説明

VEGFアンタゴニストの使用による角膜移植拒絶を処置する方法

本発明は、血管内皮増殖因子(VEGF)をブロックまたは阻害し得る薬剤の投与が、角膜移植拒絶を予防するという知見に、部分的に基づく。角膜移植拒絶を予防、軽減、または処置することを必要とする被験体において、角膜移植拒絶を予防、軽減、または処置して移植片生着を改善する方法が、提供される。本方法は、血管内皮増殖因子(VEGF)をブロックまたは阻害し得る薬剤を投与する工程を包含する。本方法は、移植される角膜のレシピエントであるヒト被験体において角膜移植拒絶を阻害または予防することにとって有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
(発明の分野)
本発明の分野は、VEGFアンタゴニストを使用して角膜移植拒絶を軽減、予防、または処置し、従って長期間の移植片生着を改善する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の説明)
抗VEGF中和抗体の局所適用は、角膜移植ラットモデルにおいて、急性同種移植片拒絶を抑制することが、以前に報告されている(Yatohら(1998)Transplantation 66(11):1519−24)。ヒト角膜移植の失敗の主な原因は、移植拒絶であることから、角膜移植を受けるヒトでの角膜移植拒絶を予防する際に使用するための治療剤に対する必要性が存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(発明の簡単な要旨)
本発明は、血管内皮増殖因子(VEGF)をブロックまたは阻害し得る薬剤の投与が、角膜移植拒絶を予防するという知見に、部分的に基づく。以下に記載される、角膜移植の動物モデルにおいて行われた実験は、長期間の移植片生着が、VEGF媒介性活性をブロックすることによって促進されることを示す。
【0004】
第一の局面において、本発明は、移植片生着の改善を必要とする被験体において、移植片生着を改善する方法(血管内皮増殖因子(VEGF)媒介性活性をブロック、阻害、または改善し、それによって移植片生着が改善され得る薬剤を、被験体に投与する工程を包含する)を特徴とする。
【0005】
特定の実施形態において、VEGF媒介性活性をブロック、阻害、または改善し得る薬剤は、VEGFアンタゴニストである。VEGFアンタゴニストは、ポリペプチド、抗体、低分子、または核酸であり得る。さらに具体的には、VEGFアンタゴニストとしては、アセチル化された、Flt−1(1−3)−Fc、Flt−1(1−3R→N)−Fc、Flt−1(1−3ΔB)−Fc、Flt−1(2−3ΔB)−Fc、Flt−1(2−3)−Fc、Flt−1D2−VEGFR3D3−FcΔC1(a)、Flt−1D2−Flk−1D3−FcΔC1(a)、およびVEGFR1R2−FcΔC1(a)からなる群より選択されるVEGFトラップが挙げられる。特定の好ましい実施形態において、このVEGFトラップは、配列番号1に示されるヌクレオチド配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するVEGFR1R2−FcΔC1(a)(またVEGFトラップR1R2と呼ばれる)である。本発明は、配列番号1に示されるヌクレオチド配列および/または配列番号2に示されるアミノ酸配列と、少なくとも90%、95%、98%、または少なくとも99%相同なVEGFトラップの使用を包含する。
【0006】
他の実施形態において、血管内皮増殖因子(VEGF)媒介性活性をブロック、阻害、または改善し得る薬剤は、VEGFの発現を干渉し得る核酸ベースのアンタゴニストである。本実施形態の特定の例は、核酸ベースのアンタゴニストが、アプタマー、siRNA、またはアンチセンス分子である実施形態である。
【0007】
薬剤の投与は、当該分野で公知の任意の方法により得、これらの投与としては、皮下投与経路、筋肉内投与経路、皮内投与経路、腹腔内投与経路、静脈内投与経路、鼻腔内投与経路、経口投与経路、または局所投与経路が挙げられる。好ましくは、薬剤を必要とする被験体への投与は、眼への局所投与または結膜下投与である。投与は、角膜移植の前または後(好ましくは、手術の後)に起き得る。投与はまた、第二の薬剤(例えば、免疫抑制剤)を含み得る。
【0008】
処置される被験体は、好ましくは、角膜移植を受けているか、受ける予定のヒト被験体である。
【0009】
関連する第二の局面において、本発明は、哺乳動物の被験体における移植片生着を改善するための医薬の調製における、血管内皮増殖因子(VEGF)媒介性活性をブロック、阻害、または改善し得る薬剤の使用を特徴とする。
【0010】
第三の局面において、本発明は、角膜移植拒絶の予防を必要とする被験体において、角膜移植拒絶を予防する方法を特徴とし、この方法は、血管内皮増殖因子(VEGF)媒介性活性をブロック、阻害、または改善し、それによって角膜移植拒絶が予防され得る薬剤を被験体へ投与する工程を包含する。
【0011】
関連する第四の局面において、本発明は、哺乳動物の被験体における角膜移植拒絶を処置するための医薬の調製における、血管内皮増殖因子(VEGF)媒介性活性をブロック、阻害、または改善し得る薬剤の使用を特徴とする。
【0012】
第五の局面において、本発明は、角膜移植拒絶の発生率の減少を必要とする被験体において角膜移植拒絶の発生率を減少させる方法を特徴とし、この方法は、血管内皮増殖因子(VEGF)媒介性活性をブロック、阻害、または改善し、それによって角膜移植拒絶の発生率が減少し得る薬剤を被験体に投与する工程を包含する。
【0013】
関連する第六の局面において、本発明は、角膜移植を受けている哺乳動物の被験体において角膜移植拒絶の発生率を減少させるための医薬の調製における、血管内皮増殖因子(VEGF)媒介性活性をブロック、阻害、または改善し得る薬剤の使用を特徴とする。
【0014】
第七の局面において、本発明は、薬学的に受容可能なキャリア内にVEGFアンタゴニスト(例えば、VEGFトラップVEGFR1R2−FcΔC1(a))を含有する薬学的組成物を特徴とする。このような薬学的組成物は、液体、ゲル、軟膏(ointment)、膏薬(salve)、持続放出処方物または眼の投与に適した他の処方物であり得る。
【0015】
第八の局面において、本発明は、包装材料とこの包装材料内に収容された薬剤とを備える製品を特徴とし、ここでこの薬剤は、本発明の少なくとも1つのVEGF特異的融合タンパク質を含有し、この包装材料は、このVEGF特定的融合タンパク質が、角膜移植拒絶の処置または予防のために使用され得ることを示す標識または包装挿入物を備える。
【0016】
他の目的および利点は、以下の詳細な説明の概説から明らかになる。
【0017】
(詳細な説明)
本方法が記載される前に、本発明が、記載される特定の方法および実験条件に限定されず、従って方法および条件が、変化し得ることが、理解されるべきである。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることから、本明細書中に使用される用語は、特定の実施形態を記載することのみを目的とし、そして限定的であることは意図されないこともまた理解されるべきである。
【0018】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形は、「a」、「an」、および「the」は、文脈が明白に他に指示しない限り、複数形の言及物も包含する。従って、例えば、「方法(a method)」に対する言及は、本明細書中に記載されそして/または本開示などを読むと当業者に明らかになる、型の1つ以上の方法、および/または工程を含む。
