR、−OCOR、−OCONR4a4b、−NR4a4b、−NR4aCOR、−NR4aCONR4a4b、−NR4aSOR、−NR4aSO、−SR、−SOR、−SO、−SO、−SONR4a4b、モルホリン−4−イル、フェニル、アミノフェニルもしくはアミノフェニルカルボニルを表し、そしてここで、C1〜4アルキルは−COORでさらに置換されることができ;そして
nは0、1、2、3もしくは4である]
のプテリジン、そのN−オキシド、塩、立体異性体、ラセミ混合物、プロドラッグ、エステルもしくは代謝物である。
【0029】
本発明はさらに、HCVに感染した哺乳類におけるHCV活性を阻害するために有用な薬剤の製造のための式(III)の化合物の使用に関する。該化合物は式(III):
【0030】
【化4】

【0031】
[式中、R、L、R、R4a、R4b、R、R、R、R、HetおよびHetは上記に示したとおりの意味を有し;
10はC1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、ポリハロC1〜4アルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、−COR、−COOR、−CONR4a4b、−OR、−OCOR、−OCONR4a4b、−NR4a4b、−NR4aCOR、−NR4aCOOR、−NR4aCONR4a4b、−NR4aSOR、−NR4aSO、−SR、−SOR、−SO、−SOおよび−SONR4a4bを表し;そして
mは0、1、2、3もしくは4である]
のプテリジン、そのN−オキシド、塩、立体異性体、ラセミ混合物、プロドラッグ、エステルもしくは代謝物である。
【0032】
本発明はさらに、HCVに感染した哺乳類におけるHCV活性を阻害するために有用な薬剤の製造のための式(IV)の化合物の使用に関する。該化合物は式(IV):
【0033】
【化5】

【0034】
[式中、R、R4a、R4b、R、R、R、R、HetおよびHetは上記に示したとおりの意味を有し;
はC1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、ポリハロC1〜4アルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、−COR、−COOR、−CONR4a4b、−OR、−OCOR、−OCONR4a4b、−NR4a4b、−NR4aCOR、−NR4aCONR4a4b、−NR4aSOR、−NR4aSO、−SR、−SOR、−SO、−SO、−SONR4a4b、モルホリン−4−イル、フェニル、アミノフェニルもしくはアミノフェニルカルボニルを表し、そしてここで、C1〜4アルキルは−COORでさらに置換されることができ;
10はC1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、ポリハロC1〜4アルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、−COR、−COOR、−CONR4a4b、−OR、−OCOR、−OCONR4a4b、−NR4a4b、−NR4aCOR、−NR4aCOOR、−NR4aCONR4a4b、−NR4aSOR、−NR4aSO、−SR、−SOR、−SO、−SOおよび−SONR4a4bを表し;
nは0、1、2、3もしくは4であり;そして
mは0、1、2、3もしくは4である]
のプテリジン、そのN−オキシド、塩、立体異性体、ラセミ混合物、プロドラッグ、エステルもしくは代謝物である。
【0035】
本発明はさらに、HCVに感染した哺乳類におけるHCV活性を阻害するために有用な薬剤の製造のための式(V)の化合物の使用に関する。該化合物は式(V):
【0036】
【化6】

【0037】
[式中、
は水素もしくはアミノであり;
は水素、C1〜6アルキル、アミノC1〜4アルキル、フェニルC1〜4アルキル、ピロリジン−1−イルC1〜4アルキルもしくはC1〜6アルコキシカルボニルであり;
各Rは独立して水素、C1〜4アルキル、−COR、−COORもしくは−CONR4a4bを表し;
nは0、1、2、3もしくは4であり;
11は水素、ハロもしくは−NR4a4bを表し、ここで、R4aおよびR4bは場合により、それらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により1もしくは2個の追加のヘテロ原子を含んでなってもよい、5〜8員の飽和、不飽和もしくは部分的に不飽和の環を形成していてもよく;
12は水素、ハロ、C1〜4アルキルもしくはポリハロC1〜4アルキルを表し;
は水素もしくはC1〜4アルキルであり;
は水素もしくはC1〜4アルキルであり;そして
4aおよびR4bは独立して水素、C1〜4アルキル、2−オキソ−ピロリジン−1−イル−C1〜4アルキルである]
のプテリジン、その塩、立体異性体およびラセミ混合物である。
【0038】
1つの態様は、nが1である、上記に特定したとおりの式(II)、(IV)もしくは(V)の化合物の使用に関する。
【0039】
さらなる態様において、本発明はHCVに感染した哺乳類におけるHCV複製を阻害する方法に関し、該方法は上記に特定したとおりのもしくは以下にさらに特定するような式(I)、(II)、(III)、(IV)もしくは(V)の化合物のHCV阻害有効量の投与を含んでなる。特定の態様において、HCVに感染した哺乳類におけるHCV複製を阻害する方法は、nが1である式(II)、(IV)もしくは(V)の化合物のHCV阻害有効量の投与を含んでなる。
【0040】
さらなる態様において、本発明はHCVに感染した哺乳類を処置する方法に関し、該方法は上記に特定したとおりのもしくは以下にさらに特定するような式(I)、(II)、(III)、(IV)もしくは(V)の化合物のHCV阻害有効量の投与を含んでなる。特定の態様において、HCVに感染した哺乳類を処置する方法は、nが1である式(II)、(IV)もしくは(V)の化合物のHCV阻害有効量の投与を含んでなる。
【0041】
さらなる態様において、本発明はHCVに感染した哺乳類におけるHCV複製を阻害するための薬剤の製造のための式(VI)の化合物の使用に関する。該化合物は、式(VI):
【0042】
【化7】

【0043】
[式中、R、R、R、R11、R12、Rは上記に定義したとおりである]
のプテリジン、その塩、立体異性体およびラセミ混合物である。
【0044】
さらなる態様において、本発明はHCVに感染した哺乳類におけるHCV複製を阻害する方法に関し、該方法は上記に特定したようなもしくは以下にさらに特定するような式(VI)の化合物のHCV阻害有効量の投与を含んでなる。
【0045】
さらなる態様において、本発明はHCVに感染した哺乳類を処置する方法に関し、該方法は上記に特定したようなもしくは以下にさらに特定するような式(VI)の化合物のHCV阻害有効量の投与を含んでなる。
【0046】
本発明のなおさらなる態様は、HCVに感染した哺乳類におけるHCV複製を阻害するための薬剤の製造のための式(V)もしくは(VI)の化合物の使用に関する。該化合物は、適用可能なnが1であり、そして
が水素もしくはアミノであり;
が水素、C1〜6アルキル、フェニルC1〜4アルキルであり;
が水素、C1〜4アルキル、−COR、−COORもしくは−CONR4a4bを表し;
11が水素、フルオロもしくはピロリジン−1−イルを表し;
12がハロ、C1〜4アルキルもしくはポリハロC1〜4アルキルを表し;
が水素もしくはC1〜4アルキルであり;
が水素もしくはC1〜4アルキルであり;そして
4aおよびR4bが独立して水素、C1〜4アルキル、2−オキソ−ピロリジン−1−イル−C1〜4アルキルである
式(V)もしくは(VI)のプテリジンである。
【0047】
本発明のさらなる態様は、HCVに感染した哺乳類におけるHCV複製を阻害する方法に、そしてHCVに感染した哺乳類を処置する方法に関し、該方法は、適用可能なnが1であり、そしてR、R、R、R11、R12が前段落において定義したとおりである式(V)もしくは(VI)の化合物のHCV阻害有効量の投与を含んでなる。
【0048】
本発明のさらになおさらなる態様は、HCVに感染した哺乳類におけるHCV複製を阻害するための薬剤の製造のための式(V)もしくは(VI)の化合物の使用に関する。該化合物は、適用可能なnが1であり、そして
が水素であり;
が水素、C1〜6アルキル、フェニルC1〜4アルキルであり;
が水素、C1〜4アルキルもしくは−COORを表し;
11がフルオロもしくはピロリジン−1−イルを表し;
12がハロもしくはC1〜4アルキルを表し;そして
が水素もしくはC1〜4アルキルである
式(V)もしくは(VI)のプテリジンである。
【0049】
従って、本発明のさらなる態様は、HCVに感染した哺乳類におけるHCV複製を阻害する方法に、そしてHCVに感染した哺乳類を処置する方法に関し、該方法は、適用可能なnが1であり、そしてR、R、R、R11、R12が前段落において定義したとおりである式(V)もしくは(VI)の化合物のHCV阻害有効量の投与を含んでなる。
【0050】
さらなる態様において、本発明は式(VII):
【0051】
【化8】

【0052】
[式中、
は水素もしくはアミノであり;
は水素、C1〜6アルキル、フェニルC1〜4アルキルであり;
は水素、C1〜4アルキル、−COR、−COORもしくは−CONR4a4bを表し;
は独立して水素もしくはC1〜4アルキルであり;
各Rは独立して水素もしくはC1〜4アルキルであり;そして
各R4aおよびR4bは独立して水素、C1〜4アルキル、2−オキソ−ピロリジン−1−イル−C1〜4アルキルであり;
ただし、Rが水素である場合、Rは水素ではない]
のプテリジン、その塩、立体異性体およびラセミ混合物に関する。
【0053】
さらなる態様において、本発明は、
がC1〜6アルキル、フェニルC1〜4アルキルであり;
、R4a、R4b、R、RおよびRが前段落において挙げたとおりである
式(VII)のプテリジン、その塩、立体異性体およびラセミ混合物に関する。
【0054】
さらなる態様において、本発明は、
がC1〜4アルキル、−COR、COORもしくは−CONR4a4bを表し;
、R4a、R4b、R、RおよびRが第二の前段落において挙げたとおりである
式(VII)のプテリジン、その塩、立体異性体およびラセミ混合物に関する。
【0055】
さらなる態様において、本発明は式(VIII):
【0056】
【化9】

