説明

OFDM方式を用いた送信信号生成方法及び送信信号生成装置

【課題】データの伝送速度、伝送品質の両立をはかること。
【解決手段】OFDM方式を用いて生成された変調信号を、複数のアンテナを有する送信装置が複数の端末に対して送信するための送信信号生成方法または送信信号生成装置であって、前記複数のアンテナの中から前記複数の端末の各々への送信に使用するべきアンテナを選択し、複数のキャリア群の各々のフレーム構成として、1つの変調信号が送信される第1のフレーム構成、又は、複数の変調信号が前記選択されたアンテナを用いて送信される第2のフレーム構成を選択し、選択されたフレーム構成を用いて、前記複数のキャリア群に割り当てられた送信データを、同一期間に送信するための送信信号を生成する。すなわち、通信相手である各端末に応じてフレーム構成を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ODFM方式を用いて生成された変調信号を送信する基地局などの送信装置における、送信信号生成方法及び送信信号生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図60は、従来の無線送信装置および受信装置の構成の一例示すブロック図である。変調信号生成部02は、送信ディジタル信号01を入力とし、変調信号03を出力する。
【0003】
無線部04は変調信号を入力とし、送信信号05を出力する。
【0004】
電力増幅部06は、送信信号05を入力とし、送信信号05を増幅し、増幅された送信信号07を出力し、増幅された送信信号07はアンテナ08から電波として出力される。
【0005】
無線部11は、アンテナ09から受信した受信信号10を入力とし、受信直交ベースバンド信号12を出力する。
【0006】
復調部13は、受信直交ベースバンド信号12を入力とし、受信ディジタル信号14を出力する。
【0007】
たとえば、非特許文献1に示す無線通信方法がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】“MIMOチャネルにより100Mbit/sを実現する広帯域移動通信用SDM−COFDM方式の提案”電子情報通信学会、信学技報RCS−2001−135、2001年10月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の装置においては、複数の変調信号を多重していない。また、送信装置で複数の変調信号を多重して送信すると、受信装置では、送信された多重変調信号を分離、復調する際、高精度の分離、復調を行う必要があるという問題がある。
【0010】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、送信装置から複数の変調信号が多重されて送信された場合においても、データの伝送速度、伝送品質の両立をはかることのできる、送信信号生成方法及び送信信号生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の送信信号生成方法の一つの態様は、OFDM方式を用いて生成された変調信号を、複数のアンテナを有する送信装置が複数の端末に対して送信するための送信信号生成方法であって、複数のキャリア群に対して、前記複数の端末宛の送信データを割り当て、前記複数のキャリア群の各々は複数のキャリアを含むものであり、前記複数のアンテナの中から、前記複数の端末の各々への送信に使用するべきアンテナを選択し、前記複数のキャリア群の各々のフレーム構成として、1つの変調信号が送信される第1のフレーム構成、又は、複数の変調信号が前記選択されたアンテナを用いて送信される第2のフレーム構成を選択し、選択されたフレーム構成を用いて、前記複数のキャリア群に割り当てられた送信データを、同一期間に送信するための送信信号を生成する。
【0012】
本発明の送信信号生成装置の一つの態様は、OFDM方式を用いて生成された変調信号を、複数のアンテナのうちの少なくとも1本以上のアンテナを用いて、複数の端末に対して送信するための送信信号を生成する送信信号生成装置であって、前記複数のアンテナの中から、前記複数の端末の各々への送信に使用するべきアンテナを選択するアンテナ選択部と、複数のキャリア群に対して、前記複数の端末宛の送信データを割り当て、前記複数のキャリア群の各々は複数のキャリアを含むものであり、前記複数のキャリア群の各々のフレーム構成として、1つの変調信号が送信される第1のフレーム構成、又は、複数の変調信号が前記アンテナ選択部により選択されたアンテナを用いて送信される送信される第2のフレーム構成を選択するフレーム構成選択部と、前記フレーム構成選択部により選択されたフレーム構成を用いて、前記複数のキャリア群に割り当てられた送信データを、同一期間に送信するための送信信号を生成する送信信号生成部と、を具備する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、OFDM信号を構成する複数のキャリア群の各々について、1つの変調信号が送信される第1のフレーム構成と、複数の変調信号が複数のアンテナを用いて送信される第2のフレーム構成のいずれかを選択し、加えて、複数のアンテナの中から前記複数の端末の各々への送信に使用するべきアンテナを選択するため、同一時間帯に複数の端末へ変調信号を送信する際にも、伝送速度、伝送品質を両立することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1における各チャネルの周波数−時間軸におけるフレーム構成の一例を示す図
【図2】本実施の形態の送信装置の構成を示すブロック図
【図3】本実施の形態の受信装置の構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態2における基地局および端末の配置状態の一例を示す図
【図5】本実施の形態の受信装置の構成の一例を示すブロック図
【図6】本実施の形態の送信装置の構成の一例を示すブロック図
【図7】本実施の形態の受信装置の構成の一例を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態3における通信信号のフレーム構成を示す図
【図9】本発明の実施の形態3における通信信号のフレーム構成を示す図
【図10】本発明の実施の形態3における基地局送信信号の周波数配置を示す図
【図11】本実施の形態における基地局の送信装置の構成の一例を示すブロック図
【図12】本実施の形態における端末の受信装置の構成を示すブロック図
【図13】本発明の実施の形態4に係る端末の受信装置の構成の一例を示す図
【図14】本実施の形態における基地局の送信装置の構成の一例を示す図
【図15】本実施の形態におけるチャネルAおよびチャネルBの周波数−時間軸におけるフレーム構成の一例を示す図
【図16】本発明の実施の形態5に係る受信装置の構成の一例を示す図
【図17】本発明の実施の形態6に係る端末の受信装置の構成の一例を示すブロック図
【図18】本発明の実施の形態7に係る基地局が送信する送信信号フレーム構成の一例を示す図
【図19】本発明の実施の形態7に係る送信装置の構成の一例を示すブロック図
【図20】本発明の実施の形態7に係る受信装置の構成の一例を示すブロック図
【図21】チャネルBの信号をチャネルAの信号に対し差動符号化したときのI−Q平面上の信号点配置の一例を示す図
【図22】チャネルBの信号をチャネルAの信号に対し差動符号化したときのI−Q平面上の信号点配置の一例を示す図
【図23】チャネルAのPSK変調をもとにチャネルBの多値変調のI−Q平面上での信号点配置を行ったときの一例を示す図
【図24】チャネルAのPSK変調をもとにチャネルBの多値変調のI−Q平面上での信号点配置を行ったときの一例を示す図
【図25】チャネルAのPSK変調をもとにチャネルBの多値変調のI−Q平面上での信号点配置を行ったときの一例を示す図
【図26】本実施の形態の基地局送信信号のフレーム構成の一例を示す図
【図27】本実施の形態におけるパイロットシンボルのI−Q平面における信号点配置の一例を示す図
【図28】本実施の形態における基地局送信信号のフレーム構成の一例を示す図
【図29】本実施の形態における受信装置の構成の一例を示す図
【図30】本実施の形態の復調部の一例を示すブロック図
【図31】本実施の形態の復調部の一例を示すブロック図
【図32】本実施の形態の復調部の一例を示すブロック図
【図33】本実施の形態の復調部の一例を示すブロック図
【図34】本実施の形態における受信装置の構成の一例を示すブロック図
【図35】本実施の形態の復調部の一例を示すブロック図
【図36】本発明の実施の形態8に係る送信装置の構成の一例を示すブロック図
【図37】本発明の実施の形態8に係る受信装置の構成の一例を示すブロック図
【図38】本発明の実施の形態9における基地局の配置の一例を示す図
【図39】本発明の実施の形態9に係る基地局の受信装置の構成を示すブロック図
【図40】本発明の実施の形態9に係る基地局の送信装置の構成を示すブロック図
【図41】本発明の実施の形態9に係る端末の受信装置の構成の一例を示す図
【図42】本発明の実施の形態9に係る端末の送信装置の構成の一例を示す図
【図43】本発明の実施の形態9における基地局の配置の一例を示す図
【図44】本発明の実施の形態10に係る基地局のフレーム構成の一例を示す図
【図45】本発明の実施の形態10に係る基地局のフレーム構成の一例を示す図
【図46】本発明の実施の形態10に係る基地局の送信装置の構成の一例を示す図
【図47】本発明の実施の形態10に係る基地局の受信装置の構成の一例を示す図
【図48】本発明の実施の形態10に係る端末の受信装置の構成の一例を示す図
【図49】本発明の実施の形態10に係る端末の送信装置の構成の一例を示す図
【図50】本発明の実施の形態10に係る端末が送信する変調信号のフレーム構成の一例を示す図
【図51】本発明の実施の形態10に係る端末の受信装置の構成の一例を示す図
【図52】本発明の実施の形態12に係る基地局の送信信号のフレーム構成の一例を示す図
【図53】本発明の実施の形態12に係る端末の受信装置の構成の一例を示す図
【図54】本発明の実施の形態12に係る端末の送信装置の構成の一例を示す図
【図55】本実施の形態における端末の送信する変調信号のフレーム構成の一例を示す図
【図56】本発明の実施の形態12に係る基地局の送信装置の構成の一例を示す図
【図57】本発明の実施の形態12に係る基地局の受信装置の構成の一例を示す図
【図58】本発明の実施の形態12に係る基地局の送信装置の構成の一例を示す図
【図59】MIMOシステムにおいて、固有モードに代表されるビーム空間モードを用いたチャネル多重通信システムの構成例を示す図
【図60】従来の無線送信装置および受信装置の構成の一例示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の骨子は、送信装置では、複数の変調信号を多重して送信し、受信装置では、送信された多重変調信号を分離、復調することで、データの伝送速度を向上させることにより達成される。また、周波数、時間により、1つの変調信号を送信する方法、複数の変調信号を多重し、送信する方法、のいずれかにより構成することで、通信方式の1つの変調信号を送信する方法で、重要度の高い情報を伝送することで、通信相手は的確に情報を得ることが可能となる。また、通信状況により、1つの変調信号を送信する方法、複数の変調信号を多重し、送信する方法を、周波数帯、時間帯で切り替えて通信を行うことで、情報の伝送速度、伝送品質を両立することができる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
(実施の形態1)
本実施の形態では、マルチキャリア通信方式において、送信フレームに多重していないキャリア、多重したキャリアを送信する送信装置、どちらかのキャリアの変調信号も復調できる受信装置について説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態1における各チャネルの周波数−時間軸におけるフレーム構成の一例を示す図である。図1において、縦軸は周波数を示し、横軸は時刻を示す。また、101はガードシンボル、102は情報シンボル、103は推定用シンボル、104は制御用シンボルを示す。
【0019】
図1において、ガードシンボル101は変調信号が存在しないシンボルである。また、推定用シンボル103は例えば、時間同期、周波数同期、伝送路による歪みを推定するためのパイロットシンボル、または、ユニークワード、プリアンブルであり、既知のシンボル、例えばBPSK変調された信号が適している。制御用シンボル104は端末が制御に用いるための情報を伝送しているシンボルであり、情報シンボル102は情報を伝送するためのシンボルである。
【0020】
本実施の形態の通信方法では、あるキャリア群では、一つのチャネルのシンボルのみを送信し、別のキャリア群にて複数のチャネルの情報シンボルを多重化して送信することを特徴とする。
【0021】
すなわち、図1において、キャリア1からキャリア6まではチャネルAの情報シンボルのみ送信され、キャリア7からキャリア12まではチャネルAの情報シンボルおよびチャネルBの情報シンボルが多重されて送信される。
【0022】
同様に、キャリア1からキャリア6まではチャネルAの推定用シンボルのみ送信され、キャリア7からキャリア12まではチャネルAの推定用シンボルおよびチャネルBの推定用シンボルが多重されて送信される。
【0023】
以下、図1のフレーム構成で信号を送信する送信装置について説明する。図2は、本実施の形態の送信装置の構成を示すブロック図である。
【0024】
フレーム構成信号生成部221は、入力された制御信号223に基づいてフレーム構成情報を生成し、このフレーム構成情報からなるフレーム構成信号222をシリアルパラレル変換部202及びシリアルパラレル変換部212に出力する。
【0025】
以下、シリアルパラレル変換部202、逆離散フーリエ変換部204、無線部206、電力増幅部208、アンテナ210にて、図1のチャネルAの信号を処理して送信する部分について説明する。チャネルAでは、図1に示すように、キャリア1〜12に情報シンボル、推定用シンボル、制御用シンボルを配置して信号を送信する。
【0026】
シリアルパラレル変換部202は、チャネルAの送信ディジタル信号201をフレーム構成信号222に従う配置のパラレルデータに変換し、変換後のパラレル信号203を逆離散フーリエ変換部204に出力する。具体的には、シリアルパラレル変換部202は、図1に示すように、キャリア1〜12に情報シンボル、推定用シンボル、制御用シンボルを配置する。
【0027】
逆離散フーリエ変換部204は、チャネルAのパラレル信号203を逆離散フーリエ変換し、変換後の信号205を無線部206に出力する。無線部206は、信号205を無線周波数に変換して送信信号207とし、送信信号207を電力増幅部208に出力する。
【0028】
電力増幅部208は、送信信号207の電力を増幅し、電力を増幅された送信信号209は、電波としてアンテナ210から送信する。
【0029】
次に、シリアルパラレル変換部212、逆離散フーリエ変換部214、無線部216、電力増幅部218、アンテナ220にて、図1のチャネルBの信号を処理して送信する部分について説明する。チャネルBでは、図1に示すように、キャリア1〜6にガードシンボルを配置し、キャリア7〜12に情報シンボル、推定用シンボル、制御用シンボルを配置して信号を送信する。
【0030】
シリアルパラレル変換部212は、チャネルBの送信ディジタル信号211をフレーム構成信号222に従う配置のパラレルデータに変換し、変換後のパラレル信号213を逆離散フーリエ変換部214に出力する。
【0031】
逆離散フーリエ変換部214は、パラレル信号213逆離散フーリエ変換し、変換後の信号215を無線部216に出力する。
【0032】
無線部216は、変換後の信号215を無線周波数に変換して送信信号217とし、送信信号217を電力増幅部218に出力する。
【0033】
電力増幅部218は、送信信号217の電力を増幅し、電力を増幅された送信信号219は、電波としてアンテナ220から送信される。
【0034】
このように、あるチャネルにおいて、ガードシンボルを配置するキャリアと情報シンボルを配置するキャリアとを分け、別のチャネルでは、キャリア全てに情報シンボルを配して、同じキャリアを複数のチャネルで共用(多重)する。
【0035】
以下、図2の送信装置が図1のフレーム構成で信号を送信する動作について説明する。
【0036】
シリアルパラレル変換部202は、送信ディジタル信号201、フレーム構成信号222を入力とし、図1のチャネルAのフレーム構成にしたがってシンボルを配置する、つまり、キャリア1からキャリア12に情報シンボル、制御用シンボル、推定用シンボルを配置してフレームを構成し、チャネルAのパラレル信号203を生成する。
【0037】
チャネルBのシリアルパラレル変換部212は、チャネルBの送信ディジタル信号211、フレーム構成信号222を入力とし、図1のチャネルBのフレーム構成に従いシンボルを配置する、つまり、キャリア7からキャリア12に情報シンボル、制御シンボル、推定用シンボルを配置してフレームを構成し、チャネルBのパラレル信号213を生成する。
【0038】
推定用シンボル103は、時間同期、周波数オフセットの推定のために挿入される。また、チャネルAのキャリア1からキャリア6の推定用シンボルは、伝送路歪みを推定してチャネルAのキャリア1からキャリア6の情報シンボルを復調するために受信装置で利用される。このとき、チャネルBにおいてキャリア1からキャリア6には推定用シンボルは挿入しない。
【0039】
そして、チャネルAおよびチャネルBのキャリア7からキャリア12の推定用シンボルは、チャネルAおよびチャネルBのキャリア7からキャリア12の情報シンボルを分離するためのシンボルである。例えば、チャネルAのキャリア7からキャリア12からなる推定用シンボルとチャネルBのキャリア7からキャリア12からなる推定用シンボルは直交するものを用いることにより、チャネルAおよびチャネルBのキャリア7からキャリア12の情報シンボルを分離するのが容易となる。
【0040】
ここで、チャネルAのキャリア1からキャリア6の情報シンボルとチャネルAおよびチャネルBのキャリア7からキャリア12の情報シンボルを比較すると、受信装置において、チャネルAのキャリア1からキャリア6の情報シンボルはチャネルAおよびチャネルBのキャリア7からキャリア12の情報シンボルより品質がよい。このことを考えると、チャネルAのキャリア1からキャリア6の情報シンボルにおいて重要度の高い情報を伝送することに適している。ここで、重要度とは、受信品質を確保したいデータ、例えば、変調方式や誤り訂正方式の情報、送受信機の手続きに関する情報を示す。
【0041】
また、キャリア1からキャリア6のチャネルAの情報シンボルを用いて、例えば、映像の情報を伝送し、キャリア7からキャリア12のチャネルAおよびチャネルBの情報シンボルを用いてハイビジョンの映像を伝送するというように、キャリア1からキャリア6でのチャネルAで一種類の情報媒体を伝送し、キャリア7からキャリア12でのチャネルAおよびチャネルBで一種類の情報媒体を伝送することができる。また、キャリア1からキャリア6でのチャネルAでの伝送、キャリア7からキャリア12でのチャネルAおよびチャネルBでの伝送では、同種の情報媒体を伝送してもよい。このとき、同種の情報は、例えば、符号化のときの圧縮率が異なることになる。ここで、チャネルAの圧縮率はチャネルBの圧縮率より低い。
【0042】
また、キャリア1からキャリア6のチャネルAの情報シンボルである種の情報を伝送し、キャリア7からキャリア12のチャネルAおよびチャネルBの情報シンボルを用いて差分の情報を伝送するというように階層的に情報を伝送することもできる。
【0043】
以下、上記説明のシンボル配置で送信された信号を受信する受信装置について説明する。
【0044】
図3は、本実施の形態の受信装置の構成を示すブロック図である。図3は、本実施の形態における受信装置の構成の一例を示す。図3において、無線部303は、アンテナ301で受信した受信信号302をベースバンド周波数に変換し、変換後の受信直交ベースバンド信号304をフーリエ変換部305と同期部334に出力する。
【0045】
フーリエ変換部305は、受信直交ベースバンド信号304をフーリエ変換し、変換後のパラレル信号306を伝送路歪み推定部307、伝送路歪み推定部309、信号処理部321、選択部328、及び周波数オフセット推定部332に出力する。
【0046】
伝送路歪み推定部307は、パラレル信号306の推定用シンボルからチャネルAの伝送路歪みを推定し、チャネルAの伝送路歪みパラレル信号308を信号処理部321に出力する。
【0047】
伝送路歪み推定部309は、パラレル信号306の推定用シンボルからチャネルBの伝送路歪みを推定し、チャネルBの伝送路歪みパラレル信号310を信号処理部321に出力する。
【0048】
無線部313は、アンテナ311で受信した受信信号312をベースバンド周波数に変換し、変換後の受信直交ベースバンド信号314をフーリエ変換部315と同期部334に出力する。
【0049】
フーリエ変換部315は、受信直交ベースバンド信号314をフーリエ変換し、変換後のパラレル信号316を伝送路歪み推定部317、伝送路歪み推定部319、信号処理部321、選択部328、及び周波数オフセット推定部332に出力する。
【0050】
伝送路歪み推定部317は、パラレル信号316の推定用シンボルからチャネルAの伝送路歪みを推定し、チャネルAの伝送路歪みパラレル信号318を信号処理部321に出力する。
