説明

N−置換アザ環状体

【課題】式Iにより表されるN−置換アザ環状体、該環状体を含有する殺虫剤、及び該殺虫剤を用いる昆虫の制御法を提供する。
【解決手段】式中、m、q、r、tおよびuは、0または1から独立して選択される;およびpは0、1、2、または3である;そして、A、B、D、X、Y、R、R’、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、およびR11は、本願明細書において定義されている意味をもつ。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、新規化合物、このような化合物を調製するのに有用なプロセスおよび中間体、このような化合物を含んでいる組成物、および昆虫を抑制することにおけるこのような化合物の使用に関する。特に、本発明は、N−置換アザ環誘導体、N−オキシドおよびその農業的に受容できる塩、これらの殺虫剤の組成物、および昆虫を抑制することにおけるそれらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
農作物、温室農作物、種苗農作物、観賞植物、芝生、林業、貯蔵食物および繊維製品、建造物、家畜、家庭、ならびに公衆衛生および動物衛生において、新規の、有効で、高価でなく、かつ安全な害虫抑制手段に対する長年にわたる世界的な要求が存在する。害虫によって受けた農業の収穫経費は、減少した農産物収率、悪くなった農産物の品質および増加した収穫コストにおいて毎年数十億ドルを超える。農業の農作物として、いくつかの例を挙げると、小麦、トウモロコシ、大豆、ジャガイモおよび綿が含まれる。白アリおよび地虫のような土壌昆虫は、建造物、芝生および観賞植物への数百万ドルという損害を引き起こす。ハエ、アリおよびゴキブリのような家庭害虫は、病気を運び、一般家庭において望ましくないものである。これらの害虫の他にも、吸血昆虫は、ヒトおよび動物の健康を脅かす病原微生物の媒介生物であり、あるいは少なくとも不快なものである。農作物、芝生、鑑賞植物または建造物に損害を与えないで、これらの害虫を抑制することができ、そして哺乳動物および他の生物に有害な影響を与えない殺虫剤が切望されている。
【0003】
多数の特許が、殺虫活性である様々なアザ環誘導体を開示している。例えば、[特許文献1]米国特許第5,569,664号に記載されているように、次の構造の化合物は、殺虫活性であると報告されている:
【特許文献1】米国特許第5,569,664号明細書
【0004】
【化12】

【0005】
式中、Uは−(CH−およびエチリジン(ethylidine)から選択され、ここでnは1、2、または3である;Qは、水素、ヒドロキシ、スルフヒドリルおよびフッ素から選択される;Vは、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルシリルオキシ、ジアルキルアミノ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシおよびフェニルから選択される;Wは、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ニトロ、アミノ、フェノキシ、およびフェニルアルコキシから選択される;Xは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、アルキル、アルコキシアルキル、アルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルキルシリルオキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、シアノ、シアノアルコキシ、ニトロ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルコキシ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、フェニル、フェニルアルコキシ、オヘノキシ(ohenoxy)、およびフェノキシアルキルから選択される;YおよびZは、水素およびアルコキシから独立して選択される;RおよびRは、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、アリールチオ、アルコキシ、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノスルホニル、ヒドロキシアルキルアミノカルボニル、アルキルスルホニルオキシおよびハロアルキルスルホニルオキシで置換されたフェニルから独立して選択される;ならびに対応するN−オキシドおよび農業的に受容できる塩。
【0006】
[特許文献2]に記載されているように、次の構造の化合物は、殺虫活性であると報告されている:
【特許文献2】米国特許第5,639,763号明細書
【0007】
【化13】

【0008】
式中、Uは−(CH−およびエチリジンであり、ここでnは1、2、または3である;Qは、水素、ヒドロキシ、スルフヒドリルおよびフッ素から選択される;Vは、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルシリルオキシ、ジアルキルアミノ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシおよびフェニルから選択される;YおよびZは、水素およびアルコキシから独立して選択される;WおよびXは、つながって、−OCHCHO−、−CHC(CHO−、−OC(CHO−、または−N=C(C)O−から選択される;RおよびRは、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、アリールチオ、アルコキシ、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノスルホニル、ヒドロキシアルキルアミノカルボニル、アルキルスルホニルオキシおよびハロアルキルスルホニルオキシで置換されたフェニルから独立して選択される;ならびに対応するN−オキシドおよび農業的に受容できる塩。
【0009】
[特許文献3]に記載されているように、次の構造の化合物は、殺虫活性であると報告されている:
【特許文献3】米国特許第5,795,901号明細書
【0010】
【化14】

【0011】
式中、V、W、YおよびZは水素である;Xは、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、または5員もしくは6員のヘテロアリールもしくはヘテロアリールオキシであって、各へテロアリールは、ハロゲン、シアノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルコキシアルキルもしくはハロアルコキシアルキルで必要に応じて置換される;RおよびRは、ハロアルキルから、ハロゲン、ハロチオ、ハロアルキルもしくはハロアルコキシで置換されるフェニルから、またはハロゲンもしくはアルキルで置換される5員もしくは6員のヘテロアリールから独立して選択される;Rは、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルキルアミノカルボニルオキシアルキル、アルキルチオアルキル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、カルボキシアリールアルキル、アリールカルボニル、スルホナト、またはスルホナトアルキルであり、そして内部塩を生じる負電荷を持ち、分かれた陰イオンは、塩化物、臭化物、ヨウ化物、もしくはフェニル、またはアルキルスルフェ−トもしくはスルホネートである。
【0012】
[特許文献4]に記載されているように、次の構造の化合物は、殺虫活性であると報告されている:
【特許文献4】米国特許第5,939,438号明細書
【0013】
【化15】

【0014】
式中、Rは、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、またはジアルキルアミノである;R’は、水素、アルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、アルキルカルボニル、またはアルキルアミノカルボニルである;Qは、フルオロまたはヒドロキシである;Xは酸素またはNRである;Zは、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ペンタハロチオ、ハロアルキルチオ、ハロアルキルスルフィニル、ハロアルキルスルホニル、またはフェニル環の2つの隣接した炭素原子に付いた−OCFO−である;nは0または1である;そして、XがNRであるとき、Rは、水素、アルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニルであり、あるいはRおよびRは、一緒になって、−C2m−または−COC−であり得、ここでmは3〜9である;ならびにそれらの農業的に受容できる塩。
【0015】
[特許文献5]米国特許第6,017,931号に記載されているように、次の構造の化合物は、殺虫活性であると報告されている:
【特許文献5】米国特許第6,017,931号明細書
【0016】
【化16】

【0017】
式中、V、WおよびZは、水素である;Xは、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルコキシアルキル、シクロアルキルアルコキシル、ハロシクロアルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、ハロアルコキシカルボニル、シクロアルキルアルコキシルカルボニル、ハロシクロアルキルアルコキシルカルボニル、アルコキシアルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、ハロアルコキシカルボニルアミノ、シクロアルキルアルコキシカルボニルアミノ、ハロシクロアルキルアルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、ハロアルキルアミノカルボニル、シアノアルコキシカルボニルアミノ、フェニルカルボニルアミノおよびフェノキシカルボニルから選択され、各シクロアルキル部分またはフェニル環は、ハロゲンで必要に応じて置換される;Yは、水素またはハロゲンから選択される;RおよびRは、フェニルまたはピリジルから独立して選択され、各々がハロアルキル、ハロアルコキシ、またはアルキルチオで置換される;ならびに対応するN−オキシドおよび農業的に受容できる塩。
【0018】
[特許文献6]に記載されているように、次の構造の化合物は、殺虫活性であると報告されている:
【特許文献6】米国特許第6,030,987号明細書
【0019】
【化17】

【0020】
式中、V、W、YおよびZは、水素である;Xは、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、シアノ、アミノカルボニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、またはハロアルコキシアルキルで必要に応じて置換された5員もしくは6員のヘテロ環であり、そのヘテロ環は、−O−、−S−、−(CH−、−C(O)−または−O(CR−の結合を介してフェニル環に必要に応じて繋がっている;RおよびRは、フェニルまたはピリジルから独立して選択され、各々がハロアルキルまたはハロアルコキシで置換される;RおよびRは、水素またはメチルから独立して選択される;nおよびpは、独立して1、2、または3である;そしてqは1または2である;ならびに対応するN−オキシドおよび農業的に受容できる塩。
【0021】
[特許文献7]に記載されているように、次の構造の化合物は、殺虫活性であると報告されている:
【特許文献7】米国特許第6,184,234号明細書
【0022】
【化18】

【0023】
式中、V、W、YおよびZは、水素である;Xは、臭素、塩素、フッ素、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、シアノ、アミノカルボニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、またはハロアルコキシアルキルで必要に応じて置換された5員もしくは6員のヘテロ環であり、そのヘテロ環は、−O−、−S−、−(CH−、−C(O)−または−O(CR−の結合を介してフェニル環に必要に応じて繋がっている;RおよびRは、i)フェニルまたはピリジルであり、各々がペンタハロチオ、ハロアルキルチオ、ハロアルキルスルフィニル、またはハロアルキルスルホニルで置換されるもの、ii)−OC(M)O−で置換されたフェニルであって、ここでMは、ジハロベンゾジオキシリル縮合環を与える臭素、塩素、またはフッ素であるもの、またはiii)ジハロジオキソレンピリジル(dihalodioxoleneopyridyl)縮合環を与える−OC(M)O−で置換されたピリジルから独立して選択される;RおよびRは、水素およびメチルから独立して選択される;nおよびpは、独立して1、2、または3である;そしてqは1または2である;ならびに対応するN−オキシドおよび農業的に受容できる塩。
【0024】
[特許文献8]に記載されているように、次の構造の化合物は、殺虫活性であると報告されている:
【特許文献8】米国法定発明登録第H1,838号(United Statutory Invention Registration H1,996)
【0025】
【化19】

【0026】
式中、mは2または3である;nは0または1である;Wは、水素またはアルコキシである;Xは、水素、アルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、ハロアルコキシイミノ、または5員もしくは6員のヘテロアリールもしくはヘテロアリールオキシであって、その1つ以上のヘテロ原子が、必要に応じてアルキルで置換され得る;RおよびRは、水素、ハロアルキル、ハロチオ、またはハロアルコキシから独立して選択される;そしてnが1であるとき、Yは、
(a)環窒素のN−オキシド、または(b)環窒素の農業的に受容できる陰イオン性塩を表すか、または(c)Rが、イオン塩を生じる農業的に受容できる陰イオンと結合する水素、アルキル、アルコキシカルボニルアルキル、ヒドロキシカルボニルエチルから選択されるか、またはRが、内部塩を生じる負電荷を有するオキシカルボニルアルキル基である場合のOR結合を形成する。
【0027】
[特許文献9]に記載されているように、次の構造の有機酸または無機酸の光安定性で農業的に受容できる塩は、殺虫活性であると報告されている:
【特許文献9】米国法定発明登録第H1,996号
【0028】
【化20】

【0029】
式中、Rは、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、シクロアルキルアルコキシ、2−アルキル−2H−テトラゾル−5−イル、または2−ハロアルキル−2H−テトラゾル−5−イルである;Rは、トリハロアルキルまたはトリハロアルコキシである;nは0または1である。上記塩は、非イオン性の親分子より2.5倍の光安定性を有する。また上記塩は、塩酸、臭化水素酸、ホウ酸、リン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、D−グルクロン酸;Rがアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、D−10−カンフォリル(camphoryl)、またはアルキルまたはハロゲンで必要に応じて置換されるフェニルである場合のスルホン酸RSOH;Rが、水素、アルキル、トリハロアルキル、カルボキシル、アルキルもしくはハロゲンで必要に応じて置換されるフェニル、またはピリジルである場合のカルボン酸RCOH;Rが、アルキル、またはアルキルもしくはハロゲンで必要に応じて置換されるフェニルである場合のボロン酸RB(OH);Rが、アルキル、ハロアルケニル、またはアルキルもしくはハロゲンで必要に応じて置換されるフェニルである場合のホスホン酸RPO;Rが、水素またはアルキルである場合の硫酸ROSOH;あるいはqが0から11であり、Xが、ハロゲン、トリハロアルキル、ハロアルケニル、シアノ、アミノカルボニル、またはRが水素もしくはアルキルであるCOである場合のアルカン酸X−(CHCOHから得られる。
【0030】
[特許文献10]米国法定発明登録第H2,007号に記載されているように、次の構造の化合物は、殺虫活性であると報告されている:
【特許文献10】米国法定発明登録第H2,007号
【0031】
【化21】

【0032】
式中、AおよびBは、低級アルキルから独立して選択される;Uは、低級アルキリデン、低級アルケニリデン、およびZが水素、低級アルキル、低級シクロアルキル、もしくはフェニルから選択される場合のCH−Zから選択される;Rは、RおよびRがハロゲン、低級アルキル、低級ハロアルキル、低級アルコキシ、低級ハロアルコキシ、低級アルケニル、もしくはフェニルで必要に応じて置換されるフェニルから独立して選択される−CHRである;Rは、フェニル、ナフチル、テトラゾリルフェニル、フェニルシクロプロピル、フェノキシフェニル、ベンジルオキシフェニル、ピリジルフェニル、ピリジルオキシフェニル、またはチアジアゾリルオキシフェニルであり、各々が、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級ハロアルキル、低級アルコキシ、アミノ、低級ジアルキルアミノ、ニトロ、低級ハロアルキルスルホニルオキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、低級アルキルカルボニルアミノ、低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシアルコキシカルボニル、低級シクロアルキルアルコキシカルボニル、低級アルコキシアルキルアルコキシカルボニル、低級アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシチオカルボニルアミノ、低級アルキルジチオカルボニルアミノ、低級ジアルキルジオキソリルアルコキシカルボニルアミノ、もしくはハロフェニルアミノ、または上記の環状R基のいずれか1つで置換された低級アルキルで、必要に応じて置換される;mは2または3である;そしてnは1、2、または3である。
【0033】
[特許文献11]に記載されているように、次の構造の化合物は、殺虫活性であると報告されている:
【特許文献11】公開特許公報2002−220372号公報
【0034】
【化22】

【0035】
式中、RおよびRは、水素、ハロゲン、低級アルキル、低級ハロアルキル、低級アルコキシ、低級ハロアルコキシ、または低級アルキルスルホニルオキシから独立して選択される;Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシアルキル、または低級アルキルカルボニルから選択される;XおよびYは、独立して酸素または硫黄である;Rは、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルコキシ、低級ハロアルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルキルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、低級シクロアルキル、低級アルコキシアルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、低級ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、トリメチルシリル、フェニル、もしくは低級シクロアルケニルで必要に応じて置換された低級アルケニルもしくは低級アルキニルから選択される;ならびに対応するN−オキシドおよび塩。
【0036】
[特許文献12]に記載されているように、次の構造の化合物は、殺虫活性であると報告されている:
【特許文献12】PCT国際公開WO02/068392A1
【0037】
【化23】

【0038】
式中、RおよびRは、ハロゲン、C−Cアルキル、ハロC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロC−Cアルコキシ、−S(=O)、またはSFから独立して選択される;Rは、水素、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、あるいは−OC(=O)−C−Cアルキルである;Rは、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、ハロC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロC−Cアルコキシ、または−S(=O)であるか、あるいは−SCN;RおよびRは、C−C12アルキル、ハロC−C12アルキル、C−C12アルケニル、ハロC−C12アルケニル、C−C12アルキニル、ハロC−C12アルキニル、C−Cシクロアルキル、−C(=O)−OR、−C(=S)−OR、−C(=Y)−ZR、−S(=O)、アリール、アリールC−Cアルキル、ヘテロ環、ヘテロ環C−Cアルキルから独立して選択され、各々が、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、ハロC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロC−Cアルコキシにより、互いから独立して環内で1回〜5回置換される;あるいは、それらが、結合している窒素原子と一緒になって、置換または非置換のヘテロ環を形成する;Yは、酸素または硫黄である;Xは結合であり、−NR10−または硫黄である;Rは、C−Cアルコキシ−C−Cアルキル、C−Cアルキルチオ−C−Cアルキル、C−Cアルキルアミノ−C−Cアルキル、C−Cアルキニル、C−Cアルキル−S(=O)−C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリール、アリール−C−Cアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロシクリル−C−Cアルキルであり、各々が、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、ハロC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、またはハロC−Cアルコキシにより、互いから独立して環内で1回〜5回置換される;Rは、C−Cアルキル、ハロC−Cアルキル、C−Cアルコキシ−C−Cアルキル、C−Cアルキルチオ−C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルキル−S(=O)−C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリール、アリール−C−Cアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロシクリル−C−Cアルキルであり、あるいはC−Cシクロアルキル、アリール、アリール−C−Cアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロシクリル−C−Cアルキルであって、各々が、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、ハロC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、またはハロC−Cアルコキシにより、互いから独立して環内で1回〜5回置換される;Rは、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、ハロC−Cアルキル、またはベンジルである;R10は、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、ハロC−Cアルキル、またはベンジルである;pは0、1、または2である;qは0または1である;ならびに適切な場合に、E/Z異性体、E/Z異性体混合物および/または互変異性体で、各々は遊離形態または塩形態にある。
【0039】
[特許文献13]に記載されているように、次の構造の化合物は、殺虫活性であると報告されている:
【特許文献13】PCT国際公開WO200020409A1
【0040】
【化24】

