説明

N−[(7−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)−アリール−メチル]−ベンズアミドの誘導体、これらの調製およびこれらの治療上の使用

本発明は、塩基の形態または酸との付加塩の形態にある式(I)


の化合物に関し、式中:Rは水素原子または、フッ素原子、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルケニル、フェニル、(C−C)アルコキシおよびヒドロキシ基から互いに独立に選択される1以上の基によって場合により置換される、(Cd−C)アルキルおよび(C−C)シクロアルキル基であり;フェニル基は1以上の(C−C)アルコキシ基で場合により置換され;Rは、ハロゲン原子、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ−(C)アルキル、ヒドロキシ、ハロ−(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキル−チオおよび(C−C)アルキル−SO基から互いに独立に選択される1以上の置換基によって場合により置換される、フェニル基であり;Rは水素原子、ハロゲン原子、ハロ−(C−C)アルキル、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)アルキル、(C)アルコキシ、(C)アルキル−チオおよび(C−C)アルキル−SO基から選択される1以上の置換基である。本発明は、さらに、治療におけるこれらの使用およびこれらを合成するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はN−[(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)−アリール−メチル]ベンズアミド誘導体、これらの調製およびGlyt1グリシン輸送体が関与する疾患の治療または予防におけるこれらの治療上の使用に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明の化合物は一般式(I)に相当し、
【0003】
【化1】

式中
−Rは、水素原子、またはハロゲン原子並びに(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルケニル、フェニル、(C−C)アルコキシ並びにヒドロキシル基から互いに独立に選択される1以上の基で場合により置換される、基(C−C)アルキルおよび(C−C)シクロアルキルを表し;フェニル基は1以上の(C−C)アルコキシ基で場合により置換され;
−Rは、ハロゲン原子並びに(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ−(C−C)アルキル、ヒドロキシル、ハロ−(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキル−チオ、(C−C)アルキル−SOおよび(C−C)アルキル−SO基から互いに独立に選択される1以上の置換基で場合により置換される、フェニルまたはナフチル基を表し;場合により
−Rは、水素原子、ハロゲン原子並びにハロ−(C−C)アルキル、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキル−チオ、(C−C)アルキル−SOおよび(C−C)アルキル−SO基から選択される1以上の置換基を表し;
塩基または酸との付加塩の形態にある。
【0004】
式(I)の化合物は非対称炭素原子を含む。従って、これらは鏡像異性体の形態で存在し得る。ラセミ混合物を含むこれらの鏡像異性体は本発明に属する。
【0005】
式(I)の化合物は塩基または酸との付加塩の形態で存在し得る。このような付加塩は本発明に属する。
【0006】
これらの塩は医薬的に許容される酸で有利に調製されるが、例えば、式(I)の化合物の精製または単離に有用である他の酸の塩も本発明に属する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の脈絡において:
−「tおよびzが1から6の値をとり得るCt−」という表現はtからz個の炭素原子を含むことができる炭素系鎖を意味しようとするものであり、例えば、「C1−」という用語は1から6個の炭素原子を含むことができる炭素系鎖を意味しようとするものである;
−「アルキル」という用語は直鎖または分岐鎖飽和脂肪族基を意味しようとするものであり;例えば、C−C−アルキル基は1から6の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖炭素系鎖、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチルまたはヘキシルを表す;
−「アルキレン」という用語は直鎖または分岐鎖飽和二価アルキル基を意味しようとするものであり;例えば、C1−6−アルキレン基は1から6個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖二価炭素系鎖、例えば、メチレン、エチレン、1−メチルエチレンまたはプロピレンを表す;
−「アルコキシ」という用語は−O−アルキル基を意味しようとするものである;
−「ヒドロキシル」という用語は−OH基を意味しようとするものである;
−「アルキル−チオ」という用語はアルキル基で置換されるイオウ原子を意味しようとするものである;
−「ハロゲン原子」という用語はフッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味しようとするものである;
−「ハロ−アルキル」という用語は1個以上の水素原子がハロゲンで置換されているアルキル基を意味しようとするものである。例として、トリフルオロメチル、トリフルオロエチルまたはペンタフルオロエチル基を挙げることができる;
