説明

LEDモジュール及びその製造方法と、LEDモジュールを含むLEDチャンネルレター

【課題】本発明は、LEDモジュール及びその製造方法と、LEDモジュールを含むLEDチャンネルレターを提供する。
【解決手段】本発明の一側面によるLEDモジュールの製造方法は、LED実装領域を上面に含み、上下貫通型のピン孔が形成された回路基板を準備する回路基板準備段階と、回路基板を金型のモールディング空間に配置し、先端部がピン孔の下側一部に挿入されるピンを利用して、回路基板をモールディング空間に保持する回路基板配置段階と、モールディング空間でプラスチック樹脂をモールディング成形し、プラスチック樹脂がピン孔の上側に満たされるようにするモールディングカバー形成段階と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDモジュール及びその製造方法と、LEDモジュールを含むLEDチャンネルレターに関する。
【背景技術】
【0002】
長年、「蛍光灯」と呼ばれる冷陰極蛍光ランプが照明装置として広く利用されてきた。しかし、冷陰極蛍光ランプは、寿命が短い、耐久性が劣っている、光のカラー選択範囲が制限される、エネルギー効率が低いといった欠点がある。
【0003】
発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)は、応答性が優れている、エネルギー効率が高い、寿命が長いなどといった様々な利点を有している。高輝度、高出力のLEDの開発により、照明用光源としてまたはその他の光源としてLEDの需要が急増している。
【0004】
従来には、PCBのような回路基板上にLEDが実装されたLEDモジュールが知られており、回路基板上にパッケージレベルのLED、即ち、LEDパッケージを実装することが一般的であった。しかし、最近は、チップレベルのLED、即ち、一つ以上のLEDチップを回路基板上に実装したLEDモジュールに対する関心が高まっている。上記のようなLEDモジュールにおいて、回路基板及びその上に実装されるLEDは、湿気及び空気などの外部環境に対して非常に脆弱である。従って、外部環境から回路基板上の電極及び/またはLEDを保護する技術が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
金型のモールディング空間内でプラスチック樹脂を射出成形して製造したモールディングカバーで回路基板を覆う方法が考慮されうる。この際、前記モールディング空間の底面と回路基板との間に離隔空間がなければ、モールディングカバーは回路基板の上面にのみ形成されるため、モールディングカバーの存在にも関わらず、回路基板の底面全体及び側面全体が外部環境に露出される。
【0006】
それに対する代案として、回路基板にピン孔を形成し、金型に設けられたピンをピン孔に貫通挿入して、回路基板を金型のモールディング空間内の中間に位置させる方法が考慮されうる。この場合、モールディング空間に形成されたモールディングカバーが、回路基板の上面だけでなく底面まで覆う。この場合、ピンが分離されて後に残る孔、即ち、ピン跡がモールディングカバーを経て回路基板のピン孔まで連結され、ピン跡からピン孔まで連結された経路は、外部の湿気及び/または空気が浸入する経路となる。
【0007】
従って、本発明は、回路基板に形成されたピン孔が閉鎖されている構造を有するLEDモジュールを提供する技術を提案する。
【0008】
近年、文字、ロゴ、シンボル、数字または記号などの形状を含むチャンネル内に複数のLEDモジュールを設けて構成した照明装置が開発されており、このような照明装置を「LEDチャンネルレター」という。
【0009】
既存のLEDチャンネルレターにおいて、電源または回路の接続方法としてワイヤ半田付け方式が主に利用されているが、この方式は手作業を必要とするため多くの工程不良をもたらし、チャンネルに設けられる複数のLEDモジュールのうちたった一つでもLEDモジュールに問題が発生すると、製品全体を交換しなければならない。
【0010】
本発明によると、電源または回路の連結のためのコネクタを有するLEDモジュールをLEDチャンネルレターに適用すると、特定のLEDモジュールに問題が発生しても、該当LEDモジュールのみを入れ替えてチャンネルレターを利用することができ、経済的である。また、LEDチャンネルレターは、文字、ロゴ、シンボル、数字及び/または記号を表現するために複雑な形状を要求するが、一方向のコネクタまたは互いに対向する両方向のコネクタのみを有するLEDモジュールは、上述の要求を満たすことが困難である。
【0011】
