説明

アクセス分割多重化システム関連アプリケーションにおけるリンク報告リレー

【課題】多数の無線ネットワーク内を動き回る移動局に関する、より良い品質の音声及びデータ・サービスを提供する。
【解決手段】関連する無線リンク関係情報が、ワイヤレス端末(30)を介して1つのタイプのネットワーク(ネットワーク22B)から他のタイプのネットワーク(ネットワーク22A)へ、及びその逆に転送される。ワイヤレス端末30は、1つのタイプのネットワーク(ネットワーク22B)のリンク報告メッセージに対するメディエータ又はリレーとして動作するため、結果としてそのリンク指示は、他のタイプのネットワーク(ネットワーク22A)によるハンドオーバ決定時に使用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、ワイヤレス通信ネットワークに関し、具体的に言えば、ハンドオーバなどの目的での測定の報告及び/又は使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、そのすべての全文が参照により本明細書に組み込まれる、以下の米国仮特許出願に対する優先権を主張し、これらに関するものである。
2009年12月17日出願のMagnus Olsson等への「GSM and LTE Multiplexing Systems」という名称の米国仮特許出願第61/287,575号。
2009年12月17日出願のMagnus Olsson等への「Link report Relay in Access Division Multiplexing Systems」という名称の米国仮特許出願第61/287,623号。
2009年12月17日出願のMagnus Olsson等への「WCDMA and LTE Multiplexing」という名称の米国仮特許出願第61/287,438号。
2009年12月17日出願のMagnus Olsson等への「Telecommunications Multiplexing」という名称の米国仮特許出願第61/287,627号。
2009年12月17日出願のMagnus Olsson等への「Access Division Multiplexing-Call Setup Performance Improvement」という名称の米国仮特許出願第61/287,630号。
2009年12月17日出願のMagnus Olsson等への「Scheduled Optimized for GSM and LTD Multiplexing」という名称の米国仮特許出願第61/287,954号。
本出願は、そのすべてが本出願と同日に出願され、その全文が参照により本明細書に組み込まれる、以下の米国特許出願に関する。
Magnus Olsson等への「GSM and LTE Multiplexing」という名称の米国特許出願第12/943,801号。
Magnus Olsson等への「Keeping Packet Switched Session in LTE While Circuit Switched Registered in WCDMA」という名称の米国特許出願第12/943,612号。
Magnus Olsson等への「Maintaining Packet Switched Session in LTE When Establishing GSM Circuit Switched Call」という名称の米国特許出願第12/943,685号。
Magnus Olsson等への「Call Setup For Access Division Multiplexing」という名称の米国特許出願第12/943,736号。
Magnus Olsson等への「Scheduling For Access Division Multiplexing」という名称の米国特許出願第12/943,504号。
Magnus Olsson等への「Link Report Relay in Access Division Multiplexing Systems」という名称の米国特許出願第12/943,770号。
【0003】
典型的なセルラー無線システムでは、ワイヤレス端末(移動局及び/又はユーザ機器ユニット(UE)とも呼ばれる)は、無線アクセス・ネットワーク(RAN)を介して1つ又は複数のコア・ネットワークと通信する。無線アクセス・ネットワーク(RAN)は、セル領域に分割された地理的領域をカバーしており、各セル領域は、いくつかのネットワークではたとえば「NodeB」(UMTS)又は「eNodeB」(LTE)とも呼ばれることのある、たとえば無線基地局(RBS)などの基地局によってサービスが提供される。セルとは、基地局サイトの無線基地局機器によって無線カバレッジが提供される、地理的領域のことである。各セルは、ローカル無線領域内の、セル内でブロードキャストされる識別によって識別される。基地局は、基地局のレンジ内にあるユーザ機器ユニット(UE)との、無線周波数で動作するエア・インターフェースを介して通信する。
【0004】
いくつかのバージョンの無線アクセス・ネットワークでは、通常、いくつかの基地局が(たとえば地上通信線又はマイクロ波によって)、それに接続された複数の基地局の様々な動作を監視及び調整するコントローラ・ノード(無線ネットワーク・コントローラ(RNC)又は基地局コントローラ(BSC)など)に接続される。無線ネットワーク・コントローラは、通常、1つ又は複数のコア・ネットワークに接続される。
【0005】
Universal Mobile Telecommunications System(UMTS)は、第2世代(2G)Global System for Mobile Communications(GSM)から進化した、第3世代移動通信システムである。UTRANは、本来、ユーザ機器ユニット(UE)に対する広帯域符号分割多元接続を使用する無線アクセス・ネットワークである。第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP)として知られるフォーラムでは、通信供給業者は、第3世代ネットワーク、具体的にはUTRAN向けの標準を提案してこれに合意し、拡張データ速度及び無線容量を調査する。Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(E−UTRAN)に関する仕様が、第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP)内で継続中である。Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(E−UTRAN)は、ロング・ターム・エボリューション(LTE)及びシステム・アーキテクチャ・エボリューション(SAE)を備える。ロング・ターム・エボリューション(LTE)は、無線基地局ノードが、(サービング・ゲートウェイ又はSGWを介して)無線ネットワーク・コントローラ(RNC)ノードではなくコア・ネットワークに接続される、3GPP無線アクセス技術の変形である。一般に、LTEでは、無線ネットワーク・コントローラ(RNC)ノードの機能は、無線基地局ノード(LTE内のeNodeB)とSGWとの間で分散される。したがって、LTEシステムの無線アクセス・ネットワーク(RAN)は、無線ネットワーク・コントローラ(RNC)ノードへの報告のない無線基地局ノードを備える、本質的に「フラットな」アーキテクチャを有する。
【0006】
移動ネットワークの第1世代には、セルラー回線交換(CS)電話が導入された。その後、CS電話は、およそ40億の加入を売り上げた世界最大のサービスになっている。現在でも、携帯電話会社の歳入の主要部分は、(ショート・メッセージ・サービス(SMS)を含む)CS電話サービスからのものであり、依然として2G GSMネットワークが、加入に関して世界を独占している。3G加入は量的には増加しているが、この増加は、ハンドヘルド携帯端末を持つユーザが2Gから3Gへと移行していることによるというよりも、ラップトップのドングル又は埋め込みチップセットを介して実施される、モバイル・ブロードバンドの結果によるところが大きい。
【0007】
3GPP内のロング・ターム・エボリューション(LTE)プロジェクトは、とりわけエンド・ユーザにさらに良いモバイル・ブロードバンド(より高いスループット、より短い往復時間など)を提供するために、3G標準をさらに改良することを目標としている。
【0008】
将来のネットワークはAll−IPネットワークであろうというのが、通信業界における共通認識である。この想定に基づいて、LTE作業ではCSドメインが除去された。結果として、以下の4項目のうちの1つが実行されない限り、3GPPリリース8適合LTE端末は、電話サービスを使用することができない。
(1)電話サービスが使用される際に、LTE端末が2G GSMへフォールバックするように、CSフォールバック(CSFB)(fallback)を実施する。
(2)公衆交換回線網(PSTN)/公衆陸上移動網(PLMN)と相互動作する、IP及びIMSを介して提供されるシミュレートされたCS電話サービスである、3GPPインターネット・プロトコル(IP)マルチメディア・サブシステム(IMS)/マルチメディア電話(MMTel)を実施する。
(3)CSサービスがIPトンネル内にカプセル化される、LTEを介したUnlicensed Mobile Access(UMA)/Generic Access Network(GAN)を用いてトンネリング・ソリューションを実施する。
(4)PSTN/PLMN相互動作を用いて、所有権を主張できるボイス・オーバーIP(VoIP)ソリューションを実施する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これら4つの可能性は、すべて欠点を有する。二重転送モード(DTM)機能を持たない展開されたGSMネットワークでは、CS及びパケット交換(PS)サービスを並行して使用することはできない。したがって、回路交換フォールバック(CSFB)を使用する端末への、又は端末からの呼び出し以前に実行しているすべてのPSサービスは、保留になるか、又は終了する。GSMネットワークがDTMを有する場合、PS性能は(10Mbps台から10〜100kbps台へ)大幅に低下する。CSフォールバック手法に伴う欠点の1つは、呼び出しているか、又は呼び出されている場合に、端末がLTEからGSM及びCSサービスにフォールバックすることである。回路交換フォールバック(CSFB)は、呼び出しセットアップ時間も延長する。
【0010】
IMS/MMTel手法は、IMSベースの完全に新しいコア/サービス層を使用する。これにより、サービスを強化する新しい可能性が提供されるが、オペレータが克服すべき経済的障壁の欠点も伴う。新しいコア・ネットワークは資本支出(CAPEX)を促進し、そのコア・ネットワークの統合は初期営業費(OPEX)の増加を促進する。さらにIMS/MMTel手法は、2G/3G CS電話サービスとの間で音声ハンドオーバを処理するために、端末及びレガシーCSネットワーク内に機構を実装する必要がある。
【0011】
LTEを介してUMA/GANを使用することは標準化されたソリューションではないため、端末の可用性が問題となる可能性のある所有権を主張できるソリューションであることが欠点である。これにより、ネットワーク及び端末、たとえばネットワークにおけるGANコントローラ及びUE端末におけるGANプロトコルの両方において、コア/サービス層に追加の機能を付加する。
【0012】
所有権を主張できるVoIP手法は、オペレータが制御した場合、IMS/MMTel(新しいコア/サービス層)手法の場合と同じ欠点、並びに、それに関連付けられた所有権を主張できる難点を伴い、2G/3G CSへのハンドオーバがサポートされない可能性がある。
【0013】
