説明

Oリング取付け装置およびOリング取付け方法

【課題】Oリング取付け溝よりも周径の長いOリングを自動取付けする。
【解決手段】
ワークに設けられた環状のOリング取付け溝に自転ローラでOリングを押し込みながら、取付け溝と自転ローラとを相対移動させ、自転ローラでOリングを押込んでいく押込み点を移動させることによって、Oリング取付け溝の径よりも径の大きいOリングを押し縮めながら取付け溝に取付ける作業を自動化する。押込み点において、自転ローラの外周の自転方向と、押込み点が取付け溝に沿って相対移動する方向とは互いに逆方向であり、かつ、押込み点が取付け溝に沿って移動する速度よりも、自転ローラの自転する自転速度の方が大きいので、Oリングを押し縮めながら取付けることができ、取付け溝よりも周径の長いOリングを均一に自動取付けできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークに設けられているOリング取付け溝(以下では取付け溝という)にOリングを取付ける装置とそのOリングの取付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ワークに設けられている取付け溝にOリングを取付ける作業は、一般的には手作業で行われている。手作業でOリングを取付ける場合、指先で取付け溝に少しずつOリングを挿入し、全体を調えて取付けられるため、手間と時間がかかっていた。
【0003】
取付け溝にOリングを自動的に取付ける装置が開発されてはいる。特許文献1に、Oリング取付け装置が開示されている。この取付け装置は、図9に示すように、筒状のワークの内側に形成されている取付け溝にOリングを押込んで取付ける。
このOリング取付け装置では、3本の円柱状の押込み部材51、52、53の周りにOリング55を張架する。その状態で押込み部材51、52を自転させる。すると取付け溝にOリング55が押込まれる。Oリング55を押込んだ後、図9(b)に示すように、3本の押込み部材51、52、53を取付け溝に沿って公転させる。その公転運動によって、取付け溝に取付けたOリングの偏りを均一化する。
【特許文献1】特開昭59−24928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のOリング取付け装置は、Oリングを伸張させながら取付け溝に取付けることはできても、Oリングを押し縮めながら取付け溝に取付けることはできない。取付け溝の径よりも径の大きいOリングを取付ける場合、特許文献1に記載された技術を用いると、Oリングが取付け溝に対して余ってしまう。取付け溝の径よりも径の大きいOリングを取付ける場合には、依然として手作業で取付けを行う必要があった。
【0005】
本発明は、取付け溝の径よりも径の大きいOリングを押し縮めながら取付け溝に取付ける作業を自動的に実施できるOリング取付け装置およびOリング取付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、Oリング取付け溝にOリングを押込むローラの自転運動と同時に取付け溝と自転ローラとを移動させ、自転ローラでOリングを押込んでいく点(以後、押込み点という)を移動させることによって、Oリング取付け溝の径よりも径の大きいOリングを押し縮めながら取付け溝に取付ける作業を自動化する。
【0007】
本発明のOリング取付け装置は、ワークの取付け溝にOリングを押込む位置で自転する自転ローラと、自転ローラでOリングを押込んでいく押込み点が取付け溝に沿って移動するようにワークと自転ローラを相対移動させる移動機構を備えている。
【0008】
本発明では、押込み点での自転ローラの外周の自転方向と、押込み点が取付け溝に沿って相対移動する方向は、互いに逆方向となるように設定されている。例えば、環状のワークの内側の壁に設けられた取付け溝に対して、環状のワークの内壁面近傍において取付け溝と同一平面状で円柱形状の自転ローラが反時計方向に自転しながらOリングを取付け溝に押し込んで取り付ける場合、図8に示すように、半径rの自転ローラ1を角速度ωで反時計方向に自転させ、押込み点Pが取付け溝(半径r)に沿って時計回りに角速度ωの回転運動をするように、ワークと自転ローラの少なくとも一方を移動させることで、押込み点での自転ローラの外周の自転方向と、押込み点Pが取付け溝に沿って相対移動する方向が互いに逆方向となるようにできる。取付け溝にOリングを押込む位置で自転ローラが自転することで、取付け溝にOリングを押込む。押込み点を通過したOリングは、取付け溝への押し込みが完了した状態となっている。本発明の取付け装置では、押込み点での自転ローラの外周の自転方向と、押込み点が取付け溝に沿って相対移動する方向を逆方向にすることで、押込み点が前進していく。すなわち、押込み前のOリングが連続的に取付け溝に押込まれていく。
