説明

LED線状光源およびバックライト

【課題】放熱性が高く、且つ、反り量を低減することのできるLED線状光源およびLED線状光源を用いたバックライトを得ることができる。
【解決手段】 本発明のLED線状光源(1,100,200)は、細長い金属ベース基板(10)と、金属ベース基板(10)上に列状に搭載した複数のLEDチップ(6)と、LEDチップ(6)を覆う透光性の封止樹脂(8)、を備えたLED線状光源(1,100,200)であって、前記封止樹脂(8)は、金属ベース基板(11)の長手方向に沿って前記積層構造層上に島状に、且つ等ピッチで配設する島状封止部(20)を構成し、各々の前記島状封止部(20)は、前記導体箔層(13)と電気的に接続した複数のLEDチップ(6)からなるLEDチップ群(16,216)を覆っており、島間部(30)のネジ(2)にて放熱部材に固定する。これにより、LED線状光源の反りが防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示パネルのバックライト光源として発光ダイオード(LED)を使用した線状光源および線状光源を用いたバックライト光源に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノートPC、液晶テレビ、モニター等における液晶表示パネルのバックライト光源として、冷陰極蛍光ランプ(CCFL)に替わって発光ダイオードが主流となりつつある。発光ダイオードは光に指向性があり、特にサイドビュータイプの面実装LEDでは導光板の板厚面に向かって光を照射できるため、従来の蛍光管方式の構造とは異なり、リフレクタ等の反射板の必要もなく光のロスも少ない。そこで、携帯電話やPDA、ノートPC等の小型液晶表示パネルのエッジライト型のバックライトとして極めて好適である。
【0003】
バックライトは、光源を配置する位置により大別して直下型とエッジライト型に分類される。薄型化に適したエッジライト型の構造は、液晶表示パネルの背面に配置した導光板の側面からLED光を入光させ、導光板の表面側から出射させる。しかしエッジライト型の構造の場合には、光源からの距離により明るさが異なる。そのため導光板の全面において均一照度を実現するためには、複雑な反射構造、例えば、三角柱形状または三角錐形状の凹部溝を所定の分布で導光板裏面に形成する反射構造等、を形成しなければならない。
【0004】
一方、直下型の構造は、エッジライト型の場合のような複雑な反射構造は必要ないものの、均一な照度を実現するためには、液晶表示パネルの背面には、拡散板および光源を配設しなければならないため、エッジライト型の場合に比べて厚くなる。
【0005】
光源として発光ダイオードを用いる場合には、複数の発光ダイオードをライン状に並べて接続した線状光源が好適である。この種のLED線状光源として、例えば、特許文献1に示す線状光源が知られている。
特許文献1には、配線パターンおよび開口した貫通孔が形成されているフィルム基板に列状にマウントした複数の発光ダイオードと、フィルム基板の裏面に設けた金属材からなる光源支持フレームから成り、発光ダイオードの背面側に達するように前記孔内に熱伝導性接着剤を充填した線状光源が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−162626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の線状光源の場合、発光ダイオードからの発熱は、貫通孔に充填した熱伝導性接着剤を介してフィルム基板および光源支持フレームを通して放熱させることができる。より放熱性を高めて光源チップへ流せる電流量を増やすことができれば、光源チップの輝度をより高めることができる。
【0008】
そこで、熱伝導性接着剤充填層の厚みをより薄くすること、およびLEDパッケージを介さずにLEDチップから直接放熱することによって、放熱性を高めることが考えられる。LEDチップを搭載する基板を回路配線層が熱伝導性材料が充填された絶縁層を介して金属基板上に形成された金属ベース基板を用いて、COB(Chip on board)構造のLED光源を検討した。しかしながら、ベース金属層と熱伝導性材料が充填された絶縁層の熱膨張係数が異なることから、LED光源の点灯時に、温度上昇に伴い基板の反りが発生する、という問題が生じた。
【0009】
