説明

SZスロット型ケーブル及びその製造方法

【課題】ケーブルの外被上からSZスロットのSZ形状を識別できるようにして確実に反転部の中心で外被を剥ぎ取るようにする。
【解決手段】SZスロット型ケーブル1は、SZスロット7の外周に備えたSZ形状のスロット溝5に線材9を収容し、前記SZスロット7の外周に押え巻き部材13を卷回し、この押え巻き部材13の外周に押出成形で外被15を被覆されている。また、前記外被15の引き落し率を180〜280%で押出成形を行うことにより、前記外被15を径方向に収縮せしめて前記スロット溝5の部分でSZスロット7の同心円より内部へ凹ませて前記外被15の表面にSZ形状の縞模様を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光ファイバケーブル又はメタルケーブルなどのSZスロット型ケーブル及びその製造方法に関し、特に中間後分岐時の光ファイバ又はメタル心線を取り出す際のたるみ量(余長)をより多く確保することにより、中間後分岐作業性を向上せしめたSZスロット型ケーブル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、光アクセス系に用いられる光ファイバケーブルは、面的に広がる光アクセスネットワーク利用者に対応するため、中間後分岐が可能なSZスロット構造が広く採用されている。
【0003】
図8を参照するに、従来、SZスロット型光ファイバケーブル101(以下、単に「光ケーブル」という)としては、ほぼ中心部に抗張力体しての例えばテンションメンバ103を備えると共に外周面にSZ撚り形状にスロット溝105を形成したSZスロット107が用いられ、SZスロット107のスロット溝105内に複数本の光ファイバ109(例えば、光ファイバ心線で、この例では4本ずつ)が収容されている。SZスロット107の外周上には押え巻き層としての押え巻きテープ111および外被113が順次形成されている。
【0004】
上記のSZ撚りとは、図9に示されているように、長さ方向にS撚りとZ撚りを交互に繰り返す方法であり、S撚りとZ撚りの変わり目を反転部115といい、反転部115と反転部115との距離Pを反転ピッチという。
【特許文献1】特開2004−29120号公報
【特許文献2】特開2000−47077号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の光ケーブル101においては、中間後分岐作業は、図9に示されているように光ケーブル101の中間で分岐に必要な長さだけ外被113が剥ぎ取られ、そこから光ファイバ109が取り出されて、他の光ケーブル(例えば、光ファイバドロップケーブルなど)に接続される。
【0006】
このとき、光ファイバ109を取り出し後の接続作業の観点からすると、光ファイバたるみ量(余長)は10〜20mm以上を確保できることを目標としている。
【0007】
なお、外被剥ぎ取り長さは光ケーブル接続箱によって決まっており、通常500mm〜700mmで行われる。
【0008】
光ファイバたるみ量(余長)は、外被113を剥ぎ取った領域での光ファイバ長に依存している。すなわち、SZスロット107の構造パラメータとして層心半径、反転ピッチ、反転角度に依存するものである。例えば、層心半径が大きいほど、反転ピッチが短いほど、又は反転角度が大きいほど、外被113を剥ぎ取った領域での光ファイバ長が長くなるので、光ファイバたるみ量(余長)が大きくなる。
【0009】
一方、光ケーブル101の布設作業性の観点からすると、光ケーブル101の外径がより細い方が有利であるので、層心半径を大きくすることは最適な解決策とはいえない。また、光ファイバ109の歪みを考慮すると、最適な反転角度が存在するので、この反転角度を最適値よりも大きくすることは光ケーブル101の伝送特性を悪化させることになる。また、反転ピッチを短くすることは、光ケーブル101の伝送特性もしくは光ファイバ109の歪みを悪化させることにつながるので、光ファイバたるみ量(余長)とトレードオフの関係にある。
【0010】
したがって、光ケーブル101の特性と光ファイバたるみ量(余長)の両立は難しく、これを実現させるために光ケーブル101の細径化には限界があるという問題点があった。
【0011】
より詳しく説明すると、上記の問題点は、光ケーブル101の任意の場所において、ある程度の光ファイバたるみ量(余長)として例えば10〜20mm以上を確保するという設計であるために発生する。
【0012】
例えば、外被剥ぎ取り長をLとし、反転ピッチをPとし、
L=2nP・・・・・・・・・・・(1)
ただし、n=1,2,3………
を考慮する。
【0013】
上記の(1)式を満たす場合は、外被113の剥ぎ取り領域の両端でSZスロット107の撚り位相がほぼ一致するため、光ケーブル101の長手方向の任意の場所から同一の光ファイバたるみ量(余長)が得られる。例えば、図9ではn=1の場合を示している。