【0041】
式中、Rは、ハロ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルコキシである;Rは、水素、ヒドロキシル、ハロ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、C−Cアルキルチオ、C−Cアルキルスルホニル、必要に応じて置換されるフェニルもしくはカルバモイルである;ZはOまたはS(O)であり、pは0または2である;そしてmおよびnは、0または1である。
【0042】
[特許文献14]に記載されているように、次の構造の化合物は、殺虫活性であると報告されている:
【特許文献14】PCT国際公開WO03/022808A1
【0043】
【化25】

【0044】
式中、Rは、必要に応じて、同じようにまたは異なって1回または数回置換されるアリールもしくはヘテロアリールである;RおよびRは、必要に応じて、同じようにまたは異なって1回または数回置換されるアリールもしくはヘテロアリールから独立して選択され、それにより、両方の基は、共通の置換基により架橋することもできる;Mは、必要に応じて置換される(CHであり(ここでIは1、2または3)、またはCOもしくは−HNC(O)である;Xは、H、OH、ハロゲン、ORまたはCNである;Yは、(O)、H、OH、OR、Rである;(窒素が正電荷を有する最後の4つの官能基において、対応する陰イオンと合わさって);Rは、同一または異なっており、C−Cアルキル、C−Cアルカノイル、C−Cハロアルキルを表す;mは0、1、2、3または4である;そして、nは0または1である。
上記の引用のいずれにも、本発明のアザ環誘導体について開示または示唆がなされていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0045】
本発明に従えば、式中に示される置換基Xを有する式IのN−置換アザ環誘導体およびその塩が、殺虫活性を向上させることが見出されている。式Iの化合物は、下記の一般式Iによって表される:
【0046】
【化26】

【0047】
式中、m、q、r、tおよびuは、0または1から独立して選択される;そしてpは0、1、2、または3である;
Xは、ハロゲン、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、チオ、アルキルチオ、アセトキシアルキル、アジドアルキル、アミノアルキル、アセチルアミノアルキル、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシ、ペンタハロチオ、シアノ、ニトロ、アセチルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、またはアリールオキシから選択される;
Yは、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、チオ、アルキルチオ、ペンタハロチオ、シアノ、ニトロ、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシ、アルキルスルホニルオキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、またアリールオキシから選択される;
あるいは、XおよびYは、−OCR1213O−と一緒になって、1,3−ジオキソラン環を形成する;
ここで、R12およびR13は、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、アルキルスルホニルオキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、またはアリールオキシから独立して選択される;
あるいは、R12およびR13は、(=O)と一緒になって、1,3−ジオキール−2−オン環を形成する;
、R、R、R、およびRは、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、チオ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、ペンタハロチオ、シアノ、ニトロ、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニルオキシ、ハロアルキルスルホニルオキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ジアルコキシアルキルカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノキシアルキル、アルコキシイミノアルキル、アルケニルオキシイミノアルキル、アリール、アリールオキシ、ジオキサニル、ジオキソラニルから独立して選択され、またはRおよびR、もしくはRおよびR、もしくはRおよびR、もしくはRおよびRのいずれかが−OC(OR19O−、−OC(R19(R19O−、−OC(R19(R19−、−OC(R19)=N−、または−SC(R19)=N−と一緒になって、ベンゾ縮合環を形成し、ここでR19は、水素、ハロゲン、アルキルまたはハロアルキルである;そして、式中、R、R、R、R、およびRの内の少なくとも1つが、水素以外である;
、R、R、R10、およびR11は、水素、ハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシイミノアルキル、ハロアルコキシイミノアルキル、シアノアルコキシイミノアルキル、シアノイミノチオアルキルアミノ、アルケニルオキシイミノアルキル、アルキニルオキシイミノアルキル、シクロアルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、フェノキシ、アルコキシカルボニルフェノキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルコキシアルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、シクロアルキルアミノスルホニル、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロアルケニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、必要に応じて置換されるアリールアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、シクロアルキルアルコキシカルボニルアミノ、アルケニルオキシカルボニルアミノ、アルキニルオキシカルボニルアミノ、ハロアルキルカルボニルアミノ、アルコキシアルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルケニルアミノカルボニルオキシ、アルキニルアミノカルボニルオキシ、(アルキル)(アルコキシカルボニル)アミノ、アルキルスルホニルアミノ、必要に応じて置換される(ヘテロアリール)(アルコキシカルボニル)アミノ、必要に応じて置換されるアリールカルボニルアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニルアミノ、ジアルキルアミノカルボニルアミノ、アルキルアミノ(チオカルボニル)アミノ、ジアルキルホスホロウレイジル、アセトキシアルコキシ、スルホニルオキシアルコキシ、ジアルコキシアルコキシ、トリアルコキシアルコキシ、ジアルコキシアルキルアセタール、トリアルコキシメチルオルトエステル、環状アセタール、必要に応じて置換される環状アセタール、必要に応じて置換されるチエニル、必要に応じて置換される1,3−チアゾリルアルコキシ、必要に応じて置換されるアリール、必要に応じて置換されるアリールオキシ、必要に応じて置換されるアリールオキシアルキル、必要に応じて置換されるアリールアミノカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるアリールアルコキシカルボニルアミノ、必要に応じて置換されるヘテロアリール、必要に応じて置換されるヘテロアリールオキシ、必要に応じて置換されるピロリル、必要に応じて置換されるピラゾリル、必要に応じて置換されるピラジニルオキシ、必要に応じて置換されるシクロアルキルカルボニルアミノ、必要に応じて置換される1,3−オキサゾリニル、必要に応じて置換される1,3−オキサゾリニルオキシ、必要に応じて置換される1,3−オキサゾリニルアミノ、必要に応じて置換される1,2,4−トリアゾリル、必要に応じて置換される1,2,3−チアジアゾリル、必要に応じて置換される1,2,5−チアジアゾリル、必要に応じて置換される1,2,5−チアジアゾリルオキシ、必要に応じて置換される2H−テトラゾリル、必要に応じて置換されるピリジル、必要に応じて置換されるピリジルオキシ、必要に応じて置換されるピリジルアミノ、必要に応じて置換されるピリミジニル、必要に応じて置換されるピリミジニルオキシ、必要に応じて置換される3,4,5,6−テトラヒドロピリミジニルオキシ、必要に応じて置換されるピリダジニルオキシ、または必要に応じて置換される1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニルから独立して選択され、ここで、必要に応じて置換する置換基は、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシイミノアルキル、ジアルキルアセタール、アルキルチオル、アルキルスルホキシド、またはアルコキシカルボニルアミノの内から1つ以上が選択される;そして、式中、R、R、R、R10、およびR11の内の少なくとも1つは、水素以外である;
Rは、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシカルボニル、必要に応じて置換されるピリド−2−イルであり、必要に応じて置換する置換基は、水素、ハロゲン、ハロアルコキシまたはハロアルキルから選択される、
あるいは、以下の構造を有する置換フェニルから選択され、
【0048】
【化27】

【0049】
ここで、R14、R15、R16、R17、およびRl8は、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、チオ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、ペンタハロチオ、シアノ、ニトロ、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニルオキシ、ハロアルキルスルホニルオキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ジアルコキシアルキルカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノキシアルキル、アルコキシイミノアルキル、アルケニルオキシイミノアルキル、アリール、アリールオキシ、ジオキサニル、ジオキソラニルから独立して選択され、またはR14およびR15、もしくはR15およびR16、もしくはR16およびR17、もしくはR17およびRl8のいずれかが−OC(OR19O−、−OC(R19(R19O−、−OC(R19(R19−、−OC(R19)=N−、または−SC(R19)=N−と一緒になって、ベンゾ縮合環を形成し、ここでR19は、水素、ハロゲン、アルキルまたはハロアルキルである;そして、式中、R14、R15、R16、R17、およびRl8の内の少なくとも1つが、水素以外である;
Aは、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−OCHCH−,−OCHCHCH−、−OCHCHCHCH−、−OCHCH(OH)CH−、−NHCHCH−、−N(CH)CHCH−、−N[C(=O)CH]CHCH−、または−N[C(=O)OCH]CHCH−から選択される;
Bは、−O−、−S−、−CHO−、−OCH−、−OC(=O)NH−、−OC(=O)O−、または−NHSO−から選択される;
pが1,2、または3である場合、Dは−CH−である;
は、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルキルアミノカルボニルオキシアルキル、アルキルチオアルキル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、アリールアルキル、アリールカルボニル、スルホナト、またはスルホナトアルキルから選択され、そして内部塩を生じる負電荷を有し得る;そして分離されるイオンは、塩化物、臭化物、ヨウ化物、またはアルキルもしくはフェニルスルフェートもしくはスルホネートである;ならびにそれらの農業的に受容できる塩。
【0050】
本発明は、殺虫有効量の化学式Iの化合物の内の少なくとも1つを含み、そして必要に応じて、少なくとも1つの農業的に受容できる増量剤またはアジュバントと共に、殺虫有効量の少なくとも1つの第2の化合物を含む組成物に関する。
【0051】
本発明はまた、望まれる場合に昆虫を抑制する方法であって、殺虫有効量の上記化合物を、収穫場所、または昆虫が存在する、または存在することが予想される他の領域に使用することを含む方法に関する。本発明の他の態様は、明確なものとなろう。
【課題を解決するための手段】
【0052】
本発明の1つの態様は、特定の新規で有益な化合物、すなわち、下記の一般式Iで表される特定の新規なN−置換アザ環誘導体に関する:
【0053】
【化28】

【0054】
式中、m、q、r、tおよびuは、0または1から独立して選択される;そしてpは0、1、2、または3である;
Xは、ハロゲン、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、チオ、アルキルチオ、アセトキシアルキル、アジドアルキル、アミノアルキル、アセチルアミノアルキル、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシ、ペンタハロチオ、シアノ、ニトロ、アセチルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、またはアリールオキシから選択される;
Yは、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、チオ、アルキルチオ、ペンタハロチオ、シアノ、ニトロ、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシ、アルキルスルホニルオキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、またアリールオキシから選択される;
あるいは、XおよびYは、−OCR1213O−と一緒になって、1,3−ジオキソラン環を形成する;
ここで、R12およびR13は、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、アルキルスルホニルオキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、またはアリールオキシから独立して選択される;
あるいは、R12およびR13は、(=O)と一緒になって、1,3−ジオキソール−2−オン環を形成する;
、R、R、R、およびRは、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、チオ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、ペンタハロチオ、シアノ、ニトロ、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニルオキシ、ハロアルキルスルホニルオキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ジアルコキシアルキルカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノキシアルキル、アルコキシイミノアルキル、アルケニルオキシイミノアルキル、アリール、アリールオキシ、ジオキサニル、ジオキソラニルから独立して選択され、またはRおよびR、もしくはRおよびR、もしくはRおよびR、もしくはRおよびRのいずれかが−OC(OR19O−、−OC(R19(R19O−、−OC(R19(R19−、−OC(R19)=N−、または−SC(R19)=N−と一緒になって、ベンゾ縮合環を形成し、ここでR19は、水素、ハロゲン、アルキルまたはハロアルキルである;そして、式中、R、R、R、R、およびRの内の少なくとも1つが、水素以外である;
、R、R、R10、およびR11は、水素、ハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシイミノアルキル、ハロアルコキシイミノアルキル、シアノアルコキシイミノアルキル、シアノイミノチオアルキルアミノ、アルケニルオキシイミノアルキル、アルキニルオキシイミノアルキル、シクロアルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、フェノキシ、アルコキシカルボニルフェノキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルコキシアルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、シクロアルキルアミノスルホニル、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロアルケニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、必要に応じて置換されるアリールアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、シクロアルキルアルコキシカルボニルアミノ、アルケニルオキシカルボニルアミノ、アルキニルオキシカルボニルアミノ、ハロアルキルカルボニルアミノ、アルコキシアルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルケニルアミノカルボニルオキシ、アルキニルアミノカルボニルオキシ、(アルキル)(アルコキシカルボニル)アミノ、アルキルスルホニルアミノ、必要に応じて置換される(ヘテロアリール)(アルコキシカルボニル)アミノ、必要に応じて置換されるアリールカルボニルアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニルアミノ、ジアルキルアミノカルボニルアミノ、アルキルアミノ(チオカルボニル)アミノ、ジアルキルphosphoroureidyl、アセトキシアルコキシ、スルホニルオキシアルコキシ、ジアルコキシアルコキシ、トリアルコキシアルコキシ、ジアルコキシアルキルアセタール、トリアルコキシメチルオルトエステル、環状アセタール、必要に応じて置換される環状アセタール、必要に応じて置換されるチエニル、必要に応じて置換される1,3−チアゾリルアルコキシ、必要に応じて置換されるアリール、必要に応じて置換されるアリールオキシ、必要に応じて置換されるアリールオキシアルキル、必要に応じて置換されるアリールアミノカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるアリールアルコキシカルボニルアミノ、必要に応じて置換されるヘテロアリール、必要に応じて置換されるヘテロアリールオキシ、必要に応じて置換されるピロリル、必要に応じて置換されるピラゾリル、必要に応じて置換されるピラジニルオキシ、必要に応じて置換されるシクロアルキルカルボニルアミノ、必要に応じて置換される1,3−オキサゾリニル、必要に応じて置換される1,3−オキサゾリニルオキシ、必要に応じて置換される1,3−オキサゾリニルアミノ、必要に応じて置換される1,2,4−トリアゾリル、必要に応じて置換される1,2,3−チアジアゾリル、必要に応じて置換される1,2,5−チアジアゾリル、必要に応じて置換される1,2,5−チアジアゾリルオキシ、必要に応じて置換される2H−テトラゾリル、必要に応じて置換されるピリジル、必要に応じて置換されるピリジルオキシ、必要に応じて置換されるピリジルアミノ、必要に応じて置換されるピリミジニル、必要に応じて置換されるピリミジニルオキシ、必要に応じて置換される3,4,5,6−テトラヒドロピリミジニルオキシ、必要に応じて置換されるピリダジニルオキシ、または必要に応じて置換される1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニルから独立して選択され、ここで、必要に応じて置換する置換基は、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシイミノアルキル、ジアルキルアセタール、アルキルチオル、アルキルスルホキシド、またはアルコキシカルボニルアミノの内から1つ以上が選択される;そして、式中、R、R、R、R10、およびR11の内の少なくとも1つは、水素以外である;
Rは、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシカルボニル、必要に応じて置換されるピリド−2−イルであり、必要に応じて置換する置換基は、水素、ハロゲン、ハロアルコキシまたはハロアルキルから選択される、
あるいは、以下の構造を有する置換フェニル、
【0055】
【化29】