【0009】
本発明のOリング取付け装置では、押込み点が取付け溝に沿って移動する速度よりも自転ローラの自転する自転速度の方が大きい関係に設定されている。例えば、図8の場合、押込み点における自転ローラの自転する自転速度は、自転ローラ1の外周の押込み点における接線方向にrωとなる。押込み点Pが取付け溝に沿って移動する速度は、ワーク7の内周にある取付け溝の接線方向にrωとなる。この場合、rω>rωとなるようにする。この関係に設定されていると、Oリングを押し縮めながら取付け溝に押込むことができる。取付け溝の径よりも大径のOリングを取付け溝に自動的に取付けることができる。
【0010】
また本発明では、自転ローラのOリングと接触する表面に摩擦力を付与する滑り止め部が設けられていることが好ましい。滑り止め部を設けることで、自転ローラとOリングの間の滑りが抑制され、より確実にOリングを押し縮めながら取り付け溝に押込むことが可能となる。
【0011】
また、本発明では、取付け溝の径よりも径の大きいOリングを押し縮めながら取付け溝に取付けるOリング取付け方法を提供できる。本発明のOリング取付け方法では、ワークの取付け溝にOリングを押込む位置で自転ローラを自転させ、自転ローラでOリングを押込んでいく押込み点が、取付け溝に沿って移動するように、ワークと自転ローラを相対移動させ、取付け溝に沿ってOリングを順次押込んで取付ける。さらに、押込み点での自転ローラの外周の自転方向と、押込み点が取付け溝に沿って相対移動する方向が互いに逆方向であり、かつ、押込み点が取付け溝に沿って移動する速度よりも、自転ローラの自転する自転速度を大きくし、Oリングをその周方向に縮めながら取付け溝に順次押込んで取付ける。これによって、取付け溝の径よりも径の大きいOリングを押し縮めながら取付け溝に取付ける作業を効率的に実施できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、取付け溝の径よりも径の大きいOリングを押し縮めながら取付け溝に取付ける作業を自動的に実施することが可能となる。Oリングの取付け作業の能率が向上する。また、Oリングの圧縮状態を周方向に均一化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に説明する実施例の主要な特徴を以下に列記する。
(特徴1)自転ローラのOリングと接触する表面にはOリングの滑り止め機構が設けられている。
(特徴2)その滑り止め機構は、局所的にOリングに食い込むが、Oリングを傷つけないだけの円滑度を持った凹凸を備えている。
(特徴3)環状のワークの内面に形成された取付け溝にOリングを取り付ける。
(特徴4)ワークの平坦面に形成された環状の取付け溝にOリングを取り付ける。
【実施例】
【0014】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。本実施例のOリング取付け装置20は、図1に示すように、ワーク7を載せる取付け台5、自転ローラ1、自転ローラ1を自転させる駆動手段としての自転モータ3、自転ローラ1をワークの半径方向に移動させるシリンダ4、移動機構2、制御装置6によって構成されている。本実施例では、移動機構2は、ワーク7を回転させる。制御装置6は、移動機構2、自転モータ3、シリンダ4を制御する。
【0015】
図2に示すように、取付け台5には、環状のワーク設置溝10が形成されている。ワーク7は環状であり、環状のワーク設置溝10は環状のワーク7を受け入れる形状をしている。環状のワーク7の内側の壁には、Oリング取付け溝9が形成されている。ワーク設置溝10の深さは、環状のワーク7を環状のワーク設置溝10に設置したときに取付け台5の上面とワーク7の取付け溝9の下端が同じ高さに揃う深さに調整してある。環状のワーク設置溝10の壁面は低摩擦係数となるように仕上げられており、環状のワーク7が環状のワーク設置溝10の中で軽く回転できるように設定されている。
【0016】
