説明

X線撮影装置

【課題】被検者の異なる複数の体位に応じてX線管の撮影エリアを切り替えて撮影を行うX線撮影装置において、撮影作業の効率を高め、撮影に要する時間を短縮する。
【解決手段】X線管1を、臥位撮影エリアと立位撮影エリアとに切り替えて撮影を行うX線撮影装置において、撮影開始時にX線管がどの撮影エリアにあるかを検出するとともに、ジョブメモリ部22に予め登録された撮影メニューを読み出し、当該撮影メニューに含まれる複数のショットの撮影順序を、撮影開始時のX線管の撮影エリアに対応するショットから順に実行されるように並び替え、ジョブメモリ部に登録し直す撮影順序変更部23が備えられる

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用X線撮影装置、特に、被検者の異なる撮影体位に対応する複数の撮影エリアの間において移動可能なX線管と、複数の撮影エリアにおいてそれぞれX線管に対向して配置された複数のX線検出器とを備えたX線撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の医療用X線撮影装置として、例えば、被検者の立位および臥位に対応する2つの撮影エリア(立位撮影エリアおよび臥位撮影エリア)の間において移動可能なX線管と、立位撮影エリアおよび臥位撮影エリアにおいてそれぞれX線管に対向して配置された2つのX線検出器とを備え、X線管の撮影エリアを切り替えることによって、被検者の立位および臥位のX線撮影を行うようにしたものがある(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
このX線撮影装置が使用される場合は、通常、医師から、X線撮影装置を操作する検査技師に対して、被検者の検査部位を指定する検査オーダーが送られる。この検査オーダーには、当該検査に必要な被検者の撮影体位、撮影部位および撮影方向の異なる組み合わせからなる複数のショットおよびそれらのショットの撮影順序を指定する撮影メニューが添付されている。例えば、「胸腹部の検査」との検査オーダーが医師から出されると、その検査オーダーに添付された撮影メニューには、「立位胸部正面」、「立位胸部側面」、「立位腹部正面」および「臥位腹部側面」の各ショットをこの順序で実行すべきことが記述されている。そして、検査技師は、手動によって、撮影メニューをX線撮影装置のジョブメモリ部に登録する。
【0004】
あるいは、X線撮影装置が病院内情報システム(HIS)や放射線科情報システム(RIS)にネットワークを介して接続されていて、医師が使用する端末装置から撮影メニューが入力されると、それらのデータがネットワークを通じてX線撮影装置のジョブメモリ部に自動的に登録される。
【0005】
ところで、この種のX線撮影装置において、例えば、「胸腹部の検査」が2件続いた場合、各検査毎に、「立位胸部正面」、「立位胸部側面」、「立位腹部正面」および「臥位腹部側面」の各ショットをこの順序で実行するという撮影メニューがジョブメモリ部に登録される。そして、最初の検査の終了時点では、X線撮影装置は、「臥位腹部側面」の撮影を実行する配置を有し、よって、X線管は、被検者の臥位に対する撮影エリアにある。ところが、次の検査は、前の検査と同様、「立位胸部正面」から撮影が開始されるので、技師は、X線管を、被検者の立位に対する撮影エリアまで移動させねばならず、そのため、作業効率が悪く、撮影に時間がかかっていた。
【0006】
この場合、作業の効率化、省力化のために、次の検査を、「臥位腹部側面」の撮影から開始するのが好都合であるが、予めジョブメモリ部に登録された撮影メニューを手動で変更することは非常に煩雑であり、簡単に実行することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−298473号公報
【特許文献2】特開2000−166908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の課題は、被検者の異なる複数の体位に応じてX線管の撮影エリアを切り替えて撮影を行うX線撮影装置において、撮影作業の効率を高め、撮影に要する時間を短縮することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、被検者にX線を照射するX線管と、前記X線管を、被検者の異なる撮影体位に対応する複数の撮影エリアの間において移動可能に支持するX線管支持部と、前記X線管支持部に設けられた、前記X線管の位置を検出する位置検出部と、前記X線管に対して管電圧および管電流を供給する高電圧発生部と、前記複数の撮影エリアにおいてそれぞれ前記X線管に対向して配置され、前記被検者を