説明

めっき浴および方法

【課題】電解銅めっき浴およびそのめっき方法を提供する。
【解決手段】1種以上の特定のピリジン化合物と1種以上のエポキシド含有化合物との反応生成物である平滑化剤を含む銅めっき浴。この浴は導電層の表面上に銅を堆積させる。このめっき浴は広範囲の電解質濃度にわたって基体表面上に実質的に平坦な銅層を堆積させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して電解金属めっきの分野に関する。特に本発明は電解銅めっきの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
物品を金属コーティングで電気めっきする方法はめっき液中の2つの電極間に電流を通すことを伴い、その電極の一方がめっきされるべき物品である。典型的な銅めっき液は溶解した銅、浴に導電性をもたらすのに充分な量の電解質、並びに銅堆積物の均一性および品質を向上させる有標の添加剤、例えば、促進剤、平滑化剤および/または抑制剤を含む。
【0003】
様々な産業用途において、特に、プリント回路板(PCB)および半導体の製造のために、電解銅めっき液が使用される。PCB製造のためには、銅はPCBの表面の選択された部分上に、ブラインドバイア内に、および回路板の表面間を貫通するスルーホールの壁上に電気めっきされる。スルーホールの壁は、銅がスルーホールの壁上に電気めっきされる前に、例えば、無電解金属堆積によって最初に導電性にされる。めっきされたスルーホールは板の一方の表面から他方の表面への導電径路を提供する。半導体製造については、様々なフィーチャ、例えば、バイア、溝、またはこれらの組み合わせを含むウェハの表面上に銅が電気めっきされる。バイアおよび溝は金属化されて、半導体デバイスの様々な層間の導電性を提供する。
【0004】
不規則な形状を有する基体をめっきすることは特別な困難をもたらす。電気めっき中に、電圧降下変動は典型的には不規則な表面に沿って存在し、この不規則な表面は結果的に不均一な金属堆積物をもたらすことができ、そこでは、そのような表面の不規則なものの上に、より厚い金属堆積物が観察される。電子デバイスにおいて実質的に均一もしくは平滑な銅層を提供するために、銅めっき浴において平滑化剤が多くの場合使用される。最近、ブラインドバイアを利用する高密度相互接続のための試みが開発されてきた。その要求は、基体表面にわたる銅堆積物の厚み変動を最小限にしつつビアフィリングを最大化することである。これは、PCBがスルーホールおよびブラインドバイアの双方を含む場合に特に困難である。
【0005】
米国特許第4,038,161号(エクレス(Eckles)ら)はエピハロヒドリンと特定のピリジン化合物との反応生成物を含むことができる酸銅電気めっき浴を開示する。このエピハロヒドリンはエピクロロヒドリンまたはエピブロモヒドリンであることができる。他のエポキシド化合物はこの特許に開示されていない。
【0006】
米国特許出願公開第2010/0126872号(パネカシオ(Paneccasio)ら)は平滑化剤化合物としての、アルキル化剤とジピリジル化合物との反応生成物を含む酸銅電気めっき浴を開示する。このアルキル化剤はエポキシ基に対してアルファの炭素上に脱離基を有するエポキシド化合物でありうる。適する脱離基はクロリド、ブロミド、ヨージド、トシル、トリフラート、スルホナート、メシラート、メトスルファート、フルオロスルホナート、メチルトシラート、ブロシラートまたはノシラートである。唯一の典型的なエポキシ化合物アルキル化剤はアルファ脱離基置換ヒドリン、例えば、エピハロヒドリンである。
【0007】
一般的に、銅めっき浴に使用される平滑化剤は基体表面にわたる堆積物の良好な平滑化をもたらすが、電気めっき浴の均一電着性を悪化させる傾向がある。均一電着性はホール中央の銅堆積物の厚みの、その表面における銅堆積物の厚みに対する比率として定義される。より新しいPCBは多くの場合、スルーホールおよびブラインドバイアの双方を含む。ピリジンとアルキル化剤エポキシ化合物、例えば、エピハロヒドリンとの反応生成物のような従来の平滑化剤は、基体表面上に充分に平滑な銅堆積物を提供せず、かつ効果的にスルーホールを充填せず、および/または効果的にブラインドバイアを充填しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第4,038,161号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2010/0126872号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
当該技術分野において、ブラインドバイアおよびスルーホールのようなアパーチャを効果的に充填するのに充分な浴の均一電着性を維持しつつ、充分に平滑な銅堆積物を提供する、電子デバイスの製造に使用される銅電気めっき浴のための平滑化剤についての必要性が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、銅イオン源、電解質、および平滑化剤を含む銅電気めっき浴を提供し、前記平滑化剤は式(I)のピリジン化合物
【化1】

(式中、R、RおよびRは独立して、H、(C−C)アルキル、Cy、R−Cy、NRおよびR−NRから選択され;Cyは5員〜6員環であり;RおよびRは独立してH、(C−C)アルキルおよび(C−C12)アリールから選択され;RはRもしくはRとそれらが結合している原子と共に一緒になって縮合5員〜6員環を形成していて良く;RはRもしくはRとそれらが結合している原子と共に一緒になって縮合5員〜6員環を形成していて良く;Rは(C−C10)ヒドロカルビル基であり;RおよびRは独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、および(C−C)アルケニル(C−C10)アリールから選択され;RとRとは一緒になって5員もしくは6員複素環を形成していて良く;並びにRとRとはそれらが結合している原子と共に一緒になって5員〜6員縮合窒素含有環を形成していて良い)とエポキシド含有化合物との反応生成物を含み、ただし、前記エポキシド含有化合物がエポキシド基に対してアルファの炭素上に脱離基を有する場合には、R、RおよびRの少なくとも1つがNRである。
【0011】
本発明は、めっきされる基体を上記銅電気めっき浴と接触させ;並びに、前記基体上に銅層を堆積させるのに充分な期間にわたって電流密度を適用する;ことを含む、基体上に銅を堆積させる方法をさらに提供する。
【0012】
1種以上のピリジン化合物と1種以上のエポキシド含有化合物との反応生成物も本発明によって提供され、前記ピリジン化合物が式(I)
【化2】

(式中、R、RおよびRは独立して、H、(C−C)アルキル、Cy、R−Cy、NRおよびR−NRから選択され;Cyは5員〜6員環であり;RおよびRは独立してH、(C−C)アルキルおよび(C−C12)アリールから選択され;RはRもしくはRとそれらが結合している原子と共に一緒になって縮合5員〜6員環を形成していて良く;RはRもしくはRとそれらが結合している原子と共に一緒になって縮合5員〜6員環を形成していて良く;Rは(C−C10)ヒドロカルビル基であり;RおよびRは独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、および(C−C)アルケニル(C−C10)アリールから選択され;RとRとは一緒になって5員もしくは6員複素環を形成していて良く;並びにRとRとはそれらが結合している原子と共に一緒になって5員〜6員縮合窒素含有環を形成していて良い)を有し;並びに、少なくとも1種のエポキシド含有化合物が下記式
【化3】

(式中、Y、YおよびYは独立してHおよび(C−C)アルキルから選択され;各Yは独立してH、エポキシ基および(C−C)アルキルから選択され;X=CHまたは(C−C)アルケニル;X=Hまたは(C−C)アルキル;X=ハロゲン、O(C−C)アルキルまたはO(C−C)ハロアルキル;A=OR11またはR12;R11=((CR1314O)、(アリール−O)、CR1314−Z−CR1314OまたはOZO;R12=(CH;A1は(C−C12)シクロアルキル環または5員〜6員環式スルホン環であり;Z=5員または6員環;ZはR15OArOR15、(R16O)Ar(OR16または(R16O)Cy(OR16であり;Z=SOまたは
【化4】

