説明

SR−VCC移動性におけるフロー中断の低減

本発明の1つの目的は、ユーザ機器UEに関する単一無線音声呼継続性SRVCC移動性におけるフロー中断の低減の方法であり、SRVCC移動性は、ハンドオーバHO実行手続きおよび音声呼継続性VCC手続きを含み、前記方法はHO実行手続きおよびVCC手続きを調整するため、UEにおいてHO実行を遅らせるステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にモバイル通信のネットワークおよびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル通信のネットワークおよびシステムの詳細な説明は、文献、特に、例えば3GPP(第3世代パートナーシップ・プロジェクト)のような標準化組織によって発表された技術仕様に見出すことができる。
【0003】
単一無線音声呼継続性(Single Radio Voice Call Continuity)SRVCCは、特に3GPP TS26.216仕様で指定されている。SRVCCは、IPマルチメディアサブシステムIMSで固定される(anchored)呼についてのパケット交換PSアクセスおよび回線交換CSアクセスによるIMS間の音声呼継続性を、ユーザ機器UEが所与の時間にそうしたアクセス・ネットワークのうちたった1つで送信/受信できるときに提供する。
【0004】
3GPP TS23.216は、IPマルチメディアサブシステムIMSで固定されるCS呼について、E−UTRANアクセスと3GPP2の1×CSとの間、E−UTRANアクセスと3GPPのUTRAN/GERANアクセスとの間、およびUTRAN(HSPA)アクセスと3GPPのUTRAN/GERANアクセスとの間のSRVCCを指定している。
【0005】
例えば、3GPP TS23.216で指定されているような、E−UTRANからGERANへのSRVCC手続きが図1に再現されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】3GPP TS26.216
【非特許文献2】3GPP TS23.216
【非特許文献3】3GPP TS23.237
【非特許文献4】3GPP TS29.280
【非特許文献5】3GPP TS36.413
【非特許文献6】3GPP TS36.331
【非特許文献7】3GPP TS44.018
【非特許文献8】3GPP TS48.008
【非特許文献9】3GPP TS23.009
【非特許文献10】3GPP TS23.401
【非特許文献11】3GPP TS23.002
【非特許文献12】3GPP TS23.216Rel−8
【非特許文献13】3GPP TS25.306
【非特許文献14】3GPP TS36.306
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
全般的に、SRVCCの機能を改善する必要がある。特に、詳細は後述するが、例えば図1に再現されているE−UTRANからGERANへのSRVCC手続きのようなSRVCC手続き中に発生する通信中断を低減する必要がある。こうした通信中断はエンド・ユーザによって非常に悪く受け止められ、ユーザ・エクスペリエンスまたはエンド・ユーザが受け止めるサービス品質を改善する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、特にこうした必要性に対処する。
【0009】
これらの目的および他の目的は、本発明の1つの態様において、ユーザ機器UEに関する単一無線音声呼継続性SRVCC移動性におけるフロー中断の低減の方法によって達成され、SRVCC移動性は、ハンドオーバHO実行手続きおよび音声呼継続性VCC手続きを含み、前記方法は、
HO実行手続きおよびVCC手続きを調整するため、UEにおいてHO実行を遅らせるステップ
を含む。
【0010】
これらの目的および他の目的は、本発明の他の態様において、ユーザ機器により、かつこうした方法を実行するための手段を含むネットワーク・エンティティ(例えばE−UTRANまたはUTRAN(HSPA)のような無線アクセス・ネットワークRANのエンティティのほか、例えばCSコア・ネットワークおよび発展型パケット・コアEPCまたはPSコア・ネットワークのようなコア・ネットワークのエンティティを含む)により達成される。
【0011】
本発明のこれらの目的および他の目的は、添付の図面とともに行う以下の説明から一層明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】3GPP TS23.216仕様で指定されているような、例えばE−UTRANからGERANへのSRVCC手続きのようなSRVCC手続きを再現することを意図した図である。
【図2】例えばE−UTRANからGERANへのSRVCC手続きのようなSRVCC手続き中に生じる通信中断を示すことを意図した図である。
【図3】通信中断持続時間に影響を与える主要なSRVCC事象の異なるシナリオを示すことを意図した図である。
【図4】本発明の実施形態により回避できるいくつかの欠点を有する、例えばE−UTRANからGERANへのSRVCC手続きのようなSRVCC手続きについて、考え得る解決策を示すことを意図した図である。
【図5】本発明の一実施形態による、例えばE−UTRANからGERANへのSRVCC手続きのようなSRVCC手続きを示すことを意図した図である。
【図6】本発明の別の実施形態による、例えばE−UTRANからGERANへのSRVCC手続きのようなSRVCC手続きを示すことを意図した図である。
【図7】本発明の実施形態によって可能な通信中断持続時間の低減を示すことを意図した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1に再現されているE−UTRANからGERANへのSRVCC手続きは、ハンドオーバHO準備手続き(ステップ1〜9)、VCCまたはセッション転送手続き(ステップ10〜12)、およびHO実行手続き(ステップ13〜17)を含むと考えることができる。
【0014】
図2に示されているような、例えばE−UTRANからGERANへのSRVCC手続きのようなSRVCC手続きは、図1より詳細な図であり、特に、HO実行手続き、VCC手続き、およびかかるSRVCC手続き中に発生する通信中断を示すことを意図している。
【0015】
図2に示されている要素は、特に以下の要素を含む。
UE−A(以下ではUEとも呼ぶ):SRVCC対応ユーザ機器UE、
ソースMME:(発展型パケット・コアEPC内の)SRVCC対応移動性管理エンティティMME、
MSCサーバ/MGW:モバイル交換センター・サーバ/メディア・ゲートウェイであって、MSCサーバはSRVCC向けの強化されたMSCサーバ、特にセッション転送手続きを呼び出し、HO手続きおよびセッション転送手続きを調整するMSCサーバに対応する。
