説明

TLR7活性化物質による膀胱の疾患の治療

本発明は、特定のToll様受容体(TLR)アゴニストを使用する表在性膀胱癌および膀胱の炎症性疾患の治療のための方法を提供する。該方法は、血液に対して膀胱粘膜における合成TLR7アゴニストの濃度を最適化するように処方したか、血液に対して膀胱粘膜における合成TLR7アゴニストの濃度を最適化するように改変したか、または、血液に対して膀胱粘膜における合成TLR7アゴニストの濃度を最適化するように他の治療と同時施行した、合成TLR7活性化物質(アゴニスト)の投与を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2008年2月7日に出願された米国仮特許出願第61/026,999号の出願日の利益を主張し、この出願の開示は本明細書において参考として援用される。
【0002】
(政府の権利に関する陳述)
本発明は、少なくとも一部は、米国政府による助成金(the National Institute of Allergy and Infectious Diseasesからの助成金番号AI050564)によってなされた。政府は、本発明に一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
過去十年来、微生物病原体の分子レベルでの生得認識に関して多くの研究成果が得られている。適応免疫系とは独立して潜在的病原体を検出する一定範囲のパターン認識受容体を多くの体細胞が発現することは一般的に許容されている(Janeway等、2002)。これらの受容体は病原体関連分子パターン(PAMP)と称される微生物成分と相互作用すると考えられている。PAMPの例としては、ペプチドグリカン、グラム陽性菌細胞壁由来のリポテイコ酸(lipotechoic)、糖類マンノース(微生物炭水化物中では一般的であるが、ヒトにおいては希少である)、細菌DNA、ウィルス由来の2本鎖RNA、およびカビの細胞壁由来のグルカン類が挙げられる。PAMPは一般的には、(a)微生物による、ただし、PAMPの哺乳類宿主にはよらないPAMPの発現、(b)広範な病原体に渡る構造の保存、および(c)生得免疫を刺激する能力を包含する特定の基準に合致している。
【0004】
Toll様受容体(TLR)はPAMPの検出において、および、微生物感染に対する早期の応答において、中枢的な役割を果たしていることがわかっている(Underhill等、2002)。10種の哺乳類TLRおよび多くのそれらのアゴニストが同定されている。例えば、TLR7およびTLR9はそれぞれイミキモドおよび免疫刺激性CpGオリゴヌクレオチド(ISS−ODN)を認識し、これらに応答する。合成免疫モジュレーターR−848(レシキモド)はTLR7およびTLR8の両方を活性化する。
【0005】
内因性リガンドおよび合成小分子が特定のTLR経路を活性化することができるという発見は、免疫応答に関連する疾患のための新しい治療法の開発への関心をもたらした。TLRリガンドは抗原提示細胞、特に樹状細胞の活性化を、それらの成熟化プログラム、例えば、HLAおよび同時刺激分子の発現ならびにTNF−α、IL−6、IL−12およびIFN−αのような炎症促進性サイトカインの分泌のアップレギュレーションをトリガーすることにより、制御している(Stanley,2002)。
【0006】
TLR刺激は共通のシグナリングカスケード(アダプタータンパク質MyD88、転写因子NF−kB、および炎症促進性およびエフェクターサイトカインが関与)を開始させるのに対し、特定の細胞型は特定のTLRを生産する傾向がある。例えば、TLR7およびTLR9は樹状細胞(DC)およびBリンパ球におけるエンドソームの内面上に主に観察される(ヒトにおいて;マウスのマクロファージはTLR7およびTLR9を発現する)。一方、TLR8はヒト血液の単球において観察されている(Hornung等、2002)。
【0007】
TLRのアゴニストは、治療の大きな可能性を有しているものの、それらの用途は炎症促進性サイトカインの放出および全身分散に関連する副作用により制限されている。従って、TLR7リガンドの主要なインビボの用途は局所応用の抗ウィルス剤もしくは抗腫瘍剤として、または、筋肉内注射される少量の免疫アジュバントであった(非特許文献1(Ambach等、2004)、非特許文献2(Hemmi等、2002))。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Ambach等、Mol.Immunol.,40:1307(2004)
【非特許文献2】Hemmi等、Nat.Immunol.,3:196(2002)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
本発明は、表在性膀胱癌および膀胱の炎症性疾患、例えば、間質性膀胱炎または活動亢進性膀胱の治療のための方法を提供する。該方法は、血液に対して膀胱粘膜における合成TLR7アゴニストの濃度を最適化するように処方したか、血液に対して膀胱粘膜における合成TLR7アゴニストの濃度を最適化するように改変したか、または、血液に対して膀胱粘膜における合成TLR7アゴニストの濃度を最適化するように他の治療と同時施行した、合成TLR7活性化物質(アゴニスト)の投与を含む。例えば、合成TLR7アゴニストは、血中よりも少なくとも2倍、5倍またはそれ以上、例えば、少なくとも10倍高い膀胱粘膜濃度を達成するために、処方、改変または他の治療と併用して投与される。例えば、血中のTLR7アゴニストの濃度が一般的に約10nM〜約1000nMの範囲である場合、膀胱における濃度は約100nM〜約10,000nMである。1つの実施形態において、TLR7アゴニストは、局所応用される超音波、電磁気放射線もしくはエレクトロポレーションまたは他の電気系の薬物送達手法、局所化学的摩耗、または局所物理的摩耗と併用して、投与され、膀胱の透過性バリアを破壊する。1つの実施形態において、TLR7アゴニストは、局所応用される界面活性剤とともに投与され、膀胱粘膜を通過するTLR7アゴニストの透過性を高める。1つの実施形態において、TLRアゴニスト、その製剤、またはそのコンジュゲートは、例えば、粒径の結果として、エンドソーム取り込みを高め、受容体多量体化を誘導し、および/または徐放性を与える。特に、TLR7の局所活性化は、悪性細胞の成長および生存のために必要とされる癌細胞マトリックスの相互作用を破壊し得、アポトーシスを誘導し得る。
【0010】
1つの実施形態において、製剤またはコンジュゲートは、例えば、サイトカイン誘導アッセイによりインビトロまたはインビボで測定した場合の相当するTLR7アゴニスト(製剤化またはコンジュゲートされていない)に対する力価の増強、インビボの動物モデルおよび膀胱内または他の局所送達を用いて測定した場合の低い全身分布、および/または、インビボの動物モデルおよび膀胱内または他の局所的送達を用いて測定した場合の活性/安全性の比の改善を有している。
【0011】
1つの実施形態において、TLR7アゴニストは、例えば、乳剤中の分散、ナノ粒子もしくはリポソーム中へのカプセル化、ナノ粒子もしくはナノ結晶中の凝集、またはタンパク質もしくは脂質への化学的連結により、全身吸収が最小限となるように処方され得るか、または化学的に改変され得る(例えば、米国特許出願第60/710,337号;同第60/809,870号;同第60/809,879号;および同第10/824,833号を参照のこと。これらは参照により本明細書に組み込まれる)。
【0012】
1つの実施形態において、本発明で使用するTLR7アゴニストは、下記式I、または製薬上許容しうるその塩を有する。
【0013】
【化1】

式中、
、RおよびRは各々独立して、水素;3、4、または5個の炭素原子を有する環状アルキル;1〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキル、ならびに置換基が3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルおよび1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルにより置換された3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルである1〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖の置換アルキル;1〜約10個の炭素原子および1つ以上のフッ素または塩素原子を含有するフルオロまたはクロロアルキル;2〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルケニル、ならびに置換基が3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルおよび1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルにより置換された3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルよりなる群から選択される2〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖の置換アルケニル;1〜約6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル;アルコキシ部分が1〜約4個の炭素原子を含有し、かつアルキル部分が1〜約6個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル;アシルオキシ部分が2〜約4個の炭素原子を含有するアルカノイルオキシまたはベンゾイルオキシであり、かつアルキル部分が1〜約6個の炭素原子を含有するアシルオキシアルキルであるが、ただし、任意のこのようなアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、またはアシルオキシアルキル基も窒素原子に直接結合した完全炭素置換炭素原子を有さない;ベンジル;(フェニル)エチル;およびフェニル;ここで、該ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニルの置換基がベンゼン環上において、1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシおよびハロゲンよりなる群から独立して選択される1つまたは2つの部分で場合により置換されているが、ただし、該ベンゼン環が該部分の2つで置換されている場合、該部分は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する;CHR、式中、Rが水素または炭素−炭素結合であるが、ただし、Rが水素である場合、Rは1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシ、1〜約4個の炭素原子を有するヒドロキシアルコキシ、2〜約10個の炭素原子を有する1−アルキニル、テトラヒドロピラニル、アルコキシ部分が1〜約4個の炭素原子を含有し、かつアルキル部分が1〜約4個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル、2−、3−、または4−ピリジルであるが、ただし、Rが炭素−炭素結合である場合、RとRは一緒になって、ヒドロキシまたは1〜約4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルよりなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で場合により置換されたテトラヒドロフラニル基を形成する;
1〜約8個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキル、1〜約6個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のヒドロキシアルキル、モルホリノメチル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニルであって、該ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニルの置換基はベンゼン環上においてメチル、メトキシ、またはハロゲンよりなる群から選択される部分で場合により置換されているもの;
−C(R)(R)(X)、式中、RおよびRは独立して水素、1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、フェニル、および、置換基が1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシ、およびハロゲンよりなる群から選択される置換フェニルよりなる群から選択される;
Xは1〜約4個の炭素原子を含有するアルコキシ、アルコキシ部分が1〜約4個の炭素原子を含有し、かつアルキル部分が1〜約4個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するハロアルキル、アルキル基が1〜約4個の炭素原子を含有するアルキルアミド、アミノ、置換基が1〜約4個の炭素原子を有するアルキルもしくはヒドロキシアルキルである置換アミノ、アジド、1〜約4個の炭素原子を有するアルキルチオ、またはアルキル部分が1〜約4個の炭素原子を含有するモルホリノアルキルであり;
は水素、C1−8アルキル、C1−8アルコキシ、またはハロであり;
nは1、2、3、または4であり;
およびRは各々独立して水素、(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、アダマンチル、アダマンチル(C−C)アルキル、アミノ(C−C)アルキル、アミノスルホニル、(C−C)アルカノイル、アリール、またはベンジルであるか;または、RとRはそれらが結合している窒素と一緒になってピロリジノ、ピペリジノ、またはモルホリノ基を形成し;
式Iの5員環における破線は5員環の2つの窒素間にある炭素原子に5員環の窒素を連結している任意の結合を示し、そして、該結合が存在する場合、RおよびRの何れかが存在しない。
【0014】
1つの実施形態において、本発明の方法において使用する合成TLRアゴニストコンジュゲートは、PCT/US06/032371に開示されているものであり、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。1つの実施形態において、本発明の方法において使用するTLRアゴニストコンジュゲートは、下記式(IC)の化合物、またはその水和物を含む、製薬上許容しうるその塩である。
【0015】
【化2】

