説明

LED表示装置

【課題】RGBを含む4つの発光源により画素が構成される場合において、画質を悪化させることなく部品数を削減するとともに、高精細な画像表示を行うことができるLED表示装置を提供する。
【解決手段】マトリクス状に配列された複数の2色LEDランプ21を、隣接する2個の2色LEDランプ21の集合体を1画素として駆動することにより、画像を表示するLED表示装置20において、上記集合体は、青色LEDチップおよび赤色LEDチップを内蔵した青・赤色LEDランプ(B,R)と、赤色LEDチップおよび緑色LEDチップを内蔵した赤・緑色LEDランプ(R,G)とを含み、画素(22a,22b,22c,…)は、行方向または列方向に隣接する画素(22b,22c,…)と、上記集合体を構成する2色LEDランプ21のうち上記隣接する画素の側に位置する2色LEDランプ21が、共有して駆動されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED表示装置に関するものであり、詳細には、主に屋外で文字や映像などの情報(画像)を表示する、多色表示可能なLED表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図6は、従来のLED表示装置1の構成を示す外観斜視図である。図7は、図6に示したLED表示装置1の一部断面側面図である。
【0003】
LED表示装置1は、所定の間隔でマトリクス状に配列した複数のLEDランプ2を駆動(発光)することによって、文字や映像などの情報(画像)を表示する。LEDランプ2は、プリント配線基板3に実装されている。プリント配線基板3は、LEDランプ2の実装面が露出するように、ケース4に固定され収められている。
【0004】
プリント配線基板3には、図示しない駆動制御回路が実装されている。駆動制御回路は、表示する画像データに基づいて、LEDランプ2を駆動するための駆動信号を、LEDランプ2に出力する。LEDランプ2は、駆動信号に応じて発光する。これにより、配列されたLEDランプ2が露出している面、すなわち表示部に、画像が表示される。画像表示は画素単位で行われており、1つのLEDランプ2により、1つの画素(1ピクセル)が形成されている。
【0005】
また、LED表示装置1は、ルーバー5を備えている。ルーバー5は、プリント配線基板3の4辺に、各辺に沿って壁をなすように形成されている。ルーバー5を備えることにより、LED表示装置1を屋外で使用する際、太陽光がLEDランプ2に入射しないように、太陽光を遮光することができる。よって、表示のコントラストを向上することが可能となる。
【0006】
さらには、LED表示装置1は、ケース4とLEDランプ2との間の空間が、樹脂により充填されて構成されている。これにより、LED表示装置1を屋外で使用する際、駆動制御回路などに雨水を浸入させないようにしている。よって、LED表示装置1は、屋外に設置される場合であっても、好適に使用することが可能である。
【0007】
LEDランプ2としては、単色のLEDランプが用いられ、例えば、赤色LEDチップを内蔵した赤色LEDランプと、緑色LEDチップを内蔵した緑色LEDランプと、青色LEDチップを内蔵した青色LEDランプとが用いられている。これら各色のLEDランプ2は、一定の配列パターンに基づいて配列されている。
【0008】
表示の際、1つのLEDランプ2が、表示の1ドットを構成し、色情報を持つ1画素として駆動されている。但し、多色(フルカラー)表示を行う場合は、1画素に、R(赤)G(緑)B(青)3色を発光可能なLEDランプを構成する必要がある。このため、1つの単色LEDランプを、1画素として駆動する場合、表示させる色数に限界があり、多色表示は困難である。
【0009】
それゆえ、LEDランプ2として、赤色LEDチップ、緑色LEDチップ、および青色LEDチップを内蔵した3色LEDランプを用いることもある。3色LEDランプを1画素として駆動することにより、多色表示が可能となる。
【0010】
また、多色表示を行うために、赤色LEDランプ、緑色LEDランプ、および青色LEDランプを含む、単色LEDランプを4個使用した集合体が、1画素として駆動される場合もある。
【0011】
次いで、図8を参照しながら、上記駆動時に構成される画素について説明する。
【0012】
図8は、表示部のレイアウトを示す正面図である。なお、図8では、表示部の一部(8行×8列の計64個のLEDランプ2)を示しており、Rは赤色LEDランプを示し、Gは緑色LEDランプを示し、Bは青色LEDランプを示している。なお、LEDランプ2の配列パターン、および画素の取り得る構成が異なるのみで、LED表示装置1と同一の構成により駆動される。
【0013】
1画素(1ドット、1ピクセル)は、1個の赤色LEDランプ、2個の緑色LEDランプ、および1個の青色LEDランプを含む、隣接する2行×2列の計4個のLEDランプ2の集合体により構成されている。
【0014】
具体的には、画素6aは、右上に位置する緑色LEDランプと、右下に位置する赤色LEDランプと、左上に位置する青色LEDランプと、左下に位置する緑色LEDランプとにより構成されている。また、画素6aの左隣に位置する画素6bも、画素6aを構成するLEDランプ2の集合体の隣にて、同様に構成されている。
【0015】
このようにして、図8に示す8行×8列の計64個のLEDランプ2が備えられている構成においての画素数は16個となる。そして、16個の画素は重なることなく分布している。各画素(画素6a,6b,…)には、RGBの3色発光を可能にする4個のLEDランプ2が内蔵されているので、多色表示が可能となっている。
【0016】
ここで、多色表示と同時に、画質を悪化させることなく、LED表示装置の小型化や解像度(精細度)の向上を実現することが、常に要望されている。これに対し、従来では、1つの単色LEDランプが1画素を構成するが、LEDランプを時分割駆動して表示を行うことにより、解像度を高めたり(例えば、特許文献1参照。)、1画面表示が終了するごとに、画素を構成するRGBそれぞれのLEDランプの組合せが変わるように、点灯制御ラインをずらして駆動することにより、高精細な画像表示を可能としている(例えば、特許文献2参照。)。
【0017】
さらに、特許文献3には、緑色LEDランプが所定の間隔で配列され、赤色LEDランプまたは青色LEDランプが緑色LEDランプ間に配列されている構成において、画素が、赤色LEDランプまたは青色LEDランプを隣接する画素と共有し、隣接する画素を時分割駆動する構成が記載されている。これにより、1画素がRGB3色のLEDランプをそれぞれ個別に1つずつ含むように構成される場合に比べて、画質を維持しながら、LEDランプの数を減らしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特許3396215号明細書(2000年9月28日公開)
