びんのコーティングチャンバ
【課題】びんの全ての部分において、良好なアルカリ耐性を有するコーティング被膜を形成でき、かつチャンバ内においてびん詰まりを起こさないようにする。
【解決手段】びん10を移送するコンベア7を挟んで両側に吹出室2を設け、各吹出室2のコンベア側の面に横長の第一、第二、第三吹出口21,22,23を形成する。第一吹出口21は、下端の高さをびん最低部±5mm以内、幅を12〜33mm、びんの高さをBHとしたときに、第二吹出口22は、中心高さをびん最低部+(0.43〜0.53)BH、幅を3〜12mm、第三吹出口23は、中心高さをびん最低部+(0.66〜0.76)BH、幅を3〜12mmにすることで、前記課題を解決する。
【解決手段】びん10を移送するコンベア7を挟んで両側に吹出室2を設け、各吹出室2のコンベア側の面に横長の第一、第二、第三吹出口21,22,23を形成する。第一吹出口21は、下端の高さをびん最低部±5mm以内、幅を12〜33mm、びんの高さをBHとしたときに、第二吹出口22は、中心高さをびん最低部+(0.43〜0.53)BH、幅を3〜12mm、第三吹出口23は、中心高さをびん最低部+(0.66〜0.76)BH、幅を3〜12mmにすることで、前記課題を解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスびんの外表面にコーティング被膜を形成させるコーティングチャンバで、特に、繰り返し使用されるリターナブルびんのコーティング(徐冷炉に送られる寸前に施されるホットエンドコーティング)に用いて好適なコーティングチャンバに関する。
【背景技術】
【0002】
リターナブルびんは何度も再使用できるという点では環境的に優れている。しかし、リターナブルびんは破損を防止するために肉厚が厚く重いので、輸送時等におけるCO2排出量という観点での評価は低い。
近年の環境配慮型社会では、びん軽量化は必須事項であり、リターナブルびんにおいても、軽量化の要請が大きい。
【0003】
リターナブルびんの肉厚を薄くし軽量化すると、びんの強度が問題になる。ガラスびんの強度は、成形当初は十分に大きいが、外表面に傷ができると極端に低下する。びんの外表面に傷ができるのを防ぐために、ガラスびん成形過程のびんが徐冷炉に入る前のホットエンドにおいて、SnO2、TiO2などの金属酸化物被膜をびん外表面に形成するコーティングが行われる。
【0004】
リターナブルびんの場合、回収されて再使用される度に、アルカリ洗浄が行われる。アルカリ洗浄において、コーティング被膜が一部でも剥離すると、その部分に傷が付きやすくなり、また、びんの美感も損ねるので、アルカリ耐性の大きな被膜にしなければならない。
アルカリ耐性の大きな被膜を形成するためには、コーティングの材料ガスを大きな圧力でびん外周面に吹き付けることが必要となる。
また、大きな圧力で材料ガスをびんに吹き付けると、チャンバ内でびんが転倒したり、滑ったりしてチャンバ内でびん詰まりが発生し、びん成形ラインに支障を来すという問題がある。
アルカリ耐性が大きな被膜を形成でき、しかもチャンバ内でびんが転倒しないコーティングチャンバを課題とするもので、例えば、下記特許文献1がある。
特許文献1のチャンバは、材料ガスの吹出口をびんの重心よりも下方に配設し、かつ、吹出口の面積の総和と風量を所定の範囲に組み合わせるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−100037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は、十分なアルカリ耐性被膜を形成するために必要な吹き付けガス圧力、及びチャンバ内でびん詰まりを起こさないためのチャンバ内でのびん滑り量を度重なる実験により求めた。その結果を表1に示す。
【0007】
【表1】
【0008】
表1において、滑り量は、びんがチャンバ通路で30秒間吹出ガスを受けたときの移動量で、「目標値」は全くびん詰まりを起こさない量、「限界値」は殆どびん詰まりを起こさない量である。
【0009】
表1において、ガス圧力(吹き付けガス圧力)の「目標値」は、形成されるコーティング被膜のアルカリ耐性(90℃の4重量%水酸化ナトリウム水溶液に耐える時間)が3時間以上の値、「限界値」はアルカリ耐性が2〜3時間の値である。いずれも、平均値及び最小値が表の数値以上でなければならない。
【0010】
本発明者は、前記特許文献1のチャンバを検証するため、図8に示すように、びん通路の両側の下部に吹出口25を設け、吹出口の高さh0を種々変化させて、びんの移動量(30秒間)と吹き付けガス圧力を測定した。
びんは高さ約290mm、重心位置約112mm、外径約70mm、重さ約400gのものを用いた。
また、左右の吹出室にそれぞれガス(エア)を供給するブロアの周波数を85Hz(風量:約8m3/min)にて行った。
吹出口の高さと吹出口の面積(両側の合計)は、表2に示すとおりである。
【0011】
【表2】
【0012】
