説明

HPLCキャピラリーカラム装置

高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)キャピラリー装置、充填キャピラリーカラム160;
試料流体のためのキャピラリーカラム160への少なくとも1つの入口接続部202;および試料流体のためのキャピラリーカラム160からの少なくとも1つの出口接続部を収容するカートリッジを用いてHPLC試料を処理するシステムおよび方法。出口接続部は、試料流体を霧化するためのスプレーチップまたはスプレーチップカラムからスプレーチップに試料流体を輸送するための輸送管360のいずれかを収容することができる。入口接続部はカートリッジハウジング内に配設された電気的接続部を介したキャピラリーカラム160への電力供給を可能にし、試料液体を蒸散させるためのガスが、カートリッジハウジング内のガス供給ラインを介して、試料流体のためのキャピラリーカラム160からの少なくとも1つの出口接続部に供給される。試料液体の温度は熱接続部を介して制御され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2003年10月1日出願の米国特許仮出願第60/60/507725号からの優先権を主張する。これらの出願の内容は参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)に用いられるキャピラリーカラムは、壊れ易く、取り扱いが難しい。質量分析計による分析のためにキャピラリーを操作してHPLCシステムに接続する際には、高度な注意を要する。これは典型的には面倒で、時間のかかる工程である。また、キャピラリーカラムの温度制御を確立することが一般に難しい。
【0003】
本発明の目的は、クロマトグラフィシステムと質量分析計との間でやり取りを行うHPLCシステムを提供することである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、損傷のリスクも低減するとともにカセットカートリッジ装置を用いて操作時間も短縮する小型化されたHPLCキャピラリーカラム装置を提供することである。
【0005】
本発明の目的は、正確な温度制御および加熱能力を可能にするHPLCキャピラリーカラム装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はHPLC試料を処理する高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)キャピラリーカラム装置に向けられたものである。該装置はカートリッジハウジングを備え、該カートリッジハウジングは、カートリッジハウジング内部の充填キャピラリーカラムと、試料流体のための、キャピラリーカラムへの少なくとも1つの入口接続部と、試料流体のための、キャピラリーカラムからの少なくとも1つの出口接続部とを備える。該出口接続部は、試料流体を霧化するためのスプレーチップおよびスプレーチップカラムからスプレーチップへ試料流体を輸送するための輸送管のうちの一方を収容することが可能である。入口接続部は、カートリッジハウジング内に配設された電気的接続部を介してキャピラリーカラムに電力を供給することを可能にする。入口接続部は、出口接続部に流体結合された、カートリッジハウジング内に配設されたガス供給ラインを介して、試料流体のためのキャピラリーカラムから少なくとも1つの出口接続部にガスを供給することを可能にする。
【0007】
HPLCキャピラリーカラム装置は、キャピラリーカラムへ熱供給を結合することを可能にする熱接続部をさらに含むことができ、該熱供給がHPLC処理中のHPLC装置の温度を制御することができる。該熱供給は電気的であるか、または加熱された流体かのいずれかであり得る。電力供給によって試料液体に印加された電圧が、試料液体の少なくとも一部分をイオン化する。
【0008】
本発明は、上記のようなカートリッジハウジングを備えたHPLC試料を処理する高圧液体クロマトグラフィ(HPLC) キャピラリーカラム装置のためのカートリッジの形態であってもよい。
【0009】
ハウジングは多辺(multi−sided)断面を有し、キャピラリーカラムは入口接続部から出口接続部まで直線状で配設され得るか、別の場合には、入口接続部から出口接続部まで曲線状で配設され得る。
【0010】
ハウジングは、実質的に曲線状の断面に対して均一に配設されていない少なくとも1つの部分をさらに含み得る、実質的に曲線状の断面を有し得る。均一に配設されていないこの部分は、質量分析計インタフェース内に挿入されるカートリッジのための位置合わせキーとして働くことが可能である。
【0011】
