説明

TRPV3アンタゴニストとしてのクロメノン誘導体



本発明は、式(I)の一過性受容体電位バニロイド(TRPV)モジュレーターを与える。特に、本明細書に記載の化合物は、TRPV3によって調節される疾患、状態および/または障害を処置するか、予防するのに有用である。また、本明細書に記載の化合物を調製するプロセス、これらの合成に用いる中間体、それらの医薬組成物、およびTRPV3によって調節される疾患、状態および/または障害を処置するか、または予防する方法も本明細書に与えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2008年11月17日出願のインド国仮特許出願第2420/MUM/2008号;2009年3月23日出願のインド国仮特許出願第664/MUM/2009号;および2008年12月17日出願の米国仮特許出願第61/138,456号、2009年4月21日出願の米国仮特許出願第61/171,265号の利益を主張し、これらの全てがその全体にわたって本明細書中で参考として援用される。
【0002】
本特許明細書は、TRPV3アンタゴニストとしてのクロメノン誘導体に関する。
【背景技術】
【0003】
細胞膜を通過するイオンの移動は、特殊なタンパク質によって行われる。TRPチャネルは、非選択的なカチオンチャネルの1つの大きなファミリーであり、イオンの流れを制御し、膜電位を制御するのを助けるように機能する。TRPチャネルは、TRPVファミリーを含む6種類のサブファミリーに分けられる。TRPV3は、TRPチャネルのTRPV群のメンバーである。
【0004】
TRPV3は、カルシウム透過性の非選択的なカチオンチャネルである。カルシウムイオンに加え、TRPV3チャネルは、他のカチオン(例えば、ナトリウム)に対しても透過性である。したがって、TRPV3チャネルは、カルシウムイオンやナトリウムイオンのようなカチオンの流れを調節することによって、膜電位を調節する。TRPV3受容体は、電位依存性カルシウムチャネルとは機構的に異なる。一般的に、電位依存性カルシウムチャネルは、膜の脱分極に応答し、細胞外の媒体からカルシウムが流れるように開き、細胞内のカルシウム値またはカルシウム濃度の増加をもたらす。対照的に、TRPチャネルは非選択的であり、長く持続するため、イオン濃度を長い間変化させ、リガンド開口型である(2−アミノエトキシジフェニルボレート[2−APB]のような化学物質、バニロイド、熱によって調節される)。これらの機構による違いは、電位依存型チャネルとTRPチャネルの構造の違いによるものである。したがって、多くの多様なチャネルは、種々の細胞種において、多くの刺激に応答してイオンの流れと膜電位とを調節するように作用するが、異なる種類のイオンチャネル間で、構造的、機能的、機構的な重要な違いを認識することが重要である。
【0005】
TRPV3タンパク質は、皮膚細胞で発現する温度感受性チャネルであり(非特許文献1)、後根神経節、三叉神経節、脊髄、脳で発現する温度感受性チャネルである(非特許文献2;非特許文献3)。ケラチン生成細胞の細胞株において、TRPV3が刺激され、インターロイキン−1を含む炎症性メディエーターが放出される。したがって、TRPV3は、炎症および疼痛の制御にも重要な役割をはたしていると考えられ、この制御は、炎症刺激の放出から起こる。本明細書で記載されているような、TRPV3の機能を調節する化合物を同定するスクリーニングアッセイで使用可能な特定のTRPV3タンパク質としては、限定されないが、ヒトTRPV3、マウスTRPV3、ラットTRPV3、ショウジョウバエTRPV3が挙げられる。特許文献1(‘537号明細書)には、ヒトTRPV3、マウスTRPV3、ショウジョウバエTRPV3に対応する配列が開示されている。例えば、‘537号明細書の配列番号106および107は、それぞれ、ヒトの核酸およびアミノ酸配列に対応している。‘537号明細書の配列番号108および109は、それぞれマウスの核酸およびアミノ酸配列に対応している。
【0006】
TRPV3の機能は、基本的に、疼痛の受容および変換に関与している。したがって、TRPV3の1つ以上の機能を調節することができる化合物を同定し、製造することが望ましいだろう。
【0007】
特許文献2、特許文献3、特許文献4には、TRPV3モジュレーター、特に、TRPV3が媒介する種々の疾患を処置するためのアンタゴニストが開示されている。
【0008】
より良い鎮痛薬を開発しようとする中で、TRPV3によって調節される疾患、状態および/または障害を処置する治療薬の必要性が依然として存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0009537号明細書
【特許文献2】国際公開第2007/056124号
【特許文献3】国際公開第2008/140750号
【特許文献4】国際公開第2008/033564号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Peierら、Science(2002)、296、2046−2049
【非特許文献2】Xuら、Nature(2002)、418、181−185
【非特許文献3】Smithら、Nature(2002)、418、186−188
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本特許明細書は、一般式(I)の化合物に関し、
【0012】
【化1】

式中、
の各存在は、独立して、水素、ニトロ、シアノ、ハロゲン、−OR、置換されているか、または置換されていないアルキル、置換されているか、または置換されていないアルケニル、置換されているか、または置換されていないアルキニル、置換されているか、または置換されていないシクロアルキル、置換されているか、または置換されていないシクロアルケニル、置換されているか、または置換されていないアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロ環基、−NR、−S(O)NR、および−S(O)から選択され;
は、水素、ハロゲン、置換されているか、または置換されていないアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロアリール、または置換されているか、または置換されていないヘテロ環基から選択され;ここで、置換基は、独立して、ハロゲン、ニトロ、シアノ、−NR、置換されているか、または置換されていないアルキル、置換されているか、または置換されていないアルケニル、置換されているか、または置換されていないアルコキシ、置換されているか、または置換されていないハロアルキル、置換されているか、または置換されていないハロアルキルオキシ、置換されているか、または置換されていないシクロアルキル、置換されているか、または置換されていないアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロ環基、および置換されているか、または置換されていないヘテロアリールから選択され;
の各存在は、同じであってもよく、異なっていてもよく、ニトロ、シアノ、ハロゲン、−OR、置換されているか、または置換されていないアルキル、置換されているか、または置換されていないアルケニル、置換されているか、または置換されていないハロアルキル、置換されているか、または置換されていないシアノアルキル、置換されているか、または置換されていないシアノアルキルオキシ、置換されているか、または置換されていないシクロアルキル、置換されているか、または置換されていないアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロ環基、および置換されているか、または置換されていないヘテロアリールから選択され;
の各存在は、独立して、水素、置換されているか、または置換されていないアルキル、直鎖または分枝鎖のアルキル、置換されているか、または置換されていないハロアルキル、置換されているか、または置換されていないシアノアルキル、置換されているか、または置換されていないアルケニル、置換されているか、または置換されていないシクロアルキル、置換されているか、または置換されていないアルコキシアルキル、置換されているか、または置換されていないアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロ環基、置換されているか、または置換されていないシクロアルキルアルキル、置換されているか、または置換されていないアリールアルキル、置換されているか、または置換されていないヘテロアリールアルキル、および置換されているか、または置換されていないヘテロシクリルアルキルから選択され;
およびRの各存在は、独立して、水素、置換されているか、または置換されていないアルキル、置換されているか、または置換されていないアルケニル、置換されているか、または置換されていないシクロアルキル、置換されているか、または置換されていないシクロアルキルアルキル、置換されているか、または置換されていないシクロアルケニル、置換されているか、または置換されていないアリール、置換されているか、または置換されていないアリールアルキル、置換されているか、または置換されていないヘテロアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロアリールアルキル、置換されているか、または置換されていないヘテロ環基、および置換されているか、または置換されていないヘテロシクリルアルキルから選択され;
「n」は、両端の値を含め、0〜5から選択される整数であり;
「m」は、両端の値を含め、0〜4から選択される整数であり;
「p」の各存在は、両端の値を含め、0〜2から選択される整数である。
【0013】
式(I)は、構造的に、本明細書に記載されている種類の化学構造から想定され得るすべての幾何異性体、立体異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、医薬的に許容され得る塩を包含すると理解されるべきである。
【0014】
ある好ましい実施形態によれば、化合物は、以下の式を有し、
【0015】
【化2】

