説明

HIVインテグラーゼ阻害薬

本発明は、HIVインテグラーゼ阻害剤であって、HIV複製の阻害、HIVによる感染の予防及び/又は治療、ならびにAIDS及び/又はARCの治療に有用であり得る化合物である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ヒト免疫不全ウイルス(「HIV」)は、後天性免疫不全症候群(「AIDS」)及びその前兆であるエイズ関連症候群(「ARC」)の原因因子である。後天性免疫不全症候群(「AIDS」)は、免疫系(特に、CD4+T細胞)が破壊されて、日和見感染に対して感受性を有することにより特徴付けられる疾患であり、エイズ関連症候群(「ARC」)は、持続性全身性リンパ節腫脹、発熱及び体重減少などの症状によって特徴付けられる症候群である。HIVは、レトロウイルスである。そのRNAは、逆転写酵素の作用によりDNAに変換される。逆転写酵素の機能を阻害する化合物は、感染細胞内におけるHIVの複製を阻害する。そのような化合物は、ヒトにおけるHIV感染の予防又は治療において有用である。
【0002】
ヒトT細胞内でのHIV複製において必要なステップは、ウイルスによってコードされたインテグラーゼによるプロウイルスDNAの宿主細胞ゲノム内への挿入である。組込みは、ウイルスDNA配列を有する安定な核タンパク質複合体の構築及び線状プロウイルスDNAの3'末端からの2つのヌクレオチドの切断及び宿主標的部位で作られた互い違い切断におけるプロウイルスDNAの陥凹3'OH末端の共有結合による結合を含むプロセスにおいて、インテグラーゼが介在していると考えられている。結果として生じたギャップの修復合成は、細胞の酵素によってなされ得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ヒトの疾患を治療するための新規治療薬を見いだすことが継続的に求められている。HIVインテグラーゼは、ウイルス感染(特に、HIV感染)において重要な役割を果たしているので、新しい治療薬の発見のための魅力的な標的である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、HIVインテグラーゼ阻害薬である化合物であり、従って、HIV複製の阻害において有用であり、HIVによる感染の予防及び/又は治療において有用であり、また、AIDS及び/又はARCの治療において有用である。本発明は、式(I):
【化1】

【0005】
[式中、
R1は、水素、ヒドロキシ、CN、N(RaRb)、C1-8アルキル、C3-7シクロアルキル、ハロゲンおよびC1-8アルコキシから独立して選択される1以上の置換基であり;
R2は、水素、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、C3-7シクロアルキル、C6-14アラルキル、C2-6アルケニル、C3-7シクロアルケニル、C3-6アルキニル、C6-14アリール又はヘテロ環[ここで、これらは、それぞれ、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、C3-7シクロアルキル、C2-6アルケニル、C3-7シクロアルケニル、C3-6アルキニル、ハロゲン、CN、NO2、ORa、N(RaRb)、S(O)mRa、SRa、OS(O)mRa、S(O)mORa、OS(O)mORa、N(Ra)S(O)mRb、S(O)mN(RaRb)、N(Ra)S(O)mN(RaRb)、OS(O)mN(RaRb)、N(Ra)S(O)mORb、C(O)Ra、OC(O)Ra、C(O)ORa、OC(O)ORa、N(Ra)C(O)Rb、C(O)N(RaRb)、N(Ra)C(O)N(RaRb)、OC(O)N(RaRb)、N(Ra)C(O)ORb、C(NRaRb)=N(Ra)、N(Ra)C(NRaRb)=N(Ra)、C(SRa)=N(Rb)、C(ORa)=N(Rb)、N(Ra)C(SRa)=N(Rb)及びヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、オキソ又はRaで置換されていてもよい)からなる群から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよい]から選択され;
あるいはR2がC5-7シクロアルキル、C6-14アラルキル、C5-7シクロアルケニル、C6-14アリール若しくはヘテロ環である場合、R2は、5〜7員の炭素環式環若しくはヘテロ環式環に縮合していてもよく;
R3は、
【化2】

【0006】
[式中、
Lは、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、C(O)NHR7で置換されていてもよい)であり;
Xは、O又はNHR6であり;
R4及びR5は、独立して、水素、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、C(O)Ra若しくはC(O)NRaRbで置換されていてもよい)、又は、C6-14アリール(ここで、該C6-14アリールは、ハロゲン、アルコキシ若しくはNRaRbで置換されていてもよい)であり;
R6は、水素、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、OR7で置換されていてもよい)、又はC6-14アリールであり;
R7は、水素又はC1-8アルキルである]であり;
Ra及びRbは、独立して、水素、NO2、ORc、CN、N(RcRd)、C(O)Rc、C(O)C(O)Rc、C(O)N(RcRd)、C(O)C(O)N(RcRd)、S(O)mRc、SRc、S(O)mN(RcRd)、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、C3-7シクロアルキル、C6-14アラルキル、C2-6アルケニル、C3-7シクロアルケニル、C3-6アルキニル、C6-14アリール又はヘテロ環[ここで、これらは、それぞれ、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、C3-7シクロアルキル、C6-14アラルキル、C2-6アルケニル、C3-7シクロアルケニル、C3-6アルキニル、C6-14アリール、CN、NO2、ORc、N(RcRd)、S(O)mRc、SRc、OS(O)mRc、S(O)mORc、OS(O)mORc、N(Rc)S(O)mRd、S(O)mN(RcRd)、N(Rc)S(O)mN(RcRd)、OS(O)mN(RcRd)、N(Rc)S(O)mORd、C(O)Rc、OC(O)Rc、C(O)ORc、OC(O)ORc、N(Rc)C(O)Rd、C(O)N(RcRd)、N(Rc)C(O)N(RcRd)、OC(O)N(RcRd)、N(Rc)C(O)ORd、C(NRcRd)=N(Rc)、C(SRc)=N(Rd)、C(ORc)=N(Rd)及びヘテロ環からなる群から独立して選択される1以上の置換基で場合により置換されていてもよい]であり;
場合により、Ra及びRbは1個以上の環炭素原子及び/又は環ヘテロ原子(ここで、該環ヘテロ原子には、N、O、C(RcRd)、C(O)、S(O)m又はSが包含される)を介して互いに結合して、飽和又は不飽和の3〜8員の炭素環式環又はヘテロ環式環を形成していてもよく;
Rc及びRdは、独立して、水素、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、C3-7シクロアルキル、C6-14アラルキル、C2-6アルケニル、C3-7シクロアルケニル、C3-6アルキニル、C6-14アリール又はヘテロ環であり;
場合により、Rc及びRdは1個以上の環炭素原子及び/又は環ヘテロ原子(ここで、該環ヘテロ原子には、N、O、C(O)及びS(O)m又はSが包含される)を介して互いに結合して、飽和又は不飽和の3〜8員の炭素環式環又はヘテロ環式環を形成していてもよく;
mは、1又は2である]
で表される化合物又はその製薬上許容される塩である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明には、ウイルス感染(特に、HIV感染)の治療又は予防において有用な式(I)で表される化合物、式(I)で表される化合物を含んでいる医薬組成物、及び、その化合物を調製する方法が包含されている。本発明は、式(I):
【化3】

【0008】
[式中、
R1は、水素、ヒドロキシ、CN、N(RaRb)、C1-8アルキル、C3-7シクロアルキル、ハロゲンおよびC1-8アルコキシから独立して選択される1以上の置換基であり;
R2は、水素、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、C3-7シクロアルキル、C6-14アラルキル、C2-6アルケニル、C3-7シクロアルケニル、C3-6アルキニル、C6-14アリール又はヘテロ環[ここで、これらは、それぞれ、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、C3-7シクロアルキル、C2-6アルケニル、C3-7シクロアルケニル、C3-6アルキニル、ハロゲン、CN、NO2、ORa、N(RaRb)、S(O)mRa、SRa、OS(O)mRa、S(O)mORa、OS(O)mORa、N(Ra)S(O)mRb、S(O)mN(RaRb)、N(Ra)S(O)mN(RaRb)、OS(O)mN(RaRb)、N(Ra)S(O)mORb、C(O)Ra、OC(O)Ra、C(O)ORa、OC(O)ORa、N(Ra)C(O)Rb、C(O)N(RaRb)、N(Ra)C(O)N(RaRb)、OC(O)N(RaRb)、N(Ra)C(O)ORb、C(NRaRb)=N(Ra)、N(Ra)C(NRaRb)=N(Ra)、C(SRa)=N(Rb)、C(ORa)=N(Rb)、N(Ra)C(SRa)=N(Rb)及びヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、オキソ又はRaで置換されていてもよい)からなる群から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよい]から選択され;
あるいはR2がC5-7シクロアルキル、C6-14アラルキル、C5-7シクロアルケニル、C6-14アリール若しくはヘテロ環である場合、R2は、5〜7員の炭素環式環若しくはヘテロ環式環に縮合していてもよく;
R3は、
【化4】

【0009】
[式中、
Lは、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、C(O)NHR7で置換されていてもよい)であり;
Xは、O又はNHR6であり;
R4及びR5は、独立して、水素、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、C(O)Ra若しくはC(O)NRaRbで置換されていてもよい)、又は、C6-14アリール(ここで、該C6-14アリールは、ハロゲン、アルコキシ若しくはNRaRbで置換されていてもよい)であり;
R6は、水素、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、OR7で置換されていてもよい)、又はC6-14アリールであり;
R7は、水素又はC1-8アルキルである]であり;
Ra及びRbは、独立して、水素、NO2、ORc、CN、N(RcRd)、C(O)Rc、C(O)C(O)Rc、C(O)N(RcRd)、C(O)C(O)N(RcRd)、S(O)mRc、SRc、S(O)mN(RcRd)、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、C3-7シクロアルキル、C6-14アラルキル、C2-6アルケニル、C3-7シクロアルケニル、C3-6アルキニル、C6-14アリール又はヘテロ環[ここで、これらは、それぞれ、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、C3-7シクロアルキル、C6-14アラルキル、C2-6アルケニル、C3-7シクロアルケニル、C3-6アルキニル、C6-14アリール、CN、NO2、ORc、N(RcRd)、S(O)mRc、SRc、OS(O)mRc、S(O)mORc、OS(O)mORc、N(Rc)S(O)mRd、S(O)mN(RcRd)、N(Rc)S(O)mN(RcRd)、OS(O)mN(RcRd)、N(Rc)S(O)mORd、C(O)Rc、OC(O)Rc、C(O)ORc、OC(O)ORc、N(Rc)C(O)Rd、C(O)N(RcRd)、N(Rc)C(O)N(RcRd)、OC(O)N(RcRd)、N(Rc)C(O)ORd、C(NRcRd)=N(Rc)、C(SRc)=N(Rd)、C(ORc)=N(Rd)及びヘテロ環からなる群から独立して選択される1以上の置換基で場合により置換されていてもよい]であり;
場合により、Ra及びRbは1個以上の環炭素原子及び/又は環ヘテロ原子(ここで、該環ヘテロ原子には、N、O、C(RcRd)、C(O)、S(O)m又はSが包含される)を介して互いに結合して、飽和又は不飽和の3〜8員の炭素環式環又はヘテロ環式環を形成していてもよく;
Rc及びRdは、独立して、水素、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、C3-7シクロアルキル、C6-14アラルキル、C2-6アルケニル、C3-7シクロアルケニル、C3-6アルキニル、C6-14アリール又はヘテロ環であり;
場合により、Rc及びRdは1個以上の環炭素原子及び/又は環ヘテロ原子(ここで、該環ヘテロ原子には、N、O、C(O)及びS(O)m又はSが包含される)を介して互いに結合して、飽和又は不飽和の3〜8員の炭素環式環又はヘテロ環式環を形成していてもよく;
mは、1又は2である]
で表される化合物又はその製薬上許容される塩である。
【0010】
用語「アルキル」は、単独でも又は他の任意の用語と組み合わされていても、指定された数の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素基を意味する。アルキル基の例としては、限定するものではないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、イソアミル及びn-ヘキシルなどを挙げることができる。
【0011】
用語「シクロアルキル」は、化学的に安定ないずれかの配置にある3〜6個の炭素で構成される飽和又は部分的飽和の炭素環式環を意味する。適切な炭素環式基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘキセニルなどを挙げることができる。
【0012】
用語「アルケニル」は、単独でも又は他の任意の用語と組み合わされていても、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基を意味する。アルケニル基の例としては、限定するものではないが、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル及びヘキサジエニルなどを挙げることができる。
【0013】
用語「アルキニル」は、当該鎖の途中の安定な任意の位置に存在し得る1つ以上の炭素-炭素三重結合を有する直鎖又は分枝鎖の配置の炭化水素基、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル及びペンチニルなどを意味する。
【0014】
用語「アルコキシ」は、アルキルエーテル基を意味し、ここで、用語「アルキル」は、上記で定義されている。適切なアルキルエーテル基の例としては、限定するものではないが、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、s-ブトキシ及びt-ブトキシなどを挙げることができる。
【0015】
用語「アリール」は、単独でも又は他の任意の用語と組み合わされていても、指定された数の炭素原子、好ましくは、6〜14個の炭素原子、さらに好ましくは、6〜10個の炭素原子を含有する炭素環式芳香族部分(例えば、フェニル又はナフチル)を意味する。アリール基の例としては、限定するものではないが、フェニル、ナフチル、インデニル、アズレニル、フルオレニル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラヒドロナフチル、インダニル及びフェナントリジニルなどを挙げることができる。特に別途示されていない限り、用語「アリール」には、芳香族炭化水素基の可能なそれぞれの位置異性体、例えば、1-ナフチル、2-ナフチル、5-テトラヒドロナフチル、6-テトラヒドロナフチル、1-フェナントリジニル、2-フェナントリジニル、3-フェナントリジニル、4-フェナントリジニル、7-フェナントリジニル、8-フェナントリジニル、9-フェナントリジニル及び10-フェナントリジニルなども包含される。アリール基の例としては、限定するものではないが、フェニル、ナフチル、インデニル、アズレニル、フルオレニル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラヒドロナフチル、インダニル及びフェナントリジニルなどを挙げることができる。
【0016】
用語「アラルキル」は、アリール基で置換されたアルキル基を意味する。アラルキル基の例としては、限定するものではないが、ベンジル及びフェネチルなどを挙げることができる。
【0017】
本明細書中で使用される場合、用語「ヘテロ環」、「ヘテロ環式」及び「ヘテロシクリル」は、3〜7員の単環式ヘテロ環式環又は8〜11員の二環式ヘテロ環式環系を意味し、ここで、これらの環はいずれも、飽和、部分的飽和又は不飽和であり、単環の場合は、場合によりベンゾ縮合していてもよい。各ヘテロ環は、1個以上の炭素原子とN、O及びSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子からなり、ここで、窒素ヘテロ原子及び硫黄ヘテロ原子は、場合により酸化されていてもよく、また、窒素原子は、場合により4級化されていてもよい。ヘテロ環には、上記で定義したヘテロ環式環のいずれかがベンゼン環に縮合している二環式基も包含される。ヘテロ環式環は、任意の炭素原子又はヘテロ原子で結合し得るが、但し、その結合によって安定な構造が形成されることを条件とする。好ましいヘテロ環には、5〜7員の単環式ヘテロ環及び8〜10員の二環式ヘテロ環が包含される。ヘテロ環式環が置換基を有している場合、その置換基は、安定な化学構造が生ずるならば、ヘテロ原子であろうと又は炭素原子であろうと該環中の任意の原子に結合し得るということは理解される。「ヘテロ芳香族」又は「ヘテロアリール」は、上記で定義したしたヘテロ環に包含され、一般に、該環系が、5〜12個の炭素原子(好ましくは、5〜10個の炭素原子)を含有する芳香族の単環式又は多環式の環基(ここで、1個以上の環炭素、好ましくは、1〜4個の環炭素は、それぞれ、N、O、S及びPなどのヘテロ原子で置き換えられている)である、ヘテロ環を意味する。好ましいヘテロアリール基には、5〜6員の単環式ヘテロアリール及び8〜10員の二環式ヘテロアリールが包含される。例えば、インドリニル、クロマニル、フェナントリジニル又はテトラヒドロキノリニルなどにおけるように、ヘテロ原子含有非芳香族環が1つ以上の芳香族環に縮合している基(ここで、基又は結合点は、該ヘテロ原子含有非芳香族環上にある)も、用語「ヘテロ環」、「ヘテロ環式」又は「ヘテロシクリル」の範囲内に包含される。特に別途示されていない限り、ヘテロ環式基の可能なそれぞれの位置異性体、例えば、1-インドリニル、2-インドリニル及び3-インドリニルなども、用語「ヘテロ環」、「ヘテロ環式」又は「ヘテロシクリル」に包含される。ヘテロ環の例としては、イミダゾリル、イミダゾリノイル、イミダゾリジニル、キノリル、イソキノリル、インドリル、インダゾリル、インダゾリノリル、ペルヒドロピリダジル、ピリダジル、ピリジル、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラジニル、キノキソリル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリニル、ピペラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、モルホリニル、チアモルホリニル、フリル、チエニル、トリアゾリル、チアゾリル、カルボリニル、テトラゾリル、チアゾリジニル、ベンゾフラノイル、チアモルホリニルスルホン、オキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾキサゾリル、オキソピペリジニル、オキソピロリジニル、オキソアゼピニル、アゼピニル、イソオキソゾリル、イソチアゾリル、フラザニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、チアゾリル、チアジアゾリル、ジオキソリル、ジオキシニル、オキサチオリル、ベンゾジオキソリル、ジチオリル、チオフェニル、テトラヒドロチオフェニル、スルホラニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、テトラヒドロフロジヒドロフラニル、テトラヒドロピラノジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロフロフラニル及びテトラヒドロピラノフラニルなどを挙げることができる。
【0018】
用語「ヘテロ原子」は、窒素、酸素又は硫黄を意味し、また、窒素の任意酸化形態(例えば、N(O){N+-O-})、及び、硫黄の任意酸化形態(例えば、S(O)及びS(O)2)、及び、任意の塩基性窒素の4級化形態を包含する。
【0019】
置換基又は可変構造の組合せは、そのような組合せによって安定な化合物又は化学的に実現可能な化合物が生じる場合にのみ許される。安定な化合物又は化学的に実現可能な化合物は、水分又は別の化学的反応性の条件の非存在下において、40℃以下の温度で少なくとも1週間維持されたときに、その化学構造が実質的に変化しない化合物である。
【0020】
特に別途示されていない限り、本明細書中に記載されている構造には、その構造の全ての立体化学形態(即ち、各不斉中心に関してR立体配置及びS立体配置)も包含されるものである。従って、本発明化合物のラセミ化合物及びラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーが、明確に、本発明の範囲内に包含される。本明細書中に例示されている具体的な化合物は特定の立体化学的配置で表されているが、任意のキラル中心において反対の立体化学を有する化合物又はそれらの混合物も意図されている。
【0021】
特に別途示されていない限り、本明細書中に記載されている構造は、1個以上の同位体標識原子が存在している点でのみ異なる化合物も包含することが意図されている。例えば、水素が重水素若しくは三重水素で置き換えられている以外は本発明の構造を有する化合物、又は、炭素が13C-炭素若しくは14C-炭素で置き換えられている以外は本発明の構造を有する化合物も、本発明の範囲内である。
【0022】
本発明の特定の化合物がもう一方の互変異性形態で存在し得ることは、当業者には自明である。本発明化合物のそのような全ての互変異性形態は、本発明の範囲内である。特に別途示されていない限り、どちらか一方の互変異性体が示されていれば、それは、もう一方の互変異性体を包含していることが意図されている。
【0023】
用語「医薬として有効量」は、単独療法として又は他の薬剤との併用で、患者におけるウイルス感染(例えば、HIV感染)を治療するのに有効な量を意味する。本明細書中で使用される場合、用語「治療する」は、患者における特定疾患の症状の軽減又は特定疾患に関連する確認可能な測定値の改善を意味し、ウイルス感染が潜伏するようになった患者のような無症候性患者における症状再発の抑制を包含し得る。用語「予防有効量」は、患者におけるウイルス感染(例えば、HIV感染)を予防するのに有効な量、又は、患者におけるそのような感染の症状の発現を予防するのに有効な量を意味する。本明細書中で使用される場合、用語「患者」は、哺乳動物を意味し、これは、ヒトを包含する。
【0024】
用語「製薬上許容される担体又はアジュバント」は、本発明化合物と一緒に患者に対して投与することが可能な担体又はアジュバントを意味し、ここで、該担体又はアジュバントは、治療量の該抗ウイルス薬を送達するのに十分な投与量で投与されたときに、本発明化合物の医薬活性を損なうことなく且つ無毒性である。
【0025】
本明細書中で使用される場合、用語「治療」は、患者における特定疾患の症状の軽減又は特定疾患に関連する確認可能な測定値の改善を意味し、ウイルス感染が潜伏するようになった患者のような無症候性患者における症状再発の抑制を包含し得る。治療には、患者における疾患若しくは状態の予防、又は、患者におけるそのような疾患若しくは状態の症状の発現の予防が包含される。本明細書中で使用される場合、用語「患者」は、哺乳動物を意味し、これは、ヒトを包含する。
【0026】
本明細書中で使用される場合、用語「対象(subject)」は、患者、動物又は生物学的サンプルを意味する。本明細書中で使用される場合、用語「生物学的サンプル」には、非限定的に、以下のものが包含される:細胞培養又はその抽出物;インビトロアッセイに適した酵素の調製物;哺乳動物から得られた生検材料又はその抽出物;及び、血液、唾液、尿、大便、精液、涙若しくは他の体液又はそれらの抽出物。
【0027】
本明細書全体を通して、単語「含む(comprise)」又はその変形語、例えば、「含む(comprises)」又は「含んでいる(comprising)」などは、示されている整数又は整数の群を包含するが、他の任意の整数又は整数の群を排除しないことを意味するものと理解される。
【0028】
本明細書中で使用される場合、本発明の化合物はその製薬上許容される誘導体を包含するように定義される。「製薬上許容される誘導体」は、レシピエントに対して投与されたときに本発明化合物又は阻害活性を有するその代謝物若しくは残余物を直接的に又は間接的に生じ得る本発明化合物の製薬上許容される任意の塩、エステル、エステルの塩、エーテル又は別の誘導体を意味する。特に好ましい誘導体及びプロドラッグは、そのような化合物を哺乳動物に対して投与したときに、例えば経口投与された化合物が血液中により容易に吸収されるようにすることにより、本発明化合物の生物学的利用能を向上させる誘導体及びプロドラッグ、又は、親化合物の生物学的区画(例えば、脳又はリンパ系)への送達を親化合物種に比較して増大する誘導体及びプロドラッグである。
【0029】
本発明は、さらにまた、式(I)で表される化合物又はその製薬上許容される塩であり、ここで、式中、
R1は、水素またはハロゲンから独立して選択される1以上の置換基であり;
R2は、
(a) 水素;
(b) C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、C3-7シクロアルキル、ORa、N(RaRb)、C(O)Ra、C(O)N(RaRb)、又はヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、オキソ又はRaで置換されていてもよい)で置換されていてもよい);又は、
(c) C6-14アリール(ここで、該C6-14アリールは、ハロゲンで置換されていてもよい)であり;
R3は、
【化5】

