説明

ICカードの製造方法及びICカードの製造装置

【課題】ICカードの品質管理を容易に行う。
【解決手段】ICカードの製造装置1は、ICチップ103a、第1基材101及び第2基材102が固着された複数のラミネートシート100,…を複数の収容器4Aから供給するシート供給装置と、供給されるラミネートシート100をカード状に打抜いてICカード110を形成する打抜き装置31と、複数のICカード110,…を複数の収容器4Bに収容する搬送装置5Bとを備える。搬送装置5Bは、収容器4Aに対応させて収容器4Bを交換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の工程によってICカードを製造するICカードの製造方法及びICカードの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、社員証や学生証などのIDカードとして、ICチップが内蔵されたICカードがある。このようなICカードは、例えば、ICチップを挟んだ状態でシート状の2枚の基材を貼り合せ一体化した後、積層物(ラミネートシート)をカード状に打抜くことにより製造されている(例えば、特許文献1参照)。また、このような製造方法においては、基材を貼り合せる前後において、必要に応じて基材に印刷を行っている。
【0003】
ところで、このようにICカードを製造する場合には、不良な形成物に対して無駄に処理を行わないようにするため、各工程の間に形成物の検査を行い、不良な形成物を取り除いている。そのため、各工程に供給される各種の材料の個数と、形成される形成物の個数とは、同数とならない場合がある。
【0004】
また、各工程間においては、マガジンやパレット等の収容器による形成物の搬送回数を少なくするため、可能な限り収容器に形成物を充填して搬送を行っている。そのため、特に、不良形成物が生じる工程の前後においては、形成物の個数に対し材料の個数が多く必要となるため、1つの収容器に形成物を充填するには、複数の収容器から材料を供給しなければならない。
【特許文献1】特開2003−30618号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、一般に、1つの収容器に収容される材料群は、同一の特性を有するロットを構成している。そのため、複数の収容器中の材料から形成される形成物を1つの収容器にまとめて収容すると、特性の異なる材料に起因する形成物が1つの収容器に混在することになってしまい、形成物の品質管理が困難になってしまう。
【0006】
本発明の課題は、ICカードの品質管理を容易に行うことができるICカードの製造方法及びICカードの製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、ICカードの製造方法であって、
ICチップとカード基材とが固着された複数のラミネートシートを複数の第1収容器から供給する第1供給工程と、
供給される前記ラミネートシートをカード状に打抜いてICカードを形成する打抜き工程と、
複数の前記ICカードを複数の第2収容器に収容する第1収容工程とを備え、
前記第1収容工程においては、前記第1収容器に対応させて前記第2収容器を交換することを特徴とする。
【0008】
ここで、第1収容器に対応させて第2収容器を交換するとは、1つの第1収容器中のラミネートシート群から形成されるICカード群を収容する第2収容器と、他の第1収容器中のラミネートシート群から形成されるICカード群を収容する第2収容器とを分けることをいう。
【0009】
請求項1記載の発明によれば、第1収容工程において第1収容器に対応させて第2収容器を交換することにより、従来と異なり、別々の第1収容器に収容されていたラミネートシートに起因するICカードが同一の第2収容器にまとめて収容されるのを防止することができる。従って、1つの第1収容器に収容されるラミネートシート群が同一の特性を有するロットを構成している場合に、特性の異なるラミネートシート群に起因する各ICカード群をそれぞれ別個の第2収容器に収容することができるため、従来と比較して、ICカードの品質管理を容易に行うことができる。
【0010】
なお、ラミネートシートは、ICチップを挟んで2枚のカード基材が固着されたものでも良いし、1枚のカード基材上にICチップが固着されたものでも良い。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のICカードの製造方法において、
前記第1供給工程と前記第1収容工程との間に、
前記ICカードの打抜き精度を検査する第1検査工程と、
前記第1検査工程の検査結果に基づいて、打抜き精度の不良な前記ICカードを廃棄する第1廃棄工程とを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、第2収容器に収容されるICカードの枚数が廃棄枚数の分だけ少ない場合であっても、別々の第1収容器に収容されていたラミネートシート群に起因するICカード群が同一の第2収容器にまとめて収容されるのを防止することができる。
なお、打抜き精度の検査基準としては、任意の基準を設定することができる。
【0013】
請求項3記載の発明は、ICカードの製造方法であって、
複数のICカードを複数の第3収容器から供給する第3供給工程と、
供給される前記ICカードの表面または裏面に印刷を行う印刷工程と、
印刷の行われた複数の前記ICカードを複数の第4収容器に収容する第3収容工程とを備え、
前記第3収容工程においては、前記第3収容器に対応させて前記第4収容器を交換することを特徴とする。
【0014】
ここで、第3収容器に対応させて第4収容器を交換するとは、1つの第3収容器から供給されるICカード群を収容する第4収容器と、他の第3収容器から供給されるICカード群を収容する第4収容器とを分けることをいう。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、第3収容工程において第3収容器に対応させて第4収容器を交換することにより、従来と異なり、別々の第3収容器に収容されていたICカードが同一の第4収容器にまとめて収容されるのを防止することができる。従って、1つの第3収容器に収容されるICカード群が同一の特性を有するロットを構成している場合に、特性の異なるICカード群をそれぞれ別個の第4収容器に収容することができるため、従来と比較して、ICカードの品質管理を容易に行うことができる。
【0016】
なお、印刷工程においてICカードの表面または裏面に印刷される画像としては、ICカードの模様や、持ち主情報の記載欄などがある。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のICカードの製造方法において、
前記印刷工程と前記第3収容工程との間に、
前記ICカードの印刷状態を検査する第3検査工程と、
前記第3検査工程の検査結果に基づいて、印刷の不良な前記ICカードを廃棄する第3廃棄工程とを備えることを特徴とする。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、第4収容器に収容されるICカードの枚数が廃棄枚数の分だけ少ない場合であっても、別々の第3収容器に収容されていたICカード群が同一の第4収容器にまとめて収容されるのを防止することができる。
