説明

X線診断装置および画像処理装置

【課題】焼灼を支援するための支援画像を術者が参照する表示部に表示させることができるX線診断装置および画像処理装置を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る画像処理装置は、収集中のX線診断画像に対してあらかじめ生成された関心臓器の三次元画像を位置合わせしつつ重畳表示させる画像処理装置であって、目標箇所情報取得部51および画像生成部52を備える。目標箇所情報取得部51は、指示者の入力にもとづいて三次元画像上の焼灼目標箇所の情報を取得する。画像生成部52は、焼灼目標箇所の情報にもとづいて焼灼目標箇所の三次元画像上での位置を求め、収集中のX線診断画像に重畳された三次元画像に対し、焼灼目標箇所を示す目標箇所画像をさらに重畳させた支援画像を生成し、カテーテルを用いた焼灼を実行する術者により参照される術者用表示部26に支援画像を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、X線診断装置および画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
不整脈等の治療法の1つに、カテーテルアブレーションがある。カテーテルアブレーションは、カテーテルの先端に設けられた電極に高周波通電を行うことにより治療対象部位を選択的に焼灼する治療法である。
【0003】
不整脈等の治療法として抗不整脈薬の投与や埋め込み型除細動器を用いることもあるが、これらの治療法は根治療法ではなく、また重大な副作用を引き起こす可能性がある。一方、カテーテルアブレーションは、低侵襲性の根治療法である。このため、最近カテーテルアブレーションによる治療に対する期待が高まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−70269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、アブレーション手技は特殊な技術であるため、術者の技量に大きなばらつきがある。したがって、治療にあたる術者は、知識や経験が豊富であり十分な技量を持つ医師であることが望まれる。
【0006】
しかし、十分な技量を持つ医師の数は限られている。このため、たとえばX線診断装置を用いて透視画像を参照しながら技量に乏しい医師(術者)がアブレーション手技を行う場合において、術者を指導できる技量ある医師(指示者)が施術を行う部屋(検査室)に常に立ち会うことができるとは限らない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る画像処理装置は、上述した課題を解決するために、収集中のX線診断画像に対してあらかじめ生成された関心臓器の三次元画像を位置合わせしつつ重畳表示させる画像処理装置であって、目標箇所情報取得部および画像生成部を備える。目標箇所情報取得部は、指示者の入力にもとづいて三次元画像上の焼灼目標箇所の情報を取得する。画像生成部は、焼灼目標箇所の情報にもとづいて焼灼目標箇所の三次元画像上での位置を求め、収集中のX線診断画像に重畳された三次元画像に対し、焼灼目標箇所を示す目標箇所画像をさらに重畳させた支援画像を生成し、カテーテルを用いた焼灼を実行する術者により参照される術者用表示部に支援画像を表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施形態に係るX線診断装置(画像処理装置を含む)を有するネットワークシステムの一例を示す全体図。
【図2】心臓の三次元画像の一例を示す説明図。
【図3】第1実施形態に係る主制御部のCPUによる機能実現部の構成例を示す概略的なブロック図。
【図4】指示者により三次元画像上に指定された焼灼目標箇所を示す目標箇所画像の一例を示す説明図。
【図5】収集中のX線診断画像、三次元画像および目標箇所画像が重畳された支援画像の一例を示す説明図。
【図6】図5に示す支援画像とは異なる視点から見た支援画像の一例を示す説明図。
【図7】未焼灼の箇所に対応する画像と焼灼済みの箇所に対応する画像とを異なる表示方法で表示する場合の目標箇所画像の一例を示す説明図。
【図8】焼灼済みの箇所に対応する画像が焼灼内容に応じた画像とされる場合における目標箇所画像の一例を示す説明図。
【図9】過去の焼灼履歴画像が含まれた目標箇所画像の一例を示す説明図。
【図10】図1に示す画像処理装置の主制御部のCPUにより、治療対象部位のX線診断画像に三次元画像および目標箇所画像を重畳させた支援画像を術者用表示部に表示させる際の手順を示すフローチャート。
【図11】本発明の第2実施形態に係るX線診断装置(画像処理装置を含む)を有するネットワークシステムの一例を示す全体図。
【図12】本発明の第3実施形態に係るX線診断装置(画像処理装置を含む)を有するネットワークシステムの一例を示す全体図。
【図13】第3実施形態に係る主制御部のCPUによる機能実現部の構成例を示す概略的なブロック図。
【図14】図12に示す画像処理装置の主制御部のCPUにより、カテーテル電極の位置と焼灼目標箇所の位置との距離に応じてフレームレートおよび照射線量が変更される際の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係るX線診断装置および画像処理装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るX線診断装置10(画像処理装置12を含む)を有するネットワークシステムの一例を示す全体図である。
【0011】
