説明

X線撮像装置

【課題】装置全体の小型化を図った場合や、旋回軸の制御に異常が発生した場合においても、撮像中に被検体とX線検出部の衝突を防ぐことができるX線撮像装置を提供する。
【解決手段】X線撮像装置は、X線照射部3及びX線検出部2を対向して有する旋回アーム4と、旋回アーム4を吊下げるアーム駆動部5とを備え、X線照射部3及びX線検出部2を被検体Oの周りで旋回させて撮像を行う。アーム駆動部5は、水平移動する旋回駆動機構14と、その周りに配置されたカバー12と、カバー12の一部に形成された開口部16を通って旋回駆動機構14と旋回アーム4とを接続し、旋回駆動機構14の水平方向の移動を旋回アーム4に伝達する旋回軸15とを備える。開口部16の形状は撮像に必要な旋回軸15の水平方向の移動範囲に基づいて決定され、前記移動範囲を超える旋回軸15の移動が制限される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体の一部分にX線を照射してその投影画像を得るX線撮像装置に関し、特に、歯顎領域等のCT撮像が可能なX線撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
歯科医療の分野では、被検体の一部分(例えば、歯牙領域)の内部状態を確認して治療の方向性を決定するために、X線撮像装置が不可欠なものとなっている。撮像方法としては、CT撮像、パノラマ撮像、セファロ撮像が知られており、被検体の種類や撮像の目的に応じて一の撮像方法が選択される。また、現在では、これらの撮像の全てを切り替えて行うことができるX線撮像装置も開発されている。
【0003】
X線撮像装置の一例として、図1に示すX線撮像装置は、主に、被検体OにX線を照射するX線照射部3と、被検体Oを透過したX線を検出するX線検出部2と、両端にX線照射部3及びX線検出部2を対向して有する旋回アーム4と、旋回アーム4を吊下げるアーム駆動部5とを備える。アーム駆動部5は、旋回アーム4の水平移動と水平旋回を行う。被検体Oである患者の頭部は、チンレスト等からなる頭部固定部6によって、X線照射部3とX線検出部2の間に位置決めされる(例えば、特許文献1参照)。
なお、本明細書中の用語「水平移動」は設置面7に平行な面内での移動を意味する。また、用語「水平方向」は水平移動の方向を意味する(図1のX方向及びY方向参照)。
【0004】
X線撮像装置1の主要部の構成をより詳細に示したのが図2である。アーム駆動部5は、水平移動機構13と、当該機構に保持されて水平方向に移動する旋回駆動機構14と、これらの周りに配置されたカバー12とを備える。カバー12には開口部16が形成されている。また、旋回駆動機構14と旋回アーム4は、開口部16を通る旋回軸15で接続されている。
【0005】
例えば、歯牙領域の一部分についてCT撮像を行う場合、制御部101は、入力部100で入力された撮像条件に基づいて水平移動機構13を制御し、旋回軸15の中心軸を被撮像領域の中心(以下、単に「撮像中心」という)に移動させる。そして、旋回駆動機構14は、撮像中心を中心にX線照射部3及びX線検出部2を旋回させる。
X線照射部3は、X線源10及び照射面3aを備える。X線源10は、制御部101からの指令に基づき、被検体Oに向かってX線を照射する。X線検出部2は、センサ11及び検出面2aを備え、被検体Oを透過してきたX線を検出する。センサ11は検出したX線を電気信号に変換して出力し、これを処理することによって最終的に当該被撮像領域のCT画像等が得られる。
【特許文献1】特開2000−139902号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的なX線撮像装置における、撮像中心、X線源10、及びセンサ11の位置関係を図3に示す。通常、限られた大きさのセンサ11で極力広い範囲の撮像を可能にするために、センサ11は可能な限り撮像中心に近づけて配置される。また、X線源10は、X線照射部3がアーム駆動部5の支持フレーム5’(図1(A)参照)に衝突しない範囲で、撮像中心から可能な限り遠ざけて配置される。