;Cy=(C−C12)シクロアルキル;各R13およびR14は独立して、H、CHおよびOHから選択され;各R15は(C−C)アルキルを表し;各R16は(C−C)アルキレンオキシを表し;各a=1〜10;m=1〜6;n=1〜20;p=1〜6;q=1〜6;r=0〜4;t=1〜4;v=0〜3;並びにy=0〜6;YおよびYは一緒になって(C−C12)環式化合物を形成していてよい)を有し;
ただし、前記エポキシド含有化合物が式(E−I)を有し、X=CHおよびX=ハロゲンの場合には、R、RおよびRの少なくとも1つがNRである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書全体にわたって使用される場合、文脈が明らかに他のことを示さない限りは、以下の略語は以下の意味を有するものとする:A/dm=アンペア/平方デシメートル;℃=摂氏度;g=グラム;mg=ミリグラム;L=リットル;ppm=100万分率;μm=マイクロメートル;mm=ミリメートル;cm=センチメートル;DI=脱イオン;mmol=ミリモル;および、mL=ミリリットル。他に示されない限りは、全ての量は重量パーセントであり、全ての比率はモル比である。全ての数値範囲は包括的であり、かつこのような数値範囲が合計で100%となることに制約されるのが明らかである場合を除いて任意に組み合わせ可能である。
【0014】
本明細書全体にわたって使用される場合、「フィーチャ」とは基体上の形状をいう。「アパーチャ(aperture)」とはスルーホール、ブラインドバイアおよび溝をはじめとする窪んだフィーチャをいう。本明細書全体にわたって使用される場合、用語「めっき」とは電気めっきをいう。「堆積」および「めっき」は交換可能に使用される。「ハロゲン化物」とはフッ化物、塩化物、臭化物およびヨウ化物をいう。用語「アルキル」は線状、分岐および環式アルキルを含む。「アルケニル」は線状、分岐および環式アルケニルを含む。「促進剤(accelerator)」とは、電気めっき浴のめっき速度を増大させる有機添加剤をいう。「抑制剤」とは、めっき速度を抑制する有機添加剤をいう。「平滑化剤」とは、実質的に平滑(または、均一)な金属層を提供することができる有機化合物をいう。用語「レベラー」および「平滑化剤」は本明細書全体にわたって交換可能に使用される。「プリント回路板」および「プリント配線板」は、本明細書において交換可能に使用される。
【0015】
本発明の銅めっき浴は銅イオン源、電解質および平滑化剤を含み、この平滑化剤は1種以上の特定のピリジン化合物と1種以上のエポキシド含有化合物との反応生成物を含む。銅めっき浴は1種以上の他の添加剤、例えば、ハロゲン化物イオン、促進剤、抑制剤または追加の平滑化剤を追加的に含むことができる。本発明のめっき浴および方法は、プリント回路板または半導体基体のような基体上にめっきされた実質的に平滑な銅層を提供するのに有用である。また、本発明は、基体におけるアパーチャを銅で充填するのに有用である。この充填されたアパーチャは実質的に空隙を含まない。また、本発明からの銅堆積物はノジュールを実質的に含まず、すなわち、銅堆積物は15ノジュール以下/表面積95cm、好ましくは10ノジュール以下/95cmしか有さない。
【0016】
電気めっき浴中に少なくとも部分的に可溶性、および好ましくは可溶性であるあらゆる銅イオン源が好適である。好適な銅イオン源は銅塩であり、そして、限定されないが、硫酸銅;ハロゲン化銅、例えば、塩化銅;酢酸銅;硝酸銅;ホウフッ化銅;アルキルスルホン酸銅;アリールスルホン酸銅;スルファミン酸銅;およびグルコン酸銅が挙げられる。典型的なアルキルスルホン酸銅には、(C−C)アルキルスルホン酸銅、より好ましくは、(C−C)アルキルスルホン酸銅が挙げられる。好ましいアルキルスルホン酸銅はメタンスルホン酸銅、エタンスルホン酸銅およびプロパンスルホン酸銅である。典型的なアリールスルホン酸銅には、限定されないが、フェニルスルホン酸銅、フェノールスルホン酸銅、およびp−トルエンスルホン酸銅が挙げられる。硫酸銅五水和物、およびメタンスルホン酸銅が好ましい。銅イオン源の混合物が使用されうる。このような銅塩は概して市販されており、さらなる精製なしに使用されうる。銅塩は、基体上に銅を電気めっきするのに充分な銅イオン濃度を提供する量で本めっき浴に使用されうる。典型的には、銅塩は、めっき液中で10〜180g/Lの銅(金属もしくはイオンとして)の量を提供するのに充分な量で存在する。
【0017】
銅合金の堆積物が望まれる場合には、銅イオン以外の金属イオンの可溶性塩の1種以上が本電気めっき浴に有利に添加されうることが理解されるであろう。2重量%までのスズを有する銅−スズのような合金は、本発明に従って有利に堆積されうる。他の適する銅合金には、限定されないが、銅−銀、スズ−銅−銀、およびスズ−銅−ビスマスが挙げられる。このような混合物中の金属塩のそれぞれの量は、めっきされる具体的な合金に応じて決定され、そしてその量は当業者に周知である。
【0018】
本発明に有用な電解質はアルカリ性または酸性であることができ、好ましくは酸性である。適する酸電解質には、これに限定されないが、硫酸、酢酸、フルオロホウ酸、アルカンスルホン酸、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸およびトリフルオロメタンスルホン酸、アリールスルホン酸、例えば、フェニルスルホン酸、フェノールスルホン酸およびトルエンスルホン酸、スルファミン酸、塩酸およびリン酸が挙げられる。酸の混合物が有利に使用されうる。好ましい酸には、硫酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、およびこれらの混合物がある。酸は典型的には、1〜300g/L、好ましくは5〜250g/L、より好ましくは10〜225g/Lの範囲の量で存在する。電解質は様々なソースから市販されており、さらなる精製なしに使用されうる。
【0019】
本発明において平滑化剤として使用される反応生成物は少なくとも1種の式(I)のピリジン化合物を含む:
【化5】