X線診断装置10は、図1に示すように、X線撮像部11と画像処理装置12とを有する。X線診断装置10のX線撮像部11は、通常は検査室に設置され、患者(被検体)Pの部位に関するX線の透過データを生成するよう構成される。画像処理装置12は、検査室に隣接する操作室に設置され、透過データから投影データを生成して再構成画像の生成・表示を行なうよう構成される。なお、画像処理装置12は、X線撮像部11が設置される検査室に設置されてもよい。
【0012】
X線診断装置10のX線撮像部11が設置される検査室には、カテーテルアブレーションを行う術者Oがいる。X線撮像部11は、X線発生器21、撮像部22、Cアーム23、寝台24、焼灼制御部25、術者用表示部26、術者用入力部27、高圧電源28、駆動制御部29およびコントローラ30を有する。
【0013】
X線発生器21は、Cアーム23の一端に設けられる。X線発生器21は、高圧電源28により電圧を印加されてX線を発生する。X線発生器21が発生するX線は、被検体(患者)Pの所定部位に向かってX線を照射する。X線発生器21のX線の出射側には、複数枚の鉛羽で構成されるX線照射野絞りや、シリコンゴム等で形成された補償フィルタ等が設けられる。
【0014】
撮像部22は、寝台24の天板24aに支持された患者Pを挟んでX線発生器21と対向配置するようCアーム23の他端に設けられる。撮像部22は、イメージインテンシファイア、TVカメラおよびSPOT撮影装置などを備え、撮像部22に照射されたX線を検出し、この検出したX線にもとづき、X線透視画像やX線撮影画像(以下、X線透視画像およびX線撮影画像をX線診断画像と総称する)の画像データを出力する。この画像データはコントローラ30を介して画像処理装置12に与えられるとともに、コントローラ30を介して術者用表示部26に与えられる。なお、撮像部22は、平面検出器(FPD:flat panel detector)を含むものであってもよい。
【0015】
Cアーム23は、X線発生器21と撮像部22とを一体として保持する。Cアーム23が駆動制御部29を介してコントローラ30に制御されて駆動されることにより、X線発生器21および撮像部22は一体として患者Pの周りを移動する。なお、図1にはCアーム23がX線発生器21を天板24aの下方に位置するよう支持するアンダーチューブタイプの場合の一例について示したが、X線発生器21を天板24aの上方に位置するよう支持するオーバーチューブタイプであってもよい。
【0016】
寝台24は、床面に設置され、天板(カテーテルテーブル)24aを支持する。寝台24は、駆動制御部29を介してコントローラ30により制御されて、天板24aを水平方向(XZ面内方向)、上下方向(Y軸方向)に移動させたりZ軸中心に回転(ローリング)させたりする。
【0017】
焼灼制御部25は、コントローラ30により制御されて、術者Oが保持するカテーテル31の先端に設けられたカテーテル電極32に対して高周波電流を与える。
【0018】
術者用表示部26は、術者Oにより参照される表示装置であり、たとえば液晶ディスプレイやOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイなどの一般的な表示出力装置により構成され、コントローラ30の制御に従ってX線診断画像などを表示する。
【0019】
術者用入力部27は、たとえばトラックボール、キーボード、タッチパネル、タッチペン、テンキーなどの一般的な入力装置により構成され、ユーザの操作に対応した操作入力信号をコントローラ30に出力する。
【0020】
高圧電源28は、コントローラ30に制御されて、X線の照射に必要な電力をX線発生器21に供給する。
【0021】
駆動制御部29は、コントローラ30に制御されて、Cアーム23および天板24aを駆動する。
【0022】
コントローラ30は、CPU、RAMおよびROMをはじめとする記憶媒体などにより構成され、この記憶媒体に記憶されたプログラムに従って焼灼制御部25、高圧電源28および駆動制御部29を制御することにより、X線診断画像の画像データを取得する。たとえば、コントローラ30は、カテーテル電極32に与えた電流値(焼灼の強度)の情報、焼灼を実施した時間(以下、焼灼時間という)の情報や焼灼が実施された時刻の情報などを画像処理装置12に与える。
【0023】
コントローラ30のRAMは、CPUが実行するプログラムおよびデータを一時的に格納するワークエリアを提供する。コントローラ30のROMをはじめとする記憶媒体は、X線撮像部11の起動プログラム、X線撮像部11の制御プログラムや、これらのプログラムを実行するために必要な各種データを記憶する。
【0024】
一方、X線診断装置10の画像処理装置12は、たとえばパーソナルコンピュータにより構成され、病院基幹のLAN(Local Area Network)等のネットワーク35とデータ送受信することができる。ネットワーク35には、たとえば画像データを蓄積するための画像サーバ36が接続される。
【0025】
なお、本実施形態では、画像処理装置12が検査室とは異なる部屋である操作室に設置されるとともに、この操作室に指示者D(アブレーション手技を指導できる技量ある医師)がいる場合の例について説明する。
【0026】
画像処理装置12は、図1に示すように、指示者用入力部41、指示者用表示部42、ネットワーク接続部43、記憶部44および主制御部45を有する。
【0027】
指示者用入力部41は、X線撮像部11の術者用入力部27と同様に構成することができ、ユーザの操作に対応した操作入力信号を主制御部45に出力する。
【0028】