【0030】
[式中、
Lは、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、C(O)NHR7で置換されていてもよい)であり;
Xは、O又はNHR6であり;
R4及びR5は、独立して、水素、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、C(O)Ra若しくはC(O)NRaRbで置換されていてもよい)、又は、C6-14アリール(ここで、該C6-14アリールは、ハロゲン、アルコキシ若しくはNRaRbで置換されていてもよい)であり;
R6は、水素、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、OR7で置換されていてもよい)、又はC6-14アリールであり;
R7は、水素又はC1-8アルキルである]であり;
Ra及びRbは、独立して、水素、ORc、SRc、C1-8アルキル、C6-14アリール又はヘテロ環[ここで、これらは、それぞれ、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、C3-7シクロアルキル、C6-14アラルキル、C2-6アルケニル、C3-7シクロアルケニル、C3-6アルキニル、C6-14アリール、CN、NO2、ORc、N(RcRd)、S(O)mRc、SRc、OS(O)mRc、S(O)mORc、OS(O)mORc、N(Rc)S(O)mRd、S(O)mN(RcRd)、N(Rc)S(O)mN(RcRd)、OS(O)mN(RcRd)、N(Rc)S(O)mORd、C(O)Rc、OC(O)Rc、C(O)ORc、OC(O)ORc、N(Rc)C(O)Rd、C(O)N(RcRd)、N(Rc)C(O)N(RcRd)、OC(O)N(RcRd)、N(Rc)C(O)ORd、C(NRcRd)=N(Rc)、C(SRc)=N(Rd)、C(ORc)=N(Rd)及びヘテロ環からなる群から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよい]であり;
Rcは、水素、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、C3-7シクロアルキル、C6-14アラルキル、C2-6アルケニル、C3-7シクロアルケニル、C3-6アルキニル、C6-14アリール又はヘテロ環であり;
Rc及びRdは、独立して、水素、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、C3-7シクロアルキル、C6-14アラルキル、C2-6アルケニル、C3-7シクロアルケニル、C3-6アルキニル、C6-14アリール又はヘテロ環である。
【0031】
本発明は、さらにまた、式(I)で表される化合物又はその製薬上許容される塩であり、ここで、式中、
R1は、水素またはハロゲンから独立して選択される1以上の置換基であり;
R2は、
(a) 水素;
(b) C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、C3-7シクロアルキル、ORa、N(RaRb)、C(O)Ra、C(O)N(RaRb)、又はヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、オキソ又はRaで置換されていてもよい)で置換されていてもよい);又は、
(c) C6-14アリール(ここで、該C6-14アリールは、ハロゲンで置換されていてもよい)であり;
R3は、
【化6】

【0032】
[式中、
Lは、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、C(O)NHR7で置換されていてもよい)であり;
Xは、O又はNHR6であり;
R4及びR5は、独立して、水素、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、C(O)Ra若しくはC(O)NRaRbで置換されていてもよい)、又は、C6-14アリール(ここで、該C6-14アリールは、ハロゲン、アルコキシ若しくはNRaRbで置換されていてもよい)であり;
R6は、水素、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、OR7で置換されていてもよい)、又はC6-14アリールであり;
R7は、水素又はC1-8アルキルである]であり;
Ra及びRbは、独立して、水素、NO2、ORc、C(O)Rc、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、ORcで置換されていてもよい)、C(O)ORc、C6-14アリール又はヘテロ環であり、
Rcは、水素、C1-8アルキル又はC6-14アリールである。
【0033】
本発明は、さらにまた、式(I)で表される化合物又はその製薬上許容される塩であり、ここで、式中、
R1は、水素またはハロゲンから独立して選択される1以上の置換基であり;
R2は、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、C3-7シクロアルキル、ORa、N(RaRb)、C(O)Ra、C(O)N(RaRb)、若しくはヘテロ環(ここで、該へテロ環は、オキソで置換されていてもよい)で置換されていてもよい)、又はC6-14アリール(ここで、該C6-14アリールは、ハロゲンで置換されていてもよい)であり;
R3は、
【化7】