本発明は、クロマトグラフィシステムと質量分析計との間でやり取りをする高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システムの形態であり得る。該HPLCシステムは、ガス流、温度およびキャピラリーカラム内の液体試料に印加される電圧を制御するための接続部を含んだHPLCキャピラリーカラムカートリッジカセットを備える。該カートリッジカセットは、クロマトグラフィシステムから試料およびクロマトグラフィデータを受け取ることができる。該システムは質量分析計インタフェース装置をさらに備え、該質量分析計インタフェース装置は、HPLCキャピラリーカートリッジカセットを支持するカートリッジカセットホルダを含む。該カートリッジカセットホルダは、液体試料を荷電された霧化状態で質量分析計に送ることができる。また、カートリッジカセットのガス流、温度および電圧は、質量分析計によって制御が可能である。
【0012】
本発明は、充填キャピラリーカラムのためのカートリッジを備えたHPLCキャピラリーカラムからの試料を処理する方法も提供する。該方法は、実行中の手順および検出中の化合物のうちの一方に適したカートリッジを選択し、質量分析計インタフェースにカートリッジを挿入し、試料液体の少なくとも一部を蒸散させるためのガス供給ラインを介して試料液体に供給されるガス供給ラインに、カートリッジ上の接続部を接続し、試料液体の少なくとも一部を蒸散させ、充填キャピラリーカラムの液体結合で試料液体を霧化するための電力供給ラインにカートリッジ上の接続部を接続し、充填キャピラリーカラムの液体結合で試料液体を霧化し、クロマトグラフィシステムに試料液体を注入することにより質量分析計インタフェースを介してクロマトグラフィシステムから質量分析計までの流れを確立することによって実行される。
【0013】
さらに、該方法は、5から周囲温度を超える70℃の範囲でキャピラリーカラムの温度を維持する工程および質量分析計によって質量分析計インタフェースのステージからスプレーとして現れる流れを分析する工程も含み得る。スプレーチップが質量分析計へのスプレーのために使用され得る。剛性または可撓性のいずれかである輸送管が、質量分析計にスプレーを輸送するために使用され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は装置の質量分析計とのやり取りを容易にするHPLCキャピラリーカラム装置を提供する。本発明の説明をわかり易くするために、先行技術の特徴を以下の通り記載する。
【0015】
図1は本発明のHPLCシステムの略図である。エレクトロスプレー質量分析ユニットのやり取りを容易にするように、HPLCキャピラリーカラムカセット200が設けられている。特に、この図では、スプレーチップ、電圧源および接続部24ならびに26、および脱溶媒和ガス流が、前側260を有する質量分析計340と容易に接合されている。クロマトグラフィシステム230は試料(図示せず)のクロマトグラフィスペクトルを提供する。クロマトグラフィスペクトルは接続部235を介してHPLCカラムカセット200に出力される。次いで、HPLCカラムカセットは、質量分析計インタフェース装置240のカセットホルダ250に挿入される。該質量分析計インタフェース装置240は、質量分析計340の前側260へと移動するステージ252から現れる試料のスプレー255を用いてやり取りを行う。典型的には、質量分析計340は温度、脱溶媒和ガス流、およびHPLCカラムカセット200のための印加電圧などのパラメータを制御するが、制御は質量分析計インタフェース装置240から、またはクロマトグラフィシステム230から及ぼすこともできる。また、質量分析計インタフェース装置240は図1ではクロマトグラフィシステム230および質量分析計340から分離しているものとして示されているが、インタフェース装置240はクロマトグラフィシステム230または質量分析計340のいずれかと一体であってもよい。また、HPLCカラムカセット200を以下のようにいくつかの異なる実施形態に設計することができる。
【0016】
(第1実施形態)
図2Aは本発明の第1の実施形態によるHPLCキャピラリーカラム装置の平面図である。該HPLCポンプ/インジェクタは、カセットカートリッジ200−1の後側面204内に含まれた入口接続部202を介して液体試料を注入する。キャピラリーカラム160が、カセットカートリッジ200内に配設されている。該キャピラリーカラムは、当業者によって一般的に適用されるように充填される。熱源接続部206、電圧源接続部212およびガス源接続部216が各々、カセットカートリッジ200−1の前側面220に含まれている。
【0017】
カラム熱源接続部206を介して提供される、典型的には5から周囲温度を超える70℃の範囲にHPLC装置の温度を維持するのに十分な熱が、カセットカートリッジ
200−1に内設された流管またはチャネル208を介して導かれる。熱源接続部206は、カセットカートリッジ200−1内のキャピラリーカラム160を囲繞する流管またはチャネル208に熱源が加熱された流体である場合には、流体結合されるか、または熱源が電気抵抗ワイヤである場合には電気的に結合されて、温度を正確に制御し、キャピラリーカラム160内の試料流体を加熱するための手段を提供する。
【0018】
