説明

SiOC−結合、直鎖状ポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロックコポリマーの製造方法およびその使用

【課題】SiOC−結合、直鎖状ポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロックコポリマーの製造方法およびその使用を提供する。
【解決手段】本発明の対象は、化学量論的に過剰のα,ω−二水素−ポリジメチルシロキサンおよび触媒として少なくとも1つの四級アミンによる1つもしくは複数のポリエーテルジオールの変換による反復(AB)単位のSiOC−結合、直鎖状ポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロックコポリマーの製造方法であり、これは、少量の水の存在下にアルコール成分の変換が完全に行われた後、≡Si(H)基がガス定量的に検出できなくなるまで反応が行われることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その末端において平均1個以上のシロキサン基を含有する反復(AB)単位を有するSiOC−結合、直鎖状ポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロックコポリマーの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタン軟質フォームの製造に際しては、原料の混合物にはポリシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロック混合ポリマーが添加されるが、これらは様々な機能があり、とりわけ均一の孔構造の形成を可能にし、かつ反応が終了するまで形成されるフォームを安定化する。しかし、すべてのポリシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロック混合ポリマーが同様に適しているわけではない。ポリウレタンフォーム安定剤として使用可能であるために、ポリオキシアルキレンブロックおよびブロック混合ポリマーのポリシロキサンブロックはバランスのとれた比で存在する必要があり、ここで両方のブロックの構造もきわめて重要である。この場合、できるだけ有効なフォーム安定剤の構造のために、ポリオキシ−アルキレンブロックおよびポリシロキサンブロックに対する多数の変数が存在する。
【0003】
ポリオキシアルキレンブロックは、さまざまなオキシアルキレン単位、主にオキシエチレン、オキシプロピレン、およびオキシブチレン単位により構成されうる。この場合、これらの単位の互いに対する重量比、そのシーケンス、およびポリオキシアルキレンブロックのモル重量は変動しうる。ポリオキシアルキレンブロックの末端基も重要であり、これはポリウレタン形成に関して反応性(例えば、OH基)または不活性(例えば、アルコキシ基)でありうる。ポリオキシアルキレン−ブロックは、加水分解的に安定したC−Si−結合または加水分解的にあまり安定でないC−O−Si−結合によってポリシロキサンブロックと結合されうる。この場合、さまざまな ポリオキシアルキレンブロックもポリシロキサンブロックに結合されうる。
【0004】
ポリシロキサンブロックはSi単位の種類および比率に関して変動しうる。シロキサンブロックは直鎖または分岐型であり、かつさまざまな分子量を有しうる。ポリオキシアルキレンブロックは、末端および/または側一定にポリシロキサンブロックに結合されうる。
【0005】
ポリシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロック混合ポリマーのフォーム安定剤としての有効性の予測は、ある程度示されうる。したがって、当業者は、変動の可能性をさらに実験的に試験する必要がある。ほとんど予測不可能な多数の変動可能性に照らし、ポリウレタン製造のために特に有効な特殊な構造パラメータおよび適切なブロック混合ポリマーの発見は、進歩性、および発明性を示す。
【0006】
平均の分子においてさまざまなポリオキシアルキレン残基を有するポリシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロック混合ポリマーが、すでに繰り返し記載されている。多数の対応する公報から代表的な次のステップを挙げることができる。
【0007】
(特許文献1)において、反復(AB)単位を有するSiOC−結合、直鎖状ポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロックコポリマーの製造方法が記載されている。この方法によれば、アミノシロキサン、ポリオキシアルキレンジオール、および溶媒からなる反応マトリックスには高温で少量の四級アミン、例えば、一連の芳香族アミン(ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、チノリン、イミダゾール等)、および/または一連の脂環式アミン基(チヌクリジン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等)、および本明細書では具体的には1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−ウンデス−7−エンが添加され、かつ一般的反応≡SiNH+HOC≡→≡SiOC≡+NHによる目的の分子量形成までアンモニアの放出により重縮合反応が行われる。