式中、
XはNまたはCRであり、式中、Rは水素、ハロゲン、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、または非置換ヘテロアルキルであり;
YはSまたはNであり;
破線(−−−−)は任意の結合を示し;ここで、
Yとアスタリスクでマークした炭素との間の結合が二重結合である場合、Qは存在せず;
とアスタリスクでマークした炭素との間の結合が二重結合である場合、QはO、S、NY、またはNNYであり;そして、
とアスタリスクでマークした炭素との間の結合が一重結合である場合、Qは水素、シアノ、ニトロ、O−Y、S−Y、NY、またはNYNYであり;ここで、
は水素、置換アルキル、非置換アルキル、置換シクロアルキル、非置換シクロアルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、−C(=O)−置換アルキル、−C(=O)−非置換アルキル、−C(=O)O−置換アルキル、−C(=O)O−非置換アルキル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、またはO−Yであり;
、Y、およびYは各々独立して水素、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリールであり;
ZはO、S、またはNYであり、式中、Yは水素、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリールであり;
およびQは各々独立して水素、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリールであり;
は−O−、−S−、または−NR−であり;
は水素、C1−10アルキル、または非置換C1−10アルキルであるか、またはRとRは窒素原子と一緒になって複素環または置換された複素環を形成することができ;
は水素、(C−C10)アルキル、置換(C−C10)アルキル、C6−10アリール、または置換C6−10アリール、C5−9複素環、または置換C5−9複素環であり;
各Rは独立して、水素、−OH、(C−C)アルキル、置換(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、置換(C−C)アルコキシ、−C(O)−(C−C)アルキル(アルカノイル)、置換−C(O)−(C−C)アルキル、−C(O)−(C−C10)アリール(アロイル)、置換−C(O)−(C−C10)アリール、−C(O)OH(カルボキシル)、−C(O)O(C−C)アルキル(アルコキシカルボニル)、置換−C(O)O(C−C)アルキル、−NR、−C(O)NR(カルバモイル)、−O−C(O)NR、−(C−C)アルキレン−NR、−(C−C)アルキレン−C(O)NR、ハロ、ニトロ、またはシアノであり;
およびRは各々独立して水素、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)ヘテロアルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルカノイル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、アリール、アリール(C−C)アルキル、Het、Het(C−C)アルキル、または(C−C)アルコキシカルボニルであり;
ここで、任意のアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アミノ、アルコキシ、アルカノイル、アリール、ヘテロアリール、または複素環基上の置換基は、1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、または6つ)のヒドロキシ、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキレン、C1−6アルコキシ、C3−6シクロアルキル、C1−6アルコキシC1−6アルキレン、アミノ、シアノ、ハロゲン、複素環(例えば、ピペリジニルまたはモルホリニル)、またはアリールであり;
は結合または連結基であり;
kは0、1、2、3、または4であり;
nは0、1、2、3、または4であり;そして、
は細胞、ウィルス、ビタミン、コファクター、ペプチド、タンパク質、核酸分子、脂質、ビーズもしくは粒子、例えば、ポリスチレンビーズもしくはナノ粒子、またはデンドリマーを含む高分子である。
【0016】
1つの実施形態において、本発明の方法において使用する合成TLR7アゴニストは、イミキモド、例えば、TMX101、レシキモド、ブロピリミン、プロピリミン、または他のTLR7アゴニスト、例えば、開示内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,329,381号およびLee等、Proc.Natl.Acad.SciUSA,103:1828(2006)に記載されたもの、例えば、(9−ベンジル−8−ヒドロキシ−2−(2−メトキシエトキシ)アデニン)の製剤または改変体、またはイミキモドまたはレシキモドの投与を包含する、同時治療することを包含する。
【0017】
更に、本発明は製薬上許容しうる希釈剤または担体と組み合わせて、少なくとも1つの本発明の化合物または製薬上許容しうるその塩を含む医薬組成物も提供する。更に、本発明は、他の公知の抗癌化合物と組み合わせて、本明細書に開示した化合物を含む医薬組成物も提供する。
【0018】
1つの実施形態において、本発明は、改変もしくは処方、または他の治療と併用して投与される有効量のTLR7アゴニストを投与することによる、哺乳類、例えばヒト患者における膀胱、子宮頚部、肺または肛門の障害を抑制または治療するための方法を提供する。治療すべき患者は、限定されないが、非侵襲性の膀胱癌、間質性膀胱炎、子宮頚部の形成不全、転移肺癌、回帰/難治性の表在性膀胱癌、および肛門内上皮新生物、または、例えば、カテーテルまたは他の薬物送達装置の直接の応用または使用により治療薬の局所投与に利用しやすい任意の前新生物状態または新生物状態を包含する。例えば、間質性膀胱炎は頻度および排尿困難を特徴とする女性における一般的な臨床的症候群である。一部の患者においては、膀胱は肥満細胞により浸潤され、尿はサブスタンスPの増大を有し、アレルギー要素を示唆している。患者の層化は間質性膀胱炎に対抗した特定のTLR7アゴニストのターゲティング治療を可能にすると考えられる。
【0019】
本発明はまた腫瘍細胞の殺傷を、そのような治療を要する哺乳類において高めるための方法を提供する。該方法は哺乳類に有効量の本発明の化合物を局所投与することを包含する。
【0020】
本発明はまた、哺乳類、例えば、ヒト患者における膀胱、子宮頚部、肺または肛門の癌を治療するための方法を提供する。該方法は有効量の本発明の化合物またはその混合物を癌細胞に局所的に接触させることを包含する。
【0021】
更に、本発明は哺乳類、例えば、ヒト患者における細胞においてアポトーシスを誘導するか、または細胞死を誘導するための方法を提供する。該方法は標的細胞において、アポトーシスまたは細胞死を高めるために有効な量の本発明の化合物またはその混合物に、局所的にインビボで、標的細胞を接触させることを包含する。
【0022】
即ち、本発明は、場合により他の化合物と併用して、アポトーシスを誘導する薬剤、または特定の型の癌を抑制または治療する薬剤のような、医学的施療において使用する化合物を提供する。従って、本発明の化合物は癌を抑制または治療するのに有用である。アポトーシスを高めるための、または癌の特定の型を抑制もしくは治療するための、医薬の製造のための化合物の使用も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は例示されるTLR7アゴニストである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
定義
特段の記載が無い限り、以下の定義を使用する。ハロはフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードである。アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル等は直鎖および分枝鎖の基の両方を指すが、「プロピル」のような個々の基に言及する場合、直鎖基のみを包含し、「イソプロピル」のような分枝鎖の異性体は具体的に言及するものとする。アリールはフェニル基または少なくとも1つの環が芳香族である約9〜10個の環原子を有するオルト縮合2環式炭素環基を指す。ヘテロアリールとは、炭素、ならびに非過酸化物の酸素、硫黄、およびN(X)(ここで、Xは存在しないか、H、O、(C−C)アルキル、フェニルまたはベンジルである)よりなる群から各々選択される、1〜4個のヘテロ原子よりなる5または6個の環原子を含有する単環の芳香族環の環炭素を介して連結した基、ならびに、それから誘導された約8〜10個の環原子のオルト縮合2環式複素環の基、特にベンズ誘導体またはそれにプロピレン、トリメチレン、またはテトラメチレンジラジカルを縮合することにより誘導されたものを包含する。
【0025】
「アミノ酸」という用語は、本明細書においては、DまたはL型の天然のアミノ酸(例えば、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Glu、Gln、Gly、His、Hyl、Hyp、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、およびVal)、ならびに非天然のアミノ酸(例えば、ホスホセリン、ホスホスレオニン、ホスホチロシン、ヒドロキシプロリン、ガンマ−カルボキシグルタメート;馬尿酸、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸、スタチン、1,2,3,4,−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸、ペニシラミン、オルニチン、シトルリン、−メチル−アラニン、p−ベンゾイルフェニルアラニン、フェニルグリシン、プロパルギルグリシン、サルコシン、およびt−ブチルグリシン)の残基を包含する。用語はまた、従来のアミノ保護基(例えば、アセチルまたはベンジルオキシカルボニル)を有した天然および非天然のアミノ酸、ならびにカルボキシ末端で保護された(例えば、(C−C)アルキル、フェニルまたはベンジルエステルもしくはアミドとして;または−メチルベンジルアミドとして)天然および非天然のアミノ酸を含む。他の適当なアミノおよびカルボキシ保護基は当業者の知る通りである(例えば、T.W.Greene、Protecting Groups In Organic Synthesis;Wiley:New York、1981およびその引用文献を参照できる)。アミノ酸はカルボキシ末端、アミノ末端を介して、または何れかの他の好都合な結合点を介して、例えば、システインの硫黄を介して、式Iの化合物の残余に連結することができる。
【0026】
「toll様受容体(TLR)」という用語は病原体関連分子パターン(PAMP)に結合して、哺乳類における免疫応答を促進する受容体のファミリーのメンバーを指す。10種の哺乳類TLRが知られており、例えば、TLR1〜10が挙げられる。
【0027】
「toll様受容体アゴニスト(TLRアゴニスト)」という用語は、TLRに結合して、受容体に拮抗する分子を指す。合成TLRアゴニストは、TLRに結合して、受容体を活性化するように設計された化合物である。本明細書において提供される例示される新規なTLRアゴニストは、「TLR−7アゴニスト」、「TLR−3アゴニスト」および「TLR−9アゴニスト」を包含する。
【0028】
本明細書においては、「製薬上許容しうる塩」とは、親化合物がその酸または塩基の塩を形成することにより改変されている、開示された化合物の誘導体である。製薬上許容しうる塩の例は限定しないが、アミンのような塩基性残基の無機または有機酸の塩;カルボン酸のような酸性残基のアルカリまたは有機の塩等を包含する。製薬上許容しうる塩は、例えば、非毒性の無機または有機酸から形成された親化合物の従来の非毒性の塩または第4アンモニウム塩を包含する。例えば、そのような従来の非毒性の塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸等のような無機酸から誘導されたもの;および酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸等のような有機酸から製造された塩を包含する。
【0029】
本発明において有用な化合物の製薬上許容しうる塩は、従来の化学的方法により、塩基性または酸性の部分を含有する親化合物から合成することができる。一般的に、そのような塩はこれらの化合物の遊離の酸または塩基の形態を化学量論量の適切な塩基または酸と、水中、または有機溶媒中、または両方の混合物中で反応させることにより製造でき;一般的には、非水性の媒体、例えば、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルが好ましい。適当な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第17版、Mack Publishing Company、Easton、PA、p.1418(1985)に記載されており、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0030】
「製薬上許容しうる」という表現は、本明細書においては、調和の取れた医学的判断の範囲内において合理的な利益/危険性の比と均衡して過剰な毒性、刺激,アレルギー応答、または他の問題または合併症を伴うことなく人間および動物の組織と接触させて、使用することに適する化合物、物質、組成物、および/または薬剤型を指す。
【0031】
「治療有効量」とは、例えば、宿主において疾患または障害を治療または防止するため、または疾患または障害の症状を治療するための、本発明において有用な化合物の量、または請求項記載の化合物の組み合わせの量を包含することを意図している。本明細書においては、「治療すること」または「治療する」とは、(i)病理学的状態が発生することを防止すること(例えば、予防);(ii)病理学的状態を抑制するか、その発生を停止させること;(iii)病理学的状態を緩和すること;および/または病理学的状態に関連する症状を減衰させることを包含する。
【0032】
本明細書においては、「患者」という用語は本発明の方法により治療されるべき生物を指す。そのような生物は、限定しないが、ヒトのような哺乳類を包含する。本発明に関する場合、「対象」という用語は、一般的に癌に関する治療(例えば、本発明の化合物、および場合により1つ以上の抗癌剤の投与)を受けることになるか、受けている個体を指す。
【0033】
「安定な化合物」および「安定な構造」とは反応混合物から有用な程度の純度にまで単離すること、および、有効な治療薬に製剤化することに耐えうるほど十分頑健である化合物を指すものとする。安定な化合物のみを本発明は意図している。
【0034】
本発明の方法において使用する方法および化合物
膀胱癌は合衆国および欧州における全ての癌のうち第4番目に高い罹患率および第5番目に高い発生率を有している。合衆国では毎年60,000人超が新たに膀胱癌と診断されている。診断された膀胱癌患者の数は、有効な診断方法および高齢者人口の増大が寄与して、過去10年間で20%超上昇している。膀胱腫瘍の70%が診断時には非筋肉侵襲性(表在性)であり、そして70%が初回の経尿道的切除術後に再発している。
【0035】
非侵襲性膀胱癌に対する現在の標準的治療法はカルメット−ゲラン桿菌(BCG)、即ち局所投与(膀胱内)される弱毒化生ワクチンのマイコバクテリアである(症例の80%)。BCGは結核防止のために使用されている細菌Mycobacterium tuberculosisの弱毒化型よりなる特性化されていない製品である。BCGは尿路上皮への結合およびそこでの内在化により局所的感染を確証し、それが次にIL−1、IL−6、およびIL−8を放出する(Hedges等、1994)。BCGの注入により好中球の流入が起こり、その後主にCD4細胞よりなる単核細胞の流入が起こる。ケモカインシグナルの実質的作用は各連続BCG注入による膀胱内への好中球および単球性の白血球のリクルートメントを上昇させることである(Shapiro等、1988)。
【0036】
膀胱内化学療法と比較して、完全な局所的応答は高い発生率(70〜75%)を示しているが、多くの患者は最終的には再発および/または副作用のために膀胱切除術を必要とし、そして毒性の副作用の増大がある(局所および全身性)。例えば、患者の少なくとも30%は局所および全身性の毒性のためにBCG療法を遅延または停止する必要がある。多くの医師は致命的な全身性の感染症/敗血症の危険性のためにBCGを使用することに消極的である。
【0037】
また、BCGは間質性膀胱炎の治療に使用されており、コントロールされた治験において0=0.06のp値を示しているが、BCG投与の感染性の合併症および全身性の副作用は、間質性膀胱炎のような非癌関連障害に対するBCGの価値より重要となりうる。
【0038】
本発明は組織浸透性が促進され、全身吸収性が抑制または防止されるような態様において、処方された局所投与用のTLR7アゴニストを提供する。そのような治療はBCGと同等以上に効果的であり、生細菌の全身性副作用を伴わないと考えられる。例えば、インビボマウス正常位膀胱癌移植モデルによれば、TLR7アゴニストのコンジュゲートによる局所的TLR7(膀胱内)活性化は、全身性副作用をもたらさず、抗腫瘍作用を示したと考えられた。更にまた、TLR7アゴニストのインビボの薬効は、細胞の生存性を低下させること、アポトーシスを誘導すること、および、サイトカイン生産を増大させることにより、膀胱癌細胞株において明らかにされており、これはTLR7アゴニストが抗腫瘍作用を有することを示している。TLR7の活性化は、後にアポトーシスをもたらす場合がある細胞外マトリックスに結合した成長因子との膀胱癌細胞の相互作用を破壊させる場合がある。
【0039】
1つの実施形態において、本発明は、膀胱粘膜中で最大(局所)濃度、例えば、血中よりも少なくとも10倍高い濃度を達成するよう処方されるか化学改変された、合成TLR7アゴニストの膀胱内(膀胱中)投与による確立された表在性の膀胱癌の治療を可能にする。浸透性を促進するために、TLR7アゴニストは、局所応用される超音波、すべての型の電磁放射、化学的および物理的摩耗、および界面活性剤の使用を包含する膀胱の透過性バリアを破壊するための物理的または化学的な治療と組み合わせてよい。間質性膀胱炎および活動亢進性膀胱を包含する膀胱の炎症性疾患を同様に治療してよい。
【0040】
本発明のTLR7アゴニストはBCGよりも強力で低毒性であると考えられるため、より顕著な治療効果を達成する。1つの実施形態において、TLR7アゴニストは肥満細胞の機能を低下させるために有効な量の、組織学的検査による膀胱生検により、および/または、尿中の上昇したニューロキニンレベル(サブスタンスP)の計測により示される、患者の疾患に肥満細胞成分がある患者に投与される。
【0041】
1つの実施形態において、TLR7アゴニストは、下記式I、または製薬上許容しうるその塩を有する。
【0042】
【化3】