【0014】
一方、(1)式を満たさない場合は、外被113を剥ぎ取る場所によって、すなわち、外被113の剥ぎ取り位相のずれ量によって光ファイバたるみ量(余長)が変化することになる。
【0015】
図10を参照するに、このグラフは、外被113の剥ぎ取り長が500mm、層心半径が3.5mm、SZスロット107の外径が17mmであるときのSZスロット107の反転ピッチと光ファイバたるみ量(余長)との関係を示すものである。
【0016】
このグラフに示されているように、光ファイバたるみ量(余長)は、外被113の剥ぎ取りが反転部115の中心O−O’線で行なわれる場合に最大となり、回転部中心で行なう場合に最小となる。例えば、反転ピッチPが300mmのとき、外被113の剥ぎ取りが反転部中心で行なわれる場合は光ファイバたるみ量が16mmであるが、回転部中心で行なわれる場合は光ファイバたるみ量が8mmとなる。
【0017】
また、反転ピッチPが250mmのときは、外被113の剥ぎ取り長が500mmであるので、上記の(1)式を満たしているために、外被113の剥ぎ取りが回転部中心で行なわれても18mmの光ファイバたるみ量が確保される。つまり、光ケーブル101の任意の場所において外被113の剥ぎ取りが行われても、18mm以上の光ファイバたるみ量を確保できる。
【0018】
しかし、上記の(1)式を満たしていない場合、反転ピッチPが300mmのとき、外被113の剥ぎ取りが回転部中心で行なわれる場合は光ファイバたるみ量が8mmであるので所望のたるみ量を得ることができない。さらに、反転ピッチPが400mm、450mm、500mmのとき、外被113の剥ぎ取りが回転部中心で行なわれる場合はいずれも光ファイバたるみ量が0mmとなる。
【0019】
以上のことから、通常、SZスロット107を設計する際には、外被113の剥ぎ取り長が大きくできないなどの理由で上記の(1)式を満たさない構造パラメータの場合は、回転部中心での光ファイバたるみ量(余長)が要求項目を満たすように行われる必要がある。例えば、図10のグラフでは、反転ピッチPが250〜300mmの間で外被113の剥ぎ取りが回転部中心で行なわれる場合の光ファイバたるみ量が10mm以上になる反転ピッチとなるように設計するので設計条件が難しくなる。
【0020】
この発明は上述の課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
この発明のSZスロット型ケーブルは、外周にSZ形状のスロット溝を備えたSZスロットと、前記スロット溝に収容した線材と、前記SZスロットの外周に卷回した押え巻き部材と、この押え巻き部材の外周に押出成形で被覆した外被と、を備えてなるSZスロット型ケーブルにおいて、
前記外被の押出成形時の引き落し率を180〜280%で構成し、
前記外被の表面に、前記外被を前記スロット溝の部分でSZスロットの同心円より内部へ凹ませて形成したSZ形状の縞模様を設けてなることを特徴とするものである。
【0022】
この発明のSZスロット型ケーブルは、外周にSZ形状のスロット溝を備えたSZスロットと、前記スロット溝に収容した線材と、前記SZスロットの外周に卷回した押え巻き部材と、この押え巻き部材の外周に押出成形で被覆した外被と、を備えてなるSZスロット型ケーブルにおいて、
前記外被の押出成形時の引き落し率を180〜280%で構成すると共に外被平均厚を0.8〜2.0mmで構成し、
前記外被の表面に、前記外被を前記スロット溝の部分でSZスロットの同心円より内部へ凹ませて形成したSZ形状の縞模様を設けてなることを特徴とするものである。
【0023】
この発明のSZスロット型ケーブルは、外周にSZ形状のスロット溝を備えたSZスロットと、前記スロット溝に収容した線材と、前記SZスロットの外周に卷回した押え巻き部材と、この押え巻き部材の外周に押出成形で被覆した外被と、を備えてなるSZスロット型ケーブルにおいて、
前記押え巻き部材を0.3mm以下の厚みの1枚のテープで縦添えの押え巻きで構成すると共に外被厚を2.0mm以下に構成し、
前記外被の表面に、前記外被を前記スロット溝の部分でSZスロットの同心円より内部へ凹ませて形成したSZ形状の縞模様を設けてなることを特徴とするものである。
【0024】
この発明のSZスロット型ケーブルは、外周にSZ形状のスロット溝を備えたSZスロットと、前記スロット溝に収容した線材と、前記SZスロットの外周に卷回した押え巻き部材と、この押え巻き部材の外周に押出成形で被覆した外被と、を備えてなるSZスロット型ケーブルにおいて、
前記押え巻き部材を0.3mm以下の厚みの1枚のテープで重なり幅を前記テープ幅の1/4以下とした横巻きの押え巻きで構成すると共に外被厚を2.0mm以下に構成し、