【0057】
[式中、
は独立して水素もしくはアミノであり;
は水素、C1〜6アルキル、フェニルC1〜4アルキルであり;
は水素、C1〜4アルキル、−COR、COORもしくは−CONR4a4bを表し;
は独立して水素もしくはC1〜4アルキルであり;
各Rは独立して水素もしくはC1〜4アルキルであり;そして
各R4aおよびR4bは独立して水素、C1〜4アルキル、2−オキソ−ピロリジン−1−イル−C1〜4アルキルであり;
ただし、Rが水素である場合、Rは水素ではない]
のプテリジン、その塩、立体異性体およびラセミ混合物に関する。
【0058】
さらなる態様において、本発明は、
がC1〜4アルキル、−COR、COORもしくは−CONR4a4bを表し;
、R4a、R4b、R、RおよびRが前段落において挙げたとおりである
式(VIII)のプテリジン、その塩、立体異性体およびラセミ混合物に関する。
【0059】
さらなる態様において、本発明は、
がC1〜6アルキル、フェニルC1〜4アルキルであり;
、R4a、R4b、R、RおよびRが第二の前段落において挙げたとおりである
式(VIII)のプテリジン、その塩、立体異性体およびラセミ混合物に関する。
【0060】
さらなる態様において、本発明は、
が水素であり;
が水素であり;
がC1〜4アルキルを表す
上記のような式(VII)もしくは(VIII)のプテリジンに関する。
【0061】
さらなる態様において、本発明は、
が水素であり;
がC1〜6アルキルであり;
が水素を表す
上記のような式(VII)もしくは(VIII)のプテリジンに関する。
【0062】
哺乳類におけるHCV感染に関連する臨床症状を処置する方法、該方法は、R、R、R、R11、R12が以下に定義するとおりである式(V)の化合物のHCV阻害有効量の投与を含んでなる。
【0063】
臨床症状が肝線維症以外である前段落におけるような方法。
【0064】
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)および(VIII)の化合物はHCVウイルスに対する活性を示し、従って、薬剤として、そしてHCV感染と関連する感染、臨床症状もしくは疾患を防ぐか、処置するかもしくはそれと闘うための薬剤の製造において有用である。
【0065】
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)および(VIII)の化合物はHCVウイルスに対する活性を示し、従って、薬剤として、そして肝線維症以外のHCV感染と関連する臨床症状を防ぐか、処置するかもしくはそれと闘うための薬剤の製造において有用である。
【0066】
基もしくは基の一部としての「C1〜2アルキル」という用語は、例えばメチル、エチルなどのような、1〜2個の炭素原子を有する直鎖状および分枝鎖状飽和炭化水素基を定義する。
【0067】
基もしくは基の一部としての「C1〜4アルキル」という用語は、例えばC1〜2アルキルについて定義した基およびプロピル、ブチル、2−メチル−プロピルなどのような、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状および分枝鎖状飽和炭化水素基を定義する。
【0068】
基もしくは基の一部としての「C1〜6アルキル」という用語は、例えばC1〜4アルキルについて定義した基およびペンチル、ヘキシル、2−メチルブチル、3−メチルペンチルなどのような、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状および分枝鎖状飽和炭化水素基を定義する。
【0069】
基もしくは基の一部としての「C1〜10アルキル」という用語は、例えばC1〜6アルキルについて定義した基およびヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどのような、1〜10個の炭素原子を有する直鎖状および分枝鎖状飽和炭化水素基を定義する。
【0070】
基もしくは基の一部としての「C2〜4アルケニル」という用語は、例えばエテニル、プロプ−1−エニル、ブト−1−エニル、ブト−2−エニルなどのような、飽和した炭素−炭素結合および少なくとも1個の二重結合を有しそして2〜4個の炭素原子を有する直鎖状および分枝鎖状炭化水素基を定義する。好ましいのは、1個の二重結合を有するC2〜4アルケニルである。
【0071】
基もしくは基の一部としての「C2〜6アルケニル」という用語は、例えばC2〜4アルケニルについて定義した基およびペント−1−エニル、ペント−2−エニル、ヘキシ−1−エニル、ヘキシ−2−エニル、ヘキシ−3−エニル、1−メチル−ペント−2−エニルなどのような、飽和した炭素−炭素結合および少なくとも1個の二重結合を有しそして2〜6個の炭素原子を有する直鎖状および分枝鎖状炭化水素基を定義する。好ましいのは、1個の二重結合を有するC2〜6アルケニルである。
【0072】
基もしくは基の一部としての「C2〜10アルケニル」という用語は、例えばC2〜6アルケニルについて定義した基およびヘプト−1−エニル、ヘプト−2−エニル、2−メチル−ヘプト−1−エニル、オクト−3−エニル、ノン−4−エニル、1−メチル−ノン−2−エニルなどのような、飽和した炭素−炭素結合および少なくとも1個の二重結合を有しそして2〜10個の炭素原子を有する直鎖状および分枝鎖状炭化水素基を定義する。好ましいのは、1個の二重結合を有するC2〜10アルケニルである。
【0073】
基もしくは基の一部としての「C2〜4アルキニル」という用語は、例えばエチニル、プロプ−1−イニル、ブト−1−イニル、ブト−2−イニルなどのような、飽和した炭素−炭素結合および少なくとも1個の三重結合を有しそして2〜4個の炭素原子を有する直鎖状および分枝鎖状炭化水素基を定義する。好ましいのは、1個の三重結合を有するC2〜4アルキニルである。
【0074】
基もしくは基の一部としての「C2〜6アルキニル」という用語は、例えばC2〜4アルキニルについて定義した基およびペント−1−イニル、ペント−2−イニル、ヘキシ−1−イニル、ヘキシ−2−イニル、ヘキシ−3−イニル、1−メチル−ペント−2−イニル、ペント−2−エン−4−イニルなどのような、飽和した炭素−炭素結合および少なくとも1個の三重結合を有しそして2〜6個の炭素原子を有する直鎖状および分枝鎖状炭化水素基を定義する。好ましいのは、1個の三重結合を有するC2〜6アルキニルである。
【0075】
基もしくは基の一部としての「C2〜10アルキニル」という用語は、例えばC2〜6アルキニルについて定義した基およびヘプト−1−イニル、ヘプト−2−イニル、2−メチル−ヘプト−1−イニル、オクト−3−イニル、ノン−4−イニル、1−メチル−ノン−2−イニルなどのような、飽和した炭素−炭素結合および少なくとも1個の三重結合を有しそして2〜10個の炭素原子を有する直鎖状および分枝鎖状炭化水素基を定義する。好ましいのは、1個の三重結合を有するC2〜10アルキニルである。
【0076】
基もしくは基の一部としての「C1〜6アルカンジイル」という用語は、例えば、メタンジイル、1,2−エタンジイルもしくは1,1−エタンジイル、1,3−プロパンジイル、1,3−ブタンジイル、1,4−ブタンジイル、1,3−ペンタンジイル、1,5−ペンタンジイル、1,4−ヘキサンジイル、1,6−ヘキサンジイルなどのような1〜6個の炭素原子を有する2価の直鎖状および分枝鎖状炭化水素を定義する。
【0077】
「C3〜7シクロアルキル」という用語は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルの総称である。
【0078】
基もしくは基の一部としての「アリール」という用語には、フェニルもしくはナフチルが包含されるものとする。好ましい態様において、基もしくは基の一部としての「アリール」という用語はフェニルである。
【0079】
「ハロ」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモもしくはヨードの総称である。
【0080】
上記にそして以下に用いる場合、基もしくは基の一部としての「ポリハロC1〜4アルキル」はモノもしくはポリハロ置換されたC1〜4アルキル、例えば、1,1,1−トリフルオロエチル、1,1−ジフルオロ−エチル、以下に記載のポリハロメチル基などとして定義される。ポリハロC1〜4アルキルの好ましい亜群はポリハロメチルであり、ここで、基もしくは基の一部としての後者はモノもしくはポリハロ置換されたメチル、特に1個もしくはそれ以上のフルオロ原子を有するメチル、例えばジフルオロメチルもしくはトリフルオロメチルとして定義される。ポリハロメチルもしくはポリハロC1〜4アルキルの定義内で1個より多くのハロゲン原子がアルキル基に結合している場合、それらは同じものであるかもしくは異なることができる。
【0081】
「保護基」という用語は、アミノ保護基、例えば、ベンゾイル、アニソイル−、イソブチロイル−、アセチル−もしくはtert−ブチルベンゾイルのような、C1〜10アルコキシ−カルボニル、アリールC1〜10アルコキシ−カルボニルをさす(Breipohl et al.(1997)Tetrahedron 53,14671−14686)。保護基は同様にジメトキシトリチルのような酸に不安定な保護基であることができる。
【0082】
また、他に示されない限り、定義において使用する任意の分子部分上の基の位置は、それが化学的に安定である限りそのような部分上の任意の場所であり得ることにも留意すべきである。例えば、ピリジルには2−ピリジル、3−ピリジルおよび4−ピリジルが包含され;ペンチルには1−ペンチル、2−ペンチルおよび3−ペンチルが包含される。
【0083】
任意の変記号(例えば、ハロゲンもしくはC1〜4アルキル)が任意の成分において1回より多く存在する場合、各定義は独立している。
【0084】
本発明の化合物のN−オキシド形態は、1個もしくは数個の窒素原子がいわゆるN−オキシドに酸化される本発明の化合物の任意の1つを含んでなるものとする。
【0085】
治療用途のためには、本発明の化合物の塩は、対イオンが製薬学的にもしくは生理学的に許容しうるものである。しかしながら、製薬学的に許容できない対イオンを有する塩もまた、例えば、本発明の製薬学的に許容しうる化合物の製造もしくは精製において、用途を見出すことができる。全ての塩は、製薬学的に許容しうるかもしくはそうでないにしても、本発明の範囲内に包含される。
【0086】
本発明の化合物が形成することのできる製薬学的に許容しうるもしくは生理学的に耐容しうる付加塩形態は、例えば、ハロゲン化水素酸、例えば塩酸もしくは臭化水素酸、硫酸、ヘミ硫酸、硝酸、リン酸などのような無機酸;もしくは例えば、酢酸、アスパラギン酸、ドデシル硫酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、安息香酸、ニコチン酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモ
ン酸などのような有機酸のような適切な酸を用いて都合よく製造することができる。
【0087】
逆に、該酸付加塩形態は、適切な塩基での処理により遊離塩基形態に転化することができる。
【0088】
酸性プロトンを含有する本発明の化合物はまた、適切な有機および無機塩基での処理によりそれらの無毒の金属もしくはアミン付加塩基塩形態に転化することもできる。適切な塩基塩形態は、例えば、アンモニウム塩、アルカリおよびアルカリ土類金属塩、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム塩など、有機塩基との塩、例えば、ベンザチン、N−メチル−D−グルカミン、ヒドラバミン(hydrabamine)塩、ならびに例えばアルギニン、リシンなどのようなアミノ酸との塩を含んでなる。あるいはまた、カルボキシル部分が本発明の化合物上に存在する場合、化合物はまた製薬学的に許容しうる陽イオンとの塩として供給することもできる。
【0089】
逆に、該塩基付加塩形態は、適切な酸での処理により遊離酸形態に転化することができる。
【0090】
「塩」という用語はまた、本発明の化合物が形成することのできる水和物および溶媒付加形態も含んでなる。そのような形態の例は、例えば、水和物、アルコラートなどである。
【0091】
実際にいくつかがそうであるように、本発明の化合物の置換基のいずれかがキラル中心を含有する場合、本発明の化合物には、単離された立体異性体およびこれらの立体異性体の混合物の両方として、その全ての立体異性体が包含される。
【0092】
本発明の化合物の立体化学的異性体という用語は、上記に用いる場合、本発明の化合物が有し得る、同じ順序の結合により結合している同じ原子で構成されているが交換できない異なる3次元構造を有する全ての可能な化合物を定義する。他に記載されないかもしくは示されない限り、化合物の化学表示には該化合物が有し得る全ての可能な立体化学的異性体の混合物が包含される。該混合物は、該化合物の基本分子構造の全てのジアステレオマーおよび/もしくは鏡像異性体を含有することができる。純粋形態のもしくは相互との混合物の両方の本発明の化合物の全ての立体化学的異性体は、本発明の範囲内に包含されるものとする。
【0093】
本明細書に記載されるような化合物および中間体の純粋な立体異性体は、該化合物もしくは中間体の同じ基本分子構造の他の鏡像異性体もしくはジアステレオマー形態を実質的に含まない異性体として定義される。特に、「立体異性的に純粋な」という用語は、少なくとも80%の立体異性体過剰率(すなわち、最低90%の一方の異性体および最大10%のもう一方の可能な異性体)〜100%の立体異性体過剰率(すなわち、100%の一方の異性体およびもう一方は全くない)を有する化合物もしくは中間体、さらに特に90%〜100%の立体異性体過剰率を有する、なおさらに特に94%〜100%の立体異性体過剰率を有する、そして最も特に97%〜100%の立体異性体過剰率を有する化合物もしくは中間体に関する。「鏡像異性的に純粋な」および「ジアステレオマー的に純粋な」という用語は、同様に、しかしその場合問題になっている混合物のそれぞれ鏡像異性体過剰率およびジアステレオマー過剰率を考慮して理解されるべきである。
【0094】
本発明の化合物および中間体の純粋な立体異性体は、当該技術分野で既知の方法の適用により得ることができる。例えば、鏡像異性体は、光学活性酸もしくは塩基でのそれらのジアステレオマー塩の選択的結晶化により相互から分離することができる。その例は、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸およびショウノウスルホン酸である。あ
るいはまた、鏡像異性体は、キラル固定相を用いてクロマトグラフィー技術により分離することができる。該純粋な立体化学的異性体はまた、反応が立体特異的に起こるならば、適切な出発物質の対応する純粋な立体化学的異性体から得ることもできる。好ましくは、特定の立体異性体が所望される場合、該化合物は立体特異的製造方法により合成される。これらの方法は、鏡像異性的に純粋な出発物質を都合よく用いる。
【0095】
本発明の化合物のジアステレオマーラセミ化合物は、常法により別個に得ることができる。都合よく用いることができる適切な物理的分離方法は、例えば、選択的結晶化およびクロマトグラフィー、例えばカラムクロマトグラフィーである。
【0096】
本発明の化合物はまた、それらの互変異性形態において存在することもできる。そのような形態は、上記の式において明白に示されないが、本発明の範囲内に包含されるものとする。例えば、Hetの定義内で、例えば1,2,4−オキサジアゾールは5位においてヒドロキシもしくはメルカプト基で置換されることができ、従って、以下に示されるようなそのそれぞれの互変異性形態と平衡状態にある。
【0097】
【化10】