指示者用表示部42は、指示者Dにより参照される表示装置であり、X線撮像部11の術者用表示部26と同様に構成することができ、主制御部45の制御に従って、X線撮像部11から受けて記憶部44に記憶された画像データにもとづくX線診断画像、これらの画像データにもとづいて生成された三次元画像や、他のモダリティ由来の三次元画像などの各種画像を表示する。なお、以下の説明では、ボクセルデータに対してレンダリング処理を行うことにより生成されたボリュームレンダリング画像またはサーフェスレンダリング画像を三次元画像というものとする。
【0029】
ネットワーク接続部43は、ネットワーク35の形態に応じた種々の情報通信用プロトコルを実装する。ネットワーク接続部43は、この各種プロトコルに従って画像処理装置12と他の電気機器(たとえば画像サーバ36など)とを接続する。この接続には、ネットワーク35を介した電気的な接続などを適用することができる。ここでネットワークとは、電気通信技術を利用した情報通信網全般を意味し、病院基幹LANなどの無線/有線LANやインターネット網のほか、電話通信回線網、光ファイバ通信ネットワーク、ケーブル通信ネットワークおよび衛星通信ネットワークなどを含む。
【0030】
記憶部44は、磁気的もしくは光学的記録媒体または半導体メモリなどの、主制御部45のCPUにより読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有する。記憶部44は、X線撮像部11から受けたX線診断画像の画像データを記憶する。
【0031】
なお、記憶部44は、X線撮像部11から受けた画像データにもとづいて生成された三次元画像をあらかじめさらに記憶しておいてもよい。
【0032】
図2は、心臓の三次元画像の一例を示す説明図である。
【0033】
記憶部44がX線撮像部11から受けた画像データにもとづいて生成された三次元画像をあらかじめさらに記憶しておく場合、主制御部45は、術者Oによるアブレーション手技の実行前に、まずX線撮像部11を三次元的に走査するよう制御して得た画像データに対して再構成処理を行うことによりボクセルデータを生成する。次に主制御部45は、このボクセルデータに対してレンダリング処理を行うことにより、ボリュームレンダリング画像またはサーフェスレンダリング画像(三次元画像)61を生成し(図2参照)、この三次元画像の画像データを記憶部44に記憶させておく。
【0034】
また、ボクセルデータは、他のモダリティにより生成されたものであってもよい。この場合、主制御部45は、術者Oによるアブレーション手技の実行前に、まずネットワーク35を介して画像サーバ36からまたは他のモダリティから直接に他のモダリティで生成されたボクセルデータを取得する。そして、このボクセルデータに対してレンダリング処理を行うことにより三次元画像を生成し、この三次元画像の画像データを記憶部44に記憶させておく。
【0035】
主制御部45は、CPU、RAMおよびROMをはじめとする記憶媒体などにより構成され、この記憶媒体に記憶されたプログラムに従ってX線診断装置10を制御する。主制御部45のRAMは、CPUが実行するプログラムおよびデータを一時的に格納するワークエリアを提供する。主制御部45のROMをはじめとする記憶媒体は、X線診断装置10の起動プログラム、X線撮像部11の制御プログラムや、これらのプログラムを実行するために必要な各種データを記憶する。
【0036】
なお、主制御部45のROMをはじめとする記憶媒体は、磁気的もしくは光学的記録媒体または半導体メモリなどの、CPUにより読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有し、これら記憶媒体内のプログラムおよびデータの一部または全部はネットワーク35を介してダウンロードされるように構成してもよい。
【0037】
図3は、第1実施形態に係る主制御部45のCPUによる機能実現部の構成例を示す概略的なブロック図である。なお、この機能実現部は、CPUを用いることなく回路などのハードウエアロジックによって構成してもよい。
【0038】
図3に示すように、主制御部45のCPUは、ROMをはじめとする記憶媒体に記憶されたプログラムによって、少なくとも目標箇所情報取得部51、画像生成部52、X線発生器位置取得部53、焼灼情報取得部54および撮像制御部55として機能する。この各部51〜55は、RAMの所要のワークエリアをデータの一時的な格納場所として利用する。
【0039】
目標箇所情報取得部51は、指示者Dの指示者用入力部41に対する入力操作にもとづいて三次元画像上の焼灼目標箇所の情報を取得する。
【0040】
図4は、指示者Dにより三次元画像61上に指定された焼灼目標箇所を示す目標箇所画像62の一例を示す説明図である。
【0041】
指示者Dは、指示者用表示部42に表示された三次元画像61を参照し、タッチペンなどの指示者用入力部41を介して三次元画像61に対して焼灼目標箇所を曲線や領域で指定する。このとき、指示者Dは、さらに心電図などの情報を参照してもよい。目標箇所情報取得部51は、三次元画像61に対して指示者Dの入力により曲線や領域で指定された焼灼目標箇所の情報を取得する。
【0042】
画像生成部52は、記憶部44に記憶された三次元画像61の画像データを読み出し、三次元画像61を指示者用表示部42に表示させる。
【0043】
また、画像生成部52は、目標箇所情報取得部51から受けた焼灼目標箇所の情報にもとづいて焼灼目標箇所の三次元画像61上での位置を求める。具体的には、画像生成部52は、画像データのボクセル値を用いることにより治療対象臓器の表面を特定し、この表面上での焼灼目標箇所の位置を求め、焼灼目標箇所を示す目標箇所画像62を生成して三次元画像61に重畳させる。
