すだれ状カーテン
【課題】ハニカム構造体の筒状部で形成された中空部を通して直射日光を遮る採光と通風を確保し、中空部の正面側からを除く目隠し効果をも得るすだれ状カーテンを提供する。
【解決手段】可撓性あるシート状材料により形成した中空の筒状部13の多数が1〜3層で上下方向に展張・折り畳み自在に連接されたカーテン材10の多数を、上枠2と操作機構4によって昇降可能にした下枠3との間に吊下する。各筒状部13は、それらの軸線が水平方向で該多数のカーテン材10を並列させる面に直交する方向を向くようにし、その軸線方向の長さは、単一の筒状部の折り畳み状態における開口部横幅の0.5〜3倍にする。
【解決手段】可撓性あるシート状材料により形成した中空の筒状部13の多数が1〜3層で上下方向に展張・折り畳み自在に連接されたカーテン材10の多数を、上枠2と操作機構4によって昇降可能にした下枠3との間に吊下する。各筒状部13は、それらの軸線が水平方向で該多数のカーテン材10を並列させる面に直交する方向を向くようにし、その軸線方向の長さは、単一の筒状部の折り畳み状態における開口部横幅の0.5〜3倍にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物開口部等に設置するためのすだれ状カーテンに関するものであり、更に具体的には、折り畳み可能な可撓のシート状材料により形成した筒状部が1〜3層で上下方向に多数連接された形態のカーテン材の多数を吊下することにより、上記筒状部により形成された中空部を通して直射日光を遮る採光と通風を確保し、更に該中空部の正面側からを除く目隠し効果を得られるようにしたすだれ状カーテンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
中空の筒状部の多数が蜂の巣状に密に配列された構造体(以下、これをハニカム構造体という。)を、その筒状部を室内外方向に向けて窓等の建物開口部に張設すると、上記筒状部の軸線方向長さにもよるが、昼間に斜め上方から入射する直射日光が該筒状部により遮られて室内には直接入射せず、しかしながら、該筒状部により形成された中空部を通して採光と通風とは確保することができ、また該中空部の正面側からは室内を覗き見することができるが、筒状部の存在により斜め方向からは室内を見ることができず、従って、正面側からを除いて目隠し効果を発揮させることができる。
【0003】
このような利点を有するハニカム構造体であっても、一般的には、それを常に建物開口部に張設したままにすることは望まれず、カーテンやブラインドのように開け閉め可能にすることが強く望まれる。しかしながら、上記ハニカム構造体における各筒状部を含む全体を可撓性あるシート状材料により形成しても、それをスムースに開け閉めすること、つまり該ハニカム構造体を一方向に折り畳み可能にするには、以下に説明するような困難性がある。
【0004】
即ち、上記ハニカム構造体における各筒状部を含む全体を可撓性あるシート状材料により図13に示すような形態に形成した場合、同図(A)に示すように、該ハニカム構造体50を展張状態にした状態から、それを上下に折り畳むと、同図(B)に示すように折り畳まれるが、その際、各筒状部51を形成しているシート状材料52が全て水平に向くことになるので、ハニカム構造体50の全体の横幅が同図(A)におけるLaから同図(B)に示すLbまで伸びることになり、そのため、同図(B)の状態にあるハニカム構造体50の上端面を図14に示すように建物開口部の上枠53等に固定しておくと、それを展張させた場合に、展張した下部では横幅がLaまで変形することになり、左右両側の建物開口部枠との間に隙間ができて著しく外観が損なわれ、使用に耐えないものになる。なお、ハニカム構造体の構造が上記図13のものと異なる場合についても同様な問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の技術的課題は、上述した可撓性あるシート状材料により形成した多数の筒状部をもつハニカム構造体を折り畳んだ状態から展張するに際し、上記図14に示すような極端な変形が生じることなく、多数の筒状部がほぼ垂直に垂下して所期の形態に吊下されるようにし、それによって、外観を損なうことなく、ハニカム構造体の筒状部により形成された中空部を通して直射日光を遮る採光と通風を確保し、更に該中空部の正面側からを除く目隠し効果を得られるようにしたすだれ状カーテンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明によれば、可撓性あるシート状材料により形成した中空の筒状部の多数が1〜3層で上下方向に展張・折り畳み自在に連接され、上記各筒状部が、その軸線方向には、単一の筒状部の折り畳み状態における開口部横幅の0.5〜3倍の長さを有するものとして形成されたカーテン材を備え、上記カーテン材の多数の各一端を、それらの筒状部の軸線が水平方向で該多数のカーテン材を並列させる面に直交する方向を向くようにして、上枠に並列状態で密に配列させて固定し、上記上枠に上端を固定した各カーテン材の下端を、操作機構によって昇降可能にした下枠に固定したことを特徴とするすだれ状カーテンが提供される。
【0007】
本発明に係る上記すだれ状カーテンの好ましい実施形態においては、上記カーテン材の全部または一部に、該カーテン材を上下に貫通する昇降紐の挿通孔を設け、該挿通孔に挿通して下端を上記下枠に固定した昇降紐の上端を、上記上枠内において巻取輪に巻取り可能にし、上記操作機構によって上記巻取輪を回転操作可能に形成される。この場合に、上記上枠内に上記カーテン材を並列させる面に沿って水平に伸びる巻取軸を回転自在に架設し、該巻取軸に、上記カーテン材に挿通した各昇降紐の上位に位置させて巻取輪を固定し、上記巻取軸の軸端にそれを回転させる上記操作機構を設けることができる。
【0008】
本発明に係る上記すだれ状カーテンの好ましい実施形態においては、上記上枠と下枠との間にカーテン材の多数を密に配列させて固定したカーテン材列における両側端に、筒状部の軸線方向の長さを除いて上記カーテン材と同形状としたカーテン縁材を、その筒状部の軸線が水平方向で上記カーテン材を並列させた面に平行な方向に向くようにして、上記上枠及び下枠間に固定することができる。
【0009】
本発明の上記すだれ状カーテンにおけるカーテン材は、その中空の筒状部が2層に形成されているのが望ましい。
その場合に、上記シート状材料を一定の幅で交互に反対方向に折り畳み、その折り畳みによって相互に重ねられたシート状材料を、該折り畳みを行った両側の各折り目からそれぞれ上記幅の3分の1だけ内側に寄った位置において、隣接する折り目により開かれる面を該折り目に平行する接合部で接合し、それを各折り畳み部分について繰り返すことにより得られる筒状部の軸線方向の長さを定寸に切断することにより、筒状部が1〜3層で上下方向に展張・折り畳み自在に連接したものとして形成することができる。
【0010】
また、上記すだれ状カーテンにおけるカーテン材は、両端に接着代を有する一定幅の第1のシート状材料を半分に折り畳んでその両端の接着代を相互に接合すると共に、上記接着代側及び折り畳んだ折り目側を重ね合わせてその第1のシート状材料の多数を重積し、該重積により隣接している第1のシート状材料を幅方向の中央部の接合部において順次接合し、一方、上記第1のシート状材料に比して1/2幅で両端に接着代を有する該第1のシート状材料とは異色の第2のシート状材料を半分に折り畳み、その接着代側及び折り畳んだ折り目側を重ね合わせてその第2のシート状材料の多数を重積し、該重積により隣接している第2のシート状材料の相互に重なる接着代を互いに接合すると共に、該接合部分と上記第1のシート状材料における接着代とを相互に接合し、それによって得られた第1及び第2のシート状材料の接合体における筒状部の方向の長さを定寸に切断することにより、筒状部が1〜3層で上下方向に展張・折り畳み自在に連接したものとして形成することもできる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、可撓性あるシート状材料により形成したハニカム構造体を折り畳んだ状態から展張するに際し、極端な変形が生じることなく、筒状部をほぼ垂直に垂下させて所期の形態に吊下でき、それによって、外観を損なうことなく、ハニカム構造体の筒状部により形成された中空部を通して直射日光を遮る採光と通風を確保し、更に該中空部の正面側からを除く目隠し効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るすだれ状カーテンの実施例を、その要部を拡大して示す部分省略斜視図である。