LEDチャンネルレター用LEDモジュールとしては、PCB(Printed Circuit Board)のような回路基板上にパッケージレベルまたはチップレベルのLEDが実装された構造が有用である。このような構造のLEDモジュールをLEDチャンネルレターに適用するにあたり、湿気などの外部環境からLEDを保護する性能とともに、LEDから発生した熱を円滑に放出する放熱性能が考慮されることが好ましい。
【0012】
本発明が解決しようとする他の課題は、改善された構造のLEDチャンネル及びそれに適したLEDモジュールを提供することである。
【0013】
本発明が解決しようとするさらに他の課題は、LEDモジュール内のLEDとそのLEDモジュールが設けられるチャンネルとの間に改善された放熱経路が提供されて、且つLEDモジュール内のLEDまたは回路基板に向かって外部から湿気などが浸入する経路を減少または遮断されたLEDチャンネルレターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一実施形態によるLEDモジュールの製造方法は、LED実装領域を上面に含み、上下貫通型のピン孔が形成された回路基板を準備する回路基板準備段階と、前記回路基板を金型のモールディング空間に配置し、先端部が前記ピン孔の下側一部に挿入されるピンを利用して、前記回路基板を前記モールディング空間に保持する回路基板配置段階と、前記モールディング空間でプラスチック樹脂をモールディング成形し、前記プラスチック樹脂が前記ピン孔の上側を満たすようにするモールディングカバー形成段階と、を含む。
【0015】
好ましくは、前記ピンは、前記先端部の下側に前記先端部より広い面積を有する支持端部を含み、前記支持端部が前記回路基板の底面に接して前記回路基板を支持してもよい。
【0016】
好ましくは、前記回路基板配置段階において、対角線方向に配置された二つのピンは、前記回路基板の支持に利用されてもよい。
【0017】
好ましくは、前記ピンは、前記モールディング空間で上下に前進または後退可能な可変型ピンであってもよい。
【0018】
好ましくは、前記ピンは、前記モールディング空間の底面から上部に突出された固定型ピンであってもよい。
【0019】
好ましくは、前記モールディングカバー形成段階は、前記モールディング空間の上部形状により、前記LED実装領域の上側にLEDを実装するためのキャビティを形成することを含んでもよい。
【0020】
好ましくは、前記モールディングカバー形成段階は、前記モールディング空間の下部形状により、前記回路基板を外部に露出させる放熱孔を形成することを含んでもよい。
【0021】
本発明の他の実施形態によるLEDモジュールは、LED実装領域を上面に含み、上下貫通型のピン孔が形成された回路基板と、前記LED実装領域に実装されたLEDと、少なくとも前記回路基板の上面及び底面を覆うようにモールディング成形されたモールディングカバーと、を含み、前記モールディングカバーの一部により前記ピン孔の上側の一部が埋められる。
【0022】
好ましくは、前記ピン孔は、前記回路基板の他の位置に形成された他のピン孔と対角線方向に対向する。
【0023】
好ましくは、前記モールディングカバーは、前記LED実装領域の上側に形成されるキャビティを含んでもよい。
【0024】
好ましくは、前記モールディングカバーは、底面に前記回路基板を露出させる放熱孔が形成されてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、金型を利用したモールディング成形によって形成されたモールディングカバーが、回路基板の上面だけでなく底面、さらには側面まで覆うため、外部環境の湿気及び/または空気から回路基板上の電極及び/またはLEDなどをより良好に保護することができる。また、回路基板をモールディング空間の中間に保持するために、金型のピンとともに、利用した回路基板の貫通ピン孔をモールディングカバーの一部で閉鎖することにより、回路基板のピン孔を介して浸入する湿気または外部空気を防ぐことができる。
【0026】
本発明によると、電源または回路の接続のためにコネクタを有するLEDモジュールをチャンネルレターに適用すると、特定のLEDモジュールに問題が発生しても、該当LEDモジュールのみを入れ替えてLEDチャンネルレターを利用し続けることができるという点で経済的である。また、本発明によるLEDチャンネルレターは、複雑な文字、ロゴ、シンボル、数字及び/または記号を表現することができる。特に、本発明によるLEDモジュールは、湿気などの外部環境からLEDを保護する性能に優れ、LEDから発生した熱を円滑に放出する放熱性能も優れるため、LEDチャンネルレターに有用に利用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】(a)本発明の一実施形態によるLEDモジュールの製造方法において、回路基板にモールディングカバーを成形する過程を説明するための図面である。(b)本発明の一実施形態によるLEDモジュールの製造方法において、回路基板にモールディングカバーを成形する過程を説明するための図面である。
