説明

MPEG−21デジタルコンテンツ保護システム

本発明は、一般的なデジタルコンテンツの為のデジタル権利管理(DRM)、又は知的所有権管理および保護(IPMP)に関するものである。IPMPコントロールグラフおよびREL−IPMPコントロールグラフのコンセプトは、保護発信および権利表現のデータを運ぶ為に導入される。前記のコントロールグラフに関連するコンテンツパッケージングおよびターミナルプロセッシングは、明瞭に限定され、完成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的なデジタルコンテンツに対するデジタル権利管理(DRM)、又は知的所有権管理および保護(IPMP)に関するものであり、特にデータフォーマットには関係なくデジタルコンテンツの保護と管理を対象とするものである。
【背景技術】
【0002】
多様なネットワークが広く実用化されるにつれてデジタルコンテンツがCD,DVDを使用する以外にこのようなネットワークを介してユーザに供給され配布する方法が要求されることになった。この問題を指摘するのはコンテンツオーナーである。彼等のコンテンツをこの方法で売ることは果たして安全なのであろうか?
ハードディスク、又は他の記憶装置を組み込まれた装置が普及するにつれて、更にコンテンツ保護技術が与えられた権利の正しい行使を如何に保証することが出来るかの問題も生じて来た。
【0003】
各種のネットワークを通じて送信することを容易にする為にデジタルフォーマットにコンテンツをパッケージングする際に、多くの種類のデジタルフォーマットが使用されるにつれて保護技術が如何に異なったデジタルフォーマットの中で横断的に使用出来るかの問題も浮上する。
【0004】
同時にユーザは、このような権利を購入した彼等の友人と豊富な経験を共有することによってさえもコンテンツの使用が、より安価により便利になることを要求して来る。
【0005】
不法コピーを恐れる余り紛争が絶えず生じその結果、当時のコンテンツプロバイダは市場に於ける開放された保護技術が不足していたことから独自の方法でコンテンツを保護することに努めている。
【0006】
この状況は、コンテンツオーナーがコンテンツを売る上で大きな障害となるのみならず、又コンテンツプロバイダが用いる各種の保護技術に適合するだけに各種の製品バージョンを作る為の多額のコストをCE(コンシューマエレクトロニクス)メーカに発生させる。
【0007】
MPEG−21は、各種の領域により用いられている広汎なネットワークおよび装置を横断するデジタルコンテンツの使用を透明化し増大させる為の一般的な枠組みを限定しようとしている。ネットワーク、又は装置の間で横断的に使用される時にコンテンツを如何に保護するかは、MPEG−21の中の重要な項目、即ちMPEG−21 IPMP(知的所有権管理および保護)と呼ばれるMPEG−21の第4部に該当する問題である。
【0008】
以前に於いてMPEG−4/2 IPMP Extensionを用いる人には、MPEG-4/2システムに基づくコンテンツ保護方式を限定することが必要であった、何故ならばその目的は、MPEG−4/2フォーマットにパッケージされるコンテンツを保護することにあるからである。
【0009】
MPEG−21では、デジタルアイテム(DI)は標準の表現、識別および摘要を持つデジタルコンテンツに対する構造化されたデジタル対象物と定義され、MPEG−21枠組の中で相互交換、配布および処理の基本ユニットとして使用される。
【0010】
デジタルアイテムは、デジタルアイテムデクレアレーション(DID)によりXMLを用いて表明され表現される。ビデオ、音楽、画像のようなMPEG−21の中のメディア手段として表示されているデジタルコンテンツの外にDIDは、各種の機能的なメタデータを含むフレキシブルな構造を提供する。このようなメタデータは、メディア手段フォーマットを記載し、リソース保護方式を特定し、リソースに識別名を付与し、ユーザに選択権を与えること等が考えられる。
【0011】
DIDテクノロジーの外に或る他の重要なテクノロジーも又慎重に開発されており、或いは開発途上に在る。デジタルアイテムアイデンティフィケーション(DII)、デジタルアイテムアダプテーション(DIA)、知的所有権管理および保護(IPMP)、REL(権利表現言語)/RDD(権利データディクショナリ)並びにER(イベントリポーティング)は、すべてデジタルアイテムの用法を広汎に開拓する為の重要な技術である。これらの技術により限定されたすべての機能的メタデータは、実際のメディア手段使用を助ける為にDIDドキュメントの中に入れることが出来る。
【0012】
コンテンツの保護管理メカニズムは、市場のニーズを反映する為に多くの用途ドメイン、特にMPEG−21ドメインの範囲内に起きる要請の大部分を対象とすることを厳しく要求される。
【0013】
MPEG−21 IPMPの要求は、この中で目標とされ、解決されるべき問題である。
【0014】
IPMP、特にMPEG−21 IPMPは、記述子および記述方式に於ける知的所有権の管理保護をサポートせねばならない。
【0015】
IPMP、特にMPEG−21 IPMPは、コンテンツが如何なる場合でも機能出来る為の相互運用性を保障せねばならない。
【0016】
IPMP、特にMPEG−21 IPMPは、装置が新しいメディアフォーマットをサポートする為のアップグレード、IPMPツールおよびサポートをダイナミックに見出し、要求し、入手することを可能にすべきである。
【0017】
IPMP、特にMPEG−21 IPMPは、表現を複合的なデジタルアイテムに関連付けるメカニズムを提供せねばならない。
【0018】
IPMP、特にMPEG−21 IPMPは、コンテナ、又は他のデジタルアイテムの集合体を参照する為のメカニズムを提供せねばならない。
【0019】
IPMP、特にMPEG−21 IPMPは、特定の表現が保護を条件とすべきことをフラグで示すべきである。保護そのもの(実施される場合の)は、表現をデジタルアイテムとしてコントロールするIPMPシステムにより実施される。
【0020】
IPMP、特にMPEG−21 IPMPは、証明方式を参照する為のメカニズムを提供せねばならない。
【0021】
IPMP、特にMPEG−21 IPMPは、IPMPがデジタルアイテムのフォーマット、又はデリバリチャネルとは無関係であることを保障するメカニズムを提供せねばならない。
【0022】
IPMP、特にMPEG−21 IPMPは、IPMPツールと機能に関する要求を明確に関連付けねばならない。
【0023】
IPMP、特にMPEG−21 IPMPは、IPMPの実行を信頼し得るものにする為にIPMPツールおよび特徴を識別することを要求せねばならない。
【0024】
IPMPツールと特徴は、IPMPにより機能を付与されるターミナル、又はピアーを作る為のコンポネント部品である。ターミナル、又はピアーは、そのIPMP能力(IPMPツールおよび特徴)を開示することも又可能である可きである。これにより通信ターミナル、又はピアーにとって接続を決定する前に別のターミナル、又はピアーのIPMP能力を調査することを可能にする。
【発明の開示】
【0025】
デジタル権利表現を用いるデジタルコンテンツ保護の方法は、下記のステップから成る:
デジタルコンテンツ記述を構文解析する、特にMPEG−21領域内のDID(デジタルアイテムデクレアレーション)の構文解析をする;
前記のデジタルコンテンツを識別するのに用いられるデジタルコンテンツアイデンティファイヤ(コンテンツID)、特にMPEG−21領域に於けるDII、或いはサブコンテンツ識別装置を検索する;