式中、
の各存在は、独立して、水素、ニトロ、シアノ、ハロゲン、−OR、置換されているか、または置換されていないアルキル、置換されているか、または置換されていないアルケニル、置換されているか、または置換されていないアルキニル、置換されているか、または置換されていないシクロアルキル、置換されているか、または置換されていないシクロアルケニル、置換されているか、または置換されていないアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロ環基、−NR、−S(O)NR、および−S(O)から選択され;
は、水素、置換されているか、または置換されていないアルキル、直鎖または分枝鎖のアルキル、置換されているか、または置換されていないハロアルキル、置換されているか、または置換されていないシアノアルキル、置換されているか、または置換されていないアルケニル、置換されているか、または置換されていないシクロアルキル、置換されているか、または置換されていないアルコキシアルキル、置換されているか、または置換されていないアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロ環基、置換されているか、または置換されていないシクロアルキルアルキル、置換されているか、または置換されていないアリールアルキル、置換されているか、または置換されていないヘテロアリールアルキル、および置換されているか、または置換されていないヘテロシクリルアルキルから選択され;
は、水素、置換されているか、または置換されていないアルキル、置換されているか、または置換されていないアルケニル、置換されているか、または置換されていないハロアルキル、置換されているか、または置換されていないシクロアルキル、置換されているか、または置換されていないアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロ環基、および置換されているか、または置換されていないヘテロアリールから選択され;
の各存在は、独立して、水素、ニトロ、シアノ、ハロゲン、−OR、置換されているか、または置換されていないアルキル、置換されているか、または置換されていないハロアルキル、置換されているか、または置換されていないアルケニル、置換されているか、または置換されていないアルキニル、置換されているか、または置換されていないシクロアルキル、置換されているか、または置換されていないシクロアルケニル、置換されているか、または置換されていないアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロ環基、−NR、−S(O)NR、および−S(O)から選択され;
およびRの各存在は、独立して、水素、置換されているか、または置換されていないアルキル、置換されているか、または置換されていないアルケニル、置換されているか、または置換されていないシクロアルキル、置換されているか、または置換されていないシクロアルキルアルキル、置換されているか、または置換されていないシクロアルケニル、置換されているか、または置換されていないアリール、置換されているか、または置換されていないアリールアルキル、置換されているか、または置換されていないヘテロアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロアリールアルキル、置換されているか、または置換されていないヘテロ環基、および置換されているか、または置換されていないヘテロシクリルアルキルから選択され;
「m」は、両端の値を含め、0〜4から選択される整数であり;
「p」の各存在は、両端の値を含め、0〜2から選択される整数であり;
「q」は、両端の値を含め、0〜5から選択される整数である。
【0016】
式(II)は、構造的に、本明細書に記載されている種類の化学構造から想定され得るすべての幾何異性体、立体異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、医薬的に許容され得る塩を包含すると理解されるべきである。
【0017】
ある実施形態によれば、特に、Rが水素またはハロゲン(例えば、F、ClまたはBr)であり;「m」が1または2である式(II)の化合物が与えられる。
【0018】
別の実施形態によれば、特に、Rが、水素、直鎖または分枝鎖のアルキル(例えば、メチル、iso−ブチル、iso−ペンチル、またはneo−ペンチル)、置換されているか、または置換されていないハロアルキル(例えば、3,3,3−トリフルオロプロピル)、置換されているか、または置換されていないシクロアルキル(例えば、シクロペンチル)、または置換されているか、または置換されていないシクロアルキルアルキル(例えば、シクロプロピルメチルまたはシクロブチルメチル)である式(II)の化合物が与えられる。
【0019】
別の実施形態によれば、特に、Rが、水素、直鎖または分枝鎖のアルキル(例えば、メチル、iso−ブチル、iso−ペンチルまたはneo−ペンチル)、置換されているか、または置換されていないハロアルキル(例えば、ジフルオロメチル)、置換されているか、または置換されていないシクロアルキル、または置換されているか、または置換されていないシクロアルキルアルキルである式(II)の化合物が与えられる。
【0020】
別の実施形態によれば、特に、Rが、シアノ、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)またはハロアルコキシ(例えば、トリフルオロメトキシ)であり;「q」が0または1である式(II)の化合物が与えられる。
【0021】
以下のものは代表的な化合物であり、これらの化合物は、単に実際に例示しているだけのものであり、本発明の範囲を限定することを意図していない。
【0022】
2−[(E)−2−(2−シクロプロピルメトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4H−4−クロメノン、
2−[(E)−2−(2−シクロプロピルメトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−3−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−4H−4−クロメノン、
4−{2−[(E)−2−(2−シクロプロピルメトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−(2−{(E)−2−[2−(シクロプロピルメトキシ)−3−(ジフルオロメトキシ)フェニル]ビニル}−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{2−[(E)−2−(2−シクロペンチルオキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{2−[(E)−2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}−ベンゾニトリル、
4−{2−[(E)−2−[(E)−2−(2,2−ジメチルプロポキシ)−3−メトキシフェニル]−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{2−[(E)−2−(2−イソブトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−(2−{(E)−2−[3−メトキシ−2−(3,3,3−トリフルオロプロポキシ)フェニル]−1−エテニル}−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{2−[(E)−2−(2−シクロプロピルメトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−7−フルオロ−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{2−[(E)−2−(2−シクロペンチルオキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−7−フルオロ−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{7−フルオロ−2−[(E)−2−(3−メトキシ−2−ネオペンチルオキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{7−フルオロ−2−[(E)−2−(2−イソブトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−(7−フルオロ−2−{(E)−2−[3−メトキシ−2−(3,3,3−トリフルオロプロポキシ)フェニル]−1−エテニル}−4−オキソ−4H−3−クロメニル)ベンゾニトリル、
4−{2−[(E)−2−(2−シクロプロピルメトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−6−フルオロ−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{2−[(E)−2−(2−シクロペンチルオキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−6−フルオロ−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{2−[(E)−2−(2−シクロブチルメトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−6−フルオロ−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{6−フルオロ−2−[(E)−2−(2−イソペンチルオキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{6−フルオロ−2−[(E)−2−(2−イソブトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{6−フルオロ−2−[(E)−2−(2,2−ジメチルプロポキシ)−3−メトキシフェニル]−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{6−クロロ−2−[(E)−2−(2−シクロプロピルメトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{2−[(E)−2−(2−シクロプロピルメトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−6,8−ジフルオロ−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{2−[(E)−2−[2−シクロペンチルオキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−6,7−ジフルオロ−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、または
これらの類似体、互変異性体、位置異性体、幾何異性体、立体異性体、エナンチオマー、ジアステレオマーまたは医薬的に許容され得る塩。
【0023】
また、本特許明細書は、本明細書に記載の少なくとも1つの化合物と、少なくとも1つの医薬的に許容され得る賦形剤(例えば、医薬的に許容され得るキャリアまたは希釈剤)を含む医薬組成物も与える。好ましくは、医薬組成物は、本明細書に記載される治療有効量の少なくとも1つの化合物を含む。医薬組成物中に存在する化合物は、医薬的に許容され得る賦形剤(例えば、キャリアまたは希釈剤)と結合していてもよく、または、キャリアで希釈されていてもよく、または、カプセル、サシェ剤、紙容器または他の容器の形態であってもよいキャリアに包まれていてもよい。
【0024】
本明細書に記載の化合物および医薬組成物は、TRPV3受容体によって調節される疾患、状態および/または障害の処置に有用である。
【0025】
さらに、本特許明細書は、処置が必要な被検体において、この被検体に、本明細書に記載の1つ以上の化合物を、TRPV3受容体を阻害するのに有効な量で投与することによる、TRPV3受容体によって調節される疾患、状態および/または障害を処置する方法を与える。
【0026】
また、本明細書には、本明細書に記載されている化合物を調製するプロセスも与えられている。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(詳細な記載)
本特許明細書は、TRPV3モジュレーターとして用いることが可能なクロメノン誘導体、およびこれらの化合物を合成するプロセスを与える。本明細書に記載する化合物の医薬的に許容され得る塩、エナンチオマー、ジアステレオマーが、別個に、かつ個々に想定されている。上述の化合物と、医薬的に許容され得るキャリア、賦形剤または希釈剤とを含み、TRPV3が媒介する疾患、状態および/または障害を処置するのに用いることが可能な医薬組成物が、別個に想定されている。
【0028】
本発明は、特許請求の範囲によって定義されており、以下に与える記載によっては限定されない。添付の特許請求の範囲で用いられる用語は、この用語解説の章で定義されているが、ただし、特許請求の範囲の用語は、表現の引用によって違うように定義されている場合には、異なる様式で用いられていてもよい。
【0029】
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
【0030】
用語「アルキル」は、炭素原子および水素原子のみからなる炭化水素鎖を指し、不飽和部を含まず、1〜8個の炭素原子を含み、単結合によって分子の残りの部分と結合しており、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソプロピル)、n−ブチル、n−ペンチル、および1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)である。用語「C1〜6アルキル」は、炭素原子が1〜6個のアルキル鎖を指す。矛盾することが記載されているか、または矛盾することが引用されていない限り、本明細書または特許請求の範囲に記載されているすべてのアルキル基は、直鎖であってもよく、分枝鎖であってもよく、置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。
【0031】
用語「アルケニル」は、2〜10個の炭素原子と、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合とを含む炭化水素鎖を指す。アルケニル基の非限定的な例としては、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル(アリル)、iso−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、および2−ブテニルが挙げられる。矛盾することが記載されているか、または矛盾することが引用されていない限り、本明細書または特許請求の範囲に記載されているすべてのアルケニル基は、直鎖であってもよく、分枝鎖であってもよく、置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。
【0032】
用語「アルキニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合と、2〜約12個の炭素原子とを含む炭化水素鎖を指す(2〜約10個の炭素原子を含む基が好ましい)。アルキニル基の非限定的な例としては、エチニル、プロピニル、およびブチニルが挙げられる。矛盾することが記載されているか、または矛盾することが引用されていない限り、本明細書または特許請求の範囲に記載されているすべてのアルキニル基は、直鎖であってもよく、分枝鎖であってもよく、置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。
【0033】
用語「アルコキシ」は、アルキル基が分子の残りの部分に酸素を介して結合している基を示す。アルコキシ基の代表例は、メトキシおよびエトキシである。矛盾することが記載されているか、または矛盾することが引用されていない限り、本明細書または特許請求の範囲に記載されているすべてのアルコキシ基は、直鎖であってもよく、分枝鎖であってもよく、置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。
【0034】
用語「シクロアルキル」は、3〜約12個の炭素原子を含む非芳香族の単環系または多環系を示し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルである。多環シクロアルキル基の例としては、限定されないが、ペルヒドロナフチチル(perhydronapththyl)基、アダマンチル基、ノルボルニル基、架橋した環状基、またはスピロ二環基、例えば、スピロ(4,4)ノナ−2−イルが挙げられる。矛盾することが記載されているか、または矛盾することが引用されていない限り、本明細書または特許請求の範囲に記載されているすべてのシクロアルキル基は、置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。
【0035】
用語「シクロアルキルアルキル」は、3個〜約8個の炭素原子を含む環がアルキル基に直接結合している、環を含有する環状基を指す。シクロアルキルアルキル基は、アルキル基の任意の炭素原子で主構造と結合し、安定な構造を生成していてもよい。シクロアルキルアルキル基の非限定的な例としては、シクロプロピルメチル、シクロブチルエチル、およびシクロペンチルエチルが挙げられる。矛盾することが記載されているか、または矛盾することが引用されていない限り、本明細書または特許請求の範囲に記載されているすべてのシクロアルキルアルキル基は、置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。
【0036】
用語「シクロアルケニル」は、3〜約8個の炭素原子と、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合とを含む環を含有する環状基を指し、例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、およびシクロペンテニルである。矛盾することが記載されているか、または矛盾することが引用されていない限り、本明細書または特許請求の範囲に記載されているすべてのシクロアルケニル基は、置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。
【0037】
用語「アリール」は、6〜14個の炭素原子を含む芳香族環を指し、単環、二環、および三環の芳香族系を含み、例えば、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、およびビフェニルである。矛盾することが記載されているか、または矛盾することが引用されていない限り、本明細書または特許請求の範囲に記載されているすべてのアリール基は、置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。
【0038】
用語「アリールアルキル」は、上に定義したアリール基が、上に定義したアルキル基に直接結合した基を指し、例えば、−CHおよび−Cである。
【0039】
