説明

のぼせの治療または予防のための組成物、およびその使用方法

本発明は、のぼせなどの更年期症状を治療または予防するための組成物およびその使用法に関する。本発明に係る組成物は、好ましくは、紫胡、宇金、牡丹皮、紫、百薇、白芍、および、五味子またはそれらの抽出物を有しており、好ましくは、1つの組成物として投与される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、のぼせなどの更年期症状を治療または予防するための組成物および方法に関する。より具体的には、のぼせの治療または予防のための漢方(TCM)の使用に関する。
【0002】
〔背景技術〕
更年期症状は、女性の生殖期の終わりに起こる、ホルモン、身体、および精神の変化に関するものである。更年期症状はのぼせの発生を含んでおり、そののぼせによってさらに睡眠の質が損なわれることもある。
【0003】
のぼせの発生によって、女性は深刻な不快感や痛みを感じうる。より一般的には、のぼせは自然閉経に関係しているが、のぼせは薬剤誘発性の閉経または外科的に誘発された閉経によっても引き起こされうる。
【0004】
自然閉経は卵巣の自然な老化が原因で、年をとるに従ってすべての女性が経験する。
【0005】
薬剤誘発性の閉経とは、婦人科癌(胸部、子宮内膜、子宮頸部、卵巣または膣)、または、病気の進行を止めるためにエストロゲンおよびプロゲストロン分泌を抑える必要がある、あらゆる婦人科疾患の治療を受ける患者のことを指す。
【0006】
乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、または膣癌といった婦人科癌には、エストロゲン感受性(エストロゲン受容体が癌細胞内に存在する)と、エストロゲン非感受性とがある。エストロゲン感受性の癌に対する一般的な治療法(化学療法とも呼ばれる)は、ホルモン療法(内分泌療法としても知られている)のみであるか、または他の抗癌治療(他の化学療法、放射線治療、外科手術など)との組合せである。エストロゲン非感受性の癌に対しては、一般的な治療法にホルモン療法が含まれず、代わりに典型的な抗癌治療(化学療法、放射線治療、外科手術など)が行われる。一般的に、薬剤誘発性の閉経およびそれによるのぼせは、エストロゲン感受性の癌に施される化学療法、すなわち、ホルモン療法とも定義されるものによってのみ誘発されうる。
【0007】
そのようなホルモン療法は、病気の進行を抑えるためにエストロゲンおよびプロゲストロン分泌を抑える必要がある子宮内膜症といった他の婦人科疾患にも使用されうる。
【0008】
したがって、薬剤誘発性の閉経とは、化学療法、抗癌治療、免疫療法、ホルモン療法、または、内分泌療法のことを指しうる。
【0009】
外科的に誘発された閉経とは、様々な婦人科的理由のために行われた子宮切除(子宮を外科的に除去すること)によって引き起こされる閉経のことを指す。これらは、内科的手段によって制御されない、子宮筋腫、子宮内膜症、脱出症、および、子宮、子宮頸部、または卵巣における悪性あるいは前癌性変化といった、不耐性の期間を含む。子宮切除は、全摘出(子宮および子宮頸部の両方を摘出する)であるか、部分摘出(子宮の主要部分を摘出する)かのいずれかでありうる。卵巣は、保存される(残される)か、または、摘出されるかであってもよい。1つまたは両方の卵巣が保存された場合、閉経になる通常の年齢に達するまで卵巣は変動的にホルモンを産生し続ける可能性もあり、または、予想よりも早くホルモン産生をやめ、早期閉経を誘発する可能性もある。このことは、子宮切除に続いてエストロゲン欠乏の症状が現れてから1〜2年以内に起こりうる。
【0010】
のぼせの主な、そして唯一の治療法は、エストロゲンのみ、エストロゲンとプロゲストロンとの組み合わせ、または、植物性エストロゲンなどのホルモン療法を用いることである。しかしながら、世界保健機関(WHO)は、ホルモン補充療法(HRT)としてエストロゲンを使用することは婦人科癌の危険性を高めると提言している。植物性エストロゲンについてはまだテストされていないが、これらも同じエストロゲン受容体と結合すると考えられることから、同様に癌の危険性を高める可能性がある。
【0011】
女性におけるのぼせの有病率について意見が一致しないこと、および、のぼせの原因について論じる多くの説が存在することから、今日、のぼせについての理解が足りないことがわかる。最も広く受け入れられている説は、卵巣機能が減退または阻害された結果として循環ホルモン(エストロゲンおよびプロゲストロン)に欠損が生じ、それによりのぼせが発生するというものである。多くの女性において、エストロゲン補充療法を行うことによってのぼせの症状が和らぐことから、ホルモンレベルの変動は少なくとも全体像の一部であることが知られている。
【0012】
しかしながら、この説は、のぼせの症状を完全に説明したものではない。エストロゲンレベルの低い、閉経期および前閉経期の多くの女性がのぼせを経験しておらず、一方で、のぼせとエストロゲンの相対的な過剰症状とを同時に経験する女性もいる。エストロゲン過剰またはエストロゲン優性の兆候は、体重の増加、乳房の圧痛、多量の月経出血、および不安定な気分の変動を含む。
【0013】
のぼせは、複雑な神経内分泌症状であり、我々の思考、期待、および感情を含む様々な要素の影響を受ける。のぼせを引き起こす様々な刺激から、のぼせが多因的であることが立証される。一般的な誘因は、辛い食べ物、熱い飲み物、アルコール、砂糖、カフェイン、ストレス、暑い気候、高温の入浴とサウナ、煙草、および興奮状態を含む。
【0014】
のぼせの他の説明としては、体内温度設定が、短時間だが急に低く調整されることによって引き起こされるというものである。エストロゲンおよびプロゲストロンの両方が、体温調節の役割を果たすことは知られている。しかしながら、これら2つのホルモン、またはその他多くのものが、身体の体温調節中枢における変動を引き起こす役割を果たすことは知られていない。ある調査によると、エストロゲンおよびプロゲストロンレベルの低下によって自然に分泌される鎮静剤(気分、痛みの制御、およびホルモン調節に多大な影響を与える脳内化学物質)が分泌されなくなった場合に、のぼせが引き起こされる可能性があることを示している。
【0015】
研究によると、エストロゲンかプロゲストロンかのどちらかを安定させることによってのぼせを最小限に抑えられることが示されている。しかしながら、閉経期の女性にエストロゲン・プラス・プロゲスチン(プロゲストロンとしても知られている)療法を行った最近の研究のデータ(National Institutes of Health finding from their Woman's Health Initiative about the benefits and risks of menopausal hormone therapyを参照)から、これらの治療が婦人科癌発症の危険性を高める可能性があるということが示された。
【0016】
土着の文化によって何世紀にも渡って使用されている多くの薬草は、女性の強壮薬としての評判が高い。これらの薬草が備える体を正常にする効果の原因として最も考えられるのは、これらが植物性エストロゲンを含んでいることにあり、さらに、内分泌腺に栄養を与え、骨盤内器官に血流を増加させるという薬草の効力によるものであると考えられる。のぼせを和らげるのに一般的に使用される薬草は、ブラック・コホッシュ、マザーウォルト、貞操木のベリー、ブルー・コホッシュ、朝鮮人参、ドンクアイ、甘草、サルサパリラ、および、ニセユニコーンを含むが、これら植物性エストロゲンが婦人科癌に与える影響については未だ調査されていない。
【0017】