図1に示すように、移動機構2は、ワーク設置溝10に設置されているワーク7を抑えるプッシャ13を備えている。プッシャ13は、ロボットハンド18に取付けられている。ロボットハンド18は、プッシャ13を環状のワーク設置溝10に沿って回転運動させるようにティーチングされている。ロボットハンド18が環状のワーク設置溝10に沿ってプッシャを回転させると、プッシャ13によって押付けられている環状のワーク7は、環状のワーク設置溝10に案内された状態で回転する。
【0017】
図2に示すように、取付け台5には長穴12が設けられている。長穴12は、環状のワーク設置溝10に設置される環状のワーク7の径方向に伸びている。自転ローラ1は、取付け台5の上方に配置されており、自転ローラ1の回転軸11は、長穴12を貫通して取付け台5の下方に至り、自転モータ3に接続されている。シリンダ4は、自転ローラ1と回転軸11と自転モータ3の全体を、長穴12に沿って移動させる。自転ローラ1がOリングと接触する表面(円柱状の自転ローラの側面)には、滑り止め14が設けられており、Oリングと自転ローラ1の間に滑りが生じにくくしている。本実施例では、滑り止めのためにローレット加工が施されている。
【0018】
図3(a)は、図1に示したOリング取付け装置の取付け台5の平面図である。図3(a)に示すように、取付け台5の中心から外側に向かって長穴12が形成されており、取付け台5の下部に設置されたシリンダ4によって、長穴12に沿って自転ローラ1および自転モータ3が移動する。
【0019】
次に、本実施例のOリング取付け装置の運転方法および作用効果について説明する。最初に、図3(a)に示すように、ワーク設置溝10にワーク7を設置する。このときには、自転ローラ1が長穴12の取付け台5の中央側に位置し、ワーク7から最も遠ざかった状態となっている。
【0020】
次に、図3(b)に示すように、ワーク7と自転ローラ1との間にOリング8の一部が位置するように、Oリング8を取付け台5上に設置する。尚、この作業は、ロボットハンド等を用いて自動で行うことも可能である。例えば、Oリング8の一部をチャック等でつまんで取付け台5にOリング8の下端が触れる高さで吊り下げて持ち、長穴12に沿って取付け台5の外側から内側に向けて移動しながら、自転ローラ1にOリング8を引っ掛けてから取付け台5の上にOリング8を置く。これによって、ワーク7と自転ローラ1との間にOリング8の一部が位置するようにOリング8を取付け台5上に設置できる。
【0021】
Oリング8を設置した後、Oリング取付け装置の運転を開始する。図3(c)に示すように、制御装置6は、シリンダ4を制御して、自転ローラ1および自転モータ3を長穴12に沿ってワーク7の方向に移動させる。これによって、Oリング8の一部が、ワーク7の取付け溝9内に押込まれる。
【0022】
本実施例では、ワーク7の内周面と自転ローラ1の外周面との間に僅かな間隔が形成される位置にまで自転ローラ1を径方向に移動させる。ワーク7の内周面と自転ローラ1の外周面との距離が離れすぎていると取付け溝9にOリング8を押込むことができない。ワーク7の内周面に自転ローラ1の外周面が押し付けられると、磨耗が懸念される。取付けを行うOリングと取付け溝に応じて、ワーク7の内周面と自転ローラ1の外周面との間の距離に関する適切な値を制御装置6に設定しておく。この位置において、自転ローラが回転し、ワークの取付け溝9にOリング8が押込まれる。
【0023】
次に、自転ローラ1を自転させ、同時にワーク7を回転させながら、Oリング8を取付け溝9に取付けていく。尚、以下に説明する回転運動の方向(時計方向、反時計方向)は、取付け台5を上面から見た方向である。図4(a)に示すように、半径がrである自転ローラ1を自転モータ3によって反時計方向に角速度ω(ω>0)で回転させる。自転ローラの自転する自転速度は、rωである。一方、ロボットハンド18によって、内径がrであるワーク7を反時計方向に角速度ω(ω>0)で回転させる。
【0024】
本実施例では、自転ローラ1の外周が自転する自転速度rωと、ワーク7の回転によってワーク7の内周に設けられた取付け溝9が自転する速度rωが、rω>rωの関係を満たすように、自転モータ3と移動機構2とを制御する。
【0025】
このように、ワーク7を回転させながら自転ローラ1を自転させることによってOリング8が連続的に取付け溝9に押し縮められて取付けられる。自転ローラ1でOリングを押込んでいく押込み点を通過したOリング8は、取付け溝9への押し込みが完了した状態となっている。