用語「ヘテロ環」または「ヘテロシクリル」は、他の意味であると明記されていない限り、炭素原子と、窒素、リン、酸素、硫黄から選択される1〜5個のヘテロ原子とからなる、置換されているか、または置換されていない非芳香族の3〜15員環基を指す。ヘテロ環基は、単環系、二環系または三環系であってもよく、縮合環系、架橋環系、またはスピロ環系を含んでいてもよく、ヘテロ環基中の窒素原子、リン原子、炭素原子、酸素原子または硫黄原子は、場合により、種々の酸化状態へ酸化されていてもよい。それに加え、窒素原子は、場合により、四級化されていてもよく、また、この定義に矛盾しない限り、ヘテロ環またはヘテロシクリルは、場合により、1個以上のオレフィン結合を含んでいてもよい。このようなヘテロ環基の例としては、限定されないが、アゼピニル、アゼチジニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキサニル、クロマニル、ジオキソラニル、ジオキサホスホラニル、デカヒドロイソキノリル、インダニル、インドリニル、イソインドリニル、イソクロマニル、イソチオゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキソアゼピニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、ペルヒドロアセピニル、ピペラジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピペリジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロイソキノリル(tetrahydroisquinolyl)、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、およびチアモルホリニルスルホンが挙げられる。ヘテロ環基は、任意のヘテロ原子または炭素原子で主構造に結合し、安定な構造を作っていてもよい。
【0040】
用語「ヘテロシクリルアルキル」は、アルキル基に直接結合したヘテロ環基を指す。ヘテロシクリルアルキル基は、アルキル基中の任意の炭素原子で主構造に結合し、安定な構造を作っていてもよい。
【0041】
用語「ヘテロアリール」は、他の意味であると明記されていない限り、N、OまたはSから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を有する、置換されているか、または置換されていない5〜14員環の芳香族ヘテロ環基を指す。ヘテロアリールは、単環系、二環系または三環系であってもよい。ヘテロアリール環基は、任意のヘテロ原子または炭素原子で主構造に結合し、安定な構造を作っていてもよい。このようなヘテロアリール環基の例としては、限定されないが、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、フリル、インドリル、イソインドリル、ピロリル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾピラニル、カルバゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、シンノリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、プリニル、キノキサリニル、キノリル、イソキノリル、チアジアゾリル、インドリジニル、アクリジニル、フェナジニル、およびフタラジニルが挙げられる。
【0042】
用語「ヘテロアリールアルキル」は、アルキル基に直接結合したヘテロアリール環基を指す。ヘテロアリールアルキル基は、アルキル基中の任意の炭素原子で主構造に結合し、安定な構造を作っていてもよい。
【0043】
他の意味であると明記されていない限り、用語「置換された」は、本明細書で使用される場合、ある基または部分の構造的な骨格に置換基の1個以上が結合している基または部分を指し、限定されないが、ヒドロキシ、ハロゲン、カルボキシル、シアノ、ニトロ、オキソ(=O)、チオ(=S)、置換されているか、または置換されていないアルキル、置換されているか、または置換されていないアルコキシ、置換されているか、または置換されていないアルケニル、置換されているか、または置換されていないアルキニル、置換されているか、または置換されていないアリール、置換されているか、または置換されていないアリールアルキル、置換されているか、または置換されていないシクロアルキル、置換されているか、または置換されていないシクロアルケニルアルキル、置換されているか、または置換されていないシクロアルケニル、置換されているか、または置換されていないアミノ、置換されているか、または置換されていないアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロシクリルアルキル環、置換されているか、または置換されていないヘテロアリールアルキル、置換されているか、または置換されていないヘテロ環、置換されているか、または置換されていないグアニジン、−COOR、−C(O)R、−C(S)R、−C(O)NR、−C(O)ONR、−NRCONR、−N(R)SOR、−N(R)SO、−(=N−N(R)R)、−NRC(O)OR、−NR、−NRC(O)R、−NRC(S)R、−NRC(S)NR、−SONR、−SONR、−OR、−ORC(O)NR、−ORC(O)OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、−RNRC(O)R、−ROR、−RC(O)OR、−RC(O)NR、−RC(O)R、−ROC(O)R、−SR、−SOR、−SO、および−ONOのような置換基が挙げられ、R、R、およびRは、独立して、水素、置換されているか、または置換されていないアルキル、置換されているか、または置換されていないアルコキシ、置換されているか、または置換されていないアルケニル、置換されているか、または置換されていないアルキニル、置換されているか、または置換されていないアリール、置換されているか、または置換されていないアリールアルキル、置換されているか、または置換されていないシクロアルキル、置換されているか、または置換されていないシクロアルケニル、置換されているか、または置換されていないアミノ、置換されているか、または置換されていないアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロアリール、置換ヘテロシクリルアルキル環、置換されているか、または置換されていないヘテロアリールアルキル、または置換されているか、または置換されていないヘテロ環から選択される。上述の「置換された」基の置換基を、さらに置換することはできない。例えば、「置換されたアルキル」の置換基が「置換されたアリール」である場合、この「置換されたアリール」の置換基が、「置換されたアルケニル」であることはない。
【0044】
ある状況、障害または状態を「処置する」または「処置」との用語は、(a)ある状況、障害または状態にかかっている被検体、またはかかりやすいが、まだその状況、障害または状態、これらの臨床症状または部分的な臨床症状をまだ経験していないか、このような症状がまだあらわれていない被検体において、その状況、障害または状態が進行し、その状況、障害または状態の臨床症状が発生するのを予防すること、または遅らせること;(b)その状況、障害または状態を抑制すること、すなわち、その疾患または少なくとも1つの臨床症状または部分的な臨床症状が進行するのを止めるか、または減らすこと;または、(c)疾患を緩和すること、すなわち、その状況、障害または状態、これらの臨床症状または部分的な臨床症状のうち1つ以上の状態を退行させることを含む。
【0045】
用語「被検体」は、哺乳動物(特に、ヒト)および他の動物、例えば、家畜動物(例えば、ネコおよびイヌを含む、家で飼うペット)および家畜ではない動物(例えば、野生のもの)を含む。
【0046】
「治療的に有効な量」は、ある状況、障害または状態を処置するために被検体に投与される場合、被検体において、投与の目的である影響を生じさせるのに十分な化合物の量を意味する。「治療に有効な量」は、化合物、疾患および疾患の重篤度、処置される被検体の年齢、体重、体の状況、応答性によって変わるであろう。
【0047】
本特許明細書に記載の化合物は、塩の形態であってもよい。本特許明細書の一部分を形成する医薬的に許容され得る塩の非限定的な例としては、無機塩基から誘導される塩、有機塩基の塩、キラル塩基の塩、天然アミノ酸の塩および非天然アミノ酸の塩が挙げられる。式(I)で記載される化合物全体に関し、本特許明細書は、これらの立体異性体形態およびその混合物にも拡張される。特定の立体異性体の合成または分離を教示する従来技術の程度まで、本特許明細書の異なる立体異性体形態を、当該技術分野で知られている方法によって互いに分離してもよく、または所与の異性体を、立体特異的合成または不斉合成で得てもよい。本明細書に記載される化合物の互変異性体形態および混合物も想定されている。
【0048】
(医薬組成物)
本発明で与えられる医薬組成物は、本明細書に記載される少なくとも1つの化合物と、少なくとも1つの医薬的に許容され得る賦形剤(例えば、医薬的に許容され得るキャリアまたは希釈剤)とを含む。好ましくは、想定されている医薬組成物は、被検体においてTRPV3受容体を阻害するのに十分な量の、本明細書で記載されている化合物を含む。
【0049】
想定されている被検体としては、例えば、生きた細胞および哺乳動物(哺乳動物のヒト)を含む。本発明の化合物は、医薬的に許容され得る賦形剤(例えば、キャリアまたは希釈剤)と結合していてもよく、または、キャリアで希釈されていてもよく、または、カプセル、サシェ剤、紙容器または他の容器の形態であってもよいキャリアに包まれていてもよい。
【0050】
適切なキャリアの例としては、限定されないが、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシエトキシル化ヒマシ油、ピーナッツ油、オリーブ油、ゼラチン、ラクトース、白土、ショ糖、デキストリン、炭酸マグネシウム、糖、シクロデキストリン、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、セルロースのステアリン酸エーテルまたは低級アルキルエーテル、ケイ酸、脂肪酸、脂肪酸アミン、脂肪酸モノグリセリドおよび脂肪酸ジグリセリド、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンが挙げられる。
【0051】
キャリアまたは希釈剤は、徐放性材料(例えば、グリセリルモノステアレートまたはグリセリルジステアレート)を単独で含んでいてもよく、ワックスと混合して含んでいてもよい。
【0052】
また、医薬組成物は、1つ以上の医薬的に許容され得る補助薬剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、防腐剤、浸透圧に影響を与える塩、バッファ、甘味剤、香味剤、着色剤、または上述のものの任意の組み合わせを含んでいてもよい。本発明の医薬組成物は、当該技術分野で知られる手順を用いることによって被検体に投与された後に、活性成分が素早く放出されるか、徐々に放出されるか、または遅延形式で放出されるように配合してもよい。
【0053】
本明細書に記載の医薬組成物は、当該技術分野で知られている従来の技術によって調製してもよい。例えば、活性化合物をキャリアと混合するか、キャリアによって希釈するか、またはキャリアで包んでもよく、このキャリアは、アンプル、カプセル、サシェ剤、紙容器または他の容器の形態であってもよい。キャリアが希釈剤として役立つ場合、キャリアは、活性化合物のビヒクル、賦形剤、または媒体として作用する固体、半固体、または液体の材料であってもよい。活性化合物は、顆粒状の固体容器(例えば、サシェ剤に入った)に吸着されていてもよい。
【0054】
医薬組成物は、従来の形態であってもよく、例えば、局所投与のためのカプセル、錠剤、エアロゾル、溶液、懸濁物または生成物であってもよい。
【0055】
投与経路は、本発明の活性化合物を適切な作用部位または望ましい作用部位に有効に運ぶ任意の経路であってもよい。適切な投与経路としては、限定されないが、経口、経鼻、肺、口腔、真皮下、皮内、経皮、非経口、直腸、デポー剤として、皮下、静脈内、尿道内、筋肉内、鼻腔内、眼(例えば、点眼液として)、または局所(例えば、局所用軟膏を用いる)が挙げられる。
【0056】
固体の経口用配合物としては、限定されないが、錠剤、カプセル(軟質ゼラチンまたは硬質ゼラチン)、糖衣錠(活性成分を粉末またはペレットの形態で含む)、トローチ剤およびロゼンジが挙げられる。タルクおよび/または炭水化物キャリアまたはバインダーなどを含む錠剤、糖衣錠またはカプセルは、経口用途に特に適している。液体配合物としては、限定されないが、シロップ、エマルション、軟質ゼラチン、滅菌の注射用液、例えば、水性または非水性の液体懸濁物または溶液が挙げられる。非経口用途では、注射用溶液または懸濁させた配合物が特に適している。
【0057】
液体配合物としては、限定されないが、シロップ、エマルション、軟質ゼラチンおよび滅菌した注射用液、例えば、水性または非水性の液体懸濁物または溶液が挙げられる。
【0058】
非経口用途では、注射用溶液または懸濁物が特に適しており、好ましくは、活性化合物をポリヒドロキシル化ヒマシ油に溶解した水溶液である。
【0059】
本明細書に記載する疾患および障害を処置するのに用いるための化合物の適切な用量は、当業者なら決定することができる。治療に使う用量は、一般的に、動物試験から誘導される予備的な証拠に基づいて、ヒトでの用量範囲を調べる試験によって特定される。用量は、望ましくない副作用を起こすことなく、望ましい治療利益を与えるのに十分な量でなければならない。例えば、TRPV3モジュレーターの1日の投薬量は、約0.1〜約30.0mg/kgの範囲であってもよい。投与態様、投薬形態、適切な医薬賦形剤、希釈剤またはキャリアは、当業者なら十分に用いることができ、調節することができる。すべての変更および改変は、本発明の範囲内であると考える。
【0060】
(処置方法)
本発明は、TRPV3が調節する疾患、状態および/または障害の処置に有用な化合物、およびその医薬配合物を与える。さらに、本特許明細書は、処置が必要な被検体に治療有効量の本発明の化合物または医薬組成物を投与することによる、その被検体においてTRPV3によって調節される疾患、状態および/または障害を処置する方法を与える。
【0061】
TRPV3によって調節される疾患、状態および/または障害としては、限定されないが、疼痛、侵害受容性疼痛、歯痛、虚血性心筋から生じる心臓痛、偏頭痛による疼痛、急性疼痛、慢性疼痛、神経障害痛、術後の疼痛、神経痛による疼痛(例えば、ヘルペス後神経痛または三叉神経痛)、糖尿病性ニューロパチーによる疼痛、歯痛および癌の痛みによる疼痛、炎症性疼痛状態(例えば、関節炎および変形性関節症)、関節痛、ニューロパチー、神経変性、網膜症、神経性皮膚障害、卒中、膀胱過敏症、尿失禁、外陰部痛、消化管障害、例えば、過敏性腸症候群、胃食道逆流疾患、腸炎、回腸炎、胃十二指腸潰瘍、炎症性腸疾患、クローン病、セリアック病、炎症性疾患、例えば、膵炎、呼吸器系の障害、例えば、アレルギー性鼻炎および非アレルギー性鼻炎、喘息または慢性閉塞性肺疾患、皮膚、眼または粘膜の過敏、皮膚炎、掻痒状態、例えば、尿毒症性掻痒症、発熱、筋痙攣、嘔吐、ジスキネジー、鬱病、ハンチントン病、記憶障害、脳機能の制限、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、認知症、関節炎、変形性関節症、関節リウマチ、糖尿病、肥満、蕁麻疹、光線角化症、角化棘細胞腫、脱毛症、メニエール病、耳鳴り、聴覚過敏、不安障害、および良性の前立腺過形成が挙げられると考えられる。TRPV3によって調節されるさらなる疾患、状態および/または障害は、例えば、WO2007/056124;Wissenbach,U.ら、Biology of the cell(2004)、96、47−54;Nilius,B.ら、Physiol Rev(2007)、87、165−217;Okuhara,D.Y.ら、Expert Opinion on Therapeutic Targets(2007)、11、391−401;Hu,H.Z.ら、Journal of Cellular Physiology、(2006)、208、201−212およびこれらの引用されている参考文献に示されており、これらはすべて、その全体が、ここに述べられている目的のために参考として組み込まれる。
【0062】
(一般的な調製方法)
本明細書に記載の化合物を、当該技術分野で知られている技術によって調製してもよい。それに加え、本明細書に記載の化合物は、スキーム1〜4に示される反応順序にしたがって調製されてもよい。さらに、以下のスキームにおいて、特定の塩基、酸、試薬、溶媒、カップリング剤などが述べられている場合、当該技術分野で知られている他の塩基、酸、試薬、溶媒、カップリング剤などを用いてもよく、したがって、それらが本発明に含まれることを理解されたい。当該技術分野で知られているような反応条件の変動(例えば、反応の温度および/または持続時間)は、本発明の範囲内である。これらのスキームで記載されている化合物の異性体もすべて、他の意味であると明記されていない限り、本発明の範囲に包含される。
【0063】
一般式(1)の2−ヒドロキシアセトフェノンは、市販されているか、またはBuell,B.G.ら、J.Am.Chem.Soc.1949、71(1)、1901−1905;Bergmann,R.ら、J.Med.Chem.1990、33、492−504に記載されている手順によって調製することができる。式(2)の桂皮酸誘導体は、市販されているか、または既知のアプローチを用いて調製することができる(Bergdahl,M.J.Org.Chem.、2007、72、5244−5259)。4−クロメノン(5)を合成するためのアプローチは、Helquist,P.Synthesis、2006、3654−3660;Silva,A.M.S.ら、J.Het.Chem.1998、35、217−224に報告されている。カップリング反応で用いる式(7)のアリールボロン酸はすべて、商業的な供給業者から購入した。
【0064】
、R、R、「m」および「n」が上に定義されるとおりである一般式(I)の化合物を合成するための一般的なアプローチを、スキーム1に記載している。一般式(1)の2−ヒドロキシアセトフェノンを、式(2)の桂皮酸とカップリングし、酸触媒によって経皮酸エステル(3)を得る。一般式(3)のエステルから式(4)のジエンアルコールへの転位は、テトラヒドロフランのような適切な溶媒中、還流温度で水素化ナトリウムまたは水酸化カリウムのような適切な塩基を用いて行われる。適切な溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド)存在下、酸触媒(例えば、p−トルエンスルホン酸一水和物)を用い、一般式(4)の化合物を環化させると、一般式(5)の(E)−2−スチリルクロモンが得られる。さらに、一般式(5)の(E)−2−スチリルクロモンを適切な試薬(例えば、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、ヨウ素/硝酸アンモニウムセリウム)でハロゲン化すると、一般式(6)の対応するハロ化合物(Xはハロゲンである)が得られる。ハロ化合物(6)を式(7)の適切なボロン酸(Rは好ましくはアリールである)と鈴木カップリング条件(炭酸ナトリウムまたは炭酸セシウムのような塩基存在下、触媒量のPd(0))下でカップリングし、一般式(I)であらわされる化合物が得られる。
【0065】
【化3】