【0051】
チャネルBの伝送路歪み推定部319は、パラレル信号316の推定用シンボルからチャネルBの伝送路歪みを推定し、チャネルBの伝送路歪みパラレル信号320を信号処理部321に出力する。
【0052】
信号処理部321は、チャネルAの伝送路歪みパラレル信号308、318、チャネルBの伝送路歪みパラレル信号310、320に基づいてパラレル信号306、316をチャネルAとチャネルBの信号に分離する。すなわち、信号処理部321は、図1におけるチャネルAとチャネルBが多重しているキャリア7からキャリア12のチャネルAとチャネルBの信号を分離し、キャリア7からキャリア12のチャネルAのパラレル信号322を復調部324に出力し、およびキャリア7からキャリア12のチャネルBのパラレル信号323を復調部326に出力する。
【0053】
復調部324は、キャリア7からキャリア12のチャネルAのパラレル信号322を復調し、復調後の受信ディジタル信号325を出力する。
【0054】
復調部326は、キャリア7からキャリア12のチャネルBのパラレル信号323を復調し、復調の受信ディジタル信号327を出力する。
【0055】
選択部328は、パラレル信号306、316を入力とし、例えば電界強度の大きい方のパラレル信号を選択して、選択されたパラレル信号をパラレル信号329として復調部330に出力する。
【0056】
復調部330は、選択されたパラレル信号329について、図1の多重されていないキャリア1からキャリア6の推定用シンボル103から伝送路歪みを推定し、推定された伝送路歪みからキャリア1からキャリア6のパラレル信号を復調し、復調後の受信ディジタル信号331を出力する。
【0057】
周波数オフセット推定部332は、パラレル信号306、316について、図1の推定用シンボルから周波数オフセット量を推定し、周波数オフセット推定信号333を無線部303及び無線部313に出力する。例えば、周波数オフセット推定部332は、無線部303、313に周波数オフセット推定信号を入力し、無線部303、313は、受信信号の周波数オフセットを除去する。
【0058】
同期部334は、受信直交ベースバンド信号304、314について、図1の推定用シンボルにより時間同期をとり、タイミング信号335をフーリエ変換部305及びフーリエ変換部315に出力する。すなわち、同期部334は、受信直交ベースバンド信号304および受信直交ベースバンド信号における図1の推定用シンボル103を検出することで、受信装置は送信装置と時間同期をとることができる。
【0059】
また、周波数オフセット推定部332は、パラレル信号306および316における図1の推定用シンボル103から周波数オフセットを推定する。
【0060】
信号処理部321は、図1におけるキャリア7からキャリア12について、チャネルAとチャネルBの多重された信号を分離し、それぞれ、チャネルAのパラレル信号322およびチャネルBのパラレル信号323として出力する。
【0061】
復調部324は、キャリア7からキャリア12のチャネルAのパラレル信号322を復調する。また、復調部326は、キャリア7からキャリア12チャネルBのパラレル信号323を復調する。
【0062】
復調部330は、選択されたパラレル信号329について、図1の多重されていないキャリア1からキャリア6の推定用シンボル103から伝送路歪みを推定し、推定された伝送路歪みからキャリア1からキャリア6のパラレル信号を復調する。
【0063】
このとき、キャリア7からキャリア12のチャネルA、チャネルBから得られる受信ディジタル信号325および327は、キャリア1からキャリア6のチャネルAの受信ディジタル信号331と比較し、品質が悪いが、高速に伝送できる。従って、キャリア1からキャリア6のチャネルAの受信ディジタル信号331において、重要な情報の伝送、制御情報の伝送に適している。
【0064】
また、キャリア7からキャリア12のチャネルA、チャネルBから得られる受信ディジタル信号325および327を図示せぬデコーダXに入力し、デコードする。そして、キャリア1からキャリア6のチャネルAの受信ディジタル信号331を図示せぬデコーダYに入力し、デコードする。これにより、異なるデコーダX、Yから、ことなる情報X、Yを得ることができ、また、デコーダX、Yにおいて情報は一緒だが、圧縮率の異なる情報を伝送することができる。
【0065】
そして、キャリア1からキャリア6のチャネルAの受信ディジタル信号331により映像が伝送され、ハイビジョン映像のための差分情報をキャリア7からキャリア12のチャネルA、チャネルBから得られる受信ディジタル信号325および327で伝送する階層伝送を行うことができる。
【0066】
このように本実施の形態の送信装置及び受信装置によれば、複数のアンテナから複数の変調信号を送信するフレームと1つのアンテナから変調信号を送信するフレームを作成し、重要な情報を1つのアンテナから送信する変調信号で伝送することにより、受信装置において、データの品質を確保できる。
【0067】
また、本実施の形態の送信装置及び受信装置によれば、複数のアンテナから複数の変調信号を送信するフレーム、1つのアンテナから変調信号を送信するフレームで異なる情報を伝送することで、品質と伝送速度のことなる情報を伝送することができる。
【0068】
なお、図1、図2、図3でアンテナ数2本のチャネル数2の多重フレームと多重していないフレームを例に説明したが、これに限らない。例えば、アンテナ数を3本のチャネル数3の多重フレーム、アンテナ3本のうち2本でチャネル数2の多重フレーム、多重していないフレームを存在させるフレームにおいても同様に実施することが可能である。
【0069】
また、フレーム構成は図1に限らない。そして、通信方式として、OFDM方式を例に説明したが、マルチキャリアの方式であれば、同様に実施することが可能である。また、マルチキャリアの各キャリアの方式においてスペクトル拡散通信方式を用いても良い。よって、OFDM−CDM(OFDM−CDM:Orthogonal Frequency Division Multiplex - Code Division Multiplex)においても同様に実施することが可能である。
【0070】
また、1本のアンテナは、複数のアンテナで1本のアンテナを構成している場合もある。
【0071】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2では、基地局が複数の端末と通信を行うマルチキャリア通信方式を用いる際、基地局の送信フレームにおいて、多重していないキャリア、多重したキャリアを用意し、各端末に対しどちらかのキャリアで変調信号を送信する通信方式、および、送信装置、受信装置について説明する。
【0072】
本実施の形態では、図1に示すフレーム構成を用い、図2に示す基地局装置で信号を送信する。図4は、本発明の実施の形態2における基地局および端末の配置状態の一例を示す図である。図4では、401は基地局、402は端末A、403は端末B、404は端末C、405は端末D、406は基地局401の送信信号の通信限界を示している。
【0073】
基地局と端末の位置の状態が図4のような状態であるとき、基地局401からの位置が遠い端末A402および端末B403は、受信状態が悪いことになり、一方、端末C404および端末D405は、基地局401からの距離が近いため、受信状態がよいことになる。
【0074】
このことを考慮し、本実施の形態の送信装置を具備する基地局は、例えば、図1に示すように、通信端末に対し、3キャリア単位で割り当てるものとする。
【0075】
この場合、図4において、受信状態がよい端末C404との通信用に図1のキャリア7からキャリア9、端末D405との通信用に図1のキャリア10からキャリア12を割り当て、チャネルAおよびチャネルBで通信を行っているため、伝送速度が高速である。そして、受信状態が悪い端末A402との通信用に図1のキャリア1からキャリア3、端末B403との通信用に図1のキャリア4からキャリア6を割り当て、チャネルAで通信を行っているため、伝送速度は低速であるが、伝送品質はよい。
【0076】
このとき、図1における制御用シンボル104により、チャネルの割り当てについての情報を伝送し、端末は、制御用シンボル104を復調することで、自身のための情報がフレームのどこに割り当てられているかを知ることができる。
【0077】
次に、受信装置側について説明する。図5は、本実施の形態の受信装置の構成の一例を示すブロック図である。但し、図3と同一の構成となるものについては、図3と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0078】
電波伝搬環境推定部501は、パラレル信号306、316から、アンテナ301及びアンテナ311で受信した受信信号の電界強度、マルチパス環境、ドップラ周波数、到来方向、チャネル変動、妨害波強度、偏波状態、遅延プロファイルを推定し、電波伝搬環境情報502として出力する。
【0079】
図6は、本実施の形態の送信装置の構成の一例を示すブロック図である。情報生成部604は、ユーザや通信端末が必要としている、例えば、伝送速度、変調方式、伝送品質などの要求情報603に従って、データ601、電波伝搬環境情報602から送信ディジタル信号605を生成し、送信ディジタル信号605を変調信号生成部606に出力する。
【0080】
変調信号生成部606は、送信ディジタル信号605を変調し、送信直交ベースバンド信号607を無線部608に出力する。
【0081】
無線部608は、送信直交ベースバンド信号607を無線周波数に変換して変調信号609を生成し、変調信号609は、アンテナ610から電波として出力される。
【0082】
次に図6の送信装置の動作について説明する。図5の受信装置の電波伝搬環境推定部501で推定した電波伝搬環境情報502は、電波伝搬環境情報602に相当し、情報生成部604に入力される。
【0083】
情報生成部604は、データ601、電波伝搬環境情報602、ユーザや通信端末が必要としている情報、例えば、情報生成部604は、伝送速度、変調方式、伝送品質などの要求情報603から、送信ディジタル信号605を生成する。これにより、端末は、基地局が送信した変調信号の端末が受信したときの電波伝搬環境、および、ユーザや端末が要求する要求情報を含んだ信号を送信することになる。
【0084】
また、これとは異なる動作として、情報生成部604は、データ601、電波伝搬環境情報602、ユーザや通信端末が必要としている情報、例えば、伝送速度、変調方式、伝送品質などの要求情報603から、通信方式を決定し要求し、また、送信ディジタル信号605を出力する。このとき、送信ディジタル信号605には、要求する通信方式の情報を含んでいる。このとき、通信方式とは、多重信号で通信を行うか、多重していない信号で通信を行うか、の情報である。
【0085】
図7は、本実施の形態の受信装置の構成の一例を示すブロック図である。図7において、無線部703は、アンテナ701で受信した受信信号702をベースバンド周波数に変換し、受信直交ベースバンド信号704を復調部705に出力する。
【0086】
復調部705は、受信直交ベースバンド信号704を復調し、受信ディジタル信号706を方式決定部707に出力する。
【0087】
方式決定部707は、受信ディジタル信号706に含まれる、電波伝搬環境情報、要求情報を抽出し、基地局が端末に送信する送信方法、つまり、複数のアンテナから複数チャネルの信号を送信する方法、複数のチャネルの信号を多重せずに1のチャネルの信号を送信する方法のいずれかを選択し、制御信号708として出力する。
【0088】
次に図7の受信装置の動作について説明する。図7において、方式決定部707は、端末Aの送信装置が送信した信号に含まれる電波伝搬環境情報、要求情報を抽出、または、要求された通信方式情報を抽出し、複数のアンテナから複数チャネルの信号を送信する方法、複数のチャネルの信号を多重せずに1のチャネルの信号を送信する方法のいずれかを選択し、制御信号708として出力する。
【0089】
図2の基地局送信装置におけるフレーム構成信号生成部221は、端末A、端末B、端末C、端末D用の受信装置からの制御信号708を制御信号223として入力し、フレーム構成信号222を出力する。これにより、図1のフレーム構成にしたがった変調信号を、基地局の送信装置は、送信することができる。
【0090】
次に、上記送信装置及び受信装置で通信を行う場合の通信開始時の通信方法の設定手段について説明する。
【0091】
電波伝搬環境に対する受信特性について考慮した場合、キャリア1からキャリア6までのチャネルAの情報シンボルは、キャリア7からキャリア12までのチャネルAの情報シンボルおよびチャネルBの情報シンボルと比較し品質がよい。
【0092】
よって、端末と基地局が通信を開始する場合、基地局は端末に対しキャリア1からキャリア6までのチャネルAの情報シンボルで情報を伝送することでデータの品質を保つことで、システムとして安定する。
【0093】
または、端末と基地局が通信を開始する場合、基地局は端末に対し図1のように推定用シンボル103を最初に送信し、端末は最初に送信された推定用シンボル103を受信し、電波伝搬環境を推定し、電波伝搬環境推定情報および要求情報を端末は送信する。
【0094】
そして、基地局は、端末からの電波伝搬環境情報および要求情報に基づき、キャリア1からキャリア6までのチャネルAの情報シンボルで情報を伝送するか、キャリア7からキャリア12までのチャネルAの情報シンボルおよびチャネルBの情報シンボルで情報を伝送するか、を選択し、通信を開始する。これにより、データの品質が保つことができるためシステムとして安定する。
【0095】
または、端末と基地局が通信を開始する場合、基地局は端末に対し図1のように推定用シンボル103を最初に送信し、端末は最初に送信された推定用シンボル103を受信し、電波伝搬環境を推定し、電波伝搬環境推定情報と要求情報とを考慮し、キャリア1からキャリア6までのチャネルAの情報シンボルで情報を伝送するか、キャリア7からキャリア12までのチャネルAの情報シンボルおよびチャネルBの情報シンボルで情報を伝送するか、を選択し、基地局に対し要求する。
【0096】
基地局は、端末からの要求から、キャリア1からキャリア6までのチャネルAの情報シンボルで情報を伝送するか、キャリア7からキャリア12までのチャネルAの情報シンボルおよびチャネルBの情報シンボルで情報を伝送するか、を選択し、通信を開始する。これにより、データの品質が保つことができるためシステムとして安定する。
【0097】
このように本実施の形態の送信装置及び受信装置によれば、基地局が複数の端末と通信を行う際、基地局の送信フレームにおいて、受信状態の悪い端末との通信には、多重していないキャリアを割り当て、受信状態のよい端末との通信には、多重したキャリアを割り当てることで、端末は、データの伝送速度、伝送品質の両立をはかることができる。
【0098】
なお、上記説明では、図1、図2、図3でアンテナ数2本のチャネル数2の多重フレームと多重していないフレームを例に説明したが、これに限らない。例えば、アンテナ数を3本のチャネル数3の多重フレーム、アンテナ3本のうち2本でチャネル数2の多重フレーム、多重していないフレームを存在させるフレームにおいても同様に実施することが可能である。
【0099】
また、フレーム構成は図1に限ったものではない。そして、通信方式として、OFDM方式を例に説明したが、マルチキャリアの方式であれば、同様に実施することが可能である。また、マルチキャリアの各キャリアの方式においてスペクトル拡散通信方式を用いても良い。よって、OFDM−CDMにおいても同様に実施することが可能である。
【0100】
また、1本のアンテナは、複数のアンテナで1本のアンテナを構成している場合もある。
【0101】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3では、送信装置の送信フレームにおいて、多重した変調信号の周波数、多重していない変調信号の周波数、どちらの周波数の変調信号も復調可能な受信装置について説明する。
【0102】
図8は、本発明の実施の形態3における通信信号のフレーム構成を示す図である。図8は、本実施の形態における周波数帯f1における基地局送信信号のチャネルAおよびチャネルBの周波数−時間軸におけるフレーム構成の一例を示す。図8において、縦軸は周波数を示し、横軸は時刻を示す。また、102は情報シンボル、103は推定用シンボル、104は制御用シンボルである。このとき、推定用シンボル103は時間同期、周波数同期、伝送路による歪みを推定するためのパイロットシンボルであり、制御用シンボル104は端末が制御に用いるための情報を伝送しているシンボルであり、情報シンボル102により情報を伝送するためのシンボルである。
【0103】
このとき、チャネルAとチャネルBの信号は、2本のアンテナからそれぞれ送信される。本実施の形態の送信装置は、チャネルAとチャネルBの信号とは別のチャネルCの信号をチャネルAとチャネルB用のアンテナとは別のアンテナで送信する。以下、チャネルCの信号のフレーム構成について説明する。
【0104】
図9は、本発明の実施の形態3における通信信号のフレーム構成を示す図である。図9は、本実施の形態における周波数帯f2における基地局送信信号のチャネルCの周波数−時間軸におけるフレーム構成の一例を示す、図9において、縦軸は周波数を示し、横軸は時刻を示す。また、102は情報シンボル、103は推定用シンボル、104は制御用のシンボルである。このとき、推定用シンボル103は時間同期、周波数同期、伝送路による歪みを推定するためのパイロットシンボルであり、制御用シンボル104は端末が制御に用いるための情報を伝送しているシンボルであり、情報シンボル102により情報を伝送するためのシンボルである。
【0105】
このとき、チャネルCの信号は、チャネルAとチャネルB用のアンテナとは別の1本のアンテナから送信される。
【0106】
また、チャネルCの信号は、チャネルAとチャネルBとは異なる周波数で送信される。図10は、本実施の形態における基地局送信信号の周波数配置を示す図である。図10において、縦軸はパワーを示し、横軸は周波数を示す。また、1001はチャネルAおよびチャネルBの多重送信信号を示しており、周波数帯をf1とする。1002はチャネルCの送信信号を示しており、周波数帯をf2とする。このように、チャネルCの信号はチャネルA及びチャネルBとは異なる周波数で送信される。
【0107】
図10では、周波数f1と周波数f2にキャリアが配置されており、周波数f1は、基地局の送信のために割り当てており、そのときのフレーム構成は図8のとおりである。
【0108】
そして、周波数f2は、基地局送信のために割り当てており、そのときのフレーム構成は図9のとおりである。周波数f1では、例えば、チャネルAとチャネルBを多重して送信しており、伝送速度は高速であるが、伝送品質が悪い。一方、周波数f2では、チャネルCを送信しており、多重していないため、伝送速度は低速であるが、伝送品質がよい。
【0109】
次に、上記説明のチャネルA、チャネルB、及びチャネルCの信号を送信する送信装置について説明する。
【0110】
図11は、本実施の形態における基地局の送信装置の構成の一例を示すブロック図である。但し、図2と同一の構成となるものについては、図2と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0111】
図11において、シリアルパラレル変換部1102は、フレーム構成信号222に従って、チャネルCの送信ディジタル信号1101からパラレル信号1103を生成して出力する。
【0112】
逆離散フーリエ変換部1104は、チャネルCのパラレル信号1103を逆フーリエ変換し、逆離散フーリエ変換後の信号1105を無線部1106に出力する。
【0113】
無線部1106は、チャネルCの逆離散フーリエ変換後の信号1105を無線周波数に変換して、チャネルCの送信信号1107を電力増幅部1108に出力する。
【0114】
電力増幅部1108は、チャネルCの送信信号1107を増幅し、増幅されたチャネルCの送信信号1109は、電波としてチャネルCのアンテナ1110から出力される。
【0115】
次に、図11の送信装置の動作について説明する。
【0116】
チャネルAのシリアルパラレル変換部202は、チャネルAの送信ディジタル信号201、フレーム構成信号222に基づいて、図8のチャネルAのフレーム構成にしたがった、情報シンボル、制御用シンボル、推定用シンボルが存在するチャネルAのパラレル信号203を生成する。
【0117】
チャネルBのシリアルパラレル変換部212は、チャネルBの送信ディジタル信号211、フレーム構成信号222に基づいて、図8のチャネルBのフレーム構成にしたがった、情報シンボル、制御シンボル、推定用シンボルが存在するチャネルBのパラレル信号213を生成する。
【0118】
そして、チャネルAとチャネルBの信号は、周波数f1で送信される。
【0119】
図8の推定用シンボル103は、時間同期、周波数オフセットの推定のために挿入している。また、チャネルAとチャネルBの信号を分離するためのチャネル推定を行うためのシンボルである。
【0120】
チャネルCのシリアルパラレル変換部1102は、チャネルCの送信ディジタル信号1101、フレーム構成信号222に基づいて、図9のチャネルCのフレーム構成にしたがった、情報シンボル、制御用シンボル、推定用シンボルが存在するチャネルCのパラレル信号1103を生成する。
【0121】
そして、チャネルCの信号は周波数f2で送信される。
【0122】
