説明

アクセスを制限した減圧システム及び方法

アクセスが限定されている位置における患者の組織部位に減圧を適用する減圧治療システム(100)であり、このシステムが、減圧源(120)と、組織部位近傍に配置して組織部位に減圧を分配するように動作可能な治療マニフォールド(310)と、組織部位の上に配置して組織部位の上に空気シールを形成するよう動作可能なシーリング部材(312)と、を具える。この減圧治療システムは、又、減圧ブリッジ(102)と、減圧ブリッジの少なくとも一部に設けた湿脱デバイス(216)を具える。この減圧ブリッジは、治療マニフォールドに減圧を移動させるように動作可能な送達マニフォールド(212)と、送達マニフォールドを少なくとも部分的に封入し、患者に対向する側部を有する封入エンベロープ(208)と、減圧ブリッジの一方の端部近傍に形成された減圧インターフェース部位(114)と、を具える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本発明は、2008年10月8日付で出願された米国仮特許出願第61/103,566号「患者の足などの肢に減圧をかけるシステム及び方法」の35USC119条(e)に規定する利益を請求するものであり、この出願はここにすべての目的で参照として組み入れられている。
【背景技術】
【0002】
本発明は、一般的に治療システムに関し、特に、アクセスを制限した減圧システム及び方法に関する。
【0003】
臨床研究と臨床診療は、組織部位の近傍への減圧の提供がその組織部位における新しい組織の成長を強化し促進することを示している。この現象のアプリケーションは数多くあるが、減圧の適用は創傷の治療で特に成功している。この治療(医学界ではしばしば、「負圧創傷治療」、「減圧治療」又は「真空治療」と呼ばれる)は、より速い治癒と、肉芽組織の形成の強化を含めて、様々な利点を提供する。特に記載しない限り、ここで用いる「又は」は、相互排他性を要するものではない。
【0004】
アクセスが制限されている位置に減圧を提供することは困難であった。アクセスが制限されている困難な位置の一つは、患者の脚の裏(足底)、あるいはケアが困難なその他の身体構造位置である。アクセスが制限されている位置に関連する例は、長靴又は取り外し可能な歩行器などの開放デバイスの内部である。アクセスが制限されている位置の別の例は、寝たきりの患者の背部組織部位である。その他の例には、圧迫帯下の組織部位や、脚の仙骨の創傷がある。
【発明の概要】
【0005】
現在の減圧治療デバイス及びシステムの問題点は、以下に述べる実施例のシステム、装置、及び方法によって解決される。図に示す実施例によれば、患者のアクセスが制限されている位置の組織部位に減圧を適用する減圧治療システムは、減圧源と、その組織部位近傍に配置し、組織部位に減圧を分配するように動作可能な治療マニフォールドと、その組織部位の上に空気シールを形成するように動作可能なシーリング部材を具える。この減圧治療システムはまた、減圧ブリッジを具え、これは減圧を治療マニフォールドに送るように動作可能な送達マニフォールドと、この送達マニフォールドを少なくとも部分的に封入し、患者に対向する側部を有する封入エンベロープと、減圧ブリッジの一方の端部近傍に形成した減圧インターフェース部位を具える。減圧治療システムはまた、脱湿デバイスを具える。
【0006】
別の実施例によれば、遠隔部位から減圧ドレッシングへと減圧を送達する減圧ブリッジが、減圧を伝達するよう動作可能な送達マニフォールドと、この送達マニフォールドを少なくとも部分的に封入し、患者に対向する部位を有する封入エンベロープとを具える。減圧インターフェース部位は、減圧ブリッジの第2の端部近傍に形成されている。封入エンベロープは、封入エンベロープの患者に対向する側部に形成された第2の開口を有する。減圧ブリッジはまた、この封入エンベロープの少なくとも一部に脱湿デバイスを具える。
【0007】
更に別の実施例によれば、アクセスが制限されている位置における組織に減圧を送達する方法が、第1のマニフォールドを創傷近傍に配置するステップと、この第1のマニフォールド上にシーリング部材を配置するステップとを具える。組織部位へ減圧を送達するこの方法は、更に、第1の端部及び第2の端部を有する減圧ブリッジを提供するステップを具える。この減圧ブリッジは、第1の端部近傍の第2の開口と、脱湿デバイスと、第2のマニフォールドとを有する。組織部位へ減圧を送達するこの方法は、更に、減圧ブリッジの第2の端部へ減圧インターフェースを連結するステップと、減圧ブリッジの第1の端部を、第1の開口とほぼ整列した第2の開口を有するシーリング部材の少なくとも一部の上に配置するステップとを具える。第1のマニフォールドは、患者に対向する側部を有する封入エンベロープで少なくとも部分的に封入されていてもよい。組織部位への減圧送達方法は、更に、減圧送達インターフェースに減圧源を流体連結するステップを具えていても良い。
【0008】
別の実施例によれば、減圧治療キットが、減圧ブリッジと、減圧インターフェースと、減圧送達管と、マニフォールドユニットと、有孔シーリングシートとを具える。このマニフォールドユニットは、複数の予め形成した治療マニフォールドを具える。有孔シーリングシートは、複数の固定ストリップとシーリング部材に分けるように作用する。
【0009】
これらの実施例の、その他の目的、特徴、及び利点は、図面と以下に述べる詳細な説明を参照して明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、減圧ブリッジを用いた減圧治療システムを、一部をブロック図として示す斜視図である。
【図2】図2Aは、減圧ブリッジの平面図であり、図2Bは、図2Aに示す減圧ブリッジの分解斜視図であり、図2Cは、図2Aに示す減圧ブリッジの2C−2C線に沿った断面図であり、図2Dは、代替の減圧ブリッジを示す断面図である。