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、発光ダイオード裏面の熱伝導性接着剤充填層を介して光源支持フレームに放熱するよりも放熱性が高く、且つ、金属ベース基板の反りによる放熱性の低下を防止することのできるLED線状光源およびLED線状光源を用いたバックライトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明のLED線状光源(1,100,200)は、細長い金属ベース基板(10)と、金属ベース基板(10)上に列状に搭載した複数のLEDチップ(6)と、LEDチップ(6)を覆う透光性の封止樹脂(8)、を備えたLED線状光源(1,100,200)であって、
前記金属ベース基板(10)は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、鉄(Fe)またはこれらの金属材料を主成分とする合金からなるベース金属層(11)と、ベース金属層(11)の一方の表面側に形成された熱伝導性材料が充填された絶縁層(12)および導体箔層(13)を有する積層構造層を有し、前記ベース金属層(11)の厚みが前記積層構造層の厚みよりも厚く形成されており、
前記封止樹脂(8)は、金属ベース基板(11)の長手方向に沿って前記積層構造層上に島状に、且つ等ピッチで配設する島状封止部(20)を構成し、
前記金属ベース基板(10)には、複数の島状封止部(20)および島間部(30)が交互に整列しており、
各々の前記島状封止部(20)は、前記導体箔層(13)と電気的に接続した複数のLEDチップ(6)からなるLEDチップ群(16,216)を覆っており、
前記金属ベース基板(10)の島間部(30)に機械的固定手段締結部(2)および給電部(3)が形成されており、
前記機械的固定手段(2)、島状封止部(30)および給電部(3)が直線上に並んで配設する、ことを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、金属ベース基板の反りを防止した放熱性の高いLED線状光源を低コストで提供することができ得る、という利点がある。
【0012】
さらに、LED線状光源(1,100,200)は、
前記封止樹脂(8)に覆われる複数のLEDチップ(6)が、2個から20個の間であり、金属ベース基板(10)長手方向において、等しいピッチで整列しており、
各々の前記島状封止部の内部に存在するLEDチップ数が、すべて等しいことを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、さらに、照度ムラを低減できる、という利点がある。
【0014】
また、本発明のバックライト(300,400)は、
第1の上記LED線状光源(1,100,200)と、第2の上記LED線状光源(1,100,200)と、第1および第2のLED線状光源が隣接して取り付けられた放熱部材(4)を備えたバックライトであって、
前記第1の線状光源における前記島状封止部(30)のピッチと、前記第2の線状光源における前記島状封止部(30)のピッチが同一ピッチであり、隣接基板間継ぎ目部における島状封止部(30)のピッチも同一ピッチであることを特徴とする
【0015】
このバックライトの発明によれば、LED線状光源基板が反ることによる裏面放熱部材あるいは金属性光源支持フレームとの密着不均一に起因するLEDチップ温度ムラとそれに起因する発光光度ムラが低減し、LEDが点灯して温度が上昇したとしても、バックライト全体の照度パターンが大きく変化しないバックライトを得ることができ得る、という利点がある。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、LEDチップからの発熱を金属ベース基板に伝え、金属ベース基板を介して効果的に放熱させることができるようになる。LEDチップの周辺への熱による影響を回避することかできる。また、金属ベース基板の反り量を低減することのできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態であるLED線状光源を放熱部材に取り付けた状態の一例を示す概略構成図で、(a)が平面図、(b)が側面図である。
【図2】図2は、図1(a)の部分拡大図である。
【図3】図3は、第2の実施態様に係るLED線状光源を放熱部材に取り付けた状態の一例を示す概略構成図で、(a)が平面図、(b)が側面図である。
【図4】図4は、本発明の第3の実施態様に係るLED線状光源を放熱部材に取り付けた状態の一例を示す概略構成図で、(a)が平面図、(b)が側面図である。
【図5】図5は、図4の部分拡大図で、(a)が平面拡大図、(b)が側面拡大図である。