なお、印刷状態の検査基準としては、任意の基準を設定することができる。
【0019】
請求項5記載の発明は、ICカードの製造方法であって、
ICチップを有する複数のICカードを複数の第5収容器から供給する第5供給工程と、
供給される前記ICカードの前記ICチップに発行を行う発行工程と、
発行の行われた複数の前記ICカードを複数の第6収容器に収容する第5収容工程とを備え、
前記第5収容工程においては、前記第5収容器に対応させて前記第6収容器を交換することを特徴とする。
【0020】
ここで、第5収容器に対応させて第6収容器を交換するとは、1つの第5収容器から供給されるICカード群を収容する第6収容器と、他の第5収容器から供給されるICカード群を収容する第6収容器とを分けることをいう。
また、発行とは、ICチップにデータを書き込んだ後、不正な書き込みを防止するためのプロテクトをかけることである。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、第5収容工程において第5収容器に対応させて第6収容器を交換することにより、従来と異なり、別々の第5収容器に収容されていたICカードが同一の第6収容器にまとめて収容されるのを防止することができる。従って、1つの第5収容器に収容されるICカード群が同一の特性を有するロットを構成している場合に、特性の異なるICカード群をそれぞれ別個の第6収容器に収容することができるため、従来と比較して、ICカードの品質管理を容易に行うことができる。
【0022】
なお、発行工程においてICチップに書き込まれるデータとしては、記憶領域に関するデータや暗号処理方式に関するデータ、パスワードに関するデータ等がある。
【0023】
請求項6記載の発明は、請求項5記載のICカードの製造方法において、
前記第5供給工程と前記第5収容工程との間に、
前記ICチップの機能または前記ICカードの外観を検査する第5検査工程と、
前記第5検査工程の検査結果に基づいて、外観の不良な前記ICカードを廃棄する第5廃棄工程とを備えることを特徴とする。
【0024】
請求項6記載の発明によれば、第6収容器に収容されるICカードの枚数が廃棄枚数の分だけ少ない場合であっても、別々の第5収容器に収容されていたICカード群が同一の第6収容器にまとめて収容されるのを防止することができる。
なお、外観の検査基準としては、任意の基準を設定することができる。
【0025】
請求項7記載の発明は、ICカードの製造方法であって、
ICチップを有する複数のICカードを複数の第7収容器から供給する第7供給工程と、
供給される前記ICカードの前記ICチップに記憶されたIC固有情報を読み取って管理用データベースに記録する読取工程と、
前記IC固有情報が読み取られた複数の前記ICカードを複数の第8収容器に収容する第7収容工程とを備え、
前記第7収容工程においては、前記第7収容器に対応させて前記第8収容器を交換することを特徴とする。
【0026】
ここで、第7収容器に対応させて第8収容器を交換するとは、1つの第7収容器から供給されるICカード群を収容する第8収容器と、他の第7収容器から供給されるICカード群を収容する第8収容器とを分けることをいう。
また、IC固有情報とは、ICカードの識別番号や製造メーカ、製造年月日などの情報のことである。
【0027】
請求項7記載の発明によれば、第7収容工程において第7収容器に対応させて第8収容器を交換することにより、従来と異なり、別々の第7収容器に収容されていたICカードが同一の第8収容器にまとめて収容されるのを防止することができる。従って、1つの第7収容器に収容されるICカード群が同一の特性を有するロットを構成している場合に、特性の異なるICカード群をそれぞれ別個の第8収容器に収容することができるため、従来と比較して、ICカードの品質管理を容易に行うことができる。
【0028】
請求項8記載の発明は、請求項7記載のICカードの製造方法において、
前記第7供給工程と前記第7収容工程との間に、
前記ICカードの外観を検査する第7検査工程と、
前記第7検査工程の検査結果に基づいて、外観の不良な前記ICカードを廃棄する第7廃棄工程とを備えることを特徴とする。
【0029】
請求項8記載の発明によれば、第8収容器に収容されるICカードの枚数が廃棄枚数の分だけ少ない場合であっても、別々の第7収容器に収容されていたICカード群が同一の第8収容器にまとめて収容されるのを防止することができる。
【0030】
請求項9記載の発明は、ICカードの製造装置であって、
ICチップとカード基材とが固着された複数のラミネートシートを複数の第1収容器から供給する第1供給装置と、
供給される前記ラミネートシートをカード状に打抜いてICカードを形成する打抜き装置と、
複数の前記ICカードを複数の第2収容器に収容する第1収容装置とを備え、
前記第1収容装置は、前記第1収容器に対応させて前記第2収容器を交換することを特徴とする。
【0031】
請求項9記載の発明によれば、第1収容装置が第1収容器に対応させて第2収容器を交換するので、従来と異なり、別々の第1収容器に収容されていたラミネートシートに起因するICカードが同一の第2収容器にまとめて収容されるのを防止することができる。従って、1つの第1収容器に収容されるラミネートシート群が同一の特性を有するロットを構成している場合に、特性の異なるラミネートシート群に起因する各ICカード群をそれぞれ別個の第2収容器に収容することができるため、従来と比較して、ICカードの品質管理を容易に行うことができる。
【0032】
請求項10記載の発明は、請求項9記載のICカードの製造装置において、
前記第1供給装置と前記第1収容装置との間に、
前記ICカードの打抜き精度を検査する第1検査装置と、
前記第1検査装置の結果に基づいて、打抜き精度の不良な前記ICカードを廃棄する第1廃棄装置とを備えることを特徴とする。
【0033】
請求項10記載の発明によれば、第2収容器に収容されるICカードの枚数が少ない場合であっても、別々の第1収容器に収容されていたラミネートシート群に起因するICカード群が同一の第2収容器にまとめて収容されるのを防止することができる。
【0034】
請求項11記載の発明は、ICカードの製造装置であって、
複数のICカードを複数の第3収容器から供給する第3供給装置と、
供給される前記ICカードの表面または裏面に印刷を行う印刷装置と、
印刷の行われた複数の前記ICカードを複数の第4収容器に収容する第3収容装置とを備え、
前記第3収容装置は、前記第3収容器に対応させて前記第4収容器を交換することを特徴とする。
【0035】
請求項11記載の発明によれば、第3収容装置が第3収容器に対応させて第4収容器を交換するので、従来と異なり、別々の第3収容器に収容されていたICカードが同一の第4収容器にまとめて収容されるのを防止することができる。従って、1つの第3収容器に収容されるICカード群が同一の特性を有するロットを構成している場合に、特性の異なるICカード群をそれぞれ別個の第4収容器に収容することができるため、従来と比較して、ICカードの品質管理を容易に行うことができる。
【0036】
