説明

IP電話網における通信システム及び通信方法

【課題】IP電話網において事業所集団電話サービスを提供することが可能なIP電話網における通信システムを提供する。
【解決手段】IP電話網1における通信システムにおいて、IP変換装置20は、事業所集団電話サービスに加入していると判定された電話端末10から出力されたダイヤル数字を受信するダイヤル受信部23と、ダイヤル数字と、電話端末10に固有の番号と、をSIP信号に編集して加入者サーバ30へ送信するSIP編集部24と、を備え、加入者サーバ30は、事業所集団電話サービスに加入している電話端末10からの呼であると判定された場合にアプリケーションサーバ40へSIP信号を送信する呼判定部32を備え、アプリケーションサーバ40は、ダイヤル数字に関連付けられた電話端末10に固有の番号を含むようにSIP信号を変換して加入者サーバ30を介してIP変換装置20へ送信する接続制御部42を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IP電話網における通信システム及び通信方法に関し、より詳細には、事業所集団電話サービスが採用されたIP電話網における通信システム及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
事業所集団電話(CES)サービスは、一の事業所に設けられた複数の電話端末において、内線番号と呼ばれるN桁の番号をダイヤルすることにより、その複数の電話端末間での接続(内線通話)を可能とするサービスである。CESサービスが採用された電話端末において、CESサービス外の電話端末への接続(外線通話)は、「外線発信を示す特殊番号又は記号(以下、単に特殊記号と称する)」をダイヤルした後、通話先の電話番号をダイヤルすることによって行われる。
従来の回線交換電話網(PSTN)において、CESフッキング制御、CESダイヤル受信、CES接続判定、CES接続制御等のCESサービスの実現に必要な機能は、全て加入者交換機に配備されており、加入者交換機が単独で、CESサービス加入電話端末からの外線発信、CESサービス加入電話端末間での内線接続等のサービスを実現している(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】”IPセントレックス” [on line][平成22年1月15日検索]、インターネット<URL:http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NCC/denwa/20050211/10/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記したCESサービスは、PSTNで提供されているサービスであり、IP電話網においても同様のサービスを提供することが望まれている。
【0005】
本発明は、前記した事情に鑑みて創案されたものであり、IP電話網において事業所集団電話サービスを提供することが可能なIP電話網における通信システム及び通信方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は、複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと通信可能に接続されたアプリケーションサーバと、を備えるIP電話網における通信システムであって、前記IP変換装置は、前記電話端末が事業所集団電話サービスに加入しているか否かが記憶されるサービス加入記憶部と、前記複数の電話端末における発側の電話端末から送信されたオフフック信号を取得した場合に、前記サービス加入記憶部を参照して当該発側の電話端末が前記事業所集団電話サービスに加入しているか否かを判定するフッキング制御部と、加入していると判定された前記発側の電話端末から出力されたダイヤル数字を受信するダイヤル受信部と、前記ダイヤル受信部によって受信された前記ダイヤル数字と、前記発側の電話端末に固有の番号と、をSIP信号に編集して前記加入者サーバへ送信するSIP編集部と、を備え、前記加入者サーバは、前記事業者集団電話サービスに加入している前記電話端末に固有の番号が記憶される電話端末番号記憶部と、前記SIP信号に含まれる前記電話端末に固有の番号に基づいて前記電話端末番号記憶部を参照し、前記事業所集団電話サービスに加入している電話端末からの呼であるか否かを判定し、前記事業所集団電話サービスに加入している電話端末からの呼であると判定された場合に前記アプリケーションサーバへ前記SIP信号を送信する呼判定部と、を備え、前記アプリケーションサーバは、前記ダイヤル数字と前記電話端末に固有の番号とが関連付けて記憶される記憶部と、前記SIP信号に含まれる前記ダイヤル数字に基づいて前記記憶部を参照して、前記ダイヤル数字に関連付けられた前記電話端末に固有の番号を含むように前記SIP信号を変換し、変換済みSIP信号を前記加入者サーバを介して前記IP変換装置へ送信する接続制御部と、を備え、前記IP変換装置は、さらに、前記加入者サーバから受信した前記変換済みSIP信号に基づいて、前記複数の電話端末における着側の電話端末の収容位置を抽出する収容位置抽出部と、前記変換済みSIP信号に基づいて、前記着側の電話端末が前記事業所集団電話サービスを用いて呼び出されたか否かを判定し、前記事業所集団電話サービスを用いて呼び出された場合に、抽出された前記収容位置に基づいて、前記着側の電話端末を呼び出す決定部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、を備えるIP電話網における通信システムであって、前記IP変換装置は、前記電話端末が事業所集団電話サービスに加入しているか否かが記憶されるサービス加入記憶部と、前記複数の電話端末における発側の電話端末から送信されたオフフック信号を取得した場合に、前記サービス加入記憶部を参照して当該発側の電話端末が前記事業所集団電話サービスに加入しているか否かを判定するフッキング制御部と、加入していると判定された前記発側の電話端末から出力されたダイヤル数字を受信するダイヤル受信部と、前記ダイヤル受信部によって受信された前記ダイヤル数字と、前記発側の電話端末に固有の番号と、をSIP信号に編集して前記加入者サーバへ送信するSIP編集部と、を備え、前記加入者サーバは、前記事業者集団電話サービスに加入している前記電話端末に固有の番号が記憶される電話端末番号記憶部と、前記SIP信号に含まれる前記電話端末に固有の番号に基づいて前記電話端末番号記憶部を参照し、前記事業所集団電話サービスに加入している電話端末からの呼であるか否かを判定する呼判定部と、前記ダイヤル数字と前記電話端末に固有の番号とが関連付けて記憶される記憶部と、前記事業所集団電話サービスに加入している電話端末からの呼であると判定された場合に、前記SIP信号に含まれる前記ダイヤル数字に基づいて前記記憶部を参照して、前記ダイヤル数字に関連付けられた前記電話端末に固有の番号を含むように前記SIP信号を変換し、変換済みSIP信号を前記IP変換装置へ送信する接続制御部と、を備え、前記IP変換装置は、さらに、前記加入者サーバから受信した前記変換済みSIP信号に基づいて、前記複数の電話端末における着側の電話端末の収容位置を抽出する収容位置抽出部と、前記変換済みSIP信号に基づいて、前記着側の電話端末が前記事業所集団電話サービスを用いて呼び出されたか否かを判定し、前記事業所集団電話サービスを用いて呼び出された場合に、抽出された前記収容位置に基づいて、前記着側の電話端末を呼び出す決定部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