のぼせが見られる他の分野は、乳癌の患者に施される、抗癌治療、免疫療法、ホルモン療法、または、内分泌療法といった化学療法である。乳癌は、女性にとって最も一般的な悪性腫瘍である。婦人科器官を対象とした化学療法、抗癌治療、免疫療法、ホルモン療法、または内分泌療法の使用によって循環ホルモンのレベルが著しく低くなり、のぼせを含む更年期症状などの閉経期の様々な副作用が引き起こされる。薬剤誘発性の閉経による持続性ののぼせは、2〜5年間続きうるものであり、婦人科癌患者の生活の質を著しく損ないうる。
【0018】
したがって、のぼせの治療/緩和は、婦人科癌患者の生活の質を高めるための焦点の1つである。
【0019】
乳癌患者に関して言えば、他の婦人科癌によって起こるのぼせを治療するのは難しい問題である。これまでのところ、唯一可能な治療法であるホルモン補充治療以外に効果的な制御方法が存在しない。しかしながら、ホルモン補充治療は乳癌細胞の成長および増殖を刺激するため、完全に禁忌である。特定の5‐TH選択的再吸収阻害剤はのぼせを改善しうるが、最近の研究によると、それらはタモキシフェン(TAM)といったホルモン治療薬の治療効果を低減させる可能性があるという。
【0020】
およそ4000年に渡って発展してきた漢方薬の使用について、非常に貴重な知恵が存在する。
【0021】
多様な薬草を有する組成物の使用は、更年期障害および生理不順のようなホルモン失調に対する治療、更年期症候群の調整、および、癌治療といったもので知られている。
【0022】
しかしながら、これらの組成物には非常に多数の薬草を使用する。例えば、CN1321473には、11種を混合した、更年期障害治療のための組成物の使用法が記載されており、CN1440776には、23種を混合した、生理の調整のための組成物の使用法が記載されている。また、US6238707には、女性ホルモンの調整または補充に効果のある、26種を混合した組成物の使用法が記載されており、EP1462110には、18種を混合した、ホルモン性症候の治療のための組成物の使用法が記載されている。加えて、これらの製剤はすべて、下記植物性エストロゲンの少なくとも1つを含む。
・ブラック・コホッシュ(Cimicifuga racemosa)
・ドンクアイ(Angelica sinensis)またはダングイ
・アカツメクサ(Trifolium pratense)
・紫ウマゴヤシ(Medicago sativa)
・甘草(Glycyrrhiza glabra)
・朝鮮人参(Panax ginseng)
・野生のアメリカ人参(Panax quinquefolius)
・葛の根(Puerariae lobata)
これら植物性エストロゲンが婦人科癌に与える影響については未だ調査されていない。
【0023】
薬草の組成物を使用することによって、望ましくない副作用が生じうることを理解されたい。これら副作用は、多数の薬草を含む多量の製剤を使用することによって悪化しうる。当該多数の薬草によって、特定の不要な効果も患者に移る可能性が高くなる。
【0024】
上述のように、HRTの使用は、その治療を受ける女性に健康上のリスクを与えると近年定義された。そのような高まるリスクの中には、乳癌が含まれる(Warren R et al,. "Strategies for managing breast cancer risk after the menopause." Treatments in Endocrinology 2004;3(5):289-307; Diamanti-Kandarakis E. "Hormone replacement therapy and risk of malignancy." Current Opinion in Obstetrics & Gynecology 2004;16(1):73-8; Timins J.K. "Current issues in hormone replacement therapy." New Jersey Medicine 2004;101(3): 21-7)。
【0025】
したがって、発癌の危険性を高めるという副作用が生じることなく更年期障害を改善できる薬を投与しうることには大きな利点がある。加えて、癌細胞の増殖および癌再発の危険性を高めることからHRTが禁忌である婦人科癌患者についても、同様の利点が考えられる。
【0026】
本発明の実施形態において、エストロゲンまたは既知の植物性エストロゲンを含まず、かつ、のぼせなどの更年期症状を改善し、治療し、予防することができる組成物が提供されること、または、少なくとも、大衆に有益な選択肢が与えられることは、本発明の利点となるだろう。
【0027】
本発明の実施形態に係る他の利点は、例によってのみ示された下記の記載から明らかになるだろう。
【0028】
〔本発明の要約〕
1つの形態では、組成物は、五味子またはその抽出物、および白芍またはその抽出物を有する。さらに、当該組成物は、百薇またはその抽出物、紫またはその抽出物、牡丹皮またはその抽出物、宇金またはその抽出物、あるいは、紫胡またはその抽出物のうちの少なくとも1つと併用される。
【0029】
他の形態では、組成物は、紫胡、宇金、牡丹皮、紫、百薇、白芍および五味子、またはそれらの抽出物を有する。
【0030】
好ましくは、組成物は、薬学的に許容された担体をさらに有する薬剤組成物である。
【0031】
好ましい抽出物は、水抽出物である。
【0032】
ある実施形態において、組成物は、1つ以上のホルモン治療薬を有する。ホルモン治療薬は、タモキシフェン(TAM)であってもよい。
【0033】
ある実施形態において、組成物は、婦人科癌に用いられる、化学療法薬、抗癌剤、免疫治療薬、ホルモン療法薬、内分泌療法薬と同時に、または連続して投与される。それらの薬には、例えば、タモキシフェン、タキサン、タキソール、パクリタキセル(タキソール)、ドクセタキセル(タキソテール)、シクロホスファミド(ドセタキセル)、アルキル化剤(分裂抑制剤)、ドキソルビシン(パディタキセル(paditaxel)、アドリアマイシン)、抗生剤、ミトキサントロン(ノヴァントロン(novantrone))、酒石酸ビノレルビン(ナベルビン)、ビンカ・アルカロイド(分裂抑制剤)、フッ素ウラシル、ピリミジン類似体(代謝拮抗物質)、カペシタビン(ゼローダ)、メトトレキサート、葉酸類似体(代謝拮抗剤)がある。さらに、ホルモン治療については、例えば、抗エストロゲン剤であるタモキシフェン(ナルヴァデックス(Nalvadex))、およびトレミフェン(ファレストン(fareston))、アロマターゼ阻害剤であるレトロゾール (letrozole (フェマーラFemara))、およびアナストラゾール(anastrazole(アリミデックスArimidex))、アロマターゼ阻害剤であるエクセメスターン(exemestane(アロマジンAromasin))、LHRH阻害剤であるゴセレリン(ゾラデックスZoladex)、およびロイプロリド(ロイポンLeurpon)、フルベストラント(fulvestrant(ファスロデックスFaslodex))などがある。さらに、当該組成物は、外科手術(腫瘍摘出手術または乳癌のための乳腺切除)、放射線治療、およびモノクローナル抗体療法(trastuzumab(ハースプチン))と同時に、または当該治療に続いて投与される。
【0034】
本発明に係る他の形態は、患者の更年期症状の頻発および/または重症度を緩和するための方法を提供する。当該方法は、投与の必要のある患者に、五味子またはその抽出物、および、白芍またはその抽出物を有する組成物を投与することを含んでおり、さらに、当該組成物は、百薇またはその抽出物、紫またはその抽出物、牡丹皮またはその抽出物、宇金またはその抽出物、あるいは、紫胡またはその抽出物のうちの少なくとも1つと併用される。
