アクスル・モジュール取付け方法および装置
【課題】シャシ・フレームにアクスル・モジュールを取付ける工程を(裏返しの状態でなく)上下正位置で行う。工程途中でシャシ・フレームを空間に吊り上げ上下を反転する大がかりな設備および工程をなくする。製造ラインの天井空間を小さくする。回転組立て台に供給するに適するアクスル・モジュールの取付け方法および装置を提供する。
【解決手段】アクスル・モジュールを第一の支持台に正位置で搬入し、シャシ・フレームを第二の支持台にこれも正位置で搬入する。第一の支持台をせり上げてその取付け端をシャシ・フレームの取付けブラケットに一致させる。このせり上げのために、シリンダ手段およびホバー手段を利用する。
【解決手段】アクスル・モジュールを第一の支持台に正位置で搬入し、シャシ・フレームを第二の支持台にこれも正位置で搬入する。第一の支持台をせり上げてその取付け端をシャシ・フレームの取付けブラケットに一致させる。このせり上げのために、シリンダ手段およびホバー手段を利用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両の組立てに利用する。アクスル・モジュールをシャシ・フレームに取付けるための工法および装置に関する。本発明は、アクスル・モジュールおよびシャシ・フレームを工程作業場所に上下反転ではなく正位置に載置した状態で行う工法およびその工法に利用する装置に関する。本発明は、本願出願人の先願(特願2004−66516号、PCT/JP2004/003135、いずれも本願出願時において未公開、発明の名称「車両の組立て方法および組立て工場」、以下単に「先願」という)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からシャシ・フレームにアクスル・モジュールを取付ける工程では、いったんシャシ・フレームを上下反転させて作業を行う方法が広く普及している。すなわちシャシ・フレームを上下反転した状態(ボディ取付け側が下になる状態)でその作業エリアに配置し、本来フレームの下側に位置することになるアクスル・モジュールをシャシ・フレームの上側から吊り下ろし、シャシ・フレームに載置させた状態で、その取付け作業を実行するように工程が組立てられている。これはシャシ・フレームが正位置(ボディ取付け側が上になり、アクスル取付け側が下になる状態)にあるときには、シャシ・フレームと床面との間の距離が小さくなり、シャシ・フレームの下側から作業者がアクセスすることが難しくなることが主要な理由の一つである。このため従来から車両組立て工程では、アクスル・モジュールをシャシ・フレームに取付けた後に、クレーン装置を含む大規模な装置によりシャシ・フレームをいったん高く吊り上げて、シャシ・フレームの前後軸まわりに180度回転させ、その後にシャシ・フレームを工程位置に吊り下ろす作業が必要である。
【0003】
【非特許文献1】社団法人自動車技術会編集・発行「自動車技術ハンドブック」第4分冊、生産・品質・整備編、1991年9月1日発行、とくに283〜286頁の記述を参照。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このために車両組立てを行う作業工場には、シャシ・フレームをそっくり吊り上げることができるとともに、空間でこれを堅固に把持した状態で反転させるために、大がかりなクレーン装置またはその類似の機械装置が必要である。そしてこのための大規模な機械装置は、その工場で製造することができる最大規格の車両に対しても適合するこのように設計しなければならない。このために、従来の車両組立てラインでは、その上空にこの大規模な機械装置を収容するためにきわめて大きい天井空間が必要であり、工場の建屋そのものの規模が大きくなる原因になっている。
【0005】
上記先願には、組立て対象となる車両を直線状の製造ライン上を移動させるのではなく、回転組立て台の上で車両を組み立てる新しい方法および装置が開示されている。すなわち組立て作業中の車両を一台ずつ(あるいは少数台ずつ)円盤状の台の上に載置し、この台をゆっくり回転させながら組立て作業を行う作業形態が説明されている。この円盤状の回転組立て台はたとえば数十分で一回転する。その間にこの回転組立て台の中心に向けて放射状に設定された周囲の準備領域から、つぎつぎと車両組立てに必要なモジュールを供給する。そしてこの回転組立て台がちょうど一回転したときに、車両は自走できる状態まで完成され、車両に運転者が乗り込みエンジンを始動させ自走してこの回転組立て台から離脱する。
【0006】
上記先願に開示した車両組立て工程を採用することにより、量産組立て工場の規模を小さくすることができるとともに、これにより仕掛かり品の数量を小さくし、仕掛かり品として工場に滞留する時間を短縮し、自動車の組立てにかかる金利を経済化することができるものと理解されている。この新しい車両組立て工程は、組立てる車両の仕様が一様でない場合にとくに有利である。そしてこの新しい車両組立て工程では、組立て作業場上空の空間に配置されるクレーン装置は、必要なモジュールを個々に搬入するために十分な程度の簡便な装置に限ることになり、車両フレームそのものを吊り上げ反転するための大規模な装置を設置することは適当でないと認識されることになった。
【0007】
このためには、アクスル・モジュールを作業台の上で(上下反転位置でなく)正位置で組み立て、組み立てられたアクスル・モジュールの上にシャシ・フレームを搬入し、その相互位置関係を調節するための位置合わせを行い、シャシ・フレームとアクスル・モジュールとの間に取付けボルトを挿通する手順になる。この位置合わせを行うには、アクスル・モジュールの位置を固定しておいてシャシ・フレームの位置を調節する方法、またはシャシ・フレームの位置を固定しておいてアクスル・モジュールの位置を調節する方法のいずれかになる。一般にアクスル・モジュールは前輪用と後輪用との二つがある。これらを総合的に検討すると、シャシ・フレームを搬入したらその位置を固定しておき、そのシャシ・フレームの位置に適合するように、前輪用アクスル・モジュール、および後輪用アクスル・モジュールの位置を上昇させて、それぞれ調節することが合理的であるとの考え方に至った。
【0008】
この考え方に基づき各種の試験を伴う検討を行った。アクスル・モジュールをリフト手段を利用してシャシ・フレームに接近させたとき、アクスル・モジュール側の取付け端と、シャシ・フレーム側の取付け端とを一致させてボルトを挿通する作業には、細かい相互位置の移動を行う必要がある。このためホバー手段を導入することを検討した。ホバー手段は圧縮空気を利用して、アクスル・モジュールが載置されている台をその支持部材から一時的に浮上させるための手段である。これは平面方向(X−Y方向)に移動させることが可能であり、部分的には垂直方向(Z方向)に移動させることもできるから、上記ボルト挿通のための作業工数をきわめて小さくすることができる。ただしホバー手段による上昇は上昇距離がきわめて小さく、大きい距離をホバー手段のみにより上昇させると不安定になってしまう。このような試験結果から、リフト手段およびホバー手段を併用する形態が最も短時間で安定にボルト挿通を行うことができる、すなわち最も作業工数が小さくなることがわかってきた。
【0009】