この実験におけるびん滑り量の測定結果を図9に示す。同図において、四角点は天板6がない場合、丸点は天板6を設置した場合である。
吹出口の高さh0が重心位置に近づくと、急激に滑り量が増大する。また、天板を設けない方が滑り量が小さくなることが確認できた。
【0013】
この実験における吹き付けガスの圧力は、図10に示すびん模型8で測定した。びん模型8は金属製で、4個の測定孔81(直径5mm)を有し、各測定孔には圧力センサを設けている。測定孔81は上から下に順次首部、肩部、胴部、裾部に設けられている。
なお、胴部は内容量の大部分を収容する部分で外周面がほぼ垂直に形成された部分、首部は胴部の上にあって外周面がほぼ垂直又は上に向かって徐々に縮径する部分、肩部は胴部と首部の間にあって上に向かって縮径し縮径の度合いが首部よりも大きい部分、裾部は胴部と底部の間で下に向かって徐々に縮径する部分である。
【0014】
びん模型が受けるガス圧力は、チャンバのびん通路における測定孔の向きによって異なる。そこで、図11に示す測定孔の向きを符号A、B、Cになるようにびん模型の設置位置を順次変えて、首部ないし裾部の各点において、圧力の平均値及び最小値を測定した。後述する圧力測定においても同様である。
【0015】
この実験におけるガス圧力測定結果(天板なしの場合)を表3に示す。同表において、○印は目標値以上、△印は限界値以上目標値未満、×印は限界値未満を示す。
【0016】
【表3】
【0017】
表3に示されるように、びんの首部及び肩部においては吹き付けるガス圧力が限界値未満であり、良好なアルカリ耐性は期待できない。また、胴部においても、吹出口の高さh0がびん重心より高くなければ良好なアルカリ耐性は期待できない。
したがって、びん重心よりも下方にのみ吹出口を設けるのでは、良好なアルカリ耐性は得られないことが確認された。
【0018】
本発明は、びんの首部ないし裾部の全ての部分において、良好なアルカリ耐性を有するコーティング被膜を形成でき、しかもチャンバ内においてびん詰まりを起こさないようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
〔請求項1〕
本発明は、びんを移送するコンベアを挟んで両側に吹出室を備え、該各吹出室のコンベア側の面に横長の第一、第二、第三吹出口が形成され、
該第一吹出口は、下端の高さがびん最低部±5mm以内、幅が12〜33mm、
びんの高さをBHとしたときに、
該第二吹出口は、中心高さがびん最低部+(0.43〜0.53)BH、幅が3〜12mm
該第三吹出口は、中心高さがびん最低部+(0.66〜0.76)BH、幅が3〜12mm
であることを特徴とするびんのコーティングチャンバである。
【0020】
第一吹出口の下端の高さはびん最低部と同位置が望ましいが、±5mm以内の誤差があっても差し支えない。幅は12〜33mmが好ましく、12mm未満ではびん胴部のガス圧力が小さくなり、33mmを越えるとびん滑り量が大きくなるおそれがある。幅の更に好ましい範囲は12〜18mmである。
【0021】
第二吹出口の中心高さはびん最低部+(0.43〜0.53)BHが好ましく、0.43BHに満たない場合、及び0.53BHを越える場合は、びん肩部のガス圧力が小さくなるおそれがある。更に好ましい範囲はびん最低部+(0.45〜0.51)BHである。幅は3〜12mmが好ましく、3mmに満たないとびん肩部のガス圧力が小さくなり、12mmを越えるとびん滑り量が大きくなるおそれがある。更に好ましい範囲は3〜7mmである。
【0022】
第三吹出口の中心高さはびん最低部+(0.66〜0.76)BHが好ましく、0.66BHに満たないとびん首部のガス圧力が小さくなり、0.76BHを越えるとびん肩部のガス圧力が小さくなるおそれがある。更に好ましい範囲はびん最低部+(0.68〜0.74)BHである。幅は3〜12mmが好ましく、3mmに満たないとびん肩部及び首部のガス圧力が小さくなり、12mmを越えるとびん滑り量が大きくなるおそれがある。更に好ましい範囲は3〜7mmである。
【0023】
第一ないし第三吹出口を請求項1記載のように設定すると、容易に、びん各部のガス圧力を限界値又は目標値以上とし、かつ、びんの滑り量を目標値以下にすることができる。
また、第一ないし第三吹出口を、上記の更に好ましい範囲に設定すると、容易に、びん各部のガス圧力を目標値以上とし、かつ、びんの滑り量を目標値以下にすることができる。
【0024】
〔請求項2〕
また本発明は、前記第一ないし第三吹出口の長さが230〜330mmである請求項1に記載のコーティングチャンバである。
【0025】
吹出口の長さは230〜330mmが好ましく、230mmに満たないとコーティング膜厚が不十分になり、330mmを越えるとびんの滑り量が大きくなるおそれがある。更に好ましい範囲は260〜300mmである。
【0026】
〔請求項3〕
また本発明は、前記各吹出室のコンベア側の面で形成されるびん通路の幅が、びんの最大径φ+(30〜80)mmである請求項1又は2に記載のコーティングチャンバである。
【0027】