該当のコンテンツIDを持つ前記のデジタルコンテンツに適用される権利および保護情報を含む権利および保護記述ホールダを検出する、又ここではホールダはIPMP(知的所有権管理および保護)コントロールグラフホールダ、又はREL(権利表現言語)−IPMPコントロールグラフホールダと呼ばれる;
前記のコンテンツが保護されているか、又は自由コンテンツに属するかを示すフラグを前記のホールダから検索する;
前記のIPMPコントロールグラフ、又はREL−IPMPコントロールグラフに含まれる記述情報を処理する;
権利記述、又は他のメタデータ記述がデジタルサインされているか否かを前記の権利、又は他のメタデータに取り付けられたフラグを検索することによりチェックする;又それがサインされている時には、Tool IDにより示されている該当のデジタルサインツールを作成する;
保護されたライセンスマネージャからキーライセンスを検索する;
前記の権利、又はメタデータが完全であることを前記のデジタルサインツールを用いてチェックする;
条件を伴う前記の権利を予め定められた規則に従って、特にMPEG−21領域に限定されているRELに従って構文解析し、又前記の与えられた権利と条件を将来のチェックの為にバッファに格納する;
前記コンテンツに付随するフラグを検索することにより、前記のコンテンツがコード置換されているか否かをチェックし;又コード置換されている時には、Tool IDにより示されている該当のコード置換ツールを作成する;
前記のTool IDを持つ前記のコード置換ツールおよび他の情報を用いて前記のコード置換されたコンテンツの保護を外す;
前記のコンテンツに付随するフラグを検索することにより、前記のコンテンツが透かしを入れられているか否かをチェックする;又透かしが入れられている時には、次のステップの為のTool IDにより示されている該当の透かしマークツールを作る;
バッファに格納されている与えられた前記の権利と条件に対比してユーザの要求を処理する;
前記のユーザにより要求された権利が与えられている時には、その権利を行使し;および
前記の保護されていないコンテンツをプレーイング、レンダリング、レコーディング、モデファイイング、削除、アダプティング等の為に操作をする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(課題を解決するための手段)
コンテンツパッケージング側に於いて:
コンテンツに直接付随するすべての権利および保護情報に関係づける為のIPMPコントロールグラフのコンセプトを導入することにより;
コンテンツをパッケージ化し、保護するのに用いられる権利と保護情報を含む為の保護メタデータホールダとしてIPMPコントロールグラフ、又はREL−IPMPコントロールグラフを限定することにより;
権利および条件をIPMPコントロールグラフ、又はREL−IPMPコントロールグラフに設けることにより;
コンテンツコード置換情報をIPMPコントロールグラフ、又はREL−IPMPコントロールグラフに設けることにより;
透かし情報をIPMPコントロールグラフ、又はREL−IPMPコントロールグラフに設けることにより;
権利保護情報をIPMPコントロールグラフ、又はREL−IPMPコントロールグラフに設けることにより;
IPMPコントロールグラフ、又はREL−IPMPコントロールグラフの中にコンテンツをコード置換するのに用いられる主要情報を設け、表示することにより;
キーライセンス情報をIPMPコントロールグラフ、又はREL−IPMPコントロールグラフ、又は権利、DID、又はキー位置により表示された場所に設けることにより;
IPMPコントロールグラフ、又はREL−IPMPコントロールグラフに於いて何れのIPMPツールがコード置換、デジタルサイン、Tool IDによる透かしに用いられるかを示すことにより;
コンテンツID、又はDIIおよびサブコンテンツIDを用い権利および保護を保護されたデジタルコンテンツ、又はそのサブコンテンツに結びつけることにより;
IPMPコントロールグラフ、又はREL−IPMPコントロールグラフをDIDコンテナ、又は他の用途ドメインの他の適切な場所に設けることにより;
ターミナル側に於いて:
コンテンツID、又はサブコンテンツID、およびIPMPコントロールグラフ、又はREL−IPMPコントロールグラフを検索する為にDIDを構文解析することにより;
権利および保護に関する記述を検索する為にIPMPコントロールグラフ、又はREL−IPMPコントロールグラフを構文解析することにより;
コンテンツ、又は権利、又は他のメタデータを保護する為に用いられるIPMPツールを起動することにより;
キーデータホールダから直接、又は間接的にキー情報を検索することにより;
保護されたライセンスマネージャからキーライセンスを検索することにより;
前記の入手した情報を用い保護された情報の保護を外すことにより;
Tool IDにより示されるツールを用い権利の完全であることをチェックすることにより;
コンテンツと共に組み込まれている権利と条件を構文解析することにより;
透かし記述を検索し、次のステップの準備をすることにより;
(発明の動作)
図3に示されたコンテンツ形成側に於いてIPMPコントロールグラフは、MPEG−21を使用することが出来る時、コンテンツアイデンティファイヤ(CID)、又はDIIにより特定されるコンテンツに直接付随するすべての権利と保護情報を含む為に図7に示されるように形成される。
【0027】
コンテンツは、指紋照合、永続性アソシエーション、又は著作権保護のような或る機能をCID、又は他の情報を組み込むことにより達成する為に或る透かしツールを用いて透かしをすることが出来るであろう。
【0028】
コンテンツは、何れのコード置換アルゴリズムが用いられるかを示すTool IDXXX(但しXXXはRA(登録機関)に登録されている番号である)を持つIPMPツールによりコード置換することが出来る。AESのようなデフォールトツールは、実施すべき単純ハードウエアに対して限定されている。得られたキー情報は、直接、又はキー情報データ全体が見出される位置を指すことにより、IPMPコントロールグラフに入れて運ばれることが出来るであろう。コード置換キーは、更にコード置換することが可能であり、又最後にはライセンスが作成され、直接IPMPコントロールグラフ、RELデータ、又は他の権利表現データ、又はDID自身、又はIPMPコントロールグラフ/REL/DIDに入れて運ばれるキー位置表示装置により示すことの出来る場所に入れて運ぶことが出来るであろう;
然し、キー情報のセグメントは、保護されたコンテンツが同期化の目的でネットワークを介して送られる時には、付随のコンテンツセグメントと共にパッケージ化されることも又可能であろう。
【0029】
権利は、MPEG−21、又は他の権利表現法に於いて限定されたRELのような独立した既存のテクノロジースタンダードにより表現することが可能であり、又このような権利はデジタルシグネチャにより、それが完全であるとして保護されることが可能であろう;
図4に示されたコンテンツコンサンプション側に於いて権利と保護情報を持つパッケージ化されたコンテンツは、IPMPコントロールグラフ上で構文解析されることが可能であり、それからコンテンツが保護され、更にコンテンツがコード置換され、透かしを入れられ、或いは同様に保護されているか否かを知ることが出来る;
該当の保護ツールは、起動され、保護された対象物に従って作動させられることが可能であり、又ツールはMPEG−21スタンダードにより限定された規範的なツールであり、従って装置の中に設置されることが出来るか、或いはツールは固有のものであり遠隔場所からダウンロードすることの出来るツールIDsにより識別することが可能である;