前記フッキング制御部は、抽出された前記収容位置の前記着側の電話端末以外の電話端末から送信されたオフフック信号を取得した場合に、前記サービス加入記憶部を参照して当該電話端末が前記事業所集団電話サービスに加入しているか否かを判定し、前記ダイヤル受信部は、加入していると判定された前記電話端末から出力されたダイヤル数字を受信し、前記SIP編集部は、前記ダイヤル受信部によって受信された前記ダイヤル数字と、当該電話端末に固有の発信者番号と、をSIP信号に編集して前記呼判定部を介して前記接続制御部へ送信し、前記接続制御部は、受信した前記SIP信号に基づいて、前記着側の電話端末に代えて、前記オフフック信号を送信した電話端末を着側として指定し、その旨を前記呼判定部を介して前記決定部へ送信する構成であってもよい。
【0009】
また、前記フッキング制御部は、通話中の電話端末から送信されたフッキング信号を取得した場合に、前記サービス加入記憶部を参照して前記フッキング信号を送信した電話端末が前記事業所集団電話サービスに加入しているか否かを判定し、前記ダイヤル受信部は、加入していると判定された前記フッキング信号を送信した電話端末から送信された内線番号を取得し、前記SIP編集部は、前記ダイヤル受信部によって受信された前記内線番号と、前記フッキング信号を送信した電話端末に固有の番号と、をSIP信号に編集して前記接続制御部へ送信し、前記接続制御部は、受信した前記SIP信号に基づいて、前記フッキング信号を送信した電話端末に代えて、前記内線番号に対応する電話端末を転送先として指定し、その旨を前記呼判定部を介して前記決定部へ送信する構成であってもよい。
【0010】
また、本発明は、複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと通信可能に接続されたアプリケーションサーバと、を備えるIP電話網における通信方法であって、前記IP変換装置が、前記複数の電話端末における発側の電話端末から送信されたオフフック信号を取得した場合に、前記電話端末が事業所集団電話サービスに加入しているか否かが記憶されるサービス加入記憶部を参照して当該発側の電話端末が前記事業所集団電話サービスに加入しているか否かを判定するステップと、前記IP変換装置が、加入していると判定された前記発側の電話端末から出力されたダイヤル数字を受信するステップと、前記IP変換装置が、前記ダイヤル受信部によって受信された前記ダイヤル数字と、前記発側の電話端末に固有の番号と、をSIP信号に編集して前記加入者サーバへ送信するステップと、前記加入者サーバが、前記SIP信号に含まれる前記電話端末に固有の番号に基づいて、前記事業者集団電話サービスに加入している前記電話端末に固有の番号が記憶される電話端末番号記憶部を参照し、前記事業所集団電話サービスに加入している電話端末からの呼であるか否かを判定し、前記事業所集団電話サービスに加入している電話端末からの呼であると判定された場合に前記アプリケーションサーバへ前記SIP信号を送信するステップと、前記アプリケーションサーバが、前記SIP信号に含まれる前記ダイヤル数字に基づいて、前記ダイヤル数字と前記電話端末に固有の番号とが関連付けて記憶される記憶部を参照して、前記ダイヤル数字に関連付けられた前記電話端末に固有の番号を含むように前記SIP信号を変換し、変換済みSIP信号を前記加入者サーバを介して前記IP変換装置へ送信するステップと、前記IP変換装置が、前記加入者サーバから受信した前記変換済みSIP信号に基づいて、前記複数の電話端末における着側の電話端末の収容位置を抽出するステップと、前記IP変換装置が、前記変換済みSIP信号に基づいて、前記着側の電話端末が前記事業所集団電話サービスを用いて呼び出されたか否かを判定し、前記事業所集団電話サービスを用いて呼び出された場合に、抽出された前記収容位置に基づいて、前記着側の電話端末を呼び出すステップと、を含むことを特徴とする。
【0011】
前記IP変換装置が、抽出された前記収容位置の前記着側の電話端末以外の電話端末から送信されたオフフック信号を取得した場合に、前記サービス加入記憶部を参照して当該電話端末が前記事業所集団電話サービスに加入しているか否かを判定するステップと、前記IP変換装置が、加入していると判定された当該電話端末から出力されたダイヤル数字を受信するステップと、前記IP変換装置が、前記ダイヤル受信部によって受信された前記ダイヤル数字と、当該電話端末に固有の発信者番号と、をSIP信号に編集して前記加入者サーバを介して前記アプリケーションサーバへ送信するステップと、前記アプリケーションサーバが、受信した前記SIP信号に基づいて、前記着側の電話端末に代えて、前記オフフック信号を送信した電話端末を着側として指定し、その旨を前記加入者サーバを介して前記IP変換装置へ送信するステップと、をさらに含み構成であってもよい。
【0012】
また、前記IP変換装置が、通話中の電話端末から送信されたフッキング信号を取得した場合に、前記サービス加入記憶部を参照して前記フッキング信号を送信した電話端末が前記事業所集団電話サービスに加入しているか否かを判定するステップと、前記IP変換装置が、加入していると判定された前記フッキング信号を送信した電話端末から送信された内線番号を取得するステップと、前記IP変換装置が、前記ダイヤル受信部によって受信された前記内線番号と、前記フッキング信号を送信した電話端末に固有の番号と、をSIP信号に編集して前記加入者サーバを介して前記アプリケーションサーバへ送信するステップと、前記アプリケーションサーバが、受信した前記SIP信号に基づいて、前記フッキング信号を送信した電話端末に代えて、前記内線番号に対応する電話端末を転送先として指定し、その旨を前記加入者サーバを介して前記IP変換装置へ送信するステップと、をさらに含む構成であってもよい。
【0013】
また、本発明は、複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、を備えるIP電話網における通信方法であって、前記IP変換装置が、前記複数の電話端末における発側の電話端末から送信されたオフフック信号を取得した場合に、前記電話端末が事業所集団電話サービスに加入しているか否かが記憶されるサービス加入記憶部を参照して当該発側の電話端末が前記事業所集団電話サービスに加入しているか否かを判定するステップと、前記IP変換装置が、加入していると判定された前記発側の電話端末から出力されたダイヤル数字を受信するステップと、前記IP変換装置が、前記ダイヤル受信部によって受信された前記ダイヤル数字と、前記発側の電話端末に固有の番号と、をSIP信号に編集して前記加入者サーバへ送信するステップと、前記加入者サーバが、前記SIP信号に含まれる前記電話端末に固有の番号に基づいて、前記事業者集団電話サービスに加入している前記電話端末に固有の番号が記憶される電話端末番号記憶部を参照し、前記事業所集団電話サービスに加入している電話端末からの呼であるか否かを判定するステップと、前記事業所集団電話サービスに加入している電話端末からの呼であると判定された場合に、前記加入者サーバが、前記SIP信号に含まれる前記ダイヤル数字に基づいて、前記ダイヤル数字と前記電話端末に固有の番号とが関連付けて記憶される記憶部を参照して、前記ダイヤル数字に関連付けられた前記電話端末に固有の番号を含むように前記SIP信号を変換し、変換済みSIP信号を前記IP変換装置へ送信するステップと、前記IP変換装置が、前記加入者サーバから受信した前記変換済みSIP信号に基づいて、前記複数の電話端末における着側の電話端末の収容位置を抽出するステップと、前記IP変換装置が、前記変換済みSIP信号に基づいて、前記着側の電話端末が前記事業所集団電話サービスを用いて呼び出されたか否かを判定し、前記事業所集団電話サービスを用いて呼び出された場合に、抽出された前記収容位置に基づいて、前記着側の電話端末を呼び出すステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