透過するX線を検出し、前記被検者の透視像の画像信号を出力する複数のX線検出器と、前記複数のX線検出器をそれぞれ支持するX線検出器支持部と、被検者の複数のショットおよびそれらのショットの撮影順序を指定する撮影メニューの入力を受ける撮影メニュー入力部と、前記撮影メニューが登録されるジョブメモリ部と、前記位置検出部からの検出信号に基づき、撮影開始時に前記X線管がどの前記撮影エリアにあるかを検出するとともに、前記ジョブメモリ部に登録された前記撮影メニューを読み出し、当該撮影メニューに含まれる前記複数のショットの撮影順序を、前記撮影開始時の前記X線管の撮影エリアに対応するショットから順に実行されるように並び替え、前記ジョブメモリ部に登録し直す撮影順序変更部と、を備えたことを特徴とするX線撮影装置を構成したものである。
【0010】
上記課題を解決するため、また、本発明は、被検者にX線を照射するX線管と、前記X線管を、被検者の異なる撮影体位に対応する複数の撮影エリアの間において移動可能に、かつ、各撮影エリアにおいて、前記被検者の異なる撮影部位および撮影方向に対応して旋回および移動可能に支持するX線管支持部と、前記X線管支持部に設けられた、前記X線管の位置を検出する位置検出部と、前記X線管に対して管電圧および管電流を供給する高電圧発生部と、前記複数の撮影エリアにおいてそれぞれ前記X線管に対向して配置され、前記被検者を透過するX線を検出し、前記被検者の透視像の画像信号を出力する複数のX線検出器と、前記複数のX線検出器をそれぞれ支持するX線検出器支持部と、被検者の撮影体位、撮影部位および撮影方向の異なる組み合わせからなる複数のショットおよびそれらのショットの撮影順序を指定する撮影メニューの入力を受ける撮影メニュー入力部と、前記撮影メニューが登録されるジョブメモリ部と、前記位置検出部からの検出信号に基づき、撮影開始時に前記X線管がどの前記撮影エリアにあるかを検出するとともに、前記ジョブメモリ部に登録された前記撮影メニューを読み出し、当該撮影メニューに含まれる前記複数のショットの撮影順序を、前記撮影開始時の前記X線管の撮影エリアに対応するショットから順に実行されるように並び替え、前記ジョブメモリ部に登録し直す撮影順序変更部と、を備えたことを特徴とするX線撮影装置を構成したものである。
【0011】
この構成において、さらに、X線撮影装置が、前記X線検出器支持部に設けられた、前記複数のX線検出器のそれぞれの位置を検出するための複数の第2の位置検出部を備え、前記撮影順序変更部は、前記位置検出部および前記第2の位置検出部からの検出信号に基づき、前記撮影開始時に、前記X線管が、どの前記撮影エリアにおいて、どの前記撮影部位をどの前記撮影方向から撮影する位置にあるかを検出するとともに、前記ジョブメモリ部から読み出した前記撮影メニューに含まれる前記複数のショットの撮影順序を、前記撮影開始時の前記X線管の位置に対応するショットから順に実行されるように並び替え、前記ジョブメモリ部に登録し直すようになっていてもよい。
【0012】
本発明の好ましい実施例によれば、前記X線撮影装置は、病院内情報システムまたは放射線科情報システムとデータの送受信を行う送受信部をさらに備え、前記送受信部は、前記病院内情報システムまたは前記放射線科情報システムから受信した前記撮影メニューを前記ジョブメモリ部に登録するようになっている。
また、前記被検者の異なる撮影体位は、好ましくは、立位および臥位である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、被検者の異なる複数の体位に応じてX線管の撮影エリアを切り替えて撮影を行うX線撮影装置において、ジョブメモリ部に予め登録された撮影メニューに含まれるショットの順序を自動的に並べ替えることにより、次の被検者のX線撮影が、前の被検者の撮影終了時におけるX線管の撮影エリアに対応するショットから順に実行されるようにしたので、撮影作業が著しく効率化され、作業の省力化および撮影に要する時間の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の1実施例によるX線撮影装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】撮影順序変更部による各ショットの撮影順序変更の様子を説明する図である。
