説明

めっき処理装置

【課題】シリンダブロックの着脱時に、このシリンダブロックのシリンダ内周面と電極との接触を容易に防止して、これらのシリンダ内周面及び電極の損傷を回避できると共に、作業効率を向上できること。
【解決手段】シリンダブロック100のシリンダ内周面106にめっき前処理またはめっき処理を施すめっき処理装置10において、シリンダブロックのクランクケース側外壁には、クランクケース面110に垂直で、且つシリンダボアの軸心P方向に平行な平面部116、117が対向して形成され、シリンダブロックのクランクケース面110に接してこのシリンダブロックを載置可能なワーク載置台17に電極12が突設されると共に、ワーク載置台において前記平面部116、117に正対可能な位置に、この平面部をスライドさせるスライド面41A、42Aを有する挿入ガイド41、補助ガイド42が、筒状電極12と平行に立設されたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンにおけるシリンダブロックのシリンダ内周面に電極を対向配置させ、このシリンダ内周面に処理液を導いて流動させ、このシリンダ内周面にめっき前処理またはめっき処理を施すめっき処理装置であって、シリンダブロックを好適に着脱可能なめっき処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、シリンダブロックのシリンダ内周面に処理液を流動させながら、めっき処理等を行うめっき処理装置が、例えば特許文献1に開示されている。このめっき処理装置は、被処理面としてのシリンダ内周面に対して処理液を流動させながらめっき前処理またはめっき処理を実施するものであり、シリンダブロックの大小にかかわらず適用可能なメリットがある。また、インライン化が容易であり、作業者では搬送が難しい大型のシリンダブロックであっても、コンベアなどによる自動搬送が適用可能となる。一方、小排気量エンジンのシリンダブロックのような小型のシリンダブロックについては、コスト面等から作業者によって搬送が行われることが多い。
【特許文献1】特開2001−193550号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に、めっき工程はめっき前処理とめっき処理の2工程から成り、それぞれで処理液が異なるため、各処理を実施するための装置は区別されている。従って、作業者がシリンダブロックの搬送を行う場合、双方のめっき処理装置からシリンダブロックを着脱する必要がある。
【0004】
ところが、特許文献1のように電極が固定式のめっき処理装置を用いる場合には、シリンダブロックの着脱時にシリンダ内周面と電極が接触して、シリンダ内周面を損傷する恐れがある。特に、めっき前処理後のシリンダ内周面の損傷は、めっきの密着性低下やめっき膜厚の不均一等の不具合につながる。このため、作業者にはシリンダブロックの慎重な着脱が求められ、これが作業効率の低下を引き起こす一因となっている。
【0005】
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、シリンダブロックの着脱時に、このシリンダブロックのシリンダ内周面と電極との接触を容易に防止して、これらのシリンダ内周面及び電極の損傷を回避できると共に、作業効率を向上できるめっき処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、エンジンにおけるシリンダブロックのシリンダボア内に、このシリンダボアを形成するシリンダ内周面に対向して電極が配置可能に設けられ、前記シリンダ内周面に処理液を流動して導き、前記電極及び前記シリンダブロックに通電することで、前記シリンダ内周面にめっき前処理またはめっき処理を施すめっき処理装置において、前記シリンダブロックのクランクケース側外壁には、クランクケースの接合面に垂直で、且つ前記シリンダボアの軸方向に平行な平面部が対向して形成され、前記シリンダブロックの前記接合面に接してこのシリンダブロックを載置可能なワーク載置台に前記電極が突設されると共に、前記ワーク載置台において前記シリンダブロックの前記平面部に正対可能な位置に、この平面部をスライドさせるスライド面を有するワークガイド部材が、前記電極と平行に立設されたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、シリンダブロックをめっき処理装置に着脱する際に、シリンダブロックの平面部をワークガイド部材のスライド面にスライドさせながら、シリンダブロックの着脱を実施するので、このシリンダブロックがワークガイド部材のスライド面から垂直方向に倒れることを規制して位置合せできる。この結果、シリンダブロックのめっき処理装置への着脱時に、このシリンダブロックのシリンダ内周面と電極との接触を容易に防止して、これらのシリンダ内周面及び電極の損傷を回避できると共に、作業効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。但し、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。
【0009】
第1の実施の形態(図1〜図10)