【0056】
ここで、R14、R15、R16、R17、およびRl8は、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、チオ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、ペンタハロチオ、シアノ、ニトロ、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニルオキシ、ハロアルキルスルホニルオキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ジアルコキシアルキルカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノキシアルキル、アルコキシイミノアルキル、アルケニルオキシイミノアルキル、アリール、アリールオキシ、ジオキサニル、ジオキソラニルから独立して選択され、またはR14およびR15、もしくはR15およびR16、もしくはR16およびR17、もしくはR17およびRl8のいずれかが−OC(OR19O−、−OC(R19(R19O−、−OC(R19(R19−、−OC(R19)=N−、または−SC(R19)=N−と一緒になって、ベンゾ縮合環を形成し、ここでR19は、水素、ハロゲン、アルキルまたはハロアルキルである;そして、式中、R14、R15、R16、R17、およびRl8の内の少なくとも1つが、水素以外である;
Aは、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−OCHCH−,−OCHCHCH−、−OCHCHCHCH−、−OCHCH(OH)CH−、−NHCHCH−、−N(CH)CHCH−、−N[C(=O)CH]CHCH−、または−N[C(=O)OCH]CHCH−から選択される;
Bは、−O−、−S−、−CHO−、−OCH−、−OC(=O)NH−、−OC(=O)O−、または−NHSO−から選択される;
pが1,2、または3である場合、Dは−CH−である;
は、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルキルアミノカルボニルオキシアルキル、アルキルチオアルキル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、アリールアルキル、アリールカルボニル、スルホナト、またはスルホナトアルキルから選択され、そして内部塩を生じる負電荷を有し得る;そして分離されるイオンは、塩化物、臭化物、ヨウ化物、またはアルキルもしくはフェニルスルフェートもしくはスルホネートである;
ならびにそれらの農業的に受容できる塩。
【0057】
上記の範囲内で、好ましい本発明の化合物は、以下の場合の式Iの化合物である。m、qおよびpは0である;tおよびuは1である;Aは−CH−である;Xは、ハロゲン、ヒドロキシルまたはアルコキシカルボニルから選択される;Yは、水素、ハロゲンまたはヒドロキシルから選択される;R、R、R、およびRは、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、−CH(OH)CH、−CH=NOC、1,3−ジオキソラン−2−イルから独立して選択されるか、またはRおよびRが−OCFO−でつながる;Rは水素である;R、R10、およびR11は水素である;Rは、水素、ハロゲン、アルキルまたはアルコキシから選択される;Rは、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルコキシアルコキシ、シクロプロピルメトキシ、2−ハロフェノキシ、3−ハロフェノキシ、4−ハロフェノキシ、ピリミジン−2−イル、ピリド−2−イル、3−ハロ−ピリド−2−イル、3−アルキル−ピリド−2−イルオキシ、4−アルキル−ピリド−2−イルオキシ、5−アルキル−ピリド−2−イルオキシ、6−アルキル−ピリド−2−イルオキシ、3−ハロ−ピリド−2−イルオキシ、3−トリハロアルキル−ピリド−2−イルオキシ、3−シアノ−ピリド−2−イルオキシ、5−シアノ−ピリド−2−イルオキシ、6−ジアルコキシアルキル−ピリド−2−イルオキシ、ピリド−2−イルオキシ、COCH(CH、−CH=NOCH、−CH=NOCH、−CH=NOCHCF、−CH=NOCHCH=CH、−CH=NOCHCN、−CH=NOCH(CH、−CH=NOCH≡CH、−CH=NOCHCHF、−CH=NOCHCHOCH、−CH=NOCHOC、−CH=NOCHCHOCHCHOCH、−NHCOCH、−NHCO、−NHCOCH(CH、−NHCOCH−c−C、−CH(OH)C−p−Cl、−OC(=O)NHCH、−OC(=O)NHC、−OC(=O)NHCH(CH、−NHC(SCH)=NCN、ピリミジン−2−イルオキシ、6−ハロ−ピリダジン−3−イルオキシ、6−アルコキシ−ピリダジン−3−イルオキシ、6−アルキル−ピリダジン−3−イルオキシ、2−アルキル−2H−テトラゾル−5−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、または5,5−ジアルキル−1,3−ジオキサン−2−イルから選択される;そして、Rは、下記のR14、R15、R16、R17、およびRl8で置換されるフェニルであり、
【0058】
【化30】

【0059】
式中、R14、R15、R16、およびR17は、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシから選択されるか、またはR15およびR16は−OCFO−でつながる;そしてR18は水素である。
【0060】
上記の範囲内で、より好ましい本発明の化合物は、以下の場合の式Iの化合物である。Xは、ハロゲン、−COまたはヒドロキシルから選択される;そして、Rは、−OCH、−OC、−OCH(CH、−OCHCHOCH、−OCHCHCHOCH、シクロプロピルメトキシ、2−クロロフェノキシ、3−クロロフェノキシ、4−クロロフェノキシ、ピリミジン−2−イル、ピリド−2−イル、3−クロロ−ピリド−2−イル、3−メチル−ピリド−2−イルオキシ、4−メチル−ピリド−2−イルオキシ、5−メチル−ピリド−2−イルオキシ、6−メチル−ピリド−2−イルオキシ、3−クロロ−ピリド−2−イルオキシ、3−トリフルオロメチル−ピリド−2−イルオキシ、3−シアノ−ピリド−2−イルオキシ、5−シアノ−ピリド−2−イルオキシ、6−ジメトキシメチル−ピリド−2−イルオキシ、ピリド−2−イルオキシ、−COCH(CH、−CH=NOCH、−CH=NOC、−CH=NOCHCF、−CH=NOCHCH=CH、−CH=NOCHCN、−CH=NOCH(CH、−CH=NOCHC≡CH、−CH=NOCHCHF、−CH=NOCHCHOCH、−CH=NOCHOC、−CH=NOCHCH0CHCHOCH、−NHCOCH、−NHCO、−NHCOCH(CH、−NHCOCH−c−C、−CH(OH)C−p−Cl、−OC(=O)NHCH、−OC(=O)NHC、−OC(=O)NHCH(CH、−NHC(SCH)=NCN、ピリミジン−2−イルオキシ、6−クロロ−ピリダジン−3−イルオキシ、6−メトキシ−ピリダジン−3−イルオキシ、6−メチルキル−ピリダジン−3−イルオキシ、2−メチル−2H−テトラゾル−5−イル、2−エチル−2H−テトラゾル−5−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、または5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−イルから選択される。
【0061】
上記の範囲内で、さらに好ましい本発明の化合物は、以下の場合の式Iの化合物である。Xは、フッ素、−COまたはヒドロキシルから選択される;Yは、水素、フッ素、塩素またはヒドロキシルから選択される;R、R、R、およびRは、水素、ハロゲン、アルキル、tert−ブチル、メトキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、−OCFCHFCF、−CH(OH)CH、−CH=NOC、1,3−ジオキソラン−2−イルから独立して選択されるか、またはRおよびRが−OCFO−でつながる;Rは水素である;Rは、−OCHCHOCH、−CH=NOCH、−CH=NOC、−CH=NOCHCN、−CH=NOCHCHOCH、−NHCOCH(CH、−OC(=O)NHCH(CH、ピリミジン−2−イル、ピリド−2−イル、3−クロロ−ピリド−2−イル、3−メチル−ピリド−2−イルオキシ、4−メチル−ピリド−2−イルオキシ、5−メチル−ピリド−2−イルオキシ、6−メチル−ピリド−2−イルオキシ、3−クロロ−ピリド−2−イルオキシ、3−トリフルオロメチル−ピリド−2−イルオキシ、3−シアノ−ピリド−2−イルオキシ、5−シアノ−ピリド−2−イルオキシ、6−ジメトキシメチル−ピリド−2−イルオキシ、ピリド−2−イルオキシ、ピリミジン−2−イルオキシ、6−クロロ−ピリダジン−3−イルオキシ、6−メトキシ−ピリダジン−3−イルオキシまたは6−メチル−ピリダジン−3−イルオキシから選択される;そして、Rは、下記のR14、R15、R16、R17、およびRl8で置換されるフェニルであり、
【0062】
【化31】

【0063】
式中、R14、R15、R16、およびR17は、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、−OCFCHFCFから独立して選択されるか、またはR15またはR16が−OCFO−でつながる。
【0064】
上記の範囲内で、最も好ましい本発明の化合物は、以下の場合の式Iの化合物である。Xはヒドロキシルである;Yは水素である;Rは、ハロアルコキシである;Rは、−OCHCHOCH、−CH=NOCH、−CH=NOC、−CH=NOCHCN、−CH=NOCHCHOCH、−NHCOCH(CH、−OC(=O)NHCH(CH、ピリド−2−イルオキシ、ピリド−2−イル、3−シアノ−ピリド−2−イルオキシ、5−メチル−ピリド−2−イルオキシ、ピリミジン−2−イルオキシ、ピリミジン−2−イル、6−クロロ−ピリダジン−3−イルオキシまたは6−メトキシ−ピリダジン−3−イルオキシから選択される;そしてR16は、ハロアルコキシである。
本発明の1つの実施形態は、以下の式の化合物である:
【0065】
【化32】

【0066】
式中、m、qおよびrは、0または1から独立して選択される;tおよびuは1である;そしてpは0である;
Xは、ハロゲン、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、チオ、アルキルチオ、アセトキシアルキル、アジドアルキル、アミノアルキル、アセチルアミノアルキル、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシ、ペンタハロチオ、シアノ、ニトロ、アセチルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、またはアリールオキシから選択される;
Yは、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、チオ、アルキルチオ、ペンタハロチオ、シアノ、ニトロ、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシ、アルキルスルホニルオキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、またアリールオキシから選択される;
あるいは、XおよびYは、−OCR1213O−と一緒になって、1,3−ジオキソラン環を形成する;
ここで、R12およびR13は、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、アルキルスルホニルオキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、またはアリールオキシから独立して選択される;
あるいは、R12およびR13は、(=O)と一緒になって、1,3−ジオキソール−2−オン環を形成する;
、R、R、R、およびRは、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、チオ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、ペンタハロチオ、シアノ、ニトロ、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニルオキシ、ハロアルキルスルホニルオキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ジアルコキシアルキルカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノキシアルキル、アルコキシイミノアルキル、アルケニルオキシイミノアルキル、アリール、アリールオキシ、ジオキサニル、ジオキソラニルから独立して選択され、またはRおよびR、もしくはRおよびR、もしくはRおよびR、もしくはRおよびRのいずれかが−OC(OR19O−、−OC(R19(R19O−、−OC(R19(R19−、−OC(R19)=N−、または−SC(R19)=N−と一緒になって、ベンゾ縮合環を形成し、ここでR19は、水素、ハロゲン、アルキルまたはハロアルキルである;そして、式中、R、R、R、R、およびRの内の少なくとも1つが、水素以外である;
、R、R、R10、およびR11は、水素、ハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシイミノアルキル、ハロアルコキシイミノアルキル、シアノアルコキシイミノアルキル、シアノイミノチオアルキルアミノ、アルケニルオキシイミノアルキル、アルキニルオキシイミノアルキル、シクロアルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、フェノキシ、アルコキシカルボニルフェノキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルコキシアルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、シクロアルキルアミノスルホニル、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロアルケニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、必要に応じて置換されるアリールアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、シクロアルキルアルコキシカルボニルアミノ、アルケニルオキシカルボニルアミノ、アルキニルオキシカルボニルアミノ、ハロアルキルカルボニルアミノ、アルコキシアルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルケニルアミノカルボニルオキシ、アルキニルアミノカルボニルオキシ、(アルキル)(アルコキシカルボニル)アミノ、アルキルスルホニルアミノ、必要に応じて置換される(ヘテロアリール)(アルコキシカルボニル)アミノ、必要に応じて置換されるアリールカルボニルアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニルアミノ、ジアルキルアミノカルボニルアミノ、アルキルアミノ(チオカルボニル)アミノ、ジアルキルphosphoroureidyl、アセトキシアルコキシ、スルホニルオキシアルコキシ、ジアルコキシアルコキシ、トリアルコキシアルコキシ、ジアルコキシアルキルアセタール、トリアルコキシメチルオルトエステル、環状アセタール、必要に応じて置換される環状アセタール、必要に応じて置換されるチエニル、必要に応じて置換される1,3−チアゾリルアルコキシ、必要に応じて置換されるアリール、必要に応じて置換されるアリールオキシ、必要に応じて置換されるアリールオキシアルキル、必要に応じて置換されるアリールアミノカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるアリールアルコキシカルボニルアミノ、必要に応じて置換されるヘテロアリール、必要に応じて置換されるヘテロアリールオキシ、必要に応じて置換されるピロリル、必要に応じて置換されるピラゾリル、必要に応じて置換されるピラジニルオキシ、必要に応じて置換されるシクロアルキルカルボニルアミノ、必要に応じて置換される1,3−オキサゾリニル、必要に応じて置換される1,3−オキサゾリニルオキシ、必要に応じて置換される1,3−オキサゾリニルアミノ、必要に応じて置換される1,2,4−トリアゾリル、必要に応じて置換される1,2,3−チアジアゾリル、必要に応じて置換される1,2,5−チアジアゾリル、必要に応じて置換される1,2,5−チアジアゾリルオキシ、必要に応じて置換される2H−テトラゾリル、必要に応じて置換されるピリジル、必要に応じて置換されるピリジルオキシ、必要に応じて置換されるピリジルアミノ、必要に応じて置換されるピリミジニル,必要に応じて置換されるピリミジニルオキシ、必要に応じて置換される3,4,5,6−テトラヒドロピリミジニルオキシ、必要に応じて置換されるピリダジニルオキシ、または必要に応じて置換される1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニルから独立して選択され、ここで、必要に応じて置換する置換基は、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシイミノアルキル、ジアルキルアセタール、アルキルチオル、アルキルスルホキシド、またはアルコキシカルボニルアミノの内から1つ以上が選択される;そして、式中、R、R、R、R10、およびR11の内の少なくとも1つは、水素以外である;
Rは、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシカルボニル、必要に応じて置換されるピリド−2−イルであり、必要に応じて置換する置換基は、水素、ハロゲン、ハロアルコキシまたはハロアルキルから選択される、
あるいは、以下の構造を有する置換フェニルから選択され、
【0067】
【化33】

【0068】
ここで、R14、R15、R16、R17、およびRl8は、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、チオ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、ペンタハロチオ、シアノ、ニトロ、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニルオキシ、ハロアルキルスルホニルオキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ジアルコキシアルキルカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノキシアルキル、アルコキシイミノアルキル、アルケニルオキシイミノアルキル、アリール、アリールオキシ、ジオキサニル、ジオキソラニルから独立して選択され、またはR14およびR15、もしくはR15およびR16、もしくはR16およびR17、もしくはR17およびRl8のいずれかが−OC(OR19O−、−OC(R19(R19O−、−OC(R19(R19−、−OC(R19)=N−、または−SC(R19)=N−と一緒になって、ベンゾ縮合環を形成し、ここでR19は、水素、ハロゲン、アルキルまたはハロアルキルである;そして、式中、R14、R15、R16、R17、およびRl8の内の少なくとも1つが、水素以外である;
Aは、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−OCHCH−,−OCHCHCH−、−OCHCHCHCH−、−OCHCH(OH)CH−、−NHCHCH−、−N(CH)CHCH−、−N[C(=O)CH]CHCH−、または−N[C(=O)OCH]CHCH−から選択される;
Bは、−O−、−S−、−CHO−、−OCH−、−OC(=O)NH−、−OC(=O)O−、または−NHSO−から選択される;
は、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルキルアミノカルボニルオキシアルキル、アルキルチオアルキル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、アリールアルキル、アリールカルボニル、スルホナト、またはスルホナトアルキルから選択され、そして内部塩を生じる負電荷を有し得る;そして分離されるイオンは、塩化物、臭化物、ヨウ化物、またはアルキルもしくはフェニルスルフェートもしくはスルホネートである。
【0069】
本発明の別の実施形態は、以下の式Iの化合物である:
【化34】

【0070】
式中、rは0または1から選択される;m、qおよびpは0である;tおよびuは1である;
Aは−CH−である;
Xは、ハロゲンまたはヒドロキシルから選択される;
Yは、水素またはヒドロキシルから選択される;
、R、R、およびRは、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、−CH=NOCから独立して選択される;
は水素である;
、R、R10およびR11は水素である;
は、−OC、−OC、−OCH(CH、−OCHCHOCH、−OCHCHCHOCH、シクロプロピルメトキシ、2−クロロフェノキシ、3−クロロフェノキシ、4−クロロフェノキシ、ピリミジン−2−イル、ピリド−2−イル、3−クロロ−ピリド−2−イル、3−メチル−ピリド−2−イルオキシ、4−メチル−ピリド−2−イルオキシ、5−メチル−ピリド−2−イルオキシ、6−メチル−ピリド−2−イルオキシ、3−クロロ−ピリド−2−イルオキシ、3−トリフルオロメチル−ピリド−2−イルオキシ、3−シアノ−ピリド−2−イルオキシ、5−シアノ−ピリド−2−イルオキシ、6−ジメトキシメチル−ピリド−2−イルオキシ、ピリド−2−イルオキシ、COCH(CH、−CH=NOCH、−CH=NOC、−CH=NOCHCF、−CH=NOアリル、−CH=NOCHCH=CH、−CH=NOCHCN、−CH=NOCH(CH、−CH=NOCHC≡CH、−CH=NOCHCHF、−CH=NOCHCHOCH、−CH=NOCHOC、−CH=NOCHCHOCHCHOCH、−NHCOCH、−NHCO、−NHCOCH(CH、−NHCOCH−c−C、−CH(OH)C−p−Cl、−OC(=O)NHCH、−OC(=O)NHC、−OC(=O)NHCH(CH、−NHC(SCH)=NCN、ピリミジン−2−イルオキシ、6−クロロ−ピリダジン−3−イルオキシ、6−メトキシ−ピリダジン−3−イルオキシ、6−メチル−ピリダジン−3−イルオキシ、2−メチル−2H−テトラゾル−5−イル、2−エチル−2H−テトラゾル−5−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、または5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−イルから選択される;そして、
Rは、下記のR14、R15、R16、R17、およびRl8で置換されるフェニルであり、
【0071】
【化35】