【0034】
[式中、
Lは、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、C(O)NHR7で置換されていてもよい)であり;
Xは、O又はNHR6であり;
R4及びR5は、独立して、水素、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、C(O)Ra若しくはC(O)NRaRbで置換されていてもよい)、又は、C6-14アリール(ここで、該C6-14アリールは、ハロゲン、アルコキシ若しくはNRaRbで置換されていてもよい)であり;
R6は、水素、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、OR7で置換されていてもよい)、又はC6-14アリールであり;
R7は、水素又はC1-8アルキルである]であり;
Ra及びRbは、独立して、水素、NO2、ORc、C(O)Rc、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、ORcで置換されていてもよい)、C(O)ORc、C6-14アリール又はヘテロ環であり、
Rcは、水素、C1-8アルキル又はC6-14アリールである。
【0035】
本発明はさらに、LがC1-8アルキルである、上記の式(I)で表される化合物である。
【0036】
本発明はさらにまた、LがC1-8アルキルであり、XがOである、上記の式(I)で表される化合物又はその製薬上許容される塩である。
【0037】
本発明は、
{2-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]エチル}ホスホン酸ジエチル;
{2-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]エチル}ホスホン酸ジエチル;
{2-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]エチル}ホスホン酸水素エチル;
{2-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]エチル}ホスホン酸;
エチルP-{2-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]エチル}-N-[2-(メチルオキシ)エチル]ホスホンアミドアート(phosphonamidoate);
{4-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]ブチル}ホスホン酸ジエチル;
{4-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]ブチル}ホスホン酸水素エチル;
{4-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]ブチル}ホスホン酸;
{3-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]プロピル}ホスホン酸ジエチル;
{3-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]プロピル}ホスホン酸水素エチル;
{3-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]プロピル}ホスホン酸;
{[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]メチル}ホスホン酸ジエチル;
{[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]メチル}ホスホン酸水素エチル;
{[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]メチル}ホスホン酸;
{2-[({1-[2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル]-7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]エチル}ホスホン酸ジエチル;
{[({1-[2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル]-7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]メチル}ホスホン酸ジエチル;
{2-[({1-(4-フルオロフェニル)-7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]エチル}ホスホン酸ジエチル;
{[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-[2-(2-オキソ-1-ピロリジニル)エチル]-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]メチル}ホスホン酸ジエチル;
{[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-[2-(2-オキソ-1-ピロリジニル)エチル]-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]メチル}ホスホン酸水素エチル;
{[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-[2-(2-オキソ-1-ピロリジニル)エチル]-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]メチル}ホスホン酸;
4-({2-[7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-3-{[(ホスホノメチル)アミノ]カルボニル}-1,5-ナフチリジン-1(2H)-イル]エチル}アミノ)ブタン酸;
からなる群から選択される化合物およびその製薬上許容される塩である。
【0038】
本発明化合物の製薬上許容される塩には、製薬上許容される無機酸及び有機酸並びに無機塩基及び有機塩基から誘導される塩が包含される。適切な酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン-p-スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン-2-スルホン酸及びベンゼンスルホン酸などを挙げることができる。シュウ酸のような他の酸は、それら自体は製薬上許容されなくても、本発明化合物及びそれらの製薬上許容される酸付加塩を得る際の中間体として有用な塩の調製において使用し得る。
【0039】
適切な塩基から誘導される塩には、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)塩、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)塩、アンモニウム塩、NW4+(ここで、WはC1-4アルキルである)塩及び別のアミン塩が包含される。水素原子又はアミノ基の生理学的に許容される塩としては、以下のものを挙げることができる:有機カルボン酸の塩、例えば、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸及びコハク酸の塩;有機スルホン酸の塩、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びp-トルエンスルホン酸の塩;並びに、無機酸の塩、例えば、塩酸、硫酸、リン酸及びスルファミン酸の塩。ヒドロキシ基を有する化合物の生理学的に許容される塩には、Na+、NH4+及びNW4+(ここで、WはC1-4アルキル基である)などの適切なカチオンと組み合わされた該化合物のアニオンが包含される。好ましい塩としては、ナトリウム塩、カルシウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、コリン塩、メグルミン塩、塩酸塩及び第4級アンモニウム塩などを挙げることができる。
【0040】
本発明の他の化合物は、容易に合成される試薬又は市販されている試薬を用いて、当技術分野における知識と合わせた本明細書の教示に従って、当業者により製造され得る。
【0041】
上記化合物のいずれかについて言及されている場合、その言及はいずれも、製薬上許容されるその塩に付いての言及も包含している。
【0042】
本発明化合物の塩は、当業者には既知の方法によって製造し得る。例えば、適切な溶媒中で本発明の化合物を適切な塩基又は酸で処理することにより、対応する塩が生成される。
【0043】
本発明化合物のエステルは、以下の群から独立して選択される:(1)エステル基のカルボン酸部分の非カルボニル部分が直鎖若しくは分枝鎖のアルキル(例えば、アセチル、n-プロピル、t-ブチル又はn-ブチル)、アルコキシアルキル(例えば、メトキシメチル)、アラルキル(例えば、ベンジル)、アリールオキシアルキル(例えば、フェノキシメチル)、アリール(例えば、場合により例えばハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ又はアミノで置換されていてもよいフェニル)から選択される、ヒドロキシ基をエステル化することにより得られるカルボン酸エステル;(2)スルホネートエステル、例えば、アルキルスルホニル又はアラルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニル);(3)アミノ酸エステル(例えば、L-バリル又はL-イソロイシル);(4)ホスホネートエステル;及び、(5)モノホスフェートエステル、ジホスフェートエステル又はトリホスフェートエステル。ホスフェートエステルは、例えばC1-20アルコール若しくはその反応性誘導体によって、又は、2,3-ジ(C6-24)アシルグリセロールによって、更にエステル化することができる。
【0044】
特に別途示されていない限り、前記エステル中に存在しているアルキル部分はいずれも、有利には、1〜18個の炭素原子、特に1〜6個の炭素原子、更にとりわけ1〜4個の炭素原子を含有している。そのようなエステル中に存在しているシクロアルキル部分はいずれも、有利には、3〜6個の炭素原子を含有している。そのようなエステル中に存在しているアリール部分はいずれも、有利には、フェニル基を含んでいる。
【0045】
本発明化合物のエーテルとしては、限定するものではないが、メチル、エチル及びブチルなどを挙げることができる。
【0046】
本発明の化合物は、in vivoでさらに代謝され、抗ウイルス活性を有し得るモノホスホン酸およびジホスホン酸を生じることができる。これらの代謝産物も本発明の特徴である。
【0047】
本発明の一実施形態では、式(I)で表される化合物又はその塩は、製剤して組成物とすることができる。好ましい実施形態では、該組成物は医薬組成物であり、それは、式(I)で表される化合物及び製薬上許容される担体、アジュバント又はビヒクルを含んでいる。一実施形態では、該組成物は、生物学的サンプル又は患者におけるウイルス感染(例えば、HIV感染)を治療又は予防するのに有効な量の本発明の化合物を含んでいる。別の実施形態では、本発明の化合物及びその医薬組成物(ここで、該医薬組成物は、ウイルスの複製を抑制するのに有効な量又はウイルス性の感染若しくは疾患若しくは障害(例えば、HIV感染)を治療若しくは予防するのに有効な量の本発明の化合物及び製薬上許容される担体、アジュバント又はビヒクルを含んでいる)は、患者に対する投与用に、例えば、経口投与用に製剤することができる。
【0048】
本発明は、薬物療法で使用するための本発明の化合物に関し、例えば、ウイルス感染(例えば、HIV感染)及び関連する状態の治療又は予防に使用するための本発明の化合物に関する。本発明の化合物は、AIDS、並びに、関連する臨床状態、例えば、エイズ関連症候群(ARC)、進行性全身性リンパ節腫(progressive generalized lymphadenopathy)(PGL)、カポジ肉腫、血小板減少性紫斑病、AIDSに関連する神経学的状態、例えば、AIDS痴呆複合症、多発性硬化症又は熱帯性不全対麻痺(tropical paraperesis)、抗HIV抗体陽性及びHIV陽性状態(これは、無症候性患者のそのような状態を包含する)などを治療するのに、特に有用である。
【0049】
別の態様により、本発明は、感染した患者、例えば、哺乳動物(これは、ヒトを包含する)におけるウイルス感染の症状又は影響を治療又は予防する方法を提供し、ここで、該方法は、当該患者に医薬として有効な量の本発明の化合物を投与することを含む。本発明の一態様においては、ウイルス感染は、レトロウイルス感染、特に、HIV感染である。
【0050】
本発明は、さらに、ウイルス感染(特に、HIV感染)を治療するために対象に投与するための薬剤の製造における本発明の化合物の使用を包含する。
【0051】
本発明の化合物は、HIV感染又はHIVに関連する症状又は影響(例えば、カポジ肉腫)の治療におけるアジュバント療法においても使用することができる。
【0052】
本発明は、さらに、患者、例えば、哺乳動物(これは、ヒトを包含する)における、上記で論じた臨床状態を包含する臨床状態を治療する方法も提供し、ここで、該方法は、当該患者を医薬として有効な量の本発明の化合物で治療することを含む。本発明は、さらにまた、上記で記載した疾患又は状態の任意のものを治療又は予防する方法も包含する。
【0053】
本明細書中で治療について言及されている場合、その言及は、予防にも及び、さらに、確立した状態、障害及び感染、その症状及び関連する症状の治療にも及ぶ。本発明による上記化合物及びその製薬上許容される誘導体は、上記の感染又は状態を治療するために別の治療薬と組み合わせて使用することができる。本発明による併用療法は、本発明の化合物又はその製薬上許容される誘導体及び別の医薬活性物質を投与することを含む。当該活性成分及び医薬活性物質は、同一の医薬組成物若しくは異なる医薬組成物に含ませて同時に投与し得るか、又は、任意の順序で順次に投与し得る。当該活性成分及び医薬活性物質の量及び投与の相対的なタイミングは、併用療法による所望の効果を達成するために選択される。
【0054】
前記治療薬の例としては、限定するものではないが、ウイルス感染又は関連する状態の治療に有効な作用物質などがある。そのような作用物質は、とりわけ、以下のものである:(1-アルファ,2-ベータ,3-アルファ)-9-[2,3-ビス(ヒドロキシメチル)シクロブチル]グアニン[(-)BHCG、SQ-34514、ロブカビル]; 9-[(2R,3R,4S)-3,4-ビス(ヒドロキシメチル)-2-オキセタノシル]アデニン(オキセタノシン-G); 非環式ヌクレオシド類、例えば、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、及び、ペンシクロビル; 非環式ヌクレオシドホスホネート類、例えば、(S)-1-(3-ヒドロキシ-2-ホスホニル-メトキシプロピル)シトシン(HPMPC)、[[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)エトキシ]メチル]ホスフィニリデン]ビス(オキシメチレン)-2,2-ジメチルプロパン酸(ビス-POM PMEA、アデホビルジピボキシル)、[[(1R)-2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸(テノホビル)、及び、(R)-[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸ビス-(イソプロポキシカルボニルオキシメチル)エステル(ビス-POC-PMPA); リボヌクレオチドレダクターゼ阻害薬、例えば、2-アセチルピリジン5-[(2-クロロアニリノ)チオカルボニル)チオカルボノヒドラゾン、及び、ヒドロキシ尿素; ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬、例えば、3'-アジド-3'-デオキシチミジン(AZT、ジドブジン)、2',3'-ジデオキシシチジン(ddC、ザルシタビン)、2',3'-ジデオキシアデノシン、2',3'-ジデオキシイノシン(ddI、ジダノシン)、2',3'-ジデヒドロチミジン(d4T、スタブジン)、(-)-ベータ-D-2,6-ジアミノプリンジオキソラン(DAPD)、3'-アジド-2',3'-ジデオキシチミジン-5'-H-ホスホホネート(ホスホノビル(phosphonovir))、2'-デオキシ-5-ヨード-ウリジン(イドクスウリジン)、(-)-シス-1-(2-ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン-5-イル)-シトシン(ラミブジン)、シス-1-(2-(ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン-5-イル)-5-フルオロシトシン(FTC)、3'-デオキシ-3'-フルオロチミジン、5-クロロ-2',3'-ジデオキシ-3'-フルオロウリジン、(-)-シス-4-[2-アミノ-6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル]-2-シクロペンテン-1-メタノール(アバカビル)、9-[4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)ブタ-1-イル]-グアニン(H2G)、ABT-606(2HM-H2G)、及び、リバビリン; プロテアーゼ阻害薬、例えば、インジナビル、リトナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、サキナビル、ホスアンプレナビル、(R)-N-t-ブチル-3-[(2S,3S)-2-ヒドロキシ-3-N-[(R)-2-N-(イソキノリン-5-イルオキシアセチル)アミノ-3-メチルチオ-プロパノイル]アミノ-4-フェニルブタノイル]-5,5-ジメチル-1,3-チアゾリジン-4-カルボキサミド(KNI-272)、4R-(4アルファ,5アルファ,6ベータ)]-1,3-ビス[(3-アミノフェニル)メチル]ヘキサヒドロ-5,6-ジヒドロキシ-4,7-ビス(フェニルメチル)-2H-1,3-ジアゼピン-2-オン ジメタンスルホネート(モゼナビル)、3-[1-[3-[2-(5-トリフルオロメチルピリジニル)-スルホニルアミノ]フェニル]プロピル]-4-ヒドロキシ-6アルファ-フェネチル-6ベータ-プロピル-5,6-ジヒドロ-2-ピラノン(チプラナビル)、N'-[2(S)-ヒドロキシ-3(S)-[N-(メトキシカルボニル)-1-t-ロイシルアミノ]-4-フェニルブチル-Nアルファ-(メトキシカルボニル)-N'-[4-(2-ピリジル)ベンジル]-L-t-ロイシルヒドラジド(BMS-232632)、3-(2(S)-ヒドロキシ-3(S)-(3-ヒドロキシ-2-メチルベンズアミド)-4-フェニルブタノイル)-5,5-ジメチル-N-(2-メチルベンジル)チアゾリジン-4(R)-カルボキサミド(AG-1776)、N-(2(R)-ヒドロキシ-1(S)-インダニル)-2(R)-フェニル-メチル-4(S)-ヒドロキシ-5-(1-(1-(4-ベンゾ[b]フラニルメチル)-2(S)-N'-(t-ブチルカルボキサミド)ピペラジニル)ペンタンアミド(MK-944A); インターフェロン類、例えば、α-インターフェロン; 腎臓排泄阻害薬、例えば、プロベネシド; ヌクレオシド輸送阻害薬、例えば、ジピリダモール、ペントキシフィリン、N-アセチルシステイン(NAC)、プロシステイン、α-トリコサンチン、ホスホノギ酸; 並びに、免疫調節薬、例えば、インターロイキンII、又は、チモシン、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、エリスロポエチン、可溶性CD4及びその遺伝子組換え誘導体; 非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NNRTIs)、例えば、ネビラピン(BI-RG-587)、アルファ-((2-アセチル-5-メチルフェニル)アミノ)-2,6-ジクロロ-ベンゼンアセトアミド(ロビリド)、1-[3-(イソプロピルアミノ)-2-ピリジル]-4-[5-(メタンスルホンアミド)-1H-インドール-2-イルカルボニル]ピペラジンモノメタンスルホネート(デラビルジン)、(10R,11S,12S)-12-ヒドロキシ-6,6,10,11-テトラメチル-4-プロピル-11,12-ジヒドロ-2H,6H,10H-ベンゾ(1,2-b:3,4-b':5,6-b'')トリピラン-2-オン((+)カラノリドA)、(4S)-6-クロロ-4-[1E)-シクロプロピルエテニル)-3,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2(1H)-キナゾリノン(DPC-083)、(S)-6-クロロ-4-(シクロプロピルエチニル)-1,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2H-3,1-ベンゾオキサジン-2-オン(エファビレンツ、DMP 266)、1-(エトキシメチル)-5-(1-メチルエチル)-6-(フェニルメチル)-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン(MKC-442)、及び、5-(3,5-ジクロロフェニル)チオ-4-イソプロピル-1-(4-ピリジル)メチル-1H-イミダゾール-2-イルメチルカルバメート(カプラビリン); 糖タンパク質120拮抗薬、例えば、PRO-2000、PRO-542、及び、1,4-ビス[3-[(2,4-ジクロロフェニル)カルボニルアミノ]-2-オキソ-5,8-ジナトリウムスルファニル]ナフタリル-2,5-ジメトキシフェニル-1,4-ジヒドラゾン(FP-21399); サイトカイン拮抗薬、例えば、レチクロース(reticulose)(Product-R)、1,1'-アゾビス-ホルムアミド(ADA)、1,11-(1,4-フェニレンビス(メチレン))ビス-1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン八塩酸塩(AMD-3100); インテグラーゼ阻害薬;並びに融合阻害薬、例えば、T-20及びT-1249。
【0055】
本発明は、さらに、少なくとも1種類の別の治療薬(例えば、上記で記載した治療薬)と同時に投与するか又は順次に投与するための薬剤の製造における本発明の化合物の使用も包含する。
【0056】
本発明の化合物は、化合物の代謝を阻害又は低減することが知られている作用物質(例えば、リトナビル)と一緒に投与することができる。従って、本発明は、代謝阻害薬と組み合わせて本発明の化合物を投与することによる、上記で記載した疾患を治療又は予防する方法である。そのような組合せは、同時に投与し得るか、又は、順次に投与し得る。
【0057】
一般に、上記で挙げた状態のそれぞれに対する適切な用量は、1日当たりレシピエント(例えば、ヒト)の体重1kg当たり、0.01〜250mgの範囲であり、好ましくは、1日当たり体重1kg当たり、0.1〜100mgの範囲であり、最も好ましくは、1日当たり体重1kg当たり、0.5〜30mgの範囲であり、特に、1日当たり体重1kg当たり、1.0〜20mgの範囲である。特に別途示されていない限り、活性成分の重量は、全て、式(I)又は式(Ia)で表される親化合物として計算されており、それらの塩又はエステルについては、その重量は、比例的に増大する。所望される用量は、1日を通して、適切な間隔を空けて、1回、2回、3回、4回、5回、6回又はそれ以上の回数で、サブ用量として与えることができる。場合によっては、その所望される用量を、別の日に与えることもできる。これらのサブ用量は、単位投与形態で、例えば、1つの単位投与形態当たり、10〜1000mg又は50〜500mg、好ましくは、20〜500mg、最も好ましくは、50〜400mgの活性成分を含有する単位投与形態で、投与することができる。
【0058】
当該活性成分は、単独で投与することも可能であるが、医薬組成物として供するのが好ましい。本発明による組成物は、上記で定義した少なくとも1種類の活性成分を、その許容される1種類以上の担体と一緒に含んでおり、また、場合により別の治療薬も含んでいる。各担体は、当該組成物の残りの成分と適合性を有し且つ患者に対して有害ではないという意味において、許容されるものでなくてはならない。
【0059】
医薬組成物には、経口投与、直腸内投与、鼻内投与、局所投与(これは、経皮投与、口腔内投与及び舌下投与を包含する)、膣内投与又は非経口投与(これは、皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与、皮内投与及び硝子体内投与を包含する)に適した組成物などがある。該組成物は、好都合には、単位投与形態で供することが可能であり、また、製薬の技術分野でよく知られているいずれかの方法で調製することができる。そのような方法は、本発明のさらなる態様を表し、1種類以上の副成分を構成する担体と当該活性成分を混合するステップを含んでいる。一般に、該組成物は、当該活性成分を液体担体又は微粉化固体担体又は液体担体と微粉化固体担体の両方と均一且つ均密に混合し、次いで、必用に応じて生成物を成形することにより、調製する。
【0060】
本発明は、さらに、本発明の化合物又はその製薬上許容される誘導体と別の治療薬をパーツからなるキットとして互いに別々に提供する、上記で定義した医薬組成物も包含する。
【0061】
経皮投与に適した組成物は、レシピエントの表皮と長時間にわたり均密に接触したままでいるように適合させた個別の貼付剤として提供し得る。そのような貼付剤は、適切には、当該活性化合物を、(1)場合により緩衝されていてもよい水溶液中に含んでいるか、又は、(2)接着剤中に溶解及び/又は分散させた状態で含んでいるか、又は、(3)ポリマー中に分散させた状態で含んでいる。当該活性化合物の適切な濃度は、約1%〜25%、好ましくは、約3%〜15%である。特定の1つの可能性として、当該活性化合物は、「Pharmaceutical Research, 3(6), 318(1986)」に概説されているような電気的輸送(electrotransport)又はイオン導入によって該貼付剤から送達することができる。
【0062】
経口投与に適した本発明の医薬組成物は、それぞれが所定量の当該活性成分を含んでいる個別の単位(例えば、カプセル剤、カプレット剤、カシェ剤又は錠剤など)として、又は、粉末剤若しくは顆粒剤として、又は、水性液体中若しくは非水性液体中の溶液剤若しくは懸濁液剤として、又は、水中油型液体エマルション剤若しくは油中水型液体エマルション剤として供することができる。当該活性成分は、ボーラス剤、舐剤又はペースト剤としても供することができる。
【0063】
錠剤は、場合により1種類以上の副成分と一緒に、圧縮又は成形することにより調製することができる。圧縮錠剤は、粉末や顆粒のような易流動形態にある当該活性成分を、場合により、結合剤(例えば、ポビドン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、ナトリウムデンプングリコレート、架橋ポビドン、架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、界面活性剤又は分散剤と混合させた状態で、適切な機械中で圧縮することにより調製することができる。湿製錠剤(molded tablet)は、不活性液体希釈剤で湿らせた当該粉末化化合物の混合物を適切な機械内で成型することにより調製することができる。そのような錠剤は、場合により被覆するか又は切り目を入れてもよく、また、所望の放出プロファイルが得られるように、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースを種々の割合で用いて、その錠剤中に含まれている活性成分を緩慢放出又は制御放出するように製剤することができる。胃以外の消化管の一部で放出するように、錠剤には、場合により、腸溶性コーティングを施すこともできる。。
【0064】
口内に局所投与するのに適した医薬組成物には、風味を付けた基剤(通常は、ショ糖及びアラビアゴム又はトラガカントゴムなど)の中に活性成分を含んでいるロゼンジ剤(lozenge);ゼラチン及びグリセリン又はショ糖及びアラビアゴムなどの不活性基剤中に活性成分を含んでいるトローチ剤(pastille);並びに、適切な液体担体中に活性成分を含んでいる口内洗浄剤などがある。
【0065】
膣内投与に適した医薬組成物は、腟坐剤、タンポン、クリーム剤、ジェル剤、ペースト剤、泡剤(foam)又はスプレー剤として供することができる。医薬組成物には、当該活性成分に加えて、当技術分野で適切な担体であることが知られている担体を含有させることができる。
【0066】
直腸内投与のための医薬組成物は、例えばココアバター又はサリチレート又は当技術分野で一般に使用されている別の材料物質などを含有する適切な担体を含んでいる坐剤として供することができる。そのような坐剤は、好都合には、当該活性な組合せと軟化又は溶融させた1種類以上の担体を混合させた後、冷却し、型内で成形することにより形成させることができる。
【0067】
非経口投与に適した医薬組成物には、酸化防止剤、バッファー、静菌剤、及び、該医薬組成物を意図されたレシピエントの血液と等張性にする溶質を含有していてもよい水性及び非水性の等張性無菌注射用溶液剤;並びに、懸濁化剤及び粘稠化剤を含んでいてもよい水性及び非水性の無菌懸濁液剤;並びに、当該化合物が血液成分又は1種類以上の臓器を標的とするように設計されたリポソーム又は別の微粒子系などがある。該医薬組成物は、単位用量又は複数回分の用量の密封容器(例えば、アンプル及びバイアル瓶など)に入れて提供することができる。また、該医薬組成物は、使用直前に無菌の液体担体(例えば、注射用蒸留水など)を加えることのみが必要とされる凍結乾燥状態で保存することができる。即製の注射用溶液及び懸濁液は、先に記載した種類の無菌の粉末剤、顆粒剤及び錠剤から調製することができる。
【0068】
単位投与量医薬組成物には、上記の当該活性成分の1日用量若しくは1日サブ用量又はその適切な分割量を含んでいる組成物が包含される。
【0069】
本発明の医薬組成物には、上記で具体的に挙げられている成分に加えて、当該医薬組成物のタイプを考慮して当技術分野で慣習的に用いられている他の作用物質も含有させ得るということは、理解されるべきである。例えば、経口投与に適した医薬組成物には、甘味剤、増粘剤及び着香剤などのさらなる作用物質を含有させることができる。
【0070】
本発明の化合物は、容易に入手可能な出発材料、試薬及び慣習的な合成手順を使用し、以下の反応スキーム及び実施例又はその変法に従って調製することができる。これらの反応において、当業者に既知の変形態様を使用することも可能である。
【0071】
本発明の化合物は、スキーム1〜スキーム9において概説されている方法又は当業者に既知の方法により、容易に調製される。上記の式(I)及び式(Ia)で表される化合物は、(1c)のような化合物をアミン(R3NH2)で処理することにより調製することができる。カルボン酸エステル及び酸誘導体をアミドに変換するための上記方法及び別の方法は、当業者にはよく知られている。例えば、「March, J., Advanced Organic Chemistry, 4th Edition; John Wiley & Sons, 1992, pp 419-424」を参照されたい。(1c)のような化合物は、MeOH又はEtOHなどのプロトン性溶媒中で、3-オキソプロパノイル誘導体(1b)を塩基(例えば、NaOMe又はNaOEt)で処理することにより調製する。オキソプロパノイル誘導体(1b)は、塩基の存在下で、アミン(1a)をマロニルクロリド誘導体と反応させることにより調製することができる。別法として、化合物(1b)は、非プロトン性溶媒中のアミン(1a)とマロニルクロリド誘導体の溶液を加熱することにより調製する。
【化8】

【0072】
アミン(1a)は、スキーム2において概説されているように、アミン(2a)をアルデヒド及びケトンを用いた還元的アミノ化に付すことにより調製することができる。還元的アミノ化反応の例については、「March, J., Advanced Organic Chemistry, 4th Edition;John Wiley & Sons, 1992, pp 898-900」を参照されたい。
【化9】

【0073】
アミン(2a)は、スキーム3において概説されている方法により、容易に調製される。ヨウ化アリール(3a)をアリルアルコールとのヘック反応に付すことにより、3-アリールプロポナール(3-arylproponals)(3b)が生じる。(3b)の調製におけるヘック反応の例については、「March, J., Advanced Organic Chemistry, 4th Edition; John Wiley & Sons, 1992, pp 717-718」を参照されたい。(3b)をジエチルアミン塩酸塩の存在下にホルムアルデヒドで処理することにより、必要な2-ベンジルプロペナール(3c)が得られる。(3c)を2-アミノフマル酸ジエチルと反応させることにより、ピリジンジエチルエステル(3d)が生じ、これは、塩基性条件(例えば、NaOH)下で加水分解させて、対応するピリジンジカルボン酸(3e)とすることができる。2-アミノフマル酸ジエチルの合成については、「Isobe, K.; Mohiri, C.; Sano, H.; Mohri, K.; Enomoto, H., Chem. Pharm. Bull., Vol. 37, 1989, pp 3236-3238」を参照されたい。(3e)を無水酢酸で処理することにより、対応する環状無水物(3f)が生成し、これを還流下にEtOHで処理することにより、ピリジンカルボン酸モノエステル(3g)が生成する。(3g)をt-BuOHの存在下でクルチウス転位に付すことにより、BOCで保護された3-アミノピリジン誘導体(3h)が生成する。このBOC保護3-アミノピリジン誘導体(3h)をTFAを用いて脱保護すれば、所望の3-アミノピリジン化合物(2a)が得られる。このタイプのクルチウス転位の例については、「Feiser, M., Reagents for Organic Synthesis, Vol. 11; John Wiley & Sons, 1984, p 222」を参照されたい。
【化10】