結果的に、拡大率(=L/L)は1.5〜1.6程度となり、被検体OはX線源10とセンサ11の中央よりもセンサ11寄りに位置する。検出面2aと照射面3aで比較しても、検出面2aは照射面3aよりも撮像中心の近くに位置する。
【0007】
したがって、図11(A)に示すように、X線検出部2及びX線照射部3が旋回軸15及び中心軸(撮像中心)の周りを旋回すると、検出面2aの軌跡Tは照射面3aの軌跡Tよりも内側に位置することになる。また、前歯付近を撮像中心とした場合に、X線検出部2と被検体Oは最も接近する。一方、X線照射部3はX線検出部2よりも外側の軌跡Tを通って旋回するので、X線照射部3ほど被検体Oに接近することはない。
【0008】
ところで、従来のX線撮像装置は以下に示す問題を有していた。すなわち、装置全体を小型化するためにX線照射部3を撮像中心に近づけて配置すると、それに伴ってX線検出部2を被検体Oにさらに近づけることになり、X線検出部2と被検体O(後頭部)が衝突するおそれがあった。図11(B)に示すように、比較的大きな被検体O’を撮像対象とする場合も同様である。
さらに、従来のX線撮像装置では、水平移動機構13(図2参照)の制御に異常が発生し、旋回軸15が歯牙領域を超えて外側に移動してしまった図11(C)のような場合においても、X線検出部2と被検体Oが衝突するおそれがあった。
【0009】
そこで、本発明は、装置全体の小型化を図った場合や、旋回軸の制御に異常が発生した場合においても、撮像中の被検体とX線検出部との衝突を防ぐことができ、被検体の安全を確保することができるX線撮像装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係るX線撮像装置は、
被検体に向かってX線を照射するX線照射部と、前記被検体を透過した前記X線を検出するX線検出部と、両端に前記X線照射部及び前記X線検出部を対向して有する旋回アームと、前記旋回アームを吊下げるアーム駆動部とを備え、前記X線照射部及び前記X線検出部を前記被検体の周りで旋回させて撮像を行うX線撮像装置であって、前記アーム駆動部は、水平方向に移動可能な旋回駆動機構と、前記旋回駆動機構の周りに配置されたカバーと、前記カバーの一部に形成された開口部を通って前記旋回駆動機構と前記旋回アームとを接続し、前記旋回駆動機構の水平方向の移動を前記旋回アームに伝達する旋回軸とを備え、前記開口部の形状は、前記撮像に必要な前記旋回軸の水平方向の移動範囲に基づいて決定され、前記開口部によって前記移動範囲を超える前記旋回軸の移動が制限されることを特徴とする。
【0011】
好ましくは、上記X線撮像装置は、前記撮像時に、前記旋回軸の中心軸が、前記被検体の歯牙領域内で任意に水平方向に移動する必要がある。
【0012】
好ましくは、上記X線撮像装置は、前記旋回軸の中心軸である撮像中心を中心とした一定の領域が撮像可能であることを考慮して、前記開口部の輪郭の少なくとも一部を当該開口部の中心寄りにオフセットし、前記開口部の開口面積を前記オフセット前よりも狭くしている。
【0013】
好ましくは、上記X線撮像装置は、前記X線検出部及び前記X線照射部の旋回角度を200°〜300°に制限することにより、前記X線検出部と前記被検体との衝突を防ぐように構成している。
【0014】
好ましくは、上記X線撮像装置は、前記旋回角度を制限した場合においても、前記旋回角度を制限しない場合と同じ撮像時間、フレーム数での撮像を可能にする選択機能を備えている。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るX線撮像装置によれば、まず、第1の効果として、旋回軸の移動を制限する手段を設けたことにより、水平移動機構の制御に異常が発生した場合における被検体とX線検出部の衝突を防ぐことができる。