【図6】図6は、本発明に係るLED線状光源を用いた液晶表示パネルのバックライトの構成を示す概略斜視図であり、(a)が直下型バックライト、(b)がエッジライト型バックライトである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態である灯具について図1〜図10を参照しながら説明する。
【0019】
<第1の実施の形態>
図1は本発明の第1の実施態様に係るLED線状光源1を放熱部材に取り付けた状態の一例を示す概略構成図で、(a)が平面図、(b)が側面図である。図2は図1(a)の部分拡大図で、(a)が平面図、(b)が側面図である。本実施形態のLED線状光源1は、金属ベース基板10の一方の表面10a上に島状の封止樹脂部20と島間部30とが交互に列状に並んでおり、封止樹脂部20内に、LEDチップ6が搭載されている。また、LED線状光源1は、金属ベース基板10の裏面10bが放熱部材4に当接するようにしてネジ2にて取り付けて固定している。符号3は、LEDチップ6に電気的に接続する給電電線である。
【0020】
金属ベース基板10は、細長い線状基板とした片面パターン基板とされ、一方の表面側1aにLEDチップ6を搭載してCOB構造を構成する。金属ベース基板10は、ベース金属層11の上に絶縁層12および所定パターンとした導体箔層13を積層した積層構造とし、裏面10bは、ベース金属11が露出している。ベース金属層11は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、鉄(Fe)またはこれらの金属材料を主成分とする合金から成る。これらの金属材料を用いることで熱伝導性を高めると共に、加工性を高めコストを低減できるからである。なお、熱伝導率(λW/(m・K))は、純粋アルミニウムが256、鉄が75、銅が350〜372であり、鋼(炭素鋼 SC)の41に対し5倍以上の熱伝導率を有するアルミニウム(Al)および銅(Cu)が特に好適である。
【0021】
絶縁層12は、金属ベース基板10の表面に絶縁性高分子、例えばエポキシ樹脂を塗布して形成する。熱伝導性を高めるために内部に熱伝導性材料、例えば窒化アルミナ(AlN)、炭化ケイ素(SiC)などの高熱伝導性セラミックスを分散させたものを用いるのが好ましい。なお、熱伝導率(λW/(m・K))は、窒化アルミナ(AlN)が150、炭化ケイ素(SiC)が60であり、鋼(炭素鋼 SC)の41よりも高い熱伝導率を有するからである。
【0022】
金属箔層13は、絶縁層12上に形成し、LEDチップ6に給電するための配線パターンをなす。低抵抗且つ熱伝導性に優れた金属箔材料により形成し、例えば銅箔を用いる。
また、金属箔層13の表面は、LEDチップ6と電気的に接続する箇所を除き、白色絶縁膜14が塗布形成されている。白色絶縁膜14はLEDチップ6から照射された光を反射する。
【0023】
ベース金属層11の厚みは、線状光源としてLEDチップ6を実装してハンドリングできる剛性を有するため0.5mm以上とし、軽量化のためには2mmを超えないことが実用上好ましい。また、ベース金属層11の厚みを表面10a側の積層層の総厚み(絶縁層12+金属箔層13+白色絶縁層14)よりも厚く形成することで、熱伝導率と剛性の双方の特性を良好なものとする組合せとすることができる。また、ベース金属層11の厚みをフィルムよりも厚くしているので、背景技術にて説明したフィルム基板の裏面に設けた金属材からなる光源支持フレームよりも放熱性を高することができる。
【0024】
金属ベース基板10としては、例えば、電気化学工業株式会社製の高熱伝導性アルミニウム基板を用いることができる。熱伝導性絶縁層12の熱膨張係数は、一般にベース金属層11の熱膨張係数よりも大きい。例えば、電気化学工業株式会社製のK−1(汎用タイプ絶縁層)の熱膨張係数は7.8×10−5/℃、TH−1(高熱伝導タイプ絶縁層)は6.7×10−5/℃である。一方、金属アルミニウム、アルミニウム合金の熱膨張係数が2.2〜2.4×10−5/℃、銅、銅合金の熱膨張係数は1.6〜2.0×10−5/℃である。
【0025】
また、金属ベース基板10の一方の表面10a上には、複数のLEDチップ6が搭載固定され、金属箔層13に電気的に接続されている。LEDチップ6としては例えば、窒化ガリウム系の発光ダイオードチップを用いることができる。図2はサファイア基板上に成長した窒化ガリウム系の発光ダイオードチップ6を、ワイヤー7により白色絶縁膜14にて覆っていない部分の金属箔層13に接続している。
【0026】
図2においてLEDチップ6は、2個のLEDチップ6によりLEDチップ群16を構成する。図2では8個のLEDチップ6と4個のLEDチップ群16を示す。各LEDチップ群を構成するLEDチップ6は同数とし、各々のLEDチップ群16に含まれるLEDチップ6の配列も同一とされる。
