説明

PAL、SECAM信号判別装置

【課題】入力されたテレビジョン信号が低C/N環境下であってもその信号がPAL方式、SECAM方式のいずれであるかを安定して判別するPAL、SECAM信号判別装置を提供する。
【解決手段】ACC/FM復調回路2は、ベルフィルタ1によって波形整形されたカラー信号から色副搬送波を検出し、その周波数と基準周波数との周波数差の信号を出力する。無変調キャリア周波数判別回路4は基準周波数を出力するとともに、周波数差の信号に基づいて信号判別を行う。SECAM用設定器9は第1の基準周波数を出力する設定値を設定し、PAL用設定器8は周波数のより低い第2の基準周波数を出力する設定値を設定する。切替SW7は、初期判別時にSECAM用設定器の設定値を使用し、判別結果がPAL方式であるとき、PAL用設定器の設定値を使用するように切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PAL(Phase Alternation by Line)信号の処理とSECAM(SEquential Couleur A Memoire)信号の処理を行うカラーテレビジョン受信装置に係り、特に、入力されたテレビジョン信号がPAL方式であるか、SECAM方式であるかを判別するPAL、SECAM信号判別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図4は下記の特許文献1に開示された従来のSECAM信号判別装置の構成を示すブロック図である。図4において、入力されたテレビジョン信号が輝度/カラー分離回路(図示せず)により分離され、得られたカラー信号がクロマ復調回路13に入力される。クロマ復調回路13は、入力されたカラー信号から色差信号DR/DBを復調して出力する。クロマ復調回路13から出力された色差信号DR/DBは出力回路20に加えられる。出力回路20は、色差信号DR/DBに対して視覚補正処理、SCART挿入処理、OSD処理、サンプリングレート変換処理などを行って画像データを出力する。
【0003】
テレビジョン信号がSECAM方式(以下、SECAM方式の信号をSECAM信号、PAL方式の信号をPAL信号と略記する)の場合、DR信号とDB信号はそれぞれ異なる中心周波数の色副搬送波にFM変調されている。クロマ復調回路13は、所定の基準信号の基本周波数を基にFM復調することによって、カラー信号の瞬時周波数と、基本周波数との周波数差をレベルに変換した信号を出力する。このレベルに変換された信号はSECAM信号判別回路15に入力される。
【0004】
また、同期信号検出回路(図示せず)によってテレビジョン信号から抽出された水平同期信号がタイミング生成回路14に入力される。タイミング生成回路14は、入力された水平同期信号に基づいてバーストレベル検出用パルス、無信号レベル検出用パルス及びSECAM信号判別用パルスを生成する。
【0005】
クロマ復調回路13は、色差信号DR/DBを復調する前に、入力されたカラー信号を波形整形する機能を有し、波形整形されたカラー信号をバースト/無信号レベル検出回路16に加える。バースト/無信号レベル検出回路16は、タイミング生成回路16で生成されたバーストレベル検出用パルス及び無信号レベル検出用パルスを用いて、バックポーチ内のカラーバースト信号区間と無信号区間でそれぞれカラー信号を積分し、得られた2つの信号レベルを比較し、入力されたカラー信号がPAL信号の可能性が高いか否かを判断する。
【0006】
これはSECAM信号のバースト信号区間と無信号区間との信号レベルを比較すると、レベル差はほとんどないと想定される。これに対して、PAL信号は、無信号区間のレベルが小さく、バースト信号区間とのレベル差は大きいと想定される。従って、バースト信号区間と無信号区間の信号レベルを比較し、無信号区間の信号レベルが十分小さければ、その信号はPAL信号である可能性が高いと判断し、無信号区間の信号レベルが十分に大きければ、その信号はPAL信号である可能性は高くないと判断する。このようにして判断して得られた結果がSECAM信号判別回路15と切替SW17に加えられる。
【0007】
切替SW17には、SECAM信号であるか否かを判断するための値の大きい閾値を設定するPAL設定器18と、値の小さい閾値を設定するSECAM設定器19とが接続されている。バースト/無信号レベル検出回路16によって、入力信号がPAL信号である可能性が高いと判断したとき、切替SW17はPAL設定器18で設定された値の大きい閾値をSECAM信号判別回路15に加えるように切り替えられる。これによって、SECAM信号判別回路15がSECAM信号であると判断するための判断基準の閾値が高く設定される。また、バースト/無信号レベル検出回路16によって、入力信号がPAL信号である可能性は高くないと判断したとき、切替SW17はSECAM設定器19で設定された値の小さい閾値をSECAM信号判別回路15に加えるように切り替えられる。これによって、SECAM信号判別回路15がSECAM信号であると判断するための判断基準の閾値は低く設定される。
【0008】
SECAM信号判別回路15は、タイミング生成回路14で1水平ラインごとに生成されたSECAM信号判別用パルスと、バースト/無信号レベル検出回路16から出力されたPAL信号判断結果を示す信号との、例えば不一致状態を検出し、所定の時間内にその状態を検出した回数がそれぞれSECAM信号であると判断するための閾値を超えたとき、SECAM信号であることの判別結果を出力する。なお、SECAM信号判別回路15は、SECAM信号であることの判別結果を得る過程でDR信号とDB信号であるかを判別し、その判別結果をクロマ復調回路13に加えて、FM復調時に生じるオフセットの除去に使用される。