また、第2の効果として、X線検出部の旋回角度を制限し、被検体との衝突の危険性が高い部分を避けて旋回するようにしたことにより、被検体とX線検出部の衝突を防ぐことができる。
さらに、第3の効果として、X線検出部の旋回角度を制限した場合においても、画質が悪化するのを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るX線撮像装置について説明する。
【実施例1】
【0017】
まず、図1を参照して、本実施例に係るX線撮像装置の基本構造について説明する。図1はX線撮像装置の外観を示し、(A)は正面図、(B)は右側面図である。
X線撮像装置1は、CT撮像、パノラマ撮像、及びセファロ撮像のいずれかを選択して行うことができるものである。ただし、図1を含む各添付図面では、パノラマ撮像、及びセファロ撮像で必要となる構成要素は省略している。
【0018】
X線撮像装置1は、主に、被検体OにX線を照射するX線照射部3と、被検体Oを透過したX線を検出するX線検出部2と、両端にX線照射部3及びX線検出部2を対向して有する旋回アーム4と、旋回アーム4を吊下げるアーム駆動部5とを備える。アーム駆動部5は、旋回アーム4の水平移動と水平旋回を行う。アーム駆動部5の支持フレーム5’は支柱8に連結支持され、支柱8に沿って昇降可能となっている。また、被検体Oである患者の頭部は、チンレスト等からなる頭部固定部6によって、X線照射部3とX線検出部2の間に位置決めされる。
【0019】
X線撮像装置1の主要部の構成をより詳細に示したのが図2である。アーム駆動部5は、水平移動機構13と、当該機構に保持されて水平方向に移動する旋回駆動機構14と、これらの周りに配置されたカバー12とを備える。カバー12の一部には開口部16が形成されている。また、旋回駆動機構14と旋回アーム4は、開口部16を通る旋回軸15で接続されている。なお、開口部16の形状については、後で図4を参照して詳細に説明する。
【0020】
前記の通り、X線撮像装置1では種々の撮像が可能であるが、そのひとつであるCT撮像を歯牙領域の一部分について行う場合、制御部101は、入力部100で入力された撮像条件に基づいて水平移動機構13を制御し、旋回軸15の中心軸15aを撮像中心に移動させる。そして、旋回駆動機構14は、撮像中心を中心にX線照射部3及びX線検出部2を旋回させる。
【0021】
X線照射部3は、X線源10及び照射面3aを備える。X線源10は、制御部101からの指令に基づいてX線を被検体Oに向かって照射する。照射するX線としては、ナロービームX線及びコーンビームX線が選択可能である。X線検出部2は、センサ11及び検出面2aを備え、被検体Oを透過してきたX線を検出する。センサ11は、例えばフラットパネルディテクタ(FPD)であり、検出したX線を電気信号に変換して出力する。
【0022】
本実施例において、X線検出部2及びX線照射部3は、17秒間で撮像中心の周りを360°旋回する。その間に、センサ11による透過X線の検出は510回行われる。以下、1回の検出で得られる被撮像領域の断層情報を「フレーム」と称する。
センサ11で得られた510個のフレームは、順次メモリ102に格納される。そして、全てのフレームがメモリ102に格納されると、フレームは画像再構成部103によって再構成され、被撮像領域の再構成画像(CT画像、パノラマ画像等)として画像表示部104に表示される。
【0023】
撮像中心、X線源10、及びセンサ11の位置関係は、図3に示す通りである。本実施例において、拡大率(=L/L)は1.6である。すなわち、被検体Oは、X線源10とセンサ11の中央よりもセンサ11寄りに位置する。検出面2aと照射面3aで比較しても、検出面2aは照射面3aよりも撮像中心の近くに位置する。
【0024】
本実施例に係るX線撮像装置では、カバー12に形成された開口部16を旋回軸15の水平移動を制限する手段として積極的に利用し、開口部16の範囲内でのみ旋回軸15の水平移動が許容されるようにしている。