【0098】
「プロドラッグ」という用語は、本文の全体にわたって使用する場合、誘導体の得られるインビボ生体内転化産物が本発明の化合物において定義したとおりの活性薬剤であるような、エステル、アミドおよびホスフェートのような薬理学的に許容しうる誘導体を意味する。一般にプロドラッグを記述するGoodmanおよびGilmanによる参考文献(The Pharmacological Basis of Therapeutics,8thed,McGraw−Hill,Int.Ed.1992,“Biotransformation of Drugs”,p13−15)は、本明細書に組み込まれる。本発明の化合物のプロドラッグは、改変が親化合物に日常的な操作によりもしくはインビボにおいて切断されるように化合物に存在する官能基を改変することにより製造される。例えば、スルフヒドリルを含有する置換基は、内因性酵素によりまたは例えば患者における特定の受容体もしくは位置を標的とする酵素により取り除かれるまで化合物を生物学的に不活性にする担体に連結することができる。
【0099】
プロドラッグは優れた水溶性、増加した生物学的利用能を特徴とし、そしてインビボで活性阻害剤に容易に代謝される。
【0100】
本発明はまた、本発明の化合物上に存在する原子の全ての同位体も包含するものとする。同位体には、同じ原子番号しかし異なる質量数を有する原子が包含される。一般的な例としてそして限定されずに、水素の同位体にはトリチウムおよび重水素が包含される。炭素の同位体には、C−13およびC−14が包含される。
【0101】
以下に用いる場合はいつでも、「式(I)の化合物」、「式(II)の化合物」、「式(III)の化合物」、「式(IV)の化合物」、「式(V)の化合物」、「式(VI)
の化合物」、「式(VII)の化合物」、「式(VIII)の化合物」、「式(V)〜(VIII)の化合物」もしくは「本発明の化合物」という用語または同様の用語には、一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)の化合物、それらのN−オキシド、塩、立体異性体、ラセミ混合物、プロドラッグ、エステルおよび代謝物ならびにそれらの四級化窒素アナログが包含されるものとする。式(V)の化合物の興味深い亜群もしくはその任意の亜群は、式(V)の化合物のN−オキシド、塩および全ての立体異性体である。
【0102】
本発明の態様は、4−ピリジルがN−オキシドを形成する本発明の化合物もしくはその亜群のいずれか、例えば化合物番号24のN−オキシドである。
【0103】
【化11】