ツールは、該当のツールを準備し、又はツールを予め位置決めする為のターミナル、又は装置を示す為のグラフである登録されたツールIDにより識別される。
【0030】
キー情報は、直接、又は間接的にIPMPコントロールグラフに入れて限定され運ばれるキーデータホールダから検索され、又それはコンテンツがネットワークを通して配分される時に保護されるべき該当のコンテンツセグメントを持つセグメントの中でも得ることが出来るであろう。
【0031】
ライセンス情報は、ライセンスがどのようにしてライセンスマネージャにより検索されるかを明らかにされることを防止する為の機嫌の変化に耐える構成要素であるライセンスマネージャから入手することが出来る。
【0032】
権利およびコンテンツは、前記のキー、キーデータおよび保護ツールを用いることにより保護を外される。権利および条件処理を行なうことの出来るように権利と条件を入手する為の権利パーサーにより権利は更に構文解析される。
【0033】
従って保護されていないコンテンツは、ユーザに与えられた権利があればプレーバック、引渡し、モデフィケーション、削除、又は適合化を行なうことが出来る;
【実施例】
【0034】
公知の技術(参考資料1および2を参照のこと)に対する図1に示されているようにデジタルコンテンツは、可能な保護が付随するDIDによりパッケージ化される。
【0035】
(参考資料1、2)
〔1〕“ISO/IEC 21000−2 MPEG−21デジタルアイテムデクレアレーションFDIS”、ISO/IEC JTC1SC29/WG11/N4813、2002年5月
〔2〕“Apparatus of a MPEG−21 System”に関する特許、発明者:Zhongyang Tuang,Ming Ji,Shengmei Shen,Taka Senoh,Takuyo Kogure,Takafumi Ueno,2002年2月に日本に於いて提出され、国内特許番号はPat 01.028
DIDは、デジタルアイテムを限定する為のコンテナ,アイテム,コンポネント,アンカー,ディスクリプタ,コンディション,チョイス,セレクション,アノテーション,アサーション,リソース,フラグメント,ステートメント、等(例えば図1に於いて示されたユニット1.6、1.7、1.8)のような抽象的な1セットの条件とコンセプトにより形成された有用なモデル(図1のユニット1.1)を確定した。
【0036】
図1に示されたモジュール1.2は、このコンテナの中で保護されるべきすべてのアイテムに対して用いられた総合的なIPMPコントロール情報である。モジュール1.3および1.4は、保護されたコンテンツに付随する特定保護情報である。モジュール1.5は、コンテンツIDを示す為のDIIである。
【0037】
公知の技術に対する追加改善点は、次の通りである:
DIDは、各エレメント間の静的な関係を対象とし、ファイルフォーマットとして扱うことが出来るから権利および保護情報は図3に示されたIPMPコントロールグラフとしてのその保護されたコンテンツに直接付随することが出来る。
【0038】
他方、キー情報は、IPMPコントロールグラフの中のキーデータホールダから直接、又は間接的に運ぶことが出来る。キーデータは、又コンテンツがネットワークを介して引き渡される時にセグメント化することが出来る。
【0039】
コード置換することの出来る権利は、別個に又は保護情報と共に運ばれる。
【0040】
別の公知の技術は、MPEG−21 IPMPアーキテクチャーに対する図2(参考資料3を参照)に示されている。
【0041】
(参考資料3)
〔3〕“MPEG−21アーキテクチャー、シナリオおよびIPMP規定”、ISO/IEC JTC1 SC29/WG11/N5874,2003年7月
モジュール2.1に於ける権利表現言語(REL)エンジンは、認可請求および1セットのライセンスと経路認可を仮定した場合のREL認可を決めるコンポネントである。RELエンジンは、認可質問を解くことを助ける為のライセンスマネージャを用いる。
【0042】
モジュール2.2のデジタルアイテムマネージャは、デジタルアイテムの中のデジタルアイテムデクレアレーションを構文解析する。
【0043】
デジタルアイテムマネージャは、又デジタルアイテムの存在する場所へのアクセスを提供し、モジュール2.3の中にDigital Item iNstancesを作り出す。デジタルアイテムマネージャは、ライセンスマネージャにデジタルアイテムデクレアレーションの中に組み込まれているあらゆるライセンスを引き渡す。
【0044】
モジュール2.3のDigital Item iNstancesは、信頼ドメイン内のDigtal Itemを代表する。Digtal Item iNstanceは、格納位置および場合によってコンテンツコード置換キーに関する情報のようなデジタルアイテムに関する局所メタデータを包含する。
【0045】
モジュール2.4のライセンスマネージャは、ライセンスの一貫した状態およびそれらの認可、又は取り消しステータスを管理することによりRELエンジンをサポートする。ライセンスマネージャは、又ライセンスが完全であることを確認することの責任を負う。
【0046】
モジュール2.5に於ける条件プロセッサは、条件を選択し、判定し、遂行し、又条件が満足された時には、認可された動作(DIPプロセッサを介し、権利の行使を発生させる)の実行を開始する。
【0047】
モジュール2.6のIPMPユーザセッションマネージャは、デジタルアイテム動作(条件エバリュエータを介した)の起動を入念に準備し、最初に正しい認可が得られていること(RELエンジンを介した)および条件が判定されていること(条件エバリュエータを介した)を確かめる。
【0048】
モジュール2.7に於ける権利行使は、権利を行使したことの記録、即ちデジタルアイテム動作の起動である。権利行使は、ユーザセクションマネージャにより維持され、条件の達成を権利の行使に付随させるのに用いられる。
【0049】
モジュール2.8の中のデジタルアイテムプロセスエンジンは、デジタルアイテム法(DIMs)を含むデジタルアイテム動作、モジュール2.9のデジタルアイテム基本動作(DIBOs)およびモジュール2.10のデジタルアイテムeXtended動作(DIXOs)を実行する。DIMsは、DIMエンジンにより、又DIXOsはDIXOエンジンにより、又DIBOsはDIBOライブラリにより実行される。デジタルアイテムプロセスエンジンは、プロセス状態情報を用いユーザセッション状態を更改する。
【0050】
図2の中の大きな問題点は、プロセスされ、解釈され、伝送されるべき保護情報が、特にコンテンツが幾つかのツールにより保護され、又権利が各種のツールを用いて保護される時には、存在しないことである。コンテンツがどのように保護され、又それがどのように処理される可きかを知る為の方策を人は持っていない。
【0051】
図2での第2の問題点は、MPEG−21 RELに於いて限定された既存のRELエンジンは、権利表現をプロセスするに過ぎないから、ライセンスマネージャからのデータの流れは、RELエンジンに向かってはならないことである。ライセンスマネージャからの出力は、図9に示されたIPMPマネージャである可き構成要素によりコントロールされるコンテンツを解読するのに用いられるコード置換キーを含むことが出来るであろう。解読自身は、IPMPツール、DIPプロセッサ、DIME、又はDIBO、又はDIXOの中で行うことが出来る。
【0052】
