説明

アクチュエータ、および撮像装置

【課題】小型の構成で大きな駆動力を発生させることが可能な技術を提供する。
【解決手段】固定部と、一端が固定部に固設され、且つ一方向に延設される板状の可動部と、を備えるアクチュエータとする。そして、該可動部が、一端が固定部に固設され且つ一方向に延設される板状のベース部と、該ベース部の一方主面上において該ベース部と一体的に形成され、且つ第1の光の照射に応じて上記一方向に伸び、第2の光の照射に応じて上記一方向に縮む光変位部と、を有するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型のアクチュエータおよび該アクチュエータを備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ズーム機能やオートフォーカス(AF)機能を有するカメラモジュールが搭載された携帯電話機が市販されている。このカメラモジュールでは、光学レンズを移動させるための小型のアクチュエータが必要とされている。そして、カメラモジュールの更なる小型化が指向される中、アクチュエータについても更なる小型化が要求されている。
【0003】
まず、カメラモジュールについては、従来、レンズを支持するレンズバレルとレンズホルダ、赤外線(IR)カットフィルタを支持するホルダ、基板、撮像素子、および光学素子からなる積層体を保持する筐体、該積層体を封止する樹脂などが必要とされている。よって、上記多数の部品の小型化を図ると、多数の部品を精度良く組み合わせてカメラモジュールを作製することは容易でなかった。そこで、基板と、多数の撮像素子が形成された半導体シートと、多数の撮像レンズが形成されたレンズアレイシートとを樹脂層を介して貼り付けて積層部材を形成し、該積層部材をダイシングして、個々のカメラモジュールを完成させる技術が提案されている(例えば、特許文献1など)。
【0004】
そして、小型のアクチュエータについては、応答性に優れ、比較的大きな変位の実現が可能なものとして、光の刺激により構造変化を引き起こすアゾベンゼン化合物を用いたものが提案されている(例えば、特許文献2,3など)。
【0005】
【特許文献1】特開2007−12995号公報
【特許文献2】特開2007−106945号公報
【特許文献3】特開2005−291026号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献2,3で提案されたアクチュエータは、アゾベンゼン化合物からなる光屈曲膜自身が光の照射に応じて屈曲するものであり、小型の構成で大きな力を生むことができない。
【0007】
これに対して、例えば、現在市販されている小型の撮像レンズユニットを移動させるタイプのAF機構については、移動対象物である撮像レンズユニットは軽いものでも0.2g程度の重量を有する。それに加えて、部品間に生じる摩擦やバネによる負荷、更には、絞り機構からの電気信号を外部に伝達するためのフレキシブル基板の負荷なども考慮すると、アクチュエータに対して合計で1gf程度の負荷が生じるのが一般的である。
【0008】
したがって、上記特許文献2,3で提案されたアクチュエータを利用して撮像レンズユニットを移動させるためには、アクチュエータの大型化、ひいてはカメラモジュールの大型化を招いてしまう。そして、このような問題は、撮像レンズユニットを移動させるアクチュエータに限られず、種々の移動対象物を移動させるアクチュエータ一般に共通する。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、小型の構成で大きな駆動力を発生させることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、固定部と、一端が前記固定部に固設され、且つ一方向に延設される板状の可動部と、を備え、前記可動部が、一端が前記固定部に固設され、且つ前記一方向に延設される板状のベース部と、前記ベース部の一方主面上において該ベース部と一体的に形成され、且つ第1の光の照射に応じて前記一方向に伸び、第2の光の照射に応じて前記一方向に縮む光変位部と、を有することを特徴とするアクチュエータである。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のアクチュエータであって、前記ベース部が、前記第1および第2の光をそれぞれ発する発光部を含むことを特徴とする。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載のアクチュエータであって、前記発光部が、前記第1の光を発する第1の有機EL素子と、前記第2の光を発する第2の有機EL素子とを含むことを特徴とする。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3の何れかに記載のアクチュエータであって、前記光変位部が、ジアリールエテンを用いて構成されることを特徴とする。
【0014】
また、請求項5の発明は、請求項1から請求項4の何れかに記載のアクチュエータと、前記アクチュエータによって移動される光学レンズと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1から請求項5の何れに記載の発明によっても、光の照射による光変位部の伸縮に応じて可動部が曲がるため、小型の構成で大きな駆動力を発生させることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、アクチュエータの外部に発光部を設ける必要性がなくなるため、アクチュエータの配置の自由度が高まる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、可動部の曲げに対する抵抗が抑制されるため、駆動力の低下を招かない。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、光の照射に対する伸縮の応答性が高まるため、所望のタイミングで駆動力を発生させることができる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、小型の構成で光学レンズを移動させることが可能な撮像装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