【図3】図3は、減圧インターフェースと連結されている減圧ブリッジを示す斜視図である。
【図4】図4は、減圧インターフェースを内蔵した図3に示す減圧ブリッジの平面図である。
【図5】図5は、ベッド上の患者の腹部横断面上に示す、減圧ブリッジを使用した減圧治療システムを示す図である。
【図6】図6は、アクセスが制限されている組織部位に使用する減圧治療キットの実施例を示す図である。
【図7】図7Aは、マニフォールドユニットの斜視図であり、図7Bは、図7Aに示すマニフォールドユニットの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の実施例の詳細な説明において、この説明の一部を成す添付図面を参照する。これらの実施例は、当業者が本発明を実施するのに十分に詳細に記載されており、その他の実施例を使用することができ、本発明の精神と範囲から離れることなく、論理構造的、機械的、電気的、化学的変更を行うことができると解するべきである。不要な詳細をなくすために、当業者が個々に述べた実施例を実施できるように、この記載は当業者に公知の所定の情報を省くことができる。以下の詳細な説明は、従って、限定の意味に解するべきではなく、本実施例の範囲は特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0012】
図1を参照すると、減圧治療システム100の一実施例が記載されている。この減圧治療システム100は、減圧ブリッジ102の一実施例を有する。減圧ブリッジ102は、組織部位104、及び特にアクセスが制限されている組織部位の減圧治療を容易にするものであり、この図においては、この部位は患者の脚106の足の裏(足底)の上であり、また、例えば開放ブーツ108(破線で示す)などの開放デバイスの内部である。減圧治療システム100は、非制限アクセス部位あるいは制限されているアクセス部位に使用することができる。その他の制限されているアクセス部位の例は、圧迫帯の下にある患者の背部、全身コンタクトキャスティング(TCC:total contact casting)、取り外し可能な歩行器、治療用サンダル、半靴、短下肢装具、その他を装着した部位を含む。減圧治療システム100は、骨組織、脂肪組織、筋組織、皮膚組織、脈管組織、結合組織、軟骨、腱、靱帯、あるいはその他の組織を含む、ヒト、動物、あるいはその他の生命体の身体組織に使用することができる。
【0013】
減圧ブリッジ102は、アクセスが制限されている組織部位104に供給される低プロファイルの減圧源を提供しており、これによって、患者の快適さを増すとともに、アクセスが制限されている部位104への減圧供給の信頼性を高めることができる。減圧ブリッジ102が低プロファイルであるため、減圧ブリッジ102は開放されたデバイスに容易に使用することができる。このように、減圧ブリッジ102によって、患者は減圧治療と開放された物理的圧力の両方の利益を得ることができる。更に以下に述べるように、減圧ブリッジ102は、例えば、図2Bに示す脱湿デバイス216などの脱湿デバイスを具えていても良く、このデバイスが、患者の皮膚から湿気を除去して患者の皮膚の浸軟を防ぐことができる。
【0014】
減圧ブリッジ102は、アクセスが制限されている組織部位104の近傍に配置した第1の端部110と、第2の端部112を有する。第2の端部112は、減圧インターフェース部位114を有し、減圧インターフェース116を受けている。このインターフェースは、テキサス州サンアントニオ所在のKinetic Concepts,Inc.製のTRAC Pad(登録商標)インターフェースや、Sensa T.R.A.C.(商標)パッドインターフェースなどのポートであってもよい。第2の端部112は、通常、患者の上あるいは近傍の位置に配置されており、減圧インターフェース部位114へ減圧を適用するのに便利な位置といった、ヘルスケア提供者による便利なアクセスを提供している。例えば、開放されたブーツ108などの開放デバイスを使用する場合は、減圧ブリッジ102は組織部位から開放デバイスの外側の場所へ延在するであろう。減圧ブリッジ102の実際の長さ(L)は、特別な開放されたデバイスあるいはアプリケーションとの使用をサポートするように、変更することができる。
【0015】
減圧送達管118は、減圧インターフェース116を減圧源120に流体連結できる。減圧源120は、真空ポンプ又は壁面吸い込みなど、減圧を供給するデバイスまたは手段であればどのようなものでも良い。ある部位に適用される減圧の量と性質はアプリケーションに応じて異なるが、減圧は、通常−5mmHg乃至−500mmHgの間であるか、より典型的には、−25mmHg乃至−200mmHgの間である。図1に示すような、歩行可能な患者の脚の上における減圧ブリッジ102の縦方向のアプリケーションには、適正な流体を確実に流すには特別な最小の減圧が必要である。例えば、一の実施例では、少なくとも−125mmHgの減圧が最小の減圧として推奨されているが、異なる状況では、その他の圧力が好適である。ここで使用されているように、「減圧」とは、一般的に、治療を受けている組織部位における周囲圧力より低い圧力を意味する。ほとんどの場合、この減圧は患者が位置しているところの大気圧より低い。代替的に、減圧は組織部位における静水圧より低くても良い。特に記載がない限り、ここに述べた圧力値はゲージ圧である。「真空」及び「負圧」の用語は、組織部位に適用した圧力を述べるのに使用することができるが、組織部位に実際に適用される圧力は通常完全な真空に付随する圧力より大きい。本明細書における使用によれば、減圧あるいは真空の上昇は、通常、絶対圧力における相対的減少を意味する。一の実施例では、テキサス州サンアントニオ所在のKinetic Concepts,Inc.製のV.A.C.(登録商標)治療ユニットを減圧源120として使用することができる。