ターゲットMSC:ターゲットBSSを制御するMSC(MSCサーバがターゲットBSSを制御する場合、MSCサーバの機能はターゲットMSCの機能とマージされる)、
ターゲットBSS:ターゲットGERAN基地局サブシステム、
MGCF:メディア・ゲートウェイ制御機能に対応するIMSエンティティ、
I−CSCF:問合わせ呼セッション制御機能に対応するIMSエンティティ、
S−CSCF:サービング呼セッション制御機能に対応するIMSエンティティ、
SCC AS:サービス集中化および継続性アプリケーション・サーバ(Service Centralization and Continuity,Application Server)に対応するIMSエンティティ、
UE−B:リモート端末。
【0016】
図2に示されている例におけるVCC手続きは、以下のステップを含む。
10a:MSCサーバは、ISUP初期アドレスIAM(MSISDN、STN−SR)メッセージをメディア・ゲートウェイ制御機能MGCFに送信し、STN−SRはSRVCC向けのセッション転送番号に対応し、これは特に3GPP TS23.237で指定されている。
10b:MGCFはSIP InviteメッセージをI−CSCFに送信する。
10c:I−CSCFはSIP InviteメッセージをSCC ASに送信する。
10d:SCC ASはSIP Re−InviteメッセージをS−CSCFに送信する。
10e:S−CSCFはSIP Re−InviteメッセージをUE−Bに送信する。
11a:UE−Bは、S−CSCFを介してSCC ASにSIP200OKメッセージを送信する。
11b:SCC ASは、S−CSCFを介してMGCFにSIP200OKメッセージを送信する。
11c:MGCFはISUPアドレス完了ACMメッセージをMSCサーバに送信する。
【0017】
図2に示されている例におけるHO実行手続きは、以下のステップを含む。
13:MSCサーバは、特に3GPP TS29.280で指定されているように、MMEとMSCサーバとの間のSvインターフェースに関するプロトコルに従い、「SRVCC PS to CS応答」メッセージをソースMMEに送信する。
14:ソースMMEは、特に3GPP TS36.413で指定されているように、E−UTRANとMMEとの間のS1インターフェースに関するS1APプロトコルに従い、「ハンドオーバ・コマンド」メッセージをソースE−UTRANに送信する。
15:ソースE−UTRANは、特に3GPP TS36.331で指定されているように、UEとE−UTRANとの間の無線インターフェースに関する無線リソース制御RRCプロトコルに従い「HO from E−UTRANコマンド」メッセージをUE−Aに送信する。
16:UE−AはGERANに同調する。
17a:UE−Aは、特に3GPP TS44.018で指定されているように、UEとGERAN BSSとの間の無線インターフェースに関するRRCプロトコルに従い、「HO検出/完了」メッセージをターゲットBBSに送信し、次いでターゲットBSSは、特に3GPP TS48.008で指定されているように、BSSとMSCとの間のインターフェースに関するプロトコルに従い、「HO検出/完了」メッセージをターゲットMSCに送信し、次いでターゲットMSCは、特に3GPP TS23.009で指定されているように、ハンドオーバ手続きに従い、「HO検出/完了」メッセージをMSCサーバに送信する。
【0018】
一般に、UEとネットワークとの間の無線インターフェースで送信されるHOコマンド(UEへHOを命令すること)は、ターゲットRANによって作成され、UEがソースRANにまだ存在する間にUEに送信される(HOコマンドは、ソースRANを介してUEへ送信されるメッセージで透過的に送られる)。
【0019】
図2に示される例では、3GPP TS44.018で定義されるHOコマンドは、ターゲットBSSによって作成され、以下のメッセージで透過的に送られる。
特に3GPP TS48.008で指定されているように、BSSとMSCとの間のインターフェースに関するプロトコルに従い、ステップ7でターゲットBSSによってターゲットMSCに送信される「ハンドオーバ要求ACK」メッセージ、
特に3GPP TS23.009で指定されているように、ハンドオーバ手続きに従い、ステップ8でターゲットMSCによってMSCサーバに送信される「準備HO応答」メッセージ、
上で再現したように、ステップ13でMSCサーバによってソースMMEに送信される「SRVCC PS to CS応答」メッセージであって、HOコマンドは、ターゲットからソースへの透過的コンテナ(Target to Source Transparent Container)においてこのメッセージ内で送られる。
上で再現したように、ステップ14でソースMMEによってソースE−UTRANに送信される「ハンドオーバ・コマンド」メッセージであって、HOコマンドは、ターゲットからソースへの透過的コンテナにおいてこのメッセージ内で送られる。
上で再現したように、ステップ15でソースE−UTRANによってUEに送信される「HO from EUTRANコマンド」メッセージであって、HOコマンドは、ターゲットRATメッセージ・コンテナにおいてこのメッセージ内で送られる。
【0020】
図2の例において、こうしたSRVCC手続き中に生じる以下のフロー中断が示されている。
UE−AがGERANに同調するステップ16の最中における第1のフロー中断であって、UEがターゲット・カバレッジで最終的に検出された17aまで続く。
UE−Bとの間の経路変更に対応する、ステップ10eと11aとの間の第2のフロー中断であって、
ステップ11aがステップ17aの後に起きた場合、第1のフロー中断のみが経験される純粋なCSドメイン・ハンドオーバ手続きに比べて追加のフロー中断を誘発する。
【0021】
後述する本発明の実施形態は、特に以下の考えに基づいている。
【0022】
音声構成要素を伴うIMS/SIP呼/セッションに関与するモバイルが、ボイス・オーバーIPが無線で送られるソース無線カバレッジから、音声ベアラがCSドメインによって送られる、すなわち、MSC(サーバ)によって制御される必要があるターゲット無線カバレッジへと移動しなければならないとき、SRVCC手続きが呼び出される。SRVCC手続きは、GERAN、UTRANおよび1×RTT CDMA2000ターゲット・システム向けに標準化されている。
【0023】
この手続き中に、リモート端末環境が音声トラフィックをモバイルに送信する際の送信先アドレスは、ソース無線で使用されるアドレスから、移動性事象が発生した後にモバイルにサービス提供するMSC(サーバ)/MGWに到達するために使用されるアドレスに変更されなければならない。
【0024】
所与の時間に作動しているたった1つの無線連鎖(「単一無線」)をモバイルが持っている場合にSRVCC手続きが機能するためには、ターゲット無線サブシステム上に無線アクセス・ネットワーク・リソースを確保した後、関係するネットワーク・ノード(UEに割り当てられる新たなMSC(サーバ))は、以下の2つの並行手続きを発動する(issues)。