チャンバにおけるびん通路の幅は、びんの最大径φ+(30〜80)mmが好ましく、この範囲よりも狭いとびん滑り量が大きくなり、広いとびん各部のガス圧力が小さくなるおそれがある。更に好ましい範囲は、びんの最大径φ+(50〜70)mmである。
【0028】
〔請求項4〕
また本発明は、前記びん通路の上方に上方吸込室を設けた請求項1〜4のいずれかに記載のコーティングチャンバである。
【0029】
チャンバにおけるびん通路の上方に上方吸込室を設けることは、図9の天板を設けない場合に相当し、びん滑り量を小さくすることができる。
【0030】
〔請求項5〕
また本発明は、前記びん通路と上方吸込室の間に天板を設けると共に、該天板の幅方向の両側に隙間を形成した請求項4に記載のコーティングチャンバである。
【0031】
このように構成すると、コーティング原料ガスが、びん口部から外側の天板隙間に向かって流れるので、びん口部内面にコーティング剤が付着しない。隙間の幅は、片側で15〜25mm程度にするとびん滑り量への影響が少なく、好適である。更に好ましくは17〜23mmである。
【0032】
〔請求項6〕
また本発明は、前記天板の幅方向縦断面形状がV字形である請求項5に記載のコーティングチャンバである。
【0033】
天板の幅方向縦断面形状をV字形状にすることにより、の平板状の場合よりもびんの滑り量が少なくなる。V字形状の角度は60〜120°が好適である。
【0034】
以上の所見は、種々の要素の数値を変更しながら繰り返し行った実験によって確認されたものである。
【発明の効果】
【0035】
本発明のびんコーティングチャンバは、びん首部から裾部に至るまで、びん外面全体にアルカリ耐性の高いコーティング被膜を形成し、繰り返し使用されるびんのコーティング被膜が、回収される度に行われるアルカリ洗浄によって一部でも剥離するおそれが殆どなくなり、しかも、コーティング時にチャンバにおいてびん詰まりが発生するおそれもなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】チャンバ1の側面図である。
【図2】チャンバ1の長さ方向中央縦断面図である。
【図3】チャンバ1の幅方向中央縦断面図である。
【図4】天板を設けたチャンバの要部説明図である。
【図5】天板を設けたチャンバの要部説明図である。
【図6】ブロア周波数とびん滑り量の関係の説明図である。
【図7】天板の幅とびん滑り量の関係の説明図である。
【図8】下部に吹出口25を設けた実験の説明図である。
【図9】図8における吹出口高さh0とびん滑り量の関係の説明図である。
【図10】びん模型8の正面図である。
【図11】びん模型の測定孔の向きの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1〜5は、実施例のチャンバに関するものである。
チャンバ1は、ガラスびん成形ラインにおける徐冷炉入口のやや上流側(ホットエンド)に設けられる。成形したガラスびんを搬送するコンベア7を挟んで両側に吹出室2が設けられ、その間がびん通路5となっており、その上方に上方吸込室3が設けられている。さらに、びんに押し流されたコーティング材料ガスを回収する後方吸込室4も後方に設けられている。また、コーティング材料ガスが外部に流出しないように、吹出室2と後方吸込室4の入口側及び出口側端部には、ゴンベア7の両側に排気室9が設けられている。吹出室2には吹出ダクト24が接続され、ブロア(図示せず)によって材料ガスが供給される。上方吸込室3,後方吸込室4には吸込ダクト31,41が接続され、ブロア(図示せず)によって余剰の材料ガスを吸い込む。吸い込まれた材料ガスは循環再利用される。
また、場合によって、びん通路5と上方吸込室3の間に天板6を設けることができる(図4,5)。
【0038】
チャンバ1は、高さ(BH)290mm、外径70mm、質量400gのガラスびんにホットエンドコーティングを行うものである。
図2,4に示すように、両側の吹出室2のコンベア側の面に横長の第一吹出口21、第二吹出口22、第三吹出口23が形成されている。各吹出口の長さLは280mmである。第一吹出口21の幅w1は15mm、第二吹出口22の幅w2は5mm、第三吹出口23の幅w3は5mmである。また、第一吹出口21の下端の高さはびん10最低部の高さに等しく、第二吹出口22の中心の高さh2はびん最低部よりも140mm(0.48BH)高い位置、第三吹出口23の高さh3はびん最低部よりも206mm(0.71BH)高い位置になっている。
びん通路5の幅Wは130mmで、びん胴径φ+60mmとなっている。
【0039】
第一吹出口21はびんの裾部ないし胴部下側、第二吹出口22はびんの肩部、第三吹出口23はびんの首部に位置する。
本発明における第一〜第三吹出口の作用効果を検証するため、これらとは別に、びん胴部中央付近の位置に胴部吹出口(幅5mm、長さ280mm)を設け、これら各吹出口の組合せによって、びんの各部に作用するガス圧力がどのように変化するかを測定した。その結果を表4に示す。測定は、図10のびん模型を用いて、前記と同様に行った。なお、吹出ブロアの周波数は85Hzとした。
