説明

PAL信号復調装置

【課題】PAL信号を復調する際に、同一のフレーム内における前後のラインに対して色が孤立した注目ラインのU/V分離を正しく行う。
【解決手段】BPFフィルタ121〜125は、フレーム1〜フレーム5に対してクロマ帯域を通過させるバンドバスフィルタリング処理をそれぞれ行い各フレームのBPF出力信号を得る。3次元色位相歪み補正用色信号取得部140は、フレーム1とフレーム3の相関、フレーム3とフレーム5間の相関を算出すると共に、算出した2つの相関に応じた重付係数でフレーム2とフレーム4のBPF出力信号とを重付平均して3次元色位相歪み補正用色信号Nを得る。搬送色差信号抽出部160は、フレーム3のBPF出力信号と3次元色位相歪み補正用色信号とを加減算することによって搬送色差信号を抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PAL(Phase Alternating Line:位相反転ライン)方式のコンポジット信号を復調する技術、特にPAL方式のコンポジット信号から搬送色差信号を抽出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コンポジット信号を用いる映像方式の1つとして、PAL方式が知られている。PAL方式では、色副搬送波を2つの色差信号(U信号、V信号)で直角に2相変調することによって搬送色信号(C信号)を生成して伝送するが、伝送歪みなどの影響で伝送中に生じた位相歪みを補正するために、V信号の色副搬送波の位相をライン毎に180°反転させて色信号Cを生成している。また、ライン間の干渉を防ぐために、ライン毎に90°位相がずれるように、すなわち2ライン毎に180°位相がずれるように色副搬送波の周波数が選ばれている。
【0003】
そのため、PAL方式のコンポジット信号(以下PAL信号という)では、図10に示すように、同一のフレーム内においてライン(n)とその2つ前のライン(n−2)との間にC信号の位相が180°異なり、ライン(n)とその1つ前のライン(n−1)間にV信号の色副搬送波の位相が180°異なる。すなわち、同一のフレーム内では、V信号の色副搬送波の位相は1ライン毎に180°ずれ、C信号の位相は2ライン毎に180°ずれる。
【0004】
また、同じライン(n)について異なるフレーム間で位相の比較をすると、図11に示すように、フレーム(m)とその2つ前のフレーム(m−2)との間にライン(n)のC信号の位相が180°異なり、フレーム(m)とその1つ前のフレーム(m−1)との間にライン(n)のV信号の色副搬送波の位相が異なる。すなわち、同じラインについて、V信号の色副搬送波の位相は1フレーム毎に180°ずれ、C信号の位相は2フレーム毎に180°ずれる。
【0005】
PAL信号の受信機やPAL信号を記録媒体に記録するビデオレコーダなどの映像機器において、PAL信号を復調するために、PAL信号に対して位相歪みを補正しながらY信号とC信号を分離するY/C分離が行われている。Y/C分離の手法は、図10に示すPAL信号の特徴を利用した2次元Y/C分離と、図11に示すPAL信号の特徴を利用した3次元Y/C分離がある。
【0006】
3次元Y/C分離について、注目フレームのコンポジット信号と、注目フレームの2つの前のフレームのコンポジット信号を加減算する方法が知られている。たとえば、フレーム(m)については、フレーム(m)とフレーム(m−2)のコンポジット信号を加減算することによってフレーム(m)のY/C分離をし、フレーム(m+2)については、フレーム(m+2)とフレーム(m)のコンポジット信号を加減算することによってフレーム(m+2)のY/C分離をする。
【0007】
この方法では、クロスカラー妨害やクロスルミナス妨害(以下単にクロス妨害という)の問題が生じ得る。フレーム(m−2)〜フレーム(m+2)の5つのフレームのうち、フレーム(m)だけそのC信号が変化した場合すなわちフレーム(m)のC信号だけが他のフレームのC信号と関係が無い場合を例に説明する。フレーム(m)に対するY/C分離は、フレーム(m)とフレーム(m−2)のコンポジット信号を加減算することによって行われるため、フレーム(m)のY/C分離によって得られたC信号には関係の無いフレーム(m−2)のC信号が混ざり、クロス妨害が生じてしまう。同様に、フレーム(m+2)に対するY/C分離は、フレーム(m+2)とフレーム(m)のコンポジット信号を加減算することによって行われるため、フレーム(m+2)のY/C分離によって得られたC信号には関係の無いフレーム(m)のC信号が混ざり、クロス妨害が生じてしまう。
【0008】
特許文献1には、この問題を解決するための手法が開示されている。特許文献1の手法は、注目フレーム(m)とその1つ前のフレーム(m−1)および2つ前のフレーム(m−2)に対してC信号の帯域を通過させるBPFをそれぞれ適用して3つのBPF出力信号を得、この3つのBPF出力信号間に相関があるときにのみ、フレーム(m−1)またはフレーム(m−2)のBPF出力信号を信号選択回路出力信号として注目フレーム(m)のBPF出力信号から減算することによって注目フレーム(m)のC信号を抽出する。一方、3つのBPF出力信号間に相関が無いときには、注目フレーム(m)のBPF出力信号そのものを注目フレーム(m)のC信号として取得する。特許文献1の手法は、このようにしてY/C分離におけるクロス妨害を回避している。
【0009】
2次元Y/C分離については、同一フレーム内で注目ラインのコンポジット信号と、注目ラインの2つの前のラインのコンポジット信号を加減算する方法が知られている。たとえば、ライン(n)については、ライン(n)とライン(n−2)のコンポジット信号を加減算することによってライン(n)のY/C分離をし、ライン(n+2)については、ライン(n+2)とライン(n)のコンポジット信号を加減算することによってライン(n+2)のY/C分離をする。
【0010】
3次元Y/C分離と2次元Y/C分離は、静止画と動画にそれぞれ適しているとされている。特許文献2には、動画と静止画の切り替り時の画質劣化を抑制するために、2次元Y/C分離と3次元Y/C分離を組み合わせてY/C分離を行う手法が開示されている。
【0011】
この手法は、PAL信号に対して3次元Y/C分離と2次元Y/C分離をそれぞれ行うと共に、映像信号の動きを検出する。そして、動きが大きいほど2次元Y/C分離により得られた信号の割合が大きくなるように、3次元Y/C分離により得られたY信号、C信号と、2次元Y/C分離により得られたY信号、C信号とをそれぞれミックスすることによって動き適応型Y/C分離を実現する。
【0012】
Y/C分離によって得られたC信号に対してU信号成分とV信号成分の抽出(U/V分離)がなされ、抽出されたU信号成分とV信号成分に対して色復調がなされる。本明細書の以下の説明において、色復調前の信号と色復調後の信号を区別するために、色復調前のU信号成分とV信号成分を搬送色差信号(搬送U信号またはu信号と、搬送V信号またはv信号)といい、色復調後のU信号とV信号を単に色差信号(U信号とV信号)という。
【0013】
U/V分離に際して、図10に示すPAL信号の特徴を利用して、同じフレームのラインのうち、注目ラインのC信号と注目ラインの1つ前のラインのC信号とを加減算することによって注目ラインの2つの搬送色差信号を分離する方法が知られている。
【0014】