【0104】
本発明のさらなる態様は、化合物が酸付加塩として存在し、ここで、該塩が好ましくは塩酸塩、臭化水素酸塩、トリフルオロ酢酸塩、フマル酸塩、クロロ酢酸塩、メタンスルホン酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩およびクエン酸塩から選択される、本発明の化合物もしくは本発明の化合物の亜群のいずれかである。
【0105】
本発明のさらなる態様は、Rが独立して水素、アミノ、モノもしくはジ置換されたアミノであり、ここで、アミノの置換基がC1〜6アルキル、C1〜4アルコキシC1〜4アルキル、ジ−C1〜4アルキルアミノC1〜4アルキル、ピペリジン−1−イル−C1〜4アルキル、アリールC1〜6アルキルから選択することができ、ここで、アリール基がC1〜4アルキルもしくはC1〜4アルコキシでさらに置換されることができる本発明の化合物もしくはその任意の亜群である。
【0106】
本発明のさらなる態様は、Rが独立して水素、アミノ、モノもしくはジ置換されたアミノであり、ここで、アミノの置換基がC1〜4アルキル、C1〜4アルコキシC1〜4アルキル、ジ−C1〜4アルキルアミノC1〜4アルキル、ピペリジン−1−イル−C1〜4アルキル、アリールC1〜6アルキルから選択することができ、ここで、アリール基がC1〜4アルコキシでさらに置換されることができる本発明の化合物もしくはその任意の亜群である。
【0107】
本発明のさらなる態様は、Rが独立して水素、アミノ、モノもしくはジ置換されたアミノであり、ここで、アミノの置換基がC1〜2アルキル、C1〜2アルコキシC1〜2アルキル、ジ−C1〜2アルキルアミノC1〜2アルキル、ピペリジン−1−イル−C1〜2アルキル、アリールC1〜2アルキルから選択することができ、ここで、アリール基がC1〜2アルコキシでさらに置換されることができる本発明の化合物もしくはその任意の亜群である。
【0108】
本発明のさらなる態様は、Rが独立して水素、アミノ、モノもしくはジ置換されたアミノであり、ここで、アミノの置換基がメチル、メトキシエチル、ジメチルアミノエチル、ピペリジン−1−イルエチル、ベンジルから選択することができ、ここで、フェニル基がメトキシでさらに置換されることができる本発明の化合物もしくはその任意の亜群である。
【0109】
本発明のさらなる態様は、Rが独立して水素、アミノ、もしくはモノ置換されたアミノであり、ここで、アミノの置換基がメトキシエチル、ジメチルアミノエチル、ピペリジン−1−イルエチルおよびベンジルから選択することができ、ここで、フェニル基がメトキシでさらに置換される本発明の化合物もしくはその任意の亜群である。
【0110】
本発明のさらなる態様は、Rが独立して水素もしくはアミノである本発明の化合物もしくはその任意の亜群である。
【0111】
本発明のさらなる態様は、Rが水素、C1〜10アルキル、アミノC1〜10アルキル、アリールC1〜10アルキル、Het1〜6アルキルもしくは保護基であり、ここで、アリールが場合によりC1〜4アルキル、C1〜4アルキル−カルボニル、ハロ、−OR、−NR4a4b、−SRおよびポリハロC1〜4アルキルから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい本発明の化合物もしくはその任意の亜群である。
【0112】
本発明のさらなる態様は、Rが水素、C1〜6アルキル、アミノC1〜6アルキル、アリールC1〜6アルキル、Het1〜6アルキルもしくはC1〜6アルコキシ−カルボニルである本発明の化合物もしくはその任意の亜群である。
【0113】
本発明のさらなる態様は、Rが水素、C1〜6アルキル、アミノC1〜4アルキル、フェニルC1〜4アルキル、ピロリジン−1−イルC1〜4アルキルもしくはC1〜6アルコキシル−カルボニルである本発明の化合物もしくはその任意の亜群である。
【0114】
本発明のさらなる態様は、各Rが独立して水素、C1〜4アルキル、ポリハロC1〜4アルキル、ハロ、−COR、−COOR、−CONR4a4b、−OR、−NR4a4b、−NR4aCOR、−NR4aSO、−SRもしくはモルホリン−4−イルを表し、そしてここで、C1〜4アルキルが−COORでさらに置換されることができる本発明の化合物もしくはその任意の亜群である。
【0115】
本発明のさらなる態様は、各Rが独立して水素、C1〜4アルキル、−COR、−COORもしくは−CONR4a4bを表し、そしてここで、C1〜4アルキルが−COORでさらに置換されることができる本発明の化合物もしくはその任意の亜群である。
【0116】
本発明のさらなる態様は、各Rが独立して水素、C1〜4アルキル、−COR、−COORもしくは−CONR4a4bを表す本発明の化合物もしくはその任意の亜群である。
【0117】
本発明のさらなる態様は、R11が水素、フルオロもしくはピロリジン−1−イルを表す式(V)、(VI)の化合物もしくはその亜群のいずれかである。
【0118】
本発明のさらなる態様は、R11が水素もしくはフルオロを表す式(V)、(VI)の化合物もしくはその亜群のいずれかである。
【0119】
本発明のさらなる態様は、R12がハロ、C1〜4アルキルもしくはポリハロC1〜4アルキルを表す式(V)、(VI)の化合物もしくはその亜群のいずれかである。
【0120】
本発明のさらなる態様は、R12がハロもしくはポリハロC1〜4アルキルを表す式(V)、(VI)の化合物もしくはその亜群のいずれかである。
【0121】
本発明のさらなる態様は、R12がクロロ、ブロモ、フルオロもしくはトリフルオロメチルを表す式(V)、(VI)の化合物もしくはその亜群のいずれかである。
【0122】
本発明のさらなる態様は、R11がフルオロを表し、そしてR12がクロロもしくはブロモを表す式(V)、(VI)の化合物もしくはその亜群のいずれかである。
【0123】
本発明のさらなる態様は、R11が水素を表し、そしてR12がクロロ、ブロモ、フルオロもしくはトリフルオロメチルを表す式(V)、(VI)の化合物もしくはその亜群のいずれかである。
【0124】
特に興味深い化合物は、以下の表1に記載する式(V)の化合物、特に化合物番号1、番号7、番号21、番号23、番号24および番号25、ならびにそのN−オキシド、塩および立体異性体である。
【0125】
本発明の化合物を製造するために多数の合成経路を用いることができる。一般に、それらは当該技術分野において既知である反応を用いて合成することができる。合成の任意の当該技術分野で既知の方法を用いることができる。しかしながら、以下の合成経路は本発明の化合物の製造に都合がよい。
【0126】
式(V)の化合物は、スキーム1に記載のとおりWamhoff,H.;Kroth,E.Synthesis,1994,405−410から適応した方法に従って合成することができる。
【0127】
【化12】

【0128】
基本的に、3−アミノ−2−ピラジンカルボン酸メチル(1a)をクロロホルムもしくはピリジンのような適当な溶媒の存在下で塩化アシルと反応させて3−アシルアミノピラジン−2−カルボキシレート(1b)を生成せしめる。該3−アシルアミノピラジン−2−カルボキシレート(1b)を例えば水酸化アンモニウムで3−アシルアミノピラジン−2−アミド(1d)に転化する。場合により、3−アシルアミノピラジン−2−カルボキサミド(1d)は、3−アミノ−2−ピラジンカルボキサミド(1c)のアシル化によりすでに得ることができる。
【0129】
次に、3−アシルアミノピラジン−2−アミド(1d)を塩基の添加により環化して式(1e)のプテリジン−4−オール誘導体を形成する。次に、該アルコールを触媒量のジメチルホルムアミド(DMF)の存在下でクロロホルム、ジクロロエタンもしくはテトラヒドロフラン(THF)のような適当な溶媒において塩化チオニルのようなハロゲン化剤の助けによりハロゲンで置換することができる。その後、求核置換をDCM、THFもしくはDMFのような有機溶媒においてTEAもしくはDIPEAのような適当な塩基と一緒に、式HLRのアミンもしくはアルコールで化合物(1f)に行い、式(1g)のプテリジン化合物を生成せしめる。
【0130】
あるいはまた、プテリジン−4−オールは、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩(PyBOP)の存在下でTEAもしくはDIPEAのような適当な塩基と一緒に式HLRのアミンもしくはアルコールと式(1e)の化合物を反応させることにより式(V)のプテリジンにワンポット法において転化することができる。式HLRにおいて、Hは水素であり、そしてLおよびRは式(V)の化合物の置換基の定義において上記に示した意味を有する
【0131】
スキーム2
あるいはまた、スキーム2において以下に示されるように、式(V)の化合物は出発物質として対応するプテリジノンから製造することができ、続いてイミノクロリドにそれらを転化し、そして次に4−アミノピリジンのような適切なアミンで塩素原子を置換する。
【0132】
【化13】

【0133】
(i)塩化チオニル、DMF;(ii)4−アミノニコチン酸メチルエステル、TEA;(iii)NaOH;(iv)PyBOP、TEA、HNR4a4b
【0134】
以下に示すスキーム3および4は、ピリジル核への代替経路およびそのさらなる置換を提供する。
【0135】
【化14】

