説明

SAW共振片

【課題】SAW共振片を提供する。
【解決手段】圧電基板12と、前記圧電基板12上に形成され、電極指20、24を交差させた一対のIDT電極からなる入出力電極16と、前記圧電基板12上に形成され、前記一対の入出力電極16を挟んで両側に位置する反射器26と、を備え、弾性表面波を発振する第1SAW素子14及び第2SAW素子30を有するSAW共振片10であって前記第2SAW素子30の電極指36および反射器35の電極指37の間隔は、前記第1SAW素子14のそれより狭くするとともに、各SAW素子の入出力電極16、31の入力側または出力側のうち一方が互いに接続されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SAW共振片に関し、特に一枚の圧電基板に複数のSAW素子を搭載したSAW共振片の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信環境の過密化や複雑化に伴い、不要波除去を目的とした表面弾性波(Surface Acoustic Wave:SAW)フィルタにも多機能化や高機能化が求められている。代表例として、マルチバンドSAWフィルタや、SAWデュープレクサがある。この場合、複数のSAW素子を用いたSAWデバイスの小型化を図るため、一枚の圧電基板上に複数のSAW素子を配設することが行われる。特許文献1において圧電基板上にSAWフィルタが複数、互いに中心周波数を異ならせて設けられ、前記複数のSAWフィルタの入力端及び出力端の少なくとも一方が共通化されているSAWフィルタが開示されている。
【特許文献1】特開2003−289234号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方で、発振を目的としたSAW共振子等のSAWデバイスについても、その小型化を目的として、近い共振周波数を持った互いに並列に接続されたSAW素子を一枚の圧電基板上に形成するとともにSAW素子の入力側もしくは出力側を接続して共通化する場合がある。
【0004】
しかし、この場合各SAW素子は独立した周波数特性を有するのではなく、他のSAW素子の周波数特性の影響を受ける場合がある。特に、発振を目的としたSAW共振子の場合、SAWフィルタとは異なり、わずかなスプリアス応答がその周波数配置によっては異常発振につながる虞がある。
【0005】
図6にSAW素子の共振モードのイメージ図を示す。SAW素子200は図6に示すように、反射器206との間で、電極指204を互いに交差させた態様の一対の入出力電極202により弾性表面波を発生させているが、入出力電極の交差幅を大きくすると、弾性表面波の伝播方向と垂直にエネルギーが分布するモード(横モード)の共振が発生し、この横モードの共振によりスプリアスが発生する。即ち図6に示す構造では入出力電極202の電極指204の交差幅aの方向(x方向)に1次の横モードのみならず、2次以上の高次横モードの振動エネルギーが閉じ込められている(図6の波形参照)。ここで、1次の横モードは主応答となるのに対し、2次以上はスプリアスとなる。そして、高次横モードの中で2次の横モードにおける振動エネルギーは、入出力電極202で電気的に相殺されるが、3次の横モードによる振動エネルギーは電気的に相殺されることはなく、すなわち、偶数次の横モードは相殺され、奇数次の横モードはスプリアスとして表れる。
【0006】
よって、一方のSAW素子の基本波の周波数が、他方のSAW素子のスプリアスの周波数より若干高い程度の周波数を有する場合は、前記一方のSAW素子は前記スプリアスの周波数で発振するいわゆる異常発振を起こす虞がある。
【0007】
そこで本発明は上記問題に着目し、同一基板に配置して互いに接続された複数のSAW素子を有するSAW共振片において、小型化が可能であるとともにSAW素子の異常発振を抑制するSAW共振片を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]圧電基板と、前記圧電基板上に形成され、電極指を交差させた一対のIDT電極からなる入出力電極と、前記圧電基板上に形成され、前記一対の入出力電極を挟んで両側に位置する反射器と、を備え、弾性表面波を発振する第1SAW素子及び第2SAW素子を有するSAW共振片であって、前記第2SAW素子の前記電極指の間隔は、前記第1SAW素子のそれより狭くするとともに、各SAW素子の入出力電極の入力側または出力側のうち一方が互いに接続されたことを特徴とするSAW共振片。
【0009】
上記構成により、弾性表面波を発振する第1SAW素子及び第2SAW素子が、一つの圧電基板上に配置されるとともに、各SAW素子が並列の接続され、小型化されたSAW共振片となる。さらに、第2SAW素子の共振周波数は他方の弾性表面波素子の共振周波数よりも高い周波数を有するととともに、前記間隔を適切に設計することにより、第2SAW素子の基本波が、第1SAW素子のスプリアスの周波数に近づけることを回避し、第2SAW素子の異常発振を回避することができる。
