説明

OLED用途のためのビフェニル−金属錯体−モノマー及びオリゴマー三重項エミッター

本発明は、発光素子及び新規なエミッター材料及びエミッターシステム及び、特に、有機発光素子(OLED)に関する。本発明は、特に上記素子のエミッターとしてのルミネッセンス錯体の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明は、発光素子、及び、特に、有機発光素子(OLED)に関する。特に、本発明は、ルミネッセンスのビフェニル-金属錯体のそのような素子でのモノマー及びオリゴマーエミッターとしての使用に関する。
【0002】
OLED(有機発光素子若しくは有機発光ダイオード)は、表示スクリーンと照明技術を劇的に変化させるであろう新規な技術である。OLEDは、有機層から主に成り、柔軟でもあり、製造するのに高価ではない。OLED素子は、照明要素としては大面積デザインを有するが、表示のための画素としては小デザインである。
【0003】
OLEDの機能の概説は、例えば、H. Yersin, Top. Curr. Chem. 2004, 241,1.で与えられる。
【0004】
OLEDの最初の報告(Tang et al., Appl. Phys. Lett. 51 (1987) 913参照)以来、これら素子は、特に使用されるエミッター材料に関して、更に、開発されてきたが、そこでは、特に、所謂三重項若しくは燐光エミッターが関心事である。
【0005】
例えば、液晶表示装置(LCD)、プラズマ表示装置若しくは陰極線管(CRT)のような通常の技術と比べると、OLEDは、例えば、低い駆動電圧、薄い構造、高い効率で高いコントラストで良好な解像度で自己照光する画素と全色を表示する可能性のような、数多くの利点を有する。更に、OLEDは、電圧を適用すると、それを変調するだけではなく、発光する。数多くの用途がOLEDに対して開発され、用途の新規な領域も開かれてもきたが、OLEDの改善、特に、三重項エミッターの改善のための更なる要求が存在する。これまでの解決に於いて、問題は、特に、長期の安定性、熱的安定性及び水と酸素に対する化学的安定性に関して起こっている。更に、多くのエミッターは、低い昇華能力を有するにすぎない。更に、重要な発光色は、これまでに知られたエミッター材料ではしばしば入手不可能である。高い効率も、しばしば高い電流密度若しくは高い輝度密度では達成することができない。最後に、多くのエミッター材料の場合、問題は製造再現性に関して存在する。
【0006】
WO 03/087258は、特に16価電子で五座配位する錯体若しくは18価電子で六座配位する錯体である有機金属化合物を含むOLEDを記載する。同様に、EP 1 191 614 A2, US2002/0034656 A1 及び WO 00/57676 A1は、ビフェニル基と共にビピリジン基を配位子として含む白金化合物を記載する。
【0007】
特に、先行技術の少なくとも幾つかの不利益に打ち勝ち、特に、高い化学的安定性を有するOLEDのための新規なエミッター材料と発光素子を提供することが、本発明の目的であった。
【0008】
この目的は、(i)陽極、(ii)陰極及び(iii)式(I)(s-bph)ML(ここで、Mは、Pt(II)、Rh(I)、Ir(I)、Pd(II)若しくはAu(III)を表わし、Lは、二座配位子を表わすか若しくはL=Xであり、ここで、各Xは、独立して、単座配位子を表わし並びにs-bphは、Ar-Ar基を有する配位子を表わし、Arは、芳香族環構造、例えば、特に、ビフェニル若しくは置換ビフェニルを表わす。)の少なくとも1種の錯体を含む、陽極と陰極とに直接的若しくは間接的に接触し、その間に配置されるエミッター層を含む発光素子による本発明に従って達成される。
【0009】
驚くべきことに、式(I)の錯体のエミッター層中での本発明に従う使用は、良好な特性を有する発光素子が得られることを可能とすることが見出された。特に、本発明に従って使用される化合物は、高い量子効率を示す。加えて、錯体は、置換及び/又は配位子の変更により改変することができ、発光特性の改変若しくは制御のための広範な改変可能性を生じる。加えて、適切な配位子の選択は高い昇華能力を有する化合物を得ることを可能とする。
【0010】
本発明による発光素子の具体例が機能する方法が、図1に図解されている。素子は、少なくとも1つの陽極、陰極及びエミッター層を含む。陰極若しくは陽極として使用される電極の1方若しくは両方は、光がこの電極を通じて放出されることができるように、有利には透明なデザインを有している。使用される透明電極材料は、好ましくは、インジウム錫酸化物(ITO)である。透明な陽極が、特に、好ましくは使用される。他の電極も同様に透明材料から作製することができるが、光が2個の電極の1つを通じて放出するだけであるならば、適切な電子仕事関数を有する他の材料から形成され得る。第2の電極、特に陰極は、好ましくは、高電子伝導性の金属、例えば、アルミニウム或いは銀、若しくはMn/Ag或いはCa/Ag合金から成る。エミッター層は、2個の電極間に配置される。これは、陽極及び陰極とに、直接接触若しくは間接接触であり得るが、間接接触は、更なる層が、陽極若しくは陰極とエミッター層との間に存在し、エミッター層と、陽極及び/又は陰極とは、互いに接触せず、その代わり、更なる中間層を介して互いに電気的に接触することを意味する。例えば、2〜20V、特に、5〜10Vの電圧適用時に、負に荷電した電子は、陰極から、例えば、導電性金属層、特に好ましくは、アルミニウム陰極から放出され、正極方向に移動する。正の電荷担体、所謂正孔は、同様に、この陽極から陰極方向に移動する。本発明に従って、陰極と陽極間に配置されたエミッター層は、エミッター分子として式(I)の有機金属錯体を含む。移動電荷担体、即ち負に荷電した電子と、正に荷電した孔は、エミッター分子中で若しくはその近傍で再結合し、エミッター分子の中性であるがエネルギー的に励起された状態を生じる。次いで、エミッター分子の励起状態は、発光としてエネルギーを放出する。
【0011】
本発明による発光素子は、エミッター材料が昇華可能である限り、真空堆積により製造することができる。代替として、湿式化学適用、例えば、スピンコート法、インクジェット印刷若しくはスクリーン印刷による構築も可能である。OLED素子の構造は、例えば、US2005/0260449 A1 及びWO 2005/098988 A1に詳細に記載されている。
【0012】
本発明による発光素子は、真空昇華技術法により製造されることができ、複数の更なる層、特に、電子注入層と電子伝導層(例えば、Alq=Al 8-ヒドロキシキノリン若しくはβ-Alq=Alビス(2-メチル-8-ヒドロキシキノラート)-4-フェニルフェノレート))及び/又は正孔注入層(例えば、CuPc)と正孔伝導層若しくは正孔伝導層(例えば、α-NPD)を含む。しかしながら、エミッター層が、正孔若しくは電子伝導層の機能を引き受けることも可能である。
【0013】
エミッター層は、好ましくは、充分に大きな単項S−三重項Tエネルギーギャップ(UGHマトリックス材料)を有する有機マトリックス材料から成り、例えば、UGH、PVK(ポリビニルカルバゾール)、CBP(4,4’-ビス(9-カルバゾイル)ビフェニル)若しくは他のマトリックス材料を含む。エミッター錯体は、このマトリックス材料中に、例えば、好ましくは、1〜10重量%程度でドープされる。OLED素子でのマトリックス材料の選択のために重要である、幾つかの選択されたビフェニルPt(II)錯体の、HOMO及びLUMOエネルギー値が、表2に示される。
【0014】
表2:、幾つかの選択されたビフェニルPt(II)錯体の電子化学的データ
【表2】