<1.携帯電話機の概略構成>
図1は、本発明の実施形態に係るカメラモジュール400を搭載した携帯電話機100の概略構成を例示する模式図である。なお、図1および図1以降の図では方位関係を明確化するために、XYZの相互に直交する3軸が適宜付されている。
【0022】
図1(a)で示すように、携帯電話機100は、画像取得再生部200と本体部300とを備える。画像取得再生部200は、カメラモジュール400や表示ディスプレイ(不図示)を有し、本体部300は、携帯電話機100の全体を制御する制御部とテンキーなどの各種ボタン(不図示)とを有する。なお、画像取得再生部200と本体部300とが、回動可能なヒンジ部によって連結され、携帯電話機100が折り畳み可能となっている。
【0023】
図1(b)は、携帯電話機100のうちの画像取得再生部200に着目した断面模式図である。図1(a),(b)で示すように、カメラモジュール400は、XY断面のサイズが約5mm四方であり、厚さ(Z方向の奥行き)が約3mm程度である小型の撮像装置、すなわち所謂マイクロカメラユニット(MCU)となっている。
【0024】
<2.カメラモジュールの構成>
図2は、カメラモジュール400の構成例を模式的に示す分解斜視図である。図2で示すように、カメラモジュール400は、撮像素子層10、撮像センサホルダ層20、赤外カットフィルタ層30、第1レンズ層40、第2レンズ層50、アクチュエータ層60、平行バネ下層70、第3レンズ層80、平行バネ上層90、および保護層CBの10層がこの順番で積層されて形成されている。そして、10層に含まれる相互に隣接する各2層の間が、エポキシ樹脂などの樹脂によって接合されており、各層間に樹脂が介在している。また、各層10〜90,CBは、±Z方向の面において略同一の矩形状(ここでは、一辺が約5mmの正方形)の外形を有する。なお、後述するが、第3レンズ層80については、カメラモジュール400の製造途中で、連結部が図中の太破線で描かれた部分84a,84bで切断され、枠部F8とレンズ部81とが分離された状態となる(図4(b)参照)。
【0025】
<2−1.各層の構成>
図3および図4は、撮像素子層10、撮像センサホルダ層20、赤外カットフィルタ層30、第1レンズ層40、第2レンズ層50、アクチュエータ層60、平行バネ下層70、第3レンズ層80、平行バネ上層90、および保護層CBの構成例をそれぞれ示す平面図である。
【0026】
○撮像素子層10:
図3(a)で示すように、撮像素子層10は、例えば、COMSセンサまたはCCDセンサなどで形成される撮像素子部11、その周辺回路、および撮像素子部11を囲む外周部F1を備えるチップである。なお、ここでは図示を省略しているが、撮像素子層10の裏面(−Z側の面)には、撮像素子部11に対する信号の付与、および撮像素子部11からの信号の読み出しを行うための配線を接続するための各種端子が設けられる。更に、撮像素子部11の+Z側の面は、被写体からの光を受光する面(撮像面)として機能し、外周部F1が、撮像素子層10の+Z側に隣接する撮像センサホルダ層20に対して接合される。
【0027】
○撮像センサホルダ層20:
図3(b)で示すように、撮像センサホルダ層20は、例えば、樹脂などの素材によって形成され、接合によって取り付けられる撮像素子層10を保持するチップである。具体的には、撮像センサホルダ層20の略中央には、断面が略正方形の開口21がZ方向に沿って設けられ、該開口21の断面は+Z側に行くに従って小さくなる。なお、図3(b)の破線で描かれた四角形は、−Z側の面における開口21の外縁を示す。更に、撮像センサホルダ層20の外周部の−Z側の面が隣接する撮像素子層10と接合され、該外周部の+Z側の面が隣接する赤外カットフィルタ層30と接合される。
【0028】
○赤外カットフィルタ層30:
図3(c)で示すように、赤外カットフィルタ層30は、透明基板上に屈折率の異なる透明薄膜が多層化されて構成された赤外線をカットするフィルタのチップである。具体的には、赤外カットフィルタ層30は、例えば、ガラスまたは透明樹脂で構成される基板の上面に屈折率の異なる多数の透明薄膜をスパッタリングなどで形成したもので、薄膜の厚みおよび屈折率の組合せにより、透過する光の波長帯が制御される。例えば、赤外カットフィルタ層30としては、600nm以上の波長帯の光を遮断するものが好ましい。更に、赤外カットフィルタ層30の外周部の−Z側の面が隣接する撮像センサホルダ層20と接合され、該外周部の+Z側の面が隣接する第1レンズ層40と接合される。
【0029】
○第1レンズ層40:
図3(d)で示すように、第1レンズ層40は、正のレンズパワーを有する光学レンズからなるレンズ部41と、該レンズ部41を囲み且つ該第1レンズ層40の外周部を構成する枠部F4とが同一の素材で一体成型されて形成されたチップである。そして、第1レンズ層40を構成する素材としては、フェノール系の樹脂やアクリル系の樹脂、あるいはガラスなどが挙げられる。なお、レンズ部41は、第1〜3レンズ層40,50,80による焦点が撮像素子部11に対応したものとなるように光を屈折させる光学レンズとなっている。更に、枠部F4の−Z側の面が隣接する赤外カットフィルタ層30と接合され、該枠部F4の+Z側の面が隣接する第2レンズ層50と接合される。
【0030】
○第2レンズ層50:
図3(e)で示すように、第2レンズ層50は、負のレンズパワーを有する光学レンズからなるレンズ部51と、該レンズ部51を囲み且つ該第2レンズ層50の外周部を構成する枠部F5とが同一の素材で一体成型されて形成されたチップである。そして、第2レンズ層50を構成する素材としては、第1レンズ層40と同様に、フェノール系の樹脂やアクリル系の樹脂、あるいはガラスなどが挙げられる。なお、レンズ部51は、レンズ部41と同様に、第1〜3レンズ層40,50,80による焦点が撮像素子部11に対応したものとなるように光を屈折させる光学レンズとなっている。更に、枠部F5の−Z側の面が隣接する第1レンズ層40(具体的には、枠部F4)と接合され、該枠部F5の+Z側の面が隣接するアクチュエータ層60と接合される。
【0031】
○アクチュエータ層60:
図3(f)で示すように、アクチュエータ層60は、撮像素子層10の撮像面側に配置されるとともに、第3レンズ層80のレンズ部81を移動させる薄板状の第1および第2可動部61,62を備えるチップである。また、アクチュエータ層60は、外周部を構成する枠部F6と、該枠部F6の内側の中空部分に対して該枠部F6から突設される2枚の板状の第1および第2可動部61,62とを備える。ここでは、2枚の第1および第2可動部61,62は、一端がそれぞれ枠部F6に固設され、且つY軸に沿って延設されており、枠部F6が2枚の第1および第2可動部61,62を囲むように形成されている。そして、枠部F6は、カメラモジュール400が携帯電話機100における画像取得再生部200の筐体に対して固定されている部分(本発明の「固定部」に相当する)を構成する。
【0032】
より具体的には、枠部F6は、X軸に対して平行に延設され且つ相互に対向する2辺を成す2枚の板状部材と、Y軸に対して平行に延設され且つ相互に対向する2辺を成す2枚の板状部材とからなる4枚の板状部材がロの字型に配置されて形成される。また、該4枚の板状部材のうちの1枚の板状部材(ここでは、−Y側の板状部材)が形成する枠部F6の内縁のうち、−X側の端部(一端)近傍の所定部(一方所定部)に第1可動部61の一端が固設され、+X側の端部(他端)近傍の所定部(他方所定部)に第2可動部62の一端が固設される。つまり、2枚の第1および第2可動部61,62の各一端が枠部F6に対して固定された端部(固定端)となり、2枚の第1および第2可動部61,62の各他端が枠部F6に対する相対的な位置が自由に変更される端部(自由端)となっている。更に、枠部F6の−Z側の面が隣接する第2レンズ層50(具体的には、枠部F5)と接合され、該枠部F6の+Z側の面が隣接する平行バネ下層70と接合される。
【0033】
また、第1および第2可動部61,62は、それぞれアクチュエータ素子として、照射される光の種類に応じて伸縮する素子(光変位素子)が用いられて構成されている。第1および第2可動部61,62の詳細な構成ならびに動作については後述する。
【0034】
○平行バネ下層70:
図4(a)で示すように、平行バネ下層70は、りん青銅などの金属材料で構成され、枠部F7と、弾性部71とを有するチップであり、バネ機構を形成する層(弾性層)となっている。枠部F7は、平行バネ下層70の外周部を構成する。そして、枠部F7の−Z側の面が隣接するアクチュエータ層60(具体的には、枠部F6)と接合され、該枠部F7の+Z側の面が隣接する第3レンズ層80と接合される。弾性部71は、3つの略直線状に伸びる板状部材71a,71b,71cがコの字型に連結されて形成され、3つの板状部材71a,71b,71cのうちの両側の2本の板状部材71a,71cの各一端、すなわち弾性部71の両端が、枠部F7の2箇所に固設される。ここでは、弾性部71は、枠部F7の内側の中空部分に配置されるため、枠部F7が、弾性部71を囲むように形成される。
【0035】
より具体的には、枠部F7は、枠部F6と同様に、X軸に対して平行に延設され且つ相互に対向する2辺を成す2枚の板状部材と、Y軸に対して平行に延設され且つ相互に対向する2辺を成す2枚の板状部材とからなる4枚の板状部材がロの字型に配置されて形成される。また、該4枚の板状部材のうちの1枚の板状部材(ここでは、−Y側の板状部材)が形成する枠部F7の内縁のうち、−X側の端部(一端)近傍の所定部(一方所定部)に弾性部71の一端(具体的には、板状部材71aの一端)が固設され、+X側の端部(他端)近傍の所定部(他方所定部)に弾性部71の他端(具体的には、板状部材71cの一端)が固設される。
【0036】
また、弾性部71を構成する3つの板状部材71a,71b,71cのうち、両側の2つの板状部材71a,71cの下面(−Z側の面)が、第1および第2可動部61,62の上面(+Z側の面)に当接する。
【0037】
○第3レンズ層80:
図4(b)で示すように、第3レンズ層80は、枠部F8と、レンズ部81と、レンズ保持部83とを有するチップである。この第3レンズ層80を構成する素材としては、第1および第2レンズ層40,50と同様に、フェノール系の樹脂やアクリル系の樹脂、あるいはガラスなどが挙げられる。
【0038】
枠部F8は、第3レンズ層80の外周部を構成する。具体的には、枠部F8は、X軸に対して平行に延設され且つ相互に対向する2辺を成す2枚の板状部材と、Y軸に対して平行に延設され且つ相互に対向する2辺を成す2枚の板状部材とからなる4枚の板状部材がロの字型に配置されて形成される。そして、枠部F8の内側に形成される中空部分に、レンズ部81およびレンズ保持部83が配置され、レンズ部81およびレンズ保持部83が枠部F8に囲まれた状態となっている。また、枠部F8の−Z側の面が隣接する平行バネ下層70(具体的には、枠部F7)と接合され、該枠部F8の+Z側の面が隣接する平行バネ上層90と接合される。
【0039】