【0010】
[適用例2]前記第1SAW素子の基本波の周波数が、前記第2SAW素子の高次横モードに起因するスプリアスの周波数より低いことを特徴とする適用例1に記載のSAW共振片。
これにより、第1SAW素子の基本波は、第2SAW素子のスプリアスの影響を受けることがなく、安定した周波数特性を得ることができる。
【0011】
[適用例3]前記第1SAW素子、または前記第1SAW素子及び前記第2SAW素子のIDT電極において、IDT電極の電極指の端部に対向する位置にダミー電極を接続したことを特徴とする適用例1または2に記載のSAW共振片。
【0012】
ダミー電極を配置することによって配置位置の振動を抑制することができるが、ダミー電極を配置する領域において、基本波の振動エネルギーの割合より、スプリアスの振動エネルギーの割合のほうが大きい。したがって、ダミー電極を配置することによって基本波よりもスプリアスの方が割合的に多く振動エネルギーを低減させることができるので、異常発振の原因となるスプリアスの発生を抑制することができる。
【0013】
[適用例4]前記第1SAW素子、または前記第1SAW素子及び前記第2SAW素子のIDT電極において、IDT電極の電極指の端部に対向する位置にダミー電極を接続したことを特徴とする適用例1または2に記載のSAW共振片。
これにより、IDT電極が、基本波の振動領域の外部で振動するスプリアスを励振することを防止し、第2SAW素子の異常発振を抑制することができる。
【0014】
[適用例5]前記第1SAW素子、または前記第1SAW素子及び前記第2SAW素子の前記IDT電極の前記電極指および前記反射器の電極指は、それぞれその一部が斜めに折り曲げられ、前記弾性表面波の伝播方向に対して互いに前記弾性表面波の半波長分だけ離れた2つの直線部を有することを特徴とする適用例1または2に記載のSAW共振片。
【0015】
これにより、第1SAW素子、または第1SAW素子及び第2SAW素子は1次を含む奇数次の横モードが相殺され、2次の横モードを基本波として発振することになる。よって4次の横モードから表れるスプリアスは相殺された3次の横モードより高周波に位置するため、前記スプリアスによる第2SAW素子の異常発振を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係るSAW共振片を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0017】
第1実施形態に係るSAW共振片10の平面図を図1に示す。
SAW共振片10は水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム等で形成された矩形状の圧電基板12により外形を有し、圧電基板12上にAl又はAlを主成分とした合金の金属膜を蒸着、スパッタ等によりSAW素子を形成するようにパターニングしたものである。さらにSAW共振片10においては入力端子28、出力端子32(33)等がパターニングされている。
【0018】
第1SAW素子14は、弾性表面波を発生する入出力電極と、弾性表面波を反射する反射器26とから構成されている。入出力電極は、等間隔に並べられた複数の電極指20、24からそれぞれ形成される第1IDT(Inter Digital Transducer)電極18、第2IDT電極22により構成される。及び弾性表面波を反射する反射器26は電極指20、24と同一の間隔で並べられた電極指28から構成されている。
【0019】
第1SAW素子14において、グレーティング型の反射器26は、互いに対向するように圧電基板12上の長辺12a方向に並べられて一対で配設されている。そして反射器26との間に音響的に共振空洞が形成され、この空洞内に弾性表面波の定在波が発生する。この定在波と結合するように櫛型の第1IDT電極18、第2IDT電極22を配置すると第1SAW素子14となる。第1IDT電極18と第2IDT電極22は互いに電極指20、22を交差するような態様で、対向して配設されている。ここで、第1SAW素子14の共振周波数をfその波長をλ、弾性表面波の速度をVとすると、λ=V/fとなる。このため、反射器26の電極指28の間隔はλ/2、各IDT電極の電極指20、24の間隔はλとしている。よって第1IDT電極18から抽出可能な表面弾性波の基本波と、第2IDT電極22から抽出可能な表面弾性波の基本波とは、互いに位相が反転した関係(位相差がπ)を有する。
【0020】