本発明は、このような検討経過にしたがって完成した発明であり、車両組立て工程を簡素化し、その工数を低減し経済化することを目的とする。本発明は、車両組立て工程で従来から利用されているような、車両フレームをいったん空間に吊上げ、その空間で上下反転するために設けられる規模の大きい機械装置を不要にするための方法および装置を提供することを目的とする。本発明は、シャシ・フレームにアクスル・モジュールを装着する工程の作業工数を低減することを目的とする。本発明は、仕様の一部が異なる車種についても、一様に対応することができるシャシ・フレームにアクスル・モジュールを装着する方法、およびそのための装置を提供することを目的とする。本発明は、車両組立て工程に仕掛かり品が滞留する時間を短縮し、車両の組立て経費を経済化することを目的とする。本発明は、上記先願に開示した発明(回転組立て台を利用する車両の組立て)を実施するに適する車両の組立て方法およびその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第一はアクスル・モジュールの取付け工法の発明であって、アクスル・モジュール(11)を第一の支持台(1、1f、1r)に正位置に載置する第一の工程と、シャシ・フレーム(12)をそのアクスル・モジュールの上方に位置するように第二の支持台(2)に正位置に載置する第二の工程と、前記第一の支持台(1、1f、1r)を上昇させ前記アクスル・モジュールの取付け端を前記シャシ・フレームの取付け端に接近させる第三の工程とを含むことを特徴とする。
【0011】
ここで「正位置」とは従来例工法のように裏返しではなく、車両として使用する位置と等しい位置という意味である。第一の支持台には、その上面にアクスル・モジュール(11)の形状に対応して、その載置位置が適正になるような凹凸または支持部材を適宜設けておくことができる。
【0012】
括弧内の数字および符号は後から説明する実施例図面の参照数字および符号である。これは発明の構成を理解しやすいように付すものであって、発明の構成を実施例に限定して理解するためのものではない。以下の記載も同様である。
【0013】
前記第三の工程は、気圧または液圧によるシリンダ手段を利用して前記第一の支持台を上昇させる工程を含むことができる。この第三の工程は、ホバー手段を利用して前記第一の支持台を浮上させる工程を含むように構成することができる。前記第三の工程は、シリンダ手段を利用して前記第一の支持台を上昇させた後に、さらにホバー手段を利用してその第一の支持台を浮上させる工程を含む構成とすることができる。ホバー手段とは、この支持台とこの支持台をさらにその下方から支持する部材との間に圧縮空気を注入して、空気膜を作り、これにより支持台を浮かせ、小さい力で所定の範囲を自由に移動させることができるようにする手段である。
【0014】
本発明の第二はアクスル・モジュールの取付け装置の発明であって、アクスル・モジュール(11)を正位置に載置することができる第一の支持台(1)と、この第一の支持台(1)に載置されたアクスル・モジュール(11)の上方にシャシ・フレーム(12)を載置することができる第二の支持台(2)と、前記第一の支持台(1)をアクスル・モジュールが載置された状態で前記シャシ・フレーム(12)への取付け位置まで上昇させることができる上昇手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
載置されたアクスル・モジュールの上方に、とは、その第一の支持台(1)を上昇させる、あるいはせり上げることにより、第一の支持台に載置されたアクスル・モジュール(11)の取付け端が、シャシ・フレーム(12)に設けられた取付け端の位置に達することができる程度の上方である。上昇させる距離を例示すると、数センチメートルないし数十センチメートルである。
【0016】
前記第一の支持台は、前輪用アクスル・モジュールを搭載する前輪用支持台(1(f))および後輪用アクスル・モジュール搭載する後輪用支持台(1(r))がそれぞれ別部材として設けられ、前記上昇手段はその前輪用支持台およびその後輪用支持台にそれぞれに設けられるとともに、それぞれその上昇動作を個別に操作する手段を備えるように構成することができる。この構成により前軸および後軸について独立に作業を行うことができる。
【0017】
前記前輪用支持台(1(f))と前記後輪用支持台(1(r))との間の距離を調節する手段を含むように構成することが望ましい。この構成により、前軸と後軸との間の距離が異なる複数の車種について、一つの設備により対応することができる。
【0018】
前記上昇手段はシリンダ手段を含む構成とすることができる。シリンダ手段は、空気圧、液圧いずれでもよい。
【0019】
前記上昇手段はホバー手段を含む構成が望ましい。ホバー手段とは、固定的な部材と上昇させようとする部材との間に、空気圧を注入することにより空気膜をつくり、上昇させようとする部材を浮き上がらせて、ある範囲で自由に移動させることができるように設定する手段である。
【0020】
前記上昇手段は、シリンダ手段およびホバー手段をともに備え、そのシリンダ手段またはそのホバー手段の一方をそれぞれ個別に操作する操作手段を備える構成とすることができる。
【0021】
前記(シャシ・フレームを載置するための)第二の支持台は、その床面からの高さが(その後の工程で)前記アクスル・モジュールに装着されることになる車輪の半径より大きく、その床面に立つ作業者がその第二の支持台に載置されたシャシ・フレームにアクセスできる高さに設定されることが望ましい。
【0022】
前記第二の支持台は、シャシ・フレームを構成する一対の長手方向部材を支持する二対の支持柱を含む構成とすることができる。前記二対の支持柱の間隔(前後方向およびまたは幅方向)を調節する手段を含むことにより、シャシ・フレームの長さの異なる複数の車種に対応することができる。前記二対の支持柱の前後方向の間隔を調節する手段は、前記前輪用支持台と前記後輪用支持台との間の距離を調節する手段に連動させる手段を含む構成とすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明により、従来例工法として広く実施されているように、作業台にシャシ・フレームをはじめ裏返しに置き、この裏返しになったシャシ・フレームの上にアクスル・モジュールを組付ける工法を採る必要がなくなった。これにより、シャシ・フレームははじめから正位置で製作されるから、アクスル・モジュールが取付けられたシャシ・フレームを吊り上げ、これを作業台の天井空間で反転させてから吊り下ろす、という大がかりな設備を設ける必要がなくなる。これにより、工場の天井空間は小さくてよいことになり、大規模なクレーン装置およびその類似装置を設置する必要がなくなる。本発明を実施することにより、シャシ・フレームにアクスル・モジュールを取付ける工程の作業工数は著しく小さくなる。本発明を実施することにより、上記先願に開示した回転組立て台を利用した車両組立てを円滑に行うことができることになり、工場に滞留する仕掛品の数を小さくすることができるなど、幾多の経済的な効果を生み出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(実施例)
図1は本発明実施例工法、およびそのために利用する装置を説明するための要部構造を示す斜視図である。第一の支持台1および第二の支持台2は、一対のエッジ3により一体的な装置として構成され、工場床面に配置される。この実施例装置は、上記説明の先願に係る回転組立て台上に配置されたものである。第一の支持台1は、前軸用支持台1(f)および後軸用支持台1(r)を含み、とくに前軸用と後軸用を区別する必要があるときには、(f)または(r)を付記して表示する。図1に表示する矢印Aがこの装置に材料を搬入する方向であり、なおここに図1として提示する斜視図は、その基本的な構造を理解しやすいように、複数のこまかい付属品を省略して描かれている。
【0025】