電圧源接続部212を介して提供される典型的には直流4KVの範囲の電圧が、電圧接続部241および261によって導かれて、導電性アダプタ222内にあるキャピラリーカラム160の出口224から現れる液体試料を荷電液滴の微細なスプレーに霧化し、分散させる。導電性アダプタ222内のキャピラリーカラム出口224の直下流のスプレーチップ280は、試料スプレー32を質量分析計
340へと方向付ける。
【0019】
ガス源接続部216を介して提供されるガス(限定するものではないが、典型的には窒素)はまた、電圧接続部241および261を介して印加された電圧の結果生じるエレクトロスプレーイオン化(ESI)工程の間に液体試料の溶媒の蒸発の速度を増大させるのに十分な圧力および温度で、脱溶媒和ガス流を提供する。ガス源接続部216はカセットカートリッジ200−1に内設されたガス流管またはチャネル218に流体結合され、次いで、該ガス流管またはチャネル218は導電性カラー222を介してスプレーチップ280に流体結合されている。
【0020】
図2Bは図2Aに開示した第1実施形態の別の構成である。唯一の違いは、キャピラリーカラム160の直下流にあるスプレーチップ280の代わりに、輸送管360がキャピラリーカラム160の直下流にあることである。他のあらゆる点において、カセットカートリッジ200は、図1Aおよび1Bに開示したものと同一である。電圧接続部241および261において電圧を印加して霧化させることは、液体結合(liquid junction)380−1において行われる。ガスが導電性アダプタ222内で液体試料溶媒を蒸発させる。
【0021】
(第2実施形態)
図3は本発明の第2実施形態の平面図であり、カセットカートリッジ200−2がスプレーチップ280を含んだカセットカートリッジ200−1について図2Aに示したものと同じ構成要素を含むが、図2Aおよび2Bのキャピラリーカラム160のような直線状キャピラリーカラムに代わって、コイル状キャピラリーカラム162が典型的には半径Rの円形エンクロージャ270であるものの中に設けられている。
他のすべての点において、該コイル状キャピラリーカラムカセットカートリッジ 200−2は、カセットカートリッジ 200−1と同じである。また、当業者は、コイル状キャピラリーカラムカセットカートリッジ200−2は図2Aのようなスプレーチップ構成を備えた状態で示されているが、図2Bに示した輸送管構成をコイル状カラムカートリッジ200−2に応用することも可能であることを認識する。
【0022】
(第3実施形態)
図4Aは本発明の第3実施形態の平面図である。第3実施形態は、平坦なカートリッジではなく管状カートリッジがキャピラリーカラムを収容するという点で第1および第2実施形態とは異なる。具体的には、HPLCポンプ/インジェクタ12が管状カセットカートリッジ804の入口接続部802に液体試料を注入する。管状カセットカートリッジ804が、典型的には、限定するものではないが典型的には円形断面から成る管状カートリッジ804の中心線に沿ってキャピラリーカラム806を封入する。管状カセットカートリッジ804内のカラム熱ブロック808が、熱源接続部812を介して設けられたキャピラリーカラム806への熱の流れを絶縁する。熱源接続部812は管状カセットカートリッジ804の外面上に形成され、熱源が加熱された流体であるか、または電気的抵抗源であるかに応じて、管またはチャネル814をキャピラリーカラム806に流体的または電気的に結合する。
【0023】
さらに下流の管状カセットカートリッジ804の出口端部では、導電性アダプタ818がスプレーチップ828を囲繞する。電圧源接続部822が、電圧接続部824および826を経由して導電性アダプタ818を貫通する。電圧源接続部822を介して提供される典型的にはこの場合も直流4KVの範囲の電圧が、電圧接続部824および826によって導かれて、導電性アダプタ818内にある液体結合インターフェース838のキャピラリーカラム806の端部から現れる液体試料14を荷電液滴の微細なスプレーに霧化し、分散させる。導電性カラー818内のキャピラリーカラム806の端部の直下流にあるスプレーチップ820は、試料スプレー32を質量分析計240へと方向付け、この場合、質量分析計240内に入れられたカセットホルダ850内に含まれたインタフェースポート844を介して管状カセットカートリッジ804とやり取りする。この場合、カセットホルダ850は、図4Bおよび4Cに関して以下で考察するようなこの図の管状カートリッジ804との相互接続を容易にするように設計される。
【0024】
上記のように第1および第2実施形態に関し、ガス源接続部834を介して提供されるガス(限定するものではないが、典型的には窒素)はまた、エレクトロスプレーイオン化(ESI)工程の間に溶媒蒸発の速度を増大させるのに十分な圧力および温度で、脱溶媒和ガス流を提供する。ガス源接続部834は管状カセットカートリッジ804に内設されたガス流管またはチャネル836に流体結合され、次いで、導電性アダプタ818を介してスプレーチップ820に流体結合されている.