式中、
、RおよびRは各々独立して、水素;3、4、または5個の炭素原子を有する環状アルキル;1〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキル、ならびに置換基が3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルおよび1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルにより置換された3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルである、1〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖の置換アルキル;1〜約10個の炭素原子および1つ以上のフッ素または塩素原子を含有するフルオロ−またはクロロアルキル;2〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルケニル、ならびに置換基が3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルおよび1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルにより置換された3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルである、2〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖の置換アルケニル;1〜約6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル;アルコキシ部分が1〜約4個の炭素原子を含有し、かつアルキル部分が1〜約6個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル;アシルオキシ部分が2〜約4個の炭素原子を含有するアルカノイルオキシまたはベンゾイルオキシであり、かつアルキル部分が1〜約6個の炭素原子を含有するアシルオキシアルキルであるが、ただし、任意のこのようなアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、またはアシルオキシアルキル基も窒素原子に直接結合した完全炭素置換炭素原子を有さない;ベンジル;(フェニル)エチル;およびフェニル;ここで、該ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニルの置換基がベンゼン環上において、1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシおよびハロゲンよりなる群から独立して選択される1つまたは2つの部分で場合により置換されているが、ただし、該ベンゼン環が該部分の2つで置換されている場合、該部分は一緒になって6個以下の炭素原子を含有するもの;CHR、式中、Rが水素または炭素−炭素結合であるが、ただし、Rが水素である場合、Rは1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシ、1〜約4個の炭素原子を有するヒドロキシアルコキシ、2〜約10個の炭素原子を有する1−アルキニル、テトラヒドロピラニル、アルコキシ部分が1〜約4個の炭素原子を含有し、かつアルキル部分が1〜約4個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル、2−、3−、または4−ピリジルであるが、ただし、Rが炭素−炭素結合である場合、RとRは一緒になって、ヒドロキシまたは1〜約4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルよりなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で場合により置換されたテトラヒドロフラニル基を形成する;
1〜約8個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキル、1〜約6個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のヒドロキシアルキル、モルホリノメチル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニルであって、該ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニルの置換基はベンゼン環上においてメチル、メトキシ、またはハロゲンよりなる群から選択される部分で場合により置換されているもの;または、
−C(R)(R)(X)、式中、RおよびRは独立して水素、1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、フェニル、および、置換基が1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシ、およびハロゲンよりなる群から選択される置換フェニルよりなる群から選択される;そして、
Xは1〜約4個の炭素原子を含有するアルコキシ、アルコキシ部分が1〜約4個の炭素原子を含有し、かつアルキル部分が1〜約4個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するハロアルキル、アルキル基が1〜約4個の炭素原子を含有するアルキルアミド、アミノ、置換基が1〜約4個の炭素原子を有するアルキルもしくはヒドロキシアルキルである置換アミノ、アジド、1〜約4個の炭素原子を有するアルキルチオ、またはアルキル部分が1〜約4個の炭素原子を含有するモルホリノアルキルであり;
は水素、C1−8アルキル、C1−8アルコキシ、またはハロであり;
nは1、2、3、または4であり;
およびRは各々独立して水素、(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、アダマンチル、アダマンチル(C−C)アルキル、アミノ(C−C)アルキル、アミノスルホニル、(C−C)アルカノイル、アリール、またはベンジルであるか;またはRとRはそれらが結合している窒素と一緒になってピロリジノ、ピペリジノ、またはモルホリノ基を形成し;そして、
式Iの5員環における破線は5員環の2つの窒素間にある炭素原子に5員環の窒素を連結している任意の結合を示し、そして、該結合が存在する場合、RおよびRの何れかが存在しない。
【0043】
1つの実施形態において、TLR7アゴニストは、以下の式II〜VIの1つにより定義される通り、1H−イミダゾ−[4,5−c]キノリン−4−アミンのようなイミダゾキノリンアミンまたは製薬上許容しうるその塩を包含する。
【0044】
【化4】

式中、
11は1〜約10個の炭素原子を有するアルキル、1〜約6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル、アシルオキシ部分が2〜約4個の炭素原子を有するアルカノイルオキシまたはベンゾイルオキシであり、かつアルキル部分が1〜約6個の炭素原子を含有するアシルオキシアルキル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニルであって、該ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニルの置換基がベンゼン環上において、1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシおよびハロゲンよりなる群から独立して選択される1つまたは2つの部分で場合により置換されているが、ただし、該ベンゼン環が該部分の2つで置換されている場合、該部分は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する、ものよりなる群から選択され;
21は水素、1〜約8個の炭素原子を有するアルキル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニルであって、該ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニルの置換基がベンゼン環上において、1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシおよびハロゲンよりなる群から独立して選択される1つまたは2つの部分で場合により置換されているが、ただし、該ベンゼン環が該部分の2つで置換されている場合、該部分は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する、ものよりなる群から選択され;そして、
各Rは独立して1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシ、ハロゲン、および1〜約4個の炭素原子を有するアルキルよりなる群から選択され、nは0〜2の整数であるが、ただし、nが2である場合、該R基は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する;
【0045】
【化5】

式中、
12は2〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルケニル、ならびに置換基が1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルおよび3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルである、2〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖の置換アルケニル;および1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルで置換された3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルよりなる群から選択され;そして、
22は水素、1〜約8個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニルであって、該ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニルの置換基がベンゼン環上において、1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキル、1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルコキシおよびハロゲンよりなる群から独立して選択される1つまたは2つの部分で置換されているが、ただし、ベンゼン環がそのような部分の2つで場合により置換されている場合、該部分は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する、ものよりなる群から選択され;そして、
各Rは独立して1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルコキシ、ハロゲン、および1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルよりなる群から選択され、nは0〜2の整数であるが、ただし、nが2である場合、該R基は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する;
【0046】
【化6】

式中、
23は水素、1〜約8個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニルであって、該ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニルの置換基がベンゼン環上において、1〜約4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル、1〜約4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルコキシおよびハロゲンよりなる群から独立して選択される1つまたは2つの部分で場合により置換されているが、ただし、該ベンゼン環がそのような部分の2つで置換されている場合、該部分は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する、ものよりなる群から選択され;そして、
各Rは独立して1〜約4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルコキシ、ハロゲン、および1〜約4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルよりなる群から選択され、nは0〜2の整数であるが、ただし、nが2である場合、該R基は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する;
【0047】
【化7】

式中、
14は−CHRであり、式中、Rは水素または炭素−炭素結合であるが、ただし、Rが水素である場合、Rは1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシ、1〜約4個の炭素原子を有するヒドロキシアルコキシ、2〜約10個の炭素原子を有する1−アルキニル、テトラヒドロピラニル、アルコキシ部分が1〜約4個の炭素原子を含有し、かつアルキル部分が1〜約4個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル、2−、3−、または4−ピリジルであるが、ただし、Rが炭素−炭素結合である場合、RとRは一緒になってヒドロキシおよび1〜約4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルよりなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で場合により置換されたテトラヒドロフラニル基を形成し;
24は水素、1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、フェニル、ならびに置換基が1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシ、およびハロゲンよりなる群から選択される置換フェニルよりなる群から選択され;そして、
は水素、1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルコキシ、ハロゲン、および1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルよりなる群から選択され;
【0048】
【化8】

式中、
15は水素;1〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルならびに置換基が3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルおよび1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルにより置換された3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルよりなる群から選択される、1〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖の置換アルキル;2〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルケニル、ならびに置換基が3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルおよび1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルにより置換された3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルよりなる群から選択される、2〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖の置換アルケニル;1〜約6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル;アルコキシ部分が1〜約4個の炭素原子を含有し、かつアルキル部分が1〜約6個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル;アシルオキシ部分が2〜約4個の炭素原子を有するアルカノイルオキシまたはベンゾイルオキシであり、かつアルキル部分が1〜約6個の炭素原子を含有するアシルオキシアルキル;ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニルであって、該ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニルの置換基がベンゼン環上において、1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシおよびハロゲンよりなる群から独立して選択される1つまたは2つの部分で場合により置換されているが、ただし、該ベンゼン環が該部分の2つで置換されている場合、該部分は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する、ものよりなる群から選択され;
25は下記であり、
【0049】
【化9】

式中、
およびRは独立して水素、1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、フェニル、ならびに置換基が1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシ、およびハロゲンよりなる群から選択される置換フェニルよりなる群から選択され;
Xは1〜約4個の炭素原子を含有するアルコキシ、アルコキシ部分が1〜約4個の炭素原子を含有し、かつアルキル部分が1〜約4個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するハロアルキル、アルキル基が1〜約4個の炭素原子を含有するアルキルアミド、アミノ、置換基が1〜約4個の炭素原子を有するアルキルまたはヒドロキシアルキルである置換アミノ、アジド、クロロ、ヒドロキシ、1−モルホリノ、1−ピロリジノ、1〜約4個の炭素原子を有するアルキルチオであるものよりなる群から選択され;そして
は水素、1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルコキシ、ハロゲン、および1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルよりなる群から選択される。
【0050】
1つの実施形態において、TLR7アゴニストは下記式VIIまたは製薬上許容しうるその塩を有する。
【0051】
【化10】