前記外被の表面に、前記外被を前記スロット溝の部分でSZスロットの同心円より内部へ凹ませて形成したSZ形状の縞模様を設けてなることを特徴とするものである。
【0025】
この発明のSZスロット型ケーブルは、外周にSZ形状のスロット溝を備えたSZスロットと、前記スロット溝に収容した線材と、前記SZスロットの外周に卷回した押え巻き部材と、この押え巻き部材の外周に押出成形で被覆した外被と、を備えてなるSZスロット型ケーブルにおいて、
前記外被の押出成形時の引き落し率を180〜280%で構成すると共に外被平均厚を0.8〜2.0mmで構成し、且つ前記押え巻き部材を0.3mm以下の厚みの1枚のテープで縦添えの押え巻きで構成し、
前記外被の表面に、前記外被を前記スロット溝の部分でSZスロットの同心円より内部へ凹ませて形成したSZ形状の縞模様を設けてなることを特徴とするものである。
【0026】
この発明のSZスロット型ケーブルは、外周にSZ形状のスロット溝を備えたSZスロットと、前記スロット溝に収容した線材と、前記SZスロットの外周に卷回した押え巻き部材と、この押え巻き部材の外周に押出成形で被覆した外被と、を備えてなるSZスロット型ケーブルにおいて、
前記外被の押出成形時の引き落し率を180〜280%で構成すると共に外被平均厚を0.8〜2.0mmで構成し、且つ押え巻き部材を0.3mm以下の厚みの1枚のテープで重なり幅を前記テープ幅の1/4以下とした横巻きの押え巻きで構成し、
前記外被の表面に、前記外被を前記スロット溝の部分でSZスロットの同心円より内部へ凹ませて形成したSZ形状の縞模様を設けてなることを特徴とするものである。
【0027】
また、この発明のSZスロット型ケーブルは、前記SZスロット型ケーブルにおいて、前記スロット溝の反転部中心で外被を除去して得られる線材のたるみ量と、前記スロット溝の回転部中心で外被を除去して得られる線材のたるみ量と、の差を5mm以上となるように構成することが好ましい。
【0028】
この発明のSZスロット型ケーブルの製造方法は、SZスロットの外周に備えたSZ形状のスロット溝に線材を収容し、前記SZスロットの外周に押え巻き部材を卷回し、この押え巻き部材の外周に押出成形で外被を被覆するSZスロット型ケーブルの製造方法において、
前記外被の引き落し率を180〜280%で押出成形を行うことにより、前記外被を径方向に収縮せしめて前記スロット溝の部分でSZスロットの同心円より内部へ凹ませて前記外被の表面にSZ形状の縞模様を形成することを特徴とするものである。
【0029】
この発明のSZスロット型ケーブルの製造方法は、SZスロットの外周に備えたSZ形状のスロット溝に線材を収容し、前記SZスロットの外周に押え巻き部材を卷回し、この押え巻き部材の外周に押出成形で外被を被覆するSZスロット型ケーブルの製造方法において、
前記外被の引き落し率を180〜280%で押出成形を行うと共に外被平均厚を0.8〜2.0mmに形成することにより、前記外被を径方向に収縮せしめて前記スロット溝の部分でSZスロットの同心円より内部へ凹ませて前記外被の表面にSZ形状の縞模様を形成することを特徴とするものである。
【0030】
この発明のSZスロット型ケーブルの製造方法は、SZスロットの外周に備えたSZ形状のスロット溝に線材を収容し、前記SZスロットの外周に押え巻き部材を卷回し、この押え巻き部材の外周に押出成形で外被を被覆するSZスロット型ケーブルの製造方法において、
前記押え巻き部材を0.3mm以下の厚みの1枚のテープで縦添えに押え巻きすると共に外被厚を2.0mm以下に形成することにより、前記外被を径方向に収縮せしめて前記スロット溝の部分でSZスロットの同心円より内部へ凹ませて前記外被の表面にSZ形状の縞模様を形成することを特徴とするものである。
【0031】
この発明のSZスロット型ケーブルの製造方法は、SZスロットの外周に備えたSZ形状のスロット溝に線材を収容し、前記SZスロットの外周に押え巻き部材を卷回し、この押え巻き部材の外周に押出成形で外被を被覆するSZスロット型ケーブルの製造方法において、
押え巻き部材を0.3mm以下の厚みの1枚のテープで重なり幅を前記テープ幅の1/4以下とした横巻きに押え巻きすると共に外被厚を2.0mm以下に形成することにより、前記外被を径方向に収縮せしめて前記スロット溝の部分でSZスロットの同心円より内部へ凹ませて前記外被の表面にSZ形状の縞模様を形成することを特徴とするものである。
【0032】
この発明のSZスロット型ケーブルの製造方法は、SZスロットの外周に備えたSZ形状のスロット溝に線材を収容し、前記SZスロットの外周に押え巻き部材を卷回し、この押え巻き部材の外周に押出成形で外被を被覆するSZスロット型ケーブルの製造方法において、