、R、R、「m」および「n」が上に定義されるとおりである一般式(I)の化合物を合成する代替的なアプローチを、スキーム2に記載している。一般式(1)の2−ヒドロキシアセトフェノンを、文献既知の方法で一般式(8)の2−メチルクロメノンに変換してもよい(Brion J.D.ら、J.Het.Chem.1991、28、2013−2019)。一般式(8)の2−メチルクロモンと、式(9)のアルデヒドとを、適切な塩基(例えば、水素化ナトリウム、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド)および適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、エタノール、メタノール)の存在下で縮合させると、一般式(5)の(E)−2−スチリルクロモンが得られる。さらに、一般式(5)の(E)−2−スチリルクロモンを、スキーム1に記載したような適切なハロゲン化剤でハロゲン化すると、一般式(6)の中間体(Xはハロゲンである)が得られる。ハロ化合物(6)を、式(7)の適切なボロン酸(Rは好ましくはアリールである)と鈴木カップリング条件(炭酸ナトリウムまたは炭酸セシウムのような塩基存在下、触媒量のPd(0))下でカップリングし、一般式(I)であらわされる化合物が得られる。
【0066】
【化4】

がシクロペンチルであり;R、R、R、「m」および「q」が上に定義されるとおりである一般式(II)であらわされる本発明の特定の化合物をスキーム3に示すように調製する。桂皮酸(10)を一般式(1)のフェノール性ケトンでエステル化し、次いで、適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中、還流温度で適切な塩基(例えば、水素化ナトリウム)を用いてエステル中間体(11)に転位させ、一般式(12)の中間体を得る。適切な溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド)中、一般式(12)の中間体を適切な酸(例えば、p−トルエンスルホン酸)を用いて環化させた後、スチリルクロメノンをハロゲン化すると、式(13)の化合物(Xはハロゲン)が生成し、これを得る。中間体(13)(Xは好ましくは臭素またはヨウ素である)を、適切な溶媒中、適切なPd(0)触媒(例えば、Pd(PPh)の存在下、適切な塩基(例えば、炭酸ナトリウム)の存在下で一般式(14)の適切なアリールボロン酸とカップリングさせ、一般式(II)であらわされる本発明の化合物が得られる。
【0067】
【化5】

一般式(II)であらわされる本発明の特定の化合物を合成するための1つ以上のアプローチは、スキーム4に示すように調製することである。一般式(15)の化合物(Rはシクロペンチルである)の選択的なo−脱シクロペンチル化を、酸性条件下で行い(例えば、氷酢酸中、48%臭化水素酸)、一般式(16)の対応するモノヒドロキシ化合物を得る。一般式(16)のモノヒドロキシ化合物を、適切な溶媒中(例えば、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン)中、適切な塩基(例えば、水素化ナトリウム、炭酸セシウム)を用い、式(18)の適切なハロゲン化アルキルでアルキル化し、一般式(II)であらわされる本発明の化合物を得る。一般式(15)(Rはシクロプロピルメチルである)の化合物の完全な脱アルキル化は、適切なルイス酸(例えば、三臭化ホウ素)を用いて行い、一般式(17)の対応するジヒドロキシ化合物を得る。連続的な態様で、ジヒドロキシ化合物(17)をアルキル化し、非対称ジアルコキシ化合物を得てもよい。したがって、中間体(17)を、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中、塩基(例えば、炭酸セシウム)を用い、1当量の適切な式(18)の求電子剤(Xはハロゲンである)でモノアルキル化し、適切な溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン)中、適切な塩基(例えば、水素化ナトリウム、炭酸セシウム)を用い、式(19)の異なる求電子剤(Xはハロゲンである)を用いて、さらにアルキル化し、一般式(II)であらわされる本発明の化合物を得る。
【0068】
【化6】

【実施例】
【0069】
(実験の章)
他の意味であると述べられていない限り、work−upと言えば、暗に以下の操作のことである。反応混合物を有機相と水相とに分配すること、層を分離すること、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させること、濾過し、有機溶媒をエバポレーションすること。精製と言えば、他の意味であると述べられていない限り、暗に、一般的に移動相として適切な極性を有する酢酸エチル/石油エーテル混合物を用いるシリカゲルクロマトグラフィーによる精製技術のことである。本文中、以下の省略語が用いられている。DMSO−d:重水素を6個含むジメチルスルホキシド;DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、J:単位Hzでのカップリング定数;RT:室温(22〜26℃)。aq.:水性;equiv.:当量。
【0070】
(中間体の調製)
本発明の化合物の調製で用いるすべての3−ヨード−4H−クロメノン誘導体を、「一般的な調製方法」の章に示した合成スキームにしたがって調製した。しかし、このような中間体を、文献に報告されている代替的なアプローチによって、または有機合成分野の当業者に既知の方法によって調製してもよい。この中間体に関する詳細な実験手順および特性決定データを以下に記載する。
【0071】
中間体1:2−{(E)−2−[2−(シクロプロピルメトキシ)−3−メトキシフェニル]−1−エテニル}−3−ヨード−4H−クロメン−4−オン
【0072】
【化7】

工程1(2E)−3−[2−(シクロプロピルメトキシ)−3−メトキシフェニル]アクリル酸メチル:ホスホノ酢酸トリメチル(7.43g、21.334mmol)を無水THF(25mL)で撹拌して懸濁させ、これに、0℃で水素化ナトリウム(鉱物油中、60%分散物、0.850g、21.334mmol)を加えた。30分間撹拌した後、2−(シクロプロピルメトキシ)−3−メトキシベンズアルデヒド(4.0g、19.394mmol)の無水THF(25mL)溶液を滴下した。得られた混合物を室温まで加温し、さらに一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチルおよび水で希釈し、層を分離した。有機層を水(200mL)、塩水(200mL)で洗浄し、乾燥させた(NaSO)。有機層を減圧下で濃縮し、得られた残渣を、石油エーテル中、20%酢酸エチルを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、生成物4.71gを無色液体として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 0.27−0.32(m,2H),0.56−0.62(m,2H),1.17−1.24(m,1H),1.31(t,J=7.5Hz,3H),3.78−3.84(m,5H),4.24(q,J=6.9Hz,2H),6.44(d,J=15.9Hz,1H),6.88−6.90(m,1H),6.99−7.05(m,1H),7.12−7.15(m,1H),8.12(d,J=16.2Hz,1H);ESI−MS(m/z)277.17(MH)
【0073】
工程2(2E)−3−[2−(シクロプロピルメトキシ)−3−メトキシフェニル]アクリル酸:工程1の中間体(4.60g、16.646mmol)をメタノール(5mL)およびTHF(25mL)に撹拌して溶かした溶液に、水(5mL)中のLiOH・HO(1.40g、33.293mmol)を加えた。この混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒をエバポレーションによって蒸発させ、得られた残渣を1N HClを用いてpH4まで酸性にした。沈殿した固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥させ、生成物3.95gを白色固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 0.26−0.31(m,2H),0.56−0.62(m,2H),1.22−1.29(m,1H),3.83−3.85(m,5H),6.48(d,J=15.9Hz,1H),6.91−6.94(m,1H),7.01−7.07(m,1H),7.15−7.18(m,1H),8.24(d,J=16.5Hz,1H);ESI−MS(m/z)247.34(M−H)
【0074】
工程3 2−アセチルフェニル(2E)−3−[2−(シクロプロピルメトキシ)−3−メトキシフェニル]アクリレート:2’−ヒドロキシアセトフェノン(0.50g、3.672mmol)の無水ピリジン(10mL)溶液を撹拌し、これに工程2の中間体(1.0g、4.039mmol)を加え、次いで、室温で塩化ホスホリル(1.0mL、11.017mmol)を加えた。得られた反応混合物を60℃で3時間加熱した。反応混合物を氷で冷やした水に注ぎ、1N 塩酸を用いてpHを4に調節した。水層を酢酸エチルで抽出し(100mL×2回)、有機層を合わせ、水で洗浄し(100mL×2回)、乾燥させ(NaSO)、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶媒をエバポレーションによって蒸発させた後に得られた残渣を、石油エーテル中、2%の酢酸エチルを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、生成物0.861gを油状物として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 0.28−0.31(m,2H),0.55−0.60(m,2H),1.23−1.28(m,1H),2.57(s,3H),3.86−3.88(m,5H),6.70(d,J=15.9Hz,1H),6.93−6.96(m,1H),7.04−7.09(m,1H),7.17−7.20(m,2H),7.29−7.34(m,1H),7.51−7.56(m,1H),7.80(d,J=7.8Hz,1H),8.34(d,J=16.2Hz,1H);ESI−MS(m/z)367.35(MH)
【0075】
工程4(2Z,4E)−5−[2−(シクロプロピルメトキシ)−3−メトキシフェニル]−3−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−フェニル)ペンタ−2,4−ジエン−1−オン:工程3の中間体(0.85g、2.319mmol)の無水DMSO(5.0mL)溶液を撹拌し、窒素雰囲気下、室温で水酸化カリウム粉末(0.495g、8.815mmol)を加えた。同じ室温で4時間撹拌した後、反応混合物を氷水(100mL)に注ぎ、1N HCl(30mL)を用いてpHを3に調節した。沈殿した塩酸塩を濾過によって集めた。この塩を酢酸エチル(100mL)で懸濁させ、飽和NaHCO溶液で塩基性にした。層を分離した。水層を酢酸エチルで抽出した(50mL×2回)。有機層を合わせ、水(100mL)、食塩水(50mL)で洗浄し、濾過し、減圧下でエバポレーションによって蒸発させ、生成物0.671gを黄色固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 0.28−0.32(m,2H),0.58−0.64(m,2H),1.21−1.28(m,1H),3.83−3.85(m,5H),6.29(s,1H),6.64(d,J=15.6Hz,1H),6.58−6.91(m,3H),6.94−7.02(m,1H),7.07−7.15(m,1H),7.39−7.44(m,1H),7.66(d,J=7.8Hz,1H),8.06(d,J=15.9Hz,1H),12.23(s,1H),14.58(s,1H);ESI−MS(m/z)365.32(M−H)
【0076】
工程5 2−{(E)−2−[2−(シクロプロピルメトキシ)−3−メトキシフェニル]−1−エテニル}−4H−クロメン−4−オン:工程4の中間体(0.425g、1.159mmol)のDMSO(5.0mL)溶液およびp−トルエンスルホン酸一水和物(0.110g、0.579mmol)を窒素雰囲気下、100℃で加熱した。100℃で3時間撹拌した後、混合物を再び室温まで戻し、氷水に注いだ。得られた固体を濾過によって除去し、酢酸エチル(150mL)および水(50mL)に溶解した。層を分離した。水層を酢酸エチルで抽出した(50mL×2回)。有機層を合わせ、水(100mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、エバポレーションによって蒸発させた。得られた未精製の生成物を、石油エーテル中、30%酢酸エチルを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、生成物0.378gをオフホワイト色固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 0.36−0.37(m,2H),0.64−0.66(m,2H),1.25−1.31(m,1H),3.87−3.89(m,5H),6.32(s,1H),6.82−6.92(m,2H),7.04−7.09(m,1H),7.20−7.23(m,1H),7.35−7.40(m,1H),7.49−7.52(m,1H),7.64−7.69(m,1H),8.06(d,J=16.2Hz,1H),8.14(d,J=7.8Hz,1H);ESI−MS(m/z)349.14(MH)
【0077】
工程6 2−{(E)−2−[2−(シクロプロピルメトキシ)−3−メトキシフェニル]−1−エテニル}−3−ヨード−4H−クロメン−4−オン:工程5の中間体(0.245g、0.703mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液を撹拌し、これに室温で硝酸アンモニウムセリウム(0.231g、0.421mmol)を加えた後、ヨウ素(0.124g、0.351mmol)を加えた。80℃で2時間撹拌した後、混合物を再び室温まで冷却し、減圧下で溶媒を除去した。得られた残渣を、酢酸エチル(20mL)と水(30mL)の混合物に入れた。2層を分離した。水層を酢酸エチルで抽出した(50mL×2回)。有機層を合わせ、水(100mL)、塩水(100mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、エバポレーションによって蒸発させた。得られた未精製の生成物を、石油エーテル中、30%酢酸エチルを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、生成物0.121gを淡黄色固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 0.36−0.38(m,2H),0.64−0.66(m,2H),1.28−1.33(m,1H),3.88−3.92(m,5H),6.93−6.95(m,1H),7.07−7.13(m,1H),7.29−7.31(m,1H),7.37−7.42(m,1H),7.51−7.56(m,2H),7.70−7.72(m,1H),8.13−8.22(m,2H);ESI−MS(m/z)475.91(MH)
【0078】
中間体2:2−{(E)−2−[2−(シクロペンチルオキシ)−3−メトキシフェニル]−1−エテニル}−3−ヨード−4H−クロメン−4−オン
【0079】
【化8】