さらに、3GPPリリース8対応のLTE端末などのワイヤレス端末を用いてレガシーCS電話サービスを使用する場合には、他のソリューションがある。そうした他のソリューションでは、アクセス分割多重化(ADM)のタイプとしても知られるGSM CS音声の伝送は、LTE伝送間でインタリーブされる。たとえば、参照により本明細書に組み込まれた、PCT/SE2007/000358を参照されたい。こうしたADMソリューションの一実施例では、ワイヤレス端末は2つのTDMAベース無線システムと同時に通信し、たとえば、無線端末は、2つのシステム間でのその通信を時間的に交互にすることによって、両方のシステムへの通信経路を維持することができる。2つのシステム間でのトグルは、時間尺度で、2つのシステム間での同時通信を効果的に生じさせるのに十分なだけ短い。
【0014】
PCT/SE2007/000358で開示されているようなADMの実装例では、第1のシステムをGSMシステムとし、第2のシステムをLTEとすることができる。GSMシステムへの通信経路は、CS音声サービスに対する無線チャネルを維持するために使用され、LTE無線チャネルはデータ・サービスに使用される。
【0015】
PCT/SE2007/000358に示された、インタリーブされたADMソリューションの例では、移動局(ワイヤレス端末)は、任意の一時点で多くとも1つの無線システムの送信及び受信が可能である(単一受信器及び単一送信器技術)。わずかに異なる実施形態及びモードでは、移動局は、2つの受信無線チャネルを並行して維持しながら、依然として1つの無線チャネル上で送信のみを実行することができる(二重受信器及び単一送信器技術)。二重受信器及び単一送信器の実装は、2つのシステムからデータを同時に受信しながら、依然としてそのアップリンク送信に対して(たとえばPCT/SE2007/000358の)インタリーブを使用することによって、性能を向上させる。二重受信器単一送信器ソリューションは、無線部分の二重受信器無線チェーンが必要であるため、移動局のコストが高い。
【課題を解決するための手段】
【0016】
その態様のうちの1つでは、本明細書で開示された技術は、対応する測定メッセージに対するメディエータ(mediator)として働くワイヤレス端末(たとえば移動局)を使用して、あるタイプのネットワークから別のタイプのネットワークへと(或いはその逆に)、関連する無線リンク関係情報を転送するためのメカニズムを提供する。好ましい実施例では、無線ソース制御機能が第1のネットワークA(たとえばGSMネットワーク)に配置される。無線リソース制御機能は、第2のネットワークB(たとえばLTEネットワーク)或いは、本明細書で説明されるネットワークA又はBのうちの1つを構成する任意の他の無線ネットワークにも、等しく配置することができる。
【0017】
その態様のうちの1つでは、本明細書で開示された技術は、通信システムを動作する方法に関する。通信システムは、第1の無線アクセス技術ネットワーク及び第2の無線アクセス技術ネットワークを備える。あるモード例では、方法は、第2の無線アクセス技術ネットワークの基地局ノードがワイヤレス端末からのアップリンク送信に関して品質決定を実行することを含む。第2の無線アクセス技術ネットワークの基地局ノードは、ワイヤレス端末に送信されたリンク報告メッセージ内に、無線端末からのアップリンク送信に関する品質決定の指示を含める。ワイヤレス端末は、プロキシ・リンク報告メッセージ内に、リンク報告メッセージで受信した指示に基づくワイヤレス端末からのアップリンク送信に関する品質決定の指示を含め、このプロキシ・リンク報告メッセージを、第1の無線アクセス技術ネットワークのノードに送信する。第1の無線アクセス技術ネットワークの制御ノードは、ワイヤレス端末からのアップリンク送信に関する(プロキシ・リンク報告メッセージに含まれるような)品質決定を使用して、無線アクセス技術のハンドオーバ手順を実行するかどうかを決定する。
【0018】
モード及び実施形態の例では、ワイヤレス端末は、本質的に、(ワイヤレス端末からのアップリンク送信に関する品質決定の指示を含む)リンク報告メッセージ全体を、プロキシ・リンク報告メッセージ内に含め、このプロキシ・リンク報告メッセージを第1の無線アクセス技術ネットワークのノードに送信する。モード及び実施形態の他の例では、ワイヤレス端末は、アップリンク送信に関する品質決定の指示を取得し、この品質決定をプロキシ・リンク報告メッセージ内に挿入するか、又は他の方法で含める。モード及び実施形態のさらに他の例では、ワイヤレス端末は、アップリンク送信に関する品質決定の指示を取得し、この品質決定の指示に関して処理又は動作(たとえばフィルタリング又は平均化)した後、処理又は導出された品質決定の指示を(品質決定の指示として)プロキシ・リンク報告メッセージ内に挿入するか又は他の方法で含める。
【0019】
モード及び実施形態の例では、方法は、ワイヤレス端末が、第1の無線アクセス技術ネットワークのノードに、ワイヤレス端末と第1の無線アクセス技術ネットワークとの間の伝送に関する品質決定の指示も提供することを、さらに含む。第1の無線アクセス技術ネットワークのノードは、ワイヤレス端末と第1の無線アクセス技術ネットワークとの間の信号品質の指示も使用して、無線アクセス技術ハンドオーバ手順を実行するかどうかを決定する。実施例では、ワイヤレス端末は、プロキシ・リンク報告メッセージ内に、ワイヤレス端末と第1の無線アクセス技術ネットワークとの間の伝送に関する品質決定の指示も含める。モード及び実施形態の他の例では、方法は、ワイヤレス端末が、ワイヤレス端末と第1の無線アクセス技術ネットワークとの間の伝送に関する品質決定の指示をワイヤレス端末分離リンク報告メッセージ内に含めることを、さらに含む。
【0020】
モード及び実施形態の例では、方法は、ワイヤレス端末が、第3の無線アクセス技術ネットワークの信号品質に関する決定を行うことをさらに含む。第1の無線アクセス技術ネットワークのノードは、第3の無線アクセス技術ネットワークの信号品質の指示を使用して、無線アクセス技術ハンドオーバ手順を実行するかどうかも決定する。実施例では、ワイヤレス端末は、第3の無線アクセス技術ネットワークの信号品質の指示をプロキシ・リンク報告メッセージ内に含める。他の実施例では、ワイヤレス端末は、第3の無線アクセス技術ネットワークの信号品質の指示をワイヤレス端末分離リンク報告メッセージ内に含める。
【0021】
その他の態様では、本明細書で開示された技術は、マルチネットワーク測定コミュニケータ(communicator)として働くワイヤレス端末に関する。ワイヤレス端末は、通信インターフェース及びリンク報告プロセッサを備える。通信インターフェースは、ワイヤレス端末が第1の無線アクセス技術ネットワーク及び第2の無線アクセス技術と通信できるようにするように構成される。リンク報告プロセッサは、第2の無線アクセス技術ネットワークからリンク報告メッセージを受信するように、及び、第1の無線アクセス技術ネットワークのノードに送信するためのプロキシ・リンク報告メッセージを作成するように、構成される。リンク報告メッセージは、ワイヤレス端末から第2の無線アクセス技術ネットワークへのアップリンク品質の指示を含む。リンク報告プロセッサは、品質決定の指示をプロキシ・リンク報告メッセージ内に含めるように構成される。
【0022】
実施形態例では、通信インターフェースは、第1の無線アクセス技術ネットワーク及び第2の無線アクセス技術ネットワークとのインタリーブされた通信を実行するように構成される。実施例では、第1の無線アクセス技術ネットワーク及び第2の無線アクセス技術ネットワークは、GSMネットワーク及びロング・ターム・エボリューション(LTE)ネットワークを含む。
【0023】
実施形態例では、ワイヤレス端末は、ワイヤレス端末測定ユニットをさらに備える。ワイヤレス端末測定ユニットは、第1の無線アクセス技術ネットワークに関したダウンリンク品質測定と、第2の無線アクセス技術ネットワークに関したダウンリンク品質測定とを、実行するように構成される。リンク報告プロセッサ及び通信インターフェースは、ダウンリンク品質測定のうちの少なくとも1つの指示を、第1の無線アクセス技術ネットワークのノードに送信するように構成される。
【0024】
実施形態例では、リンク報告プロセッサは、ダウリンク品質測定のうちの少なくとも1つの指示を、第1の無線アクセス技術ネットワークのノードに送信されるプロキシ・リンク報告メッセージ内に含めるように構成される。
【0025】
他の実施形態例では、リンク報告プロセッサは、ダウリンク品質測定のうちの少なくとも1つの指示を、プロキシ・リンク報告メッセージとは別に第1の無線アクセス技術ネットワークのノードに送信される、ワイヤレス端末分離リンク報告メッセージ内に含めるように構成される。
【0026】
実施形態例では、さらに測定ユニットは、第3の無線アクセス技術ネットワークに関する信号品質決定を実行するように構成される。リンク報告プロセッサ及び通信インターフェースは、第3の無線アクセス技術ネットワークの信号品質の指示を、第1の無線アクセス技術ネットワークのノードに送信するように構成される。実施例では、リンク報告プロセッサは、第3の無線アクセス技術ネットワークの信号品質の指示を、プロキシ・リンク報告メッセージ内に含めるように構成される。
【0027】
その他の態様では、本明細書で開示された技術は、第1の無線アクセス技術ネットワーク及び第2の無線アクセス技術と通信することが可能な、ワイヤレス端末を動作する方法に関する。ワイヤレス端末方法は、ワイヤレス端末が、リンク報告メッセージを第2の無線アクセス技術ネットワークから受信することを含む。リンク報告メッセージは、ワイヤレス端末から第2の無線アクセス技術ネットワークへの、アップリンク品質の指示を含む。ワイヤレス端末方法は、ワイヤレス端末が、品質決定の指示をプロキシ・リンク報告メッセージ内に含めること、及びそのプロキシ・リンク報告メッセージを第1の無線アクセス技術ネットワークのノードに送信することを、さらに含む。
【0028】
モード及び実施形態の例では、ワイヤレス端末方法は、ワイヤレス端末が、第1の無線アクセス技術ネットワーク及び第2の無線アクセス技術ネットワークとのインタリーブされた通信を実行することをさらに含む。実施例では、第1の無線アクセス技術ネットワーク及び第2の無線アクセス技術ネットワークは、GSMネットワーク及びロング・ターム・エボリューション(LTE)ネットワークを含む。
【0029】
モード及び実施形態の例では、ワイヤレス端末方法は、ワイヤレス端末が、第1の無線アクセス技術ネットワークに関したダウンリンク品質決定及び第2の無線アクセス技術ネットワークに関したダウンリンク品質決定を実行すること、並びに、ワイヤレス端末が、ダウンリンク品質決定のうちの少なくとも1つの指示を第1の無線アクセス技術ネットワークのノードに送信することを、さらに含む。実施例では、ワイヤレス端末方法は、ワイヤレス端末が、ダウンリンク品質決定のうちの少なくとも1つの指示をプロキシ・リンク報告メッセージ内に含めることを、さらに含む。他の実施例では、ワイヤレス端末方法は、ワイヤレス端末が、ダウンリンク品質決定のうちの少なくとも1つの指示を、プロキシ・リンク報告メッセージとは別に第1の無線アクセス技術ネットワークのノードに送信される、ワイヤレス端末分離リンク報告メッセージ内に含めることを、さらに含む。
【0030】
モード及び実施形態の例では、ワイヤレス端末方法は、ワイヤレス端末が、第3の無線アクセス技術ネットワークに関してダウンリンク品質の決定を実行すること、及び、ワイヤレス端末が、第3の無線アクセス技術ネットワークの信号品質の指示を、第1の無線アクセス技術ネットワークのノードに送信することを、さらに含む。実施例では、ワイヤレス端末方法は、ワイヤレス端末が、第3の無線アクセス技術ネットワークの信号品質の指示をプロキシ・リンク報告メッセージ内に含めることを、さらに含む。
【0031】
その他の態様では、本明細書で開示された技術は、無線基地局ノードに関する。無線基地局ノードは、通信インターフェースと、基地局測定ユニットと、基地局リンク報告プロセッサとを備える。通信インターフェースは、ワイヤレス端末に関してアップリンク及びダウンリンクの伝送を処理するように構成される。基地局測定ユニットは、ワイヤレス端末からのアップリンク送信に関して品質測定を実行するように構成される。基地局リンク報告プロセッサは、品質測定の指示をワイヤレス端末へのダウンリンク・メッセージ内に含めるように構成される。
【0032】