【0019】
他に規定されない限り、本明細書中で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書中で記載される方法および材料と類似または等価の任意の方法および材料が、本発明の実施または試験において使用され得るが、好ましい方法および材料は、ここに記載される。本明細書中に記載される全ての刊行物は、その全体が、本明細書中で参考として援用される。
【0020】
(一般的説明)
実験は、通常リスクの角膜移植後の新血管形成および新リンパ管形成の発生および時間経過を評価するためおよび両方のプロセスを阻害する薬理学的戦略が、長期間の移植片生着を改善するか否かを試験するために行われた。以下の実験の章に記載される場合、通常リスクの同種異系間(BALB/cへのC57BL/6)および同系(BALB/cへのBALB/c)の角膜移植が行われ、そして角膜移植術後の新血管形成および新リンパ管形成の発生および時間経過が、角膜の平面標本(flatmount)の二重免疫蛍光法(pan内皮としてCD31およびリンパ管内皮特異的マーカーとしてLYVE−1を用いる)を使用して観察された。VEGF−A(「VEGF TrapR1R2」;12.5mg/kg)を除去するように設計された分子トラップが、角膜移植術後の両方のプロセス阻害し、そして長期間の移植片生着(手術の日、3日後、7日後、および14日後に腹腔内注射)を促進するその能力について試験された。この結果は、血管またはリンパ管が、ドナーまたは宿主の角膜における通常リスクの移植の直後は検出可能ではなかったが、新血管形成および新リンパ管形成は、移植の3日後に明白に明らかであったことを示す。両方の脈管の型は、同種異系移植の1週間後および同様に同系移植の1週間後にドナー組織に達した。VEGF−Aの手術後早期のトラップは、新血管形成および新リンパ管形成の両方を有意に減少させ、そして長期間の移植片生着を有意に改善した(78% 対 40%;p<0.05)。通常リスクの角膜移植後、手術前に無脈管性のレシピエントのベッド(bed)内に同時的なVEGF−A依存的な新血管形成および新リンパ管形成が存在する。通常リスクの角膜移植後の新血管形成および新リンパ管形成(これらは、免疫応答の遠心性経路および求心性経路を媒介する)の阻害は、長期間の移植片生着を改善し、手術後早期の新血管形成および新リンパ管形成は、低リスクの眼においてでさえ、移植拒絶の移植拒絶の危険因子であることを確立する。
【0021】
(定義)
用語「治療上有効な用量」とは、治療上有効な用量が投与される所望の効果をもたらす用量を意味する。正確な用量は、処置の目的に依存し、当業者により公知の技術(例えば、Lloyd(1999)The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compoundingを参照のこと)を使用して、確かめられる。
【0022】
用語「ブロッカー」、「インヒビター」、または「アンタゴニスト」は、化学的もしくは生理学的な反応(reaction)または応答(response)を遅延させるか、または予防する物質を意味する。一般的なブロッカーまたはインヒビターとしては、アンチセンス分子、抗体、アンタゴニストおよびこれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。より具体的には、VEGFのブロッカーまたはインヒビターの例は、VEGFレセプターベースのアンタゴニスト(例えば、抗VEGF抗体、またはVEGFトラップ(例えば、VEGFR1R2−FcΔC1(a)(配列番号1〜配列番号2))が挙げられる)である。VEGFレセプターベースのアンタゴニスト(VEGFR1R2−FcΔC1(a)が挙げられる)の完全な説明については、PCT公報WO/00/75319(この内容は、その全体が本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。
【0023】
「低分子」は、約500ダルトン未満の分子量を有するように本明細書中で定義され、そして化学分子およびペプチド分子を含み得る。
【0024】
(VEGFアンタゴニスト)
本発明の一局面において、VEGF媒介性活性は、VEGF媒介性活性のVEGFレセプターベースのブロッカーの使用によってブロックまたは阻害される。VEGFレセプターベースのブロッカーの非限定的な例としては、VEGFR1R2−FcΔC1(a)が挙げられるが、これに限定されない。他の適切なレセプターベースのブロッカーとしては、アセチル化された、Flt−1(1−3)−Fc、Flt−1(1−3R→N)−Fc、Flt−1(1−3ΔB)−Fc、Flt−1(2−3ΔB)−Fc、Flt−1(2−3)−Fc、Flt−1D2−VEGFR3D3−FcΔC1(a)、Flt−1D2−Flk−1D3−FcΔC1(a)が挙げられる。これらおよび他のVEGFレセプターベースのブロッカー(ペグ化された、レセプターベースのブロッカーを含む)の完全な説明については、PCT公報第WO/00/75319号(この内容は、その全体が、本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。
【0025】
PCT公報第WO/00/75319号に記載されるVEGFレセプターベースのブロッカーに加えて、このようなVEGFレセプターベースのブロッカーの改変体および誘導体もまた、本発明によって企図される。この改変体または誘導体の配列は、配列番号1に示される配列の1つ以上のヌクレオチドのうちの1つ以上の付加、挿入、欠失および/または置換である変化によって異なり得る。ヌクレオチド配列の変化は、遺伝暗号によって決定されるので、タンパク質レベルでアミノ酸変化を生じるかもしれないし、生じないかもしれない。従って、本発明に従う核酸は、配列番号1に示される配列とは異なる配列を含み得るが、配列番号2と同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードし得る。一方、コードされるポリペプチドは、1つ以上のアミノ酸残基が、配列番号2に示されるアミノ酸配列と異なるアミノ酸配列を含み得る。配列番号2に示される配列のアミノ酸配列改変体またはアミノ酸誘導体であるポリペプチドをコードする核酸は、本発明によってさらに提供される。このようなポリペプチドをコードする核酸は、ヌクレオチド配列レベルおよび/またはコードされるアミノ酸配列レベルで、配列番号1に示されるコード配列および/または配列番号2に示されるアミノ酸配列との約90%、約95%、約98%、または約99%より大きい相同性を示し得る。アミノ酸「相同性」について、これは、類似性(例えば、アルゴリズムGAP(Genetics Computer Group,Madison,Wis.)を用いて決定されるようなアミノ酸類似性の確立された原理に従う)または同一性であることが理解され得る。GAPは、NeedlemanおよびWunschアルゴリズムを使用して一致する数が最大になりかつギャップの数が最小になる2つの完全な配列をアライメントする。概して、デフォルトパラメータは、ギャップクリエーションペナルティ=12およびギャップ伸長ペナルティ=4で使用される。
【0026】
