説明

たばこの製造及び/又は包装の最に検査すべき対象の検査を行う方法および装置

本発明は、たばこの製造及び/又は包装の際に検査すべき対象(24)(検査対象)を検査する方法であって、特に、たばこパッケージ又はたばこパッケージのブランク上の、又はこれらに対する印刷及び/又は印刷用紙を検査する方法であり、少なくとも一つの検査対象(24)が、適当な光センサー(31)、特にカメラのような光電子検査機器によって、光学的検査を行われる方法と装置に関する。検査対象(24)及び/又は検査対象背景(11)は、波長変更可能な照明装置(34)の光を照射され、その際、検査対象(24)と検査対象背景(11)の間のコントラストを改善するために、照射装置(34)から発せられる光の波長は、好ましくは自動的に調整され、より好ましくはこれが、生産されるべきパッケージタイプ(10)及び/又は検査対象(24)の少なくとも一つの特徴及び/又は検査対象背景(11)の少なくとも一つの特徴に応じて行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たばこの製造及び/又は包装の際に検査すべき対象(検査対象)を検査する方法であって、特に、たばこパッケージ又はたばこパッケージのブランク上の、又はこれらに対する印刷及び/又は印刷用紙を検査する方法であり、少なくとも一つの検査対象が、適当な光センサー、特にカメラのような光電子検査機器によって、光学的検査を行われる方法に関する。本発明は、さらにこの方法を実施するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パッケージのブランクまたはパッケージにもたらされる、例えばバーコードのようなたばこパッケージ上の印刷、や、例えば帯封、クーポンなどのような印刷用紙を検査又は監視する際に、検査すべき対象が、しばしば、これらが位置している背景から十分に際立って見えないということは問題である。例えば、印刷用紙はしばしば黒色のような暗い色であり、たばこパッケージ上の同様に暗い箇所にもたらされる。通常は、例えばCCDセンサーのような電子光学的な画像センサーを有する電子カメラである光センサーは、このようなコントラストの低い画像を、しばしば解像することができないか、または不十分にのみ解像可能である。従って、取得した画像の評価は、困難をもたらすので、評価エラーが起こりうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに端を発し、本発明の課題は、たばこパッケージ及び/又はたばこの製造の際に、検査対象背景に対して比較的低いコントラストを有する検査対象が、可能な限り信頼性高く取得され、および評価されることができる、冒頭に記載した方式の方法を提供することである。
【0004】
更に本発明の課題は、本発明に係る方法を実施するのに適した検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1に記載の特徴を有する方法および請求項9に記載の特徴を有する装置によって解決される。
【0006】
それによれば、冒頭に記載した検査方法は、検査対象が、波長変更可能な照明装置の光を照射され、その際、検査対象と検査対象背景の間のコントラストを改善するために、照射装置から発せられる光の波長が、好ましくは自動的に調整され、より好ましくはこれが、生産されるべきパッケージタイプ及び/又は検査対象の少なくとも一つの特徴及び/又は検査対象背景の少なくとも一つの特徴に応じて行われる
【0007】
よって、発明にしたがい、検査対象、特に、たばこパッケージ又はたばこパッケージのブランク上の、又はこれらに対する印刷及び/又は印刷用紙、及び/又は検査対象背景は、検査過程の間特別な方法で照射される。この照射は、その際、検査対象及び/又は検査対象背景に合わせられた波長の光によって行われる。
【0008】
その際、より好ましくは、照射される光の波長が、検査対象及び/又は検査対象背景の色に直接合わされている。好ましくは、照射装置が検査対象及び/又は検査対象背景を照射する光の波長値または光の少なくとも一つの波長値が、検査対象背景の色の波長値または色の少なくとも一つの波長値に相当するか、または検査対象背景の色に対する補色の波長値または補色の少なくとも一つの波長値に相当する。この措置によって、通常は、特別高いコントラストが達成される。
【0009】