式中、mは1、2、または3であり;
16は水素;3、4、または5個の炭素原子を有する環状アルキル;1〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキル、ならびに置換基が3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルおよび1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルにより置換された3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルである、1〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖の置換アルキル;1〜約10炭素原子および1つ以上のフッ素または塩素原子を含有するフルオロ−またはクロロアルキル;2〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルケニル、ならびに置換基が3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルおよび1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルにより置換された3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルよりなる群から選択される2〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖の置換アルケニル;1〜約6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル;アルコキシ部分が1〜約4個の炭素原子を含有し、かつアルキル部分が1〜約6個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル;アシルオキシ部分が2〜約4個の炭素原子を含有するアルカノイルオキシまたはベンゾイルオキシであり、かつアルキル部分が1〜約6個の炭素原子を含有するアシルオキシアルキルであるが、ただし、任意のこのようなアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、またはアシルオキシアルキル基も窒素原子に直接結合した完全炭素置換炭素原子を有さない;ベンジル;(フェニル)エチル;およびフェニルであって、該ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニルの置換基はベンゼン環上において、1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシおよびハロゲンよりなる群から独立して選択される1つまたは2つの部分で場合により置換されているが、ただし、該ベンゼン環が該部分の2つで置換されている場合、該部分は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する;および−CHRであり、式中、Rは水素または炭素−炭素結合であるが、ただし、Rが水素である場合、Rは1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシ、1〜約4個の炭素原子を有するヒドロキシアルコキシ、2〜約10個の炭素原子を有する1−アルキニル、テトラヒドロピラニル、アルコキシ部分が1〜約4個の炭素原子を含有し、かつアルキル部分が1〜約4個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル、2−、3−、または4−ピリジルであるが、ただし、Rが炭素−炭素結合である場合、RとRは一緒になってヒドロキシまたは1〜約4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルよりなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で場合により置換されたテトラヒドロフラニル基を形成するものよりなる群から選択され;
26は水素、1〜約8個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキル、1〜約6個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のヒドロキシアルキル、モルホリノメチル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニルであって、該ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニルの置換基がベンゼン環上においてメチル、メトキシ、およびハロゲンよりなる群から選択される部分で場合により置換されているものよりなる群から選択され;
−C(R)(R)(X)であって、RおよびRは独立して水素、1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、フェニル、ならびに置換基が1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシ、およびハロゲンよりなる群から選択される置換フェニルよりなる群から選択され;および、
Xは1〜約4個の炭素原子を含有するアルコキシ、アルコキシ部分が1〜約4個の炭素原子を含有し、かつアルキル部分が1〜約4個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するハロアルキル、アルキル基が1〜約4個の炭素原子を含有するアルキルアミド、アミノ、置換基が1〜約4個の炭素原子を有するアルキルまたはヒドロキシアルキルである置換アミノ、アジド、1〜約4個の炭素原子を有するアルキルチオ、およびアルキル部分が1〜約4個の炭素原子を含有するモルホリノアルキルよりなる群から選択され、そして、
は水素、フルオロ、クロロ、1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキル、および1〜約4炭素原子および少なくとも1つのフッ素または塩素原子を含有する直鎖または分枝鎖のフルオロ−またはクロロアルキルよりなる群から選択される。
【0052】
別の実施形態においては、TLR7アゴニストは下記式VIIIまたは製薬上許容しうるその塩を有する。
【0053】
【化11】

式中、
17は水素;−CH、ここで、Rは1〜約10個の炭素原子を含有する直鎖、分枝鎖または環状アルキル、2〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルケニル、1〜約6個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のヒドロキシアルキル、アルコキシ部分が1〜約4個の炭素原子を含有し、かつアルキル部分が1〜約6個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル、およびフェニルエチルよりなる群から選択されるもの;ならびに−CH=CR、式中、各Rは独立して1〜約6個の炭素原子を含有する直鎖、分枝鎖または環状アルキルであるものよりなる群から選択され;
27は水素、1〜約8個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキル、1〜約6個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のヒドロキシアルキル、アルコキシ部分が1〜約4個の炭素原子を含有し、かつアルキル部分が1〜約6個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニルであって、該ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニルの置換基はベンゼン環上においてメチル、メトキシ、およびハロゲンよりなる群から選択される部分で置換されているもの;およびアルキル部分が1〜約4個の炭素原子を含有するモルホリノアルキルよりなる群から選択され;
67およびR77は独立して水素および1〜約5個の炭素原子を有するアルキルよりなる群から選択されるが、ただし、R67およびR77が一緒になって6個以下の炭素原子を含有し、さらに、R77が水素である場合、R67は水素以外であり、そしてR27は水素またはモルホリノアルキル以外のものであり、さらに、R67が水素である場合、R77およびR27は水素以外のものである。
【0054】
別の実施形態においては、TLR7アゴニストは下記式IXまたは製薬上許容しうるその塩を有する。
【0055】
【化12】