1.移動しているモバイルとコア・ネットワークとの間の経路を変更する、すなわち、モバイルに対し、その無線をターゲット・セルに同調させるよう、すなわち、ソース無線にキャンプすることを止め、ターゲット無線にキャンプし始めるよう命令する。モバイルに送信される実際のメッセージは無線アクセス技術(GERAN、UTRAN、E−UTRAN、...)に左右され得るが、ソース無線アクセス・ネットワークによってモバイルに送信されるメッセージは、本出願においてハンドオーバ・コマンドと呼ばれる。
2.リモートUEとコア・ネットワークとの間の経路を変更する、すなわち、VCC手続き(音声呼継続性)を発動することであって、これはセッション転送とも呼ばれ、IMS上に存在する特定のアプリケーション・サーバ(AS)への呼が開始され、その目的は、このアプリケーション・サーバ(SCC AS)が、移動するモバイルへ音声トラフィックが送信される際の新たな送信先アドレスを使用してリモート端末環境を更新することである。
【0025】
いずれの手続きも、移動するUEとリモートUEとの間で音声トラフィックを送るのに使用される送信経路に影響を及ぼす。一方の経路が変更されるとすぐに、移動するUEおよびリモートUEは、他方の経路が変更されるまで、音声トラフィックを交換することができなくなる。
【0026】
問題は、ネットワークの異なる場所で生じるこれら2つの事象を同期させるものが全くないことである。
1.移動するモバイルによる無線同調の変更は、ローカルで実行され、その所要時間は無線状態およびターゲット無線サブシステムのロードに左右される。
2.VCC手続きはリモートで実行され、その所要時間はマルチベンダー環境におけるパフォーマンスの差、UEがローミングしているか否か(異なるIMS信号を発しているか)、IMSネットワークのロード、およびリモート端末環境のロードに左右される。
【0027】
こうした事象は、同期化されない場合、同時的ではなく連続的に発生し(無線の再同調が最初に発生する可能性が非常に高い)、それにより長いサービス中断による遅延が生じるリスクがある。
【0028】
現在のSRVCC R8手続きでは、無線の変更がMSC(サーバ)によってUEに命令されるのと同じ時間Tstartに、セッション転送がMSC(サーバ)によって開始される。
【0029】
通信の中断は、図3に示すように、いつPS「中断」が生じるか、いつCS「実現」(make)が生じるかに左右される。
・UEは、ソースRANでのキャンプを止めると、PSパケットを送信できなくなる。これが生じる時間をTleaveと呼び、ネットワークで回線接続が完了する時間をTcsconと呼ぶことにする。
leave−Tstartは、MSC(サーバ)からUEへのハンドオーバ・コマンド・メッセージを送信するのに要する時間に対応する。
cscon−Tleaveは、ハンドオーバ・コマンド手続きを実際に行うのに要する時間に対応する。
・SCC ASがリモート・エンドを更新すると(この時間をTupdateと呼ぶ)、リモートUEは、UEからPSパケットを受信できなくなる。このVCC/セッション転送手続きはTstartに始まる。
update−Tstartは、VCC/セッション転送手続きが要する時間に対応する。
・2つの条件が満たされるまで、両者ともCSメディアを利用できない。
ネットワークで回線接続が完了する(Tcscon)。
SCC ASがリモート・エンドを更新している(Tupdate)。
【0030】
したがって、どのような事象がUE間の通信の中断となるかについて、以下のシナリオが考えられる。
1.TupdateはTcsconを下回る(中断時間はTcscon−Tleave)。
2.TupdateはTcsconを上回る(中断時間はTupdate−Tleave)。
【0031】
シナリオ1では、既存の手続きは通信中断を最小限に抑えるのに十分なようであり、サービス中断時間は、ネイティブCSドメインBSS/UTRAN間移動性(native CS domain inter−BSS/UTRAN mobility)の場合に今日経験する時間に概ね相当する。
【0032】
したがって、シナリオ2については、これが最も可能性の高い場合であるため、手続きを最適化する(または中断を最小限にする)価値がある。
【0033】
考え得るアプローチは以下のとおりである。
【0034】
図4に示すように、MSC(サーバ)は、セッション転送実行の遅延を補正するため、VCC手続きの開始に関して、(カバレッジ・キャンピング(coverage camping)の変更のために)ハンドオーバ・コマンドのUEへの送信を遅らせる実施態様を有する可能性がある。
【0035】
これが適切に機能しない理由の1つは、無線状態があまりにも急激に弱まるため、ハンドオーバ・コマンドの送信を遅らすことができない場合があることである。こうした場合に、ハンドオーバ・コマンドの送信を遅らせることは、UEを見失うことを意味し、その理由は、こうした場合には、ハンドオーバ・コマンドが実際に送信されたときにソース無線でUEに到達できなくなることがあることである。
【0036】
特に、後述する本発明の実施形態は、こうした考え得るアプローチの欠点を回避することができる。
【0037】
一実施形態では、E−UTRANからGERANへのSRVCCの例に関する図5に示すように、本発明では、HOコマンドがUEによって受信された後に遅延を導入する。
【0038】
UE自体は、HOコマンドを受信していても、新たなRANへの同調を遅らせることがある。この解決策によって、以下が可能になる。
・UEの無線状態が急激に弱まっていても、UEができるだけ速やかにHOコマンドを受信できることの保証。
・UEは後に、無線状態が「許容できないしきい値」を下回った場合に(キャンピング・セル(camping cell)の変更のための)いかなる遅延も無効にすることを決定できること。
【0039】
UEは、以下のアルゴリズムに従い、同調時期を決定できる。
・1つのアプローチは、UEがパケット受信を止めるまで待つことである。これは、パケット通信経路が断たれていること(すなわち、リモート当事者環境がVCC/セッション転送手続きによって既に更新されていること)を示している。問題は、このアプローチがあまりにも遅く、すなわちVCC手続き後に新たなRANに同調することを意味し、サービス中断時間の増加を意味することである。
・より好ましい可能性として、SRVCC手続き中にUEにソース無線で送信されるハンドオーバ・コマンド・メッセージに遅延パラメータを加えることが挙げられる。例えば、この遅延パラメータを付帯したHOコマンドを受信するUEは、ハンドオーバ・コマンド内で受信された値を使用してタイマーをセットし、以下の事象のうち1つが最初に起きるまで、セル・キャンピング(cell camping)の変更を実際に行うタイミングを待つ。
タイマーが終了する
ソース無線における無線品質が「許容できないしきい値」を既に下回っているか、下回り、HOが急を要するようになっている
【0040】