この化合物を、中間体1の調製で記載した手順にしたがって、2−(シクロペンチルオキシ)−3−メトキシベンズアルデヒドおよび2’−ヒドロキシアセトフェノンを用いて6工程で調製し、望ましい生成物をオフホワイト色固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ 1.64−1.69(m,4H),1.82−1.91(m,4H),3.83(s,3H),4.95−4.99(m,1H),7.00−7.11(m,3H),7.12−7.16(m,1H),7.32−7.36(m,1H),7.45−7.60(m,2H),7.87(t,J=8.4Hz,1H),7.99−8.10(m,1H);ESI−MS(m/z)489.05(MH)
【0080】
中間体3:2−{(E)−2−[2−(シクロプロピルメトキシ)−3−メトキシフェニル]−1−エテニル}−7−フルオロ−3−ヨード−4H−クロメン−4−オン
【0081】
【化9】

この化合物を、中間体1の調製で記載した手順にしたがって、4’−フルオロ−2’−ヒドロキシアセトフェノンおよび2−(シクロプロピルメトキシ)−3−メトキシベンズアルデヒドを用いて6工程で調製し、望ましい生成物をオフホワイト色固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 0.35−0.37(m,2H),0.58−0.66(m,2H),1.28−1.33(m,1H),3.87−3.92(m,5H),6.93−6.96(m,1H),7.07−7.19(m,2H),7.23−7.54(m,1H),7.59−7.74(m,2H),8.12(d,J=16.2Hz,1H),8.20−8.25(m,1H);ESI−MS(m/z)493.35(MH)
【0082】
中間体4:2−[(E)−2−(2−シクロペンチルオキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−7−フルオロ−3−ヨード−4H−クロメン−4−オン
【0083】
【化10】

この化合物を、中間体1の調製で記載した手順にしたがって、4’−フルオロ−2’−ヒドロキシアセトフェノンおよび2−(シクロペンチルオキシ)−3−メトキシベンズアルデヒドを用いて6工程で調製し、望ましい生成物をオフホワイト色固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 1.72−1.78(m,5H),1.93−1.98(m,3H),3.88(s,3H),4.96(br s,1H),7.12−7.20(m,3H),7.59−7.66(m,1H),7.72−7.81(m,1H),7.89−8.00(m,1H),8.24−8.30(m,2H);ESI−MS(m/z)507.18(MH)
【0084】
中間体5:2−{(E)−2−[2−(シクロプロピルメトキシ)−3−メトキシフェニル]ビニル}−6−フルオロ−3−ヨード−4H−クロメン−4−オン
【0085】
【化11】

この化合物を、中間体1の調製で記載した手順にしたがって、5’−フルオロ−2’−ヒドロキシアセトフェノンおよび2−(シクロプロピルメトキシ)−3−メトキシベンズアルデヒドを用いて6工程で調製し、望ましい生成物をオフホワイト色固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 0.35−0.37(m,2H),0.61−0.65(m,2H),1.29−1.31(m,1H),3.88−3.91(m,5H),6.93−6.95(m,1H),7.10(t,J=7.8Hz,1H),7.28−7.30(m,1H),7.38−7.44(m,1H),7.51−7.56(m,1H),7.58(d,J=15.6Hz,1H),7.76−7.86(m,1H),8.14(d,J=16.2Hz,1H);ESI−MS(m/z)493.30(MH)
【0086】
中間体−6:2−[(E)−2−(2−(シクロペンチルオキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−6−フルオロ−3−ヨード−4H−クロメン−4−オン
【0087】
【化12】

この化合物を、中間体1の調製で記載した手順にしたがって、5’−フルオロ−2’−ヒドロキシアセトフェノンおよび2−(シクロペンチルオキシ)−3−メトキシベンズアルデヒドを用いて6工程で調製し、望ましい生成物をオフホワイト色固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 1.68−1.72(m,4H),1.92−1.99(m,4H),3.89(s,3H),5.01(br s,1H),6.97(d,J=8.1Hz,1H),7.11(t,J=7.8Hz,1H),7.33(d,J=7.8Hz,1H),7.44−7.57(m,3H),7.78−7.86(m,2H);APCI−MS(m/z)507.21(MH)
【0088】
中間体7:6−クロロ−2−{(E)−2−[2−(シクロプロピルメトキシ)−3−メトキシフェニル]ビニル}−3−ヨード−4H−クロメン−4−オン
【0089】
【化13】

この化合物を、中間体1の調製で記載した手順にしたがって、5’−クロロ−2’−ヒドロキシアセトフェノンおよび2−(シクロプロピルメトキシ)−3−メトキシベンズアルデヒドを用いて6工程で調製し、望ましい生成物をオフホワイト色固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 0.35−0.38(m,2H),0.61−0.67(m,2H),1.25−1.33(m,1H),3.88−3.91(m,5H),6.93−6.96(m,1H),7.10(t,J=7.8Hz,1H),7.27−7.30(m,1H),7.46−7.55(m,2H),7.61−7.65(m,2H),8.11−8.17(m,1H);ESI−MS(m/z)509.81(MH)
【0090】
中間体8:2−[(E)−2−(2−(シクロプロピルメトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−6,8−ジフルオロ−3−ヨード−4H−クロメン−4−オン
【0091】
【化14】

この化合物を、中間体1の調製で記載した手順にしたがって、3’,5’−ジフルオロ−2’−ヒドロキシアセトフェノンおよび2−(シクロプロピルメトキシ)−3−メトキシベンズアルデヒドを用いて6工程で調製し、望ましい生成物をオフホワイト色固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 0.34−0.40(m,2H),0.61−0.66(m,2H),1.24−1.31(m,1H),3.79−3.91(m,5H),6.94(d,J=7.8Hz,1H),7.10(t,J=8.4Hz,1H),7.29(d,J=7.8Hz,1H),7.38−7.42(m,1H),7.48−7.54(m,1H),7.59(d,J=15.6Hz,1H),8.14(d,J=16.2Hz,1H);ESI−MS(m/z)511.03(MH)
【0092】
中間体9:2−{(E)−2−[2−(シクロペンチルオキシ)−3−メトキシフェニル]ビニル}−6,7−ジフルオロ−3−ヨード−4H−クロメン−4−オン
【0093】
【化15】

この化合物を、中間体1の調製で記載した手順にしたがって、4’,5’−ジフルオロ−2’−ヒドロキシアセトフェノンおよび2−(シクロペンチルオキシ)−3−メトキシベンズアルデヒドを用いて6工程で調製し、望ましい生成物をオフホワイト色固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 1.70−1.80(m,4H),1.90−1.98(m,4H),3.97(s,3H),5.20(br s,1H),6.34(s,1H),6.88(d,J=16.2Hz,1H),7.72−7.78(m,1H),7.89−7.98(m,3H),8.12−8.18(m,1H);ESI−MS(m/z)525.08(MH)
【0094】
(実施例)
以下に与える非限定的な実施例の調製法によって、本発明をさらに示す。これらの実施例は、説明するために与えられており、本明細書に添付されている特許請求の範囲を限定するものではない。
【0095】
(実施例1)
2−[(E)−2−(2−シクロプロピルメトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4H−4−クロメノン
【0096】
【化16】

中間体1(55mg、0.115mmol)をトルエン(5.0mL)およびエタノール(2.0mL)の混合物に溶解し、この溶液を撹拌し、4−(トリフルオロメトキシ)フェニルボロン酸(33mg、0.162mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(5.0mg、0.004mmol)を加えた後、水(2.0mL)中の炭酸ナトリウム(74mg、0.695mmol)を加えた。反応混合物を窒素雰囲気下で4時間還流させた。反応混合物を室温まで冷却し、溶媒をエバポレーションによって蒸発させた。得られた残渣を酢酸エチル(25mL)と水(15mL)とに分配した。層を分離した。水層を酢酸エチルで抽出し(15mL×2回)、有機層を合わせ、水(15mL×2回)、食塩水(15ml)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶媒をエバポレーションによって蒸発させた後に得られた残渣を、石油エーテル中、2%の酢酸エチルを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、生成物42mgをオフホワイト色固体として得た。IR(KBr)2947,1622,1450,1263,1063,768cm−1H NMR(300MHz,CDCl)δ 0.33−0.34(m,2H),0.61−0.63(m,2H),1.20−1.32(m,1H),3.83−3.85(m,5H),6.84−6.89(m,2H),6.94−7.03(m,2H),7.28−7.31(m,2H),7.39−7.42(m,3H),7.54−7.56(m,1H),7.68−7.73(m,1H),8.12(d,J=16.2Hz,1H),8.22(d,J=7.8Hz,1H);ESI−MS(m/z)509.41(MH)
【0097】
(実施例2)
2−[(E)−2−(2−シクロプロピルメトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−3−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−4H−4−クロメノン
【0098】
【化17】

(PhP)Pd(5.0mg、0.004mmol)存在下、実施例1に記載の手順にしたがって、中間体1(55mg、0.115mmol)と、4−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(31mg、0.162mmol)とをカップリング反応させ、生成物34mgを淡黄色固体として得た。IR(KBr)3432,2944,1622,1466,1271,1094,768cm−1H NMR(300MHz,CDCl)δ 0.32−0.34(m,2H),0.60−0.63(m,2H),1.17−1.19(m,1H),3.82−3.85(m,5H),6.82−6.89(m,2H),6.93−7.03(m,2H),7.38−7.43(m,1H),7.49−7.57(m,3H),7.70−7.72(m,3H),8.14(d,J=16.2Hz,1H),8.22(d,J=7.8Hz,1H);ESI−MS(m/z)493.48(MH)
【0099】
(実施例3)
4−{2−[(E)−2−(2−シクロプロピルメトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル
【0100】
【化18】

(PhP)Pd(5.0mg、0.004mmol)存在下、実施例1に記載の手順にしたがって、中間体1(55mg、0.115mmol)と、4−シアノフェニルボロン酸(21mg、0.149mmol)とをカップリング反応させ、生成物30mgを淡黄色固体として得た。IR(KBr)3401,2937,2228,1624,1465,1271,1067,761cm−1H NMR(300MHz,DMSO−d)δ 0.25−0.28(m,2H),0.50−0.62(m,2H),0.95−1.10(m,1H),3.78−3.82(m,5H),6.81(d,J=15.6Hz,1H),6.93−7.05(m,2H),7.50−7.58(m,43H),7.73−7.75(m,2H),7.88−7.95(m,3H),8.04−8.07(m,2H);ESI−MS(m/z)450.27(MH)
【0101】
(実施例4)
4−(2−{(E)−2−[2−(シクロプロピルメトキシ)−3−(ジフルオロメトキシ)フェニル]ビニル}−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル
【0102】
【化19】

