説明

TABテープの梱包方法およびTABテープの梱包構造

【課題】小型化することができるTABテープの梱包方法、および、小型化したTABテープの梱包構造を提供する。
【解決手段】金属配線およびソルダーレジストからなる回路がテープ状の絶縁フィルムに繰り返し形成されてなるTABテープ120を、コアリール110に巻き付けて梱包するTABテープ120の梱包方法であって、コアリール110は、内周側に軸穴を有する円筒型の形状を有しており、コアリール110の外周面に、少なくともTABテープ120を巻き付ける第1のステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チップ部品が搭載される前の、配線パターンおよびソルダーレジストの形成が完了しているTABテープを、リールに巻き取った状態で保管や出荷・搬送するためのTABテープの梱包方法およびTABテープの梱包構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、フィルム実装型の半導体装置であるTAB(Tape Automated Bonding)テープやCOF(Chip on Film)テープなどは、リールに巻き取った状態とされることが多い。例えば、製造工程では、リールtoリール方式によって、配線パターンが形成されたTABテープに、半導体チップなどのチップ部品が搭載されている。また、リールに巻き取った状態で保管や搬送されている。
【0003】
図8は、従来において、リール501にTABテープ502が巻き取られた状態を示す図である。
【0004】
図8に示すように、TABテープ502は、エンボススペーサ503と重ね合わせられながら、リール501に巻き取られている。通常、1リールに、TABテープ502が1ロット巻き取られる(例えば、外形サイズφ405mmのリール501に、1ロット(40m)のTABテープ502と、52mのエンボススペーサ503とが巻き取られる。)。リール501は、両側のフランジの間で、TABテープ502およびエンボススペーサ503を巻き取るように構成されている。
【0005】
この構造によれば、エンボス加工されているエンボススペーサ503が緩衝材としての役割を果たすことにより、TABテープ502の配線パターンが形成された回路面を、リール501に巻き取られた状態であっても保護している。
【0006】
このようにリールに巻き取られたTABテープは、例えば、特許文献1に示すように、梱包用袋体に入れられ、密封された形態で、保管や搬送される。
【0007】
また、TABテープ用のリールは、種々の形状が提案されている。
【0008】
例えば、使用後のリールは回収され、洗浄工程を経て洗浄された後、リユースされる。そこで、特許文献2には、洗浄工程における洗浄および乾燥の効率を上げてリユース性を向上するために、従来密閉形状で洗浄液が溜まり易かったコア部を、骨組み形状にしたテープリールが記載されている。
【0009】
また、TABテープは、巻き取り状態時の変形を防止するために、ずれることなくリールに巻き付けることが必要である。そこで、特許文献3には、リールのフランジ部の外側面に装着される押え板を備えることにより、押え板の凸部がフランジ部の穴を挿通して内側面に突出するので、TABテープが挟まる間隔が実質的に狭まり、TABテープを整列して巻き取ることができるTABテープ用リールが記載されている。
【特許文献1】特開2004−90966号公報(平成16年3月25日公開)
【特許文献2】特開2004−75385号公報(平成16年3月11日公開)
【特許文献3】特開2005−93925号公報(平成17年4月7日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、近年では、TABテープ用のリールの小型化という要望が強くなっている。つまりは、近年のTABテープの長尺化の要望から、使用するリールのサイズが全体的に大型化している。大型リールは、必要な保管スペースの増大、床面積当たりの生産性の低下を引き起こし、出荷形態が大きく容積がかさむため、輸送コストの増大も発生させる。
【0011】
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載のリールでは、TABテープの長尺化はリールの大型化を招くのみで、リールの小型化を実施することはできないという問題点を有している。
【0012】
また、リールは、環境のためにはリユースすることが望ましいが、実際には、新品を作成するよりもリユースにかかるコストの方が高い。さらに、リールは、TABテープの巻きズレという不具合を防止するために、フランジの変形(反り)を防止する必要があるので、これを考慮した十分な条件の下で管理せねばならない。このため、リールにかかるコストが高いという問題もある。
【0013】
さらに、リールは、コストおよび成型作業性の面から、一般的に、ポリスチレン(PS)やアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)が主材料として使用されている。しかし、PSやABSは、硬く・もろく・削れ易いため、輸送時の振動などにより発塵し易い。このため、塵・異物がTABテープに付着して、チップ実装時のリーク不良などに繋がる場合がある。
【0014】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、小型化することができるTABテープの梱包方法、および、小型化したTABテープの梱包構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のTABテープの梱包方法は、上記課題を解決するために、金属配線およびソルダーレジストからなる回路がテープ状の絶縁フィルムに繰り返し形成されてなるTABテープを、リールに巻き付けて梱包するTABテープの梱包方法であって、上記リールは、内周側に軸穴を有する円筒型の形状を有しており、上記リールの外周面に、少なくとも上記TABテープを巻き付ける第1のステップを含むことを特徴としている。