【0015】
a−非可逆性、b−フェロセン/フェロセニウム、c−SCE=標準カロメル電極、d−対真空
適切なマトリックス材料はこれらの値と発光を基礎として選択することができる。エミッター層は、対応する錯体を100%材料として適用することによりマトリックスなしで達成することもできる。対応する具体例は、以下に記載される。
【0016】
特に好ましい具体例では、本発明による発光素子は、陰極とエミッター層若しくは電子伝導層との間にCsF中間層をも有する。この層は、特に、0.5nm〜2nm、好ましくは、約1nmの厚さを有する。この中間層は、主に電子仕事関数の減少を引き起こす。
【0017】
発光素子は、更に、好ましくは、基板、例えば、ガラス基板に適用される。
【0018】
特に好ましい具体例では、本発明による昇華可能なエミッターのためのOLED構造は、陽極、エミッター層及び陰極に加えて以下に言及され、図1Bに示される少なくとも1つの、特に複数のそして特に好ましくは全ての層をも含む。
【0019】
全体構造は、好ましくは支持材料上に位置し、特に、この目的のために、ガラス若しくは任意の他の固体或いは柔軟透明材料が使用され得る。陽極は、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)は、支持材料上に配置される。正孔輸送層(HTL)、例えば、α-NPDは、陽極上とエミッター層と陽極との間に配置される。正孔輸送層の厚さは、好ましくは、10〜100nm、特に、30〜50nmである。正孔注入を改善する更なる層は、例えば、銅フタロシアニン(CuPc)層であり、陽極と正孔輸送層との間に配置され得る。この追加的な層は、好ましくは、5〜50nm、特に、8〜15nmの厚さを有する。この型の電流は抵抗損失を引き起こすだけであることから、陽極への電子移動が抑制されることを保証する電子障壁層は、好ましくは、正孔輸送層と正孔輸送層とエミッター層との間に適用される。電子障壁層の厚さは、好ましくは、10〜100nm、特に、20〜40nmである。この追加的な層は、特に、HTL層が、既に元々電子伝導性が貧弱であるならば、省略することができる。
【0020】
次の層は、エミッター層であり、本発明によるエミッター材料を含むか、本発明のエミッター材料から成る。昇華可能なエミッターを使用する具体例では、エミッター材料は、好ましくは、昇華により適用される。層の厚さは、好ましくは、10〜200nm、特に、50〜150nmである。本発明によるエミッター材料は、他の材料、特に、マトリックス材料と一緒に、共蒸発もされ得る。緑色若しくは赤色で発光する本発明によるエミッター材料のために、PVK若しくはCBPのような通常のマトリックス材料が適切である。しかしながら、100%エミッター材料層を構築することも可能である。青色で発光する本発明によるエミッター材料のために、UHGマトリックス材料が、好ましくは使用される(例えば、M.E. Thompson et al., Chem. Mater. 2004, 16, 4743)。異なる金属中心イオンを有する本発明による化合物の使用において、混合色の光を生み出すために、共蒸発が同様に使用され得る。
【0021】
原則として、本発明に関連してOLEDのための通常のマトリックス材料を使用することが可能であるが、特に明白な正孔若しくは電子移動性を有さない実質的に不活性なポリマー或いは小マトリックス分子をマトリックス材料として使用することも可能である。
【0022】
正孔障壁層は、陰極への正孔の流れに基づいて生じうる抵抗損失を減少するものであり、好ましくは、エミッター層に適用される。この正孔障壁層は、好ましくは、10〜50nm、特に、15〜25nmの厚さを有する。この目的のために適する材料は、例えば、BCP(バソクプロインとして知られる4,7-ジフェニル-2,9-ジメチルフェナントロリン。)である。電子輸送材料を含むETL層(ETL=電子輸送層)は、好ましくは、正孔障壁層と、この層と陰極との間の層に適用される。この層は、好ましくは、10〜100nm、特に、30〜50nmの厚さを有する気相堆積可能なAlqから成る。中間層、例えば、CsF若しくはLiFは、好ましくは、ETL層と陰極との間に適用される。この中間層は、電子注入障壁を減少し、ETL層を保護する。この層は、気相堆積により通常適用される。中間層は、好ましくは、非常に薄く、特に、0.2〜5nm、より好ましくは、0.5〜2nmの厚さを有する。最後に電導性陰極層も気相堆積により適用され、特に、50〜500nm、より好ましくは、100〜250nmの厚さを有する。陰極層は、好ましくは、Al、Mg/Ag(特に10:1の比で)若しくは他の金属から成る。3〜15Vの電圧が、好ましくは、本発明による昇華可能なエミッターのために記載されたOLED構造に適用される。
【0023】
OLED素子は、例えば、次の構造で、湿式化学法により部分的に製造することもできる。すなわち、ガラス基板、(インジウム錫酸化物の)透明ITO膜、例えば、PEDOT/PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸、例えば、40nm)若しくは正孔注入を改善する他の層、本発明による100%錯体(例えば、10〜80nm)若しくは適切なマトリックス(例えば、40nm)中にドープされたもの(例えば、1%、特に、4〜10%)、気相堆積Alq(例えば、40nm)、保護層としての気相堆積LiF若しくはCsF(例えば、0.8nm)、気相堆積金属陰極Al或いはAg或いはMg/Ag(例えば、200nm)である。
【0024】
本発明による溶解可能なエミッターのためのOLED構造は、特に好ましくは、以下に記載され、図1Cに示される構造を有するが、以下に言及される少なくとも一つの、より好ましくは、少なくとも二つの、最も好ましくは、全ての層を含む。
【0025】
素子は、好ましくは、支持材料上に、特に、ガラス若しくは別の固体或いは柔軟透明材料に適用される。陽極は、例えば、インジウム錫酸化物陽極であり、支持材料に適用される。陽極の層厚は、好ましくは、10〜100nm、特に、30〜50nmである。正孔伝導材料、特に、水溶性である正孔伝導材料のHTL層は、陽極と、陽極とエミッター層との間に適用される。この型の正孔伝導材料は、例えば、PEDOT/PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸)若しく素子寿命延長のための新規HTL材料(デュポン)である。HTL層の層厚は、好ましくは、10〜100nm、特に、40〜60nmである。本発明による可溶性エミッターを含むエミッター層(EML)は、次に適用される。材料は、溶媒、例えば、アセトン、ジクロロメタン或いはアセトニトリル中に溶解することができる。これは、下にあるPEDOT/PSSの層の溶解を防止し得る。本発明によるエミッター材料は、低濃度、例えば、2〜10重量%で使用され得るが、より高濃度、或いは100%層として使用され得る。適切なポリマー層(例えば、PVK)中に高度に或いは中程度にドープされたエミッター材料を適用することも可能である。本発明による低溶解度エミッター材料のために、ポリマー中のコロイド懸濁液による適用が実行され得る。オリゴマーストランドは、ポリマーへの導入以前に超音波処理により微粉砕され、ナノフィルターによるろ過後に、ポリマー中に導入される。エミッター層は、好ましくは、10〜80nm、特に、20〜60nmの厚さを有する。電子輸送材料層は、エミッター層に、特に、10〜80nm、より好ましくは、30〜50nmの層厚で、好ましくは、適用される。電子輸送材料層のために適する材料は、例えば、Alqであり、気相堆積により適用され得る。電子注入障壁を減少し、ETL層を保護する薄い中間層は、好ましくは、次に適用される。この層は、好ましくは、0.1〜2nm、特に、0.5〜1.5nmの厚さを有し、好ましくは、CsF若しくはLiFから成る。この層は、気相堆積により、通常、適用される。更なる単純化されたOLED構造のために、ETL層及び/又は中間層は随意に省略し得る。
【0026】
最後に、電導性陰極層が、特に、気相堆積により適用される。陰極層は、好ましくは金属、特に、Al、Mg/Ag(特に10:1の比で)から成る。
【0027】
3〜15Vの電圧が、好ましくは、素子に適用される。
【0028】
発光素子が、少なくとも一つの式(I)の錯体をエミッターとして含むことが、本発明に本質的である。
【0029】