発明にしたがい改善されたコントラストのもと検査対象及び/又は検査対象背景の画像を取得した後、取得した画像の公知の方法による評価が行われる。通常、取得した画像は、その際、参照検査対象または参照検査対象背景の前もって撮影されそして保存された画像と比較され、そしてばらつきが登録されかつ判定される。ばらつきが、例えば所定の程度を超える場合、エラーシグナルが発せられる。その結果、ばらつきに係るたばこパッケージが、(場合によってはその後のたばこパッケージとともに)製造プロセスから排出されることができる。
【0010】
照射装置から発せられる光の波長または色に関して、通常これらは、検査対象及び/又は検査対象背景の間のコントラストが、可能な限り高くなるよう選択される。好ましくはその際、コントラストは、他の可能な照射色と比較して高い、つまり最大である。
【0011】
波長変更可能な照射装置の光は、好ましくは単色である。しかしながら基本的には、混合光として、複数の波長からなることもまた可能である。
【0012】
本発明の有利な実施形では、データバンク内に、異なるたばこパッケージタイプ及び/又は異なる検査対象)及び/又は異なる検査対象背景のために、検査過程中に調整されるべき、照射装置の光波長が保存されている。これは、適当な制御装置によって、製造されるべきパッケージタイプ及び/又は検査されるべき検査対象及び/又は検査対象背景に応じて選択され、かつ照射装置に目標値として伝送される。
【0013】
場合によっては、データバンク内に同様の方法で、照射装置を制御するための別の制御パラメーター、特に光強度値等が保管されることが可能である。
【0014】
例えば、ブランド変更の際、つまり製造すべきパッケージタイプを交換する場合、光波長値と場合によっては、別の照射パラメーターが、新しく製造されるべきパッケージタイプに応じてデータバンクから読み込まれることが可能である。照射装置は、その後、この(目標)値を使って制御される。
【0015】
データバンクが、所定のパッケージタイプ及び/又は検査対象及び/又は検査対象背景に対して未だ照射パラメーター又は光波長値を有していないことも、もちろん想定しうる。この場合、まず、続く検査過程において基礎とされる少なくとも一つの光波長値が探出されなければならない。好ましくはこれは、照射装置が検査対象及び/又は検査対象背景を参照として様々な光波長値で相次いで照らすことによって行われる。光センサーは、照射される各光波長に対して、参照検査対象及び/又は参照検査対象背景につき各一つの画像を取得する。
【0016】
好ましくは、その際、照射装置は、検査対象及び/又は検査対象背景を、連続的に変化するまたは不連続なステップで変化する波長の光でもって相次いで照らす。換言すると、照射装置は、少なくとも照射装置によって発生される光スペクトルの少なくとも一部に対して、照射装置の光スペクトルが「くまなく変化する(durchgefaren)」よう制御される。
【0017】
上述した方法により波長に応じて取得された画像の比較により、引き続いて少なくとも一つの波長値が選択される(検査波長値)。この波長値において、検査対象と検査対象背景の間のコントラストは、検査過程にとって極めて適当であり、好ましくは、コントラストは、極めて高いか又は最大である。その後照射装置は、後続するたばこの製造及び/又は包装のための製造方法中において、上述した検査波長値に調整される。当該製造方法中においては、本発明に係る検査方法が、製造される各製品のコントロールのために適用される。換言すると、照射装置は、本来の検査過程中に上述した検査波長の光を、検査対象又は検査対象背景に照らす。
【0018】
本発明の別の形態においては、光センサー及び/又は照射装置を、特にたばこ包装プロセスの開始に際して又は開始の前に較正することが意図されている。この目的のため、照射装置は、これが白色光又は少なくとも一つの所定の波長値の光(特に予め探出された検査波長値の光)を、較正対象又は較正画像、特に色参照画像、好ましくは例えば色相円のような色見本に照射するよう制御される。
【0019】