図9の推定用シンボル103は、時間同期、周波数オフセットの推定のために挿入している。
【0123】
チャネルAの情報シンボルとチャネルAおよびチャネルBの情報シンボルを比較するとチャネルCの情報シンボルを比較すると、受信装置において、チャネルCの情報シンボルより品質がよい。このことを考えると、チャネルCの情報シンボルにおいて重要度の高い情報を伝送することに適している。
【0124】
チャネルCの情報シンボルを用いて例えば、映像の情報を伝送し、チャネルAおよびチャネルBの情報シンボルを用いてハイビジョンの映像を伝送するというように、チャネルCで一種の情報媒体を伝送し、チャネルAおよびチャネルBで一種の情報媒体を伝送することができる。また、チャネルCでの伝送、チャネルAおよびチャネルBでの伝送では、同種の情報媒体を伝送してもよい。このとき、同種の情報は、例えば、符号化のときの圧縮率が異なることになる。
【0125】
チャネルCの情報シンボルである種の情報を伝送し、チャネルAおよびチャネルBの情報シンボルを用いて差分の情報を伝送するというように階層的に情報を伝送することもできる。
【0126】
図12は、本実施の形態における端末の受信装置の構成を示すブロック図である。図12において、無線部1203は、アンテナ1201で受信した周波数帯f1の受信信号1202をベースバンド周波数に変換し、受信直交ベースバンド信号1204をフーリエ変換部1205と同期部1230に出力する。
【0127】
フーリエ変換部1205は、受信直交ベースバンド信号1204をフーリエ変換し、パラレル信号1206を伝送路歪み推定部1207、伝送路歪み推定部1209、信号処理部1221、及び周波数オフセット推定部1228に出力する。
【0128】
伝送路歪み推定部1207は、パラレル信号1206の推定用シンボルからチャネルAの伝送路歪みを推定し、チャネルAの伝送路歪みパラレル信号1208を信号処理部1221に出力する。
【0129】
伝送路歪み推定部1209は、パラレル信号1206の推定用シンボルからチャネルBの伝送路歪みを推定し、チャネルBの伝送路歪みパラレル信号1210を信号処理部1221に出力する。
【0130】
無線部1213は、アンテナ1211で受信した周波数帯f1の受信信号1212をベースバンド周波数に変換し、受信直交ベースバンド信号1214をフーリエ変換部1215と同期部1230に出力する。
【0131】
フーリエ変換部1215は、受信直交ベースバンド信号1214をフーリエ変換し、変換後のパラレル信号1216を伝送路歪み推定部1217、伝送路歪み推定部1219、信号処理部1221、及び周波数オフセット推定部1228に出力する。
【0132】
伝送路歪み推定部1217は、パラレル信号1216の推定用シンボルからチャネルAの伝送路歪みを推定し、チャネルAの伝送路歪みパラレル信号1218を信号処理部1221に出力する。
【0133】
伝送路歪み推定部1219は、パラレル信号1216の推定用シンボルからチャネルBの伝送路歪みを推定し、チャネルBの伝送路歪みパラレル信号1220を信号処理部1221に出力する。
【0134】
信号処理部1221は、チャネルAの伝送路歪みパラレル信号1208、1218、チャネルBの伝送路歪みパラレル信号1210、1220に基づいてパラレル信号1206、1216をチャネルAとチャネルBの信号に分離する。そして、信号処理部1221は、分離した信号のうち、チャネルAのパラレル信号1222を復調部1224に出力し、チャネルBのパラレル信号1223を復調部1226に出力する。
【0135】
復調部1224は、チャネルAのパラレル信号1222を復調し、受信ディジタル信号1225を出力する。
【0136】
復調部1226は、チャネルBのパラレル信号1223を復調し、受信ディジタル信号1227を出力する。
【0137】
周波数オフセット推定部1228は、パラレル信号1206、1216から周波数オフセット量を推定し、周波数オフセット推定信号1229を出力する。具体的には、周波数オフセット推定部1228は、図8における推定用シンボル103から周波数オフセット量を推定する。そして、周波数オフセット推定部1228は、例えば、無線部1203、1213に周波数オフセット推定信号を出力し、無線部1203、1213は、受信信号の周波数オフセットを除去する。
【0138】
同期部1230は、受信直交ベースバンド信号1204、1214を用いて時間同期をとり、タイミング信号1231をフーリエ変換部1205及びフーリエ変換部1215に出力する。例えば、同期部1230は、図8の推定用シンボル103により時間同期をとる。
【0139】
無線部1234は、アンテナ1232で受信した周波数帯f2の受信信号1233をベースバンド周波数に変換し、受信直交ベースバンド信号1235をフーリエ変換部1236及び同期部1244に出力する。
【0140】
フーリエ変換部1236は、受信直交ベースバンド信号1235をフーリエ変換し、パラレル信号1237を伝送路歪み推定部1238、復調部1240、及び周波数オフセット推定部1242に出力する。
【0141】
伝送路歪み推定部1238は、パラレル信号1237から伝送路歪みを推定し、伝送路歪みパラレル信号1239を復調部1240に出力する。
【0142】
復調部1240は、伝送路歪みパラレル信号1239に基づいて、チャネルCのパラレル信号1237から伝送路歪みを除去し、復調し、チャネルCの受信ディジタル信号1241を出力する。
【0143】
次に、図12の受信装置の動作について説明する。
【0144】
同期部1230は、受信直交ベースバンド信号1204および受信直交ベースバンド信号1214における図8の推定用シンボル103を検出して、受信装置は送信装置と時間同期をとる。
【0145】
また、周波数オフセット推定部1228は、パラレル信号1206および1216における図8の推定用シンボル103から周波数オフセットを推定する。
【0146】
信号処理部1221は、図8の多重された信号をチャネルAの信号とチャネルBの信号に分離する。
【0147】
同期部1244は、受信直交ベースバンド信号1235について図9の推定用シンボルから時間同期をとる。
【0148】
周波数オフセット推定部1242は、パラレル信号1237について図9の推定用シンボルから周波数オフセットを推定する。
【0149】
伝送路歪み推定部1238は、パラレル信号1237について図9の推定用シンボルから、伝送路歪みを推定する。
【0150】
チャネルCの復調部1240は、伝送路歪みパラレル信号1239を入力とし、パラレル信号1237の情報シンボルを復調する。
【0151】
このとき、チャネルA、チャネルBから得られる受信ディジタル信号1225および1227は、チャネルCの受信ディジタル信号1241と比べて品質が悪いが、高速に伝送できる。このことを考慮すると、チャネルCの受信ディジタル信号1241において、重要な情報の伝送、制御情報の伝送に適している。
【0152】
また、チャネルA、チャネルBから得られる受信ディジタル信号1225および1227を図示せぬデコーダXに入力し、デコードする。そして、チャネルCの受信ディジタル信号1241を図示せぬデコーダYに入力し、デコードする。これにより、異なるデコーダX、Yから、異なる情報X、Yを得ることができ、また、デコーダX、Yにおいて情報は一緒だが、圧縮率の異なる情報を伝送することができる。
【0153】
そして、チャネルCの受信ディジタル信号1241により映像が伝送され、ハイビジョン映像のための差分情報をチャネルA、チャネルBから得られる受信ディジタル信号1225および1227で伝送する階層伝送を行うことができる。
【0154】
このように、本実施の形態の送信装置及び受信装置によれば、複数のアンテナから複数の変調信号を送信するための周波数と1つのアンテナから変調信号を送信するための周波数が存在し、重要な情報を1つのアンテナから送信する変調信号で伝送することで、受信装置において、データの品質を確保できる。
【0155】
また、本実施の形態の送信装置及び受信装置によれば、複数のアンテナから複数の変調信号を送信するための周波数、1つのアンテナから変調信号を送信するための周波数で異なる情報を伝送することで、品質と伝送速度の異なる情報を伝送することができる。
【0156】
なお、図8においてチャネル数2の多重フレームで説明したが、これに限らない。また、図10において、2つの周波数帯で説明したがこれにらない。つまり、例えば、3つの周波数帯があり、3チャネル多重送信用、2チャネル多重送信用、1のチャネル送信用に周波数を割り当てても良い。
【0157】
以上より、図11の送信装置でチャネル数2を送信するアンテナ2本とチャネル数1を送信するアンテナ1本の構成で説明したがこれに限らない。例えば、送信装置がチャネル数2を送信するために2本以上のアンテナを具備していてもよい。
【0158】
また、3つの周波数帯があり、3チャネル多重送信用、2チャネル多重送信用、1チャネル送信用に周波数を割り当てた場合、送信装置が、3チャネル多重送信用に複数のアンテナを具備し、2チャネル多重送信用に複数のアンテナを具備し、1チャネル送信用に複数のアンテナを具備してもよい。また、図12の受信装置についても、同様である。
【0159】
そして、通信方式として、OFDM方式を例に説明したが、マルチキャリアの方式であれば、同様に実施することが可能である。また、マルチキャリアの各キャリアの方式においてスペクトル拡散通信方式を用いても良い。よって、OFDM−CDM(OFDM−CDM:Orthogonal Frequency Division Multiplex Code Division Multiplex)においても同様に実施することが可能である。
【0160】
また、1本のアンテナは、複数のアンテナで1本のアンテナを構成している場合もある。
【0161】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4では、基地局が複数の端末と通信を行う際、基地局の送信フレームにおいて、多重した変調信号の周波数、多重していない変調信号の周波数を用意し、各端末に対しどちらかの周波数で変調信号を送信する通信方式、および、送信装置、受信装置について説明する。
【0162】
図13は、本発明の実施の形態4に係る端末の受信装置の構成の一例を示す図である。但し、図12と同一の構成となるものについては、図12と同一番号を付し、詳しい説明は省略する。図13の受信装置は、電波伝搬環境推定部1301と、電波伝搬環境推定部1303とを具備し、基地局における周波数を割り当ての情報として、受信装置において伝搬環境を推定する点が図12の受信装置と異なる。
【0163】
電波伝搬環境推定部1301は、パラレル信号1206、1216から、アンテナ1201、アンテナ1211で受信した受信信号のそれぞれの電波伝搬環境を推定し、電波伝搬環境推定情報1302出力する。
【0164】
電波伝搬環境推定部1303は、パラレル信号1237から、アンテナ1232で受信した受信信号の電波伝搬環境を推定し、電波伝搬環境推定情報1304として出力する。
【0165】
図14は、本実施の形態における基地局の送信装置の構成の一例を示す図である。但し、図5と同一の構成となるものについては、図5と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。図14の受信装置は、情報生成部604を具備し、受信装置において推定された伝搬環境に基づいて、受信状態の悪い端末との通信には、基地局が多重していない周波数を割り当て、受信状態のよい端末との通信には、基地局が多重した周波数を割り当てる点が図5の送信装置と異なる。
【0166】
情報生成部604は、データ601、電波伝搬環境推定情報1401、1402、要求情報603から送信ディジタル信号605を生成し、この送信ディジタル信号605を変調信号生成部606に出力する。
【0167】
基地局装置は、図8、図9における制御用シンボル104により、チャネルの割り当てについての情報を伝送し、端末は、制御用シンボル104を復調することで、自身のための情報がフレームのどこに割り当てられているかを知ることができる。
【0168】
次に、端末の受信装置および送信装置の動作について詳しく説明する。
【0169】
図13において、電波伝搬環境推定部1301は、パラレル信号1206、1216を入力とし、例えば、図8の推定用シンボル103から、アンテナ1201で受信した信号、および、アンテナ1211で受信した信号の電界強度、マルチパス環境、ドップラ周波数、到来方向、チャネル変動、妨害波強度、偏波状態、遅延プロファイルを推定する。
【0170】
電波伝搬環境推定部1303は、パラレル信号1237について図9の推定用シンボルから、アンテナ1232で受信した信号の電界強度、マルチパス環境、ドップラ周波数、到来方向、チャネル変動、妨害波強度、偏波状態、遅延プロファイルを推定する。
【0171】
図14の送信装置は、受信装置で推定した電波伝搬環境推定情報1302と電波伝搬環境推定情報1304を用いて、多重していない周波数を割り当てる、または基地局が多重した周波数を割り当てるかを判断する。図13の受信装置の電波伝搬環境推定部1301で推定した電波伝搬環境推定情報1302は電波伝搬環境推定情報1401に、電波伝搬環境推定部1303で推定した電波伝搬環境推定情報1304は電波伝搬環境推定情報1402に相当し、情報生成部604に入力される。
【0172】
情報生成部604は、情報生成部604は、データ601、電波伝搬環境推定情報1401、1402、ユーザや通信端末が必要としている、例えば、伝送速度、変調方式、伝送品質などの要求情報603から、送信ディジタル信号605を生成する。これにより、基地局が送信した変調信号の端末が受信したときの電波伝搬環境、および、ユーザや端末が要求する要求情報を含んだ信号を端末は送信することになる。
【0173】
また、情報生成部604は、データ601、電波伝搬環境情報602、ユーザや通信端末が必要としている、例えば、伝送速度、変調方式、伝送品質などの要求情報603を入力とし、電波伝搬環境推定情報1401、1402および要求情報603から、通信方式を決定し要求する。このとき、送信ディジタル信号605には、要求する通信方式の情報を含んでいる。このとき、通信方式とは、多重信号、周波数f1で通信を行うか、多重していない信号、周波数f2で通信を行うか、の情報である。
【0174】
この通信方式の情報を用いて基地局装置は、多重信号、周波数f1で通信を行うか、多重していない信号、周波数f2のいずれの方式を用いて信号を送信するか決定する。
【0175】
例えば、図7の基地局において、方式決定部707は、図14で送信した信号に含まれる電波伝搬環境情報、要求情報を抽出、または、要求された通信方式情報を抽出する。そして、方式決定部707は、この通信方式情報から、複数のアンテナから複数チャネルの信号を送信する周波数f1の方法、複数のチャネルの信号を多重せずに1チャネルの信号を送信する周波数f2の方法のいずれかを選択し、制御信号708として出力する。
【0176】
図11の基地局送信装置におけるフレーム構成信号生成部221は、各端末(例えば、図4の端末A、端末B、端末C、端末D)用の受信装置からの図7の制御信号708を制御信号223としてフレームを構成し、フレーム構成信号222を出力する。これにより、図8、図9のフレーム構成にしたがった変調信号を、基地局の送信装置は、送信することができる。
【0177】
次に、通信開始時の通信方法の設定手段について説明する。
【0178】
電波伝搬環境に対する受信特性について考慮した場合、チャネルCの情報シンボルは、チャネルAの情報シンボルおよびチャネルBの情報シンボルと比較し品質がよい。
【0179】
よって、端末と基地局が通信を開始する場合、基地局は端末に対しチャネルCの情報シンボルで情報を伝送することでデータの品質を保つことで、システムとして安定する。
【0180】
または、端末と基地局が通信を開始する場合、基地局は端末に対し図8,図9のフレーム構成に示すように推定用シンボル103を最初に送信する。そして、端末は最初に送信された推定用シンボル103を受信し、電波伝搬環境を推定し、電波伝搬環境推定情報および要求情報を端末は送信する。そして、基地局は、端末からの電波伝搬環境情報および要求情報に基づき、チャネルCの情報シンボルで情報を伝送するか、チャネルAの情報シンボルおよびチャネルBの情報シンボルで情報を伝送するか、を選択し、通信を開始する。これにより、データの品質が保つことができるためシステムとして安定する。
【0181】
または、端末と基地局が通信を開始する場合、基地局は端末に対し図8、図9のように推定用シンボル103を最初に送信し、端末は最初に送信された推定用シンボル103を受信し、電波伝搬環境を推定し、電波伝搬環境推定情報と要求情報とを考慮し、チャネルCの情報シンボルで情報を伝送するか、チャネルAの情報シンボルおよびチャネルBの情報シンボルで情報を伝送するか、を選択し、基地局に対し要求する。基地局は、端末からの要求から、チャネルCの情報シンボルで情報を伝送するか、チャネルAの情報シンボルおよびチャネルBの情報シンボルで情報を伝送するか、を選択し、通信を開始する。これにより、データの品質が保つことができるためシステムとして安定する。
【0182】
このように、本実施の形態の送信装置及び受信装置によれば、基地局が複数の端末と通信を行う際、基地局の送信フレームにおいて、受信状態の悪い端末との通信には、多重していない周波数を割り当て、受信状態のよい端末との通信には、多重した周波数を割り当てることで、端末は、データの伝送速度、伝送品質の両立をはかることができる。
【0183】
なお、図8においてチャネル数2の多重フレームで説明したが、これに限ったものではなく、また、図10において、2つの周波数帯で説明したがこれに限ったものではない。つまり、例えば、3つの周波数帯があり、3チャネル多重送信用、2チャネル多重送信用、1チャネル送信用に周波数を割り当てても良い。以上より、図11の送信装置でチャネル数2を送信するアンテナ2本とチャネル数1を送信するアンテナ1本の構成で説明したがこれに限ったものではなく、チャネル数2を送信するために2本以上のアンテナを具備していてもよい。また、3つの周波数帯があり、3チャネル多重送信用、2チャネル多重送信用、1チャネル送信用に周波数を割り当てた場合、3チャネル多重送信用に複数のアンテナを具備し、2チャネル多重送信用に複数のアンテナを具備し、1チャネル送信用に複数のアンテナを具備してもよい。また、図13の受信装置についても、同様である。そして、通信方式として、OFDM方式を例に説明したが、マルチキャリアの方式、シングルキャリアの方式どちらでも、同様に実施することが可能である。また、マルチキャリアの各キャリアの方式においてスペクトル拡散通信方式を用いても良い。よって、OFDM−CDM(OFDM−CDM:Orthogonal Frequency Division Multiplex - Code Division Multiplex)においても同様に実施することが可能である。
【0184】
また、1本のアンテナは、複数のアンテナで1本のアンテナを構成している場合もある。
【0185】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5では、送信フレームに、多重していない時間の変調信号、多重した時間の変調信号を送信する送信装置、どちらの時間の変調信号も復調できる受信装置について説明する。
【0186】
図15は、本実施の形態におけるチャネルAおよびチャネルBの周波数−時間軸におけるフレーム構成の一例を示す図である。図15において、縦軸は周波数を示し、横軸は時刻を示す。また、101はガードシンボル、102は情報シンボル、103は推定用シンボル、104は制御用シンボルである。このとき、ガードシンボル101は変調信号が存在しないシンボルであり、推定用シンボル103は時間同期、周波数同期、伝送路による歪みを推定するためのパイロットシンボルであり、制御用シンボル104は端末が制御に用いるための情報を伝送しているシンボルであり、情報シンボル102は情報を伝送するためのシンボルである。
【0187】
このとき、時間3から時間10ではチャネルAの情報シンボルおよびチャネルBの情報シンボルが送信され、時間11から時間18ではチャネルAの情報シンボルのみ送信される。
【0188】
以下、この送信装置の動作について説明する。
【0189】
シリアルパラレル変換部202は、フレーム構成信号222に従い、チャネルAの送信ディジタル信号201を図15のチャネルAのフレーム構成のように、情報シンボル、制御用シンボル、推定用シンボルが存在するようにフレームを構成する。
【0190】
シリアルパラレル変換部212は、フレーム構成信号222に従い、チャネルBの送信ディジタル信号211を図15のチャネルBのフレーム構成にしたがって、時間時刻1の推定用シンボル103、時間3から10の情報シンボル102のチャネルBのパラレル信号213を出力する。
【0191】
推定用シンボル103は、時間同期、周波数オフセットの推定のために挿入している。また、チャネルAとチャネルBのシンボルが多重されているフレームの信号分離のために用いる。
【0192】
時間11から18のチャネルAの情報シンボルと時間3から10のチャネルAおよびチャネルBの情報シンボルを比較すると、受信装置において、時間11から18のチャネルAの情報シンボルは時間3から10のチャネルAおよびチャネルBの情報シンボルより品質がよい。このことを考えると、時間11から18のチャネルAの情報シンボルにおいて重要度の高い情報を伝送することに適している。
【0193】