この方法では、フレームの垂直方向に色の境界がある場合に、色の境界に位置するラインの色は元の色ではない色になってしまう問題が生じ得る。例えば図12に示すように、ライン(n−2)、ライン(n−1)の色はマゼンダであり、ライン(n)〜ライン(n+2)の色はグリーンである場合に、ライン(n)の搬送色差信号を抽出する際に、ライン(n−1)のマゼンダとライン(n)のグリーンが加減算されるため、ライン(n)から抽出した搬送色差信号は、ホワイトを表すことになってしまう。
【0015】
特許文献3には、この問題を解決するための手法が開示されている。この手法は、フレーム中の注目ライン(n)およびその前後の2つずつのライン「ライン(n−2)、ライン(n−1)、ライン(n+1)、ライン(n+2)」に対してC信号の帯域を通過させるBPFを適用して5つのBPF出力信号C0、C1、C2、C3、C4を得、C0とC2の相関、およびC2とC4の相関を求める。2つの相関のうち、C0とC2の相関の方が大きければ「C1」の割合を大きくし、C2とC4の相関の方が大きければ「−C3」の割合を大きくして「C1」と「−C3」を重付平均して色位相歪み補正用色信号Nを得る。そして、注目ライン(n)のBPF出力信号C2と色位相歪み補正用色信号Nとを加減算することによって注目ライン(n)の搬送色差信号を分離する。図12に示すフレームの例にこの手法を適用すると、ライン(n−2)とライン(n)のBPF出力信号の相関が無く、ライン(n)とライン(n+2)間の相関があることになるため、色位相歪み補正用色信号Nとして、ライン(n+1)のBPF出力信号が用いられる。したがって、ライン(n)のBPF出力信号と色位相歪み補正用色信号Nとを加減算することによって分離されたライン(n)の搬送色差信号は元の色を表すことになる。
【特許文献1】特開平8−18997号公報
【特許文献2】特開2005−277562号公報
【特許文献3】特開2002−58043号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ここで図13に示すフレームに特許文献3のU/V分離手法を適用した結果について考える。図13に示すフレームは、注目ライン(n)およびその前後の2つずつのライン「ライン(n−2)、ライン(n−1)、ライン(n+1)、ライン(n+2)」は、注目ライン(n)の色のみがレッドであり、他の4つのラインの色がブルーである。このフレームに対して、特許文献3のU/V分離手法を用いた場合、注目ライン(n)の色位相歪み補正用色信号Nは、ライン(n−1)とライン(n+1)のBPF出力信号の重付平均値となるため、ブルーである。したがって、注目ライン(n)と色位相歪み補正用色信号Nと加減算しU/V分離して得た注目ライン(n)の搬送色差信号が表す色にはブルーが混ざり、元のレッドではなくなる。すなわち、特許文献3によるU/V分離手法は、前後のラインに対して色が孤立した注目ラインのU/V分離を正しくできないという問題がある。
【0017】
同じフレームのラインのうち、注目ラインのC信号と注目ラインの1つ前のラインのC信号とを加減算することによって注目ラインのU/V分離を行う手法についても同じ問題がある。
【0018】
また、図14に示す映像に対して特許文献1の技術を適用した場合について考える。図14の例では、フレーム1〜フレーム5の各フレームにおいて、注目ライン(n)のみがレッドであり、他のラインがブルーである。特許文献1の技術によってフレーム(3)のY/C分離をする際に、フレーム2、フレーム3、フレーム4の色に相関があるため、色位相歪み補正用色信号としてフレーム2またはフレーム3のBPF出力信号が生成され、フレーム3のC信号が分離される。しかし、このようにして得られたC信号に対してさらにU/V分離を行う際に、上述したいずれのU/V分離手法を用いても、フレーム3の注目ライン(n)の搬送色差信号にはライン(n−1)またはライン(n+1)の色が混ざり、元のレッドではなくなる。すなわち、特許文献1の手法でも、フレーム間で相対応するラインと色の相関があり、フレーム内で他のラインに対して色が孤立した注目ラインのU/V分離を正しくできないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の1つの態様は、PAL(Phase Alternating Line)方式のコンポジット信号を復調するPAL信号復調装置である。このPAL信号復調装置は、フレーム搬送色信号抽出部と、3次元色位相歪み補正用色信号取得部と、搬送色差信号抽出部を有する。
【0020】
フレーム搬送色信号抽出部は、注目フレーム(m)の搬送色信号を抽出する。
【0021】
3次元色位相歪み補正用色信号取得部は、注目フレーム(m)の1つ前のフレーム(m−1)と注目フレーム(m)の1つ後のフレーム(m+1)のいずれか一方または両方を用いて注目フレーム(m)の色位相歪み補正用色信号を生成して3次元色位相歪み補正用信号を得る。
【0022】
搬送色差信号抽出部は、3次元色位相歪み補正用色信号と、フレーム搬送色信号抽出部が抽出した搬送色信号とを加減算することによって注目フレーム(m)の搬送色差信号を抽出する。
【0023】
なお、上記態様のPAL信号復調装置を方法やシステムに置き換えて表現したものも、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0024】
本発明にかかる技術によれば、PAL信号を復調する際に、同一のフレーム内における前後のラインに対して色が孤立した注目ラインのU/V分離が正しくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の具体的な実施の形態を分かりやすくするために、まず、本発明の原理について説明する。なお、以下の説明において、時系列に連続した5つのフレームを、先に入力される順でフレーム1、フレーム2、フレーム3、フレーム4、フレーム5とし、注目フレームをフレーム3とする。また、各フレームのコンポジット信号をE1〜E5とし、それぞれ下記の式(1)のように構成されたとする。
【0026】
E1=Y1−(u1+v1)
E2=Y2+(u2−v2)
E3=Y3+(u3+v3) (1)
E4=Y4−(u4−v4)
E5=Y5−(u5+v5)
但し,E:コンポジット信号
Y:輝度信号
u:搬送色差信号(搬送U信号)
v:搬送色差信号(搬送V信号)
【0027】
また、下記の説明において、バンドパスフィルタリング(BPF)処理は、クロマ帯域を通過させる処理であり、PAL信号から輝度成分をある程度除去できる。以下、フレームに対してBPF処理を行って得た信号をBPF出力信号といい、「F」で表示する。なお、上記式(1)に示す各フレームのBPF出力信号は、下記の式(2)で示すことができる。
【0028】
F1=−(u1+v1)
F2=+(u2−v2)
F3=+(u3+v3) (2)
F4=−(u4−v4)
F5=−(u5+v5)
但し,F:BPF出力信号
u:搬送色差信号(搬送U信号)
v:搬送色差信号(搬送V信号)
【0029】
本発明にかかる搬送色差信号抽出(U/V分離)技術は、注目フレーム(フレーム3)の色位相歪み補正用色信号を3次元的に取得し(以下3次元的に取得した色位相歪み補正用色信号を3次元色位相歪み補正用色信号という)、フレーム3の搬送色信号と加減算することによってフレーム3の搬送色差信号を抽出する。
【0030】
図1は、本発明にかかるU/V分離装置1の模式図である。U/V分離装置1は、BPF処理部12と、搬送色差信号抽出部16を有する。
【0031】
BPF処理部12は、フレーム2とフレーム3に対してBPF処理を行ってそれぞれのBPF出力信号F2とF3を得る。
【0032】
搬送色差信号抽出部16は、フレーム3のBPF出力信号F3と、フレームF2のBPF出力信号F2とを加減算する。上記式(2)から分かるように、搬送色差信号抽出部16の加減算により、フレーム3の搬送U信号と搬送V信号が抽出できる。