光センサーは、引き続いてこのようにして照射された較正画像の画像を取得し、そしてこの画像を構成参照画像としてデータバンク内に保存する。たばこ・たばこパッケージの製造プロセス中に、特に所定の時間間隔で、又は個々の各検査過程において、照射装置及び/又は光センサーは、機能性に関してチェックされる。この目的のため、較正画像は、白色光又は少なくとも一つの所定の波長値の光(特に検査波長値の光)を再び照らされる。光センサーは、その後再び、このようにして照らされた較正画像の画像を再び取得する。引き続いて、制御部が、取得した画像を評価過程の枠内で、保存されている較正参照画像と比較する。比較の結果に応じて、エラーシグナルが発せられることが可能である。これは例えば、比較の結果、較正参照画像が新たに取得した画像からばらついているとき、又はばらつきが所定の許容可能なばらつき限界に達している若しくはこれを越えているときに、そうであり得る。
【0020】
本発明の別の形態においては、較正画像が、好ましくは光センサーの視野中で検査対象の検査位置に隣接し位置固定に位置決めされている。
【0021】
較正画像より発せられ、かつ光センサーにより取得される光の評価は、位置又は複数の評価窓を、特に較正過程の枠内、検査波長値の決定の枠内及び/又は、光センサー及び/又は照射装置の機能性の各チェックの枠内で適当に定義することにより行われる。
【0022】
本発明の更なる特徴は、添付の特許請求の範囲、後続する本発明の有利な実施形の記載、および添付の図面中からも生じる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る方法によって検査されるたばこパッケージの斜視図
【図2】図1のたばこパッケージの底壁部
【図3】たばこの包装のための製造装置の簡略側面図
【図4】図3の装置を図3中の切断線I−Iに沿って見た断面図
【図5】切断線II−IIに沿って見た図4の細部断面図
【図6】切断線III−IIIに沿って見た図4の細部断面図
【図7】切断線IV−IVに沿って見た図5の細部断面図
【図8】本発明に係る検査装置の機能関連性を簡略的に表した図
【図9】本発明に係る検査過程のシーケンスを表したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、たばこの製造及び/又は包装に際して検査すべき対象の検査方法に関する。有利な実施形として、以下に、たばこパッケージ10上に設けられる検査対象の検査、つまり、たばこパッケージ10の底壁部11にもたらされる印刷24の検査について記載する。本件においてこの印刷24は、符号化物、特に文字数字併用式の符号化物である。代替として、バーコードやいわゆる2Dコードのような、他の様々な符号化方法が使用可能である。符号化物は、各たばこ及び/又は各たばこパッケージの製造場所、製造時期及び/又は他の製造特徴の表示を含み得る。
【0025】
本発明はまた、例えばクーポンや帯封等のような、たばこパッケージ上に位置取る印刷用紙の正確な位置決めの検査のためにも、当然使用可能である。その際、特に、これら印刷用紙の正確な向きがチェックされることが可能である。
【0026】
図2からわかるように、たばこパッケージ10は、フラップ蓋付箱型のパッケージであり、これは底壁部11の他に、前壁部12、後壁部13、蓋14および側壁部15,16を有している。
【0027】
このようなたばこパッケージ10は、たばこの製造及び/又は包装設備の、タイミング式に動作する製造ユニットによって製造される。これは本件の場合、包装機械17(パッカー)である。包装機械17中において、パッケージのブランク18が、マガジン19から出て分離機によって分離され、そして、そして適当な搬送手段によって曲折リボルバーの方へ運ばれる。曲折リボルバーのタイミング式の回転の間、各ブランク18は、様々な曲折ステーションに案内され、この曲折ステーション内で複雑な曲折過程が公知の方法で実施される。特にその際、アルミ箔ボビンから来るブランクによって包まれているたばこブロックが供給される。さらに、そこで、パッケージのカラー部が曲折プロセスに挿入される。その際、各カラーブランクは、カラーボビン21からのものである。
【0028】
曲折リボルバーをさった後、たばこパッケージ10は、すでに大幅に端部曲折された状態で曲折切替ステーション(Faltweichenstation)に供給される。この曲折切替ステーションにおいて、ブランク18の個々のタブが、前もって接着剤を付着させた後に、互いに当接するに至る。
【0029】
接着剤を塗布されたたばこパッケージを乾燥させるために、引き続いてこれらは、垂直平面で回転するリボルバー、つまり乾燥リボルバー22に供給される。
【0030】