工程1 4−{2−[(E)−2−(2,3−ジヒドロキシフェニル)ビニル]−4−オキソ−4H−クロメン−3−イル}ベンゾニトリル:実施例3(1.2g、2.669mmol)の無水ジクロロメタン(20mL)懸濁物を十分に撹拌し、冷却し(−78℃)、これにBBrの無水ジクロロメタン溶液(2.006g、8.008mmol)を滴下した。反応混合物を−78℃で30分間撹拌した。次いで、反応混合物を室温まで徐々に加温し、2時間撹拌した。溶媒を減圧下でエバポレーションして蒸発させた後、反応混合物を飽和NaHCO溶液で中和した。水層を酢酸エチルで抽出し(100mL×2回)、有機層を合わせ、塩水で洗浄し(100mL×2回)、乾燥させ(NaSO)、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、生成物575mgをオフホワイト色固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ 6.58−6.66(m,1H),6.78−6.89(m,3H),7.50−7.60(m,3H),7.80−7.86(m,2H),7.92−7.98(m,3H),8.06(d,J=7.2Hz,1H),9.13(br s,1H),9.68(br s,1H);ESI−MS(m/z)382.20(MH)
【0103】
工程2 4−(2−{(E)−2−[2−(シクロプロピルメトキシ)−3−ヒドロキシフェニル]ビニル}−4−オキソ−4H−クロメン−3−イル)ベンゾニトリル:工程1の中間体(460mg、1.273mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(4.0mL)溶液を撹拌し、これに室温で炭酸カリウム(165mg、1.273mmol)を加えた後、(ブロモメチル)シクロプロパン(117μL、1.273mmol)を加えた。同じ温度で一晩撹拌した後、反応混合物を酢酸エチル(25mL)および水(30mL)で希釈した。層を分離した。水層を酢酸エチルで抽出し(25mL×2回)、有機層を合わせ、水で洗浄し(25mL×2回)、塩水で洗浄し(25mL)、乾燥させ(NaSO)、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶媒をエバポレーションして蒸発させて得られた残渣を、石油エーテル中、20%酢酸エチルを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、生成物215mgを淡黄色固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ 0.25−0.31(m,2H),0.48−0.53(m,2H),1.20−1.25(m,1H),3.78(d,J=6.9Hz,2H),6.78−6.92(m,5H),7.50−7.60(m,3H),7.75(d,J=8.1Hz,1H),7.86−8.00(m,3H),8.06−8.12(m,1H),9.59(br s,1H);ESI−MS(m/z)435.36(MH)
【0104】
工程3 4−(2−{(E)−2−[2−(シクロプロピルメトキシ)−3−(ジフルオロメトキシ)フェニル]ビニル}−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル:工程2の中間体(172mg、0.834mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5.0mL)溶液を撹拌し、これに室温で炭酸セシウム(54mg、1.668mmol)を加えた。得られた反応混合物の温度を60℃まで上げ、TLCによって、反応が終了したことが示されるまで、クロロ(ジフルオロ)メタン(ClCHF)の気体を反応混合物に流した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチル(25mL)および水(30mL)で希釈した。層を分離した。水層を酢酸エチルで抽出し(25mL×2回)、有機層を合わせ、水で洗浄し(25mL×2回)、塩水(25mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶媒をエバポレーションして蒸発させて得られた残渣を、石油エーテル中、20%酢酸エチルを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、生成物25mgを淡黄色固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ 0.30−0.36(m,2H),0.62−0.68(m,2H),1.18−1.26(m,1H),3.87(d,J=6.9Hz,2H),6.56(t,J=74.1Hz,1H),6.78−6.85(m,1H),7.08(d,J=7.8Hz,1H),7.17(d,J=7.8Hz,1H),7.45(t,J=7.2Hz,1H),7.47−7.58(m,3H),7.72−7.82(m,3H),8.11(d,J=16.2Hz,1H),8.25(d,J=7.5Hz,1H);ESI−MS(m/z)485.45(MH)
【0105】
(実施例5)
4−{2−[(E)−2−(2−シクロペンチルオキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル
【0106】
【化20】

(PhP)Pd(0.094mg、0.081mmol)存在下、実施例1に記載の手順にしたがって、中間体2(1.00g、2.047mmol)と、4−シアノフェニルボロン酸(0.421g、2.867mmol)とをカップリング反応させ、生成物400mgをオフホワイト色固体として得た。IR(KBr)2965,2232,1620,1461,1270,1065,759cm−1H NMR(300MHz,DMSO−d)δ 1.62−1.68(m,4H),1.70−1.84(m,4H),3.79(s,3H),4.89−4.91(m,1H),6.75(d,J=16.2Hz,1H),7.00−7.10(m,3H),7.50−7.58(m,3H),7.63(d,J=7.8Hz,1H),7.82−7.99(m,4H),8.05(d,J=6.3Hz,1H);ESI−MS(m/z)464.16(MH)
【0107】
(実施例6)
4−{2−[(E)−2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}−ベンゾニトリル
【0108】
【化21】

実施例5の溶液(0.400g、0.863mmol)を48%臭化水素酸(10mL)および氷酢酸(10mL)の混合物に溶かし、この溶液を60℃で2時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した(100mL×2回)。有機層を合わせ、水で洗浄し(50mL×2回)、塩水(50mL)で洗浄し、乾燥させた(NaSO)。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、生成物0.250gをオフホワイト色固体として得た。IR(KBr)3429,2227,1620,1466,1262,1088,833cm−1H NMR(300MHz,DMSO−d)δ 3.79(s,3H),6.75(t,J=7.2Hz,1H),6.86(d,J=16.2Hz,1H),6.91−6.95(m,2H),7.48(t,J=7.5Hz,1H),7.55(d,J=7.8Hz,2H),7.75−7.84(m,2H),7.90−7.95(m,3H),8.04(d,J=7.8Hz,1H),9.41(s,1H);ESI−MS(m/z)396.35(MH)
【0109】
(実施例7)
4−{2−[(E)−2−(2−(2,2−ジメチルプロポキシ)−3−メトキシフェニル]−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル
【0110】
【化22】

実施例6(70mg、0.177mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5.0mL)溶液を撹拌し、これに室温で炭酸セシウム(110mg、0.340mmol)を加えた後、1−ブロモ−2,2−ジメチルプロパン(33.70μL、0.260mmol)を加えた。80℃で一晩撹拌した後、反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチル(25mL)および水(30mL)で希釈した。層を分離した。水層を酢酸エチルで抽出し(25mL×2回)、有機層を合わせ、水で洗浄し(25mL×2回)、塩水(25mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶媒をエバポレーションして蒸発させて得られた残渣を、石油エーテル中、5%酢酸エチルを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、生成物25mgを淡黄色固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 1.17(s,9H),3.66(s,2H),3.84(s,3H),6.68(d,J=16.2Hz,1H),6.87−6.99(m,3H),7.23−7.51(m,4H),7.67−7.76(m,3H),8.17−8.22(m,2H);ESI−MS(m/z)466.39(MH)
【0111】
(実施例8)
4−{2−[(E)−2−(2−イソブトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル
【0112】
【化23】

N,N−ジメチルホルムアミド(5.0mL)中、炭酸セシウム(115mg、0.354mmol)存在下、実施例7の手順にしたがって、実施例6(70mg、0.177mmol)を1−ブロモ−2−メチルプロパン(33mg、0.247mmol)でアルキル化し、生成物35mgを淡黄色固体として得た。IR(KBr)3430,2230,1621,1462,1272,1067,836cm−1H NMR(300MHz,DMSO−d)δ 1.01(d,J=6.3Hz,6H),1.80−1.90(m,1H),3.67(d,J=6.3Hz,2H),3.79(s,3H),6.79(d,J=16.2Hz,1H),7.04−7.08(m,3H),7.49−7.57(m,3H),7.63(d,J=8.4Hz,1H),7.85−7.90(m,1H),7.94(d,J=8.1Hz,2H),8.01−8.05(m,2H);ESI−MS(m/z)452.59(MH)
【0113】
(実施例9)
4−(2−{(E)−2−[3−メトキシ−2−(3,3,3−トリフルオロプロポキシ)フェニル]−1−エテニル}−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル
【0114】
【化24】

N,N−ジメチルホルムアミド(5.0mL)中、炭酸セシウム(115mg、0.354mmol)存在下、実施例7の手順にしたがって、実施例6(70mg、0.177mmol)を1,1,1−トリフルオロ−3−ヨードプロパン(118mg、0.531mmol)でアルキル化し、生成物30mgをオフホワイト色固体として得た。IR(KBr)3426,2229,1621,1469,1274,1064,757cm−1H NMR(300MHz,DMSO−d)δ 2.49−2.74(m,2H),3.81(s,3H),4.14(t,J=5.4Hz,2H),6.75(d,J=16.2Hz,1H),7.05−7.10(m,3H),7.50(t,J=7.5Hz,1H),7.57(d,J=8.4Hz,2H),7.67(d,J =8.4Hz,1H),7.87−7.96(m,3H),8.01−8.06(m,2H);ESI−MS(m/z)492.35(MH)
【0115】
(実施例10)
4−{2−[(E)−2−(2−シクロプロピルメトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−7−フルオロ−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル
【0116】
【化25】

(PhP)Pd(5.0mg、0.004mmol)存在下、実施例1に記載の手順にしたがって、中間体3(55mg、0.115mmol)と、4−シアノフェニルボロン酸(33mg、0.162mmol)とをカップリング反応させ、生成物42mgを淡黄色固体として得た。IR(KBr)2945,2228,1622,1444,1272,1065,785cm−1H NMR(300MHz,CDCl)δ 0.31−0.33(m,2H),0.59−0.63(m,2H),1.15−1.20(m,1H),3.83−3.85(m,5H),6.76(d,J=16.2Hz,1H),6.87−6.92(m,2H),6.98−7.03(m,1H),7.11−7.16(m,1H),7.21−7.24(m,1H),7.48(d,J=7.8Hz,2H),7.75(d,J=7.8Hz,2H),8.11(d,J=16.2Hz,1H),8.20−8.25(m,1H);ESI−MS(m/z)468.20(MH)
【0117】
(実施例11)
4−{2−[(E)−2−(2−シクロペンチルオキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−7−フルオロ−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル
【0118】
【化26】

(PhP)Pd(0.157g、0.13mmol)存在下、実施例1に記載の手順にしたがって、中間体4(1.70g、3.400mmol)と、4−シアノフェニルボロン酸(0.556g、3.800mmol)とをカップリング反応させ、生成物0.600gをオフホワイト色固体として得た。IR(KBr)3444,2963,2223,1618,1441,1267,1066,779cm−1H NMR(300MHz,CDCl)δ 1.65−1.72(m,4H),1.85−1.93(m,4H),3.87(s,3H),4.97(br s,1H),6.73(d,J=16.2Hz,1H),6.93−6.98(m,2H),7.12−7.22(m,2H),7.51(d,J=7.8Hz,1H),7.69(d,J=8.4Hz,2H),7.78(d,J=6.9Hz,2H),8.06(d,J=15.9Hz,1H),8.22−8.28(m,1H);APCI−MS(m/z)482.24(MH)
【0119】
(実施例12)
4−{7−フルオロ−2−[(E)−2−(3−メトキシ−2−ネオペンチルオキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル:
【0120】
【化27】

工程1 4−{7−フルオロ−2−[(E)−2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル:実施例6に記載の手順にしたがって、実施例11(0.275g、0.572mmol)を、氷酢酸(10mL)中、48%臭化水素酸(10mL)を用いて脱シクロペンチル化し、生成物0.150gを淡黄色固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 3.92(s,3H),6.15(s,1H),6.80−6.86(m,2H),6.90−6.96(m,2H),7.15(t,J=7.2Hz,1H),7.31(d,J=9.3Hz,1H),7.52(d,J=7.8Hz,2H),7.77(d,J=7.8Hz,2H),7.91(d,J=16.2Hz,1H),8.24(t,J=8.4Hz,1H);APCI−MS(m/z)414.38(MH)
【0121】
工程2 4−{7−フルオロ−2−[(E)−2−(3−メトキシ−2−ネオペンチルオキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル:炭酸セシウム(104mg、0.320mmol)存在下、実施例7に記載の手順にしたがって、工程1の中間体(70mg、0.160mmol)を1−ブロモ−2,2−ジメチルプロパン(64.5μL、0.500mmol)を用いてアルキル化し、生成物30mgを淡黄色固体として得た。IR(KBr)3443,2230,1619,1440,1272,1067,842cm−1H NMR(300MHz,CDCl)δ 1.17(s,9H),3.67(s,2H),3.86(s,3H),6.69(d,J=15.6Hz,1H),6.93−7.00(m,3H),7.13(d,J=8.7Hz,2H),7.52(d,J=7.8Hz,2H),7.78(d,J=7.2Hz,2H),8.15−8.27(m,2H);APCI−MS(m/z)484.22(MH)
【0122】
(実施例13)
4−{7−フルオロ−2−[(E)−2−(2−イソブトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル:
【0123】
【化28】

N,N−ジメチルホルムアミド(5.0mL)中、炭酸セシウム(97mg、0.300mmol)存在下、実施例7に記載の手順にしたがって、実施例12の工程1の中間体(65mg、0.150mmol)を、1−ブロモ−2−メチルプロパン(51.33μL、0.470mmol)を用いてアルキル化し、生成物32mgを淡黄色固体として得た。IR(KBr)3430,2230,1621,1462,1272,1067,836cm−1H NMR(300MHz,CDCl)δ 1.13(d,J=6.6Hz,6H),2.04−2.13(m,1H),3.76(d,J=6.9Hz,2H),3.87(s,3H),6.75(d,J=16.2Hz,1H),6.92(d,J=6.3Hz,2H),7.03(d,J=8.1Hz,1H),7.18(d,J=9.3Hz,2H),7.51(d,J=8.1Hz,2H),7.77(d,J=8.4Hz,2H),8.12(d,J=15.9Hz,1H),8.25(t,J=8.4Hz,1H);APCI−MS(m/z)470.20(MH)
【0124】
(実施例14)
4−(7−フルオロ−2−{(E)−2−[3−メトキシ−2−(3,3,3−トリフルオロプロポキシ)フェニル]−1−エテニル}−4−オキソ−4H−3−クロメニル)ベンゾニトリル:
【0125】
【化29】