E−UTRANからGERANへのSRVCCの例に関する図6に示す、この変形のさらなる最適化として、MGWとリモートUE環境との間の経路が確立されたことが通知されたとき、MSC(サーバ)は、即時ハンドオーバを命令するために遅延=ゼロを伴う(または遅延パラメータを伴わない)別のハンドオーバ・コマンド・メッセージを送信することが挙げられる。MSC(サーバ)によって第1のハンドオーバ・コマンドで設定された長すぎる遅延が原因で、UEが無線キャンピングの変更を開始するのがあまりにも遅くなり、その結果、フロー中断が減るのではなく増える事態を、この最適化により防ぐことができる。
【0041】
経路確立のこの通知に対応するメッセージは、VCC手続きに関連する呼についてMSC(サーバ)によって使用される実際のネットワーク呼制御信号プロトコルに左右される(これは、ISUP、BICCまたはSIPの適切なメッセージ(ACM、ANM、200OK...)であってよい)。
【0042】
したがって、図7から分かるように、Tleaveが遅延した場合、Tcsconもほぼ同じ時間だけ遅延する。Tupdateが400ミリ秒+遅延より長い限り、通信中断は減るが、遅延によりTcsconがTupdateを超えた場合、通信中断を実際に増加させる影響がある。
【0043】
一実施形態では、本発明において、ハンドオーバ・コマンドはできるだけ速やかに、すなわち、VCC手続きの開始と並行してUEに送信される。しかし、このハンドオーバ・コマンドは遅延という新たなパラメータを含み、これによりモバイルは、モバイルのローカル無線状態が呼断を回避するためハンドオーバを直ちに実行することを必須としていない限り、無線キャンピングの変更を実際に行う前に遅延の完了を待つことが想定される。
【0044】
本発明の様々な実施形態は以下において考えられる。
1)図5に示すように、SRVCC手続き中に、UEにソース無線で送信されるハンドオーバ・コマンド・メッセージに遅延パラメータが加えられ、HO実行手続きはそれに応じてUEによって遅延する。
【0045】
本発明の一実施形態に適合するUEは、ハンドオーバ・コマンドから受信された値を使用してタイマーをセットし、以下の事象のうち1つが最初に起きるまで、セル・キャンピングの変更を実際に行うタイミングを待つ。
・タイマーが終了する
・ソース無線における無線品質が「許容できないしきい値」を下回る。
2)この手続きの改善として、MSC(サーバ)が、ハンドオーバ・コマンド・メッセージに加えられるこの遅延パラメータを決定し、その値を、ハンドオーバ実行段階の開始要求とともにソース無線アクセス・ネットワークに渡すことが挙げられる。
これにより、モバイルが遠い国から、近隣の国からローミングしているか、またはローミングしていないかといった世界的ネットワーク状態に依拠して、この遅延の値を持つことができる。
【0046】
遅延値はまた、ソース無線の(すなわち、ハンドオーバ・コマンドが送信される無線の)無線アクセス技術(3G、LTE、...)に適合できる。
3)同期化の別の関連する改善は、以下のメカニズムによって実行できる。図のステップ13に示すように、MSC(サーバ)は遅延を伴うハンドオーバ・コマンドをできるだけ速やかに、すなわち、上記のとおりVCC手続きの開始と並行して送信する(次いでHOコマンドは、ステップ14においてソースMMEからソースE−UTRANに送信され、ステップ15においてソースE−UTRANによってUEに送信される)。その後、MGWとリモートUE環境との間の経路が確立されたことが通知されたとき、MSC(サーバ)は、遅延=ゼロを伴う(または遅延パラメータを伴わない)別のハンドオーバ・コマンド・メッセージを送信し、これも図6のステップ13に示されている(次いでHOコマンドは、ステップ14においてソースMMEからソースE−UTRANに送信され、ステップ15bにおいてソースE−UTRANによってUEに送信される)。
【0047】
本発明の一実施形態に適合するUEは、ハンドオーバ・コマンドから受信された値を使用してタイマーをセットし、以下の事象のうち1つが最初に起きるまで、セル・キャンピングの変更を実際に行うタイミングを待つ。
・タイマーが終了する
・ソース無線における無線品質が「許容できないしきい値」を下回る。
・即時ハンドオーバを命令する新たなハンドオーバ・コマンド・メッセージ(ゼロに等しい遅延値を伴う、または遅延値を伴わないハンドオーバ・コマンド)がモバイルによって受信される。
【0048】
MSC(サーバ)によって第1のハンドオーバ・コマンドで設定された長すぎる遅延が原因で、UEが無線キャンピングの変更を開始するのがあまりにも遅くなり、その結果、フロー中断が減るのではなく増える事態を、このメカニズムにより防ぐことができる。
【0049】
経路確立のこの通知に対応するメッセージは、VCC手続きに関連する呼についてMSC(サーバ)によって使用される実際のネットワーク呼制御信号プロトコルに左右される(これは、ISUP、BICCまたはSIPの適切なメッセージ(ACM、ANM、SIP200OK...)であってよい)。
4)同じ原理がE−UTRANおよび1×RTTからのSRVCCに当てはまり、そこでは、TS23.216で述べられているように、1×CS IWSがサービングMSCの役割を果たす。
5)ソース無線アクセス・ネットワークが発展型UTRAN(E−UTRAN)であるとき、無線アクセス・ネットワークは発展型ノードB(ENB)であり、3GPP TS23.401で定義される移動性管理エンティティ(MME)を介して制御される。ソース無線アクセス・ネットワークがUTRANであるとき、無線アクセス・ネットワークはRNCおよびノードBから構成され、SGSNによって制御される。これらの機能エンティティはすべて、3GPP TS23.002でさらに定義されている。他のソース無線アクセス・ネットワークも、本発明の実施形態をサポートすることができる。
6)E−UTRANからレガシー3GPPカバレッジ(GSM、UTRAN)へのハンドオーバの場合、無線でのMSC(サーバ)からUEへのメッセージ・フローは、以下の形を取る。
・MSC(サーバ)からMMEへのSv基準点を介した「SRVCC PS to CS応答」メッセージ。移動性管理エンティティ(MME)またはサービングGPRSサポート・ノード(SGSN)とSRVCC向けの強化された3GPP MSC(サーバ)との間のSvインターフェースが、3GPP TS29.280で定義されている。
・MMEとENBとの間のS1−AP基準点を介した「ハンドオーバ・コマンド」メッセージ。このメッセージは、3GPP TS36.413で定義されている。
・ENBとモバイル(またはUE)との間のエア・インターフェースを介した「Hand−Over From E−UTRANコマンド」メッセージ。
【0050】
一実施形態では、こうしたメッセージの各々に遅延パラメータが加えられる。
7)本発明の実施形態に適合しないモバイルは、無線で受信されるハンドオーバ・コマンド・メッセージに加えられる遅延パラメータを考慮せず、3GPP TS23.216Rel−8に従って動作する。