【0027】
封止樹脂層8は、LEDチップ群16、ワイヤー7およびベース金属層表面11aの一部を覆う立方体形状をなす。封止樹脂層8は、LEDチップ6からの発光色を透過可能な材料よりなる。封止樹脂層8は、金属ベース基板10上に複数のLEDチップ6,6・・.6を搭載し、金ワイヤー7にてワイヤーボンディングした後に、エポキシ樹脂もしくはシリコーン樹脂などの光透過性樹脂を、印刷などの手段で形成する。
【0028】
封止樹脂層8により覆われたLEDチップ群16は、島状に金属ベース基板10上に整列する。本明細書において、島状に整列している封止樹脂層8の部分を「島状封止部」、隣接する島状封止部間の、LEDチップ6および封止樹脂層8の存在しない部分を「島間部」と呼ぶ。島状封止部20および島間部30は、金属ベース基板表面10a上にて長手方向に沿って交互に、一列に整列して配置する。島状封止部20、20は全て同一ピッチAとなるように整列する。隣接する島状封止部20間のピッチAは、各々の島状封止部の金属ベース基板20の長手方向の中心間の距離である。
【0029】
また、金属ベース基板10を放熱部材4に固定する。金属ベース基板10および放熱部材4にはネジ2に対応するネジ孔を設ける。放熱部材4は、金属ベース基板10を固定した側と反対側に図示しない放熱フィンなどを設けたアルミダイキャストや放熱性樹脂からなる。放熱部材4に固定する際には、ネジ2を用いる。島間部30を使用して、ネジ2で金属ベース基板10と放熱部材4とのネジ止め固定を行う。島間部30はネジ2よりも大きな間隔を設ける。島間部30の長手方向の大きさ、すなわち島状封止部20間の距離が、他の島間部30の長手方向の大きさに比べて大きくなってしまうと、バックライトに適用したときに輝度ムラとなって現われる。したがって、ネジ2を設けない部分の間隔とネジを設ける部分の間隔を揃えるようにする。なお、図2(a)において放熱部材4は図面を判り易くするために図示を省略している。
【0030】
ネジ2による固定は、金属ベース基板10の長手方向において対称位置に設け、且つ、端部よりの位置のネジ2a、2bおよび中央部のネジ2c,2dにて放熱部材4に固定する。このようにすることで、LEDチップ6の点灯により金属ベース基板10が温度上昇した時に、ベース金属層11と絶縁層12の熱膨張係数が異なることによって発生する反り力を抑えて、金属ベース基板裏面10bを放熱部材4に全面均一密着させることができる。
【0031】
さらに、島間部30のスペースを使用して、複数のLEDチップ6への給電を行なうための給電電線3を設ける。島間部30の金属ベース基板10の側面から切り欠き部14を設け、他方の側面側に給電電極パッド5を設ける。給電電極パッド5は、前記導体箔層13の露出面でも良いし、導体箔層13上に設けたメッキ層でも良い。放熱部材4にも切り欠き部が形成されており、金属ベース基板10および放熱部材4の切り欠き部14に被覆金属導体線からなる給電電線3を設け、その一端を給電電極パッド5にハンダにて接続している。切り欠き部14を側面から設けているので、加工が容易で、且つ、給電電線3の設置を容易に行なうことができ、総じてコストを低減することができる。
【0032】
給電電線3を設ける位置は、金属ベース基板の長手方向最端部寄りのネジ2による機械的固定手段を設けた島間部30に隣接する島間部30とする。金属ベース基板が温度変化によりその長手方向の寸法が膨張もしくは収縮した場合でも、ネジ2にて固定されているので、移動量が抑制される。したがって、かかる場所に設けることで、給電電線3に加わる応力を低減することができる。
また、金属ベース基板の反りを低減することで、金属ベース基板を通して放熱する熱量を増加することができる。これにより、LEDチップへ流せる電流量を増やすことができ、LEDチップの輝度をより高めることができる。
【0033】
<第2の実施の形態>
図3は本発明の第2の実施態様に係るLED線状光源100を放熱部材に取り付けた状態の一例を示す概略構成図で、(a)が平面図、(b)が側面図である。第2の実施の形態においては、放熱部材4に、第1の実施の形態にて説明したLED線状光源10を2個固定している。尚、第1の実施の形態と同一の構成については同一の符号を付し、ここでの詳細な説明を省略する。
【0034】
