説明

きのこの人工培養基およびそれを用いたきのこの人工栽培方法

【課題】 形や大きさが良好なきのこを高い収率で、短期間で栽培できるきのこの人工培養基及びそれを用いたきのこの人工栽培方法を提供する。
【解決手段】 アルミノケイ酸カルシウムガラスと、アルカリ土類金属の酸化物(CaO、MgOなど)、アルカリ土類金属の水酸化物(Ca(OH)2、Mg(OH)2など)、及びアルカリ土類金属の複合水酸化物(CaO-Al2O3-SiO2-H2O系化合物、CaO-Al2O3-H2O系化合物、CaO-SiO2-H2O系化合物、MgO-Al2O3-SiO2-H2O系化合物、MgO-Al2O3-H2O系化合物、MgO-SiO2-H2O系化合物など)からなる群から選ばれた1種又は2種以上を含有してなるきのこの人工培養基及びそれを用いたきのこの人工培養方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、きのこの人工培養基およびそれを用いたきのこの人工栽培方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、きのこの栽培は、くぬぎ、ぶな、及びならなどの原木を利用したほだ木栽培がほとんどであり、そのため気象条件により収穫が左右されることが多いという問題があった。また、ほだ木栽培では栽培期間が長く、種菌の接種からきのこの収穫までに1年半〜2年も要するので、生産コストが相当高くつくという問題もあった。
【0003】
そこで近年、えのきたけ、ひらたけ、なめこ、及びしいたけなどは、鋸屑に米糠を配合した人工培養基を用い、瓶又は箱で培養を行う菌床人工栽培方法が確立され、一年を通じて、四季に関係なく安定してこれらのきのこが収穫できるようになっている。即ち、農家での副業的性格が強く、小規模生産に頼っていた従来のきのこの栽培が、現在では大規模専業生産が可能で、かつ、原料が入手しやすい菌床人工栽培方法に移りつつある。しかしながら、この菌床人工栽培においても、きのこを大量に連続栽培するには、いまだ収率も低く、かつ、栽培期間がかなり長いため、その生産コストは安価とは言えず、今後、これら生産性の改善が切望されている。
【0004】
生産性を改善する方法として培地に特定の化合物を配合する方法が知られている。例えば、アルミノシリケート系化合物(特許文献1)やマグネシウムアルミニウムシリケート系化合物(特許文献2、特許文献3)、アルミノケイ酸カルシウム系化合物(特許文献4、特許文献5、特許文献6)、カルシウムアルミネート系化合物(特許文献7、特許文献8)などが挙げられる。
【0005】
【特許文献1】特許第2829400号公報
【特許文献2】特許第2860959号公報
【特許文献3】特開2002-119133号公報
【特許文献4】特許第2766702号公報
【特許文献5】特開平11-243773号公報
【特許文献6】特開2003-70351号公報
【特許文献7】特許第3534295号公報
【特許文献8】特開平2003-70349号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような問題を解決しようとするものであり、形や大きさが良好なきのこを高い収率で、短期間で栽培できるきのこの人工培養基及びそれを用いたきのこの人工栽培方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、アルミノケイ酸カルシウムガラスと、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、及びアルカリ土類金属の複合水酸化物からなる群から選ばれた1種又は2種以上を併用することにより、形や大きさが良好なきのこを高い収率で栽培できるとの知見に基づいてなされたものである。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
(1)アルミノケイ酸カルシウムガラスと、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、及びアルカリ土類金属の複合水酸化物からなる群から選ばれた1種又は2種以上を含有してなるきのこの人工培養基である。
(2)前記アルミノケイ酸カルシウムガラスは、CaO含有率が30〜60質量%、Al2O3含有率が10〜65質量%、SiO2含有率が5〜45質量%であることを特徴とする前記(1)のきのこの人工培養基である。
(3)前記アルミノケイ酸カルシウムガラスは、ブレーン法による比表面積値が2,000cm2/g以上であることを特徴とする前記(1)又は(2)のきのこの人工培養基である。
(4)前記アルミノケイ酸カルシウムガラスは、ガラス化率が50質量%以上であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一つのきのこの人工培養基である。
(5)前記アルカリ土類金属の酸化物が、CaO及び/又はMgOであることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか一つのきのこの人工培養基である。
(6)前記アルカリ土類金属の水酸化物が、Ca(OH)2及び/又はMg(OH)2であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか一つのきのこの人工培養基である。