【0040】
【表4】
【0041】
表4において、「1」は第一吹出口、「2」は第二吹出口、「3」は第三吹出口、「胴」は胴部吹出口を示す。「圧力」はびんの「首部」「肩部」「胴部」「裾部」に作用した圧力で、「○」は目標値以上、「△」は限界値以上目標値未満、「×」は限界値未満を示す。
滑り量は30秒間の滑り量で、「○」は目標値以下を示す。
表4に示されるように、本発明の、第一・第二・第三吹出口の組合せは、肩部圧力が「△」である他は全て「○」であるが、その他の組合せは全て「×」を2個以上含んでおり、本発明の優位性が明らかになっている。
【0042】
次に、実施例のチャンバ1の吹出ブロアの周波数を変化させ、びん各部に作用するガス圧力とびん滑り量を検証した。その結果を表5に示す。
【0043】
【表5】
【0044】
表5に示されるように、ブロア周波数が95〜110Hzの場合、びん各部に作用するガス圧力及びびん滑り量が全て「○」になっている。
したがって、ブロア周波数が95〜110Hzの広い範囲において、好適なコーティング(アルカリ耐性の大きなコーティング被膜を、チャンバでびん詰まりすることなく形成できるコーティング)を行うことができる。このことは、好適なコーティングを容易に、かつ、安定して行えることを意味する。
【0045】
吹出口から吹き出すガスの適切な風量は、吹出口の大きさ、びん通路の大きさ、びんの大きさなど種々の要素によって変化するので一概にはいえないが、前記のように、本発明においては広い範囲のブロア周波数(風量)によって好適なコーティングを行うことができるので、適切な風量を実施することは容易である。
ちなみに、本実施例の総風量は、ブロア周波数95Hzで約9m3/min、110Hzで約10m3/minである。
【0046】
本実施例のチャンバに、図4、5に示すような天板6を設け、天板の幅(両端の隙間61の幅g)を変化させて、びんの滑り量の変化を調べた。その結果を図7に示す。図4は天板の形状が平板状の場合、図5は天板の幅方向縦断面形状がV字形の場合である。図7において丸点は天板が平板状の場合、四角点は天板がV字状の場合(V字の角度θ=90°の場合)である。
天板を設けることで、コーティング被膜がびん内部に付着するのを防ぐことができる。天板を設ける場合は、隙間61の幅gを17〜25mmにすると、びん滑り量の、天板を設けない場合からの増加量を5mm以内程度に抑えることができる。
また、図5に示すように、天板6の幅方向縦断面形状をV字形状にすると、図4の平板状の場合よりもびんの滑り量が少なくなり、天板を設けない場合とほぼ同じ水準になる。V字形状の角度θは60〜120°が適当である。
【0047】
次に、上記実施例の第二吹出口の幅w2のみを5mmから10mmに変え、その他は上記実施例と同じチャンバにおいて、吹出ブロアの周波数を変化させ、びん各部に作用するガス圧力とびん滑り量を測定した。その結果を表6に示す。
【0048】
【表6】
【0049】
この実施例の場合、全てが「○」となるブロア周波数の範囲は95〜105Hzで、前記実施例と同じであった。しかし、びん滑り量は前実施例に比べてブロア周波数110Hzで「△」となった。図6に第二吹出口の幅w2が5mmの場合を丸点、幅w2が10mmの場合を四角点として、ブロア周波数とびん滑り量の関係を示した。第二吹出口の幅w2が5mmの方が滑り量は小さいことが確認された。
【0050】
本発明のチャンバは、高さ260〜310mm程度のびんに用いて特に好適であるが、これに限るものではない。また、丸びんに限らず、角びんなど異形びんに適用することもできる。
【符号の説明】
【0051】
1 チャンバ
2 吹出室
21 第一吹出口
22 第二吹出口
23 第三吹出口
24 吹出ダクト
25 吹出口
3 上方吸込室
31 吸込ダクト
4 後方吸込室
41 吸込ダクト
5 びん通路
6 天板
61 隙間
7 コンベア
8 びん模型
81 測定孔
9 排気室
10 びん
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスびんの外表面にコーティング被膜を形成させるコーティングチャンバで、特に、繰り返し使用されるリターナブルびんのコーティング(徐冷炉に送られる寸前に施されるホットエンドコーティング)に用いて好適なコーティングチャンバに関する。
【背景技術】
【0002】
リターナブルびんは何度も再使用できるという点では環境的に優れている。しかし、リターナブルびんは破損を防止するために肉厚が厚く重いので、輸送時等におけるCO2排出量という観点での評価は低い。
近年の環境配慮型社会では、びん軽量化は必須事項であり、リターナブルびんにおいても、軽量化の要請が大きい。
【0003】
リターナブルびんの肉厚を薄くし軽量化すると、びんの強度が問題になる。ガラスびんの強度は、成形当初は十分に大きいが、外表面に傷ができると極端に低下する。びんの外表面に傷ができるのを防ぐために、ガラスびん成形過程のびんが徐冷炉に入る前のホットエンドにおいて、SnO2、TiO2などの金属酸化物被膜をびん外表面に形成するコーティングが行われる。