図2に於ける第3の問題は、プロセスする為のRELエンジンにとってRELデータが何処から来るかを示すデータフロー表示が存在せぬことである。このような権利条件を含む権利表現は、それらがMPEG−21 RELフォーマットで表現されている時には、DIDコンテナの中のDIと共にメタデータとして運ばれ、DIマネージャによりプロセスすることが出来るであろう。DIマネージャは、何れのDIDが限定されるかに従って情報を構文解析するに過ぎないDIDパーサに変化すべきである。
【0053】
より優れた権利と保護は、2つのケースに基づいてデザインされている。第1のケースは、既存のRELが該当の権利と条件を表現する為に用いられ、又保護コントロールメカニズムは、コード置換、透かし、キーマネージメントを含むコンテンツ保護を考慮するように限定されている場合である。第2のケースは、既存のRELがコード置換、透かし、キーマネージメント等を含むことの考えられる追加保護機能により延長される場合である。
【0054】
両者のケースは、下記のセクションに於いて詳述される。
【0055】
(別個の権利および保護を用いるコンテンツパッケージングおよび消費)
図3に於けるように、それは権利および保護方式を用いるコンテンツパッケージング側に示されている。モジュール3.8のRELは、該当の権利をその条件と共にパッケージングするのに用いられる既存の権利表現言語である。3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.9、3.11および3.13迄の他の部分は、保護に関する機能である。最も重要な部分は、IPMPコントロールグラフであるモジュール3.15に在る。これは、MPEG−21の中のDIDコンテナに入れて運ぶことが可能であるが、又異なった用途ドメインの中の他の場所に運ぶことも出来る。
【0056】
コンテンツがネットワークを経て伝送されることが必要な場合、それは通常何れかの場所のリソースとしてセグメント化され、コード置換され、格納され、又該当の経時変化キーは、キー情報としてモジュール3.9のIPMPコントロールグラフの中のキーデータホールダに直接、又は間接的に位置を指すことにより格納される。
【0057】
例えば保護されたコンテンツがRTP上を伝送される時、IPMPコントロールグラフは、SDP(セクション記述プロトコール)に入れて運ぶことが出来るのに対し、キー情報はRTPヘッダに入れて、或いは経時変化キーと保護されたビデオ、又はオーディオデータとの間に同期化が存在する限り、ビデオおよびオーディオパケットに対する特殊ケースとして運ぶことが出来る。
【0058】
モジュール3.1は、コンテンツIDを割り当てるべきものであり、MPEG−21の中のDIIはここで使用することが出来るであろう。必要ならばサブコンテンツIDを使用することが可能であり、又保護はサブコンテンツが保護されることが必要ならば、このサブコンテンツIDに付随させることが出来る。
【0059】
モジュール3.2は、コンテンツが保護されているか否かを明らかにする為にはIPMPコントロールグラフにフラグを設けなければならない。モジュール3.3は、透かしが組み込まれているか否かを示す為にIPMPコントロールグラフにフラグを設けなければならない。
【0060】
コンテンツの中に透かしが組み込まれている時には、モジュール3.4はこのケースに対して用いられるWM(透かし)ツールに対して透かし(WM)Tool IDを割り当て、又次にTool IDは、IPMPコントロールグラフに記録され設置される。モジュール3.5は、透かしインターフェースを含むWM記述、又はIPMPコントロールグラフに設けられたAPI関連の情報を作り出す。
【0061】
モジュール3.6は、コンテンツがコード置換されるか否かを求める為のものであり、又“Yes/No”に対するフラグは、モジュール3.15の中のIPMPコントロールグラフの中に設けられる。
【0062】
モジュール3.9は、このケースに対して用いられるコード置換ツールに対するコード置換Tool IDを割り当てるべきものであり、又Tool IDはこの時記録され、IPMPコントロールグラフに設けられる。モジュール3.7は、キーデータホールダの中のキー情報を直接IPMPコントロールグラフに設けるか、又はホールダにより他の位置へ指向する為のものである。
【0063】
コード置換キーは、モジュール3.11および3.13に於いて更にキー置換され、又ライセンスとしてのキーは、場合によってはIPMPコントロールグラフ、REL、DID、又はキー位置1により示される何れかの位置に設けられる。
【0064】
モジュール3.8は、既存のRELスタンダードに適合する該当の条件を用いて権利を作り出しパッケージ化し、又この部分はコンテンツ配分バリューチェーンの中の配分エージェントにより修正され、編集されることが出来るであろう。
【0065】
モジュール3.10は、権利をデジタルサインすることにより権利メタデータを保護するべきものである。モジュール3.12は、デジタルシグネチャーの確認の為のTool IDを割り当てるものであり、モジュール3.14は、構成要素キーをIPMPコントロールグラフ、又はDID、又はキー位置2により示される何れかの位置に設けられること。
【0066】
モジュール3.15の詳細は、XMLに基づくアプローチがIPMPコントロールグラフを表現する為に用いられるMPEG−21の場合の例として図7(a)に示されている。DI(7.2、DID7.1によりデクレアーされた)は、2つのアイテム(7.2、7.3)から成り、その各々は該当の付随するメディアリソース(7.8、7.9)を備える特定方式を持つ。モジューレウ7.6は、前記のIPMPコントロールグラフを示し、又モジュール7.7は、リソースにリンクされた実際の権利表現(条件および用法規則)を与える。
【0067】
図4は、保護されたコンテンツがモジュール4.18に於いて消費される前のIPMPコントロールグラフの中で運ばれる保護およびパッケージング情報を処理する為のターミナルプロセッシングフローチャートを示す。
【0068】
モジュール4.1は、IPMPコントロールグラフがMPEG−21のケースに於いてDIDに入れて運ばれるケースに対してのみDIDパーサが要求される場合にDIDおよびIPMPコントロールグラフ情報を構文解析するものである。
【0069】
コンテンツがRTPネットワーク上を配分される場合には、IPMPコントロールグラフはそれが経時的に変化する時には、キー情報以外の権利および保護記述情報を得る為にSDPから検索することが出来る。
【0070】
モジュール4.2は、コンテンツが保護されているか否かを検出する為のものである。コンテンツが保護されていない時には、消費の為にモジュール4.18によりプレーバックすることが出来る。コンテンツが保護されている時には、モジュール4.3、4.4および4.5に進みチェックする為の3つの選択肢がある。
【0071】
モジュール4.3は、権利がコード置換されたか否かを検出するものであり、モジュール4.4は、コンテンツがコード置換されたか否かを検出するものであり、又モジュール4.5は、コンテンツが透かしを施されたか否かを検出するものである。
【0072】
権利が保護されている時には、モジュール4.6は、Tool IDを持つ保護ツールを起動し、又モジュール4.7は権利の完全であることをツールを用いてチェックするものである。完全であることがモジュール4.8に於いて確認される時には、権利は既存のRELスタンダードに適合するRELエンジンにより権利を構文解析する為にモジュール4.9に送られる。
【0073】