式中、R、RおよびRは独立して、H、(C−C)アルキル、Cy、R−Cy、NRおよびR−NRから選択され;Cyは5員〜6員環であり;RおよびRは独立してH、(C−C)アルキルおよび(C−C12)アリールから選択され;RはRもしくはRとそれらが結合している原子と共に一緒になって縮合5員〜6員環を形成していて良く;RはRもしくはRとそれらが結合している原子と共に一緒になって縮合5員〜6員環を形成していて良く;Rは(C−C10)ヒドロカルビル基であり;RおよびRは独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、および(C−C)アルケニル(C−C10)アリールから選択され;RとRとは一緒になって5員もしくは6員複素環を形成していて良く;並びにRとRとはそれらが結合している原子と共に一緒になって5員〜6員縮合窒素含有環を形成していて良い。好ましくは、R、RおよびRは独立して、H、Cy、R−Cy、NRおよびR−NRから選択され、より好ましくはR、RおよびRは独立して、H、Cy、R−CyおよびNRから選択される。R、RおよびRの少なくとも1つがHでないのがより好ましく、R、RおよびRの少なくとも1つが独立してCy、R−CyおよびNRから選択されるのがより好ましい。R、RおよびRのいずれかが独立して(C−C)アルキルである場合には、この基が(C−C)アルキルであるのが好ましい。Cyは5員〜6員環であってよく、炭素環および複素環が挙げられ、これらは飽和、不飽和または芳香族であってよい。RおよびRは独立してH、(C−C)アルキルおよび(C−C10)アリールから選択されるのが好ましく、より好ましくはH、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジルおよびフェネチルから選択され、最も好ましくはHである。Rの(C−C12)ヒドロカルビル基は(C−C10)アルキレン、(C−C10)アルケニレン、(C−C10)アルキニレン、(C−C10)アリーレンおよび(C−C)アルケニレン(C−C10)アリーレンであってよい。好ましくは、Rは(C−C)アルキレン、(C−C)アルケニレン、フェニレンおよび−CHCH−から選択され、より好ましくは(C−C)アルキレンおよび(C−C)アルケニレンから選択され、さらにより好ましくは−CH−、−CHCH−、−(CH−、−(CH−、−(CH=CH)−、および−(CH−CH=CH−CH)−から選択される。RおよびRは好ましくは独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、および(C−C)アルケニル(C−C10)アリールから選択され、より好ましくはH、(C−C)アルキル、フェニル、ベンジルおよびフェネチルから選択され、さらにより好ましくはH、メチル、エチル、フェニルおよびベンジルから選択される。RおよびRの少なくとも1つがHではないのがより好ましく、RおよびRが両方ともHではないことがさらにより好ましい。R〜Rのいずれも、場合によっては、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシおよびケトから選択される1以上の基で置換されていてよい。「置換」とは、1以上の水素原子が1以上の置換基で置き換えられることを意味する。ケト基の場合には、2つの水素が1つの酸素で置き換えられる。
【0020】
典型的なCy基には、モルホリン、ピペリジン、ピロリジン、ピリジン、イミダゾール、ピロール、ピラジン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロペンテンおよびシクロヘキセンが挙げられる。好ましいCy基にはモルホリン、ピペリジン、ピロリジン、ピリジンおよびイミダゾールが挙げられ、より好ましくはモルホリン、ピペリジン、ピロリジンおよびピリジンが挙げられ、最も好ましくはモルホリン、ピペリジンおよびピロリジンが挙げられる。
【0021】
がRもしくはRとそれらが結合している原子と共に一緒になって縮合5員〜6員環を形成している場合、および/またはRがRもしくはRとそれらが結合している原子と共に一緒になって縮合5員〜6員環を形成している場合には、その縮合環は飽和、不飽和、複素環式もしくは芳香族であってよい。この縮合環は、場合によっては、例えば、ヒドロキシル、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、アミノ、(C−C)アルキルアミノおよびジ(C−C)アルキルアミノで置換されていてもよい。この縮合環は、飽和、不飽和または芳香族でありうる1以上の他の環に縮合されていてもよい。この縮合環を有する典型的なピリジン化合物には、2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3(4H)−オン;キノリン;イソキノリン;4−アミノキノリン;4−(ジメチルアミノ)−キノリン;2−(ジメチルアミノ)キノリン;2−メチルキノリン−4−アミン;1,10−フェナントロリン;1,5−ナフチリジン;1,8−ナフチリジン;2,8−ジメチルキノリン;および2−(2−ピリジル)キノリンが挙げられる。
【0022】
とRとが一緒になって5員もしくは6員複素環を形成しうる場合には、その複素環は飽和、不飽和または芳香族であってよい。この複素環は少なくとも1つの窒素原子を含み、かつ酸素もしくは硫黄のようなヘテロ原子を1以上含むことができる。好ましくは、この複素環はヘテロ原子として窒素および/または酸素だけを含む。この複素環は場合によっては、例えば、ヒドロキシル、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、アミノ、(C−C)アルキルアミノおよびジ(C−C)アルキルアミノで置換されていてよい。典型的な複素環には、ピリジン、ピペリジン、モルホリンおよびピロリジンが挙げられる。
【0023】
好ましいピリジン化合物は、2−アミノピリジン;4−アミノピリジン;2−(ジメチルアミノ)ピリジン;4−(ジメチルアミノ)ピリジン;2−(ジエチルアミノ)ピリジン;4−(ジエチルアミノ)ピリジン;2−(ベンジルアミノ)ピリジン;キノリン;イソキノリン;4−アミノキノリン;4−(ジメチルアミノ)キノリン;2−(ジメチルアミノ)キノリン;2−メチルキノリン−4−アミン;1,10−フェナントロリン;1,5−ナフチリジン;1,8−ナフチリジン;2,2’−ジピリジルアミン;2,2’−ビピリジン;4,4’−ビピリジン;2,3−ジ−2−ピリジル−2,3−ブタンジオール;ジ−2−ピリジルケトン;2−(ピペリジン−1−イル)ピリジン;4−(ピリジン−2−イル)モルホリン;4−(ピリジン−4−イル)モルホリン;4−(ピロリジン−1−イル)ピリジン;6−メチル−2,2’−ビピリジン;1,2−ジ(ピリジン−4−イル)エタン;1,3−ジ(ピリジン−4−イル)プロパン;1,2−ジ(ピリジン−4−イル)エテン;1,2−ジ(ピリジン−2−イル)エテン;2−(2−(ピリジン−4−イル)ビニル)ピリジン;2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3(4H)−オン;2−(2−メチルアミノエチル)ピリジン;4−(エチルアミノメチル)−ピリジン;N,N,2−トリメチルピリジン−4−アミン;2,8−ジメチルキノリン;並びに2−(2−ピリジル)キノリンが挙げられる。
【0024】
本発明において有用なピリジン化合物はシグマ−アルドリッチ(ミズーリ州セントルイス)などの様々なソースから概して商業的に入手可能であるか、または文献の方法から製造されうる。これら化合物はそのまま使用されることができるか、または1以上のエポキシ含有化合物と反応させられる前に精製されうる。
【0025】
本発明の反応生成物を製造するために、適切なエポキシド含有化合物が使用されうるが、ただし、このエポキシド含有化合物がエポキシド基に対してアルファの炭素上に脱離基を有する場合には、式(I)におけるR、RおよびRの少なくとも1つはNRである。「エポキシド基に対してアルファの炭素」とは、このエポキシド炭素の1つに結合された炭素原子をいう。この脱離基はクロリド、ブロミド、ヨージド、トシル、トリフラート、スルホナート、メシラート、メトスルファート、フルオロスルホナート、メチルトシラート、ブロシラートおよびノシラートである。好ましくは、エポキシド含有化合物は各エポキシド基に対してアルファのそれぞれの炭素上に脱離基を有さない。本エポキシド含有化合物は1つ以上のエポキシド基、典型的には、1、2もしくは3つのエポキシド基、好ましくは1もしくは2つのエポキシド基、より好ましくは2つのエポキシド基を含むことができる。本発明において有用な適するエポキシド含有化合物は、下記式E−I、E−IIまたはE−IIIの化合物であり、
【化6】