その他の態様では、本明細書で開示された技術は、無線アクセス・ネットワーク・ハンドオーバ制御ノードに関する。無線アクセス・ネットワーク・ハンドオーバ制御ノードは、制御ノード・リンク報告プロセッサ及びハンドオーバ・ユニットを備える。制御ノード・リンク報告プロセッサは、リンク報告メッセージ及びプロキシ・リンク報告メッセージを受信するように構成される。ハンドオーバ・ユニットは、第1の無線アクセス技術ネットワークから第2の無線アクセス技術ネットワークへのハンドオーバを実行するかどうかを決定するために、リンク報告メッセージ及びプロキシ・リンク報告メッセージの両方を使用するように構成される。リンク報告メッセージは、ワイヤレス端末と第1のネットワークのノードとの間の伝送に関する品質測定の指示を含む。ハンドオーバ・ユニットは、ワイヤレス端末から第1の無線アクセス技術ネットワークを介してプロキシ・リンク報告メッセージを受信するように構成され、プロキシ・リンク報告は、ワイヤレス端末から第2の無線アクセス技術ネットワークのノードへのアップリンク送信に関する品質決定の指示を含む。
【0033】
本発明の前述及び他の目的、特徴、及び利点は、様々な図面全体を通じて参照番号が同じ部分を表している添付の図面に示された、好ましい諸実施形態についての以下のより具体的な説明から明らかとなろう。図面は必ずしも一定の縮尺ではなく、代わりに、本発明の原理を示すことに重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】ワイヤレス端末(たとえば移動局)が2つの無線ネットワークA及びBとの無線通信において同時にアクティブであり、第3のネットワークCのカバレッジ領域内にもある、システムを示す線図である。
【図2】2つの無線アクセス技術ネットワークと、マルチネットワーク測定コミュニケータとして働くワイヤレス端末とを備える、通信システムを示す概略図である。
【図3】3つの無線アクセス技術ネットワークと、マルチネットワーク測定コミュニケータとして働くワイヤレス端末とを備える、通信ネットワークを示す概略図である。
【図4A】マルチネットワーク測定通信ワイヤレス端末の実施形態例を示す線図である。
【図4B】マルチネットワーク測定通信ワイヤレス端末の他の実施形態例を示し、特に、品質決定の指示に関して処理又は動作(たとえばフィルタリング又は平均化)した後、処理又は導出された品質決定の指示を(品質決定の指示として)プロキシ・リンク報告メッセージ内に挿入するか又は他の方法で含める、マルチネットワーク測定通信ワイヤレス端末の他の実施形態例を示す、線図である。
【図5】マルチネットワーク測定通信ワイヤレス端末の実施形態例をより詳細に示す線図である。
【図6】マルチネットワーク測定通信ワイヤレス端末の実施形態例をさらにより詳細に示す線図である。
【図7】マルチネットワーク測定ワイヤレス端末への伝送のためにリンク報告メッセージを作成するように構成された、基地局ノードの実施形態例を示す線図である。
【図8】マルチネットワーク測定ワイヤレス端末への伝送のためにリンク報告メッセージを作成するように構成された、基地局ノードの実施形態例をより詳細に示す線図である。
【図9】基地局制御ノードの実施形態例を示す線図である。
【図10】基地局制御ノードの実施形態例をより詳細に示す線図である。
【図11】ワイヤレス端末がマルチネットワーク測定コミュニケータとして動作する基本方法を含む、代表的な動作又はステップの例を示すフローチャートである。
【図11A】ワイヤレス端末がマルチネットワーク測定コミュニケータとして動作する他の方法を含む、代表的な動作又はステップの例を示すフローチャートである。
【図11B】ワイヤレス端末がマルチネットワーク測定コミュニケータとして動作するさらに他の方法を含む、代表的な動作又はステップの例を示すフローチャートである。
【図12】ワイヤレス端末が、複数の無線アクセス技術ネットワークに関して多重化又はインタリーブを実行するのに好適である、図11の基本方法を示すフローチャートである。
【図13】ワイヤレス端末が、1つ又は複数のダウンリンク品質測定を実行し、ダウンリンク品質測定のうちの少なくとも1つの指示をプロキシ・リンク報告メッセージに含めることによって増補された、図11の基本方法を示す線図である。
【図14】ワイヤレス端末が、1つ又は複数のダウンリンク品質測定を実行し、ダウンリンク品質測定のうちの少なくとも1つの指示を、プロキシ・リンク報告メッセージに先行する分離リンク報告メッセージ内に含めることによって増補された、図11の基本方法を示す線図である。
【図15】ワイヤレス端末が、1つ又は複数のダウンリンク品質測定を実行し、ダウンリンク品質測定のうちの少なくとも1つの指示を、プロキシ・リンク報告メッセージに後続する分離リンク報告メッセージ内に含めることによって増補された、図11の基本方法を示す線図である。
【図16】ワイヤレス端末が、さらに他のネットワークに関する測定を実行及び報告し、さらに他のネットワークに関する測定をプロキシ・リンク報告メッセージ内に含めることによって増補された、図13の基本方法を示す線図である。
【図17】ワイヤレス端末が、さらに他のネットワークに関する測定を実行及び報告し、さらに他のネットワークに関する測定を、プロキシ・リンク報告メッセージに先行する分離リンク報告メッセージ内に含めることによって増補された、図13の基本方法を示す線図である。
【図18】ワイヤレス端末が、さらに他のネットワークに関する測定を実行及び報告し、さらに他のネットワークに関する測定を、プロキシ・リンク報告メッセージに後続する分離リンク報告メッセージ内に含めることによって増補された、図13の基本方法を示す線図である。
【図19】マルチネットワーク測定機能を含む通信システムを動作する基本方法を含む、代表的な動作又はステップの例を示すフローチャートである。
【図20】ワイヤレス端末が、1つ又は複数のダウンリンク品質測定を実行し、ダウンリンク品質測定のうちの少なくとも1つの指示をプロキシ・リンク報告メッセージに含めることによって増補された、図19の基本方法を示す線図である。
【図21】ワイヤレス端末が、1つ又は複数のダウンリンク品質測定を実行し、ダウンリンク品質測定のうちの少なくとも1つの指示を、プロキシ・リンク報告メッセージに先行する分離リンク報告メッセージ内に含めることによって増補された、図19の基本方法を示す線図である。
【図22】ワイヤレス端末が、さらに他のネットワークに関する測定を実行及び報告し、測定をプロキシ・リンク報告メッセージ内に含めることによって増補された、図19の基本方法を示す線図である。
【図23】ワイヤレス端末が、さらに他のネットワークに関する測定を実行及び報告し、さらに他のネットワークに関する測定を、プロキシ・リンク報告メッセージに後続する分離リンク報告メッセージ内に含めることによって増補された、図19の基本方法を示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下の記述では、限定ではなく説明の目的で、本発明を完全に理解するために、特定のアーキテクチャ、インターフェース、技法などの特定の細部が示されている。しかしながら、当業者であれば、本発明が、これらの特定の細部から逸脱した他の実施形態で実施可能であることが明らかとなろう。すなわち、当業者であれば、本明細書では明示的に説明又は図示されていないが、本発明の原理を具体化し、その趣旨及び範囲に含まれる、様々な配置構成が考案可能であろう。いくつかのインスタンスでは、不必要な細部が本発明の記述を不明瞭にすることのないように、良く知られたデバイス、回路、及び方法の詳細な記述は省略されている。本発明の原理、態様、及び実施形態、並びにその特定の例を示す本明細書のすべての文は、その構造上及び機能上の両方の等価物を包含することが意図されている。加えて、こうした等価物は、現在知られている等価物、並びに今後開発される等価物、すなわち構造に関係なく同じ機能を実行するように開発された任意の要素の、両方を含むことが意図されている。
【0036】
したがって、たとえば当業者であれば、本明細書のブロック図は、技術の原理を具体化する例示的回路又は他の機能ユニットの概念図を表すことができることを理解されよう。同様に、任意のフローチャート、状態遷移図、擬似コードなどが、コンピュータ読み取り可能媒体内に実質上表すことが可能な、したがって、コンピュータ又はプロセッサが明示的に示されているか否かに関わらず、こうしたコンピュータ又はプロセッサによって実行することが可能な、様々なプロセス表すことを理解されよう。
【0037】
「コンピュータ」、「プロセッサ」、又は「コントローラ」としてラベル付け又は説明されたものを含むがこれらに限定されない、機能ブロックを含む様々な要素の機能は、コンピュータ読み取り可能媒体上に記憶された符号化命令の形のソフトウェアを実行することが可能な、回路ハードウェア及び/又はハードウェアなどの、ハードウェアの使用を介して提供することができる。したがってこうした機能及び図視された機能ブロックは、ハードウェア実装及び/又はコンピュータ実装のいずれか、したがってマシン実装であるものとして、理解されることになる。
【0038】
ハードウェア実装の点で、機能ブロックは、制限なしに、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、縮小命令セット・プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)を含むがこれに限定されないハードウェア(たとえばデジタル又はアナログ)回路、及び、(適切であれば)こうした機能を実行することが可能な状態マシンを、含むか又は包含することが可能である。
【0039】
コンピュータ実装の点で、コンピュータは一般に、1つ又は複数のプロセッサ或いは1つ又は複数のコントローラを備えるものと理解され、コンピュータ及びプロセッサ及びコントローラという用語は、本明細書では交換可能に使用することができる。コンピュータ又はプロセッサ又はコントローラによって提供される場合、機能は、単一の専用コンピュータ又はプロセッサ又はコントローラによって、或いは単一の共有コンピュータ又はプロセッサ又はコントローラによって、或いは、その一部が共有又は分散可能である、複数の個々のコンピュータ又はプロセッサ又はコントローラによって、提供可能である。さらに、「プロセッサ」又は「コントローラ」という用語を使用することは、前述のハードウェア例などの、こうした機能の実行及び/又はソフトウェアの実行が可能な他のハードウェアを言い表すものとも解釈されたい。
【0040】
たとえば、PCT/SE2007/000358に開示されたようなアクセス分割多重化システムに関する送信器及び受信器技術の前述の無線挙動及び送信器/受信器実装について、依然として、なお解決されるべきネットワーク機能がある。なお解決されるべきネットワーク機能の中には、1つのネットワーク内の回路交換(CS)音声サービス及び第2のネットワーク内のパケット・データ・サービスに同時に従事する、移動体が必要とするページング、登録、ハンドオフ、及び移動性に関する機能がある。
【0041】
本明細書で開示された技術は、たとえば、移動局が2つの異なる無線ネットワークに同時に接続される状況で、ネットワーク制御ハンドオフ(たとえば、ネットワーク制御ハンドオフ・アルゴリズム)を有する問題に関する。
【0042】
Global System for Mobile communications(GSM)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、cdma1x、Evolution Data Optimized(EVDO)、ロング・ターム・エボリューション(LTE)、などの、セルラー無線システムでは、ネットワークには、アクティブ・モードの移動局に関して異なるセル代替を評価する責務がある。本明細書で使用される「アクティブ・モード」とは、移動局がデータ転送、音声呼び出し、又はその両方にアクティブに従事することを意味する。GSMでは、これは、専用モードにある移動局と等価であり、WCDMA及びLTEでは、ワイヤレス端末(たとえば移動局)は確立された無線ベアラ及び無線リソース・コンテキストをそれぞれ有する。前述のそれぞれのシステムでは、移動局がその通信においてアクティブである場合、ネットワークは、アップリンク送信上で移動局から無線基地局への無線リンク品質測定を実行する。同様に、移動局は、ダウンリンク無線伝送上で品質測定を実行する。アップリンク及びダウンリンクの両方における測定は、信号強度測定、ビット誤り測定、推定ビット誤り確率、フレーム消去率、ブロック誤り率、又は任意の他の関連する無線リンク品質に関するインジケータの組み合わせを含むことができる。ダウンリンクにおける測定は、たとえば3GPP技術仕様によって指定される。移動局は、アクティブ無線チャネル上での品質測定に加えて、非サービング(non-serving)無線セル候補上での品質測定も実行する。これらの品質測定は、通常、信号強度のみの測定を含むが、直接又は間接的な他の測定も含むことができる。