【0009】
図5は下記の特許文献2に開示された従来の他のSECAM信号判別装置の構成を示すブロック図である。図5において、入力されたテレビジョン信号が輝度/カラー分離回路(図示せず)により分離され、得られたカラー信号がクロマ復調回路23に入力される。クロマ復調回路23は、入力されたカラー信号から色差信号DR/DBを復調して出力するとともに、DR/DB識別信号Xを出力する。以下、クロマ復調回路23について詳しく説明する。
【0010】
テレビジョン信号がSECAM方式の場合、DR信号及びDB信号はそれぞれ異なる中心周波数の色副搬送波にFM変調されている。クロマ復調回路23はFM変調されているカラー信号を所定の基本周波数を基にFM復調する。この場合、カラー信号の瞬時周波数と基本周波数との周波数差がレベルに変換される。クロマ復調回路23は、このFM復調出力に基づき、水平ラインにDR信号が変調されているのか、DB信号が変調されているのかを識別するためのDR/DB識別信号Xを生成する。このとき、FM復調出力のうち、指定された範囲の復調値のみを抽出する。その復調値が4.40625MHz(DR)に近いか、あるいは4.25000MHz(DB)に近いかを判断する。この判断は、例えば、4.40625MHzの復調値と4.25000MHzの復調値との中間値を閾値として、出力された復調値を2値化することにより行うことができる。このようにして判断した結果に基づき、復調値が4.40625MHzに近ければハイ(H)、4.25000MHzに近ければロー(L)となるDR/DB識別信号Xを生成する。このDR/DB識別信号Xは、ラインID信号が含まれている水平ラインの期間の間、その値が保持され続ける。つまり、ハイ(H)とロー(L)の切換は水平同期信号のタイミングで行われる。DR/DB識別信号Xは、オフセット量の調整などが行われたのち、DR/DB信号として出力され、出力回路30に加えられ、DR/DB識別信号XはSECAM信号判別回路25に加えられる。
【0011】
出力回路20は、DR/DB信号に対して、視覚補正処理、SCART挿入処理、OSD処理、サンプリングレート変換処理などを行い、画像データを出力する。
【0012】
一方、同期信号検出回路(図示せず)によってテレビジョン信号から抽出された水平同期信号がタイミング生成回路24に入力される。タイミング生成回路24は入力された水平同期信号に基づいて、SECAM信号判別用パルスを生成してSECAM信号判別回路25に加える。
【0013】
また、テレビジョン信号、すなわちアナログコンポジット信号が弱電界検出回路26に入力される。弱電界検出回路26はテレビジョン信号をデジタルデータに変換した後、ハイパスフィルタ(図示せず)に加え、このハイパスフィルタを通過した信号をノイズ成分と判断し、さらに、テレビション信号の垂直ブランキング期間内1H〜6Hのノイズレベルを積算し、ノイズ積算値が大きい場合は弱電界信号であると判断し、ノイズ積算値が小さい場合は強電界(通常)信号であると判断する。
【0014】
切替SW27には強電界時の基準閾値TH1を設定する強電界設定器28と、弱電界時の基準閾値TH2を設定する弱電界設定器29とが接続されており、基準閾値TH1と基準閾値TH2とは、TH1>TH2の関係になっている。弱電界検出回路26がテレビジョン信号を強電界信号と判断したとき強電界設定器28の基準閾値TH1を出力し、弱電界であると判断したとき、弱電界設定器29の基準閾値TH2を出力する。すなわち、入力信号が強電界(通常)時の場合にはSECAM信号であると判断する際の基準を高く設定し、入力信号が弱電界時の場合にはSECAM信号であると判断する際の基準を低く設定する。そして、これらの基準閾値TH1、TH2をそれぞれSECAM信号判別回路25に加える。
【0015】
SECAM信号判別回路25は、クロマ復調回路23から出力されたDR/DB識別信号Xと、タイミング生成回路から出力されたSECAM信号判別用パルスと、切替SW27を介して出力された基準閾値TH1、TH2とに基づいて入力された信号がSECAM信号であるか否かを判断するが、その動作を以下に説明する。
【0016】
例えばSECAM信号が入力されると、クロマ復調回路23はハイ(H)とロー(L)を1水平ライン毎に交互に繰り返すDR/DB識別信号Xを出力する。SECAM信号判別回路25にこのようなDR/DB識別信号Xが入力されると、信号の変化回数が内部で加算され、加算値はプラス側にインクリメントされ続けることとなる。つまり、SECAM信号が入力された場合には、1水平ライン毎に1フレーム加算された値が増加していき、所定時間後には加算器の出力値が基準閾値を越えることとなる。1フレーム内にラインID信号は約575ラインあるため、SECAM標準信号であれば加算値は575になる。
【0017】
一方、SECAM信号以外の信号が入力されると、クロマ復調回路23からハイ(H)とロー(L)とを交互に繰り返さず、ハイ(H)とロー(L)のいずれか一方の出力に偏ったDR/DB識別信号Xが出力される。例えばPAL信号が入力されれば、そのカラーバースト信号の周波数が4.430MHzであるため、常にハイ(H)となるDR/DB識別信号Xが出力される。SECAM信号判別回路25にこのようなDR/DB識別信号Xが入力されると、内部加算器は、プラス側にインクリメントされ続けることなく、加算値の増減がある一定の範囲内で収まってしまう。つまり、SECAM信号以外の信号が入力されると、加算値はある一定範囲以上増加せず、この増加範囲を考慮した基準閾値を設定しておけば、所定時間経過してもこの出力値は基準閾値を越えることはない。なお、PAL標準信号であれば加算値は0になる。