【0004】
リターナブルびんの場合、回収されて再使用される度に、アルカリ洗浄が行われる。アルカリ洗浄において、コーティング被膜が一部でも剥離すると、その部分に傷が付きやすくなり、また、びんの美感も損ねるので、アルカリ耐性の大きな被膜にしなければならない。
アルカリ耐性の大きな被膜を形成するためには、コーティングの材料ガスを大きな圧力でびん外周面に吹き付けることが必要となる。
また、大きな圧力で材料ガスをびんに吹き付けると、チャンバ内でびんが転倒したり、滑ったりしてチャンバ内でびん詰まりが発生し、びん成形ラインに支障を来すという問題がある。
アルカリ耐性が大きな被膜を形成でき、しかもチャンバ内でびんが転倒しないコーティングチャンバを課題とするもので、例えば、下記特許文献1がある。
特許文献1のチャンバは、材料ガスの吹出口をびんの重心よりも下方に配設し、かつ、吹出口の面積の総和と風量を所定の範囲に組み合わせるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−100037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は、十分なアルカリ耐性被膜を形成するために必要な吹き付けガス圧力、及びチャンバ内でびん詰まりを起こさないためのチャンバ内でのびん滑り量を度重なる実験により求めた。その結果を表1に示す。
【0007】
【表1】
【0008】
表1において、滑り量は、びんがチャンバ通路で30秒間吹出ガスを受けたときの移動量で、「目標値」は全くびん詰まりを起こさない量、「限界値」は殆どびん詰まりを起こさない量である。
【0009】
表1において、ガス圧力(吹き付けガス圧力)の「目標値」は、形成されるコーティング被膜のアルカリ耐性(90℃の4重量%水酸化ナトリウム水溶液に耐える時間)が3時間以上の値、「限界値」はアルカリ耐性が2〜3時間の値である。いずれも、平均値及び最小値が表の数値以上でなければならない。
【0010】
本発明者は、前記特許文献1のチャンバを検証するため、図8に示すように、びん通路の両側の下部に吹出口25を設け、吹出口の高さh0を種々変化させて、びんの移動量(30秒間)と吹き付けガス圧力を測定した。
びんは高さ約290mm、重心位置約112mm、外径約70mm、重さ約400gのものを用いた。
また、左右の吹出室にそれぞれガス(エア)を供給するブロアの周波数を85Hz(風量:約8m3/min)にて行った。
吹出口の高さと吹出口の面積(両側の合計)は、表2に示すとおりである。
【0011】
【表2】
【0012】
この実験におけるびん滑り量の測定結果を図9に示す。同図において、四角点は天板6がない場合、丸点は天板6を設置した場合である。
吹出口の高さh0が重心位置に近づくと、急激に滑り量が増大する。また、天板を設けない方が滑り量が小さくなることが確認できた。
【0013】
この実験における吹き付けガスの圧力は、図10に示すびん模型8で測定した。びん模型8は金属製で、4個の測定孔81(直径5mm)を有し、各測定孔には圧力センサを設けている。測定孔81は上から下に順次首部、肩部、胴部、裾部に設けられている。
なお、胴部は内容量の大部分を収容する部分で外周面がほぼ垂直に形成された部分、首部は胴部の上にあって外周面がほぼ垂直又は上に向かって徐々に縮径する部分、肩部は胴部と首部の間にあって上に向かって縮径し縮径の度合いが首部よりも大きい部分、裾部は胴部と底部の間で下に向かって徐々に縮径する部分である。
【0014】
びん模型が受けるガス圧力は、チャンバのびん通路における測定孔の向きによって異なる。そこで、図11に示す測定孔の向きを符号A、B、Cになるようにびん模型の設置位置を順次変えて、首部ないし裾部の各点において、圧力の平均値及び最小値を測定した。後述する圧力測定においても同様である。
【0015】
この実験におけるガス圧力測定結果(天板なしの場合)を表3に示す。同表において、○印は目標値以上、△印は限界値以上目標値未満、×印は限界値未満を示す。
【0016】
【表3】
【0017】
表3に示されるように、びんの首部及び肩部においては吹き付けるガス圧力が限界値未満であり、良好なアルカリ耐性は期待できない。また、胴部においても、吹出口の高さh0がびん重心より高くなければ良好なアルカリ耐性は期待できない。
したがって、びん重心よりも下方にのみ吹出口を設けるのでは、良好なアルカリ耐性は得られないことが確認された。
【0018】
本発明は、びんの首部ないし裾部の全ての部分において、良好なアルカリ耐性を有するコーティング被膜を形成でき、しかもチャンバ内においてびん詰まりを起こさないようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
〔請求項1〕
本発明は、びんを移送するコンベアを挟んで両側に吹出室を備え、該各吹出室のコンベア側の面に横長の第一、第二、第三吹出口が形成され、