【図2】本発明の一実施形態によるLEDモジュールの製造方法において、回路基板にモールディングカバーを成形する過程を説明するための図面である。
【図3】本発明の一実施形態によるLEDモジュールの製造方法において、回路基板にモールディングカバーを成形する過程を説明するための図面である。
【図4】本発明の一実施形態によるLEDモジュールの製造方法において、回路基板にモールディングカバーを成形する過程を説明するための図面である。
【図5】本発明の一実施形態によるLEDモジュールの製造方法において、モールディングカバーが形成された回路基板にLEDを実装することを示す図面である。
【図6】本発明の一実施形態によるLEDモジュールの製造方法において、LEDを封止材で封止した後のLEDモジュールを示す図面である。
【図7】図6に図示されたLEDモジュールの底面を示す底面図である。
【図8】本発明の他の実施形態によるLEDモジュールを図示した底面図である。
【図9A】本発明の他の実施形態によるLEDモジュールの製造方法を説明するための図面である。
【図9B】本発明の他の実施形態によるLEDモジュールの製造方法を説明するための図面である。
【図9C】本発明の他の実施形態によるLEDモジュールの製造方法を説明するための図面である。
【図9D】本発明の他の実施形態によるLEDモジュールの製造方法を説明するための図面である。
【図10】本発明の一実施形態によるLEDチャンネルレターを部分的に示した平面図である。
【図11】図10のI−Iに沿った断面図である。
【図12】図10のII−IIに沿った断面図である。
【図13】図10から図12に図示されたLEDモジュールを図示した底面図である。
【図14】本発明の他の実施形態を説明するためのチャンネルレターの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。以下で紹介される実施形態は、当業者に本発明の思想が十分に伝達されるようにするために例として提供されるものである。従って、本発明は、以下で説明される実施形態に限定されず、他の形態に具現化されることもできる。また、図面において、構成要素の幅、長さ、厚さなどは便宜のために誇張されて表現されることがある。明細書全体にわたって同一の参照番号は同一の構成要素を示す。
【0029】
図1から図5は本発明の一実施形態によるLEDモジュールの製造方法を説明するための図面であって、図1から図4は回路基板を準備して回路基板にモールディングカバーを成形する過程を示す図面であり、図5はモールディングカバーが形成された回路基板にLEDを実装することを示す図面である。図6は封止材を利用してLEDを封止する工程を経て最終的に製造されたLEDモジュールを示す図面であり、図7は図6に図示されたLEDモジュールの底面を示す底面図である。
【0030】
本実施形態によるLEDモジュールを製造するために、図1の(a)及び(b)に図示されたように回路基板2000を準備する。図1の(a)は準備された回路基板2000の平面図であり、図1の(b)は図1の(a)のI−Iに沿った回路基板2000の断面図である。
【0031】
図1に示されるように、回路基板2000には二つの上下貫通型ピン孔2100が形成される。ピン孔2100は、以下で詳細に説明されるように、金型に設けられたピンが挿入されると、回路基板2000を金型内で安定して保持させる機能をする。本実施形態において、二つのピン孔2100は、互いに対角線方向に対向するように形成される。ピン孔2100及びそれに挿入されるピンの対角線配置は、少ない数のピン孔及び/またはピンでも回路基板2000を安定して支持するようにする。本発明はピン孔の数によって制限されない。本実施形態において、回路基板2000は、LED実装用PCBであり、図示されていないが、電極パターンを含む回路パターンが形成される。回路基板2000は、熱伝導性が優れた金属を基にするMPCB(Metal PCB)またはMCPCB(Metal Core PCB)であることが好ましい。
【0032】