【0016】
また、本発明のTABテープの梱包構造は、上記課題を解決するために、金属配線およびソルダーレジストからなる回路がテープ状の絶縁フィルムに繰り返し形成されてなるTABテープが、リールに巻き付けられて梱包されているTABテープの梱包構造であって、上記リールは、内周側に軸穴を有する円筒型の形状を有しており、上記リールの外周面に、少なくとも上記TABテープが巻き付けられていることを特徴としている。
【0017】
従来、TABテープ用のリールには、TABテープおよびエンボス付きスペーサテープを巻き付けた後の巻き幅よりも大きい幅を有するフランジが形成されている。このため、リールにより梱包サイズが決まっていた。
【0018】
これに対し、上記の各構成によれば、円筒型のリールの外周面に、TABテープと、必要に応じてスペーサテープなどを巻き付けるので、巻き付け後の梱包サイズがテープの巻き幅で決まる。よって、従来のフランジ付きリールを用いた梱包サイズに比べて、本発明のTABテープの梱包方法や梱包構造による梱包サイズは、フランジが無い分、小型化することが可能となる。
【0019】
また、本発明のTABテープの梱包方法は、上記TABテープを上記リールの外周面に巻き付ける際、0.5N以上かつ2N以下のテンションをかけながら内周側のTABテープに密着させるように巻き付けることが好ましい。
【0020】
また、本発明のTABテープの梱包構造は、上記リールの外周面に巻き付けられているTABテープは、内周側の隣り合うTABテープと密着していることが好ましい。
【0021】
上記の各構成によれば、リールの外周面には、TABテープのみが巻き付けられている。それゆえ、従来用いられているスペーサテープを使用しないので、さらに小型化することが可能になるとともに、材料コストを削減することが可能となる。
【0022】
さらに、上記の方法によれば、上記巻き付ける際、0.5N以上かつ2N以下のテンションをかけながら巻き付けることで、TABテープを不具合無く巻き付けることが可能となっている。
【0023】
また、本発明のTABテープの梱包方法は、上記リールとしては、ロックウエル硬さがM90以上、かつ、メルトフロート(g/10min)が7以上の材質を有しているものを用いることが好ましい。また、本発明のTABテープの梱包構造は、上記リールは、ロックウエル硬さがM90以上、かつ、メルトフロート(g/10min)が7以上の材質を有していることが好ましい。これにより、リールは、高硬度かつ高粘度の材質を有しているので、発塵を防止することが可能となる。
【0024】
また、本発明のTABテープの梱包方法および梱包構造は、上記リールの表面抵抗値は、1011Ω以内に設定されていることが好ましい。これにより、発塵してしまった異物がTABテープの金属配線に付着したとしても、リーク不良が発生することを防止することが可能となる。
【0025】
なお、TABテープのみがリールに巻き付けられさらに小型化されていることによって、本発明では、従来よりも多くのロットのTABテープを巻き付けることが可能となっている。それゆえ、本発明のTABテープの梱包方法は、上記TABテープは、1ロットが所定の長さで定められており、上記リールには、複数ロットの上記TABテープを巻き付けることが望ましい。また、本発明のTABテープの梱包構造は、上記TABテープは、1ロットが所定の長さで定められており、上記リールには、複数ロットの上記TABテープが巻き付けられていることが望ましい。
【0026】
また、本発明のTABテープの梱包方法および梱包構造は、上記複数ロットのTABテープ間は、片面にテープが貼られることにより接続されていることが好ましい。これにより、ロット交換の際、テープが剥がし易くなっているので作業性が良い。
【0027】
また、本発明のTABテープの梱包方法は、上記TABテープが巻き付けられたリールを、帯電防止袋に真空封止する第2のステップをさらに含むことが好ましい。また、本発明のTABテープの梱包構造は、上記TABテープが巻き付けられたリールは、帯電防止袋に真空封止されていることが好ましい。
【0028】
また、本発明のTABテープの梱包方法は、上記複数ロットのTABテープが巻き付けられたリールを、帯電防止袋に真空封止する第2のステップをさらに含むことが好ましい。また、本発明のTABテープの梱包構造は、上記複数ロットのTABテープが巻き付けられたリールは、帯電防止袋に真空封止されていることが好ましい。
【0029】
これらの各構成によれば、真空封止することで、TABテープを固定し、輸送時の揺れでずれることを抑制することが可能となる。また、TABテープに形成されている金属配線の酸化を抑制することが可能となる。
【0030】
さらに、上記金属配線の酸化の抑制を効果的に奏するためには、本発明のTABテープの梱包方法は、上記真空封止の際、帯電防止袋に窒素を封入することが望ましい。また、本発明のTABテープの梱包構造は、上記真空封止された帯電防止袋には、窒素が封入されていることが望ましい。
【0031】
ここで、帯電防止袋にシリカゲルを入れた場合は、乾燥しすぎてしまい、IL(インナーリード)の累積寸法が縮む。このため、帯電防止袋からTABテープを取り出し24h放置後、ILB(インナーリードボンディング)を実施する必要がある。それゆえ、TABテープのILの累積寸法の安定化およびILB作業の効率化を向上させるために、帯電防止袋にはシリカゲルを入れない。
【0032】
また、本発明のTABテープの梱包方法は、上記リールに巻き付けているTABテープのロットの順番が表記されたラベルを、上記帯電防止袋に貼る第3のステップをさらに含むことが好ましい。また、本発明のTABテープの梱包構造は、上記リールに巻き付けられているTABテープのロットの順番が表記されたラベルが、上記帯電防止袋に貼られていることが好ましい。これにより、梱包されているTABテープのロットの順番を素早く簡単に認識することが可能となる。