前記外被の引き落し率を180〜280%で押出成形を行うと共に外被平均厚を0.8〜2.0mmに形成し、前記押え巻き部材を0.3mm以下の厚みの1枚のテープで縦添えに押え巻きすることにより、前記外被を径方向に収縮せしめて前記スロット溝の部分でSZスロットの同心円より内部へ凹ませて前記外被の表面にSZ形状の縞模様を形成することを特徴とするものである。
【0033】
この発明のSZスロット型ケーブルの製造方法は、SZスロットの外周に備えたSZ形状のスロット溝に線材を収容し、前記SZスロットの外周に押え巻き部材を卷回し、この押え巻き部材の外周に押出成形で外被を被覆するSZスロット型ケーブルの製造方法において、
前記外被の引き落し率を180〜280%で押出成形を行うと共に外被平均厚を0.8〜2.0mmに形成し、前記押え巻き部材を0.3mm以下の厚みの1枚のテープで重なり幅を前記テープ幅の1/4以下とした横巻きに押え巻きすることにより、前記外被を径方向に収縮せしめて前記スロット溝の部分でSZスロットの同心円より内部へ凹ませて前記外被の表面にSZ形状の縞模様を形成することを特徴とするものである。
【0034】
また、この発明のSZスロット型ケーブルの製造方法は、前記SZスロット型ケーブルの製造方法において、前記スロット溝の反転部中心で外被を除去して得られる線材のたるみ量と、前記スロット溝の回転部中心で外被を除去して得られる線材のたるみ量と、の差が、5mm以上であることが好ましい。
【発明の効果】
【0035】
以上のごとき課題を解決するための手段から理解されるように、この発明によれば、ケーブルの外被上からSZスロットのスロット溝のSZ形状を識別できるために、確実に反転部の中心で外被を剥ぎ取ることができるので、要求される線材のたるみ量(余長)を得るための設計を容易に行うことができる。光ファイバたるみ量(余長)を確保しつつ、反転ピッチを長くすることによって、光ケーブルの伝送特性も確保された光ケーブルの細径化を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0037】
この実施の形態に係るSZスロット型ケーブルとしてはSZスロット型光ファイバケーブル又はSZスロット型メタルケーブルなどがあり、いずれにも適用される。この実施の形態ではSZスロット型光ファイバケーブル(以下、単に「光ケーブル」という)について説明する。なお、各ケーブルのSZスロット内に収容される線材としては、SZスロット型光ファイバケーブルでは光ファイバであり、SZスロット型メタルケーブルではメタル心線である。
【0038】
図1を参照するに、光ケーブル1としては、ほぼ中心部に抗張力体しての例えばテンションメンバ3を備えると共に外周面にSZ撚り形状にスロット溝5を形成したSZスロット7が用いられる。前記SZスロット7のスロット溝5内には線材としての例えば複数本の光ファイバ9(例えば、光ファイバ心線で、この実施の形態では4本ずつ)が収容されてケーブルコア11を構成している。また、前記SZスロット7の外周上には押え巻き部材としての例えば押え巻きテープ13が卷回されており、押え巻きテープ13の外周には外被15が押出成形で被覆されている。
【0039】
上記のSZ撚りとは、図2に示されているように長さ方向にS撚りとZ撚りを交互に反転を繰り返す方法及び形状であり、S撚りとZ撚りの変わり目(反転する部分)を反転部17といい、その他の部分を回転部19という。反転部17から次の反転部17までの距離を反転ピッチという。
【0040】
中間後分岐作業としては、すでに敷設されている光ケーブル1の中間部分に、後日、新たに分岐箇所を設けて配線する必要が生じた時に、分岐に必要な長さだけ光ケーブル1の外被15を剥くことにより、スロット溝5の中に収容されている光ファイバ9を取り出して他の光ケーブル(例えば、光ファイバドロップケーブルなど)に接続される。
【0041】
従来の問題点は、光ケーブル1の任意の場所において、ある程度の光ファイバたるみ量(余長)、例えば10〜20mm以上を確保するという設計であるために発生するので、この実施の形態ではケーブル内部のSZスロット7のスロット溝5のSZ形状を光ケーブル1の外被15の表面上に反映させることにより、スロット溝5の反転部17の位置が外観で容易に判明できるようにすることにある。
【0042】
つまり、図2に示されているように前記反転部17の位置O−O’線を中心として外被15を剥くことにより、少ない外被15の除去長さでも十分な光ファイバたるみ量(余長)をもった光ファイバ9を取り出すことを可能とし、中間後分岐作業性を向上することにある。
【0043】
この発明の実施の形態では、外被15の外観からスロット溝5の反転部17の位置を容易に確認できるか否かを調べるために、外被15の引き落し率と外被厚とテープ巻方式との3つのパラメータを取って実験した。
【0044】