【0051】
本発明の実施形態に適合しないモバイルが長すぎるフロー中断を経験するのを回避するため、こうしたモバイル向けにソース無線アクセス・ネットワークにおいて特定の遅延を加えることができる。本発明の実施形態に適合するモバイルとそうでないモバイルとをこうして区別するため、本発明の実施形態に適合するモバイルはまた、その能力を、例えばUTRAN向けの3GPP TS25.306およびE−UTRAN向けのTS36.306で定義されている既存の「UE無線能力(UE Radio Capabilities)」における新たなパラメータを介するなどしてネットワークに一緒に通知することができる。
【0052】
一態様において、一実施形態では、本発明は、ユーザ機器UEに関する単一無線音声呼継続性SRVCC移動性におけるフロー中断の低減の方法を提供し、SRVCC移動性は、ハンドオーバHO実行手続きおよび音声呼継続性VCC手続きを含み、前記方法は、
HO実行手続きおよびVCC手続きを調整するため、UEにおいてHO実行を遅らせるステップ
を含む。
【0053】
一実施形態では、前記方法は、
UEによるHOコマンドの受信後に、UEにおいてUO実行を遅らせるステップ
を含む。
【0054】
一実施形態では、前記方法は、
前記調整に関与するネットワーク・エンティティが、VCC手続きの開始と並行してHOコマンドを送信することをトリガするステップ
を含む。
【0055】
一実施形態では、前記方法は、
無線状態が呼断を回避するためHO実行を必要とした場合すぐにUEがそれを行うステップ
を含む。
【0056】
一実施形態では、前記方法は、
UEがネットワークによって通知される遅延情報に従いHO実行を遅らせるステップ
を含む。
【0057】
一実施形態では、前記方法は、
通知に関与する少なくとも1つのネットワーク・エンティティが、UE向けの遅延情報を含む少なくとも1つのメッセージを送信するステップ
を含む。
【0058】
一実施形態では、前記方法は、
通知に関与するネットワーク・エンティティが、前記ネットワーク・エンティティによって送信されるメッセージに前記遅延情報を加えるステップ
を含む。
【0059】
一実施形態では、前記方法は、
通知に関与するネットワーク・エンティティが、遅延情報を含むメッセージを受信し、前記ネットワーク・エンティティによって送信されるメッセージにおいて前記遅延情報を中継するステップ
を含む。
【0060】
一実施形態では、通知される遅延情報を含む少なくとも1つのメッセージは、HOコマンドを伴うメッセージに対応する。
【0061】
一実施形態では、遅延情報を通知することは、遅延パラメータを通知すること、その後に必要な場合に、即時HO実行を命令するコマンドを通知することを含む。
【0062】
一実施形態では、即時HO実行を命令するコマンドを通知することは、値ゼロの遅延パラメータを通知することを含む。
【0063】
一実施形態では、前記方法は、
前記調整に関与するネットワーク・エンティティが、UEに遅延情報を通知することをトリガするステップ
を含む。
【0064】
一実施形態では、前記方法は、
前記調整に関与するネットワーク・エンティティが、HOコマンドとともに遅延パラメータを通知することをトリガするステップ
を含む。
【0065】
一実施形態では、前記方法は、
前記調整に関与するネットワーク・エンティティが、リモート・エンドとの間の経路が更新されたときに、即時HO実行を命令するコマンドを通知することをトリガするステップ
を含む。
【0066】
一実施形態では、前記方法は、
前記調整に関与するネットワーク・エンティティが、通知される遅延パラメータの値を決定するステップ
を含む。
【0067】
一実施形態では、前記方法は、
前記調整に関与するネットワーク・エンティティが、ネットワーク状態に従って、通知される遅延パラメータの値を決定するステップ
を含む。
【0068】
一実施形態では、前記方法は、
UEが遅延パラメータを受信すると、前記遅延パラメータの値を使用してタイマーを設定し、次いで以下の事象、すなわち、
・タイマーが終了する
・無線状態が呼断を回避するため直ちにHO実行を行うことを必要とする
のうち1つが最初に生じるまで、HO実行を開始するタイミングを待つステップ
を含む。
【0069】
一実施形態では、前記方法は、
UEが即時HO実行を命令するコマンドを受信した場合に、UEが直ちにHO実行を行うステップ
を含む。
【0070】
一実施形態では、前記方法は、
UEが遅延パラメータを受信すると、前記遅延パラメータの値を使用してタイマーを設定し、次いで以下の事象、すなわち、
・タイマーが終了する
・無線状態が呼断を回避するため直ちにHO実行を行うことを必要とする
・即時HO実行を命令するコマンドがUEによって受信される
のうち1つが最初に生じるまで、ハンドオーバ実行を開始するタイミングを待つステップ
を含む。
【0071】
一実施形態では、前記方法は、
ユーザ機器UEが、ネットワークによって通知されるハンドオーバ実行に関する遅延情報を考慮する能力をネットワークに通知するステップ
を含む。
【0072】
一実施形態では、前記方法は、E−UTRANに対応するソース無線アクセス・ネットワークRANから、GERANまたはUTRANに対応するターゲットRANへのSRVCCの場合に、
MSCサーバからMMEへSv基準点を介して送信される、UE向けのHOコマンドを伴うSRVCC PS to CS応答メッセージに、MSCサーバが遅延パラメータを加えるステップ
を含む。
【0073】
一実施形態では、前記方法は、E−UTRANに対応するソース無線アクセス・ネットワークRANから、GERANまたはUTRANに対応するターゲットRANへのSRVCCの場合に、
移動性管理エンティティMMEが、遅延パラメータを付帯したUE向けのHOコマンドを伴うメッセージを受信し、MMEからENBへS1−AP基準点を介して送信される、前記HOコマンドを伴うハンドオーバ・コマンド・メッセージにおいて前記遅延パラメータを中継するステップ
を含む。
【0074】
一実施形態では、前記方法は、E−UTRANに対応するソース無線アクセス・ネットワークRANから、GERANまたはUTRANに対応するターゲットRANへのSRVCCの場合に、
発展型ノードB ENBが、遅延パラメータを付帯したUE向けのHOコマンドを伴うメッセージを受信し、ENBとユーザ機器UEとの間のエア・インターフェースを介して送信される、前記HOコマンドを伴うHand−Over From E−UTRANコマンド・メッセージにおいて前記遅延パラメータを中継するステップ
を含む。
【0075】
一実施形態では、前記方法は、UTRANに対応するソース無線アクセス・ネットワークRANから、GERANまたはUTRANに対応するターゲットRANへのSRVCCの場合に、
MSCサーバからSGSNへSv基準点を介して送信される、UE向けのHOコマンドを伴うSRVCC PS to CS応答メッセージに、MSCサーバが遅延パラメータを加えるステップ