図2に示されるように、回路基板2000は、上型101と下型102とからなる金型のモールディング空間103に配置される。金型の下部、即ち、下型102には二つのピン104が設けられる。
【0033】
夫々のピン104は、モールディング空間103で上下に前進または後退可能な可変型ピンで構成されてもよい。可変型ピンを駆動する方式としては、加圧式またはスクリュー移送式があり得る。本実施形態では、可変型ピンが利用されているが、金型に固設された固定型ピンを利用してもよい。
【0034】
夫々のピン104は、先端部104aと先端部104aの下側に先端部104aより広い表面積を有する支持端部104bとを含む。ピン104が回路基板2000に形成されたピン孔2100に挿入され、回路基板2000をモールディング空間103内の中間で水平に安定して支持する。
【0035】
また、モールディング空間103の下部、即ち、下型102は、回路基板2000の底面に接する略四角形断面の突出部102a形状を有する。また、モールディング空間103の上部、即ち、上型101は、回路基板2000の上面の中央領域、即ち、LED実装領域に接する略切頭円錐形状の突出部101a形状を有する。
【0036】
モールディング空間103の下部に形成された突出部102aは、放熱のために回路基板2000の底面の一部の領域にモールディングカバーを省略するために形成される。ここで、モールディング空間の下部の突出部102aは、ピン104とともに回路基板2000を支持する機能もする。回路基板2000の全面全体にモールディングカバーを形成する場合は、モールディング空間103の下部の突出部102a形状は省略される。また、モールディング空間の上部の突出部101aは、後工程で回路基板2000上にLEDを実装することができるキャビティを形成するために形成される。突出部101aの切頭円錐形状は、キャビティの内壁面が傾斜した反射面となるようにする。
【0037】
ピン104の先端部104aが回路基板2000のピン孔2100に挿入される一方、ピン104の支持端部104bは回路基板2000の底面に接している。ここで、先端部104aはピン孔2100の下側一部にのみ挿入されるが、ピン孔2100の上側の残りの空間は、モールディングカバーを形成する際にそのモールディングカバーを構成するプラスチック樹脂により埋められる。
【0038】
図3に示されたように、モールディング空間103内に液状またはゲル状のプラスチック樹脂Pが満たされ、このプラスチック樹脂Pがモールディング空間103内で固まることにより、回路基板2000の上面、底面及び側面を覆うモールディングカバーに形成される。モールディングカバーを構成するプラスチック樹脂Pは、ピン孔2100の上部空間を埋め、ピン孔2100を閉鎖する。区別するために、プラスチック樹脂は図面において符号「P」で示し、プラスチック樹脂によって形成されたモールディングカバーは図面において符号「3000」で示す。
【0039】
図2及び図3に示されたようなモールディング成形、より具体的には、インサート射出成形が終了すると、図4に示されたようなモールディングカバー3000が形成され、このモールディングカバー3000は、回路基板2000の上面、底面及び側面を覆う。モールディングカバー3000は、上述のモールディング空間の上部形状によって形成されたキャビティ3100を上面に有する一方、底面には上述のモールディング空間の下部形状によって形成された放熱孔3200を有する。また、モールディングカバー3000の一側面にはコネクタハウジング部3300が形成される。
【0040】
キャビティ3100は、回路基板2000の上面、LEDが実装される領域に形成され、傾斜した反射面を有する。また、放熱孔3200は、回路基板2000を露出させる。また、回路基板2000に形成されたピン孔2100は、モールディングカバー3000の一部によって閉鎖されている。
【0041】
図5を参照すると、キャビティ3100を介してLED4000が実装される。LED4000は、パッケージレベルのLED、即ち、LEDパッケージであってもよく、チップレベルのLED、即ち、LEDチップであってもよい。図6を参照すると、LED4000を保護する透光性の封止材5000が略レンズ状に形成される。本実施形態において、封止材5000は、その下部の最も広い部分がキャビティ3100の底面の端を覆う略半球状を有する。これにより、図6に示すLEDモジュール1000の製造が終了する。
【0042】