式中、
Zは下記;
−(CH−、ここでpは1〜4であるもの;
−(CH−C(R)(CH−、ここでaおよびbは整数であり、a+bは0〜3であり、Rは水素または1〜約4個の炭素原子を有するアルキルであり、Rは1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、ヒドロキシ、−OR、ここでRは1〜約4個の炭素原子を有するアルキルであるもの、および−NRR’、ここでRおよびR’は独立して水素または1〜約4個の炭素原子を有するアルキルであるものよりなる群から選択されるもの;および、
−(CH−(Y)−(CH−、式中、aおよびbは整数であり、a+bは0〜3であり、YはO、S、または−NR−、Rは水素または1〜約4個の炭素原子を有するアルキルであるもの;
よりなる群から選択され;
ここでqは0または1であり、Rは1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシ、およびハロゲンよりなる群から選択されるものである。
【0056】
上記置換基R11〜R17は、本明細書においては一般的に「1−置換基」と表記する。1つの実施形態において、1−置換基は1〜6個の炭素原子を含有するアルキルおよび1〜6個の炭素原子を含有するヒドロキシアルキルであり、例えば、1−置換基は2−メチルプロピルまたは2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルである。
【0057】
上記置換基R21〜R27は、本明細書においては一般的に「2−置換基」と表記する。1つの実施形態において、2−置換基は、水素、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、アルコキシ部分が1〜4個の炭素原子を含有し、かつアルキル部分が1〜4個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル、および1〜4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルであり、例えば、2−置換基は水素、メチル、ブチル、ヒドロキシメチル、エトキシメチルまたはメトキシエチルである。
【0058】
nが0、1、または2であることができる場合、nは好ましくは0または1である。
【0059】
特定の状況において治療上有効となる化合物の量は当然ながら特定の化合物の活性、投与様式、および治療すべき疾患のようなものに応じたものとなる。即ち、本明細書において特定の投与量を見出すことは現実的ではないが、当業者は、本明細書に記載する指針、これらの化合物が関連する技術分野において入手可能な情報、および定型的な試験に基づいて、適切な治療有効量を決定することができる。
【0060】
当業者の知る通り、キラル中心を有する本発明の化合物は光学活性型およびラセミ型の形態において存在し、そして単離されてよい。一部の化合物は、多形性を呈する場合がある。当然理解されるとおり、本発明は本発明の化合物の何れかのラセミ型、光学活性型、多形型、または立体異性型の形態、またはそれらの混合物を包含し、これらは本明細書に記載する有用な特性を保有しており、本明細書に記載する標準的な試験を用いながら、または、当該分野で良く知られている他の同様の試験を用いながら、光学活性型の形態を製造する方法(例えば再結晶の手法によるラセミ型の形態の分割によるか、光学活性な出発物質からの合成によるか、キラル合成によるか、またはキラル固定相を用いたクロマトグラフィー分離による)およびニコチンアゴニスト活性を測定する方法は当該分野で良く知られている。
【0061】
化合物が酸または塩基の塩を形成するために十分塩基性または酸性である場合、塩としての化合物の使用が適切である場合がある。許容される塩の例は生理学的に許容されるアニオンを形成する酸とともに形成される有機酸付加塩、例えば、トシル酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、α−ケトグルタール酸塩、およびα−グリセロリン酸塩である。適当な無機塩もまた形成してよく、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、重炭酸塩、および炭酸塩が包含される。
【0062】
許容される塩は当該分野で良く知られている標準的操作法を用いながら、例えば、アミンのような十分に塩基性の化合物を生理学的に許容されるアニオンを与える適当な酸と反応させることにより得てよい。カルボン酸のアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウムまたはリチウム)塩またはアルカリ土類金属(例えば、カルシウム)塩もまた作製できる。
【0063】
アルキルは直鎖または分枝鎖のC1−10アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、イソプロピル、イソブチル、1−メチルプロピル、3−メチルブチル、ヘキシル等を包含する。
【0064】
低級アルキルは直鎖または分枝鎖のC1−6アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル等を包含する。
【0065】
「アルキレン」という用語は2価の直鎖または分枝鎖の炭化水素鎖(例えば、エチレン−CH−CH−)を指す。
【0066】
3−7シクロアルキルはシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等、およびアルキル置換C3−7シクロアルキル基、好ましくは直鎖または分枝鎖のC1−6アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはペンチル、およびC5−7シクロアルキル基、例えば、シクロペンチルまたはシクロヘキシル等のような基を包含する。
【0067】
低級アルコキシはC1−6アルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシまたはプロポキシ等を包含する。
【0068】
低級アルカノイルはC1−6アルカノイル基、例えば、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイルまたはヘキサノイル等を包含する。
【0069】
7−11アロイルはベンゾイルまたはナフトイルのような基を包含する。
【0070】
低級アルキルカルボニルはC2−7アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルまたはプロポキシカルボニル等を包含する。
【0071】
低級アルキルアミノ基はC1−6アルキル基で置換されたアミノ基、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ等を意味する。
【0072】
ジ(低級アルキル)アミノ基は、同じかまたは異なるC1−6アルキル基で置換されたアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノ)を意味する。
【0073】
低級アルキルカルバモイル基はC1−6アルキル基で置換されたカルバモイル基(例えばメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、プロピルカルバモイル、ブチルカルバモイル)を意味する。
【0074】
ジ(低級アルキル)カルバモイル基は同じかまたは異なるC1−6アルキル基で置換されたカルバモイル基(例えば、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、エチルメチルカルバモイル)を意味する。
【0075】
ハロゲン原子はフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子のようなハロゲン原子を意味する。
【0076】
アリールとはC6−10単環または縮合環状のアリール基、例えば、フェニル、インデニル、またはナフチル等を指す。
【0077】
複素環は単環の飽和複素環基、または不飽和の単環または縮合型の複素環基であって、少なくとも1つのヘテロ原子、例えば、0〜3個の窒素原子、0〜1個の酸素原子(−O−)、および0〜1個の硫黄原子(−S−)を含有するものを指す。飽和単環複素環基の非限定的な例は5または6員の飽和複素環基、例えば、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、モルホリニル、ピペリジル、ピペラジニルまたはピラゾリジニルを包含する。不飽和単環複素環基の非限定的な例は5または6員の不飽和複素環基、例えば、フリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、チエニル、ピリジルまたはピリミジニルを包含する。不飽和の縮合複素環基の非限定的な例は不飽和の2環式の複素環基、例えばインドリル、イソインドリル、キノリル、ベンゾチアゾリル、クロマニル、ベンゾフラニル等を包含する。
【0078】
アルキル、アリール、および複素環基は場合により1つ以上の置換基で置換されることができ、この場合、置換基は同じかまたは異なってもよく、そして、低級アルキル;C1−6アルコキシ、例えば、メトキシ、エトキシまたはプロポキシ;カルボキシル;C2−7アルコキシカルボニル、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルまたはプロポキシカルボニル)およびハロゲン;シクロアルキルを包含し、そしてC3−6シクロアルキル;ヒドロキシル;C1−6アルコキシ;アミノ;シアノ;アリール;置換アリール、例えば、4−ヒドロキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−クロロフェニルまたは3,4−ジクロロフェニル;ニトロおよびハロゲン、ヒドロキシル;ヒドロキシC1−6アルキレン、例えば、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチルまたは3−ヒドロキシプロピル;低級アルコキシ;C1−6アルコキシC1−6アルキル、例えば、2−メトキシエチル、2−エトキシエチルまたは3−メトキシプロピル;アミノ;アルキルアミノ;ジアルキルアミノ;シアノ;ニトロ;アシル;カルボキシル;低級アルコキシカルボニル;ハロゲン;メルカプト;C1−6アルキルチオ、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオまたはブチルチオ;置換C1−6アルキルチオ、例えば、メトキシエチルチオ、メチルチオエチルチオ、ヒドロキシエチルチオまたはクロロエチルチオ;アリール;置換C6−10単環または縮合環式のアリール、例えば、4−ヒドロキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニルまたは3,4−ジクロロフェニル;5〜6員の不飽和の複素環、例えば、フリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、チエニル、ピリジルまたはピリミジニル;および2環式の不飽和の複素環、例えば、インドリル、イソインドリル、キノリル、ベンゾチアゾリル、クロマニル、ベンゾフラニルまたはフタルイミノを包含する。
【0079】
複素環は場合により1つ以上の置換基で置換されることができ、その場合、置換基は同じかまたは異なっており、そしてC1−6アルキル;ヒドロキシC1−6アルキレン;C1−6アルコキシC1−6アルキレン;ヒドロキシル;C1−6アルコキシ;およびシアノを包含する。
【0080】
本発明の化合物は医薬組成物として処方され、そして哺乳類宿主、例えば、ヒト患者に、選択された投与経路、例えば、経口または非経口、静脈内、筋肉内、局所または皮下の経路に適合した種々の形態で、投与することができる。1つの実施形態において、組成物は局所投与、例えば、膀胱内投与される。
【0081】
即ち、本発明の化合物は不活性希釈剤または同化可能な食用の担体のような製薬上許容しうるベヒクルと組み合わせて全身投与、例えば、経口投与してよい。それらはハードまたはソフトシェルのゼラチンカプセルに封入してよく、圧縮して錠剤としてよく、あるいは患者の食餌に直接配合してよい。経口による治療用の投与のためには、活性化合物は1つ以上の賦形剤と組み合わせ、そして摂取可能な錠剤、舌下錠、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウエハース等の形態において使用してよい。そのような組成物および調製品は活性化合物少なくとも0.1%を含有しなければならない。組成物および調製品のパーセンテージは当然ながら変動してよく、そして、好都合には所定の単位剤型の約2〜約60重量%であってよい。そのような治療上有用な組成物中の活性化合物の量は有効な投薬量のレベルが得られるものとする。
【0082】
錠剤、トローチ、丸薬、カプセル等はまた以下のものを含有してよい。バインダー、例えば、トラガカントガム、アカシア、コーンスターチまたはゼラチン;賦形剤、例えば、リン酸二カルシウム;崩壊剤、例えば、コーンスターチ、ポテトスターチ、アルギン酸等;滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム;および甘味剤、例えば、スクロース、フラクトース、乳糖またはアスパルテームまたはフレーバー剤、例えば、ペパーミント、ウインタグリーン油、またはチェリーフレーバーを添加してよい。単位剤型がカプセルである場合、それは上記型の物質に加えて、液体担体、例えば、植物油またはポリエチレングリコールを含有してよい。種々の他の物質がコーティングとして、または固体単位剤型の物理的形態を別様に変更するために存在してよい。例えば、錠剤、丸薬またはカプセルはゼラチン、ワックス、シェラックまたは糖類等でコーティングしてよい。シロップまたはエリキシルは活性化合物、甘味剤としてのスクロースまたはフラクトース、保存料としてのメチルおよびプロピルバラベン、染料およびフレーバー剤、例えば、チェリーまたはオレンジフレーバーを含有してよい。当然ながら、何れかの単位剤型の製造において使用される何れかの物質は、製薬上許容しうるものであり、そして使用量において実質的に非毒性でなければならない。更にまた、活性化合物は徐放性の調製品および装置内に配合してよい。
【0083】
活性化合物は注入または注射により投与してよい。活性化合物またはその塩の溶液は場合により非毒性の界面活性剤と混合した水中で調製できる。分散体はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、トリアセチン、およびこれらの混合物中、および油中において調製できる。保存および使用の通常の条件下において、これらの調製品は微生物の生育を防止するために保存料を含有する。
【0084】
薬学的剤型は滅菌された水溶液または分散液、または、場合によりリポソーム中にカプセル化された滅菌溶液または分散液の要時調製のために適合された活性成分を含む滅菌粉末を包含できる。全ての場合において、究極的な剤型は滅菌され、流動性があり、そして製造および保存の条件下で安定であることが必要である。液体担体またはベヒクルは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール等)、植物油、非毒性グリセリルエステルおよびこれらの適当な混合物を含む溶媒または液体分散媒体であることができる。適切な流体は例えば、リポソームの形成により、分散液の場合は必要な粒径の維持により、または、界面活性剤の使用により、維持することができる。微生物の作用の防止は、種々の抗細菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサール等によりもたらすことができる。多くの場合において等張剤、例えば、糖類、緩衝物質または塩化ナトリウムを包含することが好ましい。注射用組成物の延長された吸収は、吸収を遅延させる剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを組成物中で使用することにより達成できる。
【0085】
滅菌溶液は、必要に応じて、上記列挙した種々の他の成分と、適切な溶媒中で必要量の活性化合物を組み合わせ、その後、濾過滅菌することにより調製される。滅菌注射用溶液の調製のための滅菌粉末の場合は、好ましい調製方法は真空乾燥および凍結乾燥の手法であり、これらはあらかじめ滅菌濾過された溶液中に存在する活性成分および任意の追加的な望ましい成分の粉末をもたらすものである。
【0086】
局所投与のためには、本発明の化合物は、純粋な形態において、即ちそれらが液体である時点において、応用してよい。しかしながら、一般的には、それらを、固体または液体であってよい許容される担体と組み合わせて、組成物または製剤として投与することが望ましい。
【0087】
有用な固体担体は微粉砕固体、例えば、タルク、粘土、微結晶セルロース、シリカ、アルミナ等を包含する。有用な液体担体は、本発明の化合物を場合により非毒性の界面活性剤の支援により有効なレベルにおいて溶解または分散することができる水、アルコール類またはグリコール類、または、水−アルコール/グリコールの混合物を包含する。芳香剤および追加的な抗微生物剤のような補助剤を添加することにより所定の用途のための特性を最適化することができる。得られた液体組成物は吸収パッドから応用させるか、バンデージまたは他の包帯を含浸させるために使用するか、または、ポンプ型またはエアロゾルの噴霧器を用いながら罹患領域に噴霧することができる。
【0088】
増粘剤、例えば、合成重合体、脂肪酸、脂肪酸の塩およびエステル、脂肪アルコール、変性セルロースまたは変性無機物質もまた、液体担体とともに用いることにより、ユーザーの皮膚に直接応用するための展延可能なペースト、ゲル、軟膏、石鹸等を形成することができる。
【0089】
化合物の有用な投薬量はそれらのインビトロの活性およびインビボの活性を動物モデルにおいて比較することにより測定できる。マウスおよび他の動物における有効投薬量のヒトへの外挿のための方法は当該分野で知られており、例えば、米国特許第4,938,949号を参照できる。TLRアゴニストとして作用する本発明の化合物の能力は、Lee等、PNAS,100:6646(2003)により開示されている操作法を包含する、当該分野で良く知られている薬理学的モデルを用いながら測定してよい。
【0090】
一般的に、液体組成物中の化合物の濃度は約0.1〜25重量%、好ましくは約0.5〜10重量%である。半固体または固体組成物、例えばゲルまたは粉末中の濃度は約0.1〜5重量%、好ましくは約0.5〜2.5重量%である。
【0091】
治療に使用するのに必要な化合物またはその活性な塩または誘導体の量は、選択される特定の塩によってのみならず、投与経路、治療すべき状態の性質、および患者の年齢および状態によっても変動することになり、そして、究極的には担当の医師または技術者の判断によるものとなる。
【0092】
しかし、一般的には、適当な用量は一日当たり約0.5〜約100mg/kg、例えば、約10〜約75mg/kg体重、例えば、一日当たりレシピエントの1キログラム体重当たり3〜約50mgの範囲、好ましくは6〜90mg/kg/日の範囲、もっとも好ましくは15〜60mg/kg/日の範囲である。
【0093】
化合物は、単位剤型当たり、例えば活性成分を5〜1000mg、好都合には10〜750mg、もっとも好都合には50〜500mg含有する単位剤型中で好都合に投与される。
【0094】
理想的には、活性成分は、約0.01〜約100μM、0.5〜約75μM、好ましくは、約1〜50μM、もっとも好ましくは、約2〜約30μMの活性化合物の最高血漿中濃度を達成するように投与しなければならない。これは、例えば、場合により食塩水中の活性成分の0.05〜5%溶液の静脈内注射により達成してよく、または、活性成分約1〜100mgを含有する塊状物として経口投与されてよい。望ましい血中レベルは約0.01〜5.0mg/kg/時を与えるための連続注入により、または、活性成分約0.4〜15mg/kgを含有する間欠注入により、維持してよい。
【0095】
所望の用量は、好都合には、単回用量において、または、適切な間隔で、例えば一日当たり2、3、4またはそれより多い細分用量として投与される分割用量として、提供される。細分用量自体を、例えば多くの個別の大まかに間隔を置いた投与に更に細分してよく;例えば、吸入器から多数回吸入するか、または、眼内への複数の液滴の応用としてよい。
【0096】
本発明を以下の非限定的な実施例により更に説明する。
【実施例】
【0097】
(実施例1)
TLR7アゴニストの全身送達は、それが身体の特定の部分における免疫応答の組織化を可能としないため、理想的ではない。TLR7アゴニストは局所送達された場合に最高の活性を示し、強力な免疫勾配の発生をもたらす。局在化送達はまた全身曝露の危険性を低減し、これによりアゴニストの安全性のプロファイルを向上させる。膀胱は免疫学的に活性な臓器、「表裏逆の皮膚」であり、TLR7発現樹状および肥満細胞を有する。膀胱癌患者に対して良好な臨床活性を達成するためには、膀胱の透過性バリアを通過するTLR7アゴニストの最適な通路が必要である。過剰な透過性は全身性の副作用をもたらすが、低い透過性は不完全な根絶をもたらす。TLR7アゴニストコンジュゲート、例えば、イミキモドのコンジュゲートは接着、エンドソーム取り込み、および/または受容体多量体化(単量体相互作用を低減)を高めることによりアゴニストの取り込みを向上させることができ、そして作用の持続時間を向上させるための持続薬剤放出を提供し得る。
【0098】
本発明のTLR7アゴニストを用いた治療に適する膀胱癌患者は限定しないが、大部分の腫瘍が経尿道的切除術により除去されているが、一部の残存癌が存続し、そして膀胱鏡検査の間に観察される患者、高リスクおよび中リスクの非筋肉侵襲性膀胱癌を有する患者、および、膀胱の上皮内癌(cis)を有する患者を包含する。1つの実施形態において、TLR7アゴニストは、例えば、乳剤中の分散、ナノ粒子もしくはリポソーム内へのカプセル化、ナノ粒子もしくはナノ結晶中の凝集、またはタンパク質もしくは脂質への化学的連結により、全身吸収が最小限となるように処方される。1つの実施形態において、TLR7製剤は尿道中でカテーテルを介して投与され、そしてカテーテルは癌との薬剤の接触を可能にするために、例えば約10分〜2時間とどめられ、その後、膀胱を洗浄することにより未反応の薬剤を除去する。操作法は概ね毎週の間隔で6回、その後は毎月、反復してよい。
【0099】
例示されるコンジュゲートはプロピリミンまたはイミキモドとのコンジュゲートである。ブロピリミン(TLRアゴニスト)は表在性膀胱癌において有効であることがわかっている(European Urology、34巻、1998)。イミキモドは表在性皮膚癌において有効性が明らかにされており、化学的に誘導された癌を抑制し、そしてFCB膀胱腫瘍のマウスを治癒させている(Borden等、1990)。イミキモドはまた、正常位膀胱癌マウスモデルにおいて強力な抗腫瘍活性を示している(Smith等、2007)。プラセボ治療された動物において13匹中11匹のマウス(85%)が侵襲性の高等級の膀胱腫瘍を発症している。イミキモド治療された動物(100μgを週1回)では、14匹中わずか3匹のマウスのみが腫瘍を発症していた。
【0100】
TMX−101は活性を向上させ全身吸収を遅延させるように設計されたイミキモドの製剤である。表在性膀胱癌に対するTMX101の活性を測定するために、TMX101を膀胱内注入により局所送達した。
【0101】
要約
膀胱疾患におけるTLR7アゴニスト(例えば、イミキモド)に関する良好な製剤、良好な用量または良好な送達様式の主な利点は以下の通りである。
1)低減された毒性:TLR7アゴニスト、例えば、イミキモドの製剤または用量を変更することにより、局所作用が最大限となり、そして全身曝露が低減される。これは製剤の手法(例えば賦形剤と組み合わせたインサイチュ形成性のゲルまたはデポー薬剤の使用、脂質の使用等)を用いながら達成できる。「未製剤化」TLR7アゴニスト対TLR7アゴニストの製剤の、「膀胱」レベル対「血漿」レベルの薬物動態プロファイルおよび比を測定し、向上したプロファイルを有する製剤を本発明の方法における使用のために選択する。
2)薬効の改善:TLR7分子の薬効はトリガーされることができるサイトカイン/ケモカインのプロファイルに依存している。サイトカイン/ケモカインのプロファイルは、どのようにしてTLR7リガンドが標的細胞に進入するか、どのエンドソームコンパートメントが活性化されるか、およびその他の要因に基づいて変化することができる。「未製剤化」TLR7アゴニストのサイトカイン/ケモカインプロファイルは製剤または送達系の改善とは異なる。膀胱癌の動物モデルにおいて最高の薬効をもたらす製剤または送達系を本発明の方法における使用のために選択する。
3)良好な治療ウインドウ:良好な安全性プロファイルおよび増強された薬効の結果は、「未製剤化」TLR7アゴニストを超えた明確な利点を提供する。
【0102】
【数1】