を含む。
【0076】
一実施形態では、前記方法は、UTRANに対応するソース無線アクセス・ネットワークRANから、GERANまたはUTRANに対応するターゲットRANへのSRVCCの場合に、
サービングGPRSサポート・ノードSGSNが、遅延パラメータを付帯したUE向けのHOコマンドを伴うメッセージを受信し、SGSNからUTRANヘIu−PS基準点を介して送信される前記HOコマンドを伴うSRNS再配置コマンド・メッセージにおいて前記遅延パラメータを中継するステップ
を含む。
【0077】
一実施形態では、前記方法は、UTRANに対応するソース無線アクセス・ネットワークRANから、GERANまたはUTRANに対応するターゲットRANへのSRVCCの場合に、
ノードBが、遅延パラメータを付帯したUE向けのHOコマンドを伴うメッセージを受信し、ノードBとユーザ機器UEとの間のエア・インターフェースを介して送信される、前記HOコマンドを伴うHand−Over From UTRANコマンド・メッセージにおいて前記遅延パラメータを中継するステップ
を含む。
【0078】
別の態様では、本発明は、かかる方法を実行するための手段を含むネットワーク・エンティティを提供する。
【0079】
一実施形態では、本発明は、ユーザ機器UEに関するハンドオーバHO実行手続きおよび音声呼継続性VCC手続きを含む単一無線音声呼継続性SRVCC移動性におけるフロー中断の低減のため、
HO実行手続きおよびVCC手続きを調整するため、UEにおいてHO実行を遅らせるための手段
を含むネットワーク・エンティティを提供する。
【0080】
一実施形態では、前記ネットワーク・エンティティは、
UEによるHOコマンドの受信後に、UEにおいてUO実行を遅らせるための手段
を含む。
【0081】
一実施形態では、前記調整に関与するネットワーク・エンティティは、
VCC手続きの開始と並行してHOコマンドを送信することをトリガするための手段
を含む。
【0082】
一実施形態では、通知に関与する少なくとも1つのネットワーク・エンティティは、
UE向けの遅延情報を含む少なくとも1つのメッセージを送信するための手段
を含む。
【0083】
一実施形態では、通知に関与するネットワーク・エンティティは、
前記ネットワーク・エンティティによって送信されるメッセージに前記遅延情報を加えるための手段
を含む。
【0084】
一実施形態では、通知に関与するネットワーク・エンティティは、
遅延情報を含むメッセージを受信すると、前記ネットワーク・エンティティによって送信されるメッセージにおいて前記遅延情報を中継するための手段
を含む。
【0085】
一実施形態では、通知される遅延情報を含む少なくとも1つのメッセージは、HOコマンドを伴うメッセージに対応する。
【0086】
一実施形態では、遅延情報を通知することは、遅延パラメータを通知すること、その後に必要な場合に、即時HO実行を命令するコマンドを通知することを含む。
【0087】
一実施形態では、即時HO実行を命令するコマンドを通知することは、値ゼロの遅延パラメータを通知することを含む。
【0088】
一実施形態では、前記調整に関与するネットワーク・エンティティは、
UEに遅延情報を通知することをトリガするための手段
を含む。
【0089】
一実施形態では、前記調整に関与するネットワーク・エンティティは、
HOコマンドとともに遅延パラメータを通知することをトリガするための手段
を含む。
【0090】
一実施形態では、前記調整に関与するネットワーク・エンティティは、
リモート・エンドとの間の経路が更新されたときに、即時HO実行を命令するコマンドを通知することをトリガするための手段
を含む。
【0091】
一実施形態では、前記調整に関与するネットワーク・エンティティは、
通知される遅延パラメータの値を決定するための手段
を含む。
【0092】
一実施形態では、前記調整に関与するネットワーク・エンティティは、
ネットワーク状態に従って、通知される遅延パラメータの値を決定するための手段
を含む。
【0093】
一実施形態では、本発明は、E−UTRANに対応するソース無線アクセス・ネットワークRANから、GERANまたはUTRANに対応するターゲットRANへのSRVCCの場合に、
MSCサーバからMMEへSv基準点を介して送信される、UE向けのHOコマンドを伴うSRVCC PS to CS応答メッセージに遅延パラメータを加えるための手段
を含むMSCサーバを提供する。
【0094】
一実施形態では、本発明は、E−UTRANに対応するソース無線アクセス・ネットワークRANから、GERANまたはUTRANに対応するターゲットRANへのSRVCCの場合に、
遅延パラメータを付帯したUE向けのHOコマンドを伴うメッセージを受信すると、MMEからENBへS1−AP基準点を介して送信される、前記HOコマンドを伴うハンドオーバ・コマンド・メッセージにおいて前記遅延パラメータを中継するための手段
を含む移動性管理エンティティMMEを提供する。
【0095】
一実施形態では、本発明は、E−UTRANに対応するソース無線アクセス・ネットワークRANから、GERANまたはUTRANに対応するターゲットRANへのSRVCCの場合に、
遅延パラメータを付帯したUE向けのHOコマンドを伴うメッセージを受信すると、ENBとユーザ機器UEとの間のエア・インターフェースを介して送信される、前記HOコマンドを伴うHand−Over From E−UTRANコマンド・メッセージにおける前記遅延パラメータを中継するための手段
を含む発展型ノードB ENBを提供する。
【0096】
一実施形態では、本発明は、UTRANに対応するソース無線アクセス・ネットワークRANから、GERANまたはUTRANに対応するターゲットRANへのSRVCCの場合に、
MSCサーバからSGSNへSv基準点を介して送信される、UE向けのHOコマンドを伴うSRVCC PS to CS応答メッセージに遅延パラメータを加えるための手段
を含むMSCサーバを提供する。
【0097】
一実施形態では、本発明は、UTRANに対応するソース無線アクセス・ネットワークRANから、GERANまたはUTRANに対応するターゲットRANへのSRVCCの場合に、
遅延パラメータを付帯したUE向けのHOコマンドを伴うメッセージを受信すると、SGSNからUTRANへIu−PS基準点を介して送信される、前記HOコマンドを伴うSRNS再配置コマンド・メッセージにおける前記遅延パラメータを中継するための手段
を含むサービングGPRSサポート・ノードSGSNを提供する。
【0098】
一実施形態では、本発明は、UTRANに対応するソース無線アクセス・ネットワークRANから、GERANまたはUTRANに対応するターゲットRANへのSRVCCの場合に、
遅延パラメータを付帯したUE向けのHOコマンドを伴うメッセージを受信すると、ノードBとユーザ機器UEとの間のエア・インターフェースを介して送信される、前記HOコマンドを伴うHand−Over From UTRANコマンド・メッセージにおいて前記遅延パラメータを中継するための手段