【0035】
他の形態において、薬剤誘発性の閉経によって患者に起こる症状の頻発および/または重症度を緩和するための方法を提供する。当該方法は、投与の必要がある患者に、五味子またはその抽出物、および、白芍またはその抽出物を有する組成物を投与することを含み、当該組成物は、百薇またはその抽出物、紫またはその抽出物、牡丹皮またはその抽出物、宇金またはその抽出物、あるいは、紫胡またはその抽出物のうちの少なくとも1つと併用される。薬剤誘発性の閉経とは、化学療法、抗癌治療、免疫療法、ホルモン療法および内分泌療法によって誘発される閉経を含む。
【0036】
他の形態において、外科的に誘発された閉経によって患者に起こる症状の頻発および/または重症度を緩和するための方法を提供する。当該方法は、投与の必要がある患者に、五味子またはその抽出物、および、白芍またはその抽出物を有する組成物を投与することを含み、当該組成物は、百薇またはその抽出物、紫またはその抽出物、牡丹皮またはその抽出物、宇金またはその抽出物、あるいは、紫胡またはその抽出物のうちの少なくとも1つと併用される。外科的に誘発された閉経とは、子宮切除によって誘発される閉経を含む。
【0037】
他の形態において、自然前閉経期および閉経期の女性に起こる、のぼせなどの更年期症状の頻発および/または重症度を緩和するための方法を提供する。当該方法は、投与の必要がある患者に、五味子またはその抽出物、および、白芍またはその抽出物を有する組成物を投与することを含み、当該組成物は、百薇またはその抽出物、紫またはその抽出物、牡丹皮またはその抽出物、宇金またはその抽出物、あるいは、紫胡またはその抽出物のうちの少なくとも1つと併用される。
【0038】
他の形態において、婦人科癌の患者に起こる、のぼせなどの更年期症状の頻発および/または重症度を緩和するための方法を提供する。当該方法は、投与の必要がある患者に、五味子またはその抽出物、および、白芍またはその抽出物を有する組成物を投与することを含み、当該組成物は、百薇またはその抽出物、紫またはその抽出物、牡丹皮またはその抽出物、宇金またはその抽出物、あるいは、紫胡またはその抽出物のうちの少なくとも1つと併用される。
【0039】
ある実施形態において、患者はホルモン補充治療(HRT)によって婦人科癌発病または再発の危険性が高まっている人である。
【0040】
他の形態では、五味子またはその抽出物、および白芍またはその抽出物を有する組成物の使用を提供する。さらに、当該組成物は、百薇またはその抽出物、紫またはその抽出物、牡丹皮またはその抽出物、宇金またはその抽出物、あるいは、紫胡またはその抽出物のうちの少なくとも1つと併用される。当該形態において、のぼせなどの更年期症状の頻発および/または重症度を緩和するための薬剤、自然閉経前または自然閉経中の症状の頻発および/または重症度の緩和するための薬剤、婦人科癌の患者、または、化学療法、抗癌治療、免疫療法、ホルモン療法または内分泌療法を必要とする婦人科疾患の患者において、薬剤誘発性(化学療法、抗癌治療、免疫療法、ホルモン療法、または内分泌療法)の閉経症状によって引き起こされる症状の頻発および/または重症度を緩和するための薬剤、子宮切除をした患者において外科的に誘発された閉経症状によって引き起こされる症状の頻発および/または重症度を緩和するための薬剤が調合される。好ましい抽出物は、その大半が水で構成された水基板の抽出物である。ある実施形態において、薬剤は薬学的に許容された担体をさらに含む。
【0041】
ある実施形態において、患者は上記薬剤を1つ以上のホルモン治療薬と同時に、または、連続して投与される。好ましくは、ホルモン治療薬はタモキシフェン(TAM)である。
【0042】
ある実施形態において、上記薬剤は1つの組成物として投与される。
【0043】
他の形態では、五味子またはその抽出物、および、白芍またはその抽出物を含む溶液から薬草抽出物を得る段階を有する、組成物を調合する過程を提供する。当該組成物は、百薇またはその抽出物、紫またはその抽出物、牡丹皮またはその抽出物、宇金またはその抽出物、あるいは、紫胡またはその抽出物のうちの少なくとも1つと併用される。他の実施形態において、下記を有する組成物を調合するための方法を提供する:
1.紫胡、宇金、牡丹皮、紫、百薇、白芍、および五味子の混合物を溶媒に入れる。
2.沸騰するまで混合物を熱する。
3.混合物を弱火で煮て、溶液を濃縮する。
4.濃縮された溶液を集める。
【0044】
ある実施形態において、溶媒はアルコールまたは水、あるいはその混合物である。
【0045】
ある実施形態において、溶媒は水である。
【0046】
ある実施形態において、除去された濃縮水の量と略同量の水を組成物に加えることによって、上記方法は何度も繰り返されうる。
【0047】
好ましくは、投与を必要とする患者に濃縮水が投与される。
【0048】
好ましくは、一日あたり約100mlの濃縮水が投与される。より好ましくは、約100mlの濃縮水は、一日あたり少なくとも2回に分けて投与される。
【0049】
ある実施形態において、濃縮水は氷結しているか、または噴霧乾燥されている。好ましくは、乾燥した濃縮水は適した剤形をとる。好ましくは、剤形は、一日あたり少なくとも1、2、3、4、または5回投与される。最も好ましいのは、剤形が一日あたり2回投与されることである。
【0050】
下記の好ましい実施形態は、上記形態のいずれに関係していてもよい。
【0051】
好ましくは、紫胡、宇金、牡丹皮、紫、百薇、白芍、および五味子、またはそれらの抽出物は、1つの組成物として投与されてもよい。
【0052】
ある実施形態において、組成物は下記を含む。
(a)約3%(乾燥重量)〜約12%(乾燥重量)の紫胡またはその抽出物
(b)約3%(乾燥重量)〜約12%(乾燥重量)の宇金またはその抽出物
(c)約5%(乾燥重量)〜約15%(乾燥重量)の牡丹皮またはその抽出物
(d)約12%(乾燥重量)〜約20%(乾燥重量)の紫またはその抽出物
(e)約5%(乾燥重量)〜約15%(乾燥重量)の百薇またはその抽出物
(f)約5%(乾燥重量)〜約15%(乾燥重量)の白芍またはその抽出物
(g)約5%(乾燥重量)〜約15%(乾燥重量)の五味子またはその抽出物
または、おおよその比率を保ったそれらの複合物を含む。
【0053】
好ましくは、組成物は、約10%(乾燥重量)の紫胡、約10%(乾燥重量)の宇金、約15%(乾燥重量)の牡丹皮、約20%(乾燥重量)の紫、約15%(乾燥重量)の百薇、約15%(乾燥重量)の白芍、および、約15%(乾燥重量)の五味子、あるいはおおよその比率を保ったそれらの複合物を有する。
【0054】
本発明の好ましい組成物は、それぞれの組成物の約1〜30gを有する。本発明のより好ましい組成物は、下記を有する。
(a)約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、または約15gの紫胡またはその抽出物
(b)約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、または約15gの宇金またはその抽出物
(c)約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、または約20gの牡丹皮またはその抽出物
(d)約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、または約25gの紫またはその抽出物
(e)約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、または約20gの百薇またはその抽出物