前記IP変換装置が、抽出された前記収容位置の前記着側の電話端末以外の電話端末から送信されたオフフック信号を取得した場合に、前記サービス加入記憶部を参照して当該電話端末が前記事業所集団電話サービスに加入しているか否かを判定するステップと、前記IP変換装置が、加入していると判定された当該電話端末から出力されたダイヤル数字を受信するステップと、前記IP変換装置が、前記ダイヤル受信部によって受信された前記ダイヤル数字と、当該電話端末に固有の発信者番号と、をSIP信号に編集して前記加入者サーバへ送信するステップと、前記加入者サーバが、受信した前記SIP信号に基づいて、前記着側の電話端末に代えて、前記オフフック信号を送信した電話端末を着側として指定し、その旨を前記IP変換装置へ送信するステップと、をさらに含む構成であってもよい。
【0015】
また、前記IP変換装置が、通話中の電話端末から送信されたフッキング信号を取得した場合に、前記サービス加入記憶部を参照して前記フッキング信号を送信した電話端末が前記事業所集団電話サービスに加入しているか否かを判定するステップと、前記IP変換装置が、加入していると判定された前記フッキング信号を送信した電話端末から送信された内線番号を取得するステップと、前記IP変換装置が、前記ダイヤル受信部によって受信された前記内線番号と、前記フッキング信号を送信した電話端末に固有の番号と、をSIP信号に編集して前記加入者サーバへ送信するステップと、前記加入者サーバが、受信した前記SIP信号に基づいて、前記フッキング信号を送信した電話端末に代えて、前記内線番号に対応する電話端末を転送先として指定し、その旨を前記IP変換装置へ送信するステップと、をさらに含む構成であってもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、IP電話網において事業所集団電話サービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第一の実施形態に係るIP電話網を模式的に示す図である。
【図2】本発明の第一の実施形態に係るIP変換装置、加入者サーバ及びアプリケーションサーバを示すブロック図である。
【図3】本発明の第一の実施形態に係るIP電話網の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の第一の実施形態に係るIP電話網の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の第一の実施形態に係るIP電話網の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の第一の実施形態に係るIP電話網の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の第一の実施形態に係るIP電話網の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の第一の実施形態に係るIP電話網の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の第二の実施形態に係るIP変換装置及び加入者サーバを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。同様の部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0019】
<第一の実施形態>
まず、本発明の第一の実施形態に係るIP電話網について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、本発明の第一の実施形態に係るIP電話網を模式的に示す図である。図2は、本発明の第一の実施形態に係るIP変換装置及び加入者サーバを示すブロック図である。
【0020】
<IP電話網>
図1に示すように、本発明の第一の実施形態に係るIP電話網1は、複数の電話端末10−1,10−2と、各電話端末10−1,10−2と通信可能に接続されたIP変換装置20と、IP変換装置20と通信可能に接続された加入者サーバ30と、加入者サーバ30と通信可能に接続されたアプリケーションサーバ40と、を備える。
【0021】
≪電話端末≫
電話端末10(10−1,10−2)は、事業所等に設置される据置型の電話機等であり、着呼音等を発するためのスピーカ、電話番号等を表示するためのディスプレイ、受話器が架けられるフック、及び電話番号等を入力するためのボタンを有する本体部と、通話用のマイク及びスピーカを有する受話器と、を備える。ユーザが電話端末10の受話器をフックから上げると、電話端末10は、オフフック信号をIP変換装置20へ送信する。また、ユーザが電話端末10の受話器を一定時間(例えば、0.3〜1.0秒)だけフック上に置いてフックから上げると、電話端末10は、フッキング信号をIP変換装置20へ送信する。
【0022】
≪IP変換装置≫
IP変換装置20は、アナログ端末又はISDN端末である電話端末から送信された音声信号等をIPパケット化し、IPパケット化済み信号を通話先の電話端末に接続されたIP変換装置へ送信したり、通話先の電話端末に接続されたIP変換装置から送信されたIPパケット化済み信号を受信し、受信されたIPパケット化済み信号を復号して電話端末10へ送信したりする装置である。
【0023】
図2に示すように、IP変換装置20は、機能部として、記憶部21と、フッキング制御部22と、ダイヤル受信部23と、SIP編集部24と、収容位置抽出部25と、決定部26と、を備える。
【0024】
記憶部21は、電話端末10が事業所集団電話サービスに加入しているか否かが記憶されるサービス加入DB(Data Base)21aと、PDT(Primary Dial Tone)音源21bと、DT(Dial Tone)音源21cと、ダイヤル数字の受信桁数を決定するための情報である発信プリトラ21dと、SIR音源21eと、IR音源21fと、SDT(Second Dial Tone)音源21gと、CESメロディ音源21hと、RBT(Ring Back Tone)音源21iと、を備える。
【0025】
フッキング制御部22は、電話端末10から送信されたオフフック信号及びフッキング信号のいずれかを受信した場合に、サービス加入DB21aを参照して、記憶部21内の音源のいずれかに記憶された信号を電話端末10へ送信する。
本実施形態において、フッキング制御部22は、電話端末10から送信されたオフフック信号を受信した場合に、サービス加入DB21aを参照して電話端末10が事業所集団電話サービスに加入しているか否かを判定し、加入していると判定された場合に当該電話端末10に対してPDT音源21bに記憶されたPDTを送信し、加入していないと判定された場合に当該電話端末10に対してDT音源21cに記憶されたDTを送信する。
PDTを取得した電話端末10は、PDT音を発音し、DTを取得した電話端末10は、DT音を発音する。
【0026】
ダイヤル受信部23は、電話端末10から送信されたダイヤル数字を受信するとともに、発信プリトラ21dに基づいてダイヤル数字の受信桁数を決定する。
【0027】
SIP編集部24は、ダイヤル受信部23によって受信されたダイヤル数字と、発側の電話端末に固有の番号と、をSIP信号に編集して加入者サーバ30へ送信する。
【0028】
収容位置抽出部25及び決定部26に関しては、後で説明する。
【0029】
≪加入者サーバ≫
加入者サーバ30は、機能部として、記憶部31と、呼判定部32と、を備える。
【0030】
記憶部31は、事業者集団電話サービスに加入している前記電話端末に固有の番号が記憶されるサービス加入DB(電話端末番号記憶部)31aを備える。
【0031】