第1のサブLED線状光源1aと、これに隣接して設置する第2のサブLED線状光源1bを、1枚の放熱部材4に当接するようにネジ2にて機械的に固定する。第1のサブLED線状光源1aおよび第2のサブLED線状光源1bの各々は、第1の実施の形態で説明したLED線状光源1と同一の構造のものとされ、島状封止部20、20間のピッチAは全て同一とされている。ピッチAは、具体的には2mm以上、40mm以下とする。ピッチが2mmよりも短いとLEDチップ6からの発熱の影響が大きくなり線状光源に生じる反り量が増加して好ましくない。一方、40mmよりも長いと、島間部の大きさが大きくなり、島状封止部間と島間部との輝度差が目立つものとなり、バックライトに用いたときに輝度ムラを生じ好ましくないからである。
【0035】
第1のサブLED線状光源1aと第2のサブLED線状光源1bとの間の継ぎ目部における隣接する島状封止部20、20間のピッチCも、前記したピッチAと同一になるように配置する。図3では2枚の基板を示したが、サブLED線状光源が3個以上の場合でも継ぎ目部での封止樹脂配置ピッチCがすべてピッチAと同一となるように設計する。このような設計を行うことによって、サブLED線状光源を複数使用して1つのLED線状光源を構成する場合においても、LED線状光源全体内での島状封止部間のピッチがすべて同一値Aとなるようにすることができる。
【0036】
<第3の実施の形態>
図4は本発明の第3の実施態様に係るLED線状光源200を放熱部材に取り付けた状態の一例を示す概略構成図で、(a)が平面図、(b)が側面図である。図5は図4の部分拡大図で、(a)が平面拡大図、(b)が側面拡大図である。第3の実施の形態においては、放熱部材4に、第1の実施の形態にて説明したLED線状光源10におけるLEDチップ群16に代えて、LEDチップ群216としている点としている。また、島状封止部20、20間のピッチはピッチAに代えてピッチBとしている。他の点は基本的に第1の実施の形態と同一の構成であり、同一の構成については同一の符号を付し、ここでの詳細な説明を省略する。
【0037】
LEDチップ群216は、4個のLEDチップ6からなる。各々のLEDチップ6は、近接配置したLEDチップ群216における両端、図5紙面における1つのLEDチップ群216の4個のLEDチップのうち最も右端および左端、のLEDチップの片側電極が導体箔層13へ電気的接続するようにワイヤボンディングを行う。また、LEDチップチップ群216内における隣接するLEDチップ6間の電極同士が、電気的接続するように金ワイヤー7にて直接接続されている。
【0038】
このようなワイヤボンディング接続を行うことによって、第1の実施の形態に比べてより高密度に1チップ群内のLEDチップ配置を行うことが可能となる。したがって、より大光束のLEDチップ群216を得ることができ、例えば大型テレビ用バックライト等の高照度が求められる用途に適したLED線状光源200を得ることができる。
なお、LED線状光源200においても、夫々の島状封止部20間のピッチは全て同一のピッチBとなるように配置され、島間部30を使用して、ネジ止め固定、給電電線接続を行う。
【0039】
また、図4および図5に示したLED線状光源200をサブLED線状光源として、サブLED線状光源間の継ぎ目部における隣接する島状封止部20、20間のピッチをピッチBとすることで、すべての島状封止部間のピッチが同一値Bとなるようにして、第2の実施の形態のように、より長いLED線状光源とすることもできる。なお、図5(a)において放熱部材4は図面を判り易くするために図示を省略している。
【0040】
LEDチップ群を構成するLEDチップの数はこれに限るものではない。また、1列に限定するものでもない。一つのLEDチップ群を構成するLEDチップは2個から20個が好適である。これよりも数が多くなると、一つの島状封止部の大きさが大きくなり、封止樹脂層と金属ベース基板との間の剥離が生じやすくなるからである。
【0041】
<第4の実施の形態>
図6は本発明の第2の実施態様に係るLED線状光源100を用いた液晶表示パネルのバックライトの構成を示す概略斜視図であり、(a)が直下型バックライト、(b)がエッジライト型バックライトである。
【0042】
直下型バックライト300は、上面が開放した箱状の筐体310と、その底面に設けた複数のLED線状光源1と、筐体310内に設けた拡散板320と、筐体310内に設けた図示しない液晶表示パネル駆動装置およびLED線状光源点灯装置を備える。また、筐体310の開放面には液晶表示パネル330を設ける。なお、LED線状光源1は先に説明した第1実施の形態と同一の構成とされ、ここでの詳細な説明は省略する。
【0043】