【0033】
なお、通常、ソルダーレジストは温度が上がるほど、粘着力が強くなる性質を有している。それゆえ、高温下で保管や出荷・搬送された場合、例えば、実装工程にて、リールに巻き付けられたTABテープを流す際、TABテープ同士がくっ付いて、スムーズに流れないことがある。
【0034】
よって、これを防止するために、本発明のTABテープの梱包方法および梱包構造は、上記ソルダーレジストと上記絶縁フィルムとのくっ付き力は、50℃の環境下で24時間保管後2N以下であることが望ましい。
【0035】
また、本発明のTABテープの梱包方法および梱包構造は、上記リールの直径は、70mm以上かつ105mm以下であることが好ましい。
【発明の効果】
【0036】
以上のように、本発明のTABテープの梱包方法は、リールは、内周側に軸穴を有する円筒型の形状を有しており、上記リールの外周面に、少なくとも、金属配線およびソルダーレジストからなる回路がテープ状の絶縁フィルムに繰り返し形成されてなるTABテープを巻き付ける第1のステップを含む方法である。
【0037】
また、本発明のTABテープの梱包構造は、リールは、内周側に軸穴を有する円筒型の形状を有しており、上記リールの外周面に、少なくとも、金属配線およびソルダーレジストからなる回路がテープ状の絶縁フィルムに繰り返し形成されてなるTABテープが巻き付けられている構成である。
【0038】
それゆえ、円筒型のリールの外周面に、TABテープと、必要に応じてスペーサテープなどを巻き付けるので、巻き付け後の梱包サイズがテープの巻き幅で決まる。したがって、従来のフランジ付きリールを用いた梱包サイズに比べて、本発明のTABテープの梱包方法や梱包構造による梱包サイズは、フランジが無い分、小型化することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0040】
図1は、コアリール110に、TABテープ120およびフラットスペーサ130が巻き付けられている状態を示す図である。
【0041】
本実施の形態では、TABテープ120をリール状に巻いた形態で、保管や出荷・搬送するためのTABテープ120の梱包方法および梱包構造の一実施例を示す。以下では、まず、コアリール110、TABテープ120、およびフラットスペーサ130の構成についてそれぞれ順番に説明し、その次に、TABテープ120の梱包方法について説明する。
【0042】
(コアリールの構成)
図2は、コアリール110の一構成例を示す斜視図である。
【0043】
コアリール110は、一般的なリールに設けられているフランジが無い、コア部分のみのリールである。コアリール110は、PSからなる絶縁物であり、PSにガラス繊維が練りこまれた樹脂が使用されている。これにより強度を向上させ、コアリール110は、硬度(ロックウエル硬さ:M90以上)かつ粘度(メルトフロート(g/10min):7以上)が高い材質であることが望ましい。これによって、発塵を抑制することが可能となる。
【0044】
但し、コアリール110は、帯電による異物対策として、表面に導電性が付与されていることが望ましい。この場合、発塵した異物の抵抗値は10Ω〜1010Ωで安定させる必要があることから、コアリール110の成型時、表面抵抗値が1011Ω以内、好ましくは10Ω〜1010Ωになるように、高分子材料で安定結合させた樹脂を練り込む。これにより、発塵してしまった異物がTABテープ120に付着することによって発生するリーク不良などを防止することが可能となる。
【0045】
例えば具体的に、コアリール110の材料としては、東レのトヨラックパレルが用いられる。トヨラックパレルは、ABS樹脂と制電性ポリマーとのアロイ材である。これに、ガラス繊維を練りこめばよい。
【0046】
コアリール110は、外観上では円筒型の形状を有しており、この外周面111にTABテープ120およびフラットスペーサ130が巻き付けられる。外周面111の幅は、TABテープ120に応じて決めればよい。コアリール110の直径は70mm〜105mmである。従来のフランジ付きリール501のコア部分の直径は、リール501の外形サイズがφ405mmのとき105mm〜127mmであるので、コアリール110は、チップがない生テープだけを巻き取る分、小型化が図られている。
【0047】
なお、コアリール110の直径が小さすぎると、巻き始めのTABテープ120に形成されている配線パターンへダメージを与える危険性があるので望ましくない。また、コアリール110の直径が大きすぎると、TABテープ120の巻き取り量が減少するため、生産性が悪化し好ましくない。
【0048】
コアリール110は、円筒型の中心軸上に、シャフトを抜き差しする軸穴112を有している。シャフトは、一般的には1インチシャフトが使用されているので、これに嵌合するような径で軸穴112は形成されている。なお、シャフトの形状は多岐にわたって存在しているので、1インチシャフトに限らず、ユーザ使用環境での個々のシャフト形状に対応するように、径は決めればよい。また、シャフトの外周面には、位置決めのリブが1箇所形成されており、軸穴112には、このシャフトのリブが挿入されるキー溝113が設けられている。
【0049】
また、コアリール110は、軸穴112が形成されている部分を保持するように設けられた複数のリブ114が形成されている。リブ114は、コアリール110の軸方向から見たとき十字型を構成するように形成されている。これにより、コアリール110は骨組み構造(中空構造)となっている。但し、これに限るものではなく、軸穴112にシャフトを取り付けて回転させたとき、上記部分を保持する強度を有するものであれば形状(構造)は図2に示す限りではなく、密閉した形状でもよい。また、コアリール110のその他の内周側の形状は、成型性が良い形状であれば特に限定されない。