はじめにアクスル・モジュール11を搬入する。アクスル・モジュール11は、ホイストにより矢印Aの向きでこの装置に搬入される。ホイストは、この作業場の床上数メートルの上空に施設されたレールに設けられた標準的な構造のものである。ホイストを操作する作業者が、アクスル・モジュール11に軽く手を触れて介助することにより、第一の支持台1の上にアクスル・モジュール11を正位置に載置する。アクスル・モジュール11は、前軸用アクスル・モジュール1(f)および後軸用アクスル・モジュール1(r)をそれぞれ個別に、この図示されたような形態で正位置に載置する。くり返すが、ここで「正位置」とは車両として利用する本来の上下関係位置である。つまり上記説明のように従来例工法では、はじめの段階でアクスル・モジュールおよびシャシ・フレームをそれぞれ裏返しに、工程に載置して作業を行う方法が広く知られているが、従来例工法のように裏返しではないという意味でとくに「正位置」という。
【0026】
ついで同じく矢印Aの方向から、シャシ・フレーム12を搬入する。これも同様に標準的なホイストを用い、作業者が介助することにより搬入される。このシャシ・フレーム12を第二の支持台2の上に載置する。これも正位置に載置する。したがって、アクスル・モジュール11の各リーフ・スプリング先端に設けられた取付け端は、シャシ・フレーム12に設けられた取付け端の下方に位置することになる。
【0027】
この第一の支持台1は作業者の操作によりせり上がるように構成されている。すなわち作業者は図外の油圧弁を操作することにより、この第一の支持台1に設けられた油圧シリンダ(これも図1には見えない、後から説明する)に油圧を供給する。油圧シリンダが作動して第一の支持台1はゆっくりと上昇する。これを操作する作業者は、アクスル・モジュール11の取付けブラケットが、シャシ・フレーム12に設けられた取付け端に接近したとき、この油圧の供給を停止させるとともに、その油圧シリンダに供給された油圧を維持させる。これによりアクスル・モジュール11の高さをその停止位置に維持させる。そして作業者は空気圧弁を操作することにより、この第一の支持台1に設けられたホバー手段により、この第一の支持台をわずかに浮上させる。ホバー手段は、空気圧をこの支持台1の裏側に供給して支持台1を浮き上がらせる構造であり、この図1には見えないが後からさらに詳しく説明する。
【0028】
このようにホバー手段により浮上させた状態では、この第一の支持台1は、作業者がこの支持台、あるいはこの支持台に載置されているアクスル・モジュールを軽く手で押すことにより、所定の小さい範囲で平面的に移動させることができる。また所定の小さい範囲で第一の支持台1を傾けるように操作することもできる。このように簡単な操作手順により、アクスル・モジュール11に設けられた取付け端を、シャシ・フレーム12に設けられた取付け用ブラケットに一致させることができる。この取付け用ブラケットと取付け端が一致したときにはめ合わせる。
【0029】
作業者は、その前後の適当なタイミングで、ホバー手段により第一の支持台1を浮上させている空気圧を停止させる。そしてシリンダ手段に保持されている油圧を維持させる。この操作を行うことにより、アクスル・モジュール11はシャシ・フレーム12に、それぞれ吊り下げられた状態となる。このような操作を前軸のアクスル・モジュール11(f)、後軸のアクスル・モジュール11(r)について行う。これにより、前軸および後軸のアクスル・モジュール11がシャシ・フレーム12に取付けられた状態となる。
【0030】
シャシ・フレーム12を支持する第二の支持台2の高さを適当に設定することにより、作業者は上記一連の作業を自然な姿勢で行うことができる。標準的には、床に立つ作業者がとくに身を屈めることなく、背伸びをすることなく、踏み台を使うこともなく、自然な立ち姿勢で作業を行うことができるように第二の支持台2の高さを設定する。
【0031】
図2および図3はこの作業台の構造をさらに説明する斜視図である。図2に示すように、この作業台には一対の平行なエッジ3が設けられている。この一対のエッジ3の内側壁面にレール4が設けられている。これにより第一の支持台1を第二の支持台2に対する角度を変更することなく、その位置を長手方向に移動できる。この構造により、すなわち後軸のアクスル・モジュールを載置する第一の支持台1(r)を図2に示す矢印の方向に移動させることにより、シャシ・フレームの長い車両に対応させることができる。はんたいに図3に示す矢印の方向に移動させることにより、第一の支持台1(r)をシャシ・フレームの短い車両に対応させることができる。
【0032】
この実施例では、後軸のアクスル・モジュールを載置する第一の支持台1(r)のみに、このレール4およびそれに対応する(図には見えない)構造が設けられている。第一の支持台1のうち後軸用の第一の支持台1(r)を後方の第二の支持台2と、機械的に連結しておくことにより、前後軸の間隔を調節するときには、第一の支持台1および第二の支持台2の位置を連結させた状態で変更することができる。この構造により、前後軸の間隔の異なる複数の車種について、この装置は一つの装置で対応することができることになる。
【0033】
図4は、ホイスト5を用いて、アクスル・モジュール11を第一の支持台1(r)の位置に搬入する様子を示す。二点鎖線は搬入経路を示す。図の下方に表示する水平な一点鎖線はエッジ3の高さを示す。図5は次いで同じくホイスト5を用いて、シャシ・フレーム12を第二の支持台2に搬入する様子を示す。第二の支持台2の先端はL字形のブロックが設けられており、ここにシャシ・フレームを載置させる。なお、シャシ・フレーム12には、第二の支持台2と位置合わせを行うことができる小孔または突起を設けて、この小孔または突起が第二の支持台2の先端に嵌まるようにその位置を適正に操作してもよい。
【0034】
図6および図7は第一の支持台1について、そのセンタリング機構を説明する図である。図6に示すように、一対の操作端7を内側に押し込むことにより、第一の支持台1はその定位置に設定される。この状態でアクスル・モジュールを搬入して、第一の支持台1の上にそのアクスル・モジュールを載置する。図7に示すように、上記一対の操作端7を外側に操作して、センタリング機構を解放することにより、第一の支持台1は平面的に所定範囲で可動状態になる。この可動状態に設定することにより、次の工程で行うアクスル・モジュールと、シャシ・フレームとの位置合わせを実行することになる。
【0035】
図8および図9は、アクスル・モジュール11をシャシ・フレーム12に対してせり上げるための動作を説明する図である。図8に示すように、アクスル・モジュール11を第一の支持台1の所定位置に載置する。操作端7を上記説明のように操作することにより、アクスル・モジュール11は設定された所定位置にほぼ定まる。上記図5に関連した説明のように、第二の支持台2から上方に突出する小さい突起はL字形ブロックの側部であり、シャシ・フレーム12の側方を支持する。したがってシャシ・フレーム12の第二の支持台2に対する相対位置は固定的になる。アクスル・モジュール11が正しく第一の支持台1に載置されてから、操作端7を解放側に操作して、図7に示すように第一の支持台1を小さい範囲で可動状態に設定する。
【0036】
図8にこの状態を示す。すなわち第一の支持台1に載置されたアクスル・モジュール11は破線矢印で示すように、小さい範囲で左右(および前後に)可動な状態になる。ついで図示されていないシリンダ手段に油圧を供給することにより、図9の下方に示す白抜きの矢印のように、第一の支持台1を上方にせり上げる。アクスル・モジュール11の取付け用ブラケット8がシャシ・フレーム12の取付け端に接近したとき、操作によりホバー手段を起動して、第一の支持台1をわずかに浮き上がらせる。この浮き上がりは、実用的には1センチメートルほどである。これにより、作業者はアクスル・モジュール11を小さい範囲で上下に、あるいは平面的に移動させることができるようになり、シャシ・フレーム12に設けられた取付け用ブラケット8に、アクスル・モジュール11のスプリング先端を係止することができる。この取付け端を固定するためには、従来から知られているスプリング・ブラケットを利用する。この操作を順次、アクスル・モジュール11の左右両端に設けられた4箇所について順次実行する。この操作により、アクスル・モジュール11はシャシ・フレーム12に取付けられたことになる。