LED線状光源1の照射方向が筐体の開放した面、すなわち液晶表示パネルを取り付ける面に向くように配置する。LED線状光源1と筐体310は直接固定する。このとき、LED線状光源1の金属ベース基板10の裏面10bのほぼ全面が筐体310に面接触するように固定し、筐体310は放熱部材の一種として機能する。固定には第1の実施の形態と同様にネジを用いる。また、筐体310に取り付ける際に、第1の実施の形態にて説明した放熱部材4を介して固定しても良い。
【0044】
拡散板320は、LED線状光源1と液晶表示パネル330との間に設ける。LED線状光源1が図示しない点灯装置により点灯したとき、拡散板320を介して液晶表示パネルを照射することで、バックライトの均一性を向上させる。
【0045】
また、複数のLED線状光源1における各々の島状封止部20のピッチは、全て同一とする。同一ピッチとすることで、バックライト300の照度ムラを低減することができる。また、LEDチップが点灯したときの熱による影響を、複数のLED線状光源1間でほぼ揃えることができ、全体としてLED線状光源1の反りを抑制し、バックライトの照度がLED線状光源1が反ることで生じる照度ムラを低減することができる。
【0046】
エッジライト型バックライト400は、アクリルなどの透明材料にて形成した導光板410と、その側面に配置したLED線状光源1と、導光板410の背面側に設けた反射シート420と、図示しない液晶表示パネル駆動装置およびLED線状光源点灯装置を備える。また、エッジライト型バックライト400は筐体310内に収納され、筐体310の開放面には液晶表示パネル330を設ける。なお、LED線状光源1は先に説明した第1実施の形態と同一の構成とされ、ここでの詳細な説明は省略する。
【0047】
LED線状光源1の照射方向は導光板410の板面方向とする。LED線状光源1は、筐体内部の側面に、導光板410の側面を向いて配置する。LED線状光源1と筐体310は直接固定する。このとき、LED線状光源1の金属ベース基板10の裏面10bのほぼ全面が筐体310に面接触するように固定し、筐体310は放熱部材の一種として機能する。固定には第1の実施の形態と同様にネジを用いる。また、筐体310に取り付ける際に、第1の実施の形態にて説明した放熱部材4を介して固定しても良い。
【0048】
導光板410の裏面側には所定の微小反射部が多数形成されており、導光板側面から入射した光を液晶表示パネル330を設ける側に向けて反射する。反射シート420は、導光板410の液晶表示パネル330を配設する側と反対の面、すなわち背面に導光板410に密接して設ける。
【0049】
また、複数のLED線状光源1における各々の島状封止部20のピッチは、全て同一とする。同一ピッチとすることで、バックライト300の照度ムラを低減することができる。また、LEDチップが点灯したときの熱による影響を、複数のLED線状光源1間でほぼ揃えることができ、全体としてLED線状光源1の反りを抑制し、バックライトの照度がLED線状光源1が反ることで生じる照度ムラを低減することができる。
【0050】
また、バックライトの光源として複数のLED線状光源1を設ける例にて説明したが、LED線状光源100およびLED線状光源200を用いても良い。
【0051】
直下型バックライト300およびエッジライト型バックライト400において、COB構造のLED線状光源1を筐体310あるいは放熱部材を介して筐体310への固定を行なう際、熱伝導性接着テープや熱伝導性接着剤のみで固定することも考えられる。しかし、接着テープや接着剤では、LED点灯時の基板の温度上昇に伴って発生する反り力で剥離する危険性が高いため、ネジ止め等の機械的な固定力にて設置することが好適である。
【0052】
一般に、ネジ止め等の機械的固定を実施しようとする際の問題点として、金属ベース基板のネジ止めを行なうと、エッジライト型バックライトにおいては導光板410の厚み方向の基板幅を大きくして線状の発光部の両脇の幅方向のスペースにてネジ固定を行なう。そのため、COB構造によるバックライト全体の薄型化を図る効果が乏しくなる。一方、本実施の形態においては、図1および図2等に示したように、島状封止部20間の島間部30にてネジ止めを実施しているので、金属ベース基板幅を厚くしなくても良い、という効果がある。さらに、金属ベース基板10に切り欠き部15を設けて給電電線3を基板裏面側へ引き回すようにすることで、基板幅より給電電線がはみ出すこともない。したがって、バックライト全体の薄型化を図ることができる。
【0053】
また、ネジは金属ネジを用いることが好ましく、より好適には、金属ベース基板のベース金属層と同一材料の金属ネジを用いる。ネジを金属ベース基板と同等の熱伝導性のものとすることで、ネジ孔を設けた箇所とネジ孔を設けない箇所とで生じる伝熱性および放熱性の差を最小限にすることができ、これにより、照度ムラが生じることを抑制することができる。