また、時間11から18のチャネルAの情報シンボルを用いて例えば、映像の情報を伝送し、時間3から10のチャネルAおよびチャネルBの情報シンボルを用いてハイビジョンの映像を伝送するというように、時間11から18のチャネルAの情報シンボルで一種の情報媒体を伝送し、時間3から10のチャネルAおよびチャネルBの情報シンボルで一種の情報媒体を伝送することができる。また、時間11から18のチャネルAの情報シンボルでの伝送、時間3から10のチャネルAおよびチャネルBの情報シンボルでの伝送では、同種の情報媒体を伝送してもよい。このとき、同種の情報は、例えば、符号化のときの圧縮率がことなることになる。
【0194】
また、時間11から18のチャネルAの情報シンボルである種の情報を伝送し、時間3から10のチャネルAおよびチャネルBの情報シンボルを用いて差分の情報を伝送するというように階層的に情報を伝送することもできる。
【0195】
本実施の形態の送信装置は図2の構成で図15に示すフレーム構成の信号を生成して送信する。図16は、本発明の実施の形態5に係る受信装置の構成の一例を示す図である。但し、図3と同一の構成となるものについては、図3と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0196】
信号処理部321は、チャネルAの伝送路歪みパラレル信号308、318、チャネルBの伝送路歪みパラレル信号310、320から、パラレル信号306、316を多重している時間のチャネルAのパラレル信号1601、チャネルBのパラレル信号1604に分離し、パラレル信号1601を復調部1602に出力し、パラレル信号1604を復調部1605に出力する。
【0197】
復調部1602は、分離されたチャネルAのパラレル信号1601を復調し、チャネルAの受信ディジタル信号1603を出力する。
【0198】
復調部1605は、分離されたチャネルBのパラレル信号1604を復調し、チャネルBの受信ディジタル信号1606を出力する。
【0199】
選択部328は、パラレル信号306、316のうち、図1におけるチャネルAの信号のみの時間の例えば電界強度の大きい方のパラレル信号を選択して、選択されたパラレル信号1607を復調部1608に出力する。
【0200】
復調部1608は、選択されたパラレル信号1607を復調し、チャネルAの受信ディジタル信号1609を出力する。
【0201】
以上、図2、図15、図16を用いて本実施の形態における送信装置および受信装置の動作について詳しく説明する。
【0202】
受信装置の動作について説明する。
【0203】
同期部334は受信直交ベースバンド信号304および受信直交ベースバンド信号314における図15の推定用シンボル103を検出することで、受信装置は送信装置と時間同期をとることができる。
【0204】
また、周波数オフセット推定部332は、パラレル信号306および316における図15の推定用シンボル103から周波数オフセットを推定することができる。
【0205】
信号処理部321は、図15における時間3から10のチャネルAおよびチャネルBの情報シンボルの多重された信号を時間3から10のチャネルAの信号と時間3から10のチャネルBの信号に分離し、それぞれ、チャネルAのパラレル信号1601およびチャネルBのパラレル信号1604として出力する。
【0206】
チャネルAの復調部1602は、チャネルAのパラレル信号1601を入力とし、チャネルAの受信ディジタル信号1603を出力する。また、チャネルBの復調部1605は、チャネルBのパラレル信号1604を入力とし、チャネルBの受信ディジタル信号1606を出力する。
【0207】
チャネルAの復調部1608は、選択されたパラレル信号1607を入力とし、図15の推定用シンボル103から、伝送路歪みを推定し、推定された伝送路歪みから時間11から18のチャネルAのパラレル信号を復調し、受信ディジタル信号1609を出力する。
【0208】
このとき、チャネルA、チャネルBから得られる受信ディジタル信号1603および1606は、チャネルAの受信ディジタル信号1609と比較し、品質が悪いが、高速に伝送できる。このことを考慮すると、チャネルAの受信ディジタル信号1609において、重要な情報の伝送、制御情報の伝送に適している。また、チャネルA、チャネルBから得られる受信ディジタル信号1603および1606を図示せぬデコーダXに入力し、デコードする。そして、チャネルAの受信ディジタル信号1609を図示せぬデコーダYに入力し、デコードする。これにより、異なるデコーダX、Yから、ことなる情報X、Yを得ることができ、また、デコーダX、Yにおいて情報は一緒だが、圧縮率の異なる情報を伝送することができる。
【0209】
そして、チャネルAの受信ディジタル信号1609により映像が伝送され、ハイビジョン映像のための差分情報をチャネルA、チャネルBから得られる受信ディジタル信号1603および1606で伝送する階層伝送を行うことができる。
【0210】
このように、本実施の形態の送信装置及び受信装置によれば、複数のアンテナから複数の変調信号を送信するフレームと1つのアンテナから変調信号を送信するフレームが存在し、重要な情報を1つのアンテナから送信する変調信号で伝送することで、受信装置において、データの品質を確保できる。
【0211】
また、本実施の形態の送信装置及び受信装置によれば、複数のアンテナから複数の変調信号を送信するフレーム、1つのアンテナから変調信号を送信するフレームで異なる情報を伝送することで、品質と伝送速度のことなる情報を伝送することができる。
【0212】
なお、図2、図15、図16でアンテナ数2本のチャネル数2の多重フレームと多重していないフレームを例に説明したが、これに限らない。例えば、アンテナ数を3本のチャネル数3の多重フレーム、アンテナ3本のうち2本でチャネル数2の多重フレーム、多重していないフレームを存在させるフレームにおいても同様に実施することが可能である。
【0213】
また、フレーム構成は図1に限ったものではない。そして、通信方式として、OFDM方式を例に説明したが、マルチキャリアの方式、シングルキャリア方式どちらでも、同様に実施することが可能である。また、マルチキャリアの各キャリアの方式においてスペクトル拡散通信方式を用いても良い。よって、OFDM−CDM(OFDM−CDM:Orthogonal Frequency Division Multiplex Code Division Multiplex)においても同様に実施することが可能である。
【0214】
また、1本のアンテナは、複数のアンテナで1本のアンテナを構成している場合もある。
【0215】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6では、基地局が複数の端末と通信を行う際、基地局の送信フレームにおいて、多重していないフレーム、多重したフレームを用意し、各端末に対しどちらかのフレームで変調信号を送信する通信方式、および、送信装置、受信装置について説明する。
【0216】
図17は、本発明の実施の形態6に係る端末の受信装置の構成の一例を示すブロック図である。但し、図3または図16と同一の構成となるものについては、図3または図16と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0217】
電波伝搬環境推定部1701は、パラレル信号306、316から、アンテナ301及びアンテナ311で受信した受信信号それぞれの電界強度、マルチパス環境、ドップラ周波数、到来方向、チャネル変動、妨害波強度、偏波状態、遅延プロファイルを推定し、電波伝搬環境情報1702として出力する。
【0218】
図17の受信装置の電波伝搬環境推定部1701で推定した電波伝搬環境情報1702は、図6の電波伝搬環境情報602に相当し、情報生成部604に入力される。
【0219】
情報生成部604は、データ601、電波伝搬環境情報602、ユーザや通信端末が必要としている、例えば、伝送速度、変調方式、伝送品質などの要求情報603を入力とし、送信ディジタル信号605を生成する。これにより、基地局が送信した変調信号の端末が受信したときの電波伝搬環境、および、ユーザや端末が要求する要求情報を含んだ信号を端末は送信することになる。
【0220】
また、情報生成部604は、データ601、電波伝搬環境情報602、ユーザや通信端末が必要としている情報、例えば、伝送速度、変調方式、伝送品質などの要求情報603を入力とし、電波伝搬環境情報602および要求情報603から、通信方式を決定し要求し、また、送信ディジタル信号605を出力する。このとき、送信ディジタル信号605には、要求する通信方式の情報を含んでいる。このとき、通信方式とは、多重信号で通信を行うか、多重していない信号で通信を行うか、の情報である。
【0221】
次に、通信開始時の通信方法の設定手段について説明する。
【0222】
図15において、電波伝搬環境に対する受信特性について考慮した場合、時間11から18のチャネルAの情報シンボルは、時間3から10のチャネルAの情報シンボルおよびチャネルBの情報シンボルと比較し品質がよい。
【0223】
よって、端末と基地局が通信を開始する場合、基地局は端末に対し時間11から18のチャネルAの情報シンボルで情報を伝送することでデータの品質を保つことで、システムとして安定する。
【0224】
または、端末と基地局が通信を開始する場合、基地局は端末に対し図15のように推定用シンボル103を最初に送信し、端末は最初に送信された推定用シンボル103を受信し、電波伝搬環境を推定し、電波伝搬環境推定情報および要求情報を端末は送信する。そして、基地局は、端末からの電波伝搬環境情報および要求情報に基づき、時間11から18のチャネルAの情報シンボルで情報を伝送するか、時間3から10のチャネルAの情報シンボルおよびチャネルBの情報シンボルで情報を伝送するか、を選択し、通信を開始する。これにより、データの品質が保つことができるためシステムとして安定する。
【0225】
または、端末と基地局が通信を開始する場合、基地局は端末に対し図8、図9のように推定用シンボル103を最初に送信し、端末は最初に送信された推定用シンボル103を受信し、電波伝搬環境を推定し、電波伝搬環境推定情報と要求情報とを考慮し、時間11から18のチャネルAの情報シンボルで情報を伝送するか、時間3から10のチャネルAの情報シンボルおよびチャネルBの情報シンボルで情報を伝送するか、を選択し、基地局に対し要求する。
【0226】
基地局は、端末からの要求から、時間11から18のチャネルAの情報シンボルで情報を伝送するか、時間3から10のチャネルAの情報シンボルおよびチャネルBの情報シンボルで情報を伝送するか、を選択し、通信を開始する。これにより、データの品質が保つことができるためシステムとして安定する。
【0227】
このように、本実施の形態の送信装置及び受信装置によれば、基地局が複数の端末と通信を行う際、基地局の送信フレームにおいて、受信状態の悪い端末との通信には、多重していないフレームを割り当て、受信状態のよい端末との通信には、多重したフレームを割り当てることで、端末は、データの伝送速度、伝送品質の両立をはかることができる。
【0228】
なお、図2、図15、図17でアンテナ数2本のチャネル数2の多重フレームと多重していないフレームを例に説明したが、これに限らない。例えば、アンテナ数を3本のチャネル数3の多重フレーム、アンテナ3本のうち2本でチャネル数2の多重フレーム、多重していないフレームを存在させるフレームにおいても同様に実施することが可能である。また、フレーム構成は図1に限ったものではない。そして、通信方式として、OFDM方式を例に説明したが、時間単位、周波数単位の割り当てに関してはマルチキャリアの方式で、時間単位の割り当てはシングルキャリア方式で、同様に実施することが可能である。また、マルチキャリアの各キャリアの方式においてスペクトル拡散通信方式を用いても良い。よって、OFDM−CDMにおいても同様に実施することが可能である。
【0229】
また、1本のアンテナは、複数のアンテナで1本のアンテナを構成している場合もある。
【0230】
(実施の形態7)
本発明の実施の形態7では、同一周波数に複数チャネルの変調信号を複数のアンテナから送信する送信方法における、符号化およびパイロットシンボルの構成方法、およびその送信装置、受信装置の構成について説明する。
【0231】
図18は、本発明の実施の形態7に係る基地局が送信する送信信号フレーム構成の一例を示す図である。図18において、縦軸は周波数を示し、横軸は時刻を示す。
【0232】
このとき、チャネルAの信号にはパイロットシンボル1801をフレームにおいてあらかじめ決められた位置に配置して規則的に挿入している。そして、受信装置は、このパイロットシンボル1801により、チャネルAの信号とチャネルBの信号を分離した後、チャネルAの周波数オフセットや伝送路歪みを推定することで、チャネルAの情報シンボル102を復調することができる。
【0233】
また、このときチャネルBの信号にはパイロットシンボルを挿入していない。このとき、チャネルAに対し符号化、あるいは、チャネルAの信号をパイロットとすることで、受信装置はチャネルBの情報シンボル102の復調可能となる。
【0234】
図19は、本発明の実施の形態7に係る送信装置の構成の一例を示すブロック図である。但し、図2と同一の構成となるものについては、図2と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0235】
符号化部1901は、チャネルAの送信ディジタル信号201をもとにしてチャネルBの送信ディジタル信号211を符号化し、符号化後の送信ディジタル信号1902をシリアルパラレル変換部212に出力する。
【0236】
そして、シリアルパラレル変換部212は、符号化後の送信ディジタル信号1902をフレーム構成信号222に従う配置のパラレルデータに変換し、変換後のパラレル信号213を逆離散フーリエ変換部204に出力する。具体的には、シリアルパラレル変換部212は、図18に示す構成でフレームを構成する。
【0237】
次に、受信装置の構成について説明する。図20は、本発明の実施の形態7に係る受信装置の構成の一例を示すブロック図である。但し、図3と同一の構成となるものについては、図3と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。復調部2003は、分離されたチャネルAのパラレル信号2001を復調し、チャネルAの受信ディジタル信号2004を出力する。
【0238】
復調部2005は、分離されたチャネルBのパラレル信号2002を分離されたチャネルAのパラレル信号2001を用いて復調し、チャネルBの受信ディジタル信号2006を出力する。
【0239】
つぎに、上記送信装置及び受信装置を用いてチャネルAの信号をもとにチャネルBの信号を符号化、復号化する動作について説明する。
【0240】
図21は、チャネルBの信号をチャネルAの信号に対し差動符号化したときのI−Q平面上の信号点配置の一例を示す図である。図21は、チャネルA、チャネルBはQPSK(QPSK:Quadrature Phase Shift Keying)変調を施した信号である。
【0241】
チャネルAキャリア1時刻4で情報‘00’を伝送するときの信号点を図21(a)に示すように配置する。このとき、チャネルBキャリア1時刻4は、チャネルAキャリア1時刻4に対し、差動符号化するため、情報を‘00’‘01’‘11’‘10’を伝送するときは図21(b)のように信号点を配置する。すなわち、チャネルAで受信したシンボルの位置をチャネルBのシンボルを復調する時の基準の位置(言い換えればチャネルBにおける情報‘00’のシンボル位置)とする。
【0242】
同様に、チャネルAキャリア1時刻4で情報‘01’を伝送するときの信号点を図21(c)に示すように配置する。このとき、チャネルBキャリア1時刻4は、チャネルAキャリア1時刻4に対し、差動符号化するため、情報を‘00’‘01’‘11’‘10’を伝送するときは図21(d)のように信号点を配置する。
【0243】
同様に、チャネルAキャリア1時刻4で情報‘11’を伝送するときの信号点を図21(e)に示すように配置する。このとき、チャネルBキャリア1時刻4は、チャネルAキャリア1時刻4に対し、差動符号化するため、情報を‘00’‘01’‘11’‘10’を伝送するときは図21(f)のように信号点を配置する。
【0244】
同様に、チャネルAキャリア1時刻4で情報‘10’を伝送するときの信号点を図21(g)に示すように配置する。このとき、チャネルBキャリア1時刻4は、チャネルAキャリア1時刻4に対し、差動符号化するため、情報を‘00’‘01’‘11’‘10’を伝送するときは図21(h)のように信号点を配置する。
【0245】
次に、BPSK変調で作動符号化する例について説明する。図22は、チャネルBの信号をチャネルAの信号に対し差動符号化したときのI−Q平面上の信号点配置の一例を示す図である。図22において、チャネルA、チャネルBはBPSK変調を施している信号である。
【0246】
チャネルAキャリア1時刻4で情報‘1’を伝送するときの信号点を図22(a)に示すように2201に配置する。このとき、チャネルBキャリア1時刻4は、チャネルAキャリア1時刻4に対し、差動符号化するため、情報を‘0’を伝送するときは図22(b)のように2202に信号点を配置し、‘1’を伝送するときは2203に信号点を配置する。すなわち、チャネルAで受信したシンボルの位置をチャネルBのシンボルを復調する時の基準の位置(言い換えればチャネルBにおける情報‘1’のシンボル位置)とする。
【0247】
これに対し、チャネルAキャリア1時刻4で情報‘0’を伝送するときの信号点を図22(c)に示すように2204に配置する。このとき、チャネルBキャリア1時刻4は、チャネルAキャリア1時刻4に対し、差動符号化するため、情報を‘0’を伝送するときは図22(d)のように2206に信号点を配置し、‘1’を伝送するときは2205に信号点を配置する。
【0248】
次に、符号化の基準となるチャネルAの信号がBPSK、チャネルAをもとに符号化するチャネルBの信号がQPSKである例について説明する。図23は、チャネルAのPSK変調(ここではBPSK(BPSK:Binary Phase Shift Keying)変調)をもとにチャネルBの多値変調(ここではQPSK変調)のI−Q平面上での信号点配置を行ったときの一例を示す図である。このときチャネルAとチャネルBの変調方式は異なるものとする。また、チャネルAの変調方式がPSK変調であることを特徴としている。
【0249】
チャネルAキャリア1時刻4で情報‘0’を伝送するときの信号点を図23(a)に示すように配置する。このとき、チャネルBキャリア1時刻4は、チャネルAキャリア1時刻4の信号点配置に対し、情報を‘00’、‘01’、‘11’、‘10’に対する信号点配置を決定する。そのときの信号点配置は図23(b)である。すなわち、チャネルAで受信したシンボルの位置から45度位相が進んだ点をチャネルBのシンボルを復調する時の基準の位置(言い換えればチャネルBにおける情報‘00’のシンボル位置)とする。
【0250】
同様に、チャネルAキャリア1時刻4で情報‘1’を伝送するときの信号点を図23(c)に示すように配置する。このとき、チャネルBキャリア1時刻4は、チャネルAキャリア1時刻4の信号点配置に対し、情報を‘00’、‘01’、‘11’、‘10’に対する信号点配置を決定する。そのときの信号点配置は図23(d)である。
【0251】
次に、符号化の基準となるチャネルAの信号がBPSK、チャネルAをもとに符号化するチャネルBの信号が16QAMである例について説明する。図24は、チャネルAのPSK変調(ここではBPSK変調)をもとにチャネルBの多値変調(ここでは16QAM(16QAM:16 Quadrature Amplitude Modulation))のI−Q平面上での信号点配置を行ったときの一例を示す図である。図24において、チャネルAとチャネルBの変調方式は異なるものとする。また、チャネルAの変調方式がPSK変調であることを特徴としている。
【0252】
チャネルAキャリア1時刻4で情報‘0’を伝送するときの信号点を図24(a)に示すように配置する。このとき、チャネルBキャリア1時刻4は、チャネルAキャリア1時刻4に受信した信号点の位置を基準として、情報4ビット‘0000’、・・・・、‘1111’に対する信号点配置を決定する。そのときの信号点配置は図24(b)である。
【0253】
同様に、チャネルAキャリア1時刻4で情報‘1’を伝送するときの信号点を図24(c)に示すように配置する。このとき、チャネルBキャリア1時刻4は、チャネルAキャリア1時刻4の信号点配置に対し、情報4ビット‘0000’、・・・・、‘1111’に対する信号点配置を決定する。そのときの信号点配置は図24(d)である。
【0254】
図25は、チャネルAのPSK変調(ここではQPSK変調)をもとにチャネルBの多値変調(ここでは16QAM)のI−Q平面上での信号点配置を行ったときの一例を示す図である。このときチャネルAとチャネルBの変調方式は異なるものとする。また、チャネルAの変調方式がPSK変調であることを特徴としている。
【0255】
チャネルAキャリア1時刻4で情報‘00’を伝送するとき、チャネルBキャリア1時刻4は、チャネルAキャリア1時刻4の信号点配置2501に対し、情報4ビット‘0000’、・・・・、‘1111’に対する信号点配置を決定する。そのときの信号点配置は図25(a)である。
【0256】
チャネルAキャリア1時刻4で情報‘01’を伝送するとき、チャネルBキャリア1時刻4は、チャネルAキャリア1時刻4の信号点配置2502に対し、情報4ビット‘0000’、・・・・、‘1111’に対する信号点配置を決定する。そのときの信号点配置は図25(b)である。