本発明のVEGF特異的融合タンパク質の個々の成分は、本明細書によって提供される説明を用いて当該分野で公知の分子生物学的方法によって構築され得る。これらの成分は、第一の細胞レセプタータンパク質(例えば、VEGFR1など);第二の細胞レセプタータンパク質(例えば、VEGFR2);多量体化成分(例えば、Fc)から選択される。
【0027】
本発明の方法において有用なVEGF特異的融合タンパク質の特定の実施形態は、融合タンパク質を、例えば、マルチマー(好ましくは、ダイマー)に会合させる多量体化成分を包含する。好ましくは、多量体化成分は、免疫グロブリン由来のドメインを含む。適切な多量体化成分は、免疫グロブリン重鎖ヒンジ領域をコードする配列(Takahashiら1982 Cell 29:671−679);免疫グロブリン遺伝子配列、およびこれらの部分配列である。
【0028】
本発明の方法において有用な融合タンパク質をコードする核酸構築物は、当該分野で公知の方法によって、発現ベクター中に挿入され、ここで核酸分子は、発現制御配列に作動可能に連結される。タンパク質発現に適した宿主細胞内に導入される発現ベクターを包含する、タンパク質産生のための宿主ベクター系は、当該分野において公知である。適切な宿主細胞は、細菌細胞(例えば、E.coli)、酵母細胞(例えば、Pichia pastoris)、昆虫細胞(例えば、Spodoptera frugiperda)、または哺乳動物細胞(例えば、COS細胞、CHO細胞、293細胞、BHK細胞またはNS0細胞)であり得る。
【0029】
(アンチセンス核酸)
本発明の一局面において、VEGF媒介性活性は、VEGFアンチセンス核酸の使用によってブロックまたは阻害される。本発明は、VEGFをコードする遺伝子もしくはcDNAまたはこれらの一部分に対するアンチセンスである少なくとも6個のヌクレオチドを含む核酸の治療的使用または予防的使用を提供する。本明細書中で使用される場合、VEGF「アンチセンス」核酸は、VEGFをコードするRNA(好ましくは、mRNA)の一部分に相補的ないくつかの配列によってハイブリダイズし得る核酸を言う。アンチセンス核酸は、VEGFをコードするmRNAのコーディング領域および/または非コーディング領域に相補的であり得る。このようなアンチセンス核酸は、VEGF発現を予防する化合物としての有用性を有し、角膜移植拒絶の処置または予防において使用され得る。本発明のアンチセンス核酸は、二本鎖または一本鎖のオリゴヌクレオチド、RNAもしくはDNAまたは、これらの改変物もしくは誘導体であり、直接細胞に投与され得るか、または外来性の導入された配列の転写によって細胞内で産生され得る。
【0030】
VEGFアンチセンス核酸は、少なくとも6つのヌクレオチドであり、好ましくは、6個〜約50個のオリゴヌクレオチドの範囲のオリゴヌクレオチドである。特定の局面において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも100個、または少なくとも200個のヌクレオチドである。このオリゴヌクレオチドは、DNAもしくはRNAあるいはキメラ混合体またはこれらの誘導体もしくは改変体であり得、一本鎖または二本鎖であり得る。さらに、アンチセンス分子は、核酸模倣物(例えば、PNA、モルホリノオリゴ、およびLNA)であるポリマーであり得る。アンチセンス分子の他の型としては、siRNAおよび短いヘアピンRNAとして公知の短い二本鎖RNAならびに長いdsRNA(>50bpであるが、通常≧500bp)が挙げられる。
【0031】
(短い干渉RNA)
別の実施形態において、VEGF媒介性活性は、VEGF発現をブロックすることによってブロックされる。VEGF発現を阻害するための1つの方法は、RNA干渉(RNAi)を介した短い干渉RNA(siRNA)または転写後の遺伝子サイレンシング(PTGS)の使用である(例えば、Kettingら(2001)Genes Develop.15:2654−2659を参照のこと)。siRNA分子は、siRNA分子によりまたがれる領域内でmRNA分子を切断することによって破壊するための標的の相同なmRNA分子であり得る。従って、相同なVEGF mRNAを標的可能なそして切断可能なsiRNAは、角膜移植拒絶を処置、軽減、または予防することにとって有用である。
【0032】
(阻害性リボザイム)
本発明の局面において、角膜移植拒絶は、VEGFをコードする遺伝子mRNA転写物を触媒的に切断する(標的mRNAの翻訳、結果として遺伝子産物の発現を予防する)ように設計されたリボザイム分子を使用することによりVEGF活性のレベルを低下させることによって、このような疾患に罹患している被験体において処置され得るか、または予防され得る。
【0033】
リボザイムは、RNAの特異的切断を触媒可能な酵素的RNA分子である。リボザイムの作用機構は、相補的標的RNAに対するリボザイムの配列特異的ハイブリダイゼーションとその後のヌクレオチド鎖切断の切断事象とを包含する。リボザイム分子の組成物は、標的遺伝子mRNAに相補的な1つ以上の配列を含まなければならず、そしてmRNA切断を担う周知の触媒的配列を含まなければならない。この配列については、例えば、米国特許第5,093,246号を参照のこと。部位特異的認識配列でmRNAを切断するリボザイムは、VEGFをコードするmRNAを破壊するために使用され得、一方、ハンマーヘッド型リボザイムの使用が好ましい。ハンマーヘッド型リボザイムは、標的mRNAと相補的塩基対を形成するフランキング領域により指図される位置でmRNAを切断する。唯一の必要なことは、標的mRNAが、以下の2塩基配列を有することである:5’−UG−3’。ハンマーヘッド型リボザイムの構築および産生は、当該分野において周知である。本発明のリボザイムはまた、RNAエンドリボヌクレアーゼ(以下「Cech型リボザイム」)(例えば、Tetrahymena thermophilaにおいて天然に存在するRNAエンドリボヌクレアーゼ(IVS、またはL−19 IVS RNAとして公知))を含む。このCech型リボザイムは、8塩基対の活性部位を有し、この活性部位は、後で標的RNAの切断が起きる標的RNA配列にハイブリダイズする。本発明は、VEGFをコードする遺伝子内に存在する8塩基対の活性部位配列を標的とするCech型リボザイムを包含する。
【0034】
(VEGFタンパク質に対する抗体の作製)
本発明の別の局面において、本発明は、抗VEGF抗体またはVEGFに結合可能またはVEGF活性をブロック可能な抗体フラグメントを用いて実施され得る。抗VEGF抗体は、例えば、米国特許第6,121,230号(本明細書中で参考として具体的に援用される)に開示される。本明細書中に使用されるような用語「抗体」は、抗原に特異的に結合し認識する、免疫グロブリン遺伝子由来のフレームワーク領域またはそのフラグメントを含むポリペプチドを言う。認識されている免疫グロブリン遺伝子としては、κ、λ、α、γ、δ、ε、およびμの定常領域、ならびに無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子が挙げられる。軽鎖は、κまたはλのいずれかとして分類される。重鎖は、γ、μ、α、δ、またはεとして分類され、これらは、さらに、免疫グロブリンクラスの、IgG、IgM、IgA、IgD、およびIgEを、それぞれ規定する。各IgGクラス内に、種々のアイソタイプ(例えば、IgG、IgGなど)が存在する。代表的に、抗体の抗原結合領域は、特異性および結合親和性の決定において最も重要である。
【0035】