図7を参照すると、LEDモジュールにおいて、モールディングカバー3000の底面に放熱孔3200が略四角形に形成され、その放熱孔3200を介して回路基板2000の底面が露出される。放熱孔3200を挟んで二つのピン跡3500、3500が対角線方向に対向して形成されるが、この二つのピン跡3500、3500は、モールディングを形成する際に利用されたピンが分離された後に残った跡であり、回路基板2000に形成されたピン孔2100、2100(図6参照)と一致するように存在する。
【0043】
図8は、本発明の他の実施形態によるLEDモジュールを示した底面図であり、図8を参照すると、LEDモジュールは、モールディングカバー3000の底面に形成された放熱孔3200の互いに対向する両側面が開放され、モールディングカバー3000の両側面と接する位置まで連結されたチャンネルの形状を有する。
【0044】
図9Aから図9Dは、本発明の他の実施形態によるLEDモジュールの製造方法を説明するための図面である。
【0045】
まず、図9Aに示されたように、回路基板2000の上面にパッケージレベルまたはチップレベルのLED4000を実装する。次に、図9Bに示されたように、LED4000を覆うように半球状のレンズ部5100とその周りのリング状の縁部5200とを含む透光性封止材5000を形成する。次に、図9Cに示されたように、透光性封止材5000を露出させるキャビティ3100と回路基板2000の底面の一部領域を露出させる放熱孔3200とを除いて、回路基板2000の上面、側面及び底面を覆うモールディングカバー3000を、例えばインサート射出成形によって形成する。リング状縁部5200に比べてモールディングカバー3000のキャビティの下部のサイズが小さいため、縁部5200の上面にモールディングカバー3000が面対面で接合される。モールディングカバー3000と封止材5000とは、透明度のみ異なる同一の材料または類似の物性を有するプラスチック樹脂材料で形成されるため互いの接着力が高い。
【0046】
本実施形態において、モールディングカバー3000は上型と下型とにより限定されたモールディング空間103内で成形され、モールディング空間103の中間に回路基板2000を安定して保持させるためにピンが利用される。ピン104は先端部104aと支持端部104bとを含み、先端部104aが回路基板2000に形成されたピン孔2100の下側一部に挿入され、支持端部104bは回路基板2000に接して回路基板2000を支持する。モールディング空間103の上部形状101a及び下部形状102aにより、キャビティ3100の形状及び放熱孔3200の形状が決まる。
【0047】
金型から分離されたLEDモジュール1000が図9Dに示されており、図9Dを参照してLEDモジュール1000をさらに説明すると、回路基板2000の上面のLED実装領域にはLED4000が実装されており、そのLED4000を覆う封止材5000が回路基板2000の上面の略中央に形成されている。モールディングカバー3000は、回路基板2000の上面、底面及び両側面を覆って、LED実装領域に対応するようにキャビティ3100を含み、LED4000と封止材5000を露出させる。放熱孔3200は、回路基板2000の底面中央の一部領域を露出させる。上述の実施形態とは異なって、封止材5000は中央のレンズ部5100とその周りの縁部5200とを含み、モールディングカバー3000は封止材5000の形成後に形成され、その底面一部が縁部5200の上面に接合されている。モールディングカバー3000の底面一部が封止材5000の一部、即ち、縁部5200の上面に面対面で接することにより、封止材5000とモールディングカバー3000との間に信頼性のある界面が形成され、この界面は湿気や水気が封止材5000とモールディングカバー3000との間を介してLED4000またはその周りに浸透することを遮断する。
【0048】
ピン孔2100の上部は、上述の実施形態と同様に、モールディングカバー3000の一部によって閉鎖されている。
【0049】
図10は本発明の一実施形態によるLEDチャンネルレターを部分的に図示した平面図であり、図11は図10のI−Iに沿った断面図であり、図12は図10のII−IIに沿った断面図であり、図13は図10から図12に図示されたLEDモジュールを示した底面図である。
【0050】
図10から図12に示されたように、本発明の一実施形態によるLEDチャンネルレター1は、略「X」状の平面形状を有する上部開放型のチャンネル2と、チャンネル2内に配置される複数のLEDモジュール1000と、を含む。図示を省略したが、チャンネル2の上部を覆う透光性プラスチック板または透光性ガラス及び/またはチャンネル2の内部を埋める透光性の樹脂を含む光拡散部材が提供されてもよい。
【0051】