レンズ部81は、撮像素子部11からの距離が変更可能な光学レンズであり、ここでは、正のレンズパワーを有する。レンズ保持部83は、レンズ部81を保持し、平行バネ下層70の弾性部71と、後述する平行バネ上層90の弾性部91とによって挟持される。具体的には、例えば、レンズ保持部83は、レンズ部81と一体的に成型され、レンズ保持部83の+Y側の端部のうち、−Z側の面に弾性部71が接合され、+Z側の面に弾性部91が接合される。
【0040】
なお、第3レンズ層80については、カメラモジュール400の製造途中で、図4(b)で示すように、連結部が図中の太破線で描かれた部分84a,84bで切断されて、枠部F8と、レンズ部81およびレンズ保持部83とが分離された状態となり、第3レンズ層80が形成される。
【0041】
○平行バネ上層90:
図4(c)で示すように、平行バネ上層90は、平行バネ下層70と同様な構成を有し、りん青銅などの金属材料で構成され、枠部F9と、弾性部91とを有するチップであり、バネ機構を形成する層(弾性層)となっている。枠部F9は、平行バネ上層90の外周部を構成する。そして、枠部F9の−Z側の面が隣接する第3レンズ層80(具体的には、枠部F8)と接合され、該枠部F9の+Z側の面が隣接する保護層CBと接合される。弾性部91は、弾性部71と同様に、3つの略直線状に伸びる板状部材91a,91b,91cがコの字型に連結されて形成され、3つの板状部材91a,91b,91cのうちの両側の2本の板状部材91a,91cの各一端、すなわち弾性部91の両端が、枠部F9の2箇所に固設される。ここでは、弾性部91は、枠部F9の内側の中空部分に配置されるため、枠部F9が、弾性部91を囲むように形成されている。枠部F9のより具体的な構成については、上述した枠部F7と同様となるため、ここでは、説明を省略する。
【0042】
なお、弾性部91を構成する3つの板状部材91a,91b,91cのうち、中央の1つの板状部材91bの下面(−Z側の面)が、レンズ保持部83に接合されることで、レンズ保持部83が、弾性部71と弾性部91とによって挟持される。
【0043】
○保護層CB:
図4(d)で示すように、保護層CBは、盤面が略正方形の板状の透明部材であり、例えば、樹脂やガラスなどによって構成される。そして、保護層CBの外周部の−Z側の面が隣接する平行バネ上層90(具体的には、枠部F9)と接合される。保護層CBの外周部は、例えば、外周に沿って凸形状を持つ構造にして、凸形状の上端面で接合するようにしても良い。
【0044】
<2−2.アクチュエータ層の詳細な構成>
図5および図6は、アクチュエータ層60の詳細な構成を説明するための図である。図5および図6では、各層10〜90,CBを+Z方向から見た平面図を示した図3および図4とは異なり、アクチュエータ層60を構成する各部を−Z方向から見た平面図が示されている。
【0045】
アクチュエータ層60は、図5(a)で示す固定枠層601に対して、図5(b)で示す発光層602、図6(a)で示す光拡散層603、および図6(b)で示す光変位素子層604がこの順番で積層されて構成される。
【0046】
固定枠層601は、例えば、適度な剛性を有する素材(例えば、シリコンやプラスチックスなど)で構成され、枠部F61を備える。この枠部F61は、X軸に対して平行に延設され且つ相互に対向する2辺を成す2枚の板状部材と、Y軸に対して平行に延設され且つ相互に対向する2辺を成す2枚の板状部材とからなる4枚の板状部材がロの字型に配置されて形成される。そして、枠部F61は、第2レンズ層50および平行バネ下層70に対して接合されて固定される部分である。
【0047】
発光層602は、第1および第2板状部材621,622、および配線部621a,621b,622a,622b,623a,623bを備えて構成される。
【0048】
第1および第2板状部材621,622は、Y軸に略平行な一方向に延設される板状の部分である。そして、枠部F61を構成する4枚の板状部材のうちの1枚の板状部材(ここでは、−Y側の板状部材)が形成する枠部F61の内縁のうち、−X側の端部(一端)近傍の所定部(一方所定部)に第1板状部材621の一端が固設され、+X側の端部(他端)近傍の所定部(他方所定部)に第2板状部材622の一端が固設される。つまり、第1および第2板状部材621,622の各一端が枠部F61に対して固定された端部(固定端)となり、第1および第2板状部材621,622の各他端が枠部F61に対する相対的な位置が自由に変更される端部(自由端)となっている。
【0049】
第1および第2板状部材621,622は、同様な構成を有し、該第1および第2板状部材621,622では、それぞれ−Z方向から見て、第1波長の光(第1波長光)を発する第1発光部61Uと、第2波長の光(第2波長光)を発する第2発光部61Vとが市松模様を形成するように配列されている。第1および第2発光部61U,61Vは、有機EL(Organic Electro-Luminescence)素子などの発光素子によって構成され、第1および第2板状部材621,622は、複数の第1および第2発光部61U,61Vがそれぞれ柔軟性を有するシート上に形成されて構成される。例えば、柔軟性を有する樹脂材料のシート上に有機EL素子が形成されるような態様が考えられる。
【0050】
また、光変位素子層604を構成する素材の特性に応じて、有機EL素子を構成する材料を適宜設定することで、第1および第2波長が設定される。ここでは、例えば、第1波長が、紫外光の波長範囲に含まれる350nm付近に設定され、第2波長が、可視光線の波長範囲に含まれる540nm付近に設定される。
【0051】
配線部621aは、第1板状部材621に対して電気的に接続され、第1板状部材621内に配設される配線を介して各第1発光部61Uに対して電気的に接続される。配線部621bは、第1板状部材621に対して電気的に接続され、第1板状部材621内に配設される配線を介して各第2発光部61Vに対して電気的に接続される。配線部622aは、第2板状部材622に対して電気的に接続され、第2板状部材622内に配設される配線を介して各第1発光部61Uに対して電気的に接続される。配線部622bは、第2板状部材622に対して電気的に接続され、第2板状部材622内に配設される配線を介して各第2発光部61Vに対して電気的に接続される。