遊離ビフェニルは、UVでの励起で、300〜350nmの間の蛍光を呈し(例えば、I.B. Berlman, Handbook of Fluorescence Spectra of Aromatic Molecules, Academic Press, 1971)、433nmでの燐光(ブチロニトリル中で、室温ではなく、77K)を呈する(例えば、M. Maestri et al., HeIv. Chim. Acta 1988, 71, 1053)。オルト水素原子の立体化学的干渉に基づいて、2個のフェニル基は互いに相対的にねじれ、共役長を減少する。単一中心で、2,2’-位置での配位の場合は、環は平面化され、π構造はより大きくなる。この理由で、可視領域での発光が期待されることになる。重遷移金属の錯体中の配位子として、強スピン軌道カップリングは、効率的な燐光が得られることを可能とし、OLED素子での三重項エミッターとしての使用を容易にする。白金の2,2’-ビフェニル錯体は、十分に研究された化合物のクラスである。最初の(bph)Pt化合物は、(bph)Pt(NBD)であり、ガードナー等により合成され、(NBD)PtClと2,2’-ジリチオビフェニル(bph=η-ビフェニル2,2’-ジイル、NBD=ノルボルナジエン)から非常に低い収率で得ることができた(例えば、S.A. Gardner, H.B. Gordon, M.D. Rausch, J. Organomet. Chem. 1973, 60, 179)。予備的に使用され得る方法は、(bph)Sn(Pr)とCOD=シクロオクタジエンで、Pr=n-プロピルである[PtCl(COD)]からの(bph)Pt(COD)の合成により、ウソン(Uson)等により提案された(例えば、R. Uson et al., J. Organomet. Chem. 1980, 198, 105)。更に、その後、誘導体が、この方法により、2,2’-ジリチオビフェニルとトランス-[PtCl(EtS)]の反応により調製された(例えば、C. Cornioley-Deuschel, A. von Zelewsky, Inorg. Chem. 1987, 26, 3354 and H.-A. Brune et al., J. Organomet. Chem. 1991, 402, 179)。その後、多種多様な研究が、両方のビフェニル基が置換基により改変され、またCODも、他の配位子により置き代えられた錯体の合成(例えば、H.-A. Brune et al., J. Organomet. Chem. 1991, 412, 237; B.L. Edelbach et al., Organometallics 1998, 17, 4784; R. E. Marsh, Acta Crystallogr., Sect. B: Struct. Sci. 1997, 53, 317; A.C. Stuckl et al., Z. Kristallogr. 1993, 208, 294; A.C. Stuckl et al., Kristallogr. 1993, 208, 302; X. Zhang et al., Organometallics 1999, 18, 4887; J. DePriest et al., Inorg. Chem. 2000, 39, 1955; B.L. Edelbach et al., J. Am. Chem. Soc. 1998, 120 2843; Y.-H. Chen et al., Inorg. Chim. Acta 1995, 240, 41; Y. Chen et al., J. Chem. Cryst. 1996, 26, 527; H.-A. Brune et al., J. Organomet. Chem. 1991, 402, 435; G.Y. Zheng et al., Inorg. Chem. 1999, 38, 794; N. Simhai et al., Organometallics 2001, 20, 2759; C.B. Blanton et al., Inorg. Chem. 1992, 31, 3230; C.B. Blanton et al., Inorg. Chim. Acta 1990, 168, 145; C.N. Iverson et al., Organometallics 2002, 21, 5320)、固体素子構造(例えば、B.L. Edelbach et al., Organometallics 1998, 17, 4784; X. Zhang et al., Organometallics, 1999, 18, 4887; J. DePriest et al., Inorg. Chem. 2000, 39, 1955; B.L. Edelbach et al., J. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 2843; Y.-H. Chen et al., Inorg. Chim. Acta 1995, 240, 41; Y. Chen et al., J. Chem. Cryst. 1996, 26, 527; H.-A. Brune et al., J. Organomet. Chem. 1991, 402, 435; G.Y. Zheng et al., Inorg. Chem. 1999, 38, 794; N. Simhai et al., Organometallics 2001, 20, 2759; M.A. Bennett et al., J. Chem. Soc., Dalton Trans. 1998, 217; T. Debaerdemaeker et al., J. Organomet. Chem. 1991, 412, 243; T. Debaerdemaeker et al., J. Organomet. Chem. 1991, 410, 265; K. Yu et al., Organometallics 2001, 20, 3550; T. Debaerdemaeker et al., J. Organomet. Chem. 1988, 350, 109))、反応性(例えば、C. Cornioley-Deuschel, A. von Zelewsky, Inorg. Chem. 1987, 26, 3354; X. Zhang et al., Organometallics 7999, 18, 4887; B.L. Edelbach et al., J. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 2843; Y.-H. Chen et al., Inorg. Chim. Acta 1995, 240, 41; N. Simhai et al., Organometallics 2001, 20, 2759; K. Yu et al., Organometallics 2001, 20, 3550; M.R. Plutino et al., Inorg. Chem. 2000, 39, 2712; M.R. Plutino et al., J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 6470)及びスペクトル特性(例えば、M. Maestri et al., HeIv. Chim. Acta 1988, 71, 1053; C. Cornioley-Deuschel, A. von Zelewsky, Inorg. Chem. 1987, 26, 3354; H.-A. Brune et al., J. Organomet. Chem. 1991, 402, 179; J. DePriest et al., Inorg. Chem. 2000, 39, 1955; Y.-H. Chen et al., Inorg. Chim. Acta 1995, 240, 41; Y. Chen et al., J. Chem. Cryst. 1996, 26, 527; G.Y. Zheng et al., Inorg. Chem. 1999, 38, 794; C.B. Blanton et al., Inorg. Chem. 1992, 31, 3230; C.B. Blanton et al., Inorg. Chim. Acta 1990, 168, 145; G.Y. Zheng et al., Inorg. Chem. 1998, 37, 1392; S.R. Stoyanov et al., Inorg. Chem. 2003, 42, 7852)と関係している。
【0030】
驚くべきことに、式(I)の化合物が、発光素子、及び特に有機発光素子(OLED)のためのエミッター分子として著しく適切であることが、本発明により今や見出された。
【0031】
本発明に従って、使用されるエミッター分子は、式(I)(s-bph)MLの錯体である。錯体は、特に、ルミネッセンス化合物である。錯体は、Pt、Rh、Ir、Pd及びAuから選択される中心原子を有する。中心原子は、好ましくは、Pt(II)、Rh(I)、Ir(I)、Pd(II)若しくはAu(III)、即ち単一或いは二重或いは三重に正に荷電したイオンの形態である。中心原子は、特に、好ましくは、Pt(II)である。本発明に関連して、中心原子は、四座配位され、特に、正方形平面錯体が含まれる。16価の電子を有する、特に、Pt(II)を有する四座配位錯体が、特に好まれる。
【0032】
更に、本発明により使用される錯体は、二座配位子であるか若しくは基Xである基Lを含み、ここで、各Xは、独立して、単座配位子を表わす。最初に好まれる具体例では、Lは、嵩高い配位子である。錯体中心のMが、嵩高い配位子により充分に選別されるか、短いM-M離隔距離を有する錯体配置が妨害されるならば、M-M相互作用は固体中或いは濃縮溶液中では生成することはできない。配位子Lによる立体選別は、加えて、クエンチプロセスでの減少とその結果としてのフォトルミネッセンスの量子効率の増加をもたらし得る。適切な嵩高い配位子Lは、例えば、二座配位のホスフィン、アミン、アルシン或いはジエンである。好ましい配位子Lを選択する際には、嵩の標準、高い配位子場強度及び得られる錯体の安定性と高エネルギー三重項水準が、特に、考慮される。
【0033】
好ましい配位子Lの例は、夫々中性で、二座配位で結合(キレート)するものであり、
【化11】