図4Bは図5Aの管状カセットカートリッジ804の入口端の立面図である。質量分析計インタフェース240内のカセットホルダ850へ管状カートリッジ804を適切に挿入するのが容易にできるように、位置合わせキー840が設けられている。
【0025】
図4Cは図4Aの管状カセットカートリッジ804の斜視図であり、入口接続部806、熱源接続部812、電圧源接続部822、ガス源接続部834およびスプレーチップ820を示す。
【0026】
図5Aは図4Aに示した本発明の第3実施形態の別の構成の平面図である。唯一の違いは、キャピラリーカラム806の直下流にあるスプレーチップ820の代わりに、輸送管842がキャピラリーカラム806の直下流にあるという点にある。図2Bの輸送管360の場合のように、該輸送管は、クロマトグラフィシステム230から離れている質量分析計に霧化された荷電液滴を輸送することを可能にする。他のあらゆる点において、管状カセットカートリッジ804は図7Aに開示したものと同一である。したがって、図5Bは図4Bと同一である。図5Cと図4Cとの唯一の差は、スプレーチップ820の代わりに、輸送管842が存在することである。
【0027】
(第4実施形態)
図6Aは、図4Aまたは5Aの本発明の第4実施形態の平面図である。この場合、図4Aまたは図5Aの管状カセットカートリッジ804は、直線状キャピラリーカラム806の代わりに、カラム熱ブロック808内にコイル状または螺旋状キャピラリーカラム856を組み込んでいる。当業者には明らかであるように、スプレーチップ820またはスプレーチップ842への輸送管のいずれもが使用され得る。他のあらゆる点において、図6A〜6Cに示したような管状カセットカートリッジ804が、図4A〜4Cおよび図5A〜5Cに示したのと類似する様式で構成および使用され得る。
【0028】
第1、2、3および4実施形態を用いる方法に関して、図1を参照すると、使用者は、実行中の手順または検出中の化合物のために必要に応じて、図2A〜6Cのカートリッジカセット200−1、200−2または804を表すためにカートリッジカセット200として総称的に示した適したカートリッジを選択する。使用者はカートリッジ200−1、200−2または804のいずれかを質量分析計インタフェース240に挿入し、個々のガスライン216または834への接続、電圧接続部212または822のための電力への接続、およびカラム熱接続部206または812により表される温度制御機構からの電力への接続を作る。使用者は質量分析計インタフェース240を介してクロマトグラフィシステム230から質量分析計340への流れを確立する。試料はクロマトグラフィシステム230内に注入され、スプレー255としてステージ252から現れて質量分析計340によって分析され、所望の結果が得られる。図3Bの輸送管360または図5Aおよび5Cの輸送管842などの輸送管付きのカートリッジあるいは輸送管付きの図3のカートリッジ200−2を用いる場合、輸送管は剛性または可撓性のいずれかであってよい。ステージ252の設計は、当業者には明らかであるように、剛性または可撓性輸送管のいずれかを収容することができるようなものであってよい。
【0029】
ここまで本発明を具体的な実施形態を参照して説明した。上記説明を考慮すれば、他の実施形態が当業者には明らかとなる。添付の特許請求の範囲およびそれらの全範囲の同等物によって示される場合を除いて、本発明は制限されるものではないことが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のHPLCシステムを示す略図である。
【図2A】スプレーチップを備えた、本発明の第1実施形態によるHPLCキャピラリーカラム装置を示す平面図である。
【図2B】スプレーチップへの輸送管を備えた、本発明の第1実施形態の別の構成によるHPLCキャピラリーカラム装置を示す平面図である。
【図3】スプレーチップを備えた、本発明の第2実施形態によるHPLCキャピラリーカラム装置を示す平面図である。
【図4A】スプレーチップを備えた、本発明の第3実施形態によるHPLCキャピラリーカラム装置を示す平面図である。
【図4B】スプレーチップを備えた、図4Aの本発明の第3の実施形態によるHPLCキャピラリーカラム装置を示す端面図である。
【図4C】図4Aおよび4Bの本発明の第3の実施形態によるHPLCキャピラリーカラム装置を示す斜視図である。
【図5A】スプレーチップへの輸送管を備えた、本発明の第3実施形態の別の構成のHPLCキャピラリーカラム装置を示す平面図である。
【図5B】スプレーチップへの輸送管を備えた図5Aの本発明の第3実施形態の別の構成によるHPLCキャピラリーカラム装置を示す端面図である。
【図5C】図5Aおよび5Bの本発明の第3実施形態の別の構成によるHPLCキャピラリーカラム装置を示す斜視図である。
【図6A】図4(A〜C)または5Aの本発明の第4実施形態を示す平面図である。
【図6B】スプレーチップへの輸送管を備えた図6Aの本発明の第3実施形態の別の構成によるHPLCキャピラリーカラム装置を示す端面図である。