【0257】
チャネルAキャリア1時刻4で情報‘11’を伝送するとき、チャネルBキャリア1時刻4は、チャネルAキャリア1時刻4の信号点配置2503に対し、情報4ビット‘0000’、・・・・、‘1111’に対する信号点配置を決定する。そのときの信号点配置は図25(c)である。
【0258】
チャネルAキャリア1時刻4で情報‘10’を伝送するとき、チャネルBキャリア1時刻4は、チャネルAキャリア1時刻4の信号点配置2504に対し、情報4ビット‘0000’、・・・・、‘1111’に対する信号点配置を決定する。そのときの信号点配置は図25(d)である。
【0259】
図26は、本実施の形態の基地局送信信号のフレーム構成の一例を示す図である。図26では、チャネルAおよびチャネルBどちらにおいてもパイロットシンボル1801が規則的に挿入されている。
【0260】
このとき、推定用シンボル103は、受信機において、チャネルAとチャネルBを分離するために使用するシンボルであり、チャネルAのパイロットシンボル1801は、受信機においてチャネルAとチャネルBの信号分離後、チャネルAの復調部で、チャネルAの信号の伝送路歪み、周波数オフセットなどの歪み成分を推定するためのシンボルである。
【0261】
同様に、チャネルBのパイロットシンボル1801は、受信機においてチャネルAとチャネルBの信号分離後、チャネルBの復調部で、チャネルBの信号の伝送路歪み、周波数オフセットなどの歪み成分を推定するためのシンボルである。
【0262】
図26では、チャネルAとチャネルBの信号分離ときのための推定用シンボル103は、チャネルA、チャネルBにおいて多重されていない。そして前述のパイロットシンボル1801は多重されていることが特徴である。
【0263】
このとき、推定用シンボル103、パイロットシンボル1801、どちらも例えば、既知の参照シンボル(既知パイロット)である。しかし、受信機における役割が異なる。推定用シンボル103は、チャネルAとチャネルBの多重している信号を分離する信号処理を行うために使用する。
【0264】
そして、チャネルAの情報シンボルを復調する際、伝送路歪み、周波数オフセット、I−Q平面における位相、振幅を推定するために、チャネルAのパイロットシンボル1801およびチャネルBのパイロットシンボル1801を使用する。
【0265】
同様に、チャネルBの情報シンボルを復調する際、伝送路歪み、周波数オフセット、I−Q平面における位相、振幅を推定するために、チャネルAのパイロットシンボル1801およびチャネルBのパイロットシンボル1801を使用する。
【0266】
そして、図2のフレーム構成信号生成部221から出力されるフレーム構成信号222に含まれる図26のフレーム構成の情報により、変調信号が生成される。
【0267】
次に、本実施の形態のパイロットシンボルの配置について説明する。図27は、本実施の形態におけるパイロットシンボルのI−Q平面における信号点配置の一例を示す図である。
【0268】
図27において、2701は、既知パイロットシンボルを示しており、特定の位置の信号点配置である。2702は、既知BPSKパイロットシンボルを示しており、BPSK変調されているが、規則的に配置されている。
【0269】
図28は、本実施の形態における基地局送信信号のフレーム構成の一例を示す図である。図28において、縦軸は周波数を示し、横軸は時刻を示す。 図28において、チャネルA、チャネルB分離後に伝送路歪み、周波数オフセットなどの歪みを推定するためにパイロットシンボルが挿入されていないことが特徴となっている。また、チャネルAの変調方式がPSK変調となっていることが特徴となっている。
【0270】
このとき、チャネルAは、周波数軸、または、時間軸上で差動符号化されている。そして、チャネルBは、チャネルAの信号点配置に対し、情報ビットが割り当てられている。
【0271】
次に、この図28のフレーム構成において、チャネルAとチャネルBを差動符号化する方法、および、チャネルAの信号点を基準にチャネルBの信号点配置を行う方法について説明する。
【0272】
図28において、チャネルAはPSK変調されており、周波数軸、または、時間軸の例えばとなりのシンボルと差動符号化する。これにより、パイロットシンボルを挿入する必要がない。そして、例えば、図21、図22のようにチャネルAとチャネルBを差動符号化する。または、図23、図24、図25のようにチャネルBの信号点は、チャネルAの信号点を基準に配置する。
【0273】
このように、符号化することで、受信機では、チャネルBの信号を復調する際、チャネルAの信号により、伝送路歪み、周波数オフセット、I−Q平面における位相を推定することができる、つまり、パイロットシンボルとすることができる。
【0274】
図19、図20がこのときの、送信装置、受信装置の構成の一例である。このとき、図18のフレームを送信、受信するときと動作の異なる部分は、図19において、チャネルAの送信ディジタル信号201は差動符号化されることであり、また、図20のチャネルAの復調部2003では差動検波(遅延検波)を行い、チャネルAの受信ディジタル信号2004を出力する。
【0275】
図29は、本実施の形態における受信装置の構成の一例を示す図である。但し、図3と同一の構成となるものについては、図3と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0276】
復調部2903は、分離されたチャネルAのパラレル信号2901を復調し、受信ディジタル信号2904を出力する。
【0277】
復調部2905は、分離されたチャネルBのパラレル信号2902を復調し、受信ディジタル信号2906を出力する。
【0278】
図30は、本実施の形態の復調部の一例を示すブロック図である。具体的には、図30は、本実施の形態におけるチャネルA、チャネルBの復調部の構成の一例として、チャネルBの復調部の構成を示す。
【0279】
伝送路歪み推定部3002は、チャネルBのパラレル信号3001から伝送路歪みを推定し、伝送路歪み推定信号3003を情報シンボル復調部3006に出力する。
【0280】
周波数オフセット推定部3004は、チャネルBのパラレル信号3001から周波数オフセットを推定し、周波数オフセット推定信号3005を情報シンボル復調部3006に出力する。
【0281】
情報シンボル復調部3006は、伝送路歪み推定信号3003、周波数オフセット推定信号3005を用いて、チャネルBのパラレル信号3001を復調し、受信ディジタル信号3007を出力する。
【0282】
図31は、本実施の形態の復調部の一例を示すブロック図である。具体的には、図31は、本実施の形態におけるチャネルA、チャネルBの復調部の構成の一例として、チャネルBの復調部の構成を示す。
【0283】
伝送路歪み推定部3102は、チャネルAのパラレル信号3108から伝送路歪みを推定し、伝送路歪み推定信号3103を情報シンボル復調部3106に出力する。
【0284】
周波数オフセット推定部3104は、チャネルAのパラレル信号3108から周波数オフセットを推定し、周波数オフセット推定信号3105を情報シンボル復調部3106に出力する。
【0285】
情報シンボル復調部3106は、伝送路歪み推定信号3103、周波数オフセット推定信号3105を用いて、チャネルBのパラレル信号3101を復調し、チャネルBの受信ディジタル信号3107を出力する。
【0286】
図32は、本実施の形態の復調部の一例を示すブロック図である。具体的には、図32は、本実施の形態におけるチャネルA、チャネルBの復調部の構成の一例として、チャネルBの復調部の構成を示す。
【0287】
伝送路歪み推定部3202は、チャネルBのパラレル信号3201およびチャネルAのパラレル信号3208から、伝送路歪みを推定し、伝送路歪み推定信号3203を情報シンボル復調部3206に出力する。
【0288】
周波数オフセット推定部3204は、チャネルBのパラレル信号3201およびチャネルAのパラレル信号3208から、周波数オフセットを推定し、周波数オフセット推定信号3205を情報シンボル復調部3206に出力する。
【0289】
情報シンボル復調部3206は、伝送路歪み推定信号3203、周波数オフセット推定信号3205を用いて、チャネルBのパラレル信号3201を復調し、チャネルBの受信ディジタル信号3207を出力する。
【0290】
図33は、本実施の形態の復調部の一例を示すブロック図である。具体的には、図33は、本実施の形態におけるチャネルA、チャネルBの復調部の構成の一例として、チャネルBの復調部の構成を示す。
【0291】
情報シンボル復調部3303は、チャネルAのパラレル信号3302を用いて、チャネルBのパラレル信号3301を復調し、チャネルBの受信ディジタル信号3304を出力とする。
【0292】
図34は、本実施の形態における受信装置の構成の一例を示すブロック図である。但し、図3または図29と同一の構成となるものについては、図3または図29と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0293】
図34の特徴は、チャネルAの復調部2903には、分離されたチャネルAのパラレル信号2901および分離されたチャネルBのパラレル信号2902が入力されていることと、分離されたチャネルAのパラレル信号2901および分離されたチャネルBのパラレル信号2902によりチャネルAの復調が行われることである。
【0294】
同様に、チャネルBの復調部2905には、分離されたチャネルAのパラレル信号2901および分離されたチャネルBのパラレル信号2902が入力されていることと、分離されたチャネルAのパラレル信号2901および分離されたチャネルBのパラレル信号2902によりチャネルBの復調が行われることが図34の特徴である。
【0295】
図34において、チャネルA、チャネルBの復調部の構成の一例は図32のとおりである。すなわち、復調部2903と復調部2905は、図32の復調部から構成される。ここではチャネルAの復調部2903を例に説明する。
【0296】
伝送路歪み推定部3202は、図34の分離されたチャネルAのパラレル信号2901に相当するチャネルAのパラレル信号3201、図34の分離されたチャネルBのパラレル信号2902に相当するチャネルBのパラレル信号3208図26からチャネルA及びチャネルBに挿入されているパイロットシンボルを抽出し、伝送路歪みを推定し、伝送路歪み推定信号3203を情報シンボル復調部3206に出力する。
【0297】
同様に、周波数オフセット推定部3204は、図34の分離されたチャネルAのパラレル信号2901に相当するチャネルAのパラレル信号3201、図34の分離されたチャネルBのパラレル信号2902に相当するチャネルBのパラレル信号3208図26からチャネルA及びチャネルBに挿入されているパイロットシンボルを抽出し、周波数オフセットを推定し、周波数オフセット推定信号3205を情報シンボル復調部3206に出力する。
【0298】
そして、情報シンボル復調部3206は、伝送路歪み推定信号3203、周波数オフセット推定信号3205を用いて、チャネルAのパラレル信号3201から周波数オフセット、伝送路歪みなどの歪みを取り除き、復調し、チャネルAの受信ディジタル信号3207を出力する。
【0299】
このように、伝送路歪み、周波数オフセット推定を、チャネルAおよびチャネルBのパイロットシンボルを用いて推定することで、推定精度が向上し、受信感度特性が向上することになる。
【0300】
以上、図32において、伝送路歪み推定部と周波数オフセット推定部を具備する構成で説明したが、どちらか一方のみを具備する構成でも同様に実施することができる。
【0301】
図35は、本実施の形態の復調部の一例を示すブロック図である。具体的には、図35は、本実施の形態におけるチャネルA、チャネルBの復調部の構成の一例として、チャネルBの復調部の構成である。但し、図32と同一の構成となるものについては、図32と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0302】
次に、本実施の形態の受信装置の復調部について説明する、図30は、本実施の形態の受信装置の構成を示すブロック図である。具体的には、図30は、図20の復調部2003の詳細な構成を示すブロック図である。
【0303】
図30において、伝送路歪み推定部3002は、図20の分離されたチャネルAのパラレル信号2001に相当するチャネルAのパラレル信号3001からパイロットシンボル、例えば、図18のチャネルAに挿入されているパイロットシンボル1801、を抽出し、伝送路歪みを推定する。
【0304】
同様に、周波数オフセット推定部3004は、チャネルAのパラレル信号3001からパイロットシンボル、例えば、図18のチャネルAに挿入されているパイロットシンボル1801、を抽出し、周波数オフセットを推定する。
【0305】
そして、情報シンボル復調部3006は、伝送路歪み推定信号3003、周波数オフセット推定信号3005を用いて、チャネルAのパラレル信号3001から周波数オフセット、伝送路歪みなどの歪みをとりのぞき、復調する。
【0306】
チャネルBの復調部2005は、分離されたチャネルAのパラレル信号2001、分離されたチャネルBのパラレル信号2002を入力とし、図18におけるチャネルBの情報シンボル102を復調し、チャネルBの受信ディジタル信号2006を出力する。このときのチャネルBの復調部2005の詳細の構成を示した図が図33、図35である。
【0307】
図33において、情報シンボル復調部3303は、図20の分離されたチャネルAのパラレル信号2001に相当するチャネルAのパラレル信号3302、図20の分離されたチャネルBのパラレル信号2002に相当するチャネルBのパラレル信号3301を入力とし、差動検波(遅延検波)を行う。
【0308】
図35において、伝送路歪み推定部3202は、図20の分離されたチャネルAのパラレル信号2001に相当するチャネルAのパラレル信号3208から、パイロットシンボル、例えば、図18のチャネルAのパイロットシンボル1801、を抽出し、伝送路歪みを推定する。
【0309】
同様に、周波数オフセット推定部3204は、図20の分離されたチャネルAのパラレル信号2001に相当するチャネルAのパラレル信号3208から、パイロットシンボル、例えば、図18のチャネルAのパイロットシンボル1801、を抽出し、周波数オフセットを推定する。
【0310】
そして、情報シンボル復調部3206は、伝送路歪み推定信号3203、周波数オフセット推定信号3205を用いて、チャネルAのパラレル信号3208、チャネルBのパラレル信号3201から周波数オフセット、伝送路歪みなどの歪みを取り除き、チャネルBのパラレル信号とチャネルAのパラレル信号を差動検波(遅延検波)し、チャネルBの受信ディジタル信号3207を出力する。
【0311】
このように、本実施の形態の送信装置及び受信装置によれば、チャネルBの信号をチャネルAの信号により差動符号化し、チャネルBには、パイロットシンボルを挿入していないため、チャネルBにパイロットシンボルを挿入したシステムと比較して、伝送速度が向上するという効果がある。
【0312】
なお、チャネルAとチャネルBの差動符号化の方法はこれに限らない。例えば、ある特定のシンボルのみ差動符号化してもよい。また、チャネルAとチャネルBの差動符号化するシンボルは、同一キャリア、同一時刻のシンボルである必要はない。また、差動符号化の例として、BPSK、QPSKで説明したが、これに限ったものではなく、特に、PSK変調である場合、実施しやすい。また、差動符号化する際の基準となるチャネルは常時送信する必要がある。そして、そのチャネルに制御情報、例えば、通信状況、チャネルの構成情報などを伝送するのに適している。
【0313】
また、図31、図35において、伝送路歪み推定部と周波数オフセット推定部を具備する構成で説明したが、どちらか一方のみを具備する構成でも同様に実施することができる。
【0314】
そして、送信装置および受信装置は、図19、図20の構成に限ったものではなく、また、アンテナ数2本のチャネル数2の多重フレームと多重していないフレームを例に説明したが、これに限ったものではない。例えば、アンテナ数を3本のチャネル数3の多重フレーム、アンテナ3本のうち2本でチャネル数2の多重フレームにおいても同様に実施することが可能である。このとき、3チャネル多重する場合、さらに加えるチャネルをチャネルCとすると、チャネルCは、チャネルAと差動符号化することになる。また、フレーム構成は図18に限ったものではない。そして、通信方式として、OFDM方式を例に説明したが、マルチキャリアの方式、スペクトル拡散通信方式、シングルキャリア方式で、同様に実施することが可能である。また、マルチキャリアの各キャリアの方式においてスペクトル拡散通信方式を用いても良い。よって、OFDM−CDMにおいても同様に実施することが可能である。
【0315】
また、1本のアンテナは、複数のアンテナで1本のアンテナを構成している場合もある。
【0316】
次に、チャネルBをチャネルAの信号をもとに符号化する場合について説明する。
【0317】
また、チャネルAとチャネルBの符号化の方法はこれに限ったものではなく、例えば、ある特定のシンボルのみ符号化してもよい。また、チャネルAとチャネルBの符号化するシンボルは、同一キャリア、同一時刻のシンボルである必要はない。また、符号化の例として、チャネルAをBPSK、QPSKで説明したが、これに限ったものではなく、特に、PSK変調である場合、実施しやすい。また、符号化する際の基準となるチャネルは常時送信する必要がある。そして、そのチャネルに制御情報、例えば、通信状況、チャネルの構成情報などを伝送するのに適している。
【0318】
また、図35において、伝送路歪み推定部と周波数オフセット推定部を具備する構成で説明したが、どちらか一方のみを具備する構成でも同様に実施することができる。
【0319】
そして、送信装置および受信装置は、図19、図20の構成に限ったものではなく、また、アンテナ数2本のチャネル数2の多重フレームと多重していないフレームを例に説明したが、これに限ったものではない。例えば、アンテナ数を3本のチャネル数3の多重フレーム、アンテナ3本のうち2本でチャネル数2の多重フレームにおいても同様に実施することが可能である。このとき、3チャネル多重する場合、さらに加えるチャネルをチャネルCとすると、チャネルCは、チャネルAとを符号化することになる。また、フレーム構成は図18に限ったものではない。そして、通信方式として、OFDM方式を例に説明したが、マルチキャリアの方式、スペクトル拡散通信方式、シングルキャリア方式で、同様に実施することが可能である。また、マルチキャリアの各キャリアの方式においてスペクトル拡散通信方式を用いても良い。よって、OFDM−CDM(OFDM−CDM:Orthogonal Frequency Division Multiplex Code Division Multiplex)においても同様に実施することが可能である。
【0320】
また、1本のアンテナは、複数のアンテナで1本のアンテナを構成している場合もある。
【0321】
以上の説明において、チャネルAとチャネルBの符号化の方法はこれに限ったものではなく、例えば、ある特定のシンボルのみ符号化してもよい。また、チャネルAとチャネルBの符号化するシンボルは、同一キャリア、同一時刻のシンボルである必要はない。また、符号化の例として、チャネルAをBPSK、QPSKで説明したが、これに限ったものではなく、特に、PSK変調である場合、実施しやすい。また、差動符号化する際の基準となるチャネルは常時送信する必要がある。そして、そのチャネルに制御情報、例えば、通信状況、チャネルの構成情報などを伝送するのに適している。
【0322】
そして、送信装置および受信装置は、図19、図20の構成に限ったものではなく、また、アンテナ数2本のチャネル数2の多重フレームと多重していないフレームを例に説明したが、これに限ったものではない。例えば、アンテナ数を3本のチャネル数3の多重フレーム、アンテナ3本のうち2本でチャネル数2の多重フレームにおいても同様に実施することが可能である。このとき、3チャネル多重する場合、さらに加えるチャネルをチャネルCとすると、チャネルCは、チャネルAとを符号化することになる。また、フレーム構成は図28に限ったものではない。そして、通信方式として、OFDM方式を例に説明したが、マルチキャリアの方式、スペクトル拡散通信方式、シングルキャリア方式で、同様に実施することが可能である。また、マルチキャリアの各キャリアの方式においてスペクトル拡散通信方式を用いても良い。よって、OFDM−CDMにおいても同様に実施することが可能である。
【0323】
また、1本のアンテナは、複数のアンテナで1本のアンテナを構成している場合もある。
【0324】
以上のように、チャネルAは周波数軸、または、時間軸で差動符号化し、チャネルBの信号をチャネルAの信号により符号化し、チャネルA、チャネルBには、パイロットシンボルを挿入していないため、チャネルA、チャネルBにパイロットシンボルを挿入したシステムと比較して、伝送速度が向上するという効果がある。
【0325】
次に、図2、図26、図29、図32、図34を用いて、チャネルA、チャネルBにパイロットシンボルの挿入方法について説明する。
【0326】