【図2】上記実施例におけるすだれ状カーテンの展張状態を示す正面図である。
【図3】上記実施例におけるすだれ状カーテンの折り畳み状態を示す正面図である。
【図4】上記実施例における要部拡大断面図である。
【図5】上記実施例におけるカーテン材の変形例を示す要部拡大正面図である。
【図6】上記カーテン材の変形例を示す要部拡大正面図で、(A)は中空の筒状部が1層の場合、(B)は同筒状部の上下位置を順次1/2ピッチだけずらして配置した3層の場合を示している。
【図7】上記実施例のカーテン材における遮光作用を説明するための図4におけるA−A位置での断面図である。
【図8】上記カーテン材の折り畳み状態の要部作用説明図である。
【図9】上記カーテン材の上下端への固定板の取り付け構造の変形例を示す一部破断拡大正面図である。
【図10】上記実施例における上枠の内部構造を示す要部拡大断面図図である。
【図11】上記上枠内の一方向回転伝達機構の横断面図である。
【図12】上記上枠における操作機構の断面図である。
【図13】中空の筒状部の多数が蜂の巣状に密に配列されたハニカム構造体をすだれ状カーテンとして用いる場合の説明図であって、(A)はその展張状態を、(B)はその折り畳み状態を示す各説明図である。
【図14】上記ハニカム構造体のすだれ状カーテンとしての使用状態における問題点の模式的説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1〜図12は、本発明に係るすだれ状カーテンの部分的な変形例を含む代表的な実施例を示している。
このすだれ状カーテン1は、図1〜図3に示すように、紙、織布、不織布、あるい合成樹脂シート等の可撓性あるシート状材料12により形成したカーテン材10の多数及びその両側のカーテン縁材11の各上端を、建物開口部の上部に取り付ける上枠2に連結して垂下させ、該各カーテン材10及びカーテン縁材11の下端を、操作機構4によって昇降可能にした下枠3に固定することにより、該カーテン材10及びカーテン縁材11を上下方向に展張・折り畳み自在に構成したものである。上記シート状材料12は、先方を透視できない程度に半透明であり、乱反射による光透過があることが望まれる。
【0014】
図1及び図4に明瞭に示す構成例の上記カーテン材10は、中空の筒状部13が1/2ピッチだけ上下位置をずらして配置された2層のもので、それらの筒状部13の多数が上下方向に展張・折り畳み自在に連接されたものであり、各カーテン材10の一端の上枠2への連結に際しては、該カーテン材10の筒状部13の軸線が水平方向で、該多数のカーテン材10を並列させる面(以下、並列面という。)に直交する方向を向くようにして、つまり、建物開口部において室の内外方向に向くようにして、並列状態で取り付けている。この場合に、図3に示すように、カーテン材10の折り畳み状態では隣接するカーテン材10が接触状態で密に配設される。しかしながら、図2に示すようにカーテン材10を展張した状態では該カーテン材10の間に隙間16が生じることになり、この隙間16を小さくするためにも隣接するカーテン材10を密に並列させることが望まれる。
【0015】
上記カーテン材10における各筒状部13は、その軸線方向の長さb(図7参照)が、単一の筒状部13の折り畳み状態における開口部横幅a(図8参照)の0.5〜3倍、望ましくは、1〜2倍の長さを有するものとして形成される。このような長さに形成すると、図7によって後述するように、太陽Sからの直射日光の適度の遮光と適切な目隠し効果を得ることができる。
【0016】
また、上記カーテン材10の多数を上下枠2,3間に密に配列させて固定したカーテン材列の並列面における両側端には、筒状部13の軸線方向の長さを除いて上記カーテン材10と同形状としたカーテン縁材11を、その筒状部13の軸線が水平方向で上記カーテン材10の並列面に平行する方向に向くように、上記上下枠2,3間に固定している。このカーテン縁材11は、カーテン材列の両端においてカーテン材10の遊動を抑制して、カーテン材10の姿勢の安定化を図るものであるが、必ずしも設ける必要はなく、また、カーテン材列を形成するカーテン材10の数が多いときには、必要に応じてそのカーテン材列中の一部に配設することもできる。
【0017】
上述したカーテン材列及びその両側端に配置したカーテン縁材11は、それらを上下枠2,3に固定するに当たり、図1及び図4に示すように、それらの上下端をそれぞれ固定板18,19に並列状態で接着することによりカーテン組立体5を構成し、それらの固定板18,19を図1に示すように上下枠2,3の互いに対向する開口部口縁21,31の内側に係止させて、該カーテン組立体5を上下枠2,3に取り付けることもできるが、図9に示すように、カーテン材10及びカーテン縁材11の上下端の隣接する筒状部13間のシート状材料12の一部を切除して両筒状部13内の中空部13aを連通させ、それによって生じた幅広の空間20に固定板18,19を嵌挿して、該固定板18,19を上下枠2,3の互いに対向する開口部口縁21,31の内側に係合させることにより取り付けることもできる。
【0018】
なお、上記図9の例では、各カーテン材10の上下端に個別的に固定板18,19を嵌挿する必要があると同時に、各カーテン縁材11の上下端にも個別的に固定板18,19を嵌挿する必要があるので、多数のカーテン材10とその両側のカーテン縁材11とを該固定板18,19により一体化したカーテン組立体5とすることはできないが、ここではそれらを一纏めにしてカーテン組立体と呼ぶことにする。この変形例の場合には、個々のカーテン材10またはカーテン縁材11が損傷したときなどに、その交換を容易に行うことができる。また、この変形例の場合、カーテン縁材11は、その筒状部13のシート状材料12を介して上下枠2,3の互いに対向する開口部口縁21,31の内側に係合させることになる。
【0019】
上記カーテン材10及びカーテン縁材11の素材を製造する場合には、例えば、図4に示すように、上記シート状材料12を一定の幅で交互に反対方向に折り畳み、その折り畳みによって相互に重ねられたシート状材料12を、該折り畳みを行った両側の各折り目14aからそれぞれ上記幅のほぼ3分の1だけ内側に寄った位置において、隣接する折り目14aにより開かれる面を該折り目14aに平行する線状の接合部14bにおいて接合し、それを各折り畳み部分について繰り返すことにより得られる素材における筒状部13の軸線方向の長さを定寸に切断することにより、上記筒状部13が1〜3層で上下方向に展張・折り畳み自在に連接したものとして形成することができる。
【0020】
