説明

ICタグのアンテナ、ICタグアクセス装置のアンテナ、ICタグシステムにおけるアンテナシステム

【課題】線材コイルのような筒状の金属製品に取り付けられたICタグに対して無線アクセスを行う場合に、通信可能距離を極力犠牲にすることなく良好な通信品質を確保できるICタグシステムのアンテナを提供すること。
【解決手段】略円筒状の金属製品40の内面に沿って形成されたループアンテナ部50を有するICタグ用アンテナZ1と、金属製品40の環状部に挿入されてこれを吊り上げ搬送するアーム部の周囲にコイル状に形成されたICタグリーダライタ用アンテナとを具備する。ICタグ用アンテナは、ループアンテナ部50に連結され、対向配置されたICタグ1との間で無線リンク(磁気結合)により信号伝送を行うICタグ無線リンク部が設けられた構成であればなお好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、略円筒状に形成された金属製品に取り付けられるICタグのアンテナ、及びそのICタグと無線通信を行ってデータの読み出しや書き込みをするICタグアクセス装置のアンテナ、並びにそのようなICタグへのアクセスを行うICタグアクセスシステムにおけるアンテナシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
生産や流通の現場では、完成品や生産途中の中間製品等の各種製品が、搬送装置(フォークリフトや移動クレーン等)によりその保持部で保持されて随時次の工程や流通先へ搬送される。また、各製品にICタグ(RF−IDタグともいう)が取り付けられ、製品が搬送される際に、そのICタグとの無線通信により製品データの読み出しや書き込み(以下、データアクセス処理という)がなされることもある。ICタグに対するデータアクセス処理を行う装置(ICタグアクセス装置)は一般にリーダライタと呼ばれ、このリーダライタによる読み取り或いは書き込みの対象となるデータは、リーダライタが備える通信インタフェースを通じてデータ管理計算機により管理される。これにより、多種多様かつ大量の製品情報を効率的に管理できる。なお、一般に、リーダライタは、ICタグに対するデータ読み出し及びデータ書き込みの両用を行う機能を有するものであるが、本明細書にいうICタグアクセス装置とは、ICタグのリーダ(読み出しのみ)、ライタ(書き込みのみ)及びリーダライタ(読み出し及び書き込み)のいずれをも含むものとする。
例えば、鉄鋼製品は多品種少量生産化が進み、製品ごとに機械的仕様や含有元素成分等のデータ(製品データ)が異なるため、適切な品質検査や物流処理を行うためには各製品データを迅速かつ的確に管理する必要がある。そのため、鉄鋼製品各々にICタグが取り付けられ、そのICタグに対してリーダライタにより製品データの読み書き(データアクセス処理)が行われる。このようにして製品データが管理される鉄鋼製品の典型例としては、線状の金属部材がほぼ円筒型のコイル状に形成された線材コイルがある。
【0003】
ところで、ICタグが金属製品に取り付けられた場合、その金属の影響によってICタグにアクセスする際の無線通信に不具合が生じることが知られている。
これに対し、例えば特許文献1には、金属面に取り付けられたアンテナの下にアモルファス金属を敷くことにより、ICタグにアクセスする際の無線通信の状態を改善する技術が示されている。
【特許文献1】特開平8−79127号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ICタグが金属製品に取り付けられる場合、その金属が通信に与える影響は大きく、特許文献1に示される技術を適用しても十分な通信改善が得られない場合があり、また、正常な通信を確保できる場合であっても通信可能距離(ICタグのアンテナとリーダライタのアンテナとの距離)が非常に短くなってしまうという問題点があった。
従って、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、線材コイルのような金属製の筒状の製品(金属製品)に取り付けられたICタグに対して無線通信によるデータアクセス処理を行う場合に、通信可能距離を極力犠牲にすることなく良好な通信品質を確保できるICタグのアンテナ、及びICタグアクセス装置(リーダライタ)のアンテナ、並びにICタグシステムにおけるアンテナシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明は、略円筒状(円筒状若しくはそれに近い形状)に形成された金属製品に取り付けられるICタグのアンテナとして構成されるものであり、その金属製品の略円筒状の内面に沿って形成されたループアンテナ部(環状のアンテナ部)が設けられていることを特徴とする。ここで、前記金属製品の典型例としては、線状の金属部材が略円筒のコイル状に形成された線材コイルが考えられる。