【0043】
ネットワークが、移動局の無線性能に関してサービング・セル及び隣接セルを評価するにあたって、評価を実行するネットワーク無線リソース制御エンティティは、(アップリンク無線品質に関する)ネットワーク自体、及び(ダウンリンク無線品質及び隣接セルへの無線リンクの品質に関する)移動局の、両方からの品質情報(たとえば測定値)を必要とする。最先端技術では、これは、その測定値(又はその測定値の表現)を、適切に定義されたリンク報告セットでネットワークに送信するよう、移動局に対して命令することによって実行される。リンク報告は、GSM及びWCDMAの場合のように連続して、又は、LTEの場合のように無線及びトラフィック条件のセットに関して条件付きで、送信される。その後、ネットワーク内のリソース管理制御ユニットは、移動局によって送信されたリンク報告内の品質情報と、ネットワーク測定からのネットワーク維持情報とを組み合わせる。アップリンク、ダウンリンク、及び隣接セルの、無線リンク品質に関する組み合わせられた情報は、接続される移動局に関して最良のセルを決定するために、位置特定アルゴリズムのセットでネットワークによって使用される。通常、位置特定アルゴリズムは標準化されないが、システムによって異なる可能性がある。好ましい実装では、ネットワークは、位置特定アルゴリズムからの結果を使用して、サービング・セルが好ましいセルである(この場合、ハンドオフ・コマンドは移動局に送信されない)かどうか、或いは隣接セルの1つが好ましい(この場合、ハンドオフが作成され、適切なハンドオフ・コマンドが移動局に送信される)かどうかを決定する。
【0044】
本明細書で開示された技術は、たとえば、図1に関連して図示された問題に対処する。図1は、たとえばネットワーク22A、ネットワーク22B、及びネットワーク22Cの、3つのネットワーク22を備える、通信システム20を示す。図1には示されていないが、いくつかのネットワーク22は、基地局制御ノード26(たとえば、基地局コントローラ・ノード又は無線ネットワーク・コントローラ・ノード)を備える。各ネットワーク22は、ネットワーク22Aに対する基地局28A、ネットワーク22Bに対する基地局28B、ネットワーク22Cに対する基地局28Cのように、1つ又は複数の基地局28を有する。
【0045】
図1に示された状況では、移動局又はワイヤレス端末30は、2つの無線ネットワーク、たとえばネットワーク22A及びネットワーク22Bとの無線通信において、同時にアクティブである。例示的状況では、ネットワーク22Aは、たとえばGSM無線ネットワークとすることが可能であり、ネットワーク22BはLTE無線ネットワークとすることが可能である。図1の状況では、(たとえば基地局制御ノード26に配置された)無線リソース制御ユニットは、移動局、ネットワーク22A、及びネットワーク22Bからの測定情報を必要とすることになる。
【0046】
したがって、図1に示された例示的状況では、ワイヤレス端末30は、GSMネットワーク(システム/ネットワーク22A)内でアクティブに通信しており、LTEネットワーク(システム/ネットワーク22B)内でアクティブに通信している一方で、WCDMAネットワーク(システム/ネットワーク22C)のカバレッジ領域内にもある。ネットワーク22A及びネットワーク22Bとの無線通信のダウンリンク性能を評価するために、ワイヤレス端末30からの品質(たとえば測定)情報が必要とされる。さらに、移動局がネットワーク22C内の近接セルへとハンドオフされる場合、予測される無線性能を評価するために、無線リソース制御機能によって、ワイヤレス端末30からの品質情報が必要とされる。ネットワーク22Aとのアップリンク無線通信の品質、さらに潜在的には、ロード状況及びネットワーク・レベル干渉レベルなどの、ネットワーク22Aによって維持される他の関連情報を評価するために、ネットワーク22Aからの品質情報が必要とされる。同様に、ネットワーク22Bとのアップリンク無線通信の品質、さらに潜在的には、ロード状況及びネットワーク・レベル干渉レベルなどの、ネットワーク22Bによって維持される他の関連情報を評価するために、ネットワーク22Bからの品質情報が必要とされる。いずれの有効な無線リソース制御機能も、総合無線リンク性能(システム22A及びシステム22Bの両方との通信)を評価し、システム22Cへの潜在的ハンドオフ後に推定される性能と比較することができるために、上記すべての情報を必要とすることになる。
【0047】
現時点で最先端の無線リソース制御機能では、ワイヤレス端末30、ネットワーク22A、及びネットワーク22Bからの所望な品質情報が得られないという問題がある。これは、ネットワーク22Aからネットワーク22Bへ、又はその逆に、品質情報を転送することができるメカニズムがないためである。これは、無線リソース制御機能がネットワーク22A内(たとえばGSMネットワーク内)に配置された場合、現時点で最先端技術の無線リソース制御機能は、ネットワーク22B(たとえばLTEネットワーク)との通信のアップリンク性能に関するいかなる情報も、また実際には、ロード状況などのネットワーク22Bによって維持されるいかなる他の関連情報も、有さないことを意味する。同様に、無線リソース制御機能がネットワーク22B内(たとえばLTEネットワーク内)に配置された場合、現時点で最先端技術の無線リソース制御機能は、ネットワーク22A(たとえばGSMネットワーク)との通信のアップリンク性能に関するいかなる情報も、また実際には、ロード状況などのネットワーク22Aによって維持されるいかなる他の関連情報も、有さないことになる。
【0048】
この問題は、図1に示されたような多重無線技術ネットワーク・シナリオにおける、通信サービスの性能に対する厳しい制限を示唆する。一例として、無線リソース制御ユニットがシステム22B(たとえばLTEシステム)内に配置された場合、無線リソース制御機能は、アップリンクGSM音声性能(GSMはここではネットワーク22Aである)について知らないことになる。移動局が、それ自体が十分高いアップリンク(UL)経路が失われた場所、たとえば建物内部の奥深くにいることを認識した場合、GSM音声呼び出しは、GSMアップリンク通信の品質が不良であることに無線リソース制御機能が気付くことなく、GSMネットワークによってドロップされることになる。しかし、無線リソース制御機能がネットワーク22Aからの関連する品質情報を有する場合、ネットワーク22A内のアップリンク無線リンクが失われる前に、ネットワーク22Cへハンドオフすることによって、呼び出しのドロップを防ぐことができる。
【0049】
その態様のうちの1つでは、本明細書で開示された技術は、対応する品質メッセージのための、メディエータ又はリレー又はマルチネットワーク・コミュニケータとして動作する、ワイヤレス端末30(たとえば移動局)を使用して、関連する無線リンク関係情報を、1つのネットワークから他のネットワークへと、たとえばネットワーク22Bからネットワーク22Aへと(又はその逆に)転送するための、メカニズムを提供する。
【0050】
(図2に示されるような)実施例では、無線リソース制御機能はネットワークA(たとえばGSMネットワーク)に配置される。しかしながら、無線リソース制御機能は、ネットワークB(たとえばLTEネットワーク)、或いは、ネットワークA又はBのうちの1つを構成する任意の他の無線ネットワーク、或いは本明細書に記載された任意の他のネットワークにも、等しく配置可能であることを理解されたい。
【0051】
図2に示された通信システム20(2)の一例では、無線リソース制御機能(RRCU)34Aは、ネットワーク22Aの一部として、GSM基地局コントローラ(BSC)26A内に実装される。この例示的シナリオでは、ネットワーク22Aは、少なくとも1つの基地局コントローラ(BSC)26Aに接続された少なくとも1つのGSM基地局(RBS 28A)を備える。基地局コントローラ26Aは、無線リソース制御機能(RRCU)34A及びメモリ・ユニット(MUI)36Aを含むか又は備える。
【0052】
図3に示された通信システム20(3)の一例は、図2に類似しているが、さらにネットワーク22Cを含む。ネットワーク22Cは、少なくとも1つの無線ネットワーク・コントローラ(RNC)26Cに接続された、少なくとも1つの無線基地局(RBS)28Cを備える。図3の例では、ネットワーク22CはWCDMA無線アクセス技術ネットワークである。しかしながら、ネットワーク22Cは、第3のネットワークの代表であるものと意図され、WCDMA無線アクセス技術ネットワークである必要はないが、たとえば他のGSM又はLTEネットワーク、或いは他の前述のネットワークとすることができることを理解されたい。
【0053】
図2に示されるように、少なくとも1つのワイヤレス端末30が、(ネットワーク22Aの)無線基地局28A及び(ネットワーク22Bの)無線基地局28Bのカバレッジ領域内へと移動する。図3は、(ネットワーク22Aの)無線基地局28A、(ネットワーク22Bの)無線基地局28B、及び(ネットワーク22Cの)無線基地局28Cのカバレッジ領域内へと移動する、ワイヤレス端末(UE)30を示す。ワイヤレス端末30はメモリ・ユニット(MU2)38を備える。
【0054】
図2に示されたシナリオでは、ネットワーク22Aは、3GPP技術仕様に従って、RBS 28A内で、ネットワーク22Aへのアップリンク通信リンクのGSMアップリンク無線測定を実行する。既知の技術を使用して、測定結果は、無線リソース制御機能(RRCU)34Aにアクセス可能なメモリ・ユニット(MU1)36A内に測定/リンク報告を記憶するBSC 26Aへと、RBS 28AからAbisインターフェースを介して移送される。
【0055】
これと並行して、ネットワーク22Bの一部であるLTE RBS 28Bは、ワイヤレス端末30からロング・ターム・エボリューション(LTE)RBS 28Bへの、アップリンク無線リンク通信チャネルの品質測定を実行する。本明細書で開示された技術を使用して、RBS 28Bは、ダウンリンク無線チャネル上でワイヤレス端末30へと送信されるリンク報告メッセージ(MRM1)内に、測定結果を定期的に書き込む。別の方法として、リンク報告は、ロング・ターム・エボリューション(LTE)無線基地局RBS 28Bによって測定された性能指示の、フィルタリングされた信号強度又は平均値などの、処理済み測定結果を含むことができる。本明細書で使用される「リンク報告」は、ハンドオーバ決定に密接に結び付いた任意の情報を含むことが可能であり、したがって前述のような測定値などのリンク関係情報を含むが、これに限定されるものではない。
【0056】
ワイヤレス端末30は、リンク報告メッセージMRM1を受信し、この情報をワイヤレス端末30内に実装されたローカル・メモリ・ユニット(MU2)38内に記憶する。このプロセスと並行し、ワイヤレス端末30は従来技術を使用して、それぞれネットワーク22A及びネットワーク22Bに関するダウンリンク通信チャネルの性能品質を測定する。図3の実施形態では、ワイヤレス端末30は、既知の技術を使用して、信号強度の測定、及び/又は、ネットワーク22C(ネットワーク22Cは図3の例示的実装におけるWCDMAネットワークである)に属する任意の近隣セルに接続されていればワイヤレス端末30が取得すると予想される無線チャネル品質に関する、他の品質情報(測定)の獲得も実行する。