この目的のため、パッケージ10は、チャージステーションの領域において、挿入装置25によってリボルバー22のポケット23に挿入される。ポケット23は、両軸方向が開いている。ポケット23のチャージは、各パッケージ10の底壁部11が、開いた側を向き、蓋14が他の開いた側を向くよう行われる。
【0031】
リボルバー22が複数回転する間、パッケージの曲折タブを接続する接着剤が固り、同時に直方体形状のパッケージ10が安定する。
【0032】
後に、排出ステーションの領域において、乾燥されたパッケージ10が、押出機26を有する押出装置27によってポケット23から押し出され、そして更なる処理を行われる。
【0033】
パッケージ10の底壁部11に印刷24をもたらすために、リボルバー22の周囲に隣接して、印刷装置28が位置取っている。この印刷装置28は、制御線29aを介して、包装機械17の中央機械制御部と接続されており、制御線29bを介していかに説明する制御ユニット33と接続されている。印刷装置28は、印刷24を個々のたばこパッケージ10の底壁部11にもたらすために使用され、特にこれはインクジェット印刷ユニットまたはレーザー印刷ユニットによって行われる。
【0034】
リボルバー22の周囲方向において印刷装置28に向かってオフセットして、つまりリボルバー22の回転方向に関して印刷装置28の流れ下流側に、カメラ31が設けられている。このカメラによって、それぞれタイミング式にカメラ31の横を通り過ぎて動かされるたばこパッケージ10が、つまりたばこパッケージ10の底壁部11がチェックされることが可能である。
【0035】
その際カメラ31は、リボルバー22のタイミング式の各静止フェーズの間に、各パッケージ10の底壁部11の画像、つまり底壁部11上の印刷24の画像を取得する。このカメラ31は、検査装置32の上位に置かれる部品である。検査装置32は、さらに制御ユニット33を有している。この制御ユニットによって、カメラ31と以下に説明する照射装置とが、広範に及んで自立的に制御されることが可能である。カメラ31と照射装置34は、それぞれ制御線35または制御ユニット33と接続されている。制御ユニット33は、更にその上、制御線63,64を介して、上位に置かれる機械制御部30と接続されている。この機械制御部によって、制御ユニットは、上位からの制御指令を受け取り、またはこの機械制御部に制御ユニットはシグナルを伝送することができる。
【0036】
カメラ31の主視線は、軸方向で各パッケージ10の底壁部11に向けられている。パッケージ10の方向において、照射装置34は、カメラ31の前に設けられており、つまり、その主照射線の方向が、カメラの主視線の方向と同軸に走行するように設けられている。
【0037】
照射装置34とカメラ31のこれら配置、つまり同軸に相前後する配置は、照射装置34が特別な方法で形成されているが故に可能である。照射装置は、可視光に対して非透過性で、フレーム状のベースボディ37を有しており、このベースボディは、内側に存在する空所38を有している。空所38の外側の縁部分には、RGB(レッド・グリーン・ブルー)−LED39がリング状に周回して配置されている。個々のRGB−LED39の光の加算的な色混合によって、照射装置34は、異なる波長の混合光を発生することができる。空所38の、リング状に配置されたLED39の中間に存在する領域40は、可視光を通過させることができる。照射装置34の中に組み込まれる適当な、特にプレート形状の光学部材によって、ここでは詳細には記載しない方法によって、照射装置34は、その光が、ベースボディ37の長手延在部に対して基本的に直角方向のみを照らす、つまりたばこパッケージ10の底壁部11の方向のみを照らすということが達成される。
【0038】
カメラ31は、フレーム上のベースボディ37の直ぐ後ろに配置されており、つまりカメラの主視線が透過性の領域40を通って伸びるよう配置される。
【0039】
本発明に係る検査装置32により、特別信頼性の高い印刷24の検査が可能である。というのは、照射装置34によって発生される照射光の波長が、例えば印刷24の色、又は印刷の背景の色、つまり底壁部11の色に合わせられることによって、検査装置32の照射装置34によって印刷24と、印刷24の背景、つまり底壁部11との間のコントラストが最適化されるからである。
【0040】