図1は、本発明に係るめっき処理装置の第1の実施の形態の要部を示し、図3のI−I線に沿う断面図である。図2は、図1のめっき処理装置の一部を拡大して示し、図3のII−II線に沿う断面図である。図3は、図1及び図2のめっき処理装置を示す平面図である。
【0010】
図1〜図3に示すめっき処理装置10は、エンジンのシリンダブロック100におけるシリンダ内周面106に処理液(めっき前処理液またはめっき処理液)を強制的に導いて流動させ、筒状電極12及びシリンダブロック100に通電することで、シリンダ内周面106を高速でめっき前処理またはめっき処理するものである。このめっき処理装置10は、筒状電極12及び第1シール部材11を備えた電極ユニット13と、位置決めピン14、接続部材としてのコネクタピン15、及び第2シール部材16を備えたワーク載置台17と、ワーク押え治具18と、第3シール部材19を備えた閉塞機構20と、処理液供給手段28と、電源装置29と、ワークガイド部材としての挿入ガイド41、補助ガイド42及び規制ガイド43と、位置決めガイド44と、エリアセンサ45(図10)とを有して構成される。
【0011】
前記シリンダブロック100は、図4〜図6に示すように、シリンダヘッド104が一体化されたアルミニウム合金鋳物製である。このシリンダブロック100は、シリンダ101、クランクケース102及びシリンダヘッド104を備え、シリンダ101に中空形状のシリンダボア103が形成される。シリンダヘッド104は、内側に燃焼室105が形成されると共に、シリンダボア103の一端部(上端部)を閉塞する。従って、シリンダ101のシリンダボア103とシリンダヘッド104の燃焼室105とが連通する。シリンダボア103を形成するシリンダ101のシリンダ内周面106が、めっき処理装置10によりめっき前処理またはめっき処理される。
【0012】
また、このシリンダブロック100は、排気量の少ない(例えば50cc以下)の小型エンジンのシリンダブロックであり、特にシリンダ101及びシリンダヘッド104の外壁に冷却フィン114を備えた空冷エンジンのシリンダブロックである。冷却フィン114が、シリンダ101及びシリンダヘッド104内の熱を空気中へ放出する。
【0013】
また、このシリンダブロック100のクランクケース102側の外壁には、シリンダボア103の軸心P方向に平行な対向する平面部116及び117と、この平面部116に隣接する平面部118とを有する。これらの平面部116、117及び118は、クランクケース102の接合面であるクランクケース面110に直交して形成される。そして、このクランクケース面110に、シリンダブロック100を他部品(例えばミッションケース)に接合させるときのノックピン(不図示)が嵌合するノックピン穴115が形成されている。
【0014】
更に、シリンダヘッド104には、吸排気バルブ口107が形成され、この吸排気バルブ口107に、バルブシート108と呼称される吸排気バルブの弁座が設置される。このバルブシート108は、例えば鉄材にて構成され、シリンダブロック100及びシリンダヘッド104の鋳造時に一体化され(鋳ぐるみ)、またはシリンダブロック100及びシリンダヘッド104の鋳造後に圧入される。このバルブシート108は、バルブシート面109が燃焼室105に臨んで設置される。
【0015】
シリンダブロック100には、一端がシリンダ内周面106に連通し、他端がクランクケース面110に連通し、外部開放部111を備えたオイル通路112が形成されている。エンジン運転時にオイル通路112からシリンダボア103内へ供給されるオイルが、シリンダ内周面106を摺動するピストン(不図示)とシリンダ内周面106とを潤滑する。
【0016】
さて、図1及び図2に示すように、筒状電極12は、内部に処理液を導いて流動させる内側処理液流路21が形成されると共に、後述のように電源装置29に接続される。この筒状電極12は、ワーク載置台17にシリンダブロック100が載置されたときに、このシリンダブロック100のシリンダボア103内に、シリンダブロック100のクランクケース面110側から挿入されて配置可能に設けられる。この状態で、筒状電極12の外周面23とシリンダブロック100のシリンダ内周面106とが対向し、これらの外周面23とシリンダ内周面106との間に外側処理液流路22が形成される。内側処理液流路21と外側処理液流路22は、筒状電極12のシリンダヘッド104側端部である上端部24側において連通すると共に、ポンプ33A、33Bを介して処理液タンク34(共に後述)に接続されて、処理液が強制的に循環して導かれる。
【0017】
筒状電極12の上部に螺合された取付ボルト27を介して、第1シール部材11が筒状電極12の上部に取り付けられる。この第1シール部材11は、筒状電極12がシリンダブロック100のシリンダボア103内に配置された状態でシリンダヘッド104の燃焼室105内に配設されて、シリンダヘッド104に設置されたバルブシート108のバルブシート面109(図6)をシール可能とする。
【0018】
筒状電極12は、ワーク載置台17から突設されると共に、このワーク載置台17を設置する載置台取付プレート35を貫通して下方へ延び、円筒形状の電極ホルダ部材36に着脱可能に取り付けられる。この電極ホルダ部材36は、ホルダ部材取付治具37に固着され、このホルダ部材取付治具37が基台プレート40を介して基台(不図示)に支持される。