【0050】
上記構成を有するコアリール110は、まず、コアリール110の材料となる樹脂チップを準備し、続いて、樹脂チップを金型に投入して溶かし一体成型することにより作製される。また、成型は、金型への樹脂供給を2箇所設け成型する2液成型でもよい。これにより、生産性を向上することが可能となる。なお、異なる2液により、発塵し易いシャフト受け部(1インチの嵌合部)のみ、発塵し難いポリアセタール(POM)などの樹脂を用いてもよい。POMは、摩擦係数が低く、耐摩耗性・成形性に優れ、発塵量の少ない材質を有している。
【0051】
コアリール110は、従来のフランジ付きリールと比較して、フランジがない分、小型化されている。それゆえ、フランジの形状を管理する必要もなく、樹脂の使用量を削減することが可能になるので、リールにかかるコストを低減することが可能となる。また、リユースする場合であっても、その作業にかかる負担も軽減されている。
【0052】
(TABテープの構成)
図3は、TABテープ120の一構成例を示す、(a)は上面図であり、(b)は(a)のA−A線断面拡大図である。
【0053】
TABテープ120は、長尺のテープ形状のフィルム121の一方の面側に、一般的な回路製造工程により形成された回路が、長尺方向に沿って連続的に(繰り返し)設けられた構成を有している。回路が形成されている部分は、最終的に、ICドライバなどの半導体装置となる。
【0054】
ここで、本実施の形態では、TABテープ120に形成されている回路は、チップ部品が搭載される前の、配線パターン122およびソルダーレジスト123の形成が完了しているものとする。
【0055】
フィルム121は、ポリイミドなどの有機樹脂材料からなる絶縁性のものである。フィルム121の厚みは、例えば、25μm〜100μmであり、幅は35〜300mmである。また、フィルム121の幅方向の両端には、スプロケットホールと呼ばれる搬送用の穴124が連続して形成されている。
【0056】
配線パターン122は、銅からなる導電性の薄膜形状のリードで形成されており、その表面には錫めっき(0.1〜0.5μmt)が施されている。リードは、その端部に、インナーリード、アウターリード、およびテストパッドなどが形成されている。ユーザが接合部分として使用するアウターリードおよび半導体チップを実装するインナーリード以外の配線は、絶縁性のソルダーレジスト123で被覆されている。
【0057】
なお、図3に示したTABテープ120はCOFであるので、フィルム121における半導体チップの搭載部分の開口部、および折り曲げ用のスリットなどは設けていないが、TABテープ120はCOFに限らず、TAB技術を用いた構造であればよく、例えばTCPなどでもよい。
【0058】
(フラットスペーサの構成)
フラットスペーサ130は、長尺のテープ形状のフィルムからなり、その両面がフラットとなっている。フラットスペーサ130の材料としては、好ましくは安定して成型可能なポリエチレンテレフタレート(PET)であるが、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルフォン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、またはポリエーテルスルフィンなどの樹脂であってもよい。
【0059】
フラットスペーサ130の厚みは50μm〜125μmであり、幅は設計に応じて種々の変更が可能であるが、TABテープ120の幅と略同じが好ましい。例えば、TABテープ120の幅が48mmの場合、フラットスペーサ130の幅は48±0.5mmが望ましい。
【0060】
(TABテープの梱包方法)
次に、TABテープ120を、フラットスペーサ130とともにコアリール110に巻き付けて、保管や出荷・搬送用の梱包形態にするまでの流れについて説明する。
【0061】
まず、コアリール110をシャフト(図示せず)に取り付ける。そして、コアリール110の外周面111に、重ね合わせたTABテープ120およびフラットスペーサ130を沿わせる(数回巻く)。このとき、TABテープ120の回路形成面とは反対側の面にフラットスペーサ130を重ね、TABテープ120の回路形成面が内側(軸側)となるように沿わせることが好ましい。これにより、巻き付けた後のTABテープ120を工程に流す際、回路面が上側を向くので、チップ部品の実装を効率良く行うことが可能となる。
【0062】
また、外周面111に沿わせるTABテープ120およびフラットスペーサ130の端は、テープ留めなどをしないことが好ましい。固定すると、工程に流すときに支障をきたすためである。
【0063】
そして、シャフトを回転してコアリール110を回転させ、TABテープ120およびフラットスペーサ130を、コアリール110に重ね合わせながら巻き取っていく。この巻き取っていく際、コアリール110にはフランジが無いため、TABテープ120の巻きズレを起こさないように、補強版で固定しながら巻き取る。
【0064】
このようにして巻き取られたTABテープ120の梱包サイズ(梱包構造)は、図8に示した従来のフランジ付きリール501およびエンボススペーサ503を用いた梱包サイズ(梱包構造)と比較して、フランジが無く、フラットスペーサ130を用いている分、小型化することが可能となっている。
【0065】
続く梱包過程について、図4を参照しながら説明する。図4は、TABテープ120の梱包過程を示す図である。
【0066】
図4(a)に示すTABテープ120が巻き付けられたコアリール110を、図4(b)に示すように、帯電防止袋160に入れる。帯電防止袋160は、アルミラミネートからなり、帯電防止と防湿とを両立することができるが、これに限らず、必要に応じて、帯電防止袋160の替わりに、アルミラミネートからなる防湿用の袋を用いることもできる。また、中身の確認をしたい場合は、帯電防止・防湿機能を併せ持った透明袋を用いてもよい。この場合、例えば、凸版印刷製GXフィルムが適している。