【0044】
たとえば焼灼目標箇所が曲線で指定された場合は、データ処理を簡略化するために、画像生成部52はあらかじめ設定された精度にもとづいて曲線を点および線分を用いて直線線分近似(セグメント化)して目標箇所画像62を生成する(図4参照)。また、焼灼目標箇所が領域で指定された場合は、画像生成部52は、領域の輪郭を抽出し、この輪郭を点および線分を用いて直線線分近似(セグメント化)して目標箇所画像62を生成する。
【0045】
図5は、収集中のX線診断画像63、三次元画像61および目標箇所画像62が重畳された支援画像64の一例を示す説明図である。
【0046】
画像生成部52はまた、X線撮像部11が現在収集中のX線診断画像63(X線透視画像またはX線撮影画像)の画像データを取得し、X線診断画像63と目標箇所画像62と三次元画像61とを重畳させた支援画像64を生成し、この支援画像64をX線撮像部11の術者用表示部26に表示させる(図5参照)。支援画像64は、術者Oによる焼灼手技を支援するための画像である。
【0047】
図6は、図5に示す支援画像64とは異なる視点から見た支援画像64の一例を示す説明図である。
【0048】
X線発生器位置取得部53は、コントローラ30から現在のX線発生器21の位置の情報を取得し、この位置の情報を画像生成部52に与える。
【0049】
画像生成部52は、支援画像64を生成する際に、現在のX線発生器21の位置を視点とする画像(X線透視画像などのX線照射方向に応じた画像)となるよう三次元画像61および目標箇所画像62を生成し、現在のX線診断画像63(X線透視画像またはX線撮影画像)に対してリアルタイムに自動的に位置合わせをして支援画像64を生成する(図5および図6参照)。このため、X線発生器21の位置を変更すると、この変更に合わせて画像生成部52により支援画像64がリアルタイムに変更される。
【0050】
次に、目標箇所画像62の表示方法について簡単に説明する。
【0051】
図7は、未焼灼の箇所に対応する画像と焼灼済みの箇所に対応する画像とを異なる表示方法で表示する場合の目標箇所画像62の一例を示す説明図である。
【0052】
図7に示すように、画像生成部52は、目標箇所画像62のうち、未焼灼の箇所に対応する画像と焼灼済みの箇所に対応する画像とが異なる表示方法で表示されるよう目標箇所画像62を生成する。焼灼済みの箇所の情報は、たとえば術者Oにより術者用入力部27を介して指定され、コントローラ30を介して画像生成部52に与えられる。未焼灼の箇所に対応する画像と焼灼済みの箇所に対応する画像とを異なる表示方法で表示する場合には、たとえば焼灼済みの箇所に対応する画像の表示を消去してもよい(このとき、線分のみを消去し点は残しておいてもよい)し、異なる濃度(彩度)や異なる色相、異なる輝度(明度)を用いてもよい。
【0053】
また、画像生成部52は、目標箇所画像62のうち、未焼灼の箇所に対応する画像のうち、これから術者Oが焼灼しようとしている1または複数の線分のみが表示されるよう目標箇所画像62を生成してもよい。
【0054】
図8は、焼灼済みの箇所に対応する画像が焼灼内容に応じた画像とされる場合における目標箇所画像62の一例を示す説明図である。
【0055】
焼灼情報取得部54は、X線撮像部11のコントローラ30から、焼灼が行われた時刻の情報、焼灼済みの箇所の情報、焼灼が行われた際にカテーテル電極32に与えられた電流値(焼灼の強度)の情報および焼灼時間の情報を取得し、画像生成部52に与える。
【0056】
図8に示すように、画像生成部52は、焼灼済みの箇所に対応する画像が焼灼内容に応じた画像となるよう目標箇所画像62を生成する。具体的には、画像生成部52は、焼灼済みの箇所について、焼灼情報取得部54から受けた電流値(焼灼の強度)と焼灼時間とを乗じた値に応じて表示方法を変更する。表示方法を線分ごとに変更する場合は、線分ごとに電流値(焼灼の強度)と焼灼時間とを乗じた値を積分し、この積分値に応じて表示方法を変更するとよい。
【0057】
なお、図8には、電流値(焼灼の強度)と焼灼時間とを乗じた値を三段階に分類する場合の例について示したが、たとえば電流値(焼灼の強度)と焼灼時間とを乗じた値に比例するようより細かい段階を用いて濃度や色相や輝度を変更してもよい。
【0058】
図9は、過去の焼灼履歴画像が含まれた目標箇所画像62の一例を示す説明図である。
【0059】
図9に示すように、画像生成部52は、焼灼履歴画像を三次元画像61およびX線診断画像63に重畳させることができる。焼灼履歴画像は、画像生成部52により、術者Oによる術者用入力部27を介した指示に応じて全消去や全表示されてもよい。焼灼履歴画像は、画像生成部52により、術者Oによる術者用入力部27を介した指示に応じて焼灼した順番に従って表示されてもよい。また、図9に示すように、焼灼履歴画像と目標箇所画像62とを同時に表示させてもよい。また、この焼灼履歴画像は、指示者用表示部42にも表示させることができる。
【0060】
また、焼灼履歴は、グループ分けされてもよく、グループ単位で表示および消去されてもよい。グループ分けの基準としては、たとえば一連の焼灼手技(たとえば1つの閉曲線に沿った焼灼手技)とするとよい。この場合、画像生成部52は、焼灼が行われた時刻の情報にもとづき、最後に焼灼が行われた時刻から次に焼灼が行われた時刻までの時間が所定の時間内である焼灼手技を1つのグループとすることができる。
【0061】
撮像制御部55は、あらかじめ術者Oにより設定されたユーザ設定値にもとづいてX線撮像部11を制御し、X線診断画像の画像データを取得させ、画像データを記憶部44に記憶させる。