このようなループアンテナ部を有することにより、略円筒状の金属製品が通信に与える影響を抑えることができるとともに、ループアンテナ部の大きさ(面積)をほぼ最大にしてアンテナ性能を高めることができるため、通信可能距離を極力犠牲にすることなく良好な通信品質を確保することが可能となる。
ここで、前記ループアンテナ部に連結(電気的に連結)され、対向配置された前記ICタグとの間で無線リンクにより信号伝送を行うICタグ無線リンク部が設けられた構成とすれば、当該アンテナをICタグと物理的に分離した構成とすることができ、金属製品の製造工程に当該アンテナの取り付け工程を組み込む自由度やその取り付けの作業性が向上する。
例えば、前記ICタグ無線リンク部としては、前記ループアンテナ部に連結され(ループアンテナの一部として構成されている場合を含む)、そのループアンテナ部よりも小さい環状に形成された導電性部材からなり、対向配置された前記ICタグとの磁気結合により無線信号伝送を行うものが考えられる。
【0006】
また、前記ループアンテナ部が、略円筒に形成されたコイル状のアンテナ部であれば、よりアンテナ性能が高まり好適である。この場合、前記ループアンテナ部が、複数の線状の導電性部材と、これらをその両端部各々において保持するとともに、相互に接続されることにより1又は複数の前記線状の導電性部材の一方の端部各々を他の前記線状の導電性部材の他方の端部に連結させてコイル(略円筒状のコイル)を形成させる一対のコネクタ部材と、を備えて構成されたものであればなお好適である。
これにより、当該ICタグのアンテナを金属製品に取り付ける段階で、簡易な作業(前記一対のコネクタ部材の接続作業)により前記ループアンテナ部を形成させることができ、金属製品に対する当該アンテナの取り付け工程を簡易化できる。
【0007】
また、本発明は、前記ループアンテナ部を介して前記ICタグに対して無線アクセスを行うICタグアクセス装置のアンテナとして捉えたものも考えられる。
即ち、略円筒状に形成された金属製品がその環状部内側に挿入された金属製のアーム部により吊り上げ搬送される際に、前記金属製品に取り付けられたICタグとの間でその金属製品の内面に沿って形成されたループアンテナ部を介して無線通信を行うことにより、前記ICタグに対してデータの読み出しや書き込みを行うICタグアクセス装置のアンテナであって、前記アーム部の周囲にコイル状に形成されたものである。
これにより、前記アーム部がコイル状の当該アンテナのいわゆる鉄芯となり、比較的小さくその巻き数が少ない場合であっても、アンテナ性能を高めることができる。
また、本発明は、ICタグシステムにおけるアンテナシステムとして捉えることもできる。
即ち、略円筒状に形成された金属製品がその環状部内側に挿入された金属製のアーム部により吊り上げ搬送される際に、ICタグアクセス装置により前記金属製品に取り付けられたICタグとの間で無線通信を行って前記ICタグに対してデータの読み出しや書き込みを行うICタグシステムにおけるアンテナシステムであって、前記金属製品の略円筒状の内面に沿って形成されたループアンテナ部を備えた前記ICタグのアンテナと、前記アーム部の周囲にコイル状に形成された前記ICタグアクセス装置のアンテナと、を具備するアンテナシステムとして捉えることもできる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ICタグが設けられる略円筒状の金属製品に、その内面に沿う前記ループアンテナ部が設けられるので、その金属製品が通信に与える影響を抑えることができるとともに、ループアンテナ部の大きさをほぼ最大にしてアンテナ性能を高めることができるため、通信可能距離を極力犠牲にすることなく良好な通信品質を確保することが可能となる。
さらに、前記ループアンテナ部が、複数の線状の導電性部材をその両端部各々において保持する一対のコネクタ部材が接続されることにより略円筒状のコイルが形成される構成を備えたものであれば、前記ループアンテナ部を、金属製品に取り付ける段階で、前記一対のコネクタ部材を接続するという簡易な作業により環状(コイル状)にすることができ、金属製品に対する前記ループアンテナ部の取り付け工程を簡易化できる。