抗体は、インタクトな免疫グロブリンまたは種々のペプチダーゼを用いた消化によって産生される多くの十分に特徴づけられたフラグメントとして存在する。例えば、ペプシンは、ヒンジ領域のジスルフィド結合の下において抗体を消化してF(ab)’(それ自体が、ジスルフィド結合によってV−C1に結合した軽鎖であるFabのダイマー)を産生する。F(ab)’は、ヒンジ領域のジスルフィド結合を破壊するような穏やかな条件下で還元されて、F(ab)’ダイマーをFab’モノマーに転換し得る。Fab’モノマーは、本質的にはヒンジ領域部分を有するFabである。種々の抗体フラグメントが、インタクトな抗体の消化の点において規定されるが、当業者は、このようなフラグメントは、新規の化学的または組換えDNA方法論を使用することによって合成され得ることを理解する。従って、本明細書中で使用される場合、用語抗体はまた、抗体全体の改変によって産生される抗体フラグメントまたは新規の組換えDNA方法論(例えば、一本鎖Fv)(scFv)を使用して合成される抗体フラグメントもしくはファージディスプレイライブラリー(例えば、McCaffertyら(1990)Nature 348:552−554を参照のこと)を使用して同定される抗体フラグメントのいずれかを包含する。
【0036】
抗体を調製するための方法は、当該分野で公知である(例えば、KohlerおよびMilstein(1975)Nature 256:495−497;HarlowおよびLane(1988)Antibodies:a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Lab.,Cold Spring Harbor,NYを参照のこと)。目的の抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子は、細胞からクローン化され得、例えば、モノクローナル抗体をコードする遺伝子は、ハイブリドーマからクローン化され、組換えモノクローナル抗体を産生するために使用され得る。モノクローナル抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子ライブラリーはまた、ハイブリドーマまたは形質細胞から作製され得る。重鎖遺伝子産物および軽鎖遺伝子産物のランダムな組合わせは、種々の抗原特異性を有する抗体の大きいプールを生じる。一本鎖抗体または組換え抗体の産生のための技術(米国特許第4,946,778号;同第4,816,567号)は、本発明の融合タンパク質および方法において使用される抗体を産生するように適合され得る。トランスジェニックマウスまたは他の生物(例えば、他の哺乳動物)もまた使用されて、ヒト抗体またはヒト化抗体を発現し得る。あるいは、ファージディスプレイ技術は、選択された抗原に特異的に結合する抗体およびヘテロマーのFabフラグメントが同定するために使用され得る。
【0037】
(抗体スクリーニングおよび選択)
好ましい抗体のスクリーニングおよび選択は、当該分野で公知の種々の方法で行われ得る。標的抗原に特異的なモノクローナル抗体の存在についての最初のスクリーニングは、例えば、ELISAベースの方法を使用して行われ得る。2回目のスクリーニングは、好ましくは、本発明の多重特異性融合タンパク質の構築において使用するための所望のモノクローナル抗体を同定および選択するために行われる。2回目のスクリーニングは、当該分野で公知の任意の適切な方法を用いて行われ得る。「バイオセンサー改変補助的プロファイリング(Biosensor Modification−Assisted Profiling)」(「BiaMAP」)と呼ばれる1つの好ましい方法は、同時係属のUSSN 60/423,017(2002年11月1日出願)(その全体が、本明細書中で参考として具体的に援用される)に記載される。BiaMAPは、所望の特徴を有するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマクローンの迅速な同定を可能とする。さらに具体的には、モノクローナル抗体は、抗体:抗原相互作用の評価に基づく別個のエピトープ関連群に選別される。
【0038】
(処置集団)
本発明の方法による処置にとって適切な被験体は、角膜移植を受けたか、または受けるヒトである。角膜移植は、最も古く、最も成功し、そして最も一般的に行われる組織移植であり、米国のみにおいて年間約40,000回の移植がある。角膜移植片が、無脈管性のレシピエントベッド内に置かれる場合(いわゆる、通常リスクの角膜移植)、2年の移植片生着率(graft survival rate)は、HLAが適合しなくても局所的なステロイドの保護の下、90%に達する。この非常に首尾よい結果は、角膜の免疫特権(すなわち、角膜およびそのベッドにおいて同種免疫および炎症性応答をダウンレギュレーションさせる一連の内因性の機構によって誘導される、角膜炎症が抑制される現象)に起因する。これらの機構としては、通常リスクのレシピエントの角膜における求心性リンパ管および遠心性血管の両方の欠如、MHC II抗原提示細胞(APC)の欠如、角膜上皮および角膜内皮上のFASL発現、および移植片抗原などに関する前房関連免疫特権(ACAID)が挙げられる(Streileinら(1999)Transplant Proc.31:1472−1475)。
【0039】
対照的に、脈管化(vascularized)し、免疫特権のないレシピエントベッド内に入れられた角膜移植片(いわゆる高リスクな角膜移植)の生着率は、(局所性および全身性免疫抑制を用いたとしても)有意に50%未満まで低下する。既存の角膜支質血管は、臨床的設定状況(clinical setting)ならびに角膜移植の明確なマウスモデルの両方において、角膜移植後、免疫拒絶の強力な危険因子として同定されている(Sanoら(1995)Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.36:2176−85)。最近、血管に加えて、生体顕微鏡で検出不可能なリンパ管が、脈管化した高リスクのヒト角膜において血管と関連していることが見出されている(Cursiefenら(2003)Cornea.22:273−81)。そして角膜リンパ管は、通常リスクの設定状況(手術前に無脈管性のレシピエントベッドである)においてでさえも、ドナーAPCおよび宿主APCならびに抗原性物質の、移植片抗原に対する促進的な感作が生じる所属リンパ節への効果的なアクセスを可能とする可能性があり(Liuら(2002)J.Exp.Med.195:259−68)、そこでは、軽い角膜新血管形成が、角膜移植術後に発生する。輪部アーケード(limbal arcade)から移植片までの新しい血管の成長は、通常リスクの角膜移植を受けた患者のうちの約50%において、初めの手術後1年以内に観察され得、そして患者の10%において、これらの新しい血管は、さらに、角膜縫合部位で、境界面に達するかまたはドナー組織に侵入し(Cursiefenら(2001)Graefes Arch.clin.Exp.Ophthalmol.39:514−21)、次いで中心に進む。
【0040】
(投与の方法)
本発明は、本発明の有効量の薬剤を被験体に投与する工程を包含する処置方法を提供する。好ましい局面において、薬剤は、実質的に精製されている(例えば、その効果を限定するかまたは望ましくない副作用を生じる物質を実質的に含まない)。被験体は、好ましくは、動物(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ニワトリ、ネコ、イヌなど)であり、好ましくは哺乳動物であり、そして最も好ましくは、ヒトである。