(7)前記アルカリ土類金属の複合水酸化物が、CaO-Al2O3-SiO2-H2O系化合物、CaO-Al2O3-H2O系化合物、及びCaO-SiO2-H2O系化合物からなる群から選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか一つのきのこの人工培養基である。
(8)前記アルカリ土類金属複合水酸化物が、MgO-Al2O3-SiO2-H2O系化合物、MgO-Al2O3-H2O系化合物、及びMgO-SiO2-H2O系化合物からなる群から選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれか一つのきのこの人工培養基である。
(9)前記(1)〜(8)のいずれか一つのきのこの人工培養基を用いてなるきのこの人工栽培方法である。
なお、本発明で使用する部や%は、特に規定のない限り質量基準である。
【発明の効果】
【0008】
本発明のきのこの人工培養基を使用することによって、形や大きさが良好なきのこを高い収率で栽培することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明で使用する人工培養基とは、鋸屑、ふすま、及びもみがらなどの炭素源と、米糠や大豆粕等の窒素源を主体とし、アルミノケイ酸カルシウムガラスと、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、及びアルカリ土類金属の複合水酸化物からなる群から選ばれた1種または2種以上を必須成分とする。これらの混合物に水を適当量加え、これを瓶又は箱に圧詰めしてきのこの人工培養基となる。
【0010】
炭素源量、窒素源量、及び水量は、その種類や含有水分量等により変化し、一義的に決定されるものではない。例えば、炭素源として鋸屑を用いる場合、鋸屑は、乾燥状態で培地全乾物量の20〜90質量%程度の範囲で使用することができるが、この量は窒素源として用いる培地成分によって変動する。例えば、窒素源に米糠を使用する場合、鋸屑は乾物量として培地全乾物量の20〜90質量%の範囲で使用するが、鋸屑と米糠を質量比で1:1で混合した混合物に水を加えて、含水率を55〜70質量%に調整したものを、瓶又は箱に圧詰めして調製することが好ましい。また、鋸屑としては広葉樹鋸屑あるいは針葉樹鋸屑をそれぞれ単独あるいは混合して使用することも可能である。
【0011】
本発明で使用するアルミノケイ酸カルシウムガラスとは、CaO、Al2O3、SiO2を電気炉や高周波炉などで加熱溶融したもので、CaO原料としては生石灰、消石灰、石灰石などが使用でき、Al2O3原料としてはアルミナ、ボーキサイトなどが使用でき、SIO2原料としてはケイ石、ケイ砂、石英などが使用可能である。
なお、これら原料中にはMgO、TiO2、Fe2O3、Na2O、K2Oなどの不純物が含まれているが、本発明の効果を阻害しない範囲であれば許容されるものである。
【0012】
アルミノケイ酸カルシウムガラスのCaO含有率は30〜60質量%、Al2O3含有率は10〜65質量%、SiO2含有率は5〜45質量%が好ましく、CaO含有率は40〜60質量%、Al2O3含有率は10〜40質量%、SiO2含有率は10〜40質量%がより好ましい。この範囲外ではきのこの品質および収率の向上が不十分な場合がある。
【0013】
本発明のアルミノケイ酸カルシウムガラスのガラス化率は50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。50質量%未満ではきのこの品質と収率の向上が不十分な場合がある。
ガラス化率の測定方法は、下記に示すX線回折リートベルト法によって行った。粉砕した試料に酸化アルミニウムや酸化マグネシウムなどの内部標準物質を所定量添加し、めのう乳鉢で充分混合したのち、粉末X線回折測定を実施する。測定結果を定量ソフトで解析し、ガラス化率を求める。定量ソフトには、Sietronics社製の「SIROQUANT」などを用いることができる。
【0014】
本発明で使用するアルミノケイ酸カルシウムガラスの粒度はブレーン法による比表面積値で2,000cm2/g以上が好ましく、2,000〜10,000cm2/gがより好ましく、4,000〜8,000cm2/gが特に好ましい。2,000cm2/g未満ではきのこの品質と収率の向上が不十分な場合があり、10,000cm2/gを超えると粉砕に多くの動力が必要となるため不経済になる恐れがある。
【0015】
本発明で使用するアルカリ土類金属の酸化物には、酸化ベリリウム(BeO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンリウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、カルシウムシリケート(例えば2CaO・SiO2や3CaO・SiO2)、ポルトランドセメントなどがある。この中でも、きのこの品質および収率の向上と経済性の観点から、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)を用いることが好ましい。