【0052】
また、配線部623aは、第1板状部材621内に配設される第1発光部61Uに対して電気的に接続される配線と、第2板状部材622内に配設される第1発光部61Uに対して電気的に接続される配線とを電気的に接続する。配線部623bは、第1板状部材621内に配設される第2発光部61Vに対して電気的に接続される配線と、第2板状部材622内に配設される第2発光部61Vに対して電気的に接続される配線とを電気的に接続する。そして、配線部621a,621b,622a,622bに対して、適宜電圧が印加されることで、第1および第2発光部61U,61Vが発光する。
【0053】
光拡散層603は、樹脂材料によって構成される第1および第2光拡散部631,632を備える。第1光拡散部631は、第1板状部材621の−Z側の面のうちの−Y側の端部近傍を除く略全面を覆うように形成された膜状の部分となっており、第2光拡散部632は、第2板状部材622の−Z側の面のうちの−Y側の端部近傍を除く略全面を覆うように形成された膜状の部分となっている。この第1および第2光拡散部631,632は、例えば、樹脂材料の内部に空房、もしくは添加物を内包しており、第1および第2発光部61U,61Vから射出される第1および第2波長光を、空房もしくは添加物によって屈折あるいは反射させることで拡散させる。ここで、第1および第2光拡散部631,632に添加物が内包される場合には、該添加物が基材である樹脂とは異なった屈折率を持つようにすれば良い。なお、第1および第2光拡散部631,632は、樹脂材料の表面が荒らされて磨りガラス状に仕上げられることで形成されて、第1および第2波長光を拡散するようにしても良い。
【0054】
光変位素子層604は、第1および第2光変位素子部641,642を備える。第1光変位素子部641は、第1光拡散部631の−Z側の略全面を覆うように形成された膜状の部分となっており、第2光変位素子部642は、第2光拡散部632の−Z側の略全面を覆うように形成された膜状の部分となっている。つまり、第1光変位素子部641が、第1板状部材621上に第1光拡散部631が形成されて構成される板状部材の一方主面上において該板状部材と一体的に形成され、第2光変位素子部642が、第2板状部材622上に第2光拡散部632が形成されて構成される板状部材の一方主面上において該板状部材と一体的に形成されている。
【0055】
そして、第1および第2光変位素子部641,642は、光を吸収することで伸縮する材料(例えば、フォトクロミック材料)によってそれぞれ構成される。具体的には、第1および第2光変位素子部641,642は、第1発光部61Uから射出される第1波長光の照射に応じて延設方向(Y軸に沿った方向、すなわちY軸方向)に伸び、第2発光部61Vから射出される第2波長光の照射に応じて延設方向(Y軸方向)に縮む。ここでは、フォトクロミック材料として、ジアリールエテンが採用される。
【0056】
なお、フォトクロミック材料は、結晶の異方性によって伸縮する方向が決まる。このため、本実施形態では、第1および第2光変位素子部641,642の延設方向(Y軸方向)に該第1および第2光変位素子部641,642が伸縮するように、フォトクロミック材料の結晶方位が制御されている。
【0057】
ここで、第1板状部材621上に第1光拡散部631が形成されて構成される部分は、第1可動部61のベース部材(第1ベース部材)61B(図7)としての役割を有し、第2板状部材622上に第2光拡散部632が形成されて構成される部分は、第2可動部62のベース部材(第2ベース部材)62B(図7)としての役割を有する。そして、これらの各ベース部材61B,62Bは、柔軟性を有しながらも比較的高い弾性率を有し、延設方向(Y軸方向)には基本的に伸縮しないように構成される。これに対して、第1および第2光変位素子部641,642は、第1および第2波長光の照射に応じて伸縮する。このため、第1および第2ベース部材61B,62Bと第1および第2光変位素子部641,642との伸縮量の差によって、第1および第2可動部61,62が曲がることで、第1および第2可動部61,62の各自由端がZ軸に沿った方向(Z軸方向)に変位する。但し、仮に、各ベース部材61B,62Bの弾性率が低ければ、第1および第2光変位素子部641,642の伸縮に同調して、各ベース部材61B,62Bも伸縮するため、第1および第2可動部61,62が曲がらず、第1および第2可動部61,62の各自由端がZ軸方向に変位しない。
【0058】
<2−3.アクチュエータ層の動作>
図7は、アクチュエータ層60に電圧を印加するための電気回路を例示する図である。図7で示すように、配線部621aには配線C1aが電気的に接続され、配線部621bには配線C1bが電気的に接続され、該配線C1a,C1bはそれぞれ配線C3を介して電源Psの負極に対して電気的に接続される。そして、配線C4の一端が電源Psの正極に対して電気的に接続され、該配線C4の他端がスイッチSwの第1端子Taに対して電気的に接続される。また、配線C2aの一端が配線部622aに対して電気的に接続され、該配線C2aの他端がスイッチSwの第2端子Tbに対して電気的に接続される。また、配線C2bの一端が配線部622bに対して電気的に接続され、該配線C2bの他端がスイッチSwの第3端子Tcに対して電気的に接続される。したがって、スイッチSwの第1端子Taと第2端子Tbとが電気的に接続される場合には、各第1発光部61Uに対して電圧が印加され、該各第1発光部61Uが第1波長光を射出する。一方、スイッチSwの第1端子Taと第3端子Tcとが電気的に接続される場合には、各第2発光部61Vに対して電圧が印加され、該各第2発光部61Vが第2波長光を射出する。