【0054】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。例えば、実施の形態において説明したLEDチップ6として青色光を発光するLED、緑色光を発光するLED、赤色光を発光するLEDを組み合わせて使用することにより、白色光を発光する光源モジュールとすることも本発明に包含される。さらにまた、LEDチップ6に青色光を発光するLEDを使用し、封止樹脂層8内に青色LEDにて励起発光する黄色発光蛍光体または緑色蛍光体および赤色蛍光体を含有させることにより、白色光を発光するLED線状光源としても良い。また、LEDチップ6に紫外光を発光するLEDを使用し、封止樹脂層8内に青色蛍光体、緑色蛍光体および赤色蛍光体を含有させることによっても、白色光を発光するLED線状光源としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明に係るLED線状光源によれば、ライン状の発光を基板の反りを抑制することができるという効果が得られる。よって、反りによる配光特性の変化量を低減することでき、液晶表示素子パネルのバックライト用の光源に限らず、感光体のイレーサ光源、照明光源などを始めとする照明用途にも適用できる。また、液晶表示素子パネルのバックライトに限らず、看板照明などのバックライト光源にも適用できる。
【符号の説明】
【0056】
1,100,200 LED線状光源
2 ネジ
3 給電電線
4 放熱部材あるいは金属筐体
5 給電電極パッド
6 LEDチップ
7 ボンディングワイヤ
8 封止樹脂層
10 片面パターン金属ベース基板
10a 表面
10b 裏面
11 ベース金属層
12 絶縁層
13 導体箔層
14 白色絶縁膜
15 切り欠き部
16 LEDチップ群
20 島状封止部
30 島間部
300 直下型バックライト
310 筐体
320 拡散板
330 液晶表示パネル
400 エッジライト型バックライト
410 導光板
420 反射シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い金属ベース基板と、金属ベース基板上に列状に搭載した複数のLEDチップと、LEDチップを覆う透光性の封止樹脂、を備えたLED線状光源であって、
前記金属ベース基板は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、鉄(Fe)またはこれらの金属材料を主成分とする合金からなるベース金属層と、ベース金属層の一方の表面側に形成された熱伝導性材料が充填された絶縁層および導体箔層を有する積層構造層を有し、前記ベース金属層の厚みが前記積層構造層の厚みよりも厚く形成されており、
前記封止樹脂は、金属ベース基板の長手方向に沿って前記積層構造層上に島状に、且つ等ピッチで配設する島状封止部を構成し、
前記金属ベース基板には、複数の島状封止部および島間部が交互に整列しており、
各々の前記島状封止部は、前記導体箔層と電気的に接続した複数のLEDチップからなるLEDチップ群を覆っており、
前記金属ベース基板の島間部に機械的固定手段締結部および給電部が形成されており、
前記機械的固定手段、島状封止部および給電部が直線上に並んで配設する、ことを特徴とするLED線状光源。
【請求項2】
前記封止樹脂に覆われる複数のLEDチップは、2個から20個の間であり、金属ベース基板長手方向において、等しいピッチで整列しており、
各々の前記島状封止部の内部に存在するLEDチップ数が、すべて等しいことを特徴とする請求項1に記載のLED線状光源。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の第1のLED線状光源と、請求項1または請求項2に記載の第2のLED線状光源と、第1および第2のLED線状光源が隣接して取り付けられた放熱部材を備えたバックライトであって、
前記第1の線状光源における前記島状封止部のピッチと、前記第2の線状光源における前記島状封止部のピッチが同一ピッチであり、隣接基板間継ぎ目部における島状封止部のピッチも同一ピッチであることを特徴とするバックライト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−119436(P2012−119436A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266836(P2010−266836)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】