【0037】
図10は、この装置に設けられたせり上がり機構の要部を説明する側面構造図である。第一の支持台1にはアクスル・モジュール11が載置されている。第一の支持台1の前後両端には上記説明のように位置合わせを行うための操作端7が設けられている。作業者は図外のスイッチ操作により油圧をオン状態に操作すると、油圧ユニット10からシリンダ9に油圧が送られる。これによりクロスバ13を介して第一の支持台1が上昇する。載置されているアクスル・モジュール11の取付け端が、シャシ・フレーム12の取付け用ブラケットに接近したとき、作業者はスイッチ操作によりシャシ・フレーム12の油圧を保持状態にする。つづいて、空気圧バルブ15を導通状態に操作することにより、空気圧が第一の支持台の下面空間に設けられている複数の空気圧ノズル14に送られる。この空気圧ノズル14から供給される空気圧は第一の支持台1の下面空間に空気膜が形成され、これにより第一の支持台1がわずかに浮き上がる状態を作りだす。これがホバー手段およびその作用である。
【0038】
ホバー手段が作動している期間には、第一の支持台1がわずかに(約1センチメートル)上昇する。このとき作業者がアクスル・モジュール11を腕で押すなどにより、小さい範囲でその水平位置および上下位置を自在に変更することができる。このような状態で、図8で説明したように、アクスル・モジュール11に設けられた取付け端をシャシ・フレーム12に設けられた取付け用ブラケット8に一致させることができる。この操作を左右両端および前後両端の4箇所の取付け端について実行する。この取付け用ブラケット8への取付けが終了すると、空気圧バルブ15を閉鎖状態に操作する。シリンダ9に供給している油圧をこのまましばらく維持して、第一の支持台1をこの高さに保持する。
【0039】
図11を参照して、この状態ではシャシ・フレーム12は、アクスル・モジュール11を介して第一の支持台1に保持された状態となる。すなわち第一の支持台1をわずかに上昇させ、第二の支持台2を図11に示すように倒して第二の支持台2を無効にすることができる。これによりシャシ・フレーム12について次の工程作業、すなわちエンジン・モジュールの取付け、車輪の取付け、その他を実行する。車輪の取付けが完了したあとシリンダ9の油圧を低くして、第一の支持台1を下方に下げる。このときシャシ・フレーム12は車輪により保持された状態となる。
【0040】
上記説明の油圧ユニット10および油圧シリンダ9については、汎用品を利用することにより組み立てられた。またホバー手段については、この実施例ではカタログ品を入手し組み立てたものである。こまかい位置調節の段階でこのホバー手段を利用することは本発明の一つの要素であるが、二つの板状の部材の間に空気圧を注入し、空気圧による膜を形成させるホバー手段そのものの構造は新しいものではない。したがってその詳しい構造の説明を省略する。
【0041】
なお上記説明では、リフト機構として油圧シリンダを用いた例で説明したが、エアリフト、電動式リフトなどを用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、上記先願に開示した車両の組立て方法に利用するに限らず、アクスル・モジュールを車両の正位置で組み立てる各種の方法に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明実施例方法および装置の概要を説明する斜視図。
【図2】本発明実施例装置の斜視図(ホイールベースの長い車両)。
【図3】本発明実施例装置の斜視図(ホイールベースの短い車両)。
【図4】本発明実施例装置にアクスル・モジュールを搬入する形態の説明図。
【図5】本発明実施例装置にシャシ・フレームを搬入する形態の説明図。
【図6】本発明実施例装置の要部上面図(第一の支持台が固定された場合)。
【図7】本発明実施例装置の要部上面図(第一の支持台が固定されてない場合)。
【図8】本発明実施例装置の側面図(せり上げ前の状態)。
【図9】本発明実施例装置の側面図(せり上げた状態)。
【図10】本発明実施例装置のせり上げ機構を説明する構造図。
【図11】本発明実施例装置の側面図。
【符号の説明】
【0044】
1 第一の支持台
1f 前輪用第一の支持台
1r 後輪用第一の支持台
2 第二の支持台
3 エッジ
4 レール
5 ホイスト
6 枠体
7 操作端
8 ブラケット
9 シリンダ
10 油圧ユニット
11 アクスル・モジュール
12 シャシ・フレーム
13 クロスバ
14 空気圧ノズル
15 空気圧バルブ
【技術分野】
【0001】
本発明は車両の組立てに利用する。アクスル・モジュールをシャシ・フレームに取付けるための工法および装置に関する。本発明は、アクスル・モジュールおよびシャシ・フレームを工程作業場所に上下反転ではなく正位置に載置した状態で行う工法およびその工法に利用する装置に関する。本発明は、本願出願人の先願(特願2004−66516号、PCT/JP2004/003135、いずれも本願出願時において未公開、発明の名称「車両の組立て方法および組立て工場」、以下単に「先願」という)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からシャシ・フレームにアクスル・モジュールを取付ける工程では、いったんシャシ・フレームを上下反転させて作業を行う方法が広く普及している。すなわちシャシ・フレームを上下反転した状態(ボディ取付け側が下になる状態)でその作業エリアに配置し、本来フレームの下側に位置することになるアクスル・モジュールをシャシ・フレームの上側から吊り下ろし、シャシ・フレームに載置させた状態で、その取付け作業を実行するように工程が組立てられている。これはシャシ・フレームが正位置(ボディ取付け側が上になり、アクスル取付け側が下になる状態)にあるときには、シャシ・フレームと床面との間の距離が小さくなり、シャシ・フレームの下側から作業者がアクセスすることが難しくなることが主要な理由の一つである。このため従来から車両組立て工程では、アクスル・モジュールをシャシ・フレームに取付けた後に、クレーン装置を含む大規模な装置によりシャシ・フレームをいったん高く吊り上げて、シャシ・フレームの前後軸まわりに180度回転させ、その後にシャシ・フレームを工程位置に吊り下ろす作業が必要である。
【0003】
【非特許文献1】社団法人自動車技術会編集・発行「自動車技術ハンドブック」第4分冊、生産・品質・整備編、1991年9月1日発行、とくに283〜286頁の記述を参照。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このために車両組立てを行う作業工場には、シャシ・フレームをそっくり吊り上げることができるとともに、空間でこれを堅固に把持した状態で反転させるために、大がかりなクレーン装置またはその類似の機械装置が必要である。そしてこのための大規模な機械装置は、その工場で製造することができる最大規格の車両に対しても適合するこのように設計しなければならない。このために、従来の車両組立てラインでは、その上空にこの大規模な機械装置を収容するためにきわめて大きい天井空間が必要であり、工場の建屋そのものの規模が大きくなる原因になっている。
【0005】
上記先願には、組立て対象となる車両を直線状の製造ライン上を移動させるのではなく、回転組立て台の上で車両を組み立てる新しい方法および装置が開示されている。すなわち組立て作業中の車両を一台ずつ(あるいは少数台ずつ)円盤状の台の上に載置し、この台をゆっくり回転させながら組立て作業を行う作業形態が説明されている。この円盤状の回転組立て台はたとえば数十分で一回転する。その間にこの回転組立て台の中心に向けて放射状に設定された周囲の準備領域から、つぎつぎと車両組立てに必要なモジュールを供給する。そしてこの回転組立て台がちょうど一回転したときに、車両は自走できる状態まで完成され、車両に運転者が乗り込みエンジンを始動させ自走してこの回転組立て台から離脱する。