【0016】
本発明で使用するアルカリ土類金属水酸化物、複合水酸化物には、結晶質または非晶質のものがあるがいずれも使用可能である。結晶質のアルカリ土類金属の水酸化物としては、Ca(OH)2、Mg (OH)2などがあり、アルカリ土類金属の複合水酸化物としては、2CaO-Al2O3-SiO2-8H2OなどのCaO-Al2O3-SiO2-H2O系化合物、2CaO-Al2O3-8H2OなどのCaO-Al2O3-H2O系化合物、5CaO-6SiO2-5H2O(トバモライト)などのCaO-SiO2-H2O系化合物などがある。Caの部分がBe、Mg、Sr、Baで置き換わった水酸化物および複合水酸化物も使用可能であるが、きのこの品質および収率の向上と経済性の観点からMg、Caを用いることが好ましい。
また、水酸化物および複合水酸化物が炭酸化された物質も使用可能であり、例として塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイトなどが挙げられる。
【0017】
各複合水酸化物の組成比は特に限定されるものではないが、CaOなどのアルカリ土類金属酸化物の含有率は10〜60質量%、Al2O3の含有率は0〜50質量%、SiO2の含有率は0〜50質量%、H2Oの含有率は10〜50%が好ましい。前記範囲外では、きのこの品質および収率の向上が不充分な場合がある。
これらの複合水酸化物は、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、水酸化アルミニウム、シリカゾル、シリカゲルなどを原料として水熱合成しても良いし、カルシウムアルミネート化合物のように水和活性を示すものはCaOとAl2O3を焼成し、水と反応させて複合水酸化物を合成しても構わない。
【0018】
本発明で使用するアルミノケイ酸カルシウムガラス、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、及びアルカリ土類金属の複合水酸化物の使用量は培地や栽培するきのこの種類によって変化するため特に限定されるものではないが、通常、人工培養基1000質量部に対して、アルミノケイ酸カルシウムガラスを1〜5質量部、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、及びアルカリ土類金属の複合水酸化物からなる群から選ばれた1種又は2種以上を1〜5質量部併用することが好ましい。
それぞれは従来きのこの収量を向上させる目的で使用されているが、両者を併用することによって相乗効果を呈し、きのこの品質および収量が大幅に向上する。
【0019】
本発明で栽培されるきのこは人工栽培できるきのこであり、例えば、えのきたけ、ひらたけ、なめこ、ぶなしめじ、まいたけ、きくらげ、さるのこしかけ、及びしいたけなどが挙げられる。
【実施例1】
【0020】
カルシウム原料、アルミニウム原料、シリカ原料を所定の割合で混合し、高周波炉で溶融後急冷却し表1に示すアルミノケイ酸カルシウムガラス(ガラス化率100%)を合成し、粉砕してブレーン比表面積6,000cm2/gに粉砕した。
また、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカゾルを用いて下記に示す組成の複合水酸化物Aを水熱合成した。
【0021】
一方、広葉樹鋸屑250g、針葉樹鋸屑250g、米糠500g、水140mlからなる培地を調製し、培地1000質量部に対して表1に示したアルミノケイ酸カルシウムおよびアルカリ土類金属の複合水酸化物Aをそれぞれ2質量部の割合で配合した後、混合し、プラスチック製850ml広口瓶に圧詰めした。
その後、120℃飽和蒸気圧下で加熱殺菌後、ブナシメジの菌を植え付け、暗所、温度25℃、湿度55%の条件下で2ヶ月間かけて菌を培養した。
菌の培養後、広口瓶の中央に直径1cm程度の穴を開け(菌かき)、充分に吸水させた後15℃、湿度95%、照度20ルックスの条件下で4日間培養して子実体原基を形成し、照度を200ルックスに上げて2週間程度培養を続け、子実体の収量および品質を評価した。
なお、アルミノケイ酸カルシウムガラスだけを用いた場合、アルカリ土類金属の複合水酸化物Aだけを用いた場合、両方とも用いなかった場合を比較例とした。結果を表1に示す。
【0022】
「使用材料」
炭酸カルシウム:試薬1級
酸化アルミニウム:試薬1級
二酸化ケイ素:試薬1級
水酸化マグネシウム:試薬1級
水酸化アルミニウム:試薬1級
シリカゾル:日産化学製
複合水酸化物A:MgO-Al2O3-SiO2-H2O系水和物、元素含有量MgO:17.9%、Al2O3:26.4%、SiO2:23.0%、H2O:32.7%、算術平均粒子径15μm。
広葉樹鋸屑:ぶな材の鋸屑
針葉樹鋸屑:すぎ材の鋸屑
米糠:市販品
水:純水
【0023】
「測定方法」
コントロール対比(収率):アルミノケイ酸カルシウムガラスおよび複合水酸化物を添加した場合の子実体収量(g)/無添加の子実体収量(g) × 100(%)
品質:下記基準に基づいて目視評価
優 :子実体の大きさが揃っていて、傘の開きがない。
可 :子実体の大きさが揃っていない、もしくは傘がやや開き気味。
不可:子実体の大きさが揃っておらず、傘もやや開き気味。
【0024】
【表1】