そして、送信装置および受信装置は、図2、図34の構成に限ったものではなく、また、アンテナ数2本のチャネル数2の多重フレームと多重していないフレームを例に説明したが、これに限ったものではない。例えば、アンテナ数を3本のチャネル数3の多重フレーム、アンテナ3本のうち2本でチャネル数2の多重フレームにおいても同様に実施することが可能である。このとき、3チャネル多重する場合、3チャネル分のパイロットシンボルを用いて伝送路歪み、周波数オフセットを推定することで、推定精度がさらに向上する。また、フレーム構成は図26に限ったものではない。そして、通信方式として、OFDM方式を例に説明したが、マルチキャリアの方式、スペクトル拡散通信方式、シングルキャリア方式で、同様に実施することが可能である。また、マルチキャリアの各キャリアの方式においてスペクトル拡散通信方式を用いても良い。よって、OFDM−CDMにおいても同様に実施することが可能である。
【0327】
また、1本のアンテナは、複数のアンテナで1本のアンテナを構成している場合もある。
【0328】
このように、本実施の形態の送信装置及び受信装置によれば、チャネルA、チャネルBのパイロットを用いて、周波数オフセット、伝送路歪みを推定することで推定精度が向上し、これにより、チャネルA、チャネルBの復調の受信感度が向上する効果が得られる。
【0329】
(実施の形態8)
本発明の実施の形態8では、同一周波数帯域において、複数のチャネルの変調信号を複数アンテナから送信する送信方法において、送信ベースバンド用の周波数源を1つ、無線部用の周波数源を1つ具備する送信装置、および、受信ベースバンド用の周波数源を1つ、無線部用の周波数源を1つ具備する受信装置について説明する。
【0330】
図36は、本発明の実施の形態8に係る送信装置の構成の一例を示すブロック図である。但し、図2と同一の構成となるものについては、図2と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0331】
周波数源3601は、送信ベースバンド信号用の動作周波数信号3602を生成し、動作周波数信号3602をシリアルパラレル変換部202、逆離散フーリエ変換部204、シリアルパラレル変換部212、逆離散フーリエ変換部214、及びフレーム構成信号生成部221に出力する。
【0332】
周波数源3603は、無線部用の動作周波数信号3604を生成し、動作周波数信号3604を無線部206及び無線部216に出力する。
【0333】
以下、図36の送信装置の動作について説明する。図36において、周波数源3601は、動作周波数信号3602を生成する。
【0334】
そして、シリアルパラレル変換部202、212および逆離散フーリエ変換部204、214は、動作周波数信号3602に同期して信号処理を行う。
【0335】
同様に、周波数源3603は、動作周波数信号3604を生成する。
【0336】
そして、無線部206、216は動作周波数信号3604に同期して、離散フーリエ変換後の信号205、215の周波数変換を行い、送信信号207、217を出力する。
【0337】
このように、本実施の形態の送信装置によれば、周波数源をアンテナごとに別々に所有する場合と比較し、周波数源を削減することができる。そして、送信装置において、周波数源を共有することにより、受信装置におけるチャネルAの信号とチャネルBの信号における周波数同期および時間同期が容易に行うことができる。なぜなら、周波数源がチャネルAとチャネルBで共有しているため、別々に同期する必要がないからである。
【0338】
次に受信側について説明する。図37は、本発明の実施の形態8に係る受信装置の構成の一例を示すブロック図である。但し、図3と同一の構成となるものについては、図3と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0339】
周波数源3701は、受信ベースバンド用の動作周波数信号3702を生成し、動作周波数信号3702を同期部334に出力する。
【0340】
周波数源3703は、無線部用の動作周波数信号3704を生成し、動作周波数信号3704を無線部303及び無線部313に出力する。
【0341】
次に図37の受信装置の動作について説明する。
【0342】
受信ベースバンド用の周波数源3701は、動作周波数信号3702を生成する。
【0343】
同期部334は、動作周波数信号3702と受信直交ベースバンド信号304および314で獲得した同期タイミングとを比較し、送信装置と同期したタイミング信号335を生成する。
【0344】
周波数源3703は、周波数オフセット推定信号333を用いて、送信装置と同期するように周波数を制御し、動作周波数信号3704を生成する。
【0345】
無線部303、314は、動作周波数信号3704をもとに、それぞれ受信信号302、312を周波数変換する。
【0346】
このように、本実施の形態の受信装置によれば、周波数源をアンテナごとに別々に所有する場合と比較し、周波数源を削減することができる。そして、チャネルAの信号とチャネルBの信号における周波数同期および時間同期が容易に行うことができる。
【0347】
なお、送信装置および受信装置は、図36、図37の構成に限ったものではなく、また、アンテナ数2本のチャネル数2の多重フレームと多重していないフレームを例に説明したが、これに限ったものではない。例えば、アンテナ数を3本のチャネル数3の多重フレーム、アンテナ3本のうち2本でチャネル数2の多重フレームにおいても同様に実施することが可能である。そして、通信方式として、OFDM方式を例に説明したが、マルチキャリアの方式、スペクトル拡散通信方式、シングルキャリア方式で、同様に実施することが可能である。また、マルチキャリアの各キャリアの方式においてスペクトル拡散通信方式を用いても良い。よって、OFDM−CDMにおいても同様に実施することが可能である。
【0348】
また、1本のアンテナは、複数のアンテナで1本のアンテナを構成している場合もある。
【0349】
以上のように、同一周波数帯域において、複数のチャネルの変調信号を複数アンテナから送信する送信方法において、送信ベースバンド用の周波数源を1つ、無線部用の周波数源を1つ具備する送信装置、および、受信ベースバンド用の周波数源を1つ、無線部用の周波数源を1つ具備する受信装置とすることで、送信装置において周波数源をアンテナごとに別々に所有する場合と比較し、周波数源を削減することができる。そして、送信装置で、周波数源を共有することで、受信装置におけるチャネルAの信号とチャネルBの信号における周波数同期および時間同期が容易に行うことができる。
【0350】
(実施の形態9)
本発明の実施の形態9では、複数のアンテナから複数のチャネルの信号を送信する通信方法と1チャネルの信号を送信する通信方法を、環境により通信方法を切り替える通信方法、および送信装置、受信装置の構成について説明する。
【0351】
図38は、本発明の実施の形態9における基地局の配置の一例を示す図である。図38において、基地局3801は周波数f1で変調信号を送信しており、その通信限界は3802である。同様に、基地局3803は周波数f2で変調信号を送信しており、その通信限界は3804である。図38において、周波数f1の変調信号を送信する基地局3801と、周波数f2の変調信号を送信する基地局3803はほぼ同一の場所に設置されているものとする。
【0352】
本実施の形態の基地局装置及び通信端末装置は、複数のアンテナを用いて複数のチャネルの信号を多重する通信方式の信号と一つのチャネルの信号を電波伝搬環境や通信エリアにより、適応的に切り替える。
【0353】
基地局3801は、図8に示すフレーム構成の信号を周波数f1で送信する。
【0354】
また、基地局3803は、図9に示すフレーム構成の信号を周波数f2で送信する。そして、この周波数f1と周波数f2は、図10に示すように配置される。
【0355】
基地局3801は、図2に示すように構成され、複数のアンテナから複数のチャネルの信号が多重されて送信されているものとする。ここでは、例えば、2本のアンテナから、図8のようフレーム構成で2チャネルの信号が多重されて送信されている。
【0356】
この基地局3801の受信装置の詳細について説明する。図39は、本発明の実施の形態9に係る基地局の受信装置の構成を示すブロック図である。図39は、基地局3801、基地局3803の受信装置の構成の一例を示している。図39において、無線部3903は受信アンテナ3901で受信した受信信号3902をベースバンド周波数に変換し、受信直交ベースバンド信号3904を復調部3905に出力する。
【0357】
復調部3905は、受信直交ベースバンド信号3904を復調し、受信ディジタル信号3906を出力する。
【0358】
次に、基地局3801の送信装置の詳細について説明する。図40は、本発明の実施の形態9の基地局の送信装置の構成を示すブロック図である。図40は、本実施の形態における基地局3803の送信装置の構成の一例を示している。図40において、シリアルパラレル変換部4002は、送信ディジタル信号4001からフレームを構成し、パラレル信号4003を逆離散フーリエ変換部4004に出力する。
【0359】
逆離散フーリエ変換部4004は、パラレル信号4003を逆フーリエ変換し、逆フーリエ変換後の信号4005を無線部4006に出力する。
【0360】
無線部4006は、逆フーリエ変換後の信号4005を無線周波数に変換し、送信信号4007は、アンテナ4008から電波として出力される。
【0361】
図41は、本発明の実施の形態9に係る端末の受信装置の構成の一例を示す図である。但し、図12または図13と同一の構成となるものについては、図12または図13と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。図41の受信装置は、2本のアンテナで周波数f1のチャネルAおよびチャネルBを復調するための受信部、および、周波数f2のチャネルCを復調するための受信部とで構成されている。
【0362】
電波伝搬環境推定部1301は周波数f1のチャネルAとチャネルBの多重信号の電波伝搬環境を推定し、電波伝搬環境推定情報1302を出力する。
【0363】
そして、電波伝搬環境推定部1303は周波数f2のチャネルCの信号の電波伝搬環境を推定し、電波伝搬環境推定情報1304を出力する。
【0364】
通信方法決定部4101は、電波伝搬環境推定情報1302、1304から、周波数f1つまり基地局3801と通信するか、周波数f2つまり基地局3803と通信するかを決定し、決定通信方法信号4102として出力する。
【0365】
図42は、本発明の実施の形態9に係る端末の送信装置の構成の一例を示す図である。図42の送信装置は、周波数f1の変調信号送信部と周波数f2の変調信号送信部から構成されている。
【0366】
通信方法選択部4203は、決定通信方法信号4202を入力とし、決定通信方法信号4202に含まれる通信方法で送信ディジタル信号4201を変調信号生成部4205または変調信号生成部4211に出力する。つまり、周波数f1で送信する場合、通信方法選択部4203は、送信ディジタル信号4201を周波数f1用送信ディジタル信号4204として変調信号生成部4205に出力する。また、周波数f2で送信する場合、通信方法選択部4203は、送信ディジタル信号4201を周波数f2用送信ディジタル信号4210として変調信号生成部4211に出力する。
【0367】
変調信号生成部4205は、周波数f1用送信ディジタル信号4204を変調し、送信直交ベースバンド信号4206を無線部4207に出力する。
【0368】
無線部4207は、送信直交ベースバンド信号4206を無線周波数f1に変換し、周波数f1の変調信号4208は、アンテナ4209から電波として出力される。
【0369】
変調信号生成部4211は、周波数f2用送信ディジタル信号4210を変調し、送信直交ベースバンド信号4212を無線部4213に出力する。
【0370】
無線部4213は、送信直交ベースバンド信号4212を無線周波数f2に変換し、周波数f2の変調信号4214は、アンテナ4215から電波として出力される。
【0371】
図43は、本発明の実施の形態9における基地局の配置の一例を示す図である。但し、図38と同一の構成となるものについては、図38と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0372】
図38のように、A地点、D地点では、周波数f1の変調信号を送信する基地局3801が送信した変調信号を受信でき、B地点、C地点では周波数f2の変調信号を送信する基地局3803が送信した変調信号を受信できる。
【0373】
このとき、例えば、端末がAまたはD地点にいるものとする。すると、図41の端末の受信装置の電波伝搬環境推定部1301では、周波数f1の信号が存在していることがわかる信号を電波伝搬環境推定情報1302として出力される。そして、電波伝搬環境推定部1303では、周波数f2の信号が存在していないことを示す信号を電波伝搬環境推定情報1304として出力される。
【0374】
また、端末がBまたはC地点にいるものとする。すると、図41の端末の受信装置の電波伝搬環境推定部1301では、周波数f1の信号が存在していないことがわかる信号を電波伝搬環境推定情報1302として出力される。そして、電波伝搬環境推定部1303では、周波数f2の信号が存在していることを示す信号を電波伝搬環境推定情報1304として出力される。
【0375】
通信方法決定部4101は、上述の電波伝搬環境推定情報1302、1304を入力とし、変調信号が存在する周波数f1またはf2で通信をすると決定し、決定通信方法信号4102として出力する。
【0376】
また、図43のように周波数f1の変調信号を送信する基地局3801と周波数f2の変調信号を送信する基地局3803が存在するとき、電波伝搬環境推定部1301では、周波数f1の信号が存在していることがわかる信号を電波伝搬環境推定情報1302として出力される。そして、電波伝搬環境推定部1303でも、周波数f2の信号が存在していることを示す信号を電波伝搬環境推定情報1304として出力される。
【0377】
図41の通信方法決定部4101は、上述の電波伝搬環境推定情報1302、1304を入力とし、例えば、伝送速度の速い通信方法を選択し、決定通信方法信号4102を出力する。このとき、f1、f2の変調信号の占有周波数帯域が等しい場合は、複数のアンテナで複数のチャネルの信号を送信している周波数f1の方が通信速度が速いため、優先的に、周波数f1の通信方法を選択することになる。
【0378】
また、端末が、誤り耐性のある通信方式を選択したい場合は、優先的に周波数f2の通信方式を選択することになる。
【0379】
以上において、送信装置および受信装置の構成は、図2、図39、図40、図41、図42の構成に限ったものではない。また、図8のフレーム構成において、アンテナ数2本のチャネル数2の多重フレームについて説明したが、これに限ったものではない。例えば、送信装置ではアンテナ数3本のチャネル数3の多重フレームを送信してもよい。そして、通信方式として、OFDM方式を例に説明したが、マルチキャリア方式、スペクトル拡散通信方式、シングルキャリア方式で、同様に実施することが可能であり、例えば、複数のアンテナで複数チャネルの信号を送信する通信方式をOFDM方式とし、多重しない信号の通信方式をスペクトル拡散通信方式としてもよい。また、マルチキャリアの各キャリアの方式においてスペクトル拡散通信方式を用いても良い。よって、OFDM−CDMにおいても同様に実施することが可能である。
【0380】
また、1本のアンテナは、複数のアンテナで1本のアンテナを構成している場合もある。
【0381】
このように、本実施の形態の送信装置及び受信装置によれば、複数のアンテナから複数のチャネルの信号を送信する通信方法と1チャネルの信号を送信する通信方法を、環境により通信方法切り替える通信方法とすることで、端末が伝送速度を優先するか、誤り耐性を優先するかで、選択する通信方法を切り替えることで、端末は希望にそった通信を行うことが可能である。また、本実施の形態の送信装置及び受信装置によれば、電波伝搬環境により、通信方式を切り替えることで、伝送速度および伝送品質を両立することができる。
【0382】
(実施の形態10)
本発明の実施の形態10では、通信相手から、具備するアンテナの数の情報を受け、複数のアンテナを具備し、複数のチャネルを送信する機能を有する無線通信装置は、アンテナの数の情報に対応したチャネル数の変調信号を送信する通信方法について説明する。
【0383】
図44は、本発明の実施の形態10に係る基地局のフレーム構成の一例を示す図である。但し、図1と同一の構成となるものについては、図1と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。図44において、4401はガードシンボルであり、変調シンボルが存在しない。そして、図44では、1から3チャネルの変調信号が送信されていることになる。
【0384】
図45は、本発明の実施の形態10に係る基地局のフレーム構成の一例を示す図である。但し、図1または図44と同一の構成となるものについては、図1または図44と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。図45では1から2チャネルの変調信号が送信されていることになる。
【0385】
図46は、本発明の実施の形態10に係る基地局の送信装置の構成の一例を示す図である。図46において、変調信号生成部4602は、チャネルAの送信ディジタル信号4601を変調し、フレーム構成信号4619の示すフレームを構成し、フレーム構成信号4619に応じたフレーム構成の送信直交ベースバンド信号4603を無線部4604に出力する。
【0386】
無線部4604は、送信直交ベースバンド信号4603を無線周波数に変換し、送信信号4605は、アンテナ4606から電波として出力される。
【0387】
変調信号生成部4608は、チャネルBの送信ディジタル信号4607を変調し、フレーム構成信号4619の示すフレームを構成し、フレーム構成信号4619に応じたフレーム構成の変調信号4609を無線部4610に出力する。
【0388】
無線部4610は、変調信号4609を無線周波数に変換し、送信信号4611は、アンテナ4612から電波として出力される。
【0389】
変調信号生成部4614は、チャネルCの送信ディジタル信号4613を変調し、フレーム構成信号4619の示すフレームを構成し、フレーム構成信号4619に応じたフレーム構成の変調信号4615を無線部4616に出力する。
【0390】
無線部4616は、変調信号4615を無線周波数に変換し、送信信号4617は、アンテナ4618から電波として出力される。
【0391】
これにより、同一周波数に3チャネルの変調信号が多重されて送信されていることになる。
【0392】
図47は、本発明の実施の形態10に係る基地局の受信装置の構成の一例を示す図である。但し、図39と同一の構成となるものについては、図39と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0393】
データ分離部4701は、受信ディジタル信号3906を、受信データ、アンテナ情報、電波伝搬環境推定情報に分離し、受信データ4702を出力し、アンテナ情報信号4703、電波伝搬環境推定情報4704をフレーム構成決定部4705に出力する。
【0394】
フレーム構成決定部4705は、アンテナ情報信号4703および電波伝搬環境推定情報4704からフレーム構成を決定し、フレーム構成信号4706を出力する。
【0395】
図48は、本発明の実施の形態10に係る端末の受信装置の構成の一例を示す図である。図48において、無線部4803は、アンテナ4801で受信した受信信号4802をベースバンド周波数に変換し、受信直交ベースバンド信号4804を伝送路歪み推定部4805、伝送路歪み推定部4807、及び伝送路歪み推定部4809に出力する。
【0396】
伝送路歪み推定部4805は、受信直交ベースバンド信号4804からチャネルAの伝送路歪み推定信号4806を信号処理部4831に出力する。
【0397】
伝送路歪み推定部4807は、受信直交ベースバンド信号4804からチャネルBの伝送路歪み推定信号4808を信号処理部4831に出力する。
【0398】
伝送路歪み推定部4809は、受信直交ベースバンド信号4804からチャネルCの伝送路歪み推定信号4810を信号処理部4831に出力する。
【0399】
無線部4813は、アンテナ4811で受信した受信信号4812をベースバンド周波数に変換し、受信直交ベースバンド信号4814を伝送路歪み推定部4815、伝送路歪み推定部4817、及び伝送路歪み推定部4819に出力する。
【0400】
伝送路歪み推定部4815は、受信直交ベースバンド信号4814を入力とし、チャネルAの伝送路歪み推定信号4816を信号処理部4831に出力する。
【0401】
伝送路歪み推定部4817は、受信直交ベースバンド信号4814を入力とし、チャネルBの伝送路歪み推定信号4818を信号処理部4831に出力する。
【0402】
伝送路歪み推定部4819は、受信直交ベースバンド信号4814を入力とし、チャネルCの伝送路歪み推定信号4820を信号処理部4831に出力する。
【0403】
無線部4823は、アンテナ4821で受信した受信信号4822を入力とし、受信直交ベースバンド信号4824を伝送路歪み推定部4825、伝送路歪み推定部4827、及び伝送路歪み推定部4829に出力する。
【0404】
伝送路歪み推定部4825は、受信直交ベースバンド信号4824を入力とし、チャネルAの伝送路歪み推定信号4826を信号処理部4831に出力する。
【0405】
伝送路歪み推定部4827は、受信直交ベースバンド信号4824を入力とし、チャネルBの伝送路歪み推定信号4828を信号処理部4831に出力する。