【0074】
(1a)(4h)に類似した化合物の特に有用な合成について、スキーム4に示す。(4a)のような二置換ピリジンは、金属化し、アルデヒドのような求電子剤と反応させることができる。金属化の条件としては、例えば、(4a)のような臭化へテロアリールをアルキルリチウム試薬で、又は、グリニャール中間体(Grignard intermediates)を形成する場合、マグネシウムで処理することが挙げられる。次いで、その反応性金属化種を、低温で、場合により置換されていてもよいベンズアルデヒド(4b)と接触させて、(4c)のようなジアリールカルビノールを形成させることができる。温度及び溶媒などの特定の反応条件は、このタイプの反応に影響を与え得る。このタイプの化学反応について特に有用な溶媒は、メチル-t-ブチルエーテル(MTBE)である。低温条件には、例えば、-78℃〜周囲温度の反応温度が包含される。結果として生じたベンジル型アルコールは、還元することにより、対応するジアリールメタン誘導体(4d)に変換することができる。(4c)のようなアルコールを還元するための典型的な条件には、接触水素化条件又は水素化物還元条件(hydride reduction condition)が含まれている。接触水素化条件には、例として、典型的には、アルコール性溶媒又は酢酸エチル中におけるPd/Cの使用が含まれ得る。ベンジル型アルコールの還元に関して当業者によく知られている特に有用な還元プロトコルには、トリフルオロ酢酸中でのトリエチルシランによる(4c)の処理が含まれている。同様に、トリエチルシラン及びルイス酸(例えば、三フッ化ホウ素エーテラートなど)を、場合によっては加熱しながら、不活性溶媒中で使用することもできる。該還元変換と同じポット内で(4c)中のメチルエーテルを除去して、2-ヒドロキシピリジン部分を生成させることもできる。メチルエーテルが十分に開裂されない場合には、酸性条件を用いて、当該フェノールを脱ブロックすることができる。そのような条件には、典型的には、強酸(例えば、HBrなど)が含まれるが、この強酸は、場合により溶媒(例えば、酢酸)中で、場合により加熱しながら使用する。ピリドン(4d)を位置選択的にニトロ化して、ニトロフェノール(4e)を生成させることができる。このタイプの変換は、当業者に一般に知られているが、所望の位置化学を得るために特に有用な一連の条件には、、酸性溶媒(例えば、TFAなど)及びニトロ化剤(例えば、発煙硝酸)が含まれる。次いで、上記物質は、不活性溶媒に溶解させたオキシ臭化リンで処理することにより、2-ブロモ-ピリジン誘導体(4f)に変換することができる。選択される典型的な溶媒としては、限定するものではないが、トルエンおよび1,2-ジクロロエタンなどが挙げられる。場合によっては、オキシ塩化リンを用いることにより生成される対応するクロロ誘導体も、同じ一連の反応において、有用であり得る。場合によっては、塩基を添加してもよい。適切な塩基としては、例えば、ジエチルアニリンなどを挙げることができる。 (4f)のような化合物をカルボニル化によって変換し、(4g)のような化合物を生成させることができる。これらの条件には、典型的には、パラジウム(0)源及び一酸化炭素雰囲気の使用が含まれ、これらは、場合により大気圧下又は高圧下で、塩基の存在下で使用し得る。多くの場合、これらの反応は、高温下で実施するのが最良である。該触媒は、例えば、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)又は酢酸パラジウムなどであり得る。典型的には、トリエチルアミンなどの適切な塩基を添加する。典型的にはアルコールを添加して、結果として生じるエステルを形成する。特に有用なアルコールは、メタノールである。当業者によく知られている方法を用いて、(4g)中のニトロ基を還元して、アニリン(4h)を形成させることができる。その典型的な条件には、接触水素化が含まれている。適切な条件には、大気圧又は高圧の水素雰囲気と一緒に炭素担持パラジウムを使用することが含まれ得る。場合により、鉄金属を添加することが特に有用であり得る。
【化11】

【0075】
(1a)に類似した化合物を製造するための特に有用な経路が、スキーム5に示されている。この方法では、(5a)のような3-フルオロ-ピリジンで開始する。ピリジン(5a)を酸化して対応するピリジンN-オキシド(5b)を形成させる方法は、文献によって支持される(Sharpless, K.B. et.al. J. Org. Chem. 1998, 63, 1740)。文献に記載されたSakamotoら(Chem. Pharm. Bull. 1985, 33, 565)の方法を用いて、N-オキシド(5b)をTMSCNで処理することにより、2-シアノ-3-フルオロピリジン(5c)を形成させることができる。この方法は、2-ニトリルを位置選択的に形成させるということがよく知られている。この物質を、文献(WO 2004/019868)に記載されている方法を改変した方法に従ってリチウム化し、ヨウ素元素で処理して、4-ヨード誘導体(5d)を形成させることができる。次いで、文献(WO 2004/019868)に概説されている方法を改変した方法に再度従って、この4-ヨード誘導体(5d)を転移させて、5-ヨード誘導体(5e)とすることができる。この5-ヨードピリジン誘導体は、当業者にNegishi型カップリングとして知られているパラジウムが介在するクロスカップリングに付すことができる。このようなクロスカップリング反応には、典型的には、ハロゲン化アリールとアルキル亜鉛試薬の反応が含まれている。この場合、触媒量のパラジウム(0)源の存在下で、ヨウ化物(5e)とベンジル亜鉛ハライドを反応させることにより、5-ベンジル誘導体(5g)が形成される。そのベンジル亜鉛ハライドは、文献に記載されている方法で調製し得るか、又は、商業的供給元から購入することができる。典型的には、該触媒は、Pd(PPh3)4などであり、該溶媒は、THFである。該反応は、場合により、加熱してもよい。場合により置換されていてもよいアミンを用いて(5g)中の3-フルオロ置換基を置換し、それによって(5h)を生成させることができる。これは、典型的には、場合によってはマイクロ波中で、他には何も加えられていない該アミン中の当該アミンと3-フルオロピリジン(5g)との混合物又は当該アミンと3-フルオロピリジン(5g)の不活性溶媒中の混合物を加熱
することにより実施可能であり、それにより、3-アミノ-2-シアノ誘導体(5h)が得られる。そのニトリル官能性は、酸性条件下又は塩基性条件下で加水分解することができる。特に有用な方法では、エタノール性水酸化ナトリウム中で当該ニトリルを加熱して、対応するカルボン酸(5i)を生成させる。次いで、その酸は、文献中でよく知られている幾つかの方法を用いて、対応するエステルに変換することができる。例えば、特に有用な条件には、溶媒、例えば、それぞれ、エーテル又はメタノール/ベンゼン中で、ジアゾメタン及びTMS-ジアゾメタンなどを使用することが含まれている。該酸をエステル(5j)に変換するための特に有用な別の方法では、塩基及びアルキル化剤を使用する。例を挙げれば、典型的には、該アルキル化剤は、ヨウ化メチルなどであり、該塩基は、炭酸カリウム、トリエチルアミン及び水酸化ナトリウムなどである。この反応は、場合により、不活性溶媒(例えば、DMFなど)中で実施することができる。
【化12】

【0076】
スキーム5に示されている方法と類似した方法を用いて、中間体3,5-ジブロモ-2-シアノピリジン(6c)を形成させることができる(スキーム6)。この系での独自の発見は、選択的Negishiカップリングによって、中間体(6e)が高レベルの選択性で形成されるということである。ジブロモ誘導体(6c)は、場合により置換されていてもよいベンジル亜鉛誘導体(6d)で処理することが可能であり、その結果、5-ベンジル生成物(6e)が選択的に形成される。その典型的な条件には、不活性溶媒(例えば、THFなど)中でPd(PPh3)4を使用することが含まれている。当該3-ブロモ置換基が特に有用であるが、それは、Buchwald-Hartwig型カップリングとして当業者に知られているパラジウムが介在するアミノ化反応に臭化アリールを使用し得るということがよく知られているからである。これは、R2が場合により置換されていてもよいアリール基である化合物を形成させるために特に有用であったが、一般的な意味では、さまざまなR2で置換されている式(I)の化合物を形成させるために使用することができる。当該合成の残りの部分は、先のスキームに示してあるように進行させることができる。
【化13】

【0077】
(2a)のような化合物を、R2がアリール又はヘテロアリールである(7a)のような選択された化合物群に変換するための注目すべき別の方法では、パラジウムが介在するBuchwald-Hartwig反応を使用する。このタイプの反応のための条件には、典型的には、パラジウム(0)触媒源、リガンド及び塩基を使用することが含まれている。該条件では、例えば、触媒として酢酸パラジウムなどを使用し得る。適切なリガンドとしては、限定するものではないが、ホスフィンリガンド(例えば、Xantphos)などがある。塩基としては、限定するものではないが、炭酸セシウム及びナトリウムt-ブトキシドなどがある。
【化14】

【0078】
式(8a)で表される化合物を式(1c)で表される化合物に変換するための有用な方法では、アルキル化を使用する(スキーム8)。このタイプの反応では、典型的には、不活性溶媒中で塩基及びアルキル化剤を使用する。例えば、適切な塩基としては、限定するものではないが、LDA、リチウムヘキサメチルジシラジド及び水素化ナトリウムなどがある。アルキル化剤としては、限定するものではないが、ハロゲン化アルキル、トリフラート、メシラート及びトシラートなどがある。
【化15】

【0079】
(2a)のような化合物を(1a)のような高置換体に変換するための有用な方法は、スキーム9に示されている方法を含んでいる。当該3位のアミノ基は、構造(9a)中に示されているようなトリフルオロアセトアミド基又は類似した基に変換することにより、アルキル化のために活性化することができる。これは、典型的には、無水トリフルオロ酢酸又は類似した試薬を、他には何も加えずに又は不活性溶媒中で、場合により加熱しながら用いて形成させることができる。トリフルオロアセトアミド(9a)は、当業者には知られている条件を用いてアルキル化することができる。その典型的な条件には、不活性溶媒(例えば、アセトニトリル又はDMF)中で塩基(例えば、炭酸カリウムなど)を使用することが含まれ得る。アルキル化剤としては、限定するものではないが、ハロゲン化アルキル、トリフラート及びメシラートなどがある。典型的には、(9a)を加水分解条件に付すことにより、当該トリフルオロアセトアミドを除去することができる。その適切な条件には、典型的には、アルコール中で、場合により塩基の存在下に、加熱することが含まれる。
【化16】

【0080】
式Iの化合物を別の式Iの化合物に変換する方法は、特に重要である。スキーム10に示した例のように、式Iaの化合物は、塩基性加水分解によって式Ibの化合物に変換することができる。かかる変換に関する典型的な条件は当業者に周知である。式Iaの化合物は、水性溶媒(例えば、水、または水とアルコール溶媒(例えばエタノール)の混合物など)中に溶解した水酸化ナトリウムなどの塩基で処理することができる。場合によっては、この反応を加熱することで、式Iの化合物を異なる式Iの化合物に変換する方法とすることができる。
【化17】

【0081】
式Iの化合物を異なる式Iの化合物に変換する別の有用な方法をスキーム11に示す。式Iaの化合物を酸で処理し、式Icの化合物を形成させることができる。場合によっては、この反応には加熱が必要であり、場合により150℃以下の温度でマイクロ波照射を行う。
【化18】

【0082】
式Iの化合物を異なる式Iの化合物に変換する別の有用な方法は、Ibのような化合物を不活性溶媒(場合によっては塩基を含む)中に溶解したアミンおよびカップリング剤で処理し(スキーム12)、式Idの化合物を得ることを含む。好適なカップリング剤としては、ヘキサフルオロリン酸O-(7-アザベンゾトリアゾール-7-イル-N,N,N'N'-テトラメチルウロニウム(HATU)、塩酸1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド(EDCI)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましい溶媒としては、ジクロロメタン、テトラヒドロフランおよびジメチルホルムアミド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。塩基としては、ジイソプロピルエチルアミンおよびトリエチルアミン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【化19】

【0083】
上記の合成ステップを異なる順序で用いて式Iの化合物を生成することができることは、当業者には理解されよう。特に、上記の方法、またはホスホリル化合物の形成および改変に関する当業者に周知のさらなる方法を用いてホスホン酸基を操作し、代替のホスホン酸誘導体を生成させることができる。かかる方法を利用した後、ホスホン酸(場合によってはリンカーのL基を含有していてもよい)を他の式Iの化合物および対応する中間体に結合させることができることは当業者には自明であろう。
【実施例】
【0084】
以下の実施例は単なる例示を目的とするものであって、決して本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0085】
化合物1:7-(4-フルオロベンジル)-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル
【化20】

【0086】
ステップ1:3-(4-フルオロフェニル)プロパナールの合成
【化21】

【0087】
DMF(300mL)に溶解した1-フルオロ-4-ヨードベンゼン(300g、1.35mol)、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(300g、1.35mol)、NaHCO3(283g、3.4mol)およびアリルアルコール(138mL、2.0mol)の混合物に酢酸パラジウム(3.0g、13.5mmol)を加えた。混合物を撹拌しながら50℃で5時間加熱した。水(1L)およびEt2O(1L)を室温で添加した。セライトを通して濾過した後、濾液をEt2Oで抽出した。抽出物をH2Oおよびブラインで洗浄し、次いで、乾燥し、濃縮したところ、生成物が得られた。1H NMR (CDCl3) δ 9.81 (1H, s), 7.16 (2H, m), 6.97 (2H, m), 2.93 (2H, t, J = 7.5 Hz), 2.77 (2H, t, J = 7.5 Hz)。
【0088】
ステップ2:2-(4-フルオロベンジル)プロペナールの合成
【化22】

【0089】
3-(4-フルオロフェニル)プロパナール(205g、1.3mol)、ジエチルアミン塩酸塩(148g、1.3mol)および37%ホルマリン(約1.2当量)の混合物を110℃で2時間加熱した。水(600mL)を加え、混合物をEtOAcで抽出した。抽出物をH2Oおよびブラインで洗浄し、次いで、乾燥し、濃縮したところ、生成物が得られた。1H NMR (CDCl3) δ 9.59 (1H, s), 7.13 (2H, m), 6.98 (2H, m), 6.10 (2H, m), 3.55 (2H, s)。
【0090】
ステップ3および4:5-(4-フルオロベンジル)-2,3-ピリジンジカルボン酸の合成
【化23】

【0091】
2-アミノフマル酸ジエチル(153g、0.81mol)およびp-TsOH・H2O(1.5g、8.1mmol)をn-BuOH(325mL)に溶解した溶液に、120℃で2-(4-フルオロベンジル)プロペナール(162g、0.98mol)を滴下添加した。この混合物を120℃で17時間および室温で約24時間撹拌した。混合物を濾過し、真空下で濃縮したところ、粗製5-(4-フルオロベンジル)-2,3-ピリジンジカルボン酸ジエチルが得られた。この物質をEtOH(400mL)に溶解し、NaOH(88g、2.2mol)を水(300mL)中に含む氷冷溶液を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。真空中でEtOHを除去した後、水(400mL)および6N HCl(200mL)を加え、混合物をEtOAcで抽出した。EtOAc層を水で洗浄し、合わせた水層を6N HCl(175mL)でpH2に調節した。混合物を氷浴温度で1時間撹拌し、生成物を濾過により回収した。1H NMR (d6-DMSO) δ 8.64 (1H, d, J = 2 Hz), 8.01 (1H, d, J = 2 Hz), 7.32 (2H, dd, J 〜 9, 6Hz), 7.12 (2H, t, J 〜 9 Hz), 4.05 (2H, s);ES+ MS: 276 (M+H+, 100)。
【0092】
ステップ5および6:5-(4-フルオロベンジル)-2,3-ピリジンジカルボン酸2-エチルエステルの合成
【化24】

【0093】
5-(4-フルオロベンジル)-2,3-ピリジンジカルボン酸(25.3g、92mmol)およびAc2O(200mL)の混合物を120℃で3時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、トルエン(200mL)に溶解し、真空中で再濃縮すると5-(4-フルオロベンジル)-2,3-ピリジンジカルボン酸無水物が得られた。この物質をEtOH(200mL)に溶解し、混合物を3時間加熱還流した後、室温で一晩保存した。反応混合物を真空中で濃縮し、トルエンに溶解し、再濃縮すると生成物が主要な異性体として得られた。この物質は、約30%の対応3-エチルエステル2-カルボン酸異性体を含有していた。主要な異性体:1H NMR (d6-DMSO) δ 13.5 (1H, br), 8.67 (1H, d, J = 2 Hz), 8.06 (1H, d, J = 2 Hz), 7.31 (2H, dd, J 〜 9, 6Hz), 7.11 (2H, t, J 〜 9 Hz), 4.25 (2H, q, J = 7 Hz), 1.24 (3H, t, J = 7 Hz);ES+ MS: 304 (M+H+, 80), 326 (M+Na+, 30)。
【0094】
ステップ7:5-(4-フルオロベンジル)-3-[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ-2-ピリジンカルボン酸エチルの合成
【化25】

【0095】
5-(4-フルオロベンジル)-2,3-ピリジンジカルボン酸2-エチルエステル(28g、92mmol)、ジフェニルホスホリルアジド(29.7mL、138mmol)およびEt3N(38.5mL、276mmol)をt-BuOH(250mL)に含む溶液を5時間加熱還流し、3日間室温で保存した。真空中で溶媒を除去した後、EtOAcを加え、混合物をNH4Cl溶液、NaHCO3溶液およびブラインで洗浄し、次いで、乾燥し、濃縮した。粗製物質を30% EtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、生成物を主要な異性体として得た。この物質は、約30%の対応3-エチルエステル2-(tert-ブトキシ)カルボニルアミノ異性体を含有していた。主要な異性体:1H NMR (d6-DMSO) δ 9.96 (1H, s), 8.30 (1H, d, J = 2 Hz), 8.24 (1H, d, J = 2 Hz), 7.27 (2H, m), 7.11 (2H, m), 4.28 (2H, q, J = 7 Hz), 4.01 (2H, s), 1.43 (9H, s), 1.28 (3H, t, J = 7 Hz);AP+ MS: 375 (M+H+, 100)。
【0096】
ステップ8:3-アミノ-5-(4-フルオロベンジル)-2-ピリジンカルボン酸エチルの合成
【化26】