【特許文献2】特許3452872号明細書(2002年1月23日公開)
【特許文献3】特開2003−248461号公報(2003年9月5日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、従来では、図8を用いて説明したような、各画素が、1個の赤色LEDランプ、2個の緑色LEDランプ、および1個の青色LEDランプを含む、隣接する2行×2列の計4個のLEDランプ2の集合体により構成される場合においては、解像度を向上させ、高精細な画像表示を行うことができないという問題点を有している。
【0020】
上記集合体により画素が構成される場合、精細度は各ドットのピッチによって決められていた。また、RGB内蔵の3色LEDランプにおいても、3色LEDランプのピッチによって精細度は決められるが、3色含むため3色LEDランプ自体のサイズが大きい。
【0021】
特許文献1には、R,G,BのLEDランプを均一に配置し、LEDランプの配列密度よりも高密の駆動データ配列を対比させて駆動させることで、より一般的に文字や画像情報を高精細に表示することを可能にすることが記載されているが、駆動データが非常に多く、複雑な構成になっている。
【0022】
また、特許文献2には、解像度を高める手法が開示されているが、LEDランプ数を極力減らした構成により、信頼性の点で不具合が生じる。すなわち、R,G,Bの個々の色のLEDランプを2等辺三角形に配置し、1画素を構成しているが、R,G,BのLEDランプは性能が全く同じではないので、特定の色のLEDランプのみ、輝度を補うために駆動電流を大きくするなどの対応が必要となる。しかし、大電流駆動は、特定の色のLEDランプの信頼性の低下につながるので望ましくない。
【0023】
さらに、特許文献3には、特許文献2と同様に解像度を高める手法が開示されているが、隣接する画素間で共有するLEDランプを視認性の低いランプに限定しているため、その色の表示が不鮮明になるという虞がある。
【0024】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、RGBを含む4つの発光源により画素が構成される場合において、画質を悪化させることなく部品数を削減するとともに、高精細な画像表示を行うことができるLED表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記課題を解決するために、本発明のLED表示装置は、マトリクス状に配列された複数の2色LEDランプを、隣接する2個の2色LEDランプの集合体を1画素として駆動することにより、画像を表示するLED表示装置において、上記集合体は、青色LEDチップおよび緑色LEDチップを内蔵した青・緑色LEDランプと、緑色LEDチップおよび赤色LEDチップを内蔵した緑・赤色LEDランプとを含み、画素は、行方向または列方向に隣接する画素と、上記集合体を構成する2色LEDランプのうち上記隣接する画素の側に位置する2色LEDランプが、共有して駆動されていることを特徴としている。
【0026】
また、本発明のLED表示装置は、マトリクス状に配列された複数の2色LEDランプを、隣接する2個の2色LEDランプの集合体を1画素として駆動することにより、画像を表示するLED表示装置において、上記集合体は、青色LEDチップおよび赤色LEDチップを内蔵した青・赤色LEDランプと、赤色LEDチップおよび緑色LEDチップを内蔵した赤・緑色LEDランプとを含み、画素は、行方向または列方向に隣接する画素と、上記集合体を構成する2色LEDランプのうち上記隣接する画素の側に位置する2色LEDランプが、共有して駆動されていることを特徴としている。
【0027】
さらに、本発明のLED表示装置は、マトリクス状に配列された複数の2色LEDランプを、隣接する2個の2色LEDランプの集合体を1画素として駆動することにより、画像を表示するLED表示装置において、上記集合体は、赤色LEDチップおよび青色LEDチップを内蔵した赤・青色LEDランプと、青色LEDチップおよび緑色LEDチップを内蔵した青・緑色LEDランプとを含み、画素は、行方向または列方向に隣接する画素と、上記集合体を構成する2色LEDランプのうち上記隣接する画素の側に位置する2色LEDランプが、共有して駆動されていることを特徴としている。
【0028】
上記の各構成によれば、行方向または列方向に隣接する各画素は、集合体を構成する2色LEDランプうち上記隣接する画素の側に位置する2色LEDランプが、共有して構成されていることにより、各画素は、行方向または列方向に重なり合って配列されている。
【0029】
よって、例えば、8行×4列または4行×8列の計32個の2色LEDランプが備えられている場合、画素数は28個(7行×4列または4行×7列)となる。従来では同配列の単色LEDランプの構成においての画素数は16個であるので、これに比べて、画像の解像度を約2倍近く向上することが可能となる。それゆえ、高精細な画像表示を行うことが可能となる。
【0030】
また、単色LEDランプを備える場合よりも、画質を悪化させることなく、ランプ数および回路部品を削減することが可能となる。それゆえ、大幅なコストダウンを実現するという効果も併せて奏する。
【0031】
なお、上記何れの構成においても、各画素には、赤(R)緑(G)青(B)の3色発光を可能にする2個の2色LEDランプが内蔵されているので、多色表示を行うことが可能となっている。
【0032】
また、集合体が、青・赤色LEDランプと赤・緑色LEDランプとを含む構成においては、赤色の割合が大きくなるように表示することが可能であるので、赤色で表示される情報がより鮮明となる。これにより、観測者に対して、上記情報として、例えば、危険情報などの重要情報を的確に伝えることが可能となり、観測者への注意の喚起向上につながる。
【発明の効果】
【0033】
以上のように、本発明のLED表示装置は、隣接する2個の2色LEDランプの集合体は、青色LEDチップおよび緑色LEDチップを内蔵した青・緑色LEDランプと、緑色LEDチップおよび赤色LEDチップを内蔵した緑・赤色LEDランプとを含み、画素は、行方向または列方向に隣接する画素と、上記集合体を構成する2色LEDランプのうち上記隣接する画素の側に位置する2色LEDランプが、共有して駆動されている構成である。
【0034】