第2SAW素子30は第1SAW素子14と同様の構成を有しており、図1においては第1SAW素子14の電極指20、24と、第2SAW素子30の電極指36、37(反射器35の電極指)の間隔が同じ大きさに描かれているが、電極指36、37の間隔が第1SAW素子14の電極指20、24の間隔λより狭く設計されており、これは後述の実施形態においても同様である。よって第2SAW素子30の共振周波数fはfより高くなっている。
【0021】
そして第1SAW素子14の第1IDT電極18は第2SAW素子30の第1IDT電極32と対向しつつT型の接続電極38を介して互いに接続されている。また第1SAW素子14の第2IDT電極22は接続電極48を介して出力端子40に接続され、第2SAW素子30の第2IDT電極34は接続電極50を介して出力端子42に接続されている。よって本実施形態においては第1SAW素子14の入出力電極16と、第2SAW素子30の入出力電極31とは、第1IDT電極18及び第1IDT電極32を介して互いに接続されている。
【0022】
接続電極38は、圧電基板12の短辺12b方向で線対称となる位置に配置され、圧電基板12の短辺方向12bに延びる部分の端部がそれぞれ第1IDT電極18、第1IDT電極32に接続されている。一方圧電基板12の長辺12a方向に延びる接続電極38の部分は、前記線対称となる位置に形成され、その端部に入力端子46が配設されている。
【0023】
上記構成によるSAW共振片10の第1SAW素子14及び第2SAW素子30において、従来技術で説明したように(図6参照)基本波となる1次の横モードのほかに高周波側に奇数次モードに係るスプリアスが発生する。よって第1SAW素子14より高周波側に基本波をもつ第2SAW素子30は第1SAW素子14のスプリアスと周波数的に重なり得る。そして本実施形態のように第1SAW素子14と第2SAW素子30とが接続された場合は各SAW素子は互いに周波数特性に影響を与える関係になるが、第1SAW素子14のスプリアスが、第2SAW素子30の基本波より低周波側であって近接する場合には本来の基本波の周波数のみならず前記スプリアスの周波数で発振を起こすいわゆる異常発振を起こす虞がある。
【0024】
特に最も振幅の大きいスプリアスである3次の横モードが、第2SAW素子30の基本波より低周波側であって近接する場合は、異常発振を起こす虞が強くなる。SAW素子の基本波の波長は入出力電極16および反射器26の電極指20、24、28の間隔により決定されるため、この間隔を狭くするほど波長は短くなり共振周波数は高くなる。よって第2SAW素子30の基本波の共振周波数が第1SAW素子14の3次の横モードの周波数より低周波となるように調整すれば、第2SAW素子30は第1SAW素子14の3次の横モードに起因する異常発振を回避することができる。
【0025】
なお、第1SAW素子14の基本波の周波数が、第2SAW素子30の高次横モード(3次の横モード)に起因するスプリアスの周波数より低い設計とすることにより、第1SAW素子14の基本波は、第2SAW素子30のスプリアスの影響を受けることがなく、安定した周波数特性を得ることができる。
以下において他の実施形態により異常発振を抑制する構成について述べる。
【0026】
第2実施形態に係るSAW共振片70、70aを図2、図3にそれぞれ示す。第2実施形態に係るSAW共振片70は第1SAW素子72及び第2SAW素子88において、図2に示すように入出力電極74にダミー電極が形成されている。即ち第1SAW素子72において第1IDT電極76の第2IDT電極82の電極指84の端部と対向する位置にダミー電極80が接続され、第2IDT電極82の第1IDT電極76の電極指78と対向する位置にダミー電極86が接続されている。なおダミー電極80(ダミー電極86)と電極指84(電極指78)との間に隙間80a(隙間86a)が形成されている。
【0027】
ダミー電極80(ダミー電極86)は第1IDT電極76(第2IDT電極82)と接続されるため、その電位は常に第1IDT電極76(第2IDT電極82)と同じである。よってダミー電極80、86が配置された位置においては電位の変動は起こらないため、結果的に弾性表面波が発生する領域は、電極指78、84が交差した領域87に制限される。ところで、図6に示すように、入出力電極において1次の横モード、及び3次の横モードの縦方向の電荷分布において3次の横モードの方が1次の横モードより電荷が大きくなる領域が存在する。よってダミー電極80、86の長さはこの領域87の電極指の長手方向の長さに合わせて調整することにより、1次の横モードについて若干削減されるが、3次の横モードはさらに大きく削減することができる。したがって第1SAW素子72の3次の横モードに係るスプリアスにより、第2SAW素子88の異常発振を抑制することができる。
【0028】