【0057】
その後、本明細書で開示された技術を使用して、ワイヤレス端末30は、リンク報告メッセージMRM2を構成する。ワイヤレス端末30は、以前にLTE RBS 28Bから受信されたリンク報告メッセージMRM1内で受信された、メモリ・ユニットMU2に記憶された情報を、リンク報告メッセージMRM2内に書き込む。ワイヤレス端末30は、さらにオプションで、ダウンリンク無線チャネル及び近接セル上で移動局によって取得された品質(たとえば測定)結果を、リンク報告メッセージMRM2内に書き込む。さらに本明細書で開示された技術を使用して、ワイヤレス端末30は、リンク報告メッセージMRM2をネットワーク22A内の無線リソース制御機能34Aに送信する。リンク報告メッセージMRM2は、無線リンクを介してGSM RBS 28Aに送信することが可能であり、次にこれがこのメッセージを、Abisインターフェースを横切って、無線リソース機能34Aが実装されたGSM BSC 26Aに転送する。
【0058】
他の動作では、BSC 26Aは、無線リソース制御ユニット34Aにアクセス可能なメモリ・ユニット(MU1)36A内に、リンク報告を記憶する。その後、無線リソース制御ユニット34Aは、GSM BSC 26A内に配置されたメモリ・ユニットMU1 36A内で使用可能なほぼすべての必要な情報を有する。
【0059】
当業者であれば、上記で説明した好ましい例示的実施形態とは設計が異なるが、依然として本明細書で説明された動作を使用する、既存の代替実装が存在することを理解されたい。代替の一実施形態では、ネットワーク22A及び22Bの役割は、無線リソース制御ユニットがネットワーク22B内に常駐するように保存される。この修正では、ネットワーク22A及び22Bの役割は保存され、リンク報告メッセージはネットワーク22A内で作成されて、その後ネットワーク22Bへと送信するために移動局に送信される。他の代替実装では、リンク報告メッセージMRM1に含まれる情報は、第1のメッセージ内でワイヤレス端末からネットワーク22Aへと送信され、移動局メッセージは第2のメッセージ内でワイヤレス端末からネットワーク22Aへと送信される。さらに他の実装では、リンク報告メッセージMRM1及びMRM2のいずれかのコンテンツは、品質測定、ロード測定、或いは、ネットワーク22B又はネットワーク22A内の無線リソース制御機能に関連することが可能な移動局のいずれかによって維持される、任意の他の情報の、他のセットを備える。
【0060】
図4Aは、マルチネットワーク・リレー/コミュニケータとして働く、ワイヤレス端末30(A)の例示的実施形態をより詳細に示す。ワイヤレス端末30(A)は、通信インターフェース40及びリンク報告プロセッサ42を備える。通信インターフェース40は、ワイヤレス端末30(A)が、無線インターフェースを介して、第1の無線アクセス技術ネットワーク(たとえばネットワーク22A)及び第2の無線アクセス技術(たとえばネットワーク22B)と通信可能となるように構成される。リンク報告プロセッサ42は、第2の無線アクセス技術ネットワーク(たとえば22B)から第2のネットワーク・リンク報告メッセージMRM1を受信するように、及び、第1の無線アクセス技術ネットワーク22Aのノード(たとえば基地局制御ノード26A)への送信のためにプロキシ・リンク報告メッセージMRM2を作成するように、構成される。
【0061】
前述の内容から理解されるように、リンク報告メッセージMRM1は、ワイヤレス端末30から第2の無線アクセス技術ネットワーク22Bへの(たとえば基地局28Bへの)アップリンク品質測定の指示を含む。ワイヤレス端末30のリンク報告プロセッサ42は、第1の無線アクセス技術ネットワーク22Aのノード(たとえば基地局制御ノード26A)への送信のために、品質決定MRM1の指示をプロキシ・リンク報告MRM2内に含めるように構成される。
【0062】
いくつかのモード及び実施形態の例では、ワイヤレス端末は、本質的に、リンク報告メッセージ全体(ワイヤレス端末からのアップリンク送信に関する品質決定の指示を含む)をプロキシ・リンク報告メッセージMRM2内に含め、そのプロキシ・リンク報告メッセージMRM2を第1の無線アクセス技術ネットワークのノード(たとえば基地局制御ノード26A)に送信する。
【0063】
他のモード及び実施形態の例では、ワイヤレス端末は、アップリンク送信に関して品質決定の指示を取得し、プロキシ・リンク報告メッセージMRM2を第1の無線アクセス技術ネットワークのノードに送信する前に、品質決定(ただし、必ずしもリンク報告メッセージ全体ではない)をプロキシ・リンク報告メッセージMRM2内に挿入するか、又は他の方法で含める。
【0064】
図4で表されるさらに他のモード及び実施形態の例では、ワイヤレス端末は、アップリンク送信に関する品質決定の指示を取得し、品質決定の指示に関して処理又は動作(たとえばフィルタリング又は平均化)した後、処理又は導出された品質決定の指示を(品質決定の指示として)プロキシ・リンク報告メッセージ内に挿入するか又は他の方法で含める。
【0065】
本明細書で説明されたモード及び実施形態の任意の例では、ワイヤレス端末は、アップリンク送信に関する品質決定の指示を取得した後、リンク報告メッセージで受信した情報(たとえば品質決定の指示)に関して処理又は動作し、その後、こうした情報に関する処理又は動作の結果又は出力を、「品質決定」としてプロキシ・リンク報告メッセージ内に含める。リンク報告メッセージ内で受信した情報に関する処理又は動作は、第2の無線アクセス技術ネットワーク(たとえばリンク報告メッセージMRM1内で受信した)及び第3の無線アクセス技術ネットワーク(たとえばリンク報告メッセージMRM3内で受信した)を含む、任意のネットワークからのリンク報告メッセージ内で受信した情報に関するか又はこれを含むことができる。こうした任意の情報に関する処理又は動作の結果又は出力は、依然として、品質が査定される特定リンクに関するアップリンク品質の品質決定の「指示」とみなされる。したがって、本明細書で説明されたに任意の実施形態又はモードを参照しながら、「指示」又は「品質指示」の使用は、リンク報告メッセージ内で受信されるような品質決定の指示に関する処理又は動作の出力又は結果とすることが可能であり、実際にはリンク報告メッセージに基づくものであることを理解されたい。
【0066】
リンク報告メッセージ内で受信された情報上で、又はこの情報に関して実行される動作又は処理は、前述の実施形態又は本明細書に包含される他の実施形態のうちのいずれかのリンク報告プロセッサ42によって実行可能である。図4Bに示された一実施例では、こうした動作又は処理はフィルタリング又は平均化を含むことができる。たとえば図4Bは、フィルタリング又は平均化された結果が、(実際にリンク報告メッセージ内に含められ、フィルタリング又は平均化された結果又は出力がそれに基づくものである、生データではなく)品質決定の指示として報告される、実行平均(running average)の維持などの単純なフィルタリングを実行するフィルタFを示す。
【0067】
実施形態例では、通信インターフェース40は、たとえばPCT/SE2007/000358で開示されたような技法に従って、第1の無線アクセス技術ネットワーク22A及び第2の無線アクセス技術ネットワーク22Bと、インタリーブされた通信を実行するように構成される。非限定的な実施例では、第1の無線アクセス技術ネットワーク22A及び第2の無線アクセス技術ネットワーク22Bは、それぞれGSMネットワーク及びロング・ターム・エボリューション(LTE)ネットワークを含む。
【0068】
図4Aの実施形態例では、ワイヤレス端末30はワイヤレス端末測定ユニット44をさらに備える。ワイヤレス端末測定ユニット44は、第1の無線アクセス技術ネットワーク22Aに関するダウンリンク品質測定、及び第2の無線アクセス技術ネットワーク22Bに関するダウンリンク品質測定を実行するように構成される。リンク報告プロセッサ42及び通信インターフェース40は、ダウンリンク品質測定のうちの少なくとも1つの指示を、第1の無線アクセス技術ネットワークのノードへ(たとえばネットワーク22Aの基地局制御ノード26Aへ)と送信するように構成される。
【0069】
実施形態例では、リンク報告プロセッサ42は、ダウンリンク品質測定のうちの少なくとも1つの指示を、第1の無線アクセス技術ネットワーク22Aのノード26Aに送信されるプロキシ・リンク報告メッセージMRM2内に含めるように構成される。他の実施形態例では、リンク報告プロセッサ42は、ダウンリンク品質測定のうちの少なくとも1つの指示を、プロキシ・リンク報告メッセージMRM2とは別に、第1の無線アクセス技術ネットワーク22Aのノード26Aに送信される、ワイヤレス端末分離リンク報告メッセージMRM3内に含めるように構成される。
【0070】
図3を参照しながら理解されるような実施形態例では、さらに測定ユニット44は、第3の無線アクセス技術ネットワーク22Cのセルの信号品質を測定するように構成される。リンク報告プロセッサ42及び通信インターフェース40は、第3の無線アクセス技術ネットワーク22Cのセルの信号品質の指示を、第1の無線アクセス技術ネットワーク22Aのノード26Aに送信するように構成される。実施例では、リンク報告プロセッサ42は、第3の無線アクセス技術ネットワーク22Cのセルの信号品質の指示をプロキシ・リンク報告メッセージMRM2内に含めるように構成される。
【0071】
図5は、ワイヤレス端末30(5)などの、ワイヤレス端末の例をより詳細に示す。すでに考察されたワイヤレス端末の要素及び機能に加えて、ワイヤレス端末30(5)は、複数のネットワーク、たとえばネットワーク22A及びネットワーク22Bとの間のインタリーブ又は多重化された伝送をスケジューリングする、マルチ無線アクセス技術/ネットワーク・スケジューラ50を備える。さらに図5は、リンク報告プロセッサ42が、ある実施形態例で、分析ユニット52及び報告作成ユニット54を備えることが可能であることを示す。分析ユニット52は、基地局28Bから受信したリンク報告メッセージMRM1を分析する働きをする。報告作成ユニット54は、基地局制御ノード26Aに送信されるリンク報告メッセージMRM2(及びオプションで、ワイヤレス端末分離リンク報告メッセージMRM3)を作成する働きをする。
【0072】
図5並びに他の図において、破線60は、線60内に示された機能及びユニットが実施形態例内で実現される際に使用可能なプラットフォームを示す。「プラットフォーム」という用語は、ワイヤレス端末30の機能ユニットがマシンによってどのように実装又は実現できるかを示す方法である。プラットフォームの一例は、リンク報告プロセッサ42及びワイヤレス端末測定ユニット44を含む、線60によって囲まれた要素のうちの1つ又は複数が、本明細書で説明される様々な動作を実行するためにメモリに記憶された符号化命令(たとえば持続的(non-transitory)信号)を実行する、1つ又は複数のプロセッサによって実現される、コンピュータ実装である。こうしたコンピュータ実装では、ワイヤレス端末30は、プロセッサに加えて、メモリ・セクション62(ランダム・アクセス・メモリ64、読取り専用メモ66、アプリケーション・メモリ68(たとえば、本明細書で説明された動作を実行するためにプロセッサによって実行可能な符号化命令を記憶する)、及び、たとえばキャッシュ・メモリなどの任意の他のメモリを備えることができる)を備えることができる。
【0073】
具体的に示されているか否かにかかわらず、通常、本明細書で考察されるそれぞれの実施形態のワイヤレス端末30は、ある種の入力/出力ユニット又は機能も備えることが可能であり、ワイヤレス端末30向けの代表的な入力/出力ユニットは、キーパッド70、音声入力デバイス(たとえばマイクロフォン)72、視覚入力デバイス(たとえばカメラ)74、視覚出力デバイス(たとえばディスプレイ)76、及び音声出力デバイス(たとえばスピーカ)78として、図5に示されている。他のタイプの入力/出力デバイスを、ワイヤレス端末30に接続するか、又はこれを備えることも可能である。
【0074】