また、本発明のLED表示装置は、隣接する2個の2色LEDランプの集合体は、青色LEDチップおよび赤色LEDチップを内蔵した青・赤色LEDランプと、赤色LEDチップおよび緑色LEDチップを内蔵した赤・緑色LEDランプとを含み、画素は、行方向または列方向に隣接する画素と、上記集合体を構成する2色LEDランプのうち上記隣接する画素の側に位置する2色LEDランプが、共有して駆動されている構成である。
【0035】
さらに、本発明のLED表示装置は、隣接する2個の2色LEDランプの集合体は、赤色LEDチップおよび青色LEDチップを内蔵した赤・青色LEDランプと、青色LEDチップおよび緑色LEDチップを内蔵した青・緑色LEDランプとを含み、画素は、行方向または列方向に隣接する画素と、上記集合体を構成する2色LEDランプのうち上記隣接する画素の側に位置する2色LEDランプが、共有して駆動されている構成である。
【0036】
それゆえ、各画素は、行方向または列方向に重なり合って配列されている。よって、従来に比べて、画像の解像度を約2倍近く向上することができ、高精細な画像表示を行うことができるという効果を奏する。また、単色LEDランプを備える場合よりも、画質を悪化させることなく、ランプ数および回路部品を削減することが可能となり、大幅なコストダウンを実現するという効果も併せて奏する。
【0037】
なお、上記何れの構成においても、各画素には、RGBの3色発光を可能にする2個の2色LEDランプが内蔵されているので、多色表示を行うことができるLED表示装置を提供するという効果を奏する。
【0038】
また、集合体が、青・赤色LEDランプと赤・緑色LEDランプとを含む構成においては、赤色の割合が大きくなるように表示することが可能であるので、赤色で表示される情報がより鮮明となる。これにより、観測者に対して、上記情報として、例えば、危険情報などの重要情報を的確に伝えることが可能となり、観測者への注意の喚起向上につながる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明におけるLED表示装置の実施の一形態を示す図である。
【図2】上記LED表示装置における、画素の他の構成例を示す図である。
【図3】上記LED表示装置における、LEDランプの他の配列例を示す図である。
【図4】本発明におけるLED表示装置の他の実施の形態を示すものであり、従来と比較した画素の構成例を示す図である。
【図5】上記LED表示装置における、従来と比較した画素の他の構成例を示す図である。
【図6】従来のLED表示装置の構成を示す斜視図である。
【図7】上記従来のLED表示装置の一部断面側面図である。
【図8】上記従来のLED表示装置における画素の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0041】
(LED表示装置の構成)
図1は、本実施の形態のLED表示装置10の一構成例を示す正面図である。なお、図1では、表示部の一部(8行×8列の計64個のLEDランプ2)を示している。
【0042】
本実施の形態のLED表示装置10は、図6〜8に示した従来のLED表示装置1と比較して、LEDランプ2の配列パターン、および画素の取り得る構成が異なるのみで、他は同様の構成を有している。それゆえ、説明の便宜上、前述した図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0043】
LED表示装置10は、所定の間隔でマトリクス状に配列された複数のLEDランプ2を駆動(発光)することによって、文字や映像などの情報(画像)を表示する。LEDランプ2は、プリント配線基板3に実装されている。プリント配線基板3は、LEDランプ2の実装面が露出するように、ケース4に固定され収められている。
【0044】
LEDランプ2は、1色を発光する半導体チップが1つ内蔵された、1色発光可能なLEDランプである。LEDランプ2は、行方向(垂直方向)および列方向(水平方向)に、等しいピッチ(等間隔)で配列されている。1ピクセルが、行方向(垂直方向)および列方向(水平方向)に2個のLEDランプ2を共有させながら、所定のピッチで配列されていればよい。
【0045】
また、LED表示装置10は、ルーバー5を備えている。これにより、LED表示装置10を屋外で使用する際、太陽光がLEDランプ2に入射しないように、太陽光を遮光することが可能となる。よって、表示のコントラストを向上することが可能となる。
【0046】
さらには、LED表示装置10は、ケース4とLEDランプ2との間の空間が、樹脂により充填されて構成されている。これにより、LED表示装置10を屋外で使用する際、駆動回路などに雨水が浸入することを防止することが可能となる。ゆえに、LED表示装置10は屋外での使用に好適である。
【0047】
図1において、Rは赤色LEDランプを示し、Gは緑色LEDランプを示し、Bは青色LEDランプを示している。赤色LEDランプ、緑色LEDランプ、および青色LEDランプは、一定の配列パターンに基づいて配列されている。
【0048】
1画素(1ドット、1ピクセル)は、1個の赤色LEDランプ、2個の緑色LEDランプ、および1個の青色LEDランプを含む、隣接する2行×2列の計4個のLEDランプ2の集合体により構成されている。そして、上記集合体を構成する右側の縦(行方向)2個のLEDランプ2は、右隣の画素を構成する集合体に含まれており、上記集合体を構成する左側の縦2個のLEDランプ2は、左隣の画素を構成する集合体に含まれている。
【0049】
詳細には、画素11aは、右上に位置する緑色LEDランプと、右下に位置する赤色LEDランプと、左上に位置する青色LEDランプと、左下に位置する緑色LEDランプとにより構成されている。また、画素11aの左隣の画素11bは、右上に位置する青色LEDランプと、右下に位置する緑色LEDランプと、左上に位置する緑色LEDランプと、左下に位置する赤色LEDランプとにより構成されている。
【0050】
よって、画素11bの右上に位置する青色LEDランプは、画素11aの左上に位置する青色LEDランプであるので、隣接する画素11aと画素11bとは、この青色LEDランプを共有している。同様に、画素11bの右下に位置する緑色LEDランプは、画素11aの左下に位置する緑色LEDランプであるので、隣接する画素11aと画素11bとは、この緑色LEDランプを共有している。
【0051】
したがって、列方向に隣接する画素11aと画素11bとは、集合体を構成するLEDランプ2のうち隣接する画素の側に位置する縦2個のLEDランプ2が、共有して構成されている。
【0052】
また、画素11bの左隣の画素11cは、右上に位置する緑色LEDランプと、右下に位置する赤色LEDランプと、左上に位置する青色LEDランプと、左下に位置する緑色LEDランプとにより構成されている。
【0053】