【0019】
電極ホルダ部材36とホルダ部材取付治具37との間に、外側処理液流路22に連通する外側処理液流路39が形成される。また、電極ホルダ部材36の内部に、内側処理液流路21に連結する内側処理液流路38が形成される。この内側処理液流路38が、前記ポンプ33Aを介して処理液タンク34に接続され、外側処理液流路39がポンプ33Bを介して処理液タンク34に接続される。これらの内側処理液流路21、38、外側処理液流路22、39、ポンプ33A、33B及び処理液タンク34を有して処理液供給手段28が構成される。
【0020】
ポンプ33Bの起動により処理液タンク34内の処理液(例えばめっき前処理液)が外側処理液流路39、22、内側処理液流路21、38、ポンプ33A、処理液タンク34の経路で流動して循環する。また、ポンプ33Aの起動により、処理液タンク34内の処理液(例えばめっき処理液)が内側処理液流路38、21、外側処理液流路22、39、ポンプ33B、処理液タンク34の経路で流動して循環する。
【0021】
図2に示すように、ワーク載置台17は、シリンダブロック100のクランクケース面110に接触してこのシリンダブロック100を載置する。この際、ワーク載置台17に植設された位置決めピン14が、シリンダブロック100のクランクケース面110に形成されたノックピン穴115に係合することで、シリンダブロック100がワーク載置台17に位置決めされる。またこのとき、ワーク載置台17に立設された、例えば円筒形状樹脂製の第2シール部材16が、シリンダブロック100のシリンダ内周面106の下端部に当接して、この下端部をシールする。
【0022】
更に、シリンダブロック100がワーク載置台17に載置されたとき、ワーク載置台17に設置されたコネクタピン15が、シリンダブロック100におけるオイル通路112のクランクケース面110側の他端部内に嵌合される。このコネクタピン15は、中空構造であり、外周にOリング等のシール部材が装着されて、オイル通路112の前記他端部に液密に嵌合する。そして、このコネクタピン15は、洗浄水または空気が供給可能なホース機構(不図示)に接続され、オイル通路12内と、外側処理液流路22及び内側処理液流路21内へ洗浄水または空気を供給する。
【0023】
ワーク押え治具18は、図示しないエアシリンダなどの作用で昇降し、シリンダヘッド104のシリンダヘッド頂面113をワーク載置台17側へ押圧して、シリンダヘッド104一体型のシリンダブロック100をワーク載置台17との間で挟持する。先端部に第3シール部材19を備えた閉塞機構20は、ワーク押え治具18にスライド可能に配設され、ワーク押え治具18とワーク載置台17との間に挟持されたシリンダヘッド104一体型のシリンダブロック100のオイル通路112における外部開放部111を閉塞する。
【0024】
図1に示す電源装置29は、一端が、ホルダ部材取付治具37及び電極ホルダ部材36を介して、前述の如く筒状電極12に接続される。電源装置29の他端はワーク載置台17に接続されて、このワーク載置台17に載置されたシリンダブロック100に接続される。めっき処理装置10がシリンダブロック100のシリンダ内周面106にめっき前処理を施すときには、電源装置29は、シリンダブロック100がプラス極、筒状電極12がマイナス極となるように、筒状電極12及びシリンダブロック100に通電する。また、めっき処理装置10がシリンダブロック100のシリンダ内周面106にめっき処理を施すときには、電源装置29は、筒状電極12がプラス極、シリンダブロック100がマイナス極となるように筒状電極12及びシリンダブロック100に通電する。
【0025】
図1及び図3に示すように、ワーク載置台17には、前述の位置決めピン14及びコネクタピン15が設置されると共に、挿入ガイド41、補助ガイド42及び規制ガイド43が、ボルトなどを用いて垂直方向に立設される。シリンダブロック100をめっき処理装置10に着脱する際には、シリンダブロック100がこれらの挿入ガイド41、42及び規制ガイド43に案内されることで、シリンダブロック100の倒れや引っ掛かりが防止され、スムーズな着脱が可能となる。
【0026】
図3、図7及び図8に示すように、挿入ガイド41はワーク載置台17において、シリンダブロック100の平面部116に正対可能な位置に少なくとも1本、本実施の形態では2本が、筒状電極12に平行に立設される。この挿入ガイド41は例えば金属製であり、角柱、三角柱または平板形状(本実施の形態では角柱形状)に形成されると共に、シリンダブロック100の平面部116に正対する箇所に、この平面部116をスライドさせる平面形状のスライド面41Aが形成される。
【0027】
この挿入ガイド41は、筒状電極12の軸心Oとシリンダブロック100のシリンダボア103の軸心Pとが一致した状態で、挿入ガイド41とシリンダブロック100の平面部116との距離Bが、筒状電極12とシリンダブロック100のシリンダ内周面106との距離Aよりも小さく設定されるよう位置付けられる。更に、挿入ガイド41の高さH1は、筒状電極12の高さH0よりも高く設定される。
【0028】