本発明は、図示されたチャンネルレター1の平面形状に限定されず、チャンネルレター1は表現しようとする文字、ロゴ、シンボル、数字及び/または記号によって多様な形状を有することができる。
【0052】
本実施形態において、チャンネル2は、互いに対向する一対の側壁21、21と、その間に位置するる底面22と、を含む。また、チャンネル2の底面22の上面には、側壁21、21と平行に帯状の突出部24が配置される。突出部24は、チャンネル2の底面22の上面に長さ及び厚さを有する帯状の部材を取り付けることにより形成されることができ、或いは、チャンネル2の製作過程またはその前後の過程でプレス加工により形成され、チャンネル2の底面と一体に形成されてもよい。突出部24は、以下で詳細に説明されるように、LEDモジュール1000とチャンネル2との間の放熱経路に提供されるものであり、熱伝導性に優れるものが好ましい。
【0053】
図11及び図12に示されたように、LEDモジュール1000は、回路基板2000と、回路基板2000上に実装されたLED4000と、回路基板2000の上面、底面及び側面を覆うように形成されたモールディングカバー3000と、を含む。ここで、モールディングカバー3000は、その上面の一部領域にLED4000を露出させるキャビティ3100を含み、その底面の一部領域に回路基板2000の底面を露出させる放熱孔3200が形成される。
【0054】
さらには、LEDモジュール1000は、キャビティ3100の内側にLED4000を保護するためにモールディング成形された透光性の封止材5000を含む。この封止材5000は、モールディングカバー3000の形成の前に、LED4000を覆うように回路基板2000の上面に形成される。
【0055】
封止材5000は、中央の略半球状のレンズ部5100とその周りのリング状の縁部5200とを含む。封止材5000は、モールディングカバー3000の形成の前に、モールディングカバー3000のキャビティ3100の位置に対応するように形成される。より好ましくは、リング状縁部5200が傾斜構造を有するキャビティ3100の下部より広く形成され、モールディングカバー3000を形成するときに、モールディングカバー3000は一部がリング状縁部5200の上面に面対面で接合される。
【0056】
従って、モールディングカバー3000と封止材5000とは、モールディングカバー3000の底面の一部領域の放熱孔3200を除いて回路基板2000をほぼ全体を覆っており、これは、外部の湿気が回路基板2000を経由してLED4000の周りに浸透することが大きく低減される。
【0057】
一方、モールディングカバー3000と封止材5000とは、同一または類似のプラスチック材料を含み、互いへの接着性が強い。本実施形態では、同一のプラスチック材料によってモールディングカバー3000と封止材5000とが形成され、モールディングカバー3000を構成するプラスチック樹脂に、反射性を高める白色、銀白色または銀色などの染料または顔料が添加されている。
【0058】
一方、複数のLEDモジュール1000をチャンネル2の底面22の上面に取り付ける際、底面22の上面に固定配置された帯状の突出部24がモールディングカバー3000の底面に形成された放熱孔3200に挿入され、この際、突出部24は放熱孔3200により露出された回路基板2000に接触する。
【0059】
図13に示されたように、突出部24の形状に対応するように、放熱孔3200は、モールディングカバー3000の底面の一端から対向する一端まで延長されている。従って、放熱孔3200は、モールディングカバー3000の底面で両側面が両側方向に開放されたチャンネル形態を有する。また、突出部24の上面は、回路基板2000の平らな底面と最大限の接触面積を有するように上面全体が平面であることが好ましい。放熱孔3200の両側面が開放された構造により、一つの長い突出部24に複数のLEDモジュールに備えられた複数の放熱孔が挿入されることができる。
【0060】
上述のチャンネルレター1の構成は、図11及び図12に示されたように、LEDモジュール1000内のLED4000から回路基板2000とそれに接する突出部24及びチャンネル2を経て外部に連結される放熱経路を形成し、この放熱経路によって、LED4000から発生した熱が効果的にチャンネルレター1の外部に放出されることができる。
【0061】