【0097】
5-(4-フルオロベンジル)-3-[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ-2-ピリジンカルボン酸塩(29g、77mmol)をCH2Cl2(200mL)およびトリフルオロ酢酸(60mL)に溶解した溶液を室温で一晩撹拌した。溶媒を真空中で除去し、粗製物質をEtOAc中に溶解し、NaHCO3溶液およびブラインで洗浄した。有機層を乾燥させ、濃縮し、20〜60% EtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにかけたところ、生成物として淡黄色固体が得られた。1H NMR (d6-DMSO) δ 7.76 (1H, d, J = 1.7 Hz), 7.25 (2H, m), 7.15 (2H, t, J = 9 Hz), 6.92 (1H, d, J = 1.7 Hz), 6.62 (2H, br s), 4.23 (2H, q, J = 7 Hz), 3.87 (2H, s), 1.26 (3H, t, J = 7 Hz);AP+ MS: 275 (M+H+, 100); HRMS計算値(C15H15FN2O2+H+):275.1196、実測値:275.1206。
【0098】
ステップ9:3-[(3-エトキシ-3-オキソプロパノイル)アミノ]-5-(4-フルオロベンジル)ピリジン-2-カルボン酸エチルの合成
【化27】

【0099】
3-アミノ-5-(4-フルオロベンジル)-2-ピリジンカルボン酸エチル(2g、7.29mmol)をDCE(20mL)中に含む溶液に3-クロロ-3-オキソプロピオン酸エチル(1.32g、8.75mmol)を加え、溶液を1時間加熱還流した。溶媒を真空中で除去し、0〜5% MeOH/CH2Cl2を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにかけて生成物を琥珀色油状物として得た。1H NMR (CDCl3) δ 8.96 (1H, br s), 8.32 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.17 (2H, dd, J 〜 9, 6 Hz), 7.00 (2H, t, J 〜 9 Hz), 4.53 (2H, t, J = 7 Hz), 4.29 (2H, t, J = 7 Hz), 4.02 (2H, s), 3.54 (2H, s), 1.48 (3H, t, J = 7 Hz), 1.33 (3H, t, J = 7 Hz)。
【0100】
ステップ10:7-(4-フルオロベンジル)-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチルの合成
3-[(3-エトキシ-3-オキソプロパノイル)アミノ]-5-(4-フルオロベンジル)ピリジン-2-カルボン酸エチル(2.28g、5.87mmol)をEtOH(23mL)中に含む溶液に、NaOEtをEtOHに溶解した2M溶液(5.87mL、11.74mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を濃HClで中和し、真空中で濃縮した。生じた物質をEtOHと1:1ブライン/水の混合物で摩砕した後、濾過すると、生成物がベージュ色固体として得られた。1H NMR (d6-DMSO) δ 11.54 (1H, br s), 8.54 (1H, d, J = 1.4 Hz), 7.44 (1H, s), 7.32 (2H, dd, J = 8, 6 Hz), 7.17 (2H, t, J 〜 9 Hz), 4.23 (2H, q, J = 7 Hz), 4.12 (2H, s), 1.26 (3H, t, J = 7 Hz); HRMS計算値(C18H15FN2O4+H+):343.1094、実測値:343.1088。
【0101】
実施例1:{2-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]エチル}ホスホン酸ジエチル
【化28】

【0102】
7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル(70mg、0.205mmol)、(2-アミノエチル)ホスホン酸ジエチルシュウ酸塩(83mg、0.307mmol)およびトリエチルアミン(0.06mL)をエタノール(3mL)中に溶解した混合物を140℃のマイクロ波反応装置中で1200秒加熱した。追加トリエチルアミン(0.01mL)を加え、混合物をさらに1200秒加熱した。懸濁液を減圧下で濃縮し、1NのHClで酸性化し、クロロホルムで抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮したところ、黄色固体が得られた。表題化合物がHPLCによる精製後に白色固体(6mg、6%)として得られた。1H NMR (CDCl3) δ 11.36 (br s, 1 H), 10.61 (s, 1 H), 8.49 (s, 1 H), 7.44 (s, 1 H), 7.17-7.13 (m, 2 H), 7.01-6.97 (m, 2 H), 4.07-4.00 (m, 6 H), 3.84 (m, 2 H), 2.29 (m, 2 H), 1.30 (t, J = 7.2 Hz, 6 H);HRMS計算値(C22H26FN3O6P (M+H)):478.15378、実測値:478.15368。
【0103】
化合物2:7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル
【化29】

【0104】
ステップ1:5-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3-(メチルアミノ)-2-ピリジンカルボン酸エチルの合成
【化30】

【0105】
化合物1で記載した3-アミノ-5-[(4-フルオロフェニル)メチル]-2-ピリジンカルボン酸エチルを無水トリフルオロ酢酸と反応させた後、ヨウ化メチルでアルキル化し、次いで、MeOHの存在下で加熱することにより脱保護した。1H NMR (CDCl3) δ 7.84 (1H, s), 7.61 (1H, br s), 7.14-7.10 (2H, m), 6.99-6.94 (2H, m), 3.92 (5H, s), 2.83 (3H, d, J = 5 Hz);ES+ MS: 275 (M+H+, 100)。
【0106】
ステップ2:7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチルの合成
5-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3-(メチルアミノ)-2-ピリジンカルボン酸エチル(4.14g、0.014mmol)をDCE(150mL)に溶解した溶液を50℃に加熱し、エチルマロニルクロリド(3.5mL、0.027mmol)を3分間かけて連続的に(streamwise)加えた。反応混合物を85℃で1時間加熱した。約40℃に冷却した後、反応物を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機物を重炭酸ナトリウム飽和溶液、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。この物質は、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜12% メタノール/ジクロロメタン)により精製可能である。あるいは、次の反応に直接用いることができる。生じた物質をエタノール(100mL)中に溶解し、氷浴中に置いた。ナトリウムエトキシド(エタノールに溶解した2.4M溶液の12.34mL、29.61mmol)を連続的に加え、混合物を周囲温度までゆっくりと暖め、1時間撹拌した。懸濁液を減圧下で濃縮し、約pH3まで酸性化した。次いで、生じた固体を真空濾過によって回収したところ、表題化合物が黄褐色固体として得られた(4.52g、94%、2ステップ)。1H NMR (CDCl3) δ 8.51 (1H, s), 7.35 (1H, s), 7.18-7.15 (2H, m), 7.05-7.01 (2H, m), 4.51 (2H, q, J = 7 Hz), 4.19 (2H, s), 3.56 (3H, s), 1.23 (3H, t, J = 7 Hz);ES+ MS: 357 (M+H+, 100)。
【0107】
実施例2:{2-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]エチル}ホスホン酸ジエチル
【化31】

【0108】
実施例1と同様の方法で、表題化合物を7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル(33mg、0.0926mmol)、(2-アミノエチル)ホスホン酸ジエチルシュウ酸塩(125mg、0.463mmol)から調製し、HPLCによる精製後に白色固体(25mg、56%)として得た。1H NMR (CDCl3) δ 10.38 (br s, 1 H), 8.54 (s, 1 H), 7.37 (s, 1 H), 7.15-7.11 (m, 2 H), 7.02-6.97 (m, 2 H), 4.14-4.07 (m, 6 H), 3.71 (m, 2 H), 3.55 (s, 3 H), 2.08 (m, 2 H), 1.32 (t, J = 7.2 Hz, 6 H);MS m/z 492 (M+1)。
【0109】
実施例3:{2-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]エチル}ホスホン酸水素エチル
【化32】

【0110】
{2-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]エチル}ホスホン酸ジエチル(23mg、0.047mmol)を1NのNaOH(3mL)中に懸濁し、透明な溶液が生じるまで温度を90℃に2時間保持した。混合物を氷浴中で冷却し、4N HClで酸性化し、クロロホルムで数回抽出し、減圧下で濃縮した。HPLCで精製したところ、表題化合物が白色固体として得られた(6mg、27%)。1H NMR (CDCl3) δ 10.38 (br s, 1 H), 8.43 (s, 1 H), 7.33 (s, 1 H), 7.16-7.13 (m, 2 H), 7.03-6.98 (m, 2 H), 4.13-4.08 (m, 4 H), 3.74 (m, 2 H), 3.53 (s, 3 H), 2.14 (m, 2 H), 1.32 (t, J = 6.8 Hz, 3 H);MS m/z 464 (M+1)。
【0111】
実施例4:{2-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]エチル}ホスホン酸
【化33】

【0112】
{2-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]エチル}ホスホン酸ジエチルを4N HCl中に懸濁し、140℃のマイクロ波反応装置中で1200秒間加熱した。周囲温度に冷却した後、真空濾過により白色沈殿物を回収し、表題化合物(13mg)を得た。1H NMR (CDCl3) δ 10.36 (br s, 1 H), 8.51 (s, 1 H), 7.98 (s, 1 H), 7.38-7.34 (m, 2 H), 7.13-7.08 (m, 2 H), 4.14 (s, 2 H), 3.56-3.51 (m, 5 H), 1.86 (m, 2 H);MS m/z 436 (M+1)。
【0113】
実施例5:エチルP-{2-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]エチル}-N-[2-(メチルオキシ)エチル]ホスホンアミドアート
【化34】

【0114】
{2-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]エチル}ホスホン酸水素エチル(50mg、0.108mmol)、[2-(メチルオキシ)エチル]アミン(0.01mL、0.135mmol)、トリエチルアミン(0.04mL、0.27mmol)、およびHATU(51mg、0.135mmol)をジメチルホルムアミド中で2時間混合した。HPLCにより反応が完了していると判定されるまで、追加のHATU(〜8当量)および[2-(メチルオキシ)エチル]アミン(〜2当量)を加えた。反応を飽和重炭酸ナトリウム溶液でクエンチし、水およびジクロロメタンで希釈し、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機物を減圧下で濃縮し、HPLCで精製したところ、表題化合物が黄色固体として得られた(10mg、18%収率)。1H NMR (CDCl3) δ 10.40 (br s, 1 H), 8.55 (s, 1 H), 7.42 (s, 1 H), 7.19-7.15 (m, 2 H), 7.04-6.99 (m, 2 H), 4.14-4.00 (m, 4 H), 3.75 (m, 2 H), 3.55 (s, 3 H), 3.43 (m, 2 H), 3.34 (s, 3 H), 3.12 (m, 2 H), 2.11 (m, 2 H), 1.30 (t, J = 7.2 Hz, 3 H);MS m/z 521 (M+1)。
【0115】
実施例6:{4-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]ブチル}ホスホン酸ジエチル
【化35】

【0116】
実施例1で記載した方法と同様にして、表題化合物を7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル(50mg、0.140mmol)および(4-アミノブチル)ホスホン酸ジエチルシュウ酸塩(126mg)から調製し、HPLCによる精製後に白色固体(17mg、24%)として得た。1H NMR (CDCl3) δ 10.19 (m, 1 H0, 8.52 (s, 1 H), 7.37 (s, 1 H), 7.15-7.11 (m, 2 H), 7.01-6.96 (m, 2 H), 4.10-4.00 (m, 6 H), 3.54 (s, 3 H), 3.43 (m, 2 H), 1.80-1.66 (m, 6 H), 1.28 (t, J = 7.2 Hz, 6 H); MS m/z 520 M+1)。
【0117】
実施例7:{4-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]ブチル}ホスホン酸水素エチル
【化36】

【0118】
実施例3で記載した方法と同様にして、表題化合物を{4-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]ブチル}ホスホン酸ジエチルから白色固体(18mg、95%)として調製した。1H NMR (CDCl3) δ 10.17 (br s, 1 H), 8.52 (s, 1 H), 7.38 (s, 1 H), 7.16-7.12 (m, 2 H), 7.03-6.98 (m, 2 H), 4.11-4.03 (m, 4 H), 3.53 (s, 3 H), 3.44 (m, 2 H), 1.81-1.74 (m, 6 H), 1.31 (t, J = 7.2 Hz, 3 H);HRMS計算値(C23H28FN3O6P (M+H)):492.1694、実測値:492.1690。
【0119】
実施例8:{4-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]ブチル}ホスホン酸
【化37】

【0120】
実施例4で記載した方法と同様にして、表題化合物を{4-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]ブチル}ホスホン酸ジエチルから白色固体として調製した。1H NMR (CDCl3) δ 8.66 (br s, 1 H), 7.71 (br s, 1 H), 7.21-7.14 (m, 2 H), 6.99-6.94 (m, 2 H), 4.18 (s, 2 H), 3.56 (s, 3 H), 3.41 (m, 2 H), 1.72-1.67 (m, 6 H);MS m/z 464 M+1)。
【0121】
実施例9:{3-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]プロピル}ホスホン酸ジエチル
【化38】

【0122】
実施例1で記載した方法と同様にして、表題化合物を7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル(50mg、0.140mmol)および(3-アミノプロピル)ホスホン酸ジエチルシュウ酸塩(120mg)から調製し、HPLCによる精製後に白色固体(9mg、13%)として得た。1H NMR (CDCl3) δ 10.24 (br s, 1 H), 8.55 (s, 1 H), 7.38 (s, 1 H), 7.16-7.12 (m, 2 H), 7.03-6.98 (m, 2 H), 4.12-4.03 (m, 6 H), 3.56-3.48 (m, 6 H), 1.95-1.76 (m, 4 H), 1.30 (t, J = 7.2 Hz, 6 H);MS m/z 506 M+1)。
【0123】
実施例10:{3-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]プロピル}ホスホン酸水素エチル
【化39】

【0124】
実施例3で記載した方法と同様にして、表題化合物を{3-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]プロピル}ホスホン酸ジエチルから白色固体として調製した。1H NMR (CDCl3) δ 10.23 (br s, 1 H), 8.46 (s, 1 H), 7.36 (s, 1 H), 7.17-7.13 (m, 2 H), 7.04-6.99 (m, 2 H), 4.13-4.00 (m, 4 H), 3.69-3.10 (m, 5 H), 2.11-1.81 (m, 4 H), 1.31 (m, 3 H);MS m/z 478 (M+1)。
【0125】
実施例11:{3-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]プロピル}ホスホン酸
【化40】

【0126】
実施例4で記載した方法と同様にして、表題化合物を{3-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]プロピル}ホスホン酸ジエチルから白色固体として調製した。1H NMR (メタノール-d4/CDCl3) δ 8.21 (s, 1 H), 7.37 (s, 1 H), 6.96-6.92 (m, 2 H), 6.77-6.73 (m, 2 H), 3.90 (s, 2 H), 3.35 (s, 3 H), 3.25 (m, 2 H), 1.67 (m, 2 H), 1.50 (m, 2 H);HRMS計算値(C20H22FN3O6P(M+H)):450.1230、実測値:450.1244。
【0127】
実施例12:{[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]メチル}ホスホン酸ジエチル
【化41】

【0128】
実施例1で記載した方法と同様にして、表題化合物を7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル(50mg、0.140mmol)、(アミノメチル)ホスホン酸ジエチルシュウ酸塩(108mg、0.42mmol)、およびトリエチルアミン(0.12mL、0.84mmol)から調製し、HPLCによる精製後に白色固体(17mg、26%)として得た。1H NMR (CDCl3) δ 10.51 (br s, 1 H), 8.60 (s, 1 H), 7.43 (s, 1 H), 7.18-7.14 (m, 2 H), 7.05-7.00 (m, 2 H), 4.23-4.14 (m, 6 H), 3.94 (m, 2 H), 3.59 (s, 3 H), 1.35 (t, J = 6.8 Hz, 6 H);MS m/z 478 (M+1)。
【0129】
実施例13:{[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]メチル}ホスホン酸水素エチル
【化42】

【0130】
実施例3で記載した方法と同様にして、表題化合物を{[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]メチル}ホスホン酸ジエチル(8.5mg、0.018mmol)から調製し、HPLCによる精製後に白色固体(5mg、63%)として得た。1H NMR (CDCl3) δ 10.49 (br s, 1 H), 8.38 (s, 1 H), 7.33 (s, 1 H), 7.14 (br s, 2 H), 7.03-6.98 (m, 2 H), 4.17 (br s, 2 H), 4.05 (s, 2 H), 3.89 (br s, 2 H), 3.50 (s, 3 H), 1.32 (br s, 3 H);MS m/z 450 M+1)。
【0131】
実施例14:{[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]メチル}ホスホン酸
【化43】

【0132】
実施例4で記載した方法と同様にして、表題化合物を{[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]メチル}ホスホン酸ジエチル(10mg、0.021mmol)から白色固体(6.5mg、72%)として調製した。1H NMR (メタノール-d4/CDCl3) δ 8.35 (s, 1 H), 7.43 (s, 1 H), 7.06-7.02 (m, 2 H), 6.89-6.84 (m, 2 H), 4.01 (s, 2 H), 3.67 (d, J = 13.6 Hz, 2 H), 3.45 (s, 3 H);HRMS計算値(C18H18FN3O6P (M+H)):422.0919、実測値:422.0917。
【0133】
化合物3:1-[2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル]-7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル
【化44】

【0134】
ステップ1:(4-フルオロフェニル)[6-(メチルオキシ)-3-ピリジニル]メタノールの合成
【化45】

【0135】
-65℃まで冷却したTHF(500mL)中に5-ブロモ-2-(メチルオキシ)ピリジン(85g、0.452mol)を含む撹拌溶液に、n-BuLiをTHF中に溶解した2.5M溶液(181mL、0.452mol)をゆっくりと加えた。添加中、内部温度を-55℃以下に維持した。添加が完了したら、THF(120mL)に溶解した4-フルオロベンズアルデヒド(51g、0.411mol)の溶液を-50℃以下の温度に維持しながらゆっくりと加えた。飽和塩化アンモニウム溶液(200mL)を加え、混合物を-15℃に加温し、減圧下で濃縮した。混合物をEtOAc(1L)で希釈し、飽和塩化アンモニウム溶液で2回洗浄した。水層をEtOAcで逆抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮したところ、薄い琥珀色油状物として生成物が得られた。1H NMR (CDCl3) δ 8.14 (1H, d, J = 2.5 Hz), 7.54 (1H, dd, J = 8.6, 2.5 Hz), 7.36 (2H, dd, J = 8.6, 5.4 Hz), 7.05 (2H, m), 6.73 (1H, d, J = 8.6 Hz), 5.82 (1H, s), 3.94 (3H, s), 2.40 (1H, br)。
【0136】
ステップ2〜3:5-[(4-フルオロフェニル)メチル]-2(1H)-ピリジノンの合成
【化46】