−「ハロ−アルコキシ」という用語は1個以上の水素原子がハロゲンで置換されているアルコキシ基を意味しようとするものである。
【0008】
本発明の主題である一般式(I)の化合物のうち、化合物の第1群は
−Rが水素原子または(C−C)アルキルもしくはベンジル基を表し;
−RおよびRが上で定義される通りである、
化合物で構成される。
【0009】
本発明の主題である一般式(I)の化合物のうち、化合物の第2群は:
−Rがフェニル基を表し;
−RおよびRが上で定義される通りである、
化合物によって構成される。
【0010】
本発明の主題である一般式(I)の化合物のうち、化合物の第3群は:
−Rが水素原子、ハロゲン原子およびハロ−(C−C)アルキルまたは(C−C)アルキル基から選択される1以上の置換基を表し;
−RおよびRが上で定義される通りである、
化合物で構成される。
【0011】
本発明の主題である一般式(I)の化合物のうち、化合物の第4群は:
−Rが水素原子または(C−C)アルキルもしくはベンジル基を表し;
−Rがフェニル基を表し;
−Rが水素原子、ハロゲン原子およびハロ−(C−C)アルキルまたは(C−C)アルキル基から選択される1以上の置換基を表す、
化合物で構成される。
【0012】
本発明の主題である一般式(I)の化合物のうち、化合物の第5群は:
−Rが水素原子またはメチル、エチルもしくはベンジル基を表し;
−Rがフェニル基を表し;
−Rが水素原子、塩素原子およびメチル、エチルまたはトリフルオロメチル基から選択される1以上の置換基を表し、塩基または酸との付加塩の形態にある、
化合物で構成される。
【0013】
上で定義される1から5群の組み合わせも本発明に属する。
【0014】
本発明の主題である一般式(I)の化合物のうち、以下の化合物を特に挙げることができる:
・N−[(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチル](2−メチル−3−トリフルオロメチル)ベンズアミド;
・N−[(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチル](2,6−ジクロロ−3−トリフルオロメチル)ベンズアミドおよびこれらの塩酸塩;
・(−)−N−[(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチル](2,6−ジクロロ−3−トリフルオロメチル)ベンズアミドおよびこれらの塩酸塩;
・N−[(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチル](2−クロロ−3−トリフルオロメチル)ベンズアミドおよびこれらの塩酸塩;
・2−クロロ−N−[(7−エチル−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチル](3−トリフルオロメチル)ベンズアミドおよびこれらの塩酸塩;
・(+)−N−[(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチル](2,6−ジクロロ−3−トリフルオロメチル)ベンズアミドおよびこれらの塩酸塩;
・2−クロロ−N−[(7−メチル−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミドおよびこれらの塩酸塩;
・N−[(7−ベンジル−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチル]−(2−メチル−3−トリフルオロメチル)ベンズアミドおよびこれらの塩酸塩;
・N−[(7−ベンジル−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチル](2−クロロ−3−トリフルオロメチル)ベンズアミドおよびこれらの塩酸塩;
・N−[(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチル](2−クロロ−3−エチル)ベンズアミドおよびこれらの塩酸塩。
【0015】
本発明の化合物はGlyt1グリシン輸送体の阻害剤としての特定の活性、特に、改善された活性および改善された安全性プロフィールを示す。
【0016】
一般式(I)の化合物は以下のスキーム1によって示される方法によって調製することができる:
【0017】
【化2】

【0018】
RおよびRが上で定義される通りである一般式(II)のジアミンを、特に、Rが水素原子またはフェニルメチル基を表すとき、例えば、一般式(III)の混合無水物または酸塩化物によって活性化されている酸であって、Yが、例えば、ベンゾトリアゾール、アシル尿素またはハロゲン原子から誘導される脱離基を表し、およびRが上で定義される通りである酸と、当業者に公知の方法を用いてカップリングさせる。
【0019】
Rが水素原子を表す一般式(I)の化合物はRが:
−フェニルメチル基を表す一般式(I)の化合物から加水分解による窒素の脱保護により、
−またはアルケニル基、好ましくは、アリル基を表す一般式(I)の化合物から、例えば、パラジウム「ゼロ」の錯体を用いる当業者に公知の方法による、窒素の脱保護により、
−またはジメトキシベンジル基を表す一般式(I)の化合物から当業者に公知の酸化方法を用いる脱保護により、
調製することができる。
【0020】
Rが水素原子以外である一般式(I)の化合物は、Rが水素原子を表す一般式(I)の化合物から、前記一般式(I)の化合物をRX型のハロゲン化物もしくはメシレート(式中、Rは上で定義される通りであり、Xはメシレートまたはハロゲンである。)を用いて、無機塩基、例えば、炭酸カリウムの存在下、アセトニトリル中でアルキル化することにより;または適切なアルデヒドもしくは適切なケトンを用いて当業者に公知の方法に従うエシュバイラー・クラーク反応もしくは還元アミノ化により;または適切なエポキシド誘導体を用いて当業者に公知の方法に従って調製することもできる。
【0021】
一般式(II)のジアミンは、以下の一般式(IIa)のアミンおよび一般式(IIb)のアミンについてのスキーム2によって示される方法により調製することができる:
【0022】
【化3】

【0023】
スキーム2によると、式(IV)のエステルを、キシレンの還流中、予め形成されたトリメチルアルミニウムおよび塩化アンモニウムの錯体の存在下、Synthetic Commun.,1982,12(13),989−993 およびTetrahedron Lett.,1979,(51),4907−4910に記述される方法に従って式(V)のニトリルに変換する。次に、式(V)のニトリルを一般式(VI)のリチオ化芳香族化合物(式中、Rは上で定義される通りである。)と、エーテル性溶媒、例えば、テトラヒドロフランまたはエーテル中、低温、例えば、70℃で反応させる。こうしてイミンが得られ、一般式(IIa)のアミンが得られるように、これを還元剤、例えば、水素化ホウ素ナトリウムを用いて、プロトン性溶媒、例えば、メタノール中で還元する。アミン(IIa)は、一般式(IIb)の脱保護アミンが得られるように、パラジウム触媒の存在下での水素化によって脱ベンジル化することができる。
【0024】
式(IV)および(V)の化合物については、特に、ベンジル基を:
−当業者に公知の方法に従い、脱ベンジル化した後、例えば、適切な求電子試薬、例えば、アリル臭化物またはジメトキシベンジル臭化物を用いるアルキル化反応によって再保護することにより;
−またはTetrahedron:Asymmetry,2006(17),252−258に記述される方法に従い、ベンジルアミンをアリルアミンまたはジメトキシベンジルアミン、特に、2,4−ジメトキシベンジルアミンで置換することにより、
別の保護基、例えば、アルキル基またはジメトキシベンジル基で置換することができる。
【0025】
さらに、SまたはR鏡像異性体に対応する一般式(I)のキラル化合物をキラル−カラム高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によるラセミ化合物の分離によって得ることができ、またはキラル酸、例えば、ジベンゾイル酒石酸を用いる一般式(II)のラセミアミンの分割により、もしくはジアステレオ異性体塩の分別および優先再結晶化により得ることができる。
【0026】
式(IV)のエステルはTetrahedron,2002(58),10167−10171に記述される方法に従って調製する。
【0027】
式(V)のニトリルはTetrahedron:Asymmetry,2006(17),252−258に記述される方法に従って調製することもできる。
【0028】
一般式(VI)のリチオ化誘導体は当業者に公知の方法に従って調製することができる。
【0029】
一般式(III)の酸および酸塩化物は商業的に入手可能であるか、または当業者に公知の方法からの類推によって調製する。
【0030】
以下の例は本発明の幾つかの化合物の調製を説明する。これらの例において:
−元素微量分析、IRおよびNMRスペクトル並びにキラル−カラムHPLCは得られる化合物の構造および鏡像異性体純度を裏付け;
−NMRの記載について、「m」は多重項、「s」は一重項、「t」は三重項、「d」は二重項、「q」は四重項を意味し、dxdは二重二重項を意味し、txtは三重三重項を意味し、dxtは二重三重項を意味するなどであり、
−例の標題において括弧の間に示される数字は後に示される表の第1欄のものに対応し、
−「decomp.」は「分解」を意味し、
−用いられる命名法はIUPAC(国際純正応用化学連合)推奨による命名法である。
【0031】
化合物の名称において、ダッシュ「−」は単語の一部であり、ダッシュ「_」は行末で改行するのにのみ用いられる;これは改行がないところでは削除されるべきであり、通常のダッシュあるいは空白で置き換えられるべきではない。
【実施例1】
【0032】
(化合物No.4):N−[(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチル](2−クロロ−3−トリフルオロメチル)ベンズアミド塩酸塩(1:1)
1.1.(7−ベンジル−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン)−1−カルボニトリル
窒素下、250ml三首フラスコ内で、1.5gの乾燥塩化アンモニウム(28mmol)を30mlの無水トルエンに入れ、冷却後、そこにトルエン中のトリメチルアルミニウムの2N溶液(30mmol)15mlを添加し、もはや気体が放出されなくなるまでこの混合物を周囲温度で放置することにより、トリメチルアルミニウムおよび塩化アンモニウムの錯体(約0.67M)(以下、錯体Aと呼ぶ)を調製する。
【0033】
窒素下、濃縮器が取り付けられた250ml三首フラスコ内で、1.27gのメチル(7−ベンジル−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン)−1−カルボキシレート(5.18mmol)を100mlの無水キシレンに入れる。
【0034】
20mlの錯体A(13mmol)を滴加し、この混合物を一晩還流する。
【0035】
冷却後、1N塩酸溶液で媒体をpH4−5に酸性化し、酢酸エチル(100ml)、次いでジクロロメタン(100ml)で連続的に抽出する。
【0036】
有機相を硫酸ナトリウムで脱水させ、濾過して合わせた後、減圧下で蒸発させる。
【0037】
この残渣を、溶出は石油エーテルおよび酢酸エチルの混合液で行って、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製する。このようにして、210mgの(7−ベンジル−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン)−1−カルボニトリルが油の形態で得られる。
【0038】
H NMR(200MHz,CDCl)δppm 7.5(m,5H)、3.75(s,2H)、3.40(m,1H)、2.25(m,2H)、2.0(m,4H)、1.4(m,2H)。