【0136】
【化15】

【0137】
本発明において具体化される化合物は、表1において以下に示される:
【0138】
【化16】

【0139】
【表1】

【0140】
【表2】

【0141】
【表3】

【0142】
本発明において有用な化合物およびそれらの関連化合物の投与および製剤の方法は、症状の性質、症状の重度、処置する特定の患者および医師の判断により決まり、製剤は投与の形態により決まる。本発明の化合物は小分子であるので、それらは錠剤、カプセル剤、シロップ剤などを提供するためにそれらを適当な製薬学的賦形剤と調合することにより経口投与により都合よく投与される。経口投与に適当な製剤にはまた、バッファー、香料などのような微量成分を含むこともできる。典型的に、製剤における有効成分の量は全製剤の5%〜95%の範囲であるが、担体により幅広いバリエーションが許容される。適当な担体には、ショ糖、ペクチン、ステアリン酸マグネシウム、ラクトース、ピーナッツ油、オリーブ油、水などが包含される。
【0143】
本発明において有用な化合物はまた、座薬もしくは他の経粘膜媒体によって投与することもできる。典型的に、そのような製剤は、製薬学的に許容しうる洗剤のような粘膜を通した化合物の通過を促進する賦形剤を含む。
【0144】
化合物はまた局所的に、もしくは皮膚に浸透することを目的とする製剤において投与することもできる。これらには、既知の方法により調合することができるローション、クリーム、軟膏などが包含される。
【0145】
化合物はまた、静脈内、筋肉内、皮下もしくは腹腔内注射を包含する注射により投与することもできる。そのような用途に典型的な製剤は、ハンクス溶液もしくはリンガー溶液のような等張媒体における液剤である。
【0146】
代わりの製剤には、当該技術分野において既知であるような、鼻腔用スプレー、リポソーム製剤、徐放製剤などが包含される。
【0147】
任意の適当な製剤を用いることができる。当該技術分野で既知の製剤の概要は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,最新版,Mack Publishing Company,Easton,PAに見出される。このマ
ニュアルへの参照は、当該技術分野において日常的である。
【0148】
本発明の化合物の投薬量は、患者によって異なる多数の因子により決まる。しかしながら、一般に、毎日経口投薬量は0.001〜100mg/kg総体重、好ましくは0.01〜50mg/kg、そしてより好ましくは約0.01mg/kg〜10mg/kgを利用すると考えられる。しかしながら、投与処方計画は、処置する症状および医師の判断により異なる。
【0149】
本発明の化合物は個々の有効成分として、もしくはこの処方(formula)のいくつかの態様の混合物として投与できることに留意すべきである。さらに、本発明の化合物は単一の治療薬としてもしくは他の治療薬と組み合わせて用いることができる。
【0150】
実施例から明らかであるように、本発明の化合物は、それらの望ましい抗ウイルス特性のために、HCVに感染した個体の処理においてそしてこれらの個体の予防のために有用である。一般に、本発明の化合物はフラビウイルスに感染した温血動物の処置において有用であることができる。本発明の化合物で防ぐかもしくは処置することができる症状、特にHCVならびに黄熱病、デング熱(1〜4型)、セントルイス脳炎、日本脳炎、マリーバレー脳炎、ウエストナイルウイルスおよびクンジンウイルスのような他の病原性フラビウイルスと関連する症状。HCVと関連する症状には、肝硬変、末期肝疾患およびHCCをもたらす進行性肝線維症、炎症および壊死が包含され;そして他の病原性フラビウイルスでは症状には黄熱病、デング熱、出血熱および脳炎が包含される。
【0151】
従って、本発明の化合物もしくはその任意の亜群は、上記の症状に対する薬剤として用いることができる。薬剤としての該使用もしくは処置の方法は、HCVおよび他の病原性フラビウイルスと関連する症状と闘うために有効な量のHCV感染患者への全身投与を含んでなる。従って、本発明の化合物は、HCVおよび他の病原性フラビウイルスと関連する症状を処置するために有用な薬剤の製造において用いることができる。
【0152】
1つの態様において、本発明は哺乳類におけるHCV感染と関連する感染もしくは疾患を処置するかもしくはそれと闘うための薬剤の製造における本明細書において定義したとおりの式(V)の化合物もしくはその任意の亜群の使用に関する。本発明はまた、本明細書に定義したとおりの式(V)の化合物もしくはその亜群の有効量を処置を必要とする哺乳類に投与することを含んでなるフラビウイルス感染もしくはフラビウイルス感染と関連する疾患を処置する方法にも関する。
【0153】
別の態様において、本発明はフラビウイルス、特にHCVに感染した哺乳類におけるHCV活性を阻害するために有用な薬剤の製造のための本明細書において定義したとおりの式(V)もしくはその任意の亜群の使用に関する。別の態様において、本発明はフラビウイルスに感染した哺乳類におけるHCV活性を阻害するために有用な薬剤の製造のための本明細書において定義したとおりの式(V)もしくはその任意の亜群の使用に関し、ここで、該HCVはその複製において阻害される。
【0154】
また、例えばインターフェロン−α(IFN−α)、PEG化インターフェロン−αおよび/もしくはリバビリンのようなこれまでに既知の抗HCV化合物と本発明の化合物との組み合わせは、併用療法における薬剤として用いることもできる。「併用療法」という用語は、HCV感染の処置における、特にHCV1型感染の処置における同時、別個もしくは逐次使用のための組み合わせた製剤として、必須の(a)本発明の化合物および(b)場合により別の抗HCV化合物を含有する生成物に関する。従って、HCV感染と闘うかもしくはそれを処置するために、本発明の化合物は、例えばインターフェロン−α(IFN−α)、PEG化インターフェロン−αおよび/もしくはリバビリン、ならびにHC
Vエピトープを標的とする抗体、低分子干渉RNA(SiRNA)、リボザイム、DNAザイム、アンチセンスRNA、例えばNS3プロテアーゼ、NS3ヘリカーゼおよびNS5Bポリメラーゼの低分子アンタゴニストに基づく治療法と組み合わせて共投与することができる。
【0155】
従って、本発明はHCVウイルスに感染した哺乳類におけるHCV活性を阻害するために有用な薬剤の製造のための上記に定義したとおりの式(V)の化合物もしくはその任意の亜群の使用に関し、ここで、該薬剤は併用療法において用いられ、該併用療法は好ましくは式(V)の化合物および(PEG化)IFN−αおよび/もしくはリバビリンを含んでなる。
【0156】
式(V)の化合物は、実施例の節においてさらに例示される、Kriegeret al.(2001)Journal of Virology 75:4614−4624(引用することにより本明細書に組み込まれる)により記述されるさらなる改変を有する、Lohmann et al.(1999)Science 285:110−113に基づく細胞HCVレプリコン系において試験できることが当業者により理解される。このモデルは、HCVの完全な感染モデルではないが、現在利用可能な自律的HCV RNA複製の最も強力なそして効率のよいモデルとして広く受け入れられている。この細胞モデルにおいて抗HCV活性を示す化合物は、哺乳類におけるHCV感染の処置におけるさらなる開発の候補とみなされる。HCVレプリコンモデルにおいて細胞傷害もしくは細胞静止効果を及ぼしそして結果としてHCV RNAもしくは連結レポーター酵素濃度の減少を引き起こすものからHCV機能を特異的に妨げる化合物を区別することは重要であることが理解される。例えばレザズリンのような蛍光性レドックス色素を用いるミトコンドリア酵素の活性に基づく細胞傷害性の評価の分野においてアッセイは既知である。さらに、細胞カウンタースクリーニングは、ホタルルシフェラーゼのような連結レポーター遺伝子活性の非選択的阻害の評価のために存在する。適切な細胞タイプは、その発現が構成的に活性の遺伝子プロモーターに依存するルシフェラーゼレポーター遺伝子での安定なトランスフェクションにより用意することができ、そしてそのような細胞は非選択的阻害剤を除くためにカウンタースクリーニングとして用いることができる。前にもしくは以下に言及する全ての特許、特許出願および文献は、引用することにより本明細書に組み込まれる。
【0157】
実施例
以下の実施例は本発明を説明するものであるが、限定するものではない。
【実施例1】
【0158】
2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4−(4−ピリジルアミノ)プテ
リジン、化合物1の合成
【0159】
【化17】

【0160】
3−(5−ブロモ−2−フルオロベンゾイルアミノ)ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル102
CHCl中の3−アミノ−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル101(1.
5g、9.80mmol)および5−ブロモ−2−フルオロベンゾイルクロリド(9.45g、49.0mmol)の溶液にピリジン(7.75g、98.0mmol)をN下で0℃で加えた。反応混合物を40℃で4h温め、次に室温で冷ました。反応混合物を20mLのエタノールでクエンチし、蒸発させ、CHClと1NのNaHCOとの間で分配し、乾燥させ(NaSO)、そして蒸発させた。粗物質をEtOHで研和し、濾過し、EtOHおよびエーテルで洗浄して2.6gの3−(5−ブロモ−2−フルオロベンゾイル−アミノ)ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル102を白色の粉末として生成せしめた(LCMS分析)。
【0161】
3−(5−ブロモ−2−フルオロベンゾイルアミノ)ピラジン−2−カルボキサミド103
エタノール(50mL)中の3−(5−ブロモ−2−フルオロベンゾイルアミノ)ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル102(2.6g、7.34mmol)およびNHOH(15mL)の混合物を還流で10分間加熱した。次に、反応混合物を室温で冷却し、そして沈殿物を濾過して分離し、エタノールおよびエーテルで洗浄して2.1gの表題生成物103を白色の粉末として生成せしめた(LCMS分析)。
【0162】
2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−オン104
O(60mL)およびDMSO(20mL)中の3−(5−ブロモ−2−フルオロベンゾイルアミノ)ピラジン−2−カルボキサミド103(2.3g、6.78mmol)およびKOH(3.81g、67.8mmol)の混合物を室温で45分間攪拌した。AcOHでpH5(pH紙制御)に酸性化し、続いて50mLのよく冷えた水を加えることにより沈殿物を生成せしめ、それを濾過して分離し、HO、アセトニトリルおよびエーテルで洗浄して1.83gの表題生成物104を白色の粉末として生成せしめた(LCMS分析)。
【0163】
2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4−(4−ピリジルアミノ)プテリジン、化合物番号1
CHCl中の2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−オン104(800mg、2.49mmol)、4−アミノピリジン(469mg、4.98mmol)およびPyBOP(2.59g、4.98mmol)の溶液にトリエチルアミン(1.04mL、7.17mmol)を加えた。12h後に、反応混合物をCHCl/石油エーテル(2:1、300mL)とよく冷えた1N HCl(300mL)との間で分配した。水相のpHを濃NaOHで12に調整し、そしてAcOEtで抽出し、乾燥させ(NaSO)、そして蒸発させた。残留物をCHCl/石油エーテル(2:1、15mL)において研和し、濾過して分離し、そしてエーテルで洗浄した。生成物をカラムクロマトグラフィー(AcOEt/CHCl/MeOH、5:4:1)により精製して325mgの表題化合物1を黄色の粉末として生成せしめた(LCMS分析)。
【実施例2】
【0164】
4−[[2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−イル]アミノ]ニコチン酸、化合物番号16および4−[[2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−イル]アミノ]−N−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロピル]ニコチンアミド、化合物番号21の合成
【0165】
【化18】

【0166】
2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4−クロロプテリジン106
クロロホルム(5mL)および乾式DMF(100μL)中の2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−オン104(200mg、0.623mmol)の攪拌懸濁液に塩化チオニル(371mg、3.11mmol)を加えた。反応混合物を窒素下で1h還流させた(HPLCにより出発物質はなくなった)。溶媒を真空中で除いた。次に残留物をEtOにおいて研和し、そして濾過して分離して210mgの表題生成物106を黄色の固体として生成せしめた(LCMS分析)。
【0167】
4−[[2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−イル]アミノ]ニコチン酸メチルエステル107
ジクロロエタン(5mL)中の2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4−クロロプテリジン106(200mg、0.589mmol)、4−アミノニコチン酸メチルエステル(224mg、1.47mmol)の溶液に、トリエチルアミン(300μL、2.07mmol)を滴下して加えた。得られる混合物を70℃で15分間加熱し、次にシリカでクエンチし、そしてカラムクロマトグラフィー(AcOEt/CHCl/トリエチルアミン、70/19/1)により精製した。AcOEt/EtOからの結晶化により200mgの表題生成物107を黄色のプリズム(prisms)として生成せしめた(LCMS分析)。
【0168】
4−[[2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−イル]アミノ]ニコチン酸16
THF/MeOH/HO(3:2:1、5mL)中の4−[[2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−イル]アミノ]ニコリン酸メチルエステル107(200mg、0.439mmol)およびNaOH(44mg、1.10mmol)の溶液を室温で3h攪拌した。溶媒を蒸発させ、そして残留物をHOに溶解させ、AcOHで中和し、濾過して分離し、そしてHO、MeOHおよびエーテルで連続して洗浄して160mgの表題生成物16を黄色の粉末として生成せしめた(LCMS分析)。
【0169】
4−[[2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−イル]アミノ]−N−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロピル]ニコチンアミド21
CHCl(10mL)中の4−[[2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−イル]アミノ]ニコチン酸16(150mg、0.340mmol)、PyBOP(0.350mg、0.68mmol)および1−(3−アミノプロピル)ピロリジノン(97mg、0.68mmol)の溶液にトリエチルアミン(140μL、1.00mmol)をゆっくりと加えた。室温で15分後に、反応混合物を蒸発させ、そして
残留物をカラムクロマトグラフィー(AcOEt/CHCl、2:1+1%トリエチルアミン〜AcOEt/CHCl/MeOH、7:2:1+1%トリエチルアミン)により精製した。黄色の粉末をEtOHから再結晶化させて58mgの表題生成物21を黄色のプリズムとして生成せしめた(LCMS分析)。
【実施例3】
【0170】
2−(5−ブロモ−2−ピロリジン−1−イルフェニル)−4−(3−メチル−4−ピリジルアミノ)プテリジン、化合物番号6の合成
【0171】
【化19】