【0062】
次に、本実施形態に係るX線診断装置10(画像処理装置12を含む)の動作の一例について説明する。
【0063】
図10は、図1に示す画像処理装置12の主制御部45のCPUにより、治療対象部位のX線診断画像63に三次元画像61および目標箇所画像62を重畳させた支援画像64を術者用表示部26に表示させる際の手順を示すフローチャートである。図10において、Sに数字を付した符号は、フローチャートの各ステップを示す。
【0064】
この手順は、撮像制御部55によりX線撮像部11に対してX線診断画像63(X線透視画像またはX線撮影画像)の取得開始が指示された時点でスタートとなる。
【0065】
なお、あらかじめ記憶部44には、X線撮像部11から受けた画像データにもとづいて生成された三次元画像または他のモダリティにより生成されたボクセルデータにもとづいて生成された三次元画像が記憶されているものとする。
【0066】
まず、ステップS1において、画像生成部52は、指示者用表示部42に対して三次元画像61を表示させる。
【0067】
次に、ステップS2において、指示者用入力部41は、指示者用表示部42に表示された三次元画像61を参照した指示者Dによる焼灼目標箇所の入力を受け付ける。
【0068】
次に、ステップS3において、目標箇所情報取得部51は、指示者Dの入力にもとづいて、三次元画像61上の焼灼目標箇所の情報を取得する。
【0069】
次に、ステップS4において、画像生成部52は、画像データのボクセル値を用いて三次元画像61上での治療対象臓器の表面位置を特定することにより、目標箇所情報取得部51から受けた焼灼目標箇所の情報にもとづいて焼灼目標箇所の三次元画像61上での位置を求める。
【0070】
次に、ステップS5において、X線発生器位置取得部53は、コントローラ30から現在のX線発生器21の位置の情報を取得し、この位置の情報を画像生成部52に与える。
【0071】
次に、ステップS6において、画像生成部52は、現在のX線発生器21の位置を視点とする画像(X線透視画像などのX線照射方向に応じた画像)となるよう三次元画像61および目標箇所画像62を生成し、現在のX線診断画像63(X線透視画像またはX線撮影画像)に対してリアルタイムに自動的に位置合わせをして支援画像64を生成する(図5および図6参照)。
【0072】
次に、ステップS7において、画像生成部52は、支援画像64を術者用表示部26に表示させる。
【0073】
以上の手順により、治療対象部位のX線診断画像63に三次元画像61および目標箇所画像62を重畳させた支援画像64を術者用表示部26に表示させることができる。
【0074】
本実施形態に係るX線診断装置10および画像処理装置12は、収集中のX線診断画像63上に目標箇所画像62を重畳させた支援画像64をリアルタイムに術者用表示部26に表示させることができる。このため、術者Oは、この支援画像64を参照しながらカテーテル31を操作することができるため、効率的に焼灼手技を行うことができる。
【0075】
また、指示者用入力部41および指示者用表示部42がX線撮像部11とは異なる部屋に設置される場合、焼灼目標箇所を指示する指示者Dは、被ばくを避けながら術者Oに指示を行うことができる。
【0076】
また、本実施形態に係るX線診断装置10および画像処理装置12によれば、焼灼履歴画像を三次元画像61およびX線診断画像63に重畳させることができる。このため、X線診断画像63上で焼灼箇所の履歴管理を容易に行うことができる。
【0077】
(第2の実施形態)
次に、本発明に係るX線診断装置および画像処理装置の第2実施形態について説明する。
【0078】
図11は、本発明の第2実施形態に係るX線診断装置10A(画像処理装置12Aを含む)を有するネットワークシステムの一例を示す全体図である。
【0079】
この第2実施形態は、指示者用入力部41および指示者用表示部42を備えた指示用端末70が、X線診断装置10Aおよび画像処理装置12Aが設置された部屋とは異なる部屋に設置されている点で第1実施形態と異なる。他の構成および作用については図1に示すX線診断装置10A(画像処理装置12Aを含む)と実質的に異ならないため、同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0080】
図11に示すように、指示用端末70は、たとえばパーソナルコンピュータにより構成され、病院基幹のLAN(Local Area Network)等のネットワーク35を介して画像処理装置12および画像サーバ36と接続される。本実施形態では、指示用端末70がX線診断装置10Aおよび画像処理装置12Aが設置された部屋(検査室および操作室)とは異なる部屋である指示室に設置されるとともに、指示者Dはこの指示室から指示を行う。
【0081】
指示用端末70は、指示者用入力部41および指示者用表示部42のほか、ネットワーク接続部71、三次元画像取得部72、目標箇所情報送信部73を有する。
【0082】
ネットワーク接続部71は、画像処理装置12のネットワーク接続部43と同様に構成することができる。
【0083】
三次元画像取得部72は、主制御部45の画像生成部52から三次元画像61の画像データを受け、指示者用表示部42に三次元画像61を表示させる。
【0084】
なお、この三次元画像の画像データは、画像サーバ36に蓄積された画像データであってもよい。この場合、三次元画像取得部72は、主制御部45の画像生成部52から取得すべき画像データの情報を受け、この情報にもとづいて画像サーバ36を検索することにより画像サーバ36から三次元画像の画像データを取得する。
【0085】