【0018】
以上のようにSECAM信号判別回路25では、内部加算器の加算値を一定時間の間モニタして、この加算値が基準閾値を越えたか否かを判断することにより、入力された信号がSECAM信号であるか否かを判断することができる。この場合、入力されたテレビジョン信号に対してノイズ成分を抽出し、垂直ブランキング期間のノイズ成分の積算値レベルに応じて基準閾値をTH1とTH2とに変化させているので、弱電界時、低C/N環境下においてもSECAM信号をPAL信号であると誤判別せず、高精度にSECAM信号の判別を行うことができる。
【特許文献1】特開2003-18608号公報(段落0061〜0123)
【特許文献2】特開2005-57639号公報(段落0027〜0050)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、上記の特許文献1又は2に記載されたSECAM信号判別装置では、テレビジョン信号が弱電界等の低C/N環境下において、チャンネル切替え等で入力信号がPAL信号からSECAM信号に変化した場合や、SECAM信号からPAL信号に変化した場合、又は入力テレビジョン信号の周波数特性が悪く、カラーバース付近のレベルが落ちてしまっている場合、閾値が切替わるのに時間が掛かり、判別切替えが遅くなるほか、判別誤動作が起きやすいという問題があった。
【0020】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は入力されたテレビジョン信号が低C/N環境下であってもその信号がPAL方式であるか、SECAM方式であるかを安定して判別することができるPAL、SECAM信号判別装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、入力されたテレビジョン信号の周波数特性が悪い状態であってもその信号がPAL方式であるか、SECAM方式であるかを安定して判別することができるPAL、SECAM信号判別装置を提供することにある。
本発明のもう1つ他の目的は、入力信号が切り替った時の判別応答速度の向上及び判別誤動作の低減を図ることができるPAL、SECAM信号判別装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の目的を達成するために、本発明は、入力されたテレビジョン信号がPAL方式であるか、SECAM方式であるかを判別するPAL、SECAM信号判別装置であって、
前記テレビジョン信号を分離して得られるカラー信号を入力し、所定の周波数特性を与えて出力するバンドパスフィルタと、
設定により第1の基準周波数と、前記第1の基準周波数より周波数の低い第2の基準周波数とに切り替えて出力することが可能な基準周波数発生回路と、
前記バンドパスフィルタの出力信号を入力し、前記テレビジョン信号の水平ブランキング期間に含まれている色副搬送波を検出し、得られた前記色副搬送波の周波数と前記基準周波数発生回路の基準周波数との周波数差の信号を出力するFM復調回路と、
前記FM復調回路から出力された周波数差の信号に基づき、前記テレビジョン信号がPAL方式であるか、SECAM方式であるかを判別する判別回路と、
前記基準周波数発生回路が前記第1の基準周波数を出力する設定値を設定する第1の設定手段と、
前記基準周波数発生回路が前記第2の基準周波数を出力する設定値を設定する第2の設定手段と、
前記判別回路が前記テレビジョン信号を判別する初期判別時に前記第1の設定手段の設定値を使用し、前記判別回路が前記テレビジョン信号をPAL方式であると判別したとき、前記第2の設定手段の設定値を使用するように前記第1及び第2の設定手段の設定値を切り替える切替手段とを、
備える。
【0022】
また、本発明は、入力されたテレビジョン信号がPAL方式であるか、SECAM方式であるかを判別するPAL、SECAM信号判別装置であって、
前記テレビジョン信号を分離して得られるカラー信号を入力し、設定により所定の周波数特性を与えて出力する第1の出力特性と、前記第1の出力特性よりも帯域幅を狭くした第2の出力特性とに切り替えることが可能なバンドパスフィルタと、
設定により第1の基準周波数と、前記第1の基準周波数より周波数の低い第2の基準周波数とに切り替えて出力することが可能な基準周波数発生回路と、
前記バンドパスフィルタの出力信号を入力し、前記テレビジョン信号の水平ブランキング期間に含まれている色副搬送波を検出し、得られた前記色副搬送波の周波数と前記基準周波数発生回路の基準周波数との周波数差の信号を出力するFM復調回路と、
前記FM復調回路から出力された周波数差の信号に基づき、前記テレビジョン信号がPAL方式であるか、SECAM方式であるかを判別する判別回路と、
前記基準周波数発生回路が前記第1の基準周波数を出力し、かつ前記バンドパスフィルタが前記第1の出力特性を持つように設定値を設定する第1の設定手段と、
前記基準周波数発生回路が第2の基準周波数を出力し、かつ前記バンドパスフィルタが前記第2の出力特性を持つように設定値を設定する第2の設定手段と、
前記判別回路が前記テレビジョン信号を判別する初期判別時に前記第1の設定手段の設定値を使用し、前記判別回路が前記テレビジョン信号をPAL方式であると判別したとき、前記第2の設定手段の設定値を使用するように前記第1及び第2の設定手段の設定値を切り替える切替手段とを、