式中、R16は、ハロアルキルまたはハロアルコキシから選択され、そしてR14、R15、R17およびRl8は、水素である。
【0072】
本発明の別の実施形態は、式I−Hまたは式I−Jの化合物である:
【0073】
【化36】

【0074】
式中、Rは、ハロアルキルまたはハロアルコキシである;
は、−OCHCHOCH、ピリド−2−イルオキシ、ピリド−2−イル、3−シアノ−ピリド−2−イルオキシ、5−メチル−ピリド−2−イルオキシ、ピリミジン−2−イルオキシ、ピリミジン−2−イル、6−クロロ−ピリダジン−3−イルオキシまたは6−メトキシ−ピリダジン−3−イルオキシから選択される;そしてR16は、ハロアルキルまたはハロアルコキシである。
【0075】
本発明のさらに別の実施形態は、以下の化合物:
【0076】
【化37】

【0077】
すなわち、4−{ビス[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル}−4−ヒドロキシ−1−[(4−(ピリド−2−イルオキシ)フェニル)メチル]ピペリジン−1−オキシド、およびそれらの農業的に受容できる塩である。
【0078】
特定の場合では、式Iの範囲内の化合物は、光学対称体およびジアステレオマーを生じる得る不斉中心を有し得る。式Iの範囲内の化合物は、2つ以上の形態、すなわち物理特性および化学特性において顕著に異なる多形体で存在する。式Iの範囲内の化合物はまた、平衡状態にある互変異性体としても存在し得る。式Iの範囲内の化合物はまた、酸性部位および塩基性部位有している。それにより、農業的に受容できる塩または農業的に受容できる金属錯体の形成が可能となる。
【0079】
本発明は、このような対称体、多形体、互変異性体、塩および金属錯体の使用を含む。農業的に受容できる塩および金属錯体としては、以下に限定されないが、例えば、アンモニウム塩、有機酸および無機酸(例えば、塩酸、オレイン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、アルキルスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、メチルベンゼンスルホン酸、リン酸、グルコン酸、パモン酸)の塩および他の酸塩、ならびに、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウムおよび他の金属とのアルカリ金属錯体およびアルカリ土類金属錯体が挙げられる。
【0080】
本発明の方法は、昆虫を殺すまたは抑えるために、殺虫有効量の式Iの化合物を昆虫の中に存在させるようにすることに基づいている。好ましい殺虫有効量は、昆虫を殺すのに十分な量である。その化合物の誘導体(この誘導体は、昆虫の内部で式Iの化合物に変換される。)と昆虫とを接触させることにより、式Iの化合物を昆虫の内部に存在させることは本発明の範囲内にある。本発明は、殺虫剤前駆体(pro−insecticides)といわれるこのような化合物の使用を含んでいる。
【0081】
本発明の別の態様は、少なくとも1つの殺虫有効量の式Iの化合物、および必要に応じて、農業的に受容できる増量剤またはアジュバントと共に、少なくとも1つの殺虫有効量の第2の化合物を含む組成物に関する。
【0082】
本発明の別の態様は、農作物(例えば、以下に限定されないが、穀類、綿、野菜および果物)の栽培地、昆虫が存在するまたは存在すると思われる他の領域、または昆虫が存在するまたは存在すると思われる領域の隣接地に、殺虫有効量の上記組成物を使用することにより、昆虫を抑える方法に関する。
【0083】
本発明はまた、温室農作物、種苗農作物、観賞植物、芝生、森林、貯蔵食物および繊維製品、建造物、家畜、家庭、ならびに公衆衛生および動物衛生において、昆虫(例えば、アリ、蝿、ゴキブリ、白地虫、乾燥木材白アリおよび地下白アリおよび他の昆虫)を制御するために、あるいは薬剤およびそれらの組成物として動物衛生および公衆衛生を向上させるためにも用いるために、本明細書で記載の化合物および組成物を使用することに関する。
【0084】
特に示さない限り、本明細書で用いる置換基の用語「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、「アルコキシ」、「アルケニルオキシ」および「アルキニルオキシ」(単独またはさらに大きい部位の一部として使用)としては、その置換基に適するように、少なくとも1つまたは2つ、好ましくは12個の炭素原子まで、いっそう好ましくは10個の炭素原子まで、最も好ましくは7個の炭素原子までの炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖が挙げられ、ここで、「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素の二重結合を有し、「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素の三重結合を有する。用語「アリール」は、4から10個の炭素原子を有し、縮合環を含めた芳香環構造(例えば、フェニルおよびナフチル)を意味する。用語「ヘテロアリール」は、4から10個の炭素原子を有し、縮合環を含めた芳香環構造であり、その環原子の1つ以上が炭素以外(例えば、硫黄、酸素、または窒素)であるものを意味する。用語「THF」は、テトラヒドロフランを意味する。用語「DMSO」は、メチルスルホキシドを意味する。用語「DMF」はN,N−ジメチルホルアミドを意味する。用語「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素、臭素、ヨウ素、または塩素を意味する。例えば、化学反応混合物温度に関して、しばしば「RT」と略される用語「周囲温度」または「室温」は、20℃〜30℃の範囲における温度を意味する。
【0085】
スキーム1は、式Iの化合物を合成するための一般的な手順を説明している。式中、例えば、m、pおよびqは0である;tとuは1である;rは0または1であり、rが1であるなら、N−オキシドが形成される;Rは、R14、R15、R16、R17およびR18で置換されたフェニルである;XはOHまたはFである;Y、R、R、R、R、R14、R15、R17、R18、R、R、R10およびR11は、Hである;RおよびR16は、−OCFである;そして、Rはピリミジン−2−イルオキシである。
【0086】
【化38】

【0087】
【化39】

【0088】
スキーム1に記載した最初の工程において、適切に置換されたアルコール(例えば、公知の化合物(4−ピリミジン−2−イルオキシフェニル)メタン−1−オール)が、例えば、塩化チオニルでハロゲン化され、対応する2−[4−(クロロメチル)フェノキシ]ピリミジン(A)が得られる。次いで、中間体(A)は、塩基性条件の下で、適切に置換された環状アミン誘導体(例えば、公知の化合物4−ピペリドン塩酸塩一水和物)と反応し、対応する1−[(4−ピリミジン−2−イルオキシフェニル)メチル]ピペリジン−4−オン(B)が得られる。中間体(B)と適切に置換されたハロアルキル誘導体(例えば、ビス(トリフルオロメトキシフェニル)ブロモメタン)との混合物は、n−ブチルリチウムの存在下で反応し、対応する4−{ビス[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル}−1−[(4−ピリミジン−2−イルオキシフェニル)メチル]ピペリジン−4−オール(I−A)が得られる。中間体(I−A)は、適切な溶媒中で、例えば、過酸化水素により酸化され、N−オキシド(式I−Cの化合物)を形成する。別の合成において、中間体(I−A)は、チオハライド(例えば、(ジメチルアミノ)硫黄トリフロライド)と反応し、式I−Dのハロゲン誘導化合物が得られる。ここで、Xは、例えばフッ素である。後述の実施例1および3は、スキーム1に示した式(I−A、I−CおよびI−D)の詳細な調製方法を提示している。
【0089】
下記のスキーム2は、スキーム1で記述したものと同様の式Iの化合物を合成するための一般的な手順を説明している。スキーム1と異なることは、YはOHである;XはOHである;rは0である;そしてRは2−メチル−2H−テトラゾル−5−イルであるということである。
【0090】
【化40】

【0091】
【化41】

【0092】
スキーム2に記載した最初の工程において、適切に置換されたフェニル誘導体(例えば、公知の化合物2−メチル−5−(4−メチルフェニル)−1,2,3,4−テトラゾール)が、例えば、N−ブロモスクシニミドおよび光で臭素化され、対応する5−[4−(ブロモメチル)フェニル]−2−メチル−1,2,3,4−テトラゾール(A1)が得られる。次いで、中間体(A1)は、塩基性条件の下で、適切に置換された環状アミン誘導体(例えば、公知の化合物4−ピペリドン塩酸塩一水和物)と反応し、対応する1−{[4−(2−メチル−1,2,3,4−テトラゾル−5−イル)フェニル]メチル}ピペリジン−4−オン(B1)が得られる。次いで、中間体(B1)は、酸性条件の下で、例えば、シアン化ナトリウムと反応し、対応するニトリル化合物4−ヒドロキシ−1−{[4−(2−メチル−(1,2,3,4−テトラゾル−5−イル))フェニル]メチル}ピペリジン−4−カルボニトリル(C1)が得られる。中間体(C1)は、酸性条件の下で、例えばエタノールとエステル化し、対応するエチル4−ヒドロキシ−1−{[4−(2−メチル−(1,2,3,4−テトラゾル−5−イル))フェニル]メチル}ピペリジン−4−カルボキシレート(D1)が得られる。適切に置換されたハロフェニル誘導体(例えば、4−トリフルオロメトキシブロモベンゼン)のグリニャールは、中間体(Dl)と反応し、式IBの化合物が得られる。ここで、XおよびYは、例えば、ヒドロキシルである。後述の実施例2は、スキーム2に示した式(I−B)の化合物の詳細な調製方法を提示している。
【0093】
下記のスキーム3は、スキーム1で記述したものと同様の式Iの化合物を合成するための一般的な手順を説明している。スキーム1と異なることは、YはClである;Xは−COである;rは0である;RおよびRl6は−CFである;そしてRはピリド−2−イルオキシであるということである。
【0094】
【化42】

【0095】
【化43】

【0096】
スキーム3に記載した最初の工程において、適切に置換されたピペリジン(例えば、公知の化合物エチル1−[(tert−ブチル)オキシカルボニル]ピペリジン−4−カルボキシレート)は、例えば、リチウムジイソプロピルアミドでエノール化され、次いで、塩基性条件の下で、適切に置換されたフェニルケトン(例えば、ジ−4−(トリフルオロメチル)フェニルケトン)と反応し、対応するエチルl−[(tert−ブチル)オキシカルボニル]−4−{ビス[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ヒドロキシメチル}ピペリジン−4−カルボキシレート(A2)が得られる。次いで、中間体(A2)は、例えば、塩化チオニルで塩素化され、対応するエチルl−[(tert−ブチル)オキシカルボニル]−4−{ビス[4−(トリフルオロメチル)フェニル]クロロメチル}ピペリジン−4−カルボキシレート(B2)が得られる。(tert−ブチル)オキシカルボニル基は、酸性条件の下で、(B2)のピペリジン環から切り離され、対応する4−{ビス[4−(トリフルオロメチル)フェニル]クロロメチル}ピペリジン−4−カルボキシレート(C2)が得られる。次いで、中間体(C2)は、塩基性条件の下で、適切に置換されたハロアルキルフェニル誘導体(例えば、2−[4−(クロロメチル)フェノキシ]ピリジン)と反応し、式(I−D)の化合物が得られる。ここで、Xは、例えば、アルコキシカルボニルであり、Yは、例えば、塩素である。後述の実施例4は、スキーム3に示した式(I−D)の化合物の詳細な調製方法を提示している。
【0097】
下記のスキーム4は、例えば、m、pおよびqが0である;tとuが1である;rが0または1であり、そしてrが1であるなら、N−オキシドが形成される;Rが、R14、R15、R16、R17およびR18で置換されるフェニルである;XがOHである;Y、R、R、R、R、R14、R15、R17、R18、R、R、R10およびR11がHである;RおよびR16が−OCFである;そしてRがピリド−2−イルオキシである場合の式Iの化合物を合成するための一般的な手順を説明している。
【0098】
【化44】

【0099】
【化45】

【0100】
【化46】

【0101】
スキーム4に記載した最初の工程において、2つの適切に置換されたアリールハライド(例えば、公知の化合物4−ブロモ−l−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(A3))は、グリニャール試薬およびアルキルホルメート(例えば、エチルホルメート)でクロスカップリングされ、ビス[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メタン−1−オール(B3)が形成される。中間体(B3))は、酸性条件の下で、臭化水素と反応し、対応するビス(トリフルオロメトキシフェニル)ブロモメタン(C3)が得られる。次いで、中間体(C3)は、例えば、ブチルリチウムでリチウム化(lithiated)され、次に、−85℃から−60℃の範囲における温度において、適切にN置換された式(D3)のピペリジン−4−オン(例えば、1−ベンジルピペリジン−4−オン)と反応し、対応する4−{ビス[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル}−1−ベンジルピペリジン−4−オール(E3)が得られる。次いで、中間体(E3)は、触媒(例えば、パラジウム触媒)の存在下において、酸(例えば、ギ酸)と反応し、4−{ビス[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル}ピペリジン−4−オール(F3)の塩酸塩を形成する。次に、適切に置換されたフェノール(例えば、公知の化合物4−ヒドロキシベンズアルデヒド)が、炭酸カリウムおよび触媒量の酸化銅の存在下で、145℃〜170℃の範囲における温度において、ハロピリジン(例えば、2−クロロピリジン)とクロスカップリングされ、4−(ピリド−2−イルオキシ)ベンズアルデヒド(G3)を形成する。次いで、中間体(F3)は、ナトリウムトリアセトキシボロハイドライドの存在下において、中間体(G3)とクロスカップリングされ、4−{ビス[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル}−l−[(4−(ピリド−2−イルオキシ)フェニル)メチル]ピペリジン−4−オール(I−A)を形成する。次いで、中間体(I−A)は、40℃から55℃の範囲における温度において、過酸化水素で酸化され、化合物I−Cを形成する。
【0102】
下記のスキーム5は、例えば、m、pおよびqが0である;tとuが1である;rが0または1であり、そしてrが1であるなら、N−オキシドが形成される;Rが、R14、R15、R16、R17およびR18で置換されるフェニルである;XがOHである;Y、R、R、R、R、R14、R15、R17、R18、R、R、R10およびR11がHである;RおよびR16が−OCFである;そしてRがピリド−2−イルオキシである場合の式Iの化合物を合成するための一般的な手順を説明している。
【0103】
【化47】