請求項12記載の発明は、請求項11記載のICカードの製造装置において、
前記印刷装置と前記第3収容装置との間に、
前記ICカードの印刷状態を検査する第3検査装置と、
前記第3検査装置の結果に基づいて、印刷の不良な前記ICカードを廃棄する第3廃棄装置とを備えることを特徴とする。
【0037】
請求項12記載の発明によれば、第4収容器に収容されるICカードの枚数が少ない場合であっても、別々の第3収容器に収容されていたICカード群が同一の第4収容器にまとめて収容されるのを防止することができる。
【0038】
請求項13記載の発明は、ICカードの製造装置であって、
ICチップを有する複数のICカードを複数の第5収容器から供給する第5供給装置と、
供給される前記ICカードの前記ICチップに発行を行う発行装置と、
発行の行われた複数の前記ICカードを複数の第6収容器に収容する第5収容装置とを備え、
前記第5収容装置は、前記第5収容器に対応させて前記第6収容器を交換することを特徴とする。
【0039】
請求項13記載の発明によれば、第5収容装置が第5収容器に対応させて第6収容器を交換するので、従来と異なり、別々の第5収容器に収容されていたICカードが同一の第6収容器にまとめて収容されるのを防止することができる。従って、1つの第5収容器に収容されるICカード群が同一の特性を有するロットを構成している場合に、特性の異なるICカード群をそれぞれ別個の第6収容器に収容することができるため、従来と比較して、ICカードの品質管理を容易に行うことができる。
【0040】
請求項14記載の発明は、請求項13記載のICカードの製造装置において、
前記第5供給装置と前記第5収容装置との間に、
前記ICチップの機能または前記ICカードの外観を検査する第5検査装置と、
前記第5検査装置の結果に基づいて、外観の不良な前記ICカードを廃棄する第5廃棄装置とを備えることを特徴とする。
【0041】
請求項14記載の発明によれば、第6収容器に収容されるICカードの枚数が少ない場合であっても、別々の第5収容器に収容されていたICカード群が同一の第6収容器にまとめて収容されるのを防止することができる。
【0042】
請求項15記載の発明は、ICカードの製造装置であって、
ICチップを有する複数のICカードを複数の第7収容器から供給する第7供給装置と、
供給される前記ICカードの前記ICチップに記憶されたIC固有情報を読み取って管理用データベースに記録する読取装置と、
前記IC固有情報が読み取られた複数の前記ICカードを複数の第8収容器に収容する第7収容装置とを備え、
前記第7収容装置は、前記第7収容器に対応させて前記第8収容器を交換することを特徴とする。
【0043】
請求項15記載の発明によれば、第7収容装置が第7収容器に対応させて第8収容器を交換するので、従来と異なり、別々の第7収容器に収容されていたICカードが同一の第8収容器にまとめて収容されるのを防止することができる。従って、1つの第7収容器に収容されるICカード群が同一の特性を有するロットを構成している場合に、特性の異なるICカード群をそれぞれ別個の第8収容器に収容することができるため、従来と比較して、ICカードの品質管理を容易に行うことができる。
【0044】
請求項16記載の発明は、請求項15記載のICカードの製造装置において、
前記第7供給装置と前記第7収容装置との間に、
前記ICカードの外観を検査する第7検査装置と、
前記第7検査装置の結果に基づいて、外観の不良な前記ICカードを廃棄する第7廃棄装置とを備えることを特徴とする。
【0045】
請求項16記載の発明によれば、第8収容器に収容されるICカードの枚数が少ない場合であっても、別々の第7収容器に収容されていたICカード群が同一の第8収容器にまとめて収容されるのを防止することができる。
【発明の効果】
【0046】
請求項1,9記載の発明によれば、特性の異なるラミネートシート群に起因する各ICカード群をそれぞれ別個の第2収容器に収容することができるため、従来と比較して、ICカードの品質管理を容易に行うことができる。
【0047】
請求項2,10記載の発明によれば、第2収容器に収容されるICカードの枚数が廃棄枚数の分だけ少ない場合であっても、別々の第1収容器に収容されていたラミネートシート群に起因するICカード群が同一の第2収容器にまとめて収容されるのを防止することができる。
【0048】
請求項3,11記載の発明によれば、特性の異なるICカード群をそれぞれ別個の第4収容器に収容することができるため、従来と比較して、ICカードの品質管理を容易に行うことができる。
【0049】
請求項4,12記載の発明によれば、第4収容器に収容されるICカードの枚数が廃棄枚数の分だけ少ない場合であっても、別々の第3収容器に収容されていたICカード群が同一の第4収容器にまとめて収容されるのを防止することができる。
【0050】
請求項5,13記載の発明によれば、特性の異なるICカード群をそれぞれ別個の第6収容器に収容することができるため、従来と比較して、ICカードの品質管理を容易に行うことができる。
【0051】
請求項6,14記載の発明によれば、第6収容器に収容されるICカードの枚数が廃棄枚数の分だけ少ない場合であっても、別々の第5収容器に収容されていたICカード群が同一の第6収容器にまとめて収容されるのを防止することができる。
【0052】
請求項7,15記載の発明によれば、特性の異なるICカード群をそれぞれ別個の第8収容器に収容することができるため、従来と比較して、ICカードの品質管理を容易に行うことができる。
【0053】
請求項8,16記載の発明によれば、第8収容器に収容されるICカードの枚数が廃棄枚数の分だけ少ない場合であっても、別々の第7収容器に収容されていたICカード群が同一の第8収容器にまとめて収容されるのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
まず、ICカードについて説明する。本実施の形態におけるICカードは、図1(a),(b)に示されるラミネートシート100を鎖線部分でカード状に打抜くことにより形成されるものである。
【0055】
これらの図に示すように、ラミネートシート100は、第1基材101と第2基材102との間に、複数のICインレット103,…を備えている。
【0056】
第1基材101及び第2基材102としては、熱収縮によるカール等が生じないよう、熱収縮及びそのバラツキが小さいものが用いられており、本実施の形態においてはPET製のものが用いられている。
【0057】
第1基材101の縦横の長さは、本実施の形態においては横500×縦650mmとなっており、ICカードを横方向に5列、縦方向に10列だけ形成可能となっている。また、第1基材101の厚さは、総厚で50〜250μとなっている。但し、第1基材101の寸法はこれに限らない。
この第1基材101は、枚葉シートとして後述のラミネートシートのラミネートシート製造部2(図2参照)に供給されている。
【0058】
なお、第1基材101の表面(図1(b)の上側の面)には、偽造や変造の防止のために、透かし印刷やホログラム、細紋等の画像が記録されていても良いし、枠や文字、記号等の画像が記録されていても良い。
【0059】