【0008】
ポリウレタンフォームの製造のためのこれらの化合物、その使用、およびその製造方法が、すでに(特許文献2)に記載されている。これによって、この文献の内容は、参考文献として導入され、本出願の開示内容の一部とみなされる。
【0009】
これらのポリエーテルシロキサンは、ポリウレタンフォーム材の製造に貴重な界面活性添加剤であり、具体的には、エーテルフォームまたは連続気泡の硬質フォームにおけるその気泡連続の作用が要求される。その工業的合成が不利であることは、塩量が負荷となるアルミ成分の製造および結合方法自体が高価であり、かつある程度、企業上の実践において簡単に扱えない問題のある化合物で作業する必要があることからわかる。
【0010】
【特許文献1】DE102005039931.2
【特許文献2】US−3836560
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の課題は、改善された特徴を有する(AB)−ブロックコポリマーで製造可能な簡単な経済的に有意義な方法を開発することであった。
【0012】
意外にもここで、開示された従来技術を逸脱して、化学量論的に過剰のα,ω−二水素−ポリジメチルシロキサンでポリエーテルジオールを触媒として少なくとも1つの四級アミンおよび少量の水の存在下で変換させると、新しい高分子の直鎖状SiOC−結合 ポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロックコポリマーへのアクセスが明らかになることが見出された。
【0013】
当業者には予測不可能に、このようにして、ポリウレタンフォーム(PUフォーム)、具体的にはPU軟質フォームの製造に際しての安定剤として飛躍的に優れた特徴を有する構造が維持される。
【0014】
したがって、本発明の対象が、化学量論的に過剰のα,ω−二水素−ポリジメチルシロキサンおよび触媒として少なくとも1つもしくは複数の四級アミンによるポリエーテルジオールの周知の方法に従った変換による反復(AB)単位のSiOC−結合、直鎖状ポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロックコポリマーの製造方法であって、これは、アルコール成分の変換が完全に行われた後、≡Si(H)基がガス定量的に検出できなくなるまで反応が行われることを特徴とする。
【0015】
本発明の別の対象が、四級アミンとして一連の芳香族アミン(ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、チノリン、イミダゾール等)、および/または一連の脂環式アミン基(チヌクリジン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等)から少なくとも1つの化合物が選択され、本明細書では、具体的には1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−ウンデス−7−エンおよび/またはピリミジンが使用されることによって特徴づけられる。
【0016】
本発明の別の対象が、本方法に従って製造されるSiOC−結合、直鎖状ポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロックコポリマーである。
【0017】
本発明の別の対象が、ポリウレタン−エーテルフォームの製造のための界面活性添加剤として本発明による方法に従って製造される化合物の使用である。
【0018】
本発明の別の対象が、特許請求の範囲によって特徴づけられている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
混合ポリマーのシロキサンブロックAは、主として、直鎖状シロキサンポリマーまたは反復するシロキサン単位を有する鎖であり、これらは実験式(−RSiO−)によって表示されうる。
【0020】
直鎖状ブロック混合ポリマーのポリオキシアルキレンブロック(B)は、反復するオキシアルキレン単位(−C(2n−m)O−)を含有するオキシアルキレンポリマーである。
【0021】
各々のシロキサンブロック(A)の中程度の分子量は、約650〜6500g/モル、好ましくは、800〜1500g/モル、特に好ましくは、約1000〜1200g/モルである。
【0022】
本発明により製造される混合ポリマーの各々のポリオキシアルキレンブロックの中程度の分子量は、およそ600〜10,000g/モル、好ましくは、1,000〜5,000g/モルである。
【0023】
個々のオキシアルキレン単位またはシロキサンブロックの大きさは必ずしも均一ではなく、上記の範囲内で任意に変動しうる。
【0024】
個々のポリオキシアルキレン単位は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、およびブチレンオキシドの群から、好ましくは、少なくとも2つのモノマー単位、具体的にはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドによる混合生成物から選択される少なくとも1つのオキシレンアルキレンモノマーからなる付加生成物である。
【0025】
ポリオキシアルキレンブロックは、実質的に、オキシエチレン単位またはオキシプロピレン単位からなり、好ましくは、ブロックにおけるオキシアルキレン単位の総含有量に対して約30〜70重量%のオキシエチレン比率および70〜30重量%のオキシプロピレン比率の混合オキシエチレン単位およびオキシプロピレン単位である。