式中、Y、YおよびYは独立してHおよび(C−C)アルキルから選択され;各Yは独立してH、エポキシ基および(C−C)アルキルから選択され;X=CHまたは(C−C)アルケニル;X=Hまたは(C−C)アルキル;X=ハロゲン、O(C−C)アルキルまたはO(C−C)ハロアルキル;A=OR11またはR12;R11=((CR1314O)、(アリール−O)、CR1314−Z−CR1314OまたはOZO;R12=(CH;Alは(C−C12)シクロアルキル環または5員〜6員環式スルホン環であり;Z=5員もしくは6員環;ZはR15OArOR15、(R16O)Ar(OR16、または(R16O)Cy(OR16であり;Z=SOまたは
【化7】

;Cy=(C−C12)シクロアルキル;各R13およびR14は独立して、H、CHおよびOHから選択され;各R15は(C−C)アルキルを表し;各R16は(C−C)アルキレンオキシを表し;各a=1〜10;m=1〜6;n=1〜20;p=1〜6;q=1〜6;r=0〜4;t=1〜4;v=0〜3;およびy=0〜6;YおよびYは一緒になって(C−C12)環式化合物を形成していてよい。好ましくは、Y=Hである。より好ましくは、X=Hである。X=CHであるのが好ましい。X=ハロゲンまたはO(C−C)フルオロアルキルであるのがさらに好ましい。Y=X=H、X=CHおよびX=O(C−C)アルキルである式E−Iの化合物がさらにより好ましい。YおよびYは好ましくは独立してHおよび(C−C)アルキルから選択される。YおよびYが環式化合物を形成するために一緒にされない場合には、YおよびYが両方ともHであるのが好ましい。YおよびYが一緒になって環式化合物を形成する場合には、AがR12または化学結合であり、かつ(C−C10)炭素環式環が形成されることが好ましい。m=2〜4であるのが好ましい。好ましくは、n=1〜10である。n=1〜10の場合には、m=2〜4であるのがさらに好ましい。フェニル−Oが、R11についての好ましいアリール−O基である。p=1〜4であるのが好ましく、より好ましくは1〜3、さらにより好ましくは1〜2である。Zは好ましくは5員もしくは6員の炭素環であり、より好ましくは、Zは6員炭素環である。好ましくは、Z
【化8】

である。v=0〜2であるのが好ましい。好ましくはy=0〜4であり、より好ましくは1〜4である。A=R12かつy=0である場合には、Aは化学結合である。好ましくは、m=1〜6であり、より好ましくは1〜4である。q=1〜4であるのが好ましく、より好ましくは1〜3であり、さらにより好ましくは1〜2である。好ましくは、r=0およびq=1であり、より好ましくはYおよびY=H、r=0およびq=1である。好ましくは、Z=R15OArOR15または(R16O)Ar(OR16である。各R15は好ましくは(C−C)アルキルであり、およびより好ましくは(C−C)アルキルである。各R16は好ましくは(C−C)アルキレンオキシである。t=1〜2であるのが好ましい。好ましくは、a=1〜8であり、より好ましくは1〜6であり、さらにより好ましくは1〜4である。Z
【化9】

である場合には、A1が6員〜10員炭素環であるのが好ましく、より好ましくは6員〜8員炭素環式環である。
【0026】
典型的な式E−Iのエポキシド含有化合物には、限定されないが、エピハロヒドリン、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、2−メチル−2−ビニルオキシラン、およびグリシジル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテルが挙げられる。好ましくは、エポキシド含有化合物はエピクロロヒドリンもしくはエピブロモヒドリンであり、より好ましくはエピクロロヒドリンである。
【0027】
11=((CR1314O)である式E−IIの適切な化合物は下記式の化合物である:
【化10】

式中、Y、Y、R13、R14、nおよびmは上で定義された通りである。好ましくは、YおよびYは両方ともHである。m=2の場合には、各R13はHであり、R14はHおよびCHから選択され、並びにn=1〜10であるのが好ましい。m=3の場合には、少なくとも1つのR14がCHおよびOHから選択され、並びにn=1であるのが好ましい。m=4の場合には、R13およびR14が両方ともHであり、並びにn=1であるのが好ましい。式E−IIaの典型的な化合物には、これに限定されないが、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル、ポリ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル化合物、グリセロールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテルおよびポリ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル化合物が挙げられる。式E−IIaのポリ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル化合物は、各R13およびR14=H、m=2、並びにn=3〜20、好ましくは、n=3〜15、より好ましくは、n=3〜12、さらにより好ましくは、n=3〜10であるそれら化合物である。典型的なポリ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル化合物には、トリ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル、テトラ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル、ペンタ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル、ヘキサ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル、ノナ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル、デカ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル、およびドデカ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテルが挙げられる。式E−IIaのポリ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル化合物は各R13=H、およびR14の1つ=CH、m=2、並びにn=3〜20、好ましくはn=3〜15、より好ましくはn=3〜12、さらにより好ましくはn=3〜10のそれら化合物である。典型的なポリ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル化合物には、トリ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル、テトラ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル、ペンタ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル、ヘキサ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル、ノナ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル、デカ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル、およびドデカ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテルが挙げられる。好適なポリ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル化合物およびポリ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル化合物は、200〜10000、好ましくは350〜8000の数平均分子量を有する化合物である。
【0028】
11=(アリール−O)である式E−IIの適切な化合物は、下記式E−IIb、E−IIcおよびE−IIdを有する化合物である:
【化11】

式中、Y、Yおよびpは上で特定された通りであり、各R17は(C−C)アルキルもしくは(C−C)アルコキシを表し、並びにr=0〜4である。好ましくは、r=0およびp=1、より好ましくはYおよびY=H、r=0並びにp=1である。典型的な化合物には、限定されないが、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンジグリシジルエーテル、およびレゾルシノールジグリシジルエーテルが挙げられる。
【0029】
11=CR1314−Z−CR1314Oである式E−IIの化合物においては、Zは5員環もしくは6員環を表す。このような環構造においては、CR1314基は任意の位置に、例えば、環の隣り合う原子に、または環のいずれか他の原子に結合されうる。R11=CR1314−Z−CR1314Oである式E−IIの特に好適な化合物は、下記式を有する化合物である:
【化12】

式中、Y、Y、R13およびR14は上で特定された通りであり、並びにq=0もしくは1である。q=0の場合には、環構造は5員炭素環であり、q=1の場合には、環構造は6員炭素環である。好ましくは、YおよびY=Hである。より好ましくは、YおよびY=H、並びにq=1である。R11=CR1314−Z−CR1314Oである式E−IIの好ましい化合物は、1,2−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルである。
【0030】
A=R12の場合には、式E−IIの好適な化合物は下記式を有する化合物である:
【化13】

式中、Y、Yおよびyは上で特定された通りである。y=0〜4であるのが好ましく、より好ましくは、y=1〜4、y=2〜4である。式E−IIeの典型的な化合物には、限定されないが、1,2,5,6−ジエポキシヘキサン;1,2,7,8−ジエポキシオクタン;および1,2,9,10−ジエポキシデカンが挙げられる。
【0031】
A=OZOである式IIの化合物においては、好ましい化合物は下記式の化合物である:
【化14】