(f)約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、または約20gの白芍またはその抽出物
(g)約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、または約20gの五味子またはその抽出物
またはおおよその比率を保ったそれらの複合物を有しており、有効範囲は、これら前述の値(例えば、約8〜10g)の間で選択されてもよい。
【0055】
最も好ましいのは、組成物が、約10gの紫胡、約10gの宇金、約15gの牡丹皮、約20gの紫、約15gの百薇、約15gの白芍、および、約15gの五味子を有するか、あるいはおおよその比率を保ったそれらの複合物を有するかである。
【0056】
ある実施形態において、組成物は植物性素材を有する。当該植物性素材は乾燥状態または生の状態であってもよい。
【0057】
ある実施形態において、組成物は植物性素材の抽出物、好ましくは水抽出物を含む。
【0058】
ある実施形態において、植物性素材は水と混合され、30分間浸される。このとき、組成物の水平面よりも水の水平面の方が高い。好ましくは、水の水平面は組成物の水平面よりも約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、または、約10cm高い。
【0059】
また、植物性素材に加えられる水の量は、使用される植物性素材の量によって決められうる。ある実施形態において、約50、約100、約200、約300、約400、約500、約600、約700、約800、約900、約1000、約1100、約1200、約1300、約1400、約1500、約1600、約1700、約1800、約1900、約2000、約2100、約2200、約2300、約2400、約2500、約2600、約2700、または、約3000mlの水が、乾燥した植物性素材約100g当たりに加えられる。好ましくは、約300〜約3000mlの水、より好ましくは約1000mlの水が、約100g当たりの乾燥薬草に加えられる。
【0060】
好ましくは、混合物が煮沸するまで熱し、約10、約15、約20、約25、約30、約35、または、約40分間弱火で煮る。混合物を約15〜25分間煮るのがより好ましく、最も好ましいのは約20分間煮ることである。
【0061】
他に特定されない限り、用語「有する・含む・備える」(comprise)および「有している・含んでいる・備えている」(comprising)、並びにそれらの文法的変形は、確定していない、すなわち、包括的な用語を表すことを目的としており、それらは列挙された要素を内包するが、付加的な、列挙されていない要素をも内包することができる。
【0062】
本発明において開示された数の範囲(例えば1〜10)については、その範囲内の全ての有理数(例えば1、1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9および10)およびその範囲内にある有理数の全ての範囲(例えば、2〜8、1.5〜5.5および3.1〜4.7)を指すことを目的とする。したがって、本発明において明確に開示された全ての範囲における全ての部分的な範囲は、本記載によって明示されている。これらは明確に意図されたものの単なる例であり、最小値と最大値との間で存在しうる全ての数値の組合せが、本発明において同様に明示されていると考えられる。
【0063】
本発明において使用されている用語「約」は、濃縮された剤形の成分について述べる場合、代表的に、表示数値の±5%を意味する。より代表的には、表示数値の±4%、さらに代表的には表示数値の±3%、さらに代表的には表示数値の±2%、さらに代表的には表示数値の±1%、さらに代表的には表示数値の±0.5%を意味する。他の実施形態は、例示された下記の説明によってのみ明らかとなるだろう。
【0064】
〔発明の詳細な説明〕
開示された実施形態において、のぼせなどの更年期症状を治療、または、予防するのに役立つ組成物および方法を提供する。それら更年期症状は、自然閉経ののちに自然に起こるものであるか、または、薬剤誘発性(化学療法、抗癌治療、免疫療法、ホルモン療法、または、内分泌療法)の閉経、あるいは外科的に誘発された(子宮切除)閉経によって生じるかである。
【0065】
自然閉経は、年をとるにつれ全ての女性が経験する子宮の身体的な自然老化が原因である。
【0066】
薬剤誘発性の閉経とは、婦人科癌(胸部、子宮内膜、子宮頸部、卵巣または膣)の患者、または、病気の進行を止めるためにエストロゲンおよびプロゲストロン分泌を抑える必要があるあらゆる婦人科疾患の治療を受ける患者のことを指す。
【0067】
外科的に誘発された閉経とは、様々な婦人科学上の理由から行われた子宮切除(子宮を外科的に切除する)によって引き起こされた閉経のことを指す。
【0068】
具体的には、組成物および方法は、のぼせの頻発および/または重症度を緩和するのに有益である。好ましくは、のぼせの頻発および/または重症度が緩和される。好ましくは、のぼせがおさまる。
【0069】
本発明において開示された組成物および方法は、自然閉経、薬剤誘発性(化学療法、抗癌治療、免疫療法、ホルモン療法、または内分泌療法)の閉経、または、外科的に誘発された(子宮切除)閉経によって生じる、のぼせなどの更年期症状を治療または予防するのに役立つ。
【0070】
本発明において開示された組成物は、一般的に、五味子またはその抽出物、および白芍またはその抽出物を含んでおり、かつ、百薇またはその抽出物、紫またはその抽出物、牡丹皮またはその抽出物、宇金またはその抽出物、あるいは、紫胡またはその抽出物のうちの少なくとも1つと併用される。
【0071】
本発明において開示された方法は、一般的に、薬草から煎じた汁を調合し、投与を必要とする患者に投与することを含む。
【0072】
本発明において用いる用語「のぼせ」(hot flashes)は、自然閉経、薬剤誘発性(化学療法、抗癌治療、免疫療法、ホルモン療法、または内分泌療法)の閉経、または外科的に誘発された(子宮切除)閉経の患者が経験する極度の熱感、顔面紅潮、多量発汗、動悸、および/または、不安感のことを指す。のぼせは、そのような治療や状態とは関係なく起こることもある。のぼせは、患者の睡眠を含む生活の質に影響を与える。
【0073】
紫胡、宇金、牡丹皮、紫、百薇、白芍および五味子はすべて、漢方薬において一般的に用いられている薬草である。
【0074】
紫胡は、エアーズ イヤー ルート(hares ear root)、または中国ミシマサイコの根として一般的に知られている。ラテン名はRadix Bupleuriであり、植物学的分類は、セリ科サイコ属中国亜種(北中国ミシマサイコの根)およびキク科フタナミソウ属野生種(南中国ミシマサイコの根)として知られる。
【0075】
宇金は、ターメリック塊根として一般的に知られている。ラテン名はRadix Curcumaeであり、その学名はCurcuma wenyujin、Curcuma longa、またはCurcuma phaeocaulis Val.である。
【0076】
牡丹皮は牡丹の皮として一般的に知られており、乾燥させた、パエオニア亜低木の雄ずいの根の皮である。そのラテン名はCortex Moutanである。
【0077】
紫は、アルネビアルート(Arnebia root)、または紫属の根として知られている。そのラテン名はRadix Arnebiaeであり、学名は、Arnebia euchroma (Royle) Johnst., Lithospermum erythrorhizon Sieb. Et Zucc.,またはArnebia guttata Bungeである。
【0078】