また、上記カーテン材10及びカーテン縁材11の素材は、図5に示す変形例からわかるように、両端に接着代15bを有する一定幅の第1のシート状材料12aを半分に折り畳んで、その両端の接着代15bを相互に接合すると共に、該接着代15b側及び折り畳んだ折り目15a側がそれぞれ合うように重ね合わせて、その第1のシート状材料12aの多数を重積し、該重積により隣接している第1のシート状材料12aを幅方向のほぼ中央部の線状の接合部15cにおいて順次接合し、一方、上記第1のシート状材料12aに比してほぼ1/2幅で両端に接着代15eを有する該第1のシート状材料12aとは異色の第2のシート状材料12bを半分に折り畳み、その接着代15e側及び折り畳んだ折り目15d側がそれぞれ合うように重ね合わせて、その第2のシート状材料12bの多数を重積し、該重積により隣接している第2のシート状材料12bの相互に重なる接着代15eを互いに接合すると共に、該接合部分と上記第1のシート状材料12aにおける接着代15bの接合部とを相互に接着し、それによって得られた第1及び第2のシート状材料12a,12bの接合体における筒状部13の軸線方向の長さを定寸に切断することにより、筒状部13が1〜3層で上下方向に展張・折り畳み自在に連接したものとして形成することもできる。
【0021】
なお、上記カーテン材10及びカーテン縁材11の素材の形成は、上述した図4または図5の構成に限らず、シート状材料により形成した筒状部13が、図6に示すように、1〜3層で上下方向に順次連接された各種形態に形成することができる。また、上記カーテン材10及びカーテン縁材11からなるカーテン組立体5の上下端の上枠2及び下枠3への固定も、上述した構成例に限らず、他の任意手段を用いることもできる。
【0022】
図6の(A)は、上記カーテン材10を筒状部13が1層のものとして構成した変形例を示し、同図の(B)は、上記カーテン材10における筒状部13を3層として各層の筒状部13の上下位置を順次1/2ピッチだけずらして配置した変形例を示している。上記図6の(A)に示すカーテン材10は、上記シート状材料12を筒状に形成しながら順次連結して形成したものであり、また、同図の(B)に示すカーテン材は、図5に示しているように、一定幅の第1のシート状材料12aを半分に折り畳んで、その両端の接着代15bを相互に接合したうえで、その第1のシート状材料12aの多数を重積して幅方向のほぼ中央部の接合部15cにおいて順次接合したものの一対を、それらの接着代15bを順次相互に接合したものとして構成しているが、そのような構成に限るものではなく、任意手段で1ないし3層に形成することができる。
【0023】
上述の各種カーテン材10を用いたカーテン組立体5を展張し、あるいは、そのカーテン組立体5を上方に折り畳んで建物開口部を開放するため、また、カーテン材10の姿勢を安定化させるため、図1,2及び4に示すように、上記各カーテン材10の中央には、それを上下に貫通する昇降紐25の挿通孔23を設け、該挿通孔23に挿通して下端を上記下枠3またはそれに係合させている固定板19に固定した該昇降紐25の上端を、上記上枠2に係合させた固定板18の挿通孔24を通して該上枠2内に導入し、図10に示すように、該上枠2内において巻取輪27に巻取ることにより、上記下枠3の自重によって緊張状態に保持させるようにしている。なお、図6のカーテン材では上記挿通孔23の図示を省略しているが、幅方向の中央に設けることになる。また、該昇降紐25として、ここでは扁平な断面を有するものを図示しているが、それに限るものではない。
【0024】
上記巻取輪27は、上枠2内において上記カーテン材の並列面に沿って水平に伸びるように回転自在に架設した巻取軸(角軸)26に固定されるが、各カーテン材10に挿通した昇降紐25を個別的に巻き取るために、固定板18における各カーテン材10を固定した位置の上位にそれぞれ配設し、その周溝状の巻取り部分の外周側の溝幅を広くすることにより、昇降紐25の巻取り量を増大させると同時に、巻き取ろうとする昇降紐25の脱輪を抑制するようにしている。そして、該巻取軸26の軸端には、それを回転させる前記操作機構4を設けている。なお、上記巻取輪27は、必ずしも各昇降紐25について個別的に設ける必要はなく、単一の巻取軸として構成することもできる。
また、図示を省略しているが、カーテン縁材11の中央部にも昇降紐25の挿通孔を設けて、上記カーテン材10の場合と同様に該挿通孔に昇降紐を挿通し、その上端を巻取輪に巻き取るようにすることもできる。
【0025】
上記巻取輪27を回転駆動することによりカーテン組立体5の展張・折り畳み操作を行うための操作機構4は、図10〜図12に示すように、上記巻取軸26の軸端に設けられ、該巻取軸26に一方向回転伝達機構35を介して駆動輪36を回転自在に支持させ、該駆動輪36にそれを回転させる操作コード37を巻き掛けている。上記一方向回転伝達機構35は、駆動輪36の回転によっては巻取軸26に回転が伝達されるが、巻取軸26側にカーテン組立体5の重量等に基づく回転力が作用しても、該駆動輪36にその回転力が伝達されないようにしたものである。
【0026】
上記一方向回転伝達機構35は、具体的には、図10及び図11に示すように、上枠2における駆動輪36の軸部36aを支持する端蓋38の軸受部38aに隣接する筒部38bの内面に、両端を中心側に突出させた係止部40aとするコイル状のバネ40を拡径方向の付勢力を持たせて収容し、駆動輪36の軸部36aには、その正逆いずれの回転時にも上記バネ40の両端の係止部40aのいずれかに係止して該バネ40の係止部40aを縮径側に押圧する係止突部41を設け、一方、上記巻取軸26の軸端に設けた連結子43には、駆動輪36の軸部36aに外嵌して一体回転するように連結されるが、上記巻取軸26の回転時に上記バネ40の両端の係止部40aに対して駆動輪36の係止突部41とは反対側に係止する一対の係止部材43aを設けることにより構成している。
【0027】
従って、駆動輪36に巻き掛けた操作コード37を正または逆方向に引くことにより、該駆動輪36の回転が一方向回転伝達機構35を介して上記巻取輪27に伝達され、カーテン組立体5を展張する方向に巻取輪27が回転駆動された場合には、下枠3の重量によって巻取輪27から昇降紐25が繰り出されてカーテン組立体5が展張し、逆方向に巻取輪27が回転駆動された場合には、カーテン組立体5が上枠2に向かって折り畳まれる。この場合には、駆動輪36を正逆いずれの方向に回転させても、一方向回転伝達機構35において駆動輪36の軸部36aに設けた係止突部41がバネ40の係止部40aに係止して該バネ40の係止部40aを縮径方向に押圧するので、上記駆動輪36の軸部36aの回転がそれと一体的に回転する巻取軸26の連結子43に伝達される。
【0028】
一方、下枠3を下方に引いてカーテン組立体5を展張しようとするなど、巻取軸26側に回転駆動力が作用しても、該巻取軸26の軸端に設けた連結子43における係止部材43aが上記バネ40の両端の係止部40aを該バネ40が拡径する方向に押圧するので、該バネ40が周囲の筒部38bの内面に対して強く圧接され、両者間の摩擦力により連結子43における係止部材43aの回転が抑制され、カーテン組立体5が展張し、あるいは折り畳まれることはない。
なお、ここでは、操作機構4として、上記操作コード37により駆動輪36を回転させて巻取軸26に回転を伝達するように構成しているが、巻取軸26の回転はそのような構成に限るものではない。
【0029】
次に、上述した構成を有するすだれ状スクリーンにおいて、上記筒状部13により形成された中空部13aを通して直射日光を遮る採光と通風を確保し、更に該中空部13aの正面側からを除く目隠し効果が得られる点について説明する。
図8に示すように、上記カーテン材10の単一の筒状部13がその折り畳み状態において開口部横幅aを有しているとし、その筒状部13がカーテン材10の展張により図2や図4〜6に示すような形状になった場合に、その開口形状がほぼ円であると仮定すると、筒状部13の径、つまり、図7における長さcは、ほぼ〔0.64×a〕程度になる。
【0030】