特に良好なコントラストは、例えば、照射装置34が、印刷24および印刷24を取り巻く背景、つまり底壁部11を、底壁部11の色に相当する波長の光でもって照らすことによって達成される。代替として、底壁部11の補色が照射されることもまた可能である。一般的に表現して、照射装置34により底壁部11に照射される光の色または波長は、製造されるべきパッケージタイプに依存するか、及び/又は印刷の少なくとも一つの特徴、特にその色に依存するか、及び/又は印刷の背景の少なくとも一つの特徴、これもまた特にその色に依存して調整される。
【0041】
機械制御部30に付設されるデータバンク41内には様々なパッケージタイプ、及び/又は印刷24のような検査対象、及び/又は例えば底壁部11のような検査対象背景に対して、検査過程の間に調製されるべき各一つの光波長値が保存されている。この光波長値は機械制御部によって、製造すべきパッケージタイプ及び/又は検査されるべき検査対象及び/又は検査対象背景に応じて選択され、そして制御ユニット33に伝送されることが可能である。制御ユニット33はこの値を照射装置34の波長の制御のための目標値として使用する。
【0042】
本発明に係る検査方法および本発明に係る検査装置の実施形の更なる詳細を、図9のフローチャートに従い説明する。
【0043】
製造過程の開始に際して、機械制御部30は、オペレーターが、機械制御部に付設される操作機器への適切な入力によってブランドの変更を提起したかどうか、つまり、包装機械17によって製造されるべき包装の、第一のたばこパッケージタイプAから第二のたばこパッケージタイプBへの変更を提起したかどうかチェックする(図9の符号43)。
【0044】
していない場合(44)、検査過程は、すでに進行している製造プロセス中においてわかっているパラメーターによって実施される。
【0045】
ただし、ブランド交換が提起された場合(45)、機械制御部30は、これに付設されるデータバンク41から照射パラメーターを求める(46)。この照射パラメーターは、特に照射装置が調整されるべき波長を含んでいる。
【0046】
これと関係して機械制御部30は、新たに製造されるべきたばこパッケージタイプBに対して、データバンク41内にそもそも既に照射パラメーターが保管されているのかをチェックする(47)。
【0047】
されていない場合(48)、照射パラメーターは、まず探出されなければならない。照射パラメーターの本来の探出の前に、まず、カメラ31と照射装置34がエラー無く動作しているかどうかチェックされる。この目的のため、まず白色光調整が、照射装置34の後ろに位置固定に設けられ、カメラ31の主視線中に存在しており、色相円を有するカラーチャート49を用いて行われる(50)。照射装置34は、つまり照射装置34の個々のRGB−LED39は、制御ユニット33によって、照射装置34がカラーチャート49上又は色相円上に白色光を照射するように駆動される。
【0048】
その後、カメラ31が、このように照射されるカラーチャート49の画像を取得する。この画像は、制御ユニット33内で適当な評価ソフトウェアを用いて、データバンク41内に前もって同様に取得されているカラーチャート49の較正参照画像と比較される(51)。ばらつきの際にはエラーシグナルが発生される(52,53)。
【0049】
評価によって、較正参照画像が、最新に撮影されたカラーチャート49の画像からばらついていないときは続行される(54)。次のステップでは、照射装置34が、これによって発生される色スペクトルが連続的であるよう制御される。換言すると、照射装置34によって発せられる光の波長が、不連続なステップで初期値から出発して高められるか、または低められる(55)。
【0050】
調整される各波長に対して、カメラ31は、製造されるべきパッケージタイプBの参照パッケージ上にもたらされる検査対象の像(Abbild)、本件の場合印刷24の画像を取得する。これら画像は、カメラ31および照射装置34に付設される制御ユニット33内で評価される(56)。評価は、その調整された波長値において、印刷24と印刷背景、つまり底壁部11の間のコントラストが最大であるかという観点から行われる。
【0051】
場合によっては、照射装置34が調整されるべき最適な波長の他に、照射される光の強度のような、更に別の照射パラメーターが同様にして探出される。その上、最適なコントラストのために探出された波長値によって、カラーチャート49が再度照射され、そしてこの波長に関して別の較正参照画像が作られる。探出された照射パラメーターも新たに探出された較正参照画像も、新たに製造されるべき包装Bのために、データバンク41内に保存される(57)。