図5及び他の図の例では、線60によって示されるプラットフォームは、コンピュータ実装又はコンピュータ・ベースのプラットフォームとして示されている。ワイヤレス端末30向けの他の例示的プラットフォームは、本明細書で説明された様々な動作を実行するように回路要素が構成及び動作される、たとえば特定用途向け集積回路(ASIC)などの、ハードウェア回路のそれとすることができる。
【0075】
図6は、ネットワーク22Aの管理及び伝送を処理するように構成された第1のコントローラ80Aと、ネットワーク22Bの管理及び伝送を処理するように構成された第2のコントローラ80Bとを備えることができる。第1のコントローラ80A及び第2のコントローラ80Bは、同じプロセッサ又はコントローラ(又はプロセッサ・システム)によって実現又は実装可能であり、こうしたケースでは、持続的な実行可能信号の別々のセット(たとえば、有形媒体上に記憶されたプログラム又はルーチン)を構築することができる。具体的に言えば、図6は、リンク報告プロセッサ42及びワイヤレス端末測定ユニット44などの、前述のユニットのうちの様々が、それぞれネットワーク22A及び22Bに関連付けられたそれらの別々のサブセクション(たとえばリンク報告プロセッサ42A及びリンク報告プロセッサ42B)を有することが可能な方法を示す。
【0076】
本明細書で使用される「ワイヤレス端末」又は「UE」は、携帯電話(「セルラー式」電話)及びワイヤレス機能を備えたラップトップ(たとえば携帯端末)などであるが、これらに限定されない、移動局又はユーザ機器ユニット(UE)とすることが可能であるため、たとえば、無線アクセス・ネットワークと音声及び/又はデータを通信する、ポータブル、ポケット、ハンドヘルド、コンピュータ内蔵型、又は車載型の、移動デバイスとすることができる。
【0077】
図7は、無線基地局ノード28の実施形態例をより単純に示している。図7の基地局28は、任意の好適な無線アクセス技術ネットワーク向けの代表的な基地局ノードであるものと意図され、ワイヤレス端末30への伝送のためにリンク報告メッセージMRM1を作成するように構成される。このため、無線基地局ノード28は、通信インターフェース100、基地局測定ユニット104、及び基地局リンク報告プロセッサ106を備える。通信インターフェース100は、ワイヤレス端末30に関する無線又はエア・インターフェースを介して、アップリンク及びダウンリンクの伝送を処理するように構成される。基地局測定ユニット104は、ワイヤレス端末30からのアップリンク送信に関して品質測定を実行するように構成される。基地局リンク報告プロセッサ106は、品質測定の指示を、ワイヤレス端末30へのダウンリンク・メッセージ(たとえばMRM1(たとえばリンク報告メッセージMRM1))内に含めるように構成される。
【0078】
図8は、無線基地局ノード28の実施形態例を、やや詳細に示している。通信インターフェース100、基地局測定ユニット104、及び基地局リンク報告プロセッサ106に加えて、図8の基地局は、インターフェース108(コア・ネットワークへのインターフェース)、スケジューラ110、及びメモリ112(アプリケーション・メモリ118を含む)をさらに備える。図8は、分析ユニット120及び報告作成ユニット122を備えるような基地局測定ユニット104も示している。
【0079】
本明細書の他の場所に示されているのと同様に、実施形態例では、基地局28は破線124で単純に示されたプラットフォームを備える。基地局測定ユニット104及び基地局リンク報告プロセッサ106を含む、プラットフォーム線124内に示されたユニット及び機能は、この例では、コンピュータ実装及び/又は少なくとも部分的にハードウェア実装(たとえば回路又はASICなど)によるなどの、マシン実装によって実現される実施形態である。本明細書における、コンピュータ及び/又はプロセッサ及び/又はコントローラ実装に関するコメントは、ワイヤレス端末30について前述したような多数の入力及び出力ユニットも有することが可能な、基地局28にも適用される。
【0080】
図9は、本明細書では無線アクセス・ネットワーク・ハンドオーバ制御ノードとしても知られる、基地局制御ノード26の実施形態例を示している。図9に示されるように、無線アクセス・ネットワーク・ハンドオーバ制御ノード26は、制御ノード・リンク報告プロセッサ130及びハンドオーバ・ユニット132を備える。制御ノード・リンク報告プロセッサ130は、(基地局制御ノード26が属するホーム・ネットワークからの)ホーム・ネットワーク品質リンク報告及び(基地局制御ノード26が属していない外部ネットワークに関する)外部ネットワーク品質リンク報告を、受信するように構成される。ハンドオーバ・ユニット132は、外部ネットワークへの無線アクセス技術ハンドオーバを実行するかどうかを決定するために、ホーム・ネットワーク品質リンク報告及び外部ネットワーク品質リンク報告の両方を使用するように構成される。ホーム・ネットワーク品質リンク報告は、ワイヤレス端末30とホーム・ネットワークのノード(たとえば、基地局制御ノード26Aに関する基地局制御ノード28A)との間の伝送に関する品質測定の指示を含む。外部ネットワーク品質リンク報告は、ホーム・ネットワークを介してワイヤレス端末30から受信されたプロキシ・リンク報告メッセージ(たとえばプロキシ・リンク報告メッセージMRM2)内に含められる。外部ネットワーク品質リンク報告は、たとえば、ワイヤレス端末30から外部ネットワークのノード(たとえば、図2のネットワーク22Bの基地局28Bなど)へのアップリンク送信に関する品質測定の指示などの、ハンドオーバに密接に結び付いた情報を含む。
【0081】
図10は、より特定な実装における基地局制御ノード26の実施形態例を示している。制御ノード・リンク報告プロセッサ130及びハンドオーバ・ユニット132に加えて、図10は、ホーム・ネットワーク基地局(基地局制御ノードが基地局制御ノード26Aである場合の基地局28Aなど)へのインターフェース134と、好適なコア・ネットワークへのインターフェース136と、リソース割振り及びトラフィック処理ユニット138と、メモリ142(アプリケーション・メモリ148を含む)とを、備えるものとして、基地局制御ノード26を示している。
【0082】
本明細書の他の場所に示されているのと同様に、実施形態例では、基地局制御ノード26は破線150で単純に示されたプラットフォームを備える。ハンドオーバ・ユニット132及びハンドオーバ・ユニット134を含む、プラットフォーム線150内に示されたユニット及び機能は、この例では、コンピュータ実装及び/又は少なくとも部分的にハードウェア実装(たとえば回路又はASICなど)によるなどの、マシン実装によって実現される実施形態である。本明細書における、コンピュータ及び/又はプロセッサ及び/又はコントローラ実装に関するコメントは、ワイヤレス端末30について前述したような多数の入力及び出力ユニットも有することが可能な、基地局制御ノード26にも適用される。
【0083】
図11は、少なくとも第1の無線アクセス技術ネットワーク(たとえばネットワーク22A)及び第2の無線アクセス技術(たとえばネットワーク22B)と無線インターフェースを介して通信可能な、ワイヤレス端末(図2のワイヤレス端末30など)を動作する基本方法を含む、代表的な動作又はステップの例を示している。動作11−1は、ワイヤレス端末が、第2の無線アクセス技術ネットワークからリンク報告メッセージ(たとえばリンク報告メッセージMRM1)を受信することを含む。リンク報告メッセージMRM1は、たとえば、ワイヤレス端末から第2の無線アクセス技術ネットワークへのアップリンク品質の指示(たとえばアップリンク品質測定)などの、第2のネットワークによって査定されたハンドオーバと密接に結び付いたリンク情報を含む。ワイヤレス端末から第2の無線アクセス技術ネットワークへのアップリンク品質測定は、基地局測定ユニット104、及び、基地局リンク報告プロセッサ106によって作成されたリンク報告メッセージによって、実行可能である(図8を参照のこと)。ワイヤレス端末方法の動作11−2は、ワイヤレス端末が、アップリンク品質の指示をプロキシ・リンク報告メッセージ(たとえばプロキシ・リンク報告メッセージMRM2)内に含めること、及び、そのプロキシ・リンク報告メッセージを第1の無線アクセス技術ネットワークのノードに(たとえば図2の実施形態例ではネットワーク22Aの基地局制御ノード26Aに)送信することを、さらに含む。
【0084】
図11Aは、図11と同様のモード及び実施形態例を示すが、動作11A−2のように、ワイヤレス端末は、本質的にリンク報告メッセージ全体(ワイヤレス端末からのアップリンク送信に関する品質決定の指示を含む)をプロキシ・リンク報告メッセージMRM2内に含め、そのプロキシ・リンク報告メッセージMRM2を、第1の無線アクセス技術ネットワークのノード(たとえば基地局制御ノード26A)に送信する。
【0085】
図11Bも、図11と同様の他のモード及び実施形態例を示すが、図24を参照しながらさらに説明する。図11Bのモード及び実施形態では、動作11−1のように、ワイヤレス端末は、(たとえばリンク報告メッセージ内の)アップリンク送信に関する品質決定の指示を受信又は取得する。動作11B−1のように、ワイヤレス端末は、「品質決定の指示」ともみなされる、処理又は動作の対象となる出力又は結果を取得するために、品質決定の指示(リンク報告メッセージ内で受信される)に対して処理又は動作(フィルタリング又は平均化)を行う。動作11B−2のように、ワイヤレス端末は、処理又は導出された品質決定の指示を、(品質決定の指示として)プロキシ・リンク報告メッセージ内に挿入するか、又は他の方法で含める。
【0086】
図12は図11に類似しているが、モード及び実施形態の例では、動作11−3のように、ワイヤレス端末方法は、ワイヤレス端末が、第1の無線アクセス技術ネットワーク及び第2の無線アクセス技術ネットワークとのインタリーブ又は多重化された通信を実行することを含むという事実を、さらに示している。実施例では、第1の無線アクセス技術ネットワーク及び第2の無線アクセス技術ネットワークは、GSMネットワーク及びロング・ターム・エボリューション(LTE)ネットワークを含む。インタリーブ又は多重化された通信は、たとえば、参照により本明細書に組み込まれた、PCT/SE2007/000358に記載された技法に従うものとすることができる。
【0087】
図13は、モード及び実施形態の他の例において、図11の動作が、ワイヤレス端末30によって実行される1つ又は複数のダウンリンク品質決定によって増補可能であることを示している。図13の動作13−0は、第1の無線アクセス技術ネットワーク(たとえば図2のネットワーク22A)に関するダウンリンク品質決定(たとえば測定)と、第2の無線アクセス技術ネットワーク(たとえば図2のネットワーク22B)に関するダウンリンク品質決定とを実行する、ワイヤレス端末30を含む。たとえば図4Aの実施形態例では、ダウンリンク品質決定はワイヤレス端末測定ユニット44によって実行可能である。さらに動作13−1として、ワイヤレス端末は、ダウンリンク品質決定のうちの少なくとも1つの指示を、第1の無線アクセス技術ネットワークのノードに(たとえば図2の基地局制御ノード26Aに)送信する。図13に示された特定の実施形態及びモードでは、ダウンリンク品質決定のうちの少なくとも1つの指示は、第1の無線アクセス技術ネットワークのノードに送信されるプロキシ・リンク報告メッセージ(たとえばプロキシ・リンク報告メッセージMRM2)内に含められる。図14に示された実施形態及びモードの他の例では、動作14−0として、ワイヤレス端末は、ダウンリンク品質決定のうちの少なくとも1つの指示を、プロキシ・リンク報告メッセージとは別に第1の無線アクセス技術ネットワークのノードに送信される、ワイヤレス端末分離リンク報告メッセージ(たとえばワイヤレス端末分離リンク報告メッセージMRMS)内に含める。図14のモードでは、ワイヤレス端末分離リンク報告メッセージMRMSはプロキシ・リンク報告メッセージMRM2に先行するが、図15に示されるように、ワイヤレス端末分離リンク報告メッセージMRMSは(動作15−2のように)、プロキシ・リンク報告メッセージMRM2(動作15−1)に後続する(時間的に後に生じる)ことが可能である。