【0016】
アプリケーションに応じて、複数のデバイスを減圧送達管118に流体連結することができる。例えば、流体キャニスタ122又は代表的デバイス124が含まれる。代表的デバイス124は、除去した滲出液とその他の流体を保持する別の流体リザーバまたはキャニスタであっても良い。減圧送達管118上に設けることができるデバイス124のその他の例には、以下の非限定的な例が含まれる:圧力フィードバックデバイス、体積検出システム、血液検出システム、感染症検出システム、流体モニタリングシステム、温度モニタリングシステム、フィルタ、その他。これらのデバイスのいくつかは、減圧源120と一体的に形成することができる。例えば、減圧源120の減圧ポート126が、例えば、臭気フィルタなどの一またはそれ以上のフィルタを含むフィルタ部材を具えていても良い。
【0017】
図2A乃至2Cを参照すると、減圧ブリッジ200が示されている。この減圧ブリッジ200は、第1の端部202と第2の端部204を有する。減圧ブリッジ200の第1の端部202は、第1のマニフォールド、あるいは治療マニフォールド(例えば、図5に示す治療マニフォールド310)に減圧を提供するように構成されており、第2の端部204は、減圧インターフェース部位206を有する。
【0018】
図2Bを主に参照すると、減圧ブリッジ200を形成している層が示されている。第1の封入部材210は、減圧ブリッジ200の第1の側部208上にある。第1の封入部材210は、第2の端部204近傍に形成した開口211を有していても良い。第2のマニフォールド又は送達マニフォールド212は、第1の封入部材210近傍に配置されている。第2の封入部材214は、送達マニフォールド212の第2の部位近傍に配置されている。第2の封入部材214には、第1の端部202近傍に開口213が形成されている。脱湿デバイス216は、第2の封入部材214の近傍に配置されており、図に示す実施例では、これはウイッキング層218である。解放可能な裏打ち部材又は解放ライナ220を第1の端部202上に設けて、以下に更に説明するように、接着剤で解放可能に被覆するようにしても良い。解放可能な裏打ち部材220に、第2の封入部材214の開口213と整列する開口222を設けるようにしてもよい。
【0019】
送達マニフォールド212は、減圧を伝達できる材料であればどのようなものでも良い。一の実施例では、送達マニフォールド212は、テキサス州サンアントニオ所在のKinetic Concepts,Inc.製のGranuFoam(登録商標)材などの、フォーム材である。送達マニフォールド212は、治療マニフォールド(例えば、図5に示す治療マニフォールド310)と同じ材料で形成することができる。送達マニフォールド212は、3乃至20mm、5乃至10mm、6乃至7mm、その他の範囲の厚さといった、どのような厚さを有していても良い。送達マニフォールド212の厚さを変化させて、組織部位の圧力点を最小にするか、あるいはなくすようにしても良い。送達マニフォールド212の厚さは、また、組織部位からの流体除去をサポートして、キャニスタ(例えば、図1に示す流体キャニスタ122)に移すように選択することもできる。
【0020】
第1の封入部材210と第2の封入部材214は、第1の封入部材210と第2の封入部材214で形成された第1の封入エンベロープ229内での減圧維持を容易にするものであれば、どのような材料であってもよい。一の実施例では、第1の封入部材210と第2の封入部材214は、ポリウレタンフィルムを含むが、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリブタジエン、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマ、クロロスルフォネートポリエチレン、ポリスルフィドゴム、ポリウレタン、EVAフィルム、コポリエステル、シリコーン、3M Tegaderm(登録商標)ドレープ材、またはAvery社から入手可能なものなどのアクリルドレープ材、など、あらゆる好適なドレープ材を容易に使用することができる。これらは、非限定的な例である。
【0021】
ここで、図2Aと2Cを主に参照すると、第1の封入部材210の周辺部分224と、第2の封入部材214の周辺部分226が、RF溶接228などによって連結されて、第1の封入エンベロープ229を形成している。ここで用いられているように、「連結」の用語は、別の物体を介して連結することを含むとともに、直接的な連結を含む。「連結」の用語は、互いに連続している2またはそれ以上の構成要素であって、同じ材料片からできている各構成要素によって連続しているものを含む。また、「連結」の用語は、化学的、機械的、あるいは熱的連結を含む。流体連結とは、流体が所定の部分あるいは位置の間で連通することを意味する。第1の封入部材210と第2の封入部材214は、限定することなく、溶接(例えば、超音波溶接あるいはRF溶接)、結合、接着、セメント、その他を含む何らかの技術を用いて連結することができる。第1の封入エンベロープ229は、送達マニフォールド212を完全に封入することができる。湿脱デバイス216は、何らかの技術を用いて、第1の封入エンベロープ229の少なくとも一部に連結することができる。ウイッキング層は、第1の封入エンベロープ229の第2の封入部材214の患者に対向する面230に連結することができる。
【0022】