該第一吹出口は、下端の高さがびん最低部±5mm以内、幅が12〜33mm、
びんの高さをBHとしたときに、
該第二吹出口は、中心高さがびん最低部+(0.43〜0.53)BH、幅が3〜12mm
該第三吹出口は、中心高さがびん最低部+(0.66〜0.76)BH、幅が3〜12mm
であることを特徴とするびんのコーティングチャンバである。
【0020】
第一吹出口の下端の高さはびん最低部と同位置が望ましいが、±5mm以内の誤差があっても差し支えない。幅は12〜33mmが好ましく、12mm未満ではびん胴部のガス圧力が小さくなり、33mmを越えるとびん滑り量が大きくなるおそれがある。幅の更に好ましい範囲は12〜18mmである。
【0021】
第二吹出口の中心高さはびん最低部+(0.43〜0.53)BHが好ましく、0.43BHに満たない場合、及び0.53BHを越える場合は、びん肩部のガス圧力が小さくなるおそれがある。更に好ましい範囲はびん最低部+(0.45〜0.51)BHである。幅は3〜12mmが好ましく、3mmに満たないとびん肩部のガス圧力が小さくなり、12mmを越えるとびん滑り量が大きくなるおそれがある。更に好ましい範囲は3〜7mmである。
【0022】
第三吹出口の中心高さはびん最低部+(0.66〜0.76)BHが好ましく、0.66BHに満たないとびん首部のガス圧力が小さくなり、0.76BHを越えるとびん肩部のガス圧力が小さくなるおそれがある。更に好ましい範囲はびん最低部+(0.68〜0.74)BHである。幅は3〜12mmが好ましく、3mmに満たないとびん肩部及び首部のガス圧力が小さくなり、12mmを越えるとびん滑り量が大きくなるおそれがある。更に好ましい範囲は3〜7mmである。
【0023】
第一ないし第三吹出口を請求項1記載のように設定すると、容易に、びん各部のガス圧力を限界値又は目標値以上とし、かつ、びんの滑り量を目標値以下にすることができる。
また、第一ないし第三吹出口を、上記の更に好ましい範囲に設定すると、容易に、びん各部のガス圧力を目標値以上とし、かつ、びんの滑り量を目標値以下にすることができる。
【0024】
〔請求項2〕
また本発明は、前記第一ないし第三吹出口の長さが230〜330mmである請求項1に記載のコーティングチャンバである。
【0025】
吹出口の長さは230〜330mmが好ましく、230mmに満たないとコーティング膜厚が不十分になり、330mmを越えるとびんの滑り量が大きくなるおそれがある。更に好ましい範囲は260〜300mmである。
【0026】
〔請求項3〕
また本発明は、前記各吹出室のコンベア側の面で形成されるびん通路の幅が、びんの最大径φ+(30〜80)mmである請求項1又は2に記載のコーティングチャンバである。
【0027】
チャンバにおけるびん通路の幅は、びんの最大径φ+(30〜80)mmが好ましく、この範囲よりも狭いとびん滑り量が大きくなり、広いとびん各部のガス圧力が小さくなるおそれがある。更に好ましい範囲は、びんの最大径φ+(50〜70)mmである。
【0028】
〔請求項4〕
また本発明は、前記びん通路の上方に上方吸込室を設けた請求項1〜4のいずれかに記載のコーティングチャンバである。
【0029】
チャンバにおけるびん通路の上方に上方吸込室を設けることは、図9の天板を設けない場合に相当し、びん滑り量を小さくすることができる。
【0030】
〔請求項5〕
また本発明は、前記びん通路と上方吸込室の間に天板を設けると共に、該天板の幅方向の両側に隙間を形成した請求項4に記載のコーティングチャンバである。
【0031】
このように構成すると、コーティング原料ガスが、びん口部から外側の天板隙間に向かって流れるので、びん口部内面にコーティング剤が付着しない。隙間の幅は、片側で15〜25mm程度にするとびん滑り量への影響が少なく、好適である。更に好ましくは17〜23mmである。
【0032】
〔請求項6〕
また本発明は、前記天板の幅方向縦断面形状がV字形である請求項5に記載のコーティングチャンバである。
【0033】
天板の幅方向縦断面形状をV字形状にすることにより、の平板状の場合よりもびんの滑り量が少なくなる。V字形状の角度は60〜120°が好適である。
【0034】
以上の所見は、種々の要素の数値を変更しながら繰り返し行った実験によって確認されたものである。
【発明の効果】
【0035】
本発明のびんコーティングチャンバは、びん首部から裾部に至るまで、びん外面全体にアルカリ耐性の高いコーティング被膜を形成し、繰り返し使用されるびんのコーティング被膜が、回収される度に行われるアルカリ洗浄によって一部でも剥離するおそれが殆どなくなり、しかも、コーティング時にチャンバにおいてびん詰まりが発生するおそれもなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】チャンバ1の側面図である。
【図2】チャンバ1の長さ方向中央縦断面図である。
【図3】チャンバ1の幅方向中央縦断面図である。
【図4】天板を設けたチャンバの要部説明図である。