【0137】
(4-フルオロフェニル)[6-(メチルオキシ)-3-ピリジニル]メタノール(293g、1.26mol)、DCE(650mL)、TFA(650mL)およびトリエチルシラン(650mL)の撹拌混合物を5時間加熱還流した。蒸留によりDCEを除去し、氷酢酸(250 mL、4.4mol)および48% HBr(250mL、2.2mol)を加えた。生じた溶液を6.5時間加熱還流し、その間、追加の48% HBr(100mL、0.88mol)を加えた。混合物を減圧下で部分濃縮し、残りの二相混合物を分離した。前のステップで得られたシラン副生成物を含有する上相を廃棄し、下相を氷浴中で冷却し、4N NaOH溶液でpH8〜9に中和した。生じた沈殿物を濾過により回収し、水で洗浄し、真空オーブン中で乾燥させたところ、生成物として白色固体が得られた。1H NMR (d6-DMSO) δ 11.39 (1H, br), 7.23 (4H, m), 7.08 (2H, m), 6.24 (1H, d, J = 9 Hz), 3.62 (2H, s);ES+ MS: 204 (M+H+, 100)。
【0138】
ステップ4:5-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3-ニトロ-2(1H)-ピリジノンの合成
【化47】

【0139】
5-[(4-フルオロフェニル)メチル]-2(1H)-ピリジノン(249g、1.22mol)をTFA(750mL)中に含む撹拌溶液に、90% HNO3(57mL、1.22mol)の溶液をゆっくりと加えた。溶液を2時間75℃で加熱した。この間、追加の90% HNO3(25mL、0.5mol)を加えた。水(1L)をゆっくりと加え、蒸留によりTFAの大部分を除去した。混合物を室温まで冷却し、生成物を黄色固体として濾過により単離した。1H NMR (d6-DMSO) δ 12.76 (1H, br), 8.31 (1H, d, J = 2.4 Hz), 7.80 (1H, d, J = 2.4 Hz), 7.30 (2H, dd, J = 8.6, 5.7 Hz), 7.11 (2H, t, J = 8.6 Hz), 3.76 (2H, s);ES+ MS: 249 (M+H+, 100)。
【0140】
ステップ5:2-ブロモ-5-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3-ニトロピリジンの合成
【化48】

【0141】
5-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3-ニトロ-2(1H)-ピリジノン(179g、0.72mol)をトルエン(900mL)中に含む撹拌懸濁液に、トルエン(900mL)に溶解したPOBr3(227g、0.79mol)の溶液をゆっくりと加えた。混合物を加熱還流した後、室温に冷却し、DMF(56mL、0.72mol)をゆっくりと加えた。再び混合物を加熱還流し、次いで、一晩室温まで冷却した。混合物を氷浴中で冷却した後、水(500mL)をゆっくりと加え、その後、4N NaOH(450mL、1.76mol)を滴下添加した。すべての不溶性物質を濾過により除去し、2つの液相を分離した。有機層を減圧下で濃縮したところ、生成物がベージュ色固体として得られた。1H NMR (d6-DMSO) δ 8.62 (1H, d, J = 2 Hz), 8.37 (1H, d, J = 2 Hz), 7.33 (2H, m), 7.12 (2H, m), 4.05 (2H, s);ES+ MS: 313 (M+H+, 100), 311 (M+H+, 100)。
【0142】
ステップ6:5-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3-ニトロ-2-ピリジンカルボン酸メチルの合成
【化49】

【0143】
ブロモ-5-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3-ニトロピリジン(206g、0.66mol)、TEA(230mL、1.66mol)、(o-tol)3P(5g、16.4mmol)、およびPd(OAc)2(3.7g、16.6mmol)をMeOH(2L)に溶解した混合物をCO(g)雰囲気下、60〜65℃で33時間加熱した。この間、追加の(o-tol)3P(5g、16.4mmol)およびPd(OAc)2(5.2g、23mmol)を加えた。混合物をセライトを通して濾過し、減圧下で濃縮し、EtOAc中で再構成し、飽和NaHCO3溶液およびブラインで洗浄した。有機相を乾燥させ、濃縮したところ、生成物が暗色油状物として得られた。1H NMR (d6-DMSO) δ 8.71 1H, d, J = 1.5 Hz), 8.03 (1H, d, J = 1.5 Hz), 7.14 (2H, m), 7.06 (2H, m), 4.10 (2H, s), 3.99 (3H, s);ES+ MS: 291 (M+H+, 100)。
【0144】
ステップ7:3-アミノ-5-[(4-フルオロフェニル)メチル]-2-ピリジンカルボン酸メチルの合成
【化50】

【0145】
5-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3-ニトロ-2-ピリジンカルボン酸メチル(200g、0.66mol)および炭素担持Degussa 10% Pd(50重量%の水、20g)をTHF(1.5L)中に含む混合物をH2の雰囲気下で2日間撹拌した。混合物をセライトを通して濾過し、濾液を再度45℃で7日間、炭素担持10% Pd(30g)を用いる同様の水素化条件に供した。この間、MeOH(75mL)中の濃HCl(14mL、0.17mol)と炭素担持10% Pd(18g)をそれぞれ3回程度に分けて添加した。混合物をセライトを通して濾過し、減圧下で濃縮し、CH2Cl2中で再構成し、飽和NaHCO3溶液で洗浄した。有機相を濃縮し、生じた物質をEtOAcで摩砕したところ、生成物がオフホワイト色固体として得られた。1H NMR (CDCl3) δ 7.94 (1H, d, J = 1.5 Hz), 7.11 (2H, m), 6.98 (2H, m), 6.72 (1H, 1.5 Hz), 5.67 (2H, br s), 3.95 (3H, s), 3.89 (2H, s);ES+ MS: 261 (M+H+, 100)。
【0146】
ステップ8〜10:3-{[2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル]アミノ}-5-[(4-フルオロフェニル)メチル]-2-ピリジンカルボン酸メチルの合成
【化51】

【0147】
i-PrOAc(400mL)中の3-アミノ-5-[(4-フルオロフェニル)メチル]-2-ピリジンカルボン酸メチル(60g、0.23mol)の撹拌懸濁液を30℃に加熱し、無水トリフルオロ酢酸(35.3mL、0.254mol)を滴下添加した。反応混合物を30℃で15分間撹拌し、次いで、室温まで冷却し、0.6MのNaHCO3溶液(512mL、0.32mol)でゆっくりとクエンチした。生じた二相混合物を分離し、有機相を水で2回洗浄した。次いで、CH3CN(700mL)で希釈し、初期容量の約半分まで蒸留した。残りの溶液(約600mL)にK2CO3(34.6g、0.255mol)、NaI(5.18g、34.6mol)および2-クロロ-N,N-ジメチルアセトアミド(26.1mL、0.254mol)を加え、生じた混合物を80℃に3.5時間加熱した。反応物を60℃に冷却し、MeOH(200mL)で希釈し、2時間加熱還流し、その初期容量の約半分まで蒸留した。残りの混合物を37℃に冷却し、15℃まで徐々に冷却しながら2時間かけて水(650mL)を添加した。沈殿物が形成され、これを濾過により回収し、水で洗浄した。濾過ケーキを真空オーブン中で乾燥したところ、生成物がオフホワイト色固体として得られた。1H NMR (CDCl3) δ 8.56 (1H, br), 7.89 (1H, s), 7.12 (2H, dd, J = 8.5, 5.5 Hz), 6.98 (2H, t, J = 8.5 Hz), 6.68 (1H, s), 3.96 (3H, s), 3.93 (2H, s), 3.88 (2H, d, J = 4.2 Hz), 3.02 (3H, s), 3.01 (3H, s)。
【0148】
ステップ11〜12:1-[2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル]-7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチルの合成
室温で3-{[2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル]アミノ}-5-[(4-フルオロフェニル)メチル]-2-ピリジンカルボン酸メチル(65.8g、0.19mol)をDCE(350mL)中に含む溶液にエチルマロニルクロリド(27mL、0.21mol)をゆっくりと加えた。混合物を3時間加熱還流した。その間、追加のエチルマロニルクロリド(10mL、78mmol)を加えた。反応が完了したら、混合物を室温まで冷却し、0.8MのNaHCO3溶液で3回、水で1回洗浄した。有機相をEtOH(50mL)で希釈し、その初期容量の約30%まで蒸留し、室温に冷却した。EtOHに溶解した2.68MのNaOEtの溶液(70mL、0.188mol)を加え、室温で10分間撹拌した後、混合物を1NのHCl(190mL、190mmol)で酸性化し、EtOH(600mL)で希釈した。混合物を70℃に加熱し、次いで、50℃に冷却し、濾過した。濾過ケーキを水で洗浄し、真空オーブン中で乾燥させたところ、生成物が白色固体として得られた。1H NMR (d6-DMSO) δ 8.44 (1H, d, J = 1 Hz), 7.67 (1H, s), 7.31 (2H, dd, J = 8.7, 5.6 Hz), 7.12 (2H, t, J = 8.7 Hz), 5.04 (2H, s), 4.21 (2H, q, J = 7 Hz), 4.11 (2H, s), 3.10 (3H, s), 2.80 (3H, s), 1.23 (3H, t, J = 7 Hz);ES- MS: 426 (M-1, 100)。
【0149】
実施例15:{2-[({1-[2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル]-7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]エチル}ホスホン酸ジエチル
【化52】

【0150】
実施例1で記載した方法と同様にして、表題化合物を1-[2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル]-7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル(35mg、0.082mmol)、(2-アミノエチル)ホスホン酸シュウ酸塩(67mg、0.246mmol)、およびトリエチルアミン(0.07mL)から調製し、HPLCによる精製により白色固体(15mg、34%)が得られた。1H NMR (CDCl3) δ 10.21 (br s, 1 H), 8.51 (s, 1 H), 7.14-7.10 (m, 2 H), 7.02-6.98 (m, 3 H), 4.93 (s, 2 H), 4.14-4.05 (m, 6 H), 3.69 (m, 2 H), 3.10 (s, 3 H), 2.94 (s, 3 H), 2.11 (m, 2 H), 1.31 (t, J = 7.2 Hz, 6 H);MS m/z 563 (M+1)。
【0151】
実施例16:{[({1-[2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル]-7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]メチル}ホスホン酸ジエチル
【化53】

【0152】
実施例1で記載した方法と同様にして、表題化合物を1-[2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル]-7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル(50mg、0.117mmol)、および(アミノメチル)ホスホン酸ジエチルシュウ酸塩(90mg、0.351mmol)から調製し、HPLCによる精製後に白色固体(4mg、6%)として得た。1H NMR (CDCl3) δ 10.31 ( br s, 1 H), 8.54 (s, 1 H), 7.15-7.11 (m, 2 H), 7.05-6.99 (m, 3 H), 4.95 (s, 2 H), 4.21-4.10 (m, 6 H), 3.90 (m, 2 H), 3.11 (s, 3 H), 2.95 (s, 3 H), 1.33 (t, J = 6.8 Hz, 6 H);MS m/z 549 (M+1)。
【0153】
化合物4:7-(4-フルオロベンジル)-1-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル
【化54】

【0154】
ステップ1:3,5-ジブロモ-2-ピリジンカルボニトリル
【化55】

【0155】
3,5-ジブロモピリジン(30.5g、0.12mol)をジクロロメタン(80mL)中に溶解し、メチルトリオキソレニウム(methlytrioxorhenium)(150mg、0.603mmol)を加えた。30%過酸化水素(27mL)を5分間かけてゆっくりと加え、混合物を周囲温度で3時間撹拌した。40mLの追加の過酸化水素を加え、反応物を16時間撹拌した。二酸化マンガン(100mg)を加え、懸濁液を40分間撹拌した。混合物をジクロロメタンで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。酢酸エチルを加え、固体が溶解するまで懸濁液を30分間還流した後、混合物を周囲温度に冷却し、48時間置いた。3,5-ジブロモピリジン1-オキシド(25.09g、82%収率)が真空濾過により浅黄色針状物として回収された。1H NMR (CDCl3) δ 8.27 (s, 2 H), 7.56 (s, 1 H)。
【0156】
3,5-ジブロモピリジン1-オキシド(25.09g、0.099mol)をアセトニトリル(200mL)中に溶解し、トリエチルアミン(28mL、0.198mol)およびトリメチルシリルシアニド(40mL、0.297mol)を加えた。反応物を16時間撹拌し、次いで、ジクロロメタン、炭酸ナトリウム水溶液、水で希釈した後、溶離液としてジクロロメタンを用いてセライトにより濾過した。混合物をジクロロメタンで抽出し、シリカゲルクロマトグラフィー(3:2 ヘキサン:酢酸エチル勾配溶出)によって精製したところ、黄褐色固体として3,5-ジブロモ-2-ピリジンカルボニトリル(18.98g、73%収率)が得られた。1H NMR (CDCl3) δ 8.68 (d, J = 2 Hz, 1 H), 8.20 (d, J = 2 Hz, 1 H);MS m/z 262 (M+1)。
【0157】
ステップ2:3-ブロモ-5-[(4-フルオロフェニル)メチル]-2-ピリジンカルボニトリル
【化56】

【0158】
3,5-ジブロモ-2-ピリジンカルボニトリル(4.52g、15.34mmol)をテトラヒドロフラン(75mL)中に溶解し、パラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(0.887g、0.767mmol)および4-フルオロベニル(fluorobenyl)亜鉛クロリド(46.02mL、テトラヒドロフラン中0.5M)を加えた。混合物を85℃で1時間加熱した。12.3mLの追加の4-フルオロベニル亜鉛クロリドを加え、反応物を40分間加熱し、周囲温度に冷却した。混合物を水および酢酸エチルで希釈し、1Nの塩酸を数滴加え、反応物を酢酸エチルで抽出した。有機物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(0〜100% 酢酸エチル/ヘキサン勾配溶出)により精製したところ、浅黄色固体として3-ブロモ-5-[(4-フルオロフェニル)メチル]-2-ピリジンカルボニトリル(2,54g、57%収率)が得られた。1H NMR (CDCl3) δ 8.48 (s, 1 H), 7.74 (s, 1 H), 7.15-7.11 (m, 2 H), 7.07-7.02 (m, 2 H), 4.02 (s, 2 H);MS m/z 292 (M+1)。
【0159】
ステップ3:3-[(4-フルオロフェニル)アミノ]-5-[(4-フルオロフェニル)メチル]-2-ピリジンカルボニトリル
【化57】

【0160】
3-ブロモ-5-[(4-フルオロフェニル)メチル]-2-ピリジンカルボニトリル(5.34g、18.35mmol)、炭酸セシウム(8.37g、25.69mmol)、BINAP(860mg、1.38mmol)、酢酸パラジウム(206mg、0.918mmol)、トルエン(200mL)および4−フルオロアニリン(2.08mL、22.02mmol)を3時間加熱還流した。反応物を周囲温度に冷却し、溶離剤としてジクロロメタンを用いてセライトにより濾過した。シリカゲルクロマトグラフィー(0〜12% メタノール/ジクロロメタン)により表題化合物が黄色固体(3.57g、61%)として得られた。1H NMR (CDCl3) δ 7.94 (s, 1 H), 7.10-6.94 (m, 8 H), 6.24 (s, 1 H), 3.85 (s, 2 H);MS m/z 322 (M+1)。
【0161】
ステップ4:3-[(4-フルオロフェニル)アミノ]-5-[(4-フルオロフェニル)メチル]-2-ピリジンカルボン酸
【化58】

【0162】
3-[(4-フルオロフェニル)アミノ]-5-[(4-フルオロフェニル)メチル]-2-ピリジンカルボニトリル(3.57g、11.12mmol)、50重量%の水酸化ナトリウム(50mL)、およびエタノール(20mL)を、HPLCにより反応が完了したと判定されるまで加熱還流した。反応物を周囲温度に冷却し、ガラスフリットにより濾過した。回収した固体を水中に懸濁し、濃HClを加えて混合物を酸性にした後、酢酸エチルおよびクロロホルムで水層を数回抽出した。上記により得た濾液を濃HClで酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、メタノールで共沸したところ、表題化合物が黄色固体として得られた(3.71g、98%)。1H NMR (DMSO-d6) δ 9.67 (s, 1 H), 7.89 (s, 1 H), 7.37 (s, 1 H), 7.25-7.06 (m, 8 H), 3.93 (s, 2 H);MS m/z 341 (M+1)。
【0163】
ステップ5:3-[(4-フルオロフェニル)アミノ]-5-[(4-フルオロフェニル)メチル]-2-ピリジンカルボン酸メチル
【化59】

【0164】
3-[(4-フルオロフェニル)アミノ]-5-[(4-フルオロフェニル)メチル]-2-ピリジンカルボン酸(3.71g、10.91mmol)、DMF(100mL)、および炭酸カリウム(3.31g、24.01mmol)を周囲温度で1時間撹拌した。水および酢酸エチルを加え、反応物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を減圧下で濃縮し、トルエンで共沸したところ、表題化合物(2.08g、54%)が黄色固体として得られた。1H NMR (DMSO-d6) δ 9.30 (s, 1 H), 7.94 (s, 1 H), 7.13-6.92 (m, 8 H), 3.98 (s, 3 H), 3.84 (s, 2 H);MS m/z 355 (M+1)。
【0165】
ステップ6:7-(4-フルオロベンジル)-1-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル
実施例1で記載した方法と同様にして、表題化合物を3-[(4-フルオロフェニル)アミノ]-5-[(4-フルオロフェニル)メチル]-2-ピリジンカルボン酸メチル(2g、5.65mmol)から白色固体(2.38g、98%、2ステップ)として調製した。1H NMR (メタノール-d4/CDCl3) δ 8.19 (s, 1 H), 7.17-7.06 (m, 4 H), 6.94-6.83 (m, 4 H), 6.58 (s, 1 H), 4.26 (q, J = 7.2 Hz, 2 H), 3.81 (s, 2 H), 1.27 (t, J = 7.2 Hz, 3 H);MS m/z 459 (M+23)。
【0166】
実施例17:{2-[({1-(4-フルオロフェニル)-7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]エチル}ホスホン酸ジエチル
【化60】