【0034】

【0035】
であり、ここで、燐原子は、夫々、独立して、窒素原子或いは砒素原子により置き代えられてよく、Rは、各場合に、ハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルアミン若しくはアリールアミン基を表わし、随意に置換されてよく及び/又は1以上のヘテロ原子を有してもよい。ヘテロ原子は、特に、O、S、N、P、Si及び/又はSeから選択される。適切な置換基は、例えば、ハロゲン、特に、F、Cl、Br或いはI、アルキル、特に、C〜C20、より好ましくは、C〜C-アルキル、アリール、OR、SR若しくはPRである。多くの場合、Lは、錯体の揮発性を増加するために、置換基として少なくとも1個のフッ素原子を含むことが好ましい。
【0036】
他に指示がなければ、ここで使用される用語アルキル或いはAlkは、各場合に、独立して、C〜C20、特に、C〜C炭化水素基を示す。炭化水素基は、直鎖或いは分岐鎖であってよく、飽和であってもよく或いは1以上のC=C二重結合を有してもよい。
【0037】
用語アリールは、5から、例えば、20個のC原子を有する、特に、6〜10個のC原子を有する芳香族環構造であり、1以上のC原子は、随意にヘテロ原子(例えば、N、S、O)により置き代えられてよい。
【0038】
ポリマー結合エミッター/モノマー若しくはオリゴマーエミッター
更なる好ましい具体例では、エミッター層中の本発明にしたがって存在する式(I)(s-bph)MLの錯体は、式(III)(s-bph)ML’の錯体から作り出され、ここで、Lは、重合可能な基を有する配位子を表わす。(s-bph)ML錯体は、ここで、重合可能な基による配位子Lの官能化によりポリマー上で固定され得る。これは、錯体を不動化し、しばしばOLEDの素子寿命の制限の理由であるエミッター層中のエミッターの望ましくない結晶化を防止する。この具体例では、式(I)の錯体は、重合可能な配位子を介して、エミッター層中でポリマーに結合している。ポリマーへの結合は、エミッター層中でのエミッターの均質な分配と、加えて、達成されるべき錯体含量の信頼できる制御を可能とする。本発明による発光素子を提供するために、単位として結合される(s-bph)ML’基を含むポリマーが、最初に調製され、次いで、例えば、スピンコート若しくはインクジェット印刷により溶液として適用することができる。しかしながら、モノマーが適用され、その場で重合されることもできる。適切な配位子L’は、例えば、上記配位子Lを含み、重合可能である基、例えば、C=C基を追加的に含む。次の配位子L’が、特に好ましく、
【化12】