モジュール4.11は、コンテンツに付随する権利と条件をプロセスし、与えられた権利と条件をバッファの中で格納するものである。モジュール4.19に於いては、ユーザにより要求される権利はバッファに格納された権利と条件に対比したチェックを施されることがある。
【0074】
ライセンスが権利の中に含まれている時には、モジュール4.10はTamper resistant(TR)状に保護されることの出来るライセンスマネージャからライセンスを検索するものである。
【0075】
コンテンツが保護され、コード置換される時には、モジュール4.13はIPMPコントロールグラフに入れて運ばれるTool IDにより示されるコード置換ツールを起動するものであり、モジュール4.14はキー情報を検索するものであり、モジュール4.12はライセンスマネージャからキーライセンスを入手するものである。
【0076】
この場合のライセンスマネージャは、それがターミナルの一部、又は他の場所の何処かであればTamper resistant技法により保護されることが出来るであろう。何故ならば解読エンジンがコンテンツの保護を外す為に用いる実際のライセンスをそれが提供するからである。
【0077】
コード置換ツールは、それらの実行に用いる為のターミナルの大部分に対するデフォールトとして限定することが出来るのに対し、IPMP Tool IDは、人々が彼等の特殊ドメインに於けるデフォールト以外のコード置換ツールを選ぶことの出来るように提供される。プラットフォームがダウンロードすることが可能であり、Tool IDにより示された各種のコード置換ツールを用いる時には、延長性、フレキシビリティおよび更新性が実現され、同時に我々は各種のドメインを横断する相互運用性を実現する。
【0078】
キー情報は、各種のネットワークを介してコンテンツが受け渡しされる場合に異なった場所から検索することが出来るであろう。それは、貴方がキー情報を何処に設けるかによって決まる。貴方がそれらをRTPヘッダに設ける時には、貴方はそれらを其処で入手することが出来るのに対し、若し貴方がそれらをビデオおよびオーディオデータのような他のパケットに設ける時には、貴方はそれらをビデオおよびオーディオに適用される同じ規則に従って入手することが出来る。経時的に変化するキー情報は、貴方がビデオおよびオーディオコンテンツを解読することを必要とする同じ時点で入手することが要求される。
【0079】
モジュール4.15は、起動されたツール、キーデータおよびライセンスを用いてコンテンツを解読するものであり、次にその後の処理の為にモジュール4.17に引き渡される。
【0080】
コンテンツがモジュール4.5に於いて透かしを入れられたことを検出された場合、Tool IDを持つ透かしツールおよびインターフェースを含むその記述データは、ユーザの要請次第で決まる動作の為にモジュール4.16に於いて呼び出され準備される。
【0081】
最後にモジュール4.17は、ユーザが与えられた権利と条件に基づいて要求される権利を行使し、又モジュール4.15の出力である保護されぬコンテンツに作用するものである。
【0082】
図4に於いては、Tamper Resistantは、ライセンスを与えるライセンスマネージャの、又権利を作成する為の権利と条件のプロセッシングの、更には保護されぬコンテンツを入手する為のコンテンツ解読の機能を保護する為に用いられる。
【0083】
図8は、別個に処理されたRELおよびIPMPコントロールグラフを持つ修正されたIPMPアーキテクチャを示す。図4および図8の権利と保護(IPMP関連の)機能に比較する時、図2の公知の技術には存在しない多くのIPMP関連の機能の存在することは明らかである。RELエンジンに対するモジュール4.9、ライセンスマネージャに対するモジュール4.10および4.12および条件プロセッシングに対するモジュール4.11である図4の青色のブロックのみが図2に示された公知の技術に取り入れられているに過ぎない。このような機能ブロックは、図2ではモジュール2.1、モジュール2.4およびモジュール2.5である。
【0084】
図8に示されたようにモジュール8.11は、IPMPコントロールグラフ情報を構文解析し処理する為に加えられ、該当の結果はモジュール8.4に於けるライセンスマネージャに渡され、RELに関連のデータは、その完全であることをチェックされた後にモジュール8.1の中のRELエンジンに渡され、又コンテンツ保護および透かし情報は、その後の処理の為にモジュール8.3のDI iNstanceに渡される。
【0085】
モジュール8.12に於ける解読、すかし入れ等は、このような方法がDIMEに於いて限定されている場合には、モジュール8.8の中で、或いはそれがDIBOの一つの機能として限定されている時には、モジュール8.9の中で、或いはそれが外部機能である場合には、モジュール8.10の中で行うことが出来るであろう。
【0086】
ライン8.14は、IPMPコントロールグラフ処理モジュールからRELエンジン迄のデータの流れに対し、又ライン8.15は、IPMPコントロールグラフ処理モジュールからNI iNstanceへのデータの流れに対して示されている。
【0087】
ライン8.16は、ライセンスを交付する為のライセンスマネージャからモジュール8.12の中の保護を外すブロック迄のデータの流れに対して示されている。
【0088】
モジュール8.13は、図2と同じ信頼ドメインの中に設けられたイベントリポーティングエンジンの為のものである。
【0089】
TRは、ライセンスマネージャの動作および条件処理オペレーションを保護する為に用いられるTamper Resistanceモジュールを意味する。
【0090】
他のモジュールは、図2に於いて説明されたものと同じ意味を持つ。
【0091】
(混在する権利と保護を用いるコンテンツパッケージングおよびコンサンプション)
この場合に於いては、権利と保護との間に明確な境界は存在せず、又それらは混在している。IPMPコントロールグラフは、REL−IPMPコントロールグラフと考えることが出来る。
【0092】
現在のMPEG−21 REL、又は他の権利表現言語に基づいてコンテンツの保護並びにコンテンツの保護法に関する表示は限定されていない。この場合には、既存のRELはこのような保護発信をサポートする為に延長されねばならない。
【0093】
図3に基づいている図5に示されるようにモジュール5.16は、既存のRELスタンダードを延長することによりコンテンツ保護発信をサポートする為のREL+Extensionと考えられ、又モジュール5.15はREL−IPMPコントロールグラフに変化させられる。モジュール5.8は、既存のREL機能である。
【0094】
他のモジュールは、前記の説明と同じ構造を持つ。
【0095】
図5に於けるようにそれは、権利および保護方式を持つコンテンツパッケージング側に示されている。モジュール5.8に於けるRELは、その条件と共に該当の権利をパッケージする為に用いられるべき既存の権利表現言語である。5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.9、5.11および5.13にわたる他の部分は、保護に関連する機能である。それは、MPEG−21の中のDIDコンテナに入れて運ばれるが、然し異なった用途ドメインに用いられる時には、他の場所に入れて運ぶことも出来る。
【0096】
コンテンツがネットワークを介して伝送されることが必要な場合には、それは通常セグメント化され、コード置換され、リソースとして何れかの位置に格納され、該当の経時的に変化するキーは、キー情報としてモジュール5.9のREL−IPMPコントロールグラフの中のキーデータホールダに於いて直接、又は間接的に或る位置を指すことにより格納される。