一方、本発明においては、上記カーテン材10の筒状部13の軸線方向の長さb(図7参照)が、上記開口部横幅aの0.5〜3倍、望ましくはaの1〜2倍の長さを有するものとしているので、図7に示すカーテン材10の筒状部13において、例えば、その筒状部13の長さbが開口部横幅aの0.5倍であるとし、b=〔0.5×a〕とすると、太陽Sからの直射日光が筒状部13を通して室内に入射する最大の仰角θは、tanθ=c/b=0.64/0.5の関係から、52°程度となり、南向きの窓にこのすだれ状カーテン1を設置したとしても、夏の昼間の直射日光は遮ることができる。但し、日当たりのよい西向き窓に設置した場合には西日が入るので、上記長さbを更に大きいものにすることが望まれる。いずれの場合も十分な通気及び採光を行えるのは勿論である。
【0031】
また、筒状部13の長さbが開口部横幅aの3倍であるとすると、太陽Sからの直射日光が筒状部13を通して室内に入射する最大の仰角θは12°程度となり、朝日や夕日程度しか直射日光が室内に入射しなくなる。更に、筒状部13の長さbが開口部横幅aの1倍である場合には、直射日光が筒状部13を通して室内に入射する最大の仰角θが33°程度となり、筒状部13の長さbが開口部横幅aの2倍である場合には、直射日光が筒状部13を通して室内に入射する最大の仰角θが17°程度となり、窓の設置の向きにもよるが、上記筒状部13により形成された中空部を通して適度に直射日光を遮る採光と通風を確保することができる。
【0032】
なお、ここでは筒状部13の開口形状がほぼ円になると仮定して、筒状部13の径がほぼ〔0.64×a〕程度になるとして上記仰角θを求めているが、図示した実施例から明らかなように、実際上は図7における長さcは更に短いものとして仕様が設定され、図14からわかるように、カーテン材10を展張させた場合に、展張した下部では横幅Laが大きく短縮するのを避けるため、カーテン組立体5を通して直射日光が室内に入射するのを更に遮ることができる。
【0033】
一方、上記筒状部13を有するカーテン組立体5は、屋外の正面側から見れば室内を見通すことができるが、筒状部13の軸線方向に対して、上述した直射日光が入射する最大の仰角θと同程度の角度だけ傾いた方向から見れば室内を透視することができず、しかも視線が同角度よりも小さい角度であっても、筒状部13の開口形状が実際には菱形に近いものになって、その開口の左右両端部分においては面積が狭窄化されるので、多数の微小部分しか室内を見通すことができず、室内を見通すときの角度に応じて室内を明確に覗き見できる範囲が大きく制限され、すぐれた目隠し効果を得ることができる。
【0034】
一方、上述したように、中空の筒状部13の多数が1〜3層で上下方向に展張・折り畳み自在に連接されたカーテン材10の多数の各一端を、それらの筒状部13の軸線が水平方向で該多数のカーテン材10の並列面に直交する方向を向くようにして、上枠2に並列状態で密に配列させて固定したときには、図2に示すように各カーテン材10を展張した状態では、各カーテン材10の間に隙間16が生じることになり、そして、各カーテン材10が多層になればなる程、その隙間16の幅が大きくなり、筒状部13の長さを目隠し効果が得られるように設定してもそれが無意味になる。
【0035】
この隙間16を小さくするために、隣接するカーテン材10を密に並列させるが、図2に示すように、筒状部13が2層のカーテン材10を用いた場合には、ほぼ同図に示すような隙間16が生じることになり、この程度の隙間であれば目隠し効果を格別損なうものではないが、筒状部13が4層にもなるようなカーテン材を用いると、図6の(B)に鎖線で付記(図の筒状部は3層であるが4層と仮定して付記)したように、隣接するカーテン材10との間に比較的大きな隙間が生じることになり、かかる隙間が生じるようでは、目隠し効果が大きく損なわれるだけでなく、正面に位置する太陽の直射日光も相当量が入射することになる。従って、上記カーテン材の筒状部13は3層までとするのが適切である。
【符号の説明】
【0036】
1 すだれ状カーテン
2 上枠
3 下枠
4 操作機構
10 カーテン材
11 カーテン縁材
12,12a,12b シート状材料
13 筒状部
13a 中空部
14a,15a,15d 折り目
14b,15c 接合部
15b,15e 接着代
23 挿通孔
25 昇降紐
26 巻取軸
27 巻取輪
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物開口部等に設置するためのすだれ状カーテンに関するものであり、更に具体的には、折り畳み可能な可撓のシート状材料により形成した筒状部が1〜3層で上下方向に多数連接された形態のカーテン材の多数を吊下することにより、上記筒状部により形成された中空部を通して直射日光を遮る採光と通風を確保し、更に該中空部の正面側からを除く目隠し効果を得られるようにしたすだれ状カーテンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
中空の筒状部の多数が蜂の巣状に密に配列された構造体(以下、これをハニカム構造体という。)を、その筒状部を室内外方向に向けて窓等の建物開口部に張設すると、上記筒状部の軸線方向長さにもよるが、昼間に斜め上方から入射する直射日光が該筒状部により遮られて室内には直接入射せず、しかしながら、該筒状部により形成された中空部を通して採光と通風とは確保することができ、また該中空部の正面側からは室内を覗き見することができるが、筒状部の存在により斜め方向からは室内を見ることができず、従って、正面側からを除いて目隠し効果を発揮させることができる。
【0003】
このような利点を有するハニカム構造体であっても、一般的には、それを常に建物開口部に張設したままにすることは望まれず、カーテンやブラインドのように開け閉め可能にすることが強く望まれる。しかしながら、上記ハニカム構造体における各筒状部を含む全体を可撓性あるシート状材料により形成しても、それをスムースに開け閉めすること、つまり該ハニカム構造体を一方向に折り畳み可能にするには、以下に説明するような困難性がある。
【0004】
即ち、上記ハニカム構造体における各筒状部を含む全体を可撓性あるシート状材料により図13に示すような形態に形成した場合、同図(A)に示すように、該ハニカム構造体50を展張状態にした状態から、それを上下に折り畳むと、同図(B)に示すように折り畳まれるが、その際、各筒状部51を形成しているシート状材料52が全て水平に向くことになるので、ハニカム構造体50の全体の横幅が同図(A)におけるLaから同図(B)に示すLbまで伸びることになり、そのため、同図(B)の状態にあるハニカム構造体50の上端面を図14に示すように建物開口部の上枠53等に固定しておくと、それを展張させた場合に、展張した下部では横幅がLaまで変形することになり、左右両側の建物開口部枠との間に隙間ができて著しく外観が損なわれ、使用に耐えないものになる。なお、ハニカム構造体の構造が上記図13のものと異なる場合についても同様な問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の技術的課題は、上述した可撓性あるシート状材料により形成した多数の筒状部をもつハニカム構造体を折り畳んだ状態から展張するに際し、上記図14に示すような極端な変形が生じることなく、多数の筒状部がほぼ垂直に垂下して所期の形態に吊下されるようにし、それによって、外観を損なうことなく、ハニカム構造体の筒状部により形成された中空部を通して直射日光を遮る採光と通風を確保し、更に該中空部の正面側からを除く目隠し効果を得られるようにしたすだれ状カーテンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明によれば、可撓性あるシート状材料により形成した中空の筒状部の多数が1〜3層で上下方向に展張・折り畳み自在に連接され、上記各筒状部が、その軸線方向には、単一の筒状部の折り畳み状態における開口部横幅の0.5〜3倍の長さを有するものとして形成されたカーテン材を備え、上記カーテン材の多数の各一端を、それらの筒状部の軸線が水平方向で該多数のカーテン材を並列させる面に直交する方向を向くようにして、上枠に並列状態で密に配列させて固定し、上記上枠に上端を固定した各カーテン材の下端を、操作機構によって昇降可能にした下枠に固定したことを特徴とするすだれ状カーテンが提供される。
