説明

まるごと昆布だし、及びまるごと昆布だし入り調味材又は果汁の製造方法

【課題】 昆布よりだしを抽出するのではなく、まるごと昆布を用いる昆布だしの製造方法であり、また、このまるごと昆布だし入りの調味材又は果汁の製造方法を開発し、得られた昆布だしをうどんの出汁等食品関係全般に使用でき、また、健康飲料、特殊栄養食品、機能食品としてもよい、まるごと昆布だしの製造方法、及び、まるごと昆布だし入り調味材又は果汁の製造方法を開発・提供することにある。
【解決手段】 昆布を前処理する工程と、これら前処理された昆布の原液を攪拌・加熱する工程と、あるいは、昆布を前処理する工程に代えて、原料である昆布を細分化する工程と、水に浸漬して溶かす工程と、密封加熱溶解する工程と、均質機(ホモゲナイザー)で均質化する工程と、殺菌・冷却する工程と、充填・包装する工程との組み合わせからなるまるごと昆布だしの製造方法、及び、まるごと昆布だしの調味材または果汁の製造方法から構成されるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、まるごと昆布だし、及びまるごと昆布だし入り調味材又は果汁の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、昆布は、低カロリーで、かつ、低脂肪であり、カルシウムも668.3(100gあたりの成分値)であり、牛乳の6.0倍もあり、ヨウ素、アルギン酸、フコイダン、また、うまみ成分であるグルタミン酸も含む健康的な食品である。
【0003】
そして、昆布などの海藻に含まれている成分を抽出して海藻飲料、調味液などに利用したり、食品に添加する技術は、従来から各種のものが知られている。
例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4そして特許文献5などである。
【特許文献1】特開平3−172147号公報
【特許文献2】特開昭57−68765号公報
【特許文献3】特開昭57−33579号公報
【特許文献4】特開昭54−49369号公報
【特許文献5】特開昭52−128256公報
【0004】
これらの従来技術は、昆布を常温または加熱して水で抽出する方法、加水後に酵素処理して抽出する方法、酸またはアルカリで抽出する方法、有機酸またはその塩類によって抽出する方法、アルコールを用いて抽出する方法が開示されている。
【0005】
しかし、水抽出法では、有効成分の抽出率が低く、かつ昆布特有の香気に乏しい。
一方、酵素処理法または酸処理法で得られるものは昆布特有の香気は分解され、しかも酵素分解臭や酸分解臭などの不快臭が生じる。また、アルカリ処理臭では、アルギン酸の抽出には有効であるが、昆布の緑色を失い、かつ香気乏しいものしか得られない。有機酸またはその塩類、あるいはアルコールによる抽出法でもその抽出物の色調及び香気に乏しいものであった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記のように従来技術では、酵素、酸、アルカリ、アルコール、加熱水などを使用して昆布エキスを抽出するものは、昆布の自然なうま味や香味が失われたり、色が変化するなどの欠点があった。特に、低温水によって処理した昆布水は、他の方法と比較するとどうしても抽出時間が長くなるため、昆布に付着している雑菌などが抽出期間中に増殖して、出来上がった製品の日持ちが悪いという欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、この発明は、昆布よりだしを抽出するのではなく、まるごと昆布を用いる昆布だしの製造方法であり、また、このまるごと昆布だし入りの調味材又は果汁の製造方法を開発し、得られた昆布だしをうどんの出汁等食品関係全般に使用でき、また、健康飲料、特殊栄養食品、機能食品としてもよい、まるごと昆布だし、及び、まるごと昆布だし入り調味材又は果汁の製造方法を開発・提供することにある。
【発明の効果】
【0008】
この発明によると、まるごと昆布だし、及びまるごと昆布だし入り調味材又は果汁を用いることにより、動脈硬化の防止、カルシウムの吸収促進、血中コレステロールの低下などに役立つ有効成分を含む機能性食品として、利用できる。さらに、栄養改善法で規定される、強化食品である特殊栄養食品としても利用できる。
【0009】