【0033】
すなわち、U/V分離装置1において、BPF処理部12は、フレーム搬送色信号抽出部と3次元色位相歪み補正用色信号取得部を兼ねており、フレーム3のBPF出力信号F3とフレーム2のBPF出力信号F2をそれぞれフレームの搬送色信号と3次元色位相歪み補正用色信号として搬送色差信号抽出部16に供する。
【0034】
図1に示すU/V分離装置1によれば、フレーム内に前後のラインに対して色が孤立したラインがあっても、該ラインのU/V分離が正しくできる。これを図14に示す例で説明する。
【0035】
図14の例では、フレーム1〜フレーム5の各フレームにおいて、注目ライン(n)のみがレッドであり、他のラインがブルーである。U/V分離装置1によってフレーム3のU/V分離を行う際に、フレーム3における注目ライン(n)のBPF出力信号(レッド)と、フレーム2における注目ライン(n)のBPF出力信号(レッド)とを加減算するので、ライン(n)のU/V分離を正しくできる。
【0036】
図2は、本発明にかかるU/V分離装置2の模式図である。U/V分離装置2は、BPF処理部22と、搬送色差信号抽出部26を有する。
【0037】
BPF処理部22は、フレーム3とフレーム4に対してBPF処理を行ってそれぞれのBPF出力信号F3とF4を得る。
【0038】
搬送色差信号抽出部26は、フレーム3のBPF出力信号F3と、フレームF4のBPF出力信号F4とを加減算する。上記式(2)から分かるように、搬送色差信号抽出部26の加減算により、フレーム3の搬送U信号と搬送V信号が抽出される。
【0039】
すなわち、U/V分離装置2において、BPF処理部22は、フレーム搬送色信号抽出部と3次元色位相歪み補正用色信号取得部を兼ねており、フレーム3のBPF出力信号F3とフレーム4のBPF出力信号F4をそれぞれフレームの搬送色信号と3次元色位相歪み補正用色信号として搬送色差信号抽出部26に供する。
U/V分離装置2も、図1に示すU/V分離装置1と同様の効果を得ることができる。
【0040】
図3は、本発明にかかるU/V分離装置3の模式図である。U/V分離装置3は、BPF処理部32と、3次元色位相歪み補正用色信号取得部34と、搬送色差信号抽出部36を有する。
【0041】
BPF処理部32は、フレーム3の1つ前のフレーム2と、フレーム3と、フレーム3の1つ後のフレーム4に対してBPF処理を行ってそれぞれのBPF出力信号F2、F3、F4を得る。
【0042】
3次元色位相歪み補正用色信号取得部34は、フレーム2のBPF出力信号F2と、フレームF4のBPF出力信号とを用いて3次元色位相歪み補正用色信号Nを生成する。具体的には、BPF出力信号F2と、BPF出力信号F4の反転信号との平均をとって3次元色位相歪み補正用色信号Nを生成する。
【0043】
搬送色差信号抽出部36は、フレーム3のBPF出力信号F3と、3次元色位相歪み補正用色信号取得部34が得た3次元色位相歪み補正用色信号Nとを加減算する。上記式(2)から分かるように、搬送色差信号抽出部36の加減算により、フレーム3の搬送U信号と搬送V信号が抽出される。
【0044】
U/V分離装置3も、U/V分離装置1とU/V分離装置2と同様の効果を得ることができる。また、例えば、フレーム2のBPF出力信号F2のみを3次元色位相歪み補正用色信号として用いる場合に、フレーム2におけるライン(n)の色とフレーム3におけるライン(n)の色とが異なる場合には、フレーム3に対するU/V分離が正しくできない恐れはある。同様に、フレーム4のBPF出力信号F4のみを3次元色位相歪み補正用色信号として用いる場合に、フレーム3におけるライン(n)の色とフレーム4におけるライン(n)の色とが異なる場合には、フレーム3に対するU/V分離が正しくできない恐れはある。U/V分離装置3は、注目フレームの1つ前のフレームのBPF出力信号と、注目フレームの1つ後のフレームのBPF出力信号の反転信号とを平均して注目フレームの色位相歪み補正用色信号を生成しているので、このようなリスクを軽減することができる。
【0045】
図4は、本発明にかかるU/V分離装置4の模式図である。U/V分離装置4は、BPF処理部42と、3次元色位相歪み補正用色信号取得部44と、搬送色差信号抽出部46を有する。
【0046】
BPF処理部42は、フレーム1〜フレーム5の5つのフレームに対してBPF処理を行ってそれぞれのBPF出力信号F1〜F5を得る。
【0047】
3次元色位相歪み補正用色信号取得部44は、BPF出力信号F1〜F5を用いて3次元色位相歪み補正用色信号Nを生成する。
【0048】
搬送色差信号抽出部46は、フレーム3のBPF出力信号F3と、3次元色位相歪み補正用色信号取得部44が得た3次元色位相歪み補正用色信号Nとを加減算する。
【0049】
図5は、3次元色位相歪み補正用色信号取得部44の詳細を示す。3次元色位相歪み補正用色信号取得部44は、フレーム相関算出部52と、重付平均演算部56を有する。フレーム相関算出部52は、BPF出力信号F1とBPF出力信号F3の相関(以下第1の相関という)、およびBPF出力信号F3とBPF出力信号F5との相関(以下第2の相関という)をそれぞれ算出し、2つの相関の相対的な大小関係を示す情報(例えば第1の相関と第2の相関の比)を重付平均演算部56に出力する。
【0050】
重付平均演算部56は、2つの相関の相対的な大小関係に応じて、BPF出力信号F2と、BPF出力信号F4の反転信号とを重付平均して3次元色位相歪み補正用色信号Nを得る。具体的には例えば、第1の相関と第2の相関の比が大きいほどBPF出力信号F2の重みを大きくBPF出力信号F4の反転信号の重みを小さく、逆に、第1の相関と第2の相関の比が小さいほどBPF出力信号F2の重みを小さくBPF出力信号F4の反転信号の重みを大きくするようにして重付平均をする。
【0051】
U/V分離装置4は、U/V分離装置1〜U/V分離装置3の効果を得ることができると共に、これらのU/V分離装置の欠点を回避することができる。
【0052】
例えば、フレーム2とフレーム3の色が相似しており、フレーム3とフレーム4の色が異なる場合には、第1の相関と第2の相関の比が大きくなる。このときU/V分離装置4は、フレーム2のBPF出力信号F2の重みを大きく、フレーム4のBPF出力信号F4の重みを小さくした重付平均により3次元色位相歪み補正用色信号Nを得ているので、フレーム4の色の影響を小さくすることができる。
【0053】
なお、第1の相関と第2の相関の比が、フレーム3とフレーム5の色が大きく異なることを示す所定の閾値より大きいときに、フレーム4のBPF出力信号F4の反転信号の重みを0とすることで、U/V分離装置4はU/V分離装置1と同様になる。一方、第1の相関と第2の相関の比が、フレーム3とフレーム1の色が大きく異なることを示す所定の閾値より小さいときに、フレーム2のBPF出力信号F2の重みを0とすることで、U/V分離装置4はU/V分離装置2と同様になる。また、第1の相関と第2の相関とが同じである場合には、フレーム2とフレーム4のBPF出力信号の重みを共に1/2とすることで、U/V分離装置4はU/V分離装置3と同様になる。
【0054】
上述した各U/V分離装置において、BPF処理部はフレーム搬送色信号抽出部を兼ねており、注目フレーム3のBPF出力信号F3をフレーム3の搬送色信号として取得しているが、例えばフレーム1、フレーム3、フレーム5のBPF出力信号に対してフレームロジカルコムフィルタを適用して抽出した搬送色信号をフレーム3の搬送色信号として用いてもよい。
【0055】