【0039】
1.2.(7−ベンジル−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチルアミン
アルゴン下、50ml三首フラスコ内で、0.45gの(7−ベンジル−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン)−1−カルボニトリル(2.12mmol)を−70℃で15mlの無水テトラヒドロフランに入れる。フェニルリチウム(4.24mmol)の0.75M溶液(シクロヘキサン/エーテル)5.65mlを滴加する。
【0040】
この混合物を−70℃で2時間半放置した後、−20℃で10mlの水を用いて加水分解する。
【0041】
酢酸エチルで抽出した後、有機相を減圧下で濃縮し、この残渣を20mlのメタノールに溶解する。そこに0.40gの水素化ホウ素ナトリウム(10.6mmol)を少しずつ添加する。この反応媒体を周囲温度で一晩撹拌したままにする。
【0042】
減圧下で蒸発させた後、残渣を25mlのエーテルおよび25mlの水に溶解する。媒体を1N塩酸溶液で酸性化した後、抽出する。水相をアンモニア水で塩基性化した後、50mlのジクロロメタンで2回再抽出する。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで脱水させて濾過し、減圧下で蒸発させる。この残渣を、溶出をジクロロメタンおよびアンモニア性メタノールの混合液で行って、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製する。このようにして、0.5gの(7−ベンジル−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチルアミンが結晶化する油の形態で得られる。
【0043】
H NMR(400MHz,CDCl)δppm 7.56−7.22(m,10H)、4.31(s,1H)、3.86(d,J=13.3Hz,1H)、3.37(d,J=13.3Hz,1H)、3.19(t,J=4.5Hz,1H)、2.23(m,1H)、2.00(m,1H)、1.80−1.56(m,2H)、1.37(m,1H)、1.22−1.06(m,2H)、0.97(m,1H)。融点=87−88℃
【0044】
1.3.(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチルアミン
オートクレーブ内で、スパーテル先端一杯分の10%パラジウム付着炭素の存在下にある、20mlのエタノールおよび3.4mlの1N塩酸の溶液中の0.5gの(7−ベンジル−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチルアミン(1.71mmol)を、50℃で6時間、7気圧の水素の下に置いた。触媒を濾別し、濾液を減圧下で濃縮した後、残渣を25mlのジクロロメタンおよびアンモニア水で塩基性化した25mlの水に溶解する。抽出の後、有機相を硫酸ナトリウムで脱水させて濾過し、減圧下で蒸発させる。このようにして0.28gの(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチルアミンが冷所で固化する油の形態で得られ、これを次段階でそのまま用いる。
【0045】
H NMR(400MHz,CDCl)δppm 7.36−7.13(m,5H)、4.24(s,1H)、3.49(t,J=4.8Hz,1H)、1.74−1.15(m,8H)。
融点=62−63℃
【0046】
1.4.N−[(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチル](2−クロロ−3−トリフルオロメチル)ベンズアミド塩酸塩(1:1)
25ml丸底フラスコ内で、0.26gの(2−クロロ−3−トリフルオロメチル)安息香酸(1.19mmol)、0.16gのヒドロキシベンゾトリアゾール(1.19mmol)および0.23gの1−[3(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.19mmol)を5mlのジクロロメタンに溶解し、この混合物を周囲温度で15分間撹拌する。2mlのジクロロメタンの溶液中の0.2g(1.0mmol)の(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチルアミンを添加し、この混合物を周囲温度で一晩撹拌する。
【0047】
次に、反応媒体を2mlのジクロロメタンで希釈した後、水(3ml)、1N水酸化ナトリウム(3ml)および塩化ナトリウムの飽和溶液(3ml)で連続的に洗浄する。
【0048】
有機相を硫酸ナトリウムで脱水させて濾過し、減圧下で蒸発させる。この残渣を、ジクロロメタンおよびアンモニア性メタノールの混合液で溶出を行って、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製する。このようにして260mgのN−[(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチル](2−クロロ−3−トリフルオロメチル)ベンズアミドが得られ、前記化合物はエーテル中での塩基の可溶化、過剰のエーテル中の1N塩酸の添加および減圧下での濃縮によって塩酸塩形態に塩化される。
【0049】
H NMR(300MHz,DMSO−d6)δppm 9.52(d,J=9Hz,1H)、9.32(m,1H)、8.92(m,1H)、7.96(m,2H)、7.65(m,1H)、7.55−7.30(m,5H)、5.69(d,J=9.1Hz,1H)、4.07(m,1H)、2.30−0.65(m,8H)。
融点=146.5−147.5℃
【実施例2】
【0050】
(化合物No.5):2−クロロ−N−[(7−エチル−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチル](3−トリフルオロメチル)ベンズアミド塩酸塩(1:1)