第2基材102は、第1基材101とほぼ等しい寸法を有しており、枚葉シートとしてラミネートシート製造部2に供給されるようになっている。なお、第2基材102としては、所定間隔ごとに第1基材101と貼合される長尺なロールシートを用いることも可能である。第2基材102の表面(図1(b)の下側の面)には、情報を書き込むための筆記層が設けられている。
【0060】
ICインレット103は、ICチップ103a及びアンテナ103bを備えている。なお、ICインレット103としては、印刷やエッチング等によりアンテナ回路を設けたフィルム上にICチップ103aを搭載したものや、更にフィルム上のICチップ103a等を予め樹脂で封止したものを用いることも可能である。
【0061】
ICインレット103と第1基材101及び第2基材102との間には、接着剤104が介在している。接着剤104は、例えばホットメルト接着剤であり、好ましくは反応性ホットメルト接着剤である。
【0062】
続いて、本発明に係るICカードの製造装置について説明する。
図2は、ICカードの製造装置(以下、製造装置とする)1の概略構成を示すブロック図である。
この図に示すように、製造装置1は、第1基材101、第2基材102及びICインレット103からラミネートシート100を形成するラミネートシート製造部2と、ラミネートシート100からICカード110(図4参照)を製造するICカード製造部3とを備えている。なお、製造装置1には、図示しない搬送装置が設けられており、この搬送装置によって各材料が搬送方向Xに搬送されるようになっている。
【0063】
ラミネートシート製造部2は、図3に示すように、第1基材101を1枚ずつ印刷部21に供給する第1基材供給部(図示せず)を備えている。
第1基材供給部は、堆積された枚葉シート状の第1基材101の上面を検出する検出装置と、第1基材101を持ち上げる吸着パッドとを備えている。
【0064】
印刷部21は、印刷ローラ21aによって第1基材101の表面(図1の上面)に印刷を行うものである。
【0065】
印刷部21よりも搬送方向Xの下流側には、バーコード印字装置210が配設されている。
バーコード印字装置210は、第1基材101の端部にバーコード106(図1参照)を印字するものである。バーコード印字装置210によって印字されるバーコード106は、後述の検査装置22,28等において検査対象の第1基材101やラミネートシート100を識別するためのものである。
【0066】
バーコード印字装置210よりも搬送方向Xの下流側には、検査装置22及びバーコード読取装置23が配設されている。
【0067】
検査装置22は、画像カメラ等によって第1基材101の不良領域を識別し、第1基材101の不良領域に関する情報(以下、不良領域情報とする)を管理用コンピュータ(図示せず)に送信するものである。なお、検査装置22によって識別される不良領域としては、印刷状態の不良な領域や、キズの有る領域などがある。
【0068】
バーコード読取装置23は、第1基材101のバーコード106を読み取り、検査装置22の検査対象となっている第1基材101の識別情報を前記不良領域情報と併せて前記管理用コンピュータに送信するものである。
【0069】
バーコード読取装置23よりも搬送方向Xの下流側には、第1基材101を集積して上下反転する反転装置(図示せず)が配設され、この反転装置よりも搬送方向Xの下流側には、第1基材101の裏面(図1の上面)に接着剤を塗布する接着剤塗布部24が配設されている。
【0070】
接着剤塗布部24は、接着剤104を所定の厚さで塗布するダイ24aを備えている。なお、塗布方式としては、ダイ方式に限らず、グラビア方式、ロール方式などを用いることができる。
【0071】
接着剤塗布部24よりも搬送方向Xの下流側には、バーコード読取装置240が配設されている。
このバーコード読取装置240は、第1基材101のバーコード106を読み取り、接着剤塗布部24の塗布対象となっている第1基材101の識別情報を前記管理用コンピュータに送信するものである。
【0072】
バーコード読取装置240よりも搬送方向Xの下流側には、接着剤塗布後の第1基材101の裏面にICインレット103を載置するICインレット供給部203が配設されている。
ICインレット供給部203は、ICインレット103を載置する前に、ICカード110のID番号や製造メーカ、製造年月日などの情報(以下、IC固有情報とする)をICチップ103aに記録するようになっている。また、ICインレット供給部203は、バーコード読取装置240によって識別された第1基材101に関する前記不良領域情報を前記管理用コンピュータから受信し、この不良領域情報に基づいて第1基材101の不良領域にはICインレット103を載置しないようになっている。
【0073】
ICインレット供給部よりも搬送方向Xの下流側には、第2基材102を接着剤塗布部25に供給する第2基材供給部(図示せず)が配設されている。この第2基材供給部は、前記第1基材供給部と同様の構成を有している。
【0074】
接着剤塗布部25は、後述の貼合せ装置26におけるローラ26aの側周面上に保持された第2基材102に対し、ダイ25aによって接着剤104を塗布するものである。
【0075】
なお、塗布される接着剤104の厚さは、第1基材101に塗布される接着剤104の厚さと同じであることが好ましく、製造されるラミネートシート100の非対称性も考慮して設定されることがより好ましい。
【0076】
接着剤塗布部25よりも搬送方向Xの下流側には、ICインレット103を介在させて第1基材101及び第2基材102を貼合せる貼合せ装置26が配設されている。
【0077】
貼合せ装置26は、第1基材101及び第2基材102にそれぞれ塗布された接着剤104を加熱する加熱保温装置(図示せず)と、第1基材101,ICインレット103及び第2基材102の積層物をニップするローラ26a,26bとを備えている。
【0078】
前記加熱保温装置は、ローラ26a,26bよりも搬送方向Xの上流側に配設されている。これら加熱保温装置は、加熱により第1基材101及び第2基材102の表面がダメージを受けてしまうのを防止するため、接着剤104の温度に基づき加熱温度を調節するようになっている。
【0079】
ローラ26a,26bは、第1基材101及び第2基材102の温度を調節する温調機(図示せず)を内部に備えている。これらローラ26a,26bの表面は、ともに金属製でも良いし、一方がゴム製でも良い。
【0080】
貼合せ装置26よりも搬送方向Xの下流側には、貼合された第1基材101、ICインレット103及び第2基材102を加熱圧着により一体化してラミネートシート100を形成する加熱圧着装置27が配設されている。
【0081】
加熱圧着装置27は、貼合された第1基材101、ICインレット103及び第2基材102を上下から挟むローラ27a,27bと、ローラ27a,27bの間に熱風を送り込む温風送風機(図示せず)とを備えている。
【0082】
なお、本実施の形態においては、加熱圧着装置27による加圧時間は20〜30sec、加圧力は0.4〜0.6kg/cm2、加熱温度は50〜70℃となっているが、これらの値は適宜変更可能であり、例えば加熱時間を10〜60sec、加圧力を0.2〜1kg/cm2、温度を50〜100℃としても良い。また、加熱圧着装置27により一体化された積層物は、図示しない冷却装置によって冷却されるようになっている。また、第2基材102として長尺なロールシートを用いる場合には、加熱圧着装置27よりも搬送方向Xの下流側には、積層物の切断装置が設けられる。
