説明

X線検出器およびX線CT装置

【課題】 X線検出器の検出素子に対する十分な温調能力を維持しつつ、かつ各検出素子から出力される信号へのノイズの混入を抑制すること。
【解決手段】 一実施形態におけるX線検出器は、複数の検出パック102と、温度センサと、複数のヒータ205と、ヒータ制御手段とを備えている。各検出パック102は、被検体を透過したX線を検出して当該X線に対応したアナログ信号を出力する検出素子を複数備え、所定の方向に沿って配列される。温度センサは、各検出パック102の温度を検出する。各ヒータ205は、各検出パック102のそれぞれに対応して設けられ、直流電流の供給を受けて動作して各検出パック102を個別に温調する。ヒータ制御手段は、温度センサの検出温度に基づいて各ヒータ205を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、検出素子を温調するヒータを備えたX線検出器、および該検出器を備えたX線CT(Computer Tomography)装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知の通り、X線CT装置は、X線管とX線検出器とを有し、X線管で発生したX線を被検体に照射し、被検体を透過したX線をX線検出器で捉えてその信号を処理し、被検体の断層像を得るものである。
【0003】
また近年では、マルチスライス型のX線検出器が登場している。マルチスライス型のX線検出器は、被検体の体軸方向と直交するチャンネル方向に略円弧上に配列した複数の検出パックにて構成され、1つの検出パックは、チャンネル方向およびスライス方向に関してマトリクス状に配列された多数の検出素子を備えている。それぞれの検出パックから出力される電気信号は、データ収集回路(DAS:Data Acquisition System)でデジタル信号に変換され、その信号に基づいて断層像が生成される。
【0004】
X線検出器で使用される検出素子としては、例えばX線を光に変換するシンチレータ等の蛍光体と、その光を電荷(電気信号)に変換するフォトダイオード等の光電変換素子とで構成されたものや、X線を電荷に直接変換する半導体素子にて構成されたものが知られている。
【0005】
このような検出素子は、その温度によってX線の検出感度が変動する。したがって、高精度の断層像を得るためには、撮像時においてX線検出器の各検出素子の温度を最適な値に安定化させる必要がある。これに鑑み、X線検出器には、各検出素子を温調するためのヒータが内蔵されている。このヒータは、全ての検出パックが備える検出素子を同時に温調するものであるため、比較的大容量で駆動可能なAC(交流)ヒータが用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
X線管から照射されるX線は、人体を透過するものであるため、被検体の健康への悪影響を考慮して必要最低限の強度に抑えられている。そのため、X線検出器に入射するX線の強度は非常に弱く、各検出パックからDASへと出力される信号の電荷量は極めて小さい。このことから、各検出パックの温調にACヒータを用いれば、そのノイズによって検出パックから出力される信号のSN比が悪化することが懸念される。
【0007】
このような問題は、DC(直流)駆動のヒータを用いることで解決可能である。しかしながら、通常、DCヒータはACヒータに比べて大容量の加熱に不向きであるため、従来構造のX線検出器のヒータを単にDCヒータに取り換えたならば、十分な温調能力を得ることができない。
【0008】
このような事情により、各検出素子に対する十分な温調能力を維持しつつ、かつ各検出素子から出力される信号へのノイズの混入を抑制可能なX線検出器の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、一実施形態におけるX線検出器は、複数の検出パックと、温度センサと、複数のヒータと、ヒータ制御手段とを備えている。前記各検出パックは、被検体を透過したX線を検出して当該X線に対応したアナログ信号を出力する検出素子を複数備え、所定の方向に沿って配列される。前記温度センサは、前記各検出パックの温度を検出する。前記ヒータは、前記各検出パックのそれぞれに対応して設けられ、直流電流の供給を受けて動作して各検出パックを個別に温調する。前記ヒータ制御手段は、前記温度センサの検出温度に基づいて前記各ヒータを制御する。
【0010】
また、一実施形態におけるX線CT装置は、X線管と、複数の検出パックと、温度センサと、複数のヒータと、ヒータ制御手段とを備えている。前記X線管は、X線を発生する。前記各検出パックは、被検体を透過したX線を検出して当該X線に対応したアナログ信号を出力する検出素子を複数備え、所定の方向に沿って配列される。前記温度センサは、前記各検出パックの温度を検出する。前記ヒータは、前記各検出パックのそれぞれに対応して設けられ、直流電流の供給を受けて動作して各検出パックを個別に温調する。前記ヒータ制御手段は、前記温度センサの検出温度に基づいて前記各ヒータを制御する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態におけるX線CT装置の全体構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態におけるX線検出器の内部構造をZ軸方向から見た概略図。