【0006】
上記先願に開示した車両組立て工程を採用することにより、量産組立て工場の規模を小さくすることができるとともに、これにより仕掛かり品の数量を小さくし、仕掛かり品として工場に滞留する時間を短縮し、自動車の組立てにかかる金利を経済化することができるものと理解されている。この新しい車両組立て工程は、組立てる車両の仕様が一様でない場合にとくに有利である。そしてこの新しい車両組立て工程では、組立て作業場上空の空間に配置されるクレーン装置は、必要なモジュールを個々に搬入するために十分な程度の簡便な装置に限ることになり、車両フレームそのものを吊り上げ反転するための大規模な装置を設置することは適当でないと認識されることになった。
【0007】
このためには、アクスル・モジュールを作業台の上で(上下反転位置でなく)正位置で組み立て、組み立てられたアクスル・モジュールの上にシャシ・フレームを搬入し、その相互位置関係を調節するための位置合わせを行い、シャシ・フレームとアクスル・モジュールとの間に取付けボルトを挿通する手順になる。この位置合わせを行うには、アクスル・モジュールの位置を固定しておいてシャシ・フレームの位置を調節する方法、またはシャシ・フレームの位置を固定しておいてアクスル・モジュールの位置を調節する方法のいずれかになる。一般にアクスル・モジュールは前輪用と後輪用との二つがある。これらを総合的に検討すると、シャシ・フレームを搬入したらその位置を固定しておき、そのシャシ・フレームの位置に適合するように、前輪用アクスル・モジュール、および後輪用アクスル・モジュールの位置を上昇させて、それぞれ調節することが合理的であるとの考え方に至った。
【0008】
この考え方に基づき各種の試験を伴う検討を行った。アクスル・モジュールをリフト手段を利用してシャシ・フレームに接近させたとき、アクスル・モジュール側の取付け端と、シャシ・フレーム側の取付け端とを一致させてボルトを挿通する作業には、細かい相互位置の移動を行う必要がある。このためホバー手段を導入することを検討した。ホバー手段は圧縮空気を利用して、アクスル・モジュールが載置されている台をその支持部材から一時的に浮上させるための手段である。これは平面方向(X−Y方向)に移動させることが可能であり、部分的には垂直方向(Z方向)に移動させることもできるから、上記ボルト挿通のための作業工数をきわめて小さくすることができる。ただしホバー手段による上昇は上昇距離がきわめて小さく、大きい距離をホバー手段のみにより上昇させると不安定になってしまう。このような試験結果から、リフト手段およびホバー手段を併用する形態が最も短時間で安定にボルト挿通を行うことができる、すなわち最も作業工数が小さくなることがわかってきた。
【0009】
本発明は、このような検討経過にしたがって完成した発明であり、車両組立て工程を簡素化し、その工数を低減し経済化することを目的とする。本発明は、車両組立て工程で従来から利用されているような、車両フレームをいったん空間に吊上げ、その空間で上下反転するために設けられる規模の大きい機械装置を不要にするための方法および装置を提供することを目的とする。本発明は、シャシ・フレームにアクスル・モジュールを装着する工程の作業工数を低減することを目的とする。本発明は、仕様の一部が異なる車種についても、一様に対応することができるシャシ・フレームにアクスル・モジュールを装着する方法、およびそのための装置を提供することを目的とする。本発明は、車両組立て工程に仕掛かり品が滞留する時間を短縮し、車両の組立て経費を経済化することを目的とする。本発明は、上記先願に開示した発明(回転組立て台を利用する車両の組立て)を実施するに適する車両の組立て方法およびその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第一はアクスル・モジュールの取付け工法の発明であって、アクスル・モジュール(11)を第一の支持台(1、1f、1r)に正位置に載置する第一の工程と、シャシ・フレーム(12)をそのアクスル・モジュールの上方に位置するように第二の支持台(2)に正位置に載置する第二の工程と、前記第一の支持台(1、1f、1r)を上昇させ前記アクスル・モジュールの取付け端を前記シャシ・フレームの取付け端に接近させる第三の工程とを含むことを特徴とする。
【0011】
ここで「正位置」とは従来例工法のように裏返しではなく、車両として使用する位置と等しい位置という意味である。第一の支持台には、その上面にアクスル・モジュール(11)の形状に対応して、その載置位置が適正になるような凹凸または支持部材を適宜設けておくことができる。
【0012】
括弧内の数字および符号は後から説明する実施例図面の参照数字および符号である。これは発明の構成を理解しやすいように付すものであって、発明の構成を実施例に限定して理解するためのものではない。以下の記載も同様である。
【0013】
前記第三の工程は、気圧または液圧によるシリンダ手段を利用して前記第一の支持台を上昇させる工程を含むことができる。この第三の工程は、ホバー手段を利用して前記第一の支持台を浮上させる工程を含むように構成することができる。前記第三の工程は、シリンダ手段を利用して前記第一の支持台を上昇させた後に、さらにホバー手段を利用してその第一の支持台を浮上させる工程を含む構成とすることができる。ホバー手段とは、この支持台とこの支持台をさらにその下方から支持する部材との間に圧縮空気を注入して、空気膜を作り、これにより支持台を浮かせ、小さい力で所定の範囲を自由に移動させることができるようにする手段である。
【0014】
本発明の第二はアクスル・モジュールの取付け装置の発明であって、アクスル・モジュール(11)を正位置に載置することができる第一の支持台(1)と、この第一の支持台(1)に載置されたアクスル・モジュール(11)の上方にシャシ・フレーム(12)を載置することができる第二の支持台(2)と、前記第一の支持台(1)をアクスル・モジュールが載置された状態で前記シャシ・フレーム(12)への取付け位置まで上昇させることができる上昇手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
載置されたアクスル・モジュールの上方に、とは、その第一の支持台(1)を上昇させる、あるいはせり上げることにより、第一の支持台に載置されたアクスル・モジュール(11)の取付け端が、シャシ・フレーム(12)に設けられた取付け端の位置に達することができる程度の上方である。上昇させる距離を例示すると、数センチメートルないし数十センチメートルである。
【0016】
前記第一の支持台は、前輪用アクスル・モジュールを搭載する前輪用支持台(1(f))および後輪用アクスル・モジュール搭載する後輪用支持台(1(r))がそれぞれ別部材として設けられ、前記上昇手段はその前輪用支持台およびその後輪用支持台にそれぞれに設けられるとともに、それぞれその上昇動作を個別に操作する手段を備えるように構成することができる。この構成により前軸および後軸について独立に作業を行うことができる。
【0017】
前記前輪用支持台(1(f))と前記後輪用支持台(1(r))との間の距離を調節する手段を含むように構成することが望ましい。この構成により、前軸と後軸との間の距離が異なる複数の車種について、一つの設備により対応することができる。
【0018】
前記上昇手段はシリンダ手段を含む構成とすることができる。シリンダ手段は、空気圧、液圧いずれでもよい。
【0019】