式中、YおよびYは上で特定された通りである。
【0032】
式E−IIIの好適なエポキシド含有化合物は単環式、スピロ環式、縮合および/または二環式環であることができる。好ましい式E−IIIのエポキシド含有化合物には、1,2,5,6−ジエポキシ−シクロオクタン、1,2,6,7−ジエポキシ−シクロデカン、ジシクロペンタジエンジオキシド、3,4−エポキシテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、シクロペンテンオキシド、シクロヘキセンオキシド、およびビニルシクロヘキセンジオキシドが挙げられる。
【0033】
本発明において有用なエポキシド含有化合物は様々な商業的ソース、例えば、シグマ−アルドリッチから入手可能であり、または当該技術分野において知られている様々な文献記載の方法を用いて製造されうる。エポキシド含有化合物の混合物が使用されうる。
【0034】
本発明の反応生成物は上述の1種以上のピリジン化合物と上述の1種以上のエポキシド含有化合物とを反応させることにより製造されうる。典型的には、所望の量のピリジン化合物およびエポキシド含有化合物が反応フラスコに入れられ、次いで、水が添加される。得られる混合物は、約75〜95℃で、4〜6時間加熱される。室温でのさらなる6〜12時間の攪拌の後で、得られた反応生成物は水で希釈される。この反応生成物はそのまま水溶液において使用されることができ、精製されることができ、または所望の場合には単離されることができる。
【0035】
一般的には、本平滑化剤は500〜10,000の数平均分子量(Mn)を有するが、より高いまたはより低いMn値が使用されてもよい。このような反応生成物は1000〜50,000の範囲の重量平均分子量(Mw)値を有することができるが、他のMw値が使用されてもよい。このMw値はサイズ排除クロマトグラフィおよびPLアクアゲル−OH 8μm、300×7.5mmカラム(バリアン(Varian)インコーポレーティドより)、並びにポリエチレングリコール較正キット標準物質(ポリマースタンダーズサービス−USAインコーポレーティドより)を用いて決定される。典型的には、Mwは1000〜20,000であり、好ましくは1000〜15,000、より好ましくはMwは1500〜5000である。本発明の平滑化剤は適切な分子量多分散度を有することができ、かつ広い分子量多分散度範囲にわたって機能することができる。
【0036】
典型的には、ピリジン化合物:エポキシド含有化合物の比率は0.1:10〜10:0.1である。好ましくは、この比率は0.5:5〜5:0.5、より好ましくは0.5:1〜1:0.5である。本平滑化剤を製造するために、ピリジン化合物:エポキシド含有化合物の他の適切な比率が使用されても良い。ピリジン化合物の混合物、並びにピリジン化合物と別の窒素含有化合物との混合物が本発明において使用されてもよい。
【0037】
本発明の平滑化剤は抑制剤として機能しうる機能を有することもできることが当業者によって理解されるであろう。このような化合物は二重機能性であることができ、すなわち、それらは平滑化剤としてかつ抑制剤として機能することができる。
【0038】
本電気めっき浴は場合によっては第二の平滑化剤を含むことができる。この第二の平滑化剤は本発明の別の平滑化剤であることができ、あるいは何らかの従来の平滑化剤であることができる。本平滑化剤との組み合わせで有用な適する従来の平滑化剤には、限定されないが、米国特許第6,610,192号(ステップら)、第7,128,822号(ワンら)、第7,374,652号(ハヤシら)および第6,800,188号(ハギワラら)、並びに米国特許出願公開第2011/0220512号(ニアジムベトヴァら)、第2011/0220513号(ニアジムベトヴァら)および第2011/0220514号(ニアジムベトヴァ)に開示されたものが挙げられる。
【0039】
銅電気めっき浴に使用される平滑化剤の量は、選択される具体的な平滑化剤、電気めっき浴中の銅イオンの濃度、使用される具体的な電解質、電解質の濃度および適用される電流密度に応じて決定されるであろう。一般的に、電気めっき浴中の平滑化剤の合計量は、めっき浴の全重量を基準にして、0.01ppm〜5000ppmであるが、それより多いもしくはそれより少ない量が使用されても良い。好ましくは、平滑化剤の合計量は0.25〜5000ppm、より好ましくは0.25〜1000ppm、さらにより好ましくは0.25〜100ppmである。
【0040】
ハロゲン化物イオンが場合によってはめっき浴に添加されうる。塩化物イオンが好ましいハロゲン化物イオンである。典型的な塩化物イオン源には、塩化銅および塩酸が挙げられる。本発明において広範囲、例えば、めっき浴を基準にして0〜100ppm、好ましくは10〜100ppmのハロゲン化物イオン濃度が使用されうる。ハロゲン化物イオンのより好ましい量は20〜75ppmである。このようなハロゲン化物イオン源は概して市販されており、さらなる精製なしに使用されうる。
【0041】
本めっき浴は、場合によっては、および好ましくは、促進剤を含むことができる。(光沢剤とも称される)あらゆる促進剤が本発明における使用に適しており、かつ当業者に周知である。典型的な促進剤は1以上の硫黄原子を含み、かつ1000以下の分子量を有する。スルフィドおよび/またはスルホン酸基を有する促進剤化合物が一般的に好ましく、特に、式:R’−S−R−SOX(式中、Rは場合によって置換されたアルキル、場合によって置換されたヘテロアルキル、場合によって置換されたアリールまたは場合によって置換された複素環式基であり;Xは対イオン、例えば、ナトリウムもしくはカリウムであり;並びに、R’は水素もしくは化学結合である)のグループを含む化合物が好ましい。典型的には、アルキル基は(C−C16)アルキルおよび好ましくは(C−C12)アルキルである。ヘテロアルキル基は、典型的には、1以上のヘテロ原子、例えば、窒素、硫黄もしくは酸素をアルキル鎖内に有する。典型的アリール基には、フェニル、ベンジル、ビフェニルおよびナフチルが挙げられる。複素環式基は芳香族または非芳香族でありうる。好ましい促進剤には、N,N−ジメチル−ジチオカルバミン酸−(3−スルホプロピル)エステル;3−メルカプト−プロピルスルホン酸−(3−スルホプロピル)エステル;3−メルカプト−プロピルスルホン酸Na塩;カルボン酸−ジチオ−o−エチルエステル−s−エステルと3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸K塩;ビス−スルホプロピルジスルフィド;3−(ベンゾチアゾリル−s−チオ)プロピルスルホン酸Na塩;ピリジニウムプロピルスルホベタイン;1−ナトリウム−3−メルカプトプロパン−1−スルホナート;N,N−ジメチル−ジチオカルバミン酸−(3−スルホエチル)エステル;3−メルカプト−エチルプロピルスルホン酸−(3−スルホエチル)エステル;3−メルカプト−エチルスルホン酸Na塩;カルボン酸−ジチオ−o−エチルエステル−s−エステルと3−メルカプト−1−エタンスルホン酸K塩;ビス−スルホエチルジスルフィド;3−(ベンゾチアゾリル−s−チオ)エチルスルホン酸Na塩;ピリジニウムエチルスルホベタイン;および、1−ナトリウム−3−メルカプトエタン−1−スルホナートが挙げられる。
【0042】
促進剤は様々な量で使用されうる。一般的に、促進剤は、浴を基準にして少なくとも0.01mg/L、好ましくは少なくとも0.5mg/L、より好ましくは少なくとも1mg/Lの量で使用される。促進剤は0.1mg/L〜200mg/Lの量で存在する。促進剤の具体的な量は、高アスペクト比、スルーホール充填、バイア充填、およびウェハめっき用途のような具体的な用途に応じて決まるであろう。促進剤の好ましい量は少なくとも0.5mg/L、より好ましくは少なくとも1mg/Lである。促進剤濃度の好ましい範囲は0.1〜10mg/L(ppm)である。促進剤および使用量の選択は充分に当業者の能力の範囲内のことである。
【0043】
場合によっては、銅めっき速度を抑制することができる化合物が本電気めっき浴中の抑制剤として使用されうる。典型的な抑制剤はポリエーテル、例えば、式:R−O−(CXYCX’Y’O)R’(式中、RおよびR’は独立して、H、(C−C20)アルキル基および(C−C10)アリール基から選択され;X、Y、X’およびY’のそれぞれは独立して、水素、アルキル、例えば、メチル、エチルもしくはプロピル、アリール、例えば、フェニル、もしくはアルアルキル、例えば、ベンジルから選択され;nは5〜100,000の整数である)のものである。典型的には、X、Y、X’およびY’の1以上は水素である。好ましい抑制剤には、ポリプロピレングリコールコポリマー、ポリエチレングリコールコポリマー、エチレンオキシド−プロピレンオキシド(EO/PO)コポリマー、およびキャップされたEO/POコポリマー、例えば、ブチルアルコール−EO/POコポリマーが挙げられる。これらEO/POコポリマーはブロック、交互、またはランダムであることができる。適するEO/POコポリマーはプルロニック(PLURONIC)ブランド名(BASF)で販売されているものである。交互抑制剤は、アミンコア、例えば、エチレンジアミンから生じるEO/POコポリマーであり、テトロニック(TETRONIC)ブランド名(BASF)で入手できるものが挙げられる。典型的には、抑制剤は500〜10,000、好ましくは1000〜10,000の重量平均分子量を有する。このような抑制剤が使用される場合、抑制剤は典型的には、浴の重量を基準にして1〜10,000ppm、好ましくは5〜10,000ppmの量で存在する。