【0083】
加熱圧着装置27よりも搬送方向Xの下流側には、検査装置28及びバーコード読取装置29が配設されている。
【0084】
検査装置28は、ラミネートシート100の各アンテナ103bと通信することにより、ICインレット103の位置精度及び機能を検査し、ICインレット103の位置精度不良情報や、機能不良情報を前記管理用コンピュータに送信するものである。なお、ICインレット103が機能不良になる場合としては、加熱圧着装置27による加熱温度が高すぎる場合や、加圧力が大きすぎる場合などがある。
【0085】
バーコード読取装置29は、ラミネートシート100中の第1基材101のバーコード106を読み取り、検査装置28の検査対象となっているラミネートシート100の識別情報を、前記位置精度不良情報や機能不良情報と併せて前記管理用コンピュータに送信するものである。
【0086】
バーコード読取装置29よりも搬送方向Xの下流側には、所定枚数のラミネートシート100,…を収容する収容器(第1収容器)4Aが配設されている。なお、本実施の形態においては、収容器4Aによるラミネートシート100,…の収容枚数は40枚となっている。
【0087】
収容器4Aよりも搬送方向Xの下流側には、図2に示すように、前記ICカード製造部3が配設されている。
ICカード製造部3は、図4に示すように、図示しないシート供給装置(第1供給装置)によって収容器4Aから供給されるラミネートシート100のバーコード106を読み取るバーコード読取装置30を備えている。このバーコード読取装置30は、ラミネートシート100中の第1基材101のバーコード106を読み取り、ラミネートシート100の識別情報を前記管理用コンピュータに送信するものである。
【0088】
バーコード読取装置30よりも搬送方向Xの下流側には、打抜き装置31が配設されている。
打抜き装置31は、搬送方向Xと直交して配列された5つの打抜き金型31a,…をそれぞれ上下に移動させてラミネートシート100,…をカード状に打抜くことにより、最大5枚のICカード110を一度に形成するものである。この打抜き装置31は、バーコード読取装置30によって識別されたラミネートシート100に関する前記不良領域情報や位置精度不良情報、機能不良情報を前記管理用コンピュータから受信し、これらの情報に基づいて、ICインレット103の載置されていない領域や、ICインレット103の位置精度または機能の不良領域では、ラミネートシート100を打抜かないようになっている。このような打抜き装置31としては、例えば、特開平7−315624号公報に開示のものを用いることができる。
【0089】
打抜き装置31よりも搬送方向Xの下流側には、検査装置(第1検査装置)310が配設されている。
検査装置310は、打抜き装置31によるICカード110の打抜き精度を検査するものである。
なお、検査装置310により打抜き精度が不良であると判断されたICカード110は、図示しない第1廃棄装置によって廃棄されるようになっている。
【0090】
検査装置310よりも搬送方向Xの下流側には、形成されたICカード110,…を収容器(第2収容器,第3収容器)4Bに収容して印刷装置32に搬送する搬送装置(第1収容装置,第3供給装置)5Bが配設されている。
【0091】
ここで、収容器4Bは、収容したICカード110,…を印刷装置32に搬送するためのものである。この収容器4Bは、5つの収容部41B,…に分けてICカード110,…を収容するようになっており、各収容部41Bの最大収容枚数は400枚となっている。つまり、収容器4Bは、40枚のラミネートシート100,…から形成されうる最大枚数のICカード110,…を収容可能となっている。各収容部41Bは、ラミネートシート100における打抜き領域、つまり図1(a)の鎖線内の領域の列と対応している。
【0092】
搬送装置5Bは、ベルトコンベア51Bを図中の矢印方向Yに駆動させることにより、収容器4Aに対応させて収容器4Bを交換するようになっている。より詳細には、搬送装置5Bは、打抜き装置31によって40枚のラミネートシート100,…から形成されたICカード110,…にうち、前記第1廃棄装置によって廃棄されなかったものが全て収容器4Bに収容されたら、ベルトコンベア51Bを駆動させるようになっている。
【0093】
また、搬送装置5Bは、ICカード110,…を収容した収容器4Bを、図示しないアクチュエータによって印刷装置32に搬送するようになっている。
【0094】
印刷装置32は、収容器4Bの各収容部41Bから取出したICカード110,…を一列に並べて搬送しつつ、これらICカード110,…の裏面に印刷を行うものである。
【0095】
印刷装置32よりも搬送方向Xの下流側には、検査装置(第3検査装置)33が配設されている。
検査装置33は、画像カメラ等によってICカード110の裏面の印刷状態を検査するものである。
なお、検査装置33により印刷不良と判断されたICカード110は、図示しない第3廃棄装置によって廃棄されるようになっている。
【0096】
検査装置33よりも搬送方向Xの下流側には、印刷の良好なICカード110,…を収容器(第4収容器,第5収容器)4Cに収容して発行装置34及び検査装置(第5検査装置)35に搬送する搬送装置(第3収容装置,第5供給装置)5Cが配設されている。ここで、収容器4Cは、400枚のICカード110,…を収容可能となっている。
【0097】
搬送装置5Cは、ベルトコンベア51Cを図中の矢印方向Yに駆動させることにより、収容器4Bに対応させて収容器4Cを交換するものである。より詳細には、搬送装置5Cは、収容器4Bの1つの収容部41Bから取出され印刷されたICカード110,…のうち、前記第3廃棄装置によって廃棄されなかったものが全て収容器4Cに収容されたら、ベルトコンベア51Cを駆動させるようになっている。
【0098】
また、搬送装置5Cは、ICカード110,…を収容した収容器4Cを、図示しないアクチュエータによって発行装置34に搬送するようになっている。
【0099】
発行装置34は、ICインレット103の機能検査と、機能の正常なICチップ103aからの前記IC固有情報の取得と、このICチップ103aに対する発行とを行うものである。ここで、発行とは、ICチップ103aにデータを書き込んだ後、不正な書き込みを防止するためのプロテクトをかけることである。ICチップ103aに書き込まれるデータとしては、記憶領域に関するデータや暗号処理方式に関するデータ、パスワードに関するデータ等がある。
【0100】
検査装置35は、発行されたICカード110の外観をカメラ等によって検査するものである。
なお、発行装置34により機能不良と判断されたICカード110や、検査装置35により外観不良と判断されたICカード110は、図示しない第5廃棄装置によって廃棄されるようになっている。
【0101】