【図3】本発明の別の実施例によるX線撮影装置の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例について説明する。図1は、本発明の1実施例によるX線撮影装置の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、本発明によれば、被検者MにX線を照射するX線管1と、X線管1を、被検者Mの立位および臥位に対応する2つの撮影エリア(以下、「立位撮影エリア」および「臥位撮影エリア」とする。)の間において移動可能に、かつ、各撮影エリアにおいて、被検者Mの異なる撮影部位および撮影方向に対応して旋回および移動可能に支持するX線管支持部2が備えられる。この場合、2つの撮影エリアのいずれにおいても、X線管1を同じ姿勢に維持したままで撮影が可能な場合には、X線管支持部2は、X線管1を2つの撮影エリアの間において移動可能に支持する機能を有しているだけでよい。
【0016】
X線管支持部2は、この実施例では、X線撮影装置が設置される部屋の天井に取り付けられたレール3と、レール3にスライド運動可能に取り付けられた移動体4と、移動体4に取り付けられた上下方向に伸縮可能なコラム5と、コラム5の下端に取り付けられたアーム(図示されない)とを有しており、このアームにX線管1が旋回可能に取り付けられる。
こうして、移動体4が、レール3上をスライド運動することによって、X線管1は、被検者Mの長手方向に沿って臥位撮影エリア(図1の実線で示す位置)と立位撮影エリア(図1の破線で示す位置)との間を移動し得る。また、各撮影エリアにおいて、被検者Mの異なる撮影部位および撮影方向に対応して、X線管1が上下方向に移動せしめられるとともに、アームのまわりに旋回せしめられる。なお、移動体4の運動や、X線管1の移動および旋回は、手動によって、または駆動装置によって行われる。
【0017】
X線管支持部2には、X線管1の位置を検出する位置検出部6が設けられる。位置検出部6は、図示はしないが、移動体4の位置を検出するセンサーと、X線管1の高さ位置および旋回角度を検出するセンサーを備えている。そして、これらのセンサーの検出信号が位置検出部6に送られ、位置検出部6においてX線管1の現在位置が求められる。
X線管1には、高電圧発生部7から、X線照射に必要な管電圧および管電流が供給される。高電圧発生部7は、コントローラ20によって制御される。
【0018】
臥位撮影エリアおよび立位撮影エリアには、それぞれ、X線検出器8、9がX線管1に対向して配置され、被検者Mを透過するX線を検出し、被検者Mの透視像の画像信号を出力する。X線検出器8、9は、この実施例では、FPD(フラットパネル型X線検出器)からなっているが、FPDの代わりに、I.I.(X線蛍光増倍管)およびTVカメラ、あるいはIP(イメージングプレート)等の任意の公知のX線検出器を用いることができる。
【0019】
各X線検出器8、9は、X線検出器支持部10a、10bによって支持される。この場合、臥位撮影エリアにおいては、FPD8が、その上に被検者Mが載せられる支持台10aの天板の下側に配置され、FPD移動機構11によって、被検者の長手方向に沿って移動可能に支持される。また、立位撮影エリアには、床面に支柱10bが立設され、FPD9が、支柱10bに設けられたFPD移動機構12によって、上下方向に移動可能に支持される。そして、各撮影エリアにおいて、被検者Mの異なる撮影部位および撮影方向に対応して、FPD8、9が、手動によってまたは駆動装置によって上下に移動せしめられる。FPD移動機構11、12の駆動装置による移動は、コントローラ20によって制御される。
【0020】
FPD8、9のそれぞれの出力端子にはA/D変換器15、16が接続され、A/D変換器15、16から出力された画像データは画像処理部17において処理される。画像処理部17の出力端子にはD/A変換器18が接続され、D/A変換器18から出力された画像信号に基づいてモニタ19にX線透視像が表示される。画像処理部17は、コントローラ20によって制御される。
【0021】
本発明によれば、また、被検者Mの複数のショット(この実施例では、複数のショットは、撮影体位、撮影部位および撮影方向の異なる組み合わせからなる)およびそれらのショットの撮影順序を指定する撮影メニューの入力を受ける撮影メニュー入力部21と、撮影メニュー入力部21から入力された撮影メニューが登録されるジョブメモリ部22が備えられる。
ジョブメモリ部22に登録されたデータは、コントローラ20に送られる。
【0022】
さらに、位置検出部6からの検出信号に基づき、撮影開始時にX線管1がどの撮影エリアにあるかを検出するとともに、ジョブメモリ部22に登録された撮影メニューを読み出し、当該撮影メニューに含まれる複数のショットの撮影順序を、撮影開始時のX線管の撮影エリアに対応するショットから順に実行されるように並び替え、ジョブメモリ部22に登録し直す撮影順序変更部23が備えられる。
【0023】