【0406】
伝送路歪み推定部4829は、受信直交ベースバンド信号4824を入力とし、チャネルCの伝送路歪み推定信号4830を信号処理部4831に出力する。
【0407】
信号処理部4831は、受信直交ベースバンド信号4804、4814、4824、チャネルAの伝送路歪み推定信号4806、4816、4826、チャネルBの伝送路歪み推定信号4808、4818、4828、チャネルCの伝送路歪み推定信号4810、4820、4830を入力とし、逆行列演算を行い、チャネルAの受信直交ベースバンド信号4832を復調部4833に出力し、チャネルBの受信直交ベースバンド信号4835を復調部4836に出力し、チャネルCの受信直交ベースバンド信号4838を復調部4839に出力する。
【0408】
復調部4833は、チャネルAの受信直交ベースバンド信号4832を復調し、受信ディジタル信号4834を出力する。
【0409】
復調部4836は、チャネルBの受信直交ベースバンド信号4835を復調し、受信ディジタル信号4837を出力する。
【0410】
復調部4839は、チャネルCの受信直交ベースバンド信号4838を復調し、受信ディジタル信号4840を出力する。
【0411】
電波伝搬環境推定部4841は、受信直交ベースバンド信号4804、4814、4824から電波伝搬環境を推定し、電波伝搬環境推定情報4842を出力する。
【0412】
図49は、本発明の実施の形態10に係る端末の送信装置の構成の一例を示す図である。図49において、データ生成部4904は、送信データ4901、端末が受信するのに有するアンテナの本数の情報であるアンテナ情報4902、電波伝搬環境推定情報4903から、送信ディジタル信号4905を生成して変調信号生成部4906に出力する。
【0413】
変調信号生成部4906は、送信ディジタル信号4905を変調し、送信直交ベースバンド信号4907を無線部4908に出力する。
【0414】
無線部4908は、送信直交ベースバンド信号4907を無線周波数に変換し、送信信号4909は、アンテナ4910から電波として出力される。
【0415】
図50は、本発明の実施の形態10に係る端末が送信する変調信号のフレーム構成の一例を示す図である。図50において、5001はアンテナ情報シンボル、5002は電波伝搬環境シンボル、5003はデータシンボルである。
【0416】
図51は、本発明の実施の形態10に係る端末の受信装置の構成の一例を示す図である。但し、図3または図29と同一の構成となるものについては、図3または図29と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0417】
図51において、電波伝搬環境推定部5101は、フーリエ変換後の信号306、316から、電波伝搬環境を推定し、電波伝搬環境推定情報5102を出力する。
【0418】
以上、図44、図45、図46、図47、図48、図49、図50、図51を用いて、通信相手から、具備するアンテナの数の情報を受け、複数のアンテナを具備し、複数のチャネルを送信する機能を有する無線通信装置は、アンテナの数の情報に対応したチャネル数の変調信号を送信する通信方法について説明する。
【0419】
3チャネルを受信できる端末の構成について説明する。
【0420】
図48はチャネルA、B、Cの信号を復調できる端末の受信装置である。そして、図49は端末の送信装置であり、データ生成部4904は送信データ4901、アンテナを3本具備している、あるいは、3チャネルの多重信号が受信できるという情報であるアンテナ情報4902、電波伝搬環境推定情報4903を入力とし、図50のフレーム構成にしたがった送信ディジタル信号4905を出力する。このとき、図49の電波伝搬環境推定情報4903は、図48の電波伝搬環境推定情報4842に相当する。
【0421】
図51はチャネルA、Bの信号を復調できる端末の受信装置である。そして、図49は端末の送信装置であり、データ生成部4904は送信データ4901、アンテナを2本具備している、あるいは、2チャネルの多重信号が受信できるという情報であるアンテナ情報4902、電波伝搬環境推定情報4903を入力とし、図50のフレーム構成にしたがった送信ディジタル信号4905を出力する。このとき、図49の電波伝搬環境推定情報4903は、図51の電波伝搬環境推定情報5102に相当する。
【0422】
次に、基地局の構成について説明する。
【0423】
図47は基地局の受信装置である。このとき、例えば、図48のチャネルA、B、Cを復調可能な端末と通信を行っているものとする。データ分離部4701は受信ディジタル信号を入力とし、図50のフレーム構成で端末から送信されたデータを分離し、受信データ4702、アンテナ情報信号4703、電波伝搬環境推定情報4704を出力する。このとき、アンテナ情報信号4703は、アンテナを3本具備している、あるいは、3チャネルの多重信号が受信できるという情報である。
【0424】
フレーム構成決定部4705は、アンテナ情報信号4703、電波伝搬環境推定情報4704を入力とし、アンテナ情報信号4703、電波伝搬環境推定情報4704に基づいて、フレーム構成を決定し、フレーム構成信号4706を出力する。このとき、アンテナを3本具備している、あるいは、3チャネルの多重信号が受信できるというアンテナ情報信号4703に基づいたフレーム構成が図44のとおりである。
【0425】
図44において、通信相手である端末が3チャネルを受信可能であるため、電波伝搬環境推定情報4704が、電波伝搬環境がよいことを示している場合、例えば、時間3、6、7、10のように3チャネルの信号を多重して送信する。電波伝搬環境が中程度のときは、時間4、5のように2チャネルを多重して送信する。電波伝搬環境が悪いときは、時間8、9のように1チャネルの信号を送信する。
【0426】
図46の基地局の送信装置は、フレーム構成信号4619に含まれる図44のフレーム構成に基づいて変調信号を送信する。
【0427】
次に、図51のチャネルA、Bを復調可能な端末と通信を行っているときについて説明する。
【0428】
図47は基地局の受信装置のデータ分離部4701は、受信ディジタル信号を入力とし、図50のフレーム構成で端末から送信されたデータを分離し、受信データ4702、アンテナ情報信号4703、電波伝搬環境推定情報4704を出力する。このとき、アンテナ情報信号4703は、アンテナを2本具備している、あるいは、2チャネルの多重信号が受信できるという情報である。
【0429】
フレーム構成決定部4705は、アンテナ情報信号4703、電波伝搬環境推定情報4704を入力とし、アンテナ情報信号4703、電波伝搬環境推定情報4704に基づいて、フレーム構成を決定し、フレーム構成信号4706を出力する。このとき、アンテナを2本具備している、あるいは、2チャネルの多重信号が受信できるというアンテナ情報信号4703に基づいたフレーム構成が図45のとおりである。
【0430】
図45において、通信相手である端末が2チャネルを受信可能であるため、電波伝搬環境推定情報4704が、電波伝搬環境がよいことを示している場合、例えば、時間3、4、5、7、10のように2チャネルの信号を多重して送信する。電波伝搬環境が悪いときは、時間6、8、9のように1チャネルの信号を送信する。
【0431】
図46の基地局の送信装置は、フレーム構成信号4619に含まれる図45のフレーム構成に基づいて変調信号を送信する。
【0432】
以上において、送信装置および受信装置の構成は、図46、図47、図48、図49、図51の構成に限ったものではない。図46では、アンテナ数3本で、最大3チャネルを多重できる構成で説明したがこれに限ったものではない。そして、通信方式として、OFDM方式を例に説明したが、マルチキャリア方式、スペクトル拡散通信方式、シングルキャリア方式で、同様に実施することが可能である。また、マルチキャリアの各キャリアの方式においてスペクトル拡散通信方式を用いても良い。よって、OFDM−CDMにおいても同様に実施することが可能である。
【0433】
また、1本のアンテナは、複数のアンテナで1本のアンテナを構成している場合もある。
【0434】
このように、本実施の形態の送信装置及び受信装置によれば、通信相手から、具備するアンテナの数の情報を受け、複数のアンテナを具備し、複数のチャネルを送信する機能を有する無線通信装置は、アンテナの数の情報に対応したチャネル数の変調信号を送信する通信方法とすることで、端末に応じて、多重チャネル数を的確に変更することで、データの伝送速度および伝送品質を両立することができる。
【0435】
(実施の形態11)
本発明の実施の形態11では、複数のアンテナから複数のチャネルの変調信号を送信する通信方法において、第1チャネルはパイロットチャネルとして使用され、パイロットチャネルの変調方式は電波伝搬環境などによりいずれかのPSK変調方式で変更され、第1チャネル以外の変調方式は電波伝搬環境などによりいずれかの変調方式に変更される通信方法について説明する。
【0436】
図2、図18、図26、図28、図47、図49、図51を用いて、複数のアンテナから複数のチャネルの変調信号を送信する通信方法において、第1チャネルはパイロットチャネルとして使用され、パイロットチャネルの変調方式は電波伝搬環境などによりいずれかのPSK変調方式で変更され、第1チャネル以外の変調方式は電波伝搬環境などによりいずれかの変調方式に変更される通信方法について説明する。
【0437】
端末の受信装置の構成は図51のとおりであり、電波伝搬環境推定部5101はフーリエ変換後の信号306、316から電波伝搬環境を推定し、電波伝搬環境推定情報を出力する。
【0438】
端末の送信装置の構成は図49のとおりであり、データ生成部4904は、送信データ4901、アンテナ情報4902、電波伝搬環境推定情報4903を入力とし、図50のフレーム構成にしたがった送信ディジタル信号4905を構成して出力する。このとき、電波伝搬環境推定情報4903は、図51の電波伝搬環境推定情報5102に相当する。
【0439】
基地局の受信装置の構成は、図47のとおりであり、データ分離部4701は受信ディジタル信号3906を、図50のフレーム構成にしたがって、受信データ4702、アンテナ情報信号4703、電波伝搬環境推定情報4704に分離して出力する。フレーム構成決定部4705は、アンテナ情報信号4703、電波伝搬環境推定情報4704を入力とし、たとえば、電波伝搬環境推定情報4704にしたがって、変調方式を変更する。
【0440】
このとき、図18、図26、図28のフレーム構成において、チャネルAはパイロットチャネルとなっている場合、変調方式の変更を、チャネルBのみ行う。これは、チャネルBを復調する際、チャネルAの信号をもとに復調するため、チャネルAの変調方式を固定としたほうが良いからである。
【0441】
または、チャネルBの変更する変調方式は制限ないが、チャネルAの変更する変調方式をPSK変調のみと制限する。これは、PSK変調は、振幅変動がないため、チャネルBを復調することが可能であるからである。
【0442】
また、チャネルAのPSK変調により通信制御を行うための重要な情報を伝送することで通信制御を的確に行うことができる。例えば、そのために、チャネルAのみPSK変調とし、チャネルBによりデータを伝送し、伝送速度と伝送品質の両立のために、変調方式を変更してもよい。
【0443】
以上において、送信装置および受信装置の構成は、図2、図47、図49、図51の構成に限ったものではない。また、図18、図26、図28のフレーム構成において、アンテナ数2本のチャネル数2の多重フレームについて説明したが、これに限ったものではない。例えば、送信装置ではアンテナ数3本のチャネル数3の多重フレームを送信してもよい。そして、通信方式として、OFDM方式を例に説明したが、マルチキャリア方式、スペクトル拡散通信方式、シングルキャリア方式で、同様に実施することが可能であり、また、マルチキャリアの各キャリアの方式においてスペクトル拡散通信方式を用いても良い。よって、OFDM−CDMにおいても同様に実施することが可能である。
【0444】
また、1本のアンテナは、複数のアンテナで1本のアンテナを構成している場合もある。
【0445】
このように、本実施の形態の送信装置及び受信装置によれば、複数のアンテナから複数のチャネルの変調信号を送信する通信方法において、第1チャネルはパイロットチャネルとして使用され、パイロットチャネルの変調方式は電波伝搬環境などによりいずれかのPSK変調方式で変更され、第1チャネル以外の変調方式は電波伝搬環境などによりいずれかの変調方式に変更される通信方法とすることで、電波伝搬環境により変調方式を変更することで、データの伝送速度、伝送品質の両立をはかることができる。
【0446】
(実施の形態12)
本発明の実施の形態12では、通信相手からの電波伝搬環境推定情報に基づいて、送信に使用するアンテナを選択する方式、および、通信相手からの電波伝搬環境情報に基づいて、通信相手が受信に使用するアンテナを決定し、通信相手に通知する方法について説明する。
【0447】
図52は、本発明の実施の形態12に係る基地局の送信信号のフレーム構成の一例を示す図である。但し、図1または図44と同一の構成となるものについては、図1または図44と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0448】
図53は、本発明の実施の形態12に係る端末の受信装置の構成の一例を示す図である。但し、図48と同一の構成となるものについては、図48と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0449】
伝送路歪み推定部5301は、受信直交ベースバンド信号4804を用いて、送信アンテナ1から送信された送信信号の伝送路歪みを推定し、送信アンテナ1の伝送路歪み推定信号5302を電波伝搬環境推定部4841に出力する。
【0450】
伝送路歪み推定部5303は、受信直交ベースバンド信号4804を用いて、送信アンテナ2から送信された送信信号の伝送路歪みを推定し、送信アンテナ2の伝送路歪み推定信号5304を電波伝搬環境推定部4841に出力する。
【0451】
伝送路歪み推定部5305は、受信直交ベースバンド信号4804を用いて、送信アンテナ3から送信された送信信号の伝送路歪みを推定し、送信アンテナ3の伝送路歪み推定信号5306を電波伝搬環境推定部4841に出力する。
【0452】
伝送路歪み推定部5307は、受信直交ベースバンド信号4814を用いて、送信アンテナ1から送信された送信信号の伝送路歪みを推定し、送信アンテナ1の伝送路歪み推定信号5308を電波伝搬環境推定部4841に出力する。
【0453】
伝送路歪み推定部5309は、受信直交ベースバンド信号4814を用いて、送信アンテナ2から送信された送信信号の伝送路歪みを推定し、送信アンテナ2の伝送路歪み推定信号5310を電波伝搬環境推定部4841に出力する。
【0454】
伝送路歪み推定部5311は、受信直交ベースバンド信号4814を用いて、送信アンテナ3から送信された送信信号の伝送路歪みを推定し、送信アンテナ3の伝送路歪み推定信号5312を電波伝搬環境推定部4841に出力する。
【0455】
伝送路歪み推定部5313は、受信直交ベースバンド信号4824を用いて、送信アンテナ1から送信された送信信号の伝送路歪みを推定し、送信アンテナ1の伝送路歪み推定信号5314を電波伝搬環境推定部4841に出力する。
【0456】
伝送路歪み推定部5315は、受信直交ベースバンド信号4824を用いて、送信アンテナ2から送信された送信信号の伝送路歪みを推定し、送信アンテナ2の伝送路歪み推定信号5316を電波伝搬環境推定部4841に出力する。
【0457】
伝送路歪み推定部5317は、受信直交ベースバンド信号4824を用いて、送信アンテナ3から送信された送信信号の伝送路歪みを推定し、送信アンテナ3の伝送路歪み推定信号5318を電波伝搬環境推定部4841に出力する。
【0458】
電波伝搬環境推定部4841は、送信アンテナ1の伝送路歪み推定信号5302、5308、5314、送信アンテナ2の伝送路歪み推定信号5304、5310、5316、送信アンテナ3の伝送路歪み推定信号5306、5312、5318から電波伝搬環境を推定し、電波伝搬環境推定情報4842として出力する。
【0459】
アンテナ選択部5319は、受信直交ベースバンド信号4804、4814、4824を入力とし、復調に使用するアンテナからの入力を選択し、アンテナ選択信号5320として出力する。
【0460】
図54は、本発明の実施の形態12に係る端末の送信装置の構成の一例を示す図である。但し、図49と同一の構成となるものについては、図49と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0461】
図55は、本実施の形態における端末の送信する変調信号のフレーム構成の一例を示す図である。図55において、5501は送信アンテナ1からの伝送路歪み推定シンボル、5502は送信アンテナ2からの伝送路歪み推定シンボル、5503は送信アンテナ3からの伝送路歪み推定シンボル、5504はデータシンボルである。
【0462】
図56は、本発明の実施の形態に係る基地局の送信装置の構成の一例を示す図である。但し、図46と同一の構成となるものについては、図46と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。5602は、端末が受信のために使用するアンテナ情報である。
【0463】
アンテナ選択部5601は、フレーム構成信号4619が示すフレーム構成に従って、送信信号4605、4611をアンテナ4606、4612、4618のいずれかから電波として出力する。
【0464】
図57は、本発明の実施の形態12に係る基地局の受信装置の構成の一例を示す図である。使用アンテナ決定部5701は、電波伝搬環境推定情報4704を入力とし、フレーム構成信号4706、端末が受信のために使用するアンテナ情報5702を出力する。
【0465】
図58は、本発明の実施の形態12に係る基地局の送信装置の構成の一例を示す図である。但し、図46と同一の構成となるものについては、図46と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0466】
図58において、変調信号生成部5804は、チャネルAの送信ディジタル信号5801、チャネルBの送信ディジタル信号5802、端末が受信のために使用するアンテナ情報5803、フレーム構成情報4619を入力とし、フレーム構成情報4619にしたがった送信直交ベースバンド信号4603、4609、4615を生成して出力する。
【0467】
以上、図52、図53、図54、図55、図56、図57、図58を用いて、通信相手からの電波伝搬環境推定情報に基づいて、送信に使用するアンテナを選択する方式、および、通信相手からの電波伝搬環境情報に基づいて、通信相手が受信に使用するアンテナを決定し、通信相手に通知する方法について説明する。
【0468】
例えば、端末の受信装置において、電波伝搬環境を推定するために、図52の時刻1、2、3、および、11、12,13のように、推定用シンボル103を図56、図58の基地局の送信装置は送信する。
【0469】
そして、図53の端末の受信装置の送信アンテナ1の伝送路歪み推定部5301は、受信直交ベースバンド信号4804を入力とし、時間1、11の推定用シンボル103から図46のアンテナ1、つまりアンテナ4606から送信された信号の伝送路歪みを推定し、送信アンテナ1の伝送路歪み推定信号5302を出力する。
【0470】
同様に、受信装置の送信アンテナ1の伝送路歪み推定部5307は、受信直交ベースバンド信号4814を入力とし、時間1、時間11の推定用シンボル103から図46のアンテナ1、つまりアンテナ4606から送信された信号の伝送路歪みを推定し、送信アンテナ1の伝送路歪み推定信号5308を出力する。
【0471】
同様に、受信装置の送信アンテナ1の伝送路歪み推定部5313は、受信直交ベースバンド信号4824を入力とし、時間1、時間11の推定用シンボル103から図46のアンテナ1、つまりアンテナ4606から送信された信号の伝送路歪みを推定し、送信アンテナ1の伝送路歪み推定信号5314を出力する。
【0472】
受信装置の送信アンテナ2の伝送路歪み推定部5303は、受信直交ベースバンド信号4804を入力とし、時間2、12の推定用シンボル103から図46のアンテナ2、つまりアンテナ4612から送信された信号の伝送路歪みを推定し、送信アンテナ2の伝送路歪み推定信号5304を出力する。
【0473】
同様に、受信装置の送信アンテナ2の伝送路歪み推定部5309は、受信直交ベースバンド信号4814を入力とし、時間2、12の推定用シンボル103から図46のアンテナ2、つまりアンテナ4612から送信された信号の伝送路歪みを推定し、送信アンテナ2の伝送路歪み推定信号5310を出力する。
【0474】
同様に、受信装置の送信アンテナ2の伝送路歪み推定部5315は、受信直交ベースバンド信号4814を入力とし、時間2、12の推定用シンボル103から図58のアンテナ2、つまりアンテナ4612から送信された信号の伝送路歪みを推定し、送信アンテナ2の伝送路歪み推定信号5316を出力する。
【0475】
受信装置の送信アンテナ3の伝送路歪み推定部5305は、受信直交ベースバンド信号4804を入力とし、時間3、13の推定用シンボル103から図58のアンテナ3、つまりアンテナ4618から送信された信号の伝送路歪みを推定し、送信アンテナ3の伝送路歪み推定信号5306を出力する。
【0476】