呼判定部32は、SIP信号に含まれる電話端末に固有の番号に基づいてサービス加入DB31aを参照し、事業所集団電話サービスに加入している電話端末からの呼であるか否かを判定し、事業所集団電話サービスに加入している電話端末からの呼であると判定された場合にアプリケーションサーバ40へSIP信号を送信する。
【0032】
≪アプリケーションサーバ≫
アプリケーションサーバ40は、機能部として、記憶部41と、接続制御部42と、を備える。
【0033】
記憶部41は、ダイヤル数字と電話端末に固有の番号とが関連付けて記憶されるとともに、当該電話端末に固有の番号と、事業所集団電話サービスのサービス内容(例えば、外線直接発信を規制するか否か)とが関連付けて記憶されるサービス内容DB41aを備える。
【0034】
接続制御部42は、SIP信号に含まれるダイヤル数字に基づいてサービス内容DB41aを参照して、ダイヤル数字に関連付けられた電話端末に固有の番号を含むようにSIP信号を変換し、変換済みSIP信号を加入者サーバを介してIP変換装置へ送信する。
【0035】
≪IP変換装置≫
ここで、IP変換装置20に関する説明に戻る。収容位置抽出部25は、加入者サーバ30から受信した変換済みSIP信号に基づいて、複数の電話端末10−1,10−2における着側の電話端末の収容位置を抽出する。
【0036】
決定部26は、変換済みSIP信号に基づいて、着側の電話端末が事業所集団電話サービスを用いて呼び出されたか否かを判定し、事業所集団電話サービスを用いて呼び出された場合に、抽出された収容位置に基づいて、着側の電話端末を呼び出す。
【0037】
≪内線通話≫
続いて、IP通話網1における内線通話の例について、図3を参照して説明する。まず、電話端末10−1のユーザが受話器を上げると、電話端末10−1は、オフフック信号をIP変換装置20へ送信する(ステップS1)。
【0038】
続いて、IP変換装置20のフッキング制御部22は、オフフック信号を受信し、サービス加入DB21aを参照して電話端末10−1が事業所集団電話サービスに加入しているか否かを判定する(CES契約判定。ステップS2)。本実施形態では、フッキング制御部22は、加入していると判定し、当該電話端末10−1に対してPDT音源21bに記憶されたPDTを送信する(ステップS3)。例えば、フッキング制御部22は、記憶部21に記憶された、電話端末に固有の番号と収容位置(加入者が収容されている物理的な位置を指し示す番号)が関連付けられたDB(図示せず)をオフフック信号を受信した収容位置に基づいて参照することによって、電話端末に固有の番号を抽出し、抽出された番号に基づいて、サービス加入DB21aを参照することができる。
【0039】
続いて、電話端末10−1のユーザがボタンを操作して電話端末10−2の内線番号を入力すると、電話端末10−1は、当該内線番号(ダイヤル信号)をIP変換装置20へ送信する(ステップS4)。
【0040】
続いて、IP変換装置20のダイヤル受信部23がダイヤル信号を受信すると、IP変換装置20のSIP編集部24は、着番号に「内線番号」、発番号に「発信電話端末の電話番号」が設定されたINVITE信号を生成し(SIP編集。ステップS5)、加入者サーバ30へ送信する(ステップS6)。例えば、ダイヤル受信部23は、記憶部21に記憶された、電話端末に固有の番号と収容位置(加入者が収容されている物理的な位置を指し示す番号)が関連付けられたDB(図示せず)をダイヤル信号を受信した収容位置に基づいて参照することによって、電話端末に固有の番号を抽出し、抽出された番号に基づいて、SIP信号としてのINVITE信号を生成することができる。
【0041】
続いて、加入者サーバ30の呼判定部32は、INVITE信号を受信すると、INVVITE信号に含まれる発番号に基づいてサービス加入DB31aを参照し、サービスに加入している電話端末からの呼であるか否かを判定する(CES呼判定。ステップS7)。本実施形態では、呼判定部32は、加入している電話端末からの呼であると判定し、INVITE信号をアプリケーションサーバ40へ送信する(ステップS8)。
【0042】
続いて、アプリケーションサーバ40の接続制御部42は、INVITE信号を受信すると、INVITE信号に含まれる着番号に基づいて、当該呼が内線発信であることを認識するとともに、サービス内容DB41aに記憶されている内線番号と電話番号との関係を参照して、内線番号に対応する電話端末の電話番号、及び、発信電話端末の電話番号に対応する内線番号」を抽出する。そして、接続制御部42は、着番号に「内線番号に対応する電話番号」、発番号に「発信電話端末の電話番号に対応する内線番号」、内外表示に「内線」が設定されたINVITE信号を生成し(CES接続制御。ステップS9)、加入者サーバ30へ送信する(ステップS10)。
【0043】
続いて、加入者サーバ30の呼判定部32は、INVITE信号を受信すると、INVITE信号をIP変換装置20へ転送する(ステップS11)。
【0044】
続いて、IP変換装置20の収容位置抽出部25は、INVITE信号を受信すると、INVITE信号に含まれる着番号に基づいて電話端末10−2の収容位置を抽出し(収容位置抽出。ステップS12)、抽出された収容位置及びINVITE信号を決定部26へ出力する。例えば、収容位置抽出部25は、公知のように、記憶部21に記憶された、電話端末に固有の番号と収容位置(加入者が収容されている物理的な位置を指し示す番号)が関連付けられたDB(図示せず)を着番号に基づいて参照することによって、収容位置を抽出することができる。
【0045】
続いて、決定部26は、収容位置及びINVITE信号を受信すると、INVITE信号に含まれる内外表示に基づいて、SIR及びIRのどちらを送信するかを決定する。本実施形態では、決定部は、SIRを送信すると決定し、電話端末10−2へSIRを送信する(ステップS13)。
【0046】
続いて、電話端末10−2のユーザが受話器を上げると、電話端末10−2は、オフフック信号をIP変換装置20へ送信する(ステップS14)。これらの動作によって、電話端末10−1と電話端末10−2とが内線通話可能となる(通話中。ステップS15)。
【0047】
≪外線発信≫
続いて、IP通話網1における外線発信の例について、図4を参照して説明する。なお、この例において、SIP信号(INVITE信号等)は、その信号において伝達すべきデータを含むことが可能なIP上の信号に変更可能である。まず、電話端末10−1のユーザが受話器を上げると、電話端末10−1は、オフフック信号をIP変換装置20へ送信する(ステップS21)。
【0048】
続いて、IP変換装置20のフッキング制御部22は、オフフック信号を受信し、サービス加入DB21aを参照して電話端末10−1が事業所集団電話サービスに加入しているか否かを判定する(CES契約判定。ステップS22)。本実施形態では、フッキング制御部22は、加入していると判定し、当該電話端末10−1に対してPDT音源21bに記憶されたPDTを送信する(ステップS23)。
【0049】
続いて、電話端末10−1のユーザがボタンを操作して、外線発信を示す特殊番号に続いて通話先の電話端末の電話番号を入力すると、電話端末10−1は、当該電話番号(ダイヤル信号)をIP変換装置20へ送信する(ステップS24)。
【0050】
続いて、IP変換装置20のダイヤル受信部23がダイヤル信号を受信すると、IP変換装置20のSIP編集部24は、着番号に「特殊番号+電話番号」、発番号に「発信電話端末の電話番号」が設定されたINVITE信号を生成し(SIP編集。ステップS25)、加入者サーバ30へ送信する(ステップS26)。
【0051】
続いて、加入者サーバ30の呼判定部32は、INVITE信号を受信すると、INVVITE信号に含まれる発番号に基づいてサービス加入DB31aを参照し、サービスに加入している電話端末からの呼であるか否かを判定する(CES呼判定。ステップS27)。本実施形態では、呼判定部32は、加入している電話端末からの呼であると判定し、INVITE信号をアプリケーションサーバ40へ送信する(ステップS28)。