備える。
【0023】
また、本発明は、入力されたテレビジョン信号がPAL方式であるか、SECAM方式であるかを判別するPAL、SECAM信号判別装置であって、
前記テレビジョン信号を分離して得られるカラー信号を入力し、設定により所定の周波数特性を与えて出力する第1の出力特性と、前記第1の出力特性よりも帯域幅を狭くした第2の出力特性と、前記第1の出力特性よりも中心周波数を高くした第3の出力特性とに切り替えることが可能なバンドパスフィルタと、
設定により第1の基準周波数と、前記第1の基準周波数より周波数の低い第2の基準周波数とに切り替えて出力することが可能な基準周波数発生回路と、
前記バンドパスフィルタの出力信号を入力し、前記テレビジョン信号の水平ブランキング期間に含まれている色副搬送波を検出し、得られた前記色副搬送波の周波数と前記基準周波数発生回路の基準周波数との周波数差の信号を出力するFM復調回路と、
前記FM復調回路から出力された周波数差の信号に基づき、前記テレビジョン信号がPAL方式であるか、SECAM方式であるかを判別する判別回路と、
前記基準周波数発生回路が前記第1の基準周波数を出力し、前記バンドパスフィルタが前記第3の出力特性を持つように設定値を設定する第1の設定手段と、
前記基準周波数発生回路が前記第2の基準周波数を出力し、かつ前記バンドパスフィルタが前記第2の出力特性を持つように設定値を設定する第2の設定手段と、
前記基準周波数発生回路が第1の基準周波数を出力し、かつ前記バンドパスフィルタが前記第1の出力特性を持つように設定値を設定する第3の設定手段と、
前記判別回路が前記テレビジョン信号を判別する初期判別時に前記第3の設定手段の設定値を使用し、前記判別回路が前記テレビジョン信号をPAL方式であると判別したとき前記第2の設定手段の設定値を使用し、前記判別回路が前記テレビジョン信号をSECAM方式であると判別したとき前記第1の設定手段の設定値を使用し、前記第1又は第2の設定手段の設定値の使用中にテレビ信号の受信モードが遷移したとき前記第3の設定手段の設定値を使用するように前記第1、第2及び第3の設定手段の設定値を切り替える切替手段とを、
備える。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、第1の基準周波数と、第1の基準周波数より周波数の低い第2の基準周波数とに切り替えて出力することが可能な基準周波数発生回路を備え、テレビジョン信号がPAL方式であるか、SECAM方式であるかを判別する初期判別時に、色副搬送波の周波数と第1の基準周波数との周波数差の信号に基づいて判別し、判別結果がPAL方式であれば第1の基準周波数の代わりに第2の基準周波数を使用してPAL信号の色副搬送波のキャリア周波数との周波数差をより大きくするため、テレビジョン信号が低C/N環境下であっても安定した判別を実現することができる。
【0025】
また、本発明によれば、所定の周波数特性を与えて出力する第1の出力特性と、第1の出力特性よりも帯域幅を狭くした第2の出力特性とに切り替えることが可能なバンドパスフィルタを備え、判別結果がPAL方式であれば、帯域を狭めた色副搬送波のキャリア周波数と基準周波数との周波数差を求めるので、入力されたテレビジョン信号が低C/N環境下であっても、テレビジョン信号の周波数特性が悪い状態であっても安定した判別を実現することができる。
【0026】
また、本発明によれば、所定の周波数特性を与えて出力する第1の出力特性と、第1の出力特性よりも帯域幅を狭くした第2の出力特性と、第1の出力特性よりも中心周波数を高くした第3の出力特性とに切り替えることが可能なバンドパスフィルタを備え、判別結果がPAL方式であればバンドパスフィルタを帯域幅を狭める側に切り替え、判別結果がSECAM方式であれば、バンドパスフィルタを中心周波数の高い側に切り替え、さらに、テレビジョン信号の受信モードが遷移したとき、基準周波数及びフィルタ特性を初期判別状態に戻すようにしたので、テレビジョン信号が低C/N環境下であっても、テレビジョン信号の周波数特性が悪い状態であっても安定して判別することができるとともに、入力信号の受信モードが遷移したときの判別応答速度の向上及び判別誤動作の低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明を図面に示す好適な実施の形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係るPAL、SECAM信号判別装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。このPAL、SECAM信号判別装置は、ベルフィルタ1と、ACC(オート・クロマ・コントロール)回路及びFM復調回路を含むACC/FM復調回路2と、タイミング生成回路3と、無変調キャリア周波数判別回路4と、CPU(Central Processing Unit)5と、切替SW(スイッチ)6及び7と、それぞれ信号判別設定値を設定するPAL用設定器8、SECAM用設定器9、ニュートラル用設定器10とを備えている。
【0028】
図1において、コンポジット映像信号(以下、映像信号と称する)が輝度/カラー分離回路(図示せず)によって分離され、得られたカラー信号がベルフィルタ1に入力される。ベルフィルタ1は、送信側で与えられたベルフィルタ特性と逆の周波数特性を、入力されたカラー信号に与えて波形整形する。このベルフィルタ1として中心周波数と帯域幅が可変のものが用いられ、本実施の形態では、PALモード時に弱電界信号でのノイズ低減用のバンドパスフィルタとしても使用する。ベルフィルタ1によって波形整形されたカラー信号は、ACC/FM復調回路2に供給される。