【図3】同実施形態における検出パックにコネクタ基板を接続する前の状態を示す斜視図。
【図4】図3に示した検出パックおよびコネクタ基板を矢印C方向から見た斜視図。
【図5】図3に示した検出パックとコネクタ基板とを取り付けた状態の斜視図。
【図6】同実施形態におけるX線検出器の電気回路等を示すブロック図。
【図7】同実施形態における各ヒータコントローラによるヒータの制御例を示すフローチャート。
【図8】第2の実施形態におけるX線検出器の電気回路等を示すブロック図。
【図9】第3の実施形態におけるX線検出器の電気回路等を示すブロック図。
【図10】第4の実施形態における検出パックにコネクタ基板を接続する前の状態を示す斜視図。
【図11】図10に示した検出パックおよびコネクタ基板を矢印C方向から見た斜視図。
【図12】図10に示したコネクタ基板と検出パックとを取り付けた状態の斜視図。
【図13】第5の実施形態における検出パックにコネクタ基板を接続する前の状態を示す斜視図。
【図14】図13に示した検出パックおよびコネクタ基板を矢印C方向から見た斜視図。
【図15】図13に示したコネクタ基板と検出パックとを取り付けた状態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、各実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下の説明において、略同一の機能および構成を有する構成要素については、同一の符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0013】
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態について説明する。
【0014】
[X線CT装置の全体構成]
図1は、第1の実施形態におけるX線CT装置1の全体構成を示すブロック図である。同図に示すように、X線CT装置1は、架台装置Aとコンソール装置Bとで構成されている。
【0015】
架台装置Aは、被検体にX線を曝射し当該被検体を透過したX線を検出して投影データ(又は生データ)を取得する。なお、X線CTシステムの撮影系には、X線管球と2次元検出器システムとが一体として被検体の周囲を回転する回転/回転(ROTATE/ROTATE) タイプや、リング状に多数の検出素子がアレイされ、X線管球のみが被検体の周囲を回転する固定/回転(STATIONARY/ROTATE)タイプ等様々なタイプがあるが、ここでは、現在主流を占めている回転/回転タイプのX線CT装置を例として説明する。
【0016】
図1に示すように、架台装置Aは、固定部11、回転部12、X線管球13、X線検出器14、データ伝送部15、架台駆動部16、給電部17、及び高電圧発生部18等を有している。
回転部12の中央部分は筐体とともに開口されており、撮影時にはその開口部19に寝台装置の天板上に載置された被検体Pが挿入される。
【0017】
X線管球13は、X線を発生する真空管であり、回転部12に設けられている。X線検出器14は、被検体Pを透過したX線を検出するものであり、X線管球13に対向する向きで回転部12に取り付けられている。
架台駆動部16は、回転部12を開口部19内の被検体Pの回りを高速で回転させる。これによって、開口部19に挿入された被検体Pの体軸方向に平行な中心軸のまわりを、X線管球13とX線検出器14とが一体となって回転する。
固定部11には、商用交流電源等の外部電源から動作電力が供給される。固定部11に供給された動作電力は、給電部17を介して回転部12に伝達される。給電部17は、前記動作電力を回転部12の各部へ供給する。高電圧発生部18は、高電圧変圧器、フィラメント加熱変換器、整流器、高電圧切替器等で構成されており、給電部17から供給される動作電力を高電圧変換してX線管球13に供給する。
【0018】
次に、コンソール装置Bについて説明する。コンソール装置Bは、前処理部21、ホストコントローラ22、記憶部23、再構成部24、入力部25、表示部26、画像処理部27、及びデータ/制御バス28等を備えている。
前処理部21は、データ伝送部15を介してX線検出器14から生データを受け取り、感度補正やX線強度補正を実行する。なお、当該前処理部21によって前処理が施された生データは、「投影データ」と呼ばれる。
ホストコントローラ22は、撮影処理、データ処理、画像処理等の各種処理等の各処理に関する統括的な制御を行う。
記憶部23は、収集した生データ、投影データ、CT画像データ等の画像データを記憶する。
再構成部24は、所定の再構成パラメータ(再構成領域サイズ、再構成マトリクスサイズ、関心部位を抽出するための閾値等)に基づいて投影データを再構成処理することで、所定のスライス分の再構成画像データを生成する。
入力部25は、キーボードや各種スイッチ、マウス等を備え、オペレータが操作してスライス厚やスライス数等の各種スキャン条件を入力する。