また、上記各U/V分離装置に対して輝度信号を抽出する輝度信号抽出部を追加してY/U/V分離装置を実現してもよい。輝度信号抽出部は、例えば、注目フレームF3のコンポジット信号E3から、上述したフレームロジカルコムフィルタが抽出した搬送色信号を減算するものとして構成すればよい。
【0056】
さらに、このようなY/U/V分離装置において、搬送色差信号抽出部と輝度信号抽出部は同じ搬送色信号を用いる必要がない。例えば、輝度信号抽出部は上記フレームロジカルコムフィルタが抽出した搬送色信号を用い、注目フレーム3のコンポジット信号からこの搬送色信号を減算して輝度信号を抽出する一方、搬送色差信号抽出部は、注目フレーム3のBPF出力信号を搬送色信号として用い、この搬送色信号と3次元色位相歪み補正用色信号とを加減算することによって搬送色差信号を抽出するようにしてもよい。
【0057】
図6は、本発明にかかるU/V分離装置5の模式図である。U/V分離装置5は、フレームロジカルコムフィルタ71と、3次元色位相歪み補正用色信号取得部74と、搬送色差信号抽出部76を有する。
【0058】
フレームロジカルコムフィルタ71は、フレーム搬送色信号抽出部として機能し、フレーム1、フレーム3、フレーム5のコンポジット信号に対してロジカルコムフィルタリング処理を行ってフレーム3の搬送色信号に最も近い搬送色信号C(=u+v)を抽出する。U/V分離装置5において、フレームロジカルコムフィルタ71はBPF処理を行わずにフレームのコンポジット信号から直接注目フレームの搬送色信号を抽出するので、図6においては、BPF出力信号と区別して、フレームロジカルコムフィルタ71の出力をCとして表記している。
【0059】
3次元色位相歪み補正用色信号取得部74は、注目フレーム前後のフレームのコンポジット信号を用いて3次元色位相歪み補正用色信号Nを取得する。具体的には、フレーム4のコンポジット信号の反転信号と、フレーム2のコンポジット信号とを平均して得た平均値を注目フレーム3の3次元色位相歪み補正用色信号Nとする。
【0060】
搬送色差信号抽出部76は、フレームコロジカルコムフィルタ71が得たフレーム3の搬送色信号Cと、3次元色位相歪み補正用色信号取得部74が得た3次元色位相歪み補正用色信号Nとを加減算する。これにより、フレーム3の搬送U信号と搬送V信号が抽出される。
【0061】
U/V分離装置5も、U/V分離装置1やU/V分離装置2と同様の効果を得ることができる。また、注目フレーム3前後のフレームの両方を用いて搬送色信号を抽出しているので、U/V分離装置3と同様の効果も得ることができる。
【0062】
勿論、U/V分離装置5に対しても輝度信号を抽出する輝度信号抽出部を追加してY/U/V分離装置を実現してもよい。輝度信号抽出部は、例えば、注目フレームF3のコンポジット信号E3から、フレームロジカルコムフィルタ71が抽出した搬送色信号Cを減算するものとして構成すればよい。
【0063】
なお、U/V分離装置5において、フレームロジカルコムフィルタ71を用いて搬送色信号Cを抽出しているが、例えばフレーム1、フレーム3、フレーム5のコンポジット信号に対して「(2×E3−(E1+E5))/4」で示される計算を行ってフレーム3の搬送色信号Cを抽出するようにしてもよい。
以下、上記原理を具現化した実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態>
【0064】
図7は、本発明の第1の実施の形態にかかるPAL信号復調装置100を示す。PAL信号復調装置100は、入力されたフレームを1フレーム期間遅延させる遅延回路111〜114を有する。この4つの遅延回路は順次接続されており、PAL信号復調装置100にフレーム5の信号E5が入力されるときに、フレーム1〜フレーム4の信号E1〜E4をそれぞれ出力する。すなわち遅延回路111〜114によって、フレームを4フレーム期間、3フレーム期間、2フレーム期間、1フレーム期間遅延させる。
【0065】
4つの遅延回路111〜114から出力されるE1〜E4、およびE5は、5つのバンドパスフィルタBPF121〜BPF125にそれぞれ出力される。BPF121〜125は、BPF処理部として機能する。それぞれのBPFは、クロマ帯域、例えばPAL信号の色副搬送周波数fsc(PAL)を中心周波数としてfsc(PAL)±1.3MHzの通過帯域を有し、PAL信号から輝度成分をある程度除去する。図示のように、BPF121〜BPF125は、フレーム1〜フレーム5の信号E1〜E5に対してそれぞれバンドパスフィルタリング処理をし、それぞれのフレームのBPF出力信号F1〜F5を得る。
【0066】
加算器131は、フレーム1のBPF出力信号F1とフレーム3のBPF出力信号F3を入力して2つのBPF出力信号を加算する。ABS132は、加算器131の加算結果の絶対値をとって、後述するフレーム相関算出回路142に出力する。
【0067】
加算器135は、フレーム3のBPF出力信号F3とフレーム5のBPF出力信号F5を入力して2つのBPF出力信号を加算する。ABS136は、加算器135の加算結果の絶対値をとって、フレーム相関算出回路142に出力する。
【0068】
フレーム相関算出回路142は、ABS132の出力からフレーム1とフレーム3間の相関を算出し、ABS136の出力からフレーム3とフレーム5間の相関を算出する。そして、2つの相関の比(相関比M)を後述の重付平均演算回路144に出力する。ここで「フレーム1とフレーム3」、および「フレーム3とフレーム5」をそれぞれフレームペアという。
【0069】
ABS132が得た絶対値が大きいほど、フレーム1とフレーム3間の色の差異が大きいすなわち相関が小さい。また、ABS136が得た絶対値が大きいほど、フレーム3とフレーム5間の色の差異が大きいすなわち相関が小さい。本実施の形態において、フレーム相関算出回路142は、ABS132とABS136が得た絶対値の逆数を対応する相関として算出する。すなわち、フレーム相関算出回路142から出力した相関比Mは、「ABS136の出力/ABS132の出力」であり、相関比Mが大きいほど、フレーム3の色とフレーム1の色とが相似する程度は、フレーム3の色とフレーム5の色とが相似する程度より大きい。
【0070】
重付平均演算回路144は、フレーム2のBPF出力信号F2と、フレーム4のBPF出力信号F4と、相関比Mを入力し、相関比Mに応じた重付係数でBPF出力信号F2と、BPF出力信号F4の反転信号とを重付平均して3次元色位相歪み補正用色信号N(=u−v)を生成する。重付平均演算回路144は、BPF出力信号F4の反転信号とBPF出力信号F2に対して、2つのフレームペアのうちの、相関が大きいほうのフレームペアの2つのフレーム間に位置するフレームのBPF出力信号(BPF出力信号F4の場合にはその反転信号)の重みを、他方のフレームペアの2つのフレーム間に位置するフレームのBPF出力信号(BPF出力信号F4の場合にはその反転信号)の重みより大きくして重付平均をするものであり、本実施の形態では例えば下記の式(3)に示す演算をする。
【0071】
N=F2×M/(M+1)+(−F4)×1/(M+1) (3)
但し,N:3次元色位相歪み補正用色信号
F2:フレーム2のBPF出力信号
F4:フレーム4のBPF出力信号
M:F1とF3の色の相関/F5とF3の色の相関
【0072】
重付平均演算回路144は、上記式(3)が示す処理により3次元色位相歪み補正用色信号Nを生成して搬送色差信号抽出回路160に出力する。
【0073】
すなわち、本実施の形態において、フレーム相関算出回路142と、重付平均演算回路144は、3次元色位相歪み補正用色信号取得部140を構成している。
【0074】