また、この挿入ガイド41の先端には、先端側へ向かって先細り形状のテーパ46が形成される。このテーパ46の角度θ1は、挿入ガイド41のスライド面41Aに対して45度以下に設定される。そして、このテーパ46の下端(テーパ下端47)は、筒状電極12の上端部24よりも高く設定される。
【0029】
補助ガイド42は、ワーク載置台17において、筒状電極12に対し挿入ガイド41と反対の位置で、シリンダブロック100の平面部117に正対可能な位置に1本、筒状電極12に平行に立設される。この補助ガイド42は例えば樹脂製であり、シリンダブロック100の平面部117に正対する箇所に、この平面部117をスライドさせるスライド面42Aが形成される。このスライド面42Aは、筒状電極12側に湾曲した曲面形状に形成される。具体的には、補助ガイド42が円柱形状に形成され、シリンダブロック100の平面部117に正対する湾曲面がスライド面42Aとして設定される。
【0030】
この補助ガイド42は、筒状電極12の軸心Oとシリンダブロック100のシリンダボア103の軸心Pとが一致した状態で、補助ガイド42とシリンダブロック100の平面部117との距離Cが、筒状電極12とシリンダブロック100のシリンダ内周面106との距離Aよりも小さく設定されるように位置付けられる。更に、補助ガイド42の高さH2は、筒状電極12の高さH0よりも高く設定される。
【0031】
また、この補助ガイド42の下端には、先端側へ向かって先細り形状のテーパ48が形成される。このテーパ48の角度θ2は、補助ガイド42のスライド面42Aに対して45度以下に設定される。そして、このテーパ48の下端(テーパ下端49)は、筒状電極12の上端部24よりも高く設定される。
【0032】
規制ガイド43は、ワーク載置台17において、筒状電極12を挟む位置で、シリンダブロック100の平面部118に正対可能な位置に少なくとも2本(本実施の形態では2本)が、筒状電極12に平行に立設される。この規制ガイド43は、例えば樹脂製で円柱形状に形成され、筒状電極12側の湾曲面が、シリンダブロック100の平面部118をスライドさせるスライド面43Aとなっている。この規制ガイド43により、挿入ガイド41のスライド面41Aに対し平行な方向のシリンダブロック100の移動が規制される。
【0033】
この規制ガイド43は、筒状電極12の軸心Oとシリンダブロック100のシリンダボア103の軸心Pとが一致した状態で、規制ガイド43とシリンダブロック100の平面部118との距離Dが、筒状電極12とシリンダブロック100のシリンダ内周面106との距離Aよりも小さく設定されるよう位置付けられる。更に、規制ガイド43の高さH3は、筒状電極12の高さH0よりも高く設定される。
【0034】
また、この規制ガイド43の先端には、先端側へ向かって先細り形状のテーパ50が形成される。このテーパ50の角度θ3は、規制ガイド43のスライド面43Aに対して45度以下に設定される。そして、このテーパ50の下端(テーパ下端51)は、筒状電極12の上端部24によりも高く設定される。
【0035】
尚、補助ガイド42及び規制ガイド43は、それぞれの高さH2、H3が共に筒状電極12の高さH0よりも高く形成されたが、この筒状電極12の高さH0以下に形成されてもよい。
【0036】
図3、図7及び図9に示すように、位置決めガイド44は、ワーク載置台17において前記位置決めピン14の近傍に設置される。この位置決めガイド44の高さβは、位置決めピン14の高さαよりも高く設定されて、シリンダブロック100のノックピン穴115を位置決めピン14へ案内する機能を果たす。
【0037】
この位置決めガイド44の筒状電極12側には、位置決めガイド44の前面44Aに対する角度θ4が45度以下のテーパ52が形成される。また、位置決めガイド44は、筒状電極12の軸心Oとシリンダブロック100のシリンダボア103の軸心Pとが一致した状態で、位置決めガイド44とシリンダブロック100の外壁との距離Eが、挿入ガイド41とシリンダブロック100の平面部116との距離B、補助ガイド42とシリンダブロック100の平面部117との距離C、規制ガイド43とシリンダブロック100の平面部118との距離Dよりも小さく設定される。
【0038】
図10に示すように、エリアセンサ45は、シリンダブロック100がワーク載置台17に載置されたときに、このシリンダブロック100の高さを検出するものである。つまり、エリアセンサ45とシリンダブロック100の上端との高度差γが、位置決めガイド44の高さβよりも小さく設定される。このため、シリンダブロック100が位置決めガイド44に乗り上げられてめっき処理装置10に装着されたときに(図10(B))、シリンダブロック100をエリアセンサ45が検出することで、シリンダブロック100の誤組み付けが検出される
次に、作用を説明する。
【0039】
図2、図8及び図9に示すように、シリンダヘッド104一体型のシリンダブロック100を、クランクケース面110を鉛直下向きにしてワーク載置台17に載置する。このとき、シリンダブロック100は、ワーク載置台17の位置決めピン14がシリンダブロック100のノックピン穴115に嵌合することで位置決めされ、ワーク載置台17のコネクタピン15が、シリンダブロック100におけるオイル通路112のクランクケース面110側端部に液密に嵌合された状態で、クランクケース面110がワーク載置台17に接触する。更にこのとき、筒状電極12がシリンダブロック100のシリンダボア103内に配置されると共に、第1シール部材11が、シリンダヘッド104に設置されたバルブシート108のバルブシート面109(図6)に接触し、第2シール部材16がシリンダ内周面106の下端部に接触する。