【0007】
本発明に係る上記すだれ状カーテンの好ましい実施形態においては、上記カーテン材の全部または一部に、該カーテン材を上下に貫通する昇降紐の挿通孔を設け、該挿通孔に挿通して下端を上記下枠に固定した昇降紐の上端を、上記上枠内において巻取輪に巻取り可能にし、上記操作機構によって上記巻取輪を回転操作可能に形成される。この場合に、上記上枠内に上記カーテン材を並列させる面に沿って水平に伸びる巻取軸を回転自在に架設し、該巻取軸に、上記カーテン材に挿通した各昇降紐の上位に位置させて巻取輪を固定し、上記巻取軸の軸端にそれを回転させる上記操作機構を設けることができる。
【0008】
本発明に係る上記すだれ状カーテンの好ましい実施形態においては、上記上枠と下枠との間にカーテン材の多数を密に配列させて固定したカーテン材列における両側端に、筒状部の軸線方向の長さを除いて上記カーテン材と同形状としたカーテン縁材を、その筒状部の軸線が水平方向で上記カーテン材を並列させた面に平行な方向に向くようにして、上記上枠及び下枠間に固定することができる。
【0009】
本発明の上記すだれ状カーテンにおけるカーテン材は、その中空の筒状部が2層に形成されているのが望ましい。
その場合に、上記シート状材料を一定の幅で交互に反対方向に折り畳み、その折り畳みによって相互に重ねられたシート状材料を、該折り畳みを行った両側の各折り目からそれぞれ上記幅の3分の1だけ内側に寄った位置において、隣接する折り目により開かれる面を該折り目に平行する接合部で接合し、それを各折り畳み部分について繰り返すことにより得られる筒状部の軸線方向の長さを定寸に切断することにより、筒状部が1〜3層で上下方向に展張・折り畳み自在に連接したものとして形成することができる。
【0010】
また、上記すだれ状カーテンにおけるカーテン材は、両端に接着代を有する一定幅の第1のシート状材料を半分に折り畳んでその両端の接着代を相互に接合すると共に、上記接着代側及び折り畳んだ折り目側を重ね合わせてその第1のシート状材料の多数を重積し、該重積により隣接している第1のシート状材料を幅方向の中央部の接合部において順次接合し、一方、上記第1のシート状材料に比して1/2幅で両端に接着代を有する該第1のシート状材料とは異色の第2のシート状材料を半分に折り畳み、その接着代側及び折り畳んだ折り目側を重ね合わせてその第2のシート状材料の多数を重積し、該重積により隣接している第2のシート状材料の相互に重なる接着代を互いに接合すると共に、該接合部分と上記第1のシート状材料における接着代とを相互に接合し、それによって得られた第1及び第2のシート状材料の接合体における筒状部の方向の長さを定寸に切断することにより、筒状部が1〜3層で上下方向に展張・折り畳み自在に連接したものとして形成することもできる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、可撓性あるシート状材料により形成したハニカム構造体を折り畳んだ状態から展張するに際し、極端な変形が生じることなく、筒状部をほぼ垂直に垂下させて所期の形態に吊下でき、それによって、外観を損なうことなく、ハニカム構造体の筒状部により形成された中空部を通して直射日光を遮る採光と通風を確保し、更に該中空部の正面側からを除く目隠し効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るすだれ状カーテンの実施例を、その要部を拡大して示す部分省略斜視図である。
【図2】上記実施例におけるすだれ状カーテンの展張状態を示す正面図である。
【図3】上記実施例におけるすだれ状カーテンの折り畳み状態を示す正面図である。
【図4】上記実施例における要部拡大断面図である。
【図5】上記実施例におけるカーテン材の変形例を示す要部拡大正面図である。
【図6】上記カーテン材の変形例を示す要部拡大正面図で、(A)は中空の筒状部が1層の場合、(B)は同筒状部の上下位置を順次1/2ピッチだけずらして配置した3層の場合を示している。
【図7】上記実施例のカーテン材における遮光作用を説明するための図4におけるA−A位置での断面図である。
【図8】上記カーテン材の折り畳み状態の要部作用説明図である。
【図9】上記カーテン材の上下端への固定板の取り付け構造の変形例を示す一部破断拡大正面図である。
【図10】上記実施例における上枠の内部構造を示す要部拡大断面図図である。
【図11】上記上枠内の一方向回転伝達機構の横断面図である。
【図12】上記上枠における操作機構の断面図である。
【図13】中空の筒状部の多数が蜂の巣状に密に配列されたハニカム構造体をすだれ状カーテンとして用いる場合の説明図であって、(A)はその展張状態を、(B)はその折り畳み状態を示す各説明図である。
【図14】上記ハニカム構造体のすだれ状カーテンとしての使用状態における問題点の模式的説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1〜図12は、本発明に係るすだれ状カーテンの部分的な変形例を含む代表的な実施例を示している。
このすだれ状カーテン1は、図1〜図3に示すように、紙、織布、不織布、あるい合成樹脂シート等の可撓性あるシート状材料12により形成したカーテン材10の多数及びその両側のカーテン縁材11の各上端を、建物開口部の上部に取り付ける上枠2に連結して垂下させ、該各カーテン材10及びカーテン縁材11の下端を、操作機構4によって昇降可能にした下枠3に固定することにより、該カーテン材10及びカーテン縁材11を上下方向に展張・折り畳み自在に構成したものである。上記シート状材料12は、先方を透視できない程度に半透明であり、乱反射による光透過があることが望まれる。
【0014】
図1及び図4に明瞭に示す構成例の上記カーテン材10は、中空の筒状部13が1/2ピッチだけ上下位置をずらして配置された2層のもので、それらの筒状部13の多数が上下方向に展張・折り畳み自在に連接されたものであり、各カーテン材10の一端の上枠2への連結に際しては、該カーテン材10の筒状部13の軸線が水平方向で、該多数のカーテン材10を並列させる面(以下、並列面という。)に直交する方向を向くようにして、つまり、建物開口部において室の内外方向に向くようにして、並列状態で取り付けている。この場合に、図3に示すように、カーテン材10の折り畳み状態では隣接するカーテン材10が接触状態で密に配設される。しかしながら、図2に示すようにカーテン材10を展張した状態では該カーテン材10の間に隙間16が生じることになり、この隙間16を小さくするためにも隣接するカーテン材10を密に並列させることが望まれる。
【0015】
上記カーテン材10における各筒状部13は、その軸線方向の長さb(図7参照)が、単一の筒状部13の折り畳み状態における開口部横幅a(図8参照)の0.5〜3倍、望ましくは、1〜2倍の長さを有するものとして形成される。このような長さに形成すると、図7によって後述するように、太陽Sからの直射日光の適度の遮光と適切な目隠し効果を得ることができる。
【0016】
また、上記カーテン材10の多数を上下枠2,3間に密に配列させて固定したカーテン材列の並列面における両側端には、筒状部13の軸線方向の長さを除いて上記カーテン材10と同形状としたカーテン縁材11を、その筒状部13の軸線が水平方向で上記カーテン材10の並列面に平行する方向に向くように、上記上下枠2,3間に固定している。このカーテン縁材11は、カーテン材列の両端においてカーテン材10の遊動を抑制して、カーテン材10の姿勢の安定化を図るものであるが、必ずしも設ける必要はなく、また、カーテン材列を形成するカーテン材10の数が多いときには、必要に応じてそのカーテン材列中の一部に配設することもできる。