濃縮器が取り付けられた25ml丸底フラスコ内で、95mgのN−[(2−アザビシクロ[2.1.1]ヘクス−1−イル)フェニルメチル](2−クロロ−3−トリフルオロメチル)ベンズアミド(0.23mmol)を2mlのアセトニトリルおよび64mgの炭酸カリウムに入れ、そこに30μlのヨードエタン(0.36mmol)を添加する。この反応媒体を45℃で一晩、次いで50℃で3時間撹拌した後、減圧下で濃縮する。次に、残渣を10mlのジクロロメタンで希釈した後、水(5ml)で洗浄する。抽出の後、有機相を硫酸ナトリウムで脱水させて濾過し、減圧下で濃縮する。この残渣を、ジクロロメタンおよびアンモニア性メタノールの混合液で溶出を行って、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製する。このようにして90mgの2−クロロ−N−[(7−エチル−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチル](3−トリフルオロメチル)ベンズアミドが得られ、前記化合物はジクロロメタン中での塩基の可溶化、過剰のエーテル中の1N塩酸の添加および減圧下での濃縮によって塩酸塩形態で塩化される。
【0051】
H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 10.29(m,1H)、9.48(d,J=9.1Hz,1H)、8.12(m,J=8Hz,1H)、7.94(m,J=7.6Hz,1H)、7.71−7.31(m,6H)、5.68(d,J=9.3Hz,1H)、4.21(m,1H)、3.41−3.03(m,2H)、2.39−1.15(m,11H)。
融点=189.5−191.5℃
【実施例3】
【0052】
(化合物No.7):2−クロロ−N−[(7−メチル−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチル](3−トリフルオロメチル)ベンズアミド塩酸塩(1:1)
濃縮器を取り付けた25ml丸底フラスコ内で、0.09gのN−[(2−アザビシクロ[2.1.1]ヘクス−1−イル)フェニルメチル](2−クロロ−3−トリフルオロメチル)ベンズアミド(0.22mmol)および2mlのホルムアルデヒドを2mlのギ酸中に入れる。この反応混合物を100℃で72時間加熱する。冷却後、媒体を加水分解し、アンモニア水でpH9に塩基性化した後、ジクロロメタンで抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで脱水させて濾過し、減圧下で蒸発させる。このようにして70mgの2−クロロ−N−[(7−エチル−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチル](3−トリフルオロメチル)ベンズアミドが得られ、前記化合物はジクロロメタン中での塩基の可溶化、過剰のエーテル中の1N塩酸の添加および減圧下での濃縮によって塩酸塩形態に塩化される。
【0053】
H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ ppm 10.58(m,1H)、9.54(d,J=9.6Hz,1H)、8.26(m,J=7.4Hz,1H)、7.97(m,J=7.6Hz,1H)、7.75−7.33(m,7H)、5.71(d,J=9.4Hz,1H)、4.05(m,1H)、2.87(m,3H)、2.44−1.18(m,8H).
融点=244−246°C
【0054】
表に列挙される他の化合物は、実施例1から3に記述される方法に従い、一般式(IIa)もしくは(IIb)のアミン、一般式(VI)のリチウム化合物、一般式(III)のカルボン酸誘導体または適切であるアルキル化剤を用いて得られる。
【0055】
以下の表1は本発明の幾つかの化合物の化学構造を示す。
【0056】
「塩」欄において、「−」は塩基の形態にある化合物を示し、「HCl」は塩酸塩を示し、括弧の間の数字は(酸:塩基)比を示す;
R、RおよびR欄において:
−「Cl」は塩素を表し、
−「CH」はメチルを表し、
−「Ph」はフェニルを表し、
−「Bn」はベンジルを表し、
−「CF」はトリフルオロメチルを表し、
−「R」欄において、置換基の前の数字は一般式(I)における位置を示し、
−表中の化合物は水の1以上の分子と溶媒和する塩酸塩の形態にある。
【0057】
表1における化合物No.3および6は鏡像異性体の対を形成し、これはChirobiotic(登録商標)T2 5μmカラムおよび溶媒としての100/0.1/0.05 メタノール/トリエチルアミン/酢酸混合液を用いる調製用HPLCによって分離される。絶対立体化学はX線回折によって決定した。
【0058】
表2は表1の化合物の物理的特性、融点および旋光度を示す。
【0059】
表2において:
−[α20℃欄は、589nMの波長および20℃の温度での、表の化合物の旋光度の分析の結果に関する情報を示す。括弧の間に示される溶媒は度表示の旋光度の測定を行うのに用いた溶媒に相当し、文字「c」はg/100ml表示での溶媒の濃度を示す。「N.A.」は旋光度測定が適用不可であることを意味し、
−「m/z」欄は、ポジディブESIモードのAgilent LC−MSD Trap機器で実施されるLC−MS(質量分析法に連結された液体クロマトグラフィー)により、または、DCI−NH技術もしくはWaters GCT機器での電子衝突技術を用いる、Autospec M(EBE)機器でのMS(質量分析法)による直接導入によって、質量分析法による生成物の分析により観察される分子イオン(M+H)または(M)に関する情報を示す。
【0060】
【表1】


【0061】
【表2】

【0062】
本発明の化合物に一連の薬理学的試験を施したところ、これらは治療活性を有する物質としてのこれらの利点を示した。
【0063】
天然ヒト輸送体glyt1を発現するSK−N−MC細胞におけるグリシン輸送体の研究