【0040】
シリンダブロック100をワーク載置台17に載置する際に、挿入ガイド41、補助ガイド42、規制ガイド43及び位置決めガイド44が利用される。つまり、シリンダブロック100は、挿入ガイド41のテーパ46、補助ガイド42のテーパ48及び規制ガイド43のテーパ50によって挿入ガイド41のスライド面41A、補助ガイド42のスライド面42A、及び規制ガイド43のスライド面43Aへ誘導され、これらのスライド面41A、42A及び43Aに沿ってワーク載置台17側の下方へ移動(挿入)される。そして、シリンダブロック100は、位置決めガイド44のテーパ52に沿ってさらに下方へ移動され、この位置決めガイド44のテーパ52により、シリンダブロック100のノックピン穴115が位置決めピン14に係合するように案内される。このようにしてシリンダブロック100のクランクケース面110がワーク載置台17に接して、シリンダブロック100がワーク載置台17に載置される
次に、ワーク押え治具18をエアシリンダの動作で下降させ、このワーク押え治具18によりシリンダヘッド104一体型のシリンダブロック100におけるシリンダヘッド頂面113を押圧する。これにより、シリンダブロック100がワーク押え治具18とワーク載置台17との間に挟持される。このとき、筒状電極12の上端部24に設置された第1シール部材11が、シリンダヘッド104に設置されたバルブシート108のバルブシート面109に圧接して、このバルブシート面109をシールする。と同時に、ワーク載置台17に立設された第2シール部材16が、シリンダ内周面106の下端部に圧接して、この下端部をシールする。
【0041】
その後、閉塞機構20がワーク押え治具18に対してスライドして、閉塞機構20に取り付けられた第3シール部材19が、シリンダブロック100のオイル通路112における外部開放部111を閉塞する。上述の一連の動作によって、シリンダヘッド104一体型のシリンダブロック100がめっき処理装置10に装着(セット)される。
【0042】
このめっき処理装置10にシリンダブロック100をセットした状態で、シリンダブロック100のシリンダ内周面106に対してめっき前処理、洗浄処理を順次実施し、他のめっき処理装置10にシリンダブロック100をセットした状態で、シリンダブロック100のシリンダ内周面106に対してめっき処理、洗浄処理を順次実施する。
【0043】
めっき前処理では、前述の陽極電解エッチングが実施される。この陽極電解エッチングでは、処理液としてリン酸、硫酸、スルファミン酸などの電解液が用いられ、この処理液がポンプ33B(図1)の作用で、外側処理液流路22から内側処理液流路21へ向かって流動する。この状態で、筒状電極12がマイナス極、シリンダブロック100がプラス極となるように、電源装置29から筒状電極12及びシリンダブロック100に通電する。すると、シリンダブロック100のシリンダ内周面106がエッチング(浸食)作用で凹凸加工され、そのアンカー効果によってシリンダ内周面106におけるめっき皮膜との密着性が向上する。
【0044】
めっき処理は、所定の処理液と通電条件を選定することにより、めっき前処理の場合と同様なめっき処理装置10を用いて、シリンダブロック100のシリンダ内周面106にめっき皮膜を形成する。但し、このめっき処理では、処理液経路と電極のプラス、マイナスがめっき前処理の場合と逆である。つまり、ポンプ33Aの作用で、処理液を内側処理液流路21から外側処理液流路22へ向かって流動させると共に、筒状電極12がプラス極、シリンダブロック100がマイナス極となるように通電する。
【0045】
洗浄処理は、めっき前処理とめっき処理のそれぞれの後において、処理液供給及び電気供給(通電)を停止し、シリンダブロック100をめっき処理装置10にセットしたままの状態で実施する。シリンダブロック100にオイル通路112が形成されていない場合には、内側処理液流路21及び外側処理液流路22へ給水ポンプの作用で給水タンク(共に図示せず)から直接洗浄水を供給して、シリンダブロック100のシリンダ内周面106を洗浄するが、シリンダブロック100にオイル通路112が形成されている場合には、このオイル通路112を利用して洗浄水を供給する。
【0046】
つまり、めっき前処理またはめっき処理後に給水ポンプ(不図示)を起動して、給水タンクからホース機構(共に図示せず)を介してコネクタピン15及びオイル通路112へ洗浄水を供給し、この洗浄水をオイル通路112から外側処理液流路22、内側処理液流路21へ順次流して、オイル通路112及びシリンダ内周面106を同時に洗浄する。洗浄後の洗浄水は、外側処理液流路22、39及び内側処理液流動21、38を経て処理液タンク34へ導かれる。このとき供給される洗浄水の水量は、加温による処理液の蒸発分の水量に等しくなるように調整される。このため、処理液タンク34の液濃度は一定に保持される。また、洗浄終了後には、バルブ(不図示)が切り換えられてオイル通路112内へ空気が供給され、このオイル通路112内に溜まった洗浄水が吐き出される。