画像処理部27は、再構成部24により生成された再構成画像データに対して、ウィンドウ変換、RGB処理等の表示のための画像処理を行い、表示部26に出力する。また、画像処理部27は、オペレータの指示に基づき、任意断面の断層像、任意方向からの投影像、3次元表面画像等のいわゆる疑似3次元画像の生成を行い、表示部26に出力する。出力された画像データは、表示部26においてX線CT画像として表示される。
データ/制御バス28は、各ユニット間を接続し、各種データ、制御信号、アドレス情報等を送受信するための信号線である。
【0019】
なお、以下の説明において、回転部12の回転軸をZ軸と定義する。また、Z軸を中心とした回転座標系において、X線管球13の焦点からX線検出器14の検出面中心を結ぶZ軸に直交する軸をX軸と定義し、Z軸およびX軸のそれぞれに直交する軸をY軸と定義する。
【0020】
[X線検出器]
図2は、Z軸方向から見たX線検出器14の内部構造を示す概略図である。
【0021】
X線検出器14は、X線管球13を中心として弧状に形成されており、コリメータユニット101と、このコリメータユニット101に取り付けられたK個(例えば40個程度)の検出パック102と、これら各検出パック102の下方に設けられたDASユニット103と、コリメータユニット101および各検出パック102を収容する断熱ケース104とを備えている。
【0022】
コリメータユニット101は、X線管球13を中心とした弧状のサポート部材に多数のコリメータ単板を取り付けた周知の構造を有している。
【0023】
各検出パック102は、前記コリメータユニット101のサポート部材に対し、Y軸方向に一次元配列されている。各検出パック102のX線照射面側には、多数の検出素子がスライス方向(Z軸方向)とそれに略直交するチャンネル方向(略Y軸方向)とに関してM×N(例えば64×24程度)のマトリクス状に配列されている。
【0024】
DASユニット103は、各検出パック102と電気的に接続されたK個のDAS基板105を備えている。各DAS基板105は、それぞれ1つの検出パック102と電気的に接続され、接続先の検出パック102からX線検出時に出力されるアナログ信号に増幅処理およびA/D変換処理等を施して所定のデジタル信号を生成し、データ伝送部15に出力する。なお、図2中では、K個ある検出パック102およびDAS基板105の一部のみ図示している。
【0025】
断熱ケース104は、例えば樹脂材やセラミックのように断熱性の高い材料にて形成されている。断熱ケース104のX線入射面と対向する面あるいは側面には、各検出パック102と各DAS基板105とを接続するためのフレキシブルケーブル303(図3参照)の挿通口が設けられている。
【0026】
なお、従来のX線検出器であれば、例えば各検出パックの下方(DASユニット側)に平板長尺状のACヒータが1つ設けられ、該ACヒータによって断熱ケース内が温調されている。
【0027】
[検出パック]
次に、図3,4を参照しながら各検出パック102について詳細に説明する。
図3は検出パック102にDAS基板105との接続用のコネクタ基板301を接続する前の状態を示す斜視図であり、図4は図3に示した検出パック102およびコネクタ基板301を矢印C方向から見た斜視図である。
【0028】
本実施形態における検出パック102は、ベース基板201の上面に平板状のフォトダイオード基板202を取り付け、該基板202の上面にシンチレータブロック203を載置して構成されている。さらに図4に示したように、ベース基板201の下面には、パック側コネクタ204(第1コネクタ)と、DC駆動のヒータ205とが取り付けられている。
【0029】
ベース基板201は、Z軸方向に長尺な平板形状をなしている。フォトダイオード基板202のZ軸方向幅はベース基板201のそれよりもやや小さく、かつシンチレータブロック203のZ軸方向幅はフォトダイオード基板202のそれよりもやや小さい。ベース基板201,フォトダイオード基板202およびシンチレータブロック203のY軸方向幅は、全て略同一である。したがって、ベース基板201,フォトダイオード基板202およびシンチレータブロック203を、ZY平面におけるそれぞれの中心を合わせて取り付けると、図3に示したようにY軸方向側壁が面一になるとともに、ベース基板201の上面に余白面201a,201bが形成される。コリメータユニット101への取り付け時には、この余白面201a,201bをコリメータユニット101のサポート部材に密着させ、ねじ止め等の所定の方法にて固定する。その際、隣り合う検出パック102間のX線検出面に隙間が生じないように、各検出パック102のY軸方向側壁を密着させる。
【0030】
なお、ベース基板201には、検出素子群の温度を検出するための温度センサ206(図6参照)が内蔵されている。
【0031】
シンチレータブロック203は、X線を可視光に変換するシンチレータをアレイ状(M×N)に配列して構成されている。フォトダイオード基板202には、光電変換素子としてのフォトダイオードが、前記シンチレータに対応するようにアレイ状(M×N)に形成されている。このように、シンチレータブロックの1つのシンチレータと、それに対応する1つのフォトダイオードとによって、1つの検出素子が構成されている。