【0026】
総シロキサンブロック比率はコポリマーにおいて20〜50重量%、好ましくは、25〜40重量%であり、ポリオキシアルキレンブロックの比率は80〜50重量%であり、かつブロックポリマーは、少なくとも20,000g/モル〜約160,000g/モル、好ましくは、25,000g/モル〜約100,000g/モル、特に30,000g/モル〜約60,000g/モル、特に35,000g/モル〜約50,000g/モルの中程度の数値の分子量Mnを有する。中程度のモル量の測定はGPC分析の周知の方法に基づく。
【0027】
本発明に有効な触媒は、一連の芳香族アミン(ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、チノリン、イミダゾール等)、および/または一連の脂環式アミン基(チヌクリジン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等)、および本明書において具体的には1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−ウンデス−7−エンの群から選択される1つもしくは複数のアミンである。本発明による好ましい触媒の組合せは、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−ウンデス−7−エン(DBU)およびピリミジンからなる。この場合、使用は最初から組合せとして行われうる、または例えばDBUとの反応はOH基の完全な変換まで行われ、さらに水およびピリミンジンとの反応がSiH基の完全な変換まで行われる。
【0028】
触媒/触媒の組合せは通常、上記水素シロキサンおよびポリエーテルに対して約0.01〜約3.0、好ましくは、0.10〜2.30重量%の量で使用される。
【0029】
α,ω−水素シロキサンのポリエーテルジオールとのモル比は、1.00〜2.00、好ましくは、1.25〜1.65、特に1.35〜1.55の範囲である。
【0030】
共に使用される水の量は、好ましくは、本発明により要求されるコポリマーの形成に使用されるα,ω−二水素ポリジメチルシロキサンの過剰の半当量に対応する。それを逸脱した量が使用されうるが、これらは、反応混合物において遊離Si−H基または自由水が残存するため目的の最終生成物に対する利点を提供しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明による方法は、一般に、一般式(II)
【化1】

[式中、
Rは、互いに独立して、一価C−〜C18−、好ましくは、C−〜C−炭化水素残基、具体的にはメチル残基であり、
bは、8〜80、好ましくは、10〜50、特に好ましくは、10〜25である。]のポリオルガノシロキサンを含有する−Si(H)単位を、
一般式(III)
HO−(C(2n−m)O−)−H (III)
[式中、
は、互いに独立して、C〜Cアルキル残基、好ましくは、メチルおよびエチル残基であり、
nは、2〜4であり、
mは、0または1であり、
xは、1〜200、好ましくは、10〜200、特に35〜60の値である。]を有するポリエーテルジオールの群から選択される少なくとも1つのアルコールで変換することによって実施され、ここで、
オキシアルキレンエーテル残基内のオキシアルキレン部分−(C(2n−m)O−)は、互いに異なりうるとともに、個々の部分(C(2n−m)O−)の順序は任意でありうるが、具体的には、ブロックポリマー、ランダムポリマー、およびその組合せを包含する。
【0032】
本発明によれば、ポリエーテルジオールがそのエチレンオキシド(EO)およびプロピレンオキシド(PO)においてコポリマーとして存在することが好ましい。特に好ましくは、ブロック状の構造を有し、オキシアルキレン単位の総含有量に対して約30〜70重量%のEO率を含有するEO/PO−コポリマーである。
【0033】
本発明による方法に従って製造される化合物の分析値は、開示された従来技術を逸脱して、シロキサンを有するドメイン(X、Y)をその末端に有する反復(AB)単位を有する高分子の直鎖状SiOC−結合ポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロックコポリマーへのアクセスが明らかになるという仮定に矛盾していない。
【0034】
当業者には予測不可能に、このようにして、シロキサンを有するドメイン(X、Y)をその末端に有するX−(AB)−Y構造が維持される。
【0035】
したがって、本発明の別の対象が、式(I)
H(RSiO)[(RSiO)(C(2n−m)O)(RSiO)H (I)
[式中、置換基および指数は次の意味を有する
Rは、互いに独立して一価C−〜C18、好ましくは、C−〜C−炭化水素残基、具体的にはメチル残基であり、
は、独立してメチル残基またはエチル残基であり、
a、eは、互いに独立して、合計(a+b)が1より大きいという条件で、ランダム平均で1以上、好ましくは、5以上、特に7以上であり、
bは、8〜80、好ましくは、10〜50、特に好ましくは、10〜25であり、
cは、10以上、好ましくは、20以上、特に40以上であり、
dは、3以上かつ10以下、好ましくは、5以上かつ8以下であり、
mは、0または1であり、
nは、2〜4、好ましくは、2または3の数字である。]のSiOC−結合、直鎖状(AB)−ポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロックコポリマーである。