よって、画素11cの右上に位置する緑色LEDランプは、画素11bの左上に位置する緑色LEDランプあるので、隣接する画素11bと画素11cとは、この緑色LEDランプを共有している。同様に、画素11cの右下に位置する赤色LEDランプは、画素11bの左下に位置する赤色LEDランプであるので、隣接する画素11bと画素11cとは、この赤色LEDランプを共有している。
【0054】
したがって、列方向に隣接する画素11bと画素11cとは、集合体を構成するLEDランプ2のうち隣接する画素の側に位置する縦2個のLEDランプ2が、共有して構成されている。
【0055】
このように、列方向に隣接する各画素(画素11a,11b,11c,…)は、集合体を構成するLEDランプ2のうち隣接する画素の側に位置する縦2個のLEDランプ2が、共有して構成されている。ゆえに、LED表示装置10では、各画素は、列方向に重なり合って配列されている。
【0056】
よって、LED表示装置10では、例えば、図1に示す8行×8列の計64個のLEDランプ2が備えられている場合、画素数は28個(4行×7列)となる。従来の図8に示す8行×8列の計64個のLEDランプ2が備えられている構成においての画素数は16個であるので、これに比べて、LED表示装置10は画像の解像度を約2倍近く向上することが可能となる。それゆえ、高精細な画像表示を行うことが可能となる。
【0057】
また、上記効果を奏することにより、LEDランプ2の使用数を約1/2に低減することが可能となるので、画質を悪化させることなく、LEDランプ2の個数削減することが可能となる。さらに、回路部品(例えば、LEDランプ2への駆動信号を出力する信号配線など。)を削減することも可能となる。それゆえ、大幅なコストダウンを実現するという効果も併せて奏する。
【0058】
また、各画素には、RGBの3色発光を可能にする4個のLEDランプ2が内蔵されているので、LED表示装置10は、多色表示を行うことが可能となっている。つまりは、赤色LEDランプ、緑色LEDランプ、および青色LEDランプは、上記画素を構成する集合体に、1個の赤色LEDランプ、2個の緑色LEDランプ、および1個の青色LEDランプを含むような一定の配列パターンに基づいて配列されている。また、LEDランプ2は、等間隔で配列されていることにより、隣接する画素とLEDランプ2を共用しても、表示する映像に何ら影響はない。
【0059】
なお、LED表示装置10では、列方向に隣接する画素がLEDランプ2を共有する構成としたが、これに限らず、行方向に隣接する画素がLEDランプ2を共有する構成、または、行方向および列方向の両方に隣接する画素がLEDランプ2を共有する構成、とすることも勿論可能である。
【0060】
図2は、行方向および列方向の両方に隣接する画素がLEDランプ2を共有する構成を示す図である。
【0061】
1画素は、1個の赤色LEDランプ、2個の緑色LEDランプ、および1個の青色LEDランプを含む、隣接する2行×2列の計4個のLEDランプ2の集合体により構成されている。そして、上記集合体を構成する右側の縦2個のLEDランプ2は、右隣の画素を構成する集合体に含まれており、上記集合体を構成する左側の縦2個のLEDランプ2は、左隣の画素を構成する集合体に含まれている。そしてさらに、上記集合体を構成する上側の横(列方向)2個のLEDランプ2は、上隣の画素を構成する集合体に含まれており、上記集合体を構成する下側の横2個のLEDランプ2は、下隣の画素を構成する集合体に含まれている。
【0062】
詳細には、画素11aの下隣の画素12aは、右上に位置する赤色LEDランプと、右下に位置する緑色LEDランプと、左上に位置する緑色LEDランプと、左下に位置する青色LEDランプとにより構成されている。
【0063】
よって、画素12aの右上に位置する赤色LEDランプは、画素11aの右下に位置する赤色LEDランプであるので、隣接する画素11aと画素12aとは、この赤色LEDランプを共有している。同様に、画素12aの左上に位置する緑色LEDランプは、画素11aの左下に位置する緑色LEDランプであるので、隣接する画素11aと画素12aとは、この緑色LEDランプを共有している。
【0064】
したがって、行方向に隣接する画素11aと画素12aとは、集合体を構成するLEDランプ2のうち隣接する画素の側に位置する横2個のLEDランプ2が、共有して構成されている。
【0065】
また、画素12aの下隣の画素13aは、右上に位置する緑色LEDランプと、右下に位置する赤色LEDランプと、左上に位置する青色LEDランプと、左下に位置する緑色LEDランプとにより構成されている。
【0066】
よって、画素13aの右上に位置する緑色LEDランプは、画素12aの右下に位置する緑色LEDランプあるので、隣接する画素12aと画素13aとは、この緑色LEDランプを共有している。同様に、画素12aの左上に位置する青色LEDランプは、画素12aの左下に位置する青色LEDランプであるので、隣接する画素12aと画素13aとは、この青色LEDランプを共有している。
【0067】
したがって、行方向に隣接する画素12aと画素13aとは、集合体を構成するLEDランプ2のうち隣接する画素の側に位置する横2個のLEDランプ2が、共有して構成されている。
【0068】
また、画素12aの左隣の画素12bは、右上に位置する緑色LEDランプと、右下に位置する青色LEDランプと、左上に位置する赤色LEDランプと、左下に位置する緑色LEDランプとにより構成されている。
【0069】
よって、画素12bの右上に位置する緑色LEDランプは、画素12aの左上に位置する緑色LEDランプであるとともに、画素11bの右下に位置する緑色LEDランプであるので、隣接する画素12bと、画素12a,11bとは、この緑色LEDランプを共有している。同様に、画素12bの右下に位置する青色LEDランプは、画素12aの左下に位置する青色LEDランプであるので、隣接する画素12aと画素12bとは、この青色LEDランプを共有している。また同様に、画素12bの左上に位置する赤色LEDランプは、画素11bの左下に位置する赤色LEDランプであるので、隣接する画素11bと画素12bとは、この赤色LEDランプを共有している。
【0070】
したがって、列方向に隣接する画素12aと画素12bとは、集合体を構成するLEDランプ2のうち隣接する画素の側に位置する縦2個のLEDランプ2が、共有して構成されている。さらには、行方向に隣接する画素11bと画素12bとは、集合体を構成するLEDランプ2のうち隣接する画素の側に位置する横2個のLEDランプ2が、共有して構成されている。
【0071】