【0039】
Rは、上記定義のとおりである。
【0040】
ホスフィンCH=C(PRは、市販されている。金属に錯化することにより、β官能基は、正の部分的な荷電を達成し、それゆえ求核攻撃のために活性化される。それゆえ、この基は、ポリマーに付属することができるか、ポリマー構築のためのモノマー単位として機能することができ、ここで、ホスフィンと反応すべきモノマーは、特に、例えば、ビニル基により官能化されたアルコール、チオール、1級アミン若しくはホスフィン、シラン或いはボランのような求核剤である。求核基により官能化されたポリマー、例えば、ポリビニルアルコールへの結合も可能である。他に示されるホスフィンは、n-ブチルリチウムとp-ビニルベンジルクロライドとの反応によるビス(ジフェニルホスフィノ)メタンから調製することができ、フリーラジカル、アニオン、カチオン若しくは触媒重合することができる。
【0041】
本発明は、更に、式(III)(s-bph)ML’の錯体であり、ここで、Mは、Pt(II)、Rh(I)、Ir(I)、Pd(II)若しくはAu(III)を表わし、並びにL’は、二座配位子を表わすか若しくはL’=X’であり、ここで、各X’は、独立して、単座配位子を表わし、ここで、L’若しくは少なくとも1個のX’は、重合可能な基を表わし、並びにs-bphは、Ar-Ar基を有する配位子を表わし、ここで、Arは、芳香族環構造を表わす。
【0042】
小配位子を含むエミッター/オリゴマーエミッター
更なる具体例では、エミッター層は、式(s-bph)MLの錯体として、L=Lである式(I)の錯体を含む。配位子Lは、嵩高くない配位子である、嵩高くない配位子Lを含む錯体の使用に関して、M-M相互作用は、固体中及び相対的に高濃度にドープされたエミッター層中に生成することができ、強い光或いはエレクトロルミネッセンスを生じる。この具体例では、エミッター層は、式(I)の錯体を、例えば、エミッター層の合計重量ベースで、>10重量%、特に、>20重量%、より好ましくは、>50重量%、特に、>80重量%、最も好ましくは、>90重量%の濃度で含む。しかしながら、殆ど完全に、式(I)の錯体から成り、特に、>95重量%、より好ましくは、>99重量%を含むエミッター層を製造することも可能である。更なる具体例では、エミッター層は、完全に、即ち100%の式(I)の錯体から成る。
【0043】
エミッター層中での高濃度での本発明による錯体の使用に関して、比較的短い金属-金属離隔距離を有する錯体のスタックが形成される。このようなスタックは、特に、平面錯体の場合に、及び、特に、好ましくは、平面白金錯体の場合に形成される。これらのスタックでは、強い電子の相互作用が生起し、モノマーの場合とは完全に異なる発光特性を生じる。ここで、発光波長は、M-M離隔距離により決定され、(s-bph)基上の置換により若しくは配位子Lのタイプにより単純な方法で決定することができる。高濃度のエミッター層と特に結晶性或いは準結晶性層の使用は、かなりの利点を提供する。特に、製造中に濃度変動が起こらないか、高濃度系中でほんの僅かな作用を有するだけである。更に、電荷担持移動性、即ち、電子或いは正孔移動度は、非晶質層中よりも結晶層の形成の場合に著しく大きくなる。加えて、オリゴマー中の分子間の電子相互作用は、HOMOの上昇とそれゆえの正孔伝導性の改善及びLUMOの低下とそれゆえの電子伝導性の改善を生じる。
【0044】
更に、高い輝度密度と高い効率、即ち、高い量子効率は、高い電流密度でこの型の濃縮エミッターで達成することができる。本発明に従って使用されるエミッター錯体は、個々の錯体の中心原子間の金属-金属相互作用に基づいて、特に、平面金属錯体間の金属-金属相互作用に基づいて、高い発光量子効率を有する極度に強い発光を有する。それゆえ、発光は、高い濃度で存在する錯体の相互作用により影響される。逆に先行技術の材料では、高い比率のエミッター分子を有するエミッター層と結晶性エミッター層或いは準結晶配列を有するエミッター層は、それゆえ、均一な単位から製造することができる。したがって、高い濃度での先行技術からのエミッター分子の使用は、特に、隣接するエミッター分子の電子相互作用が自己消滅作用を生じたことから、高い効率のエミッター材料をこれまでは得られなかった。これは、発光量子効率が、エミッター分子の濃度上昇とともに、特に、>10重量%の濃度から著しく減少するということが原因で生じた結果である。対応して、OLEDは、現在、約2〜8重量%のエミッター分子濃度で先行技術では製造されるだけである。しかしながら、本発明に従って使用される化合物の場合に観察されるスタック形成に基づいて、先行技術で起こる問題は、少なくとも一部は解消される。
【0045】
しかしながら、エミッター層中の高濃度のエミッター分子の使用と、特に、結晶性エミッター層若しくは準結晶配列を有するエミッター層の提供は、数多くの顕著な利点を与える。
【0046】
・均一な材料を含むエミッター層構造は、明確に規定され、簡単に再現可能な製造環境を生じる。
【0047】
・使用される分子中の僅かな変化が、異なる金属-金属離隔距離の設定を可能とし、それゆえ、錯体間の異なる強度の相互作用を可能とする。これは、緑から赤そして近IRへの発光色の調整可能性を生み出す。生き生きとした任意の所望の色がエミッター分子の僅かな化学的改変により設定できることが、特に重要である。
【0048】
・エミッター層は、真空昇華法により、簡単に製造することができる。(必要ならば、引き続く穏やかな条件で)
・エミッターモノマー材料は、多くの溶媒に良好な溶解性を有する。これら結晶性或いは準結晶性エミッター層は、それゆえ、スピンコート若しくはインクジェット印刷法により製造することもできる。
【0049】
・発光量子効率は非常に高い。
【0050】
・モノマーもポリマーとの化学的連結のための良好な適合性を有する。隣接するモノマーにおいて、金属-金属相互作用は、再度所望の良好な発光特性を生じる。
【0051】
・物質は、極度に高い化学的安定性を有し、高いOLED長期安定性を生じる。
【0052】
・金属-金属相互作用に基づいて、HOMOとLUMOは、非常に多くの分子(オリゴマー単位)を超えて電子的に非局在化される。これは、正孔と電子移動性における顕著な改善を生じる。その結果、エミッター層(EML)は、電荷担持移動性を改善するために追加的成分を全く必要とせず、すなわち、ある場合には、良好な電荷担持移動性に関するマトリクスの制限的要請がオリゴマーエミッターの使用に不必要である。
【0053】
・異なる材料(例えば、(s-bph)Pd(CO)を有する(s-bph)Pt(CO))の、少なくとも1個の式(I)に記載される物質の、特定の混合は、更に、特性の独立した改変を可能にする。
【0054】
は、平坦で、中性或いは単一或いは二重に荷電した二座配位子若しくは二個の単座配位子であり得る。Lは、好ましくは、CN-B-NC、NC-B-CN、ジイミン、アセチルアセトネート、[RN-CR’=CH-CR’=NR]、2,2’-ビフェニレン、[CH=CR-B-CR=CH]2−、[C≡C-B-C≡C]2−であり、ここで、Bは、アルキレン若しくはアリーレン基である架橋基であり、置換されてもよいか及び/又はヘテロ原子(例えば、N、O、P及び/又はS)を含んでもよい。L=Xである場合は、Xは、好ましくは、CO、CNR、NCR、RN=CR’、SCNR、NCSR、NCOR、CN、SCN、OCN、F、Cl、Br、I-CH=CRR-C≡CR、アルキル、アリール、ヘテロアリール基、-OR、-SR、-SeR、-NR、-PR、-SiRを表わし、ここで、R及びR’は、互いに独立して、好ましくは、アルキル若しくはアリール基を表わし、特に、1〜10個の、より好ましくは、1〜6個のC原子を有する。
【0055】
柱状構造を有する本発明によるエミッター錯体が、特に好ましくは使用される。この構造は、上述したように、本発明による錯体自身が平面構造を有することから、特に、エミッター層中に高濃度のエミッター錯体で形成される。これは、スタッキングと柱状構造の形成を可能とする。個々の錯体自身は、中性、正或いは負に荷電されることができ、それゆえ、好ましくは、式[(s-bph)ML]n+m-を有し、ここで、n及びmは、夫々0〜5の、より好ましくは、0〜3の、特に、1〜2の整数を表わす。中心金属Mは、ここで、好ましくは、Rh(I)、Ir(I)、Pd(II)、Pt(II)及びAu(III)から選択され、並びに、特に、Pt(II)である。更なる変種は、式(I)の異なる錯体からの柱状構造の形成により達成し得る。全ての配位子と中心金属は、ここで互いに独立して変化することができ、錯体は、特に異なる電荷を有することもできる。特別な具体例では、柱状の塩は、例えば、[(s-bph)MLn+[(s’-bph))M’L’]m−型であり、ここで、s’-bph、M’及びL’は、夫々、s-bph、M及びLの元に示された意味を有するが、ここで、これら基の少なくとも1つは、正に荷電した錯体と比べて改変さてしまっている。
【0056】
L=Xである場合は、各Xは、独立して、好ましくは、F、Cl、Br、I、CN、R’’、OR’’、SR’’及びPR’’から成る群より選択される配位子を表わし、ここで、各R’’は、独立して、置換されてもよく及び/又はヘテロ原子(例えば、O、N、S、P)を有していてもよいアルキル若しくはアリール基を表わし、ここで、R’’は、特に、Me、Et、n-Pr、i-Pr、n-Bu、t-Bu、i-Bu、Bz、Ph、m-Tol、p-Tol、o-Tol、m-PhCl、p-PhCl、o-PhCl、m-PhF、p-PhF、o-PhF或いはCを表わす。
【0057】
本発明による錯体は、更に、Ar-Ar基を有する配位子s-bphを含み、ここで、Arは、各場合に独立である、芳香族環構造を表わす。Arは、更なる芳香族環に縮合するか、1以上のへテロ原子を含むことも、随意に置換されることもできる。適切なヘテロ原子は、例えば、O、N及びSである。適切な置換基は、例えば、ハロゲン、特に、F、Cl、Br若しくはC-C-アルキル基、特に、メチル或いはt-ブチルである。Arは、好ましくは、フェニル、チエニル、フリル或いはピロール構造である。Ar-Ar基は、特に好ましくは、次の式の1つである。
【化13】