【0167】
実施例1で記載した方法と同様にして、表題化合物を1-(4-フルオロフェニル)-7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル(23mg、0.055mmol)および(2-アミノエチル)ホスホン酸ジエチルシュウ酸塩(45mg、0.165mmol)から調製し、HPLCによる精製後に白色固体(15mg、48%)として得た。1H NMR (CDCl3) δ 10.11 (br s, 1 H), 8.51 (s, 1 H), 7.28-7.24 (m, 2 H), 7.18-7.15 (m, 2 H), 7.01-6.90 (m, 4 H), 6.70 (s, 1 H), 4.11-4.04 (m, 4 H), 3.93 (s, 2 H), 3.66 (m, 2 H), 2.08 (m, 2 H), 1.29 (t, J = 7.2 Hz, 6 H);(MS m/z 572 M+1)。
【0168】
化合物5:7-(4-フルオロベンジル)-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-[2-(2-オキソピロリジン-1-イル)エチル]-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル
【化61】

【0169】
ステップ1:(2-オキソピロリジン-1-イル)アセトアルデヒドの合成
【化62】

【0170】
-78℃に冷却したCH2Cl2(7mL)中にDMSO(0.71mL、10mmol)を含む溶液に塩化オキサリル(0.87mL、10mmol)を滴下添加した。この温度で15分間撹拌した後、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-ピロリジノン(1g、7.7mmol)を滴下添加した。混合物を-78℃で30分間撹拌し、Et3N(2.8mL、20mmol)を滴下添加した。反応物を室温まで加温した後、NaHCO3溶液を加え、混合物をCH2Cl2で抽出した(6×)。合わせた有機層を乾燥させ、濃縮したところ、生成物が油状物として得られた。1H NMR (CDCl3) δ 9.60 (1H, s), 4.16 (2H, s), 3.46 (2H, t, J = 7 Hz), 2.45 (2H, t, J = 8 Hz), 2.11 (2H, m)。
【0171】
ステップ2:5-(4-フルオロベンジル)-3-{[2-(2-オキソピロリジン-1-イル)エチル]アミノ}ピリジン-2-カルボン酸エチルの合成
【化63】

【0172】
(2-オキソピロリジン-1-イル)アセトアルデヒドおよび3-アミノ-5-(4-フルオロベンジル)-2-ピリジンカルボン酸エチルを実施例5のステップ1で記載した方法と同様に処理したところ、生成物として琥珀色油状物が得られた。1H NMR (CDCl3) δ 7.89 (1H, d, J = 1.4 Hz), 7.83 (1H, br t, J 〜 6 Hz), 7.15 (2H, dd, J 〜 9, 6 Hz), 6.98 (2H, t, J 〜 9 Hz), 6.92 (1H, s), 4.42 (2H, q, J = 7 Hz), 3.92 (2H, s), 3.49 (2H, m), 3.41 (2H, t, J = 7 Hz), 3.35 (2H, q, J = 6 Hz), 2.36 (2H, t, J = 8 Hz), 1.99 (2H, m), 1.42 (3H, t, J = 7 Hz);HRMS計算値(C21H24FN3O3+H+):386.1880、実測値:386.1880。
【0173】
ステップ3〜4:7-(4-フルオロベンジル)-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-[2-(2-オキソピロリジン-1-イル)エチル]-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチルの合成
【化64】

【0174】
実施例1で記載した方法と同様にして、表題化合物を5-(4-フルオロベンジル)-3-{[2-(2-オキソピロリジン-1-イル)エチル]アミノ}ピリジン-2-カルボン酸エチルおよび3-クロロ-3-オキソプロピオン酸エチルから調製し、白色固体として得た。1H NMR (CDCl3) δ 8.50 (1H, d, J = 1.4 Hz), 8.11 (1H, s), 7.26 (2H, m), 7.00 (2H, ddd, J 〜 9, 9, 2 Hz), 4.52 (2H, q, J = 7 Hz), 4.33 (2H, br t, J 〜 7 Hz), 4.14 (2H, s), 3.52-3.44 (4H, m), 2.35 (2H, t, J = 8 Hz), 2.00 (2H, m), 1.48 (3H, t, J = 7 Hz);HRMS計算値(C24H24FN3O5+H+):454.1778、実測値:454.1787。
【0175】
実施例18:{[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-[2-(2-オキソ-1-ピロリジニル)エチル]-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]メチル}ホスホン酸ジエチル
【化65】

【0176】
実施例1で記載した方法と同様にして、表題化合物を7-(4-フルオロベンジル)-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-[2-(2-オキソピロリジン-1-イル)エチル]-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル(85mg、0.19mmol)、(アミノメチル)ホスホン酸ジエチルシュウ酸塩(145mg、0.56mmol)、およびトリエチルアミン(0.13mL)から調製し、HPLCによる精製後に白色固体(37mg、34%)として得た。1H NMR (CDCl3) δ 10.44 (br, 1 H), 8.55 (s, 1 H), 8.04 (s, 1 H), 7.22 (m, 2 H), 6.98 (t, J = 8.4 Hz, 3 H), 4.34 (t, J = 7.2 Hz, 2 H), 4.21-4.13 (m, 4 H), 4.13 (s, 2 H), 3.89 (dd, J = 12.8, 6.0 Hz, 2 H), 3.49 (t, J = 7.2 Hz, 2 H), 3.42 (t, J = 6.8 Hz, 2 H), 2.30 (t, J = 8.4 Hz, 2 H), 1.97 (m, 2 H), 1.33 (m, 6 H);MS m/z 575 (M+1)。
【0177】
実施例19:{[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-[2-(2-オキソ-1-ピロリジニル)エチル]-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]メチル}ホスホン酸水素エチル
【化66】

【0178】
{[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-[2-(2-オキソ-1-ピロリジニル)エチル]-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]メチル}ホスホン酸ジエチル(10mg、0.017)を実施例3で記載した方法と同様にして水酸化ナトリウムで処理したところ、表題化合物(7mg、74%)が白色固体として得られた。1H NMR (CDCl3) δ 10.41 (br s, 1 H), 8.42 (s, 1 H), 7.98 (s, 1 H), 7.22 (m, 2 H), 6.98 (m, 2 H), 4.29 (m, 2 H), 4.16 (m, 2 H), 4.07 (s, 2 H), 3.97-3.87 (m, 4 H), 3.42 (m, 4 H), 2.31 (m, 2 H), 1.97 (m, 2 H), 1.32 (m, 3 H)。
【0179】
実施例20:{[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-[2-(2-オキソ-1-ピロリジニル)エチル]-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]メチル}ホスホン酸および4-({2-[7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-3-{[(ホスホノメチル)アミノ]カルボニル}-1,5-ナフチリジン-1(2H)-イル]エチル}アミノ)ブタン酸
【化67】

【0180】
{[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-[2-(2-オキソ-1-ピロリジニル)エチル]-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]メチル}ホスホン酸ジエチル(11mg、0.019)を実施例4で記載した方法と同様にして、140℃でマイクロ波を照射しながら4N HClで処理したところ、白色固体としての{[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-[2-(2-オキソ-1-ピロリジニル)エチル]-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]メチル}ホスホン酸(3.5mg、34%)と白色固体としての4-({2-[7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-3-{[(ホスホノメチル)アミノ]カルボニル}-1,5-ナフチリジン-1(2H)-イル]エチル}アミノ)ブタン酸(2mg、20%)が得られ、これらを逆相分取用HPLCにより精製した。{[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-[2-(2-オキソ-1-ピロリジニル)エチル]-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]メチル}ホスホン酸:1H NMR (CDCl3/CD3OD) δ 10.22 (br s, 1 H), 8.28 (s, 1 H), 7.76 (s, 1 H), 7.05 (dd, J = 8.4, 5.6 Hz, 2 H), 6.81 (t, J = 8.4 Hz, 2 H), 4.04 (m, 1 H), 3.97 (s, 2 H), 3.57 (m, 2 H), 3.32-3.25 (m, 4 H), 2.10 (m, 2 H), 1.79 (m, 2 H);MS m/z 575 (M+1)。4-({2-[7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-3-{[(ホスホノメチル)アミノ]カルボニル}-1,5-ナフチリジン-1(2H)-イル]エチル}アミノ)ブタン酸:1H NMR (DMSO-d6) δ 10.34 (br s, 1 H), 8.49 (s, 1 H), 8.11 (s, 1 H), 7.37 (m, 2 H), 7.11 (t, J = 8.8 Hz, 2 H), 4.54 (m, 2 H), 4.12 (s, 2 H), 3.09 (m, 2 H), 2.98 (m, 2 H), 2.30 (m, 2 H), 1.79 (m, 2 H), MS m/z 537 (M+1)。
【0181】
実施例21:HIVインテグラーゼアッセイ
下記のin vitroにおける鎖移転アッセイにおいて、化合物を組換え型HIVインテグラーゼ阻害剤として試験した。25mM MOPSナトリウム(pH7.2)、23mM NaCl、10mM MgCl2、10mM ジチオトレイトールおよび10% DMSO中で、0.66μM ビオチン化ドナーDNA−4mg/ml ストレプトアビジンコート済みSPAビーズとともに2μMの組換え型インテグラーゼを37℃で5分間インキュベートし、インテグラーゼとビオチン化ドナーDNA−ストレプトアビジンコート済みSPAビーズの複合体を形成させた。ビーズを沈降させ、上澄液を除去した後、再度、25mM MOPSナトリウム(pH7.2)、23mM NaCl、10mM MgCl2中にビーズを再懸濁した。ビーズを再び沈降させ、上澄液を除去した後、25mM MOPSナトリウム(pH7.2)、23mM NaCl、10mM MgCl2の容量中にビーズを再懸濁した。これにより(すべてのインテグラーゼがDNAビーズに結合していると仮定して)570nMのインテグラーゼが得られた。6.7% DMSOとなるようにDMSO中に溶解させ希釈した試験化合物をこのインテグラーゼ−DNA複合体に添加し(典型的には、1μLの化合物を14μLのインテグラーゼ複合体に添加し)、37℃で60分間前培養した。次いで、最終基質濃度が7nMとなるように[3H]標的DNA基質を加え、鎖移転反応を37℃で典型的には25〜45分間インキュベートして行い、放射性標識した標的DNAへのドナーDNAの共有結合を直線的に増加させた。20μLの反応物は、50mM EDTAナトリウム(pH8)、25mM MOPSナトリウム(pH7.2)、0.1mg/mlのサケ精巣DNA、500mM NaClの60μLを添加することによりクエンチした。ストレプトアビジンコート済みSPAはGE Healthcare製であり、ドナーDNA作製用オリゴ類はOligos Etc製であり、[3H]標的DNAはPerkin Elmerの合成カスタマイズであった。ドナーDNAおよび標的DNAの配列はNucleic Acid Research 22, 1121-1122 (1994)に記載されており、14個のトリチウム化T塩基が組み込まれるように標的DNAの各末端に7組の末端A/T塩基対を付加した(標的DNAの比活性は約1300Ci/mmolであった)。このアッセイで試験した化合物はインテグラーゼを阻害し、そのIC50値は100nM未満であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
R1は、水素、ヒドロキシ、CN、N(RaRb)、C1-8アルキル、C3-7シクロアルキル、ハロゲンおよびC1-8アルコキシから独立して選択される1以上の置換基であり;
R2は、水素、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、C3-7シクロアルキル、C6-14アラルキル、C2-6アルケニル、C3-7シクロアルケニル、C3-6アルキニル、C6-14アリール又はヘテロ環[ここで、これらは、それぞれ、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、C3-7シクロアルキル、C2-6アルケニル、C3-7シクロアルケニル、C3-6アルキニル、ハロゲン、CN、NO2、ORa、N(RaRb)、S(O)mRa、SRa、OS(O)mRa、S(O)mORa、OS(O)mORa、N(Ra)S(O)mRb、S(O)mN(RaRb)、N(Ra)S(O)mN(RaRb)、OS(O)mN(RaRb)、N(Ra)S(O)mORb、C(O)Ra、OC(O)Ra、C(O)ORa、OC(O)ORa、N(Ra)C(O)Rb、C(O)N(RaRb)、N(Ra)C(O)N(RaRb)、OC(O)N(RaRb)、N(Ra)C(O)ORb、C(NRaRb)=N(Ra)、N(Ra)C(NRaRb)=N(Ra)、C(SRa)=N(Rb)、C(ORa)=N(Rb)、N(Ra)C(SRa)=N(Rb)及びヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、オキソ又はRaで置換されていてもよい)からなる群から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよい]から選択され;
あるいはR2が、C5-7シクロアルキル、C6-14アラルキル、C5-7シクロアルケニル、C6-14アリール若しくはヘテロ環である場合、R2は、5〜7員の炭素環式環若しくはヘテロ環式環に縮合していてもよく;
R3は、
【化2】

[式中、
Lは、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、C(O)NHR7で置換されていてもよい)であり;
Xは、O又はNHR6であり;
R4及びR5は、独立して、水素、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、C(O)Ra若しくはC(O)NRaRbで置換されていてもよい)、又は、C6-14アリール(ここで、該C6-14アリールは、ハロゲン、アルコキシ若しくはNRaRbで置換されていてもよい)であり;
R6は、水素、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、OR7で置換されていてもよい)、又はC6-14アリールであり;
R7は、水素又はC1-8アルキルである]であり;
Ra及びRbは、独立して、水素、NO2、ORc、CN、N(RcRd)、C(O)Rc、C(O)C(O)Rc、C(O)N(RcRd)、C(O)C(O)N(RcRd)、S(O)mRc、SRc、S(O)mN(RcRd)、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、C3-7シクロアルキル、C6-14アラルキル、C2-6アルケニル、C3-7シクロアルケニル、C3-6アルキニル、C6-14アリール又はヘテロ環[ここで、これらは、それぞれ、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、C3-7シクロアルキル、C6-14アラルキル、C2-6アルケニル、C3-7シクロアルケニル、C3-6アルキニル、C6-14アリール、CN、NO2、ORc、N(RcRd)、S(O)mRc、SRc、OS(O)mRc、S(O)mORc、OS(O)mORc、N(Rc)S(O)mRd、S(O)mN(RcRd)、N(Rc)S(O)mN(RcRd)、OS(O)mN(RcRd)、N(Rc)S(O)mORd、C(O)Rc、OC(O)Rc、C(O)ORc、OC(O)ORc、N(Rc)C(O)Rd、C(O)N(RcRd)、N(Rc)C(O)N(RcRd)、OC(O)N(RcRd)、N(Rc)C(O)ORd、C(NRcRd)=N(Rc)、C(SRc)=N(Rd)、C(ORc)=N(Rd)及びヘテロ環からなる群から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよい]であり;
Ra及びRbは1個以上の環炭素原子及び/又は環ヘテロ原子(ここで、該環ヘテロ原子には、N、O、C(RcRd)、C(O)、S(O)m又はSが包含される)を介して互いに結合して、飽和又は不飽和の3〜8員の炭素環式環又はヘテロ環式環を形成していてもよく;
Rc及びRdは、独立して、水素、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、C3-7シクロアルキル、C6-14アラルキル、C2-6アルケニル、C3-7シクロアルケニル、C3-6アルキニル、C6-14アリール又はヘテロ環であり;
Rc及びRdは1個以上の環炭素原子及び/又は環ヘテロ原子(ここで、該環ヘテロ原子には、N、O、C(O)及びS(O)m又はSが包含される)を介して互いに結合して、飽和又は不飽和の3〜8員の炭素環式環又はヘテロ環式環を形成していてもよく;
mは、1又は2である]
で表される化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項2】
R1は、水素またはハロゲンから独立して選択される1以上の置換基であり;
R2は、
(a) 水素;
(b) C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、C3-7シクロアルキル、ORa、N(RaRb)、C(O)Ra、C(O)N(RaRb)、又はヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、オキソ又はRaで置換されていてもよい)で置換されていてもよい);又は、
(c) C6-14アリール(ここで、該C6-14アリールは、ハロゲンで置換されていてもよい)であり;
R3は、
【化3】

[式中、
Lは、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、C(O)NHR7で置換されていてもよい)であり;
Xは、O又はNHR6であり;
R4及びR5は、独立して、水素、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、C(O)Ra若しくはC(O)NRaRbで置換されていてもよい)、又は、C6-14アリール(ここで、該C6-14アリールは、ハロゲン、アルコキシ若しくはNRaRbで置換されていてもよい)であり;
R6は、水素、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、OR7で置換されていてもよい)、又はC6-14アリールであり;
R7は、水素又はC1-8アルキルである]であり;
Ra及びRbは、独立して、水素、ORc、SRc、C1-8アルキル、C6-14アリール又はヘテロ環[ここで、これらは、それぞれ、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、C3-7シクロアルキル、C6-14アラルキル、C2-6アルケニル、C3-7シクロアルケニル、C3-6アルキニル、C6-14アリール、CN、NO2、ORc、N(RcRd)、S(O)mRc、SRc、OS(O)mRc、S(O)mORc、OS(O)mORc、N(Rc)S(O)mRd、S(O)mN(RcRd)、N(Rc)S(O)mN(RcRd)、OS(O)mN(RcRd)、N(Rc)S(O)mORd、C(O)Rc、OC(O)Rc、C(O)ORc、OC(O)ORc、N(Rc)C(O)Rd、C(O)N(RcRd)、N(Rc)C(O)N(RcRd)、OC(O)N(RcRd)、N(Rc)C(O)ORd、C(NRcRd)=N(Rc)、C(SRc)=N(Rd)、C(ORc)=N(Rd)及びヘテロ環からなる群から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよい]であり;
Rcは、水素、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、C3-7シクロアルキル、C6-14アラルキル、C2-6アルケニル、C3-7シクロアルケニル、C3-6アルキニル、C6-14アリール又はヘテロ環であり;
Rc及びRdは、独立して、水素、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、C3-7シクロアルキル、C6-14アラルキル、C2-6アルケニル、C3-7シクロアルケニル、C3-6アルキニル、C6-14アリール又はヘテロ環である;
請求項1に記載の式(I)で表される化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項3】
R1は、水素またはハロゲンから独立して選択される1以上の置換基であり;
R2は、
(a) 水素;
(b) C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、C3-7シクロアルキル、ORa、N(RaRb)、C(O)Ra、C(O)N(RaRb)、又はヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、オキソ又はRaで置換されていてもよい)で置換されていてもよい);又は、
(c) C6-14アリール(ここで、該C6-14アリールは、ハロゲンで置換されていてもよい)であり;
R3は、
【化4】