湿脱デバイス216は、患者の皮膚から例えば汗などの水分を吸引して、患者の皮膚の浸軟を防ぎ、快適さを強化する。ウイッキング層218の延長部は横方向(幅)と縦方向(長さ)に変化させることができる。例えば、ウイッキング層218は、患者に対向する第2の封入部材24を100%、あるいは90%、80%、70%、60%、50%を超えて覆うことができる。ウイッキング層218は、水分がより容易に蒸発する場所へと水分を吸引する。図2A乃至2Cに示す実施例では、湿脱デバイス216がウイッキング層218である。例えば、ウイッキング層218は、布材のドレープ、不織布、デンマークのColoplast A/S社から入手できる、InterDry(登録商標)AG材という名称で販売されているもの、GORTEX(登録商標)材、DuPont Softesse(登録商標)材、その他のニットポリエステル織テキスタイル材であってもよい。
【0023】
ここで図2Dを参照すると、湿脱デバイス216の代替の実施例が示されている。この実施例では、第3の封入部材232が、複数の開口または穿孔234と共に提供されている。第3の封入部材232は、第3のマニフォールド236のすべてあるいは少なくとも一部、あるいはコンフォートマニフォールドを覆っている。第3の封入部材232の周辺部分も、RF溶接228などの技術によって連結されている。第3の封入部材232は、第2の封入部材214と共働して第2の封入エンベロープ238を形成している。操作に際しては、第2の封入部材214内に減圧が供給され、患者の皮膚に付着しているあらゆる流体を複数の開口234を介して、第3のマニフォールド236へ吸引し、例えば、キャニスタなどの別のところへ送達して保存するか、あるいは廃棄する。
【0024】
湿脱デバイス216の更に別の代替実施例では、負圧源に水蒸気透過材料を空気式に連結して、減圧ブリッジ200近傍で活発な除去を行う。更に別の実施例では、第2の封入部材214の上に開口を形成して、第1の封入エンベロープ229内を減圧にして送達マニフォールド212内へ流体を吸引する。湿脱デバイスの更に別の実施例では、第2の封入部材214に開口が形成されており、第1の封入エンベロープ229内を減圧にして、送達マニフォールド212内に流体を吸引しており、この開口に減圧バルブを設けて、減圧がない時は開口を閉じるようにしても良い。
【0025】
再び図2A乃至2Cを主に参照すると、減圧ブリッジ200は、長さ(L)、幅(W)、厚さ(T)を有する。減圧ブリッジ200は、例えば、できる限り小さい寸法Tといった、低プロファイルであることが好ましい。非限定的な例では、Tは30mm、20mm、15mm、10mm、5mmあるはそれより小さくともよい。別の実施例では、Tはどのようなサイズでも良い。更に、減圧ブリッジ200の快適性あるいは機能を、幅より長さが大きい寸法を含め、長さ(L)対幅(W)の比で強化するようにしても良い。例えば、一の実施例では、この関係は、L>2Wである。別の実施例では、この関係は、L>6Wである。別の実施例では、この関係は、L>12Wである。別の実施例では、この関係は、L>15Wである。別の実施例では、Lが約668mmであり、Wが約56mmである。
【0026】
ここで、図3を参照すると、減圧ブリッジ200が、減圧インターフェース240と共に、減圧ブリッジ200の減圧インターフェース部位206にまさに連結しようとしている状態で示されている。第1の封入部材210の開口211は、減圧インターフェース240の中央部分にほぼ整列して、流体連結を提供している。減圧送達管242が減圧インターフェース240の一方の端部に連結されており、他方の端部は減圧源(図示せず)への連結を容易にするフィッティング244を有している。制限クリップ又はクランプ246と、視覚表示フラグ248も、減圧送達管242の一部に設けられている。図4は、減圧インターフェース部位206に連結された減圧インターフェース240を伴う平面図である。
【0027】
ここで、図5を参照すると、減圧治療システム300が示されている。減圧治療システム300は、患者の背部304の組織部位302を治療するように展開されて示されている。患者が寝たきりである場合、患者の背部304はベッド306の一部に押し付けられている。このような場合、減圧ブリッジ308、あるいは、減圧治療システム300の一部としての移送部材の使用は、患者にとって特別な利点がある。減圧ブリッジ308は、上述した減圧ブリッジ200と類似している。
【0028】
治療マニフォールド310は、組織部位302の近傍に配置されている。患者に対向する側部に取付デバイス314を有するシーリング部材312が、治療マニフォールド310の上に配置されている。ここで用いている「マニフォールド」の用語は、一般的に、減圧を分配し、流体を送達するのに使用できる物質又は構造を意味する。治療マニフォールド310は、通常、治療マニフォールド310の周囲の組織部位302に設けられ、この組織部位から除去された流体の分配を改善するように相互連結された複数のフローチャネルまたは経路を具える。治療マニフォールド310は、生体適合材料であり、組織部位302に接触して配置されており、組織部位302へ減圧を分配することができる。治療マニフォールド310の例には、例えば、限定することなく、例えば、発泡フォーム、連続気泡フォーム、多孔性組織集合体、液体、ゲル、及び、フローチャネルを含む又は含むように強制したフォーム、などでできたフローチャネルを形成するように構成されている。治療マニフォールド310は多孔性であっても良く、フォーム、ゲージ、フェルトマット、あるいは特定の生体アプリケーションに適したその他の材料でできていても良い。一の実施例では、治療マニフォールド310は、多孔フォームであり、フローチャネルとして作用する複数の相互に連結したセルまたはポアを具えている。多孔性フォームは、ポリウレタン、開放セル、テキサス州サンアントニオ所在のKinetic Concepts,Inc.製のGranuFoam(登録商標)材などの網状フォームであってもよい。いくつかの場合、治療マニフォールド310を、薬剤、抗菌材、成長ファクタ、及び様々な溶液などの流体を、組織部位302へ分配するのにも使用することができる。