【0026】
図4(b)に示すように、ワーク7が反時計方向に回転することによって、押込み点が、Aの位置からBの位置に移動する。押込み点はワーク7と逆の時計方向に半径r、角速度ωの回転運動を行う。すなわち、押込み点での自転ローラ1の外周の自転方向と、押込み点が取付け溝9に沿って相対移動する方向が互いに逆方向となる。Aの位置からBの位置に移動するまでの時間が単位時間であるとすると、曲線ABの長さは押込み点が取付け溝9に沿って相対移動する速度rωに等しい。一方その間に、自転ローラ1の外周面は、rωの距離だけ自転する。自転ローラ1とOリングの間に滑りが無ければ、rωの長さのOリング8をAB間に押込む。すなわち、単位時間当りにrωの長さのOリング8をrωの長さの取付け溝9に押込む。上述したように、rω>rωであるから、rωの長さのOリングがrωの長さに押し縮められながら取付け溝9に取付けられる。
【0027】
自転ローラ1とOリング8の間に滑りが無ければ、自転ローラ1がワーク7に対して1周するのに要する時間と、自転ローラ1の周面がOリングの全長を送りこむのに要する時間が等しければよい。すなわち、ワーク7の内周をL、取付前のOリングの内周をLとした場合、L/rω=L/rωであればよい。実際には、Oリングの弾性やOリングと自転ローラ1との滑りなどの影響を考慮して、実験的に適切な取付けが可能な回転速度をそれぞれ求めることとなる。
【0028】
押込み点が取付け溝9に沿って1周するのに要する期間に亘って自転ローラ1の自転による周速度を積分することで得られる距離が、取付け前のOリングの周長以上に設定されていれば、自転ローラ1が取付け溝9に沿って1周し終えたときに、押込み前のOリングが残らないようにすることができる。
【0029】
ワーク7を回転させる代わりに、例えば、図5に示すように、自転ローラ1の自転軸をワーク7の内周方向に沿って移動させてもよい。あるいは、自転ローラ1の自転軸とワーク7の両者を移動させて自転ローラ1をワーク7の取付け溝9に沿って相対的に移動させてもよい。具体的には、自転ローラ1が自転する方向の角速度ωを正として、移動機構2によってワーク7の取付け溝9が自転する角速度をω、自転ローラ1が取付け溝9に沿って移動する回転運動の角速度をωとしたとき、取付け溝9にOリングを押込んでいく押込み点での自転ローラ1の外周の自転する自転速度はrωとなり、押込み点が取付け溝9に沿って移動する速度はr(ω−ω)となるから、自転ローラ1の外周の自転する自転速度rωについてrω>r(ω−ω)>0を満たしていれば、Oリングを押し縮めながら取付け溝9に取付けることが可能となる。尚、図5では、ω=0とした場合、すなわちワーク7を回転させない場合を示しているから、上記の式によればω<0となり、自転ローラ1は、自転の方向と取付け溝9に沿って移動する回転運動の方向が逆になっている。
【0030】
本実施例のOリング取付け装置は、環状のワークの内側に設けられた取付け溝が水平面上に設置された状態でOリングを取付けたが、Oリングを押し縮めながら取付ける場合であれば、ワークの形態や設置の向き、取付け溝の位置が異なっても、同様に取付けが可能である。押込み点での自転ローラの外周の自転方向と、押込み点が取付け溝に沿って相対移動する方向が互いに逆方向であり、かつ、押込み点が取付け溝に沿って移動する速度よりも、自転ローラの自転する自転速度の方が大きくなるように、自転ローラを自転させれば、Oリングを押し縮めながら取付けることが可能である。
【0031】
例えば、図6(a)のように環状の取付け溝が鉛直平面上になった状態で設置されたワークにOリングの取付けを行う場合には、図6(b)のように、自転軸の一部にOリングを係止するくぼみを有する自転ローラを用い、図6(c)に示すように、くぼみと取付け溝との位置を合わせた状態で自転ローラを半回転することで、Oリングを取付け溝に押し込むことができる。次に、図6(d)に示すように、自転ローラを水平方向に動かして、くぼみのない部分を用いて、同様にOリングを取付けるようにすればよい。例えば、図6(d)において、半径rの円柱状の自転ローラ1を角速度ωで自転させ、内周の半径がrであるワーク7を自転ローラ1の自転方向と同じ方向に角速度ωで回転させて、rω>rωとすることで、Oリングを押し縮めながら取付けることが可能である。
【0032】