【0044】
本発明の電気めっき浴は典型的には水性である。他に特定されない限りは、成分の全ての濃度は水性系におけるものである。本発明における電気めっき浴として有用な特に好適な組成物は、可溶性銅塩、酸電解質、促進剤、抑制剤、ハロゲン化物イオン、並びに平滑化剤として上述した反応生成物を含む。より好ましくは、好適な組成物は、銅金属として10〜220g/Lの可溶性銅塩、5〜250g/Lの酸電解質、1〜50mg/Lの促進剤、1〜10,000ppmの抑制剤、10〜100ppmのハロゲン化物イオン、並びに0.25〜5000ppmの平滑化剤として上述した反応生成物を含む。
【0045】
本発明の電気めっき浴は、任意の順に成分を一緒にすることによって製造されうる。銅イオン源、水、電解質、および任意のハロゲン化物イオン源のような無機成分が最初に浴容器に入れられ、次いで、平滑化剤および他の有機成分、例えば、促進剤および抑制剤が添加される。
【0046】
本発明のめっき浴は適する温度、例えば、10〜65℃、またはそれより高い温度で使用されうる。好ましくは、めっき浴の温度は10〜35℃、より好ましくは15〜30℃である。一般的に、本銅電気めっき浴は使用中に攪拌される。何らかの適する攪拌方法が本発明について使用されることができ、このような方法は当該技術分野において周知である。好適な攪拌方法には、これに限定されないが、エアスパージング、ワークピース攪拌、および衝突が挙げられる。
【0047】
本発明は、様々な基体、特に様々なサイズのアパーチャを有する基体上に銅層を堆積させるために有用である。銅が基体上に電気めっきされうる基体が本発明において有用である。このような基体には、これに限定されないが、プリント配線板、集積回路(IC)基体、例えば、ICパッケージ、リードフレームおよびインターコネクト(interconnect)のような電子デバイスが挙げられる。基体がPCBまたはIC基体であるのが好ましい。ある実施形態においては、IC基体はデュアルダマシン製造プロセスにおいて使用されるウェハである。この基体は典型的には、複数のフィーチャ、特に様々なサイズを有するアパーチャを含む。PCBにおけるスルーホールは様々な直径、例えば、50μm〜2mm、またはそれより大きな直径を有していてよい。このスルーホールは深さが、例えば、35μm〜15mm、またはそれより深く変動してよい。PCBは様々なサイズ、例えば、200μmまで、またはそれより大きなサイズを有するブラインドバイアを含んでいて良い。本発明は、変動するアスペクト比のアパーチャ、例えば、低アスペクト比バイア、および高アスペクト比アパーチャなどを充填するのに特に適している。「低アスペクト比」とは0.1:1〜4:1のアスペクト比を意味する。「高アスペクト比」とは4を超える:1、例えば、10:1または20:1のアスペクト比をいう。
【0048】
典型的には、基体を本発明のめっき浴と接触させることにより基体が電気めっきされる。基体は典型的にはカソードとして機能する。めっき浴はアノードを収容し、アノードは可溶性または不溶性であり得る。電位は典型的にはカソードに印加される。基体上に所望の厚みを有する銅層を堆積させるのに、並びにブラインドバイアおよび/またはスルーホールを充填するのに充分な時間にわたって充分な電流密度が適用され、めっきが行われる。好適な電流密度には、これに限定されないが、0.05〜10A/dmの範囲が挙げられるが、より高いおよびより低い電流密度が使用されても良い。具体的な電流密度は、めっきされる基体および選択される平滑化剤に部分的に応じて決定される。このような電流密度の選択は当業者の能力の範囲内のことである。
【0049】
本発明は基体表面にわたって、非常に小さなフィーチャを有する基体上でさえ、および様々なフィーチャサイズを有する基体上でさえ、実質的に平滑な表面を有する銅層を提供する。本方法に従って堆積される銅層は、従来の平滑化剤を使用する電気めっき浴からの銅堆積物と比較して、ノジュール(nodule)のような欠陥を有意に低減させた。さらに、本発明は、スルーホールおよびブラインドバイアホール内に銅を効果的に堆積させ、すなわち、本発明の銅めっき浴は良好な均一電着性を有する。本発明に従って、金属堆積物内に空隙を実質的に形成することなく、アパーチャ内に銅が堆積される。「空隙を実質的に形成することなく」という用語は、めっきされたアパーチャの95%超が空隙を含まないことを意味する。めっきされたアパーチャが空隙を含まないことが好ましい。また、銅は、スルーホール内に、および高アスペクト比スルーホール内に、向上した均一電着性、表面分布および熱信頼性を伴って、均一に堆積される。
【0050】
本発明の利点は実質的に平滑な銅堆積物がPCB上に得られることである。「実質的に平滑」な銅層とは、ステップ高さ、すなわち、非常に小さなアパーチャが密になった領域と、アパーチャを有しないかまたは実質的に有しない領域との間の差が、5μm未満であり、好ましくは1μm未満であることを意味する。本発明のさらなる利点は、単一の基体内で広範囲のアパーチャおよびアパーチャサイズが、部分めっきを実質的に抑制することなく充填されうることである。本発明のさらなる利点は、不均一なサイズのアパーチャを有するPCB上に実質的に平坦な銅層が堆積されうることである。「不均一なサイズのアパーチャ」とは、同じPCBにおける様々なサイズを有するアパーチャをいう。
【0051】
本発明の方法がプリント回路板製造に関連して概略的に説明されたが、本発明は、本質的に平滑もしくは平坦な銅堆積物および空隙を実質的に含まない充填されたアパーチャが望まれるあらゆる電解方法において有用であり得ることが認識されるであろう。このような方法は、IC基体、半導体パッケージおよびインターコネクトデバイスを含む。
【実施例】
【0052】
実施例1
凝縮器および温度計を備えた100mLの三ツ口丸底フラスコに、100mmolの4−(ジメチルアミノ)ピリジンおよび20mLのDI水が入れられ、次いで、63mmolの1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルを添加した。得られた混合物を、95℃に設定された油浴を用いて約5時間加熱し、次いで、さらに8時間室温で攪拌し続けた。琥珀色のそれほど粘稠でない反応生成物が200mLメスフラスコに移され、DI水ですすがれ、そして200mLの印まで調節された。この反応生成物(反応生成物1)溶液は、さらに精製することなく使用された。H NMR(500MHz、CHOH−d)による反応生成物1の分析は、構造を確認する次のピークを示した:δppm:8.12−7.80(m,2H,2×Harom);6.98−6.42(m,2H,2×Harom);4.16−3.02(m,14.82H(14H×0.63モル),4×CH−O,2×CH−OH,2×CH−N;6H,2×CH−N);1.72−1.54(m,2.52H(4H×0.63モル),2×CH)。
【0053】
実施例2
室温で、丸底反応フラスコに、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(100mmol)および100mmolの2−(ベンジルアミノ)−ピリジンが入れられた。次いで、20mLのDI水がこのフラスコに入れられた。最初に形成された白色懸濁物は、反応温度の上昇につれて徐々に消失して、相分離した混合物となった。この反応混合物は95℃に設定された油浴を用いて2時間にわたって加熱された。この反応フラスコに6mLの50%硫酸を添加した後で、この溶液は薄黄色で透明になった。この混合物はさらに3時間にわたって加熱され、そしてさらに8時間にわたって室温で攪拌し続けられた。得られた琥珀色の反応生成物はメスフラスコに移され、0.5〜1%硫酸ですすがれ、希釈された。この反応生成物(反応生成物8)溶液はさらに精製することなく使用された。
【0054】
実施例3
実施例1または2の一般的な手順を用いて表1における反応生成物が製造された。反応生成物C−1、C−2およびC−3は比較である。この反応生成物のUV吸収は水中で決定され、この吸光度についてのλmax(nm)も表1に報告される。
【0055】
【表1】