このように、行方向および列方向の両方に隣接する各画素(画素11a,11b,11c,…,12a,12b,…,13a,…)は、集合体を構成するLEDランプ2のうち隣接する画素の側に位置する横・縦2個のLEDランプ2が、共有して構成されている。ゆえに、LED表示装置10では、各画素は、行方向および列方向の両方に重なり合って配列されている。
【0072】
よって、LED表示装置10では、例えば、図2に示す8行×8列の計64個のLEDランプ2が備えられている場合、画素数は49個(7行×7列)となる。したがって、従来の16個の画素数に比べて、LED表示装置10は画像の解像度を約3倍向上することが可能となる。それゆえ、さらに高精細な画像表示を行うことが可能となる。
【0073】
また、上記効果を奏することにより、LEDランプ2の使用数を約1/3に低減することが可能となるので、画質を悪化させることなく、LEDランプ2の個数および回路部品を削減することが可能となる。それゆえ、大幅なコストダウンを実現するという効果も併せて奏する。
【0074】
また、各画素には、RGBの3色発光を可能にする4個のLEDランプ2が内蔵されているので、LED表示装置10は、多色表示を行うことが可能となっている。また、LEDランプ2は、等間隔で配列されていることにより、隣接する画素とLEDランプ2を共用しても、表示する映像に何ら影響はない。
【0075】
なお、上述したLED表示装置10では、1つの画素が、1個の赤色LEDランプと、2個の緑色LEDランプと、1個の青色LEDランプとにより構成される場合について説明したが、特にこれに限定するものではなく、図1に示した配列パターンに限定するものでもない。
【0076】
例えば、2個の赤色LEDランプ、1個の緑色LEDランプ、および1個の青色LEDランプの組合せや、1個の赤色LEDランプ、1個の緑色LEDランプ、および2個の青色LEDランプの組合せでもよいし、赤色LEDランプ、緑色LEDランプ、および青色LEDランプを各1個ずつ含んでいれば、赤・緑・青色以外に発光するLEDランプを構成してもよい。
【0077】
LEDランプ2の他の配列パターンとして、図3に、赤色LEDランプの比率を多くしたときの配列パターンを示す。
【0078】
図3に示すように、1画素は、2個の赤色LEDランプ、1個の緑色LEDランプ、および1個の青色LEDランプを含む、隣接する2行×2列の計4個のLEDランプ2の集合体により構成されている。そして、図2を用いて説明したように、行方向および列方向の両方に隣接する各画素(画素11a,11b,11c,…,12a,12b,…,13a,…)は、集合体を構成するLEDランプ2のうち隣接する画素の側に位置する横・縦2個のLEDランプ2が、共有して構成されている。
【0079】
上記のように、赤色LEDランプの比率が多い集合体により構成される画素は、赤色の割合が大きくなるように表示することが可能であるので、赤色で表示される情報がより鮮明となる。
【0080】
通常、危険情報などの重要情報は、注意を喚起する色である赤色で表示される。よって、上記のような重要情報が鮮明に表示されることにより、観測者に対して重要情報を的確に伝えることが可能となり、観測者への注意の喚起向上につながる。例えば、屋外の道路情報板などに適用した場合、自動車の運転者などに対して、渋滞や路面情報などの交通・道路情報を的確に伝えることが可能となり、安全性の向上につながる。
【0081】
(LED表示装置の表示方法)
次に、LED表示装置10の表示方法(駆動方法)について説明する。
【0082】
上述したように、LED表示装置10は、互いに隣り合う側に位置する縦・横2個のLEDランプ2を共有化しているので、従来あった1ドットごとの明確な区分けはなくなり、画素のピッチを、図8に示した画素(画素6a,6b,…)のピッチの1/2になるように駆動する。
【0083】
LED表示装置10に備えられている駆動制御回路は、緑色LEDランプに対して、8ドット分の点灯信号メモリを持ち、かつ、その8ドット分に対する各ドットに対して8ビット諧調データを保持する回路を具備している。また、駆動制御回路は、赤色LEDランプおよび青色LEDランプに対して、4ドットの点灯信号メモリをそれぞれ持ち、かつ、その4ドットに対する各ドットに対して8ビットの諧調データを保持する回路を具備している。
【0084】
列方向に隣接する画素がLEDランプ2を共有する構成の場合、標準となるA画面を点灯したあと、A画面を列方向にLEDランプ1個分ずらしたB画面を点灯する。すなわち、A画面とB画面とを時分割点灯(時分割駆動)する。例えば、A画面を点灯するときは、画素11aと画素11cとが同時に発光し、B画面を点灯するときは、画素11bと画素11cの左隣の画素とが同時に発光することになる。これにより、従来技術のようにA画面のみを点灯した場合と比べて、高精細な画像表示を行うことが可能となる。
【0085】
また、A画面とB画面とにおいて、1画素を構成する各色ごとのLEDランプ2の組合せ(例えば、図1に示す配列パターンの場合:R1個、G2個、B1個)は変わらない。それゆえ、画像データの作成も容易である。
【0086】
さらに、A画面とB画面との画像データを変えて時分割駆動することにより、列方向の画素ピッチは1/2となる。それゆえ、従来技術では横4画素であった画像が、LED表示装置10では横7画素の画像となり、列方向にてほぼ2倍の解像度を達成することが可能となる。
【0087】
また、さらに行方向に隣接する画素がLEDランプ2を共有する構成の場合、標準となるA画面を点灯したあと、A画面を列方向にLEDランプ1個分ずらしたB画面を点灯し、続いて、A画面を行方向にLEDランプ1個分ずらしたC画面を点灯し、さらにC画面を、A画面をB画面にずらした方向と同じ列方向にLEDランプ1個分ずらしたD画面を点灯する。すなわち、A・B・C・Dの4画面を時分割駆動する。
【0088】
例えば、A画面を点灯するときは画素11a、画素11c、および画素13aが同時に発光し、B画面を点灯するときは画素11bが発光し、C画面を点灯するときは画素12aが発光し、D画面を点灯するときは画素12bが発光することになる。これにより、従来技術のようにA画面のみを点灯した場合と比べて、さらに高精細な画像表示を行うことが可能となる。
【0089】
また、A画面〜D画面において、1画素を構成する各色ごとのLEDランプ2の組合せ(例えば、図2に示す配列パターンの場合:R1個、G2個、B1個)は変わらない。それゆえ、画像データの作成も容易である。
【0090】
さらに、A画面〜D画面の画像データを変えて時分割駆動することにより、列方向の画素ピッチは1/2となるのに加え、行方向の画素ピッチは1/2となる。それゆえ、従来技術では縦4画素・横4画素であった画像が、LED表示装置10では縦7画素・横7画素の画像となり、全体的に3〜4倍(行方向約2倍・列方向約2倍)の解像度を達成することが可能となる。