また、前記金属製品の環状部内側に挿入されて吊り上げ搬送するアーム部の周囲に、ICタグアクセス装置側のアンテナをコイル状に形成すれば、前記アーム部がコイル状のアンテナのいわゆる鉄芯となり、そのコイル状のアンテナが比較的小さくその巻き数が少ない場合であっても、アンテナ性能を高めることができ好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに、図1は本発明の実施形態に係る線材コイル搬送システムXの概略構成を表す図、図2は線材コイルに取り付けられた第1実施例に係るタグ用アンテナZ1の概略構成を表す図、図3は線材コイルに取り付けられた第2実施例に係るタグ用アンテナZ2の概略構成を表す図、図4は線材コイルに取り付けられる第3実施例に係るタグ用アンテナZ3の概略構成を表す図である。
【0010】
まず、図1を参照しつつ、本発明の実施形態に係る線材コイル搬送システムXの全体構成について説明する。
線材コイル搬送システムXは、図1に示すように、線状の金属部材(鉄材等)がコイル状に束ねられた(形成された)ほぼ円筒状の金属製品である線材コイル40を搬送するものであり、線材コイル40の環状部内側に挿入された金属製のアーム部31で線材コイル40を吊り上げて搬送する際に、線材コイル40の環状部内側に取り付けられたICタグ1と、後述するループアンテナ部50を介して無線通信を行うことにより、そのICタグ1に対してデータの読み出しや書き込みの処理(以下、データアクセス処理という)を行うICタグリーダライタA(ICタグアクセス装置の一例、以下、リーダライタAという)を備えている。ここで、ICタグ1及びこれに接続されるアンテナ(後述)とリーダライタAとにより、ICタグ1に対してデータアクセス処理を行うICタグシステムが構成されている。
線材コイル40は、例えば直径約10mm程度の鉄製線材が、直径約1000mm程度及び長さが1000mm〜2000mm程度の筒状(コイル状)に巻かれて結束バンド41により束ねられたものである。
また、線材コイル搬送システムXは、線材コイル40をその環状部内側(筒の開口部)に挿入された状態で吊り上げて保持するアーム部31(保持部の一例)と、不図示のクレーン等の搬送部と接続される接続部32とが形成されたハンガー部30を有している。このハンガー部30は、アーム部31がほぼ水平状態に維持された状態で、接続部32に接続された前記搬送部(不図示)によって吊り上げ及び移動(搬送)がなされ、これによりアーム部31に保持された線材コイル40が搬送される。
【0011】
<第1実施形態>
次に、図2を参照しつつ、線材コイル40の環状部内側に設けられるICタグ1側のアンテナ(以下、タグ用アンテナという)の一実施例であるタグ用アンテナZ1の構成について説明する。
図2に示されるように、タグ用アンテナZ1は、線材コイル40の円筒状の内面に沿って、線状の導電部材(例えば、鉄等の金属部材)が多重巻きにされてコイル状に形成された環状のアンテナ部50(以下、ループアンテナ部50という)を有し、そのループアンテナ部50を構成する線状の導電部材の両端部(不図示)が、ICタグ1に接続されている。
このような構成により、金属製の線材コイル40が、ループアンテナ部50による電波の送受信の障害になりにくく、線材コイル40が存在することによる通信品質の劣化を防止できる。
また、ループアンテナ部50は、電波に対する共振感度がその大きさ(環状部分の面積)に依存するが、線材コイル40の内面に沿うよう形成されているため、ループアンテナ部50の大きさ(面積)が最大となる。その結果、製品である線材コイル40のサイズを最大限に利用してアンテナ性能を最大に高めることができ、通信可能距離をほとんど犠牲にすることなく良好な通信品質を確保することが可能となる。
【0012】
一方、図1に示すように、リーダライタAは、ICタグ1に対するデータアクセス処理を行う際に無線信号(電波)を送信(放射)及び受信するリーダライタ用アンテナ10と、これにより送受信される信号を処理する信号処理部20とを備えている。
信号処理部20は、パーソナルコンピュータ等の不図示のホスト装置(計算機)から伝送されてくるデータアクセス指令に応じてデータアクセス処理を実行するものであり、ホスト装置側から伝送されてくる比較的低周波数の有線信号に対して周波数変換(アップコンバート)を施すことにより、リーダライタ用アンテナ10を通じて高周波の電波(無線信号)をタグ用アンテナZ1に送信(放射)するとともに、タグ用アンテナZ2からリーダライタ用アンテナ10を通じて受信された高周波の受信信号に周波数変換(ダウンコンバート)を施すことにより、ホスト装置側が処理可能な信号に変換して伝送する。