目標箇所情報送信部73は、指示者用表示部42に表示された三次元画像61を参照した指示者Dにより指示者用入力部41を介して入力された焼灼目標箇所の情報を、ネットワーク35を介して画像処理装置12に送信する。そして、画像処理装置12の目標箇所情報取得部51は、指示者Dの入力にもとづいて、三次元画像61上の焼灼目標箇所の情報を取得する。
【0086】
また、画像処理装置12Aは、指示者用入力部41および指示者用表示部42とそれぞれ同様の構成を有する表示部74および入力部75を有する。
【0087】
第2実施形態に係るX線診断装置10Aおよび画像処理装置12Aによっても、第1実施形態に係るX線診断装置10および画像処理装置12と同様の作用効果を奏する。また、本実施形態に係るX線診断装置10Aおよび画像処理装置12Aによれば、指示者DはX線撮像部11が設置される検査室から遠く離れた部屋からでも焼灼目標箇所を指定することができる。
【0088】
(第3の実施形態)
次に、本発明に係るX線診断装置および画像処理装置の第3実施形態について説明する。
【0089】
図12は、本発明の第3実施形態に係るX線診断装置10B(画像処理装置12Bを含む)を有するネットワークシステムの一例を示す全体図である。
【0090】
この第3実施形態に係るX線診断装置10B(画像処理装置12Bを含む)は、カテーテル31の先端の位置を自動的に取得可能に構成された点で第1実施形態に係るX線診断装置10(画像処理装置12を含む)と異なる。他の構成および作用については図1に示すX線診断装置10(画像処理装置12を含む)と実質的に異ならないため、同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0091】
カテーテル31の先端の位置を取得する方法としては、磁場を利用する方法や超音波を利用する方法などがある。磁場を利用する方法は、たとえばカテーテル電極32の近傍に磁気センサが設けられるとともに寝台24または天板24aに磁性片や電磁石などにより構成された磁場発生体が配設され、磁気センサの出力にもとづいてカテーテル電極32(カテーテル31の先端)の位置を取得する方法である。超音波を利用する方法は、たとえばカテーテル電極32の近傍に超音波発信機(または超音波受信機)が設けられるとともに寝台24または天板24aまたは寝台24の近傍に超音波受信機(または超音波発信機)が配設され、超音波受信機の出力にもとづいてカテーテル電極32(カテーテル31の先端)の位置を取得する方法である。
【0092】
以下の説明では、図12に示すように、カテーテル電極32の近傍に磁気センサ81が設けられるとともに、寝台24に所定数(たとえば3個など)の磁場発生体82が設けられる場合の例について説明する。
【0093】
磁気センサ81は、所定数の磁場発生体82のそれぞれの発生する磁場の強度を検知し、検知した磁場の強度に応じた信号を、焼灼制御部25を介してコントローラ30に出力する。
【0094】
図13は、第3実施形態に係る主制御部45のCPUによる機能実現部の構成例を示す概略的なブロック図である。なお、この機能実現部は、CPUを用いることなく回路などのハードウエアロジックによって構成してもよい。
【0095】
図13に示すように、本実施形態に係る主制御部45のCPUは、ROMをはじめとする記憶媒体に記憶されたプログラムによって、目標箇所情報取得部51、画像生成部52、X線発生器位置取得部53、焼灼情報取得部54および撮像制御部55のほか、さらに焼灼判定部91、距離算出部92、FR/DR調整部93として機能する。この各部51〜55および91〜93は、RAMの所要のワークエリアをデータの一時的な格納場所として利用する。
【0096】
焼灼情報取得部54は、焼灼が行われた時刻の情報、焼灼済みの箇所の情報、焼灼が行われた際にカテーテル電極32に与えられた電流値(焼灼の強度)の情報および焼灼時間の情報のほか、焼灼制御部25からコントローラ30を介して磁気センサ81の出力を受け、画像生成部52に与える。
【0097】
画像生成部52は、さらに、磁気センサ81の出力にもとづいてカテーテル電極32の空間的な位置を求めるカテーテル位置取得部として機能する。このため、焼灼情報取得部54は、コントローラ30から焼灼済みの箇所の情報を受けずともよい。
【0098】
本実施形態に係る画像生成部52は、カテーテル電極32(カテーテル31の先端)の位置にもとづいて、焼灼済みの箇所の空間的な位置を求めることができる。したがって、画像生成部52は、この求めた焼灼済みの箇所の位置を用いて三次元画像61上の焼灼済みの箇所の位置を求めることができる。また、画像生成部52は、焼灼が行われた時刻の情報から焼灼が実行されたタイミングを知ることができるため、焼灼済みの箇所に対応する画像の表示方法を自動的に変更する(たとえば表示の消去、表示色の変更など)ことができる。
【0099】
焼灼判定部91は、X線撮像部11の焼灼制御部25の出力にもとづいて、現在術者Oにより焼灼が行われているか否かを判定する。
【0100】
距離算出部92は、画像生成部52からカテーテル電極32(カテーテル31の先端)の空間的な位置の情報および焼灼目標箇所の位置の情報を受け、カテーテル電極32(カテーテル31の先端)の位置と焼灼目標箇所の位置との距離dを算出する。
【0101】