【0059】
ここで、第1および第2可動部61,62の動作について説明する。図8および図9は、第1および第2可動部61,62の動作を説明するための図である。図8は、図3(f)と同様に、アクチュエータ層60の構成を示す平面図であり、図9(a),(b)は、可動部62に着目して、図8の切断面線IX−IXから見た断面模式図である。
【0060】
図9(a)では、第1および第2可動部61,62が変形していない状態(初期状態)が示されている。初期状態では、第1および第2光変位素子部641,642に対して第1波長光が照射されておらず、固定枠層601の第1および第2板状部材621,622と第1および第2光拡散部631,632によって構成される各ベース部材61B,62Bの弾性力によって第1および第2光変位素子部641,642が平坦な状態とされ、第1および第2可動部61,62がほぼ平坦な形状を呈する。
【0061】
図9(a)で示した初期状態から、スイッチSwの第1端子Taと第2端子Tbとが電気的に接続されると、各第1発光部61Uから第1波長光(ここでは、紫外光)が射出される。このとき、該第1波長光は、第1および第2光拡散部631,632で拡散されて、第1および第2光変位素子部641,642に対してそれぞれ略均一に照射される。そして、第1および第2光変位素子部641,642が延設方向(Y方向)にそれぞれ伸びる。ここでは、第1および第2ベース部材61B,62Bが、伸縮し難い弾性力の高い材料で構成されているため、第1および第2光変位素子部641,642の延設距離と、第1および第2ベース部材61B,62Bの延設距離との差が大きくなる。その結果、図9(b)で示すように、枠部F6に対する第1および第2可動部61,62の自由端の相対的な位置が、上方(+Z方向)にシフトするように、第1および第2可動部61,62が変形する。
【0062】
なお、ここで、第1端子Taが第2および第3端子Tb,Tcの何れとも電気的に接続されていないOFF状態にスイッチSwが設定されると、第1発光部61Uからの第1波長光の射出が停止される。このとき、特定波長の光、もしくは熱エネルギーなどの影響を受けない限り、第1および第2光変位素子部641,642の延設距離、ひいては第1および第2可動部61,62が変形が保持される。
【0063】
続いて、スイッチSwの第1端子Taと第3端子Tcとが電気的に接続されると、各第2発光部61Vから第2波長光(ここでは、可視光線)が射出される。このとき、該第2波長光は、第1および第2光拡散部631,632で拡散されて、第1および第2光変位素子部641,642に対してそれぞれ略均一に照射される。そして、第1および第2光変位素子部641,642が延設方向(Y方向)にそれぞれ縮み、第1および第2光変位素子部641,642の延設距離が、図9(a)で示した初期状態に戻る。このとき、第1および第2光変位素子部641,642の延設距離と、第1および第2ベース部材61B,62Bの延設距離との差が縮まる。その結果、第1および第2可動部61,62が変形していない図9(a)で示した初期状態に戻る。
【0064】
このような第1および第2可動部61,62の自由端が、第1波長光の照射に応じて変位することと、第2波長光の照射に応じて初期状態へ戻ることとが、適宜繰り返されることで、アクチュエータ層60が、レンズ部81をZ軸方向に移動させるアクチュエータとして機能する。
【0065】
<2−4.カメラモジュールの完成型の構造>
図10および図11は、カメラモジュール400の構造を例示する図である。具体的には、図10は、カメラモジュール400を保護層CB側(上方)から見た平面図であり、図11は、図10の切断面線XI−XIから見た断面模式図である。なお、図10および図11では、アクチュエータ層60の配線部621a,621b,622a,622bに対して外部から電気的に接続される配線C1a,C1b,C2a,C2b,C3,C4、スイッチSw、および電源Psについては図示が省略されている。
【0066】
図11で示すように、撮像素子層10、撮像センサホルダ層20、赤外カットフィルタ層30、第1レンズ層40、第2レンズ層50、アクチュエータ層60、平行バネ下層70、第3レンズ層80、平行バネ上層90、および保護層CBの10層がこの順番で積層されてカメラモジュール400が形成されている。なお、このカメラモジュール400は、例えば、微細装置の集積化のために使用されるマイクロマシニング(micromachining)技法により製作される。この技法は、半導体加工技術の一種として、一般にMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)と称される。なお、MEMSという加工技術の名称が使用される分野としては、半導体工程、特に、集積回路技術を応用したマイクロマシニング技術を利用してサイズがμmオーダーのマイクロセンサ、アクチュエータ、および電気機械的構造物を製作する分野が含まれる。
【0067】
<2−5.レンズ部の駆動の態様>
図12および図13は、第3レンズ層80に含まれるレンズ部81の駆動態様を説明するための図である。図12および図13では、レンズ部81と弾性部71,91の状態を側方から見た模式図が示されている。なお、実際にはレンズ保持部83を弾性部71,91が挟持しているが、図12および図13では、説明の簡略化のために、弾性部71,91がレンズ部81を点Pu,Pdで保持しているように示されている。また、図12では、弾性部71,91が変形していない状態(初期状態)が示され、図13では、弾性部71,91が変形している状態(変形状態)が示されている。
【0068】