【0104】
【化48】

【0105】
スキーム5に記載した最初の工程において、適切に置換されたフェノール(例えば、公知の化合物4−メチルフェノール)は、炭酸カリウムおよび触媒量の酸化銅の存在下で、145℃から170℃の範囲における温度において、ハロピリジン(例えば、2−クロロピリジン)とクロスカップリングされ、2−(4−メチルフェノキシ)ピリジン(A4)を形成する。次いで、中間体(A4)は、例えば、臭素でハロゲン化され、2−[4−(ブロモメチル)フェノキシ]ピリジン(B4)が形成される。次に、スキーム4で調製した中間体(F3)が、炭酸カリウムの存在下で、中間体(B4)とクロスカップリングされ、4−{ビス[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル}−1−[(4−(ピリド−2−イルオキシ)フェニル)メチル]ピペリジン−4−オール(I−A)が形成される。中間体(I−A)は、スキーム4のように酸化され、式I−Cの化合物が形成される。
【0106】
当業者は、毒物の適用についての設計および様式が、所定の用途において物質の活性に影響を与え得ることを認識しているであろう。従って、農業用途のために、本殺虫化合物は、所望の適用様式により、比較的大きい粒径(例えば、8/16または4/8のUSメッシュ)の顆粒製品、水溶性または水分散性の顆粒、粉剤、水和剤、乳剤、水性乳濁液、溶液、または他の公知のタイプの農業的に有用な製剤として設計される。特定された量の前に「約」が置かれたように、本明細書で特定される量は、ただ近似であることを意図していることは理解されるはずである。
これらの殺虫組成物は、昆虫の抑制が望まれる領域に水希釈スプレー、または粉剤、または顆粒として適用することができる。これらの製剤は、わずか0.1重量%、0.2重量%または0.5重量から、約95重量%以上までもの活性成分を含むことができる。
【0107】
粉剤は、毒物のための分散剤および担体として作用する微粉砕された固体(例えば、タルク、天然粘土、珪藻土、クルミ殻粉末および綿実粉、ならびに他の有機固体および無機固体)と活性成分との自由流動混合物である。これらの微粉砕された固体は、約50μ未満の平均粒径を有する。本明細書で有用な一般的な粉剤は、1.0部以下の殺虫化合物および99.0部のタルクを含むものである。
【0108】
水和剤もまた、殺虫剤のための有用な製剤であり、水または他の分散剤に容易に分散する微粉砕された固体の形状をとる。水和剤は、昆虫の抑制が必要な場所に、乾燥粉剤としてまたは水もしくは他の液体の乳濁液として、最終的に適用がなされる。水和剤のための一般的な担体としては、フラー土、カオリン粘土、シリカ、および吸収性が高く、容易に湿潤する他の無機希釈剤が挙げられる。水和剤は、担体の吸収率に依存して、約5〜80%の活性成分を通常含み、分散を促進するための少量の湿潤剤、分散剤または乳化剤もまた通常含んでいる。例えば、有用な水和剤は、80.0部の殺虫化合物、17.9部のパルメット粘土、ならびに1.0部のリグノスルホン酸ナトリウムおよび湿潤剤としての0.3部のスルホン化脂肪族ポリエステルを含む。さらなる湿潤剤および/またはオイルは、植物の葉の上での拡散を促進するため、タンクミックスにしばしば加えられる。
【0109】
殺虫用途のための他の有用な製剤は、乳剤(EC)である。それは、水または他の分散剤に分散可能である均質な液体組成物であり、そして殺虫化合物および液体または固体の乳化剤から完全になり得るか、あるいは液体担体(例えば、キシレン、芳香族重ナフサ、イソホロンまたは他の不揮発性有機溶媒)をまた含むことができる。殺虫用途のために、これらの乳液は、水または他の液体担体で分散し、そして通常、処理される領域にスプレーとして適用される。不可欠な活性成分の重量%は、組成物が適用される様式によって変化し得るが、一般に殺虫組成物の0.5から95重量%の範囲の活性成分を含む。
【0110】
流動製剤は、活性成分が液体担体(一般に水)の中で懸濁していることを除いて、乳剤(EC)と同様のものである。ECのような流動体は、少量の界面活性剤を含むことができ、一般的に、組成物の0.5〜95重量%の範囲、しばしば10〜50重量%の範囲で活性成分を含む。流動体は、適用のために、水または他の液体ビヒクルで希釈することができ、そして通常、処理される領域にスプレーとして適用される。
【0111】
農業用製剤において使われる一般的な湿潤剤、分散剤または乳化剤としては、以下に限定されないが、アルキルおよびアルキルアリールスルホネートおよびスルフェートならびにそれらのナトリウム塩;アルキルアリールポリエーテルアルコール;硫酸化高級アルコール;ポリエチレンオキシド;スルホン化動物油およびスルホン化植物油;スルホン化石油;多価アルコールの脂肪酸エステルおよびこのようなエステルのエチレンオキシド付加生成物;および長鎖メルカプタンとエチレンオキシドとの付加生成物が挙げられる。多くの他のタイプの有用な界面活性剤は、市販されている。界面活性剤は、使用の際、通常、組成物の1から15重量%を含む。
【0112】
他の有用な製剤としては、比較的揮発しにくい溶媒(例えば、水、コーン油、灯油、プロピレングリコール、または他の適切な溶媒)中の活性成分の懸濁液が挙げられる。
【0113】
さらに殺虫用途のための他の有用な製剤としては、所望の濃度において完全に溶解可能な溶媒(例えば、アセトン、アルキル化ナフタリン、キシレン、または他の有機溶媒)中での活性成分の単純な溶液が挙げられる。毒物が比較的粗い粒子の上に載っている顆粒製剤は、空中噴霧のためにまたは被覆農作物林冠への貫入のために、特に有用である。加圧スプレー、つまり一般的に、活性成分が、低沸点の分散溶媒担体の蒸発の結果として、微粉砕形状で分散しているエアロゾルもまた、使用することができる。水溶性または水分散性の顆粒は、自由流動で、非粉塵性で、そして容易に水に溶解または分散する。農地において農家により使用される際、顆粒製剤、乳剤、流動濃縮液、水性乳濁液、溶液などは、約0.1%または0.2%の範囲から1.5%または2%までの範囲における活性成分濃度を得るために水で薄めることができる。
【0114】
本発明の活性な殺虫化合物は、1つ以上の第2の化合物と共に、調合および/または適用をすることができる。このような組み合わせは、以下に限定されないが、害虫のより大きい抑制のための相乗効果を示し、殺虫剤の適用の程度を減らし、それによって環境および労働者の安全へのいかなる影響をも最小にし、より広い範囲の害虫を抑制し、農作物を薬害に対して安全にし、そして哺乳動物および魚のような非害虫種による許容範囲を改善するような特定の利点を提供することができる。
【0115】
第2の化合物としては、以下に限定されないが、他の殺虫剤、植物成長調整剤、肥料、土壌調整剤、または他の農薬を含む。本発明の活性化合物を適用する際、単独でまたは他の農薬と調合されるかどうかにかかわらず、有効量および有効濃度の活性化合物が、当然使用される。その量は、例えば、約0.001〜約3kg/ha、好ましくは約0.03〜約1kg/haの範囲において変化し得る。殺虫剤が損失している農地での使用のためには、より高い適用の程度(例えば、上記の割合の4倍)で使用することができる。
【0116】
本発明の活性殺虫化合物が、1つ以上の第2の化合物(例えば、除草剤のような他の農薬)と組み合わされて使用される場合、除草剤の例としては、以下に限定されないが、例えば、N−(ホスホノメチル)グリシン(「グリホサート」);
(2,4−ジクロロフェノキシ)酢酸(「2,4−D」)、(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)酢酸(“MCPA”)、(+/−)−2−(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)プロパン酸(「MCPP」)のようなアリールオキシアルカン酸;N,N−ジメチル−N’−[4−(1−メチルエチル)フェニル]尿素(「イソプロツロン」)のような尿素;2−[4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−lH−イミダゾル−2−イル]−3−ピリジンカルボン酸(「イマザピル」)、(+/−)−2−[4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−lH−イミダゾル−2−イル]−4−メチル安息香酸および(+/−)2−[4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(l−メチルエチル)−5−オキソ−lH−イミダゾル−2−イル]−5−メチル安息香酸(「イマザメタベンズ」)を含む反応生成物、(+/−)−2−[4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾル−2−イル]−5−エチル−3−ピリジンカルボン酸(「イマゼタピル」)、および(+/−)−2−[4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(l−メチルエチル)−5−オキソ−lH−イミダゾル−2−イル]−3−キノリンカルボン酸(「イマザキン」)のようなイミダゾリノン;5−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−2−ニトロ安息香酸(「アシフルオルフェン」)、メチル5−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2−ニトロベンゾエート(「ビフェノックス」)、および5−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−N−(メチルスルホニル)−2−ニトロベンズアミド(「fomasafen」)のようなジフェニルエーテル;4−ヒドロキシ−3,5−ジヨードベンゾニトリル(「アイオキシニル」)および3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシベンゾニトリル(「ブロモキシニル」)のようなヒドロキシベンゾニトリル;2−[[[[(4クロロ−6−メトキシ−ピリミジン−2−イル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]安息香酸(「クロリムロン」)、2−クロロ−N−[[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]カルボニル]ベンゼンスルホンアミド(「achlorsulfuron」)、2−[[[[[(4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]メチル]安息香酸(「ベンスルフロン」)、2−[[[[(4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(「ピラゾスルフロン」)、3−[[[[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]−2−チオフェンカルボン酸(「チフェンスルフロン」)、および2−(2−クロロエトキシ)−N[[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]カルボニル]ベンゼンスルホンアミド(「トリアスルフロン」)のようなスルホニル尿素;(+/−)−2[4−[(6−クロロ−2−ベンゾキサゾリル)オキシ]フェノキシ]−プロパン酸(「フェノキサプロップ」)、(+/−)−2−[4[[5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]オキシ]−フェノキシ]プロパン酸(「フルアジホップ」)、(+/−)−2−[4−(6クロロ−2−キノキサリニル)オキシ]−フェノキシ]プロパン酸(「キザロホップ」)、および(+/)−2−[(2,4−ジクロロフェノキシ)フェノキシ]プロパン酸(「ジクロホップ」)のような2−(4−アリールオキシ−フェノキシ)アルカン酸;3−(1−メチルエチル)−1H−1,2,3−ベンゾチアジアジン−4(3H)−オン−2,2−ジオキシド(「ベンタゾン」)のようなベンゾチアジアジノン;N−(ブトキシメチル)−2−クロロ−N−(2,6−ジエチルフェニル)アセトアミド(「ブタクロール」)、2−クロロ−N−(2−エチル−6−メチルフェニル)−N−(2−メトキシ−1−メチルエチル)アセトアミド(「メトラクロール」)、2−クロロ−N−(エトキシメチル)−N−(2−エチル−6−メチルフェニル)アセトアミド(「アセトクロール」)、および(RS)−2−クロロ−N−(2,4−ジメチル−3−チエニル)−N−(2−メトキシ−1−メチルエチル)アセトアミド(「ジメテナミド」)のような2−クロロアセトアニリド;3,6−ジクロロ−2−メトキシ安息香酸(「ジカンバ」)のようなアレンカルボン酸;[(4−アミノ−3,5−ジクロロ−6−フルオロ−2−ピリジニル)オキシ]酢酸(「フルロキシピル」)のようなピリジルオキシ酢酸、および他の除草剤が挙げられる。
【0117】
本発明の活性殺虫化合物が、1つ以上の第2の化合物(例えば、他の殺虫剤のような他の農薬)と組み合わされて使用される場合、上記の他の殺虫剤の例としては、例えば、クロルピリホス、ダイアジノン、ジメトエート、マラチオン、パラチオン−メチル、およびテルブホスのような有機リン酸殺虫剤;フェンバレレート、デルタメトリン、フェンプロパトリン、シフルトリン、フルシトリネート、α−シペルメトリン、ビフェントリン、溶解シハロトリン、エトフェンプロックス、エスフェンバレレート、tralomehtrin、テフルトリン、シクロプロトリン、ベータシフルトリン、およびアクリナトリンのようなピレスロイド殺虫剤;アルディカーブ(aldecarb)、カルバリル、カルボフラン、およびメトミルのようなカルバメート殺虫剤;エンドスルファン、エンドリン、ヘプタクロル、およびリンダンのような有機塩素殺虫剤;diflubenuron、トリフルムロン、テフルベンズロン、クロルフルアズロン、フルシクロクスロン、ヘキサフルムロン、フルフェノクスロン、およびルフェヌロンのようなベンゾイル尿素殺虫剤;ならびにアミトラズ、クロフェンテジン、フェンピロキシメート、ヘキシチアゾックス、スピノサド、およびイミダクロプリドのような他の殺虫剤が挙げられる。
【0118】
本発明の活性殺虫化合物が、1つ以上の第2の化合物(例えば、殺菌剤のような他の農薬)と組み合わされて使用される場合、殺菌剤の例としては、例えば、ベノミル、カルベンダジム、チアベンダゾール、およびチオフェネート−メチルのようなベンズイミダゾール殺菌剤;エポキシコナゾール、シプロコナゾール、フルシラゾール、フルトリアフォル、プロピコナゾール、テブコナゾール、トリアジメホン、およびトリアジメノールのような1,2,4−トリアゾール殺菌剤;メタラキシル、オキサジキシル、プロシミドン、およびビンクロゾリンのような置換アニリド殺菌剤;ホセチル、イプロベンホス、ピラゾホス、エディフェンホス、およびトルクロホスメチルのような有機リン殺菌剤;フェンプロピモルフ、トリデモルフ、およびドデモルフのようなモルホリン殺菌剤;フェナリモル、イマザリル、プロクロラズ、トリシクラゾール、およびトリホリンのような他の浸透性の殺菌剤;マンコゼブ、マンネブ、プロピネブ、ジネブ、およびジラムのようなジチオカルバメート殺菌剤;クロロタロニル、ジクロフルアニド、ジチアノン、およびイプロジオン、キャプタン、ジノカップ、ドジン、フルアジナム、gluazatine、PCNB、ペンシクロン、キントゼン、tricylamide、およびバリダマイシンのような非浸透性の殺菌剤;銅生成品および硫黄生成品のような無機殺菌剤、ならびに他の殺菌剤が挙げられる。
【0119】
本発明の活性殺虫化合物が、1つ以上の第2の化合物(例えば、線虫駆除剤のような他の物質)と組み合わされて使用される場合、線虫駆除剤の例としては、例えば、カルボフラン、カルボスルファン、ターブホス(turbufos)、アルディカーブ(aldecarb)、エトプロップ、フェナムホス(fenamphos)、オキサミル、イサゾホス、カズサホスおよび他の線虫駆除剤が挙げられる。
【0120】
本発明の活性殺虫化合物が、1つ以上の第2の化合物(例えば、植物成長調整剤のような他の農薬)と組み合わされて使用される場合、植物成長調整剤の例としては、例えば、マレイン酸ヒドラジド、クロルメコート、エテホン、ジベレリン、メピコート、チジアゾン(thidiazon)、イナベンフィド、トリアヘンテノール(triaphenthenol)、パクロブトラゾール、ウナコナゾール(unaconazol)、DCPA、プロヘキサジオン、トリネキサパックエチルおよび他の植物成長調整剤が挙げられる。
【0121】
土壌調整剤は、土壌に加えられた場合、植物の効率的な成長のための種々の利益を促進する物質である。土壌調整剤は、土壌の圧縮を減らし、排水設備の効率を促進および向上させ、土壌透水性を改善し、土壌における最適の植物栄養含有率を促進し、そして殺虫剤および肥料のより良い取り込みを促進するために使われる。本発明の活性殺虫化合物が、1つ以上の第2の化合物(例えば、土壌調整剤のような他の物質)と組み合わされて使用される場合、土壌調整剤の例としては、土壌中での陽イオン植物栄養素の保持を促進する、腐植土のような有機物;カルシウム、マグネシウム、炭酸カリウム、ナトリウムおよび水素錯体のような陽イオン栄養の混合物;または植物成長に好都合な土壌の状態を促進する微生物組成物が挙げられる。このような微生物組成物としては、例えば、桿菌、シュードモナス、アゾトバクター、アゾらせん菌、根粒菌および土壌媒介青緑色細菌を含む。
【0122】
肥料は、一般に窒素、リンおよびカリウムを含む植物の食物サプリメントである。本発明の活性殺虫化合物が、1つ以上の第2の化合物(例えば、肥料のような他の物質)と組み合わされて使用される場合、肥料の例としては、硫酸アンモニウム、硝酸ジアンモニウムおよび骨粉のような窒素肥料;過リン酸石灰、重過リン酸石灰、硫酸アンモニウムおよび硫酸アンモニウムのようなリン酸塩肥料;および塩化カリウム、硫酸カリウムおよび硝酸カリウムのようなカリウム肥料、ならびに他の肥料が挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0123】
以下の実施例は、さらに本発明を例証する。しかし、当然ながら、本発明の範囲を限定していると決して解釈されるべきではない。実施例は、本発明の式Iの化合物の合成のためのプロトコルを与え、このような合成種のリストを記述し、そしてこのような化合物の有効性を示す特定の生物学的データを説明するためにまとめられている。
【実施例1】
【0124】
本実施例は、4−{ビス[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル}−4−ヒドロキシ−1−[(4−ピリミジン−2−イルオキシフェニル)メチル]ピペリジン−1−オキシド(後記の表の化合物112)の調製について説明する。
【0125】
工程A 中間体としての2−[4−(クロロメチル)フェノキシ]ピリミジンの合成
50mLの塩化メチレン中における、2.0g(0.0099mol)の(4−ピリミジン−2−イルオキシフェニル)メタン−1−オール(公知の化合物)および7滴のピリジンの攪拌溶液を氷水浴で冷却した。そして、0.94mL(0.013mol)の塩化チオニルを滴下して添加した。その添加の終了時に、反応混合物を10℃〜20℃において3時間攪拌した。次いで、反応混合物を氷水の中に注ぎ、そして炭酸水素ナトリウムを使って塩基性化した。水層を有機層から分離し、そして1回75mlの塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン抽出物および有機層を合わせ、そしてシリコンコート濾紙を通過させた。次いで、濾液を減圧下で濃縮し、2.1gの目的化合物を得た。
【0126】
工程B 中間体としての1−[(4−ピリミジン−2−イルオキシフェニル)メチル]ピペリジン−4−オンの合成
35mLのジメチルスルホキシド(DMSO)中における、1.47g(0.0096mol)の4−ピペリドン一水和物塩酸塩、2.1g(0.0096mol)の2−[4−(クロロメチル)フェノキシ]ピリミジン、および4.34g(0.0336mol)のビス(メチルエチル)エチルアミンの溶液を室温において24時間攪拌した。次いで、反応混合物を200mlの水で希釈し、そして200mlの酢酸エチルで2回抽出した。それから、抽出物を合わせ、そして10%塩化リチウムの75mlの混合水溶液で2回洗滌した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で残渣になるまで濃縮した。その残渣を、溶離液として1:2の酢酸エチル:石油エーテルを使うシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製した。
適切な画分を合わせ、そして減圧下で濃縮し、2.71gの目的化合物を得た。
【0127】
工程C 中間体としての4−{ビス[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル}−l−[(4−ピリミジン−2−イルオキシフェニル)メチル]ピペリジン−4−オールの合成