図4(A)に示すように、本実施例に係るX線撮像装置の開口部16の形状は、被検体Oの歯牙領域の形状に基づいて形成されている。具体的には、開口部16の形状は、撮像中心(旋回軸15の中心軸15a)の前歯付近(図4(B))、左奥歯付近(図4(C))、及び右奥歯付近(図4(D))への移動が確保され、かつ極力開口面積が狭くなるように形成されている。
【0025】
これにより、図11(C)に示すような水平移動機構13の制御に異常が発生した場合に、旋回軸15が歯牙領域を超えて外側に移動するのを制限することができ、X線検出部2と被検体Oの衝突を防ぐことができる。
【実施例2】
【0026】
図5(A)に示すように、線Z−Zを撮像中心とした場合のCT撮像では、歯牙領域20全体のうち、一定の撮像径(例えば、φ30mm)を有する円柱状領域21(以下、「撮像可能領域」という)を一度に撮像することができ、図5(B)に示すような三次元の再構成画像を得ることができる。また、撮像径を大きくした場合(例えば、φ80mm)は、歯牙領域20のほぼ全域を撮像可能領域21内に収めることができ、図6(A)に示すような三次元の再構成画像を得ることができる。CT撮像では、さらに、図6(B)〜(D)に示すような断層画像を得ることもできる。
【0027】
実施例2に係るX線撮像装置は、一定領域の撮像が一度に行えることに基づいて開口部16の開口面積をさらに狭くし、実施例1に係るX線撮像装置では防ぎきれなかったX線検出部2と被検体Oの衝突をも防ごうとするものである。なお、図1〜図3に示す装置の基本的な構成については実施例1に係るX線撮像装置と同一である。また、撮像径としては、φ30mm、φ50mm、及びφ80mmが選択可能である。
【0028】
本実施例に係るX線撮像装置の開口部16の形状を図7に示す。
図7(A)では、前歯付近のCT撮像を行う際の旋回軸15を、被撮像領域が円柱状の撮像可能領域21からはみ出さない程度に、歯列弓17で囲まれた領域の内側にオフセットして配置している。同様に、左奥歯付近(図7(B))、及び右奥歯付近(図7(C))のCT撮像を行う場合も、旋回軸15は、被撮像領域が円柱状の撮像可能領域21からはみ出さない程度に、内側にオフセットして配置することができる。
【0029】
結局、本実施例に係るX線撮像装置では、CT撮像等における旋回軸15の水平移動範囲を制限することにより、開口部16の輪郭の一部を当該開口部16の中心寄りにオフセットさせて、開口面積を狭くすることができる。そして、例えば、装置全体の小型化に伴って被検体OとX線検出部2が近接し、実施例1に係るX線撮像装置ではX線検出部2と被検体Oの衝突を防ぐことができない場合においても、衝突を防ぎ、被検体Oの安全を確保することができる。
【0030】
なお、図7に示す開口部16の形状は例示であり、必要に応じて、例えば、図8(A)(B)に示すような形状に変更することができる。
【実施例3】
【0031】
従来例に係る図11(B)に示すように、被検体O’が比較的大きい場合は、実施例1及び2に係るX線撮像装置であっても、X線検出部2と被検体O’の衝突を防ぐことはできない。
実施例3に係るX線撮像装置は、X線検出部2及びX線照射部3の旋回角度を制限することによって、比較的大きな被検体O’とX線検出部2の衝突を防ごうとするものである。なお、図1〜図3に示す基本的な装置の構成については実施例1に係るX線撮像装置と同一である。
【0032】
図11(B)を参照して、被検体O’の周りをX線検出部2が360°旋回すると、被検体O’とX線検出部2は前歯付近のCT撮像を行う際に最も接近する。そして、被検体O’が大きくなるにつれて、X線検出部2が被検体Oの後頭部に衝突する危険性が高くなる。
そこで、本実施例に係るX線検出部2は、衝突する危険性の高い被検体O’の後頭部付近を避けるように旋回する。図9(A)に示すように、本実施例における旋回角度は270°である。一方、X線照射部3は被検体O’を挟んでX線検出部2に対向して配置されているので、X線照射部3の旋回角度も270°である。