【0041】
種々の送達系が、公知であり、本発明の活性剤を投与するために使用され得る(例えば、局所投与に適した送達系(好ましくは、眼への直接的局所投与、または結膜下投与)ならびに他の送達系(例えば、リポソームにおけるカプセル化、微小粒子、マイクロカプセル、化合物を発現可能な組換え細胞、レセプター媒介性エンドサイトーシス(例えば、WuおよびWu,1987,J.Biol.Chem.262:4429−4432を参照のこと)、レトロウイルスベクターまたは他のベクターの一部としての核酸の構築を利用する送達系))。導入の方法は、好ましくは、局所的または結膜下的であるが、経腸的または非経口的(皮内経路、筋肉内経路、腹腔内経路、静脈内経路、皮下経路、鼻腔内経路、および経口経路が挙げられるが、これらに限定されない)であってもよい。活性剤は、例えば、上皮性裏打ち(例えば、眼への局所投与)もしくは粘膜皮膚管壁(例えば、口腔粘膜、腸管粘膜など)を介した吸収、または注入もしくは大量瞬時注射による慣用的経路によって投与され得、そして他の生物学的活性剤と一緒に投与され得る。投与は、全身性または局所性であり得る。投与は、急性もしくは慢性(例えば、毎日、毎週、毎月など)または他の薬剤と組合わせてもしくは他の薬剤と変更してなされ得る。肺の投与は、例えば、吸入器または噴霧器、およびエアロゾル化している薬剤の処方物を使用することによって、用いられ得る。
【0042】
別の実施形態において、活性剤は、小胞(特に、リポソーム(Langer(1990)Science 249:1527−1533を参照のこと))内で送達され得る。なお別の実施形態において、活性剤は、制御された放出系において送達され得る。一実施形態において、ポンプが、使用され得る(前述のLanger(1990)を参照のこと)。別の実施形態において、ポリマー材料が、使用され得る(Howardら(1989)J.Neurosurg.71:105を参照のこと)。本発明の活性剤が、タンパク質をコードする核酸である別の実施形態において、核酸が、以下の工程によってインビボで投与されて、この核酸にコードされるタンパク質の発現を促進し得る:この核酸を、適切な核酸発現ベクターの一部として構築する工程、およびこの核酸を投与し、それによって、この核酸が、例えば、レトロウイルスベクター(例えば、米国特許第4,980,286号を参照のこと)の使用、直接注射、微小粒子射撃(例えば、遺伝子銃;Biolistic,Dupont)、脂質、細胞表面レセプターまたはトランスフェクト試薬を用いたコーティング、または核に侵入することが公知であるホメオボックス様ペプチド(例えば、Joliotら,1991,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:1864−1868を参照のこと)に連結してこの核酸を投与することなどにより細胞内になる工程。あるいは、核酸は、細胞内に導入され得、そして相同的組換えによって発現のための宿主細胞DNA内に組み込まれ得る。
【0043】
特定の実施形態において、本発明の薬学的組成物を、処置を必要とする領域に局所的に投与することが、好ましくあり得る。これは、例えば、以下(これらに限定されない)によって達成され得る:局所投与、結膜下投与、手術の間の例えば、注射、カテーテル、または移植物(この移植物は、多孔性材料、非多孔性材料、またはゼラチン状材料(例えば、シラスティック(sialastic)膜、繊維、または市販の皮膚代用品を含む)である)による局所注入。
【0044】
(細胞トランスフェクションおよび遺伝子治療)
本発明は、インビトロおよびインビボでの細胞のトランスフェクション用の本発明のVEGF特異的融合タンパク質をコードする核酸の使用を包含する。これらの核酸は、標的細胞および標的生物のトランスフェクション用の任意の多くの周知のベクター中に挿入され得る。この核酸は、ベクターと標的細胞との相互作用を介してエキソビボおよびインビボで細胞内にトランスフェクトされる。トランスフェクトされた細胞の再導入は、当該分野の公知の任意の方法(カプセル化された細胞の再移植を包含する)によって達成され得る。上記の組成物は、治療の応答を誘発するのに十分な量で(例えば、筋肉内注射によって)被験体に投与される。これを達成するのに十分な量は、「治療上有効な用量または量」として定義される。
【0045】
別の局面において、本発明は、ヒトにおいて角膜移植拒絶を処置または予防するための方法を提供する。この方法は、本発明のVEGF特異的融合タンパク質をコードする核酸で細胞をトランスフェクトする工程を包含し、ここで核酸は、VEGF特異的融合タンパク質をコードする核酸に作動可能に連結された誘導性プロモーターを含む。ヒトの疾患の処置または予防のおける遺伝子治療の手順については、例えば、Van Brunt(1998)Biotechnology 6:1149−1154を参照のこと。
【0046】
(薬学的組成物)
本発明の方法の実施において有用な薬学的組成物は、治療上有効な量の活性剤と薬学的に受容可能なキャリアとを含有する。用語「薬学的に受容可能」とは、連邦政府もしくは州政府の規制機関によって承認されるか、または動物およびより詳細には、ヒトにおける使用について、米国薬局方もしくは他の一般的に認められた薬局方において列挙されることを意味する。用語「キャリア」とは、治療剤が投与される際に用いられる、希釈液、アジュバント、賦形剤、またはビヒクルを言う。このような薬学的キャリアは、滅菌液体(例えば、水および油(これらとしては、石油、動物油、植物油、または合成起源の油(例えば、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油など)が挙げられる))であり得る。適切な薬学的賦形剤としては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、胡粉、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、滑石、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが挙げられる。所望される場合、組成物はまた、少量の湿潤剤もしくは乳化剤またはpH緩衝剤を含み得る。これらの組成物は、溶液、懸濁液、エマルジョン、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、徐放性処方物などの形態をとり得る。組成物は、慣用的な結合剤およびトリグリセリドのようなキャリアを含有する坐薬として処方され得る。経口処方物は、標準的なキャリア(例えば、薬学的等級のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、セルロース、炭酸マグネシウムなど)を含有し得る。適切な薬学的キャリアの例は、E.W.Martinによる「Remington’s Pharmaceutical Sciences」に記載される。
【0047】
好ましい実施形態において、組成物は、ヒトへの静脈内投与、皮下投与、または筋肉内投与に適応した薬学的組成物として慣例的な手順に従って処方される。必要な場合、組成物はまた、可溶化剤と注射部位での痛みを和らげるための局所麻酔薬(例えば、リドカイン)とを含有し得る。組成物は、注入によって投与される場合、この組成物は、滅菌した薬学的等級の水または生理食塩水を含む注入ビンを用いて調剤され得る。組成物が、注射によって投与される場合、注射用の滅菌水または生理食塩水のアンプルが、提供され得、それによって、成分は、投与前に混合され得る。