図3を参照するに、外被15の被覆は、通常、押出成形機21の押出ヘッド23に備えたダイス25により、ケーブルコア11の外周に卷回した押え巻きテープ13の外周に外被15となる溶融したシース樹脂27を押出成形することによって行われる。シース樹脂27はパイプ押出成形(引き落とした押出成形)でゆっくりしたスピードで押し出され、ケーブルコア11に接触したシース樹脂27が押出し後の冷却過程でラインスピードと同じ速度で引き出される。上記の押出成形の過程で外被15が光ケーブル1の径方向に収縮するために、図2に示されているようにスロット溝5のSZ形状が外被15の外観に縞模様29として現れる。
【0045】
このとき、SZスロット7の反転部17の識別可否は、外被15の引き落し率(%)と外被厚(mm)に依存する。
【0046】
図4及び図5を併せて参照するに、上記の引き落し率(%)について説明すると、押出成形時の外被15の断面積をS、冷却後の外被15の断面積をS、押出成形時の外被15の外径をId、押出成形時の外被15の内径をDn、冷却後の外被15の外径をD、冷却後の外被15の内径をdとすると、
引き落し率(%)=S/S
={[(Id−Dn)π/4]/[(D−d)π/4]}×100……(2)
となる。
【0047】
外被15の引き落し率については、前記引き落し率が大きいほど、押出成形時とその後に光ケーブル1を冷却した後の外被15の収縮範囲が大きくなる。すなわち、外被15の縮まり方が大きいほど、同心円構造が崩れるスロット溝5の部分で、外被15が押え巻きテープ13を介して円より内部へ凹むことにより、外被15の表面にスロット溝5のSZ形状が縞模様29として浮き出てくることになる。
【0048】
一方、引き落し率が小さいほど、光ケーブル1の外被15からの反転部17の識別が困難になる。すなわち、引き落し率が小さい場合は、小さい同心円で押出された外被15が、若干縮小して冷却されるために元の同心円状の形となるので、スロット溝5のSZ形状が外被15の表面に現れないことになる。
【0049】
さらに、引き落し率の依存性について、引き落し率が異なる6種類の光ケーブル1のサンプル番号(1−1)〜(1−6)を用いて実験したところ、表1のような結果が得られた。このときの外被厚はすべて2.0mmとした。
【0050】
また、サンプルの光ケーブル1は外径が9mmφで、スロット溝5の数が5つで、反転ピッチが200mmのSZスロット7が用いられている。なお、押え巻きテープ13は厚さが0.3mmで1枚を用いてSZスロット7の外周に卷回している。外被15はパイプ押出成形で、光ケーブル1の完成後の外被平均厚を示している。
【0051】
また、外被の外観にて反転部17の識別が良好の場合は○で、良好とは言えないが識別可能な場合は△で、識別不可能な場合は×で示した。
【表1】

【0052】
表1から分かるように、引き落し率が200%以上のときに外被の外観にて反転部17の識別が良好である。なお、引き落し率が180%のときでも反転部17の識別が良好とは言えなくても識別できる。
【0053】
また、外被厚については、外被厚が薄いほど、スロット溝5のSZ形状が外被15上に浮き出易いことは自明のことである。
【0054】
さらに、外被厚の依存性について、外被厚が異なる7種類の光ケーブル1のサンプル番号(2−1)〜(2−7)を用いて実験したところ、表2のような結果が得られた。このときの引き落し率はすべて200%とした。なお、サンプルの光ケーブル1の寸法構造は前述した表1のときとほぼ同様である。また、外被の外観にて反転部17の識別が良好の場合は○で、良好とは言えないが識別可能な場合は△で、識別不可能な場合は×で示した。
【表2】

【0055】
表2から分かるように、外被厚が2.5mm以下のときに外被の外観にて反転部17の識別が良好である。
【0056】
以上のことから、この実施の形態では、引き落し率が180〜300%、好ましくは180〜280%とし、光ケーブル1の完成状態での外被平均厚を0.8〜2.5mm、好ましくは他のテープ巻きとの関連で0.8〜2.0mmとすることにより、光ケーブル1としての良好な適用範囲とすることができ、外被15の外観のSZ形状の識別が容易となる。
【0057】
図6(A),(B)ないしは図7を参照するに、テープ巻き方式について説明すると、縦添え方式の方が横巻き方式より外被15の外観にスロット溝5のSZ形状が反映される。つまり、一般的に縦添えの方が横巻き方式よりラップ幅t(重なり幅)が少ないことと、スロット溝5に押え巻きテープ13が落ち込み易いことから、スロット溝5の形状が外被15に浮き出る。
【0058】
一方、横巻き方式の場合は、押え巻きテープ13のラップ幅t(重なり幅)が少ない方が、外被15の外観にスロット溝5のSZ形状が反映される。
【0059】
より詳しく説明すると、スロット溝5のSZ形状が外被15の外観に出現し易くするには、テープ巻きの形状も考慮する必要がある。通常、スロット溝5内の空間を確保するために、光ファイバ9をスロット溝5内に収納したSZスロット7の外周に押え巻きテープ13が巻かれる。押え巻きテープ13は不織布、吸水テープなどである。