【0025】
表1に示すように、特定組成のアルミノケイ酸カルシウムガラスとアルカリ土類金属の複合水酸化物を併用するとぶなしめじの品質および収量が向上することが分かる。
【実施例2】
【0026】
CaO:50.0%、Al2O3:20.0%、SiO2:30.0%、ガラス化率100%、ブレーン比表面積6,000cm2/gのアルミノケイ酸カルシウムガラスを使用し、併用するアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、又は複合水酸化物を表2に示すものに代えたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
【0027】
「使用材料」
水酸化マグネシウム:試薬1級
水酸化カルシウム:試薬1級
水酸化アルミニウム:試薬1級
シリカゾル:日産化学製
水:純水
【0028】
【表2】

【0029】
表2に示すように、特定組成のアルミノケイ酸カルシウムガラスと、アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、又は複合水酸化物を併用するとぶなしめじの品質および収量が向上することが分かる。
【実施例3】
【0030】
No.1-9の配合でCaO:50.0%、Al2O3:20.0%、SiO2:30.0%、ガラス化率100%のアルミノケイ酸カルシウムガラスと、MgO:17.9%、Al2O3:26.4%、SiO2:23.0%、H2O:32.7%の複合水酸化物Aを使用し、アルミノケイ酸カルシウムガラスのブレーン比表面積値を表3に示すように変化させたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
【0031】
【表3】

【0032】
表3に示すように、アルミノケイ酸カルシウムガラスのブレーン比表面積が大きく粒度が細かい程、きのこの収量が向上することが分かる。
【実施例4】
【0033】
No.1-9の配合でアルミノケイ酸カルシウムガラス(ブレーン比表面積6,000cm2/g)のガラス化率を表4に示すように変化させたこと以外は実施例3と同様に行った。結果を表4に示す。
【0034】
【表4】

【0035】
表4に示すように、アルミノケイ酸カルシウムガラスのガラス化率が高まる程、きのこの収量が向上することが分かる。
【実施例5】
【0036】
アルミノケイ酸カルシウムガラス(ブレーン比表面積6,000cm2/g)とアルカリ土類金属の複合水酸化物の配合比率を表5に示すように変化させたこと以外は実施例3と同様に行った。結果を表5に示す。
【0037】
【表5】

【0038】
表5に示すように、特定組成のアルミノケイ酸カルシウムガラスとアルカリ土類金属の複合水酸化物を併用すると、ぶなしめじの品質および収量が向上することが分かる。
【実施例6】
【0039】
CaO:50.0%、Al2O3:20.0%、SiO2:30.0%、ガラス化率100%、ブレーン比表面積6,000cm2/gのアルミノケイ酸カルシウムガラスを用意した。これにアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、複合水酸化物として、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、複合水酸化物Aを表6に示す割合で併用したこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表6に示す。
【0040】
「使用材料」
酸化マグネシウム:試薬1級
水酸化マグネシウム:試薬1級
複合水酸化物A:MgO-Al2O3-SiO2-H2O系水和物、元素含有量MgO:17.9%、Al2O3:26.4%、SiO2:23.0%、H2O:32.7%、算術平均粒子径15μm。
【0041】
【表6】

【0042】
表6に示すように、特定組成のアルミノケイ酸カルシウムガラスと、アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、及び複合水酸化物から選ばれた2種を併用すると、さらに、ぶなしめじの品質および収量が向上することが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミノケイ酸カルシウムガラスと、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、及びアルカリ土類金属の複合水酸化物からなる群から選ばれた1種又は2種以上を含有してなるきのこの人工培養基。
【請求項2】
前記アルミノケイ酸カルシウムガラスは、CaO含有率が30〜60質量%、Al2O3含有率が10〜65質量%、SiO2含有率が5〜45質量%であることを特徴とする請求項1に記載のきのこの人工培養基。
【請求項3】
前記アルミノケイ酸カルシウムガラスは、ブレーン法による比表面積値が2,000cm2/g以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のきのこの人工培養基。
【請求項4】
前記アルミノケイ酸カルシウムガラスは、ガラス化率が50質量%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のきのこの人工培養基。
【請求項5】
前記アルカリ土類金属の酸化物が、CaO及び/又はMgOであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のきのこの人工培養基。
【請求項6】
前記アルカリ土類金属の水酸化物が、Ca(OH)2及び/又はMg(OH)2であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のきのこの人工培養基。
【請求項7】
前記アルカリ土類金属の複合水酸化物が、CaO-Al2O3-SiO2-H2O系化合物、CaO-Al2O3-H2O系化合物、及びCaO-SiO2-H2O系化合物からなる群から選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のきのこの人工培養基。
【請求項8】
前記アルカリ土類金属複合水酸化物が、MgO-Al2O3-SiO2-H2O系化合物、MgO-Al2O3-H2O系化合物、及びMgO-SiO2-H2O系化合物からなる群から選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のきのこの人工培養基。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のきのこの人工培養基を用いてなるきのこの人工栽培方法。

【公開番号】特開2006−271303(P2006−271303A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−98087(P2005−98087)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000003296)電気化学工業株式会社 (1,539)
【出願人】(591062146)社団法人長野県農村工業研究所 (12)
【Fターム(参考)】