【0029】
取付デバイス314を使用して、患者の上皮、またはガスケットや追加のシーリング部材などの別の層に対してシーリング部材312を保持することができる。取付デバイス314は、例えば、医療的に受け入れ可能な感圧接着剤、セメント、親水コロイドなど、様々な形態をとることができる。
【0030】
シーリング部材312と取付デバイス314には、第1の開口318が形成されている。シーリング部材312は、空気シールを提供するものであれば、どのような材料であっても良い。シーリング部材は、例えば、約20ミクロンより小さいポアサイズで、不浸透性または半浸透性のエラストマ材料であっても良い。「エラストマ」とは、エラストマ特性を有することを意味する。エラストマ材料、あるいはエラストマは、一般的に、ゴム状特性を有するポリマ材を意味する。すなわち、ほとんどのエラストマは、100%を超える伸長速度と、有意な弾力性を有する。材料の弾力性とは、材料の弾性変形から回復する能力を意味する。エラストマの例には、限定するものではないが、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレンブタジエンゴム、クロロピレンゴム、ポリブタジエン、ニトリゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマ、クロロスルフォネートポリエチレン、ポリスルフィドゴム、ポリウレタン、EVAフィルム、コポリマ、及びシリコーンが含まれる。シーリング部材材料の特別な例には、シリコーンドレープ、3M Tegaderm(登録商標)ドレープ、Avery Dennison社から入手できるものなどのアクリルドレープ、あるいは切りこみのあるドレープが含まれる。
【0031】
減圧ブリッジ308は、第1の端部320と第2の端部322を有する。第1の封入部材324は、第2の封入部材326に連結されて、封入エンベロープ328を形成している。第1の封入エンベロープ328は、少なくとも部分的に、送達マニフォールド330を封入する。第2の封入エンベロープ326は、第1の端部320近傍に第2の開口332を有している。第2の開口332は、第1の開口318に整列する寸法と構成を有する。減圧インターフェース334は、減圧インターフェース部位336に流体連結されている。減圧インターフェース334は、第3の開口338に流体連結されている。減圧送達管340は、減圧源(図示せず)を減圧インターフェース334に流体連結している。湿脱デバイス342が封入エンベロープ328の患者に対向する側部と、特に第2の封入部材326に連結されている。
【0032】
ここで、図6を参照すると、アクセスが制限されている組織部位に使用する減圧治療キット400の一実施例を概略図が示されている。減圧治療キット400は、組織部位、特にアクセスが制限されている組織部位への減圧の組織化された効率のよい適用を容易にする。減圧治療キット400は、ヘルスケア提供者によって開封される、密封したパッケージ又は容器を具えていても良い。減圧治療治療キット400は、減圧ブリッジ402と、減圧インターフェース404と、減圧送達管408と、ルーラ416と、マニフォールドユニット418と、有孔シーリングシート420、あるいはこれらの任意の組み合わせを具えていても良い。ルーラ416を用いて、創傷の寸法に形成し、創傷へのアクセスを助けるその他の情報を提供するようにしても良い。
【0033】
減圧ブリッジ402は、上述した減圧ブリッジ102、200、及び308に類似している。減圧ブリッジ402は、第1の端部403と第2の端部405を有する。減圧インターフェース404は、減圧ブリッジ402の減圧インターフェース部位406に連結することができる。減圧送達管408は、減圧インターフェース404に連結することができる。減圧送達管408は、視覚表示フラグ又はラベル410と、制限クリップまたはクランプ412を具えていても良い。フィッティング414が減圧送達管408の一方の端部に連結されており、減圧源(図示せず)への連結を容易にしている。減圧治療キット400に提供されているように、減圧ブリッジ402がすでに封入されていることで、容易に適用できるとともに、減圧ブリッジ402の展開に要する仕事を最小にすることができる。
【0034】
有孔シーリングシート420は、患者に対向する側部に接着剤を有しており、開放可能な裏打ち材、又は解放ライナを有しており、適用の準備が整うまで接着剤を覆っている。例えば、正中線の孔422などの複数の孔が、ヘルスケア提供者が有孔シーリングシート420を容易に引きはがして新しい部材を形成する位置を提供している。このように、例えば、正中線の孔422の一部、第1の縦方向の孔424、及び端部の孔426の一部を引き裂いて、開口430を有する第1のシーリング部材428を形成することができる。このシーリング部材428を用いて、治療マニフォールドを適所に固定することができる。その他の縦方向の孔432を引き裂いて、以下に更に述べるように、減圧ブリッジ402を適所に保持するのに使用される固定ストリップ434を形成することができる。
【0035】
図7A及び7Bにも示されているマニフォールドユニット418は、マニフォールド材でできている。例えば、マニフォールドユニット418はテキサス州サンアントニオ所在のKinetic Concepts,Inc.製のGranufoam(登録商標)材などの、網状フォームで形成することができる。マニフォールドユニット418は、複数の予めカットされたマニフォールド構成部材を有しており、これを使用することができる。例えば、第1の治療マニフォールド436が形成されており、容易に切り離すことができる連結ステム438を有する。例えば、第2の治療マニフォールド440や、第3の治療マニフォールド442といった、様々な追加の治療マニフォールドを設けることができる。マニフォールドユニット418の中央部分は、予めカットした部分444を有しており、これは、切り離すまでマニフォールドユニット418を互いに保持するのに用いられる小さなタグ又は部分446を除いて、そこを通る経路が全て切れている。例えば、ステム438などのステムを切り離すとともに、タグ446を切り離すと、二つのマニフォールドブロック448と450ができる。