【0052】
続いて、アプリケーションサーバ40の接続制御部42は、INVITE信号を受信すると、INVITE信号に含まれる着番号に基づいて、当該呼が外線発信であることを認識するとともに、着番号に「電話番号」、発番号に「発信電話端末の電話番号」が設定されたINVITE信号を生成し(CES接続制御。ステップS29)、加入者サーバ30へ送信する(ステップS30)。
【0053】
続いて、加入者サーバ30の呼判定部32は、INVITE信号を受信すると、INVITE信号を中継サーバ50へ転送する(ステップS31)。
【0054】
≪外線着信≫
続いて、IP通話網1における外線発信の例について、図5を参照して説明する。なお、この例において、SIP信号(INVITE信号等)は、その信号において伝達すべきデータを含むことが可能なIP上の信号に変更可能である。まず、加入者サーバ30の呼判定部32は、中継サーバ50から転送されたINVITE信号を受信すると(ステップS41)、INVVITE信号に含まれる着番号に基づいてサービス加入DB31aを参照し、サービスに加入している電話端末への呼であるか否かを判定する(CES呼判定。ステップS42)。本実施形態では、呼判定部32は、加入している電話端末へ呼であると判定し、INVITE信号をアプリケーションサーバ40へ転送する(ステップS43)。
【0055】
続いて、アプリケーションサーバ40の接続制御部42は、INVITE信号を受信すると、サービス内容DB41aに記憶された、外線着信を許容するか否か等のサービス条件にしたがい、次の動作(着信、切断等)を決定する。本実施形態では、接続制御部42は、着番号に「電話番号」、発番号に「発信電話端末の電話番号」、内外表示に「外線発信」が設定されたINVITE信号を生成し(CES接続制御。ステップS44)、INVITE信号を加入者サーバ30へ送信する(ステップS45)。
【0056】
続いて、加入者サーバ30の呼判定部32は、INVITE信号を受信すると、INVITE信号をIP変換装置20へ転送する(ステップS46)。
【0057】
続いて、IP変換装置20の収容位置抽出部25は、INVITE信号を受信すると、INVITE信号に含まれる着番号に基づいて電話端末10−2の収容位置を抽出し(収容位置抽出。ステップS47)、抽出された収容位置及びINVITE信号を決定部26へ出力する。
【0058】
続いて、決定部26は、収容位置及びINVITE信号を受信すると、INVITE信号に含まれる内外表示に基づいて、SIR及びIRのどちらを送信するかを決定する。本実施形態では、決定部26は、IRを送信すると決定し、電話端末10−2へIRを送信する(ステップS48)。
【0059】
続いて、電話端末10−2のユーザが受話器を上げると、電話端末10−2は、オフフック信号をIP変換装置20へ送信する(ステップS49)。これらの動作によって、電話端末10−2と外線発信を行った電話端末10−3とが外線通話可能となる(通話中。ステップS50)。
【0060】
≪コールピックアップ≫
続いて、IP通話網1におけるコールピックアップの例について、図6及び図7を参照して説明する。なお、コールピックアップとは、事業所集団サービスに加入している複数の電話端末10−1,10−2において、電話端末10−2が他の電話端末10−3からの呼び出しに応答しない場合に、電話端末10−1が代理として応答するための機能である。
【0061】
電話端末10−3のユーザがボタンを操作して、通話先の電話端末(電話端末10−2)の電話番号を入力すると、電話端末10−3は、当該電話番号(ダイヤル信号)をIP変換装置20へ送信する(ステップS61)。
【0062】
続いて、IP変換装置20のダイヤル受信部23がダイヤル信号を受信すると、IP変換装置23のSIP編集部24は、着番号に「通話先の電話端末(電話端末10−2)の電話番号」、発番号に「電話端末10−3の電話番号」が設定されたINVITE信号を生成し、加入者サーバ30へ送信する(ステップS62)。かかるINVITE信号は、電話端末10−1,10−2側の加入者サーバ30、アプリケーションサーバ40及び加入者サーバ30を順に介して電話端末10−1,10−2側のIP変換装置20へ転送される(ステップS63〜S66)。
【0063】
続いて、IP変換装置20の収容位置抽出部25は、INVITE信号を受信すると、INVITE信号に含まれる着番号に基づいて電話端末10−2の収容位置を抽出し、抽出された収容位置及びINVITE信号を決定部26へ出力する。
【0064】
続いて、決定部26は、収容位置及びINVITE信号を受信すると、INVITE信号に含まれる内外表示に基づいて、SIR及びIRのどちらを送信するかを決定する。本実施形態では、決定部は、IRを送信すると決定し、電話端末10−2へIRを送信する(ステップS67)。また、IP決定部26は、INVITE信号に対する応答信号を、加入者サーバ30へ送信する(ステップS68)。かかる応答信号は、INVITE信号に基づいて、電話端末10−2,10−3の電話番号を含むように生成された信号であり、アプリケーションサーバ40、加入者サーバ30及び電話端末10−3側の加入者サーバ30を順に介して電話端末10−3側のIP変換装置20へ転送される(ステップS68〜S72)。ここで、ステップS70〜S72において転送される応答信号は、RBTを電話端末10−3へ送信するための暫定的な応答信号である。続いて、IP変換装置20の決定部26は、応答信号を受信すると、RBT音源21iに記憶されたRBTを電話端末10−3へ送信する(ステップS73)。
【0065】
続いて、電話端末10−1のユーザが受話器を上げると、電話端末10−1は、オフフック信号をIP変換装置20へ送信する(ステップS74)。
【0066】
続いて、IP変換装置20のフッキング制御部22は、オフフック信号を受信し、サービス加入DB21aを参照して電話端末10−1が事業所集団電話サービスに加入しているか否かを判定する(CES契約判定。ステップS75)。本実施形態では、フッキング制御部22は、加入していると判定し、当該電話端末10−1に対してPDT音源21bに記憶されたPDTを送信する(ステップS76)。
【0067】
続いて、電話端末10−1のユーザがボタンを操作して、特殊番号(着信内線番号無指定の場合は、101、着信内線番号指定の場合は、109+内線番号)を入力すると、電話端末10−1は、当該特殊番号(ダイヤル信号)をIP変換装置20へ送信する(ステップS77)。
【0068】
続いて、IP変換装置20のダイヤル受信部23がダイヤル信号を受信すると、IP変換装置20のSIP編集部24は、着番号に「特殊番号」、発番号に「発信電話端末の電話番号」が設定されたINVITE信号を生成し、加入者サーバ30へ送信する(ステップS78)。
【0069】
続いて、加入者サーバ30の呼判定部32は、INVITE信号を受信すると、INVVITE信号に含まれる発番号に基づいてサービス加入DB31aを参照し、サービスに加入している電話端末からの呼であるか否かを判定する。本実施形態では、呼判定部32は、加入している電話端末からの呼であると判定し、INVITE信号をアプリケーションサーバ40へ転送する(ステップS79)。
【0070】
続いて、アプリケーションサーバ40の接続制御部42は、INVITE信号を受信すると、INVITE信号に含まれる着番号に基づいて、当該呼がコールピックアップであることを認識するとともに、INVITE信号に含まれる発番号に基づいて、コールピックアップの動作の許容判定を行い、動作許容と判定された場合には、呼出中である電話端末10−2を特定し(ピックアップ特番認識、呼出中電話端末特定。ステップS80)、電話端末10−2とアプリケーションサーバ40との間のセッションを開放するため、ステップS79で転送されたINVIE信号等に基づいて、電話端末10−2の電話番号を含むように生成された信号であるCANCEL信号を加入者サーバ30へ送信する(ステップS81)。