全ての公開物、特許および特許出願は参照により本明細書に組み込まれる。上記明細書において本発明をその特定の好ましい実施形態に関連して説明し、そして多くの詳細事項を説明目的のために示したが、当業者の知る通り、本発明は追加的な実施形態に付され、そして本明細書に記載した詳細の特定のものは本発明の基本的原理から逸脱することなくかなり変更してよい。
(項目1) 哺乳類における表在性膀胱癌を抑制または治療するための方法であって、処方または化学改変されたTLR7アゴニストを含む有効量の組成物を、表在性膀胱癌を有する哺乳類に膀胱内投与し、全身吸収を抑制する、または膀胱粘膜において該アゴニストの局所濃度を高めることを含む方法。
(項目2) 前記組成物が化学改変されたTLR7アゴニストを含む項目1記載の方法。
(項目3) 前記改変がタンパク質または脂質へのTLR7アゴニストの共有結合である項目2記載の方法。
(項目4) 前記組成物が乳剤を含む項目1〜3の何れか1項に記載の方法。
(項目5) 前記組成物がナノ粒子を含む項目1〜4の何れか1項に記載の方法。
(項目6) 前記組成物がリポソームを含む項目1〜5の何れか1項に記載の方法。
(項目7) 前記組成物がナノ結晶を含む項目1〜6の何れか1項に記載の方法。
(項目8) カテーテルを使用して、前記組成物を投与する項目1〜7の何れか1項に記載の方法。
(項目9) 前記膀胱に超音波を応用することを更に含む項目1〜8の何れか1項に記載の方法。
(項目10) 前記膀胱に電磁放射を応用することを更に含む項目1〜9の何れか1項に記載の方法。
(項目11) 前記膀胱に界面活性剤を応用することを更に含む項目1〜10の何れか1項に記載の方法。
(項目12) 前記哺乳類がヒトである項目1〜11の何れか1項に記載の方法。
(項目13) 前記哺乳類が肥満細胞数の増加を有する項目1〜12の何れか1項に記載の方法。
(項目14) 前記哺乳類が尿中ニューロキニンのレベルの上昇を有する項目1〜13の何れか1項に記載の方法。
(項目15) 前記哺乳類が経尿道的切除術後である項目1〜14の何れか1項に記載の方法。
(項目16) 哺乳類における表在性膀胱癌を抑制または治療するための方法であって、膀胱粘膜においてTLR7アゴニストの局所濃度を高めるための治療と併用して、TLR7アゴニストを含む有効量の組成物を、表在性膀胱癌を有する哺乳類に膀胱内投与することを含む方法。
(項目17) 前記治療が前記膀胱に超音波を応用することを含む項目16記載の方法。
(項目18) 前記治療が前記膀胱に電磁放射を応用することを含む項目16または17に記載の方法。
(項目19) 前記治療が前記膀胱に界面活性剤を応用することを含む項目16〜18の何れか1項に記載の方法。
(項目20) 前記哺乳類がヒトである項目16〜19の何れか1項に記載の方法。
(項目21) 前記哺乳類が肥満細胞数の増加を有する項目16〜20の何れか1項に記載の方法。
(項目22) 前記哺乳類が尿中ニューロキニンのレベルの上昇を有する項目16〜21の何れか1項に記載の方法。
(項目23) 前記哺乳類が経尿道的切除術後である項目16〜22の何れか1項に記載の方法。
(項目24) 前記TLRアゴニストが塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸およびイセチオン酸よりなる群から選択される酸の塩として処方される項目1〜15の何れか1項に記載の方法。
(項目25) 前記TLRアゴニストが塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸およびイセチオン酸よりなる群から選択される酸の塩として処方される項目16〜23の何れか1項に記載の方法。
(項目26) 哺乳類における表在性膀胱癌を抑制または治療するために有効な量の、医薬の製造におけるTLRアゴニストの使用。
(項目27) 前記TLRアゴニストが塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸およびイセチオン酸よりなる群から選択される酸の塩として処方される項目26記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳類における表在性膀胱癌を抑制または治療するための方法であって、処方または化学改変されたTLR7アゴニストを含む有効量の組成物を、表在性膀胱癌を有する哺乳類に膀胱内投与し、全身吸収を抑制する、または膀胱粘膜において該アゴニストの局所濃度を高めることを含み、該TLR7アゴニストがイミダゾキノリンアミン化合物または高分子コンジュゲート化合物である、方法。
【請求項2】
前記組成物が製薬上許容しうる希釈剤または担体を含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記組成物が、前記TLR7アゴニストに加えて、抗癌剤化合物を更に含む請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記組成物が乳剤を含む請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記組成物がナノ粒子を含む請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記組成物がリポソームを含む請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記組成物がナノ結晶を含む請求項1〜6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
カテーテルを使用して、前記組成物を投与する請求項1〜7の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記膀胱に超音波を応用することを更に含む請求項1〜8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記膀胱に電磁放射を応用することを更に含む請求項1〜9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記膀胱に界面活性剤を応用することを更に含む請求項1〜10の何れか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記哺乳類がヒトである請求項1〜11の何れか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記哺乳類が肥満細胞数の増加を有する請求項1〜12の何れか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記哺乳類が尿中ニューロキニンのレベルの上昇を有する請求項1〜13の何れか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記哺乳類が経尿道的切除術後である請求項1〜14の何れか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記イミダゾキノリンアミン化合物が下記式II〜VIの化合物、または上記何れかの製薬上許容しうる塩である、請求項1〜15の何れか1項に記載の方法であって、
【化13】

【化14】

【化15】

式中、
11は1〜約10個の炭素原子を有するアルキル、1〜約6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル、アシルオキシ部分が2〜約4個の炭素原子を有するアルカノイルオキシまたはベンゾイルオキシであり、かつアルキル部分が1〜約6個の炭素原子を含有するアシルオキシアルキル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニルであって、該ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニルの置換基がベンゼン環上において、1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシおよびハロゲンよりなる群から独立して選択される1つまたは2つの部分で、場合により置換されているが、ただし、該ベンゼン環が該部分の2つで置換されている場合、該部分は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する、ものよりなる群から選択され;
21は水素、1〜約8個の炭素原子を有するアルキル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニルであって、該ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニルの置換基がベンゼン環上において、1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシおよびハロゲンよりなる群から独立して選択される1つまたは2つの部分で、場合により置換されているが、ただし、該ベンゼン環が該部分の2つで置換されている場合、該部分は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する、ものよりなる群から選択され;
各Rは独立して1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシ、ハロゲン、および1〜約4個の炭素原子を有するアルキルよりなる群から選択され、nは0〜2の整数であるが、ただし、nが2である場合、該R基は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する;
12は2〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルケニル、ならびに、置換基が1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルおよび3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルよりなる群から選択される2〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖の置換アルケニル;ならびに1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルで置換された3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルよりなる群から選択され;
22は水素、1〜約8個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニルであって、該ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニルの置換基がベンゼン環上において、1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキル、1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルコキシおよびハロゲンよりなる群から独立して選択される1つまたは2つの部分で場合により置換されているが、ただし、該ベンゼン環がそのような部分の2つで置換されている場合、該部分は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する、ものよりなる群から選択され;
各Rは独立して1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルコキシ、ハロゲン、および1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルよりなる群から選択され、nは0〜2の整数であるが、ただし、nが2である場合、該R基は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する;
23は水素、1〜約8個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニルであって、該ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニルの置換基がベンゼン環上において、1〜約4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル、1〜約4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルコキシおよびハロゲンよりなる群から独立して選択される1つまたは2つの部分で場合により置換されているが、ただし、該ベンゼン環がそのような部分の2つで置換されている場合、該部分は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する、ものよりなる群から選択され;
各Rは独立して1〜約4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルコキシ、ハロゲン、および1〜約4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルよりなる群から選択され、nは0〜2の整数であるが、ただし、nが2である場合、該R基は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する;
14は−CHRであり、式中、Rは水素または炭素−炭素結合であるが、ただし、Rが水素である場合、Rは1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシ、1〜約4個の炭素原子を有するヒドロキシアルコキシ、2〜約10個の炭素原子を有する1−アルキニル、テトラヒドロピラニル、アルコキシ部分が1〜約4個の炭素原子を含有し、かつアルキル部分が1〜約4個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル、2−、3−、または4−ピリジルであるが、ただし、Rが炭素−炭素結合である場合、RとRは一緒になって、ヒドロキシおよび1〜約4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルよりなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で場合により置換されたテトラヒドロフラニル基を形成する;
24は水素、1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、フェニル、ならびに、置換基が1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシ、およびハロゲンよりなる群から選択される置換フェニルよりなる群から選択され;そして、
は水素、1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルコキシ、ハロゲン、および1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルよりなる群から選択され;
15は水素;1〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルおよび1〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖の置換アルキルであって、置換基が3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルおよび1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルにより置換された3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルよりなる群から選択されるもの;2〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルケニルおよび2〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖の置換アルケニルであって、置換基が3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルおよび1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルにより置換された3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルよりなる群から選択されるもの;1〜約6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル;アルコキシ部分が1〜約4個の炭素原子を含有し、かつアルキル部分が1〜約6個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル;アシルオキシ部分が2〜約4個の炭素原子を有するアルカノイルオキシまたはベンゾイルオキシであり、かつアルキル部分が1〜約6個の炭素原子を含有するアシルオキシアルキル;ベンジル;(フェニル)エチル;およびフェニルであって、該ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニルの置換基が場合により、ベンゼン環上において、1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシおよびハロゲンよりなる群から独立して選択される1つまたは2つの部分で置換されているが、ただし、該ベンゼン環が該部分の2つで置換されている場合、該部分は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する、ものよりなる群から選択され;
25は下記であり、
【化16】