検査装置35よりも搬送方向Xの下流側には、発行及び外観検査が行われたICカード110,…を収容器(第6収容器,第7収容器)4Dに収容して検査装置(第7検査装置)36及びIC情報読取部(読取装置)37に搬送する搬送装置(第5収容装置,第7供給装置)5Dが配設されている。この収容器4Dは、400枚のICカード110,…を収容可能となっている。収容器4Dは、搬送装置5Dによって交換されるようになっている。
【0102】
搬送装置5Dは、ベルトコンベア51Dを図中の矢印方向Yに駆動させることにより、収容器4Cに対応させて収容器4Dを交換するものである。より詳細には、搬送装置5Dは、収容器4Cから取出され発行されたICカード110,…のうち、前記第5廃棄装置によって廃棄されなかったものが全て収容器4Dに収容されたら、ベルトコンベア51Dを駆動させるようになっている。
【0103】
また、搬送装置5Dは、ICカード110,…を収容した収容器4Dを、図示しないアクチュエータによって検査装置36に搬送するようになっている。
【0104】
検査装置36は、ICカード110の外観をカメラ等によって検査するものである。
なお、検査装置36により外観不良と判断されたICカード110は、図示しない第7廃棄装置によって廃棄されるようになっている。
【0105】
IC情報読取部37は、前記第3廃棄装置によって廃棄されずに製品として完成されたICカード110の前記IC固有情報を読み取り、管理用データベースに記録するものである。
【0106】
IC情報読取部37よりも搬送方向Xの下流側には、製品として完成されたICカード110,…を収容器(第8収容器)4Eに収容してシール部38に搬送する搬送装置(第7収容装置)5Eが配設されている。ここで、収容器4Eは、300枚のICカード110,…を収容可能となっている。
【0107】
搬送装置5Eは、ベルトコンベア51Eを図中の矢印方向Yに駆動させることにより、収容器4Dに対応させて収容器4Eを交換するものである。より詳細には、搬送装置5Eは、収容器4Dから取出され外観検査されたICカード110,…のうち、前記第7廃棄装置によって廃棄されなかったものが全て収容器4Eに収容されたら、ベルトコンベア51Eを駆動させるようになっている。
【0108】
また、搬送装置5Eは、ICカード110,…を収容した収容器4Eを、図示しないアクチュエータによってシール部38に搬送するようになっている。
シール部38は、収容器4Eの開口部をシールするものである。
【0109】
続いて、本発明に係るICカードの製造方法について説明する。
まず、前記第1基材供給部が第1基材101を印刷部21に供給し、印刷部21が第1基材101の表面に印刷を行う。また、バーコード印字装置210が第1基材101の端部にバーコード106を印字する。
【0110】
次に、検査装置22が第1基材101の不良領域を識別して前記不良領域情報を前記管理用コンピュータに送信する。また、この不良領域情報と併せて、バーコード読取装置23が検査対象の第1基材101の識別情報を前記管理用コンピュータに送信する。これにより、不良領域情報と第1基材101とが対応付けられて管理用コンピュータで管理される。
【0111】
次に、前記反転送置が第1基材101を反転させて接着剤塗布部24に供給し、接着剤塗布部24が第1基材101の裏面に接着剤104を塗布する。また、バーコード読取装置240が第1基材101のバーコード106を読み取り、接着剤塗布部24の塗布対象となっている第1基材101の識別情報を前記管理用コンピュータに送信する。
【0112】
次に、ICインレット供給部203がICチップ103aにIC固有情報を記録した後、ICインレット103を第1基材101の裏面上に載置する。このとき、ICインレット供給部203は、バーコード読取装置240によって識別された第1基材101に関する前記不良領域情報を前記管理用コンピュータから受信し、この不良領域情報に基づいて第1基材101の不良領域にはICインレット103を載置しない。
【0113】
次に、前記第2基材供給部が第2基材102を接着剤塗布部25に供給し、接着剤塗布部25が第2基材102の裏面に接着剤104を塗布する。
【0114】
次に、貼合せ装置26が前記加熱保温装置によって接着剤104を加熱した後、ICインレット103を介在させて第1基材101と第2基材102とを貼合せ、これらの積層物を加熱圧着装置27が加熱圧着する。これにより、ラミネートシート100が形成される。
【0115】
次に、検査装置28がアンテナ103bと通信して前記IC固有情報を読み取ることにより、第1基材101の裏面上におけるICインレット103の位置精度及び機能を検査し、ICインレット103の位置精度不良情報や、機能不良情報を前記管理用コンピュータに送信する。また、これら位置精度不良情報及び機能不良情報と併せて、検査装置28の検査対象となっているラミネートシート100の識別情報をバーコード読取装置29が前記管理用コンピュータに送信する。これにより、前記不良領域情報、位置精度不良情報及び機能不良情報とラミネートシート100の識別情報とが対応付けられて管理用コンピュータで管理される。
【0116】
次に、図示しない搬送装置がラミネートシート100,…を40枚ごとに収容器4Aに収容した後、前記シート供給装置がICカード製造部3のバーコード読取装置30及び打抜き装置31にラミネートシート100を供給する(第1供給工程)。
【0117】
次に、バーコード読取装置30がバーコード106を読み取り、ラミネートシート100の識別情報を前記管理用コンピュータに送信する。また、打抜き装置31がラミネートシート100をカード状に打抜いてICカード110を形成する(打抜き工程)。このとき、打抜き装置31は、バーコード読取装置30によって識別されたラミネートシート100に関する前記不良領域情報や位置精度不良情報、機能不良情報を前記管理用コンピュータから受信し、これらの情報に基づいて、ICチップ103aの存在しない領域と、ICインレット103の位置精度または機能の不良領域とでは、ラミネートシート100を打抜かない。
【0118】
次に、検査装置310が打抜き装置31によるICカード110の打抜き精度を検査する(第1検査工程)。この検査結果に基づき、前記第1廃棄装置は、打抜き精度の不良なICカード110,…を廃棄する(第1廃棄工程)。また、残ったICカード110,…を搬送装置5Bが収容器4Bに収容する(第1収容工程)。
【0119】
1つの収容器4Aに起因する40枚のラミネートシート100,…からICカード110,…が形成されて収容器4Bに収容されたら、搬送装置5Bは収容器4BごとICカード110,…を印刷装置32に供給し(第3供給工程)、収容器4Bを空のものと交換する。ここで、ICチップ103aの存在しない領域ではICカード110が形成されず、また、打抜き精度の不良なICカード110,…は廃棄されるため、収容器4Bの収容部41B,…には、収容枚数に差が生じることとなる。
【0120】
このように収容器4Aに対応させて収容器4Bを交換することにより、収容器4Bに収容されるICカード110,…の枚数が廃棄枚数の分だけ少ない場合であっても、従来と異なり、別々の収容器4Aに収容されていたラミネートシート100,…に起因するICカード110,…が同一の収容器4Bにまとめて収容されるのが防止される。
【0121】
次に、印刷装置32は、収容器4Bにより搬送されたICカード110を収容部41B毎に一列に並べて搬送しつつ、これらICカード110の裏面に印刷を行う(印刷工程)。