【0036】
ここで、図5及び図6を主に参照して、減圧治療システム300などの減圧治療システムの展開について述べる。他のドレッシングの除去と、創傷と創傷周辺領域の清拭によって、創傷または組織部位(例えば、図5に示す組織部位302)をまず作成する。創傷または組織は、サイズと状態について評価することができる。
【0037】
正中線の孔422などの、有孔シーリングシート420の孔を引き裂く。孔を引き裂くことで、開口430と、複数の固定ストリップ434と、追加のシーリング部材429を有するシーリング部材428ができる。
【0038】
治療マニフォールド(例えば、図5に示す治療マニフォールド310)は、例えば創傷などの組織部位近傍に配置される。そのサイズによっては、ヘルスケア提供者は、第1の治療マニフォールド436と、第2の治療マニフォールド440を、あるいは第3の治療マニフォールド442を、減圧治療キット400のマニフォールドユニット418から切り離すことができる。サイズが著しく異なる場合は、マニフォールドブロック448、450の一方からカスタム治療マニフォールドを切り取ることができる。適正なサイズの治療マニフォールドが組織部位の近傍に配置される。一又はそれ以上の治療マニフォールドを使用する場合は、その数を視覚表示フラッグ410に記録しておくようにしても良い。次いで、シーリング部材428を創傷または組織部位302の上に、その上の中央にある開口430を用いて取り付ける。シーリング部材428は、まず、適切なサイズにトリミングを行う必要があり、一の実施例では組織部位の周りに3乃至5mmのボーダーを設ける。シーリング部材428を取り付けるには、解放ライナを取り除いて無傷の上皮の一部に接着剤を配置する。これは、図5において上皮にシーリング部材312を取り付けるのに使用されている取付デバイス314に類似している。次いで、例えば、減圧ブリッジ402などの減圧ブリッジをインストールする。
【0039】
解放ライナ(例えば、図2Bに示す解放ライナ220)を取り外して、減圧ブリッジ402の第1の端部403上に接着剤を露出させ、減圧ブリッジ402の開口(例えば、図2Bに示す開口213)を、シーリング部材428(例えば図5に示すシーリング部材312)の開口430にほぼ整列させて、次いで、第1の端部403をシーリング部材428に対して押しつける。減圧ブリッジ402の第2の端部405は、従来の位置に配置され、固定ストリップ434を用いて減圧ブリッジ402を所望の位置と、所望の位置の間のポイントに固定する。減圧ブリッジ402が所望するよりも長い場合は、「Z」字状に折りたたんだ形状のものを減圧ブリッジ402に加えて、有効長を短くすることができる。
【0040】
次いで、減圧源(例えば、図1に示す減圧源120)を提供して、減圧送達管408のフィッティング414を減圧源へ、あるいは減圧を供給する別の管に連結することができる。減圧源はそれから有効とすることができる。
【0041】
所定の非限定的な実施例に基づいて本発明とその利点を開示したが、特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲から外れることなく、様々な変更、入替、置換、及び交替を行うことができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者のアクセスが制限されている位置における組織部位へ減圧を適用する減圧治療システムにおいて、当該システムが:
減圧を供給するように動作可能な減圧源と;
前記組織部位近傍に配置して前記組織部位に減圧を分布するよう動作可能な治療マニフォールドと;
前記組織部位の上に配置し、前記組織部位の上に空気シールを形成するよう動作するシーリング部材であって、第1の開口を有するシーリング部材と;
第1の端部及び第2の端部を有する減圧ブリッジと;を具え、
当該減圧ブリッジが:
減圧を前記治療マニフォールドに移送するように動作可能な送達マニフォールドと;
前記送達マニフォールドを少なくとも部分的に封入し、患者に対向する側部を有する第1の封入エンベロープと;
前記減圧ブリッジの第2の端部近傍に形成した減圧インターフェース部位と;
前記第1の封入エンベロープの患者に対向する側部に形成した第2の開口であって、前記減圧が当該第2の開口を介して前記組織部位に移送される、第2の開口部位と;
前記第1の封入エンベロープの少なくとも一部にある脱湿デバイスと;
を具えることを特徴とする減圧治療システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記第1の封入エンベロープが:
第1の周辺部位を有する第1の封入部材と;
第2の周辺部位を有する第2の封入部材と;を具え、