【0048】
本発明の活性剤は、中性または塩の形態として処方され得る。薬学的に受容可能な塩としては、遊離のアミノ基で形成される塩(例えば、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸などに由来する塩)および遊離のカルボキシル基で形成される塩(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどに由来する塩)が挙げられる。
【0049】
角膜移植拒絶の処置または予防において有効である本発明の活性剤の量は、本明細書に基づく標準的臨床の技術によって決定され得る。さらに、インビトロアッセイは、必要に応じて、最適な投与量範囲の同定に補助するために使用され得る。この処方において使用される正確な用量はまた、投与経路および状態の深刻さに依存し、そして開業医および各被験体の状況の判断に従って決定されるべきである。しかしながら、静脈内投与にとって適切な投与量範囲は、概して、体重1kg当たり約50〜5000μgの活性化合物である。鼻腔内投与にとって適切な投与量範囲は、概して、約0.01pg/体重1kg〜1mg/体重1kgである。有効な用量は、インビトロまたは動物モデルの試験系からの用量応答曲線より外挿され得る。
【0050】
全身性投与について、治療上有効な用量は、最初は、インビトロアッセイから見積もられる。例えば、用量は、動物モデルにおいて処方されて細胞培養にて決定されるようなIC50を含む循環する濃度範囲を達成し得る。このような情報は、より正確にヒトにおける有効な用量を決定するために使用され得る。最初の投薬量はまた、当該分野で周知の技術を使用したインビボデータ(例えば、動物モデル)から見積もられ得る。当業者は、動物データに基づきヒトへの投与を容易に最適化し得る。
【0051】
投薬量および投薬間隔は、治療効果を維持するのに十分な化合物の血漿レベルを提供するために個々に調節され得る。当業者は、過度の実験なく、治療上有効な局所投薬量を最適化し得る。
【0052】
投与される化合物の量は、当然、処置されている被験体、被験体の体重、苦痛の重篤度、投与の様式、そして処方する医師に依存する。症状が、検出可能であるか、または症状が検出可能でない場合でさえ、この治療は、間欠的に繰り返され得る。この治療は、単独または他の薬物と組み合わせて提供され得る。
【0053】
(併用治療)
多数の実施形態において、本発明のVEGFブロッカーが、1つ以上のさらなる化合物、治療、または医学的手順と組み合わせて投与され得る。例えば、交互または同時のいずれかで、VEGFブロッカーと組み合わせた使用にとって適切な治療剤としては、局所投与される免疫抑制剤(例えば、副腎皮質ステロイド、デキサメサゾン、シクロスポリンA、または抗代謝剤)、または全身投与される免疫抑制剤(例えば、副腎皮質ステロイド、デキサメサゾン、シクロスポリンA、FK506、または抗代謝剤)、ならびに角膜移植拒絶を処置、軽減、または予防するのに有効な他の薬剤が挙げられ得る(Barker,NH,ら,(2000)Clin Exp Opthal 28:357−360を参照のこと)。交互または同時のいずれかで、本発明のVEGFブロッカーと組み合わせた使用にとって適切な他の治療剤としては、他のVEGFファミリーメンバー(例えば、VEGF−CおよびVEGF−D)をブロックし得るブロッカーが挙げられ得る。
【0054】
(キット)
本発明はまた、包装材料およびこの包装材料内に収容された薬剤を備える製品を提供し、ここで、この薬剤は、本発明の少なくとも1つのVEGF特異性融合タンパク質を含有し、包装材料は、VEGF特異的融合タンパク質が角膜移植拒絶を処置するために使用され得ることを示す標識または包装挿入物を備える。
【0055】
本発明の他の特徴は、本発明の例証のために与えられ、本発明を限定することを意図しない例示的な実施形態の以下の説明の過程において、明らかになる。
【実施例】
【0056】
以下の実施例は、当業者に、本発明の方法および組成物を作製および使用する方法の完全な開示および説明を提供するために提出され、本発明者らが、本発明に関するものの範囲を限定することは意図されない。使用される数(例えば、量、温度など)に関して正確さを保証するための努力をしているが、いくつかの実験の誤差および偏差は、認められるべきである。他に示されない限り、部は、重量部であり、分子量は、平均分子量であり、温度は、摂氏度であり、そして圧力は、大気圧または大気圧付近である。
【0057】
(実施例1:VEGFR1R2−FcΔC1(a)を使用した、低リスク角膜移植後の角膜の新リンパ管形成および新脈管形成の阻害)
(マウスおよび麻酔)
通常リスクの角膜移植のマウスモデル(Sonodaら(1992)Transplantation 54:694−704)において、6〜8週齢オスC57BL/6マウスをドナーとして使用し、同齢のオスBALB/cマウス(Taconic,Germantown,NY)をレシピエントとして使用した。同系移植について、6〜8週齢のオスBALB/cマウスを、ドナーおよびレシピエントの両方として使用した。用量応答研究について、8週齢のオスC57BL/6マウスを使用した。全ての動物を、ARVO Statement for the Use of Animals in Ophthalmic and Vision Researchに従って処理した。マウスを、ケタミンおよびキシラジン(それぞれ、体重1kgあたり120mgおよび体重1kgあたり20mg)の混合物を使用して麻酔した。
【0058】
(VEGFトラップR1R2の用量応答)
5つの異なる用量のVEGFトラップR1R2(配列番号2)を、3つの断続支質間縫合(10−0ナイロン,50μm−直径,Sharpoint,Surgical Specialties Corporation,Reading,PA)を受けたマウスにおいて試験した。ゲンタマイシン(Gentamicine)および眼軟膏を、手術の直後に塗布した。手術の後(1日目)、マウスに、VEGFトラップR1R2(25mg/kg、12.5mg/kg、6.25mg/kg、2.5mg/kgまたは0.5mg)またはヒトFc(12.5mg/kg;コントロール)の単回の皮下注射をした。内皮特異的フルオレッセイン結合体化レクチン(Lycopersicon esculentum,Vector Laboratories,Burlingame,CA)を静脈内投与した後、縫合した後9日目に角膜を採取した。単離した角膜を、スライドガラス上で平面標本にし、Nikon Microphot−FXA顕微鏡(Nikon Inc.Garden City,NY)に装着されたSpot RT Digitalカメラ(Diagnostic Instrument,Inc.Sterling Heights,MI)を使用して、レクチン標識された管の画像を取り込んだ。Scion Image 1.62c(Scion Corporation,Frederick,MD)を使用して角膜の新脈管化(neovascularization)の程度を、定量した。
【0059】
(マウスにおける角膜移植)