図10をさらに参照すると、LEDモジュール1000は、略四角形からなり、四つのコネクタ3300を四つの側辺全てに備える。LEDモジュール1000、特に、モールディングカバー3000の全ての側辺にコネクタ3300を設けることにより、図示された「X」状のような複雑なチャンネルレターを容易に実現することができる。また、複雑な形状のチャンネル内にLEDモジュールを配置し、そのLEDモジュールをワイヤ7で接続する作業が簡単になる。
【0062】
本実施形態において、垂直に交差する四つの直線型単位チャンネルが集まって一つの「X」状のチャンネル2を構成する。四つの単位チャンネルが交差する領域、即ち、チャンネル2の中央領域に設けられたLEDモジュール1000は四つのコネクタ3300を全て活用し、残りのLEDモジュール1000は二つまたは一つのコネクタ3300のみを活用する。
【0063】
本実施形態によるLEDモジュール1000は、四つの側辺を有する四角形を備え、四つの側辺全てにコネクタが提供されて、合計四つのコネクタを含んでいるが、LEDモジュールが三角形、四角形、五角形、六角形または他の多角形であるかに応じて、三つ、四つ、五つ、六つまたはそれ以上のコネクタを含んでもよい。
【0064】
LEDチャンネル2に利用されるLEDモジュール1000は、図1から図6を参照して説明された製造方法、または図9Aから図9Dを参照して説明された製造方法により製造されることができる。
【0065】
図14は本発明の他の実施形態説明するためのチャンネルレターの断面図である。
【0066】
図14を参照すると、チャンネルレター1は、チャンネル2の底面22の上面にブロック形状を有する複数の突出部24を含み、LEDモジュール1000は、上述の実施形態と同様に、回路基板2000の底面を露出させるように形成された放熱孔3200を含む。放熱孔3200は、チャンネルレター1の突出部24に対応する形状を有して突出部24に挿入される。また、夫々の突出部24は放熱孔3200に挿入されて回路基板2000の底面に接触する。本実施形態によると、チャンネルレター1には複数のLEDモジュール1000が配置され、複数のLEDモジュール1000夫々は、放熱孔3200が突出部24に挿入されることによりチャンネル2の底面22の上面に固定維持される。また、放熱孔3200及び突出部24は、LEDモジュール1000の内部から外部への放熱経路を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDと、
前記LEDが実装される回路基板と、
前記回路基板の上面、側面及び底面を覆うように成形されたモールディングカバーと、を含み、
前記モールディングカバーの底面には、前記回路基板の底面を露出させる放熱孔が形成されることを特徴とするLEDモジュール。
【請求項2】
前記放熱孔は、互いに対向する両側面が開放されることを特徴とする請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項3】
前記モールディングカバーは、複数の辺からなる多角形の平面形状を有し、複数のコネクタを備えることを特徴とする請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項4】
前記コネクタは、前記モールディングカバーの辺に備えられることを特徴とする請求項3に記載のLEDモジュール。
【請求項5】
前記LEDを覆うように前記回路基板の上面に形成された透光性の封止材をさらに含み、
前記モールディングカバーには、前記封止材が形成される領域にキャビティが形成され、前記封止材は縁部を含み、前記モールディングカバーは前記縁部の上面に接するように形成されることを特徴とする請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項6】
前記LEDを覆うように前記回路基板の上面に形成された透光性の封止材をさらに含み、
前記封止材は、中央のレンズ部とその周りの縁部とを含み、前記モールディングカバーは、一部が前記縁部の上面と面上面で接することを特徴とする請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項7】
前記回路基板には上下貫通型のピン孔が形成され、前記モールディングカバーの一部により前記ピン孔の一部が埋められることを特徴とする請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項8】
LEDを実装するための回路基板を準備し、
前記回路基板の上面、側面及び底面を覆って、前記回路基板の底面を露出させる放熱孔を有するモールディングカバーを形成すること、
を含むことを特徴とするLEDモジュールの製造方法。
【請求項9】
前記モールディングカバーを形成することは、