さらに第2実施形態においては、ダミー電極80b、86b及び電極指78b、84bの長さを図3に示すように、電極指78b、84bの交差幅を弾性表面波の伝播方向に沿って連続的に変化させ、第1SAW素子72b、第2SAW素子88aの基本波(1次の横モード)の振動領域87aの境界に合わせて調整したアポダイズ電極を形成したSAW共振片70aとすることができる。これにより電極指78b、84bが交差する領域以外の部分は上述同様の理由により電位の変動は起きない。また1次の横モードは第1実施形態の場合においてもIDT電極全体で振動するのではなく、図3に示すように楕円状の振動領域87aで振動することが知られている。よってこの振動領域87aより外部において電極指を交差させても1次の横モードの振動エネルギーが大きくなることはなく、また本実施形態のようにアポダイズ電極を形成しても1次の横モードの振動エネルギーの損失が起きることはない。一方、3次の横モードはこの1次の横モードの振動領域87aより外側の領域で振動する成分を有するので、アポダイズ電極とすることにより3次の横モードに係るスプリアスの振動エネルギーを低下させ、スプリアスを効果的に削減することができる。
【0029】
第3実施形態に係るSAW共振片90を図4に示す。第3実施形態に係るSAW共振片90は第1SAW素子92において(第2SAW素子108も同様)図6に示すように、入出力電極94、及び反射器104が波型の形状をしていることである(WAVE電極)。より具体的には、第1SAW素子92において、第1IDT電極96の電極指98、第2IDT電極100の電極指102および反射器104の電極指106は、それぞれその一部が斜めに折り曲げられ、弾性表面波の伝播方向に対して互いに弾性表面波の基本波の半波長分だけ離れた2つの直線部を有している。
【0030】
第1IDT電極96の電極指98、及び第2IDT電極100の電極指102は、それぞれその一部が折り曲げられ、弾性表面波の伝播方向と直行する方向に分割して配置される直線部98a、98b、102a、102bと、その両者を接続する接続部98c、102cからなる。直線部98a(102a)と直線部98b(102b)とは、弾性表面波の伝播方向に対して、弾性表面波の基本波の半波長分だけ離れた位置に配置されている。接続部98c、102cは、その長さができるだけ短いほうが良い。反射器104の電極指106は同様に、直線部106a、106bとその両者を接続する傾斜状の接続部106cとからなる。
【0031】
従って電極指98と電極指102との交差幅aは直線部98aと直線部102bとが対向する部分に係る交差幅b1と直線部98bと直線部102aとが対向する部分に係る交差幅b2との和になる。
【0032】
上記構成による第1SAW素子92の動作について説明する。例えば入力端子46を介して第1IDT電極96に交流電圧が印加されると、圧電効果により圧電基板12上で弾性表面波に変換される。この弾性表面波は各IDT電極の電極指98、102の長手方向に対して直交する方向に伝播され、第2IDT電極100まで伝播される。このように生じた弾性表面波は、反射器104で振動が外部に漏れずに閉じ込められることになる。そして第2IDT電極100に弾性表面波が入射されると、その弾性表面波の振幅に比例した電圧が電極指102に発生し、所定の周波数特性に応じた信号が抽出されて出力端子40から出力される。なお、第2SAW素子108についても第1SAW素子92と同様の動作をするので説明を省略する。ここで電極指102は直線部102a、102bを有し、この両者は弾性表面波の伝播方向に弾性表面波の基本波(1次の横モード)の半波長分だけ離れた位置に配置されている。このため、入出力電極94では、電極指98の直線部98aと電極指102の直線部102aとは、図4に示すように弾性表面波の伝播方向と直交する方向において、同一直線上に位置するようになり、電極指98と電極指102には正負の異なる電圧を有することになる。
【0033】
したがって、上記の動作の場合に、弾性表面波の伝播方向と垂直にエネルギーが分布する横モードは図5に示すようになると考えられる。図5に第3実施形態を構成するSAW素子の1次〜4次の横モードの共振モードのイメージ図を示す。この場合、直線部102aと直線部102bにおいて、弾性表面波の1次及び3次の横モードについては互いに逆位相の関係になるため、その振動エネルギーの正負の成分が互いに相殺され、振動エネルギーは相殺される。そして2次の横モードについては同位相となるため直線部102aと直線部102bで表れた振動エネルギーが相殺されることはなく、これが主応答となる。
【0034】