【0029】
ACC/FM復調回路2では、最初にカラー信号をACC回路に入力して、PAL方式のカラー信号が入力された場合には、そのカラーバーストレベルを一定のレベルに合わせ、次にFM復調回路に入力してカラー信号に含まれる色副搬送波にFM変調されている色差信号を、基準信号の基準周波数を基にFM復調する。このACC/FM復調回路2からは、入力されたカラー信号のバックポーチ部分の無変調キャリア信号の周波数と、基準周波数との周波数差の信号が出力され、無変調キャリア周波数判別回路4に供給される。この場合、周波数差の信号は、16ビット(bit)幅で2の補数表現の信号であるので基準周波数と無変調キャリア信号周波数が同じ場合、その値は“0”となり、DR信号のように基準周波数より無変調キャリア信号周波数が高い場合、プラス側にデータが増えた値となり、DB信号のように基準周波数より無変調キャリア信号周波数が低い場合、マイナス側にデータが減少した値となる。
【0030】
タイミング生成回路3には、入力された映像信号のそれぞれ水平同期タイミングである図2(a)に示すPAL信号、図2(b)に示すSECAM信号が入力され、同期検出回路(図示せず)によって検出された映像信号の水平同期タイミングを示す水平同期信号が入力される。タイミング生成回路3は、入力された水平同期信号から、図2(c)〜(e)に示すような、判別に必要な判別用パルス1、2、3と、1水平ライン毎にハイ(H)/ロー(L)を交互に繰り返す、図示を省略したトグル信号(LINE ALT)とを生成する。このうち、図2(c)に示す判別用パルス1は水平同期信号の立ち下がりを示すパルスであり、図2(d)に示す判別用パルス2はバースト信号区間を特定するパルスであり、図2(e)に示す判別用パルス3はバックポーチ区間を示すパルスである。このタイミング生成回路3で生成された判別用パルス1、2、3及びトグル信号(LINE ALT)は無変調キャリア周波数判別回路4に供給される。なお、タイミング生成回路3はバックポーチ区間に対応する信号をACC/FM復調回路2に供給するが、本発明に直接的に関係しないのでその説明を省略する。
【0031】
無変調キャリア周波数判別回路4は、ACC/FM復調回路2から出力された周波数差の信号と、タイミング生成回路3から供給された無変調キャリア信号の挿入期間に相当する判別用パルス1、2、3と、トグル信号(LINE ALT)とに基づいて、無変調キャリア信号部分からPAL/SECAM判別を行う。また、無変調キャリア周波数判別回路4は、ACC/FM復調回路2に対して、PALモード、あるいはSECAMモード、あるいはモード切替時のニュートラルモードでの基準周波数(約4.33MHz)を供給する。この基準周波数は、SECAM信号のDR信号のキャリア周波数4.40625MHzとDB信号のキャリア周波数4.25000MHzの中間値である約4.33MHzにしている。
【0032】
CPU5は、リモコン受光部や機器本体のキースイッチからのチャンネル切替などの情報をモード遷移情報として切替SW6に供給する。もう1つの切替SW7は、無変調キャリア周波数判別回路4の結果に基づいて、無変調キャリア周波数判別回路4で使用する判別設定値を設定するPAL用設定器8と、SECAM用設定器9とを選択し、それぞれのモード時に判別設定値を出力する。切替SW6には、切替SW7で選択されたPAL用あるいはSECAM用の判別設定値と、ニュートラル用設定器10で設定されたニュートラルモード用設定値とが入力され、CPU5からのモード遷移情報によって切り替えられ、その出力信号がベルフィルタ1、無変調キャリア周波数判別回路4、タイミング生成回路2に供給される。
【0033】
PAL用設定器8は、無変調キャリア周波数判別回路4で使用するPALモード用基準周波数情報やベルフィルタ1の帯域特性、タイミング生成回路3での判別パルス位置を設定するものである。すなわち、PAL用設定器8は、低C/N信号や高い周波数成分が低下して周波数特性の悪い信号など、信号品位の低いPAL信号でも安定して判別できる設定値を設定するものである。ここで、PALモード用基準周波数情報の設定は、基準周波数を4.33MHzより低い周波数にする設定であり、その設定値を無変調キャリア周波数判別回路4に加えて基準周波数をより低くすれば、PAL信号の色副搬送波のキャリア周波数である4.430MHzとの周波数差がより大きくなるため、安定した判別を実現することができる。ベルフィルタ1の帯域特性の設定は、帯域を狭める設定であり、その設定値をベルフィルタ1に加えることによって、ノイズ成分が抑圧され、より低C/N信号においても判別を安定にすることができる。
【0034】
なお、VHS(登録商標)方式のVTRで再生された再生信号などの信号特性がPAL、SECAM標準信号とは異なる非標準信号は、ベルフィルタ1を通さないほうが良い場合もあるので、PAL用設定器8はベルフィルタ1をパス(OFF)させる経路選択情報の設定も可能になっている。タイミング生成回路3に対する判別パルスの設定は、ベルフィルタ1をパス(OFF)する設定にした場合、ベルフィルタ1での遅延時間があるので、ベルフィルタ1以後の回路でベルフィルタ1のON/OFFで信号のタイミングがずれてしまう。そのため判別パルス1、2、3を対象としてそのタイミングのずれを補正し、判別パルス2を対象としてパルス幅を広げるように設定する。