【図6C】図6Aおよび6Bの本発明の第3実施形態の別の構成によるHPLCキャピラリーカラム装置を示す斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジハウジングを有する、HPLC試料を処理するための、高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)キャピラリーカラム装置であって、
前記カートリッジハウジングが、
前記カートリッジハウジング内部の充填キャピラリーカラムと、
試料流体のための、前記キャピラリーカラムへの少なくとも1つの入口接続部と、
試料流体を霧化するためのスプレーチップおよびスプレーチップカラムからスプレーチップに試料流体を輸送するための輸送管のうちの一方を収容することのできる、試料流体のための、前記キャピラリーカラムからの少なくとも1つの出口接続部と、
前記カートリッジハウジング内に配設された電気的接続部を介して前記キャピラリーカラムに電力を供給するための入口接続部と、
前記出口接続部に流体結合され、前記カートリッジハウジング内に配設されたガス供給ラインを介して、試料流体のために前記キャピラリーカラムから少なくとも1つの出口接続部にガスを供給するための入口接続部とを備える、HPLCキャピラリーカラム装置。
【請求項2】
前記キャピラリーカラムへ熱供給を結合することを可能にする熱接続部をさらに備える、請求項1に記載のHPLCキャピラリーカラム装置。
【請求項3】
前記熱供給がHPLC処理中のHPLC装置の温度を制御する、請求項2に記載のHPLCキャピラリーカラム装置。
【請求項4】
前記熱供給が5℃から周囲温度を超える70℃の温度範囲を維持する、請求項3に記載のHPLCキャピラリーカラム装置。
【請求項5】
前記熱供給が、(a)電気的であるか、または(b)加熱された流体かのいずれかである、請求項2に記載のHPLCキャピラリーカラム装置。
【請求項6】
電力供給によって試料液体に印加された電圧が試料液体の少なくとも一部分をイオン化する、請求項1に記載のHPLCキャピラリーカラム装置。
【請求項7】
ガス供給ラインを介して試料液体に供給されるガスが、試料液体の少なくとも一部を蒸散させる、請求項1に記載のHPLCキャピラリーカラム装置。
【請求項8】
前記ハウジングが多辺断面を有する、請求項1に記載のHPLCキャピラリーカラム装置。
【請求項9】
前記キャピラリーカラムが、前記入口接続部から前記出口接続部まで直線状で配設される、請求項1に記載のHPLCキャピラリーカラム装置。
【請求項10】
前記キャピラリーカラムが、前記入口接続部から前記出口接続部まで曲線状で配設される、請求項1に記載のHPLCキャピラリーカラム装置。
【請求項11】
前記ハウジングが実質的に曲線状の断面を有する、請求項1に記載のHPLCキャピラリーカラム装置。
【請求項12】
前記実質的に曲線状の断面が、前記実質的に曲線状の断面に対して均一に配設されない少なくとも1つの部分をさらに含む、請求項11に記載のHPLCキャピラリーカラム装置。
【請求項13】
均一に配設されない前記少なくとも1つの部分が、質量分析計インタフェース内に挿入される前記カートリッジのための位置合わせキーとして働くことができる、請求項12に記載のカートリッジ。
【請求項14】
クロマトグラフィシステムと質量分析計との間でやり取りするための高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システムであって、
ガス流、温度および前記キャピラリーカラム内の液体試料に印加される電圧を制御するための接続部を含み、クロマトグラフィシステムからクロマトグラフィデータを受け取ることができるHPLCキャピラリーカラムカートリッジカセットと、
前記HPLCキャピラリーカートリッジカセットを支持し、液体試料を荷電された霧化状態で質量分析計に送ることができるカートリッジカセットホルダを含んだ質量分析計インタフェース装置とを備える、HPLCシステム。
【請求項15】
カートリッジカセットのガス流、温度および電圧が、質量分析計によって制御が可能な、請求項14に記載の高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システム。
【請求項16】
前記質量分析計インタフェース装置が、質量分析計およびクロマトグラフィシステムの一方と一体である、請求項14に記載の高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)
システム。
【請求項17】
HPLC試料を処理する高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)キャピラリーカラム装置のためのカートリッジであって、
前記キャピラリーカラム装置が、
カートリッジハウジングと、
前記カートリッジハウジング内の充填キャピラリーカラムと、
試料流体のための、前記キャピラリーカラムへの少なくとも1つの入口接続部と、
試料流体を霧化するためのスプレーチップおよびスプレーチップカラムからスプレーチップに試料流体を輸送するための輸送管のうち一方を収容することのできる、試料流体のための、前記キャピラリーカラムからの少なくとも1つの出口接続部と、