【0017】
上述したカーテン材列及びその両側端に配置したカーテン縁材11は、それらを上下枠2,3に固定するに当たり、図1及び図4に示すように、それらの上下端をそれぞれ固定板18,19に並列状態で接着することによりカーテン組立体5を構成し、それらの固定板18,19を図1に示すように上下枠2,3の互いに対向する開口部口縁21,31の内側に係止させて、該カーテン組立体5を上下枠2,3に取り付けることもできるが、図9に示すように、カーテン材10及びカーテン縁材11の上下端の隣接する筒状部13間のシート状材料12の一部を切除して両筒状部13内の中空部13aを連通させ、それによって生じた幅広の空間20に固定板18,19を嵌挿して、該固定板18,19を上下枠2,3の互いに対向する開口部口縁21,31の内側に係合させることにより取り付けることもできる。
【0018】
なお、上記図9の例では、各カーテン材10の上下端に個別的に固定板18,19を嵌挿する必要があると同時に、各カーテン縁材11の上下端にも個別的に固定板18,19を嵌挿する必要があるので、多数のカーテン材10とその両側のカーテン縁材11とを該固定板18,19により一体化したカーテン組立体5とすることはできないが、ここではそれらを一纏めにしてカーテン組立体と呼ぶことにする。この変形例の場合には、個々のカーテン材10またはカーテン縁材11が損傷したときなどに、その交換を容易に行うことができる。また、この変形例の場合、カーテン縁材11は、その筒状部13のシート状材料12を介して上下枠2,3の互いに対向する開口部口縁21,31の内側に係合させることになる。
【0019】
上記カーテン材10及びカーテン縁材11の素材を製造する場合には、例えば、図4に示すように、上記シート状材料12を一定の幅で交互に反対方向に折り畳み、その折り畳みによって相互に重ねられたシート状材料12を、該折り畳みを行った両側の各折り目14aからそれぞれ上記幅のほぼ3分の1だけ内側に寄った位置において、隣接する折り目14aにより開かれる面を該折り目14aに平行する線状の接合部14bにおいて接合し、それを各折り畳み部分について繰り返すことにより得られる素材における筒状部13の軸線方向の長さを定寸に切断することにより、上記筒状部13が1〜3層で上下方向に展張・折り畳み自在に連接したものとして形成することができる。
【0020】
また、上記カーテン材10及びカーテン縁材11の素材は、図5に示す変形例からわかるように、両端に接着代15bを有する一定幅の第1のシート状材料12aを半分に折り畳んで、その両端の接着代15bを相互に接合すると共に、該接着代15b側及び折り畳んだ折り目15a側がそれぞれ合うように重ね合わせて、その第1のシート状材料12aの多数を重積し、該重積により隣接している第1のシート状材料12aを幅方向のほぼ中央部の線状の接合部15cにおいて順次接合し、一方、上記第1のシート状材料12aに比してほぼ1/2幅で両端に接着代15eを有する該第1のシート状材料12aとは異色の第2のシート状材料12bを半分に折り畳み、その接着代15e側及び折り畳んだ折り目15d側がそれぞれ合うように重ね合わせて、その第2のシート状材料12bの多数を重積し、該重積により隣接している第2のシート状材料12bの相互に重なる接着代15eを互いに接合すると共に、該接合部分と上記第1のシート状材料12aにおける接着代15bの接合部とを相互に接着し、それによって得られた第1及び第2のシート状材料12a,12bの接合体における筒状部13の軸線方向の長さを定寸に切断することにより、筒状部13が1〜3層で上下方向に展張・折り畳み自在に連接したものとして形成することもできる。
【0021】
なお、上記カーテン材10及びカーテン縁材11の素材の形成は、上述した図4または図5の構成に限らず、シート状材料により形成した筒状部13が、図6に示すように、1〜3層で上下方向に順次連接された各種形態に形成することができる。また、上記カーテン材10及びカーテン縁材11からなるカーテン組立体5の上下端の上枠2及び下枠3への固定も、上述した構成例に限らず、他の任意手段を用いることもできる。
【0022】
図6の(A)は、上記カーテン材10を筒状部13が1層のものとして構成した変形例を示し、同図の(B)は、上記カーテン材10における筒状部13を3層として各層の筒状部13の上下位置を順次1/2ピッチだけずらして配置した変形例を示している。上記図6の(A)に示すカーテン材10は、上記シート状材料12を筒状に形成しながら順次連結して形成したものであり、また、同図の(B)に示すカーテン材は、図5に示しているように、一定幅の第1のシート状材料12aを半分に折り畳んで、その両端の接着代15bを相互に接合したうえで、その第1のシート状材料12aの多数を重積して幅方向のほぼ中央部の接合部15cにおいて順次接合したものの一対を、それらの接着代15bを順次相互に接合したものとして構成しているが、そのような構成に限るものではなく、任意手段で1ないし3層に形成することができる。
【0023】
上述の各種カーテン材10を用いたカーテン組立体5を展張し、あるいは、そのカーテン組立体5を上方に折り畳んで建物開口部を開放するため、また、カーテン材10の姿勢を安定化させるため、図1,2及び4に示すように、上記各カーテン材10の中央には、それを上下に貫通する昇降紐25の挿通孔23を設け、該挿通孔23に挿通して下端を上記下枠3またはそれに係合させている固定板19に固定した該昇降紐25の上端を、上記上枠2に係合させた固定板18の挿通孔24を通して該上枠2内に導入し、図10に示すように、該上枠2内において巻取輪27に巻取ることにより、上記下枠3の自重によって緊張状態に保持させるようにしている。なお、図6のカーテン材では上記挿通孔23の図示を省略しているが、幅方向の中央に設けることになる。また、該昇降紐25として、ここでは扁平な断面を有するものを図示しているが、それに限るものではない。
【0024】
上記巻取輪27は、上枠2内において上記カーテン材の並列面に沿って水平に伸びるように回転自在に架設した巻取軸(角軸)26に固定されるが、各カーテン材10に挿通した昇降紐25を個別的に巻き取るために、固定板18における各カーテン材10を固定した位置の上位にそれぞれ配設し、その周溝状の巻取り部分の外周側の溝幅を広くすることにより、昇降紐25の巻取り量を増大させると同時に、巻き取ろうとする昇降紐25の脱輪を抑制するようにしている。そして、該巻取軸26の軸端には、それを回転させる前記操作機構4を設けている。なお、上記巻取輪27は、必ずしも各昇降紐25について個別的に設ける必要はなく、単一の巻取軸として構成することもできる。
また、図示を省略しているが、カーテン縁材11の中央部にも昇降紐25の挿通孔を設けて、上記カーテン材10の場合と同様に該挿通孔に昇降紐を挿通し、その上端を巻取輪に巻き取るようにすることもできる。
【0025】
上記巻取輪27を回転駆動することによりカーテン組立体5の展張・折り畳み操作を行うための操作機構4は、図10〜図12に示すように、上記巻取軸26の軸端に設けられ、該巻取軸26に一方向回転伝達機構35を介して駆動輪36を回転自在に支持させ、該駆動輪36にそれを回転させる操作コード37を巻き掛けている。上記一方向回転伝達機構35は、駆動輪36の回転によっては巻取軸26に回転が伝達されるが、巻取軸26側にカーテン組立体5の重量等に基づく回転力が作用しても、該駆動輪36にその回転力が伝達されないようにしたものである。
【0026】