搬送色差信号抽出回路160は、注目フレームとなるフレーム3の搬送色差信号(搬送U信号、搬送V信号)を得るものであり、BPF123と重付平均演算回路144から、フレーム3のBPF出力信号F3と3次元色位相歪み補正用色信号Nをそれぞれ入力する。搬送色差信号抽出回路160は、加算器と減算器を有し、BPF出力信号F3と3次元色位相歪み補正用色信号Nとを加算して搬送U信号を得、BPF出力信号F3から3次元色位相歪み補正用色信号Nを減算して搬送V信号を得る。
【0075】
搬送色差信号抽出回路160は、搬送U信号と搬送V信号をそれぞれU復調回路172とV復調回路174に出力し、U復調回路172は搬送U信号を復調してU信号を得、V復調回路174は、搬送V信号を復調してV信号を得る。
【0076】
次いで、輝度について説明する。
遅延回路113の出力となるフレーム3のコンポジット信号E3は、遅延回路192にも出力される。遅延回路192は、フレーム3の輝度成分を抽出するためのタイミング調整を行うものであり、信号E3を遅延させて減算器194に出力する。
【0077】
フレームロジカルコムフィルタ180は、フレーム間でロジカルコムフィルタリング処理を行うものであり、BPF121、BPF123、BPF125が出力したBPF出力信号F1、BPF出力信号F3、BPF出力信号F5を用いて、BPF出力信号F3に含まれるフレームの搬送色信号に最も近い搬送色信号C(=u+v)を抽出する。
【0078】
減算器194は、フレーム3のコンポジット信号E3から、フレームロジカルコムフィルタ180が抽出した搬送色信号Cを減算して輝度信号Yを得る。すなわち、減算器194は、輝度信号抽出部として機能する。
【0079】
このように、本実施の形態のPAL信号復調装置100は、注目フレームの前後のフレームのBPF出力信号を用いて注目フレームの3次元色位相歪み補正用色信号を生成し、注目フレームのBPF出力信号と、3次元色位相歪み補正用色信号とを加減算することによって注目フレームの搬送色差信号を抽出する。そのため、注目フレーム内において色が孤立したラインがある場合でもこのラインの搬送色差信号を正しく抽出できる。
【0080】
また、PAL信号に対してまずY/C分離をして搬送色信号Cを得、搬送色信号Cに対してさらにU/V分離を行う従来の手法の場合では、搬送色信号Cに対してU/V分離する際に、注目ラインの搬送色信号と、注目ラインの前/後のラインの搬送色信号と加減算するために、注目ラインの前のラインを1ライン期間遅延させるか、注目ラインを1ライン期間遅延させる遅延回路が必要である。それに対して、本実施の形態において、注目フレームのBPF出力信号と3次元色位相歪み補正用色信号とを加減算することによって色位相歪み補正とU/V分離を同時に行うので、従来の手法と比べて少なくとも1ライン期間の遅延回路を省くことができ、回路規模を削減することができると共に、処理時間を短縮できる。
【0081】
また、輝度信号についても、フレームロジカルコムフィルタ180で注目フレームの搬送色信号Cを3次元的に取得して注目フレームのコンポジットから減算して抽出しているため、注目フレーム内において輝度が孤立したラインがある場合でもこのラインの輝度信号を正しく抽出できる。
【0082】
なお、本実施の形態において、搬送色差信号抽出回路160は、フレーム3のBPF出力信号F3と3次元色位相歪み補正用色信号Nとを加減算することによって搬送色差信号を抽出しているが、フレームロジカルコムフィルタ180が取得した搬送色信号Cと3次元色位相歪み補正用色信号Nとを加減算することによって搬送色差信号を抽出するようにしてもよい。
<第2の実施の形態>
【0083】
上記第1の実施の形態のPAL信号復調装置100は、U/V分離のための色位相歪み補正用色信号Nと、輝度成分を抽出するための搬送色信号Cを3次元的に取得するものであり、フレーム内のライン間に変化があり、フレーム間に変化が少ない静止画のY/U/V分離に特に効果を発揮することができる。
【0084】
特許文献2に記載されたように、Y/C分離を行う際に、2次元Y/C分離と3次元Y/C分離とを組み合わせていわゆる動き適応型Y/C分離を行うことによって動画と静止画の切り替り時の画質劣化を抑制することができる。本発明にかかるU/V分離技術も、動き適応型U/V分離装置乃至Y/U/V分離装置を実現することができる。これを第2の実施の形態として説明する。
【0085】
図8は、本発明の第2の実施の形態にかかるPAL信号復調装置200を示す。PAL信号復調装置200は、2次元分離回路210と、3次元分離回路220と、動き検出回路230と、MIX回路252、MIX回路254と、搬送色差信号抽出回路260と、U復調回路272と、V復調回路274と、減算器280とを有する。また、各処理のタイミングを調整するための遅延回路241、遅延回路242、遅延回路243も、PAL信号復調装置200に設けられている。
【0086】
3次元分離回路220は、フレーム遅延によって、U/V分離するための3次元色位相歪み補正用色信号N(ここでNbという)と、輝度成分を抽出するための搬送色信号C(ここでCbという)を取得するものである。
【0087】
3次元分離回路220は、3次元色位相歪み補正用色信号Nbの抽出に際して、U/V分離装置1〜U/V分離装置4のいずれの手法を用いるものであってもよい。本実施の形態において、例として、3次元分離回路220は、U/V分離装置4の手法を用いて3次元色位相歪み補正用色信号Nbを抽出する。
【0088】
また、輝度成分を抽出するための搬送色信号Cbの取得に際しては、例として第1の実施の形態のPAL信号復調装置100と同じように、フレームロジカルコムフィルタを用いる。
【0089】
すなわち、本実施の形態のPAL信号復調装置200において、3次元分離回路220は、図7に示すPAL信号復調装置100から、遅延回路192と、減算器194と、搬送色差信号抽出回路160と、U復調回路172と、V復調回路174とを除いた構成を有する。
【0090】
3次元分離回路220は、搬送色信号Cbと3次元色位相歪み補正用色信号Nbを、MIX回路252とMIX回路254にそれぞれ出力する。
【0091】
2次元分離回路210は、注目フレーム内におけるライン遅延によって、U/V分離するための2次元色位相歪み補正用色信号N(ここでNaという)と、輝度成分を抽出するための搬送色信号C(ここでCaという)を取得するものである。2次元分離回路210は、3次元分離回路220が3次元に行った処理を2次元に行うものであり、3次元分離回路220が処理する「フレーム」を「ライン」に置き換えて処理する。
【0092】
本実施の形態において、2次元分離回路210は、3次元分離回路220の手法に対応した手法で色位相歪み補正用色信号Naと、搬送色信号Caを2次元的に取得する。具体的には、
【0093】
2次元分離回路210は、PAL信号に対して、ライン(n)のBPF出力信号とライン(n)の2つ前のライン(n−2)のBPF出力信号との相関、ライン(n)のBPF出力信号とライン(n)の2つ後のライン(n+2)のBPF出力信号との相関をそれぞれ算出し、2つの相関の相対的な大小関係に応じた重付係数を用いて、ライン(n−1)とライン(n+1)のBPF出力信号を重付平均して2次元色位相歪み補正用色信号Naを生成する。
【0094】
搬送色信号Caについては、2次元分離回路210は、ラインロジカルコムフィルタを用いてライン(n−2)、ライン(n)、ライン(n+2)のBPF出力信号から抽出する。
【0095】
すなわち、2次元分離回路210は、図7に示すPAL信号復調装置100から、遅延回路192と、減算器194と、搬送色差信号抽出回路160と、U復調回路172と、V復調回路174とを除いた構成に対して、遅延回路111〜114を1ライン期間遅延させる遅延回路に、フレームロジカルコムフィルタ180をラインロジカルコムフィルタにしたものであり、ここで詳細な図示を省略する。