通常リスクの角膜移植術のマウスモデルにおける同所性角膜同種異系移植を、以前に記載された(Sonodaら(1992)前述)とおり行った。ドナーの角膜を、2.0mmの内径を使用した穿孔によって切除し、湾曲のバンナス鋏を用いて切断した。移植するまで、角膜組織を、冷却したリン酸緩衝化生理食塩水中に置いた。レシピエントを麻酔し、移植片ベッドを右眼の中央角膜の1.5mmの部位を穿孔し、そして切除された角膜を処分することによって準備した。ドナーの角膜を即時にこのベッドに適用し、所定の部位に8つの断続縫合(11−0ナイロン,70μm直径針、Arosurgical,Newport Beach,CA)で固定した。抗生物質軟膏(Oxymycin,Pharmafair,Hauppauge,NY)を角膜表面上に付け、眼瞼を8−0縫合糸(Sharpoint,Reading,PA)を用いて縫合した。出血が即時の手術後期間において発生した移植のレシピエントを、さらなる評価からはずした。全ての移植された眼を、72時間後に検査し、そして技術的困難(前房出血、白内障、感染、前房の欠損)を有する移植を、さらなる考慮事項から排除した。瞼板縫合糸および角膜縫合糸を、7日後に除去し、次いで移植片を、細隙灯顕微鏡によって、移植後8週間目まで、週少なくとも2回検査し、混濁についてスコアづけした。生着実験を2回行った。この生着実験は、それぞれ、両方の群における実験につき、10匹のマウスおよび12匹のマウスで構成された。混濁についての角膜移植の臨床スコアは、以下のとおりであった:0=透明;+1=最小、表在性(非支質)混濁;角膜を介して瞳孔縁および虹彩管が容易に見える;+2=最小の、深い(支質)混濁;瞳孔縁および虹彩管が見える;+3=中程度の支質混濁;瞳孔縁のみが見える;+4=激しい支質混濁;一部の瞳孔縁のみが見える;+5=最大の支質混濁;前房が見えない。2週間後に+2以上の混濁スコアを有する移植を、拒絶されたとみなした。同系移植を、類似の様式で行い、評価した。
【0060】
(角膜における新脈管形成および新リンパ管形成の免疫組織化学および形態計測)
簡単には、角膜平面標本を、PBS中でリンスし、アセトン中で固定し、PBS中でリンスし、2%ウシ血清アルブミン中でブロッキングし、FITC結合体化CD31/PECAM−1(Santa Cruz Biotechnology,Santa Cruz,CA;1:100)で一晩染色し、洗浄し、ブロッキングし、LYVE−1(1:500;リンパ管内皮特異的ヒアルロン酸レセプター(Cursiefenら(2002)Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.43:2127−35))で染色し、洗浄し、ブロッキングし、Cy3(1:100;Jackson ImunoResearch Laboratories,West Grove,PA)で染色し、そしてZeiss Axiophot顕微鏡を使用して分析した。平面標本のデジタル写真を、Spot Image Analysisシステムを使用して撮影した。次いで、CD31+++/LYVE−1の血管およびCD31/LYVE−1+++のリンパ管によって覆われる領域を、NIH Imageソフトウェアを使用して、これらの平面標本について形態計測学的に測定した。全角膜領域は、輪部アーケードの最も内側の管を境界として使用して示された。次いで、新血管化 対 新脈管化の全領域を、計算された各管の型によって覆われた、全角膜領域および角膜の百分率に基準化した。
【0061】
(VEGFトラップR1R2を使用したVEGF−Aの中和)
VEGFトラップR1R2(Regeneron Pharmaceuticals Inc,Tarrytown,NY(Holashら(2002)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 99:11393−8,その全体が、本明細書中で参考として具体的に援用される)を、移植の生着実験において手術(CHO hVEGFR1[Igドメイン2]R2[Igドメイン3]−Fc)のとき、および手術の3日目後、7日後、および14日後に、腹腔内(i.p.)に12.5mg/kgの濃度で使用した。同一濃度および同一時間で、腹腔内に与えられたヒトFc−フラグメントをコントロールマウス(sCHO h Fc)に使用した。
【0062】
(統計学的分析)
統計学的有意差を、Mann−Whitney検定によって分析した。差異を、P<0.05で有意であるとみなした。各実験を少なくとも2回行い、類似の結果を得た。グラフを、Graph Pad Prism,Version 3.02を使用して描いた。
【0063】
(結果)
(VEGFトラップR1R2による新脈管形成阻害の用量応答)
VEGFトラップR1R2は、25mg/kgまたは12.5mg/kgのいずれかの用量で縫合誘導性の炎症性角膜新脈管化を、完全に阻害した。対照的に、6.25mg/kgおよび2.5mg/kgの用量は、それぞれ、角膜の新脈管化を約50%阻害および約20%阻害をもたらし、一方、試験された最も低い用量(0.5mg/kg)は、無視し得る効果(<5%阻害)を有した。従って、後の実験について、用量12.5mg/kgのVEGFトラップR1R2を、選択した。
【0064】
(通常リスクの同種異系間角膜移植後の新血管形成および新リンパ管形成の迅速かつ平行した発生)
通常リスクの角膜移植後に生じる軽いかつ一時的な新血管形成が、輪部から正常な無リンパ性角膜内へのリンパ管の成長と付随して起きているか否かを決定するために、本発明者らは、同種異系角膜移植(受容された移植のみ)の後、0日目、3日目、7日目、14日目、21日目、および28日目に両方の管の型の内殖の時間経過を研究した。手術の直後、血管およびリンパ管は、角膜平面標本上で生体顕微鏡および免疫組織化学を使用して宿主組織にもドナー組織にも検出可能ではなかった。しかし、同種異系移植後3日目、両方の方法により、移植境界面へ向けて既に1/3〜半分、角膜内に成長している新しい血管が、明らかにされた。7日目までに、これらの管は、たいていは、ドナー組織へ達したが、これらは、まれに、ドナー組織自体に侵入した。リンパ管特異的マーカーとしてLYVE−1を用いて染色した平面標本の分析は、CD31+++/LYVE−1血管が、規則正しく、LYVE−1+++/CD31リンパ管に付随して起きていることを示した。両方の型の管は、7日目に、同時に境界面に達した。その後、抜糸と同時に、両方の型の管が、消失し始めた(免疫拒絶が起きなかった場合;データを示さず)。
【0065】
(同系角膜移植と同種異系角膜移植との間での角膜移植後の新血管形成および新リンパ管形成における差異なし)
通常リスクの角膜移植後の新血管形成および新リンパ管形成の同時誘導が、第一に、外科的外傷、縫合および創傷治癒プロセスの効果であるか、または第二に、初期免疫拒絶反応であるかを決定するために、本発明者らは、同種異系移植(BALB/c内へC57BL/6)および同系移植(BALB/c内へBALB/c)間で、移植後、3日目、7日目、14日目、21日目、28日目に角膜移植術後におきる新血管形成および新リンパ管形成の速度および範囲を比較した。両方の群において、血管およびリンパ管は、角膜移植術後に伸長し、3日目までに、輪部境界面遠位の約1/3に達した。同系移植および同種異系移植の後7日目に、両方の型の管は、その後に消失し始める前に境界面に達した。さらに、同系移植および同種異系移植を比較すると、手術後3日(同種異系:血管化領域[HA]25.2±4.1%およびリンパ管化領域[LA]22.2±9.4% 対 同系HA:23±2.7%およびLA 19.4±7.2%)および手術後7日(同種異系HA:53.8±11.2%およびLA:37.9±6.2% 対 同系HA:55.9±8.2%およびLA:38±22.7%)において血管化領域およびリンパ管化領域において有意差はなかった(1つの時点当たり1群につきn=8匹のマウス)。