前記カートリッジハウジング内に配設された電気的接続部を介して前記キャピラリーカラムに電力を供給するための入口接続部と、
前記出口接続部に流体結合され、前記カートリッジハウジング内に配設されたガス供給ラインを介して、試料流体のために前記キャピラリーカラムから少なくとも1つの出口接続部にガスを供給するための入口接続部とを備える、HPLCキャピラリーカラム装置のためのカートリッジ。
【請求項18】
前記キャピラリーカラムへ熱供給を結合することを可能にする熱接続部をさらに備える、請求項17に記載のカートリッジ。
【請求項19】
前記熱供給がHPLC処理中のHPLC装置の温度を制御する、請求項18に記載のカートリッジ。
【請求項20】
前記熱供給が5℃から周囲温度を超える70℃の温度範囲を維持する、請求項19に記載のカートリッジ。
【請求項21】
前記熱供給が、(a)電気的であるか、または(b)加熱された流体かのいずれか1つである、請求項18に記載のHPLCキャピラリーカラム装置。
【請求項22】
電力供給によって試料液体に印加された電圧が試料液体の少なくとも一部分をイオン化する、請求項17に記載のカートリッジ。
【請求項23】
ガス供給ラインを介して試料液体に供給されるガスが、試料液体の少なくとも一部を蒸散させる、請求項17に記載のカートリッジ。
【請求項24】
前記ハウジングが多辺断面を有する、請求項17に記載のカートリッジ。
【請求項25】
前記キャピラリーカラムが、前記入口接続部から前記出口接続部まで直線状で配設される、請求項17に記載のカートリッジ。
【請求項26】
前記キャピラリーカラムが、前記入口接続部から前記出口接続部まで曲線状で配設される、請求項17に記載のカートリッジ。
【請求項27】
前記ハウジングが実質的に曲線状の断面を有する、請求項17に記載のカートリッジ。
【請求項28】
前記実質的に曲線状の断面が、前記実質的に曲線状の断面に対して均一に配設されない少なくとも1つの部分をさらに含む、請求項27に記載のカートリッジ。
【請求項29】
均一に配設されない前記少なくとも1つの部分が、質量分析計インタフェース内に挿入される前記カートリッジのための位置合わせキーとして働くことができる、請求項28に記載のカートリッジ。
【請求項30】
充填キャピラリーカラムのためのカートリッジを備えたHPLCキャピラリーカラムからの試料を処理する方法であって、
該方法が、
実行中の手順および検出中の化合物のうちの一方に適したカートリッジを選択し、
質量分析計インタフェースに前記カートリッジを挿入し、
試料液体の少なくとも一部を蒸散させるためのガス供給ラインを介して試料液体に供給されるガス供給ラインに、前記カートリッジ上の接続部を接続し、
試料液体の少なくとも一部を蒸散させ、
前記充填キャピラリーカラムの液体結合で前記試料液体を霧化するための電力供給ラインにカートリッジ上の接続部を接続し、
前記充填キャピラリーカラムの液体結合で前記試料液体を霧化し、
クロマトグラフィシステムに試料液体を注入することにより質量分析計インタフェースを介してクロマトグラフィシステムから質量分析計までの流れを確立することによって実行される、方法。
【請求項31】
5℃から周囲温度を超える70℃の範囲でキャピラリーカラムの温度を維持する工程をさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
質量分析計によって前記質量分析計インタフェースのステージからスプレーとして現れる流れを分析する工程をさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
スプレーチップが前記質量分析計へのスプレーのために使用される、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
輸送管が前記質量分析計への前記スプレーのために使用される、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記輸送管が剛性である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記輸送管が可撓性である、請求項34に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【公表番号】特表2008−516228(P2008−516228A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−535660(P2007−535660)
【出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/033079
【国際公開番号】WO2006/041487
【国際公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(504438255)ウオーターズ・インベストメンツ・リミテツド (80)
【Fターム(参考)】