上述したように、弾性部71,91は、ともに同様な構成を有し、それぞれ同様に枠部F7,F9に対して2箇所で固設される。そして、第1および第2可動部61,62の変形により、板状部材71bが上昇するように弾性部71が変形する際には、レンズ部81を介して弾性部91も同様に変形する。このとき、レンズ部81が、所定距離離隔して並設される板状部材71a,91aおよび板状部材71c,91cによって挟持された状態と同視することができ、板状部材71a,91aおよび板状部材71c,91cが略同一のタイミングで略同一の変形を行う。このため、レンズ部81は、光軸が傾くことなく、上下方向(ここでは、Z軸方向)に移動する。すなわち、レンズ部81の光軸の方向がずれることなく、レンズ部81と撮像素子部11との距離が変更される。その結果、撮像素子部11とレンズ部81との距離が変更され、焦点調整が実行される。
【0069】
<3.カメラモジュールの製造工程>
図14は、カメラモジュール400の製造工程の手順を例示するフローチャートである。図14で示すように、(工程A)複数のシートの準備(ステップS1)、(工程B)複数のシートの接合(ステップS2)、(工程C)ダイシング(ステップS3)、(工程D)光軸の偏芯の検査(ステップS4)、および(工程E)撮像素子層の結合(ステップS5)が順次に行われることで、カメラモジュール400が製造される。以下、各工程について簡単に説明する。
【0070】
○複数のシートの準備(工程A):
図15および図16は、準備する10枚のシートU2〜U9,UCBの構成例を示す平面図である。ここでは、各シートU2〜U9,UCBが、円盤状である例を示して説明する。
【0071】
図15(a)は、図3(b)で示した撮像センサホルダ層20に相当するチップが所定配列(ここでは、マトリックス状の所定配列)で多数形成されたシート(撮像センサホルダシート)U2を例示する図である。この撮像センサホルダシートU2は、例えば、樹脂材料を素材として、金属金型を用いたプレス加工によって製作される。
【0072】
図15(b)は、図3(c)で示した赤外カットフィルタ層30に相当するチップが所定配列(ここでは、マトリックス状の所定配列)で多数配列されたシート(赤外カットフィルタシート)U3を例示する図である。この赤外カットフィルタシートU3は、例えば、透明基板上に屈折率の異なる透明薄膜を多層化することで製作される。具体的には、まず、フィルタの基板となるガラスあるいは透明樹脂の基板を用意し、該基板の上面に屈折率の異なる透明薄膜をスパッタリングや蒸着などの手法によって多数積層させることで製作される。なお、透明薄膜の厚みや屈折率の組合せを適宜変更することで、透過する光の波長帯が設定される。ここでは、例えば、600nm以上の波長帯の光を透過させないように設定することで、赤外光が遮断される。
【0073】
図15(c)は、図3(d)で示した第1レンズ層40に相当するチップが所定配列(ここでは、マトリックス状の所定配列)で多数形成されたシート(第1レンズシート)U4を例示する図であり、図15(d)は、図3(e)で示した第2レンズ層50に相当するチップが所定配列(ここでは、マトリックス状の所定配列)で多数形成されたシート(第2レンズシート)U5を例示する図である。第1および第2レンズシートU4,U5は、例えば、フェノール系の樹脂、アクリル系の樹脂、または光学ガラスを素材として、成型またはエッチングなどの手法で製作される。なお、カメラモジュール400に絞りを形成する場合は、例えば、第2レンズ層50などに、シャドウマスクを用いて遮光材料の薄膜を形成したり、別途黒色に色づけされた樹脂材料などで絞りを形成したりすれば良い。
【0074】
図15(e)は、図3(f)で示したアクチュエータ層60に相当するチップが所定配列(ここでは、マトリックス状の所定配列)で多数形成されたシート(アクチュエータシート)U6を例示する図である。アクチュエータシートU6は、例えば、シリコンやプラスチックスなどの基板のエッチングによって、固定枠層601が形成された上に、発光層602と光拡散層603と光変位素子層604とがこの順番で積層されて製作される。例えば、固定枠層601と、発光層602の第1および第2板状部材621,622のベースとなるシートとが一体的に構成され、該シートに対して、第1および第2発光部61U,61Vが蒸着やエッチングなどによって形成されて、第1および第2板状部材621,622が形成される。そして、第1および第2板状部材621,622と、第1および第2光拡散部631,632と、第1および第2光変位素子部641,642とが、接着や圧着などの手法によってそれぞれ張り合わされる。
【0075】
なお、第1および第2板状部材621,622上に、蒸着やスパッタリングなどの手法によって、第1および第2光拡散部631,632と、第1および第2光変位素子部641,642とがこの順でそれぞれ形成されても良い。また、第1および第2光拡散部631,632については、第1および第2板状部材621,622上に、第1および第2光拡散部631,632用の層が形成された後に、その表面が荒らされて磨りガラス状にされて、第1および第2光拡散部631,632が形成されても良い。配線部621a,621b,622a,622b,623a,623bについては、例えば、スパッタリング法(または蒸着法)を用いて形成すれば良い。但し、配線部621a,621b,622a,622b,623a,623bに対して、配線C1a,C1b,C2a,C2bを接続し易くするために、配線部621a,621b,622a,622b,623a,623bの端部に適宜端子部を設けることが好ましい。
【0076】
図15(f)は、図4(a)で示した平行バネ下層70に相当するチップが所定配列(ここでは、マトリックス状の所定配列)で多数形成されたシート(平行バネ下シート)U7を例示する図であり、図16(b)は、図4(c)で示した平行バネ上層90に相当するチップが所定配列(ここでは、マトリックス状の所定配列)で多数形成されたシート(平行バネ上シート)U9を例示する図である。平行バネ下シートU7および平行バネ上シートU9は、りん青銅などの金属材料の薄板に対して、例えばエッチングなどを施すことで製作される。