【0035】
SECAM用設定器9は、無変調キャリア周波数判別回路4で使用するSECAMモード用基準周波数情報やベルフィルタ1の帯域特性、タイミング生成回路3での判別パルス位置を設定するもので、その設定値を切替SW7に入力する。すなわち、SECAM用設定器9は、低C/N信号などの信号品位が低いSECAM信号でも安定して判別できる設定値を設定するものである。ここで、SECAM用基準周波数情報の設定とは、SECAM信号のDR信号のキャリア周波数4.40625MHzとDB信号のキャリア周波数4.25000MHzの中間値である約4.33MHzにする設定である。ベルフィルタ1の帯域特性の設定は、帯域はそのままでフィルタの中心周波数を若干高いほうに移動する設定である。これによりVHS再生信号などの非標準信号においても判別は安定する。判別パルスの設定では、無変調キャリアの位置に戻す設定になる。
【0036】
ニュートラル用設定器10は、無変調キャリア周波数判別回路4で使用するニュートラルモード用基準周波数情報やベルフィルタ1の帯域特性、タイミング生成回路3での判別パルス位置の設定値を切替SW6に入力する。基本的にPAL用設定器8やSECAM用設定器9は初期判別が終わり、その後入力信号が変わらず、安定した判別をすることを目的にしてそれぞれの設定値を設定している。これに対して、ニュートラル用設定器10は初期判別のための設定値を設定するもので、PAL,SECAMそれぞれにとってバランスの良い設定にする。すなわち、安定して映像信号が入力されているときは、それぞれの判別に最適な基準周波数やフィルタ定数などを設定し、チャンネル切替などチューナーの受信チャンネルが切り替わることで入力される映像信号が不連続になる場合、モード遷移情報から基準周波数やフィルタ対数などの設定値をニュートラル設定に戻し、判別応答を早め、判別誤動作を軽減する。
【0037】
次に無変調キャリア周波数判別回路4について説明する。図3は無変調キャリア周波数判別回路4の詳細な構成を示すブロック図であり、基準周波数発生回路31と、切替SW32、33、35、36と、LINE毎連続性判別回路34と、LINE毎HOLD回路37と、DR/DB判別回路38と、EX−OR(排他的論理和回路)39と、FIELD(フィールド)比較回路40と、加算器42、43とを備えている。
【0038】
基準周波数発生回路31は切替SW6から出力される周波数設定値に従って、約4.33MHzの基準周波数と、これより周波数が僅かに低い基準周波数を出力してACC/FM復調回路2(図1参照)に加えるものである。切替SW32には、ACC/FM復調回路2から出力される無変調キャリア信号の周波数と、基本周波数との周波数差の信号が入力される。ここでは、図2(d)で示される判別用パルス2で切替SW32が切り替えられ、バックポーチ部分の無変調キャリア期間以外はゼロに固定される。判別用パルス2で選択された信号は加算器42で切替SW33の出力と加算されて、その加算値が切替SW33に入力となる。切替SW33は、図2(c)で示される判別用パルス1によって水平同期信号の立ち下がり部分でリセットされる。これにより、判別用パルス1が切替SW33に加えられるごとに、周波数差の信号が判別用パルス2の立ち上がりから立ち下がりまで積算され、その積算値が切替SW33から出力される。切替SW33から出力された信号は、LINE毎連続性判別回路34と、切替SW35及び加算器43とに加えられる。
【0039】
LINE毎連続性判別回路34では、入力された信号がLINE毎に連続性があるか否かを判別する。例えばSECAM信号が入力された場合、ACC/FM復調回路2は無変調キャリア信号の周波数と、基準周波数との周波数差を16ビットで2の補数信号形式で出力するため、周波数の高いDR側のラインでは、例えば16進表記の04BA(hex)という値の信号が入力され、周波数の低いDB側のラインでは、例えばFAB2(hex)という値が入力される。ここで上位4ビットに注目し、これらのビットの論理積を求めると、DR側は“0”、DB側は“1”となり、ライン毎の連続性が無いためLINE毎連続性判別回路34の出力Yは“0”となる。一方、PAL信号が入力された場合、ACC/FM復調回路2からの出力は、例えば0378(hex)となり上位4ビットの論理積を求めると、その出力は“0”でこの値が毎ライン続くため、LINE毎連続性判別回路34の出力Yは“1”になる。このLINE毎連続性判別回路34の出力Yは、切替SW35に加えられる。
【0040】
切替SW35には、切替SW33から出力された信号と、この信号とLINE毎HOLD回路37から出力された2ライン前の信号を加算器43で加算された信号とが入力され、これらの信号がLINE毎連続性判別回路34の出力信号により選択される。ここで、LINE毎連続性判別回路34の出力信号Yが“0”でSECAMの時、加算器43側を選択し、LINE毎連続性判別回路34の出力信号Yが“1”でPALの時は切替SW33の出力側を選択する。これは、入力信号がSECAM信号からPAL信号に切り替わった場合に対処するもので、SECAM信号受信時は加算器43側を選択することで、すなわち、切替SW33の出力信号と、後述するライン毎HOLD回路37から出力される2ライン分の信号とを加算した信号を選択することで、入力信号の品位が低C/N環境下でも後段での安定したDR/DB判別を行うことができる。もし、PAL信号に切り替わった場合にも加算器43の出力信号を選択したとすれば、2ライン前のデータであるSECAM信号のデータが加算されたものになってしまい、PAL信号に切り替わらないという問題を生じる。そこで、ライン毎の連続性を判別しPAL信号の場合には、加算を行わない経路を選択することで、すなわち切替SW33の出力を選択することによって、応答性の良い判別を可能にしている。切替SW35で選択された信号は、切替SW36に入力される。