同様に、受信装置の送信アンテナ3の伝送路歪み推定部5311は、受信直交ベースバンド信号4814を入力とし、時間3、13の推定用シンボル103から図58のアンテナ3、つまりアンテナ4618から送信された信号の伝送路歪みを推定し、送信アンテナ3の伝送路歪み推定信号5312を出力する。
【0477】
同様に、受信装置の送信アンテナ3の伝送路歪み推定部5317は、受信直交ベースバンド信号4824を入力とし、時間3、13の推定用シンボル103から図58のアンテナ3、つまりアンテナ4618から送信された信号の伝送路歪みを推定し、送信アンテナ3の伝送路歪み推定信号5318を出力する。
【0478】
そして、電波伝搬環境推定部4841は、送信アンテナ1の伝送路歪み推定信号5302、5308、5314、送信アンテナ2の伝送路歪み推定信号5304、5310、5316、送信アンテナ3の伝送路歪み推定信号5306、5312、5318を入力とし、電波伝搬環境推定情報4842として出力する。
【0479】
図54は、端末の送信装置であり、データ生成部4904は、送信データ4901、電波伝搬環境推定情報4903を入力とし、図55のフレーム構成にしたがった送信ディジタル信号4905を出力する。このとき、電波伝搬環境推定情報4903は図53の電波伝搬環境推定情報4842に相当する。
【0480】
図57は、基地局の受信装置であり、データ分離部4701は、図55のフレーム構成にしたがった送信ディジタル信号4905を入力とし、データと電波伝搬環境推定情報に分離し、受信データ4702、電波伝搬環境推定情報4704を出力する。
【0481】
使用アンテナ決定部5701は、電波伝搬環境推定情報4704を入力とし、電波伝搬環境推定情報4704に基づいて、基地局が変調信号を送信するために使用するアンテナを決定し、フレーム構成信号4706として出力する。例えば、図52のようなフレーム構成また、電波伝搬環境推定情報4704に基づいて、端末が受信するのに使用するアンテナを決定し、端末が受信のために使用するアンテナ情報5702を出力する。
【0482】
図58は、基地局の送信装置の構成の一例であり、変調信号生成部5804は、チャネルAの送信ディジタル信号5801、チャネルBの送信ディジタル信号5802、端末が受信のために使用するアンテナ情報5803、フレーム構成信号4619を入力とし、例えば、図52において、時刻4のアンテナ1において、端末が受信のために使用するアンテナ情報を伝送し、時刻5から10では、アンテナ1およびアンテナ2から変調信号を送信する、というように、送信直交ベースバンド信号4603、4609、4615を出力する。このとき、フレーム構成信号4619は図57のフレーム構成信号4706に、端末が受信のために使用するアンテナ情報5803は図57の端末が受信のために使用するアンテナ情報5702に相当する。
【0483】
また、図56は、基地局の送信装置の、図58とは異なる構成である。図56において、アンテナ選択部5601は、送信信号4605、4611、フレーム構成信号4619を入力とし、図52のフレーム構成にしたがって、アンテナ1、アンテナ2、アンテナ3のいずれかで出力するかを選択すし、送信信号4605、4611は、アンテナ1、アンテナ2、アンテナ3のいずれかから電波として出力される。
【0484】
以上において、送信装置および受信装置の構成は、図47、図53、図54、図56、図58の構成に限ったものではない。また、図52のフレーム構成において、アンテナ数3本のチャネル数2の多重フレームについて説明したが、これに限ったものではない。例えば、送信装置ではアンテナ数4本のチャネル数2、アンテナ数4のチャネル数3などの多重フレームでも同様に実施することが可能である。そして、通信方式として、OFDM方式を例に説明したが、マルチキャリア方式、スペクトル拡散通信方式、シングルキャリア方式で、同様に実施することが可能であり、また、マルチキャリアの各キャリアの方式においてスペクトル拡散通信方式を用いても良い。よって、OFDM−CDMにおいても同様に実施することが可能である。そして、基地局1、端末1の通信を例に説明したが、基地局1、端末nに対しても同様に実施することが可能である。
【0485】
また、1本のアンテナは、複数のアンテナで1本のアンテナを構成している場合もある。
【0486】
このように、本実施の形態の送信装置及び受信装置によれば、通信相手からの電波伝搬環境推定情報に基づいて、送信に使用するアンテナを選択する方式、および、通信相手からの電波伝搬環境情報に基づいて、通信相手が受信に使用するアンテナを決定し、通信相手に通知する方法とすることで、多重信号の分離精度が最も良い送受信アンテナを選択することで、データの伝送品質が向上する。
【0487】
(実施の形態13)
本発明の実施の形態13では、同一周波数に複数のチャネルの変調信号を複数のアンテナから送信し且つ複数のアンテナで受信して復調するMIMO(Multi-Input Multi-Output)システムにおける、パイロットシンボルの送信方法について説明する。
【0488】
MIMOシステムでは、受信局だけでなく送信局側においてもチャネル状態情報(CSI: Channel State Information)が既知である場合に、送信局が送信のチャネルシグネチャベクトル(channel signature vector)を用いてベクトル化された信号を送信アレーアンテナより受信局に対して送信し、さらに受信局で、受信アレーアンテナの受信信号から送信のチャネルシグネチャベクトルに対応付けられた受信のチャネルシグネチャベクトルを用いて送信信号を検出し復調する通信方法が実現できる。
【0489】
特に、通信空間に複数のチャネルを構成し信号を多重伝送する通信モードとして、チャネル行列の特異ベクトル(singular vector)または固有ベクトル(eigen vector)を利用した固有モード(eigenmode)がある。この固有モードは、これら特異ベクトルや固有ベクトルを前述したチャネルシグネチャベクトルとして利用する方法である。ここでチャネル行列は、送信アレーアンテナの各アンテナ素子と受信アレーアンテナの各アンテナ素子のすべてまたは一部の組み合せの複素チャネル係数を要素とする行列である。
【0490】
送信局が下り回線のチャネル状態情報を得る方法としては、無線回線の上りと下りで同一の周波数キャリアを利用するTDDでは、チャネルの双対性(reciprocity)により、受信局からの上り回線を用いて送信局においてチャネル状態情報の推定(estimating)または測定(measuring)をすることが可能である。一方で、上りと下りで異なる周波数キャリアを利用するFDDでは、受信局において下り回線のチャネル状態情報を推定または測定し、その結果を送信局へ通知(reporting)することにより、送信局において下り回線の正確なCSIを得ることできる。
【0491】
固有モードは、特にMIMOシステムの無線チャネルが狭帯域のフラットフェージング過程として扱える場合には、MIMOシステムのチャネルキャパシティを最大にできるという特徴がある。例えば、OFDMを採用した無線通信システムでは、マルチパス遅延波によるシンボル間干渉を取り除くためガードインターバルを挿入し、OFDMの各サブキャリアはフラットフェージング過程となるような設計を行うのが一般的である。したがって、MIMOシステムにおいてOFDM信号を送信する場合、固有モードを用いることによって、例えば各サブキャリアで複数の信号を空間的に多重化して伝送することが可能となる。
【0492】
MIMOシステムを利用した通信方法としては、送信局および受信局において下り回線のチャネル状態情報を既知とする固有モードに対して、受信局においてのみ無線チャネルのチャネル状態情報を既知とする方法がいくつか提案されている。固有モードと同じ目的である空間的に信号を多重化して伝送する方法としては、例えばBLASTが知られている。また信号の多重度を犠牲にし、つまりキャパシティを増加させるためでなく所謂アンテナの空間ダイバーシチ効果得る方法としては、例えば時空間符号を用いた送信ダイバーシチが知られている。固有モードが送信アレーアンテナで信号をベクトル化して送信する、言い換えると信号をビーム空間(beam space)にマッピングしてから送信するビーム空間モードであるのに対して、BLASTや送信ダイバーシチは信号をアンテナエレメント(antenna element)にマッピングすることからアンテナエレメントモードであると考えられる。
【0493】
本発明の実施の形態13では、MIMOシステムにおいて、送信局が主に固有モードを利用して変調信号を受信局へ伝送する場合の復調用パイロット信号の送信方法について説明しているが、アンテナエレメントモードを利用した他の方法を利用した場合についても同様にして後述の効果が得られる。
【0494】
図59は、MIMOシステムにおいて、固有モードに代表されるビーム空間モードを用いたチャネル多重通信システムの構成例を示す図である。送信局では、多重フレーム生成部5901が送信データ系列を入力として、多重化チャネルへマッピングするために複数の送信フレームを生成する。また、送信のチャネル解析部5902は、送信局と受信局間の伝搬チャネルの推定結果であるチャネル状態情報に基づいて、多重化チャネルを構成するために複数の送信のチャネルシグネチャベクトルを算出する。ベクトル多重化部5903は、各々の送信フレームに別々のチャネルシグネチャベクトルを掛け合わせて合成した後、送信アレーアンテナ5904より受信局に対して送信する。
【0495】
受信局では、受信のチャネル解析部5911が、予め送信局と受信局間の伝搬チャネルの推定結果であるチャネル状態情報に基づいて、多重化された送信信号を分離するために複数の受信のチャネルシグネチャベクトルを算出する。多重信号分離部5913は、受信アレーアンテナ5912の受信信号を入力として、各々のチャネルシグネチャベクトルを掛け合わせ得られる複数の受信信号フレームを生成する。マルチフレーム合成部5914は、多重化チャネルにマッピングされた信号をまとめて受信データ系列を合成する。
【産業上の利用可能性】
【0496】
本発明は、無線通信装置、基地局装置、及び通信端末装置に用いて好適である。
【符号の説明】
【0497】
202、212 シリアルパラレル変換部
204、214 逆離散フーリエ変換部
221 フレーム構成信号生成部
305、315 フーリエ変換部
307、309、317、319 伝送路歪み推定部
321 信号処理部
324、326、330 復調部
328 選択部
332 周波数オフセット推定部
334 同期部
501、1701、4841、5101 電波伝搬環境推定部
604 情報生成部
707 方式決定部
1901 符号化部
3004、3104、3204 周波数オフセット推定部
3006、3106、3206 情報シンボル復調部
4101 通信方法決定部
4203 通信方法選択部
4705 フレーム構成決定部
5601 アンテナ選択部
5701 使用アンテナ決定部
5901 多重フレーム生成部
5902 チャネル解析部
5903 ベクトル多重化部
5904 送信アレーアンテナ
5911 チャネル解析部
5912 受信アレーアンテナ
5913 多重信号分離部
5914 マルチフレーム合成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
OFDM方式を用いて生成された変調信号を、複数のアンテナを有する送信装置が複数の端末に対して送信するための送信信号生成方法であって、
複数のキャリア群に対して、前記複数の端末宛の送信データを割り当て、前記複数のキャリア群の各々は複数のキャリアを含むものであり、
前記複数のアンテナの中から、前記複数の端末の各々への送信に使用するべきアンテナを選択し、
前記複数のキャリア群の各々のフレーム構成として、1つの変調信号が送信される第1のフレーム構成、又は、複数の変調信号が前記選択されたアンテナを用いて送信される第2のフレーム構成を選択し、
選択されたフレーム構成を用いて、前記複数のキャリア群に割り当てられた送信データを、同一期間に送信するための送信信号を生成する、
送信信号生成方法。
【請求項2】
OFDM方式を用いて生成された変調信号を、複数のアンテナを有する送信装置が複数の端末に対して送信するための送信信号生成方法であって、
第1の端末宛の送信データが割り当てられる第1のキャリア群と、第2の端末宛の送信データが割り当てられる第2のキャリア群とが存在する送信フレームを構成し、前記第1のキャリア群および前記第2のキャリア群の各々は複数のキャリアを含むものであり、
前記複数のアンテナの中から、前記第1の端末及び前記第2の端末の各々への送信に使用するべきアンテナを選択し、
前記第1のキャリア群のフレーム構成として、1つの変調信号が送信される第1のフレーム構成、又は、複数の変調信号が前記選択されたアンテナを用いて送信される第2のフレーム構成を選択し、
前記第2のキャリア群のフレーム構成として、1つの変調信号が送信される第1のフレーム構成、又は、複数の変調信号が前記選択されたアンテナを用いて送信される第2のフレーム構成を選択し、
選択されたフレーム構成を用いて、前記第1及び第2のキャリア群の各々に割り当てられた送信データを、同一期間に送信するための送信信号を生成する、
送信信号生成方法。
【請求項3】
前記送信信号は、
第1の期間において、前記第1のキャリア群を用いて前記第1の端末宛の送信データを送信し、かつ前記第2のキャリア群を用いて前記第2の端末宛の送信データを送信するものであり、
第2の期間において、前記第1のキャリア群を用いて第3の端末宛の送信データを送信し、かつ前記第2のキャリア群を用いて第4の端末宛の送信データを送信するものである、
請求項2に記載の送信信号生成方法。
【請求項4】
前記アンテナの選択は、前記複数の端末の各々から受信するフィードバック情報に基づいて行われる、
請求項1乃至3いずれか一項に記載の送信信号生成方法。
【請求項5】
前記フレーム構成の選択は、前記複数の端末の各々から受信するフィードバック情報に基づいて行われる、
請求項1乃至3いずれか一項に記載の送信信号生成方法。
【請求項6】
前記フィードバック情報は電波伝搬環境情報を含み、前記電波伝搬環境情報は、受信信号電界強度、チャネル状態、妨害波強度の少なくともいずれかに関する情報である、
請求項4又は5に記載の送信信号生成方法。
【請求項7】
前記フィードバック情報は、各端末が要求する伝送速度、変調方式または伝送品質に関する要求情報、各端末が具備する受信アンテナの数に関するアンテナ情報、前記端末が受信可能な変調信号の多重数に関する情報の少なくともいずれかを含む、
請求項4又は5に記載の送信信号生成方法。
【請求項8】
前記変調信号は、
前記複数の端末のいずれかに対する送信データを送信するためのデータシンボルと、
前記データシンボルよりも時間軸において前方に配置され、前記変調信号を受信した端末が、前記送信データを復号する際に利用する制御シンボルと、
を有する、
請求項1乃至7いずれか一項に記載の送信信号生成方法。
【請求項9】
前記変調信号は、
前記複数の端末のいずれかに対する送信データを送信するためのデータシンボルと、
前記データシンボルよりも時間軸において前方に配置され、時間同期、周波数オフセット、伝送路歪みの少なくともいずれかを推定するための推定シンボルと、
を有する、
請求項1乃至7いずれか一項に記載の送信信号生成方法。
【請求項10】
前記第2のフレーム構成は、前記複数の変調信号が、前記複数のアンテナのうち2本以上のアンテナを用いて、同一周波数帯域で送信されるものである、
請求項1乃至9いずれか一項に記載の送信信号生成方法。
【請求項11】
OFDM方式を用いて生成された変調信号を、複数のアンテナのうちの少なくとも1本以上のアンテナを用いて、複数の端末に対して送信するための送信信号を生成する送信信号生成装置であって、
前記複数のアンテナの中から、前記複数の端末の各々への送信に使用するべきアンテナを選択するアンテナ選択部と、
複数のキャリア群に対して、前記複数の端末宛の送信データを割り当て、前記複数のキャリア群の各々は複数のキャリアを含むものであり、前記複数のキャリア群の各々のフレーム構成として、1つの変調信号が送信される第1のフレーム構成、又は、複数の変調信号が前記アンテナ選択部により選択されたアンテナを用いて送信される送信される第2のフレーム構成を選択するフレーム構成選択部と、
前記フレーム構成選択部により選択されたフレーム構成を用いて、前記複数のキャリア群に割り当てられた送信データを、同一期間に送信するための送信信号を生成する送信信号生成部と、
を含む送信信号生成装置。
【請求項12】
OFDM方式を用いて生成された変調信号を、複数のアンテナのうちの少なくとも1本以上のアンテナを用いて、複数の端末に対して送信するための送信信号を生成する送信信号生成装置であって、
前記複数のアンテナの中から、前記複数の端末の各々への送信に使用するべきアンテナを選択するアンテナ選択部と、
第1の端末宛の送信データが割り当てられる第1のキャリア群と、第2の端末宛の送信データが割り当てられる第2のキャリア群とが存在する送信フレームを構成し、前記第1のキャリア群および前記第2のキャリア群の各々は複数のキャリアを含むものであり、前記第1のキャリア群のフレーム構成として、1つの変調信号が送信される第1のフレーム構成、又は、複数の変調信号が前記アンテナ選択部により選択されたアンテナを用いて送信される第2のフレーム構成を選択し、前記第2のキャリア群のフレーム構成として、1つの変調信号が送信される第1のフレーム構成、又は、複数の変調信号が前記アンテナ選択部により選択されたアンテナを用いて送信される第2のフレーム構成を選択するフレーム構成選択部と、
前記フレーム構成選択部により選択されたフレーム構成を用いて、前記第1及び第2のキャリア群の各々に割り当てられた送信データを、同一期間に送信するための送信信号を生成する送信信号生成部と、
を含む送信信号生成装置。
【請求項13】
前記送信信号は、
第1の期間において、前記第1のキャリア群を用いて前記第1の端末宛の送信データを送信し、かつ前記第2のキャリア群を用いて前記第2の端末宛の送信データを送信するものであり、
第2の期間において、前記第1のキャリア群を用いて第3の端末宛の送信データを送信し、かつ前記第2のキャリア群を用いて第4の端末宛の送信データを送信するものである、
請求項12に記載の送信信号生成装置。
【請求項14】
前記アンテナ選択部は、前記複数の端末の各々から受信したフィードバック情報に基づいて、前記複数のアンテナの中からアンテナを選択する、
請求項11乃至13いずれか一項に記載の送信信号生成装置。
【請求項15】
前記フレーム構成選択部は、前記複数の端末の各々から受信するフィードバック情報に基づいて、前記第1のフレーム構成、又は、前記第2のフレーム構成を選択する、
請求項11乃至13いずれか一項に記載の送信信号生成装置。
【請求項16】
前記フィードバック情報は電波伝搬環境情報を含み、前記電波伝搬環境情報は、受信信号電界強度、チャネル状態、妨害波強度の少なくともいずれかに関する情報である、
請求項14又は15に記載の送信信号生成装置。
【請求項17】
前記フィードバック情報は、各端末が要求する伝送速度、変調方式または伝送品質に関する要求情報、各端末が具備する受信アンテナの数に関するアンテナ情報、前記端末が受信可能な変調信号の多重数に関する情報の少なくともいずれかを含む、
請求項14又は15に記載の送信信号生成装置。
【請求項18】
前記変調信号は、
前記複数の端末のいずれかに対する送信データを送信するためのデータシンボルと、
前記データシンボルよりも時間軸において前方に配置され、前記変調信号を受信した端末が、前記送信データを復号する際に利用する制御シンボルと、
を有する、
請求項11乃至17いずれか一項に記載の送信信号生成装置。
【請求項19】
前記変調信号は、
前記複数の端末のいずれかに対する送信データを送信するためのデータシンボルと、
前記データシンボルよりも時間軸において前方に配置され、時間同期、周波数オフセット、伝送路歪みの少なくともいずれかを推定するための推定シンボルと、
を有する、
請求項11乃至17いずれか一項に記載の送信信号生成装置。
【請求項20】
前記第2のフレーム構成は、前記複数の変調信号が、前記複数のアンテナのうち2本以上のアンテナを用いて、同一周波数帯域で送信されるものである、
請求項11乃至19いずれか一項に記載の送信信号生成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate

【図47】
image rotate

【図48】
image rotate

【図49】
image rotate

【図50】
image rotate

【図51】
image rotate

【図52】
image rotate

【図53】
image rotate

【図54】
image rotate

【図55】
image rotate

【図56】
image rotate

【図57】
image rotate

【図58】
image rotate

【図59】
image rotate

【図60】
image rotate


【公開番号】特開2009−273165(P2009−273165A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191127(P2009−191127)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【分割の表示】特願2008−129725(P2008−129725)の分割
【原出願日】平成15年7月16日(2003.7.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】