前記回路基板を金型のモールディング空間内に配置する回路基板配置段階と、
前記モールディング空間内でプラスチック樹脂を用いて前記モールディングカバーをモールディングするモールディングカバー成形段階と、を含み、
前記準備された回路基板は上下貫通型のピン孔を含み、前記回路基板配置段階は、先端部が前記ピン孔の一部に挿入されるピンを利用して前記回路基板を前記モールディング空間に保持する段階を含み、前記モールディングカバー成形段階は、前記プラスチック樹脂を前記ピンが達していない前記ピン孔の残り空間に満たす段階を含むことを特徴とする請求項8に記載のLEDモジュールの製造方法。
【請求項10】
前記ピンは、前記先端部の下側に前記先端部より広い面積の支持端部を含み、前記支持端部が前記回路基板の底面に接して前記回路基板を支持することを特徴とする請求項9に記載のLEDモジュールの製造方法。
【請求項11】
前記モールディングカバーを形成することは、前記回路基板を金型のモールディング空間内に配置する回路基板配置段階と、
前記モールディング空間内でプラスチック樹脂を用いて前記モールディングカバーをモールディングするモールディングカバー成形段階と、を含み、
前記モールディングカバー成形段階は、前記モールディング空間の下部形状により、前記回路基板を外部に露出させる前記放熱孔を形成することを含むことを特徴とする請求項8に記載のLEDモジュールの製造方法。
【請求項12】
前記モールディングカバー成形段階は、前記モールディング空間の上部形状により、前記LED実装領域の上側にLEDを実装するためのキャビティを形成することを含むことを特徴とする請求項11に記載のLEDモジュールの製造方法。
【請求項13】
両側壁と前記両側壁の間に配置される底面を有するチャンネルと、
前記チャンネルの底面の上面に取付けられる複数のLEDモジュールと、を含み、
前記複数のLEDモジュール夫々は、LEDと、前記LEDが実装される回路基板と、前記回路基板の上面、側面及び底面を覆うモールディングカバーと、を含み、
前記モールディングカバーの底面には、前記回路基板の底面を露出させる放熱孔が形成され、
前記チャンネルの底面の上面には、前記放熱孔に挿入されて前記回路基板の底面に接する突出部が形成されることを特徴とするLEDチャンネルレター。
【請求項14】
前記放熱孔は両側面が開放され、前記突出部は前記チャンネルの側壁と平行に長く形成され、前記一つの突出部に前記複数の放熱孔が挿入されることを特徴とする請求項13に記載のLEDチャンネルレター。
【請求項15】
前記突出部はブロック形状を有し、前記放熱孔は前記突出部の断面に対応する形状を有し、前記一つの突出部に前記放熱孔が一つずつ挿入されることを特徴とする請求項14に記載のLEDチャンネルレター。
【請求項16】
前記モールディングカバーは複数の辺からなる多角形の平面形状を有し、複数のコネクタを備えることを特徴とする請求項13に記載のLEDチャンネルレター。
【請求項17】
前記コネクタは、前記モールディングカバーの辺に備えられることを特徴とする請求項16に記載のLEDチャンネルレター。
【請求項18】
前記複数のLEDモジュールは、
前記辺に設けられた前記コネクタ全てを活用するLEDモジュールと、
前記全ての辺に設けられた前記コネクタのうち一部のコネクタのみを活用するLEDモジュールと、を含むことを特徴とする請求項17に記載のLEDチャンネルレター。
【請求項19】
前記夫々のLEDモジュールは、前記LEDを覆うように前記回路基板の上面に形成された透光性封止材をさらに含み、
前記モールディングカバーは、前記封止材が形成された領域で前記封止材を露出させるキャビティを含むことを特徴とする請求項13に記載のLEDチャンネルレター。
【請求項20】
前記封止材は、中央のレンズ部とその周りの縁部とを含み、
前記モールディングカバーは、一部が前記縁部の上面と面対面で接するように形成されることを特徴とする請求項19に記載のLEDチャンネルレター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−191175(P2012−191175A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−17986(P2012−17986)
【出願日】平成24年1月31日(2012.1.31)
【出願人】(507194969)ソウル セミコンダクター カンパニー リミテッド (66)
【住所又は居所原語表記】148−29,Gasan−dong,Geumcheon−gu,Seoul,Republic of Korea
【Fターム(参考)】