また、例えば、図7に示すように取付け溝が鉛直方向に掘り下げてある場合にも、本実施例と同様の方法でOリングを押し縮めながら取付けることができる。例えば、図7のように自転ローラ1の外周面で上面から押さえて、矢印の方向に半径rの自転ローラ1を角速度ωで自転させ、半径がrである取付け溝9が設けられたワーク7を角速度ωで回転させれば、取付け溝にOリングを押込んでいく押込み点における自転ローラの外周の周速度と、押込み点が取付け溝に沿って相対的に回転移動する周速度が逆方向となる。すなわち、押込み点での自転ローラの外周の自転方向と、押込み点が取付け溝に沿って相対移動する方向が逆方向となる。さらに、自転ローラ1の自転する自転速度rωおよび押込み点が取付け溝9に沿って移動する速度rωについてrω>rωとすれば、Oリングを押し縮めながら取付けることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】実施例のOリング取付け装置の構成図。
【図2】実施例の取付け溝と取付け台との位置関係を説明する図。
【図3】実施例の取付け台の平面図。図3(a)は装置の運転前の状態であって、図3(b)はOリングを置いた状態であって、図3(c)はOリングの一端を取付け溝に取付けた状態である。
【図4】実施例の取付け操作を説明する図。図4(a)はワークと自転ローラの回転運動を説明する図であって、図4(b)はOリングの取付けを説明する図である。
【図5】変形例の取付け操作を説明する図。
【図6】変形例の取付け操作を説明する図。図6(a)は変形例で用いたワークの図であって、図6(b)および図6(c)はOリングの一端を取付け溝に取付ける操作を説明する図であって、図6(d)はOリング全体の取付けを説明する図である。
【図7】変形例の取付け操作を説明する図。
【図8】回転運動における回転方向と周速度の方向を説明する図。
【図9】従来例のOリング取付け装置の概念図。図9(a)は押し込み操作を示しており、図9(a)は偏り抑制操作を示している。
【符号の説明】
【0034】
1 自転ローラ
2 移動機構
3 自転モータ
4 シリンダ
5 取付け台
6 制御装置
7 ワーク
8 Oリング
9 取付け溝
10 ワーク設置溝
11 回転軸
12 長穴
13 プッシャ
14 滑り止め機構
18 ロボットハンド
20 Oリング取付け装置
51、52、53 ワーク押し込み材
54 ワーク
55 Oリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークの取付け溝にOリングを押込む位置で自転する自転ローラと、
前記自転ローラでOリングを押込んでいく押込み点が、前記取付け溝に沿って移動するように、前記ワークと前記自転ローラを相対移動させる移動機構を備えており、
前記押込み点での前記自転ローラの外周の自転方向と、前記押込み点が前記取付け溝に沿って相対移動する方向が互いに逆方向であり、かつ、前記押込み点が前記取付け溝に沿って移動する速度よりも、前記自転ローラの自転する自転速度が大きくなるように、前記自転ローラを駆動手段で自転させることを特徴とするOリング取付け装置。
【請求項2】
前記自転ローラには、Oリングと接触する表面に摩擦力を付与する滑り止め部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のOリング取付け装置。
【請求項3】
ワークの取付け溝にOリングを押込む位置で自転する自転ローラを自転させ、
前記自転ローラでOリングを押込んでいく押込み点が、前記取付け溝に沿って移動するように、前記ワークと前記自転ローラを相対移動させ、前記取付け溝に沿って前記Oリングを順次押込んで取付けるOリング取付け方法であって、
前記押込み点での前記自転ローラの外周の自転方向と、前記押込み点が前記取付け溝に沿って相対移動する方向が互いに逆方向であり、かつ、前記押込み点が前記取付け溝に沿って移動する速度よりも、前記自転ローラの自転する自転速度を大きくし、前記Oリングをその周方向に縮めながら前記取付け溝に順次押込んで取付けることを特徴とするOリング取付け方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−76037(P2010−76037A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246524(P2008−246524)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】