式中、
およびRは独立して水素、1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、フェニル、ならびに、置換基が1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシ、およびハロゲンよりなる群から選択される置換フェニルよりなる群から選択され;
Xは1〜約4個の炭素原子を含有するアルコキシ、アルコキシ部分が1〜約4個の炭素原子を含有し、かつアルキル部分が1〜約4個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するハロアルキル、アルキル基が1〜約4個の炭素原子を含有するアルキルアミド、アミノ、置換基が1〜約4個の炭素原子を有するアルキルまたはヒドロキシアルキルである置換アミノ、アジド、クロロ、ヒドロキシ、1−モルホリノ、1−ピロリジノ、1〜約4個の炭素原子を有するアルキルチオよりなる群から選択され;そして
は水素、1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルコキシ、ハロゲン、および1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルよりなる群から選択される、方法。
【請求項17】
前記イミダゾキノリンアミン化合物がイミキモドまたはレシキモドである請求項1〜16の何れか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記イミダゾキノリンアミン化合物がイミキモドである請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記高分子コンジュゲートが式(IC)の化合物、またはその水和物を含む、製薬上許容しうるその塩である、請求項1〜15の何れか1項に記載の方法であって、
【化17】

式中、
XはNまたはCRであり、式中、Rは水素、ハロゲン、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、または非置換ヘテロアルキルであり;
YはSまたはNであり;
破線(−−−−)は任意の結合を示し;Yとアスタリスクでマークした炭素との間の結合が二重結合である場合、Qは存在せず;Qとアスタリスクでマークした炭素との間の結合が二重結合である場合、QはO、S、NY、またはNNYであり;そして、Qとアスタリスクでマークした炭素との間の結合が単結合である場合、Qは水素、シアノ、ニトロ、O−Y、S−Y、NY、またはNYNYであり;
は水素、置換アルキル、非置換アルキル、置換シクロアルキル、非置換シクロアルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、−C(=O)−置換アルキル、−C(=O)−非置換アルキル、−C(=O)O−置換アルキル、−C(=O)O−非置換アルキル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、またはO−Yであり;
、Y、およびYは各々独立して水素、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリールであり;
ZはO、S、またはNYであり、式中、Yは水素、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリールであり;
およびQは各々独立して水素、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリールであり;
は−O−、−S−、または−NR−であり;
は水素、C1−10アルキル、または置換C1−10アルキルであるか、またはRとRは窒素原子と一緒になって複素環または置換された複素環を形成することができ;
は水素、(C−C10)アルキル、置換(C−C10)アルキル、C6−10アリール、または置換C6−10アリール、C5−9複素環、または置換C5−9複素環であり;各Rは独立して、水素、−OH、(C−C)アルキル、置換(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、置換(C−C)アルコキシ、−C(O)−(C−C)アルキル(アルカノイル)、置換−C(O)−(C−C)アルキル、−C(O)−(C−C10)アリール(アロイル)、置換−C(O)−(C−C10)アリール、−C(O)OH(カルボキシル)、−C(O)O(C−C)アルキル(アルコキシカルボニル)、置換−C(O)O(C−C)アルキル、−NR、−C(O)NR(カルバモイル)、−O−C(O)NR、−(C−C)アルキレン−NR、−(C−C)アルキレン−C(O)NR、ハロ、ニトロ、またはシアノであり;
およびRは各々独立して水素、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)ヘテロアルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルカノイル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、アリール、アリール(C−C)アルキル、Het、Het(C−C)アルキル、または(C−C)アルコキシカルボニルであり;
任意のアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アミノ、アルコキシ、アルカノイル、アリール、ヘテロアリール、または複素環基上の置換基は1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、または6つ)のヒドロキシ、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキレン、C1−6アルコキシ、C3−6シクロアルキル、C1−6アルコキシC1−6アルキレン、アミノ、シアノ、ハロゲン、複素環(例えば、ピペリジニルまたはモルホリニル)、またはアリールであり;
は結合または連結基であり;
kは0、1、2、3、または4であり;
nは0、1、2、3、または4であり;そして、
は細胞、ウィルス、ビタミン、コファクター、ペプチド、タンパク質、核酸分子、脂質、ビーズもしくは粒子、例えば、ポリスチレンビーズもしくはナノ粒子、またはデンドリマーを含む高分子である、方法。
【請求項20】
が脂質を含む高分子である請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記TLR7アゴニストが塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸およびイセチオン酸よりなる群から選択される酸の塩として処方される請求項1〜20の何れか1項に記載の方法。
【請求項22】
哺乳類における表在性膀胱癌を抑制または治療するための方法であって、膀胱粘膜においてTLR7アゴニストの局所濃度を高めるための治療と併用して、TLR7アゴニストを含む有効量の組成物を、表在性膀胱癌を有する哺乳類に膀胱内投与することを含み、該TLR7アゴニストがイミダゾキノリンアミン化合物または高分子コンジュゲート化合物である、方法。
【請求項23】
前記治療が前記膀胱に超音波を応用することを含む請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記治療が前記膀胱に電磁放射を応用することを含む請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
前記治療が前記膀胱に界面活性剤を応用することを含む請求項22〜24の何れか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記哺乳類がヒトである請求項22〜25の何れか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記哺乳類が肥満細胞数の増加を有する請求項22〜26の何れか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記哺乳類が尿中ニューロキニンのレベルの上昇を有する請求項22〜27の何れか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記哺乳類が経尿道的切除術後である請求項22〜27の何れか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記イミダゾキノリンアミン化合物が下記式II〜VIの化合物、または上記何れかの製薬上許容しうる塩である、請求項22〜29の何れか1項に記載の方法であって、
【化18】

【化19】

式中、
11は1〜約10個の炭素原子を有するアルキル、1〜約6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル、アシルオキシ部分が2〜約4個の炭素原子を有するアルカノイルオキシまたはベンゾイルオキシであり、かつアルキル部分が1〜約6個の炭素原子を含有するアシルオキシアルキル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニルであって、該ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニルの置換基がベンゼン環上で、1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシおよびハロゲンよりなる群から独立して選択される1つまたは2つの部分で、場合により置換されているが、ただし、該ベンゼン環が該部分の2つで置換されている場合、該部分は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する、ものよりなる群から選択され;
21は水素、1〜約8個の炭素原子を有するアルキル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニルであって、該ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニルの置換基がベンゼン環上において、1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシおよびハロゲンよりなる群から独立して選択される1つまたは2つの部分で場合により置換されているが、ただし、該ベンゼン環が該部分の2つで置換されている場合、該部分は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する、ものよりなる群から選択され;
各Rは独立して1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシ、ハロゲン、および1〜約4個の炭素原子を有するアルキルよりなる群から選択され、nは0〜2の整数であるが、ただし、nが2である場合、該R基は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する;
12は2〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルケニル、ならびに、置換基が1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルおよび3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルよりなる群から選択される2〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖の置換アルケニル;ならびに1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルで置換された3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルよりなる群から選択され;
22は水素、1〜約8個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニルであって、該ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニルの置換基がベンゼン環上において、1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキル、1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルコキシおよびハロゲンよりなる群から独立して選択される1つまたは2つの部分で場合により置換されているが、ただし、該ベンゼン環がそのような部分の2つで置換されている場合、該部分は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する、ものよりなる群から選択され;
各Rは独立して1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルコキシ、ハロゲン、および1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルよりなる群から選択され、nは0〜2の整数であるが、ただし、nが2である場合、該R基は一緒になって6個以下の炭素原子を含有し;
23は水素、1〜約8個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニルであって、該ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニルの置換基がベンゼン環上において、1〜約4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル、1〜約4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルコキシおよびハロゲンよりなる群から独立して選択される1つまたは2つの部分で場合により置換されているが、ただし、該ベンゼン環がそのような部分の2つで置換されている場合、該部分は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する、ものよりなる群から選択され;
各Rは独立して1〜約4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルコキシ、ハロゲン、および1〜約4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルよりなる群から選択され、nは0〜2の整数であるが、ただし、nが2である場合、該R基は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する;
14は−CHRであり、式中、Rは水素または炭素−炭素結合であるが、ただし、Rが水素である場合、Rは1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシ、1〜約4個の炭素原子を有するヒドロキシアルコキシ、2〜約10個の炭素原子を有する1−アルキニル、テトラヒドロピラニル、アルコキシ部分が1〜約4個の炭素原子を含有し、かつアルキル部分が1〜約4個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル、2−、3−、または4−ピリジルであるが、ただし、Rが炭素−炭素結合である場合、RとRは一緒になって、ヒドロキシおよび1〜約4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルよりなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で場合により置換されたテトラヒドロフラニル基を形成し;
24は水素、1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、フェニル、ならびに、置換基が1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシ、およびハロゲンよりなる群から選択される置換フェニルよりなる群から選択され;そして、
は水素、1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルコキシ、ハロゲン、および1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルよりなる群から選択され;
15は水素;1〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルおよび1〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖の置換アルキルであって、置換基が3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルおよび1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルにより置換された3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルよりなる群から選択されるもの;2〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルケニルおよび2〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖の置換アルケニルであって、置換基が3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルおよび1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルにより置換された3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルよりなる群から選択されるもの;1〜約6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル;アルコキシ部分が1〜約4個の炭素原子を含有し、かつアルキル部分が1〜約6個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル;アシルオキシ部分が2〜約4個の炭素原子を有するアルカノイルオキシまたはベンゾイルオキシであり、かつアルキル部分が1〜約6個の炭素原子を含有するアシルオキシアルキル;ベンジル;(フェニル)エチル;およびフェニルであって、該ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニルの置換基が場合により、ベンゼン環上において、1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシおよびハロゲンよりなる群から独立して選択される1つまたは2つの部分で置換されているが、ただし、該ベンゼン環が該部分の2つで置換されている場合、該部分が一緒になって6個以下の炭素原子を含有する、ものよりなる群から選択され;
25は下記であり、
【化20】

式中、
およびRは独立して水素、1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、フェニル、ならびに、置換基が1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシ、およびハロゲンよりなる群から選択される置換フェニルよりなる群から選択され;
Xは1〜約4個の炭素原子を含有するアルコキシ、アルコキシ部分が1〜約4個の炭素原子を含有し、かつアルキル部分が1〜約4個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するハロアルキル、アルキル基が1〜約4個の炭素原子を含有するアルキルアミド、アミノ、置換基が1〜約4個の炭素原子を有するアルキルまたはヒドロキシアルキルである置換アミノ、アジド、クロロ、ヒドロキシ、1−モルホリノ、1−ピロリジノ、1〜約4個の炭素原子を有するアルキルチオよりなる群から選択され;そして
は水素、1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルコキシ、ハロゲン、および1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルよりなる群から選択される、方法。
【請求項31】
前記イミダゾキノリンアミン化合物がイミキモドまたはレシキモドである請求項22〜29の何れか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記イミダゾキノリンアミン化合物がイミキモドである請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記高分子コンジュゲートが式(IC)の化合物、またはその水和物を含む、製薬上許容しうるその塩である請求項22〜29の何れか1項に記載の方法であって、
【化21】