前記第1の周辺部位が、前記送達マニフォールドが前記第1の封入部材と前記第2の封入部材とによって少なくとも部分的に封入されるように、前記第2の周辺部位に連結されていることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムが更に、前記減圧インターフェース部位に連結された減圧インターフェースを具え、前記減圧源が当該減圧インターフェースに流体連結されていることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記脱湿デバイスが前記第1の封入エンベロープの患者に対向する側部にウイッキング材を具え、当該ウイッキング材が遠隔位置にある組織部位に接触し、当該遠隔位置にある組織部位から液体を吸収するように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のシステムにおいて、前記ウイッキング材が前記第1の封入エンベロープの長さに沿って延在していることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記湿脱デバイスが、コンフォートマニフォールドと、前記第1の封入エンベロープに連結されて、第2の封入エンベロープを形成する第3の封入部材とを具え、前記第2の封入エンベロープが前記コンフォートマニフォールドの少なくとも一部を封入し、前記第3の封入部材が複数の開口を有することを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記第1の封入エンベロープがポリウレタン材でできていることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムが更に:
前記シーリング部材の患者に対向する側部上の第1の接着剤と;
前記シーリング部材と前記第1の封入エンベロープとの間に配置した第2の接着剤であって、前記第1の接着剤が前記シーリング部材を前記患者に連結するように動作可能であり、前記第2の接着剤が前記シーリング部材を前記第1の封入エンベロープに連結するように動作可能である、第2の接着剤と;
を具えることを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムが更に:
前記第1の接着剤を覆う解放可能な裏打ちであって、前記第1の接着剤を露出させるように取り外し可能である裏打ちを具えることを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項8に記載のシステムにおいて、前記第1の接着剤と前記第2の接着剤とが、アクリル接着剤でできていることを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記減圧ブリッジが、前記組織部位から遠隔位置へ延在する長さ(L)を有し、ここで、L>120mmであることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記減圧ブリッジが、前記組織部位から遠隔位置へ延在する長さ(L)を有し、ここで、L>200mmであることを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記減圧ブリッジが長さ(L)と幅(W)を有し、ここで、L>(4W)であることを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記送達マニフォールドがフォーム材であることを特徴とするシステム。
【請求項15】
遠隔部位から組織部位へ減圧を送達する減圧ブリッジにおいて、当該減圧ブリッジが:
前記減圧を移動させるように動作可能な送達マニフォールドと;
前記送達マニフォールドを少なくとも部分的に封入し、患者に対向する側部を有する第1の封入エンベロープと;
前記減圧ブリッジの第2の端部近傍に形成された減圧インターフェース部位と;
前記第1の封入エンベロープの患者に対向する側部に形成された第2の開口であって、減圧を当該第2の開口を介して前記組織部位へ移送可能である、第2の開口と;
前記第1の封入エンベロープの少なくとも一部の上にある湿脱デバイスと;
を具えることを特徴とする減圧ブリッジ。
【請求項16】
請求項15に記載の減圧ブリッジにおいて、前記湿脱デバイスが、前記第1の封入エンベロープの患者に対向する側部上にウイッキング部材を具え、当該ウイッキング部材が遠隔組織部位に接触して当該遠隔組織部位から液体を吸収するように構成されていることを特徴とする減圧ブリッジ。
【請求項17】
請求項15に記載の減圧ブリッジにおいて、前記第1の封入エンベロープが:
第1の周辺部分を有する第1の封入部材と;
第2の周辺部分を有する第2の封入部材と;を具え、
前記第1の周辺部分が前記第2の周辺部分に、前記送達マニフォールドが前記第1の封入部材と前記第2の封入部材とによって少なくとも部分的に封入されるように連結されていることを特徴とする減圧ブリッジ。
【請求項18】
請求項17に記載の減圧ブリッジにおいて、前記第1の封入部材と前記第2の封入部材がポリウレタン材でできていることを特徴とする減圧ブリッジ。
【請求項19】
請求項16に記載の減圧ブリッジにおいて、前記ウイッキング材が布材のドレープを具えることを特徴とする減圧ブリッジ。
【請求項20】
請求項16に記載の減圧ブリッジにおいて、前記ウイッキング材が不織布でできていることを特徴とする、減圧ブリッジ。
【請求項21】
請求項16に記載の減圧ブリッジにおいて、前記ウイッキング材が前記第1の封入エンベロープの患者に対向する側部の少なくとも50%を覆うことを特徴とする減圧ブリッジ。
【請求項22】
請求項16に記載の減圧ブリッジにおいて、前記ウイッキング材が前記第1の封入エンベロープの患者に対向する側部の少なくとも70%を覆うことを特徴とする減圧ブリッジ。
【請求項23】
請求項16に記載の減圧ブリッジにおいて、前記ウイッキング材が前記第1の封入エンベロープの患者に対向する側部の少なくとも80%を覆うことを特徴とする減圧ブリッジ。
【請求項24】
請求項16に記載の減圧ブリッジにおいて、前記ウイッキング材が前記第1の封入エンベロープの長さに沿って延在していることを特徴とする減圧ブリッジ。
【請求項25】