百薇は、黒色クサノオウの根として一般的に知られている。そのラテン名はRadix Cynanchi Atratiであり、学名はCynanchum atratum Bge.またはCynanchum versicolor Bge.である。
【0079】
白芍は、白シャクヤクとして一般的に知られており、ラテン名はRadix Paeoniae Albaであり、学名はPaeonia lactiflora Pall.である。
【0080】
五味子は中国マグノリアバインフルーツ(Chinese Magnoliavine fruit)として一般的に知られており、ラテン名はFrutus Schisandrae Chinensisであり、学名はSchisandra chinensis (Turcz.) Barll(北五味子)、または、Schisandra sphenanthera Rehd(南五味子)である。
【0081】
紫胡、宇金、牡丹皮、紫、百薇、白芍および五味子はそれぞれ、市販のものであり、漢方薬の文書にも一般的に言及されている。
【0082】
本発明において用いられている用語「治療する」(treat)は、のぼせに関する1つ以上の症状の重症度または頻発を予防、改善、緩和することを含む。用語「治療する」およびその派生語は可能な限り広義で解釈されるべきものである。当該用語を、患者が全快するまで治療するという意味でとるべきではない。
【0083】
本発明において用いられる用語「および/または」は、「および」または「または」、あるいは、その両方を意味する。
【0084】
本発明において用いられる用語「抽出物」は、薬草の濃縮液を含む。薬草自体またはその抽出物のいずれをも薬剤に使用できる可能性があることを理解されたい。抽出物は、注入、煮出し、浸軟(macero-expression)、浸出、圧搾、蒸留、および、超臨界抽出を含んでいるが、それに限定されない従来技術の方法によって得られてもよい。上記過程では、薬草における可溶性成分の抽出を促進するために、溶媒などの混合物を使用してもよい。抽出を促進するのに使用される混合物は、当該技術分野において、そのような抽出過程における有益な溶液として知られているものを含む。好ましくは、当該溶媒はアルコール、有機溶剤、ハロゲン化溶剤、または水、あるいはそれらの混合物の中から選択される。超臨界抽出に適した溶媒は、圧縮二酸化炭素を含む。本発明において薬草を指す場合、その薬草から抽出された抽出物をも含む。当該技術分野および本明細書の教示に関する当業者は、本発明における有益な薬草の抽出物を容易に調合することができる。
【0085】
抽出物同士の配合、あるいは、生または乾燥した薬草と抽出物との組み合わせが本発明の組成物に使用されてもよいことを理解されたい。
【0086】
本発明は、組成物を調合するための過程もまた提供している。この過程は、概して下記を含む。
(a)五味子またはその抽出物、および白芍またはその抽出物を含んでおり、かつ、百薇またはその抽出物、紫またはその抽出物、牡丹皮またはその抽出物、宇金またはその抽出物、あるいは、紫胡またはその抽出物のうちの少なくとも1つを併用している混合物を提供する過程、
(b)溶媒によって混合物を抽出する過程、
(c)抽出された濃縮溶液を収集する過程;および、
(d)上記抽出された濃縮溶液を凝縮させる過程。
【0087】
ある実施形態において、約50、約100、約200、約300、約400、約500、約600、約700、約800、約900、または、約1000mlの溶剤が、植物性素材約100g当たりに加えられる。
【0088】
本発明の過程の段階(b)は、注入、煮沸、浸軟(macero-expression)、浸出、圧搾、蒸留、および、超臨界抽出のうちの1つを用いて実施されてもよい。
【0089】
本発明の段階(d)は、蒸留、蒸発、または浸出のうちの1つを用いて実施されてもよい。
【0090】
抽出過程は、一括処理であってもよいし、半連続処理または連続処理であってもよい。一括処理において、薬草および溶媒が回分反応器に単に加えられてもよく、当該反応器は好ましくは加熱および攪拌部品を備えており、抽出が実施できる。半連続または連続稼動形態の場合、一連の抽出または浸出カラムを有する反応装置が使用されてもよい。
【0091】
ある実施形態において、抽出過程が生じる反応装置は、凝縮および乾燥過程の装置に連結されていてもよい。好ましい凝縮および乾燥過程は、ろ過、蒸留、蒸発(熱および圧力蒸発を含む)、フリーズ・ドライ、および噴霧乾燥法を含む。
【0092】
ある実施形態において、冷浸法の使用は、ろ過の前に、薬草、または、複数の薬草をアルコールまたは水あるいはそれらの混合物といった溶液に浸すことを含む。
【0093】
代わりの実施例において、逆行する過程が抽出に用いられてもよい。この過程において、薬草は大きいパーコレイターにおける1つのカラムの中に入れられる。当該パーコレイターは、より小さい複数のカラムを有する。抽出すべき素材は、異なるカラムから一定の温度および流速で噴出し、素材は溶媒と断続的に混合される。そして、抽出された濃縮溶液は他のカラムを通り、新しい溶媒が新しい室の中を通る間に、当該溶液はもう一度薬草素材と接触する。その後、抽出された濃縮溶液は、蒸留、蒸発、浸出といった従来技術方法によって凝縮されうる。
【0094】
ある実施形態において、抽出過程では、抽出に超臨界処理が用いられてもよい。
【0095】
好ましくは、気体を加圧し、気体状態を維持するような超臨界温度まで加熱する。好ましくは、上記気体は二酸化炭素(CO)である。但し、いかなる適した気体をも使用しうることを理解されたい。
【0096】
組成物は、自然閉経に続いて起こるのぼせなどの更年期症状の頻発および/または重症度を緩和するための方法において有益である。
【0097】
開示された組成物は、薬剤誘発性の閉経によって引き起こされるのぼせなどの更年期症状の頻発および/または重症度を緩和するための方法において有益である。そのような薬剤誘発性の閉経は、化学療法、抗癌治療、免疫療法、ホルモン療法、内分泌療法に用いる薬が、婦人科(胸部、卵巣、子宮内膜、子宮頸部、膣)癌患者の治療、または子宮内膜症といった婦人科疾患の患者の症状を改善するのに使用された場合に起こる。
【0098】
開示された組成物は、外科手術(子宮切除)によって引き起こされるのぼせなどの更年期症状の頻発および/または重症度を緩和するための方法において有益である。
【0099】
紫胡、宇金、牡丹皮、紫、百薇、白芍および五味子またはそれらの抽出物は、のぼせの頻発および/または重症度を緩和するための薬剤、のぼせなどの更年期症状の頻発および/または重症度を緩和するための薬剤、自然閉経前または自然閉経中の症状の頻発および/または重症度を緩和するための薬剤、婦人科癌患者、あるいは、化学療法、抗癌治療、免疫療法、ホルモン療法または内分泌療法を必要とする婦人科疾患の患者において、薬剤誘発性(化学療法、抗癌治療、免疫療法、ホルモン療法、または内分泌療法)の閉経症状によって引き起こされる症状の頻発および/または重症度を緩和するための薬剤、子宮切除をした患者において外科的に誘発された閉経症状によって引き起こされる症状の頻発および/または重症度を緩和するための薬剤、を調合する際に使用されてもよい。
【0100】
本発明に開示された好ましい組成物は、それぞれの組成物の約1〜30gを有する。本発明のより好ましい組成物は、下記を有する。
(a)5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15gの紫胡またはその抽出物
(b)5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15gの宇金またはその抽出物