【0060】
図6(A),(B)に示されているようにテープ巻き方式を縦添えとすることで、ある程度、押え巻きテープ13をスロット溝5内に落とし込ませることができるので、この上に外被15を施すことにより外被15の外観から反転部17の位置を識別することが可能となる。なお、この実施の形態ではラップ幅tはテープ幅Tの1/8程度である。また、図6(B)ではケーブルコア11の詳細が図示省略となっている。
【0061】
さらに、図7に示されているようにテープ巻き方式が横巻きの場合は、押え巻きテープ13のラップ幅t(重なり幅)がテープ幅Tの1/4以下とされることで、目的の機能を得ることができる。例えば、押え巻きテープ13を2枚以上巻くと、外被15の外観からSZスロット7のスロット溝5のSZ形状の識別が困難になってくる。また、1枚巻きであっても押え巻きテープ13のラップ幅t(重なり幅)を大きくすると、実質的に2枚巻きと同じになるために、スロット溝5のSZ形状が外被15の外観に現れないので反転部17の識別が困難になる。しかし、ラップ幅tをテープ幅Tの1/4以下とすることにより、スロット溝5のSZ形状が外被15の外観に現れてくるので反転部17の識別が可能となる。
【0062】
さらに、テープ巻き方式の依存性について、テープ巻き方式が異なる14種類の光ケーブル1のサンプル番号(3−1)〜(3−14)を用いて実験したところ、表3のような結果が得られた。このときの引き落し率はすべて200%とした。また、押え巻きテープ13はテープ厚が0.3mm以下の不織布(もしくは吸水テープ)を用いた。なお、サンプルの光ケーブル1の寸法構造は前述した表1のときとほぼ同様である。また、外被15の外観にて反転部17の識別が良好の場合は○で、良好とは言えないが識別可能な場合は△で、識別不可能な場合は×で示した。
【表3】

【0063】
表3から分かるように、テープ厚が0.3mm以下の押え巻きテープ13を1枚縦添えするか、あるいは押え巻きテープ13のラップ幅t(重なり幅)がテープ幅Tの1/4以下であるように横巻きすることにより、SZスロット7のスロット溝5のSZ形状が外被15の外観に現れ、光ケーブル1の外被15の外観からスロット溝5の反転部17の位置の識別が可能であることが分かる。
【0064】
以上のことから、パイプ押出成形による引き落し率が180〜280%で、外被厚が2.0mm以下で外被15を施すので、SZスロット7のSZ形状を外被15の外観から確認できるために、反転部17の中心で中間後分岐を行なうことができる。
【0065】
また、SZスロット7の外周に巻くテープ巻き方式が縦添えである場合は、押え巻きテープ13がスロット溝5内に多少落ち込むので、SZスロット7のSZ形状を外被15の外観から確認できるために、反転部17の中心で中間後分岐を行なうことができる。
【0066】
また、SZスロット7の外周に巻くテープ巻き方式が横巻きである場合は、ラップ幅t(重なり幅)がテープ幅Tの1/4以下とすることにより、SZスロット7のSZ形状を外被15の外観から確認できるために、反転部17の中心で中間後分岐を行なうことができる。
【0067】
したがって、光ケーブル1の外被15上からSZスロット7のスロット溝5の反転部17を識別することが可能であるために、図2に示されているように確実に反転部17の中心O−O’線で左右に振り分けてA−A’線とB−B’線との間の外被15を剥ぎ取ることができる。この反転部分に光ファイバたるみ量(余長)が含まれているので、少ない外被除去で要求される光ファイバたるみ量(余長)を得るための設計を行うことが容易となる。その結果、光ファイバたるみ量(余長)を確保しつつ、SZスロット7の反転ピッチを長くすることによって光ケーブル1の伝送特性も確保された光ケーブル1の細径化が可能となる。
【0068】
なお、この発明は前述した実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことによりその他の態様で実施し得るものである。線材としての例えばメタル心線をSZスロットのスロット溝内に収容したメタルケーブルにおいても同様である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】この発明の実施の形態のSZスロット型光ケーブルの断面図である。
【図2】図1の外被から外観したSZ形状の縞模様の概略的な説明図である。
【図3】この発明の実施の形態のSZスロット型光ケーブルの押出成形の概略的な説明図である。
【図4】図3の矢視IV−IV線の断面図である。
【図5】図3の矢視V−V線の断面図である。
【図6】(A)は、縦添えでテープ巻きしたSZスロット型光ケーブルの概略的な説明図で、(B)は、(A)の矢視VI−VI線の断面図である。