さらには、出汁をとった後の昆布はそのままだしの中に混在しており、昆布が無駄にならず、食することができ、また、多少昆布の形の残すことにより、食感もあり、うどんの出汁はもとより、多くの商品、例えば、調理だしの素、ストレートだし、濃縮だし、加工醤油、和風だし、食酢等の調味材(液体、ゲル状体、粉状体、固形状体等をいう)に用いられるほか、健康飲料、特殊栄養食品、機能食品、さらには、果汁に用いることができる等極めて有効なる効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
この発明は、昆布を前処理する工程と、これら前処理された昆布の原液を攪拌・加熱する工程と、あるいは、昆布を前処理する工程に代えて、原料である昆布を細分化する工程と、水に浸漬して溶かす工程と、密封加熱溶解する工程と、均質機(ホモゲナイザー)で均質化する工程と、殺菌・冷却する工程と、充填・包装する工程との組み合わせからなるまるごと昆布だしの製造方法、及び、まるごと昆布だしの調味材または果汁の製造方法から構成されるものである。
【実施例】
【0011】
そこで、この発明のうち、請求項1の発明の一実施例を、図1(a)に従って詳述すると、原料である昆布を前処理する工程と、これら前処理された昆布の原液を、60°C〜100°Cで、約30分程度攪拌・加熱する工程と、これらを、さらに、外管を100°C〜160°Cで保温された二重管の内管を通過させる密封加熱溶解する工程と、この通過された原液を常温に戻し、均質機を用いて均質化する工程と、これら均質化された原液を殺菌・冷却する工程と、この原液を充填・包装する工程、との組み合わせからなることを特徴とするまるごと昆布だしの製造方法から構成されるものである。
【0012】
先ず、上記の各工程をそれぞれ詳述すに当たり、先ず、原料である昆布の前処理する工程について説明すると、原料の昆布は、アルカリ性であり、酸による処理をすることにより、より効果的に加工が可能となる。そのため、この場合に使用する酸としては、有機酸(醸造酢)、酢酸、クエン酸などの食品添加物で使用目的に適した酸を用いるものである。例えば、ジュースなどに使用する場合にはクエン酸を用いる。
【0013】
また、昆布を細切りする方法は、昆布の表皮部分も含めより細く切る。例えば、幅3mm、あるいは3mm以下にカットした細切り昆布としたり、また、薄くおぼろ昆布状にするとより効果的である。また、さらには、この原料には、根昆布を用いても可能である。
【0014】
また、昆布の量は、乾燥昆布の場合には、重量比0.05%〜5%程度であり、生昆布に換算すると、0.01〜40%程度である。
【0015】
次に、これら昆布を水に浸漬する(ふやかす)工程であるが、昆布の5倍〜10倍の水に1時間〜12時間浸漬するものである。
また、昆布はアルカリ性であり、溶けやすくする手段として、アルカリイオン水を用いることもある。その他、重曹、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム等の弱アルカリ性物質、または、食酢や希釈した酸(食品添加物)を入れてもよい。
【0016】
次に、攪拌・加熱する工程における、加熱温度は、60°C〜100°Cであり、加熱時間は30分間くらいである。長時間加熱すると、苦みが出る。
【0017】
さらに、密封加熱溶解する工程を説明すると、この工程では、パイプ式溶解装置(1)を用いる。この装置は、二重管状となっており、外管(1b)には、100°C〜150°Cの湯を熱源としており、内管(1a)は直管、好ましくは、効果的なスパイラル形状に形成しており、100°C〜140°Cに加熱攪拌された昆布を含む汁を通過させるものである。温度は、110°C〜130°Cのものを約30秒かけて加熱させ、殺菌処理を図るものである。尚、内管・外管とも高圧(2.5気圧程度)である。
【0018】
次に、均質機(ホモゲナイザー)で均質化する工程とは、加圧して昆布とだしとを細胞分画するものであり、細胞分画とは、細胞を破砕した後、遠心分離機などを用いて核・ミトコンドリア・細胞膜などの細胞を構成する要素に分離することである。
【0019】
さらに、殺菌・冷却する工程とは、均質化された昆布とだしとを、殺菌冷却するものである。
【0020】
また、充填・包装する工程は、均質化され、殺菌冷却された昆布とだしとを、滅菌加工されたビン、あるいは、ガス滅菌したフィルムや、このフィルムで形成された包装袋に充填するものであり、これらの容器は、UVカット加工や遮光処理されたものであれば、さらによい。
【0021】