(c)10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20gの牡丹皮またはその抽出物
(d)15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25gの紫またはその抽出物
(e)10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20gの百薇またはその抽出物
(f)10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20gの白芍またはその抽出物
(g)10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20gの五味子またはその抽出物
または、おおよその比率を保ったそれらの複合物を有しており、有効範囲は、これら上述の値(例えば、約8〜10g)のいずれかの間で選択されてもよい。または、当該組成物は、おおよその比率を保ったそれらの複合物を有しており、有効範囲は、これら上述の値(例えば、約10〜15g)のいずれかの間で選択されてもよい。
【0101】
最も好ましいのは、組成物が、約10gの紫胡、約10gの宇金、約15gの牡丹皮、約20gの紫、約15gの百薇、約15gの白芍、および、約15gの五味子を有するか、あるいはおおよその比率を保ったそれらの複合物を有するかである。
【0102】
より多くの量の薬草が調合されうることを理解されたい。しかしながら、それぞれの薬草と他の薬草との相対量は、比率的におおよそ等しくあるべきである。
【0103】
ある実施形態において、組成物は植物性の素材を有する。当該植物性素材は乾燥または生の状態であってもよい。
【0104】
ある実施形態において、組成物は植物性の素材の抽出物、好ましくは水抽出物を含む。
【0105】
本発明に係る組成物の好ましい調合方法は、適量の薬草を混ぜ合わせ、アルコールまたは水、あるいはその混合物の中で薬草組成物を煮出すことを含む。
【0106】
好ましくは、使用されるアルコールまたは水、あるいはその混合物の量は、薬草の組成物よりも約1、2、3、4、5、67、8、9、または、10cm高い。最も好ましいのは、アルコールまたは水、あるいはその混合物の水平面が、薬草の組成物よりも5cm高いことである。
【0107】
また、植物性素材に加えられるアルコールまたは水、あるいはその混合物の量は、使用される植物性素材によって決められうる。ある実施形態において、約50、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または、1000mlのアルコールまたは水、あるいはその混合物が、乾燥した植物性素材約100g当たりに加えられる。好ましくは、500mlの水またはアルコール、あるいはその混合物が、乾燥した薬草100g当たりに加えられる。
【0108】
一旦アルコールまたは水、あるいはその混合物と薬草との組成物が容器の中で混合されると、薬草組成物は約10、15、20、25、35、または40分間、当該アルコールまたは水、あるいはその混合物の中に浸される。より好ましくは、薬草組成物を30分間浸す。これに続いて、当該混合物が沸騰するまで加熱し、約10、15、20、25、30、35、または40分間弱火で煮る。より好ましくは、混合物を20〜30分間加熱する。上記容器はアルミニウムでないことが好ましい。
【0109】
これに続いて、濃縮アルコールまたは濃縮水、あるいはその混合物の一定量が除去される。好ましくは、除去される濃縮アルコールまたは濃縮水、あるいはその混合物の量は、70、80、90、100、110、120、または130mlである。より好ましくは、除去される濃縮アルコールまたは濃縮水、あるいはその混合物の量は、100mlである。
【0110】
他の実施形態において、下記を有する組成物を調合するための方法を提供する:
1.紫胡、宇金、牡丹皮、紫、百薇、白芍、および五味子の薬草混合物を加熱し、上記薬草の抽出物を得る、および、
2.上記溶液を少なくとも部分的に除去することによって、上記薬草抽出物を濃縮する。
【0111】
好ましくは、薬草は、約2、3、4、5、6、7、8、9、または、10cmのアルコールまたは水、あるいはその混合物において配置される。より好ましくは、薬草は、5cmのアルコールまたは水、あるいはその混合物において設置される。また、植物性素材に加えられるアルコールまたは水、あるいはその混合物の量は、使用される植物性素材によって決められうる。ある実施形態において、約50、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または、1000mlのアルコールまたは水、あるいはその混合物が、乾燥した植物性素材約30g当たりに加えられる。好ましくは、約500mlのアルコールまたは水、あるいはその混合物が、乾燥した薬草100g当たりに加えられる。
【0112】
好ましくは、加熱前に上記混合物を、アルコールまたは水、あるいはその混合物の中に10、20、30、または40分間浸す。
【0113】
好ましくは、上記混合物を10〜40分間加熱する。好ましくは、上記混合物が煮沸するまで加熱する。
【0114】
好ましくは、上記混合物を10〜40分間弱火で煮る。
【0115】
ある実施形態において、除去された濃縮アルコールまたは濃縮水、あるいはその混合物と略同量の水を組成物に加えることによって、上記方法は何度も繰り返されうる。
【0116】
好ましくは、それぞれの周期の終わりに除去される濃縮アルコールまたは濃縮水、あるいはその混合物の量は、70、80、90、100、110、120、または130mlである。より好ましくは、それぞれの周期の終わりに除去される濃縮アルコールまたは濃縮水、あるいはその混合物の量は、100mlである。
【0117】
除去されると、濃縮アルコールまたは濃縮水、あるいはその混合物は、投与を必要とする患者に投与されうる。好ましくは、1日当たり100mlの濃縮アルコールまたは濃縮水、あるいはその混合物が投与される。より好ましくは、1日当たり少なくとも2回に分けて、100mlの濃縮アルコールまたは濃縮水、あるいはその混合物が投与される。
【0118】
ある実施形態において、濃縮アルコールまたは濃縮水、あるいはその混合物は、さらに処理され、顆粒、錠剤、またはカプセルといった適当な剤形で製造される。当該剤形は、濃縮アルコールまたは濃縮水、あるいはその混合物の、液状、または乾燥状態のものを内包している。好ましくは、顆粒、錠剤、またはカプセルは、1日当たり少なくとも1、2、3、4、または5回患者に投与される。最も好ましくは、顆粒、錠剤、またはカプセルは、1日当たり少なくとも2回患者に投与される。
【0119】
ある実施形態において、濃縮アルコールまたは濃縮水、あるいはその混合物を、濃縮した後乾燥させる。好ましい濃縮および乾燥段階は、ろ過、蒸留、蒸発(熱蒸発あるいは圧力蒸発を含む)、フリーズ・ドライ、噴霧乾燥法を含む。
【0120】
本発明において開示された組成物は、紫胡、宇金、牡丹皮、紫、百薇、白芍、および五味子、またはその抽出物を有する機能性食品、栄養補助食品、経口薬剤をも含む。
【0121】
本発明において開示された組成物は、選択されたいかなる剤形でも投与しうるように配合されている。したがって、本発明において有益な、経口投与のための機能性食品(例えば、食品、食品添加物、食品補足物)、栄養補助食品、または医薬品は、当業者が従来の配合技術に従って配合しうるものである。
【0122】