【0096】
2次元分離回路210は、注目ライン(n)の搬送色信号Caと2次元色位相歪み補正用色信号Naを遅延回路242と遅延回路243にそれぞれ出力する。
【0097】
遅延回路242は、3次元分離回路220が搬送色信号Cbを出力するタイミングに合わせるために、2次元分離回路210からの2次元搬送色信号Caを遅延させてMIX回路252に出力する。
【0098】
遅延回路243は、3次元分離回路220が3次元色位相歪み補正用色信号Nbを出力するタイミングに合わせるために、2次元分離回路210からの2次元色位相歪み補正用色信号Naを遅延させてMIX回路254に出力する。
【0099】
動き検出回路230は、PAL信号から映像の動きの大きさ(以下単に動きQという)を検出するものであり、検出結果をMIX回路252とMIX回路254に出力する。
【0100】
MIX回路252は、2次元分離回路210から注目ライン(n)の搬送色信号Caを、3次元分離回路220から注目フレームにおける注目ライン(n)の搬送色信号Cbを、動き検出回路230から動きQを入力し、動きQに応じて搬送色信号Caと搬送色信号Cbとを重付平均することによってミックスする。具体的には、動きQが大きいほど搬送色信号Caの割合が大きく搬送色信号Cbの割合が小さく、動きQが小さいほど搬送色信号Caの割合が小さく搬送色信号Cbの割合が大きくなるようにミックスする。
【0101】
MIX回路254は、注目ライン(n)の2次元色位相歪み補正用色信号Naと3次元色位相歪み補正用色信号Nbと動きQを入力し、動きQに応じて2次元色位相歪み補正用色信号Naと3次元色位相歪み補正用色信号Nbとを重付平均することによってミックスする。具体的には、動きQが大きいほど2次元色位相歪み補正用色信号Naの割合が大きく3次元色位相歪み補正用色信号Nbの割合が小さく、動きQが小さいほど2次元色位相歪み補正用色信号Naの割合が小さく3次元色位相歪み補正用色信号Nbの割合が大きくなるようにミックスする。
【0102】
MIX回路252は、注目ライン(n)の搬送色信号Caと搬送色信号Cbをミックスして得たミックス搬送色信号Cmを減算器280と搬送色差信号抽出回路260に出力し、MIX回路254は、注目ライン(n)の2次元色位相歪み補正用色信号Naと3次元色位相歪み補正用色信号Nbをミックスして得たミックス色位相歪み補正用色信号Nmを搬送色差信号抽出回路260に出力する。
【0103】
搬送色差信号抽出回路260は加算器と減算器を備えており、MIX回路252からのミックス搬送色信号CmとMIX回路254からのミックス色位相歪み補正用色信号Nmを加算することによって搬送U信号を抽出し、ミックス搬送色信号Cmからミックス色位相歪み補正用色信号Nmを減算することによって搬送V信号を抽出する。
【0104】
U復調回路272とV復調回路274は、搬送U信号と搬送V信号をそれぞれ復調してU信号とV信号を得る。
【0105】
減算器280は、輝度信号抽出部として機能し、遅延回路241によりタイミング調整された注目ライン(n)のコンポジット信号Enから、MIX回路252が出力したミックス搬送色信号Cmを減算して輝度信号Yを抽出する。
【0106】
このように、本実施の形態のPAL信号復調装置200は、本発明のU/V分離技術を動き適応型のPAL信号復調装置に適用し、同一フレーム内に色が孤立したラインが存在する場合において他のラインの色の混入を抑制しながら、動画と静止画の切り替り時の画質劣化を抑制することができる。
【0107】
なお、本実施の形態において搬送色差信号抽出回路260は、ミックス搬送色信号Cmとミックス色位相歪み補正用色信号Nmとを加減算することによって搬送色差信号を抽出しているが、2次元分離回路210が搬送色信号Caと搬送色信号Cbを取得する際に用いた注目ライン(n)のBPF出力信号と、ミックス色位相歪み補正用色信号Nmとを加減算することによって搬送色差信号を抽出するようにしてもよい。
<第3の実施の形態>
【0108】
図9は、本発明の第3の実施の形態にかかるPAL信号復調装置300を示す。PAL信号復調装置300は、前述したU/V分離装置5を適用したものである。なお、図9において、図7に示す第1の実施の形態のPAL信号復調装置100と同じ構成を有する機能ブロックについて同一の符号を付与すると共に、それらの動作について詳細な説明を省略する。
【0109】
PAL信号復調装置300において、4つの遅延回路111〜114から出力されるE1〜E4、およびE5のうち、E2とE4は3次元色位相歪み補正用色信号取得部340に入力され、E1、E3、E5はフレームロジカルコムフィルタ180に入力される。なお、E3はさらに遅延回路192に入力される。
【0110】
3次元色位相歪み補正用色信号取得部340は、E4の反転信号とE2の平均値を求め、この平均値を3次元色位相歪み補正用色信号Nとして搬送色差信号抽出回路160に出力する。
【0111】
フレームロジカルコムフィルタ180は、入力されたE1、E3、E5に対してフレーム間ロジカルコムフィルタリング処理を施し、E3に含まれる搬送色信号に最も近い搬送色信号C(=u+v)を抽出する。この搬送色信号Cは、減算器194と搬送色差信号抽出回路160に出力される。
【0112】
搬送色差信号抽出回路160は、フレームロジカルコムフィルタ180からの搬送色信号Cと、3次元色位相歪み補正用色信号取得部340からの3次元色位相歪み補正用色信号Nとを加減算して搬送U信号と搬送V信号を得る。
【0113】
搬送色差信号抽出回路160は、搬送U信号と搬送V信号をそれぞれU復調回路172とV復調回路174に出力し、U復調回路172は搬送U信号を復調してU信号を得、V復調回路174は、搬送V信号を復調してV信号を得る。
【0114】
遅延回路192は、フレーム3の輝度成分を抽出するためのタイミング調整を行うものであり、信号E3を遅延させて減算器194に出力する。
【0115】
減算器194は、遅延回路192からのE3から、フレームロジカルコムフィルタ180が得た搬送色信号Cを減算して輝度信号Yを得る。すなわち、PAL信号復調装置300においても、減算器194は、輝度信号抽出部として機能する。
【0116】
このように、本実施の形態のPAL信号復調装置300は、注目フレームの前後のフレームのコンポジット信号を用いて注目フレームの3次元色位相歪み補正用色信号Nを生成し、生成した3次元色位相歪み補正用色信号Nと、注目フレームの搬送色信号Cとを加減算することによって注目フレームの搬送色差信号を抽出する。そのため、注目フレーム内において色が孤立したラインがある場合でもこのラインの搬送色差信号を正しく抽出できる。
【0117】
また、本実施の形態のPAL信号復調装置300は、クロマ帯域を通過させるためのBPF処理部を必要としないので、小さな回路規模で上記効果を実現することができる。
【0118】
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。実施の形態は例示であり、本発明の主旨から逸脱しない限り、上述した各実施の形態に対して、さまざまな変更、増減、組合せを行ってもよい。これらの変更、増減、組合せが行われた変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明にかかる技術を説明するためのU/V分離装置の模式図である(その1)。
【図2】本発明にかかる技術を説明するためのU/V分離装置の模式図である(その2)。