【0033】
また、本実施例では、旋回角度に比例して撮像時間とフレーム数とが減少する「ノーマルモード」と、旋回角度が変更されても撮像時間及びフレーム数が変更されない「フルフレームモード」の選択機能を備えている。旋回角度、及びいずれのモードを選択するかは、撮像開始前に入力部100(図2参照)で指定する。なお、旋回角度360°で撮像を行う場合は、17秒間で510個のフレームが得られる。1秒当たりに得られるフレーム数はセンサ11の性能によって決定され、現在では30フレーム/秒のものが一般的である。
【0034】
図9(A)ではノーマルモードが選択されている。前記の通り、X線検出部2及びX線照射部3の旋回角度は270°なので、撮像時間は17×(270/360)=12.75秒で、フレーム数は510×(270/360)=382個である。
ノーマルモードによれば、撮像時間が短縮されるので、被検体Oの被曝量を低減することができる。しかしながら、このモードではフレーム数が減少するので、再構成後の画質が悪化する。
【0035】
一方、図9(B)ではフルフレームモードが選択されている。旋回角度は一例として230°である。このモードでは、旋回角度に応じて撮像時間及びフレーム数が変更されないので、撮像時間は17秒、フレーム数は510個のままである。
フルフレームモードでは、ノーマルモードのようにフレーム数が減少しないので、制限された旋回角度(230°)内で密に撮像を行うことができる。そして、旋回角度が200°〜300°以上であれば、経験的に、360°旋回して撮像した画像とあまり遜色のない画質の画像を得ることができる。
【0036】
図10は、本実施例に係るX線撮像装置を用いたCT撮像のフローチャートである。
CT撮像では、まず、入力部100を介して撮像条件の入力を行う(ステップS1)。撮像条件には、少なくとも、旋回角度と、選択するモード(フルフレームモード/ノーマルモード)が含まれる。
【0037】
撮像条件の入力が完了すると、続いて、旋回角度が360°であるか否かが判定される(ステップS2)。旋回角度が360°の場合は、ステップS4Aにおいて標準的な撮像(旋回角度:360°、撮像時間:17秒、フレーム数:510個)が行われる。
一方、旋回角度が360°未満である場合(例えば、230°)は、ステップS3において選択されたモードの判定が行われる。そして、ノーマルモードと判定された場合には、230°に応じた撮像時間、フレーム数で撮像が行われる(ステップS4B)。フルフレームモードと判定された場合には、17秒間で510個のフレームを得る撮像が行われる(ステップS4C)。
【0038】
撮像が完了すると、メモリ102に格納されたフレームの再構成が行われ(ステップS5)、再構成画像が画像表示部104に表示され(ステップS6)、当該フローは終了する。
【0039】
なお、本実施例では、入力された旋回角度、及びモードに応じて撮像時間等が決定されるものとしたが、例えば、被検体が成人であれば自動的に旋回角度が200〜300°の範囲に設定され、フルフレームモードによる撮像が行われるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】X線撮像装置の外観であって、(A)は正面図、(B)は右側面図である。
【図2】X線撮像装置の主要部分の構成を示す図である。
【図3】被検体、X線検出部及びX線照射部の位置関係を示す図である。
【図4】実施例1に係る図であって、(A)は被検体の周りを旋回するX線検出部及びX線照射部の軌跡を示す図、(B)〜(D)はいずれも開口部の形状を示す図である。
【図5】実施例2に係る図であって、(A)は1回のCT撮像で撮像可能な領域について説明する図、(B)はこの撮像で得られる画像の一例を示す図である。
【図6】実施例2に係る図であって、(A)〜(D)はいずれも撮像径を比較的大きく設定したCT撮像で得られる画像の一例を示す図である。
【図7】(A)〜(C)はいずれも実施例2に係る開口部の形状を示す図である。