【0052】
ただし、新たに製造されるべきパッケージタイプBが既に過去に製造されたものであるとき、上述の照射パラメーターおよびカラーチャート値はすでにデータバンク内に保持されているので、分岐(48)は、実行される必要が無く、このパラメーターとカラーチャート値が直接制御ユニット33内に読み込まれることが可能である。さらに検査すべきパッケージ10のまたは検査すべき印刷24の参照画像が読み込まれる(58,59)。
【0053】
次のステップでは、製造される個々のたばこパッケージ10が、次々にタイミング式に検査される。
【0054】
この目的のため、カメラ31によってパッケージ10の各画像、つまり底壁部11上の印刷24の画像が取得される。取得されたパッケージ10の現状画像は、予め制御ユニット33内に読み込まれたパッケージ10の参照画像と比較されることで、分析が行われる(65)。
【0055】
印刷から取得された現状画像が、期待されていた参照画像から許容できないほどばらついているとき(66)、検査されたパッケージ10は取り出される(67)。
【0056】
印刷が問題ないとき(76)、次のシーケンスステップで、すでにリボルバー22内に存在しているすべてのパッケージ10が検査されたかどうかチェックされる(68
【0057】
これがされていない場合(70)、さらに同期は続き(weitergetaktet)(71)、つまり検査は、リボルバー22内に存在する全てのパッケージ10が検査されるまで続行される。
【0058】
その上、格検査過程において同時にカラーチャート49の画像が取得される。この画像は、検査装置32の機能性の保障のために周期的に、つまり所定の機械タクト間隔で、新たに作成されたカラーチャート49の較正参照画像と比較される(60)。取得された現状のカラーチャート画像が構成参照画像からばらついているとき、エラーシグナルが発せられ、そして検査過程は中断される(61,62)。
【0059】
リボルバー22内に存在するパッケージ10がすべて検査されると直ぐに、次の方法ステップにおいて、製造が終了に達したかどうか問い合わせられる(69)。
【0060】
達していない場合(72)、作業続行され(73)かつ検査方法が続行する。
【0061】
そうでなければ(74)、検査方法は終了する(75)。
【符号の説明】
【0062】
10 たばこパッケージ
11 底壁部
12 前壁部
13 後壁部
14 蓋
15 側壁部
16 側壁部
17 包装機械
18 ブランク
19 マガジン
20 アルミ箔ボビン
21 カラーボビン
22 リボルバー
23 ポケット
24 印刷
25 挿入装置
26 押出機
27 押出装置
28 印刷装置
29a 制御線
29b 制御線
30 機械制御部
31 カメラ
32 検査装置
33 制御ユニット
34 照射装置
35 制御線
36 制御線
37 ベースボディ
38 空所
39 RGB−LED
40 透過性の領域
41 データバンク
42−48 方法ステップ
49 カラーチャート
50−62 方法ステップ
63 制御線
64 制御線
65−76 方法ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
たばこの製造及び/又は包装の際に検査すべき対象(24)(検査対象)を検査する方法であって、特に、たばこパッケージ又はたばこパッケージのブランク上の、又はこれらに対する印刷及び/又は印刷用紙を検査する方法であり、少なくとも一つの検査対象(24)が、適当な光センサー(31)、特にカメラのような光電子検査機器によって、光学的検査を行われる方法において、
検査対象(24)及び/又は検査対象背景(11)が、波長変更可能な照明装置(34)の光を照射され、その際、検査対象(24)と検査対象背景(11)の間のコントラストを改善するために、照射装置(34)から発せられる光の波長が、好ましくは自動的に調整され、より好ましくはこれが、生産されるべきパッケージタイプ(10)及び/又は検査対象(24)の少なくとも一つの特徴及び/又は検査対象背景(11)の少なくとも一つの特徴に応じて行われることを特徴とする方法。
【請求項2】