【0032】
ヒータ205は、パック側コネクタ204とベース基板201との接合部分を開口した略平板状をなしており、DAS基板105側からパック側コネクタ204を介して直流電流の供給を受けて動作する。このヒータ205は、Z軸方向幅およびY軸方向幅がそれぞれベース基板201のZ軸方向幅およびY軸方向幅を超えない程度の小型ヒータである。
【0033】
パック側コネクタ204は、各検出素子からのアナログ信号を出力するための出力端子群や、ヒータ205用の接続端子および温度センサ206用の出力端子を有している。このパック側コネクタ204には、平板状のコネクタ基板301に設けられ、パック側コネクタ204の前記各端子を接続するためのDAS側コネクタ302(第2コネクタ)が取り付けられる。コネクタ基板301には、DAS基板105から延出する幅広のフレキシブルケーブル303(通信ケーブル)が接続されている。このフレキシブルケーブル303は、各検出素子からのアナログ信号をDAS基板105に伝達するための信号線(M×N)と、DAS基板105からヒータ205に電力を供給するための電力供給線と、温度センサ206からの出力をDAS基板105に伝達するための信号線とを束ねたものである。パック側コネクタ204,DAS側コネクタ302およびフレキシブルケーブル303としては、例えば前記アナログ信号を伝達するための信号線数(M×N)にヒータ205用の電力供給線と、温度センサ206用の信号線とを加えた数以上の端子数,信号線数を有する規格品を用いればよい。
【0034】
検出パック102にコネクタ基板301を取り付けた状態の斜視図を、図5に示している。このようにパック側コネクタ204にDAS側コネクタ302を取り付けると、各検出素子,ヒータ205および温度センサ206がそれぞれDAS基板105と電気的に接続される。
【0035】
なお、K個の検出パック102は、全て図3〜図5を用いて説明した構成を備えている。
【0036】
[X線検出器の電気回路およびヒータ制御]
図6は、X線検出器14の電気回路等を示すブロック図である。
X線管球13から発せられたX線がX線検出器14に入射すると、コリメータユニット101によって不要な散乱X線が除去される。シンチレータブロック203の各シンチレータは散乱X線が除去された後のX線を受けて発光し、フォトダイオード基板202に設けられた各フォトダイオードがシンチレータからの可視光を受けて光電変換により電気信号(アナログ信号)を出力する。このように各検出素子から出力されるアナログ信号および温度センサ206で検出される温度を示す信号は、パック側コネクタ204,DAS側コネクタ302,コネクタ基板301およびフレキシブルケーブル303を介して各検出パック102に接続されたDAS基板105に送られる。
【0037】
本実施形態における各DAS基板105には、ヒータコントローラ401(ヒータ制御手段)がそれぞれ設けられている。各ヒータコントローラ401は、各DAS基板105の制御回路によって実現されるものであり、各DAS基板105に接続された検出パック102のヒータ205に供給する電流値を変動させることによって同ヒータ205を制御する。
【0038】
図7に各ヒータコントローラ401によるヒータ205の制御例を示している。ここに示す処理は、各DAS基板105のヒータコントローラ401が各々独立して実行するものである。
【0039】
この制御例において、先ずヒータコントローラ401は、温度センサ206から出力される信号に基づいて自身に接続された検出パック102の温度Tを検出する(ステップS1)。
【0040】
続いてヒータコントローラ401は、検出温度Tに基づいて、自身に接続された検出パック102のヒータ205に供給すべき電流値Iを設定する(ステップS2)。この処理では、検出パック102が良好なX線検出性能を得ることができる温度を目標値として電流値Iを設定するが、その具体的な設定方法としては種々の方法を採用し得る。例えば、検出温度Tに対して設定すべき電流値Iを対応付けたテーブルをDAS基板105内のメモリに記憶し、該テーブルを参照して電流値Iを設定するようにしてもよい。また、所定の計算式に検出温度Tを代入し、電流値Iを設定するようにしてもよい。あるいは、検出温度Tが前記目標値を下回るならば電流値Iを現在ヒータ205に供給している電流値よりも所定値だけ高い値に設定し、検出温度Tが前記目標値を上回るならば電流値Iを現在ヒータ205に供給している電流値よりも所定値だけ低い値に設定するか零にする。上記のようにテーブルや計算式を用いて電流値Iを設定する場合には、理論的あるいは実験的に導かれる検出温度Tと電流値Iとの関係を考慮して、検出温度Tに対する具体的な電流値Iの値が定まるようにすればよい。
【0041】
かくして電流値Iを設定したならば、各ヒータコントローラ401は、当該電流値Iの電流を自身に接続された検出パック102のヒータ205に供給する(ステップS3)。このようなステップS1〜S3の処理は、X線CT装置1が撮像の待機状態にある間、所定の周期で繰り返される。
【0042】