N,N−ジメチルホルムアミド(5.0mL)中、炭酸セシウム(136mg、0.420mmol)存在下、実施例7に記載の手順にしたがって、実施例12の工程1の中間体(90mg、0.210mmol)を、1,1,1−トリフルオロ−3−ヨードプロパン(128μL、1.00mmol)でアルキル化し、生成物28mgをオフホワイト色固体として得た。IR(KBr)3426,2229,1621,1469,1274,1064,757cm−1H NMR(300MHz,CDCl)δ 2.57−2.66(m,2H),3.88(s,3H),4.26(t,J=6.0Hz,2H),6.73(d,J=15.6Hz,1H),6.90−6.98(m,2H),7.05(d,J=7.8Hz,1H),7.16(t,J=8.1Hz,1H),7.28−7.34(m,1H),7.51(d,J=7.8Hz,2H),7.79(d,J=7.8Hz,2H),8.07(d,J=15.9Hz,1H),8.25(t,J=7.8Hz,1H);APCI−MS(m/z)510.22(MH)
【0126】
(実施例15)
4−{2−[(E)−2−(2−シクロプロピルメトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−6−フルオロ−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル
【0127】
【化30】

(PhP)Pd(7.0mg、0.006mmol)存在下、実施例1に記載の手順にしたがって、中間体5(80mg、0.162mmol)と、4−シアノフェニルボロン酸(26mg、0.176mmol)とをカップリング反応させ、生成物56mgを淡黄色固体として得た。IR(KBr)3066,2229,1624,1482,1271,1069,747cm−1H NMR(300MHz,CDCl)δ 0.25−0.26(m,2H),0.50−0.53(m,2H),0.98−1.12(m,1H),3.73−3.78(m,5H),6.81(d,J=16.2Hz,1H),7.56(d,J=8.4Hz,2H),7.71−7.87(m,3H),7.94(d,J=8.1Hz,2H),8.03(d,J=15.9Hz,1H);ESI−MS(m/z)468.24(MH)
【0128】
(実施例16)
4−{2−[(E)−2−(2−シクロペンチルオキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−6−フルオロ−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル
【0129】
【化31】

(PhP)Pd(41mg、0.355mmol)存在下、実施例1に記載の手順にしたがって、中間体6(4.50g、8.887mmol)と、4−シアノフェニルボロン酸(1.436g、9.776mmol)とをカップリング反応し、生成物1.70gをオフホワイト色固体として得た。IR(KBr)3444,2960,2233,1625,1480,1263,1062,746cm−1; δ H NMR(300MHz,CDCl)δ 1.64−1.70(m,4H),1.80−1.88(m,4H),3.87(s,3H),4.97(br s,1H),6.74(d,J=16.2Hz,1H),6.92−7.01(m,2H),7.45−7.55(m,5H),7.78(d,J=8.1Hz,2H),7.82−7.88(m,1H),8.09(d,J=16.2Hz,1H);ESI−MS(m/z)482.27(MH)
【0130】
(実施例17)
4−{2−[(E)−2−(2−シクロブチルメトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−6−フルオロ−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル
【0131】
【化32】

工程1 4−{6−フルオロ−2−[(E)−2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル:実施例6に記載の手順にしたがって、実施例16(700mg、1.453mmol)を、氷酢酸(10mL)中、48%臭化水素酸(10mL)を用いて脱シクロペンチル化し、生成物350mgを淡黄色固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ 3.80(s,3H),6.80(t,J=7.8Hz,1H),6.87(s,1H),6.92−7.00(m,2H),7.58(d,J=7.8Hz,2H),7.70−7.80(m,2H),7.92−7.98(m,4H),9.46(br s,1H,DOと交換可能);APCI−MS(m/z)414.23(MH)
【0132】
工程2 4−{2−[(E)−2−(2−シクロブチルメトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−6−フルオロ−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル:炭酸セシウム(157mg、0.483mmol)存在下、実施例7に記載の手順にしたがって、工程1の中間体(100mg、0.241mmol)を(ブロモメチル)シクロブタン(50mg、0.338mmol)を用いてアルキル化し、生成物35mgを淡黄色固体として得た。IR(KBr)3443,2227,1626,1478,1271,999cm−1H NMR(300MHz,CDCl)δ 1.91−1.96(m,4H),2.15−2.21(m,2H),2.69−2.74(m,1H),3.87(s,3H),4.00(d,J=6.9Hz,2H),6.77(d,J=16.2Hz,1H),6.89−6.96(m,2H),6.94−7.01(m,1H),7.42−7.54(m,4H),7.79(d,J=7.8Hz,2H),7.87(d,J=5.4Hz,1H),8.10(d,J=16.2Hz,1H);APCI−MS(m/z)482.16(MH)
【0133】
(実施例18)
4−{6−フルオロ−2−[(E)−2−(2−イソペンチルオキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル
【0134】
【化33】

N,N−ジメチルホルムアミド(5.0mL)中、炭酸セシウム(53mg、0.253mmol)存在下、実施例7に記載の手順にしたがって、実施例17の工程1の中間体(35mg、0.084mmol)を、1−ブロモ−3−メチルブタン(30μL、0.253mmol)でアルキル化し、生成物25mgを淡黄色固体として得た。IR(KBr)3433,2223,1625,1481,1267,1063,796cm−1H NMR(300MHz,CDCl)δ 0.99(d,J=6.3Hz,6H),1.64−1.71(m,2H),1.90−1.96(m,1H),3.87(s,3H),4.02(t,J=6.9Hz,2H),6.81(d,J=15.6Hz,1H),6.92−7.00(m,2H),7.04(d,J=7.8Hz,1H),7.43−7.59(m,4H),7.77(d,J=7.8Hz,2H),7.88(dd,J=3.0,7.8Hz,1H),8.05(d,J=15.9Hz,1H);ESI−MS(m/z)484.37(MH)
【0135】
(実施例19)
4−{6−フルオロ−2−[(E)−2−(2−イソブトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル
【0136】
【化34】

N,N−ジメチルホルムアミド(5.0mL)中、炭酸セシウム(83mg、0.253mmol)存在下、実施例7に記載の手順にしたがって、実施例17の工程1の中間体(35mg、0.084mmol)を1−ブロモ−2−メチルプロパン(35mg、0.253mmol)を用いてアルキル化し、生成物23mgを淡黄色固体として得た。IR(KBr)3421,2228,1625,1479,1271,1064,831cm−1H NMR(300MHz,CDCl)δ 1.12(d,J=6.9Hz,6H),2.04−2.10(m,1H),3.77(d,J=6.3Hz,2H),3.86(s,3H),6.76(d,J=15.9Hz,1H),6.91−6.99(m,2H),7.03(d,J=7.8Hz,1H),7.45−7.53(m,4H),7.78(d,J=7.8Hz,2H),7.87(d,J=5.4Hz,1H),8.14(d,J=16.2Hz,1H);ESI−MS(m/z)470.32(MH)
【0137】
(実施例20)
4−{6−フルオロ−2−[(E)−2−(2,2−ジメチルプロポキシ)−3−メトキシフェニル]−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル
【0138】
【化35】

N,N−ジメチルホルムアミド(5.0mL)中、炭酸セシウム(165mg、0.507mmol)存在下、実施例7に記載の手順にしたがって、実施例17の工程1の中間体(70mg、0.169mmol)を、1−ブロモ−2,2−ジメチルプロパン(76mg、0.507mmol)を用いてアルキル化し、生成物49mgを淡黄色固体として得た。IR(KBr)3430,2228,1625,1479,1273,1063,746cm−1H NMR(300MHz,CDCl)δ 1.16(s,9H),3.67(s,2H),3.86(s,3H),6.70(d,J=15.9Hz,1H),6.90−7.04(m,3H),7.40−7.48(m,2H),7.52(d,J=8.4Hz,2H),7.80(d,J=8.1Hz,2H),7.87(dd,J=2.4,7.2Hz,1H),8.22(d,J=15.9Hz,1H);ESI−MS(m/z)484.52(MH)
【0139】
(実施例21)
4−{6−クロロ−2−[(E)−2−(2−シクロプロピルメトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル
【0140】
【化36】

(PhP)Pd(9.0mg、0.007mmol)存在下、実施例1に記載の手順にしたがって、中間体7(95mg、0.186mmol)と、4−シアノフェニルボロン酸(38mg、0.261mmol)とをカップリング反応し、生成物35mgを淡黄色固体として得た。IR(KBr)2924,2226,1624,1436,1270,1064,737cm−1H NMR(300MHz,CDCl)δ 0.31−0.35(m,2H),0.58−0.64(m,2H),1.15−1.20(m,1H),3.83−3.85(m,5H),6.77(d,J=16.2Hz,1H),6.88−6.92(m,2H),6.98−7.03(m,1H),7.47−7.53(m,3H),7.63−7.66(m,1H),7.75(d,J=8.4Hz,2H),8.10−8.17(m,2H);ESI−MS(m/z)484.39(MH)
【0141】
(実施例22)
4−{2−[(E)−2−(2−シクロプロピルメトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−6,8−ジフルオロ−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル
【0142】
【化37】

(PhP)Pd(6.0mg、0.005mmol)存在下、実施例1に記載の手順にしたがって、中間体8(70mg、0.130mmol)と、4−シアノフェニルボロン酸(22mg、0.150mmol)とをカップリング反応し、生成物20mgをオフホワイト色固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 0.25−0.31(m,2H),0.58−0.63(m,2H),1.18−1.24(m,1H),3.85(d,J=7.5Hz,2H),3.92(s,3H),6.16(s,1H),7.00(d,J=6.3Hz,2H),7.15−7.26(m,4H),7.42(d,J=8.1Hz,1H),7.50−7.63(m,1H),7.69(d,J=8.4Hz,2H);ESI−MS(m/z)486.47(MH)
【0143】
(実施例23)
4−{2−[(E)−2−[2−シクロペンチルオキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−6,7−ジフルオロ−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル:
【0144】
【化38】

(PhP)Pd(790mg、0.068mmol)存在下、実施例1に記載の手順にしたがって、中間体9(0.90g、1.723mmol)と、4−シアノフェニルボロン酸(278mg、01.895mmol)とをカップリング反応し、生成物42mgをオフホワイト色固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 1.66−1.72(m,4H),1.85−1.92(m,4H),3.87(s,3H),4.97(br s,1H),6.72(d,J=16.8Hz,1H),6.90−6.96(m,2H),6.99(d,J=7.8Hz,1H),7.30−7.37(m,1H),7.50(d,J=7.8Hz,2H),7.79(d,J=8.4Hz,2H),7.98−8.08(m,2H);APCI−MS(m/z)500.37(MH)
【0145】
上の実施例で使用した一般的または特定的に記載されている本発明の反応剤および/または操作条件を交換しても、上述の実施例を同様に首尾よく繰り返すことができる。本発明を製造および特定の化合物に関して示しているが、本発明の精神または範囲を逸脱せずに本発明の変更および改変を行うことができることは明らかである。本明細書をさらに研究すれば、本発明のさらなる局面、目的、利点は、当業者に明らかであろう。
【0146】
(薬理活性)
(a)Toth,A.ら、Life Sciences 2003、73、487−498、(b)McNamara C,R.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、2007、104、13525−13530に記載の改変した手順にしたがって、本発明の例示的な例について、TRPV3活性をスクリーニングした。上述の化合物のスクリーニングは、当業者に既知の他の方法および手順によって行ってもよい。
【0147】
45Ca取り込みアッセイを用いた、TRPV3アンタゴニストのスクリーニング)
TRPV3受容体活性の阻害を、2−アミノエトキシジフェニルボレート(2−aminoethxydiphenylborate)(2−APB)によって誘発される放射能活性カルシウムの細胞取り込みを阻害することとして記述した。試験化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、20mMストック溶液を調製し、次いで、1.8mM CaClを含有するDMEM/F−12を含む単純培地(plain medium)を用いて望ましい濃度になるまで希釈した。反応物中の最終DMSO濃度は、0.5%(v/v)であった。ヒトTRPV3を発現するCHO細胞を、10%FBS、1%ペニシリン−ストレプトマイシン溶液、400μg/mLのG−418を含むDMEM/F−12培地で成長させた。96ウェルプレートでアッセイする24時間前に細胞を接種し、実験当日に約50,000細胞/ウェルの細胞を得た。細胞を試験化合物で10分間処理した後、4分間かけて、最終濃度が500μMの2−APB、および5μCi/mL45Ca+2を加えた。1% Triton X−100、0.1%デオキシコレートおよび0.1% SDSを含むバッファを用い、細胞を洗浄し、溶解させた。液体の発光物(scintillant)を加え、溶解物の放射能活性をPackardt Top countで測定した。濃度応答曲線を、試験アンタゴニストを含まない状態で得た最大応答に対する%としてプロットした。GraphPad PRISMソフトウェアを用いた非線形回帰分析による濃度応答曲線から、IC50値を算出した。
【0148】
調製した化合物を、上述のアッセイ手順を用いて試験し、得られた結果を表1に示している。1.0μMおよび10.0μMの濃度での阻害率を、選択した実施例についてIC50(nM)値とともに表に示した。
【0149】
化合物のIC50(nM)値を表1に記載しており、ここで、「A」は、IC50値が50nM未満であることを指し、「B」は、IC50値が、50.01〜150.0nMの範囲にあることを指し、「C」は、IC50値が、150.01〜1000.0nMの範囲にあることを指す。
【0150】
【表1】