上記一方向回転伝達機構35は、具体的には、図10及び図11に示すように、上枠2における駆動輪36の軸部36aを支持する端蓋38の軸受部38aに隣接する筒部38bの内面に、両端を中心側に突出させた係止部40aとするコイル状のバネ40を拡径方向の付勢力を持たせて収容し、駆動輪36の軸部36aには、その正逆いずれの回転時にも上記バネ40の両端の係止部40aのいずれかに係止して該バネ40の係止部40aを縮径側に押圧する係止突部41を設け、一方、上記巻取軸26の軸端に設けた連結子43には、駆動輪36の軸部36aに外嵌して一体回転するように連結されるが、上記巻取軸26の回転時に上記バネ40の両端の係止部40aに対して駆動輪36の係止突部41とは反対側に係止する一対の係止部材43aを設けることにより構成している。
【0027】
従って、駆動輪36に巻き掛けた操作コード37を正または逆方向に引くことにより、該駆動輪36の回転が一方向回転伝達機構35を介して上記巻取輪27に伝達され、カーテン組立体5を展張する方向に巻取輪27が回転駆動された場合には、下枠3の重量によって巻取輪27から昇降紐25が繰り出されてカーテン組立体5が展張し、逆方向に巻取輪27が回転駆動された場合には、カーテン組立体5が上枠2に向かって折り畳まれる。この場合には、駆動輪36を正逆いずれの方向に回転させても、一方向回転伝達機構35において駆動輪36の軸部36aに設けた係止突部41がバネ40の係止部40aに係止して該バネ40の係止部40aを縮径方向に押圧するので、上記駆動輪36の軸部36aの回転がそれと一体的に回転する巻取軸26の連結子43に伝達される。
【0028】
一方、下枠3を下方に引いてカーテン組立体5を展張しようとするなど、巻取軸26側に回転駆動力が作用しても、該巻取軸26の軸端に設けた連結子43における係止部材43aが上記バネ40の両端の係止部40aを該バネ40が拡径する方向に押圧するので、該バネ40が周囲の筒部38bの内面に対して強く圧接され、両者間の摩擦力により連結子43における係止部材43aの回転が抑制され、カーテン組立体5が展張し、あるいは折り畳まれることはない。
なお、ここでは、操作機構4として、上記操作コード37により駆動輪36を回転させて巻取軸26に回転を伝達するように構成しているが、巻取軸26の回転はそのような構成に限るものではない。
【0029】
次に、上述した構成を有するすだれ状スクリーンにおいて、上記筒状部13により形成された中空部13aを通して直射日光を遮る採光と通風を確保し、更に該中空部13aの正面側からを除く目隠し効果が得られる点について説明する。
図8に示すように、上記カーテン材10の単一の筒状部13がその折り畳み状態において開口部横幅aを有しているとし、その筒状部13がカーテン材10の展張により図2や図4〜6に示すような形状になった場合に、その開口形状がほぼ円であると仮定すると、筒状部13の径、つまり、図7における長さcは、ほぼ〔0.64×a〕程度になる。
【0030】
一方、本発明においては、上記カーテン材10の筒状部13の軸線方向の長さb(図7参照)が、上記開口部横幅aの0.5〜3倍、望ましくはaの1〜2倍の長さを有するものとしているので、図7に示すカーテン材10の筒状部13において、例えば、その筒状部13の長さbが開口部横幅aの0.5倍であるとし、b=〔0.5×a〕とすると、太陽Sからの直射日光が筒状部13を通して室内に入射する最大の仰角θは、tanθ=c/b=0.64/0.5の関係から、52°程度となり、南向きの窓にこのすだれ状カーテン1を設置したとしても、夏の昼間の直射日光は遮ることができる。但し、日当たりのよい西向き窓に設置した場合には西日が入るので、上記長さbを更に大きいものにすることが望まれる。いずれの場合も十分な通気及び採光を行えるのは勿論である。
【0031】
また、筒状部13の長さbが開口部横幅aの3倍であるとすると、太陽Sからの直射日光が筒状部13を通して室内に入射する最大の仰角θは12°程度となり、朝日や夕日程度しか直射日光が室内に入射しなくなる。更に、筒状部13の長さbが開口部横幅aの1倍である場合には、直射日光が筒状部13を通して室内に入射する最大の仰角θが33°程度となり、筒状部13の長さbが開口部横幅aの2倍である場合には、直射日光が筒状部13を通して室内に入射する最大の仰角θが17°程度となり、窓の設置の向きにもよるが、上記筒状部13により形成された中空部を通して適度に直射日光を遮る採光と通風を確保することができる。
【0032】
なお、ここでは筒状部13の開口形状がほぼ円になると仮定して、筒状部13の径がほぼ〔0.64×a〕程度になるとして上記仰角θを求めているが、図示した実施例から明らかなように、実際上は図7における長さcは更に短いものとして仕様が設定され、図14からわかるように、カーテン材10を展張させた場合に、展張した下部では横幅Laが大きく短縮するのを避けるため、カーテン組立体5を通して直射日光が室内に入射するのを更に遮ることができる。
【0033】
一方、上記筒状部13を有するカーテン組立体5は、屋外の正面側から見れば室内を見通すことができるが、筒状部13の軸線方向に対して、上述した直射日光が入射する最大の仰角θと同程度の角度だけ傾いた方向から見れば室内を透視することができず、しかも視線が同角度よりも小さい角度であっても、筒状部13の開口形状が実際には菱形に近いものになって、その開口の左右両端部分においては面積が狭窄化されるので、多数の微小部分しか室内を見通すことができず、室内を見通すときの角度に応じて室内を明確に覗き見できる範囲が大きく制限され、すぐれた目隠し効果を得ることができる。
【0034】
一方、上述したように、中空の筒状部13の多数が1〜3層で上下方向に展張・折り畳み自在に連接されたカーテン材10の多数の各一端を、それらの筒状部13の軸線が水平方向で該多数のカーテン材10の並列面に直交する方向を向くようにして、上枠2に並列状態で密に配列させて固定したときには、図2に示すように各カーテン材10を展張した状態では、各カーテン材10の間に隙間16が生じることになり、そして、各カーテン材10が多層になればなる程、その隙間16の幅が大きくなり、筒状部13の長さを目隠し効果が得られるように設定してもそれが無意味になる。
【0035】
この隙間16を小さくするために、隣接するカーテン材10を密に並列させるが、図2に示すように、筒状部13が2層のカーテン材10を用いた場合には、ほぼ同図に示すような隙間16が生じることになり、この程度の隙間であれば目隠し効果を格別損なうものではないが、筒状部13が4層にもなるようなカーテン材を用いると、図6の(B)に鎖線で付記(図の筒状部は3層であるが4層と仮定して付記)したように、隣接するカーテン材10との間に比較的大きな隙間が生じることになり、かかる隙間が生じるようでは、目隠し効果が大きく損なわれるだけでなく、正面に位置する太陽の直射日光も相当量が入射することになる。従って、上記カーテン材の筒状部13は3層までとするのが適切である。
【符号の説明】
【0036】
1 すだれ状カーテン
2 上枠
3 下枠
4 操作機構
10 カーテン材
11 カーテン縁材
12,12a,12b シート状材料
13 筒状部
13a 中空部
14a,15a,15d 折り目
14b,15c 接合部
15b,15e 接着代
23 挿通孔
25 昇降紐
26 巻取軸
27 巻取輪
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性あるシート状材料により形成した中空の筒状部の多数が1〜3層で上下方向に展張・折り畳み自在に連接され、各筒状部がその軸線方向には単一の筒状部の折り畳み状態における開口部横幅の0.5〜3倍の長さを有するものとして形成されたカーテン材を備え、
上記カーテン材の多数の各一端を、それらの筒状部の軸線が水平方向で該多数のカーテン材を並列させる面に直交する方向を向くようにして、上枠に並列状態で密に配列させて固定し、