以上説明したように、本実施形態における各検出パック102には小型かつDC駆動のヒータ205が取り付けられており、該ヒータ205によって各検出パック102が温調される。このような構成であれば、出力の大きいAC駆動のヒータを用いることなく各検出パック102を温調できるため、各検出パック102から出力されるアナログ信号にヒータ205あるいはヒータ205への電力供給線からのノイズが混入することはない。
【0043】
また、ヒータ205あるいはヒータ205の電力供給線からのノイズ混入が防がれる結果、各検出パック102から各DAS基板105に前記アナログ信号を伝達する信号線とヒータ205の電力供給線とを束ね、DAS基板105をヒータ205の電力供給元とすることが可能となる。したがって、各検出パック102と各DAS基板105とを結ぶラインを複数に分けて設けたり、ヒータ205専用の制御回路をX線検出器14内に設けたりする必要がないので、X線検出器14内部の省スペース化が可能となる。
【0044】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
本実施形態では、DAS基板105毎にヒータコントローラ401を設けて各検出パック102のヒータ205を個別に制御するのではなく、各検出パック102のヒータ205を1つのヒータコントローラで一括して制御する点で第1の実施形態と異なる。第1の実施形態と同一の箇所には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0045】
図8は、本実施形態におけるX線検出器14の電気回路等を示すブロック図である。
図示したように、X線検出器14には、各DAS基板105と電気的に接続されたヒータコントローラ501(ヒータ制御手段)が設けられている。検出パック102およびコネクタ基板301の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0046】
このような構成において、ヒータコントローラ501は、図7に示した制御例と基本的に同様の流れで各ヒータ205を制御する。すなわち、先ずヒータコントローラ501は、各温度センサ206から出力される信号に基づいて各検出パック102の温度T〜Tを検出する(ステップS1)。
【0047】
続いてヒータコントローラ501は、検出温度T〜Tに基づいて各ヒータ205に供給すべき電流値I〜Iを設定する(ステップS2)。ここに、電流値I(1≦x≦K)は、温度T(1≦x≦K)が検出された検出パック102に設けられたヒータ205に供給すべき電流値である。本実施形態においては、各ヒータ205による加熱が開始された後、各検出温度T〜Tが目標値で安定する前であっても各検出温度T〜Tが略一様となるように電流値I〜Iを設定する。その具体的な設定方法としては種々の方法を採用し得る。例えば、先ず第1の実施形態において説明したように各検出温度T〜Tが目標値に近づくように各電流値I〜Iを設定した後、これら電流値I〜Iを各検出温度T〜Tのバラつきが是正されるように補正する。この補正においては、例えば検出温度が比較的低い検出パック102のヒータ205に供給する電流値をやや増加させ、検出温度が比較的高い検出パック102のヒータ205に供給する電流値をやや減少させる。
【0048】
かくして電流値I〜Iを設定したならば、ヒータコントローラ501は、当該電流値I〜Iの電流を対応する検出パック102のヒータ205にそれぞれ供給する(ステップS3)。このようなステップS1〜S3の処理は、X線CT装置1が起動されている間、所定の周期で繰り返される。
【0049】
以上説明したように、本実施形態においては各検出パック102のヒータ205を1つのヒータコントローラ501によって制御する。このような構成であっても、第1の実施形態と同様に各ヒータ205をDC駆動のヒータとすることができることに変わりはない。
【0050】
また、各温度センサ206の検出温度にバラつきが生じている場合にそれを是正するように各ヒータ205を駆動することができるので、各検出パック102の温調を開始した直後、各検出温度T〜Tが目標値で安定する前であっても各検出パック102の温度が一様に保たれる。したがって、例えば急を要する診断のために十分な温調時間を確保できないまま撮像が行われた場合であっても、CT画像に局所的な劣化が生じるようなことはない。
【0051】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
本実施形態では、全ての検出パック102に温度センサ206を設けるのではなく、一部の検出パック102にのみ温度センサ206を設けた点で、第2の実施形態と異なる。第1,第2の実施形態と同一の箇所には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0052】
図9は、本実施形態におけるX線検出器14の電気回路等を示すブロック図である。