【0047】
尚、めっき前処理時及びめっき処理時においては、ホース機構からコネクタピン15まで洗浄水が満たされているため、処理液がオイル通路112へ侵入してきても、コネクタピン15までに至った洗浄水の水圧の作用で、処理液がコネクタピン15及びホース機構へ侵入することがない。
【0048】
従って、本実施の形態によれば、次の効果(1)〜(12)を奏する。
【0049】
(1)図7に示すように、ワーク載置台17において、シリンダブロック100の平面部116に正対可能な位置に挿入ガイド41が設置され、またワーク載置台17において、筒状電極12に対して挿入ガイド41と反対位置で、シリンダブロック100の平面部117に正対可能な位置に補助ガイド42が設置されている。このため、図8に示すように、シリンダブロック100をめっき処理装置10に着脱する際に、シリンダブロック100の平面部116、117を挿入ガイド41のスライド面41A、補助ガイド42のスライド面42Aにそれぞれスライドさせながら、シリンダブロック100の着脱を実施するので、このシリンダブロック100が挿入ガイド41、補助ガイド42のそれぞれのスライド面41A、42Aから垂直方向に倒れることを規制して位置合せできる。この結果、シリンダブロック100のめっき処理装置10への着脱時に、このシリンダブロック100のシリンダ内周面106と電極12との接触を容易に防止して、これらのシリンダ内周面106及び筒状電極12の損傷を回避できると共に、シリンダブロック100の着脱の作業効率を向上させることができる。
【0050】
(2)図7に示すように、ワーク載置台17において、筒状電極12を挟み、シリンダブロック100の平面部118に正対可能な位置に規制ガイド43が設置されたので、この規制ガイド43によって、挿入ガイド41のスライド面41Aに対して平行な方向のシリンダブロック100の移動を規制できる。このことからも、シリンダブロック100のシリンダ内周面106と筒状電極12との接触を容易に防止して、これらのシリンダ内周面106及び筒状電極12の損傷を回避でき、シリンダブロック100の着脱の作業効率を向上させることができる。
【0051】
(3)図7に示すように、補助ガイド42のスライド面42Aが筒状電極12側に湾曲した曲面形状に形成されたので、このスライド面42Aの湾曲面によって、シリンダブロック100にシリンダボア103の軸心Pを中心とする回転方向の自由度を与えることができる。このため、シリンダブロック100を挿入ガイド41、補助ガイド42、規制ガイド43間に円滑に挿入することができる。
【0052】
(4)図7及び図8に示すように、筒状電極12の軸心Oとシリンダブロック100のシリンダボア103の軸心Pとが一致した状態で、挿入ガイド41とシリンダブロック100の平面部116との距離B、補助ガイド42とシリンダブロック100の平面部117との距離C、規制ガイド43とシリンダブロック100の平面部118との距離Dが、筒状電極12とシリンダブロック100のシリンダ内周面106との距離Aよりも小さく設定されている。このため、シリンダブロック100が挿入ガイド41、補助ガイド42及び規制ガイド43間で水平方向に移動した場合にも、筒状電極12とシリンダブロック100のシリンダ内周面106との接触を防止することができる。
【0053】
(5)図7及び図8に示すように、挿入ガイド41、補助ガイド42、規制ガイド43のそれぞれの高さH1、H2、H3が筒状電極12の高さH0よりも高く設定されたので、シリンダブロック100の下端であるクランクケース面110が筒状電極12の上端部24と同一高さになる前に、シリンダブロック100が挿入ガイド41、補助ガイド42、規制ガイド43のそれぞれのスライド面41A、42A、43Aから垂直方向に倒れることを規制できる。この点からも、シリンダブロック100のシリンダ内周面106が筒状電極12に接触することを防止できる。この効果は、挿入ガイド41の高さH1のみが筒状電極12の高さH0よりも高い場合にも実現できる。
【0054】
(6)図8に示すように、挿入ガイド41、補助ガイド42、規制ガイド43のそれぞれの先端にテーパ46、48、50が形成され、これらのテーパ46、48、50の角度θ1、θ2、θ3が45度以下に設定されたので、シリンダブロック100を挿入ガイド41、42及び規制ガイド43間に円滑に誘導することができる。このため、シリンダブロック100のめっき処理装置10へのセッティング時の作業効率を向上させることができる。
【0055】
(7)図8に示すように、挿入ガイド41のテーパ46、補助ガイド42のテーパ48、規制ガイド43のテーパ50のそれぞれのテーパ下端47、49、51が、筒状電極12の上端部24よりも高く設定されたので、シリンダブロック100が筒状電極12の上端部24に至るまでに、シリンダボア103の軸心Pを筒状電極12の軸心Oと平行にすることができる。この点からも、シリンダブロック100のシリンダ内周面106と筒状電極12との接触を防止することができる。
【0056】