【0036】
Rが−CHであるシロキサンブロックX(−RSiO)およびY(−RSiO−)の中程度の分子量は、74〜518g/モル、特に148〜3000g/モル、好ましくは、300〜2000g/モル、および特に500〜1200g/モルである。
【0037】
本発明による化合物の末端におけるジメチルシロキサンブロックの存在の特に繊細で説得力のある評価が、得られたコポリマーをポリウレタン形成におけるフォーム安定剤として、具体的にはエーテルフォームまたはオープンセル硬質フォームの製造のためのポリウレタン形成におけるフォーム安定剤として得られるコポリマーが導入される応用技術試験により可能となる。フォーム安定剤における末端シロキサニルドメイン(X、Y)の欠陥内容は、技術的に不適切な挙動、例えば、収縮もしくは崩壊での膨張に際して認識される。
【実施例】
【0038】
製造例:
本発明による方法に従って請求されるSiOC−結合、直鎖状ポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロックコポリマーの製造は、選択的に適切な溶剤の使用の有無によって行われうる。高分子とともにそれに伴う高粘度のSiOC結合コポリマーを得る場合、その製造は、合成中および合成後のその優れた扱いやすさのために適切にそれぞれのα,ω−水素シロキサンによるそれぞれのポリエーテルジオールの変換によって適切な溶剤において行われうる。適切な溶媒は、とりわけアルカン、シクロアルカン、アルキル芳香族であり、ここで具体的には120℃を超える沸点を有する高沸点溶剤が好ましい。
【0039】
場合により1つの溶剤を含む、少なくとも1つのポリエーテルジオールおよび1つもしくは複数のα,ω−水素シロキサンからなる反応パートナーは、原則として、高温において緊密な混合下に共に提供され、かつ十分な量の本発明による触媒の添加によって変換されうるか、連続的に反応も供給されうる。これとともに、具体的には、ポリエーテルジオールまたはポリエーテルジオールの混合が高温での高沸点溶媒において最初に少量の本発明により使用される触媒で衝突され、次いで十分な混合下で計量制御してα,ω−水素シロキサンまたは1つもしくは複数のα,ω−水素シロキサンの混合物で衝突される操作が好ましい。本発明により請求されるコポリマーのガス放出下に行われる製造は、このようにして良好に調節および制御される。個々の成分は、最終生成物の構造の制御のために連続的に添加されうる。
【0040】
α,ω−水素シロキサンのポリエーテルジオールとのモル比は1.00〜3.00、好ましくは、1.0〜2.5、特に1.25〜1.70の範囲である。
【0041】
触媒は通常、上記水素シロキサンおよびポリエーテルに対して約0.01〜3.0、好ましくは、0.10〜2.3重量%の量で使用される。
【0042】
本発明によるコポリマーの製造のための反応温度は、110℃〜160℃、好ましくは、120℃〜145℃である。
【0043】
例えば水性付加物または大気湿度による反応混合物への水の早期浸入は、本発明による方法において大幅に回避される。反応が起こるが、反応生成物は、上昇する水分とともに、ポリウレタンフォームの製造に際して添加剤としてのその目的の好ましい特徴に対して悪影響を受けることが見出された。
【0044】
製造例1(比較例)
KPGスターラー、内部温度計、および排気管を有する還流冷却器を備えた500mlの四首フラスコに2,800g/モルの中程度のモル重量、および約1:1のエチレンオキシド/プロピレンオキシド比のポリオキシアルキレンジオール55.0gを約280〜320℃の沸点範囲を有する直鎖状アルキルベンゾール77.5gとともに、かつ使用されるポリエーテルに対して化学量論比(OH基:≡SiH基=1:1)でα,ω−水素シロキサン(中程度の鎖長N=15)22.5gを提供する。次いで、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−ウンデス−7−エン0.1gを添加する。135℃で4時間後、ガス定量的SiH変換が定量的になる。
【0045】
実施例2(発明)
KPGスターラー、内部温度計、および排気管を有する還流冷却器を備えた500mlの四首フラスコに2,800g/モルの中程度のモル重量、および約1:1のエチレンオキシド/プロピレンオキシド比のポリオキシアルキレンジオール55.0gを約280〜320℃の沸点範囲を有する直鎖状アルキルベンゾール91.0gとともに、かつ使用されるポリエーテルに対して60%過剰でα,ω−水素シロキサン(中程度の鎖長N=15)36.0gを提供する。次いで、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−ウンデス−7−エン0.1gを添加する。135℃で8.5時間後、ガス定量的SiH変換は63%である。総バッチに対して0.06%のHOの添加によって変換は完了される。
【0046】
実施例3(発明)
KPGスターラー、内部温度計、および排気管を有する還流冷却器を備えた500mlの四首フラスコに2,800g/モルの中程度のモル重量、および約1:1のエチレンオキシド/プロピレンオキシド比のポリオキシアルキレンジオール55.0gを約280〜320℃の沸点範囲を有する直鎖状アルキルベンゾール88.2gとともに、かつ使用されるポリエーテルに対して50%過剰でα,ω−水素シロキサン(中程度の鎖長N=15)33.2gを提供する。次いで、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−ウンデス−7−エン0.67gを添加する。135℃で3時間後、ガス定量的SiH変換は84%である。総バッチに対して0.34gのピリミジンおよび0.03%のHOの添加によって内部の変換は90分以内に完了される。