【0067】
そして、TABテープ120付きコアリール110を帯電防止袋160に入れた後、袋の内部を真空状態にしてから窒素を封入し、袋の入り口を熱圧着して密閉する。このように、真空封止することで、TABテープ120を固定し、輸送時の揺れでずれることを抑制している。また、配線パターン122の表面にめっきされている錫が酸化することも抑制している。なお、窒素を封入していることによって、上記錫の酸化の抑制がより効果的に行われている。
【0068】
ここで、帯電防止袋にシリカゲルを入れた場合は、乾燥しすぎてしまい、IL(インナーリード)の累積寸法が縮む。このため、帯電防止袋から製品を取り出し、24h放置後、ILB(インナーリードボンディング)を実施する必要がある。それゆえ、製品のILの累積寸法の安定化およびILB作業の効率化を向上させるために、帯電防止袋にはシリカゲルを入れない。
【0069】
続いて、図4(c)に示すように、封入しているTABテープ120に関する情報が記載された出荷ラベル165を、帯電防止袋160に貼る。出荷ラベル165に記載する情報としては、例えば、TABテープ120に形成される製品名や、数量、製造日などがある。
【0070】
続いて、帯電防止袋160のダメージを防止するために、上記TABテープ120付きコアリール110を密閉した帯電防止袋160を、図4(d)に示すように、緩衝材としてプチで作った帯電防止レベルのプチ袋170に入れる。これにより、輸送時などの振動や、落下時の衝撃による、帯電防止袋160同士の接触によるダメージを抑制することができる。帯電防止袋160にダメージが生じた場合、防湿機能が大幅に低下する。
【0071】
続いて、図4(e)に示すように、上記梱包した製品をナイロン袋175に入れる。ナイロン袋175には、出荷サイズに応じて複数個入れることができる。ナイロン袋175に入れない場合は、最終的に収納されるダンボールの異物が帯電防止袋160に転写し、そのままクリーンルームに持ち込まれるため、クリーンルームの汚染や、製品への異物の転写が発生することがある。製品をナイロン袋175に入れておけば、クリーンルーム内に持ち込む異物も低減することが可能となる。
【0072】
最後に、図4(f)に示すように、上記梱包した製品を外装ケース180に入れる。外装ケース180は、紙ダンボールまたはプラスチックダンボールである。ここで、例えば、TABテープ120の幅が35mmの場合、最大32コアリール分(4×8段)を、1つの外装ケース180に収納することができる。また、TABテープ120の幅が48mmの場合、最大20コアリール分(4×5段)を、1つの外装ケース180に収納することができる。
【0073】
一方、図4(c)に示す上記TABテープ120付きコアリール110を密閉した帯電防止袋160を、1つのプチ袋170に入れる方法に限らず、図4(g)に示すように、帯電防止袋160の層間にプチ袋170を敷きながら、ナイロン袋175に入れてもよい。これら梱包した製品は、同様に、外装ケース180に入れる。
【0074】
以上のように、TABテープ120は、外装ケース180に梱包された形態で、保管や出荷・搬送される。このとき、外装ケース180には、上記TABテープ120付きコアリール110の外形サイズに対応したサイズのものを用いることで、上記TABテープ120付きコアリール110の小型化に伴って、外装ケース180も小型化することが可能となる。よって、出荷・搬送の効率化を実現し、生産性を向上することが可能となっている。
【0075】
つまりは、従来において必要としていた外装ケース180の保管場所が、本実施形態のTABテープ120の梱包構造では1/5で済む。言い換えると、従来においてTABテープ120を保管していた保管場所に、約5倍のTABテープ120を保管することが可能となる。それゆえ、床面積当たりの生産性を向上することが可能となり、荷出し作業の軽減も併せて奏する。さらには、出荷輸送コストも1/5削減することが可能となる。
【0076】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0077】
前記実施の形態1で説明した図1に示したTABテープ120の梱包構造は、図8に示した従来のTABテープ502の梱包構造と比較して小型化を実現している。
【0078】
しかしながら、フラットスペーサ130は、絶縁物であるPETを使用しているため非常に帯電し易く、また、重ねて巻いているので静電気が発生しやすい。これらの要因から、フラットスペーサ130は周辺の異物を付着させ易くなっている。チップ実装時に異物を噛み込んだ場合、TABテープ120への打痕発生不良や、チップ実装時のリーク不良に繋がる。
【0079】
さらに、通常、使用後のフラットスペーサ130は廃棄される。それゆえ、廃棄材料低減のために、フラットスペーサ130をリユースして使用しているが、新品購入以上の費用が必要となっている。そもそも、フラットスペーサ130を使用しているために、出荷時のサイズが大きくなり、輸送コストも高くなっている。
【0080】
そこで、本実施の形態では、フラットスペーサ130の使用を廃止し、TABテープ120のみをコアリール110に直接巻き付ける梱包方法について、以下に説明する。
【0081】
図5は、コアリール110に、TABテープ120が巻き付けられている状態を示す図である。
【0082】
まず、コアリール110をシャフトに取り付ける。そして、コアリール110の外周面111に、TABテープ120を沿わせる(数回巻く)。このとき、TABテープ120の回路形成面が内側(軸側)となるように沿わせることが好ましい。
【0083】
そして、シャフトを回転してコアリール110を回転させ、TABテープ120をコアリール110に巻き取っていく。この巻き取っていく際、コアリール110にはフランジが無いため、TABテープ120の巻きズレを起こさないように、補強版で固定しながら巻き取る。