FR/DR調整部93は、焼灼判定部91が現在術者Oにより焼灼が行われていないと判定するとともに、距離算出部92により算出された距離dが所定の閾値よりも大きいと、患者Pの被ばく量を抑えるよう、フレームレートおよび照射線量の少なくとも一方をユーザ設定値から変更する。このとき、具体的には、FR/DR調整部93は、フレームレートをユーザ設定値より遅くしたり照射線量をユーザ設定値より少なくしたりする。これは、カテーテル電極32が焼灼目標箇所から大きく離れている場合には、術者Oはカテーテル電極32を焼灼目標箇所に対して大まかに近づけるために支援画像64を参照すると考えられ、このときX線診断画像63が精細である必要はないためである。
【0102】
また、FR/DR調整部93は、焼灼判定部91が現在術者Oにより焼灼が行われていないと判定するとともに、距離算出部92により算出された距離dが所定の閾値以下であると、フレームレートおよび照射線量をユーザ設定値に設定する。これは、カテーテル電極32が焼灼目標箇所に近く、かつ焼灼が実行されていない場合には、術者Oは、カテーテル電極32を焼灼目標箇所に対して正確に近づけるために支援画像64を参照すると考えられ、この場合はX線診断画像63が精細である必要があるためである。
【0103】
また、FR/DR調整部93は、焼灼判定部91が現在術者Oにより焼灼が行われていると判定すると、患者Pの被ばく量を抑えるよう、フレームレートおよび照射線量の少なくとも一方をユーザ設定値から変更する。これは、術者Oにより焼灼が行われている場合には、カテーテル電極32が焼灼目標箇所から離れているとは考えにくく、X線診断画像63が精細である必要はないと考えられるためである。
【0104】
次に、本実施形態に係るX線診断装置10B(画像処理装置12Bを含む)の動作の一例について説明する。
【0105】
図14は、図12に示す画像処理装置12の主制御部45のCPUにより、カテーテル電極32の位置と焼灼目標箇所の位置との距離dに応じてフレームレートおよび照射線量が変更される際の手順を示すフローチャートである。図14において、Sに数字を付した符号は、フローチャートの各ステップを示す。
【0106】
この手順は、図10に示した手順のステップS7が終了し、支援画像64が術者用表示部26に表示された時点でスタートとなる。
【0107】
まず、ステップS11において、焼灼判定部91は、X線撮像部11の焼灼制御部25の出力にもとづいて、現在術者Oにより焼灼が行われているか否かを判定する。現在術者Oにより焼灼が行われていない場合は、ステップS12に進む。一方、現在術者Oにより焼灼が行われている場合は、ステップS16に進む。
【0108】
次に、ステップS12において、距離算出部92は、画像生成部52からカテーテル電極32(カテーテル31の先端)の空間的な位置の情報および焼灼目標箇所の位置の情報を取得する。
【0109】
次に、ステップS13において、距離算出部92は、カテーテル電極32(カテーテル31の先端)の空間的な位置の情報および焼灼目標箇所の位置の情報にもとづいてカテーテル電極32(カテーテル31の先端)の位置と焼灼目標箇所の位置との距離dを算出する。
【0110】
次に、ステップS14において、FR/DR調整部93は、距離算出部92により算出された距離dが所定の閾値よりも大きいか否かを判定する。距離dが所定の閾値以下である場合はステップS15に進む。一方、距離dが所定の閾値よりも大きい場合はステップS16に進む。
【0111】
次に、ステップS15において、FR/DR調整部93は、フレームレートおよび照射線量をユーザ設定値に設定する。
【0112】
他方、ステップS11で現在術者Oにより焼灼が行われていると判定された場合およびステップS14で距離dが所定の閾値よりも大きいと判定された場合は、ステップS16において、FR/DR調整部93は、患者Pの被ばく量を抑えるよう、フレームレートおよび照射線量の少なくとも一方をユーザ設定値から変更する。このとき、具体的には、FR/DR調整部93は、フレームレートをユーザ設定値より遅くしたり照射線量をユーザ設定値より少なくしたりする。
【0113】
以上の手順により、カテーテル電極32の位置と焼灼目標箇所の位置との距離dに応じてフレームレートおよび照射線量を変更することができる。
【0114】
第3実施形態に係るX線診断装置10Bおよび画像処理装置12Bによっても、第1実施形態に係るX線診断装置10および画像処理装置12と同様の作用効果を奏する。また、本実施形態に係るX線診断装置10Bおよび画像処理装置12Bによれば、カテーテル電極32の位置と焼灼目標箇所の位置との距離dに応じてフレームレートおよび照射線量を変更することができ、支援画像64のX線診断画像63の画質を調整することができる。このため、本実施形態に係るX線診断装置10Bおよび画像処理装置12Bによれば、術者Oがカテーテル電極32を焼灼目標箇所に対して正確に近づけるためにカテーテル31の先端位置を微調整しているときは精細なX線診断画像63を提供することができるとともに、先端位置の微調整を行っていないときは患者Pの被ばく量を低減することができる。
【0115】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0116】
たとえば、第3実施形態に係るX線診断装置10Bおよび画像処理装置12Bは、CARTO(登録商標)システムに容易に適用することができる。
【0117】
また、本発明の実施形態では、フローチャートの各ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理の例を示したが、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別実行される処理をも含むものである。
【符号の説明】
【0118】
10、10A、10B X線診断装置
11、11A、11B X線撮像部
12、12A、12B 画像処理装置
21 X線発生器
22 撮像部