【0041】
切替SW36では、切替SW35で選択された信号とLINE毎HOLD回路37で選択された信号を図2(c)の判別パルス1で切り替える。選択された信号は、LINE毎HOLD回路37とDR/DB判別回路38に入力される。LINE毎HOLD回路37では、タイミング生成回路3で生成されたトグル信号(LINE ALT)を基に2ライン分の信号を保持した信号を選択し、加算器43と切替SW36に入力する。
【0042】
DR/DB判別回路38は、切替SW36から出力される信号に基づき、DR/DB信号を判別する。LINE毎連続性判別回路34での動作と似て、入力信号の上位ビットに注目しDR/DB信号判別を行い、トグル信号(LINE ALT)でゲートをかけることによりライン毎にハイ“1”/ロー“0”の値を各々2水平ラインの期間の間保持し、1ラインずつの結果を2ライン分EX−OR39に入力する。例えばSECAM信号の場合は、DRラインは“0”となりDBラインは“1”となるので、毎ライン交互に“0”と“1”がEXOR39に入力される。
【0043】
EX−OR39では、排他的論理和演算を行い、SECAM信号の場合DR/DB判別回路38からは“0”と“1”が出力されるので、EX−OR39の出力は“1”となる。
【0044】
FIELD比較回路40では、EX−OR39から入力された信号を任意のフィールド数の間安定動作をした場合、SECAM時には“1”が出力され、PAL時には“0”が出力される。
【0045】
以上の説明から明らかなように、上記の一実施の形態によれば、ニュートラル用設定器10によって、初期判別用の基準周波数の設定値、カラー信号を整形する帯域幅及び中心周波数の設定値を設定し、SECAM用設定器9によって初期判別用の基準周波数の設定値と、カラー信号を整形する中心周波数を初期判別用の中心周波数より高い側に移動する設定値を設定し、PAL用設定器8によって初期判別用の基準周波数より周波数の低い基準周波数の設定値と、カラー信号を整形する帯域幅を初期判別用の帯域幅を狭める設定値を設定し、初期判別時にニュートラル用設定器10の設定値を使用し、判別結果がPAL信号であるときPAL用設定器8を使用し、判別結果がSECAM信号であるときSECAM用設定器9を使用し、入力信号の受信モードが遷移したときニュートラル用設定器10を使用している。これによって、テレビジョン信号が低C/N環境下であっても、テレビジョン信号の周波数特性が悪い状態であっても安定して判別することができるとともに、入力信号の受信モードが遷移したときの判別応答速度の向上及び判別誤動作の低減を図ることができるという効果が得られる。
【0046】
これに対して、例えば、ニュートラル用設定器10を除去し、SECAM用設定器9によって初期判別用の基準周波数の設定値を設定し、PAL用設定器8によって初期判別用の基準周波数より周波数の低い基準周波数の設定値を設定し、初期判別時にSECAM用設定器9を使用し、判別結果がPAL信号であるときPAL用設定器8を使用するように構成することも可能であり、これによって、テレビジョン信号が低C/N環境下であっても安定した判別を実現することができるという効果が得られる。
【0047】
また、ニュートラル用設定器10を除去し、SECAM用設定器9によって初期判別用の基準周波数の設定値を設定し、PAL用設定器8によって初期判別用の基準周波数より周波数の低い基準周波数の設定値と、カラー信号を整形する帯域幅を初期判別用の帯域幅を狭める設定値を設定し、初期判別時にSECAM用設定器9を使用し、判別結果がPAL信号であるときPAL用設定器8を使用するように構成することも可能であり、これによって、入力されたテレビジョン信号が低C/N環境下であっても、テレビジョン信号の周波数特性が悪い状態であっても安定した判別を実現することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係るPAL、SECAM信号判別装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態の動作を説明するために、判別対象信号及び装置内部で生成される判別用パルスの波形を示した波形図である。
【図3】本発明の一実施の形態を構成する無変調キャリア周波数判別回路の詳細な構成を示すブロック図である。
【図4】従来のSECAM信号判別装置の構成を示すブロック図である。
【図5】従来の他のSECAM信号判別装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0049】
1 ベルフィルタ(バンドパスフィルタ)
2 ACC/FM復調回路
3 タイミング生成回路
4 無変調キャリア周波数判別回路(判別回路)
5 CPU(切替手段)
6、7 切替SW(切替手段)
8 PAL用設定器(第2の設定手段)
9 SECAM用設定器(第1の設定手段)
10 ニュートラル用設定器(第3の設定手段)
31 基準周波数発生回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力されたテレビジョン信号がPAL方式であるか、SECAM方式であるかを判別するPAL、SECAM信号判別装置であって、