【図3】本発明にかかる技術を説明するためのU/V分離装置の模式図である(その3)。
【図4】本発明にかかる技術を説明するためのU/V分離装置の模式図である(その4)。
【図5】図4に示すU/V分離装置における3次元色位相歪み補正用色信号取得部を示す図である。
【図6】本発明にかかる技術を説明するためのU/V分離装置の模式図である(その5)。
【図7】本発明の第1の実施の形態にかかるPAL信号復調装置を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態にかかるPAL信号復調装置を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態にかかるPAL信号復調装置を示す図である。
【図10】PAL信号の特徴を示す図である(その1)。
【図11】PAL信号の特徴を示す図である(その2)。
【図12】従来の技術の問題点を説明するための図である(その1)。
【図13】従来の技術の問題点を説明するための図である(その2)。
【図14】従来の技術の問題点を説明するための図である(その3)。
【符号の説明】
【0120】
1〜5 U/V分離装置 12 BPF処理部
16 搬送色差信号抽出部 22 BPF処理部
26 搬送色差信号抽出部 32 BPF処理部
34 3次元色位相歪み補正用色信号取得部 36 搬送色差信号抽出部
42 BPF処理部 44 3次元色位相歪み補正用色信号取得部
46 搬送色差信号抽出部 52 フレーム相関算出部
56 重付平均演算部 71 フレームロジカルコムフィルタ
74 3次元色位相歪み補正用色信号取得部 76 搬送色差信号抽出部
100 PAL信号復調装置 111〜114 1フレーム期間遅延回路
121〜125 バンドパスフィルタ 131 加算器
135 加算器 140 3次元色位相歪み補正用色信号取得部
142 フレーム相関算出回路 144 重付平均演算回路
160 搬送色差信号抽出回路 172 U復調回路
174 V復調回路 180 フレームロジカルコムフィルタ
192 遅延回路 194 減算器
200 PAL信号復調装置 210 2次元分離回路
220 3次元分離回路 230 動き検出回路
241 遅延回路 242 遅延回路
243 遅延回路 252 MIX回路
254 MIX回路 260 搬送色差信号抽出回路
272 U復調回路 274 V復調回路
280 減算器 300 PAL信号復調装置
340 3次元色位相歪み補正用色信号取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PAL(Phase Alternating Line)方式のコンポジット信号を復調するPAL信号復調装置において、
注目フレーム(m)の搬送色信号を抽出するフレーム搬送色信号抽出部と、
前記注目フレーム(m)の1つ前のフレーム(m−1)と前記注目フレーム(m)の1つ後のフレーム(m+1)のいずれか一方または両方を用いて前記注目フレーム(m)の色位相歪み補正用色信号を生成して3次元色位相歪み補正用信号を得る3次元色位相歪み補正用色信号取得部と、
前記3次元色位相歪み補正用色信号と、前記フレーム搬送色信号抽出部が抽出した前記搬送色信号とを加減算することによって前記注目フレーム(m)の搬送色差信号を抽出する搬送色差信号抽出部とを備えることを特徴とするPAL信号復調装置。
【請求項2】
前記コンポジット信号に対してクロマ帯域を通過させるバンドバスフィルタリング処理を行いBPF出力信号を得るBPF処理部をさらに備え、
前記3次元色位相歪み補正用色信号取得部は、前記フレーム(m−1)と前記フレーム(m+1)の前記BPF出力信号のいずれか一方、または前記フレーム(m+1)の前記BPF出力信号の反転信号と前記フレーム(m−1)の前記BPF出力信号との平均値を前記注目フレーム(m)の3次元色位相歪み補正用色信号として取得することを特徴とする請求項1に記載のPAL信号復調装置。
【請求項3】
前記3次元色位相歪み補正用色信号取得部は、前記フレーム(m−1)の前記BPF出力信号と、前記フレーム(m+1)の前記BPF出力信号の反転信号とを重付平均するものであり、
前記注目フレーム(m)の2つ前のフレーム(m−2)と前記注目フレーム(m)の前記BPF出力信号を用いて該2つのフレーム間のフレーム相関を算出し、
前記注目フレーム(m)の2つ後のフレーム(m+2)と前記注目フレーム(m)の前記BPF出力信号を用いて該2つのフレーム間のフレーム相関を算出し、
前記フレーム(m−1)の前記BPF出力信号と、前記フレーム(m+1)の前記BPF出力信号の反転信号とを、2つの前記フレーム相関の相対的な大小関係に応じた重付係数で重付平均することを特徴とする請求項2に記載のPAL信号復調装置。
【請求項4】
前記フレーム搬送色信号抽出部は、前記注目フレーム(m)の前記BPF出力信号を前記搬送色信号として前記搬送色差信号抽出部に供することを特徴とする請求項2または3に記載のPAL信号復調装置。
【請求項5】
前記注目フレーム(m)の2つ前のフレーム(m−2)と前記注目フレーム(m)と前記注目フレーム(m)の2つ後のフレーム(m+2)の前記BPF出力信号とから前記注目フレーム(m)の搬送色信号を抽出するフレームロジカルコムフィルタと、
前記フレームロジカルコムフィルタが抽出した前記搬送色信号を、前記注目フレーム(m)のコンポジット信号から減算して前記注目フレーム(m)の輝度信号を得る輝度信号抽出部をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のPAL信号復調装置。
【請求項6】
前記フレーム搬送色信号抽出部は、前記注目フレーム(m)の2つ前のフレーム(m−2)と、前記注目フレーム(m)と、前記注目フレーム(m)の2つ後のフレーム(m+2)の前記BPF出力信号とから前記注目フレーム(m)の前記搬送色信号を抽出するフレームロジカルコムフィルタであることを特徴とする請求項2または3に記載のPAL信号復調装置。
【請求項7】
前記注目フレーム(m)のコンポジット信号から、前記フレームロジカルコムフィルタが抽出した前記注目フレーム(m)の前記搬送色信号を減算して輝度信号を得る輝度信号抽出部をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載のPAL信号復調装置。
【請求項8】
前記コンポジット信号から動きを検出する動き検出部と、
注目ライン(n)の1つ前のライン(n−1)と前記注目ライン(n)の1つ後のライン(n+1)の前記BPF出力信号のいずれか一方、または前記ライン(n+1)の前記BPF出力信号の反転信号と前記ライン(n−1)の前記BPF出力信号との平均値を前記注目ライン(n)の2次元色位相歪み補正用色信号として取得する2次元色位相歪み補正用色信号取得部と、
前記動き検出部が検出した動きが大きいほど、前記2次元色位相歪み補正用色信号取得部が取得した前記2次元色位相歪み補正用色信号の重みが大きくなるように、前記注目フレーム(m)における前記注目ライン(n)の前記3次元色位相歪み補正用色信号と、前記注目ライン(n)の前記2次元色位相歪み補正用色信号とを重付平均して前記注目ライン(n)の平均色位相歪み補正用色信号を得る平均色位相歪み補正用色信号取得部と、
前記注目ライン(n)の搬送色信号を抽出するライン搬送色信号抽出部とをさらに備え、
前記搬送色差信号抽出部は、前記ライン搬送色信号抽出部が抽出した前記注目ライン(n)の搬送色信号と、前記平均色位相歪み補正用色信号とを加減算することによって前記注目ライン(n)の搬送色差信号を抽出することを特徴とする請求項2に記載のPAL信号復調装置。
【請求項9】