図示したように、連続して配置された3つの検出パック102のうち、中心に位置する検出パック102に温度センサ206が設けられ、この検出パック102に隣り合う2つの検出パック102には温度センサ206が設けられていない。すなわち、K個の検出パック102のうち、X線検出器14の一端に配置されたものを第1番目とし、他端に配置されたものを第K番目とした場合には、第2,5,8,11・・・番目の検出パック102に温度センサ206が設けられることになる。以下、温度センサ206が設けられた検出パック102と、その両隣に配置された検出パック102とを1つのグループとして定義し、X線検出器14の中にこのようなグループがL個存在するものとして説明する。
【0053】
上記のような構成において、ヒータコントローラ501は、図7に示した制御例と基本的に同様の流れで各ヒータ205を制御する。すなわち、先ずヒータコントローラ501は、各温度センサ206から出力される信号に基づいて、各グループの中心に配置された検出パック102の温度TG1〜TGLを検出する(ステップS1)。
【0054】
続いてヒータコントローラ501は、各検出温度TG1〜TGLに基づいて、各グループ内のヒータ205に供給すべき電流値IG1〜IGLを設定する(ステップS2)。ここに、電流値IGX(1≦x≦L)は、温度T(1≦x≦L)が検出された検出パック102が属するグループ内のヒータ205に供給すべき電流値である。該処理における電流値IG1〜IGLの設定方法には、種々の方法を採用し得る。例えば、第1の実施形態において説明したように各検出温度TG1〜TGLが目標値に近づくように各電流値IG1〜IGLを設定してもよいし、さらにその値を第2の実施形態において説明したように各検出温度TG1〜TGLのバラつきが是正されるように補正してもよい。
【0055】
かくして電流値IG1〜IGLを設定したならば、ヒータコントローラ501は、当該電流値IG1〜IGLの電流を対応するグループ内のヒータ205にそれぞれ供給する(ステップS3)。このようなステップS1〜S3の処理は、X線CT装置1が起動されている間、所定の周期で繰り返される。
【0056】
以上説明したように、本実施形態においては一部の検出パック102に温度センサ206を設け、これらの温度センサ206の検出温度を用いて各検出パック102のヒータ205を制御する。このような構成であれば、全ての検出パック102に温度センサ206を設ける必要がなくなるので、制御構成が簡略化されるとともに、X線検出器14の製造コストを低減することができる。
【0057】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。
本実施形態では、ヒータを検出パック102に設けずに、コネクタ基板301に設けた点で前記各実施形態と異なる。前記各実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0058】
図10は本実施形態における検出パック102にDAS基板105との接続用のコネクタ基板301を接続する前の状態を示す斜視図であり、図11は図10に示した検出パック102およびコネクタ基板301を矢印C方向から見た斜視図である。
【0059】
既述の通り、検出パック102にはヒータが設けられていない(図11参照)。一方、コネクタ基板301には、その外縁に沿ってコの字型に屈曲したDC駆動のヒータ304が設けられている。フレキシブルケーブル303の両端部には、ヒータ304に電流を供給するための電力供給線303a,303bが設けられている。そして、ヒータ304の一端に電力供給線303aが接続され、他端に電力供給線303bが接続されている。
【0060】
このような構成のコネクタ基板301を検出パック102に取り付けた状態の斜視図を、図12に示している。コネクタ基板301を検出パック102に取り付けると、図示したように、ヒータ304が検出パック102と一定の間隙を形成して対向する。この状態において第1の実施形態におけるヒータコントローラ401あるいは第2,第3の実施形態におけるヒータコントローラ501が図7に示した処理を実行し、各ヒータ304に電流を供給すると、各ヒータ304から発せられた熱が前記間隙内の空気層を伝わって各検出パック102が温められる。
【0061】
なお、K個の検出パック102は、全て図10〜図12を用いて説明した構成を備えている。
【0062】
以上説明したように、本実施形態においては検出パック102にヒータを設けるのではなく、検出パック102に取り付けるコネクタ基板301にヒータ304を設けている。このような構成であれば、パック側コネクタ204およびDAS側コネクタ302にヒータ用の端子を設ける必要がなくなる。さらに、ヒータに断線等の不具合が生じた場合であっても、検出パックに比べて安価なコネクタ基板301を取り替えることで対処できるため、X線CT装置1のメンテナンス費用を低く抑えることができる。
【0063】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。
本実施形態では、検出パック102とコネクタ基板301との間隙を覆うカバー部材をコネクタ基板301に設けた点で第4の実施形態と異なる。前記各実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0064】
図13は本実施形態における検出パック102にDAS基板105との接続用のコネクタ基板301を接続する前の状態を示す斜視図であり、図14は図13に示した検出パック102およびコネクタ基板301を矢印C方向から見た斜視図である。