【0091】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前述した図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0092】
本実施の形態のLED表示装置20では、前記実施の形態1のLED表示装置10の構成のうちLEDランプ2の構成に替えて、2色LEDランプ21を備えている。すなわち、単色のLEDランプ2ではなく、2色LEDランプ21を備えている。
【0093】
図4は、従来のLED表示装置1における4行×4列の計16個のLEDランプ2の配列パターンと対比するように、本実施の形態のLED表示装置20の表示部の一部を示している。
【0094】
LED表示装置20は、所定の間隔でマトリクス状に配列された複数の2色LEDランプ21を駆動(発光)することによって、文字や映像などの情報(画像)を表示する。2色LEDランプ21は、プリント配線基板3に実装されている。プリント配線基板3は、2色LEDランプ21の実装面が露出するように、ケース4に固定され収められている。
【0095】
2色LEDランプ21は、異なる色を発光する半導体チップが2つ内蔵された、2色発光可能なLEDランプである。2つの半導体チップは、隣接して並ぶように内蔵されている。2色LEDランプ21は、行方向および列方向に、等しいピッチで配列されている。このピッチとしては、2色LEDランプ内のLEDチップの並びの方向に、LEDチップが等ピッチになるように2色LEDランプ21を配列すればよい。2色LEDランプ内のLEDチップの並びの方向と垂直な方向へは、LEDチップを等間隔ピッチになるように配列できないが、2色LEDランプ21が等間隔になるように配列すればよい。
【0096】
図4に示すLEDランプ2の配列パターンをLED表示装置20にて適用する場合、2色LEDランプ21としては、青色半導体チップと赤色半導体チップとが内蔵された2色の青・赤色LEDランプ、および、赤色半導体チップと緑色半導体チップとが内蔵された2色の赤・緑色LEDランプ、が用いられている。
【0097】
青・赤色LEDランプは、青色半導体チップが上側、赤色半導体チップが下側に位置するように、赤・緑色LEDランプは、赤色半導体チップが上側、緑色半導体チップが下側に位置するように、青・赤色LEDランプと赤・緑色LEDランプとが列方向に交互に配列されている。そして、列方向と同様の配列が行毎に配列されている。
【0098】
1画素は、1個の青・赤色LEDランプ、および、1個の赤・緑色LEDランプを含む、隣接する1行×2列の計2個の2色LEDランプ21の集合体により構成されている。すなわち、上記集合体は、2個の赤色LEDチップと、1個の緑色LEDチップと、1個の青色LEDチップとを含んでいる。そして、上記集合体を構成する右側の2色LEDランプ21は、右隣の画素を構成する集合体に含まれており、上記集合体を構成する左側の2色LEDランプ21は、左隣の画素を構成する集合体に含まれている。
【0099】
詳細には、画素22aは、左側に位置する青・赤色LEDランプと、右側に位置する赤・緑色LEDランプとにより構成されている。このとき、画素22aでは、左上に青色LEDチップ、左下に赤色LEDチップ、右上に赤色LEDチップ、右下に緑色LEDチップが位置している。また、画素22aの右隣の画素22bは、左側に位置する赤・緑色LEDランプと、右側に位置する青・赤色LEDランプとにより構成されている。このとき、画素22bでは、左上に赤色LEDチップ、左下に緑色LEDチップ、右上に青色LEDチップ、右下に赤色LEDチップが位置している。
【0100】
よって、画素22bの左側に位置する赤・緑色LEDランプは、画素22aの右側に位置する赤・緑色LEDランプであるので、隣接する画素22aと画素22bとは、この赤・緑色LEDランプを共有している。すなわち、隣接する画素22aと画素22bとは、1個の赤色LEDチップと1個の緑色LEDチップとを共有している。
【0101】
したがって、列方向に隣接する画素22aと画素22bとは、集合体を構成する2色LEDランプ21のうち隣接する画素の側に位置する2色LEDランプ21が、共有して構成されている。
【0102】
また、画素22bの右隣の画素22cは、左側に位置する青・赤色LEDランプと、右側に位置する赤・緑色LEDランプとにより構成されている。このとき、画素22cでは、左上に青色LEDチップ、左下に赤色LEDチップ、右上に赤色LEDチップ、右下に緑色LEDチップが位置している。
【0103】
よって、画素22cの左側に位置する青・赤色LEDランプは、画素22bの右側に位置する青・赤色LEDランプであるので、隣接する画素22bと画素22cとは、この青・赤色LEDランプを共有している。すなわち、隣接する画素22bと画素22cとは、1個の青色LEDチップと1個の赤色LEDチップとを共有している。
【0104】
したがって、列方向に隣接する画素22bと画素22cとは、集合体を構成する2色LEDランプ21のうち隣接する画素の側に位置する2色LEDランプ21が、共有して構成されている。
【0105】
このように、列方向に隣接する各画素(画素22a,22b,22c,…)は、集合体を構成する2色LEDランプ21のうち隣接する画素の側に位置する2色LEDランプ21が、共有して構成されている。ゆえに、LED表示装置20では、各画素は、列方向に重なり合って配列されている。
【0106】
よって、LED表示装置20では、例えば、図4に示す2行×4列の計8個の2色LEDランプ21が備えられている場合、画素数は6個となる。従来の4行×4列の計16個のLEDランプ2が備えられている構成においての画素数は4個(画素7a,7b,…)であるので、これに比べて、列方向の画像の解像度を約2倍近く向上することが可能となる。それゆえ、高精細な画像表示を行うことが可能となる。
【0107】
また、2色LEDランプ21を備えることにより、画質を悪化させることなく、単色のLEDランプ2を備える場合よりも、ランプ数や回路部品を削減することが可能となる。それゆえ、大幅なコストダウンを実現するという効果も併せて奏する。
【0108】
また、各画素には、RGBの3色発光を可能にする2個の2色LEDランプ21が内蔵されているので、LED表示装置0は、多色表示を行うことが可能となっている。つまりは、青・赤色LEDランプ、および赤・緑色LEDランプは、上記画素を構成する集合体に、2個の赤色LEDチップ、1個の緑色LEDチップ、および1個の青色LEDチップを含むような一定のパターンに基づいて配列されている。また、2色LEDランプ21は、等間隔で配列されていることにより、隣接する画素と2色LEDランプ21を共用しても、表示する映像に何ら影響はない。