【0097】
例えば、保護されたコンテンツがRTP上を伝送される時、REL-IPMPコントロールグラフはSDP(セクションディスクリプションプロトコール)に入れて運ぶことが出来るのに対し、キー情報はRTPヘッダの中に入れて、又はそれらが経時的に変化するキーと保護されたビデオ、又はオーディオデータとの間で同期化される限り、ビデオおよびオーディオパケットの為の特殊なケースとして運ぶことが出来る。
【0098】
モジュール5.1は、コンテンツIDを割り当てるものであり、MPEG−21の中のDIIはここに使用することが可能であろう、モジュール5.2は、コンテンツが保護されているか否かを示す為にREL-IPMPコントロールグラフにフラグを設けるものである。モジュール5.3は、透かしが組み込まれていることを示す為にREL−IPMPコントロールグラフにフラグを設けるものである。
【0099】
透かしがコンテンツの中に組み込まれている時には、モジュール5.4はこのケースに対して用いられるすき込みツールに対し透かし(WM)Tool IDを割り当て、又Tool IDは次に記録されてREL−IPMPコントロールグラフに移される。モジュール5.5は、透かしインターフェースを含むWMディスクリプション、又はREL−IPMPコントロールグラフの中に設けられるAPI関連の情報を作り出す。
【0100】
モジュール5.6は、コンテンツがコード置換されることを求めるものであり、“Yes/No”に対するフラグはモジュール5.15に於けるREL−IPMPコントロールグラフの中に設けられる。
【0101】
モジュール5.9は、このケースの為に用いられるコード置換ツールに対してコード置換Tool IDを割り当てるものであり、又Tool IDはこの際に記録されREL−IPMPコントロールグラフの中に設けられる。モジュール5.7は、キーデータホールダの中のキー情報を直接REL−IPMPコントロールグラフに設けるか、又はホールダにより他の位置を指すものである。
【0102】
コード置換キーは、更にモジュール5.11および5.13に於いてコード置換することが可能であり、またライセンスとしてのキーは、場合によってはREL−IPMPコントロールグラフ、REL、DID、又はキー位置1により示された或る場所に設けられる。
【0103】
モジュール5.8は、既存のRELスタンダードに適合する該当の条件を持つ権利を作り出し、パッケージ化するものであり、又この部分はコンテンツ配分バリューチェーンの中の配分エージェントにより修正され編集される。
【0104】
モジュール5.10は、権利にデジタルサインすることにより権利メタデータを保護するものである。モジュール5.12は、デジタルサインの確認の為のTool IDを割り当てるものであり、又モジュール5.14は構文要素キーをREL−IPMPコントロールグラフ、又はDID、又はキー位置2により示された或る場所に設けるものである。
【0105】
モジュール5.15の詳細は、XMLに基づくアプローチがREL-IPMPを表現する為に用いられるMPEG−21の場合の例として図7(b)に示されている。図は図7(a)に似ている。図は、モジュール7.6および7.7を図7(a)に示されたように設ける為にREL−IPMPコントロールグラフ(7、10)を使用するが、然しすべての権利と保護情報を表現する為の類似の機能として働く。
【0106】
図7(b)からは、REL-IPMP延長はここでは権利表現のみならず、又保護記述をも含める為のものであり、又このような延長は、既存のMPEG−21 REL、又は他の権利表現言語のトップに於いて行なわれることが判る、何故ならばそれらは、元来権利、条件並びにprinciplesおよびissuersを表現することだけに限定されているからである。図7(b)のXML表現に示されたipmpxは、保護の為のRELの延長の部分である。
【0107】
図4に基づいている図6に示されるようにモジュール6.19は、延長されたRELにより同様にコンテンツ保護をサポートする為のREL+Extensionと考えられ、又モジュール6.9は既存のRELエンジンである。モジュール6.1は、REL−IPMPコントロールグラフに変えられ、又モジュール6.0はMPEG−21のケースでの別個のDIDパーサである。
【0108】
他のモジュールは、上に説明されたものと同じ機能を持つ。
【0109】
図6に於いては、ターミナルプロセッシングフローチャートに対して保護されたコンテンツは、モジュール6.18に於いて消費される前にREL−IPMPコントロールグラフに入れて運ばれる保護およびパッケージング情報を処理することが示されている。
【0110】
モジュール6.1は、REL−IPMPコントロールグラフがMPEG−21ケースでのDIDに入れて運ばれる場合に対してのみDIDパーサが必要とされる時にDIDおよびREL−IPMPコントロールグラフ情報を構文解析するものである。
【0111】
RTPネットワーク上でコンテンツが配分される場合にREL−IPMPコントロールグラフは、それが経時的に変化する時のキー情報を除き権利および保護記述情報を入手する為にSDPから検索することが出来る。
【0112】
モジュール6.2は、コンテンツが保護されているか否かを検出するものである。保護されていなければ消費の為にモジュール6.18によりプレーバックすることが出来る。保護されている場合には、夫々モジュール6.3、6.4および6.5に於いてチェックする為の3つの選択肢が存在する。
【0113】
モジュール6.3は、権利がコード置換されたことを検出し、モジュール6.4は、コンテンツがコード置換されたことを検出し、又モジュール6.5は、コンテンツが透かしされたことを検出するものである。
【0114】
権利が保護されている時には、モジュール6.6は保護ツールをTool IDにより起動するものであり、モジュール6.7は、ツールを用いて権利が完全であることをチェックするものである。モジュール6.8に於いて完全であることが確認された時には、権利は既存のRELスタンダードに適合するRELエンジンにより権利を構文解析する為にモジュール6.9に送られる。
【0115】
モジュール6.11は、コンテンツに付随する権利と条件を処理し、又与えられた権利と条件をバッファの中で格納するものである。モジュール6.19に於いては、ユーザにより要求された権利はバッファに格納された権利と条件に対比してチェックを施されることがある。
【0116】
権利にライセンスが含まれている時にモジュール6.10は、Tamper resistant(TR)で保護することの出来るライセンスマネージャからライセンスを検索する為のものである。
【0117】
コンテンツが保護され、コード置換されている時には、モジュール8.12はキーライセンスをライセンスマネージャから取得するものである。
【0118】
ライセンスマネージャは、ここではそれがターミナルの一部、又は他の何れかの場所であればTamper resistant技法により保護されることが出来るであろう、何故ならばそれは、解法エンジンがコンテンツの保護を外す時に用いる実際のライセンスを提供するからである。
【0119】
コード置換ツールは、それらの実行に用いられるターミナルの大部分に対するデフォールトとして限定することが出来るのに対し、IPMP Tool IDは、人々がデフォールト以外にコード置換ツールをそれらの特殊ドメイン、又はケースを選ぶことの出来るように提供される。プラットフォームのダウンロードが可能であり、Tool IDにより示されている異なったコード置換ツールを使用する時には、延長性、フレキシビリティおよび更新性が実現され、同時に我々は異なったドメインを横断する相互運用性を実現する。