【0172】
2−(5−ブロモ−2−ピロリジン−1−イルフェニル)プテリジン−4−オン110
ピロリジン中の2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−オン104の溶液をマイクロ波空洞(出力=270W、温度=110℃)において12分間加熱した。ピロリジンを蒸発させ、次に残留物をNaHCO 0.5NとCHClとの間で分配し、乾燥させ(NaSO)、そして蒸発させた。EtOにおける研和により表題生成物110を黄色の粉末として生成せしめた(LCMS分析)。
【0173】
2−(5−ブロモ−2−ピロリジン−1−イルフェニル)−4−(3−メチル−4−ピリジルアミノ)プテリジン6
表題生成物は、4−(4−ピリジルミノ)−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン1について記述した方法に従って2−(5−ブロモ−2−ピロリジン−1−イル−フェニル)プテリジン−4−オン110および4−アミノ−3−メチルピリジンの反応により合成した(LCMS分析)。
【実施例4】
【0174】
4−[(ブチル)(4−ピリジル)アミノ]−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン、化合物番号3の合成
【0175】
【化20】

【0176】
4−ブチルアミノピリジン113
水(30mL)中の4−クロロピリジン(2.0g、17.6mmol)、50%ブチ
ルアミンの溶液を密封管において150℃で24h加熱した。反応混合物を蒸発させ、0.1N NaOHとCHClとの間で分配し、乾燥させ(NaSO)、そして蒸発させた。エーテル/石油エーテル4:1における結晶化により2.4gの表題生成物113を白色の粉末として生成せしめた(LCMS分析)。
【0177】
4−[(ブチル)(4−ピリジル)アミノ]−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン3
表題生成物は、4−(4−ピリジルアミノ)−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン1について記述した方法に従って4−ブチルアミノピリジン113と2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−オン104との反応により合成した(LCMS分析)。
【実施例5】
【0178】
2−(3−フルオロフェニル)−4−(4−ピリジルアミノ)プテリジン、化合物番号27の合成
【0179】
【化21】

【0180】
表題生成物は、4−[(ブチル)(4−ピリジル)アミノ]−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン3について記述した方法に従って4−アミノピリジンと2−(3−フルオロフェニル)プテリジン−4−オンとの反応により合成した。
【実施例6】
【0181】
2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4−[(メチル)(4−ピリジル)アミノ]プテリジン、化合物番号2の合成
【0182】
【化22】

【0183】
表題生成物は、4−[(ブチル)(4−ピリジル)アミノ]−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン3について記述した方法に従って4−(メチルアミノ)ピリジンと2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−オン104との反応により合成した。
【実施例7】
【0184】
2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4−[(3,3−ジメチルブチル)(4−ピリジル)アミノ]プテリジン、化合物番号4の合成
【0185】
【化23】

【0186】
表題生成物は、4−[(ブチル)(4−ピリジル)アミノ]−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン3について記述した方法に従って4−(3,3−ジメチルブチルアミノ)ピリジンと2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−オン104との反応により合成した。
【実施例8】
【0187】
4−[(ベンジル)(4−ピリジル)アミノ]−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン、化合物番号5の合成
【0188】
【化24】

【0189】
表題生成物は、4−[(ブチル)(4−ピリジル)アミノ]−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン3について記述した方法に従って4−(ベンジルアミノ)ピリジンと2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−オン104との反応により合成した。
【実施例9】
【0190】
2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4−(3−メチル−4−ピリジルアミノ)プテリジン、化合物番号7の合成
【0191】
【化25】

【0192】
表題生成物は、4−[(ブチル)(4−ピリジル)アミノ]−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン3について記述した方法に従って4−アミノ−3−メチルピリジンと2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−オン104との反応により合成した。
【実施例10】
【0193】
2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4−(フェニルアミノ)プテリジン、化合物番号8の合成
【0194】
【化26】

【0195】
表題生成物は、4−[(ブチル)(4−ピリジル)アミノ]−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン3について記述した方法に従ってアニリンと2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−オン104との反応により合成した。
【実施例11】
【0196】
2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4−(2−トリルアミノ)プテリジン、化合物番号9の合成
【0197】
【化27】

【0198】
表題生成物は、4−[(ブチル)(4−ピリジル)アミノ]−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン3について記述した方法に従って2−メチルアニリンと2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−オン104との反応により合成した。
【実施例12】
【0199】
2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4−[4−(2−ピリジル)ピペラジン−1−イル]プテリジン、化合物番号12の合成
【0200】
【化28】

【0201】
表題生成物は、4−[(ブチル)(4−ピリジル)アミノ]−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン3について記述した方法に従って1−(2−ピリジル)ピペラジンと2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−オン104との反応により合成した。
【実施例13】
【0202】
2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4−[(メチル)(フェニル)アミノ]プテリジン、化合物番号10の合成
【0203】
【化29】

【0204】
表題生成物は、4−[(ブチル)(4−ピリジル)アミノ]−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン3について記述した方法に従ってN−メチルアニリンと2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−オン104との反応により合成した。
【実施例14】
【0205】
2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4−[(2−ヒドロキシエチルアミノ)プテリジン、化合物番号11の合成
【0206】
【化30】

【0207】
表題生成物は、4−[(ブチル)(4−ピリジル)アミノ]−2−(5−ブロモ−2−
フルオロフェニル)プテリジン3について記述した方法に従って2−ヒドロキシエチルアミンと2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−オン104との反応により合成した。
【実施例15】
【0208】
2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4−(4−モルホリノフェニルアミノ)プテリジン、化合物番号14の合成
【0209】
【化31】

【0210】
表題生成物は、4−[(ブチル)(4−ピリジル)アミノ]−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン3について記述した方法に従って4−(4−モルホリノ)アニリンと2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−オン104との反応により合成した。
【実施例16】
【0211】
2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4−(2−メチル−4−ピリジルアミノ)プテリジン、化合物番号15の合成
【0212】
【化32】

【0213】
表題生成物は、4−[(ブチル)(4−ピリジル)アミノ]−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン3について記述した方法に従って4−アミノ−2−メチルピリジンと2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−オン104との反応により合成した。
【実施例17】
【0214】
2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4−[[2−(ピロリジン−1−イル)エチル]−(4−ピリジル)アミノ]プテリジン、化合物番号17の合成
【0215】
【化33】

【0216】
表題生成物は、4−[(ブチル)(4−ピリジル)アミノ]−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン3について記述した方法に従って4−[2−(ピロリジン−1−イル)エチルアミノ]ピリジンと2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−オン104との反応により合成した。
【実施例18】
【0217】
2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4−[(フェネチル)(4−ピリジル)アミノ]プテリジン、化合物番号22の合成
【0218】
【化34】

【0219】
表題生成物は、4−[(ブチル)(4−ピリジル)アミノ]−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン3について記述した方法に従って4−(フェネチルアミノ)ピリジンと2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−オン104との反応により合成した。
【実施例19】
【0220】
2−(2−メチル−6−ピリジル)−4−[(3−メチル−4−ピリジル)アミノ]プテリジン、化合物番号19の合成
【0221】
【化35】

【0222】
表題生成物は、4−[(ブチル)(4−ピリジル)アミノ]−2−(5−ブロモ−2−
フルオロフェニル)プテリジン3について記述した方法に従って4−アミノ−3−メチルピリジンと2−(2−メチル−6−ピリジル)プテリジン−4−オンとの反応により合成した。
【実施例20】
【0223】
2−(3−クロロフェニル)−4−(4−ピリジルアミノ]プテリジン、化合物番号18の合成
【0224】
【化36】

【0225】
表題生成物は、4−[(ブチル)(4−ピリジル)アミノ]−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン3について記述した方法に従って4−アミノピリジンと2−(3−クロロフェニル)プテリジン−4−オンとの反応により合成した。
【実施例21】
【0226】
2−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−(3−エチル−4−ピリジルアミノ)プテリジン、化合物番号23の合成
【0227】
【化37】

【0228】
表題生成物は、4−[(ブチル)(4−ピリジル)アミノ]−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン3について記述した方法に従って4−アミノ−3−エチルピリジンと2−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−オンとの反応により合成した。
【実施例22】
【0229】
2−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−(3−メチル−4−ピリジルアミノ)プテリジン、化合物番号25の合成
【0230】
【化38】

【0231】
表題生成物は、4−[(ブチル)(4−ピリジル)アミノ]−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン3について記述した方法に従って4−アミノ−3−メチルピリジンと2−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−オンとの反応により合成した。
【実施例23】
【0232】
2−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−(4−ピリジルアミノ)プテリジン、化合物番号24の合成
【0233】
【化39】