25 焼灼制御部
26 術者用表示部
27 術者用入力部
30 コントローラ
31 カテーテル
32 カテーテル電極
41 指示者用入力部
42 指示者用表示部
44 記憶部
45 主制御部
51 目標箇所情報取得部
52 画像生成部(カテーテル位置取得部を含む)
53 X線発生器位置取得部
54 焼灼情報取得部
61 三次元画像
62 目標箇所画像
63 X線診断画像
64 支援画像
70 指示用端末
92 距離算出部
93 FR/DR調整部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収集中のX線診断画像に対してあらかじめ生成された関心臓器の三次元画像を位置合わせしつつ重畳表示させる画像処理装置であって、
指示者の入力にもとづいて前記三次元画像上の焼灼目標箇所の情報を取得する目標箇所情報取得部と、
前記焼灼目標箇所の情報にもとづいて前記焼灼目標箇所の前記三次元画像上での位置を求め、収集中の前記X線診断画像に重畳された前記三次元画像に対し、前記焼灼目標箇所を示す目標箇所画像をさらに重畳させた支援画像を生成し、カテーテルを用いた焼灼を実行する術者により参照される術者用表示部に前記支援画像を表示させる画像生成部と、
を備えた画像処理装置。
【請求項2】
前記目標箇所情報取得部は、
前記術者用表示部とは異なる部屋に設置されるとともに前記指示者に参照される指示者用表示部に表示された前記三次元画像を参照した前記指示者の入力にもとづいて前記三次元画像上の前記焼灼目標箇所の情報を取得する、
請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記目標箇所情報取得部は、
前記三次元画像上に前記指示者の入力により曲線で指定された前記焼灼目標箇所の情報を取得し、
前記画像生成部は、
前記焼灼目標箇所の情報にもとづいて前記曲線を点および線分を用いて直線近似し、この点および線分の前記三次元画像上での位置を求め、前記曲線を点および線分を用いて示した前記目標箇所画像を前記三次元画像に重畳させて前記支援画像を生成する、
請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像生成部は、
前記目標箇所画像について、焼灼済みの箇所に対応する画像を消去して、または前記焼灼済みの箇所に対応する画像を焼灼が未完了の箇所に対応する画像とは異なる表示色として、前記術者用表示部に表示させる、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記カテーテルを用いて前記術者により行われた焼灼の強度および焼灼時間の情報を取得する焼灼情報取得部、
をさらに備え、
前記画像生成部は、
前記目標箇所画像における焼灼済みの箇所に対応する画像の表示色または表示輝度を、前記焼灼の強度および前記焼灼時間に応じて変更して前記術者用表示部に表示させる、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記カテーテルの先端位置の情報を取得するカテーテル位置取得部と、
前記カテーテルの先端位置と前記焼灼目標箇所との距離に応じて、前記X線診断画像の収集フレームレートおよびX線照射線量の少なくとも一方を変更する撮像制御部と、
をさらに備えた請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記画像生成部は、
前記カテーテルの先端位置の情報、前記焼灼の強度および前記焼灼時間の情報にもとづいて焼灼済みの箇所の前記三次元画像上での位置を求め、この求めた位置にもとづいて前記目標箇所画像における焼灼済みの箇所に対応する画像の表示方法を変更する、
請求項5または6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記画像生成部は、
前記支援画像が現在のX線発生器の位置を視点とする画像となるよう、収集中の前記X線診断画像、前記三次元画像および前記目標箇所画像を重畳させて前記支援画像を生成する、
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記画像生成部は、
前記X線診断画像の画像データを出力するX線撮像部からあらかじめ収集した画像データにもとづいてあらかじめ前記三次元画像を生成しておく、
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記画像生成部は、
前記X線診断画像の画像データを出力するX線撮像部とは異なるモダリティによりあらかじめ取得された画像データにもとづいてあらかじめ前記三次元画像を生成しておく、
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項11】
X線発生器およびX線検出器を用いて前記X線診断画像の画像データを出力するX線撮像部と、
前記術者用表示部と、
前記X線診断画像の画像データが入力される請求項1ないし10のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
を備えたX線診断装置。

【図1】
image rotate

【図3】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−223500(P2012−223500A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96114(P2011−96114)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】