式中、
XはNまたはCRであり、式中、Rは水素、ハロゲン、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、または非置換ヘテロアルキルであり;
YはSまたはNであり;
破線(−−−−)は任意の結合を示し;Yとアスタリスクでマークした炭素との間の結合が二重結合である場合、Qは存在せず;Qとアスタリスクでマークした炭素との間の結合が二重結合である場合、QはO、S、NY、またはNNYであり;そして、Qとアスタリスクでマークした炭素との間の結合が単結合である場合、Qは水素、シアノ、ニトロ、O−Y、S−Y、NY、またはNYNYであり;
は水素、置換アルキル、非置換アルキル、置換シクロアルキル、非置換シクロアルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、−C(=O)−置換アルキル、−C(=O)−非置換アルキル、−C(=O)O−置換アルキル、−C(=O)O−非置換アルキル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、またはO−Yであり;
、Y、およびYは各々独立して水素、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリールであり;
ZはO、S、またはNYであり、式中、Yは水素、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリールであり;
およびQは各々独立して水素、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリールであり;
は−O−、−S−、または−NR−であり;
は水素、C1−10アルキル、または非置換C1−10アルキルであるか、またはRとRは窒素原子と一緒になって複素環または置換された複素環を形成することができ;
は水素、(C−C10)アルキル、置換(C−C10)アルキル、C6−10アリール、または置換C6−10アリール、C5−9複素環、または置換C5−9複素環であり;各Rは独立して、水素、−OH、(C−C)アルキル、置換(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、置換(C−C)アルコキシ、−C(O)−(C−C)アルキル(アルカノイル)、置換−C(O)−(C−C)アルキル、−C(O)−(C−C10)アリール(アロイル)、置換−C(O)−(C−C10)アリール、−C(O)OH(カルボキシル)、−C(O)O(C−C)アルキル(アルコキシカルボニル)、置換−C(O)O(C−C)アルキル、−NR、−C(O)NR(カルバモイル)、−O−C(O)NR、−(C−C)アルキレン−NR、−(C−C)アルキレン−C(O)NR、ハロ、ニトロ、またはシアノであり;
各RおよびRは各々独立して水素、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)ヘテロアルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルカノイル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、アリール、アリール(C−C)アルキル、Het、Het(C−C)アルキル、または(C−C)アルコキシカルボニルであり;
任意のアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アミノ、アルコキシ、アルカノイル、アリール、ヘテロアリール、または複素環基上の置換基は1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、または6つ)のヒドロキシ、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキレン、C1−6アルコキシ、C3−6シクロアルキル、C1−6アルコキシC1−6アルキレン、アミノ、シアノ、ハロゲン、複素環(例えば、ピペリジニルまたはモルホリニル)、またはアリールであり;
は結合または連結基であり;
kは0、1、2、3、または4であり;
nは0、1、2、3、または4であり;そして、
は細胞、ウィルス、ビタミン、コファクター、ペプチド、タンパク質、核酸分子、脂質、ビーズもしくは粒子、例えば、ポリスチレンビーズもしくはナノ粒子、またはデンドリマーを含む高分子である、方法。
【請求項34】
が脂質を含む高分子である請求項33記載の方法。
【請求項35】
前記TLR7アゴニストが塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸およびイセチオン酸よりなる群から選択される酸の塩として処方される請求項22〜34の何れか1項に記載の方法。
【請求項36】
哺乳類における表在性膀胱癌を抑制または治療するために有効な量の医薬の製造におけるTLR7アゴニストの使用であって、該TLRアゴニストが高分子コンジュゲート化合物であるか、またはイミダゾキノリンアミン化合物であり、該TLR7アゴニストがイミダゾキノリンアミン化合物または高分子コンジュゲート化合物である、使用。
【請求項37】
前記イミダゾキノリンアミン化合物が式II〜VIの化合物、または上記何れかの製薬上許容しうる塩である請求項36記載の使用であって、
【化22】

【化23】

【化24】

式中、
11は1〜約10個の炭素原子を有するアルキル、1〜約6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル、アシルオキシ部分が2〜約4個の炭素原子を有するアルカノイルオキシまたはベンゾイルオキシであり、かつアルキル部分が1〜約6個の炭素原子を含有するアシルオキシアルキル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニルであって、該ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニルの置換基がベンゼン環上において、1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシおよびハロゲンよりなる群から独立して選択される1つまたは2つの部分で場合により置換されているが、ただし、該ベンゼン環が該部分の2つで置換されている場合、該部分は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する、ものよりなる群から選択され;
21は水素、1〜約8個の炭素原子を有するアルキル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニルであって、該ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニルの置換基がベンゼン環上において、1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシおよびハロゲンよりなる群から独立して選択される1つまたは2つの部分で場合により置換されているが、ただし、該ベンゼン環が該部分の2つで置換されている場合、該部分は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する、ものよりなる群から選択され;
各Rは独立して1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシ、ハロゲン、および1〜約4個の炭素原子を有するアルキルよりなる群から選択され、nは0〜2の整数であるが、ただし、nが2である場合、該R基は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する;
12は2〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルケニル、ならびに置換基が1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルおよび3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルよりなる群から選択される、2〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖の置換アルケニル;ならびに1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルで置換された3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルよりなる群から選択され;
22は水素、1〜約8個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニルであって、該ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニルの置換基がベンゼン環上において、1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキル、1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルコキシおよびハロゲンよりなる群から独立して選択される1つまたは2つの部分で場合により置換されているが、ただし、該ベンゼン環がそのような部分の2つで置換されている場合、該部分は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する、ものよりなる群から選択され;
各Rは独立して1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルコキシ、ハロゲン、および1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルよりなる群から選択され、nは0〜2の整数であるが、ただし、nが2である場合、該R基は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する;
23は水素、1〜約8個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル、ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニルであって、該ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニルの置換基がベンゼン環上において、1〜約4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル、1〜約4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルコキシおよびハロゲンよりなる群から独立して選択される1つまたは2つの部分で場合により置換されているが、ただし、該ベンゼン環がそのような部分の2つで置換されている場合、該部分は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する、ものよりなる群から選択され;
各Rは独立して1〜約4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルコキシ、ハロゲン、および1〜約4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルよりなる群から選択され、nは0〜2の整数であるが、ただし、nが2である場合、該R基は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する;
14は−CHRであり、式中、Rは水素または炭素−炭素結合であるが、ただし、Rが水素である場合、Rは1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシ、1〜約4個の炭素原子を有するヒドロキシアルコキシ、2〜約10個の炭素原子を有する1−アルキニル、テトラヒドロピラニル、アルコキシ部分が1〜約4個の炭素原子を含有し、かつアルキル部分が1〜約4個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル、2−、3−、または4−ピリジルであるが、ただし、Rが炭素−炭素結合である場合、RとRは一緒になって、ヒドロキシおよび1〜約4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルよりなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で場合により置換されたテトラヒドロフラニル基を形成し;
24は水素、1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、フェニル、ならびに置換基が1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシ、およびハロゲンよりなる群から選択される置換フェニルよりなる群から選択され;そして、
は水素、1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルコキシ、ハロゲン、および1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルよりなる群から選択され;
15は水素;1〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルならびに置換基が3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルおよび1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルにより置換された3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルよりなる群から選択される、1〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖の置換アルキル;2〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルケニル、ならびに置換基が3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルおよび1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルにより置換された3〜約6個の炭素原子を含有するシクロアルキルよりなる群から選択される2〜約10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖の置換アルケニル;1〜約6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル;アルコキシ部分が1〜約4個の炭素原子を含有し、かつアルキル部分が1〜約6個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル;アシルオキシ部分が2〜約4個の炭素原子を有するアルカノイルオキシまたはベンゾイルオキシであり、かつアルキル部分が1〜約6個の炭素原子を含有するアシルオキシアルキル;ベンジル、(フェニル)エチルおよびフェニルであって、該ベンジル、(フェニル)エチルまたはフェニルの置換基が、ベンゼン環上において、1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシおよびハロゲンよりなる群から独立して選択される1つまたは2つの部分で場合により置換されているが、ただし、該ベンゼン環が該部分の2つで置換されている場合、該部分は一緒になって6個以下の炭素原子を含有する、ものよりなる群から選択され;
25は下記であり、
【化25】

式中、
およびRは独立して水素、1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、フェニル、ならびに置換基が1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するアルコキシ、およびハロゲンよりなる群から選択される置換フェニルよりなる群から選択され;
Xは1〜約4個の炭素原子を含有するアルコキシ、アルコキシ部分が1〜約4個の炭素原子を含有し、かつアルキル部分が1〜約4個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル、1〜約4個の炭素原子を有するハロアルキル、アルキル基が1〜約4個の炭素原子を含有するアルキルアミド、アミノ、置換基が1〜約4個の炭素原子を有するアルキルまたはヒドロキシアルキルである置換アミノ、アジド、クロロ、ヒドロキシ、1−モルホリノ、1−ピロリジノ、1〜約4個の炭素原子を有するアルキルチオであるものよりなる群から選択され;そして
は水素、1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルコキシ、ハロゲン、および1〜約4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキルよりなる群から選択される、使用
【請求項38】
前記イミダゾキノリンアミン化合物がイミキモドまたはレシキモドである請求項36または37記載の使用。
【請求項39】
前記イミダゾキノリンアミン化合物がイミキモドである請求項38記載の使用。
【請求項40】
前記高分子コンジュゲートが式(IC)の化合物、またはその水和物を含む、製薬上許容しうるその塩である請求項36記載の使用であって、
【化26】

式中、
XはNまたはCRであり、式中、Rは水素、ハロゲン、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、または非置換ヘテロアルキルであり;
YはSまたはNであり;
破線(−−−−)は任意の結合を示し;Yとアスタリスクでマークした炭素との間の結合が二重結合である場合、Qは存在せず;Qとアスタリスクでマークした炭素との間の結合が二重結合である場合、QはO、S、NY、またはNNYであり;そして、Qとアスタリスクでマークした炭素との間の結合が単結合である場合、Qは水素、シアノ、ニトロ、O−Y、S−Y、NY、またはNYNYであり;
は水素、置換アルキル、非置換アルキル、置換シクロアルキル、非置換シクロアルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、−C(=O)−置換アルキル、−C(=O)−非置換アルキル、−C(=O)O−置換アルキル、−C(=O)O−非置換アルキル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、またはO−Yであり;
、Y、およびYは各々独立して水素、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリールであり;
ZはO、S、またはNYであり、式中、Yは水素、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリールであり;
およびQは各々独立して水素、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリールであり;
は−O−、−S−、または−NR−であり;
は水素、C1−10アルキル、または非置換C1−10アルキルであるか、またはRとRは窒素原子と一緒になって複素環または置換された複素環を形成することができ;
は水素、(C−C10)アルキル、置換(C−C10)アルキル、C6−10アリール、または置換C6−10アリール、C5−9複素環、または置換C5−9複素環であり;各Rは独立して、水素、−OH、(C−C)アルキル、置換(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、置換(C−C)アルコキシ、−C(O)−(C−C)アルキル(アルカノイル)、置換−C(O)−(C−C)アルキル、−C(O)−(C−C10)アリール(アロイル)、置換−C(O)−(C−C10)アリール、−C(O)OH(カルボキシル)、−C(O)O(C−C)アルキル(アルコキシカルボニル)、置換−C(O)O(C−C)アルキル、−NR、−C(O)NR(カルバモイル)、−O−C(O)NR、−(C−C)アルキレン−NR、−(C−C)アルキレン−C(O)NR、ハロ、ニトロ、またはシアノであり;
各RおよびRは各々独立して水素、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)ヘテロアルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルカノイル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、アリール、アリール(C−C)アルキル、Het、Het(C−C)アルキル、または(C−C)アルコキシカルボニルであり;
任意のアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アミノ、アルコキシ、アルカノイル、アリール、ヘテロアリール、または複素環基上の置換基は1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、または6つ)のヒドロキシ、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキレン、C1−6アルコキシ、C3−6シクロアルキル、C1−6アルコキシC1−6アルキレン、アミノ、シアノ、ハロゲン、複素環(例えば、ピペリジニルまたはモルホリニル)、またはアリールであり;
は結合または連結基であり;
kは0、1、2、3、または4であり;
nは0、1、2、3、または4であり;そして、
は細胞、ウィルス、ビタミン、コファクター、ペプチド、タンパク質、核酸分子、脂質、ビーズもしくは粒子、例えば、ポリスチレンビーズもしくはナノ粒子、またはデンドリマーを含む高分子である、使用。
【請求項41】
が脂質を含む高分子である請求項40記載の使用。
【請求項42】
前記TLR7アゴニストが塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸およびイセチオン酸よりなる群から選択される酸の塩として処方される請求項36〜41の何れか1項に記載の使用。

【図1】
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【公表番号】特表2011−511073(P2011−511073A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545884(P2010−545884)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【国際出願番号】PCT/US2009/000771
【国際公開番号】WO2009/099650
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(503375223)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (2)
【出願人】(510215569)
【Fターム(参考)】