データバンク(41)内に、異なるパッケージタイプ(10)及び/又は検査対象(24)及び/又は検査対象背景(11)のために、検査過程中に調整されるべき、照射装置(34)の光波長が(場合によっては、照射装置(34)の別のパラメーターと共に)保存されており、この光波長が、製造されるべきパッケージタイプ(10)及び/又は検査されるべき検査対象(24)及び/又は検査対象背景(11)に応じて選択され、かつ照射装置(34)に目標値として伝送されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
データバンク(41)内に光波長が保存されていない、たばこパッケージタイプ(10)及び/又は検査対象(24)及び/又は検査対象背景(11)の検査の際に、照射装置(34)が、検査対象(24)及び/又は検査対象背景(11)を様々な光波長で相次いで照らし、光センサー(31)が、照射された光波長に対して検査対象(24)及び/又は検査対象背景(11)の画像を取得し、および、画像を比較することによって、少なくとも一つの波長値が決定され(検査波長値)、この検査波長値において、検査対象(24)と検査対象背景(11)の間のコントラストが、検査機器にとって極めて適当であり、好ましくは特別大きいか、または他の画像と比較して最大であることにより、検査の基礎に置くべき少なくとも一つの光波長が探出されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
検査波長値の探出の際に、照射装置(34)が、検査対象(24)及び/又は検査対象背景(11)を連続的に変化する波長の光で照らすことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
照射装置(34)が、光センサー(31)及び/又は照射装置(34)の較正のために、白色光又は少なくとも一つの所定の波長値(特に検査波長値)の光を、較正画像(49)、特に色見本画像、好ましくは色相円に照射すること、光センサー(31)がそのように照らされた較正画像(49)の画像を取得すること、および、取得された画像が、較正参照画像としてデータバンク(41)内に保存されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
較正画像が、照射装置(34)の白色光又は少なくとも一つの所定の波長値の光(特に検査波長値)で再度照らされ、光センサー(31)が、そのように照らされた較正画像の画像を再度取得し、および、そのように取得された画像がデータバンク(41)内に保存された較正参照画像と比較されることにより、たばこの製造プロセス及び/又は包装プロセスの間に、照射装置(34)及び/又は光センサー(31)が、特に所定の時間間隔でチェックされることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
較正画像(49)が、好ましくは、光センサーの視野中で検査対象(24)の検査位置に隣接して位置固定に位置決めされており、その際、光センサー(31)により取得された、色参照画像から発せられる光の評価が、取得された画像内の一または複数の評価窓の適当な定義により行われることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
照射装置(34)が、検査対象(24)及び/又は検査対象背景(11)に照射する光の少なくとも一つの波長が、検査対象背景(11)の色の波長またはその少なくとも一つに相当し、または検査対象背景(11)の色の補色の波長またはその少なくとも一つに相当することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
たばこの製造及び/又は包装の際に検査すべき対象(24)(検査対象)を検査する装置であって、特に、たばこパッケージ又はたばこパッケージのブランク上の、又はこれらに対する印刷及び/又は印刷用紙を検査する方法であり、適当な光センサー(31)、特にカメラのような光電子検査機器を有し、および検査対象(24)を照射するための照射装置(34)を有する装置において、
照射装置(34)が、波長変更可能に形成されているので、検査対象(24)が、検査対象(24)と検査対象の背景(11)の間のコントラスト改善のために、様々な波長値の光を照射可能であり、好ましくは、製造すべきパッケージタイプ(10)及び/又は検査対象の少なくとも一つの特徴及び/又は検査対象(24)の背景(11)の少なくとも一つの特徴に応じて照射可能であることを特徴とする装置。