(8)図8に示すように、補助ガイド42及び規制ガイド43は共に円柱形状であり、これらの先端のテーパ48及び50が略円錐形状となって、これらのテーパ48及び50にシリンダブロック100が衝突したときの面圧が挿入ガイド41のテーパ46の場合に比べて高くなっても、補助ガイド42及び規制ガイド43が樹脂にて構成されたので、上記衝突によるシリンダブロック100の損傷を低減できる。このため、シリンダブロック100の外傷による不良を低減でき、品質の低下を抑制できる。
【0057】
(9)図7及び図9に示すように、ワーク載置台17には、シリンダブロック100のノックピン穴115に係合可能な位置決めピン14が設置されると共に、この位置決めピン14近傍に、この位置決めピン14の高さαよりも高い高さβに形成されて、シリンダブロック100のノックピン穴115をワーク載置台17の位置決めピン14へ案内する位置決めガイド44が設置されている。従って、この位置決めガイド44によりシリンダブロック100のノックピン穴115をワーク載置台17の位置決めピン14へ円滑に誘導させることができる。更に、図10(B)に示すように、シリンダブロック100が誤組み付けされた場合には、このシリンダブロック100を位置決めガイド44に乗り上げさせることで、ワーク載置台17への着座を防止して、誤組み付けの発生を作業者に告知することができる。
【0058】
(10)図7〜図9に示すように、筒状電極12の軸心Oとシリンダブロック100のシリンダボア103の軸心Pとが一致した状態で、位置決めガイド44とシリンダブロック100の外壁との距離Eが、挿入ガイド41とシリンダブロック100の平面部116との距離B、補助ガイド42とシリンダブロック100の平面部117との距離C、規制ガイド43とシリンダブロック100の平面部118との距離Cよりも小さく設定されている。このため、位置決めガイド44の高さまで至ったシリンダブロック110のノックピン穴115を、ワーク載置台17の位置決めピン14に精度よく係合させることができるので、シリンダブロック100のめっき処理装置10への正確なセッティングを実現できる。
【0059】
(11)図9に示すように、位置決めガイド44には、前面44Aに対する角度θ4が45度以下のテーパ52が形成されているので、このテーパ52に沿ってシリンダブロック100を移動させることで、このシリンダブロック100のノックピン穴115をワーク載置台17の位置決めピン14に円滑に誘導させることができる。この結果、シリンダブロック100のめっき処理装置10へのセッティング時の作業効率を向上させることができる。
【0060】
(12)図10に示すように、シリンダブロック100がワーク載置台17に載置されたときに、このシリンダブロック100の高さを検出するエリアセンサ45が設置され、このエリアセンサ45とシリンダブロック100の上端との高度差γが位置決めガイド44の高さβよりも小さく設定されたので、シリンダブロック100を位置決めガイド44に乗り上げて載置したときに、この状態をエリアセンサ45が検出できる。従って、正規位置にセッティングできなかった誤組み付け時のシリンダブロック100をエリアセンサ45が検出することで、その後の処理を中止でき、処理液の漏洩や、めっき前処理及びめっき処理の不良を未然に回避することができる。
【0061】
[B]第2の実施の形態(図11)
図11は、本発明に係るめっき処理装置の第2の実施の形態の要部を示す図8に対応する側面図である。この第2の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0062】
本実施の形態のめっき処理装置60が前記第1の実施の形態のめっき処理装置10と異なる点は、挿入ガイド61が、角柱形状の角柱部62と、この角柱部62の先端側に一体に設けられた円柱形状の円柱部63とを有してなり、この角柱部62と円柱部63のそれぞれの先端に、先端側へ向かって先細り形状のテーパ64、65が形成された点である。
【0063】
これらの角柱部62先端のテーパ64と円柱部63先端のテーパ65は、それぞれ、角柱部62のスライド面62A、円柱部63のスライド面63Aに対して45度以下に設定される。更に、筒状電極12の軸心Oとシリンダブロック100のシリンダボア103の軸心Pが一致した状態で、挿入ガイド61における円柱部63のスライド面63Aとシリンダブロック100の平面部116との距離Fは、挿入ガイド61における角柱部62のスライド面62Aとシリンダブロック110の平面部116との距離Bと共に、筒状電極12とシリンダブロック100のシリンダ内周面106との距離Aよりも小さく設定されている。
【0064】
従って、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態の効果(1)〜(12)と同様な効果を奏する他、次の効果を奏する。つまり、挿入ガイド61における角柱部62の先端側に円柱部63が形成されたことで、シリンダブロック100を挿入ガイド61に沿ってワーク載置台17側へ移動(挿入)するときの引っ掛かりをより一層防止でき、その後、角柱部62のスライド面62Aによってシリンダブロック100の倒れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明に係るめっき処理装置の第1の実施の形態の要部を示し、図3のI−I線に沿う断面図。
【図2】図1のめっき処理装置の一部を拡大して示し、図3のII−II線に沿う断面図。
【図3】図1及び図2のめっき処理装置を示す平面図。