【表2】

【0056】
実施例4
表2に示される比率で以下のピリジン化合物およびエポキシド含有モノマーが使用されることを除いて、実施例1または2の一般的な手順が繰り返される。
【0057】
【表3】

【表4】

【0058】
実施例5
75g/Lの銅(硫酸銅五水和物として)、240g/Lの硫酸、60ppmの塩化物イオン、1ppmの促進剤および1.5g/Lの抑制剤を一緒にすることにより銅めっき浴が製造された。促進剤は、スルホン酸基および1000未満の分子量を有するジスルフィド化合物であった。抑制剤は、5,000未満の分子量および末端ヒドロキシル基を有するEO/POコポリマーであった。めっき浴は、実施例1からの反応生成物のストック溶液3mL/Lも含んでいた。
【0059】
実施例6
実施例2〜3の反応生成物のそれぞれが0.2〜4.0mL/Lの量で使用されたこと、および促進剤の量が表3に示されたのとは異なっていたことを除いて、概して実施例5に従って様々な銅めっき浴が製造された。
【0060】
実施例7
スルーホールを有する両面FR4 PCB(5×9.5cm)のサンプル(厚み1.6mm)が、実施例4に従った銅めっき浴を使用するハーリングセル内でめっきされた。このサンプルは直径0.25mmのスルーホールを有していた。それぞれの浴の温度は25℃であった。このサンプルに3.24A/dm(30A/ft)の電流密度が44分間にわたって適用された。銅めっきされたサンプルは分析されて、以下の方法に従って、めっき浴の均一電着性(TP)、ノジュール形成の程度、およびクラッキングパーセントを決定した。各めっき浴中の促進剤の量は1ppmであった。各めっき浴において使用された平滑化剤の量、並びにめっきデータが表3に示される。
【0061】
均一電着性は、PCBサンプルの表面におけるめっきされた金属の平均厚みに対する、スルーホールの中央にめっきされた金属の平均厚みの比率を決定することによって計算され、パーセンテージとして表3に報告される。
【0062】
ノジュール形成は、目視検査により、およびレディントン触覚試験(Reddington Tactile Test;RTT)を用いることにより決定された。目視検査はノジュールの存在を示し、一方で、ノジュールの数を決定するためにRTTが使用された。RTTは人の指を使用して、めっきされた表面の所定の領域のノジュールの数を感じ取り、この所定の領域は、この実施例においては、PCBサンプルの両面であった(合計面積95cm)。
【0063】
産業界の標準的手順であるIPC−TM−650−2.6.8.熱応力、めっきされたスルーホール(Thermal Stress,Plated−Through Holes)IPC(米国、イリノイ州、ノースブルック)により出版、2004年5月、改訂Eに従って、クラッキングパーセントが決定された。
【0064】
めっき浴性能は均一電着性、ノジュール数およびクラッキングによって評価された。均一電着性が高いほど(好ましくは70%以上)、ノジュール数が低いほど、およびクラッキングのパーセンテージが低いほど、めっき浴はより良好に機能する。データから認められうるように、めっき浴性能は、めっき浴中の平滑化剤の量を増加させるかまたは低減させることによって容易に調節されうる。
【0065】
【表5】

【表6】

2ppmの促進剤が使用された。
**3ppmの促進剤が使用された。
【0066】
比較サンプルC−1、C−2およびC−3は、それぞれ、対応する本発明の反応生成物である反応生成物5、6および7よりも低い均一電着性、より多いノジュールおよびより多いクラッキングを有していた。サンプルC−1、C−2およびC−3についてのエポキシド含有化合物としてエピクロロヒドリンが使用されたが、対応する反応生成物5、6および7は、エポキシド基に対してアルファの炭素上に脱離基を有さないエポキシド含有化合物を使用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅イオン源、電解質、および平滑化剤を含む銅電気めっき浴であって、
前記平滑化剤が式(I)のピリジン化合物
【化1】

(式中、R、RおよびRは独立して、H、(C−C)アルキル、Cy、R−Cy、NRおよびR−NRから選択され;Cyは5員〜6員環であり;RおよびRは独立してH、(C−C)アルキルおよび(C−C12)アリールから選択され;RはRもしくはRとそれらが結合している原子と共に一緒になって縮合5員〜6員環を形成していて良く;RはRもしくはRとそれらが結合している原子と共に一緒になって縮合5員〜6員環を形成していて良く;Rは(C−C10)ヒドロカルビル基であり;RおよびRは独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、および(C−C)アルケニル(C−C10)アリールから選択され;RとRとは一緒になって5員もしくは6員複素環を形成していて良く;並びにRとRとはそれらが結合している原子と共に一緒になって5員〜6員縮合窒素含有環を形成していて良い)と
エポキシド含有化合物との反応生成物を含み、
前記エポキシド含有化合物がエポキシド基に対してアルファの炭素上に脱離基を有する場合には、R、RおよびRの少なくとも1つがNRである、
銅電気めっき浴。
【請求項2】
前記エポキシド含有化合物が1〜3つのエポキシド基を含む請求項1に記載の銅電気めっき浴。
【請求項3】
前記エポキシド含有化合物が式
【化2】