図2は、撮影順序変更部23による撮影メニュー中の各ショットの撮影順序変更の様子を説明する図である。この例では、3名の被検者A、B、CのX線撮影がこの順番で実行される。図2の左側の列には、医師によって予め与えられた各被検者A、B、Cの撮影メニューが示してある。図2を参照して、被検者Aの撮影メニューには、(1)「立位胸部正面」、(2)「立位胸部側面」、(3)「立位腹部正面」、(4)「臥位腹部側面」と、各ショットの撮影順序が指定され、被検者Bの撮影メニューには、被検者Aと全く同様に、(1)「立位胸部正面」、(2)「立位胸部側面」、(3)「立位腹部正面」、(4)「臥位腹部側面」と、各ショットの撮影順序が指定されている。また、被検者Cの撮影メニューには、(1)「臥位腹部側面」、(2)「臥位腰椎側面」、(3)「立位腹部正面」と、各ショットの撮影順序が指定されている。
【0024】
これらの撮影メニューは、医師から検査技師に送られ、検査技師によって撮影メニュー入力部21を通じてジョブメモリ部22に登録される。こうして、まず、被検者Aの撮影が開始され、撮影メニューに従って各ショットが実行される。被検者Aの撮影は、「臥位腹部側面」のショットの実行後に終了する。
次に、被検者Bの撮影が開始されるとき、撮影順序変更部23は、位置検出部6からの検出信号に基づき、X線管1が臥位撮影エリアにあることを検出する。また同時に、撮影順序変更部23は、ジョブメモリ部22に登録された被検者Bの撮影メニューを読み出し、当該撮影メニューに含まれるショットの撮影順序を、臥位撮影エリアに対応するショットから順に実行されるように、すなわち、図2の右側の列に示すように、(1)「臥位腹部側面」、(2)「立位胸部正面」、(3)「立位胸部側面」、(4)「立位腹部正面」と並び替え、ジョブメモリ部22に登録し直す。そして、この変更された撮影メニューに従って被検者Bの撮影が実行される。
【0025】
最後に、被検者Cの撮影の開始時、撮影順序変更部23は、位置検出部6からの検出信号に基づき、X線管1が立位撮影エリアにあることを検出する。また同時に、撮影順序変更部23は、ジョブメモリ部22に登録された被検者Cの撮影メニューを読み出し、当該撮影メニューに含まれるショットの撮影順序を、立位撮影エリアに対応するショットから順に実行されるように、すなわち、図2の右側の列に示すように、(1)「立位腹部正面」、(2)「臥位腹部側面」、(3)「臥位腰椎側面」と並び替え、ジョブメモリ部22に登録し直す。そして、この変更された撮影メニューに従って被検者Bの撮影が実行される。
【0026】
このように、本発明のX線撮影装置によれば、ジョブメモリ部22に予め登録された撮影メニューに含まれるショットの順序を自動的に並べ替え、次の被検者のX線撮影が、前の被検者の撮影終了時におけるX線管1の撮影エリアに対応するショットから順に実行されるようにしたので、撮影作業が著しく効率化され、作業の省力化および撮影に要する時間の短縮化を図ることができる。
【0027】
図3は、本発明の別の実施例によるX線撮影装置の概略構成を示すブロック図である。なお、図3中、図1に示した構成要素と同じ構成要素には同一番号を付し、詳細な説明を省略する。
図1の実施例では、撮影開始時のX線管1の位置(臥位撮影エリアおよび立位撮影エリアのいずれにあるか)のみを考慮して、撮影メニュー中の各ショットの撮影順序が最適化されるが、図3の実施例では、撮影開始時のX線管1の位置とFPDの位置8、9の位置の両方を考慮し、撮影メニュー中の各ショットの撮影順序が最適化される。
【0028】
すなわち、この実施例では、支持台10aおよび支柱10bに、それぞれ、FPD8、9の位置を検出する位置検出部13、14が設けられる。位置検出部13、14は、図示はしないが、FPD8、9の被検者Mの長手方向に沿った位置を検出するセンサーを備えており、これらのセンサーの検出信号が位置検出部13、14に送られ、そしてここでFPD8、9の現在位置が求められる。
そして、撮影順序変更部23は、位置検出部6、13、14からの検出信号に基づいて、撮影開始時に、X線管1がどの撮影エリアにおいて、どの撮影部位をどの撮影方向から撮影する位置にあるかを検出するとともに、ジョブメモリ部22から読み出した撮影メニューに含まれる複数のショットの撮影順序を、撮影開始時のX線管1の位置に対応するショットから順に実行されるように並び替え、ジョブメモリ部22に登録し直す。
【0029】
また、この実施例では、X線撮影装置は病院内情報システム(HIS)または放射線科情報システム(RIS)に接続され得るようになっており、X線撮影装置に、HISまたはRIS25とデータの送受信を行う送受信部24が備えられる。そして、送受信部24は、病院内情報システムまたは放射線科情報システム25から受信した撮影メニューをジョブメモリ部22に登録する。
【符号の説明】