50mLのTHF中における、0.8g(0.0019mol)のビス(トリフルオロメトキシフェニル)ブロモメタンおよび2.2g(0.0078mol)の1−[(4−ピリミジン−2−イルオキシフェニル)メチル]ピペリジン−4−オンの攪拌溶液を−78℃に冷却した。そして、反応混合物の温度を−80℃〜−70℃の間に維持しながら15分間、1.5mLのn−ブチルリチウム(2.5M)を滴下して加えた。次いで、反応混合物を約0℃にまで暖めた。反応混合物を塩化アンモニウム飽和水溶液でクエンチし、そしてその混合物を75mlの酢酸エチルで2回抽出した。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で残渣にまで濃縮した。その残渣を、溶離液として1:4のアセトン:塩化メチレンを使ったシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製した。適切な画分を合わせ、溶離液として1:4の酢酸エチル:石油エーテルを使ってWatersSEP−PAK(登録商標)Vac35ccNH2カートリッジ(Waters、34 Maple Street、Milford、MA 01757より購入)にそれらを通すことにより、さらに精製した。適切な画分を合わせ、そして減圧下で濃縮して、0.42gの目的化合物を得た。NMRスペクトルは、計画された構造と一致した。
【0128】
工程D 化合物112の合成
40mLのメタノール中における、0.28g(0.00045mol)の4−{ビス[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル}−1−[(4−ピリミジン−2−イルオキシフェニル)メチル]ピペリジン−4−オールおよび1.4gの50%過酸化水素水溶液の溶液を室温で4日間攪拌した。次いで、反応混合物を200mlの水で希釈し、そして各200mlの酢酸エチルで2回抽出した。次いで、合わせた抽出物を、各75mlの10%塩化リチウム混合水溶液で2回洗滌した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で残渣にまで濃縮した。その残渣を、溶離液として1:2の酢酸エチル:石油エーテルを使ったシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製した。適切な画分を合わせ、減圧下で濃縮して、0.29gの化合物112を得た。
【実施例2】
【0129】
本実施例は、4−{ビス[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ヒドロキシメチル}−1−{[4−(2−メチル(1,2,3,4−テトラゾル−5−イル))フェニル]メチル}ピペリジン−4−オール(後記の表の化合物93)の調製について説明する。
【0130】
工程A 中間体としての5−[4−(ブロモメチル)フェニル]−2−メチル−1,2,3,4−テトラゾールの合成
200mLの四塩化炭素中における、45g(0.258mol)の2−メチル−5−(4−メチルフェニル)−1,2,3,4−テトラゾール(公知の化合物)、46g(1当量)のN−ブロモスクシニミド、および触媒量の過酸化ベンゾイル攪拌溶液を3.5時間の間で光照射した。次いで、混合物を氷浴で冷却し、そして濾過して、35.1gの目的化合物を回収した。NMRスペクトルは、計画された構造と一致した。
【0131】
工程B 中間体としての1−{[4−(2−メチル−1,2,3,4−テトラゾル−5−イル)フェニル]メチル}ピペリジン−4−オンの合成
200mLのジメチルスルホキシド(DMSO)中における、23g(0.091mol)の5−[4−(ブロモメチル)フェニル]−2−メチル−1,2,3,4−テトラゾール、14g(0.091mol)の4−ピペリドン一水和物塩酸塩、および47mL(3当量)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンの溶液を約3日間攪拌した。400mLの希釈された冷たい水酸化ナトリウムの上に反応混合物を注ぐことによって、反応物をクエンチした。得られた溶液を300mlの酢酸エチルで1回抽出した。乳濁液が形成され、それを約35℃に暖めることにより壊した。有機層を分離し、そして減圧下で残渣にまで濃縮した。残渣を、溶離液として40:1の塩化メチレン:メタノールを使ったシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製した。適切な画分を合わせ、そして減圧下で濃縮し、9.12gの目的化合物を得た。NMRスペクトルは、計画された構造と一致した。
【0132】
工程C 中間体としての4−ヒドロキシ−1−[4−(2−メチル(1,2,3,4−テトラゾル−5−イル))フェニル]メチル}ピペリジン−4−カルボニトリルの合成
100mLのエーテルおよび150mLの水における、8.62g(0.032mol)の1−{[4−(2−メチル−1,2,3,4−テトラゾル−5−イル)フェニル]メチル}ピペリジン−4−オンの攪拌溶液を約10℃に冷却し、そして3.9g(2.5当量)のシアン化ナトリウムを1回で加えた。反応混合物の温度を約10℃に維持しながら、これに、6.6ml(2.5当量)の塩酸(12M)を滴下して添加した。この添加の終了時に、温度を室温に維持しながら、反応混合物を1.5時間攪拌した。次いで、反応混合物を200mlの水の中に注ぎ、そこに200mlの酢酸エチルを加えた。有機層を分離し、そして減圧下で濃縮して、9.6gの目的化合物を得た。NMRスペクトルは、計画された構造と一致した。
【0133】
工程D 中間体としてのエチル4−ヒドロキシ−1−{[4−(2−メチル(1,2,3,4−テトラゾル−5−イル))フェニル]メチル}ピペリジン−4−カルボキシレートの合成
200mLのエタノール中における、9.6g(0.032mol)の4−ヒドロキシ−1−{[4−(2−メチル(1,2,3,4−テトラゾル−5−イル))フェニル]メチル}ピペリジン−4−カルボニトリルの溶液を気体の塩化水素で飽和させ、次いで55℃において約20時間攪拌した。反応混合物を冷やし、次に500mlの氷の上に注いだ。得られた混合物を50%の水酸化ナトリウムで塩基性化し、そして300mlの酢酸エチルで1回抽出した。抽出物を80mlの食塩水で3回洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で残渣にまで濃縮し、5.14gの目的化合物を得た。NMRスペクトルは、計画された構造と一致した。
【0134】
工程E 化合物93の合成
75mLのTHF中における、1.6g(4.5当量)のマグネシウムおよび8.9mL(4当量)の4−トリフルオロメトキシブロモベンゼン(公知の化合物)の溶液を攪拌し、5.14g(0.0149mol)のエチル4−ヒドロキシ−1−{[4−(2−メチル(1,2,3,4−テトラゾル−5−イル))フェニル]メチル}ピペリジン−4−カルボキシレートを一回で加えた。穏やかな発熱の後、2時間攪拌した状態で、反応混合物を50℃に加熱した。72時間攪拌するにつれて、反応混合物は室温にまで冷えた。次いで、それを200mlの飽和塩化アンモニウム水溶液の中に注いだ。混合物を200mlの酢酸エチルで1回抽出し、そして抽出物を80mlの食塩水で2回洗滌した。抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で残渣にまで濃縮した。残渣を、溶離液としてジエチルエーテルを使ったシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製した。適切な画分を合わせ、減圧下で濃縮し、9.29gの化合物93を得た。
【実施例3】
【0135】
本実施例は、4−{ビス[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル}−4−フルオロ−1−[(4−ピリミジン−2−イルオキシフェニル)メチル]ピペリジン(後記の表の化合物192)の調製について説明する。
【0136】
2.0mLの塩化メチレン中における、0.11g(0.170mmol)の4−{ビス[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル}−l−[(4−ピリミジン−2−イルオキシフェニル)メチル]ピペリジン−4−オール(実施例1における工程AからCにより調製)の溶液を−40℃に冷却し、18.2μL(0.186mmol)の(ジメチルアミノ)硫黄トリフルオライドを加えた。20分間攪拌した状態で、反応混合物を室温まで暖めた。次いで、反応混合物を10mlの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、そして混合物を3つの20ml分量の酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で残渣にまで濃縮した。その残渣を、溶離液として1:1の酢酸エチル:ヘキサンを使ったシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製した。適切な画分を合わせ、そして減圧下で濃縮して、85mgの化合物192を得た。NMRスペクトルは、計画された構造と一致した。
【実施例4】
【0137】
本実施例は、エチル4−{ビス[4−(トリフルオロメチル)フェニル]クロロメチル}−1−[(4−(ピリド−2−イルオキシ)フェニル)メチル]ピペリジン−4−カルボキシレート(後記の表の化合物195)の調製について説明する。
【0138】
工程A 中間体としてのエチルl−[(tert−ブチル)オキシカルボニル]−4−{ビス[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ヒドロキシメチル}ピペリジン−4−カルボキシレートの合成
10mLのTHF中における、1mLのジイソプロピルアミンの溶液を約0℃に冷却し、2.55mLのn−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M)をゆっくりと加えた。反応化合物を15分間攪拌し、次いで−78℃に冷却した。それから、これに、10mLのTHF中における1.26g(4.9mmol)のエチル1−[(tert−ブチル)オキシカルボニル]ピペリジン−4−カルボキシレート(公知の化合物)の溶液を加えた。反応混合物を−78℃において1時間攪拌し続け、次いで、5mLのTHF中における、1.56g(4.9mmol)のジ−4−(トリフルオロメチル)フェニルケトン(公知の化合物)の溶液を加えた。添加終了時に、反応混合物を14時間の間で室温に暖めた。次いで、反応混合物に125mlの5%の塩酸を加えることによって、反応をクエンチした。それから、混合物を3つの125mL分量の酢酸エチルで抽出し、合わせた抽出を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で残渣にまで濃縮した。残渣を、溶離液として1:5の酢酸エチル:ヘキサンを使ったシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製した。適切な画分を合わせ、そして減圧下で濃縮して、2.2gの目的化合物を得た。NMRスペクトルは、計画された構造と一致した。
【0139】
工程B 中間体としてのエチル1−[(tert−ブチル)オキシカルボニル]−4−{ビス[4−(トリフルオロメチル)フェニル]クロロメチル}ピペリジン−4−カルボキシレートの合成
5mLの塩化メチレン中における、290mg(0.504mmol)のエチル1−[(tert−ブチル)オキシカルボニル]−4−{ビス[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ヒドロキシメチル}ピペリジン−4−カルボキシレート、ll0μL(1.513mmol)の塩化チオニル、および408μL(5.04mmol)のピリジンの溶液を室温において1時間攪拌した。次いで、反応混合物を25mlの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の中に注ぎ、そして混合物を、3つの50mL分量の酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で残渣にまで濃縮した。その残渣を、溶離液としての1:10の酢酸エチル:ヘキサンを使ったシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製した。適切な画分を合わせ、そして減圧下で濃縮して、240mgの目的化合物を得た。NMRスペクトルは、計画された構造と一致した。
【0140】
工程C 中間体としてのエチル4−{ビス[4−(トリフルオロメチル)フェニル]クロロメチル}ピペリジン−4−カルボキシレートの合成
0.5mLの塩化メチレン中における、190mg(0.320mmol)のエチル1−[(tert−ブチル)オキシカルボニル]−4−{ビス[4−(トリフルオロメチル)フェニル]クロロメチル}ピペリジン−4−カルボキシレートおよび2mLのトリフルオロ酢酸(TFA)の溶液を室温において10分間攪拌した。次いで、反応混合物をトルエンで希釈し、そして減圧下で濃縮して、158mgの目的化合物を得た。NMRスペクトルは、計画された構造と一致した。
【0141】
工程D 化合物195の合成
4mLのDMF中における、158mg(0.320mmol)のエチル4−{ビス[4−(トリフルオロメチル)フェニル]クロロメチル}ピペリジン−4−カルボキシレート、78mg(0.352mmol)の2−[4−(クロロメチル)フェノキシ]ピリジンおよび0.28mLのジイソプロピルエチルアミンの溶液を室温において48時間攪拌した。次いで、反応混合物を20mlの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の中に注ぎ、そして混合物を3つの40mL分量の酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で残渣にまで濃縮した。その残渣を溶離液として1:5の酢酸エチル:ヘキサンを使ったシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製した。適切な画分を合わせ、そして減圧下で濃縮して、42mgの化合物195を得た。NMRスペクトルは、計画された構造と一致した。
【実施例5】
【0142】
本実施例は、4−{ビス[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル}−4−ヒドロキシ−1−{[4−(2−メトキシエトキシ)フェニル]メチル}ピペリジン−1−オキシド(後記の表の化合物385)の調製について説明する。
【0143】
工程A 中間体としての4−(2−メトキシエトキシ)ベンズアルデヒドの合成
50mLのジメチルスルホキシド(DMSO)中における、5.0g(0.041mol)の4−ヒドロキシベンズアルデヒド、9.5g(0.041mol)のp−トルエンスルホン酸2−メトキシエチルエステル、および6.3g(0.046mol)の無水炭酸カリウムの溶液を室温において72時間攪拌した。次いで、反応混合物を10%の塩化リチウムの300mlの混合水溶液と100mlの酢酸エチルとの間に分配した。そして、酢酸エチル部分を3回;すなわち、最初に10%の水酸化ナトリウムの100mlの混合水溶液で、次に10%の塩化リチウムの100mlの混合水溶液で、そして3番目に100mlの食塩水で洗滌した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で残渣にまで濃縮した。その残渣を、溶離液として塩化メチレンを使ったシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製した。適切な画分を合わせ、そして減圧下で濃縮して、7.3gの目的化合物を得た。NMRスペクトルは、計画された構造と一致した。
【0144】
工程B 中間体としてのtert−ブチル4−{ビス[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル}−4−ヒドロキシピペリジンカルボキシレートの合成
150mLのTHF中における、8.9g(0.022mol)のビス(トリフルオロメトキシフェニル)ブロモメタンおよび4.82g(0.024mol)のtert−ブチル4−オキソ−1−ピペリジンカルボキシレートの攪拌溶液を−78℃に冷却し、そして、反応混合物の温度を−85℃〜−75℃の間に維持しながら15分間、9.24mLのn−ブチルリチウム(2.5M)を滴下して加えた。次いで、−80℃〜−70℃の間に反応混合物の温度を維持しながら、反応混合物を30分間攪拌した。内部の温度を−55℃未満に維持しながら、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液で、クエンチし、次いで、混合物を100mlの酢酸エチルで2回抽出した。抽出物を合わせて、そして10%の塩化リチウムの75mlの混合水溶液で1回洗滌した。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で残渣にまで濃縮した。その残渣を、石油エーテルおよび少量のエーテルで練和して、次いで濾過して、3.43gの目的化合物を得た。NMRスペクトルは、計画された構造と一致した。
【0145】
工程C 中間体としての4−{ビス[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル}ピペリジン−4−オールの合成
3.0g(0.0057mol)のtert−ブチル4−{ビス[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル}−4−ヒドロキシピペリジンカルボキシレートおよび25mLの塩化メチレンの混合物を、水を含む氷浴で冷却した。2.63mLのトリフルオロ酢酸および5mLの塩化メチレンの溶液を反応混合物に5分間で滴下して加えた。氷浴を取り除き、そして反応混合物を室温にまで暖めた。次いで、反応混合物を暖めて還流し、そして室温に冷ました。反応混合物を減圧下で濃縮した。次いで、残渣を100mlの塩化メチレンに溶かすことが可能であり、そして200mlの飽和炭酸ナトリウム水溶液と反応させることができる。次いで、塩化メチレン層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、目的化合物を回収できる。
【0146】
工程D 中間体としての4−{ビス[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル}−1−{[4−(2−メトキシエトキシ)フェニル]メチル}ピペリジン−4−オール(後記の表の化合物308)の合成
25mLの塩化メチレン中における、2.2g(0.0050mol)の4−{ビス[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル}ピペリジン−4−オール、1.1g(0.0061mol)の4−(2−メトキシエトキシ)ベンズアルデヒドおよび1.35g(0.0064mol)のナトリウムトリアセトキシボロハイドライドの溶液を室温において18時間攪拌した。次いで、反応混合物を200mlの水で希釈し、5時間室温で攪拌した。相を分離させた。そして、有機相を3回;すなわち、最初に10%の水酸化ナトリウムの100ml混合水溶液で、次に10%の塩化リチウムの100ml混合水溶液水で、3番目に100mlの食塩水で洗滌した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で残渣にまで濃縮した。その残渣を、溶離液として塩化メチレン:1%〜5%のメタノールを使ったシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製した。適切な画分を合わせ、そして減圧下で濃縮して、2.2gの目的化合物を得た。NMRスペクトルは、計画された構造と一致した。
【0147】
工程E 化合物385の合成
25mLのメタノール中における、1.9g(0.0032mol)の4−{ビス[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル}−1−{[4−(2−メトキシエトキシ)フェニル]メチル}ピペリジン−4−オールおよび2.0mLの50%過酸化水素水溶液を室温において約7日間攪拌した。次いで、反応混合物を10%の塩化リチウムの300ml混合水溶液と100mlの酢酸エチルとの間に分配した。水相を各100mlの酢酸エチルで2回抽出した。有機相および抽出物を合わせ、そして最初に10%の塩化リチウムの100ml混合水溶液、次に100mlの食塩水で2回洗滌した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で残渣にまで濃縮して、1.9gの化合物385を得た。NMRスペクトルは、計画された構造と一致した。
【0148】
本発明の式Iの化合物のような化合物が、光学活性体およびラセミ体を含むことができることは、当業者には周知である。式Iの化合物のような化合物が、
立体異性体、互変異性体を含むことができ、および/または多形を示すこともまた当技術分野で周知である。本発明が、任意のラセミ体、光学活性体、多形体、互変異性体、もしくは立体異性体、またはそれらの混合物を包含することは理解されるはずである。例えば、ラセミ混合物の分割により、または光学活性な中間体からの合成により、光学活性体を調製する方法は、当技術分野で公知であることは指摘されるべきである。
【0149】
次に表は式Iの化合物の幾つかの追加の例を記載する。
表1 N−置換アザ環状体
【化49】