【0066】
(通常リスクの角膜移植術後のVEGF−Aの中和は、手術後の新血管形成および新リンパ管形成を阻害する)
手術のときおよびその3日後に、VEGFトラップR1R2(12.5mg/kg)またはコントロールにおいて同一用量のFcタンパク質のいずれかの腹腔内注射をマウスに与えた。手術後3日目および7日目に、新血管形成および新リンパ管形成の範囲を、これら2つの群の間で比較した(1つの時点当たり1群につきn=6匹のマウス)。手術後3日目および7日目に、血管化した領域は、Fcフラグメントを与えたマウス(3日目:25.8%±4.4%;7日目:48.3±12.8%;p<0.0001)と比較して、トラップ処理マウス(3日目:15.8%±4.0%;7日目:25.2±13.3%)では有意に小さかった。これはまた、3日目でのトラップ処理マウス(9.5±9.4%)とFc処理マウス(21.5±9.3%;p<0.0001)とを比較すると、リンパ管化領域にも当てはまった。7日目で、リンパ管化領域は、より小さくなったが、Fc群(51.5±23.8%;p=0.06)と比較してトラップ群(28.7±20.3%)において有意差はなかった。角膜損傷モデルにおいて得られた結果とは対照的に、新血管形成も新リンパ管形成も、角膜移植後のVEGFトラップR1R2によって完全には阻害されなかった。しかしながら、7日目で移植片宿主境界面に達しているリンパ管数(10.6±0.6本の管 対 1.3±1.5本の管)および境界面に排出用リンパ管が入る時間数は、トラップ処理群と比較してFc処理群では非常に大きくなった(3±2時間 対 0.2±0.3時間;小さいサンプルの大きさに起因して有意ではない)。このことは、リンパ管化領域それ自体は、宿主の感作にとってドナー組織との接触領域よりもより重要でないことを示し得る。
【0067】
(通常リスクの手術後のVEGF−Aのトラッピングによる手術後初期の新血管形成および新リンパ管形成の部分阻害は、長期の移植片生着を改善する)
通常リスクの角膜移植術後に生じる新血管形成および新リンパ管形成は、約7日目にピークに達し、その後消失し、そして両方の脈管プロセスは、VEGF−Aの手術後初期の中和によって有意に阻害され得ることから、本発明者らは、この間隔の間の角膜移植後の新血管形成および新リンパ管形成の阻害は、移植片生着を改善するか否かを決定した。無脈管性のBALB/cレシピエントベッド内に入れられたC57BL/6移植片の長期生着を、手術のとき、ならびにその3日後、7日後、および14日後に、12.5mg/kgのVEGFトラップR1R2、またはFcフラグメント単独での腹腔内注射を受けたマウス間で比較した。VEGF−Aのトラッピングは、手術後に、Fc処理コントロール(40%;p=0.044;両方の群でn=22)の眼における移植片と比較して、8週で(78%)有意に改善された長期移植片生着を引き起こした。
【0068】
本発明は、本発明の精神および本質的特性から逸脱することなく、他の特定の形態において実施され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物の被験体における角膜移植拒絶を処置または予防するための医薬の調製における、血管内皮増殖因子(VEGF)媒介性活性をブロック、阻害、または改善し得る第一の薬剤の使用。
【請求項2】
請求項1に記載の使用であって、ここで、前記VEGF媒介性活性をブロック、阻害、または改善し得る薬剤が、VEGFアンタゴニストである、使用。
【請求項3】
請求項2に記載の使用であって、ここで、前記VEGFアンタゴニストが、ポリペプチド、抗体、低分子、または核酸である、使用。
【請求項4】
請求項3に記載の使用であって、ここで、前記VEGFアンタゴニストが、アセチル化された、Flt−1(1−3)−Fc、Flt−1(1−3R→N)−Fc、Flt−1(1−3ΔB)−Fc、Flt−1(2−3ΔB)−Fc、Flt−1(2−3)−Fc、Flt−1D2−VEGFR3D3−FcΔC1(a)、Flt−1D2−Flk−1D3−FcΔC1(a)、およびVEGFR1R2−FcΔC1(a)からなる群より選択されるVEGFトラップを含む、使用。
【請求項5】
請求項4に記載の使用であって、ここで、前記VEGFトラップが、VEGFR1R2−FcΔC1(a)である、使用。
【請求項6】
請求項3に記載の使用であって、ここで、前記VEGFアンタゴニストが、アプタマー、siRNA、またはアンチセンス分子からなる群より選択される核酸である、使用。
【請求項7】
請求項1に記載の使用であって、ここで、投与が、皮下、筋肉内、皮内、腹腔内、静脈内、鼻腔内、経口、結膜下、または局所的である、使用。
【請求項8】
さらに、第二の薬剤を投与する工程を包含する、請求項1に記載の使用。
【請求項9】
請求項8に記載の使用であって、ここで、前記第二の薬剤が、免疫抑制剤である、使用。
【請求項10】
請求項1に記載の使用であって、ここで、前記哺乳動物の被験体が、ヒトである、使用。
【請求項11】
請求項10に記載の使用であって、ここで、前記ヒト被験体が、角膜移植を受けている、使用。
【請求項12】
角膜移植拒絶の発生率を減少させることを必要とする被験体において、該角膜移植拒絶の発生率を減少させる方法であって、該方法が、血管内皮増殖因子(VEGF)媒介性活性をブロック、阻害、または改善し、その結果、該角膜移植拒絶の発生率を減少させ得る薬剤を該被験体へ投与する工程を包含する、方法。
【請求項13】
角膜移植拒絶の処置を必要とする被験体において該角膜移植拒絶を処置する方法であって、該方法が、血管内皮増殖因子(VEGF)媒介性活性をブロック、阻害、または改善し、その結果、角膜移植拒絶を処置し得る薬剤を該被験体へ投与する工程を包含する、方法。
【請求項14】
血管内皮増殖因子(VEGF)アンタゴニスト、および薬学的に受容可能なキャリアを含有する、角膜移植拒絶を予防または処置するための薬学的組成物。
【請求項15】
液体、ゲル、軟膏、膏薬、または点眼液の形態である、請求項14に記載の薬学的組成物。
【請求項16】
製品であって:
(a)包装材料;および
(b)該包装材料内に収容された薬剤;
を備え、ここで、該薬剤は、本発明の少なくとも1つのVEGF特異的融合タンパク質を含有し、そして該包装材料は、該VEGF特異的融合タンパク質が、哺乳動物の被験体において角膜移植拒絶を処置または予防するために使用され得ることを示す標識または包装挿入物を備える、製品。

【公表番号】特表2007−529418(P2007−529418A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532457(P2006−532457)
【出願日】平成16年4月23日(2004.4.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/012540
【国際公開番号】WO2004/106378
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(597160510)リジェネロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド (50)
【氏名又は名称原語表記】REGENERON PHARMACEUTICALS, INC.
【出願人】(505323921)ザ スキーペンズ アイ リサーチ インスティチュート (2)
【Fターム(参考)】