【0084】
また同時に、この巻き取っていく際、TABテープ120の長尺方向にテンション(巻きテンション)を与えて巻き取っていく。すなわち、TABテープ120を長尺方向に引っ張りながら、コアリール110に巻きつける。
【0085】
このとき、巻きテンションが弱いと、TABテープ120の巻きが緩くなる。この場合、巻き終わった後、コアリール110の軸穴112を持ち上げると、TABテープ120が竹の子状にくずれ、ばらばらにほどけてしまう。また、1つのコアリール110には、総巻き取り長さに限界があるため、複数ロット巻きができない。
【0086】
一方、巻きテンションが強いと、TABテープ120に形成されているソルダーレジスト123が粘着材の役割を果たし、スムーズに巻くことができず、TABテープ120へストレスを与え、破れなどの不具合が発生することがある。また、TABテープ120の穴124や不良パンチ穴などが、ソルダーレジスト123の表面や、フィルム121に、転写し、ダメージを与えてしまう。
【0087】
それゆえ、巻きテンションを0.5N〜2Nで制御しながら巻き取っていくことが望ましい。本願発明者は、検証した結果、巻きテンションを0.5N〜2Nで制御しながら巻き取ることで、巻き取った梱包構造に問題がないことを確認した。
【0088】
このようにして巻き取られたTABテープ120の梱包構造は、図1に示した前記実施の形態1のフラットスペーサ130を用いた梱包構造と比較して、フラットスペーサ130を用いずに、TABテープ120をコアリール110ヘ直接巻いている分、小型化することが可能となっている。
【0089】
続いて、TABテープ120が巻き付けられたコアリール110を、図4に示したように、帯電防止袋160、プチ袋170、ナイロン袋175、および外装ケース180などに順番に入れる。これにより、TABテープ120は、保管や出荷・搬送用に梱包される。
【0090】
このとき、外装ケース180には、上記TABテープ120付きコアリール110の外形サイズに対応したサイズのものを用いることで、上記TABテープ120付きコアリール110の小型化に伴って、外装ケース180もさらに小型化することが可能となる。よって、出荷・搬送の効率化や生産性のさらなる向上を実現し、輸送コストをより低減することが可能となる。
【0091】
また、本実施の形態のTABテープ120の梱包構造では、フラットスペーサ130の使用廃止により、廃棄物を大幅に低減することが可能となる。さらに、これに伴って、フラットスペーサ130にかかる費用を削減することが可能となる。
【0092】
ここで、製造工程では、例えば、40mのTABテープ120を1ロットとして、1ヶ月で数千〜数万ロットを、製造設備の搬送レーンに流している。このため、1つのコアリール110に1ロットを巻き取る構成(1コア1ロット構成)であると、1ロット毎に、コアリール110をシャフトに付け替えて搬送レーンに通さないといけないので、作業効率が悪く、生産性が低い。
【0093】
これに対し、本実施の形態のTABテープ120の梱包構造では、TABテープ120の直巻きにより小型化が実現されているので、1コア1ロット構成から、1コア複数ロット構成とすることが可能となっている。よって、1ロット目の組立が完了後、次のロットを搬送レーンにわざわざ通す必要が無くなり、作業効率および生産性を向上することが可能となる。また、複数ロットを連続して工程に流すので、Assy作業性を向上し、これによるコストダウンを図ることが可能となる。
【0094】
図6は、1コア複数ロット構成のときの、コアリール110に、TABテープ120が巻き付けられている状態を示す図である。
【0095】
TABテープ120には、製造工程での作業性を良くするために、実際には前後にリーダテープ125が設けられている。リーダテープ125は、業界標準の長さが、片側3mずつの6mとなっている。
【0096】
1つのコアリール110に、複数ロットを巻き取るときには、ロット間のリーダテープ125を接合して巻き取る。この接合は、一般的に、スプライサーを用いて、搬送送りの穴124にピンを立て位置合わせをした上で、リーダテープ125の両面にテープをそれぞれ貼ることにより行われる。
【0097】
しかしながら、この接合では、ロットの交換の際にテープを剥がすことが、非常に困難な作業となっている。
【0098】
そこで、本実施例では、搬送送りの穴124にピンを立てて位置合わせした上で、図6に示すように、片面のみにセンターにテープ150を貼る。これにより、テープ150を剥がし易くし、作業性を向上している。また、ロット間は、リーダテープ125の片側のみがテープ150で接続されている構成であるが、搬送も問題なく行うことが可能となっている。
【0099】
また、従来では、1ロット40mのTABテープに対して、受け入れ検査を行っていた。しかし、40m×4本になると、全部は検査できないので、最初の頭の1ロット(一番古いもの)だけを検査することになる。よって、コアリール110には、製造日が新しいTABテープ120から巻き付けることが好ましい。これにより、製造日が古いTABテープ120から、先に、搬送レーンに流すことができる。
【0100】
それゆえ、1コア複数ロット構成の場合は、出荷ラベル165には、巻き取っているTABテープ120の順番を記載することが望ましい。出荷ラベル165の表記事項と、巻かれているものとの順番は一致している必要があるので、必ず、出荷ラベル165の表記事項と、巻くTABテープ120との順番は一致させる。
【0101】
なお、本実施の形態のTABテープ120の梱包構造で、TABテープ120の実施可能な巻き取り長さを検証した。
【0102】
図7は、TABテープ120の実施可能な巻き取り長さと、1ロットの長さとを示す表である。
【0103】