[式中、
Lは、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、C(O)NHR7で置換されていてもよい)であり;
Xは、O又はNHR6であり;
R4及びR5は、独立して、水素、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、C(O)Ra若しくはC(O)NRaRbで置換されていてもよい)、又は、C6-14アリール(ここで、該C6-14アリールは、ハロゲン、アルコキシ若しくはNRaRbで置換されていてもよい)であり;
R6は、水素、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、OR7で置換されていてもよい)、又はC6-14アリールであり;
R7は、水素又はC1-8アルキルである]であり;
Ra及びRbは、独立して、水素、NO2、ORc、C(O)Rc、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、ORcで置換されていてもよい)、C(O)ORc、C6-14アリール又はヘテロ環であり、
Rcは、水素、C1-8アルキル又はC6-14アリールである;
請求項1に記載の式(I)で表される化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項4】
R1は、水素またはハロゲンから独立して選択される1以上の置換基であり;
R2は、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、C3-7シクロアルキル、ORa、N(RaRb)、C(O)Ra、C(O)N(RaRb)、若しくはヘテロ環(ここで、該へテロ環は、オキソで置換されていてもよい)で置換されていてもよい)、又はC6-14アリール(ここで、該C6-14アリールは、ハロゲンで置換されていてもよい)であり;
R3は、
【化5】

[式中、
Lは、存在しないか、又はC6-14アリール若しくはC1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、C(O)NHR7で置換されていてもよい)であり;
Xは、O又はNHR6であり;
R4及びR5は、独立して、水素、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、C(O)Ra若しくはC(O)NRaRbで置換されていてもよい)、又は、C6-14アリール(ここで、該C6-14アリールは、ハロゲン、アルコキシ若しくはNRaRbで置換されていてもよい)であり;
R6は、水素、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、OR7で置換されていてもよい)、又はC6-14アリールであり;
R7は、水素又はC1-8アルキルである]であり;
Ra及びRbは、独立して、水素、NO2、ORc、C(O)Rc、C1-8アルキル(ここで、該C1-8アルキルは、ORcで置換されていてもよい)、C(O)ORc、C6-14アリール又はヘテロ環であり、
Rcは、水素、C1-8アルキル又はC6-14アリールである;
請求項1に記載の式(I)で表される化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項5】
LがC1-8アルキル又はその製薬上許容される塩である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物。
【請求項6】
LがC1-8アルキルであり、XがOである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項7】
{2-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]エチル}ホスホン酸ジエチル;
{2-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]エチル}ホスホン酸ジエチル;
{2-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]エチル}ホスホン酸水素エチル;
{2-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]エチル}ホスホン酸;
エチルP-{2-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]エチル}-N-[2-(メチルオキシ)エチル]ホスホンアミドアート;
{4-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]ブチル}ホスホン酸ジエチル;
{4-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]ブチル}ホスホン酸水素エチル;
{4-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]ブチル}ホスホン酸;
{3-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]プロピル}ホスホン酸ジエチル;
{3-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]プロピル}ホスホン酸水素エチル;
{3-[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]プロピル}ホスホン酸;
{[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]メチル}ホスホン酸ジエチル;
{[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]メチル}ホスホン酸水素エチル;
{[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]メチル}ホスホン酸;
{2-[({1-[2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル]-7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]エチル}ホスホン酸ジエチル;
{[({1-[2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル]-7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]メチル}ホスホン酸ジエチル;
{2-[({1-(4-フルオロフェニル)-7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]エチル}ホスホン酸ジエチル;
{[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-[2-(2-オキソ-1-ピロリジニル)エチル]-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]メチル}ホスホン酸ジエチル;
{[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-[2-(2-オキソ-1-ピロリジニル)エチル]-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]メチル}ホスホン酸水素エチル;
{[({7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-[2-(2-オキソ-1-ピロリジニル)エチル]-1,2-ジヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]メチル}ホスホン酸;
4-({2-[7-[(4-フルオロフェニル)メチル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-3-{[(ホスホノメチル)アミノ]カルボニル}-1,5-ナフチリジン-1(2H)-イル]エチル}アミノ)ブタン酸;
およびそれらの製薬上許容される塩からなる群から選択される化合物。
【請求項8】
ヒトにおけるウイルス感染を治療する方法であって、当該ヒトに抗ウイルス有効量の請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む、前記方法。
【請求項9】
前記ウイルス感染がHIV感染である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
薬物療法で使用するための、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
ウイルス感染を治療又は予防するための薬物の製造における、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項12】
前記ウイルス感染がHIV感染である、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
製薬上許容される担体と一緒に有効量の請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物を含んでいる、医薬組成物。
【請求項14】
錠剤又はカプセル剤の形態にある、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
液剤又は懸濁液剤の形態にある、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項16】
ヒトにおけるウイルス感染を治療する方法であって、当該ヒトに請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物を含んでいる組成物及び別の治療薬を投与することを含む、前記方法。
【請求項17】
前記ウイルス感染がHIV感染である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
以下のものからなる群から選択される少なくとも1種類の追加の治療薬を含んでいる、請求項13に記載の組成物:
(1-アルファ,2-ベータ,3-アルファ)-9-[2,3-ビス(ヒドロキシメチル)シクロブチル]グアニン[(-)BHCG、SQ-34514、ロブカビル]、9-[(2R,3R,4S)-3,4-ビス(ヒドロキシメチル)-2-オキセタノシル]アデニン(オキセタノシン-G)、TMC-114、BMS-232632、非環状ヌクレオシド類[例えば、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、ペンシクロビル]、非環状ヌクレオシドホスホネート類[例えば、(S)-1-(3-ヒドロキシ-2-ホスホニル-メトキシプロピル)シトシン(HPMPC)、[[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)エトキシ]メチル]ホスフィニリデン]ビス(オキシメチレン)-2,2-ジメチルプロパン酸(ビス-POM PMEA、アデホビルジピボキシル)、[[(1R)-2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸(テノホビル)、(R)-[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸 ビス-(イソプロポキシカルボニルオキシメチル)エステル(ビス-POC-PMPA)]、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害薬(例えば、2-アセチルピリジン 5-[(2-クロロアニリノ)チオカルボニル)チオカルボノヒドラゾン、及びヒドロキシ尿素)、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(例えば、3'-アジド-3'-デオキシチミジン(AZT、ジドブジン)、2',3'-ジデオキシシチジン(ddC、ザルシタビン)、2',3'-ジデオキシアデノシン、2',3'-ジデオキシイノシン(ddI、ジダノシン)、2',3'-ジデヒドロチミジン(d4T、スタブジン)、(-)-ベータ-D-2,6-ジアミノプリンジオキソラン(DAPD)、3'-アジド-2',3'-ジデオキシチミジン-5'-H-ホスホホネート(ホスホノビル(phosphonovir))、2'-デオキシ-5-ヨード-ウリジン(イドクスウリジン)、(-)-シス-1-(2-ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン-5-イル)-シトシン(ラミブジン)として、又はシス-1-(2-(ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン-5-イル)-5-フルオロシトシン(FTC)、3'-デオキシ-3'-フルオロチミジン、5-クロロ-2',3'-ジデオキシ-3'-フルオロウリジン、(-)-シス-4-[2-アミノ-6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル]-2-シクロペンテン-1-メタノール(アバカビル)、9-[4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)ブタ-1-イル]-グアニン(H2G)、ABT-606(2HM-H2G)、及びリバビリン)、プロテアーゼ阻害薬(例えば、インジナビル、リトナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、サキナビル、(R)-N-t-ブチル-3-[(2S,3S)-2-ヒドロキシ-3-N-[(R)-2-N-(イソキノリン-5-イルオキシアセチル)アミノ-3-メチルチオプロパノイル]アミノ-4-フェニルブタノイル]-5,5-ジメチル-1,3-チアゾリジン-4-カルボキサミド(KNI-272)、4R-(4アルファ,5アルファ,6ベータ)]-1,3-ビス[(3-アミノフェニル)メチル]ヘキサヒドロ-5,6-ジヒドロキシ-4,7-ビス(フェニルメチル)-2H-1,3-ジアゼピン-2-オン ジメタンスルホネート(モゼナビル)、3-[1-[3-[2-(5-トリフルオロメチルピリジニル)-スルホニルアミノ]フェニル]プロピル]-4-ヒドロキシ-6アルファ-フェネチル-6ベータ-プロピル-5,6-ジヒドロ-2-ピラノン(チプラナビル)、N'-[2(S)-ヒドロキシ-3(S)-[N-(メトキシカルボニル)-l-t-ロイシルアミノ]-4-フェニルブチル-Nアルファ-(メトキシカルボニル)-N'-[4-(2-ピリジル)ベンジル]-L-t-ロイシルヒドラジド(BMS-232632)、3-(2(S)-ヒドロキシ-3(S)-(3-ヒドロキシ-2-メチルベンズアミド)-4-フェニルブタノイル)-5,5-ジメチル-N-(2-メチルベンジル)チアゾリジン-4(R)-カルボキサミド(AG-1776)、N-(2(R)-ヒドロキシ-1(S)-インダニル)-2(R)-フェニル-メチル-4(S)-ヒドロキシ-5-(1-(1-(4-ベンゾ[b]フラニルメチル)-2(S)-N'-(t-ブチルカルボキサミド)ピペラジニル)ペンタンアミド(MK-944A)、及びGW 433908)、インターフェロン類、例えば、α-インターフェロン、腎臓排泄阻害薬、例えば、プロベネシド、ヌクレオシド輸送阻害薬、例えば、ジピリダモール;ペントキシフィリン、N-アセチルシステイン(NAC)、プロシステイン、α-トリコサンチン、ホスホノギ酸、並びに免疫調節薬、例えば、インターロイキン II、又はチモシン、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、エリスロポエチン、可溶性CD4及びその遺伝子組換え誘導体、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NNRTIs)、例えば、TMC-120、TMC-125、ネビラピン(BI-RG-587)、アルファ-((2-アセチル-5-メチルフェニル)アミノ)-2,6-ジクロロ-ベンゼンアセトアミド(ロビリド)、1-[3-(イソプロピルアミノ)-2-ピリジル]-4-[5-(メタンスルホンアミド)-1H-インドール-2-イルカルボニル]ピペラジン モノメタンスルホネート(デラビルジン)、(10R,11S,12S)-12-ヒドロキシ-6,6,10,11-テトラメチル-4-プロピル-11,12-ジヒドロ-2H,6H,10H-ベンゾ(1,2-b:3,4-b':5,6-b'')トリピラン-2-オン((+)カラノリドA)、(4S)-6-クロロ-4-[1E)-シクロプロピルエテニル)-3,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2(1H)-キナゾリノン(DPC-083)、1-(エトキシメチル)-5-(1-メチルエチル)-6-(フェニルメチル)-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン(MKC-442)、5-(3,5-ジクロロフェニル)チオ-4-イソプロピル-1-(4-ピリジル)メチル-1H-イミダゾール-2-イルメチル カルバメート(カプラビリン)、糖タンパク質120拮抗薬[例えば、PRO-2000、PRO-542、及び1,4-ビス[3-[(2,4-ジクロロフェニル)カルボニルアミノ]-2-オキソ-5,8-ジナトリウムスルファニル]ナフタリル-2,5-ジメトキシフェニル-1,4-ジヒドラゾン(FP-21399)]、サイトカイン拮抗薬[例えば、レチクロース(reticulose)(Product-R)、1,1'-アゾビス-ホルムアミド(ADA)、及び1,11-(1,4-フェニレンビス(メチレン))ビス-1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン八塩酸塩(AMD-3100)]、及び融合阻害薬、例えば、T-20及びT-124。
【請求項19】
前記治療薬が、以下のものからなる群から選択される、請求項16に記載の方法:
(1-アルファ,2-ベータ,3-アルファ)-9-[2,3-ビス(ヒドロキシメチル)シクロブチル]グアニン[(-)BHCG、SQ-34514、ロブカビル]、9-[(2R,3R,4S)-3,4-ビス(ヒドロキシメチル)-2-オキセタノシル]アデニン(オキセタノシン-G)、非環状ヌクレオシド類[例えば、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、ペンシクロビル]、非環状ヌクレオシドホスホネート類[例えば、(S)-1-(3-ヒドロキシ-2-ホスホニル-メトキシプロピル)シトシン(HPMPC)、[[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)エトキシ]メチル]ホスフィニリデン]ビス(オキシメチレン)-2,2-ジメチルプロパン酸(ビス-POM PMEA、アデホビルジピボキシル)、[[(1R)-2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸(テノホビル)、(R)-[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸 ビス-(イソプロポキシカルボニルオキシメチル)エステル(ビス-POC-PMPA)]、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害薬(例えば、2-アセチルピリジン 5-[(2-クロロアニリノ)チオカルボニル)チオカルボノヒドラゾン、及びヒドロキシ尿素)、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(例えば、3'-アジド-3'-デオキシチミジン(AZT、ジドブジン)、2',3'-ジデオキシシチジン(ddC、ザルシタビン)、2',3'-ジデオキシアデノシン、2',3'-ジデオキシイノシン(ddI、ジダノシン)、2',3'-ジデヒドロチミジン(d4T、スタブジン)、(-)-ベータ-D-2,6-ジアミノプリンジオキソラン(DAPD)、3'-アジド-2',3'-ジデオキシチミジン-5'-H-ホスホホネート(ホスホノビル(phosphonovir))、2'-デオキシ-5-ヨード-ウリジン(イドクスウリジン)、(-)-シス-1-(2-ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン-5-イル)-シトシン(ラミブジン)として、又はシス-1-(2-(ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン-5-イル)-5-フルオロシトシン(FTC)、3'-デオキシ-3'-フルオロチミジン、5-クロロ-2',3'-ジデオキシ-3'-フルオロウリジン、(-)-シス-4-[2-アミノ-6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル]-2-シクロペンテン-1-メタノール(アバカビル)、9-[4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)ブタ-1-イル]-グアニン(H2G)、ABT-606(2HM-H2G)、及びリバビリン)、プロテアーゼ阻害薬(例えば、インジナビル、リトナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、サキナビル、(R)-N-t-ブチル-3-[(2S,3S)-2-ヒドロキシ-3-N-[(R)-2-N-(イソキノリン-5-イルオキシアセチル)アミノ-3-メチルチオプロパノイル]アミノ-4-フェニルブタノイル]-5,5-ジメチル-1,3-チアゾリジン-4-カルボキサミド(KNI-272)、4R-(4アルファ,5アルファ,6ベータ)]-1,3-ビス[(3-アミノフェニル)メチル]ヘキサヒドロ-5,6-ジヒドロキシ-4,7-ビス(フェニルメチル)-2H-1,3-ジアゼピン-2-オン ジメタンスルホネート(モゼナビル)、3-[1-[3-[2-(5-トリフルオロメチルピリジニル)-スルホニルアミノ]フェニル]プロピル]-4-ヒドロキシ-6アルファ-フェネチル-6ベータ-プロピル-5,6-ジヒドロ-2-ピラノン(チプラナビル)、N'-[2(S)-ヒドロキシ-3(S)-[N-(メトキシカルボニル)-l-t-ロイシルアミノ]-4-フェニルブチル-Nアルファ-(メトキシカルボニル)-N'-[4-(2-ピリジル)ベンジル]-L-t-ロイシルヒドラジド(BMS-232632)、3-(2(S)-ヒドロキシ-3(S)-(3-ヒドロキシ-2-メチルベンズアミド)-4-フェニルブタノイル)-5,5-ジメチル-N-(2-メチルベンジル)チアゾリジン-4(R)-カルボキサミド(AG-1776)、N-(2(R)-ヒドロキシ-1(S)-インダニル)-2(R)-フェニル-メチル-4(S)-ヒドロキシ-5-(1-(1-(4-ベンゾ[b]フラニルメチル)-2(S)-N'-(t-ブチルカルボキサミド)ピペラジニル)ペンタンアミド(MK-944A)、及びGW 433908)、インターフェロン類、例えば、α-インターフェロン、腎臓排泄阻害薬、例えば、プロベネシド、ヌクレオシド輸送阻害薬、例えば、ジピリダモール;ペントキシフィリン、N-アセチルシステイン(NAC)、プロシステイン、α-トリコサンチン、ホスホノギ酸、並びに免疫調節薬、例えば、インターロイキン II、又はチモシン、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、エリスロポエチン、可溶性CD4及びその遺伝子組換え誘導体、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NNRTIs)[例えば、ネビラピン(BI-RG-587)、アルファ-((2-アセチル-5-メチルフェニル)アミノ)-2,6-ジクロロ-ベンゼンアセトアミド(ロビリド)、1-[3-(イソプロピルアミノ)-2-ピリジル]-4-[5-(メタンスルホンアミド)-1H-インドール-2-イルカルボニル]ピペラジン モノメタンスルホネート(デラビルジン)、(10R,11S,12S)-12-ヒドロキシ-6,6,10,11-テトラメチル-4-プロピル-11,12-ジヒドロ-2H,6H,10H-ベンゾ(1,2-b:3,4-b':5,6-b'')トリピラン-2-オン((+)カラノリドA)、(4S)-6-クロロ-4-[1E)-シクロプロピルエテニル)-3,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2(1H)-キナゾリノン(DPC-083)、1-(エトキシメチル)-5-(1-メチルエチル)-6-(フェニルメチル)-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン(MKC-442)、5-(3,5-ジクロロフェニル)チオ-4-イソプロピル-1-(4-ピリジル)メチル-1H-イミダゾール-2-イルメチル カルバメート(カプラビリン)]、糖タンパク質120拮抗薬[例えば、PRO-2000、PRO-542、及び1,4-ビス[3-[(2,4-ジクロロフェニル)カルボニルアミノ]-2-オキソ-5,8-ジナトリウムスルファニル]ナフタリル-2,5-ジメトキシフェニル-1,4-ジヒドラゾン(FP-21399)]、サイトカイン拮抗薬[例えば、レチクロース(reticulose)(Product-R)、1,1'-アゾビス-ホルムアミド(ADA)、及び1,11-(1,4-フェニレンビス(メチレン))ビス-1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン八塩酸塩(AMD-3100)]、及び融合阻害薬(例えば、T-20及びT-1249)。

【公表番号】特表2009−503083(P2009−503083A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525073(P2008−525073)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/029652
【国際公開番号】WO2007/019101
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(597173680)スミスクライン ビーチャム コーポレーション (157)
【Fターム(参考)】