(式中、Y、YおよびYは独立してHおよび(C−C)アルキルから選択され;各Yは独立してH、エポキシ基および(C−C)アルキルから選択され;X=CHまたは(C−C)アルケニル;X=Hまたは(C−C)アルキル;X=ハロゲン、O(C−C)アルキルまたはO(C−C)ハロアルキル;A=OR11またはR12;R11=((CR1314O)、(アリール−O)、CR1314−Z−CR1314OまたはOZO;R12=(CH;A1は(C−C12)シクロアルキル環または5員〜6員環式スルホン環であり;Z=5員または6員環;ZはR15OArOR15、(R16O)Ar(OR16または(R16O)Cy(OR16であり;Z=SOまたは
【化3】

;Cy=(C−C12)シクロアルキル;各R13およびR14は独立して、H、CHおよびOHから選択され;各R15は(C−C)アルキルを表し;各R16は(C−C)アルキレンオキシを表し;各a=1〜10;m=1〜6;n=1〜20;p=1〜6;q=1〜6;r=0〜4;t=1〜4;v=0〜3;並びにy=0〜6;YおよびYは一緒になって(C−C12)環式化合物を形成していてよい)
の化合物から選択される、請求項2に記載の銅電気めっき浴。
【請求項4】
前記脱離基がクロリド、ブロミド、ヨージド、トシル、トリフラート、スルホナート、メシラート、メトスルファート、フルオロスルホナート、メチルトシラート、ブロシラートおよびノシラートから選択される、請求項1に記載の銅電気めっき浴。
【請求項5】
エポキシド含有化合物が、各エポキシド基に対してアルファの各炭素上に脱離基を有しない、請求項1に記載の銅電気めっき浴。
【請求項6】
前記ピリジン化合物が、2−アミノピリジン;4−アミノピリジン;2−(ジメチルアミノ)ピリジン;4−(ジメチルアミノ)ピリジン;2−(ジエチルアミノ)ピリジン;4−(ジエチルアミノ)ピリジン;2−(ベンジルアミノ)ピリジン;キノリン;イソキノリン;4−アミノキノリン;4−(ジメチルアミノ)キノリン;2−(ジメチルアミノ)キノリン;2−メチルキノリン−4−アミン;1,10−フェナントロリン;1,5−ナフチリジン;1,8−ナフチリジン;2,2’−ジピリジルアミン;2,2’−ビピリジン;4,4’−ビピリジン;2,3−ジ−2−ピリジル−2,3−ブタンジオール;ジ−2−ピリジルケトン;2−(ピペリジン−1−イル)ピリジン;4−(ピリジン−2−イル)モルホリン;4−(ピリジン−4−イル)モルホリン;4−(ピロリジン−1−イル)ピリジン;6−メチル−2,2’−ビピリジン;1,2−ジ(ピリジン−4−イル)エタン;1,3−ジ(ピリジン−4−イル)プロパン;1,2−ジ(ピリジン−4−イル)エテン;1,2−ジ(ピリジン−2−イル)エテン;2−(2−(ピリジン−4−イル)ビニル)ピリジン;2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3(4H)−オン;2−(2−メチルアミノエチル)ピリジン;4−(エチルアミノメチル)−ピリジン;N,N,2−トリメチルピリジン−4−アミン;2,8−ジメチルキノリン;並びに2−(2−ピリジル)キノリンから選択される請求項1に記載の銅電気めっき浴。
【請求項7】
めっきされる基体を請求項1の銅電気めっき浴と接触させ;並びに、前記基体上に銅層を堆積させるのに充分な期間にわたって電流密度を適用する;ことを含む、基体上に銅を堆積させる方法。
【請求項8】
前記エポキシド含有化合物が式
【化4】

(式中、Y、YおよびYは独立してHおよび(C−C)アルキルから選択され;各Yは独立してH、エポキシ基および(C−C)アルキルから選択され;X=CHまたは(C−C)アルケニル;X=Hまたは(C−C)アルキル;X=ハロゲン、O(C−C)アルキルまたはO(C−C)ハロアルキル;A=OR11またはR12;R11=((CR1314O)、(アリール−O)、CR1314−Z−CR1314OまたはOZO;R12=(CH;A1は(C−C12)シクロアルキル環または5員〜6員環式スルホン環であり;Z=5員または6員環;ZはR15OArOR15、(R16O)Ar(OR16または(R16O)Cy(OR16であり;Z=SOまたは
【化5】

;Cy=(C−C12)シクロアルキル;各R13およびR14は独立して、H、CHおよびOHから選択され;各R15は(C−C)アルキルを表し;各R16は(C−C)アルキレンオキシを表し;各a=1〜10;m=1〜6;n=1〜20;p=1〜6;q=1〜6;r=0〜4;t=1〜4;v=0〜3;並びにy=0〜6;YおよびYは一緒になって(C−C12)環式化合物を形成していてよい)
の化合物から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記銅電気めっき浴が促進剤をさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項10】
ピリジン化合物と1種以上のエポキシド含有化合物との反応生成物を含む組成物であって、
前記ピリジン化合物が式(I)
【化6】

(式中、R、RおよびRは独立して、H、(C−C)アルキル、Cy、R−Cy、NRおよびR−NRから選択され;Cyは5員〜6員環であり;RおよびRは独立してH、(C−C)アルキルおよび(C−C12)アリールから選択され;RはRもしくはRとそれらが結合している原子と共に一緒になって縮合5員〜6員環を形成していて良く;RはRもしくはRとそれらが結合している原子と共に一緒になって縮合5員〜6員環を形成していて良く;Rは(C−C10)ヒドロカルビル基であり;RおよびRは独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C10)アリール、(C−C)アルキル(C−C10)アリール、および(C−C)アルケニル(C−C10)アリールから選択され;RとRとは一緒になって5員もしくは6員複素環を形成していて良く;並びにRとRとはそれらが結合している原子と共に一緒になって5員〜6員縮合窒素含有環を形成していて良い)を有し;並びに、
前記エポキシド含有化合物が式
【化7】

(式中、Y、YおよびYは独立してHおよび(C−C)アルキルから選択され;各Yは独立してH、エポキシ基および(C−C)アルキルから選択され;X=CHまたは(C−C)アルケニル;X=Hまたは(C−C)アルキル;X=ハロゲン、O(C−C)アルキルまたはO(C−C)ハロアルキル;A=OR11またはR12;R11=((CR1314O)、(アリール−O)、CR1314−Z−CR1314OまたはOZO;R12=(CH;A1は(C−C12)シクロアルキル環または5員〜6員環式スルホン環であり;Z=5員または6員環;ZはR15OArOR15、(R16O)Ar(OR16または(R16O)Cy(OR16であり;Z=SOまたは
【化8】

;Cy=(C−C12)シクロアルキル;各R13およびR14は独立して、H、CHおよびOHから選択され;各R15は(C−C)アルキルを表し;各R16は(C−C)アルキレンオキシを表し;各a=1〜10;m=1〜6;n=1〜20;p=1〜6;q=1〜6;r=0〜4;t=1〜4;v=0〜3;並びにy=0〜6;YおよびYは一緒になって(C−C12)環式化合物を形成していてよい)を有し;
ただし、前記エポキシド含有化合物が式(E−I)を有し、X=CHおよびX=ハロゲンの場合には、R、RおよびRの少なくとも1つがNRである;
組成物。

【公開番号】特開2013−91850(P2013−91850A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−233266(P2012−233266)
【出願日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【出願人】(591016862)ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ,エル.エル.シー. (270)
【Fターム(参考)】