例えば、食品、食品添加物、または食品補足物は、本発明に係る使用法のための上記の組成物を有しており、それらは植物の抽出物を保有することのできる食用の消費者製品を含む。食用の消費者製品の適当な例としては、菓子製品、還元果実製品、スナックバー、シリアルバー、スプレッド、ディップ、ヨーグルトやチーズといった乳製品、乳製および非乳製の飲料、粉ミルク、乳製および非乳製のスポーツ補助剤、粉状プロテインなどの食品添加物、および、日常のサプリメント錠剤などの食品補助製品が挙げられる。本発明において有益な適した機能性食品は、同様の剤形で提供されうる。
【0123】
適した薬剤は、薬学的に許容された適切な賦形剤、目的とする剤形および基準となる製剤処方のやり方に従って選択された希釈剤または担体、とともに製剤されてもよい。本発明において有益な剤形は、粉末、液体、錠剤、または、カプセルとして経口投与されるものでありうる。適した剤形は、乳化剤、抗酸化剤、香料、着色料といった必要な付加的薬剤を含んでいてもよい。本発明において有益な剤形は、有効成分の放出について、即効性、遅延性、変調性、持続性、パルス性、または制御性を備えるよう適合されていてもよい。本発明に記載されている好ましい組成物は、紫胡、宇金、牡丹皮、紫、百薇、またはその抽出物、および、白芍と五味子のうちの1つ、またはその両方を有する。好ましくは、組成物は紫胡、宇金、牡丹皮、紫、百薇、白芍、および、五味子、またはその抽出物を有する。
【0124】
本発明において記載された組成物は、皮下投与、静脈内投与、腹腔内投与、筋肉投与、および、腫瘍内投与を含む、しかし、それらに限定されない、非経口経路によって投与されてもよい。好ましくは、組成物は経口投与によって投与される。当業者であれば、不要な実験をせずとも非経口投与に適した製剤を調合できるだろう。当該組成物は、単一で使用されてもよいし、または、1つ以上の他の治療薬とともに使用されてもよい。他の治療薬とともに使用される場合、2つの薬剤は別々に投与されてもよいし、同時または連続的に投与されてもよい。同時に投与する場合は、両方の薬剤を含む1つの剤形を投与すること、および、実質的に同じ時間に2つの個々の剤形を投与することを含む。連続的に投与する場合は、異なる予定に従って2つの薬剤を投与することを含んでおり、好ましくは、そのことによって2つの薬剤が投与される期間が重なる。本発明に係る組成物とともに投与されうる適当な薬剤は、化学療法薬および免疫療法薬、ならびに当該技術分野において知られる他の適した薬剤を含む。そのような薬剤は、経口投与、吸入投与、および、直腸投与だけでなく、好ましくは、非経口によって投与される。非経口投与とは、好ましくは、静脈内投与、皮下投与、筋肉投与、腹腔内投与、髄内投与、硬膜外投与、皮内投与、経皮(局所性)投与、経粘膜投与、関節内投与および胸膜腔内投与である。さらに、本発明に係る組成物は、特定の場合に患者の利益となる可能性のある付加的な有効成分とともに調合されてもよい。例えば、病気の経過における、同じ、または、異なる局面を標的とした治療薬が使用されてもよい。投与される組成物の剤形、投与の期間、投与形態の概要は、患者の症状の重症度、治療すべき疾患のタイプ、選択された投与形態、患者の年齢、性別、および/または全身の健康状態によって異なる可能性があることがわかるだろう。投与は、1日1回の服用か、または、適量になるように何回かに分けられた服用を含むことに留意されたい。本発明の技術および開示された事項に係る通常技術を有する当業者であれば、不要な実験をせずとも、一定の状況下で効果的な用量、用法(日用量および投与のタイミングを含む)を決定できることを理解されたい。
【0125】
ある実施形態において、本発明に係る組成物は、婦人科癌に用いられる、化学療法薬、抗癌剤、免疫治療薬、ホルモン療法薬、内分泌療法薬と同時に、または連続して投与される。それらの薬には、例えば、タモキシフェン、タキサン、タキソール、パクリタキセル(タキソール)、ドクセタキセル(タキソテール)、シクロホスファミド(ドセタキセル)、アルキル化剤(分裂抑制剤)、ドキソルビシン(パディタキセルpaditaxel、アドリアマイシン)、抗生剤、ミトキサントロン(ノヴァントロンnovantrone)、酒石酸ビノレルビン(ナベルビン)、ビンカ・アルカロイド(分裂抑制剤)、フッ素ウラシル、ピリミジン類似体(代謝拮抗物質)、カペシタビン(ゼローダ)、メトトレキサート、葉酸類似体(代謝拮抗剤)がある。さらに、ホルモン治療については、例えば、抗エストロゲン剤であるタモキシフェン(ノルヴァデックスNalvadex)、およびトレミフェン(ファレストンfareston)、アロマターゼ阻害剤であるレトロゾール(letrozole(フェマーラFemara))、およびアナストラゾール(anastrazole(アリミデックスArimidex))、アロマターゼ阻害剤であるエクセメスターン(exemestane(アロマジンAromasin))、LHRH阻害剤であるゴセレリン(ゾラデックスZoladex)、およびロイプロリド(ロイポンLeurpon)、フルベストラント(fulvestrant(ファスロデックスFaslodex))などがある。さらに、当該組成物は、外科手術(腫瘍摘出手術または乳癌のための乳腺切除)、放射線治療、およびモノクローナル抗体療法(trastuzumab(ハースプチン))と同時に、または当該治療に続いて投与される。
【0126】
ある実施形態において、本発明に係る組成物は、タモキシフェン(TAM)などの1つ以上のホルモン治療薬を含む。
【0127】
下記の例を参照して、本発明の様々な形態を限定することなく詳述する。
【0128】
〔実験〕
〔例1〕
乾燥した状態の下記薬草を検量し、容器の中に置いた:紫胡10g、宇金10g、牡丹皮15g、紫20g、百薇15g、白芍15g、五味子15g。
【0129】
約500mlの水を100g当たりの乾燥した薬草に加えた。水の中に薬草を浸けて約30分間放置した。続いて、水と薬草の混合物を弱火で20〜30分間煮ることによって、薬草の煎じ汁ができた。
【0130】
一定分量(約100ml)の濃縮水を容器から取り出し、集めた。取り除かれた濃縮水と同量の冷水を容器に注ぐ事によって、さらに100mlの一定分量ができる。
【0131】
100ml一定分量の濃縮水は、使用のために保存された。
【0132】
〔例2〕
タモキシフェン(TAM)を服用している乳癌患者女性30名に、本発明の組成物100mlを1日当たり2回に分けて投与した。それぞれの患者には病理学的診断がなされている。患者の平均年齢は48歳(38歳〜64歳)であった。これらすべての患者のうち、21人(70%)がER+およびPR+(エストロゲン受容体陽性およびプロゲストロン受容体陽性)であり、5人(16%)がER+およびPR−(エストロゲン受容体陽性およびプロゲストロン受容体陰性)であり、4人(13%)がER−およびPR+であった。TAMを使い始めてからのぼせの症状が発症するまでの平均時間は、2.4ヶ月(1ヶ月〜5ヶ月)であった。Kupperman HS et al. ("Comparative clinical evaluation of estrogenic preparation by the menopausal and amenorrheal indices" Journal of Clinical Endocrinology 1953;13:688-703)に記載の方法によると、症状は、軽度の分類(≦5回/日)および重度の分類(>5回/日)に分けられる。症状の改善はTCMを服用してから3週間後に見られた。結果を表1に示す。重度の分類であった患者のうち16人(53%)が軽度の分類になった。軽度の分類の患者のうち14人(46%)の症状が殆どなくなった。
【0133】
【表1】

【0134】
〔例3〕