【請求項10】
少なくとも、波長変更可能な照射装置(24)から発せられる光の波長値を自動的に調整することが出来る制御装置(33)を有することに特徴を有する請求項9に記載の装置。
【請求項11】
照射装置(34)が、多数の制御可能なRGB光源(39)、特にRGB−LEDを有し、その際、照射装置(34)から発せられる(混合)光が、個々のRGB光源(39)から発せられる各光の適当な合成により形成されることを特徴とする請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
制御装置(30)を有し、この制御装置でもって、製造すべきパッケージタイプ(10)及び/又は検査すべき検査対象(24)及び/又は検査対象背景(11)に応じてデータバンク(41)内に保存された照射装置(34)のための光波長値が選択可能であり、およびこの制御装置でもって、少なくとも、選択された光波長値が照射装置(34)に目標値として伝送可能であり、その際、データバンク(41)内に、様々なパッケージタイプ(10)及び/又は検査対象(24)及び/又は検査対象背景(11)のために、それぞれ少なくとも一つの、検査過程において調整されるべき照射装置(34)の光波長値が(場合によっては照射装置(34)の別のパラメーターと共に)保存されていることを特徴とする請求項8から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
特に位置固定の較正画像(49)を有し、この較正画像(49)が、好ましくは位置固定の光センサー(31)によって、特に、較正画像(49)が、光センサー(31)の視野の端の領域において少なくとも領域的に設けられていることによって取得可能であることを特徴とする請求項8から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
光センサー(31)の主視線方向と照射装置(34)の主照射方向が、同軸に走っており、特に同時に、照射装置(34)が、リング状に設けられたLED(39)およびこれによって取囲まれるLEDを有さない内側の領域(40)を有し、その際、LED(39)および内側の領域(40)が、検査対象(24)または検査対象背景(11)と光センサー(31)の間に設けられ、およびその際、LEDを有さない内側の領域(40)が、少なくとも部分的に可視光を通過させるよう形成されているので、検査対象(24)及び/又は検査対象背景(11)から発せられる光が光センサー(31)に至ることが可能であり、かつこれによって取得されることができることを特徴とする請求項8から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
請求項9から14のいずれか一項に記載の検査装置を有する、たばこの製造及び/又は包装のための製造ユニット。
【請求項16】
検査装置の照射装置(34)および光センサー(31)が、周回回転可能な製造ユニットの搬送機(22)に隣接して設けられており、特に、ポケット(23)内に配置されたたばこパッケージ(10)の壁部(11)の少なくとも一つが、検査装置によって検査可能であるよう、リボルバー(22)の側方が開かれたポケットに隣接していることを特徴とする請求項15に記載の製造ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−512401(P2012−512401A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541168(P2011−541168)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際出願番号】PCT/EP2009/008828
【国際公開番号】WO2010/069509
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(504265684)フォッケ・ウント・コンパニー(ゲゼルシャフト・ミト・べシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト) (31)
【Fターム(参考)】