【0047】
本発明による方法に従って得られたポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロックコポリマーのフォーム安定剤としての検査:
応用技術試験は、次のように構成されるエーテルフォームの典型的な形成に役立つ。
【0048】
【表1】

【0049】
被験フォーム安定剤の適合検査の実施:
2−エチルヘキサン酸スズ(II)、3つのポリオール、水、および3つのアミン触媒を紙コップに入れ、60秒間、1,000U/分で回転スターターにより混合する。次いで、イソシアン酸塩を添加し、同じスターターにより7秒間、1,500U/分で組込む。その際にコップ内の混合物はフォーム形成し始める。したがって、これを攪拌の終了直後に膨張箱へ注ぐ。これは17×17cmの表面積および30cmの高さを有する。外側へPUフォームによる厚さ5cmの断熱材が急速すぎる冷却を阻止する。内側には、硬化フォームをその後取出うることができるように、プラスチックフォイルを有する箱が配置される。フォームは膨張箱に注いだ後に上昇する。理想的な場合、フォームは最大の上昇限度に到達後に吹き飛び、次いでわずかに再び低下する。この場合、フォーム気泡の気泡膜が開放し、フォーム材の連続気泡構造が維持される。安定化作用が少なすぎる場合、PUフォームは最大の上昇限度に到達前に崩壊する。安定化が強すぎる場合、フォームはきわめて長く上昇し、吹き飛ばない。次いできわめて独立気泡構造によれば、フォームは冷却ガスの体積収縮によってその後の冷却時に収縮する。
【0050】
上記の実施例の反応生成物の膨張の結果:
実施例2(発明)における観察:
フォームは上昇し、約2分後に吹き飛び、その後の冷却時には変化しない。その後の検査では10セル/cmのセル数および70mmの気孔が測定される(動圧測定、同等圧を生じる水柱の高さを測定)。これは十分微細かつ連続気泡構造を具体的に示す(独立気泡フォームとされるのは約300mm水柱から)。このフォームは所望のエーテルフォームの特徴を有する。実施例2のフォーム安定剤はこのフォーム型の製造に適している。
【0051】
実施例3(発明)における観察:
フォームは上昇し、約2分後に吹き飛び、その後の冷却時には変化しない。その後の検査では10セル/cmのセル数および70mmの気孔が測定される。これは十分微細かつ連続気泡構造を具体的に示す。このフォームは所望のエーテルフォームの特徴を有する。実施例3のフォーム安定剤はこのフォーム型の製造に適している。
【0052】
実施例1(本発明によらない)における観察:
フォームは上昇し、吹き飛ばない。その代わりに、フォームは長く(3分以上)上昇する。その後の冷却時にフォームは強く収縮する。物理的特徴の測定を収縮に基づき行うことはできない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学量論的に過剰のα,ω−二水素−ポリジメチルシロキサンおよび触媒として少なくとも1つの四級アミンによる1つもしくは複数のポリエーテルジオールの変換による反復(AB)単位のSiOC−結合、直鎖状ポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロックコポリマーの製造方法において、少量の水の存在下にアルコール成分の変換が完全に行われた後、≡Si(H)基がガス定量的に検出できなくなるまで反応が行われることを特徴とする方法。
【請求項2】
一般式(II)
【化1】

[式中、
Rは、互いに独立して、一価C−〜C18−、好ましくは、C−〜C−炭化水素残基であり、
bは、8〜80である。]のポリオルガノシロキサンを含有する≡Si(H)単位の、
一般式(III)
HO−(C(2n−m)O−)−H (III)
[式中、
は、互いに独立して、C〜Cアルキル残基であり、
nは、2〜4であり、
mは、0または1であり、
xは、1〜200の値を有する。]を有するポリエーテルジオールの群から選択される少なくとも1つのアルコールによる変換であって、
ここで、
オキシアルキレンエーテル残基内のオキシアルキレン部分−(C(2n−m)O−)は、互いに異なりうるとともに、個々の部分(−C(2n−m)O−)の順序は任意でありうるが、具体的には、ブロックポリマー、ランダムポリマー、およびその組合せを包含する変換による、請求項1に記載の反復(AB)単位を有するSiOC−結合、直鎖状ポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロックコポリマーの製造方法。
【請求項3】
触媒として一連の芳香族から選択される少なくとも1つの四級アミンが使用されることを特徴とする請求項1に記載のSiOC−結合、直鎖状[AB]−ポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロックコポリマーの製造方法。
【請求項4】