前記上昇手段はホバー手段を含む構成が望ましい。ホバー手段とは、固定的な部材と上昇させようとする部材との間に、空気圧を注入することにより空気膜をつくり、上昇させようとする部材を浮き上がらせて、ある範囲で自由に移動させることができるように設定する手段である。
【0020】
前記上昇手段は、シリンダ手段およびホバー手段をともに備え、そのシリンダ手段またはそのホバー手段の一方をそれぞれ個別に操作する操作手段を備える構成とすることができる。
【0021】
前記(シャシ・フレームを載置するための)第二の支持台は、その床面からの高さが(その後の工程で)前記アクスル・モジュールに装着されることになる車輪の半径より大きく、その床面に立つ作業者がその第二の支持台に載置されたシャシ・フレームにアクセスできる高さに設定されることが望ましい。
【0022】
前記第二の支持台は、シャシ・フレームを構成する一対の長手方向部材を支持する二対の支持柱を含む構成とすることができる。前記二対の支持柱の間隔(前後方向およびまたは幅方向)を調節する手段を含むことにより、シャシ・フレームの長さの異なる複数の車種に対応することができる。前記二対の支持柱の前後方向の間隔を調節する手段は、前記前輪用支持台と前記後輪用支持台との間の距離を調節する手段に連動させる手段を含む構成とすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明により、従来例工法として広く実施されているように、作業台にシャシ・フレームをはじめ裏返しに置き、この裏返しになったシャシ・フレームの上にアクスル・モジュールを組付ける工法を採る必要がなくなった。これにより、シャシ・フレームははじめから正位置で製作されるから、アクスル・モジュールが取付けられたシャシ・フレームを吊り上げ、これを作業台の天井空間で反転させてから吊り下ろす、という大がかりな設備を設ける必要がなくなる。これにより、工場の天井空間は小さくてよいことになり、大規模なクレーン装置およびその類似装置を設置する必要がなくなる。本発明を実施することにより、シャシ・フレームにアクスル・モジュールを取付ける工程の作業工数は著しく小さくなる。本発明を実施することにより、上記先願に開示した回転組立て台を利用した車両組立てを円滑に行うことができることになり、工場に滞留する仕掛品の数を小さくすることができるなど、幾多の経済的な効果を生み出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(実施例)
図1は本発明実施例工法、およびそのために利用する装置を説明するための要部構造を示す斜視図である。第一の支持台1および第二の支持台2は、一対のエッジ3により一体的な装置として構成され、工場床面に配置される。この実施例装置は、上記説明の先願に係る回転組立て台上に配置されたものである。第一の支持台1は、前軸用支持台1(f)および後軸用支持台1(r)を含み、とくに前軸用と後軸用を区別する必要があるときには、(f)または(r)を付記して表示する。図1に表示する矢印Aがこの装置に材料を搬入する方向であり、なおここに図1として提示する斜視図は、その基本的な構造を理解しやすいように、複数のこまかい付属品を省略して描かれている。
【0025】
はじめにアクスル・モジュール11を搬入する。アクスル・モジュール11は、ホイストにより矢印Aの向きでこの装置に搬入される。ホイストは、この作業場の床上数メートルの上空に施設されたレールに設けられた標準的な構造のものである。ホイストを操作する作業者が、アクスル・モジュール11に軽く手を触れて介助することにより、第一の支持台1の上にアクスル・モジュール11を正位置に載置する。アクスル・モジュール11は、前軸用アクスル・モジュール1(f)および後軸用アクスル・モジュール1(r)をそれぞれ個別に、この図示されたような形態で正位置に載置する。くり返すが、ここで「正位置」とは車両として利用する本来の上下関係位置である。つまり上記説明のように従来例工法では、はじめの段階でアクスル・モジュールおよびシャシ・フレームをそれぞれ裏返しに、工程に載置して作業を行う方法が広く知られているが、従来例工法のように裏返しではないという意味でとくに「正位置」という。
【0026】
ついで同じく矢印Aの方向から、シャシ・フレーム12を搬入する。これも同様に標準的なホイストを用い、作業者が介助することにより搬入される。このシャシ・フレーム12を第二の支持台2の上に載置する。これも正位置に載置する。したがって、アクスル・モジュール11の各リーフ・スプリング先端に設けられた取付け端は、シャシ・フレーム12に設けられた取付け端の下方に位置することになる。
【0027】
この第一の支持台1は作業者の操作によりせり上がるように構成されている。すなわち作業者は図外の油圧弁を操作することにより、この第一の支持台1に設けられた油圧シリンダ(これも図1には見えない、後から説明する)に油圧を供給する。油圧シリンダが作動して第一の支持台1はゆっくりと上昇する。これを操作する作業者は、アクスル・モジュール11の取付けブラケットが、シャシ・フレーム12に設けられた取付け端に接近したとき、この油圧の供給を停止させるとともに、その油圧シリンダに供給された油圧を維持させる。これによりアクスル・モジュール11の高さをその停止位置に維持させる。そして作業者は空気圧弁を操作することにより、この第一の支持台1に設けられたホバー手段により、この第一の支持台をわずかに浮上させる。ホバー手段は、空気圧をこの支持台1の裏側に供給して支持台1を浮き上がらせる構造であり、この図1には見えないが後からさらに詳しく説明する。
【0028】
このようにホバー手段により浮上させた状態では、この第一の支持台1は、作業者がこの支持台、あるいはこの支持台に載置されているアクスル・モジュールを軽く手で押すことにより、所定の小さい範囲で平面的に移動させることができる。また所定の小さい範囲で第一の支持台1を傾けるように操作することもできる。このように簡単な操作手順により、アクスル・モジュール11に設けられた取付け端を、シャシ・フレーム12に設けられた取付け用ブラケットに一致させることができる。この取付け用ブラケットと取付け端が一致したときにはめ合わせる。
【0029】
作業者は、その前後の適当なタイミングで、ホバー手段により第一の支持台1を浮上させている空気圧を停止させる。そしてシリンダ手段に保持されている油圧を維持させる。この操作を行うことにより、アクスル・モジュール11はシャシ・フレーム12に、それぞれ吊り下げられた状態となる。このような操作を前軸のアクスル・モジュール11(f)、後軸のアクスル・モジュール11(r)について行う。これにより、前軸および後軸のアクスル・モジュール11がシャシ・フレーム12に取付けられた状態となる。
【0030】
シャシ・フレーム12を支持する第二の支持台2の高さを適当に設定することにより、作業者は上記一連の作業を自然な姿勢で行うことができる。標準的には、床に立つ作業者がとくに身を屈めることなく、背伸びをすることなく、踏み台を使うこともなく、自然な立ち姿勢で作業を行うことができるように第二の支持台2の高さを設定する。
【0031】
図2および図3はこの作業台の構造をさらに説明する斜視図である。図2に示すように、この作業台には一対の平行なエッジ3が設けられている。この一対のエッジ3の内側壁面にレール4が設けられている。これにより第一の支持台1を第二の支持台2に対する角度を変更することなく、その位置を長手方向に移動できる。この構造により、すなわち後軸のアクスル・モジュールを載置する第一の支持台1(r)を図2に示す矢印の方向に移動させることにより、シャシ・フレームの長い車両に対応させることができる。はんたいに図3に示す矢印の方向に移動させることにより、第一の支持台1(r)をシャシ・フレームの短い車両に対応させることができる。
【0032】