【0065】
コネクタ基板301のDAS側コネクタ302が設けられた側の面には、その周縁に沿った矩形枠状のカバー部材305が設けられている。カバー部材305は、例えば樹脂材やセラミックのように断熱性の高い材料にて形成され、その高さは、検出パック102にコネクタ基板301を取り付けた際に検出パック102とコネクタ基板301との間に形成される間隙の幅と略一致する。
【0066】
このような構成のコネクタ基板301を検出パック102に取り付けた状態の斜視図を、図15に示している。コネクタ基板301を検出パック102に取り付けると、図示したように、カバー部材305によって検出パック102とコネクタ基板301との間に形成される間隙が覆われる。この状態において第1の実施形態におけるヒータコントローラ401あるいは第2,第3の実施形態におけるヒータコントローラ501が図7に示した処理を実行し、各ヒータ304に電流を供給すると、各ヒータ304から発せられた熱が前記間隙内の空気層を伝わって各検出パック102が温められる。その際、前記間隙がカバー部材305によって覆われているので、ヒータ304から発せられた熱が周囲に漏れることなく、効率的に検出パック102が温められる。
【0067】
なお、K個の検出パック102は、全て図13〜図15を用いて説明した構成を備えている。
【0068】
以上説明したように、本実施形態においては各検出パック102と各コネクタ基板301との間に形成される間隙を覆うカバー部材305を設けている。このような構成であれば、検出パック102がヒータ304によって効率的に温められるので、各検出パック102の迅速な温調が可能となるし、X線CT装置1が省電力化される。
【0069】
(変形例)
なお、前記各実施形態に開示された構成は、実施段階において各構成要素を適宜変形して具体化できる。具体的な変形例としては、例えば次のようなものがある。
【0070】
(1)前記各実施形態では、DASユニット103が各検出パック102に対応する数のDAS基板105を備える場合を例示した。しかしながら、複数の検出パック102に対して1つのDAS基板105を接続し、DAS基板105の数を減らしてもよい。この場合にあっては、各DAS基板105が自身に接続された複数の検出パック102から出力されるアナログ信号をそれぞれ処理するようにすればよい。さらに、第1の実施形態のようにDAS基板105の制御回路にてヒータコントローラ401を実現する場合には、各DAS基板105のヒータコントローラ401が自身に接続された複数の検出パック102の各ヒータ205を駆動するようにすればよい。
【0071】
(2)前記各実施形態では、検出パック102の検出素子がシンチレータとフォトダイオードとによって構成されている場合を例示した。しかしながら、X線を電荷に直接変換する半導体素子を用いるなど、他の方法で検出素子を構成してもよい。
【0072】
(3)前記第3の実施形態では、3つの検出パック102によって1つのグループを定義し、各グループの中心に配置された検出パック102に温度センサ206が設けられている場合を例示した。しかしながら、2つあるいは4つ以上の検出パック102を1つのグループとして同様のヒータ制御を行ってもよいし、各グループの温度センサ206を中心ではなく端部等に配置された検出パック102に設けてもよい。
【0073】
さらには、全検出パック102に対して1つの温度センサ206のみ設け、この温度センサ206による検出温度に基づいて各検出パック102のヒータ205を制御するようにしてもよい。このようにした場合であっても、各検出パック102をDC駆動のヒータにて温調できることに変わりはないので、前記各実施形態と同様のノイズ低減効果が得られる。
【0074】
(4)第4の実施形態では、コネクタ基板301の外縁に沿ってコの字型に屈曲したヒータ304が設けられている場合を例示した。しかしながら、コネクタ基板301に設けられるヒータ304は、第1の実施形態において示したように平板状のものであってもよいし、コネクタ基板301の外縁に沿って蛇行するものであってもよい。
【0075】
(5)第5の実施形態では、コネクタ基板301にカバー部材305が設けられている場合を例示した。しかしながら、カバー部材305は、コネクタ基板301ではなく検出パック102に設けてもよい。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0077】
1…X線CT装置、13…X線管球、14…X線検出器、101…コリメータユニット、102…検出パック、103…DASユニット、104…断熱ケース、105…DAS基板、201…ベース基板、202…フォトダイオード基板、203…シンチレータブロック、204…パック側コネクタ、205,304…ヒータ、206…温度センサ、301…コネクタ基板、302…DAS側コネクタ、303…フレキシブルケーブル、305…カバー部材、401,501…ヒータコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体を透過したX線を検出して当該X線に対応したアナログ信号を出力する検出素子を複数備え、所定の方向に沿って配列された複数の検出パックと、