検証の結果、図7に示すように、本実施の形態のTABテープ120の梱包構造では、1ロットを40mとした場合、4ロット以上、最大で6ロットを巻くことができた。すなわち、総長さで、160m(40m×4ロット)以上、最大で240mのTABテープ120を巻くことができた。240m以上巻こうとすると、巻き付けをさらにきつくする(2N以上)必要があり、実施不可能であった。
【0104】
なお、公差を考慮したTABテープ120の最大長さは、276m(46m×6ロット)であり、リーダテープ125を加味した最大長さは、276m+48m(4m×2本×6ロット)=324mである。
【0105】
また、巻き取り可能な総長さに基づいて、通常1ロット40mのところを、80m、120m、または160mに替えてもよい。これにより、さらに生産性を上げることが可能となる。
【0106】
通常、テープメーカでは、120m、160mが一般的な製造長さとなっており、40の倍数の長さが生産性が良い。それゆえ、1ロットが40mである場合、テープメーカからは、40mに分割したものが3,4本セットで送られてくる。よって、1ロットを80m、120m、または160mにすることで、テープメーカでの編集作業を低減させ、これによるコストダウンを図ることも可能となる。
【0107】
したがって、従来の梱包構造では、1つのリールに対して40mのTABテープを巻き取っており、TABテープの長尺化は、リールサイズの大型化を引き起こし、梱包構造が大型化するという問題があったが、本実施の形態の梱包構造では、従来の長尺化前の梱包サイズと同等のサイズであっても、40m以上のTABテープを巻き取ることが可能であり、TABテープの長尺化を実現している。
【0108】
また、例えば、φ70〜105のコアリール110に、TABテープ120を40m×4ロット(160m)または80m×2ロット(160m)を巻き取ることで、従来の梱包構造と比較して、1ロット(40m)当りの輸送容積を1/20に低減することが可能となっている。よって、輸送効率の大幅低減を実現し、材料受入れ時の保管場所を大幅に削減することが可能となる。
【0109】
ここで、TABテープ120には、ソルダーレジスト123が形成されている。ソルダーレジスト123は、元々粘着性があり、厚みが厚いほど、粘着力が強くなる。このため、TABテープ120をきつく巻きすぎると、TABテープ120同士がくっついてしまう場合がある。この場合、工程にて、スムーズにTABテープ120を流すことができない。
【0110】
そこで、図3(b)に示すように、ソルダーレジスト123の厚さlを、最大30μm以内とすることが望ましい。なお、従来においてもソルダーレジストの厚みは、通常最大30μm以内とされるので、従来のTABテープをそのまま使用することができる。
【0111】
なお、ソルダーレジスト123の厚みについて検証した結果、30μm以内なら問題は発生しなかった。一方、35μmの場合、1/10〜2/10の確率でくっつきすぎて問題が発生し、40μmの場合、80%の確率でくっつきすぎて、実装時に搬送エラーが起こった。
【0112】
また、ソルダーレジスト123は、温度が上がるほど、粘着力が強くなる性質も有している。TABテープ120は、外装ケースに梱包された形態で保管や出荷・搬送される際、通常25℃の環境下に置かれるが、夏場などでは高温の環境下に置かれることがある。
【0113】
そのため、ソルダーレジスト123は、50℃の空間に24h保管後、2N以下のくっ付き力の特性を有していることが望ましい。これにより、例えば、実装工程にて、コアリール110に巻き付けられたTABテープ120を流す際、TABテープ同士を2N以下で剥離することが可能となり、運用上の問題が解消される。
【0114】
但し、くっついていても、TABテープ120を工程で安定して流すことは可能である。つまりは、TABテープ120にテンションがかかるものを付けて、引っ張りながら引き出すことで、粘着の問題を解消することが可能である。例えば、くっつきの問題が生じた場合、50g〜100gくらいの重りを付ければよい。
【0115】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明は、チップ部品が搭載される前のTABテープを、リールに巻き取った状態で保管や出荷・搬送するためのTABテープの梱包方法に関する分野に好適に用いることができるだけでなく、TABテープの梱包構造に関する分野にも好適に用いることができ、さらには、リール状に巻き取った状態で保管や出荷・搬送するテープを利用する分野にも広く用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明におけるTABテープの梱包構造の実施の一形態を示す斜視図である。
【図2】上記TABテープの梱包構造におけるコアリールの一構成例を示す斜視図である。
【図3】上記TABテープの梱包構造におけるTABテープの一構成例を示す、(a)は上面図であり、(b)は(a)のA−A線断面拡大図である。
【図4】(a)〜(g)は、上記TABテープの梱包過程を示す図である。
【図5】本発明におけるTABテープの梱包構造の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図6】上記TABテープの梱包構造において、1コア複数ロット構成のときの状態を示す図である。
【図7】上記TABテープの梱包構造において、TABテープの実施可能な巻き取り長さと、1ロットの長さとを示す表である。
【図8】従来のTABテープの梱包構造の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0118】
110 コアリール(リール)
111 外周面
112 軸穴
120 TABテープ
121 フィルム(絶縁フィルム)
122 配線パターン(金属配線)
123 ソルダーレジスト
125 リーダテープ
130 フラットスペーサ
150 テープ
160 帯電防止袋
165 出荷ラベル(ラベル)
170 プチ袋
175 ナイロン袋