ここでm、p、qおよびrは0;tおよびuは1;RはR14、R15、R16、R17、R18で置換されたフェニル;XはOH;Aは−CH−;そしてR、R、R、R10、R11およびYはH:
【0150】
【化50】

【0151】
【表1】

【0152】
【表2】

【0153】
【表3】

【0154】
【化51】

【0155】
【表4】

【0156】
【化52】

【0157】
【表5】

【0158】
【表6】

【0159】
【化53】

【0160】
【表7】

【0161】
【化54】

【0162】
【表8】

【0163】
【化55】

【0164】
【表9】

【0165】
【化56】

【0166】
【表10】

【0167】
【化57】

【0168】
【表11】

【0169】
【表12】

【0170】
【化58】

【0171】
【表13】

【0172】
【表14】

【0173】
【化59】

【0174】
【表15】

【0175】
【化60】

【0176】
【表16】

【0177】
【化61】

【0178】
【表17】

【0179】
【化62】

【0180】
【表18】

【0181】
【化63】

【0182】
【表19】

【0183】
【化64】

【0184】
【表20】

【0185】
【化65】

【0186】
【表21】

【0187】
【表22】

【0188】
【化66】

【0189】
【表23】

【0190】
【化67】

【0191】
【表24】

【0192】
【表25】

【0193】
【化68】

【0194】
【表26】

【0195】
【化69】

【0196】
【表27】

【0197】
【表28】

【0198】
【表29】

【0199】
【表30】

【0200】
【表31】

【0201】
【表32】

【0202】
【表33】

【0203】
候補殺虫剤を表面処理したダイエットテストでタバコ青虫(ヘリオジス・ビレセンス〔ファブリシス〕)(Heliothis virescens〔Fabricius〕)に対する活性を評価した。
このテストでは小麦胚芽系の人口食餌の溶融物(65−70℃)1ミリリットルを、4×6(24孔)の多孔板(ID No.430345−15.5mm直径×17.6mm深さ;マサチューセッツ州02140 ケンブリッジ、ワンアレワイフセンターのコーニングコスター社)のそれぞれの孔に注入した。殺虫剤で処理する前に食餌を室温まで放冷した。
【0204】
殺虫活性を測定するため、パッカード204DTマルチプローブ(商標)ロボットシステム(コネチカット州06450 メリデン、リサーチ パークウェイ 800のパッカード・インスツルメント社)を用いて殺虫剤溶液をつくった。この装置は、候補殺虫剤の50ミリモル標準DMSO溶液を1:1の水/アセトン溶液(V/V)を1:7のストック溶液対水/アセトンでロボット操作でまず希釈した。次いでこの溶液40ミリリットルを24多重孔板の3つの孔の各々の食餌の表面にロボットで注入した。この操作を7つの他の候補殺虫剤の溶液で繰り返した。処理が終わったら、多孔板の内容物を放乾し、食餌の表面上に0.25ミリモル又は濃度0.25ミリモルの候補殺虫剤を残した。食餌表面にDMSOだけを含む未処理対照品についてもテストに加えた。
【0205】
種々の適用割合での候補殺虫剤の殺虫活性の評価のため、候補殺虫剤の標準50ミリモルDMSO溶液のサブ多重物を用いて上記と同様にテストした。たとえば、標準50ミリモルDMSO溶液をロボットによりDMSOで希釈して候補殺虫剤の5、0.5、0.05、0.005、0.0005ミリモル又はさらに希釈された溶液をつくった。これらの評価では、24多重孔板中の食餌の表面に配したそれぞれの割合を6点とり、各板に候補殺虫剤を合計4つの異なる割合で配した。
【0206】
テスト板の各孔(ウエル)に、それぞれ約5mgの1/2齢のタバコ青虫の幼虫を配した。次いでテスト板を透明なポリフィルム接着テープでシールした。次いでテスト板を25℃、相対湿度60%の生育室に5日間(光14時間/日)保持した。
5日間放置の後、それぞれの殺虫活性を、未処理対照品から害虫の重量に対する害虫の阻害%を求め、また規制した害虫の総数と比較した致死率を求めた。
上記テストの殺虫活性を表3に示す。式Iのテスト化合物は表2に示した番号で示してある。
【0207】
【表34】

【0208】
【表35】

【0209】
【表36】

【0210】
表3に示したように、殆どの化合物は100%の致死率と100%のタバコ青虫の成長阻害率を示した。
以上、本発明を好ましい態様について記載したが、当業者にとってこれらの好ましい態様の変形は容易でありまたそれらも本発明が包含することは当業者が理解することである。従って、本発明は請求項に含まれるすべての態様や変形を包含するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iで表される化合物:
【化1】

式中、m、q、r、tおよびuは、0または1から独立して選択され;そしてpは0、1、2、または3であり;
Xは、ハロゲン、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、チオ、アルキルチオ、アセトキシアルキル、アジドアルキル、アミノアルキル、アセチルアミノアルキル、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシ、ペンタハロチオ、シアノ、ニトロ、アセチルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、またはアリールオキシから選択され;
Yは、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、チオ、アルキルチオ、ペンタハロチオ、シアノ、ニトロ、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシ、アルキルスルホニルオキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、またアリールオキシから選択され;
あるいは、XおよびYは、−OCR1213O−と一緒になって、1,3−ジオキソラン環を形成し;
ここで、R12およびR13は、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、アルキルスルホニルオキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、またはアリールオキシから独立して選択され;
あるいは、R12およびR13は、(=O)と一緒になって、1,3−ジオキソール−2−オン環を形成し;
、R、R、R、およびRは、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、チオ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、ペンタハロチオ、シアノ、ニトロ、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニルオキシ、ハロアルキルスルホニルオキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ジアルコキシアルキルカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノキシアルキル、アルコキシイミノアルキル、アルケニルオキシイミノアルキル、アリール、アリールオキシ、ジオキサニル、ジオキソラニルから独立して選択され、またはRおよびR、もしくはRおよびR、もしくはRおよびR、もしくはRおよびRのいずれかが−OC(OR19O−、−OC(R19(R19O−、−OC(R19(R19−、−OC(R19)=N−、または−SC(R19)=N−と一緒になって、ベンゾ縮合環を形成し、ここでR19は、水素、ハロゲン、アルキルまたはハロアルキルであり;そして、式中、R、R、R、R、およびRの少なくとも1つが、水素以外であり;
、R、R、R10、およびR11は、水素、ハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシイミノアルキル、ハロアルコキシイミノアルキル、シアノアルコキシイミノアルキル、シアノイミノチオアルキルアミノ、アルケニルオキシイミノアルキル、アルキニルオキシイミノアルキル、シクロアルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、フェノキシ、アルコキシカルボニルフェノキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルコキシアルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、シクロアルキルアミノスルホニル、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロアルケニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、置換されていてもよいアリールアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、シクロアルキルアルコキシカルボニルアミノ、アルケニルオキシカルボニルアミノ、アルキニルオキシカルボニルアミノ、ハロアルキルカルボニルアミノ、アルコキシアルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルケニルアミノカルボニルオキシ、アルキニルアミノカルボニルオキシ、(アルキル)(アルコキシカルボニル)アミノ、アルキルスルホニルアミノ、置換されていてもよい(ヘテロアリール)(アルコキシカルボニル)アミノ、置換されていてもよいアリールカルボニルアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニルアミノ、ジアルキルアミノカルボニルアミノ、アルキルアミノ(チオカルボニル)アミノ、ジアルキルホスホロウレイジル、アセトキシアルコキシ、スルホニルオキシアルコキシ、ジアルコキシアルコキシ、トリアルコキシアルコキシ、ジアルコキシアルキルアセタール、トリアルコキシメチルオルトエステル、環状アセタール、置換されていてもよい環状アセタール、置換されていてもよいチエニル、置換されていてもよい1,3−チアゾリルアルコキシ、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアリールオキシアルキル、置換されていてもよいアリールアミノカルボニルオキシ、置換されていてもよいアリールアルコキシカルボニルアミノ、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいピロリル、置換されていてもよいピラゾリル、置換されていてもよいピラジニルオキシ、置換されていてもよいシクロアルキルカルボニルアミノ、置換されていてもよい1,3−オキサゾリニル、置換されていてもよい1,3−オキサゾリニルオキシ、置換されていてもよい1,3−オキサゾリニルアミノ、置換されていてもよい1,2,4−トリアゾリル、置換されていてもよい1,2,3−チアジアゾリル、置換されていてもよい1,2,5−チアジアゾリル、置換されていてもよい1,2,5−チアジアゾリルオキシ、置換されていてもよい2H−テトラゾリル、置換されていてもよいピリジル、置換されていてもよいピリジルオキシ、置換されていてもよいピリジルアミノ、置換されていてもよいピリミジニル、置換されていてもよいピリミジニルオキシ、置換されていてもよい3,4,5,6−テトラヒドロピリミジニルオキシ、置換されていてもよいピリダジニルオキシ、または置換されていてもよい1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニルから独立して選択され、ここで、置換されてもよい置換基は、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシイミノアルキル、ジアルキルアセタール、アルキルチオル、アルキルスルホキシド、またはアルコキシカルボニルアミノの1つ以上が選択され;そして、式中、R、R、R、R10、およびR11の少なくとも1つは、水素以外であり;
Rは、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシカルボニル、置換されていてもよいピリド−2−イルであり、ここで置換されてもよい置換基は、水素、ハロゲン、ハロアルコキシまたはハロアルキルから選択され、
あるいは、下記の構造を有する置換フェニル、
【化2】

ここで、R14、R15、R16、R17、およびRl8は、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、チオ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、ペンタハロチオ、シアノ、ニトロ、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニルオキシ、ハロアルキルスルホニルオキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ジアルコキシアルキルカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノキシアルキル、アルコキシイミノアルキル、アルケニルオキシイミノアルキル、アリール、アリールオキシ、ジオキサニル、ジオキソラニルから独立して選択され、またはR14およびR15、もしくはR15およびR16、もしくはR16およびR17、もしくはR17およびRl8のいずれかが−OC(OR19O−、−OC(R19(R19O−、−OC(R19(R19−、−OC(R19)=N−、または−SC(R19)=N−と一緒になって、ベンゾ縮合環を形成し、ここでR19は、水素、ハロゲン、アルキルまたはハロアルキルであり;そして、式中、R14、R15、R16、R17、およびRl8の内の少なくとも1つが、水素以外である;
Aは、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−OCHCH−,−OCHCHCH−、−OCHCHCHCH−、−OCHCH(OH)CH−、−NHCHCH−、−N(CH)CHCH−、−N[C(=O)CH]CHCH−、または−N[C(=O)OCH]CHCH−から選択され;
Bは、−O−、−S−、−CHO−、−OCH−、−OC(=O)NH−、−OC(=O)O−、または−NHSO−から選択され;
pが1,2、または3である場合、Dは−CH−である;
は、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルキルアミノカルボニルオキシアルキル、アルキルチオアルキル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、アリールアルキル、アリールカルボニル、スルホナト、またはスルホナトアルキルから選択され、そして内部塩を生じる負電荷を有し得る;そして分離されるイオンは、塩化物、臭化物、ヨウ化物、またはアルキルもしくはフェニルスルフェートもしくはスルホネートである;
ならびにそれらの農業的に受容し得る塩。
【請求項2】
m、qおよびpは、0であり;tおよびuは、1であり;Aは−CH−であり;Xは、ハロゲン、ヒドロキシルまたはアルコキシカルボニルから選択され;Yは、水素、ハロゲンまたはヒドロキシルから選択され;R、R、R、およびRは、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、−CH(OH)CH、−CH=NOC、1,3−ジオキソラン−2−イルから独立して選択されるか、またはRおよびRは一緒になって−OCFO−を形成し;Rは水素であり;R、R10、およびR11は水素であり;Rは、水素、ハロゲン、アルキルまたはアルコキシから選択され;Rは、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルコキシアルコキシ、シクロプロピルメトキシ、2−ハロフェノキシ、3−ハロフェノキシ、4−ハロフェノキシ、ピリミジン−2−イル、ピリド−2−イル、3−ハロ−ピリド−2−イル、3−アルキル−ピリド−2−イルオキシ、4−アルキル−ピリド−2−イルオキシ、5−アルキル−ピリド−2−イルオキシ、6−アルキル−ピリド−2−イルオキシ、3−ハロ−ピリド−2−イルオキシ、3−トリハロアルキル−ピリド−2−イルオキシ、3−シアノ−ピリド−2−イルオキシ、5−シアノ−ピリド−2−イルオキシ、6−ジアルコキシアルキル−ピリド−2−イルオキシ、ピリド−2−イルオキシ、COCH(CH、−CH=NOCH、−CH=NOCH、−CH=NOCHCF、−CH=NOCHCH=CH、−CH=NOCHCN、−CH=NOCH(CH、−CH=NOCH≡CH、−CH=NOCHCHF、−CH=NOCHCHOCH、−CH=NOCHOC、−CH=NOCHCHOCHCHOCH、−NHCOCH、−NHCO、−NHCOCH(CH、−NHCOCH−c−C、−CH(OH)C−p−Cl、−OC(=O)NHCH、−OC(=O)NHC、−OC(=O)NHCH(CH、−NHC(SCH)=NCN、ピリミジン−2−イルオキシ、6−ハロ−ピリダジン−3−イルオキシ、6−アルコキシ−ピリダジン−3−イルオキシ、6−アルキル−ピリダジン−3−イルオキシ、2−アルキル−2H−テトラゾル−5−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、または5,5−ジアルキル−1,3−ジオキサン−2−イルから選択され;そして、Rは、下記のR14、R15、R16、R17、およびRl8で置換されるフェニルであり、
【化3】

式中、R14、R15、R16、およびR17は、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシから選択されるか、またはR15およびR16は一緒になって−OCFO−を形成し;そしてR18は水素である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Xは、ハロゲン、−COまたはヒドロキシルから選択され;そして、Rは、−OCH、−OC、−OCH(CH、−OCHCHOCH、−OCHCHCHOCH、シクロプロピルメトキシ、2−クロロフェノキシ、3−クロロフェノキシ、4−クロロフェノキシ、ピリミジン−2−イル、ピリド−2−イル、3−クロロ−ピリド−2−イル、3−メチル−ピリド−2−イルオキシ、4−メチル−ピリド−2−イルオキシ、5−メチル−ピリド−2−イルオキシ、6−メチル−ピリド−2−イルオキシ、3−クロロ−ピリド−2−イルオキシ、3−トリフルオロメチル−ピリド−2−イルオキシ、3−シアノ−ピリド−2−イルオキシ、5−シアノ−ピリド−2−イルオキシ、6−ジメトキシメチル−ピリド−2−イルオキシ、ピリド−2−イルオキシ、−COCH(CH、−CH=NOCH、−CH=NOC、−CH=NOCHCF、−CH=NOCHCH=CH、−CH=NOCHCN、−CH=NOCH(CH、−CH=NOCHC≡CH、−CH=NOCHCHF、−CH=NOCHCHOCH、−CH=NOCHOC、−CH=NOCHCH0CHCHOCH、−NHCOCH、−NHCO、−NHCOCH(CH、−NHCOCH−c−C、−CH(OH)C−p−Cl、−OC(=O)NHCH、−OC(=O)NHC、−OC(=O)NHCH(CH、−NHC(SCH)=NCN、ピリミジン−2−イルオキシ、6−クロロ−ピリダジン−3−イルオキシ、6−メトキシ−ピリダジン−3−イルオキシ、6−メチルキル−ピリダジン−3−イルオキシ、2−メチル−2H−テトラゾル−5−イル、2−エチル−2H−テトラゾル−5−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、または5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−イルから選択される、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
Xは、フッ素、−COまたはヒドロキシルから選択され;Yは、水素、フッ素、塩素またはヒドロキシルから選択され;R、R、R、およびRは、水素、ハロゲン、アルキル、tert−ブチル、メトキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、−OCFCHFCF、−CH(OH)CH、−CH=NOC、1,3−ジオキソラン−2−イルから独立して選択されるか、またはRおよびRが一緒になって−OCFO−を形成し;Rは水素である;Rは、−OCHCHOCH、−CH=NOCH、−CH=NOC、−CH=NOCHCN、−CH=NOCHCHOCH、−NHCOCH(CH、−OC(=O)NHCH(CH、ピリミジン−2−イル、ピリド−2−イル、3−クロロ−ピリド−2−イル、3−メチル−ピリド−2−イルオキシ、4−メチル−ピリド−2−イルオキシ、5−メチル−ピリド−2−イルオキシ、6−メチル−ピリド−2−イルオキシ、3−クロロ−ピリド−2−イルオキシ、3−トリフルオロメチル−ピリド−2−イルオキシ、3−シアノ−ピリド−2−イルオキシ、5−シアノ−ピリド−2−イルオキシ、6−ジメトキシメチル−ピリド−2−イルオキシ、ピリド−2−イルオキシ、ピリミジン−2−イルオキシ、6−クロロ−ピリダジン−3−イルオキシ、6−メトキシ−ピリダジン−3−イルオキシまたは6−メチル−ピリダジン−3−イルオキシから選択され;そして、Rは、下記のR14、R15、R16、R17、およびRl8で置換されるフェニルであり、
【化4】