【0122】
次に、検査装置33がICカード110の裏面の印刷状態を検査する(第3検査工程)。この検査結果に基づき、前記第3廃棄装置は印刷不良のICカード110,…を廃棄する(第3廃棄工程)。また、残ったICカード110,…を搬送装置5Cが収容器4Cに収容する(第3収容工程)。
【0123】
収容器4Bの1つの収容部41Bから取出され印刷されたICカード110,…のうち、前記第3廃棄装置によって廃棄されなかったものが全て収容器4Cに収容されたら、搬送装置5Cは収容器4CごとICカード110,…を発行装置34に供給し(第5供給工程)、収容器4Cを空のものと交換する。これにより、収容器4Bの各収容部41BのICカード110,…は、それぞれ異なる収容器4C,…に収容されて発行装置34に供給されることとなる。
【0124】
このように収容器4Bの収容部41Bに対応させて収容器4Cを交換することにより、収容器4Cに収容されるICカード110,…の枚数が廃棄枚数の分だけ少ない場合であっても、従来と異なり、別々の収容器4Bに収容されていたICカード110,…が同一の収容器4Cにまとめて収容されるのが防止される。
【0125】
次に、発行装置34は、ICインレット103の機能検査を行った後、機能の正常なICチップ103aから前記IC固有情報を取得するとともに、このICチップ103aに発行を行う(発行工程)。
【0126】
ICチップ103aに発行が行われたら、検査装置35がICカード110の外観を検査する(第5検査工程)。この検査結果に基づき、前記第5廃棄装置は、外観不良のICカード110,…を廃棄する(第5廃棄工程)。また、残ったICカード110,…を搬送装置5Dが収容器4Dに収容する(第5収容工程)。
【0127】
収容器4Cから取出され発行されたICカード110,…のうち、前記第5廃棄装置によって廃棄されなかったものが全て収容器4Dに収容されたら、搬送装置5Dは収容器4DごとICカード110,…を検査装置36に供給し(第7供給工程)、収容器4Dを空のものと交換する。これにより、収容器4CのICカード110,…は、それぞれ異なる収容器4D,…に収容されて検査装置36に供給されることとなる。
【0128】
このように収容器4Cに対応させて収容器4Dを交換することにより、収容器4Dに収容されるICカード110,…の枚数が廃棄枚数の分だけ少ない場合であっても、従来と異なり、別々の収容器4Cに収容されていたICカード110,…が同一の収容器4Dにまとめて収容されるのが防止される。
【0129】
次に、検査装置36がICカード110の外観を検査する(第7検査工程)。この検査結果に基づき、前記第7廃棄装置は、外観不良のICカード110,…を廃棄する(第7廃棄工程)。
【0130】
次に、IC情報読取部37は、廃棄されなかったICカード110の前記IC固有情報を読み取り、管理用データベースに記録する(読取工程)。また、搬送装置5Eは、ICカードを収容器4Eに収容する(第7収容工程)。
【0131】
収容器4Dから取出され外観検査されたICカード110,…のうち、前記第7廃棄装置によって廃棄されなかったものが全て収容器4Eに収容されたら、搬送装置5Eは収容器4EごとICカード110,…をシール部38に供給し、収容器4Eを空のものと交換する。これにより、収容器4DのICカード110,…は、それぞれ異なる収容器4E,…に収容されてシール部38に供給されることとなる。
【0132】
このように収容器4Dに対応させて収容器4Eを交換することにより、収容器4Eに収容されるICカード110,…の枚数が廃棄枚数の分だけ少ない場合であっても、従来と異なり、別々の収容器4Dに収容されていたICカード110,…が同一の収容器4Eにまとめて収容されるのが防止される。
【0133】
そして、シール部38が収容器4Eの開口部をシールすることにより、製品としてのICカード110,…が1つにまとめられて出荷待機状態となる。
【0134】
以上のICカードの製造方法によれば、収容器4Bに収容されるICカード110,…の枚数が廃棄枚数の分だけ少ない場合であっても、別々の収容器4Aに収容されていたラミネートシート100,…に起因するICカード110,…が同一の収容器4Bにまとめて収容されるのを防止することができるため、1つの収容器4Aに収容されるラミネートシート100群が同一の特性を有するロットを構成している場合に、特性の異なるラミネートシート100群に起因する各ICカード110群をそれぞれ別個の収容器4Bに収容することができる。
【0135】
また、収容器4Cに収容されるICカード110,…の枚数が廃棄枚数の分だけ少ない場合であっても、別々の収容器4Bの収容部41Bに収容されていたICカードが同一の収容器4Cにまとめて収容されるのを防止することができるため、1つの収容部41Bに収容されるICカード110群が同一の特性を有するロットを構成している場合に、特性の異なるICカード110群をそれぞれ別個の収容器4Cに収容することができる。
【0136】
また、収容器4Dに収容されるICカード110,…の枚数が廃棄枚数の分だけ少ない場合であっても、別々の収容器4Cに収容されていたICカード110,…が同一の収容器4Dにまとめて収容されるのを防止することができるため、1つの収容器4Cに収容されるICカード110群が同一の特性を有するロットを構成している場合に、特性の異なるICカード110群をそれぞれ別個の収容器4Dに収容することができる。
【0137】
更に、収容器4Eに収容されるICカード110,…の枚数が廃棄枚数の分だけ少ない場合であっても、別々の収容器4Dに収容されていたICカード110,…が同一の収容器4Eにまとめて収容されるのを防止することができるため、1つの収容器4Dに収容されるICカード110群が同一の特性を有するロットを構成している場合に、特性の異なるICカード110群をそれぞれ別個の収容器4Eに収容することができる。
よって、従来と比較して、ICカード110の品質管理を容易に行うことができる。
【0138】
なお、上記実施の形態においては、搬送装置5B〜5Eはベルトコンベア51A〜51Eによって収容器4B〜4Eを交換することとして説明したが、他の機構によって収容器を交換することとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】ラミネートシートを示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図2】本発明に係るICカードの製造装置を示すブロック図である。
【図3】ラミネートシート製造部の概略構成を示す図である。
【図4】ICカード製造部の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0140】
1 製造装置(ICカードの製造装置)
4A 収容器(第1収容器)
4B 収容器(第2収容器、第3収容器)
4C 収容器(第4収容器、第5収容器)
4D 収容器(第6収容器、第7収容器)
4E 収容器(第8収容器)
5B 搬送装置(第1収容装置、第3供給装置)
5C 搬送装置(第3収容装置、第5供給装置)
5D 搬送装置(第5収容装置、第7供給装置)