【図8】(A)(B)はいずれも実施例2に係る開口部の他の形状を示す図である。
【図9】実施例3に係るX線撮像装置において、被検体の周りを旋回するX線検出部及びX線照射部の軌跡を示す図であって、(A)はノーマルモードで旋回角度を270°とした場合の図、(B)はフルフレームモードで旋回角度を230°とした場合の図である。
【図10】実施例3に係るX線撮像装置を用いたCT撮像のフローチャートである。
【図11】従来のX線撮像装置におけるX線検出部及びX線照射部の軌跡を示す図であって、(A)はX線検出部と被検体とが衝突しない場合、(B)(C)はX線検出部と被検体とが衝突する場合を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
1 X線撮像装置
2 X線検出部
2a 検出面
3 X線照射部
3a 照射面
4 旋回アーム
5 アーム駆動部
5’ 支持フレーム
6 頭部固定部
7 設置面
8 支柱
10 X線源
11 センサ
12 カバー
13 水平移動機構
14 旋回駆動機構
15 旋回軸
15a 旋回軸の中心軸
16 開口部
17 歯列弓
20 歯牙領域
21 撮像可能領域
100 入力部
101 制御部
102 メモリ
103 画像再構成部
104 画像表示部
O、O’ 被検体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に向かってX線を照射するX線照射部と、前記被検体を透過した前記X線を検出するX線検出部と、両端に前記X線照射部及び前記X線検出部を対向して有する旋回アームと、前記旋回アームを吊下げるアーム駆動部とを備え、前記X線照射部及び前記X線検出部を前記被検体の周りで旋回させて撮像を行うX線撮像装置であって、
前記アーム駆動部は、前記旋回アームに接続された旋回軸と、前記旋回軸を任意に水平方向に移動させて前記旋回アームの水平移動を行う水平移動機構と、前記旋回軸を旋回させて前記旋回アームの水平旋回を行う旋回駆動機構と、前記水平移動機構及び前記旋回駆動機構の周りに配置され、前記旋回軸が通る開口部が形成されたカバーとを備え、
前記開口部の形状は、前記撮像に必要な前記旋回軸の水平方向の移動範囲に基づいて決定され、前記開口部によって前記移動範囲を超える前記旋回軸の移動が制限されることを特徴とするX線撮像装置。
【請求項2】
前記開口部の前記形状は、前記被検体の歯列弓に合わせて奥歯側から前歯側に向けて幅が狭まる形状であり、前記開口部によって前記旋回軸が前記被検体の歯牙領域を超えて外側へ移動することが制限されることを特徴とする請求項1に記載のX線撮像装置。
【請求項3】
前記撮像が、前記歯牙領域の一部分を被撮像領域とし、前記旋回軸の中心軸を中心とした円柱状の撮像可能領域内に、前記被撮像領域を収めて撮像するCT撮像であり、
前記旋回軸の前記中心軸を、前記被撮像領域が前記撮像可能領域からはみ出ることがないように前記被撮像領域の中心から歯列弓で囲まれた領域の内側にオフセットして、前記被撮像領域をCT撮像することを特徴とする請求項2に記載のX線撮像装置。
【請求項4】
前記撮像がCT撮像であり、前記X線検出部及び前記X線照射部の旋回角度を200°〜300°に制限し、前記X線検出部が前記被検体の後方を旋回しないようにすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−250061(P2012−250061A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−184762(P2012−184762)
【出願日】平成24年8月24日(2012.8.24)
【分割の表示】特願2008−13223(P2008−13223)の分割
【原出願日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(000117054)朝日レントゲン工業株式会社 (36)
【Fターム(参考)】