天然ヒト輸送体glyt1を発現するSK−N−MC細胞(ヒト神経上皮細胞)において、試験化合物の存在または不在下において取り込まれた放射能を測定することにより、[14C]グリシン取り込みを研究する。細胞を、0.02%フィブロネクチンで予備処理したプレート内で、単層において48時間培養する。実験の当日、培養培地を除去し、細胞をpH7.4のKrebs−HEPES([4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン]−1−エタンスルホン酸)バッファで洗浄する。バッファ(対照バッチ)、または様々な濃度の試験化合物、または10mMグリシン(非特異的取り込みの決定)の存在下、37℃で10分間の予備インキュベーションの後、10μM[14C]グリシン(比活性112mCi/mmol)を添加する。37℃で10分間インキュベーションを継続し、pH7.4のKrebs−HEPESバッファで2回洗浄することによって反応を停止させる。100μlの液体シンチラントを添加して1時間撹拌した後、細胞によって取り込まれた放射能を見積もる。カウントはMicrobeta Tri−lux(商標)カウンターで行う。グリシンの特異的取り込みを50%減少させる化合物の濃度であり、対照バッチおよび10mMのグリシンを受容したバッチによって取り込まれる放射能の差によって定義される、IC50によって化合物の有効性を決定する。
【0064】
本発明の化合物は、この試験において、0.001から10μMのオーダーのIC50を有する。
【0065】
表3は本発明による化合物のIC50の結果の幾つかの例を示す。
【0066】
【表3】

【0067】
一般式(I)における本発明のキラル化合物およびこれらのラセミ化合物に対して行われた試験の結果は、これらが脳内に存在するglyt1グリシン輸送体の阻害剤であることを示す。
【0068】
これらの結果は、本発明の化合物を、神経変性性疾患、認知症に関連する認知および/または行動障害の治療;精神病、特に、統合失調症(欠損形態および産出形態)、神経弛緩薬によって誘導される急性または慢性錐体外路症状の治療;様々な形態の不安、パニック発作、恐怖症、強迫性障害の治療;精神病的うつを含む様々な形態のうつの治療;双極性障害、躁病、気分障害の治療;アルコール中毒またはアルコール離脱による障害、性行動障害、摂食障害、片頭痛の治療;疼痛;睡眠障害に用いることができることを示唆する。
【0069】
従って、本発明による化合物は医薬、特に、glyt1グリシン輸送体を阻害する医薬の調製に用いることができる。
【0070】
従って、本発明の態様の別のものによると、これらの主題は、式(I)の化合物または医薬的に許容される酸との後者の付加塩、さもなければ式(I)の化合物の水和物もしくは溶媒和物を含む医薬である。
【0071】
本発明の主題は、医薬的に許容される塩基、塩または溶媒和物の形態にある、有効用量の少なくとも1種類の本発明による化合物を、適切であるならば適切な賦形剤との混合物として、含有する医薬組成物でもある。
【0072】
前記賦形剤は医薬形態および所望の投与方法に従って選択される。
【0073】
従って、本発明による医薬組成物は経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、局所、気管内、鼻内、経皮、直腸または眼内投与を意図することができる。
【0074】
単位投薬形態は、例えば、錠剤、ゲルカプセル、顆粒、粉末、経口もしくは注射用溶液もしくは懸濁液、パッチまたは座剤であり得る。局所投与には、軟膏、ローションおよび洗眼液を考えることができる。
【0075】
前記単位形態は、本草薬形態に依存して、体重kgあたり0.01から20mgの活性成分の1日投与が可能となるような用量を含有する。
【0076】
錠剤を調製するため、希釈剤、例えば、ラクトース、微結晶セルロースまたはデンプンで構成され得る医薬担体、並びに配合添加物、例えば、結合剤(ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、流動剤、例えば、シリカ、および潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、グリセリルトリベヘネートまたはステアリルフマル酸ナトリウムを微粒子化されていてもいなくてもよい活性成分に添加する。湿潤剤または表面活性剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムを添加することもできる。
【0077】
調製技術は直接圧縮、乾式造粒、湿式造粒またはホットメルト法であり得る。
【0078】
錠剤はコートされていなくても、例えばスクロースで、糖衣されていても、または様々なポリマーもしくは他の適切な材料でコートされていてもよい。これらは、ポリマー材料またはコーティング中に用いられる特定のポリマーのおかげで活性成分の急速、遅延または持続放出が可能となるように設計することができる。
【0079】
ゲルカプセルを調製するため、活性成分を乾燥医薬担体と混合するか(単純混合、乾式もしくは湿式造粒、またはホットメルト法)、または液体もしくは半固体医薬担体と混合する。
【0080】
ゲルカプセルはハードであってもソフトであってもよく、場合により、(例えば、腸溶形態用に)急速、持続または遅延活性を有するようにフィルムコートされていてもよい。
【0081】
シロップもしくはエリキシルの形態にあり、または液滴の形態で投与するための組成物は、活性成分を甘味料、好ましくは、カロリーフリー甘味料、防腐剤としてのメチルパラベンまたはプロピルパラベン、調味料および着色料と共に含有することができる。
【0082】
水分散性粉末および顆粒は、分散剤もしくは湿潤剤との、または分散剤、例えば、ポリビニルピロリドンに加えて甘味料および香味修正剤との、混合物として活性成分を含有することができる。
【0083】
直腸投与には、直腸温度で溶融する結合剤、例えば、カカオ脂またはポリエチレングリコールで調製される座剤を頼りにしなければならない。