5E 搬送装置(第7収容装置)
31 打抜き装置
32 印刷装置
33 検査装置(第3検査装置)
34 発行装置
35 検査装置(第5検査装置)
36 検査装置(第7検査装置)
100 ラミネートシート
101 第1基材(カード基材)
102 第2基材(カード基材)
103a ICチップ
110 ICカード
310 検査装置(第1検査装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICチップとカード基材とが固着された複数のラミネートシートを複数の第1収容器から供給する第1供給工程と、
供給される前記ラミネートシートをカード状に打抜いてICカードを形成する打抜き工程と、
複数の前記ICカードを複数の第2収容器に収容する第1収容工程とを備え、
前記第1収容工程においては、前記第1収容器に対応させて前記第2収容器を交換することを特徴とするICカードの製造方法。
【請求項2】
請求項1記載のICカードの製造方法において、
前記第1供給工程と前記第1収容工程との間に、
前記ICカードの打抜き精度を検査する第1検査工程と、
前記第1検査工程の検査結果に基づいて、打抜き精度の不良な前記ICカードを廃棄する第1廃棄工程とを備えることを特徴とするICカードの製造方法。
【請求項3】
複数のICカードを複数の第3収容器から供給する第3供給工程と、
供給される前記ICカードの表面または裏面に印刷を行う印刷工程と、
印刷の行われた複数の前記ICカードを複数の第4収容器に収容する第3収容工程とを備え、
前記第3収容工程においては、前記第3収容器に対応させて前記第4収容器を交換することを特徴とするICカードの製造方法。
【請求項4】
請求項3記載のICカードの製造方法において、
前記印刷工程と前記第3収容工程との間に、
前記ICカードの印刷状態を検査する第3検査工程と、
前記第3検査工程の検査結果に基づいて、印刷の不良な前記ICカードを廃棄する第3廃棄工程とを備えることを特徴とするICカードの製造方法。
【請求項5】
ICチップを有する複数のICカードを複数の第5収容器から供給する第5供給工程と、
供給される前記ICカードの前記ICチップに発行を行う発行工程と、
発行の行われた複数の前記ICカードを複数の第6収容器に収容する第5収容工程とを備え、
前記第5収容工程においては、前記第5収容器に対応させて前記第6収容器を交換することを特徴とするICカードの製造方法。
【請求項6】
請求項5記載のICカードの製造方法において、
前記第5供給工程と前記第5収容工程との間に、
前記ICチップの機能または前記ICカードの外観を検査する第5検査工程と、
前記第5検査工程の検査結果に基づいて、外観の不良な前記ICカードを廃棄する第5廃棄工程とを備えることを特徴とするICカードの製造方法。
【請求項7】
ICチップを有する複数のICカードを複数の第7収容器から供給する第7供給工程と、
供給される前記ICカードの前記ICチップに記憶されたIC固有情報を読み取って管理用データベースに記録する読取工程と、
前記IC固有情報が読み取られた複数の前記ICカードを複数の第8収容器に収容する第7収容工程とを備え、
前記第7収容工程においては、前記第7収容器に対応させて前記第8収容器を交換することを特徴とするICカードの製造方法。
【請求項8】
請求項7記載のICカードの製造方法において、
前記第7供給工程と前記第7収容工程との間に、
前記ICカードの外観を検査する第7検査工程と、
前記第7検査工程の検査結果に基づいて、外観の不良な前記ICカードを廃棄する第7廃棄工程とを備えることを特徴とするICカードの製造方法。
【請求項9】
ICチップとカード基材とが固着された複数のラミネートシートを複数の第1収容器から供給する第1供給装置と、
供給される前記ラミネートシートをカード状に打抜いてICカードを形成する打抜き装置と、
複数の前記ICカードを複数の第2収容器に収容する第1収容装置とを備え、
前記第1収容装置は、前記第1収容器に対応させて前記第2収容器を交換することを特徴とするICカードの製造装置。
【請求項10】
請求項9記載のICカードの製造装置において、
前記第1供給装置と前記第1収容装置との間に、
前記ICカードの打抜き精度を検査する第1検査装置と、
前記第1検査装置の結果に基づいて、打抜き精度の不良な前記ICカードを廃棄する第1廃棄装置とを備えることを特徴とするICカードの製造装置。
【請求項11】
複数のICカードを複数の第3収容器から供給する第3供給装置と、
供給される前記ICカードの表面または裏面に印刷を行う印刷装置と、
印刷の行われた複数の前記ICカードを複数の第4収容器に収容する第3収容装置とを備え、
前記第3収容装置は、前記第3収容器に対応させて前記第4収容器を交換することを特徴とするICカードの製造装置。
【請求項12】
請求項11記載のICカードの製造装置において、
前記印刷装置と前記第3収容装置との間に、
前記ICカードの印刷状態を検査する第3検査装置と、
前記第3検査装置の結果に基づいて、印刷の不良な前記ICカードを廃棄する第3廃棄装置とを備えることを特徴とするICカードの製造装置。
【請求項13】
ICチップを有する複数のICカードを複数の第5収容器から供給する第5供給装置と、
供給される前記ICカードの前記ICチップに発行を行う発行装置と、
発行の行われた複数の前記ICカードを複数の第6収容器に収容する第5収容装置とを備え、
前記第5収容装置は、前記第5収容器に対応させて前記第6収容器を交換することを特徴とするICカードの製造装置。
【請求項14】
請求項13記載のICカードの製造装置において、
前記第5供給装置と前記第5収容装置との間に、
前記ICチップの機能または前記ICカードの外観を検査する第5検査装置と、
前記第5検査装置の結果に基づいて、外観の不良な前記ICカードを廃棄する第5廃棄装置とを備えることを特徴とするICカードの製造装置。
【請求項15】
ICチップを有する複数のICカードを複数の第7収容器から供給する第7供給装置と、
供給される前記ICカードの前記ICチップに記憶されたIC固有情報を読み取って管理用データベースに記録する読取装置と、
前記IC固有情報が読み取られた複数の前記ICカードを複数の第8収容器に収容する第7収容装置とを備え、
前記第7収容装置は、前記第7収容器に対応させて前記第8収容器を交換することを特徴とするICカードの製造装置。
【請求項16】
請求項15記載のICカードの製造装置において、
前記第7供給装置と前記第7収容装置との間に、
前記ICカードの外観を検査する第7検査装置と、
前記第7検査装置の結果に基づいて、外観の不良な前記ICカードを廃棄する第7廃棄装置とを備えることを特徴とするICカードの製造装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−59101(P2006−59101A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−239718(P2004−239718)
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(303050159)コニカミノルタフォトイメージング株式会社 (1,066)
【Fターム(参考)】