本明細書の発明を、特定の実施形態を参照して記載してきたが、これらの実施形態は、単に本発明の原理および用途を説明するものであることが理解されるべきである。したがって、例示的な実施形態に対して多くの改変がなされてもよく、上に記載したような本発明の精神および範囲から逸脱することなく、他の方式を思いついてもよいことが理解されるべきである。
【0151】
本明細書に引用されているすべての刊行物、特許、特許明細書は、それぞれの個々の刊行物、特許、または特許明細書が、特定的かつ個々に参考として本明細書に組み込まれているのと同じ程度まで、本明細書に参考として組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、またはその医薬的に許容され得る塩:
【化39】

〔式中、
の各存在は、独立して、水素、ニトロ、シアノ、ハロゲン、−OR、置換されているか、または置換されていないアルキル、置換されているか、または置換されていないアルケニル、置換されているか、または置換されていないアルキニル、置換されているか、または置換されていないシクロアルキル、置換されているか、または置換されていないシクロアルケニル、置換されているか、または置換されていないアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロ環基、−NR、−S(O)NR、および−S(O)から選択され;
は、水素、ハロゲン、置換されているか、または置換されていないアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロアリール、または置換されているか、または置換されていないヘテロ環基から選択され;ここで、置換基は、独立して、ハロゲン、ニトロ、シアノ、−NR、置換されているか、または置換されていないアルキル、置換されているか、または置換されていないアルケニル、置換されているか、または置換されていないアルコキシ、置換されているか、または置換されていないハロアルキル、置換されているか、または置換されていないハロアルキルオキシ、置換されているか、または置換されていないシクロアルキル、置換されているか、または置換されていないアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロ環基、および置換されているか、または置換されていないヘテロアリールから選択され;
の各存在は、同じであってもよく、異なっていてもよく、ニトロ、シアノ、ハロゲン、−OR、置換されているか、または置換されていないアルキル、置換されているか、または置換されていないアルケニル、置換されているか、または置換されていないハロアルキル、置換されているか、または置換されていないシアノアルキル、置換されているか、または置換されていないシアノアルキルオキシ、置換されているか、または置換されていないシクロアルキル、置換されているか、または置換されていないアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロ環基、および置換されているか、または置換されていないヘテロアリールから選択され;
の各存在は、独立して、水素、置換されているか、または置換されていないアルキル、直鎖または分枝鎖のアルキル、置換されているか、または置換されていないハロアルキル、置換されているか、または置換されていないシアノアルキル、置換されているか、または置換されていないアルケニル、置換されているか、または置換されていないシクロアルキル、置換されているか、または置換されていないアルコキシアルキル、置換されているか、または置換されていないアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロ環基、置換されているか、または置換されていないシクロアルキルアルキル、置換されているか、または置換されていないアリールアルキル、置換されているか、または置換されていないヘテロアリールアルキル、および置換されているか、または置換されていないヘテロシクリルアルキルから選択され;
およびRの各存在は、独立して、水素、置換されているか、または置換されていないアルキル、置換されているか、または置換されていないアルケニル、置換されているか、または置換されていないシクロアルキル、置換されているか、または置換されていないシクロアルキルアルキル、置換されているか、または置換されていないシクロアルケニル、置換されているか、または置換されていないアリール、置換されているか、または置換されていないアリールアルキル、置換されているか、または置換されていないヘテロアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロアリールアルキル、置換されているか、または置換されていないヘテロ環基、および置換されているか、または置換されていないヘテロシクリルアルキルから選択され;
「n」は、両端の値を含め、0〜5から選択される整数であり;
「m」は、両端の値を含め、0〜4から選択される整数であり;
「p」の各存在は、両端の値を含め、0〜2から選択される整数である。〕
【請求項2】
式(II)を有する、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容され得る塩:
【化40】

〔式中、
の各存在は、独立して、水素、ニトロ、シアノ、ハロゲン、−OR、置換されているか、または置換されていないアルキル、置換されているか、または置換されていないアルケニル、置換されているか、または置換されていないアルキニル、置換されているか、または置換されていないシクロアルキル、置換されているか、または置換されていないシクロアルケニル、置換されているか、または置換されていないアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロ環基、−NR、−S(O)NR、および−S(O)から選択され;
は、水素、置換されているか、または置換されていないアルキル、直鎖または分枝鎖のアルキル、置換されているか、または置換されていないハロアルキル、置換されているか、または置換されていないシアノアルキル、置換されているか、または置換されていないアルケニル、置換されているか、または置換されていないシクロアルキル、置換されているか、または置換されていないアルコキシアルキル、置換されているか、または置換されていないアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロ環基、置換されているか、または置換されていないシクロアルキルアルキル、置換されているか、または置換されていないアリールアルキル、置換されているか、または置換されていないヘテロアリールアルキル、および置換されているか、または置換されていないヘテロシクリルアルキルから選択され;
は、水素、置換されているか、または置換されていないアルキル、置換されているか、または置換されていないアルケニル、置換されているか、または置換されていないハロアルキル、置換されているか、または置換されていないシクロアルキル、置換されているか、または置換されていないアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロ環基、および置換されているか、または置換されていないヘテロアリールから選択され;
の各存在は、独立して、水素、ニトロ、シアノ、ハロゲン、−OR、置換されているか、または置換されていないアルキル、置換されているか、または置換されていないハロアルキル、置換されているか、または置換されていないアルケニル、置換されているか、または置換されていないアルキニル、置換されているか、または置換されていないシクロアルキル、置換されているか、または置換されていないシクロアルケニル、置換されているか、または置換されていないアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロ環基、−NR、−S(O)NR、および−S(O)から選択され;
およびRの各存在は、独立して、水素、置換されているか、または置換されていないアルキル、置換されているか、または置換されていないアルケニル、置換されているか、または置換されていないシクロアルキル、置換されているか、または置換されていないシクロアルキルアルキル、置換されているか、または置換されていないシクロアルケニル、置換されているか、または置換されていないアリール、置換されているか、または置換されていないアリールアルキル、置換されているか、または置換されていないヘテロアリール、置換されているか、または置換されていないヘテロアリールアルキル、置換されているか、または置換されていないヘテロ環基、および置換されているか、または置換されていないヘテロシクリルアルキルから選択され;
「m」は、両端の値を含め、0〜4から選択される整数であり;
「p」の各存在は、両端の値を含め、0〜2から選択される整数であり;
「q」は、両端の値を含め、0〜5から選択される整数である。〕
【請求項3】
が、それぞれ独立して水素またはハロゲンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
が、置換されていないアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
が、置換されたアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
アリールの置換基が、ハロゲン、シアノ、ハロアルキル、またはハロアルコキシである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
が−ORである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
が、水素、置換されているか、または置換されていないアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
「n」が2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
「m」が1または2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
がハロゲンであり、「m」が1または2である、請求項2に記載の化合物。
【請求項12】
ハロゲンがフルオロである、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
がアルキルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項14】
アルキルがneo−ペンチルである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
アルキルがiso−ブチルである、請求項13に記載の化合物。
【請求項16】
がシクロアルキルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項17】
シクロアルキルがシクロペンチルである、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
がアルキルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項19】
アルキルがメチルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
がシアノである、請求項2に記載の化合物。
【請求項21】
以下のものから選択される、請求項1に記載の化合物:
2−[(E)−2−(2−シクロプロピルメトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4H−4−クロメノン、
2−[(E)−2−(2−シクロプロピルメトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−3−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−4H−4−クロメノン、
4−{2−[(E)−2−(2−シクロプロピルメトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−(2−{(E)−2−[2−(シクロプロピルメトキシ)−3−(ジフルオロメトキシ)フェニル]ビニル}−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{2−[(E)−2−(2−シクロペンチルオキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{2−[(E)−2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}−ベンゾニトリル、
4−{2−[(E)−2−[(E)−2−(2,2−ジメチルプロポキシ)−3−メトキシフェニル]−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{2−[(E)−2−(2−イソブトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−(2−{(E)−2−[3−メトキシ−2−(3,3,3−トリフルオロプロポキシ)フェニル]−1−エテニル}−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{2−[(E)−2−(2−シクロプロピルメトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−7−フルオロ−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{2−[(E)−2−(2−シクロペンチルオキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−7−フルオロ−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{7−フルオロ−2−[(E)−2−(3−メトキシ−2−ネオペンチルオキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{7−フルオロ−2−[(E)−2−(2−イソブトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−(7−フルオロ−2−{(E)−2−[3−メトキシ−2−(3,3,3−トリフルオロプロポキシ)フェニル]−1−エテニル}−4−オキソ−4H−3−クロメニル)ベンゾニトリル、
4−{2−[(E)−2−(2−シクロプロピルメトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−6−フルオロ−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{2−[(E)−2−(2−シクロペンチルオキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−6−フルオロ−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{2−[(E)−2−(2−シクロブチルメトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−6−フルオロ−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{6−フルオロ−2−[(E)−2−(2−イソペンチルオキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{6−フルオロ−2−[(E)−2−(2−イソブトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{6−フルオロ−2−[(E)−2−(2,2−ジメチルプロポキシ)−3−メトキシフェニル]−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{6−クロロ−2−[(E)−2−(2−シクロプロピルメトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{2−[(E)−2−(2−シクロプロピルメトキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−6,8−ジフルオロ−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
4−{2−[(E)−2−[2−シクロペンチルオキシ−3−メトキシフェニル)−1−エテニル]−6,7−ジフルオロ−4−オキソ−4H−3−クロメニル}ベンゾニトリル、
またはこれらの医薬的に許容され得る塩。
【請求項22】
バニロイド受容体が媒介する疾患、障害または症候群の予防または処置を必要とする被検体において、該疾患、障害または症候群を予防または処置する方法であって、該被検体に治療有効量の請求項1〜21に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項23】
TRPV3の機能が関連する疾患、障害、症候群または状態の症状が、疼痛、急性疼痛、慢性疼痛、侵害受容性疼痛、神経障害痛、術後の疼痛、歯痛、癌の痛み、虚血性心筋から生じる心臓痛、偏頭痛による疼痛、関節痛、ニューロパチー、神経痛、三叉神経痛による神経損傷、糖尿病性ニューロパチー、神経変性、網膜症、神経性皮膚障害、卒中、膀胱過敏症、尿失禁、外陰部痛、消化管障害、例えば、過敏性腸症候群、胃食道逆流疾患、腸炎、回腸炎、胃十二指腸潰瘍、炎症性腸疾患、クローン病、セリアック病、炎症性疾患、例えば、膵炎、呼吸器系の障害(例えば、アレルギー性鼻炎および非アレルギー性鼻炎、喘息または慢性閉塞性肺疾患)、皮膚、眼または粘膜の過敏、皮膚炎、掻痒状態(例えば、尿毒症性掻痒症)、発熱、筋痙攣、嘔吐、ジスキネジー、鬱病、ハンチントン病、記憶障害、脳機能の制限、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、認知症、関節炎、変形性関節症、糖尿病、肥満、蕁麻疹、光線角化症、角化棘細胞腫、脱毛症、メニエール病、耳鳴り、聴覚過敏、不安障害、および良性の前立腺過形成からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
疼痛の処置の必要な被検体において疼痛を処置する方法であって、該被検体に治療有効量の請求項1〜21に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項25】
前記疼痛が急性疼痛である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記疼痛が慢性疼痛である、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記疼痛が術後の疼痛である、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
神経障害痛の処置の必要な被検体において神経障害痛を処置する方法であって、該被検体に治療有効量の請求項1〜21に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項29】
炎症の処置の必要な被検体において炎症を処置する方法であって、該被検体に治療有効量の請求項1〜21に記載の化合物を投与することを含む、方法。

【公表番号】特表2012−508790(P2012−508790A)
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543830(P2011−543830)
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【国際出願番号】PCT/IB2009/007353
【国際公開番号】WO2010/055384
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(510168852)グレンマーク ファーマシューティカルズ, エセ.アー. (13)
【Fターム(参考)】