ここで、リーダライタAは、アーム部31がほぼ円筒状の線材コイル40を吊り上げ保持した状態(環状部内側に挿入された状態)で、線材コイル40の内側に取り付けられたICタグ1に対してそのアンテナZ1を介して効率的に電波の送受信が行えるように、リーダライタ用アンテナ10が、アーム部31の周囲にコイル状に形成されている。即ち、導電性の線材がアーム部31の周囲に多重巻きにされてコイル状に形成され、その導電性の線材の端部が信号処理部20に接続されている。
これにより、金属製のアーム部31が、コイル状のリーダライタ用アンテナ10のいわゆる鉄芯となり、比較的小さくその巻き数が少ない場合であっても、アンテナ性能を高めることができる。
【0013】
<第2実施形態>
次に、図3を参照しつつ、線材コイル40に取り付けられた第2実施例に係るタグ用アンテナZ2の構成について説明する。このタグ用アンテナZ2も、線材コイル搬送システムXに用いられるものである。
このタグ用アンテナZ2は、前述したタグ用アンテナZ1(図2参照)と同様にループアンテナ部50を有するとともに、線材コイル40の内側において対向配置されたICタグ1との間で無線リンクにより信号伝送を行う部分であって、ループアンテナ部50に電気的に導通して連結されたICタグ無線リンク部51を有している。
具体的には、ICタグ無線リンク部51は、図3に示すように、ループアンテナ部50を構成する線状の導電性部材が、大小の2つのループができるように8の字状に形成される等により、その線状の導電性部材の一部(即ち、ループアンテナ部50と連結されている)が、ループアンテナ部50よりも小さい環状(ループ状)に形成されたものである。このICタグ無線リンク部51(環状の導電性部材からなる小型のループアンテナ)が、線材コイル40の内側で対向配置されたICタグ1との磁気結合(無線リンクの一例)により無線信号伝送を行う。
【0014】
図3に示すようなタグ用アンテナZ2は、ICタグ1と物理的に分離した構成とすることができ、線材コイル40の製造工程において、当該タグ用アンテナZ2の取り付け工程を組み込む自由度やその取り付けの作業性が向上する。
例えば、線材コイル40は、一般に、「線材を熱処理によりコイル状(円筒状)に加工する加工工程」→「そのコイル状の線材を結束バンド41(図1参照)により結束して線材コイル40とする結束工程」→「冷却工程」→「検査工程」等を経て製造される。ここで、「結束工程」では、未だ線材コイル40は高温状態であるため、これに電子部品であるICタグ1を取り付けることはできない。
一方、タグ用アンテナZ2自体は単なる金属部材であるため、線材コイル40が多少高温であっても問題なく取り付けることができる。従って、タグ用アンテナZ2のように、ICタグ1と物理的に分離したものであれば、前記結束工程において高温のコイル状の線材とともにタグ用アンテナZ2を結束バンド41により結束し、前記冷却工程を経た後に、ICタグ1を電気配線の接続作業を伴うことなく簡易な作業によって取り付けるといったことが可能となる。
【0015】
<第3実施形態>
次に、図4を参照しつつ、線材コイル40に取り付けられる第3実施例に係るタグ用アンテナZ3の構成について説明する。このタグ用アンテナZ3も、線材コイル搬送システムXに用いられるものである。
このタグ用アンテナZ3も、前述したタグ用アンテナZ1(図2参照)と同様にループアンテナ部50を有する。
このループアンテナ部50は、図4に示すように、複数の線状の導電性部材50aと、その複数の線状の導電性部材50aをそれらが並べられた状態で両端部各々において保持する一対のコネクタ部材52、53とからなる。この一対のコネクタ部材52、53は、それらが相互に接続されることにより、複数の線状の導電性部材50aの一方の端部(コネクタ部材52により保持された端部)各々を、1本ずつその隣りにずれて配列された(他の)線状の導電性部材50aの他方の端部(コネクタ部材53により保持された端部)に連結させてほぼ円筒状のコイルとなるループアンテナ部50を形成させるものである。
これにより、当該タグ用アンテナZ3を線材コイル40に取り付ける段階で、一対のコネクタ部材52、53を接続するという簡易な作業によりループアンテナ部50を形成させることができ、線材コイル40に対する当該タグ用アンテナZ3の取り付け工程を簡易化できる。また、当初からループ状に形成されていないので、例えば線材コイル40を結束後に、その結束バンド41に導電性部材50aを通してループアンテナ部50を形成させるといった取り付け手順を採用することも可能となり、取り付けの自由度が高まる。
【0016】