【0109】
なお、LED表示装置20では、列方向に隣接する画素が2色LEDランプ21を共有する構成としたが、これに限らず、行方向に隣接する画素が2色LEDランプ21を共有する構成とすることも勿論可能である。
【0110】
図5は、従来のLED表示装置1における4行×4列の計16個のLEDランプ2の配列パターンと対比するように、本実施の形態のLED表示装置20において、行方向に隣接する画素が2色LEDランプ21を共有する構成を示す図である。
【0111】
図5に示すLEDランプ2の配列パターンをLED表示装置20にて適用する場合、図4に示したときと同様に、2色LEDランプ21としては、青・赤色LEDランプ、および赤・緑色LEDランプが用いられている。
【0112】
但し、青・赤色LEDランプは、青色半導体チップが左側、赤色半導体チップが右側に位置するように、赤・緑色LEDランプは、赤色半導体チップが左側、緑色半導体チップが右側に位置するように、青・赤色LEDランプと赤・緑色LEDランプとが行方向に交互に配列されている。そして、行方向と同様の配列が列毎に配列されている。
【0113】
1画素は、1個の青・赤色LEDランプ、および、1個の赤・緑色LEDランプを含む、隣接する2行×1列の計2個の2色LEDランプ21の集合体により構成されている。すなわち、上記集合体は、2個の赤色LEDチップと、1個の緑色LEDチップと、1個の青色LEDチップとを含んでいる。そして、上記集合体を構成する上側の2色LEDランプ21は、上隣の画素を構成する集合体に含まれており、上記集合体を構成する下側の2色LEDランプ21は、下隣の画素を構成する集合体に含まれている。
【0114】
詳細には、画素23aは、上側に位置する青・赤色LEDランプと、下側に位置する赤・緑色LEDランプとにより構成されている。このとき、画素23aでは、左上に青色LEDチップ、右上に赤色LEDチップ、左下に赤色LEDチップ、右下に緑色LEDチップが位置している。また、画素23aの下隣の画素23bは、上側に位置する赤・緑色LEDランプと、下側に位置する青・赤色LEDランプとにより構成されている。このとき、画素23bでは、左上に赤色LEDチップ、右上に緑色LEDチップ、左下に青色LEDチップ、右下に赤色LEDチップが位置している。
【0115】
よって、画素23bの上側に位置する赤・緑色LEDランプは、画素23aの下側に位置する赤・緑色LEDランプであるので、隣接する画素23aと画素23bとは、この赤・緑色LEDランプを共有している。すなわち、隣接する画素23aと画素23bとは、1個の赤色LEDチップと1個の緑色LEDチップとを共有している。
【0116】
したがって、行方向に隣接する画素23aと画素23bとは、集合体を構成する2色LEDランプ21のうち隣接する画素の側に位置する2色LEDランプ21が、共有して構成されている。
【0117】
また、画素23bの下隣の画素23cは、上側に位置する青・赤色LEDランプと、下側に位置する赤・緑色LEDランプとにより構成されている。このとき、画素23cでは、左上に青色LEDチップ、右上に赤色LEDチップ、左下に赤色LEDチップ、右下に緑色LEDチップが位置している。
【0118】
よって、画素23cの上側に位置する青・赤色LEDランプは、画素23bの下側に位置する青・赤色LEDランプであるので、隣接する画素23bと画素23cとは、この青・赤色LEDランプを共有している。すなわち、隣接する画素23bと画素23cとは、1個の青色LEDチップと1個の赤色LEDチップとを共有している。
【0119】
したがって、行方向に隣接する画素23bと画素23cとは、集合体を構成する2色LEDランプ21のうち隣接する画素の側に位置する2色LEDランプ21が、共有して構成されている。
【0120】
このように、行方向に隣接する各画素(画素23a,23b,23c,…)は、集合体を構成する2色LEDランプ21のうち隣接する画素の側に位置する2色LEDランプ21が、共有して構成されている。ゆえに、LED表示装置20では、各画素は、行方向に重なり合って配列されている。
【0121】
よって、LED表示装置20では、画素が列方向に共有化される場合と同様に、従来と比較して、行方向の画像の解像度を約2倍近く向上することが可能となる。それゆえ、高精細な画像表示を行うことが可能となる。また、2色LEDランプ21を備えることにより、画質を悪化させることなく、ランプ数や回路部品を削減することが可能となる。それゆえ、大幅なコストダウンを実現するという効果も併せて奏する。
【0122】
また、各画素には、RGBの3色発光を可能にする2個の2色LEDランプ21が内蔵されているので、LED表示装置20は、多色表示を行うことが可能となっている。つまりは、青・赤色LEDランプ、および赤・緑色LEDランプチップは、上記画素を構成する集合体に、2個の赤色LEDチップ、1個の緑色LEDチップ、および1個の青色LEDチップを含むような一定のパターンに基づいて配列されている。また、2色LEDランプ21は、等間隔で配列されていることにより、隣接する画素と2色LEDランプ21を共用しても、表示する映像に何ら影響はない。
【0123】
なお、上述したLED表示装置20では、1つの画素が、1個の青・赤色LEDランプと、1個の赤・緑色LEDランプとにより構成される場合について説明したが、特にこれに限定するものではなく、図4,5に示した配列パターンに限定するものでもない。
【0124】
例えば、1個の青・緑色LEDランプ、および1個の緑・赤色LEDランプの組合せや、1個の赤・青色LEDランプ、および1個の青・緑色LEDランプの組合せでもよい。内蔵されている半導体チップが上下に位置するように、2色LEDランプ21が配列されている場合は、列方向に隣接する各画素は、集合体を構成する2色LEDランプ21のうち隣接する画素の側に位置する2色LEDランプ21が、共有して構成される。また、内蔵されている半導体チップが左右に位置するように、2色LEDランプ21が配列されている場合は、行方向に隣接する各画素は、集合体を構成する2色LEDランプ21のうち隣接する画素の側に位置する2色LEDランプ21が、共有して構成される。
【0125】
なお、LED表示装置20は、上述したLED表示装置10の表示方法と同様の方法により、画素が共有して駆動され、画像が表示される。
【0126】