次に、この発明のうち、請求項2〜4の発明の一実施例を、図3に従って詳述すると、原料である昆布を前処理する工程と、これら前処理された昆布の原液を、60°C〜100°Cで、約30分程度攪拌・加熱する工程と、これらを、さらに、外管を100°C〜160°Cで保温された二重管の内管を通過させる密封加熱溶解する工程と、この通過された原液を常温に戻し、均質機を用いて均質化する工程と、これら均質化された原液を殺菌・冷却する工程と、この原液を充填・包装する工程、との組み合わせからなるまるごと昆布だしの製造方法の工程において、前記の攪拌・加熱する工程で、調味材又は果汁を、同時に、あるいは、その後に混入するか、あるいは、前記の密封加熱溶解する工程で、調味材又は果汁を、同時に、あるいは、その後に混入するか、あるいは、前記の均質化された原液を殺菌・冷却する工程で、調味材又は果汁を、同時に、あるいは、その後に混入することを特徴とするまるごと昆布だし入り調味材又は果汁の製造方法から構成される。
【0022】
また、この発明のうち、請求項5の発明の一実施例を図1(b)に従って詳述すると、原料である昆布を細分化する工程と、これら細分化された昆布を水に浸漬して溶かす工程と、この水と、水に溶かした昆布とを攪拌すると共に、60°C〜100°Cで、約30分程度加熱する工程と、これらを、さらに、外管を100°C〜160°Cで保温された二重管の内管を通過させる密封加熱溶解する工程と、この通過された昆布を常温に戻し、均質機を用いて均質化する工程と、これら均質化された水と昆布を殺菌・冷却する工程と、この均質化され、殺菌・冷却水した昆布を充填・包装する工程、との組み合わせからなることを特徴とするまるごと昆布だしの製造方法から構成されるものである。
【0023】
この発明は、前述の一の発明とくらべ、前処理工程において相違があるものである。
即ち、原料である昆布を細分化する工程と、これら細分化された昆布を水に浸漬して溶かす工程と、この水と、水に溶かした昆布とを攪拌すると共に、60°C〜100°Cで、約30分程度加熱する工程とが異なるものであり、後の工程は同一である。
【0024】
そして、原料である昆布を細分化する工程とは、昆布の表皮部分を含め、3mmあるいは3mm以下に細く切ったり、又は、薄くおぼろ昆布状に削った昆布のことをいう。
【0025】
さらに、これら細分化された昆布を水に浸漬して溶かす工程とは、昆布の5倍〜10倍の水に1時間〜12時間浸漬するものである。昆布はアルカリ性であり、溶けやすくする手段として、アルカリイオン水を用いることもある。その他、重曹、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム等の弱アルカリ性物質(食品添加物)、又は、酸(酢酸、クエン酸)(弱酸性食品添加物)を使用してもよい。
【0026】
また、攪拌・加熱する工程とは、水に溶かした昆布とを攪拌すると共に、60°C〜100°Cで、約30分程度加熱するするものであるが、長時間加熱すると苦みがでるからである。
【0027】
そして、他の工程は、一の発明と同様であるため、割愛する。
【0028】
また、この発明のうち、請求項6〜8の発明の一実施例を図3に従って詳述すると、原料である昆布を細分化する工程と、これら細分化された昆布を水に浸漬して溶かす工程と、この水と、水に溶かした昆布とを攪拌すると共に、60°C〜100°Cで、約30分程度加熱する工程と、これらを、さらに、外管を100°C〜160°Cで保温された二重管の内管を通過させる密封加熱溶解する工程と、この通過された昆布を常温に戻し、均質機を用いて均質化する工程と、これら均質化された水と昆布を殺菌・冷却する工程と、この均質化され、殺菌・冷却水した昆布を充填・包装する工程、との組み合わせからなるまるごと昆布だしの製造の工程において、前記の攪拌・加熱する工程で、調味材又は果汁液を、同時に、あるいは、その後に混入するか、あるいは、前記の密封加熱溶解する工程で、調味材または果汁を、同時に、あるいは、その後に混入するか、あるいは、前記の均質化された原液を殺菌・冷却する工程で、調味材又と果汁を、同時に、あるいは、その後に混入することを特徴とするまるごと昆布だし入り調味材又は果汁の製造方法から構成される。
【0029】
以上のように、請求項1の発明も、請求項5の発明も、これらの製造方法によって得られた昆布だしは、調理だしの素としてうどん出汁に溶かして使用したり、ストレートだし・濃縮だしとして活用でき、また、加工醤油として醤油に添加したり、和風だしとしてもよく、さらに食酢や果汁に添加して健康飲料として使用してもよいものである。