【0088】
図16は、図13の方法が、ワイヤレス端末30がさらに他のネットワーク(たとえば図3のネットワーク22C)の品質に関する決定を実行又は取得することによって増補されることを示している。動作16−0は、第3の無線アクセス技術ネットワーク22C(図16には、ネットワーク22A及びネットワーク22Bに関するダウンリンク決定に加えられるように示されている)のセルの信号品質の決定を実行(たとえば測定)するか、又は取得する、ワイヤレス端末を含む。他の動作として、ワイヤレス端末は、第3の無線アクセス技術ネットワークのセルの信号品質の指示を、第1の無線アクセス技術ネットワークのノードに送信する(動作16−1)。
【0089】
図16に示された特定の実施形態及びモードでは、動作16−1として、第3の無線アクセス技術ネットワークのセルの信号品質の指示は、第1の無線アクセス技術ネットワークのノードに送信されるプロキシ・リンク報告メッセージ(たとえばプロキシ・リンク報告メッセージMRM2)内にも含められる。図17に示された実施形態及びモードの他の例では、動作17−0として、ワイヤレス端末は、第3の無線アクセス技術ネットワークのセルの信号品質の指示を、プロキシ・リンク報告メッセージとは別に第1の無線アクセス技術ネットワークのノードに送信される、ワイヤレス端末分離リンク報告メッセージ(MRMS)内に含める。図17のモードでは、動作のワイヤレス端末分離リンク報告メッセージは、プロキシ・リンク報告メッセージMRM2に先行する(動作17−1)が、図18に示されるように、ワイヤレス端末分離リンク報告メッセージMRMSは、(動作18−2のように)、プロキシ・リンク報告メッセージMRM2(動作18−1)に後続する(時間的に後に生じる)ことが可能である。
【0090】
図19は、図2の通信システム20などの通信システムを動作する基本方法を含む、代表的動作又はステップの例を示す。動作19−1は、第2の無線アクセス技術ネットワーク(たとえば図2の基地局28B)の基地局ノードが、ワイヤレス端末(たとえばワイヤレス端末30)からのアップリンク送信に関する品質決定を実行することを含む。動作19−2は、第2の無線アクセス技術ネットワークの基地局ノードが、品質決定の指示を、ワイヤレス端末との間のダウンリンク上で送信されるリンク報告メッセージ(たとえばリンク報告メッセージMRM1)内に含めることを含む。動作19−3は、ワイヤレス端末が、その後、品質決定の指示をプロキシ・リンク報告メッセージ(たとえばプロキシ・リンク報告メッセージMRM2)内に含めることを含む。動作19−4は、ワイヤレス端末が、プロキシ・リンク報告メッセージを、第1の無線アクセス技術ネットワークのノードに(たとえば図2のネットワーク22Aの基地局制御ノード26Aに)送信することを含む。動作19−5は、第1の無線アクセス技術ネットワークのノードが、無線アクセス技術ハンドオーバ手順を実行するかどうかを決定するために、ワイヤレス端末からのアップリンク送信に関する(プロキシ・リンク報告メッセージに含められるような)品質決定を使用することを含む。
【0091】
動作19−4は、ワイヤレス端末が、第1の無線アクセス技術ネットワークのノードへのホーム・ネットワーク品質リンク報告として、ワイヤレス端末と第1の無線アクセス技術ネットワークとの間の伝送に関する品質決定の指示も提供することを含む。
【0092】
図20に示された実施形態及びモードの例では、動作19−1及び19−2に加えて、動作20−1のように、ワイヤレス端末は、ワイヤレス端末と第1の無線アクセス技術ネットワークとの間の伝送に関する品質決定(たとえば測定)を実行する。動作20−2のように、ワイヤレス端末は、ワイヤレス端末と第1の無線アクセス技術ネットワークとの間の伝送に関するこの品質決定の指示を、プロキシ・リンク報告メッセージ内にも含める。動作20−3のように、第1の無線アクセス技術ネットワークの制御ノードは、無線アクセス技術ハンドオーバ手順を実行するかどうかを決定するために、(動作19−5で使用された指示に加えて)ワイヤレス端末と第1の無線アクセス技術ネットワークとの間の信号品質の指示も使用する。
【0093】
図21に示される実施形態及びモードのさらに他の例では、動作19−1及び19−2に加えて、動作21−1のように、ワイヤレス端末は、ダウンリンク品質決定のうちの少なくとも1つの指示を、プロキシ・リンク報告メッセージとは別に第1の無線アクセス技術ネットワークのノードに送信されるワイヤレス端末分離リンク報告メッセージ内に含める。前述の考察及び図面から理解されるように、プロキシ・リンク報告メッセージは、分離リンク報告メッセージに先行するか又は後続することが可能である。さらに、ワイヤレス端末30によって実行されるダウンリンク(DL)決定は、第2のネットワーク測定報告メッセージMRM1の前又は後に実行することが可能である。
【0094】
図22に示される実施形態及びモードの例では、動作19−1及び19−2に加えて、動作22−1のように、方法は、ワイヤレス端末が、第3の無線アクセス技術ネットワーク22C(図22には、ネットワーク22A及びネットワーク22Bに関するダウンリンク決定に加えられるように示されている)のセルの信号品質を決定(たとえば測定)又は取得することをさらに含む。他の動作22−2として、ワイヤレス端末は、第3の無線アクセス技術ネットワークの(たとえば第3の無線アクセス技術ネットワークのセルの)信号品質の指示を、第1の無線アクセス技術ネットワークのノードに送信する。動作22−3として、第1の無線アクセス技術ネットワークのノードは、無線アクセス技術ハンドオーバ手順を実行するかどうかを決定するために、第3の無線アクセス技術ネットワークの信号品質の指示も使用する。動作22−3の決定は、動作19−5及び動作20−3のような他の指示を使用することが可能である。
【0095】
図22に示される特定の実施形態及びモードでは、動作22−2のように、第3の無線アクセス技術ネットワークの信号品質の指示は、第1の無線アクセス技術ネットワークのノードに送信されるプロキシ・リンク報告メッセージ(たとえばプロキシ・リンク報告メッセージMRM2)にも含められる。図23に示される実施形態及びモードの他の例では、動作23−3として、ワイヤレス端末は、第3の無線アクセス技術ネットワークのセルの信号品質の指示を、動作23−2のプロキシ・リンク報告メッセージとは別に第1の無線アクセス技術ネットワークのノードに送信されるワイヤレス端末分離リンク報告メッセージ内に含める。図23のモードでは、動作23−3のワイヤレス端末分離リンク報告メッセージは、プロキシ・リンク報告メッセージMRM2(動作23−2)の後に続いているが、ワイヤレス端末分離リンク報告メッセージが、動作23−2のプロキシ・リンク報告メッセージMRM2に先行できる(時間的に前である)ことも理解されたい。動作23−4として、第1の無線アクセス技術ネットワークのノードは、無線アクセス技術ハンドオーバ手順を実行するかどうかを決定するために、第3の無線アクセス技術ネットワークの信号品質の指示も使用する。動作23−4の決定は、動作19−5及び20−3のような他の指示を使用することが可能である。
【0096】
当業者であれば、本明細書では3GPP無線技術であるGSA、WCDMA、及びLTEとの関連において説明されているが、本明細書で開示された技術は、IEEE802.11技術(WiFi)、IEEE802.16システム(WiMAX)、3GPP”に記載されたcdmaシステム、又は、セルラー構造及びハンドオフ技術を使用する任意の他の無線技術を含む、無線技術の任意の他の組み合わせでも等しく適切に使用可能であることも理解されたい。
【0097】
本明細書で開示された技術の利点は、多数の無線ネットワーク内を動き回る移動局に関する、より良い品質の音声及びデータ・サービスである。特に、本明細書で開示された技術は、移動局がサービス・セル内で無線品質不良の領域に入った場合、より良いセルへのハンドオフをより正確に決定することになる。GSM、WCDMA、及びLTEが組み合わせられた好ましい実施形態例では、本明細書で開示された技術は、LTEデータ・サービスのためのアップリンク品質測定を、組み合わせられたGSM/LTEネットワークからWCDMAネットワークへとハンドオフする場合の評価アルゴリズムに含めることになる。
【0098】
本明細書で開示された技術の他の利点は、組み合わせられたGSM/WCDMA/LTEシステムにおいてドロップされる音声呼び出しの数を低減することである。
【0099】
さらに他の利点は、マルチ技術無線ネットワークにおけるより良好な移動データ・サービスである。
【0100】
本明細書で開示された技術の追加の一利点は、異なる無線技術ネットワーク間での不必要なハンドオフの回数を低減することである。
【0101】
前述の機能、イベント、ステップ、又は動作は、コンピュータ実装とするか、或いは、本明細書で広義に定義されたプロセッサ又はコントローラによって実行することが可能な、前述のユニットを含むユニットによって実装可能である。
【0102】
前述の説明は多くの特定性を含んでいるが、これらは、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の現時点で好ましいいくつかの実施形態を単に例示するものであると解釈されたい。したがって、本発明の範囲は、当業者には明白となるであろう他の実施形態を完全に包含すること、したがって本発明の範囲が過度に限定されないことを理解されよう。単数形の要素についての言及は、特に明示的に示されていない限り「唯一」を意味するものではなく、むしろ「1つ又は複数」を意味するものと意図される。当業者に知られている前述の好ましい実施形態の要素に対するすべての構造的、化学的、及び機能的な等価物は、本明細書によって明確に組み込まれ、包含されるものと意図される。さらに、デバイス又は方法は、必ずしも、本発明によって解決されるものとみられるそれぞれ及びあらゆる問題に対処するもの、本明細書によって包含されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の無線アクセス技術ネットワーク及び第2の無線アクセス技術との通信が可能なワイヤレス端末(30)を動作する方法であって、
前記ワイヤレス端末(30)が、第2の無線アクセス技術ネットワークからリンク報告メッセージを受信することであって、前記リンク報告メッセージは前記ワイヤレス端末(30)から前記第2の無線アクセス技術ネットワークへのアップリンク品質の指示を含む、受信すること、
前記ワイヤレス端末(30)が、前記品質決定の指示をプロキシ・リンク報告メッセージ内に含めること、及び、前記プロキシ・リンク報告メッセージを前記第1の無線アクセス技術ネットワークのノードに送信すること、
を特徴とする、方法。
【請求項2】
前記ワイヤレス端末(30)が、本質的にリンク報告メッセージ全体をプロキシ・リンク報告メッセージ内に含めることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ワイヤレス端末(30)が、前記アップリンク品質の指示を処理すること、及び、処理された結果を前記品質決定の指示として前記プロキシ・リンク報告メッセージ内に含めることを、さらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ワイヤレス端末(30)が、前記第1の無線アクセス技術ネットワーク及び前記第2の無線アクセス技術ネットワークとのインタリーブされた通信を実行することをさらに含み、前記第1の無線アクセス技術ネットワーク及び前記第2の無線アクセス技術ネットワークが、それぞれGlobal System for Mobile communications(GSM)ネットワーク及びロング・ターム・エボリューション(LTE)ネットワークのうちの1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ワイヤレス端末(30)が、前記第1の無線アクセス技術ネットワークに関するダウンリンク品質決定と、前記第2の無線アクセス技術ネットワークに関するダウンリンク品質決定とを実行すること、