【図5】天板を設けたチャンバの要部説明図である。
【図6】ブロア周波数とびん滑り量の関係の説明図である。
【図7】天板の幅とびん滑り量の関係の説明図である。
【図8】下部に吹出口25を設けた実験の説明図である。
【図9】図8における吹出口高さh0とびん滑り量の関係の説明図である。
【図10】びん模型8の正面図である。
【図11】びん模型の測定孔の向きの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1〜5は、実施例のチャンバに関するものである。
チャンバ1は、ガラスびん成形ラインにおける徐冷炉入口のやや上流側(ホットエンド)に設けられる。成形したガラスびんを搬送するコンベア7を挟んで両側に吹出室2が設けられ、その間がびん通路5となっており、その上方に上方吸込室3が設けられている。さらに、びんに押し流されたコーティング材料ガスを回収する後方吸込室4も後方に設けられている。また、コーティング材料ガスが外部に流出しないように、吹出室2と後方吸込室4の入口側及び出口側端部には、ゴンベア7の両側に排気室9が設けられている。吹出室2には吹出ダクト24が接続され、ブロア(図示せず)によって材料ガスが供給される。上方吸込室3,後方吸込室4には吸込ダクト31,41が接続され、ブロア(図示せず)によって余剰の材料ガスを吸い込む。吸い込まれた材料ガスは循環再利用される。
また、場合によって、びん通路5と上方吸込室3の間に天板6を設けることができる(図4,5)。
【0038】
チャンバ1は、高さ(BH)290mm、外径70mm、質量400gのガラスびんにホットエンドコーティングを行うものである。
図2,4に示すように、両側の吹出室2のコンベア側の面に横長の第一吹出口21、第二吹出口22、第三吹出口23が形成されている。各吹出口の長さLは280mmである。第一吹出口21の幅w1は15mm、第二吹出口22の幅w2は5mm、第三吹出口23の幅w3は5mmである。また、第一吹出口21の下端の高さはびん10最低部の高さに等しく、第二吹出口22の中心の高さh2はびん最低部よりも140mm(0.48BH)高い位置、第三吹出口23の高さh3はびん最低部よりも206mm(0.71BH)高い位置になっている。
びん通路5の幅Wは130mmで、びん胴径φ+60mmとなっている。
【0039】
第一吹出口21はびんの裾部ないし胴部下側、第二吹出口22はびんの肩部、第三吹出口23はびんの首部に位置する。
本発明における第一〜第三吹出口の作用効果を検証するため、これらとは別に、びん胴部中央付近の位置に胴部吹出口(幅5mm、長さ280mm)を設け、これら各吹出口の組合せによって、びんの各部に作用するガス圧力がどのように変化するかを測定した。その結果を表4に示す。測定は、図10のびん模型を用いて、前記と同様に行った。なお、吹出ブロアの周波数は85Hzとした。
【0040】
【表4】
【0041】
表4において、「1」は第一吹出口、「2」は第二吹出口、「3」は第三吹出口、「胴」は胴部吹出口を示す。「圧力」はびんの「首部」「肩部」「胴部」「裾部」に作用した圧力で、「○」は目標値以上、「△」は限界値以上目標値未満、「×」は限界値未満を示す。
滑り量は30秒間の滑り量で、「○」は目標値以下を示す。
表4に示されるように、本発明の、第一・第二・第三吹出口の組合せは、肩部圧力が「△」である他は全て「○」であるが、その他の組合せは全て「×」を2個以上含んでおり、本発明の優位性が明らかになっている。
【0042】
次に、実施例のチャンバ1の吹出ブロアの周波数を変化させ、びん各部に作用するガス圧力とびん滑り量を検証した。その結果を表5に示す。
【0043】
【表5】
【0044】
表5に示されるように、ブロア周波数が95〜110Hzの場合、びん各部に作用するガス圧力及びびん滑り量が全て「○」になっている。
したがって、ブロア周波数が95〜110Hzの広い範囲において、好適なコーティング(アルカリ耐性の大きなコーティング被膜を、チャンバでびん詰まりすることなく形成できるコーティング)を行うことができる。このことは、好適なコーティングを容易に、かつ、安定して行えることを意味する。
【0045】
吹出口から吹き出すガスの適切な風量は、吹出口の大きさ、びん通路の大きさ、びんの大きさなど種々の要素によって変化するので一概にはいえないが、前記のように、本発明においては広い範囲のブロア周波数(風量)によって好適なコーティングを行うことができるので、適切な風量を実施することは容易である。
ちなみに、本実施例の総風量は、ブロア周波数95Hzで約9m3/min、110Hzで約10m3/minである。
【0046】
本実施例のチャンバに、図4、5に示すような天板6を設け、天板の幅(両端の隙間61の幅g)を変化させて、びんの滑り量の変化を調べた。その結果を図7に示す。図4は天板の形状が平板状の場合、図5は天板の幅方向縦断面形状がV字形の場合である。図7において丸点は天板が平板状の場合、四角点は天板がV字状の場合(V字の角度θ=90°の場合)である。