また、請求項2〜4までの発明、請求項6〜8までの発明においては、これらのまるごと昆布だしの製造工程中に、調味材または果汁を混合することにより、まるごと昆布だしが含まれた、ストレートだし、濃縮だし、加工醤油、和風だし、さらに食酢等の調味材や果汁に添加して健康飲料として使用できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0030】
この発明による、まるごと昆布だしの製造方法およびまるごと昆布だし入り調味材又は果汁の製造技術を確立し、それに基づいて昆布だしを製造・販売することにより、産業上の利用可能性があるものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明の一実施例を示し、(a)は一の発明のフローチャート図であり、(b)は二の発明のフローチャート図である。
【図2】この発明の他の発明の一実施例を示すフローチャート図でる。
【図3】この発明の他の発明の一実施例を示すフローチャート図でる。
【図4】この発明に使用するパイプ式溶解装置の一実施例を示す説明図である。
【図5】この発明に使用する溶解装置の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 パイプ式溶解装置
1a 内管
1b 外管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料である昆布を前処理する工程と、これら前処理された昆布の原液を、60°C〜100°Cで、約30分程度攪拌・加熱する工程と、これらを、さらに、外管を100°C〜160°Cで保温された二重管の内管を通過させる密封加熱溶解する工程と、この通過された原液を常温に戻し、均質機を用いて均質化する工程と、これら均質化された原液を殺菌・冷却する工程と、この原液を充填・包装する工程、との組み合わせからなることを特徴とするまるごと昆布だしの製造方法。
【請求項2】
原料である昆布を前処理する工程と、これら前処理された昆布の原液を、60°C〜100°Cで、約30分程度攪拌・加熱する工程と、これらを、さらに、外管を100°C〜160°Cで保温された二重管の内管を通過させる密封加熱溶解する工程と、この通過された原液を常温に戻し、均質機を用いて均質化する工程と、これら均質化された原液を殺菌・冷却する工程と、この原液を充填・包装する工程、との組み合わせからなるまるごと昆布だしの製造の工程において、前記の攪拌・加熱する工程で、調味材又は果汁を、同時に、あるいは、その後に混入することを特徴とするまるごと昆布だし入り調味材又は果汁の製造方法。
【請求項3】
原料である昆布を前処理する工程と、これら前処理された昆布の原液を、60°C〜100°Cで、約30分程度攪拌・加熱する工程と、これらを、さらに、外管を100°C〜160°Cで保温された二重管の内管を通過させる密封加熱溶解する工程と、この通過された原液を常温に戻し、均質機を用いて均質化する工程と、これら均質化された原液を殺菌・冷却する工程と、この原液を充填・包装する工程、との組み合わせからなるまるごと昆布だしの製造の工程において、前記の密封加熱溶解する工程で、調味材又は果汁を、同時に、あるいは、その後に混入することを特徴とするまるごと昆布だし入り調味材又は果汁の製造方法。
【請求項4】
原料である昆布を前処理する工程と、これら前処理された昆布の原液を、60°C〜100°Cで、約30分程度攪拌・加熱する工程と、これらを、さらに、外管を100°C〜160°Cで保温された二重管の内管を通過させる密封加熱溶解する工程と、この通過された原液を常温に戻し、均質機を用いて均質化する工程と、これら均質化された原液を殺菌・冷却する工程と、この原液を充填・包装する工程、との組み合わせからなるまるごと昆布だしの製造の工程において、前記の均質機を用いて均質化する工程で、調味材又は果汁を、同時に、あるいは、その後に混入することを特徴とするまるごと昆布だし入り調味材又は果汁の製造方法。
【請求項5】
原料である昆布を細分化する工程と、これら細分化された昆布を水に浸漬して溶かす工程と、この水と、水に溶かした昆布とを攪拌し、必要に応じて昆布をさらに裁断すると共に、60°C〜100°Cで、約30分程度攪拌・加熱する工程と、これらを、さらに、外管を100°C〜160°Cで保温された二重管の内管を通過させる密封加熱溶解する工程と、この通過された昆布を常温に戻し、均質機を用いて均質化する工程と、これら均質化された水と昆布を殺菌・冷却する工程と、この均質化され、殺菌・冷却水した昆布を充填・包装する工程、との組み合わせからなることを特徴とするまるごと昆布だしの製造方法。