のぼせ症状(ホルモン治療が原因)のある乳癌患者68人に二重盲式無作為試験を行い、1日3回以上、本発明の組成物または偽薬を投与した。患者は、3週間の間、1日当たり3回に分けて本発明の組成物100mlを経口投与された。66人の患者が実験を終えた。これら66人の患者のうち、33人が本発明の組成物を服用し、33人が偽薬を服用した。患者は、治療が始まる前の1週間、1日当たりののぼせの回数を記録していた。この記録は、のぼせの発生および重症度の改善、睡眠の改善についての判断材料として使用された。上述のKuppermannの方法は、のぼせの重症度を記録するのに用いられた。すなわち、≦5回/日=軽度、>5回/日=重度である。年齢、体調、およびのぼせの重症度に関して、2つのグループの分布は類似していた。
【0135】
<のぼせ症状の改善>
偽薬グループ(33人)において、69.7%(33人中23人)には変化や効果が見られず、残り30.3%(33人中10人)については、わずかに症状が緩和された。
【0136】
治療グループ(33人)において、42.4%(33人中14人)には変化や効果が見られず、42.4%(33人中14人)には何らかの症状の緩和が見られ、残り15.2%(33人中5人)についてはのぼせ症状が消えた。
【0137】
【表2】

治療グループに顕著な改善が見られた(P=0.006)。
【0138】
<睡眠の質の改善>
偽薬グループにおいて、60.6%(20人)には何の変化も見られず、39.4%(13人)には睡眠の質に改善が見られた。
【0139】
治療グループにおいて、36.4%(33人中12人)には何の変化も見られず、63.6%(33人中21人)には睡眠の質に改善が見られた。これらの結果は統計的に見て顕著なものである(P=0.049)。
【0140】
【表3】

【0141】
副作用が報告された患者はいなかった。心臓、肝臓、腎臓、血液検査は全て正常であった。
【0142】
上記データは、本発明の経口投与によって乳癌患者ののぼせ症状および睡眠の質が改善されたことを示している。
【0143】
〔産業上の利用可能性〕
本発明に係る組成物および方法は、のぼせなどの更年期症状の治療および予防に用いられてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
五味子またはその抽出物、および白芍またはその抽出物を有する組成物であって、
当該組成物は、百薇またはその抽出物、紫またはその抽出物、牡丹皮またはその抽出物、宇金またはその抽出物、あるいは、紫胡またはその抽出物のうちの少なくとも1つと併用される、組成物。
【請求項2】
(a)約3%(乾燥重量)〜約12%(乾燥重量)の紫胡またはその抽出物、
(b)約3%(乾燥重量)〜約12%(乾燥重量)の宇金またはその抽出物、
(c)約5%(乾燥重量)〜約15%(乾燥重量)の牡丹皮またはその抽出物、
(d)約12%(乾燥重量)〜約20%(乾燥重量)の紫またはその抽出物、
(e)約5%(乾燥重量)〜約15%(乾燥重量)の百薇またはその抽出物、
(f)約5%(乾燥重量)〜約15%(乾燥重量)の白芍またはその抽出物、
(g)約5%(乾燥重量)〜約15%(乾燥重量)の五味子またはその抽出物、
を有する組成物、または、おおよその比率を保った当該組成物の複合物を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
上記組成物は、約10%(乾燥重量)の紫胡、約10%(乾燥重量)の宇金、約15%(乾燥重量)の牡丹皮、約20%(乾燥重量)の紫、約15%(乾燥重量)の百薇、約15%(乾燥重量)の白芍、および、約15%(乾燥重量)の五味子、または、おおよその比率を保った当該組成物の複合物を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
植物性の素材が乾燥した状態であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
植物性の素材が生の状態であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
上記組成物が、1つ以上のホルモン療法薬をさらに有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
上記組成物が、薬学的に許容された担体をさらに有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
上記抽出物が、大半が水抽出物であることを特徴とする、請求項1〜7に記載のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
患者における更年期症状の頻発または重症度を緩和するための薬剤を調合することを特徴とする、請求項1に記載の組成物の使用。
【請求項10】
上記患者は、自然前閉経期または閉経期の女性、薬剤誘発性の閉経または外科的に誘発された閉経によって引き起こされた症状をもつ患者、婦人科癌にかかった患者、婦人科疾患にかかった患者、子宮切除を行った患者、および、ホルモン補充治療によって婦人科癌発症または再発の危険性が高まった患者、で構成されるグループの中から選択されることを特徴とし、
当該薬剤誘発性の閉経とは化学療法、抗癌治療、免疫療法、ホルモン療法、内分泌療法によって引き起こされる閉経であり、当該婦人科癌とは乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、または、膣癌であり、当該婦人科疾患とは子宮内膜症であり、
上記患者における上記更年期症状は、のぼせか睡眠の質の阻害かのいずれか少なくとも1つを任意に有することを特徴とする、請求項1に記載の組成物の使用。
【請求項11】
上記薬剤が、1つ以上のホルモン治療薬と同時に、または、連続して投与されることを特徴とする、請求項9または10に記載の使用。
【請求項12】
上記薬剤が、1つの組成物として投与されることを特徴とする、請求項9〜11のいずれか1項に記載の使用法。
【請求項13】
五味子またはその抽出物、および白芍またはその抽出物を含む溶液から薬草抽出物を得るための段階を有する組成物を調合するための過程であって、
当該組成物は、百薇またはその抽出物、紫またはその抽出物、牡丹皮またはその抽出物、宇金またはその抽出物、あるいは、紫胡またはその抽出物のうちの少なくとも1つと併用されることを特徴とする、過程。
【請求項14】
約50、約100、約200、約300、約400、約500、約600、約700、約800、約900、または、約1000mlの溶媒が、植物性の素材約100g当たりに加えられることを特徴とする、請求項13に記載の過程。
【請求項15】
紫胡またはその抽出物、宇金またはその抽出物、牡丹皮またはその抽出物、紫またはその抽出物、百薇またはその抽出物、白芍またはその抽出物、および、五味子またはその抽出物を有する組成物。

【公表番号】特表2009−523723(P2009−523723A)
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−550272(P2008−550272)
【出願日】平成19年1月12日(2007.1.12)
【国際出願番号】PCT/SG2007/000010
【国際公開番号】WO2007/081293
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(508210653)モレアク プライベート リミテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】MOLEAC PTE.LTD.
【住所又は居所原語表記】11 Biopolis Way,#09−08 Helios,Singapore 138667,Singapore
【Fターム(参考)】