【図7】横巻きでテープ巻きしたSZスロット型光ケーブルの概略的な説明図である。
【図8】従来のSZスロット型光ケーブルの断面図である。
【図9】従来のSZスロット型光ケーブルから中間後分岐したときの状態説明図である。
【図10】従来のSZスロット型光ケーブルにおいて、反転部中心及び回転部中心で外被を除去して中間後分岐したときのSZスロットの反転ピッチと光ファイバたるみ量(余長)との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0070】
1 SZスロット型光ファイバケーブル(SZスロット型ケーブル)
3 テンションメンバ(抗張力体)
5 スロット溝
7 SZスロット
9 光ファイバ(線材)
11 ケーブルコア
13 押え巻きテープ(押え巻き部材)
15 外被
17 反転部
19 回転部
21 押出成形機
23 押出ヘッド
25 ダイス
27 シース樹脂(外被用の)
29 SZ形状の縞模様

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周にSZ形状のスロット溝を備えたSZスロットと、前記スロット溝に収容した線材と、前記SZスロットの外周に卷回した押え巻き部材と、この押え巻き部材の外周に押出成形で被覆した外被と、を備えてなるSZスロット型ケーブルにおいて、
前記外被の押出成形時の引き落し率を180〜280%で構成し、
前記外被の表面に、前記外被を前記スロット溝の部分でSZスロットの同心円より内部へ凹ませて形成したSZ形状の縞模様を設けてなることを特徴とするSZスロット型ケーブル。
【請求項2】
外周にSZ形状のスロット溝を備えたSZスロットと、前記スロット溝に収容した線材と、前記SZスロットの外周に卷回した押え巻き部材と、この押え巻き部材の外周に押出成形で被覆した外被と、を備えてなるSZスロット型ケーブルにおいて、
前記外被の押出成形時の引き落し率を180〜280%で構成すると共に外被平均厚を0.8〜2.0mmで構成し、
前記外被の表面に、前記外被を前記スロット溝の部分でSZスロットの同心円より内部へ凹ませて形成したSZ形状の縞模様を設けてなることを特徴とするSZスロット型ケーブル。
【請求項3】
外周にSZ形状のスロット溝を備えたSZスロットと、前記スロット溝に収容した線材と、前記SZスロットの外周に卷回した押え巻き部材と、この押え巻き部材の外周に押出成形で被覆した外被と、を備えてなるSZスロット型ケーブルにおいて、
前記押え巻き部材を0.3mm以下の厚みの1枚のテープで縦添えの押え巻きで構成すると共に外被厚を2.0mm以下に構成し、
前記外被の表面に、前記外被を前記スロット溝の部分でSZスロットの同心円より内部へ凹ませて形成したSZ形状の縞模様を設けてなることを特徴とするSZスロット型ケーブル。
【請求項4】
外周にSZ形状のスロット溝を備えたSZスロットと、前記スロット溝に収容した線材と、前記SZスロットの外周に卷回した押え巻き部材と、この押え巻き部材の外周に押出成形で被覆した外被と、を備えてなるSZスロット型ケーブルにおいて、
前記押え巻き部材を0.3mm以下の厚みの1枚のテープで重なり幅を前記テープ幅の1/4以下とした横巻きの押え巻きで構成すると共に外被厚を2.0mm以下に構成し、
前記外被の表面に、前記外被を前記スロット溝の部分でSZスロットの同心円より内部へ凹ませて形成したSZ形状の縞模様を設けてなることを特徴とするSZスロット型ケーブル。
【請求項5】
外周にSZ形状のスロット溝を備えたSZスロットと、前記スロット溝に収容した線材と、前記SZスロットの外周に卷回した押え巻き部材と、この押え巻き部材の外周に押出成形で被覆した外被と、を備えてなるSZスロット型ケーブルにおいて、
前記外被の押出成形時の引き落し率を180〜280%で構成すると共に外被平均厚を0.8〜2.0mmで構成し、且つ前記押え巻き部材を0.3mm以下の厚みの1枚のテープで縦添えの押え巻きで構成し、
前記外被の表面に、前記外被を前記スロット溝の部分でSZスロットの同心円より内部へ凹ませて形成したSZ形状の縞模様を設けてなることを特徴とするSZスロット型ケーブル。
【請求項6】
外周にSZ形状のスロット溝を備えたSZスロットと、前記スロット溝に収容した線材と、前記SZスロットの外周に卷回した押え巻き部材と、この押え巻き部材の外周に押出成形で被覆した外被と、を備えてなるSZスロット型ケーブルにおいて、
前記外被の押出成形時の引き落し率を180〜280%で構成すると共に外被平均厚を0.8〜2.0mmで構成し、且つ押え巻き部材を0.3mm以下の厚みの1枚のテープで重なり幅を前記テープ幅の1/4以下とした横巻きの押え巻きで構成し、
前記外被の表面に、前記外被を前記スロット溝の部分でSZスロットの同心円より内部へ凹ませて形成したSZ形状の縞模様を設けてなることを特徴とするSZスロット型ケーブル。
【請求項7】