【0071】
続いて、加入者サーバ30の呼判定部32は、CANCEL信号を受信すると、セッションを開放するとともに、CANCEL信号をIP変換装置20へ転送する(ステップS82)。
【0072】
続いて、IP変換装置20の収容位置抽出部25は、CANCEL信号を受信すると、決定部26へ出力し、IP変換装置20の決定部26は、CANCEL信号を取得すると、電話端末10−2へのIRの送信を停止し、CANCEL信号に対する応答信号を加入者サーバ30へ送信する(ステップS83)。かかる応答信号は、CANCEL信号に基づいて、電話端末10−2の電話番号を含むように生成された信号であり、アプリケーションサーバ40へ転送される(ステップS84)。
【0073】
続いて、アプリケーションサーバ40の接続制御部42は、加入者サーバ30へUPDATE信号を送信する(ステップS85)。かかるUPDATE信号は、ステップS78,S79におけるINVITE信号に対応して送信される信号であって、かかるINVITE信号等に基づいて、電話端末10−1,10−3の電話番号を含む信号であり、電話端末10−3側の加入者サーバ30を介して電話端末10−3側のIP変換装置20へ転送される(ステップS86,S87)。
【0074】
続いて、IP変換装置20のSIP編集部24は、UPDATE信号を受信すると、UPDATE信号に対する応答信号を加入者サーバ30へ送信する(ステップS88)。かかる応答信号は、UPDATE信号に基づいて、電話端末10−1,10−3の電話番号を含む信号であり、電話端末10−1,10−2側の加入者サーバ30を介してアプリケーションサーバ40へ送信される(ステップS89,S90)。
【0075】
なお、ステップS85〜S90は、ステップS68〜S72における応答信号においてSDP(Session Description Protocol)が用いられていない場合には、省略可能である。
なお、本実施形態に係る通信システムは、発側(電話端末10−3側)のIP変換装置20と着側(電話端末10−1,10−2側)のIP変換装置20との区間においてSIPにより通話セッションを確立するが、セッション確立するためのネゴシエーションにおいて、各IP変換装置20のIP側のインターフェースに設定されるIPアドレス、UDP(User Datagram Protocol)のポート番号等を互いにやり取りする必要があり、その時に使用されるプロトコルがSDPである。かかるSDPは、SIP(Session Initiation Protocol)のペイロード部分に付加される。
【0076】
続いて、アプリケーションサーバ40の接続制御部42は、INVITE信号を電話端末10−1,10−2側の加入者サーバ30へ送信する(ステップS91)。かかるINVITE信号は、着番号に「通話先の電話端末(電話端末10−1)の電話番号」、発番号に「電話端末10−3の電話番号」が設定された信号であり、電話端末10−1,10−2側のIP変換装置20へ転送される(ステップS92)。また、アプリケーションサーバ40の接続制御部42は、ステップS78,S78におけるINVITE信号に対応する応答信号を電話端末10−1,10−2側の加入者サーバ30へ送信する(ステップS93)。かかる応答信号は、ステップS79で転送されたINVITE信号に基づいて、電話端末10−1,10−3の電話番号を含むように生成された信号であり、電話端末10−3側の加入者サーバ30を介して電話端末10−3側のIP変換装置20へ転送される(ステップS94,S95)。
【0077】
続いて、電話端末10−3側のIP変換装置20の収容位置抽出部25は、応答信号を受信すると、応答信号に含まれる電話番号に基づいて電話端末10−3の収容位置を抽出し、抽出された収容位置及び応答信号を決定部26へ出力し、IP変換装置20の決定部26は、応答信号を他の電話端末10−3へ送信し(ステップS96)、これらの動作によって、電話端末10−2に代えて電話端末10−1を着側の電話端末として指定し、電話端末10−1と電話端末10−3とが外線通話可能となる(通話中。ステップS97)。
【0078】
≪転送≫
続いて、IP通話網1における転送の例について、図8を参照して説明する。なお、この例において、SIP信号(INVITE信号等)は、その信号において伝達すべきデータを含むことが可能なIP上の信号に変更可能である。電話端末10−1と電話端末10−3とが外線通話可能な状態において(通話中。ステップS101)、電話端末10−1のユーザが一定時間(例えば、0.3〜1.0秒)だけフック上に置いてフックから上げると、電話端末10−1は、フッキング信号をIP変換装置20へ送信する(ステップS102)。
【0079】
続いて、IP変換装置20のフッキング制御部22は、フッキング信号を受信し、サービス加入DB21aを参照して電話端末10−1が事業所集団電話サービスに加入しているか否かを判定する。本実施形態では、フッキング制御部22は、加入していると判定し、当該電話端末10−1に対してSDT音源21hに記憶されたSDTを送信する(ステップS103)とともに、電話端末10−3に対して、CESメロディ音源21gに記憶されたCESメロディを送信する(ステップS104)。例えば、フッキング制御部22は、記憶部21に記憶された、電話端末に固有の番号と収容位置(加入者が収容されている物理的な位置を指し示す番号)が関連付けられたDB(図示せず)をフッキング信号を受信した収容位置に基づいて参照することによって、電話端末に固有の番号を抽出し、抽出された番号に基づいて、サービス加入DB21aを参照することができる。
【0080】
続いて、電話端末10−1のユーザがボタンを操作して、転送先の内線番号(例えば、電話端末10−2の内線番号)を入力すると、電話端末10−1は、当該内線番号(ダイヤル信号)をIP変換装置20へ送信する(ステップS75)。
【0081】
続いて、IP変換装置20のダイヤル受信部23がダイヤル信号を受信すると、IP変換装置20のSIP編集部24は、着番号に「転送先の内線番号」、発番号に「発信電話端末の電話番号」が設定されたINVITE信号を生成し、加入者サーバ30へ送信する(ステップS106)。このようにすることで、電話端末10−2が転送先として指定されることとなる。
【0082】
本発明の第一の実施形態に係るIP電話網1における通信システム及び通信方法は、事業所集団電話サービスの機能を、IP電話網1におけるIP変換装置20、加入者サーバ30及びアプリケーションサーバ40に分担し、これらの装置間の動作シーケンスを定めたことによって、IP電話網1において事業所集団電話サービスを実現することができる。
また、本発明の第一の実施形態に係るIP電話網1における通信システム及び通信方法は、IP電話網1における既存の装置、標準的なプロトコルを用いて事業所集団電話サービスを提供することができるので、加入者交換機の維持管理が必要なPSTNにおける事業所集団サービスの提供と比べて、効率的・経済的に事業所集団電話サービスを提供することができる。
【0083】
<第二の実施形態>
続いて、本発明の第二の実施形態に係るIP電話網について、図9を参照して、第一の実施形態に係るIP電話網1との相違点を中心に説明する。図9に示すように、本発明の第二の実施形態に係るIP電話網は、加入者サーバ30及びアプリケーションサーバ40に代えて、加入者サーバ100を備える。かかる加入者サーバ100は、第一の実施形態に係る加入者サーバ30及びアプリケーションサーバ40の機能を一体的に備えている。かかるIP電話網においても、第一の実施形態に係るIP電話網1と同様の動作を行い、同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0084】