一方、4次の横モードは直線部102aと直線部102bにおいて表れた振動エネルギーは同位相となるため相殺されることなく、これがスプリアスとなる。よって第3実施形態においては奇数次の横モードについては相殺され、偶数次の横モードについては相殺されないことになる。このような挙動は入力側である第1IDT電極96においても同様に発生する。また第1実施形態に示されるSAW共振片10における1次の横モードと3次の横モードとの周波数差よりも、本実施形態における2次の横モードと4次の横モードとの周波数差が大きいため、本実施形態においてはスプリアスを第1実施形態の場合より主応答の周波数から遠ざけることが可能であり、このため第2SAW素子108が第1SAW素子92が発するスプリアスの影響を回避することができる。
【0035】
第2実施形態及び第3実施形態において、ダミー電極、アポダイズ電極、WAVE電極を第1SAW素子、第2SAW素子ともに適用してきたが、少なくとも周波数の低い側の第1SAW素子にこれらを適用すればよい。またいずれの実施形態においても入力側を互いに接続しているが、出力側を互いに接続してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1実施形態に係るSAW共振片を示す模式図である。
【図2】第2実施形態に係るSAW共振片(ダミー電極型)を示す模式図である。
【図3】第2実施形態に係るSAW共振片(アポダイズ電極型)を示す模式図である。
【図4】第3実施形態に係るSAW共振片を示す模式図である。
【図5】第3実施形態を構成するSAW素子の共振モードのイメージ図である。
【図6】従来技術に係るSAW素子の共振モードのイメージ図である。
【符号の説明】
【0037】
10………SAW共振片、12………圧電基板、14………第1SAW素子、16………入出力電極、18………第1IDT電極、20………電極指、22………第2IDT電極、24………電極指、26………反射器、28………電極指、30………第2SAW素子、32………第1IDT電極、34………第2IDT電極、36………電極指、38………接続電極、40………出力端子、42………出力端子、46………入力端子、48………接続電極、50………接続電極、70………SAW共振片、72………第1SAW素子、74………入出力電極、76………第1IDT電極、78………電極指、80………ダミー電極、82………第2IDT電極、84………電極指、86………ダミー電極、87………領域、88………第2SAW素子、90………SAW共振片、92………第1SAW素子、94………入出力電極、96………第1IDT電極、98………電極指、100………第2IDT電極、102………電極指、104………反射器、106………電極指、108………第2SAW素子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電基板と、
前記圧電基板上に形成され、電極指を交差させた一対のIDT電極からなる入出力電極と、
前記圧電基板上に形成され、前記一対の入出力電極を挟んで両側に位置する反射器と、を備え、弾性表面波を発振する第1SAW素子及び第2SAW素子を有するSAW共振片であって、
前記第2SAW素子の前記電極指の間隔は、前記第1SAW素子のそれより狭くするとともに、
各SAW素子の入出力電極の入力側または出力側のうち一方が互いに接続されたことを特徴とするSAW共振片。
【請求項2】
前記第1SAW素子の基本波の周波数が、前記第2SAW素子の高次横モードに起因するスプリアスの周波数より低いことを特徴とする請求項1に記載のSAW共振片。
【請求項3】
前記第1SAW素子、または前記第1SAW素子及び前記第2SAW素子のIDT電極において、IDT電極の電極指の端部に対向する位置にダミー電極を接続したことを特徴とする請求項1または2に記載のSAW共振片。
【請求項4】
前記第1SAW素子、または前記第1SAW素子及び前記第2SAW素子のIDT電極において、前記一対のIDT電極の前記電極指の交差幅を弾性表面波の伝播方向に沿って連続的に変化させたことを特徴とする請求項1または2に記載のSAW共振片。
【請求項5】
前記第1SAW素子、または前記第1SAW素子及び前記第2SAW素子の前記IDT電極の前記電極指および前記反射器の電極指は、それぞれその一部が斜めに折り曲げられ、前記弾性表面波の伝播方向に対して互いに前記弾性表面波の半波長分だけ離れた2つの直線部を有することを特徴とする請求項1または2に記載のSAW共振片。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−103951(P2010−103951A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−275937(P2008−275937)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【出願人】(000003104)エプソントヨコム株式会社 (1,528)
【Fターム(参考)】