この実施例では、後軸のアクスル・モジュールを載置する第一の支持台1(r)のみに、このレール4およびそれに対応する(図には見えない)構造が設けられている。第一の支持台1のうち後軸用の第一の支持台1(r)を後方の第二の支持台2と、機械的に連結しておくことにより、前後軸の間隔を調節するときには、第一の支持台1および第二の支持台2の位置を連結させた状態で変更することができる。この構造により、前後軸の間隔の異なる複数の車種について、この装置は一つの装置で対応することができることになる。
【0033】
図4は、ホイスト5を用いて、アクスル・モジュール11を第一の支持台1(r)の位置に搬入する様子を示す。二点鎖線は搬入経路を示す。図の下方に表示する水平な一点鎖線はエッジ3の高さを示す。図5は次いで同じくホイスト5を用いて、シャシ・フレーム12を第二の支持台2に搬入する様子を示す。第二の支持台2の先端はL字形のブロックが設けられており、ここにシャシ・フレームを載置させる。なお、シャシ・フレーム12には、第二の支持台2と位置合わせを行うことができる小孔または突起を設けて、この小孔または突起が第二の支持台2の先端に嵌まるようにその位置を適正に操作してもよい。
【0034】
図6および図7は第一の支持台1について、そのセンタリング機構を説明する図である。図6に示すように、一対の操作端7を内側に押し込むことにより、第一の支持台1はその定位置に設定される。この状態でアクスル・モジュールを搬入して、第一の支持台1の上にそのアクスル・モジュールを載置する。図7に示すように、上記一対の操作端7を外側に操作して、センタリング機構を解放することにより、第一の支持台1は平面的に所定範囲で可動状態になる。この可動状態に設定することにより、次の工程で行うアクスル・モジュールと、シャシ・フレームとの位置合わせを実行することになる。
【0035】
図8および図9は、アクスル・モジュール11をシャシ・フレーム12に対してせり上げるための動作を説明する図である。図8に示すように、アクスル・モジュール11を第一の支持台1の所定位置に載置する。操作端7を上記説明のように操作することにより、アクスル・モジュール11は設定された所定位置にほぼ定まる。上記図5に関連した説明のように、第二の支持台2から上方に突出する小さい突起はL字形ブロックの側部であり、シャシ・フレーム12の側方を支持する。したがってシャシ・フレーム12の第二の支持台2に対する相対位置は固定的になる。アクスル・モジュール11が正しく第一の支持台1に載置されてから、操作端7を解放側に操作して、図7に示すように第一の支持台1を小さい範囲で可動状態に設定する。
【0036】
図8にこの状態を示す。すなわち第一の支持台1に載置されたアクスル・モジュール11は破線矢印で示すように、小さい範囲で左右(および前後に)可動な状態になる。ついで図示されていないシリンダ手段に油圧を供給することにより、図9の下方に示す白抜きの矢印のように、第一の支持台1を上方にせり上げる。アクスル・モジュール11の取付け用ブラケット8がシャシ・フレーム12の取付け端に接近したとき、操作によりホバー手段を起動して、第一の支持台1をわずかに浮き上がらせる。この浮き上がりは、実用的には1センチメートルほどである。これにより、作業者はアクスル・モジュール11を小さい範囲で上下に、あるいは平面的に移動させることができるようになり、シャシ・フレーム12に設けられた取付け用ブラケット8に、アクスル・モジュール11のスプリング先端を係止することができる。この取付け端を固定するためには、従来から知られているスプリング・ブラケットを利用する。この操作を順次、アクスル・モジュール11の左右両端に設けられた4箇所について順次実行する。この操作により、アクスル・モジュール11はシャシ・フレーム12に取付けられたことになる。
【0037】
図10は、この装置に設けられたせり上がり機構の要部を説明する側面構造図である。第一の支持台1にはアクスル・モジュール11が載置されている。第一の支持台1の前後両端には上記説明のように位置合わせを行うための操作端7が設けられている。作業者は図外のスイッチ操作により油圧をオン状態に操作すると、油圧ユニット10からシリンダ9に油圧が送られる。これによりクロスバ13を介して第一の支持台1が上昇する。載置されているアクスル・モジュール11の取付け端が、シャシ・フレーム12の取付け用ブラケットに接近したとき、作業者はスイッチ操作によりシャシ・フレーム12の油圧を保持状態にする。つづいて、空気圧バルブ15を導通状態に操作することにより、空気圧が第一の支持台の下面空間に設けられている複数の空気圧ノズル14に送られる。この空気圧ノズル14から供給される空気圧は第一の支持台1の下面空間に空気膜が形成され、これにより第一の支持台1がわずかに浮き上がる状態を作りだす。これがホバー手段およびその作用である。
【0038】
ホバー手段が作動している期間には、第一の支持台1がわずかに(約1センチメートル)上昇する。このとき作業者がアクスル・モジュール11を腕で押すなどにより、小さい範囲でその水平位置および上下位置を自在に変更することができる。このような状態で、図8で説明したように、アクスル・モジュール11に設けられた取付け端をシャシ・フレーム12に設けられた取付け用ブラケット8に一致させることができる。この操作を左右両端および前後両端の4箇所の取付け端について実行する。この取付け用ブラケット8への取付けが終了すると、空気圧バルブ15を閉鎖状態に操作する。シリンダ9に供給している油圧をこのまましばらく維持して、第一の支持台1をこの高さに保持する。
【0039】
図11を参照して、この状態ではシャシ・フレーム12は、アクスル・モジュール11を介して第一の支持台1に保持された状態となる。すなわち第一の支持台1をわずかに上昇させ、第二の支持台2を図11に示すように倒して第二の支持台2を無効にすることができる。これによりシャシ・フレーム12について次の工程作業、すなわちエンジン・モジュールの取付け、車輪の取付け、その他を実行する。車輪の取付けが完了したあとシリンダ9の油圧を低くして、第一の支持台1を下方に下げる。このときシャシ・フレーム12は車輪により保持された状態となる。
【0040】
上記説明の油圧ユニット10および油圧シリンダ9については、汎用品を利用することにより組み立てられた。またホバー手段については、この実施例ではカタログ品を入手し組み立てたものである。こまかい位置調節の段階でこのホバー手段を利用することは本発明の一つの要素であるが、二つの板状の部材の間に空気圧を注入し、空気圧による膜を形成させるホバー手段そのものの構造は新しいものではない。したがってその詳しい構造の説明を省略する。
【0041】
なお上記説明では、リフト機構として油圧シリンダを用いた例で説明したが、エアリフト、電動式リフトなどを用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、上記先願に開示した車両の組立て方法に利用するに限らず、アクスル・モジュールを車両の正位置で組み立てる各種の方法に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明実施例方法および装置の概要を説明する斜視図。
【図2】本発明実施例装置の斜視図(ホイールベースの長い車両)。
【図3】本発明実施例装置の斜視図(ホイールベースの短い車両)。
【図4】本発明実施例装置にアクスル・モジュールを搬入する形態の説明図。
【図5】本発明実施例装置にシャシ・フレームを搬入する形態の説明図。
【図6】本発明実施例装置の要部上面図(第一の支持台が固定された場合)。
【図7】本発明実施例装置の要部上面図(第一の支持台が固定されてない場合)。
【図8】本発明実施例装置の側面図(せり上げ前の状態)。
【図9】本発明実施例装置の側面図(せり上げた状態)。