【0030】
1 X線管
2 X線管支持部
3 レール
4 移動体
5 コラム
6 位置検出部
7 高電圧発生部
8、9 FPD
10a 支持台
10b 支柱
11、12 FPD移動機構
13、14 位置検出部
15、16 A/D変換器
17 画像処理部
18 D/A変換器
19 モニタ
20 コントローラ
21 撮影メニュー入力部
22 ジョブメモリ部
23 撮影順序変更部
24 送受信部
25 病院情報システムまたは放射線科情報システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者にX線を照射するX線管と、
前記X線管を、被検者の異なる撮影体位に対応する複数の撮影エリアの間において移動可能に支持するX線管支持部と、
前記X線管支持部に設けられた、前記X線管の位置を検出する位置検出部と、
前記X線管に対して管電圧および管電流を供給する高電圧発生部と、
前記複数の撮影エリアにおいてそれぞれ前記X線管に対向して配置され、前記被検者を透過するX線を検出し、前記被検者の透視像の画像信号を出力する複数のX線検出器と、
前記複数のX線検出器をそれぞれ支持するX線検出器支持部と、
被検者の複数のショットおよびそれらのショットの撮影順序を指定する撮影メニューの入力を受ける撮影メニュー入力部と、
前記撮影メニューが登録されるジョブメモリ部と、
前記位置検出部からの検出信号に基づき、撮影開始時に前記X線管がどの前記撮影エリアにあるかを検出するとともに、前記ジョブメモリ部に登録された前記撮影メニューを読み出し、当該撮影メニューに含まれる前記複数のショットの撮影順序を、前記撮影開始時の前記X線管の撮影エリアに対応するショットから順に実行されるように並び替え、前記ジョブメモリ部に登録し直す撮影順序変更部と、を備えたことを特徴とするX線撮影装置。
【請求項2】
被検者にX線を照射するX線管と、
前記X線管を、被検者の異なる撮影体位に対応する複数の撮影エリアの間において移動可能に、かつ、各撮影エリアにおいて、前記被検者の異なる撮影部位および撮影方向に対応して旋回および移動可能に支持するX線管支持部と、
前記X線管支持部に設けられた、前記X線管の位置を検出する位置検出部と、
前記X線管に対して管電圧および管電流を供給する高電圧発生部と、
前記複数の撮影エリアにおいてそれぞれ前記X線管に対向して配置され、前記被検者を透過するX線を検出し、前記被検者の透視像の画像信号を出力する複数のX線検出器と、
前記複数のX線検出器をそれぞれ支持するX線検出器支持部と、
被検者の撮影体位、撮影部位および撮影方向の異なる組み合わせからなる複数のショットおよびそれらのショットの撮影順序を指定する撮影メニューの入力を受ける撮影メニュー入力部と、
前記撮影メニューが登録されるジョブメモリ部と、
前記位置検出部からの検出信号に基づき、撮影開始時に前記X線管がどの前記撮影エリアにあるかを検出するとともに、前記ジョブメモリ部に登録された前記撮影メニューを読み出し、当該撮影メニューに含まれる前記複数のショットの撮影順序を、前記撮影開始時の前記X線管の撮影エリアに対応するショットから順に実行されるように並び替え、前記ジョブメモリ部に登録し直す撮影順序変更部と、を備えたことを特徴とするX線撮影装置。
【請求項3】
前記X線検出器支持部に設けられた、前記複数のX線検出器のそれぞれの位置を検出するための複数の第2の位置検出部を備え、前記撮影順序変更部は、前記位置検出部および前記第2の位置検出部からの検出信号に基づき、前記撮影開始時に、前記X線管が、どの前記撮影エリアにおいて、どの前記撮影部位をどの前記撮影方向から撮影する位置にあるかを検出するとともに、前記ジョブメモリ部から読み出した前記撮影メニューに含まれる前記複数のショットの撮影順序を、前記撮影開始時の前記X線管の位置に対応するショットから順に実行されるように並び替え、前記ジョブメモリ部に登録し直すことを特徴とする請求項2に記載のX線撮影装置。
【請求項4】
病院内情報システムまたは放射線科情報システムとデータの送受信を行う送受信部をさらに備え、前記送受信部は、前記病院内情報システムまたは前記放射線科情報システムから受信した前記撮影メニューを前記ジョブメモリ部に登録することを特徴とする請求項1または請求項3に記載のX線撮影装置。
【請求項5】
前記被検者の異なる撮影体位は、立位および臥位であることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載のX線撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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