前記各検出パックの温度を検出する温度センサと、
前記各検出パックのそれぞれに対応して設けられ、直流電流の供給を受けて動作して各検出パックを個別に温調する複数のヒータと、
前記温度センサの検出温度に基づいて前記各ヒータを制御するヒータ制御手段と、
を備えていることを特徴とするX線検出器。
【請求項2】
前記各検出パックから出力される前記アナログ信号を所定のデジタル信号に変換するDASユニットをさらに備え、
前記ヒータ制御手段は、前記DASユニットを構成する制御回路によって実現されることを特徴とする請求項1に記載のX線検出器。
【請求項3】
前記温度センサは、前記検出パック毎に設けられ、
前記ヒータ制御手段は、前記各温度センサの検出温度が略一様となるように前記各ヒータを制御することを特徴とする請求項1に記載のX線検出器。
【請求項4】
前記各検出パックを所定数毎にグループ化し、各グループに対して1つの前記温度センサを設け、
前記ヒータ制御手段は、前記各ヒータを、各ヒータが温調する前記検出パックが属するグループに対応する前記温度センサの検出温度に基づいて制御することを特徴とする請求項1に記載のX線検出器。
【請求項5】
前記各検出パックには、前記各検出素子から出力されるアナログ信号の出力端子を有する第1コネクタが設けられ、
前記各検出パックの前記第1コネクタに着脱される第2コネクタが設けられた複数のコネクタ基板と、
前記各コネクタ基板と所定の通信ケーブルによって接続され、前記コネクタ基板および前記通信ケーブルを介して前記各検出パックの前記第1コネクタから出力される前記アナログ信号をデジタル信号に変換するDASユニットと、
をさらに備え、
前記各ヒータは、前記各コネクタ基板にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1に記載のX線検出器。
【請求項6】
前記第1コネクタに前記第2コネクタを接続した際に、同第1コネクタが設けられた前記検出パックと同第2コネクタが設けられた前記コネクタ基板との間に形成される間隙を覆うカバー部材を、前記各検出パックまたは前記各コネクタ基板に設けたことを特徴とする請求項5に記載のX線検出器。
【請求項7】
X線を発生するX線管と、
被検体を透過したX線を検出して当該X線に対応したアナログ信号を出力する検出素子を複数備え、所定の方向に沿って配列された複数の検出パックと、
前記各検出パックの温度を検出する温度センサと、
前記各検出パックのそれぞれに対応して設けられ、直流電流の供給を受けて動作して各検出パックを個別に温調する複数のヒータと、
前記温度センサの検出温度に基づいて前記各ヒータを制御するヒータ制御手段と、
を備えていることを特徴とするX線CT装置。
【請求項8】
前記各検出パックから出力される前記アナログ信号を所定のデジタル信号に変換するDASユニットをさらに備え、
前記ヒータ制御手段は、前記DASユニットを構成する制御回路によって実現されることを特徴とする請求項7に記載のX線CT装置。
【請求項9】
前記温度センサは、前記検出パック毎に設けられ、
前記ヒータ制御手段は、前記各温度センサの検出温度が略一様となるように前記各ヒータを制御することを特徴とする請求項7に記載のX線CT装置。
【請求項10】
前記各検出パックを所定数毎にグループ化し、各グループに対して1つの前記温度センサを設け、
前記ヒータ制御手段は、前記各ヒータを、各ヒータが温調する前記検出パックが属するグループに対応する前記温度センサの検出温度に基づいて制御することを特徴とする請求項7に記載のX線CT装置。
【請求項11】
前記各検出パックには、前記各検出素子から出力されるアナログ信号の出力端子を有する第1コネクタが設けられ、
前記各検出パックの前記第1コネクタに着脱される第2コネクタが設けられた複数のコネクタ基板と、
前記各コネクタ基板と所定の通信ケーブルによって接続され、前記コネクタ基板および前記通信ケーブルを介して前記各検出パックの前記第1コネクタから出力される前記アナログ信号をデジタル信号に変換するDASユニットと、
をさらに備え、
前記各ヒータは、前記各コネクタ基板にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項7乃至10のうちいずれか1に記載のX線CT装置。
【請求項12】
前記第1コネクタに前記第2コネクタを接続した際に、同第1コネクタが設けられた前記検出パックと同第2コネクタが設けられた前記コネクタ基板との間に形成される間隙を覆うカバー部材を、前記各検出パックまたは前記各コネクタ基板に設けたことを特徴とする請求項11に記載のX線CT装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2012−34848(P2012−34848A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177905(P2010−177905)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】