【0084】
非経口投与には、薬理学的に適合する分散剤および/または湿潤剤、例えば、プロピレングリコールまたはブチレングリコールを含む水性懸濁液、等張生理食塩溶液または注射用無菌溶液が用いられる。
【0085】
活性成分は、場合により1以上の支持体もしくは添加物を含み、さもなければポリマーマトリックスまたはシクロデキストリン(パッチ、徐放性形態)を含む、マイクロカプセルの形態で配合することもできる。
【0086】
本発明による局所組成物は皮膚に適合する媒体を含む。これらは、特に、水性、アルコール性もしくは水性−アルコール性溶液、ゲル、クリームもしくはゲルの外見を有する油中水もしくは水中油エマルジョン、マイクロエマルジョン、エアロゾルの形態、さもなければイオン性および/もしくは非イオン性脂質を含有する小胞分散体の形態で提供することができる。これらの本草薬形態は考慮中の分野における通常の方法に従って調製される。
【0087】
例として、錠剤形態にある本発明による化合物の単位投薬形態は以下の成分を含むことができる:
本発明による化合物 50.0mg
マンニトール 223.75mg
ナトリウムクロスカルメロース 6.0mg
トウモロコシデンプン 15.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.25mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0mg
【0088】
経口投与するとき、1日あたりに投与される活性成分の用量は1回以上の摂取で0.1から20mg/kgに到達し得る。
【0089】
より多くの、またはより少ない投薬量が適切である特定の場合が存在することがあり、このような投薬量が本発明の脈絡を逸脱していることはない。通常の実務に依存して、各々の患者に適する投薬量は医師によって投与方法並びに前記患者の体重および応答に依存して決定される。
【0090】
この態様の別のものによると、本発明は、上に示される病理の治療方法であって、患者に有効用量の本発明による化合物またはこれらの医薬的に許容される塩を投与することを含む方法にも関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩基の形態または酸との付加塩の形態にある一般式(I)の化合物
【化1】

(式中:
−Rは水素原子または、ハロゲン原子並びに(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルケニル、フェニル、(C−C)アルコキシ並びにヒドロキシル基から互いに独立に選択される1以上の基で場合により置換される、基(C−C)アルキルおよび(C−C)シクロアルキルを表し;フェニル基は1以上の(C−C)アルコキシ基で場合により置換され;
−Rは、ハロゲン原子並びに(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ−(C−C)アルキル、ヒドロキシル、ハロ−(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキル−チオ、(C−C)アルキル−SOおよび(C−C)アルキル−SO基から互いに独立に選択される1以上の置換基で場合により置換される、フェニルまたはナフチル基を表し;
−Rは、水素原子、ハロゲン原子並びにハロ−(C−C)アルキル、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキル−チオ、(C−C)アルキル−SOおよび(C−C)アルキル−SO基から選択される1以上の置換基を表す。)。
【請求項2】
Rが水素原子または(C−C)アルキルもしくはベンジル基を表し;
およびRが請求項1において定義される通りである、
ことを特徴とする、塩基の形態または酸との付加塩の形態にある請求項1に記載の一般式(I)の化合物。
【請求項3】
がフェニル基を表し;
RおよびRが請求項1において定義される通りである、
ことを特徴とする、塩基の形態または酸との付加塩の形態にある請求項1に記載の一般式(I)の化合物。
【請求項4】
が水素原子、ハロゲン原子およびハロ−(C−C)アルキルまたは(C−C)アルキル基から選択される1以上の置換基を表し;
RおよびRが請求項1において定義される通りである、
ことを特徴とする、塩基の形態または酸との付加塩の形態にある請求項1に記載の一般式(I)の化合物。
【請求項5】
Rが水素原子または(C−C)アルキルもしくはベンジル基を表し;
がフェニル基を表し;
が水素原子、ハロゲン原子およびハロ−(C−C)アルキルまたは(C−C)アルキル基から選択される1以上の置換基を表す、
ことを特徴とする、塩基の形態または酸との付加塩の形態にある請求項1に記載の一般式(I)の化合物。
【請求項6】
Rが水素原子またはメチル、エチルもしくはベンジル基を表し;
がフェニル基を表し;
が水素原子、塩素原子およびメチル、エチルまたはトリフルオロメチル基から選択される1以上の置換基を表し、
塩基の形態または酸との付加塩の形態にある。
【請求項7】
以下から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の化合物:
・N−[(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチル](2−メチル−3−トリフルオロメチル)ベンズアミド;
・N−[(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチル](2,6−ジクロロ−3−トリフルオロメチル)ベンズアミドおよびこれらの塩酸塩;
・(−)−N−[(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチル](2,6−ジクロロ−3−トリフルオロメチル)ベンズアミドおよびこれらの塩酸塩;