式中、R14、R15、R16、およびR17は、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、−OCFCHFCFから独立して選択されるか、またはR15またはR16 は一緒になって−OCFO−を形成する、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
Xはヒドロキシルであり;Yは水素であり;Rは、ハロアルコキシであり;Rは、−OCHCHOCH、−CH=NOCH、−CH=NOC、−CH=NOCHCN、−CH=NOCHCHOCH、−NHCOCH(CH、−OC(=O)NHCH(CH、ピリド−2−イルオキシ、ピリド−2−イル、3−シアノ−ピリド−2−イルオキシ、5−メチル−ピリド−2−イルオキシ、ピリミジン−2−イルオキシ、ピリミジン−2−イル、6−クロロ−ピリダジン−3−イルオキシまたは6−メトキシ−ピリダジン−3−イルオキシから選択され;そしてR16は、ハロアルコキシである、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
式Iで表される化合物:
【化5】

式中、m、qおよびrは、0または1から独立して選択され;tおよびuは1であり;そしてpは0であり;
Xは、ハロゲン、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、チオ、アルキルチオ、アセトキシアルキル、アジドアルキル、アミノアルキル、アセチルアミノアルキル、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシ、ペンタハロチオ、シアノ、ニトロ、アセチルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、またはアリールオキシから選択され;
Yは、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、チオ、アルキルチオ、ペンタハロチオ、シアノ、ニトロ、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシ、アルキルスルホニルオキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、またアリールオキシから選択され;
あるいは、XおよびYは、−OCR1213O−と一緒になって、1,3−ジオキソラン環を形成し;
ここで、R12およびR13は、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、アルキルスルホニルオキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、またはアリールオキシから独立して選択され;
あるいは、R12およびR13は、(=O)と一緒になって、1,3−ジオキソール−2−オン環を形成し;
、R、R、R、およびRは、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、チオ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、ペンタハロチオ、シアノ、ニトロ、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニルオキシ、ハロアルキルスルホニルオキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ジアルコキシアルキルカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノキシアルキル、アルコキシイミノアルキル、アルケニルオキシイミノアルキル、アリール、アリールオキシ、ジオキサニル、ジオキソラニルから独立して選択され、またはRおよびR、もしくはRおよびR、もしくはRおよびR、もしくはRおよびRのいずれかが−OC(OR19O−、−OC(R19(R19O−、−OC(R19(R19−、−OC(R19)=N−、または−SC(R19)=N−と一緒になって、ベンゾ縮合環を形成し、ここでR19は、水素、ハロゲン、アルキルまたはハロアルキルであり;そして、式中、R、R、R、R、およびRの少なくとも1つが、水素以外であり;
、R、R、R10、およびR11は、水素、ハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシイミノアルキル、ハロアルコキシイミノアルキル、シアノアルコキシイミノアルキル、シアノイミノチオアルキルアミノ、アルケニルオキシイミノアルキル、アルキニルオキシイミノアルキル、シクロアルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、フェノキシ、アルコキシカルボニルフェノキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルコキシアルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、シクロアルキルアミノスルホニル、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロアルケニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、置換されていてもよいアリールアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、シクロアルキルアルコキシカルボニルアミノ、アルケニルオキシカルボニルアミノ、アルキニルオキシカルボニルアミノ、ハロアルキルカルボニルアミノ、アルコキシアルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルケニルアミノカルボニルオキシ、アルキニルアミノカルボニルオキシ、(アルキル)(アルコキシカルボニル)アミノ、アルキルスルホニルアミノ、置換されていてもよい(ヘテロアリール)(アルコキシカルボニル)アミノ、置換されていてもよいアリールカルボニルアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニルアミノ、ジアルキルアミノカルボニルアミノ、アルキルアミノ(チオカルボニル)アミノ、ジアルキルホスホロウレイジル、アセトキシアルコキシ、スルホニルオキシアルコキシ、ジアルコキシアルコキシ、トリアルコキシアルコキシ、ジアルコキシアルキルアセタール、トリアルコキシメチルオルトエステル、環状アセタール、置換されていてもよい環状アセタール、置換されていてもよいチエニル、置換されていてもよい1,3−チアゾリルアルコキシ、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアリールオキシアルキル、置換されていてもよいアリールアミノカルボニルオキシ、置換されていてもよいアリールアルコキシカルボニルアミノ、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいピロリル、置換されていてもよいピラゾリル、置換されていてもよいピラジニルオキシ、置換されていてもよいシクロアルキルカルボニルアミノ、置換されていてもよい1,3−オキサゾリニル、置換されていてもよい1,3−オキサゾリニルオキシ、置換されていてもよい1,3−オキサゾリニルアミノ、置換されていてもよい1,2,4−トリアゾリル、置換されていてもよい1,2,3−チアジアゾリル、置換されていてもよい1,2,5−チアジアゾリル、置換されていてもよい1,2,5−チアジアゾリルオキシ、置換されていてもよい2H−テトラゾリル、置換されていてもよいピリジル、置換されていてもよいピリジルオキシ、置換されていてもよいピリジルアミノ、置換されていてもよいピリミジニル,置換されていてもよいピリミジニルオキシ、置換されていてもよい3,4,5,6−テトラヒドロピリミジニルオキシ、置換されていてもよいピリダジニルオキシ、または置換されていてもよい1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニルから独立して選択され、ここで、置換されてもよい置換基は、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシイミノアルキル、ジアルキルアセタール、アルキルチオル、アルキルスルホキシド、またはアルコキシカルボニルアミノから1つ以上が選択される;そして、式中、R、R、R、R10、およびR11の少なくとも1つは、水素以外であり;
Rは、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシカルボニル、置換されていてもよいピリド−2−イルであり、ここで置換されてもよい置換基は、水素、ハロゲン、ハロアルコキシまたはハロアルキルから選択され、
あるいは、下記の構造を有する置換フェニルから選択され、
【化6】

ここで、R14、R15、R16、R17、およびRl8は、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、チオ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、ペンタハロチオ、シアノ、ニトロ、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニルオキシ、ハロアルキルスルホニルオキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ジアルコキシアルキルカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノキシアルキル、アルコキシイミノアルキル、アルケニルオキシイミノアルキル、アリール、アリールオキシ、ジオキサニル、ジオキソラニルから独立して選択され、またはR14およびR15、もしくはR15およびR16、もしくはR16およびR17、もしくはR17およびRl8のいずれかが−OC(OR19O−、−OC(R19(R19O−、−OC(R19(R19−、−OC(R19)=N−、または−SC(R19)=N−と一緒になって、ベンゾ縮合環を形成し、ここでR19は、水素、ハロゲン、アルキルまたはハロアルキルである;そして、式中、R14、R15、R16、R17、およびRl8の少なくとも1つが、水素以外であり;
Aは、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−OCHCH−,−OCHCHCH−、−OCHCHCHCH−、−OCHCH(OH)CH−、−NHCHCH−、−N(CH)CHCH−、−N[C(=O)CH]CHCH−、または−N[C(=O)OCH]CHCH−から選択され;
Bは、−O−、−S−、−CHO−、−OCH−、−OC(=O)NH−、−OC(=O)O−、または−NHSO−から選択され;
は、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルキルアミノカルボニルオキシアルキル、アルキルチオアルキル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、アリールアルキル、アリールカルボニル、スルホナト、またはスルホナトアルキルから選択され、そして内部塩を生じる負電荷を有し得る;そして分離されるイオンは、塩化物、臭化物、ヨウ化物、またはアルキルもしくはフェニルスルフェートもしくはスルホネートである;
ならびにそれらの農業的に受容し得る塩。
【請求項7】
式Iで表される化合物:
【化7】

式中、rは0または1から選択され;m、qおよびpは0であり;tおよびuは1であり;
Aは−CH−であり;
Xは、ハロゲンまたはヒドロキシルから選択され;
Yは、水素またはヒドロキシルから選択され;
、R、R、およびRは、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、または−CH=NOCから独立して選択され;
は水素であり;
、R、R10およびR11は水素であり;
は、−OC、−OC、−OCH(CH、−OCHCHOCH、−OCHCHCHOCH、シクロプロピルメトキシ、2−クロロフェノキシ、3−クロロフェノキシ、4−クロロフェノキシ、ピリミジン−2−イル、ピリド−2−イル、3−クロロ−ピリド−2−イル、3−メチル−ピリド−2−イルオキシ、4−メチル−ピリド−2−イルオキシ、5−メチル−ピリド−2−イルオキシ、6−メチル−ピリド−2−イルオキシ、3−クロロ−ピリド−2−イルオキシ、3−トリフルオロメチル−ピリド−2−イルオキシ、3−シアノ−ピリド−2−イルオキシ、5−シアノ−ピリド−2−イルオキシ、6−ジメトキシメチル−ピリド−2−イルオキシ、ピリド−2−イルオキシ、COCH(CH、−CH=NOCH、−CH=NOC、−CH=NOCHCF、−CH=NOアリル、−CH=NOCHCH=CH、−CH=NOCHCN、−CH=NOCH(CH、−CH=NOCHC≡CH、−CH=NOCHCHF、−CH=NOCHCHOCH、−CH=NOCHOC、−CH=NOCHCHOCHCHOCH、−NHCOCH、−NHCO、−NHCOCH(CH、−NHCOCH−c−C、−CH(OH)C−p−Cl、−OC(=O)NHCH、−OC(=O)NHC、−OC(=O)NHCH(CH、−NHC(SCH)=NCN、ピリミジン−2−イルオキシ、6−クロロ−ピリダジン−3−イルオキシ、6−メトキシ−ピリダジン−3−イルオキシ、6−メチル−ピリダジン−3−イルオキシ、2−メチル−2H−テトラゾル−5−イル、2−エチル−2H−テトラゾル−5−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、または5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−イルから選択され;そして、
Rは、下記のR14、R15、R16、R17、およびRl8で置換されるフェニルであり、
【化8】

式中、R16は、ハロアルキルまたはハロアルコキシから選択され、そしてR14、R15、R17およびRl8は、水素である。
【請求項8】
式I−Hで表される化合物:
【化9】

式中、Rは、ハロアルキルまたはハロアルコキシであり;
は、−OCHCHOCH、ピリド−2−イルオキシ、ピリド−2−イル、3−シアノ−ピリド−2−イルオキシ、5−メチル−ピリド−2−イルオキシ、ピリミジン−2−イルオキシ、ピリミジン−2−イル、6−クロロ−ピリダジン−3−イルオキシまたは6−メトキシ−ピリダジン−3−イルオキシから選択され;そしてR16は、ハロアルキルまたはハロアルコキシである。
【請求項9】
式I−Jで表される化合物:
【化10】

式中、Rは、ハロアルキルまたはハロアルコキシであり;
は、−OCHCHOCH、ピリド−2−イルオキシ、ピリド−2−イル、3−シアノ−ピリド−2−イルオキシ、5−メチル−ピリド−2−イルオキシ、ピリミジン−2−イルオキシ、ピリミジン−2−イル、6−クロロ−ピリダジン−3−イルオキシまたは6−メトキシ−ピリダジン−3−イルオキシから選択され;そしてR16は、ハロアルキルまたはハロアルコキシである。
【請求項10】
下記の式:
【化11】

で表される、4−{ビス[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル}−4−ヒドロキシ−1−[(4−(2−ピリジルオキシ)フェニル)メチル]ピペリジン−1−オキシド、およびその農業的に受容できる塩。
【請求項11】
殺虫に有効な量の請求項1記載の化合物を少なくとも1種の農業的に受容できる増量剤または助剤と混合して含有する組成物。
【請求項12】
殺虫に有効な量の請求項2記載の化合物を少なくとも1種の農業的に受容できる増量剤または助剤と混合して含有する組成物。
【請求項13】
殺虫に有効な量の請求項3記載の化合物を少なくとも1種の農業的に受容できる増量剤または助剤と混合して含有する組成物。
【請求項14】
殺虫に有効な量の請求項4記載の化合物を少なくとも1種の農業的に受容できる増量剤または助剤と混合して含有する組成物。
【請求項15】
殺虫に有効な量の請求項5記載の化合物を少なくとも1種の農業的に受容できる増量剤または助剤と混合して含有する組成物。
【請求項16】
殺虫に有効な量の請求項6記載の化合物を少なくとも1種の農業的に受容できる増量剤または助剤と混合して含有する組成物。
【請求項17】
殺虫に有効な量の請求項7記載の化合物を少なくとも1種の農業的に受容できる増量剤または助剤と混合して含有する組成物。
【請求項18】
殺虫に有効な量の請求項8記載の化合物を少なくとも1種の農業的に受容できる増量剤または助剤と混合して含有する殺虫用組成物。
【請求項19】
殺虫に有効な量の請求項9記載の化合物を少なくとも1種の農業的に受容できる増量剤または助剤と混合して含有する組成物。
【請求項20】
殺虫に有効な量の請求項10記載の化合物を少なくとも1種の農業的に受容できる増量剤または助剤と混合して含有する組成物。
【請求項21】
1種以上の第二の化合物をさらに含む請求項11記載の殺虫組成物。
【請求項22】
1種以上の第二の化合物をさらに含む請求項12記載の殺虫組成物。
【請求項23】
1種以上の第二の化合物をさらに含む請求項13記載の殺虫組成物。
【請求項24】
1種以上の第二の化合物をさらに含む請求項14記載の殺虫組成物。
【請求項25】
1種以上の第二の化合物をさらに含む請求項15記載の殺虫組成物。
【請求項26】
1種以上の第二の化合物をさらに含む請求項16記載の殺虫組成物。
【請求項27】
1種以上の第二の化合物をさらに含む請求項17記載の殺虫組成物。
【請求項28】
1種以上の第二の化合物をさらに含む請求項18記載の殺虫組成物。
【請求項29】
1種以上の第二の化合物をさらに含む請求項19記載の殺虫組成物。
【請求項30】
1種以上の第二の化合物をさらに含む請求項20記載の殺虫組成物。
【請求項31】
殺虫に有効な量の請求項11記載の組成物を昆虫が存在するかまたは存在すると予想される場所に適用することを特徴とする昆虫を制御する方法。
【請求項32】
殺虫に有効な量の請求項12記載の組成物を昆虫が存在するかまたは存在すると予想される場所に適用することを特徴とする昆虫を制御する方法。
【請求項33】
殺虫に有効な量の請求項13記載の組成物を昆虫が存在するかまたは存在すると予想される場所に適用することを特徴とする昆虫を制御する方法。
【請求項34】
殺虫に有効な量の請求項14記載の組成物を昆虫が存在するかまたは存在すると予想される場所に適用することを特徴とする昆虫を制御する方法。
【請求項35】
殺虫に有効な量の請求項15記載の組成物を昆虫が存在するかまたは存在すると予想される場所に適用することを特徴とする昆虫を制御する方法。
【請求項36】
殺虫に有効な量の請求項16記載の組成物を昆虫が存在するかまたは存在すると予想される場所に適用することを特徴とする昆虫を制御する方法。
【請求項37】
殺虫に有効な量の請求項17記載の組成物を昆虫が存在するかまたは存在すると予想される場所に適用することを特徴とする昆虫を制御する方法。
【請求項38】
殺虫に有効な量の請求項18記載の組成物を昆虫が存在するかまたは存在すると予想される場所に適用することを特徴とする昆虫を制御する方法。
【請求項39】
殺虫に有効な量の請求項19記載の組成物を昆虫が存在するかまたは存在すると予想される場所に適用することを特徴とする昆虫を制御する方法。
【請求項40】
殺虫に有効な量の請求項20記載の組成物を昆虫が存在するかまたは存在すると予想される場所に適用することを特徴とする昆虫を制御する方法。

【公表番号】特表2007−508306(P2007−508306A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534244(P2006−534244)
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/032720
【国際公開番号】WO2005/036961
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(391022452)エフ エム シー コーポレーション (74)
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
【Fターム(参考)】