【請求項6】
原料である昆布を細分化する工程と、これら細分化された昆布を水に浸漬して溶かす工程と、この水と、水に溶かした昆布とを攪拌し、必要に応じて昆布をさらに裁断すると共に、60°C〜100°Cで、約30分程度加熱する工程と、これらを、さらに、外管を100°C〜160°Cで保温された二重管の内管を通過させる密封加熱溶解する工程と、この通過された昆布を常温に戻し、均質機を用いて均質化する工程と、これら均質化された水と昆布を殺菌・冷却する工程と、この均質化され、殺菌・冷却水した昆布をを充填・包装する工程、との組み合わせからなることを特徴とするまるごと昆布だしの製造の工程において、前記の攪拌・加熱する工程で、材味液又は果汁を、同時に、あるいは、その後に混入することを特徴とするまるごと昆布だし入り調味材又は果汁の製造方法。
【請求項7】
原料である昆布を細分化する工程と、これら細分化された昆布を水に浸漬して溶かす工程と、この水と、水に溶かした昆布とを攪拌し、必要に応じて昆布をさらに裁断すると共に、60°C〜100°Cで、約30分程度加熱する工程と、これらを、さらに、外管を100°C〜160°Cで保温された二重管の内管を通過させる密封加熱溶解する工程と、この通過された昆布を常温に戻し、均質機を用いて均質化する工程と、これら均質化された水と昆布を殺菌・冷却する工程と、この均質化され、殺菌・冷却水した昆布をを充填・包装する工程、との組み合わせからなることを特徴とするまるごと昆布だしの製造の工程において、前記の密封加熱溶解する工程で、調味材又は果汁を、同時に、あるいは、その後に混入することを特徴とするまるごと昆布だし入り調味材又は果汁の製造方法。
【請求項8】
原料である昆布を細分化する工程と、これら細分化された昆布を水に浸漬して溶かす工程と、この水と、水に溶かした昆布とを攪拌し、必要に応じて昆布をさらに裁断するとと共に、60°C〜100°Cで、約30分程度攪拌・加熱する工程と、これらを、さらに、外管を100°C〜160°Cで保温された二重管の内管を通過させる密封加熱溶解する工程と、この通過された昆布を常温に戻し、均質機を用いて均質化する工程と、これら均質化された水と昆布を殺菌・冷却する工程と、この均質化され、殺菌・冷却水した昆布を充填・包装する工程、との組み合わせからなるまるごと昆布だしの製造の工程において、前記の均質機を用いて均質化する工程で、調味材又は果汁を、同時に、あるいは、その後に混入することを特徴とするまるごと昆布だし入り調味材又は果汁の製造方法。
【請求項9】
昆布を細分化する工程が、原料である昆布を3mm、あるいは3mm以下に細切りにするか、または、薄くおぼろ昆布状にする工程であることを特徴とする請求項5記載のまるごと昆布だしの製造方法。
【請求項10】
昆布を細分化する工程が、原料である昆布を3mm、あるいは3mm以下に細切りにするか、または、薄くおぼろ昆布状にする工程であることを特徴とする請求項6または7または8記載のまるごと昆布だし入り調味材又は果汁の製造方法。
【請求項11】
上記の密封加熱溶解する工程において使用する溶解装置が、内外二重管であって、直管またはスパイラルな内管に、攪拌・加熱された原液が内管(1)を挿通し、その外部に、100°C〜150°Cの熱湯を通し、内部を通る攪拌・加熱された昆布の温度を維持する外管(2)を設けた溶解装置を用いることを特徴とする請求項1または5記載のまるごと昆布だしの製造方法。
【請求項12】
上記の密封加熱溶解する工程において使用する溶解装置が、内外二重管であって、直管またはスパイラルな内管に、攪拌・加熱された原液が内管(1)を挿通し、その外部に、100°C〜150°Cの熱湯を通し、内部を通る攪拌・加熱された昆布の温度を維持する外管(2)を設けた溶解装置を用いることを特徴とする請求項2又は3又は4又は6又は7又は8記載のまるごと昆布だし入り調味材または果汁の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−263867(P2008−263867A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−111870(P2007−111870)
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【出願人】(507131001)有限会社丸栄物産 (1)
【Fターム(参考)】