・N−[(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチル](2−クロロ−3−トリフルオロメチル)ベンズアミドおよびこれらの塩酸塩;
・2−クロロ−N−[(7−エチル−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチル](3−トリフルオロメチル)ベンズアミドおよびこれらの塩酸塩;
・(+)−N−[(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチル](2,6−ジクロロ−3−トリフルオロメチル)ベンズアミドおよびこれらの塩酸塩;
・2−クロロ−N−[(7−メチル−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチル]−3−トリフルオロメチルベンズアミドおよびこれらの塩酸塩;
・N−[(7−ベンジル−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチル]−(2−メチル−3−トリフルオロメチル)ベンズアミドおよびこれらの塩酸塩;
・N−[(7−ベンジル−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチル](2−クロロ−3−トリフルオロメチル)ベンズアミドおよびこれらの塩酸塩;
・N−[(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル)フェニルメチル](2−クロロ−3−エチル)ベンズアミド,
およびこれらの塩酸塩。
【請求項8】
請求項1に記載の一般式(I)の化合物の調製方法であって、一般式(II)の化合物
【化2】

(式中、RおよびRは請求項1に従って定義される。)
を一般式(III)の化合物
【化3】

(式中、Yは脱離基またはハロゲン原子を表し、Rは請求項1に従って定義される。)
と反応させることを特徴とする、方法。
【請求項9】
一般式(II)の化合物
【化4】

(式中、RおよびRは請求項1において定義される通りである。)。
【請求項10】
請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物または医薬的に許容される酸とのこの化合物の付加塩を含むことを特徴とする、医薬。
【請求項11】
請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはこの化合物の医薬的に許容される塩および、その上、少なくとも1種類の医薬的に許容される賦形剤を含むことを特徴とする、医薬組成物。
【請求項12】
神経変性性疾患;認知症に関連する認知および/または行動障害を治療するための医薬の調製への、請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項13】
精神病、統合失調症(欠損形態および産出形態)および神経弛緩薬によって誘導される急性または慢性錐体外路症状を治療するための医薬の調製への、請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項14】
様々な形態の不安、パニック発作、恐怖症および強迫性障害を治療するための医薬の調製への、請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項15】
精神病的うつを含む様々な形態のうつの治療;双極性障害、躁病、気分障害の治療;アルコール中毒またはアルコール離脱による障害、性行動障害、摂食障害および片頭痛の治療のための医薬の調製への、請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項16】
疼痛を治療するための医薬の調製への、請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項17】
睡眠障害を治療するための医薬の調製への、請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項18】
神経変性性疾患;認知症に関連する認知および/または行動障害を治療するための、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
精神病、統合失調症(欠損形態および産出形態)および神経弛緩薬によって誘導される急性または慢性錐体外路症状を治療するための、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
様々な形態の不安、パニック発作、恐怖症および強迫性障害を治療するための、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
精神病的うつを含む様々な形態のうつの治療;双極性障害、躁病、気分障害の治療;アルコール中毒またはアルコール離脱による障害、性行動障害、摂食障害および片頭痛の治療のための、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
疼痛を治療するための、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
睡眠障害を治療するための、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物。

【公表番号】特表2012−523448(P2012−523448A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505205(P2012−505205)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【国際出願番号】PCT/FR2010/050711
【国際公開番号】WO2010/119222
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(504456798)サノフイ (433)
【Fターム(参考)】