以上に示したICタグのアンテナ(タグ用アンテナZ1〜Z3)は、金属製品の一例である線材コイル40を取り付け対象とする例について示したが、これに限るものでなく、略円筒状の他の金属製品を取り付け対象とした場合であっても、同様の作用効果が得られる。
また、以上に示したタグ用アンテナZ1〜Z3やリーダライタ側アンテナ10は、無線信号(電波)の送受信を兼用するものとして示したが、送信用アンテナと受信用アンテナとを個別に設けた構成も考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明は、略筒状の金属製品に取り付けられるICタグのアンテナに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る線材コイル搬送システムXの概略構成を表す図。
【図2】線材コイルに取り付けられた第1実施例に係るタグ用アンテナZ1の概略構成を表す図。
【図3】線材コイルに取り付けられた第2実施例に係るタグ用アンテナZ2の概略構成を表す図。
【図4】線材コイルに取り付けられる第3実施例に係るタグ用アンテナZ3の概略構成を表す図。
【符号の説明】
【0019】
X…線材コイル搬送システム
Z1〜Z3…タグ用アンテナ(ICタグのアンテナ)
A…ICタグリーダライタ
1…ICタグ
10…リーダライタ用アンテナ(ICタグアクセス装置のアンテナ)
20…信号処理部
30…ハンガー部
31…アーム部
40…線材コイル(金属製品)
50…ループアンテナ部
51…ICタグ無線リンク部
52、53…コネクタ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略円筒状に形成された金属製品に取り付けられるICタグのアンテナであって、
前記金属製品の略円筒状の内面に沿って形成されたループアンテナ部を具備してなることを特徴とするICタグのアンテナ。
【請求項2】
前記ループアンテナ部に連結され、対向配置された前記ICタグとの間で無線リンクにより信号伝送を行うICタグ無線リンク部を有してなる請求項1に記載のICタグのアンテナ。
【請求項3】
前記ICタグ無線リンク部が、前記ループアンテナ部に連結され該ループアンテナ部よりも小さい環状に形成された導電性部材からなり、対向配置された前記ICタグとの磁気結合により無線信号伝送を行うものである請求項2に記載のICタグのアンテナ。
【請求項4】
前記ループアンテナ部が、略円筒に形成されたコイル状のアンテナ部である請求項1〜3のいずれかに記載のICタグのアンテナ。
【請求項5】
前記ループアンテナ部が、
複数の線状の導電性部材と、これらをその両端部各々において保持するとともに相互に接続されることにより1又は複数の前記線状の導電性部材の一方の端部各々を他の前記線状の導電性部材の他方の端部に連結させてコイルを形成させる一対のコネクタ部材と、を具備してなる請求項4に記載のICタグのアンテナ。
【請求項6】
前記金属製品が線状の金属部材が略円筒のコイル状に形成された線材コイルである請求項1〜5のいずれかに記載のICタグのアンテナ。
【請求項7】
略円筒状に形成された金属製品がその環状部内側に挿入された金属製のアーム部により吊り上げ搬送される際に、前記金属製品に取り付けられたICタグとの間で該金属製品の内面に沿って形成されたループアンテナ部を介して無線通信を行うことにより前記ICタグに対してデータの読み出し及び/若しくは書き込みを行うICタグアクセス装置のアンテナであって、
前記アーム部の周囲にコイル状に形成されてなることを特徴とするICタグアクセス装置のアンテナ。
【請求項8】
略円筒状に形成された金属製品がその環状部内側に挿入された金属製のアーム部により吊り上げ搬送される際に、ICタグアクセス装置により前記金属製品に取り付けられたICタグとの間で無線通信を行って前記ICタグに対してデータの読み出し及び/若しくは書き込みを行うICタグシステムにおけるアンテナシステムであって、
前記金属製品の略円筒状の内面に沿って形成されたループアンテナ部を備えた前記ICタグのアンテナと、
前記アーム部の周囲にコイル状に形成された前記ICタグアクセス装置のアンテナと、
を具備してなることを特徴とするICタグシステムにおけるアンテナシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2007−156640(P2007−156640A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−348240(P2005−348240)
【出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】