【図4】図1における被処理物としてのシリンダブロックを示す側面図。
【図5】図4のV矢視図。
【図6】図4のVI−VI線に沿う断面図。
【図7】図3のめっき処理装置とシリンダブロックを概略して示す平面図。
【図8】図7のめっき処理装置を示す概略側面図。
【図9】図7のIX−IX線に沿う概略断面図。
【図10】位置決めガイドの作用を説明する図9に対応する概略断面図。
【図11】本発明に係るめっき処理装置の第2の実施の形態の要部を示す図8に対応する概略側面図。
【符号の説明】
【0066】
10 めっき処理装置
12 筒状電極
14 位置決めピン
17 ワーク載置台
41 挿入ガイド
42 補助ガイド
43 規制ガイド
44 位置決めガイド
41A、42A、43A スライド面
45 エリアセンサ
46、48、50 テーパ
47、49、51 テーパ下端
60 めっき処理装置
61 挿入ガイド
62 角柱部
63 円柱部
62A、63A スライド面
64、65 テーパ
100 シリンダブロック
102 クランクケース
103 シリンダボア
106 シリンダ内周面
110 クランクケース面(接合面)
115 ノックピン穴
116、117、118 平面部
O、P 軸心
A、B、C、D、E 距離
H0、H1、H2、H3 高さ
α、β 高さ
θ1、θ2、θ3 角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンにおけるシリンダブロックのシリンダボア内に、このシリンダボアを形成するシリンダ内周面に対向して電極が配置可能に設けられ、前記シリンダ内周面に処理液を流動して導き、前記電極及び前記シリンダブロックに通電することで、前記シリンダ内周面にめっき前処理またはめっき処理を施すめっき処理装置において、
前記シリンダブロックのクランクケース側外壁には、クランクケースの接合面に垂直で、且つ前記シリンダボアの軸方向に平行な平面部が対向して形成され、
前記シリンダブロックの前記接合面に接してこのシリンダブロックを載置可能なワーク載置台に前記電極が突設されると共に、
前記ワーク載置台において前記シリンダブロックの前記平面部に正対可能な位置に、この平面部をスライドさせるスライド面を有するワークガイド部材が、前記電極と平行に立設されたことを特徴とするめっき処理装置。
【請求項2】
前記ワークガイド部材は、角柱、三角柱または平板形状に形成され、平面形状のスライド面を有する少なくとも1本の挿入ガイドであることを特徴とする請求項1に記載のめっき処理装置。
【請求項3】
前記ワークガイド部材は、電極に対して挿入ガイドと反対の位置に配置されると共に、スライド面が前記電極側に湾曲した曲面形状に形成された補助ガイドであることを特徴とする請求項2に記載のめっき処理装置。
【請求項4】
前記ワークガイド部材は、電極を挟む位置に少なくとも2本設けられて、挿入ガイドのスライド面に対して平行な方向のシリンダブロックの移動を規制する規制ガイドであることを特徴とする請求項2に記載のめっき処理装置。
【請求項5】
前記電極の軸心とシリンダブロックのシリンダボアの軸心とが一致した状態で、ワークガイド部材と前記シリンダブロックの平面部との距離が、前記電極と前記シリンダブロックのシリンダ内周面との距離よりも小さく設定されたことを特徴とする請求項1に記載のめっき処理装置。
【請求項6】
前記ワークガイド部材のうち少なくとも挿入ガイドの高さが、電極の高さよりも高く設定されたことを特徴とする請求項1に記載のめっき処理装置。
【請求項7】
前記ワーク載置台には、シリンダブロックのクランクケース面に形成されたノックピン穴に係合可能な位置決めピンが立設されると共に、この位置決めピン近傍に、この位置決めピンの高さよりも高くに形成されて、前記ノックピン穴を前記位置決めピンへ案内する位置決めガイドが設けられたことを特徴とする請求項1に記載のめっき処理装置。
【請求項8】
前記電極の軸心とシリンダブロックのシリンダボアの軸心とが一致した状態で、位置決めガイドと前記シリンダブロックの外壁との距離が、ワークガイド部材と前記シリンダブロックの平面部との距離よりも小さく設定されたことを特徴とする請求項7に記載のめっき処理装置。
【請求項9】
前記ワークガイド部材の先端に、先端側へ向かって先細り形状のテーパが形成され、このテーパの角度がスライド面に対して45度以下に設定されたことを特徴とする請求項1に記載のめっき処理装置。
【請求項10】
前記ワークガイド部材の先端におけるテーパの下端位置は、電極上端位置よりも上方に設定されたことを特徴とする請求項9に記載のめっき処理装置。
【請求項11】
前記シリンダブロックがワーク載置台に載置されたときに、このシリンダブロックの高さを検出するエリアセンサを有することを特徴とする請求項1に記載のめっき処理装置。
【請求項12】
前記挿入ガイドは、角柱形状の角柱部と、この角柱部の先端側に一体に設けられた円柱形状の円柱部とを有してなり、この円柱部の先端に、先端側へ向かって先細り形状のテーパが形成されたことを特徴とする請求項2に記載のめっき処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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