1 IP電話網
10−1,10−2 電話端末
20 IP変換装置
30,100 加入者サーバ
40 アプリケーションサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと通信可能に接続されたアプリケーションサーバと、を備えるIP電話網における通信システムであって、
前記IP変換装置は、
前記電話端末が事業所集団電話サービスに加入しているか否かが記憶されるサービス加入記憶部と、
前記複数の電話端末における発側の電話端末から送信されたオフフック信号を取得した場合に、前記サービス加入記憶部を参照して当該発側の電話端末が前記事業所集団電話サービスに加入しているか否かを判定するフッキング制御部と、
加入していると判定された前記発側の電話端末から出力されたダイヤル数字を受信するダイヤル受信部と、
前記ダイヤル受信部によって受信された前記ダイヤル数字と、前記発側の電話端末に固有の番号と、をSIP信号に編集して前記加入者サーバへ送信するSIP編集部と、
を備え、
前記加入者サーバは、
前記事業者集団電話サービスに加入している前記電話端末に固有の番号が記憶される電話端末番号記憶部と、
前記SIP信号に含まれる前記電話端末に固有の番号に基づいて前記電話端末番号記憶部を参照し、前記事業所集団電話サービスに加入している電話端末からの呼であるか否かを判定し、前記事業所集団電話サービスに加入している電話端末からの呼であると判定された場合に前記アプリケーションサーバへ前記SIP信号を送信する呼判定部と、
を備え、
前記アプリケーションサーバは、
前記ダイヤル数字と前記電話端末に固有の番号とが関連付けて記憶される記憶部と、
前記SIP信号に含まれる前記ダイヤル数字に基づいて前記記憶部を参照して、前記ダイヤル数字に関連付けられた前記電話端末に固有の番号を含むように前記SIP信号を変換し、変換済みSIP信号を前記加入者サーバを介して前記IP変換装置へ送信する接続制御部と、
を備え、
前記IP変換装置は、さらに、
前記加入者サーバから受信した前記変換済みSIP信号に基づいて、前記複数の電話端末における着側の電話端末の収容位置を抽出する収容位置抽出部と、
前記変換済みSIP信号に基づいて、前記着側の電話端末が前記事業所集団電話サービスを用いて呼び出されたか否かを判定し、前記事業所集団電話サービスを用いて呼び出された場合に、抽出された前記収容位置に基づいて、前記着側の電話端末を呼び出す決定部と、
を備えることを特徴とするIP電話網における通信システム。
【請求項2】
複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、を備えるIP電話網における通信システムであって、
前記IP変換装置は、
前記電話端末が事業所集団電話サービスに加入しているか否かが記憶されるサービス加入記憶部と、
前記複数の電話端末における発側の電話端末から送信されたオフフック信号を取得した場合に、前記サービス加入記憶部を参照して当該発側の電話端末が前記事業所集団電話サービスに加入しているか否かを判定するフッキング制御部と、
加入していると判定された前記発側の電話端末から出力されたダイヤル数字を受信するダイヤル受信部と、
前記ダイヤル受信部によって受信された前記ダイヤル数字と、前記発側の電話端末に固有の番号と、をSIP信号に編集して前記加入者サーバへ送信するSIP編集部と、
を備え、
前記加入者サーバは、
前記事業者集団電話サービスに加入している前記電話端末に固有の番号が記憶される電話端末番号記憶部と、
前記SIP信号に含まれる前記電話端末に固有の番号に基づいて前記電話端末番号記憶部を参照し、前記事業所集団電話サービスに加入している電話端末からの呼であるか否かを判定する呼判定部と、
前記ダイヤル数字と前記電話端末に固有の番号とが関連付けて記憶される記憶部と、
前記事業所集団電話サービスに加入している電話端末からの呼であると判定された場合に、前記SIP信号に含まれる前記ダイヤル数字に基づいて前記記憶部を参照して、前記ダイヤル数字に関連付けられた前記電話端末に固有の番号を含むように前記SIP信号を変換し、変換済みSIP信号を前記IP変換装置へ送信する接続制御部と、
を備え、
前記IP変換装置は、さらに、
前記加入者サーバから受信した前記変換済みSIP信号に基づいて、前記複数の電話端末における着側の電話端末の収容位置を抽出する収容位置抽出部と、
前記変換済みSIP信号に基づいて、前記着側の電話端末が前記事業所集団電話サービスを用いて呼び出されたか否かを判定し、前記事業所集団電話サービスを用いて呼び出された場合に、抽出された前記収容位置に基づいて、前記着側の電話端末を呼び出す決定部と、
を備えることを特徴とするIP電話網における通信システム。
【請求項3】
前記フッキング制御部は、抽出された前記収容位置の前記着側の電話端末以外の電話端末から送信されたオフフック信号を取得した場合に、前記サービス加入記憶部を参照して当該電話端末が前記事業所集団電話サービスに加入しているか否かを判定し、
前記ダイヤル受信部は、加入していると判定された前記電話端末から出力されたダイヤル数字を受信し、
前記SIP編集部は、前記ダイヤル受信部によって受信された前記ダイヤル数字と、当該電話端末に固有の発信者番号と、をSIP信号に編集して前記呼判定部を介して前記接続制御部へ送信し、
前記接続制御部は、受信した前記SIP信号に基づいて、前記着側の電話端末に代えて、前記オフフック信号を送信した電話端末を着側として指定し、その旨を前記呼判定部を介して前記決定部へ送信する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のIP電話網における通信システム。
【請求項4】
前記フッキング制御部は、通話中の電話端末から送信されたフッキング信号を取得した場合に、前記サービス加入記憶部を参照して前記フッキング信号を送信した電話端末が前記事業所集団電話サービスに加入しているか否かを判定し、
前記ダイヤル受信部は、加入していると判定された前記フッキング信号を送信した電話端末から送信された内線番号を取得し、
前記SIP編集部は、前記ダイヤル受信部によって受信された前記内線番号と、前記フッキング信号を送信した電話端末に固有の番号と、をSIP信号に編集して前記接続制御部へ送信し、
前記接続制御部は、受信した前記SIP信号に基づいて、前記フッキング信号を送信した電話端末に代えて、前記内線番号に対応する電話端末を転送先として指定し、その旨を前記呼判定部を介して前記決定部へ送信する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のIP電話網における通信システム。
【請求項5】
複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと通信可能に接続されたアプリケーションサーバと、を備えるIP電話網における通信方法であって、
前記IP変換装置が、前記複数の電話端末における発側の電話端末から送信されたオフフック信号を取得した場合に、前記電話端末が事業所集団電話サービスに加入しているか否かが記憶されるサービス加入記憶部を参照して当該発側の電話端末が前記事業所集団電話サービスに加入しているか否かを判定するステップと、
前記IP変換装置が、加入していると判定された前記発側の電話端末から出力されたダイヤル数字を受信するステップと、
前記IP変換装置が、前記ダイヤル受信部によって受信された前記ダイヤル数字と、前記発側の電話端末に固有の番号と、をSIP信号に編集して前記加入者サーバへ送信するステップと、