【0058】
ここで、Rは、H、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルケニル若しくはアルキニルを表わしうる。
【0059】
配位子(s-bph)は、好ましくは、式(II)を有する。
【化14】

【0060】
ここで、*は、Mへの金属配位位置を表わし、R〜Rは、夫々互いに独立して、H、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、-NR、-PR、-OR或いは-SRを表わし、ここで、Rは、H、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルケニル若しくはアルキニルを表わす。置換基R〜Rは、互いに結合し、それゆえ、追加的な脂肪族、芳香族若しくは複素環式芳香族環を形成してもよい。
【0061】
配位子s-bphの特に好ましい例は、非置換ビフェニルと、
【化15】

【0062】
である。
【0063】
非対称配位子(示されない)も有利である。
【0064】
エミッターとして、本発明に従って使用される錯体は、単純な方法で(適切なマトリックス材料の選択で)及び、特に、電子吸引基或いは供与置換基により、波長範囲で調整され得る。
【0065】
>−50℃、好ましくは、>0℃、特に、>10℃、更により好ましくは、>20℃の温度で、そして、好ましくは、<100℃、特に<70℃、より好ましくは、<50℃、更により好ましくは<40℃の温度で、発光を示す化合物の使用が好ましい。
【0066】
特に有利で、好ましいオリゴマー形成錯体は、
【化16】

【0067】
である。
【0068】
ここで、原子A〜Aは、夫々独立して、C、N、O及びSから選択され、並びに、特に、配位子R〜Rは、夫々独立して、H、CH、C、CH(CH、C(CH、CF、C2n+1、F、CN、OCH、OC2n+1、SCH、SC2n+1、N(CH、N(C2n+1)(C2n+1)であって、ここで、n=1〜20で、ここで、2個以上の基R乃至Rは、互いに連結していてもよく、それゆえ付加的に脂肪族、芳香族若しくは複素環式芳香族環を形成してもよく、並びに、配位子L及びLは、夫々独立して、CO、NC-CH、NC-CH(CH、NC-C2n+1、CN-CH、CN-CH(CH、CN-C(CH、NC-C2n+1、P(CH、As(CH、N(CHであり、ここで、L及びLは、キレート配位子の部分、例えば(NC)であってもよい。
【0069】
特に、好ましい錯体は、
【化17】

【0070】
である。
【0071】
これら錯体の発光スペクトルは、図5〜7に示される。
【0072】
更に好ましい例は、
【化18】

【0073】
である。
【0074】
ビフェニル配位子及び複素環式芳香族類似体の環構造は、非対称に置換されてもよく、次の例に示される。
【化19】

【0075】
嵩高い配位子を含むエミッター(モノマーエミッター)
嵩高い配位子を含む有利で好ましいモノマー錯体は、
【化20】

【0076】
である。
【0077】
原子A〜Aは、夫々独立して、C、N、O及びSから選択され、配位子R〜Rは、夫々独立して、H、CH、C、CH(CH、C(CH、CF、C2n+1、F、CN、OCH、OC2n+1、SCH、SC2n+1、N(CH、N(C2n+1)(C2n+1)であって、n=1〜20で、2個以上の基R〜Rは、互いに連結していてもよく、それゆえ付加的に、脂肪族、芳香族若しくは複素環式芳香族環を形成してもよく、L∩Lは、ジホスフィン、ジアミン、ジアルシン若しくはジエン、特に、6〜10個のC原子を有する直鎖或いは環状ジエン若しくは以下から選択されるジホスフィンを表わす。
【化21】

【0078】

【0079】
ここで、Rは、アルキル、アリール、アルコキシ、フェノキシ、アルキルアミン若しくはアリールアミンを表わす。
【0080】
∩Lは、好ましくは、PhP-CH-CH-PPh若しくはシクロオクタジエンを表わす。
【0081】
本発明に従って与えられる、特に、好ましい化合物は、(ビフェニル)(シクロオクタジエン)白金、(bph)Pt(COD)若しくは(ビフェニル)(ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)白金、(bph)Pt(dppe)
【化22】

【0082】
である。
【0083】
これら化合物の発光スペクトルは、図3及び4で示される。
【0084】
更に、特に、好ましい化合物は、
【化23】

【0085】
である。
【0086】
本発明は、更に、ここで定義された式(I)の化合物の、発光素子、特に、有機発光素子でのエミッターとしての使用に関する。
【0087】
本発明は、付属した図と以下の例により、より詳細に説明される。
【0088】
選択されたビフェニル-Pt(II)錯体の調製
【化24】