前記2次元色位相歪み補正用色信号取得部は、
前記注目ライン(n)の2つ前のライン(n−2)と前記注目ライン(n)の前記BPF出力信号を用いて該2つのライン間のライン相関を算出し、
前記注目ライン(n)の2つ後のライン(n+2)と前記注目ライン(n)の前記BPF出力信号を用いて該2つのライン間のライン相関を算出し、
前記ライン(n−1)の前記BPF出力信号と、前記ライン(n+1)の前記BPF出力信号の反転信号とを、2つの前記ライン相関の相対的な大小関係に応じた重付係数で重付平均して前記2次元色位相歪み補正用色信号を取得することを特徴とする請求項8に記載のPAL信号復調装置。
【請求項10】
前記ライン搬送色信号抽出部は、前記注目ライン(n)の前記BPF出力信号を前記搬送色信号として前記搬送色差信号抽出部に供することを特徴とする請求項8または9に記載のPAL信号復調装置。
【請求項11】
前記注目ライン(n)の2つ前のライン(n−2)と前記注目ライン(n)と前記注目ライン(n)の2つ後のライン(n+2)の前記BPF出力信号とから前記注目ライン(n)の搬送色信号を抽出するラインロジカルコムフィルタと、
前記注目フレーム(m)の2つ前のフレーム(m−2)と前記注目フレーム(m)と前記注目フレーム(m)の2つ後のフレーム(m+2)の前記BPF出力信号とから前記注目フレーム(m)の搬送色信号を抽出するフレームロジカルコムフィルタと、
前記動き検出部が検出した動きが大きいほど、前記ラインロジカルコムフィルタが抽出した前記注目ライン(n)の搬送色信号の重みが大きくなるように、前記フレームロジカルコムフィルタが抽出した前記注目フレーム(m)における前記注目ライン(n)の搬送色信号と前記2次元搬送色信号抽出部が抽出した前記注目ライン(n)の搬送色信号とを重付平均して前記注目ライン(n)の平均搬送色信号を得る平均搬送色信号抽出部と、
前記注目ライン(n)のコンポジット信号から前記平均搬送色信号を減算して該注目ライン(n)の輝度信号を抽出する輝度信号抽出部とをさらに備えることを特徴とする請求項10に記載のPAL信号復調装置。
【請求項12】
前記注目ライン(n)の2つ前のライン(n−2)と前記注目ライン(n)と前記注目ライン(n)の2つ後のライン(n+2)の前記BPF出力信号とから前記注目ライン(n)の搬送色信号を抽出するラインロジカルコムフィルタと、
前記注目フレーム(m)の2つ前のフレーム(m−2)と前記注目フレーム(m)と前記注目フレーム(m)の2つ後のフレーム(m+2)の前記BPF出力信号とから前記注目フレーム(m)の搬送色信号を抽出するフレームロジカルコムフィルタとをさらに備え、
前記ライン搬送色信号抽出部は、前記動き検出部が検出した動きが大きいほど、前記ラインロジカルコムフィルタが抽出した前記注目ライン(n)の搬送色信号の重みが大きくなるように、前記フレームロジカルコムフィルタが抽出した前記注目フレーム(m)における前記注目ライン(n)の搬送色信号と前記2次元搬送色信号抽出部が抽出した前記注目ライン(n)の搬送色信号とを重付平均して前記注目ライン(n)の平均搬送色信号を得るものであり、
前記搬送色差信号抽出部は、前記ライン搬送色信号抽出部が得た前記注目ライン(n)の前記平均搬送色信号と、前記平均色位相歪み補正用色信号とを加減算することによって前記注目ライン(n)の搬送色差信号を抽出することを特徴とする請求項8または9に記載のPAL信号復調装置。
【請求項13】
前記注目ライン(n)のコンポジット信号から前記平均搬送色信号を減算して該注目ライン(n)の輝度信号を抽出する輝度信号抽出部をさらに備えることを特徴とする請求項12に記載のPAL信号復調装置。
【請求項14】
前記3次元色位相歪み補正用色信号取得部は、前記フレーム(m+1)の反転信号と前記フレーム(m−1)との平均値を前記注目フレーム(m)の3次元色位相歪み補正用色信号として取得することを特徴とする請求項1に記載のPAL信号復調装置。
【請求項15】
前記フレーム搬送色信号抽出部は、前記注目フレーム(m)の2つ前のフレーム(m−2)と前記注目フレーム(m)と前記注目フレーム(m)の2つ後のフレーム(m+2)とから前記注目フレーム(m)の前記搬送色信号を抽出するフレームロジカルコムフィルタであることを特徴とする請求項14に記載のPAL信号復調装置。
【請求項16】
前記注目フレーム(m)のコンポジット信号から、前記フレームロジカルコムフィルタが抽出した前記注目フレーム(m)の前記搬送色信号を減算して輝度信号を得る輝度信号抽出部をさらに備えることを特徴とする請求項15に記載のPAL信号復調装置。
【請求項17】
前記コンポジット信号から動きを検出する動き検出部と、
注目ライン(n)の1つ後のライン(n+1)の反転信号と前記注目ライン(n)の1つ前のライン(n−1)との平均値を前記注目ライン(n)の2次元色位相歪み補正用色信号として取得する2次元色位相歪み補正用色信号取得部と、
前記動き検出部が検出した動きが大きいほど、前記2次元色位相歪み補正用色信号取得部が取得した前記2次元色位相歪み補正用色信号の重みが大きくなるように、前記注目フレーム(m)における前記注目ライン(n)の前記3次元色位相歪み補正用色信号と、前記注目ライン(n)の前記2次元色位相歪み補正用色信号とを重付平均して前記注目ライン(n)の平均色位相歪み補正用色信号を得る平均色位相歪み補正用色信号取得部と、
前記注目ライン(n)の搬送色信号を抽出するライン搬送色信号抽出部とをさらに備え、
前記搬送色差信号抽出部は、前記ライン搬送色信号抽出部が抽出した前記注目ライン(n)の搬送色信号と、前記平均色位相歪み補正用色信号とを加減算することによって前記注目ライン(n)の搬送色差信号を抽出することを特徴とする請求項14に記載のPAL信号復調装置。
【請求項18】
前記注目ライン(n)の2つ前のライン(n−2)と前記注目ライン(n)と前記注目ライン(n)の2つ後のライン(n+2)とから前記注目ライン(n)の搬送色信号を抽出するラインロジカルコムフィルタと、
前記注目フレーム(m)の2つ前のフレーム(m−2)と前記注目フレーム(m)と前記注目フレーム(m)の2つ後のフレーム(m+2)とから前記注目フレーム(m)の搬送色信号を抽出するフレームロジカルコムフィルタとをさらに備え、
前記ライン搬送色信号抽出部は、前記動き検出部が検出した動きが大きいほど、前記ラインロジカルコムフィルタが抽出した前記注目ライン(n)の搬送色信号の重みが大きくなるように、前記フレームロジカルコムフィルタが抽出した前記注目フレーム(m)における前記注目ライン(n)の搬送色信号と前記2次元搬送色信号抽出部が抽出した前記注目ライン(n)の搬送色信号とを重付平均して前記注目ライン(n)の平均搬送色信号を得るものであり、
前記搬送色差信号抽出部は、前記ライン搬送色信号抽出部が得た前記注目ライン(n)の前記平均搬送色信号と、前記平均色位相歪み補正用色信号とを加減算することによって前記注目ライン(n)の搬送色差信号を抽出することを特徴とする請求項17に記載のPAL信号復調装置。
【請求項19】
前記注目ライン(n)のコンポジット信号から前記平均搬送色信号を減算して該注目ライン(n)の輝度信号を抽出する輝度信号抽出部をさらに備えることを特徴とする請求項18に記載のPAL信号復調装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−301411(P2008−301411A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−148162(P2007−148162)
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】