上記上枠に上端を固定した各カーテン材の下端を、操作機構によって昇降可能にした下枠に固定した、
ことを特徴とするすだれ状カーテン。
【請求項2】
上記カーテン材の全部または一部に、該カーテン材を上下に貫通する昇降紐の挿通孔を設け、該挿通孔に挿通して下端を上記下枠に固定した昇降紐の上端を、上記上枠内において巻取輪に巻取り可能にし、上記操作機構によって上記巻取輪を回転操作可能にした、
ことを特徴とする請求項1に記載のすだれ状カーテン。
【請求項3】
上記上枠内に上記カーテン材を並列させる面に沿って水平に伸びる巻取軸を回転自在に架設し、該巻取軸に、上記カーテン材に挿通した各昇降紐の上位に位置させて巻取輪を固定し、上記巻取軸の軸端にそれを回転させる上記操作機構を設けた、
ことを特徴とする請求項2に記載のすだれ状カーテン。
【請求項4】
上記上枠と下枠との間にカーテン材の多数を密に配列させて固定したカーテン材列における両側端に、筒状部の軸線方向の長さを除いて上記カーテン材と同形状としたカーテン縁材を、その筒状部の軸線が水平方向で上記カーテン材を並列させた面に平行な方向に向くようにして、上記上枠及び下枠間に固定した、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のすだれ状カーテン。
【請求項5】
上記カーテン材に形成した中空の筒状部が2層に形成されている、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のすだれ状カーテン。
【請求項6】
上記カーテン材が、上記シート状材料を一定の幅で交互に反対方向に折り畳み、その折り畳みによって相互に重ねられたシート状材料を、該折り畳みを行った両側の各折り目からそれぞれ上記幅の3分の1だけ内側に寄った位置において、隣接する折り目により開かれる面を該折り目に平行する接合部で接合し、それを各折り畳み部分について繰り返すことにより得られる筒状部の軸線方向の長さを定寸に切断することにより、筒状部が2層で上下方向に展張・折り畳み自在に連接したものとして形成されている、
ことを特徴とする請求項5に記載のすだれ状カーテン。
【請求項7】
上記カーテン材が、両端に接着代を有する一定幅の第1のシート状材料を半分に折り畳んでその両端の接着代を相互に接合すると共に、上記接着代側及び折り畳んだ折り目側を重ね合わせてその第1のシート状材料の多数を重積し、該重積により隣接している第1のシート状材料を幅方向の中央部の接合部において順次接合し、
一方、上記第1のシート状材料に比して1/2幅で両端に接着代を有する該第1のシート状材料とは異色の第2のシート状材料を半分に折り畳み、その接着代側及び折り畳んだ折り目側を重ね合わせてその第2のシート状材料の多数を重積し、該重積により隣接している第2のシート状材料の相互に重なる接着代を互いに接合すると共に、該接合部分と上記第1のシート状材料における接着代とを相互に接合し、
それによって得られた第1及び第2のシート状材料の接合体における筒状部の方向の長さを定寸に切断することにより、筒状部が2層で上下方向に展張・折り畳み自在に連接したものとして形成されている、
ことを特徴とする請求項5に記載のすだれ状カーテン。
【請求項1】
可撓性あるシート状材料により形成した中空の筒状部の多数が1〜3層で上下方向に展張・折り畳み自在に連接され、各筒状部がその軸線方向には単一の筒状部の折り畳み状態における開口部横幅の0.5〜3倍の長さを有するものとして形成されたカーテン材を備え、
上記カーテン材の多数の各一端を、それらの筒状部の軸線が水平方向で該多数のカーテン材を並列させる面に直交する方向を向くようにして、上枠に並列状態で密に配列させて固定し、
上記上枠に上端を固定した各カーテン材の下端を、操作機構によって昇降可能にした下枠に固定した、
ことを特徴とするすだれ状カーテン。
【請求項2】
上記カーテン材の全部または一部に、該カーテン材を上下に貫通する昇降紐の挿通孔を設け、該挿通孔に挿通して下端を上記下枠に固定した昇降紐の上端を、上記上枠内において巻取輪に巻取り可能にし、上記操作機構によって上記巻取輪を回転操作可能にした、
ことを特徴とする請求項1に記載のすだれ状カーテン。
【請求項3】
上記上枠内に上記カーテン材を並列させる面に沿って水平に伸びる巻取軸を回転自在に架設し、該巻取軸に、上記カーテン材に挿通した各昇降紐の上位に位置させて巻取輪を固定し、上記巻取軸の軸端にそれを回転させる上記操作機構を設けた、
ことを特徴とする請求項2に記載のすだれ状カーテン。
【請求項4】
上記上枠と下枠との間にカーテン材の多数を密に配列させて固定したカーテン材列における両側端に、筒状部の軸線方向の長さを除いて上記カーテン材と同形状としたカーテン縁材を、その筒状部の軸線が水平方向で上記カーテン材を並列させた面に平行な方向に向くようにして、上記上枠及び下枠間に固定した、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のすだれ状カーテン。
【請求項5】
上記カーテン材に形成した中空の筒状部が2層に形成されている、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のすだれ状カーテン。
【請求項6】
上記カーテン材が、上記シート状材料を一定の幅で交互に反対方向に折り畳み、その折り畳みによって相互に重ねられたシート状材料を、該折り畳みを行った両側の各折り目からそれぞれ上記幅の3分の1だけ内側に寄った位置において、隣接する折り目により開かれる面を該折り目に平行する接合部で接合し、それを各折り畳み部分について繰り返すことにより得られる筒状部の軸線方向の長さを定寸に切断することにより、筒状部が2層で上下方向に展張・折り畳み自在に連接したものとして形成されている、
ことを特徴とする請求項5に記載のすだれ状カーテン。
【請求項7】
上記カーテン材が、両端に接着代を有する一定幅の第1のシート状材料を半分に折り畳んでその両端の接着代を相互に接合すると共に、上記接着代側及び折り畳んだ折り目側を重ね合わせてその第1のシート状材料の多数を重積し、該重積により隣接している第1のシート状材料を幅方向の中央部の接合部において順次接合し、
一方、上記第1のシート状材料に比して1/2幅で両端に接着代を有する該第1のシート状材料とは異色の第2のシート状材料を半分に折り畳み、その接着代側及び折り畳んだ折り目側を重ね合わせてその第2のシート状材料の多数を重積し、該重積により隣接している第2のシート状材料の相互に重なる接着代を互いに接合すると共に、該接合部分と上記第1のシート状材料における接着代とを相互に接合し、
それによって得られた第1及び第2のシート状材料の接合体における筒状部の方向の長さを定寸に切断することにより、筒状部が2層で上下方向に展張・折り畳み自在に連接したものとして形成されている、
ことを特徴とする請求項5に記載のすだれ状カーテン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−104168(P2011−104168A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−263237(P2009−263237)
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【出願人】(000107929)セイキ総業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【出願人】(000107929)セイキ総業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
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