触媒として一連の脂環式アミン基(チヌクリジン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等)、および具体的には1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−ウンデス−7−エンから選択される少なくとも1つの四級アミンが使用されることを特徴とする請求項1に記載のSiOC−結合、直鎖状(AB)−ポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロックコポリマーの製造方法。
【請求項5】
触媒として、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、チノリン、イミダゾール、チヌクリジン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、および1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−ウンデス−7−エンの群から選択される少なくとも1つの四級アミンが使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
Rが−CHである各々のシロキサンブロック(A)(−RSiO)の中程度の分子量が650〜6000g/モルであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のSiOC−結合、直鎖状ポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロックコポリマーの製造方法。
【請求項7】
前記ポリオキシアルキレンブロック(B)(−C(2n−l)O)が、ブロックにおけるオキシアルキレン単位の総含有量に対して約30〜70重量%のオキシエチレン率および70〜30重量%オキシプロピレン率を有する混合オキシエチレンおよびオキシプロピレン単位を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のSiOC−結合、直鎖状ポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロックコポリマーの製造方法。
【請求項8】
各々のポリオキシアルキレンブロック(B)(−C(2n−l)O)の中程度の分子量が、およそ600〜10,000g/モルであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のSiOC−結合、直鎖状ポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロックコポリマーの製造方法。
【請求項9】
総コポリマーにおけるシロキサンンブロックの率が20〜50重量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のSiOC−結合、直鎖状ポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロックコポリマーの製造方法。
【請求項10】
前記ブロックコポリマーが、10,000g/モル〜約1600,000g/モルの中程度の分子量を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のSiOC−結合、直鎖状ポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロックコポリマーの製造方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法に従って製造されるSiOC−結合、直鎖状ポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロックコポリマー。
【請求項12】
一般式(I)
H(RSiO)[(RSiO)(C(2n−m)O)(RSiO)H (I)
[式中、置換基および指数は次の意味を有する、
Rは、互いに独立して一価C−〜C18、好ましくは、C−〜C−炭化水素残基、具体的にはメチル残基であり、
は、独立してメチル残基またはエチル残基であり、
a、eは、互いに独立して、合計(a+b)が1より大きいという条件で、ランダム平均で1以上、好ましくは、5以上、特に7以上であり、
bは、8〜80、好ましくは、10〜50、特に好ましくは、10〜25であり、
cは、10以上、好ましくは、20以上、特に40以上であり、
dは、3以上かつ10以下、好ましくは、5以上かつ8以下であり、
mは、0または1であり、
nは、2〜4、好ましくは、2または3の数字である。]のSiOC−結合、直鎖状(AB)−ポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロックコポリマー。
【請求項13】
ポリウレタンフォームの製造のための界面活性添加剤として請求項1に記載の方法に従って製造されるSiOC−結合、直鎖状ポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロックコポリマーの使用。

【公開番号】特開2008−156638(P2008−156638A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−325004(P2007−325004)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【出願人】(507375465)エヴォニク ゴールドシュミット ゲーエムベーハー (100)
【Fターム(参考)】