【0089】
[nBuLiは、ブチルリチウムを表わす。]
ビフェニル-Pt(II)錯体は、2,2’-ジリチオフェニル(2,2’-ジブロモフェニル及びnBuLiから)とシス-[(EtS)PtCl]から調製される。経験は、純化が大きな損失を招くが、その代わりに、一酸化炭素中を通過することにより直接ジカルボニル化合物2に変換され、緑色沈殿物として反応溶液から沈殿することを示唆することから、その場に存在するジエチルスルフィド錯体1は、単離されない。錯体2は、一酸化炭素が他の配位子により非常に単純に置き代え得ることから、更なる誘導体の合成のための高度に適切な出発化合物である。例えば、勢いのあるガスの発生が、2の懸濁液へのジホスフィン若しくはCODの添加時に観察され、錯体3及び4は、高い収率及び高い純度で単離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1A】真空昇華法により製造されるOLED素子の例を示す。
【図1B】記載なし。
【図1C】湿式化学法により適用される本発明によるエミッターを有するOLED素子の例を示す。
【図2】ビフェニル-Pt(II)錯体の発光特性と電子化学的データを示す。
【図3】(bph)Pt(COD)の発光スペクトルデータを示す。モノマー発光は、嵩高い配位子に基づいて発生する。化合物は、黄色或いは黄緑色発光を示し、ビフェニルの蛍光と比べると、強く赤色に変位している。発光帯の構造と、μs領域での寿命に基づいて、内部配位子遷移からの接近の結果である燐光発光が想定される。
【図4】(bph)Pt(dppe)の発光スペクトルデータを示す。モノマー発光は、嵩高い配位子に基づいて発生する。化合物は、黄色或いは黄緑色発光を示し、ビフェニルの蛍光と比べると、強く赤色に変位している。発光帯の構造と、μs領域での寿命に基づいて、内部配位子遷移からの接近の結果である燐光発光が想定される。
【図5】300Kでの(bph)Pt(CO)の真空昇華層の発光を示す。オリゴマー発光(スタック発光)が、小さな配位子に基づいてここで発生する。
【図6】(dBubph)Pt(CO)の発光スペクトルを示す。
【図7】(tmbph)Pt(CO)の発光スペクトルを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)陽極、(ii)陰極及び(iii)式(I)(s-bph)ML(ここで、Mは、Pt(II)、Rh(I)、Ir(I)、Pd(II)若しくはAu(III)を表わし、Lは、二座配位子を表わすか、若しくはL=Xであり、ここで、各Xは、独立して、単座配位子を表わし並びにs-bphは、Ar-Ar基を有する配位子を表わし、Arは、芳香族環構造を表わす。)の少なくとも1種の錯体を含む、陽極と陰極とに直接的若しくは間接的に接触し、その間に配置されるエミッター層を含む発光素子。
【請求項2】
更に、正孔伝導層及び/又は電子伝導層を含むことを特徴とする、請求項1記載の発光素子。
【請求項3】
更に、CsF若しくはLiF中間層を含むことを特徴とする、請求項1又は2記載の発光素子。
【請求項4】
基板上に、特に、ガラス基板上に配置されることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項記載の発光素子。
【請求項5】
エミッター層中に存在する錯体が、三重項エミッターであることを特徴とする、請求項1〜4何れか1項記載の発光素子。
【請求項6】
エミッター層が、エミッター層の合計重量ベースで、1〜10重量%の濃度で、式(I)の錯体を含有することを特徴とする、請求項1〜5何れか1項記載の発光素子。
【請求項7】
式(I)中のMが、Pt(II)を表わすことを特徴とする、請求項1〜6何れか1項記載の発光素子。
【請求項8】
s-bphが、式(II)(ここで、R〜Rは、夫々互いに独立して、H、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、-NR、-PR、-OR或いは-SRを表わし、Rは、同様に、H、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルケニル若しくはアルキニルを表わし、基R〜Rは、互いに連結されてもよく、*は、配位子の配位位置を表わす。)を表わすことを特徴とする、請求項1〜7何れか1項記載の発光素子。
【化1】

【請求項9】
Lが、ジホスフィン、ジアミン、ジアルシン及びジエンから選択される二座配位子を表わすことを特徴とする、請求項1〜8何れか1項記載の発光素子。
【請求項10】
Lが、
【化2】


から選択されるジホスフィン(ここで、Rは、アルキル、アリール、アルコキシ、フェノキシ、アルキルアミン若しくはアリールアミンを表わす。)を表わすことを特徴とする、請求項1〜9何れか1項記載の発光素子。
【請求項11】
エミッター層中の式(I)の錯体が、ポリマーと結合することを特徴とする、請求項1〜10何れか1項記載の発光素子。
【請求項12】
ポリマーへの結合が、配位子Lの重合可能な基を介して生起することを特徴とする、請求項11記載の発光素子。
【請求項13】
式(I)(s-bph)MLの錯体が、式(III)(s-bph)ML’(L’は、重合可能な基を有する二座配位子表わす。)の錯体から形成されることを特徴とする、請求項12記載の発光素子。
【請求項14】
Lが、式
【化3】

(ここで、Rは、アルキル、アリール、アルコキシ、フェノキシ、アルキルアミン若しくはアリールアミンを表わす。)を有することを特徴とする、請求項13記載の発光素子。
【請求項15】
式(I)の錯体が結合するポリマーを含むエミッター層が適用されることを特徴とする、請求項11〜14何れか1項記載の発光素子。
【請求項16】
式(III)のモノマーが適用され、引き続き重合されることを特徴とする、請求項11〜14何れか1項記載の発光素子。
【請求項17】
エミッター層中の式(I)の錯体の割合が、エミッター層の合計重量ベースで、10重量%より大であることを特徴とする、請求項1〜5何れか1項記載の発光素子。
【請求項18】
エミッター層中の式(I)の錯体の割合が、エミッターの合計重量ベースで、80重量%より大である、特に、95重量%より大である、好ましくは、100重量%であることを特徴とする、請求項17記載の発光素子。
【請求項19】
L=Xであり、ここで、各Xは、独立して、CO、CNR、NCR、RN=CR’、SCNR、NCSR、NCOR、CN、SCN、OCN、F、Cl、Br、I-CH=CRR’、-C≡CR、アルキル、アリール、ヘテロアリール基、-OR、-SR、-SeR、-NR-PR-SiRから選択され、ここで、R及びR’は、夫々、互いに独立して、H、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、-NR’’、-PR’’、-OR’’或いは-SR’’を表わし、R’’は、H、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルケニル若しくはアルキニルを表わし、R及びR’は、互いに連結されてもよいことを特徴とする、請求項17又は18記載の発光素子。
【請求項20】
化合物(bph)Pt(CO)、(dBubph)Pt(CO)若しくは(tmbph)Pt(CO)をエミッターとして含むことを特徴とする、請求項1〜19何れか1項記載の発光素子。
【請求項21】
化合物(dBubph)Pt(CO)若しくは(tmbph)Pt(CO)をエミッターとして含むことを特徴とする、請求項1〜20何れか1項記載の発光素子。
【請求項22】
Lは、CN-B-NC、NC-B-CN、ジイミン、アセチルアセトネート、[RN-CR’=CH-CR’=NR]、[pzBH(pz=ピラゾリル)、[O-B-O]2−、[S-B-S]2−、[Se-B-Se]2−、[RN-B-NR]2−、2,2’-ビフェニレン、[CH=CR-B-CR=CH]2−若しくは[C≡C-B-C≡C]2−から選択される二座配位子を表わし、ここで、Bは、アルキレン若しくはアリーレン基である架橋基であり、置換されてもよいか又はヘテロ原子を含んでもよいことを特徴とする、請求項17又は18記載の発光素子。
【請求項23】
式(I)の錯体が、柱状構造としてエミッター層中に存在することを特徴とする、請求項1〜22何れか1項記載の発光素子。
【請求項24】
式(I)の少なくとも2個の相異なる錯体が、柱状構造として存在することを特徴とする、請求項1〜23何れか1項記載の発光素子。
【請求項25】
発光素子中でのエミッターとしての式(I)の錯体の使用。
【請求項26】
三重項エミッターとしての請求項25記載の使用。
【請求項27】
発光層中の式(I)の少なくとも1種の錯体が、真空昇華法により導入されることを特徴とする、請求項1〜24何れか1項記載の発光素子の製造方法。
【請求項28】
発光層中の式(I)の少なくとも1種の錯体が、湿式化学法により導入されることを特徴とする、請求項1〜24何れか1項記載の発光素子の製造方法。
【請求項29】
式(III)の錯体。
(s-bph)ML’
(ここで、Mは、Pt(II)、Rh(I)、Ir(I)、Pd(II)若しくはAu(III)を表わし、及び、L’は、二座配位子を表わすか若しくはL’=X’であり、ここで、各X’は、独立して、単座配位子を表わし、ここで、L’若しくは少なくとも1個のX’は、重合可能な基を含み、及び、s-bphは、Ar-Ar基を有する配位子を表わし、Arは、芳香族環構造を表わす。)
【請求項30】
L’若しくは少なくとも1個のX’は、C=C基を表わすことを特徴とする、請求項29記載の式(III)の錯体。
【請求項31】
L’は、
【化4】