前記加入者サーバが、前記SIP信号に含まれる前記電話端末に固有の番号に基づいて、前記事業者集団電話サービスに加入している前記電話端末に固有の番号が記憶される電話端末番号記憶部を参照し、前記事業所集団電話サービスに加入している電話端末からの呼であるか否かを判定し、前記事業所集団電話サービスに加入している電話端末からの呼であると判定された場合に前記アプリケーションサーバへ前記SIP信号を送信するステップと、
前記アプリケーションサーバが、前記SIP信号に含まれる前記ダイヤル数字に基づいて、前記ダイヤル数字と前記電話端末に固有の番号とが関連付けて記憶される記憶部を参照して、前記ダイヤル数字に関連付けられた前記電話端末に固有の番号を含むように前記SIP信号を変換し、変換済みSIP信号を前記加入者サーバを介して前記IP変換装置へ送信するステップと、
前記IP変換装置が、前記加入者サーバから受信した前記変換済みSIP信号に基づいて、前記複数の電話端末における着側の電話端末の収容位置を抽出するステップと、
前記IP変換装置が、前記変換済みSIP信号に基づいて、前記着側の電話端末が前記事業所集団電話サービスを用いて呼び出されたか否かを判定し、前記事業所集団電話サービスを用いて呼び出された場合に、抽出された前記収容位置に基づいて、前記着側の電話端末を呼び出すステップと、
を含むことを特徴とするIP電話網における通信方法。
【請求項6】
前記IP変換装置が、抽出された前記収容位置の前記着側の電話端末以外の電話端末から送信されたオフフック信号を取得した場合に、前記サービス加入記憶部を参照して当該電話端末が前記事業所集団電話サービスに加入しているか否かを判定するステップと、
前記IP変換装置が、加入していると判定された当該電話端末から出力されたダイヤル数字を受信するステップと、
前記IP変換装置が、前記ダイヤル受信部によって受信された前記ダイヤル数字と、当該電話端末に固有の発信者番号と、をSIP信号に編集して前記加入者サーバを介して前記アプリケーションサーバへ送信するステップと、
前記アプリケーションサーバが、受信した前記SIP信号に基づいて、前記着側の電話端末に代えて、前記オフフック信号を送信した電話端末を着側として指定し、その旨を前記加入者サーバを介して前記IP変換装置へ送信するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載のIP電話網における通信方法。
【請求項7】
前記IP変換装置が、通話中の電話端末から送信されたフッキング信号を取得した場合に、前記サービス加入記憶部を参照して前記フッキング信号を送信した電話端末が前記事業所集団電話サービスに加入しているか否かを判定するステップと、
前記IP変換装置が、加入していると判定された前記フッキング信号を送信した電話端末から送信された内線番号を取得するステップと、
前記IP変換装置が、前記ダイヤル受信部によって受信された前記内線番号と、前記フッキング信号を送信した電話端末に固有の番号と、をSIP信号に編集して前記加入者サーバを介して前記アプリケーションサーバへ送信するステップと、
前記アプリケーションサーバが、受信した前記SIP信号に基づいて、前記フッキング信号を送信した電話端末に代えて、前記内線番号に対応する電話端末を転送先として指定し、その旨を前記加入者サーバを介して前記IP変換装置へ送信するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載のIP電話網における通信方法。
【請求項8】
複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、を備えるIP電話網における通信方法であって、
前記IP変換装置が、前記複数の電話端末における発側の電話端末から送信されたオフフック信号を取得した場合に、前記電話端末が事業所集団電話サービスに加入しているか否かが記憶されるサービス加入記憶部を参照して当該発側の電話端末が前記事業所集団電話サービスに加入しているか否かを判定するステップと、
前記IP変換装置が、加入していると判定された前記発側の電話端末から出力されたダイヤル数字を受信するステップと、
前記IP変換装置が、前記ダイヤル受信部によって受信された前記ダイヤル数字と、前記発側の電話端末に固有の番号と、をSIP信号に編集して前記加入者サーバへ送信するステップと、
前記加入者サーバが、前記SIP信号に含まれる前記電話端末に固有の番号に基づいて、前記事業者集団電話サービスに加入している前記電話端末に固有の番号が記憶される電話端末番号記憶部を参照し、前記事業所集団電話サービスに加入している電話端末からの呼であるか否かを判定するステップと、
前記事業所集団電話サービスに加入している電話端末からの呼であると判定された場合に、前記加入者サーバが、前記SIP信号に含まれる前記ダイヤル数字に基づいて、前記ダイヤル数字と前記電話端末に固有の番号とが関連付けて記憶される記憶部を参照して、前記ダイヤル数字に関連付けられた前記電話端末に固有の番号を含むように前記SIP信号を変換し、変換済みSIP信号を前記IP変換装置へ送信するステップと、
前記IP変換装置が、前記加入者サーバから受信した前記変換済みSIP信号に基づいて、前記複数の電話端末における着側の電話端末の収容位置を抽出するステップと、
前記IP変換装置が、前記変換済みSIP信号に基づいて、前記着側の電話端末が前記事業所集団電話サービスを用いて呼び出されたか否かを判定し、前記事業所集団電話サービスを用いて呼び出された場合に、抽出された前記収容位置に基づいて、前記着側の電話端末を呼び出すステップと、
を含むことを特徴とするIP電話網における通信方法。
【請求項9】
前記IP変換装置が、抽出された前記収容位置の前記着側の電話端末以外の電話端末から送信されたオフフック信号を取得した場合に、前記サービス加入記憶部を参照して当該電話端末が前記事業所集団電話サービスに加入しているか否かを判定するステップと、
前記IP変換装置が、加入していると判定された当該電話端末から出力されたダイヤル数字を受信するステップと、
前記IP変換装置が、前記ダイヤル受信部によって受信された前記ダイヤル数字と、当該電話端末に固有の発信者番号と、をSIP信号に編集して前記加入者サーバへ送信するステップと、
前記加入者サーバが、受信した前記SIP信号に基づいて、前記着側の電話端末に代えて、前記オフフック信号を送信した電話端末を着側として指定し、その旨を前記IP変換装置へ送信するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載のIP電話網における通信方法。
【請求項10】
前記IP変換装置が、通話中の電話端末から送信されたフッキング信号を取得した場合に、前記サービス加入記憶部を参照して前記フッキング信号を送信した電話端末が前記事業所集団電話サービスに加入しているか否かを判定するステップと、
前記IP変換装置が、加入していると判定された前記フッキング信号を送信した電話端末から送信された内線番号を取得するステップと、
前記IP変換装置が、前記ダイヤル受信部によって受信された前記内線番号と、前記フッキング信号を送信した電話端末に固有の番号と、をSIP信号に編集して前記加入者サーバへ送信するステップと、
前記加入者サーバが、受信した前記SIP信号に基づいて、前記フッキング信号を送信した電話端末に代えて、前記内線番号に対応する電話端末を転送先として指定し、その旨を前記IP変換装置へ送信するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載のIP電話網における通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−182204(P2011−182204A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44751(P2010−44751)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】