【0234】
表題生成物は、4−[(ブチル)(4−ピリジル)アミノ]−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン3について記述した方法に従って4−アミノピリジンと2−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)プテリジン−4−オンとの反応により合成した。
【実施例24】
【0235】
2−(3−トリフルオロメチルフェニル)−4−(4−ピリジルアミノ)プテリジン、化合物番号26の合成
【0236】
【化40】

【0237】
表題生成物は、4−[(ブチル)(4−ピリジル)アミノ]−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プテリジン3について記述した方法に従って4−アミノピリジンと2−(3−トリフルオロメチルフェニル)プテリジン−4−オンとの反応により合成した。
【0238】
以下の表2において、合成した化合物のLCMSデータを示す:
【0239】
【表4】

【実施例25】
【0240】
HCVレプリコンアッセイにおける式(V)の化合物の活性
安定なレプリコン細胞レポーターアッセイ:
本発明の化合物を細胞アッセイにおいてHCV RNA複製の阻害における活性について調べる。アッセイは、本発明の化合物が細胞培養において機能性のHCVレプリコンに対して活性を示すことを明らかにする。細胞アッセイは、複数標的スクリーニング戦略において、Krieger et al.(2001)Journal of Virology 75:4614−4624により記述される改変を有するLohmann et
al.(1999)Science vol.285 pp.110−113により記述されるような2シストロン性発現構築物に基づく。本質的に、方法は下記のとおりである。
【0241】
アッセイは、安定にトランスフェクションされた細胞系Huh−7 luc/neo(以下にHuh−Lucと称する)を利用する。この細胞系は、レポーター部分(FfL−ルシフェラーゼ)および選択可能なマーカー部分(neo、ネオマイシンホスホトラン
スフェラーゼ)が前に置かれる、脳心筋炎ウイルス(EMCV)からの内部リボソーム侵入部位(IRES)から翻訳されるHCV 1b型の野生型NS3−NS5B領域を含んでなる2シストロン性発現構築物をコードするRNAを保有する。構築物は、HCV 1b型からの5’および3’NTR(非翻訳領域)に隣接している。G418(neo)の存在下でのレプリコン細胞の継続培養は、HCV RNAの複製に依存する。とりわけルシフェラーゼをコードする、自律的にそして高レベルに複製するHCV RNAを発現する安定にトランスフェクションされたレプリコン細胞は、抗ウイルス化合物をスクリーニングするために用いられる。
【0242】
細胞アッセイ実験方法:
レプリコン細胞を様々な濃度で加える試験およびコントロール化合物の存在下で384ウェルプレートにおいて平板培養する。3日のインキュベーションの後に、ルシフェラーゼ活性をアッセイすることにより(標準的なルシフェラーゼアッセイ基質および試薬ならびにPerkin Elmer ViewLuxTm ultraHTSマイクロプレート撮像装置を用いて)HCV複製を測定する。コントロール培養物におけるレプリコン細胞は、あらゆる阻害剤の不在下で高いルシフェラーゼ発現を有する。ルシフェラーゼ活性への化合物の阻害活性をHuh−Luc細胞上でモニターし、各試験化合物の用量反応曲線を可能にする。次に、EC50値を計算し、この値は検出されるルシフェラーゼ活性のレベル、もしくはさらに特に遺伝子的に連結されたHCVレプリコンRNAの複製する能力を50%減少するために必要とされる化合物の量を表す。
【0243】
試験した化合物は、下記のような活性を有することが見出された:
【0244】
【表5】

【実施例26】
【0245】
オスSwiss SPF(CD1)マウスにおける化合物番号21の薬物動態プロフィール
化合物番号21を1mg塩基当量(base−eq.)/ml、pH4.36の最終濃度で10%のヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HP−β−CD)溶液に溶解した。
【0246】
3匹の動物に20mg塩基当量/kgの用量を得るように化合物番号21の溶液を経口投与した。血液サンプルを経口用量投与後30分、1、2、4、8および24hで採取した。血漿は、約1900xgで4℃で10分間の遠心分離後に得られた。
【0247】
各経口投与した動物から心臓および肝臓の個々のサンプルを切断し、そして秤量した。組織サンプルを脱塩水において均質化した。
【0248】
血漿および組織サンプルを適格とされる研究LC−MS/MS方法を用いて化合物番号21について分析した
限定薬物動態分析は、WinNonlinTM Professional(バージョン4.0.1)を用いて行った。lin/log補間を有するlin/log台形公式を用いる非コンパートメント解析を全てのデータに使用した。動物間の変動は、標準偏差(st dev)により示される。
【0249】
平均血漿および組織濃度およびいくつかの基本薬物動態パラメーターの概観は、表4および図1に見出されることができる。
【0250】
結論:経口製剤の分析した濃度は1.0mg塩基当量/mlであり、経口で20mg塩基当量/kgの正確な用量をもたらす。投与の日に安定性の問題は認められなかった。
【0251】
血漿
20mg塩基当量/kgでの化合物番号21の単回経口投与後にレベルは投与後8hまで定量可能であった(表4および図1)。平均最大血漿濃度(Cmax)は投与後0.5h(Tmax)で認められる220ng/mlであり、化合物の迅速な吸収を示す。平均半減期(t1/2(2〜8h))は2.9hであった。AUC0〜infにより計算した場合の暴露は、332ng.h/mlであった。
【0252】
組織
図1に示されるように、血漿と一緒に調べた組織は全く同様の濃度時間プロフィールを有し、血漿と試験した組織間の分配平衡を示す。平均最大組織濃度(Cmax)は投与後0.5hで血漿におけるのと同時に得られ、迅速な平衡を示す。最高濃度は、それぞれ24および3.8の組織対血漿比で肝臓(4057ng/g)次に心臓(678ng/g)において認められた(表4および図1)。肝臓について概算される平均半減期(t1/2(2〜8h))は3.5h、そして心臓については3.4hであり、これは血漿のもの(2.9h)と同程度であった。組織レベルは血漿と同様のパターンで減少し、そして投与後8hで低レベルのみの化合物がまだ検出可能であり、滞留の大きな証拠がないことを示す。
【0253】
【表6】

【図面の簡単な説明】
【0254】
【図1】オスSwiss SPF(CD1)マウスにおける20mg塩基当量/kgでの単回経口投与後の化合物番号21の平均血漿および組織濃度(n=3)を説明する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
HCVに感染した哺乳類におけるHCV複製を阻害するための薬剤の製造のための式(I)
【化1】

[式中、
は独立して水素、アミノ、モノもしくはジ置換されたアミノであり、ここで、アミノの置換基はC1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜4アルコキシC1〜4アルキル、ジC1〜4アルキルアミノC1〜4アルキル、ピペリジン−1−イル−C1〜4アルキル、アリールC1〜6アルキルから選択することができ、ここで、アリール基はC1〜4アルキルもしくはC1〜4アルコキシでさらに置換されることができ;
Lは−NR−、−NR−C1〜6アルカンジイル−、−NR−CO−C1〜6アルカンジイル−、−NR−SO−C1〜6アルカンジイル−、−O−、−O−C1〜6アルカンジイル−、−O−CO−、−O−CO−C1〜6アルカンジイル−、−S−、−S−C1〜6アルカンジイル−もしくは
【化2】

であり、ここで、点線の環はNおよびZと一緒になって環員NおよびZを含む5〜8員を有するHetサイクルを形成し、そしてここで、該L環は窒素原子によりプテリジン環に結合しており;
ZはNもしくはCHを表し;
は水素、ヒドロキシC1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、アリール、HetもしくはHetを表し、ここで、該C3〜7シクロアルキル、アリール、HetおよびHetは各々独立して場合によりC1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、ポリハロC1〜4アルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、−COR、−COOR、−CONR4a4b、−OR、−OCOR、−OCONR4a4b、−NR4a4b、−NR4aCOR、−NR4aCONR4a4b、−NR4aSOR、−NR4aSO、−SR、−SOR、−SO、−SO、−SONR4a4b、モルホリン−4−イル、フェニル、アミノフェニルおよびアミノフェニルカルボニルから選択される1個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、そしてここで、C1〜4アルキルは−COORでさらに置換されることができ;
は各々独立して場合によりC1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、ポリハロC1〜4アルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、−COR、−COOR、−CONR4a4b、−OR、−OCOR、−OCONR4a4b、−NR4a4b、−NR4aCOR、−NR4aCOOR、−NR4aCONR4a4b、−NR4aSOR、−NR4aSO、−SR、−SOR、−SO、−SO、−SONR4a4bから選択される1個もしくはそれ以上の置換基で
置換されていてもよい、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、アリール、アリールC1〜6アルキル、Het、HetもしくはHet−C1〜6アルキルを表し;そしてここで、R4aおよびR4bは場合により、それらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により1もしくは2個の追加のヘテロ原子を含んでなっていてもよい、5〜8員の飽和、不飽和もしくは部分的に不飽和の環を形成していてもよく;
各R4aおよびR4bは独立して水素、C1〜4アルキル、ヒドロキシC1〜4アルキル、Het−C1〜4アルキル、ポリハロC1〜4アルキル、シアノもしくはニトロであり;
各Rは独立して水素もしくはC1〜4アルキルであり;
各Rは独立して水素もしくはC1〜4アルキルであり;
各Rは独立して水素もしくはC1〜4アルキルであり;そして
は水素、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C1〜10アルキルカルボニル、アミノC1〜10アルキル、アリール、アリールカルボニル、アリールC1〜10アルキル、Het、Het1〜6アルキルもしくは保護基であり、ここで、アリールは場合によりC1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、C1〜4アルキルカルボニル、フェニル、C1〜4アルキルフェニル、フェニルカルボニル、アミノフェニル、アミノC1〜4アルキルフェニル、アミノフェニルカルボニル、ハロ、−OR、−NR4a4b、−SR、−SOR、−NR4aSOR、−NR4aSO、−SO、−OCOR、−NR4aCOR、−NR4aCONR4a4b、−NR4aCOOR、−OCONR4a4b、−COOR、−SO、−CONR4a4b、−SONR4a4b、シアノ、ポリハロC1〜4アルキルおよびニトロから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
基もしくは基の一部としてのHetは、窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1個もしくはそれ以上のヘテロ原子環員を含有しそして場合によりC1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、場合によりモノもしくはジ置換されていてもよいアミノ、ニトロ、シアノ、ポリハロC1〜4アルキル、カルボキシル、C1〜6アルコキシカルボニル、C3〜7シクロアルキル、場合によりモノもしくはジ置換されていてもよいアミノカルボニル、メチルチオ、メチルスルホニル、アリールおよび窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1個もしくはそれ以上のヘテロ原子環員を含有する3〜12個の環員を有する飽和もしくは部分的に不飽和の単環式、二環式もしくは三環式複素環により1個もしくはそれ以上の炭素原子上で置換されていてもよい、好ましくは3〜12個の環員、より好ましくは5〜10個の環員、そしてより好ましくは5〜8個の環員を有する飽和もしくは部分的に不飽和の単環式、二環式もしくは三環式複素環として定義され、そしてここで、いずれかのアミノ官能基上の場合による置換基は水素もしくはC1〜4アルキルであり;
基もしくは基の一部としてのHetは、窒素、酸素もしくは硫黄から各々独立して選択される1個もしくはそれ以上のヘテロ原子環員を含有しそして場合によりC1〜6アルキル、場合によりモノもしくはジ置換されていてもよいアミノC1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、場合によりモノもしくはジ置換されていてもよいアミノ、ニトロ、シアノ、ポリハロC1〜4アルキル、カルボキシル、C1〜6アルコキシカルボニル、C3〜7シクロアルキル、場合によりモノもしくはジ置換されていてもよいアミノカルボニル、メチルチオ、メチルスルホニル、アリール、Hetおよび3〜12個の環員を有する芳香族単環式、二環式もしくは三環式複素環により1個もしくはそれ以上の炭素原子上で置換されていてもよい、3〜14個の環員、好ましくは5〜10個の環員、そしてより好ましくは5〜6個の環員を有する芳香族単環式、二環式もしくは三環式複素環として定義され;ここで、いずれかのアミノ官能基上の場合による置換基は水素もしくはC1〜4アルキルであり;そして
基もしくは基の一部としてのアリールはフェニルである]
を有する化合物、そのN−オキシド、塩、立体異性体、ラセミ混合物、プロドラッグ、エ
ステルもしくは代謝物の使用。
【請求項2】
化合物が式(II)
【化3】