を表わし、各Rは、独立して、H、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルアミン若しくはアリールアミン基を表わすことを特徴とする、請求項29又は30記載の式(III)の錯体。
【請求項32】
式(I)の少なくとも2個の錯体を含む、オリゴマー。
【請求項33】
少なくとも5個の、特に少なくとも10個の式(I)の錯体を含む、請求項31記載のオリゴマー。
【請求項34】
少なくとも2個の錯体が、スタックとして配置されることを特徴とする、請求項32又は33記載のオリゴマー。
【請求項35】
柱状構造を有することを特徴とする、請求項32〜34何れか1項記載のオリゴマー。
【請求項36】
式(s-bph)MLの錯体(ここで、(s-bph)及びMは、請求項1で定義されるものであり、Lは、嵩高くない配位子を表わす。)を含むことを特徴とする、請求項32〜35何れか1項記載のオリゴマー。
【請求項37】
構造要素[(s-bph)MLn+[(s’-bph))M’L’]m−(M及びM’は、夫々、互いに独立して、Pt(II)、Rh(I)、Ir(I)、Pd(II)若しくはAu(III)を表わし、L及びL’は、独立して、二座配位子を表わすか、2個の単座配位子を表わし、s-bph及びs’-bphは、夫々Ar-Ar基を有し、ここで、Arは、芳香族環構造を表わし、並びにn及びmは、夫々0〜5の整数を表わし、少なくとも1個の基M’L’、s’-bphは、基M、L及びs-bphを得るために改変されたものである。)を有することを特徴とする、請求項32〜36何れか1項記載のオリゴマー。
【請求項38】
スタック中の2個の隣接する錯体間のM-M離隔距離は、0.37nm以下であることを特徴とする、請求項31〜37何れか1項記載のオリゴマー。
【請求項39】
モノマーがポリマーと結合し、金属-金属相互作用が生じることを特徴とする、オリゴマー。
【請求項40】
金属-金属相互作用が発光を生じることを特徴とする、請求項32〜39何れか1項記載のオリゴマー。
【請求項41】
請求項32〜40何れか1項記載のオリゴマーを含有する結晶性層。
【請求項42】
10−3cm/Vs以上の電荷担体移動度を有する、請求項41記載の結晶性層。
【請求項43】
電荷担体移動度を増加させるための、OLED中のエミッター層(EML)のために使用される共通マトリックス材料中の、オリゴマーのセグメント(2個或いは2個以上のエミッターモノマー分子から成る凝集体)。
【請求項44】

【化5】

の錯体。(ここで、原子A〜Aは、夫々独立して、C、N、O及びSから選択され、並びに配位子R〜Rは、夫々独立して、H、CH、C、CH(CH、C(CH、CF、C2n+1、F、CN、OCH、OC2n+1、SCH、SC2n+1、N(CH、N(C2n+1)(C2n+1)であって、n=1〜20で、2個以上の基R〜Rは、互いに連結していてもよく、それゆえ付加的に脂肪族、芳香族若しくは複素環式芳香族環を形成してもよく、並びに配位子L及びLは、夫々独立して、CO、NC-CH、NC-CH(CH、NC-C2n+1、CN-CH、CN-CH(CH、CN-C(CH、NC-C2n+1、P(CH、As(CH、N(CHであり、ここで、L及びLは、キレート配位子の部分、例えば、NC-CH-CH--CH-CNであってもよい。)
【請求項45】

【化6】

を有する請求項44記載の錯体。
【請求項46】

【化7】

を有する請求項44記載の錯体。
【請求項47】

【化8】

を有する錯体。(原子A〜Aは、夫々独立して、C、N、O及びSから選択され、配位子R〜Rは、夫々独立して、H、CH、C、CH(CH、C(CH、CF、C2n+1、F、CN、OCH、OC2n+1、SCH、SC2n+1、N(CH、N(C2n+1)(C2n+1)であって、n=1〜20であり、ここで、2個以上の基R〜Rは、互いに連結していてもよく、それゆえ付加的に脂肪族、芳香族若しくは複素環式芳香族環を形成してもよく、並びにL∩Lは、ジホスフィン、ジアミン、ジアルシン若しくはジエンを表わす。)
【請求項48】
∩Lは、6〜10個のC原子を有する直鎖或いは環状ジエン若しくは
【化9】


(ここで、Rは、アルキル、アリール、アルコキシ、フェノキシ、アルキルアミン若しくはアリールアミンを表わす。)から選択されるジホスフィンである、請求項47記載の錯体。
【請求項49】
∩Lは、PhP-CH-CH-PPh若しくはシクロオクタジエンを表わす、請求項47又は48記載の錯体。
【請求項50】
(ビフェニル)-(シクロオクタジエン)白金、(bph)Pt(COD)若しくはビフェニル)(ビス(ジフェニル-ホスフィノ)エタン)白金、(bph)Pt(dppe)
【化10−1】

である、請求項47〜49何れか1項記載の錯体。
【請求項51】

【化10−2】

である、請求項47〜49何れか1項記載の錯体。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−533850(P2009−533850A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504644(P2009−504644)
【出願日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際出願番号】PCT/EP2007/003261
【国際公開番号】WO2007/118671
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(597035528)メルク パテント ゲーエムベーハー (209)
【Fターム(参考)】