天板を設けることで、コーティング被膜がびん内部に付着するのを防ぐことができる。天板を設ける場合は、隙間61の幅gを17〜25mmにすると、びん滑り量の、天板を設けない場合からの増加量を5mm以内程度に抑えることができる。
また、図5に示すように、天板6の幅方向縦断面形状をV字形状にすると、図4の平板状の場合よりもびんの滑り量が少なくなり、天板を設けない場合とほぼ同じ水準になる。V字形状の角度θは60〜120°が適当である。
【0047】
次に、上記実施例の第二吹出口の幅w2のみを5mmから10mmに変え、その他は上記実施例と同じチャンバにおいて、吹出ブロアの周波数を変化させ、びん各部に作用するガス圧力とびん滑り量を測定した。その結果を表6に示す。
【0048】
【表6】
【0049】
この実施例の場合、全てが「○」となるブロア周波数の範囲は95〜105Hzで、前記実施例と同じであった。しかし、びん滑り量は前実施例に比べてブロア周波数110Hzで「△」となった。図6に第二吹出口の幅w2が5mmの場合を丸点、幅w2が10mmの場合を四角点として、ブロア周波数とびん滑り量の関係を示した。第二吹出口の幅w2が5mmの方が滑り量は小さいことが確認された。
【0050】
本発明のチャンバは、高さ260〜310mm程度のびんに用いて特に好適であるが、これに限るものではない。また、丸びんに限らず、角びんなど異形びんに適用することもできる。
【符号の説明】
【0051】
1 チャンバ
2 吹出室
21 第一吹出口
22 第二吹出口
23 第三吹出口
24 吹出ダクト
25 吹出口
3 上方吸込室
31 吸込ダクト
4 後方吸込室
41 吸込ダクト
5 びん通路
6 天板
61 隙間
7 コンベア
8 びん模型
81 測定孔
9 排気室
10 びん
【特許請求の範囲】
【請求項1】
びんを移送するコンベアを挟んで両側に吹出室を備え、該各吹出室のコンベア側の面に横長の第一、第二、第三吹出口が形成され、
該第一吹出口は、下端の高さがびん最低部±5mm以内、幅が12〜33mm、
びんの高さをBHとしたときに、
該第二吹出口は、中心高さがびん最低部+(0.43〜0.53)BH、幅が3〜12mm
該第三吹出口は、中心高さがびん最低部+(0.66〜0.76)BH、幅が3〜12mm
であることを特徴とするびんのコーティングチャンバ。
【請求項2】
前記第一ないし第三吹出口の長さが230〜330mmである請求項1に記載のコーティングチャンバ。
【請求項3】
前記各吹出室のコンベア側の面で形成されるびん通路の幅が、びんの最大径φ+(30〜80)mmである請求項1又は2に記載のコーティングチャンバ。
【請求項4】
前記びん通路の上方に上方吸込室を設けた請求項1〜4のいずれかに記載のコーティングチャンバ。
【請求項5】
前記びん通路と上方吸込室の間に天板を設けると共に、該天板の幅方向の両側に隙間を形成した請求項4に記載のコーティングチャンバ。
【請求項6】
前記天板の幅方向縦断面形状がV字形である請求項5に記載のコーティングチャンバ。
【請求項1】
びんを移送するコンベアを挟んで両側に吹出室を備え、該各吹出室のコンベア側の面に横長の第一、第二、第三吹出口が形成され、
該第一吹出口は、下端の高さがびん最低部±5mm以内、幅が12〜33mm、
びんの高さをBHとしたときに、
該第二吹出口は、中心高さがびん最低部+(0.43〜0.53)BH、幅が3〜12mm
該第三吹出口は、中心高さがびん最低部+(0.66〜0.76)BH、幅が3〜12mm
であることを特徴とするびんのコーティングチャンバ。
【請求項2】
前記第一ないし第三吹出口の長さが230〜330mmである請求項1に記載のコーティングチャンバ。
【請求項3】
前記各吹出室のコンベア側の面で形成されるびん通路の幅が、びんの最大径φ+(30〜80)mmである請求項1又は2に記載のコーティングチャンバ。
【請求項4】
前記びん通路の上方に上方吸込室を設けた請求項1〜4のいずれかに記載のコーティングチャンバ。
【請求項5】
前記びん通路と上方吸込室の間に天板を設けると共に、該天板の幅方向の両側に隙間を形成した請求項4に記載のコーティングチャンバ。
【請求項6】
前記天板の幅方向縦断面形状がV字形である請求項5に記載のコーティングチャンバ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−6784(P2012−6784A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−143386(P2010−143386)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(000222222)東洋ガラス株式会社 (102)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(000222222)東洋ガラス株式会社 (102)
【Fターム(参考)】
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