を含むノードBを提供する。
【0099】
別の態様では、本発明は、かかる方法を実行するための手段を含むユーザ機器を提供する。
【0100】
一実施形態では、本発明は、ユーザ機器UEに関するハンドオーバHO実行手続きおよび音声呼継続性VCC手続きを含む単一無線音声呼継続性SRVCC移動性におけるフロー中断の低減のため、
HO実行手続きおよびVCC手続きを調整するため、UEにおいてHO実行を遅らせるための手段
を含むユーザ機器UEを提供する。
【0101】
一実施形態では、前記ユーザ機器UEは、
UEによるHOコマンドの受信後に、UEにおいてUO実行を遅らせるための手段
を含む。
【0102】
一実施形態では、前記ユーザ機器UEは、
無線状態が呼断を回避するためHO実行を必要とした場合すぐにそれを行うための手段
を含む。
【0103】
一実施形態では、前記ユーザ機器UEは、
ネットワークによって通知される遅延情報に従いHO実行を遅らせるための手段
を含む。
【0104】
一実施形態では、通知される遅延情報を含む少なくとも1つのメッセージは、HOコマンドを伴うメッセージに対応する。
【0105】
一実施形態では、遅延情報を通知することは、遅延パラメータを通知すること、その後に必要な場合に、即時HO実行を命令するコマンドを通知することを含む。
【0106】
一実施形態では、即時HO実行を命令するコマンドを通知することは、値ゼロの遅延パラメータを通知することを含む。
【0107】
一実施形態では、前記ユーザ機器UEは、
遅延パラメータを受信すると、前記遅延パラメータの値を使用してタイマーを設定し、次いで以下の事象、すなわち、
・タイマーが終了する
・無線状態が呼断を回避するため直ちにHO実行を行うことを必要とする
のうち1つが最初に生じるまで、HO実行を開始するタイミングを待つための手段
を含む。
【0108】
一実施形態では、前記ユーザ機器UEは、
UEが即時HO実行を命令するコマンドを受信した場合に、直ちにHO実行を行うための手段
を含む。
【0109】
一実施形態では、前記ユーザ機器UEは、
遅延パラメータを受信すると、前記遅延パラメータの値を使用してタイマーを設定し、次いで以下の事象、すなわち、
・タイマーが終了する
・無線状態が呼断を回避するため直ちにHO実行を行うことを必要とする
・即時HO実行を命令するコマンドがUEによって受信される
のうち1つが最初に生じるまで、ハンドオーバ実行を開始するタイミングを待つための手段
を含む。
【0110】
一実施形態では、前記ユーザ機器UEは、
ネットワークによって通知されるハンドオーバ実行に関する遅延情報を考慮する能力をネットワークに通知するための手段
を含む。
【0111】
上述の手段の詳細な実施態様は、当業者に何らかの特別な問題を提起するものではなく、したがって、かかる手段は、当業者向けにその機能によって上記よりも完全に開示される必要はない。
【0112】
当業者は、上記の各種方法のステップがプログラムされたコンピュータによって実施できることを容易に理解しよう。本明細書では、いくつかの実施形態はさらに、プログラム記憶デバイス、例えばデジタル・データ記憶媒体を対象とすることを意図しており、かかるデバイスは、機械またはコンピュータ可読であり、機械実行可能またはコンピュータ実行可能な命令のプログラムを符号化し、前記命令は、上記方法のステップの一部または全部を実行する。プログラム記憶デバイスは、例えば、デジタル・メモリ、磁気ディスクや磁気テープのような磁気記憶媒体、ハード・ドライブ、または光学的に可読なデジタル・データ記憶媒体であってよい。実施形態はまた、上記方法の前記ステップを実行するようにプログラムされたコンピュータを対象とすることを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器UEに関するハンドオーバHO実行手続きおよび音声呼継続性VCC手続きを含む単一無線音声呼継続性SRVCC移動性におけるフロー中断の低減の方法であって、
HO実行手続きおよびVCC手続きを調整するため、前記UEにおいてHO実行を遅らせるステップを含む方法。
【請求項2】
前記UEによるHOコマンドの受信後に、前記UEにおいてHO実行を遅らせるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記調整に関与するネットワーク・エンティティが、前記VCC手続きの開始と並行してHOコマンドを送信することをトリガするステップを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
無線状態が呼断を回避するためHO実行を必要とした場合すぐに前記UEがそれを行うステップを含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記UEがネットワークによって通知される遅延情報に従いHO実行を遅らせるステップを含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
通知に関与する少なくとも1つのネットワーク・エンティティが、前記UE向けの遅延情報を含む少なくとも1つのメッセージを送信するステップを含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
通知に関与するネットワーク・エンティティが、前記ネットワーク・エンティティによって送信されるメッセージに前記遅延情報を加えるステップを含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
通知に関与するネットワーク・エンティティが、遅延情報を含むメッセージを受信し、前記ネットワーク・エンティティによって送信されるメッセージにおいて前記遅延情報を中継するステップを含む、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
通知される遅延情報を含む少なくとも1つのメッセージは、HOコマンド伴うメッセージに対応する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
遅延情報を通知することは、遅延パラメータを通知すること、その後に必要な場合に、即時HO実行を命令するコマンドを通知することを含む、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