【図10】本発明実施例装置のせり上げ機構を説明する構造図。
【図11】本発明実施例装置の側面図。
【符号の説明】
【0044】
1 第一の支持台
1f 前輪用第一の支持台
1r 後輪用第一の支持台
2 第二の支持台
3 エッジ
4 レール
5 ホイスト
6 枠体
7 操作端
8 ブラケット
9 シリンダ
10 油圧ユニット
11 アクスル・モジュール
12 シャシ・フレーム
13 クロスバ
14 空気圧ノズル
15 空気圧バルブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクスル・モジュールを第一の支持台に正位置に載置する第一の工程と、シャシ・フレームをこのアクスル・モジュールの上方に位置するように第二の支持台に正位置に載置する第二の工程と、前記第一の支持台を上昇させ前記アクスル・モジュールの取付け端を前記シャシ・フレームの取付け端に接近させる第三の工程とを含むことを特徴とするアクスル・モジュール取付け工法。
【請求項2】
前記第三の工程は、シリンダ手段を利用して前記第一の支持台を上昇させる工程を含む請求項1記載のアクスル・モジュール取付け工法。
【請求項3】
前記第三の工程は、ホバー手段を利用して前記第一の支持台を浮上させる工程を含む請求項1記載のアクスル・モジュール取付け工法。
【請求項4】
前記第三の工程は、シリンダ手段を利用して前記第一の支持台を上昇させた後に、さらにホバー手段を利用してその第一の支持台を浮上させる工程を含む請求項1記載のアクスル・モジュール取付け工法。
【請求項5】
アクスル・モジュールを正位置に載置するための第一の支持台と、この第一の支持台に載置されたアクスル・モジュールの上方に位置するようにシャシ・フレームを載置するための第二の支持台と、前記第一の支持台をアクスル・モジュールが載置された状態で前記シャシ・フレームへの取付け位置まで上昇させる上昇手段とを備えたことを特徴とするアクスル・モジュール取付け装置。
【請求項6】
前記第一の支持台は、前輪用アクスル・モジュールを搭載する前輪用支持台および後輪用アクスル・モジュール搭載する後輪用支持台がそれぞれ別に設けられ、前記上昇手段はその前輪用支持台およびその後輪用支持台にそれぞれに設けられるとともにそれぞれその上昇動作を個別に操作する手段を備えた請求項5記載のアクスル・モジュール取付け装置。
【請求項7】
前記前輪用支持台と前記後輪用支持台との間の距離を調節する手段を含む請求項6記載のアクスル・モジュール取付け装置。
【請求項8】
前記上昇手段はシリンダ手段を含む請求項6記載のアクスル・モジュール取付け装置。
【請求項9】
前記上昇手段はホバー手段を含む請求項6記載のアクスル・モジュール取付け装置。
【請求項10】
前記上昇手段は、シリンダ手段およびホバー手段をともに備え、そのシリンダ手段またはそのホバー手段の一方をそれぞれ個別に操作する操作手段を備えた請求項6記載のアクスル・モジュール取付け装置。
【請求項11】
前記第二の支持台は、その床面からの高さが前記アクスル・モジュールに装着されることになる車輪の半径より大きく、その床面に立つ作業者がその第二の支持台に載置されたシャシ・フレームにアクセスできる高さに設定された請求項6記載のアクスル・モジュール取付け装置。
【請求項12】
前記第二の支持台は、シャシ・フレームを構成する一対の長手方向部材を支持する二対の支持柱を含む請求項6記載のアクスル・モジュール取付け装置。
【請求項13】
前記二対の支持柱の間隔を調節する手段を含む請求項12記載のアクスル・モジュール取付け装置。
【請求項14】
前記二対の支持柱の間隔を調節する手段は、前記前輪用支持台と前記後輪用支持台との間の距離を調節する手段に連動させる手段を含む請求項13記載のアクスル・モジュール取付け装置。
【請求項1】
アクスル・モジュールを第一の支持台に正位置に載置する第一の工程と、シャシ・フレームをこのアクスル・モジュールの上方に位置するように第二の支持台に正位置に載置する第二の工程と、前記第一の支持台を上昇させ前記アクスル・モジュールの取付け端を前記シャシ・フレームの取付け端に接近させる第三の工程とを含むことを特徴とするアクスル・モジュール取付け工法。
【請求項2】
前記第三の工程は、シリンダ手段を利用して前記第一の支持台を上昇させる工程を含む請求項1記載のアクスル・モジュール取付け工法。
【請求項3】
前記第三の工程は、ホバー手段を利用して前記第一の支持台を浮上させる工程を含む請求項1記載のアクスル・モジュール取付け工法。
【請求項4】
前記第三の工程は、シリンダ手段を利用して前記第一の支持台を上昇させた後に、さらにホバー手段を利用してその第一の支持台を浮上させる工程を含む請求項1記載のアクスル・モジュール取付け工法。
【請求項5】
アクスル・モジュールを正位置に載置するための第一の支持台と、この第一の支持台に載置されたアクスル・モジュールの上方に位置するようにシャシ・フレームを載置するための第二の支持台と、前記第一の支持台をアクスル・モジュールが載置された状態で前記シャシ・フレームへの取付け位置まで上昇させる上昇手段とを備えたことを特徴とするアクスル・モジュール取付け装置。
【請求項6】
前記第一の支持台は、前輪用アクスル・モジュールを搭載する前輪用支持台および後輪用アクスル・モジュール搭載する後輪用支持台がそれぞれ別に設けられ、前記上昇手段はその前輪用支持台およびその後輪用支持台にそれぞれに設けられるとともにそれぞれその上昇動作を個別に操作する手段を備えた請求項5記載のアクスル・モジュール取付け装置。
【請求項7】
前記前輪用支持台と前記後輪用支持台との間の距離を調節する手段を含む請求項6記載のアクスル・モジュール取付け装置。
【請求項8】
前記上昇手段はシリンダ手段を含む請求項6記載のアクスル・モジュール取付け装置。
【請求項9】
前記上昇手段はホバー手段を含む請求項6記載のアクスル・モジュール取付け装置。
【請求項10】
前記上昇手段は、シリンダ手段およびホバー手段をともに備え、そのシリンダ手段またはそのホバー手段の一方をそれぞれ個別に操作する操作手段を備えた請求項6記載のアクスル・モジュール取付け装置。
【請求項11】
前記第二の支持台は、その床面からの高さが前記アクスル・モジュールに装着されることになる車輪の半径より大きく、その床面に立つ作業者がその第二の支持台に載置されたシャシ・フレームにアクセスできる高さに設定された請求項6記載のアクスル・モジュール取付け装置。
【請求項12】
前記第二の支持台は、シャシ・フレームを構成する一対の長手方向部材を支持する二対の支持柱を含む請求項6記載のアクスル・モジュール取付け装置。
【請求項13】
前記二対の支持柱の間隔を調節する手段を含む請求項12記載のアクスル・モジュール取付け装置。
【請求項14】
前記二対の支持柱の間隔を調節する手段は、前記前輪用支持台と前記後輪用支持台との間の距離を調節する手段に連動させる手段を含む請求項13記載のアクスル・モジュール取付け装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−35938(P2006−35938A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−215834(P2004−215834)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【出願人】(000005463)日野自動車株式会社 (1,484)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【出願人】(000005463)日野自動車株式会社 (1,484)
【Fターム(参考)】
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