[式中、R、R、R4a、R4b、R、R、R、R、HetおよびHetは請求項1に示したとおりの意味を有し;
はC1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、ポリハロC1〜4アルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、−COR、−COOR、−CONR4a4b、−OR、−OCOR、−OCONR4a4b、−NR4a4b、−NR4aCOR、−NR4aCONR4a4b、−NR4aSOR、−NR4aSO、−SR、−SOR、−SO、−SO、−SONR4a4b、モルホリン−4−イル、フェニル、アミノフェニルもしくはアミノフェニルカルボニルを表し、そしてここで、C1〜4アルキルは−COORでさらに置換されることができ;そして
nは0、1、2、3もしくは4である]
そのN−オキシド、塩、立体異性体、ラセミ混合物、プロドラッグ、エステルもしくは代謝物を有する請求項1に記載の使用。
【請求項3】
化合物が式(III):
【化4】

[式中、R、L、R、R4a、R4b、R、R、R、R、HetおよびHetは請求項1に示したとおりの意味を有し;
10はC1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、ポリハロC1〜4アルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、−COR、−COOR、−CONR4a4b、−OR、−OCOR、−OCONR4a4b、−NR4a4b、−NR4aCOR、−NR4aCOOR、−NR4aCONR4a4b、−NR4aSOR、−NR4aSO、−SR、−SOR、−SO、−SOおよび−SONR4a4bを表し;そして
mは0、1、2、3もしくは4である]
そのN−オキシド、塩、立体異性体、ラセミ混合物、プロドラッグ、エステルもしくは代謝物を有する請求項1に記載の使用。
【請求項4】
化合物が式(IV):
【化5】

[式中、R、R4a、R4b、R、R、R、R、HetおよびHetは請求項1に示したとおりの意味を有し;
はC1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、ポリハロC1〜4アルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、−COR、−COOR、−CONR4a4b、−OR、−OCOR、−OCONR4a4b、−NR4a4b、−NR4aCOR、−NR4aCONR4a4b、−NR4aSOR、−NR4aSO、−SR、−SOR、−SO、−SO、−SONR4a4b、モルホリン−4−イル、フェニル、アミノフェニルもしくはアミノフェニルカルボニルを表し、そしてここで、C1〜4アルキルは−COORでさらに置換されることができ;
10はC1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、ポリハロC1〜4アルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、−COR、−COOR、−CONR4a4b、−OR、−OCOR、−OCONR4a4b、−NR4a4b、−NR4aCOR、−NR4aCOOR、−NR4aCONR4a4b、−NR4aSOR、−NR4aSO、−SR、−SOR、−SO、−SOおよび−SONR4a4bを表し;
nは0、1、2、3もしくは4であり;そして
mは0、1、2、3もしくは4である]
そのN−オキシド、塩、立体異性体、ラセミ混合物、プロドラッグ、エステルもしくは代謝物を有する請求項1に記載の使用。
【請求項5】
化合物が式(V):
【化6】

[式中、
は水素もしくはアミノであり;
は水素、C1〜6アルキル、アミノC1〜4アルキル、フェニルC1〜4アルキル、ピロリジン−1−イルC1〜4アルキルもしくはC1〜6アルコキシカルボニルであり;
各Rは独立して水素、C1〜4アルキル、−COR、−COORもしくは−CONR4a4bを表し;
nは0、1、2、3もしくは4であり;
11は水素、ハロもしくは−NR4a4bを表し、ここで、R4aおよびR4bは場合により、それらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により1もしくは2個の追加のヘテロ原子を含んでなってもよい、5〜8員の飽和、不飽和もしくは部分的に不飽和の環を形成していてもよく;
12は水素、ハロ、C1〜4アルキルもしくはポリハロC1〜4アルキルを表し;
は水素もしくはC1〜4アルキルであり;
は水素もしくはC1〜4アルキルであり;そして
4aおよびR4bは独立して水素、C1〜4アルキル、2−オキソ−ピロリジン−1−イル−C1〜4アルキルである]
その塩、立体異性体およびラセミ混合物を有する請求項1に記載の使用。
【請求項6】
化合物が式(VI):
【化7】

[式中、R、R、R、R11、R12、Rは請求項5に定義したとおりである]
その塩、立体異性体およびラセミ混合物を有する請求項5に記載の使用。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物のHCV阻害有効量の投与を含んでなる、HCVに感染した哺乳類におけるHCV複製の阻害方法。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物のHCV阻害有効量の投与を含んでなる、HCVに感染した哺乳類の処置方法。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物のHCV阻害有効量の投与を含んでなる、哺乳類におけるHCV感染に関連する臨床症状の処置方法。
【請求項10】
臨床症状が肝線維症以外である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
式(VII):
【化8】

[式中、
は水素もしくはアミノであり;
は水素、C1〜6アルキル、フェニルC1〜4アルキルであり;
は水素、C1〜4アルキル、−COR、−COORもしくは−CONR4a4bを表し;
は独立して水素もしくはC1〜4アルキルであり;
各Rは独立して水素もしくはC1〜4アルキルであり;そして
各R4aおよびR4bは独立して水素、C1〜4アルキル、2−オキソ−ピロリジン−1−イル−C1〜4アルキルであり;
ただし、Rが水素である場合、Rは水素ではない]
の化合物、その塩、立体異性体およびラセミ混合物。
【請求項12】
がC1〜6アルキル、フェニルC1〜4アルキルであり;
、R4a、R4b、R、RおよびRが請求項11において挙げたとおりである
請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
がC1〜4アルキル、−COR、COORもしくは−CONR4a4bを表し;
、R4a、R4b、R、RおよびRが請求項11において挙げたとおりである
請求項11に記載の化合物。
【請求項14】
式(VIII):
【化9】

[式中、
は独立して水素もしくはアミノであり;
は水素、C1〜6アルキル、フェニルC1〜4アルキルであり;
は水素、C1〜4アルキル、−COR、COORもしくは−CONR4a4bを表し;
は独立して水素もしくはC1〜4アルキルであり;
各Rは独立して水素もしくはC1〜4アルキルであり;そして
各R4aおよびR4bは独立して水素、C1〜4アルキル、2−オキソ−ピロリジン−1−イル−C1〜4アルキルであり;
ただし、Rが水素である場合、Rは水素ではない]
の化合物、その塩、立体異性体、ラセミ混合物。
【請求項15】
がC1〜4アルキル、−COR、COORもしくは−CONR4a4bを表し;
、R4a、R4b、R、RおよびRが請求項14において挙げたとおりである
請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
がC1〜6アルキル、フェニルC1〜4アルキルであり;
、R4a、R4b、R、RおよびRが請求項14において挙げたとおりである
請求項14に記載の化合物。
【請求項17】
が水素であり;
が水素であり;
がC1〜4アルキルを表す
請求項11〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項18】
が水素であり;
がC1〜6アルキルであり;
が水素を表す
請求項11〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項19】
薬剤としての使用のための請求項11〜18のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
請求項11〜18のいずれか1項に記載の1種もしくはそれ以上の化合物を含んでなる製薬学的組成物。
【請求項21】
1種もしくはそれ以上の他の抗HCV薬と請求項11〜18のいずれか1項に記載の化合物との組み合わせ。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2008−540493(P2008−540493A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−510593(P2008−510593)
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【国際出願番号】PCT/EP2006/062289
【国際公開番号】WO2006/120251
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(504347371)テイボテク・フアーマシユーチカルズ・リミテツド (94)
【Fターム(参考)】