前記スロット溝の反転部中心で外被を除去して得られる線材のたるみ量と、前記スロット溝の回転部中心で外被を除去して得られる線材のたるみ量と、の差を5mm以上となるように構成したことを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれかに記載のSZスロット型ケーブル。
【請求項8】
SZスロットの外周に備えたSZ形状のスロット溝に線材を収容し、前記SZスロットの外周に押え巻き部材を卷回し、この押え巻き部材の外周に押出成形で外被を被覆するSZスロット型ケーブルの製造方法において、
前記外被の引き落し率を180〜280%で押出成形を行うことにより、前記外被を径方向に収縮せしめて前記スロット溝の部分でSZスロットの同心円より内部へ凹ませて前記外被の表面にSZ形状の縞模様を形成することを特徴とするSZスロット型ケーブルの製造方法。
【請求項9】
SZスロットの外周に備えたSZ形状のスロット溝に線材を収容し、前記SZスロットの外周に押え巻き部材を卷回し、この押え巻き部材の外周に押出成形で外被を被覆するSZスロット型ケーブルの製造方法において、
前記外被の引き落し率を180〜280%で押出成形を行うと共に外被平均厚を0.8〜2.0mmに形成することにより、前記外被を径方向に収縮せしめて前記スロット溝の部分でSZスロットの同心円より内部へ凹ませて前記外被の表面にSZ形状の縞模様を形成することを特徴とするSZスロット型ケーブルの製造方法。
【請求項10】
SZスロットの外周に備えたSZ形状のスロット溝に線材を収容し、前記SZスロットの外周に押え巻き部材を卷回し、この押え巻き部材の外周に押出成形で外被を被覆するSZスロット型ケーブルの製造方法において、
前記押え巻き部材を0.3mm以下の厚みの1枚のテープで縦添えに押え巻きすると共に外被厚を2.0mm以下に形成することにより、前記外被を径方向に収縮せしめて前記スロット溝の部分でSZスロットの同心円より内部へ凹ませて前記外被の表面にSZ形状の縞模様を形成することを特徴とするSZスロット型ケーブルの製造方法。
【請求項11】
SZスロットの外周に備えたSZ形状のスロット溝に線材を収容し、前記SZスロットの外周に押え巻き部材を卷回し、この押え巻き部材の外周に押出成形で外被を被覆するSZスロット型ケーブルの製造方法において、
押え巻き部材を0.3mm以下の厚みの1枚のテープで重なり幅を前記テープ幅の1/4以下とした横巻きに押え巻きすると共に外被厚を2.0mm以下に形成することにより、前記外被を径方向に収縮せしめて前記スロット溝の部分でSZスロットの同心円より内部へ凹ませて前記外被の表面にSZ形状の縞模様を形成することを特徴とするSZスロット型ケーブルの製造方法。
【請求項12】
SZスロットの外周に備えたSZ形状のスロット溝に線材を収容し、前記SZスロットの外周に押え巻き部材を卷回し、この押え巻き部材の外周に押出成形で外被を被覆するSZスロット型ケーブルの製造方法において、
前記外被の引き落し率を180〜280%で押出成形を行うと共に外被平均厚を0.8〜2.0mmに形成し、前記押え巻き部材を0.3mm以下の厚みの1枚のテープで縦添えに押え巻きすることにより、前記外被を径方向に収縮せしめて前記スロット溝の部分でSZスロットの同心円より内部へ凹ませて前記外被の表面にSZ形状の縞模様を形成することを特徴とするSZスロット型ケーブルの製造方法。
【請求項13】
SZスロットの外周に備えたSZ形状のスロット溝に線材を収容し、前記SZスロットの外周に押え巻き部材を卷回し、この押え巻き部材の外周に押出成形で外被を被覆するSZスロット型ケーブルの製造方法において、
前記外被の引き落し率を180〜280%で押出成形を行うと共に外被平均厚を0.8〜2.0mmに形成し、前記押え巻き部材を0.3mm以下の厚みの1枚のテープで重なり幅を前記テープ幅の1/4以下とした横巻きに押え巻きすることにより、前記外被を径方向に収縮せしめて前記スロット溝の部分でSZスロットの同心円より内部へ凹ませて前記外被の表面にSZ形状の縞模様を形成することを特徴とするSZスロット型ケーブルの製造方法。
【請求項14】
前記スロット溝の反転部中心で外被を除去して得られる線材のたるみ量と、前記スロット溝の回転部中心で外被を除去して得られる線材のたるみ量と、の差が、5mm以上であることを特徴とする請求項8〜13のうちのいずれかに記載のSZスロット型ケーブルの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−17997(P2006−17997A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−195543(P2004−195543)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】