【0120】
キー情報は、各種のネットワークを介したコンテンツ受け渡しの場合に異なった場所から検索することが出来るであろう。この事は、貴方が何処にキー情報を設けるかにかかっている。貴方がそれらをRTPヘッダに設ける時には、それらをその位置で入手することが出来るのに対し、貴方がそれらをビデオおよびオーディオデータのような他のパケットとして設ける時には、貴方はビデオおよびオーディオに適用されるのと同じ規則に従って入手することが出来る。経時的に変化するキー情報は、貴方がビデオおよびオーディオコンテンツを解読することを必要とする時には同時に入手することを要求される。
【0121】
モジュール6.15は、起動されたツール、キーデータ、およびライセンスを用いてコンテンツを解読し、次にその後の処理の為にモジュール6.17に引き渡される。
【0122】
コンテンツがモジュール6.5に於いて透かしを入れられていることが判明した場合、Tool IDおよびインターフェースを含むその記述データを持つすき込みツールは起動され、ユーザの要請次第で決まる処理の為にモジュール6.16に於いて準備される。
【0123】
最後にモジュール6.17は、ユーザが与えられた権利と条件に基づいて要求される権利を行使するものであり、モジュール6.15の出力である保護されぬコンテンツに作用する。
【0124】
図6に於いては、ライセンスを提供するライセンスマネージャ、権利を作成する権利および条件プロセッシング、更には保護されぬコンテンツを入手する為のコンテンツ解読に対してもその機能を保護する為にTamper Resistantが用いられる。
【0125】
図9は、プロセスされたREL−IPMPコントロールグラフを持つモディファイされたIPMPアーキテクチャに対して示されている。図6および図9の権利および保護(IPMP関連の)機能に比較した場合、図2の公知の技術の中には無い多くのIPMP関連の機能の存在することは明らかである。RELエンジンに対するモジュール6.9、ライセンスマネージャに対するモジュール6.10および6.12、およびConditions Processingに対するモジュール6.11である図6の青色のブロックのみが図2に示されている公知の技術に用いられている。このような機能ブロックは、図2のモジュール2.1、モジュール2.4およびモジュール2.5である。
【0126】
図9に示されているようにモジュール9.11は、IPMPコントロールグラフ情報を構文解析し、処理する為に加えられ、又該当の結果は、モジュール9.4のライセンスマネージャに渡され、REL関連データは、その完全さがチェックされた後にモジュール9.1のRELエンジンに渡され、又コンテンツ保護およびすかし入れ情報は、更なる処理の為にモジュール9.3のDI iNstanceに渡される。
【0127】
モジュール9.12の解読、透かし等は、その方法がDIMEに於いて定められている時にはモジュール9.8に於いて、或いはそれがDIBOの一つの機能として定義されている時にはモジュール9.9に於いて、或いはそれが外部機能である時にはモジュール9.10に於いて実施することが出来るだろう。
【0128】
ライン9.14は、REL−IPMPコントロールグラフ処理モジュールからRELエンジンへのデータの流れに対して、又ライン9.15は、REL−IPMPコントロールグラフ処理モジュールからNI iNstanceへのデータの流れに対して示されている。
【0129】
ライン9.16は、ライセンスマネージャからライセンスを付与する為のモジュール9.12の中の保護されぬブロックへのデータの流れに対して示されている。
【0130】
モジュール9.13は、図2の場合と同じ信頼ドメインに設けられているイベント報告エンジンの為のものである。
【0131】
TRは、ライセンスマネージャオペレーションと条件処理オペレーションを護る為に用いられるTamper Resistanceモジュールを意味する。
【0132】
他のモジュールは、図2に説明されているものと類似の意味を持つ。
【0133】
図10に於いては、IPMPコントロールグラフ、又はREL−IPMPコントロールグラフの中の権利と保護のレイアウトが示され、ここではコンテンツID、保護されたオブジェクトインディケータ、保護フラグ、詳細な権利と条件並びに詳細な保護記述がこのホールダの中に入れられて運ばれる。
【0134】
(発明の有効性)
本発明は、コンテンツが権利と条件により保護されることを要求され、特にこのようなコンテンツが任意のデータ型式を持ち各種のネットワークを介して伝送することが出来る時に有効である。
【0135】
本発明は、このような保護がコンテンツIDを介して保護されるコンテンツに付随することを要求され、特にこのような保護情報は、コンテンツID、又はMPEG−21のDIIを用いて保護されたコンテンツに取り付けられた1セットの記述として限定される時に有効である;
本発明は、このような保護がコンテンツ作成、コンテンツ配分並びにコンテンツ消費にとって障害がなく便利な一般的なIPMPコントロールグラフホールダ、又はREL−IPMPコントロールグラフホールダに設けられ、又このようなホールダは、MPEG−21スタティックファイルフォーマットの中のDID、又はRTP送信の為のSDPに入れられて運ぶことの出来る時に有効である。
【0136】
本発明は、保護の各々がTool IDにより示される為に限定されたIPMPツールおよび外部IPMPツールの両者がフレキシビリティ、更改性および延長性の為に使用することが出来る時に有効である。
【産業上の利用可能性】
【0137】
本発明は、一般的なデジタルコンテンツに対するデジタル権利管理(DRM)、又は知的所有権管理および保護(IPMP)に関係し、特に何れのデータフォーマットとも関係なくデジタルコンテンツの保護および管理を対象とする。本発明は、コンテンツが権利と条件により保護されることを要求され、特にこのようなコンテンツが如何なるデータ型式をも持つことが可能であり、各種のネットワークを介して送信することが出来る時には極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】公知の技術として可能な保護情報を含むDID構造を示す図
【図2】公知の技術であるMPEG−21 IPMPアーキテクチャーを示す図
【図3】権利と保護を別個に持つコンテンツパッケージングフローチャート
【図4】IPMPコントロールグラフ情報を持つ保護され、パッケージ化されたコンテンツに対するターミナルプロセッシングフローチャート
【図5】権利および保護を併せ持つコンテンツパッケージングフローチャート
【図6】REL−IPMPコントロールグラフ情報を持つ保護され、パッケージ化されたコンテンツに対するターミナルプロセッシングフローチャート
【図7(a)】DIDに含まれる権利および保護情報に対するIPMPコントロールグラフ
【図7(b)】DIDに含まれる権利および保護情報に対するIPMPコントロールグラフ
【図8】IPMPコントロールグラフがプロセスされたIPMPアーキテクチャーを示す図
【図9】REL−IPMPコントロールグラフがプロセスされたIPMPアーキテクチャーを示す図
【図10】REL−IPMPコントロールグラフに於ける権利と保護のレイアウトを示す図
【符号の説明】
【0139】
301 コンテンツID、DIIをMPEG-21に割当てる為のモジュール