前記ワイヤレス端末(30)が、前記ダウンリンク品質決定のうちの少なくとも1つの指示を、前記第1の無線アクセス技術ネットワークの前記ノードに送信すること、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ワイヤレス端末(30)が、前記ダウンリンク品質決定のうちの少なくとも1つの指示を、前記プロキシ・リンク報告メッセージ内に含めることをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ワイヤレス端末(30)が、前記ダウンリンク品質決定のうちの少なくとも1つの指示を、ワイヤレス端末(30)分離リンク報告メッセージ内に含めることをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記ワイヤレスが、第3の無線アクセス技術ネットワークに関する信号品質の決定を実行すること、及び
前記ワイヤレス端末(30)が、前記第3の無線アクセス技術ネットワークの前記信号品質の指示を、前記第1の無線アクセス技術ネットワークの前記ノードに送信すること、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ワイヤレス端末(30)が、前記第3の無線アクセス技術ネットワークの前記信号品質の指示を、前記プロキシ・リンク報告メッセージ内に含めることをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ワイヤレス端末(30)が、第1の無線アクセス技術ネットワーク及び第2の無線アクセス技術ネットワークと通信できるようにするように構成された、通信インターフェース(40)を備え、
リンク報告プロセッサ(42)が、前記第2の無線アクセス技術ネットワークからリンク報告メッセージを受信するように、及び、前記第1の無線アクセス技術ネットワークのノードへ送信するためのプロキシ・リンク報告メッセージを作成するように構成されること、
前記リンク報告メッセージが、前記ワイヤレス端末(30)から前記第2の無線アクセス技術ネットワークへのアップリンク品質の指示を含むこと、及び
前記リンク報告プロセッサ(42)が、前記品質決定の指示を前記プロキシ・リンク報告メッセージ内に含めるように構成されること、
を特徴とする、ワイヤレス端末(30)。
【請求項11】
前記リンク報告プロセッサ(42)が、本質的にリンク報告メッセージ全体を前記プロキシ・リンク報告メッセージ内に含めるように構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記リンク報告プロセッサ(42)が、前記アップリンク品質の前記指示を処理するように、及び、処理された結果を前記品質決定の前記指示として前記プロキシ・リンク報告メッセージ内に含めるように、構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記通信インターフェース(40)が、前記第1の無線アクセス技術ネットワーク及び前記第2の無線アクセス技術ネットワークとのインタリーブされた通信を実行するように構成され、前記第1の無線アクセス技術ネットワーク及び前記第2の無線アクセス技術ネットワークが、それぞれGlobal System for Mobile communications(GSM)ネットワーク及びロング・ターム・エボリューション(LTE)ネットワークのうちの1つを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の無線アクセス技術ネットワークに関するダウンリンク品質測定及び前記第2の無線アクセス技術ネットワークに関するダウンリンク品質測定を実行するように構成された、ワイヤレス端末(30)測定ユニットをさらに備え、
前記リンク報告プロセッサ(42)及び前記通信インターフェース(40)が、前記ダウンリンク品質決定のうちの少なくとも1つの指示を、前記第1の無線アクセス技術ネットワークの前記ノードに送信するように構成された、
請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記リンク報告プロセッサ(42)が、前記ダウンリンク品質測定のうちの少なくとも1つの前記指示を、前記プロキシ・リンク報告メッセージ内に含めるように構成された、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記リンク報告プロセッサ(42)が、前記ダウンリンク品質測定のうちの少なくとも1つの前記指示を、前記プロキシ・リンク報告メッセージとは別に第1の無線アクセス技術ネットワークの前記ノードに送信される、ワイヤレス端末(30)分離リンク報告メッセージ内に含めるように構成された、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
さらに前記測定ユニットが、第3の無線アクセス技術ネットワークに関する信号品質決定を実行するように構成され、
前記リンク報告プロセッサ(42)及び前記通信インターフェース(40)が、前記第3の無線アクセス技術ネットワークの前記信号品質の指示を、前記第1の無線アクセス技術ネットワークの前記ノードに送信するように構成された、
請求項10に記載の装置。
【請求項18】
前記リンク報告プロセッサ(42)が、前記第3の無線アクセス技術ネットワークの前記信号品質の前記指示を、前記プロキシ・リンク報告メッセージ内に含めるように構成された、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
ワイヤレス端末(30)へのアップリンク送信を送信し、ワイヤレス端末(30)からダウンリンク伝送を受信するように構成された、通信インターフェース(100)と、
前記ワイヤレス端末(30)からのアップリンク送信に関する品質決定を実行するように構成された、基地局測定ユニット(104)と、
前記品質決定の指示を、前記ワイヤレス端末(30)へのリンク報告メッセージ内に含めるように構成された、基地局リンク報告プロセッサ(106)と、
を備えることを特徴とする、無線基地局ノード(28)。
【請求項20】
リンク報告メッセージ及びプロキシ・リンク報告メッセージを受信するように構成された、制御ノード・リンク報告プロセッサ(130)と、
第1の無線アクセス技術から第2の無線アクセス技術ネットワークへのハンドオーバを実行するかどうかを決定するために、前記リンク報告メッセージ及び前記リンク報告メッセージの両方を使用するように構成された、ハンドオーバ・ユニット(132)と、
を備えることを特徴とし、
前記リンク報告メッセージは、ワイヤレス端末(30)と前記第1のネットワークのノードとの間の伝送に関する品質測定の指示を含み、
前記ハンドオーバ・ユニットは、前記ワイヤレス端末(30)から前記第1の無線アクセス技術ネットワークを通じて前記プロキシ・リンク報告メッセージを受信するように構成され、前記プロキシ・リンク報告メッセージは、前記ワイヤレス端末(30)から前記第2の無線アクセス技術ネットワークへのアップリンク送信に関する品質決定の指示を含む、
無線アクセス・ネットワーク・ハンドオーバ制御ノード(26)。
【請求項21】
第1の無線アクセス技術ネットワーク及び第2の無線アクセス技術ネットワークを備える通信システムを動作する方法であって、
前記第2の無線アクセス技術ネットワークの基地局ノードが、ワイヤレス端末(30)からのアップリンク送信に関する品質決定を実行すること、
前記第2の無線アクセス技術ネットワークの前記基地局ノードが、前記ワイヤレス端末(30)からの前記アップリンク送信に関する前記品質決定の指示を、前記ワイヤレス端末(30)に送信されたリンク報告メッセージ内に含めること、
前記ワイヤレス端末(30)が、前記リンク報告メッセージに基づく前記ワイヤレス端末(30)からの前記アップリンク送信に関する品質決定の前記指示を、プロキシ・リンク報告メッセージ内に含めること、及び前記プロキシ・リンク報告メッセージを前記第1の無線アクセス技術ネットワークのノードに送信すること、
無線アクセス技術ハンドオーバ手順を実行するかどうかを決定するために、前記プロキシ・リンク報告メッセージ内に含められたような前記ワイヤレス端末(30)からの前記アップリンク送信に関する前記品質決定を使用すること、
を特徴とする、方法。
【請求項22】
前記ワイヤレス端末(30)が、本質的に前記リンク報告メッセージ全体を前記プロキシ・リンク報告メッセージ内に含めることをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ワイヤレス端末(30)が、前記アップリンク品質の前記指示を処理すること、及び、処理された結果を前記品質決定の前記指示として前記プロキシ・リンク報告メッセージ内に含めることをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記ワイヤレス端末(30)が、前記ワイヤレス端末(30)と前記第1の無線アクセス技術ネットワークとの間での伝送に関する品質決定の指示を、前記第1の無線アクセス技術ネットワークの前記ノードにも提供すること、
前記無線アクセス技術ハンドオーバ手順を実行するかどうかを決定するために、前記ワイヤレス端末(30)と前記第1の無線アクセス技術ネットワークとの間の前記信号品質の前記指示を使用すること、
をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記ワイヤレス端末(30)が、前記プロキシ・リンク報告メッセージ内で、前記ワイヤレス端末(30)と前記第1の無線アクセス技術ネットワークとの間の伝送に関する前記品質決定の前記指示を、前記プロキシ・リンク報告メッセージ内にも含めることをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ワイヤレス端末(30)が、前記ワイヤレス端末(30)と前記第1の無線アクセス技術ネットワークとの間の前記伝送に関する前記品質決定の前記指示を、ワイヤレス端末(30)分離リンク報告メッセージ内に含めることをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記ワイヤレス端末(30)が、第3の無線アクセス技術ネットワークの信号品質に関する決定を実行すること、
前記ワイヤレス端末(30)が、前記第3の無線アクセス技術ネットワークの前記信号品質に関する前記決定の指示を、前記第1の無線アクセス技術ネットワークの前記ノードに送信すること、及び
前記無線アクセス技術ハンドオーバ手順を実行するかどうかを決定するために、前記第3の無線アクセス技術ネットワークの前記信号品質の前記指示を使用すること、
をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記ワイヤレス端末(30)が、前記第3の無線アクセス技術ネットワークの前記信号品質の前記指示を、前記プロキシ・リンク報告メッセージ内に含めることをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ワイヤレス端末(30)が、前記第3の無線アクセス技術ネットワークの前記信号品質の前記指示を、ワイヤレス端末分離リンク報告メッセージ内に含めることをさらに含む、請求項27に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公表番号】特表2013−514701(P2013−514701A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543943(P2012−543943)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【国際出願番号】PCT/IB2010/055601
【国際公開番号】WO2011/073847
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.WCDMA
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】