以上説明したように、本発明のLED表示装置は、上記課題を解決するために、マトリクス状に配列された複数の単色LEDランプを、隣接する2行×2列の計4個の単色LEDランプの集合体を1画素として駆動することにより、画像を表示するLED表示装置において、上記集合体は、1個の赤色LEDランプと、2個の緑色LEDランプと、1個の青色ランプとを含み、画素は、行方向、列方向、または、行方向および列方向の両方に隣接する画素と、上記集合体を構成する単色LEDランプのうち上記隣接する画素の側に位置する2個の単色LEDランプが、共有して駆動されていることを特徴としている。
【0127】
また、本発明のLED表示装置は、上記課題を解決するために、マトリクス状に配列された複数の単色LEDランプを、隣接する2行×2列の計4個の単色LEDランプの集合体を1画素として駆動することにより、画像を表示するLED表示装置において、上記集合体は、2個の赤色LEDランプと、1個の緑色LEDランプと、1個の青色ランプとを含み、画素は、行方向、列方向、または、行方向および列方向の両方に隣接する画素と、上記集合体を構成する単色LEDランプのうち上記隣接する画素の側に位置する2個の単色LEDランプが、共有して駆動されていることを特徴としている。
【0128】
さらに、本発明のLED表示装置は、上記課題を解決するために、マトリクス状に配列された複数の単色LEDランプを、隣接する2行×2列の計4個の単色LEDランプの集合体を1画素として駆動することにより、画像を表示するLED表示装置において、上記集合体は、1個の赤色LEDランプと、1個の緑色LEDランプと、2個の青色ランプとを含み、画素は、行方向、列方向、または、行方向および列方向の両方に隣接する画素と、上記集合体を構成する単色LEDランプのうち上記隣接する画素の側に位置する2個の単色LEDランプが、共有して駆動されていることを特徴としている。
【0129】
上記の各構成によれば、行方向、列方向、または、行方向および列方向の両方に隣接する各画素は、集合体を構成する単色LEDランプうち上記隣接する画素の側に位置する2個のLEDランプが、共有して構成されていることにより、各画素は、行方向、列方向、または、行方向および列方向の両方に重なり合って配列されている。
【0130】
よって、例えば、8行×8列の計64個の単色LEDランプが備えられている場合、画素数は28個(4行×7列)または49個(7行×7列)となる。従来では同数の単色LEDランプの構成においての画素数は16個であるので、これに比べて、画像の解像度を約2倍近くまたは約3倍向上することが可能となる。それゆえ、高精細な画像表示を行うことが可能となる。
【0131】
また、単色LEDランプの使用数を約1/2または約1/3に低減することが可能となるので、画質を悪化させることなく、単色LEDランプの個数および回路部品(例えば、単色LEDランプへの駆動信号を出力する信号配線など。)を削減することが可能となる。それゆえ、大幅なコストダウンを実現するという効果も併せて奏する。
【0132】
なお、上記何れの構成においても、各画素には、赤(R)緑(G)青(B)の3色発光を可能にする4個の単色LEDランプが内蔵されているので、多色表示を行うことが可能となっている。
【0133】
また、集合体が、2個の赤色LEDランプと、1個の緑色LEDランプと、1個の青色ランプとを含む構成においては、赤色の割合が大きくなるように表示することが可能であるので、赤色で表示される情報がより鮮明となる。これにより、観測者に対して、上記情報として、例えば、危険情報などの重要情報を的確に伝えることが可能となり、観測者への注意の喚起向上につながる。
【0134】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明は、文字や映像などの情報を表示するLED表示装置に関する分野に好適に用いることができるだけでなく、LED表示装置の表示方法に関する分野、例えば、複数のLEDランプを駆動する制御方法に関する分野に好適に用いることができ、さらには、LED表示装置の製造方法の分野にも広く用いることができる。
【符号の説明】
【0136】
2 LEDランプ(単色LEDランプ)
3 プリント配線基板
4 ケース
5 ルーバー
10,20 LED表示装置
11a,11b,11c,12a,12b,13a 画素
21 2色LEDランプ
22a,22b,22c,23a,23b,23ca 画素


【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリクス状に配列された複数の2色LEDランプを、隣接する2個の2色LEDランプの集合体を1画素として駆動することにより、画像を表示するLED表示装置において、
上記集合体は、青色LEDチップおよび緑色LEDチップを内蔵した青・緑色LEDランプと、緑色LEDチップおよび赤色LEDチップを内蔵した緑・赤色LEDランプとを含み、
画素は、行方向または列方向に隣接する画素と、上記集合体を構成する2色LEDランプのうち上記隣接する画素の側に位置する2色LEDランプが、共有して駆動されていることを特徴とするLED表示装置。
【請求項2】
マトリクス状に配列された複数の2色LEDランプを、隣接する2個の2色LEDランプの集合体を1画素として駆動することにより、画像を表示するLED表示装置において、
上記集合体は、青色LEDチップおよび赤色LEDチップを内蔵した青・赤色LEDランプと、赤色LEDチップおよび緑色LEDチップを内蔵した赤・緑色LEDランプとを含み、
画素は、行方向または列方向に隣接する画素と、上記集合体を構成する2色LEDランプのうち上記隣接する画素の側に位置する2色LEDランプが、共有して駆動されていることを特徴とするLED表示装置。
【請求項3】
マトリクス状に配列された複数の2色LEDランプを、隣接する2個の2色LEDランプの集合体を1画素として駆動することにより、画像を表示するLED表示装置において、
上記集合体は、赤色LEDチップおよび青色LEDチップを内蔵した赤・青色LEDランプと、青色LEDチップおよび緑色LEDチップを内蔵した青・緑色LEDランプとを含み、
画素は、行方向または列方向に隣接する画素と、上記集合体を構成する2色LEDランプのうち上記隣接する画素の側に位置する2色LEDランプが、共有して駆動されていることを特徴とするLED表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−212152(P2012−212152A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−125462(P2012−125462)
【出願日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【分割の表示】特願2008−26407(P2008−26407)の分割
【原出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】