180 外装ケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属配線およびソルダーレジストからなる回路がテープ状の絶縁フィルムに繰り返し形成されてなるTABテープを、リールに巻き付けて梱包するTABテープの梱包方法であって、
上記リールは、内周側に軸穴を有する円筒型の形状を有しており、
上記リールの外周面に、少なくとも上記TABテープを巻き付ける第1のステップを含むことを特徴とするTABテープの梱包方法。
【請求項2】
上記TABテープを上記リールの外周面に巻き付ける際、0.5N以上かつ2N以下のテンションをかけながら内周側のTABテープに密着させるように巻き付けることを特徴とする請求項1に記載のTABテープの梱包方法。
【請求項3】
上記リールとしては、ロックウエル硬さがM90以上、かつ、メルトフロート(g/10min)が7以上の材質を有しているものを用いることを特徴とする請求項1または2に記載のTABテープの梱包方法。
【請求項4】
上記リールの表面抵抗値は、1011Ω以内に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のTABテープの梱包方法。
【請求項5】
上記TABテープは、1ロットが所定の長さで定められており、
上記リールには、複数ロットの上記TABテープを巻き付けることを特徴とする請求項2に記載のTABテープの梱包方法。
【請求項6】
上記複数ロットのTABテープ間は、片面にテープが貼られることにより接続されていることを特徴とする請求項5に記載のTABテープの梱包方法。
【請求項7】
上記TABテープが巻き付けられたリールを、帯電防止袋に真空封止する第2のステップをさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のTABテープの梱包方法。
【請求項8】
上記複数ロットのTABテープが巻き付けられたリールを、帯電防止袋に真空封止する第2のステップをさらに含むことを特徴とする請求項5または6に記載のTABテープの梱包方法。
【請求項9】
上記真空封止の際、帯電防止袋に窒素を封入することを特徴とする請求項7または8に記載のTABテープの梱包方法。
【請求項10】
上記リールに巻き付けているTABテープのロットの順番が表記されたラベルを、上記帯電防止袋に貼る第3のステップをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載のTABテープの梱包方法。
【請求項11】
上記ソルダーレジストと上記絶縁フィルムとのくっ付き力は、50℃の環境下で24時間保管後2N以下であることを特徴とする請求項2に記載のTABテープの梱包方法。
【請求項12】
上記リールの直径は、70mm以上かつ105mm以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のTABテープの梱包方法。
【請求項13】
金属配線およびソルダーレジストからなる回路がテープ状の絶縁フィルムに繰り返し形成されてなるTABテープが、リールに巻き付けられて梱包されているTABテープの梱包構造であって、
上記リールは、内周側に軸穴を有する円筒型の形状を有しており、
上記リールの外周面に、少なくとも上記TABテープが巻き付けられていることを特徴とするTABテープの梱包構造。
【請求項14】
上記リールの外周面に巻き付けられているTABテープは、内周側の隣り合うTABテープと密着していることを特徴とする請求項13に記載のTABテープの梱包構造。
【請求項15】
上記リールは、ロックウエル硬さがM90以上、かつ、メルトフロート(g/10min)が7以上の材質を有していることを特徴とする請求項13または14に記載のTABテープの梱包構造。
【請求項16】
上記リールの表面抵抗値は、1011Ω以内に設定されていることを特徴とする請求項13または14に記載のTABテープの梱包構造。
【請求項17】
上記TABテープは、1ロットが所定の長さで定められており、
上記リールには、複数ロットの上記TABテープが巻き付けられていることを特徴とする請求項14に記載のTABテープの梱包構造。
【請求項18】
上記複数ロットのTABテープ間は、片面にテープが貼られることにより接続されていることを特徴とする請求項17に記載のTABテープの梱包構造。
【請求項19】
上記TABテープが巻き付けられたリールは、帯電防止袋に真空封止されていることを特徴とする請求項13〜16のいずれか1項に記載のTABテープの梱包構造。
【請求項20】
上記複数ロットのTABテープが巻き付けられたリールは、帯電防止袋に真空封止されていることを特徴とする請求項17または18に記載のTABテープの梱包構造。
【請求項21】
上記真空封止された帯電防止袋には、窒素が封入されていることを特徴とする請求項19または20に記載のTABテープの梱包構造。
【請求項22】
上記リールに巻き付けられているTABテープのロットの順番が表記されたラベルが、上記帯電防止袋に貼られていることを特徴とする請求項20に記載のTABテープの梱包構造。
【請求項23】
上記ソルダーレジストと上記絶縁フィルムとのくっ付き力は、50℃の環境下で24時間保管後2N以下であることを特徴とする請求項14に記載のTABテープの梱包構造。
【請求項24】
上記リールの直径は、70mm以上かつ105mm以下であることを特徴とする請求項13〜23のいずれか1項に記載のTABテープの梱包構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−52774(P2010−52774A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−220245(P2008−220245)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】