前記テレビジョン信号を分離して得られるカラー信号を入力し、所定の周波数特性を与えて出力するバンドパスフィルタと、
設定により第1の基準周波数と、前記第1の基準周波数より周波数の低い第2の基準周波数とに切り替えて出力することが可能な基準周波数発生回路と、
前記バンドパスフィルタの出力信号を入力し、前記テレビジョン信号の水平ブランキング期間に含まれている色副搬送波を検出し、得られた前記色副搬送波の周波数と前記基準周波数発生回路の基準周波数との周波数差の信号を出力するFM復調回路と、
前記FM復調回路から出力された周波数差の信号に基づき、前記テレビジョン信号がPAL方式であるか、SECAM方式であるかを判別する判別回路と、
前記基準周波数発生回路が前記第1の基準周波数を出力する設定値を設定する第1の設定手段と、
前記基準周波数発生回路が前記第2の基準周波数を出力する設定値を設定する第2の設定手段と、
前記判別回路が前記テレビジョン信号を判別する初期判別時に前記第1の設定手段の設定値を使用し、前記判別回路が前記テレビジョン信号をPAL方式であると判別したとき、前記第2の設定手段の設定値を使用するように前記第1及び第2の設定手段の設定値を切り替える切替手段とを、
備えたPAL、SECAM信号判別装置。
【請求項2】
入力されたテレビジョン信号がPAL方式であるか、SECAM方式であるかを判別するPAL、SECAM信号判別装置であって、
前記テレビジョン信号を分離して得られるカラー信号を入力し、設定により所定の周波数特性を与えて出力する第1の出力特性と、前記第1の出力特性よりも帯域幅を狭くした第2の出力特性とに切り替えることが可能なバンドパスフィルタと、
設定により第1の基準周波数と、前記第1の基準周波数より周波数の低い第2の基準周波数とに切り替えて出力することが可能な基準周波数発生回路と、
前記バンドパスフィルタの出力信号を入力し、前記テレビジョン信号の水平ブランキング期間に含まれている色副搬送波を検出し、得られた前記色副搬送波の周波数と前記基準周波数発生回路の基準周波数との周波数差の信号を出力するFM復調回路と、
前記FM復調回路から出力された周波数差の信号に基づき、前記テレビジョン信号がPAL方式であるか、SECAM方式であるかを判別する判別回路と、
前記基準周波数発生回路が前記第1の基準周波数を出力し、かつ前記バンドパスフィルタが前記第1の出力特性を持つように設定値を設定する第1の設定手段と、
前記基準周波数発生回路が第2の基準周波数を出力し、かつ前記バンドパスフィルタが前記第2の出力特性を持つように設定値を設定する第2の設定手段と、
前記判別回路が前記テレビジョン信号を判別する初期判別時に前記第1の設定手段の設定値を使用し、前記判別回路が前記テレビジョン信号をPAL方式であると判別したとき、前記第2の設定手段の設定値を使用するように前記第1及び第2の設定手段の設定値を切り替える切替手段とを、
備えたPAL、SECAM信号判別装置。
【請求項3】
入力されたテレビジョン信号がPAL方式であるか、SECAM方式であるかを判別するPAL、SECAM信号判別装置であって、
前記テレビジョン信号を分離して得られるカラー信号を入力し、設定により所定の周波数特性を与えて出力する第1の出力特性と、前記第1の出力特性よりも帯域幅を狭くした第2の出力特性と、前記第1の出力特性よりも中心周波数を高くした第3の出力特性とに切り替えることが可能なバンドパスフィルタと、
設定により第1の基準周波数と、前記第1の基準周波数より周波数の低い第2の基準周波数とに切り替えて出力することが可能な基準周波数発生回路と、
前記バンドパスフィルタの出力信号を入力し、前記テレビジョン信号の水平ブランキング期間に含まれている色副搬送波を検出し、得られた前記色副搬送波の周波数と前記基準周波数発生回路の基準周波数との周波数差の信号を出力するFM復調回路と、
前記FM復調回路から出力された周波数差の信号に基づき、前記テレビジョン信号がPAL方式であるか、SECAM方式であるかを判別する判別回路と、
前記基準周波数発生回路が前記第1の基準周波数を出力し、前記バンドパスフィルタが前記第3の出力特性を持つように設定値を設定する第1の設定手段と、
前記基準周波数発生回路が前記第2の基準周波数を出力し、かつ前記バンドパスフィルタが前記第2の出力特性を持つように設定値を設定する第2の設定手段と、
前記基準周波数発生回路が第1の基準周波数を出力し、かつ前記バンドパスフィルタが前記第1の出力特性を持つように設定値を設定する第3の設定手段と、
前記判別回路が前記テレビジョン信号を判別する初期判別時に前記第3の設定手段の設定値を使用し、前記判別回路が前記テレビジョン信号をPAL方式であると判別したとき前記第2の設定手段の設定値を使用し、前記判別回路が前記テレビジョン信号をSECAM方式であると判別したとき前記第1の設定手段の設定値を使用し、前記第1又は第2の設定手段の設定値の使用中にテレビ信号の受信モードが遷移したとき前記第3の設定手段の設定値を使用するように前記第1、第2及び第3の設定手段の設定値を切り替える切替手段とを、
備えたPAL、SECAM信号判別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−141440(P2009−141440A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−312893(P2007−312893)
【出願日】平成19年12月3日(2007.12.3)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】