即時HO実行を命令するコマンドを通知することは、値ゼロの遅延パラメータを通知することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記調整に関与するネットワーク・エンティティが、前記UEに遅延情報を通知することをトリガするステップを含む、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記調整に関与するネットワーク・エンティティが、HOコマンドとともに遅延パラメータを通知することをトリガするステップを含む、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記調整に関与するネットワーク・エンティティが、リモート・エンドとの間の経路が更新されたときに、即時HO実行を命令するコマンドを通知することをトリガするステップを含む、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記調整に関与するネットワーク・エンティティが、通知される遅延パラメータの値を決定するステップを含む、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記調整に関与するネットワーク・エンティティが、ネットワーク状態に従って、通知される遅延パラメータの値を決定するステップを含む、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記UEが遅延パラメータを受信すると、前記遅延パラメータの値を使用してタイマーを設定し、次いで以下の事象、すなわち、
前記タイマーが終了する
無線状態が呼断を回避するため直ちにHO実行を行うことを必要とする
のうち1つが最初に生じるまで、HO実行を開始するタイミングを待つステップを含む、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記UEが即時HO実行を命令するコマンドを受信した場合に、前記UEが直ちにHO実行を行うステップを含む、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記UEが遅延パラメータを受信すると、前記遅延パラメータの値を使用してタイマーを設定し、次いで以下の事象、すなわち、
前記タイマーが終了する
無線状態が呼断を回避するため直ちにHO実行を行うことを必要とする
即時HO実行を命令するコマンドが前記UEによって受信される
のうち1つが最初に生じるまで、ハンドオーバ実行を開始するタイミングを待つステップを含む、請求項1乃至18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
ユーザ機器UEが、ネットワークによって通知されるハンドオーバ実行に関する遅延情報を考慮する能力をネットワークに通知するステップを含む、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
E−UTRANに対応するソース無線アクセス・ネットワークRANから、GERANまたはUTRANに対応するターゲットRANへのSRVCCの場合に、
MSCサーバからMMEへSv基準点を介して送信される、UE向けのHOコマンドを伴うSRVCC PS to CS応答メッセージに、MSCサーバが遅延パラメータを加えるステップを含む、請求項1乃至20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
E−UTRANに対応するソース無線アクセス・ネットワークRANから、GERANまたはUTRANに対応するターゲットRANへのSRVCCの場合に、
移動性管理エンティティMMEが、遅延パラメータを付帯したUE向けのHOコマンドを伴うメッセージを受信し、MMEからENBへS1−AP基準点を介して送信される、前記HOコマンドを伴うハンドオーバ・コマンド・メッセージにおいて前記遅延パラメータを中継するステップを含む、請求項1乃至21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
E−UTRANに対応するソース無線アクセス・ネットワークRANから、GERANまたはUTRANに対応するターゲットRANへのSRVCCの場合に、
発展型ノードB ENBが、遅延パラメータを付帯したUE向けのHOコマンドを伴うメッセージを受信し、前記ENBと前記ユーザ機器UEとの間のエア・インターフェースを介して送信される、前記HOコマンドを伴うHand−Over From E−UTRANコマンド・メッセージにおいて前記遅延パラメータを中継するステップを含む、請求項1乃至22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
UTRANに対応するソース無線アクセス・ネットワークRANから、GERANまたはUTRANに対応するターゲットRANへのSRVCCの場合に、
MSCサーバからSGSNへSv基準点を介して送信される、UE向けのHOコマンドを伴うSRVCC PS to CS応答メッセージに、MSCサーバが遅延パラメータを加えるステップを含む、請求項1乃至23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
UTRANに対応するソース無線アクセス・ネットワークRANから、GERANまたはUTRANに対応するターゲットRANへのSRVCCの場合に、
サービングGPRSサポート・ノードSGSNが、遅延パラメータを付帯したUE向けのHOコマンドを伴うメッセージを受信し、SGSNからUTRANヘIu−PS基準点を介して送信される前記HOコマンドを伴うSRNS再配置コマンド・メッセージにおいて前記遅延パラメータを中継するステップを含む、請求項1乃至24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
UTRANに対応するソース無線アクセス・ネットワークRANから、GERANまたはUTRANに対応するターゲットRANへのSRVCCの場合に、
ノードBが、遅延パラメータを付帯したUE向けのHOコマンドを伴うメッセージを受信し、前記ノードBと前記ユーザ機器UEとの間のエア・インターフェースを介して送信される、前記HOコマンドを伴うHand−Over From UTRANコマンド・メッセージにおいて前記遅延パラメータを中継するステップを含む、請求項1乃至25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
請求項1乃至26のいずれか1項に記載の単一無線音声呼継続性SRVCC移動性におけるフロー中断の低減の方法を実行するための手段を含むネットワーク・エンティティ。
【請求項28】
請求項1乃至26のいずれか1項に記載の単一無線音声呼継続性SRVCC移動性におけるフロー中断の低減の方法を実行するための手段を含むユーザ機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−525033(P2012−525033A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506428(P2012−506428)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/054190
【国際公開番号】WO2010/121890
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】