302 コンテンツが保護されているか否かを示す為にIPMPコントロールグラフにフラグを設ける為のモジュール
303 透かしが組み込まれていることを示す為にIPMPコントロールグラフにフラグを設ける為のモジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルコンテンツ記述を構文解析すること、特にMPEG−21領域内のDID(デジタルアイテムデクレアレーション)を構文解析すること;
前記デジタルコンテンツ、特にMPEG−21領域内のDII、又はサブコンテンツアイデンティファイヤを特定するのに用いられるデジタルコンテンツアイデンティファイヤ(コンテンツID)を検索すること;
該当のコンテンツIDを持つ前記デジタルコンテンツに適用される権利と保護情報を含む権利と保護の記述ホールダを検出すること、又ここではホールダはIPMP(知的所有権管理および保護)コントロールグラフホールダ、又はREL(権利表現言語)−IPMPコントロールグラフホールダであり;
前記コンテンツが保護されているか、又は自由状態に在るかを示すフラグを前記ホールダから検索すること;
前記IPMPコントロールグラフ、又はREL−IPMPコントロールグラフに入れて運ばれる記述情報を処理すること;
権利記述、又は他のメタデータ記述が前記権利、又は他のメタデータに付随するフラグを検索することによりデジタルサインされるか否かをチェックすること;およびサインされている時にはTool IDにより示されている該当のデジタルサインツールを準備すること;
保護されたライセンスマネージャからキーライセンスを検索すること;
前記デジタルサインツールを用い前記権利、又はメタデータが完全であることをチェックすること;
前記権利をその条件により予め定められた規則に従い、特にMPEG−21領域に於いて限定されるREL規則に従い構文解析すること、および前記与えられた権利および条件を将来のチェックの為にバッファの中に格納すること;
前記コンテンツに付随するフラグを検索することにより、前記コンテンツがコード置換されたことをチェックすること;およびそれがコード置換される時にはTool IDにより示される該当のコード置換ツールを準備すること;
前記Tool IDを持つ前記コード置換ツールおよび他の情報を用い前記コード置換されたコンテンツの保護を外すこと;
前記コンテンツが前記コンテンツに付随するフラグを検索することにより、透かしを入れられていることをチェックし;又透かしを入れられている時にその後の処置の為のTool IDにより示されている該当の透かしツールを準備すること;
バッファに格納された前記与えられた権利と条件に対比してユーザの要求を処理すること;
権利が与えられる時、前記ユーザにより要求された権利を行使すること;および
前記保護されていないコンテンツをその再生、表現、記録、修正、削除、適応の為に操作すること
を含む一連のステップから成るデジタル権利表現を用いるデジタルコンテンツ保護の方法。
【請求項2】
前記Tool IDを持つ前記コード置換ツールおよび請求項1の他の情報を用いて前記コード置換されたコンテンツの保護を外し、更に
前記IPMPコントロールグラフ、又はREL−IPMPコントロールグラフの中のキーデータホールダから直接、或いはIPMPコントロールグラフ、又はREL−IPMPコントロールグラフに設けられているポインタにより指された位置からキー情報を検索する、および
保護されたライセンスマネージャからキーライセンスを検索する
ステップを含むデジタル権利表現を用いるデジタルコンテンツ保護の方法。
【請求項3】
請求項2の保護されたライセンスマネージャからキーライセンスを検索し、更に
前記ライセンスマネージャをTamper Resistantアプローチを用いて保護し、又
前記検索がされ、作成されたキーライセンスを格納する為に用いられるバッファを保護し、又前記バッファはTamper Resistantの形で保護されることが出来るステップを包含するデジタル権利表現を用いたデジタルコンテンツ保護の方法。
【請求項4】
前記権利をそれらの条件により予め定められた規則に従い、特にMPEG−21領域に於いて限定されたREL規則に従って構文解析し、および請求項1に於ける将来のチェックの為に前記与えられた権利と条件をバッファの中で格納し、更に
前記権利パーサ、又は前記権利パーサの一部をTamper Resistantアプローチ、又は他のアプローチを用いて保護し、又
前記バッファをTamper Resistantアプローチ、又は他のアプローチを用いて保護する
ステップを包含するデジタル権利表現を用いるデジタルコンテンツ保護の方法。
【請求項5】
権利記述、又は他のメタデータ記述が前記権利、又は他のメタデータに付随するフラグを検索することにより、デジタルサインされるか否かをチェックし、およびそれがサインされている場合、請求項1のTool IDにより示される該当のデジタルサインツールを作成し、又ここでは他のメタデータ記述はMPEG−21領域のDIA(デジタルアイテムアダプテーション)、又は他のタイプのメタデータであることが可能であり、しかもこれらは保護されることが可能であり、又保護記述情報は前記IPMPコントロールグラフ、又はREL−IPMPコントロールグラフに設けられているデジタル権利表現を用いたデジタルコンテンツ保護の方法。
【請求項6】
請求項1に於いて、コード置換および解読が或る用途ドメインに於ける限定されたTool IDを持つデフォールトとしての限定されたツールを用いて行なうことが可能であり、デジタルサインが或る用途ドメインに於ける限定されたTool IDを持つデフォールトとしての限定されたツールを用いて行なうことが可能であり、又透かしのような他の保護はフレキシビリティを実現する為にインターフェース、又はAPIを限定することにより行なうことの出来るデジタル権利表現を用いるデジタルコンテンツ保護の方法。
【請求項7】
請求項1に於いて、コンテンツの保護を外す動作はDIME(デジタルアイテムメソッドエンジン)、又はDIBO(デジタルアイテムベースオペレーション)、又はDIXO(デジタルアイテムエクステンデッドオペレーション)に限定されているDIP(デジタルアイテムプロセッシング)の中で行うことの出来るデジタル権利表現を用いるデジタルコンテンツ保護の方法。
【請求項8】
請求項1に於いて、前記REL−IPMPコントロールグラフは、IPMPXが既存のRELからの保護の延長部分をあらわす為に用いられるフラグとして限定されている場合に保護記述情報を含む為のMPEG−21、又は他の権利表現言語の既存のRELを延長することを意味するデジタル権利表現を用いるデジタルコンテンツ保護の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7(a)】
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【図7(b)】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−514768(P2006−514768A)
【公表日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−509474(P2005−509474)
【出願日】平成15年10月14日(2003.10.14)
【国際出願番号】PCT/JP2003/013120
【国際公開番号】WO2005/036882
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】