請求項15に記載の減圧ブリッジにおいて、前記湿脱デバイスが、コンフォートマニフォールドと、前記患者に対向する側部の上で前記コンフォートマニフォールドの少なくとも一部を封入する第3の封入部材と、を具え、当該第3の封入部材が複数の開口を有することを特徴とする減圧ブリッジ。
【請求項26】
請求項15に記載の減圧ブリッジにおいて、前記減圧ブリッジが長さ(L)を有し、ここで、L>120mmであることを特徴とする減圧ブリッジ。
【請求項27】
請求項15に記載の減圧ブリッジにおいて、前記減圧ブリッジが長さ(L)を有し、ここで、L>200mmであることを特徴とする減圧ブリッジ。
【請求項28】
請求項15に記載の減圧ブリッジにおいて、前記減圧ブリッジが長さ(L)と、幅(W)を有し、ここで、L>(4W)であることを特徴とする減圧ブリッジ。
【請求項29】
請求項15に記載の減圧ブリッジにおいて、前記送達マニフォールドがフォーム材であることを特徴とする減圧ブリッジ。
【請求項30】
アクセスが制限されている位置における組織部位に減圧を送達する方法において、当該方法が:
創傷の近傍に第1のマニフォールドを配置するステップと;
前記第1のマニフォールドの上に、第1の開口を有するシーリング部材を配置するステップと;
第1の端部と第2の端部を有する減圧ブリッジであって、前記第1の端部近傍に第2の開口を有するとともに、第2のマニフォールドと、湿脱デバイスを有する減圧ブリッジを提供するステップと;
減圧インターフェースを前記減圧ブリッジの第2の端部に連結するステップと;
前記減圧ブリッジの第1の端部を、前記第1の開口にほぼ整列した第2の開口を有する前記シーリング部材の少なくとも一部に配置するステップと;
減圧源を前記減圧インターフェースに流体連結するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法において、前記湿脱デバイスがウイッキング層を具えることを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項30に記載の方法において、前記湿脱デバイスが、コンフォートマニフォールドと、当該コンフォートマニフォールドの少なくとも一部を前記減圧ブリッジの患者に対向する側部の上で封入する封入部材とを具え、前記封入部材が複数の開口を有することを特徴とする方法。
【請求項33】
減圧治療キットにおいて、当該減圧治療キットが:
減圧インターフェースと;
減圧送達管と;
複数の予め形成した治療マニフォールドを有するマニフォールドユニットと;
複数の固定ストリップとシーリング部材に分離するよう操作可能な有孔シーリングシートと;
減圧ブリッジと;を具え、
当該減圧ブリッジが:
前記治療マニフォールドに減圧を移動させるよう操作可能な送達マニフォールドと;
前記送達マニフォールドを少なくとも部分的に封入し、患者に対向する側部を有する第1の封入エンベロープと;
前記減圧ブリッジの第2の端部近傍に形成された減圧インターフェース部位と;
前記第1の封入エンベロープの患者に対向する側部に形成された開口であって、減圧が前記第2の開口を介して組織部位に移動する開口と;
前記第1の封入エンベロープの少なくとも一部にある湿脱デバイスと;
を具えることを特徴とする減圧治療キット。
【請求項34】
請求項33に記載の減圧治療キットが、更にルーラを具えることを特徴とする減圧治療キット。
【請求項35】
請求項33に記載の減圧治療キットが、更にパッケージを具え、当該パッケージが前記減圧ブリッジと、前記減圧インターフェースと、前記減圧管と、前記マニフォールドユニットと、前記有孔シーリングシートを囲んでいることを特徴とする減圧治療キット。
【請求項36】
請求項33に記載の減圧治療キットにおいて、前記減圧インターフェースが、前記減圧ブリッジの減圧インターフェース部位に連結されており、前記減圧送達管が、前記減圧インターフェースに連結されていることを特徴とする減圧治療キット。
【請求項37】
請求項33に記載の減圧治療キットにおいて、前記第1の封入エンベロープが:
第1の周辺部分を有する第1の封入部材と;
第2の周辺部分を有する第2の封入部材と;を具え、
前記第1の周辺部分が前記第2の周辺部分に連結されていることを特徴とする減圧治療キット。
【請求項38】
請求項37に記載の減圧治療キットにおいて、前記湿脱デバイスが、前記第1の封入エンベロープの患者に対向する側部の上にウィキング材を具え、当該ウィッキング材が遠隔組織部位に接触して、当該遠隔組織部位から液体を吸収するように構成されていることを特徴とする減圧治療キット。
【請求項39】
請求項37に記載の減圧治療キットにおいて、前記湿脱デバイスが、コンフォートマニフォールドと、前記患者に対向する側部の上で前記コンフォートマニフォールドの少なくとも一部を封入する第3の封入部材とを具え、前記第3の封入部材が複数の開口を有することを特徴とする減圧治療キット。


【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図2D】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate


【公表番号】特表2012−505029(P2012−505029A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531037(P2011−531037)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/037071
【国際公開番号】WO2010/042240
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(508268713)ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド (125)
【Fターム(参考)】