【0077】
図16(a)は、図4(b)で示した第3レンズ層80に相当するチップが所定配列(ここでは、マトリックス状の所定配列)で多数形成されたシート(第3レンズシート)U8を例示する図である。第3レンズシートU8は、例えば、フェノール系の樹脂、アクリル系の樹脂、または光学ガラスを素材として、成型およびエッチングなどの手法で製作される。第3レンズシートU8では、各チップにおいて、枠部F8と、レンズ部81と、レンズ保持部83とが樹脂などの同一素材によって一体的に形成される。また、図4(b)で示したように、2本の連結部により、レンズ部81を保持するレンズ保持部83と、枠部F8とが連結されて、レンズ部81が支持された状態となっている。なお、第3レンズ層80がカメラモジュール400に適用されることを考慮すると、第3レンズ層80のうちのレンズ部81以外の部分は、光を遮断することが好ましい。したがって、例えば、枠部F8、レンズ保持部83、および連結部のうちの少なくとも一部分が、遮光部材を含んで一体的に形成されれば、光学系の製造の簡略化、ひいてはカメラモジュール400の製造の簡略化が図られる。
【0078】
図16(c)は、図4(d)で示した保護層CBに相当するチップが所定配列(ここでは、マトリックス状の所定配列)で多数形成されたシート(保護シート)UCBを例示する図である。保護シートUCBは、例えば、透明の材料である樹脂(またはガラス)を所望の厚みとし、適宜エッチングを施すことで製作された平板状のシートである。
【0079】
なお、ここで準備される10枚のシートU2〜U9,UCBには、シートの接合工程における位置合わせのためのマーク(アライメントマーク)が、略同一の位置に付される。アライメントマークとしては、例えば、十字などのマークなどが挙げられ、各シートU2〜U9,UCBの上面の外周部近傍であって比較的離隔した2箇所以上の位置に設けられることが好ましい。
【0080】
○複数のシートの接合(工程B):
図17は、複数のシートU2〜U9,UCBを順次に積層させて接合する工程を模式的に示す図である。
【0081】
まず、撮像センサホルダシートU2、赤外カットフィルタシートU3、第1レンズシートU4、および第2レンズシートU5について、シートU2〜U5の各チップが、それぞれ直上に積層されるように、シート形状のまま位置合わせ(アライメント)が行われる。なお、レンズ部41,51,81によって形成される光学系の精度を保つためには、3つのレンズ部41,51,81の光軸のズレ量(すなわち偏芯精度)が5μm以内であることが望ましい。
【0082】
具体的には、公知のアライナー装置に、まず、撮像センサホルダシートU2および赤外カットフィルタシートU3がセットされ、予め形成しておいたアライメントマークを用いたアライメントが行われる。この際、事前に、撮像センサホルダシートU2と赤外カットフィルタシートU3とが接合される面(接合面)に、いわゆるエポキシ樹脂系の接着剤、または紫外線硬化接着剤が塗布されており、両シートU2,U3が接合される。なお、接合面にO2プラズマを照射することで、接合面を活性化して、両シートU2,U3を直接接合する方法を用いても良い。但し、複数の層を短時間で簡単に接合して、カメラモジュール400の生産性の向上と製造コストの低減とを図ることを考慮すれば、上記樹脂の接着剤を用いる方が好ましい。
【0083】
続いて、上記と同様なアライメントならびに接合方法により、赤外カットフィルタシートU3上に第1レンズシートU4が接合され、更に、第1レンズシートU4上に第2レンズシートU5が接合される。
【0084】
次に、4つのシートU2〜U5が積層されて形成された積層体の上面に対して、アクチュエータシートU6、平行バネ下シートU7、第3レンズシートU8、および平行バネ上シートU9がこの順番で積層および接合される。アライメントならびに接合方法については、上述したシートU2,U3に係る手法と同様であり、このとき、シートU2〜U9の各チップが、それぞれ直上に積層される。ここでは、例えば、第3レンズシートU8の枠部F8に相当する部分が、平行バネ下シートU7および平行バネ上シートU9と接合される。
【0085】
また、この際、第3レンズシートU8のレンズ部81が、平行バネ下シートU7の弾性部71を介して、アクチュエータシートU6の第1および第2可動部61,62によって支持された状態となる。また、シートU7〜U9が積層されて結合されることで、レンズ保持部83が上下面から弾性部71,91によって挟持され、弾性部71,91によってレンズ部81が支持された状態となる。このとき、第3レンズシートU8の各チップにおいて、枠部F8とレンズ部81とをレンズ保持部83を介して連結する連結部がいわゆるフェムト秒レーザなどによって切断され、枠部F8とレンズ部81とが分離される。なお、ここでは、各連結部が枠部F8側の一部分84a,84b(図4(b)の太破線部)で切断される。
【0086】
このように、複数のチップが形成されたシートの状態で、各チップのレンズ部81が弾性部71,91によって支持された後に、レンズ部81が移動可能な状態とされる。このため、レンズ部81と第1および第2可動部61,62との位置合わせを精度良く行うことができる。すなわち、例えば、各光学ユニット(後述)におけるレンズ部の光軸の偏芯などを防ぐことが可能となる。
【0087】
最後に、平行バネ上シートU9の上面に対して、保護シートUCBが、上述した手法と同様な方法で、アライメントされて接合される。このとき、9つのシートU2〜U9,UCBが積層した部材(積層部材)が形成される。
【0088】
○ダイシング(工程C):
9つのシートU2〜U9,UCBが積層された形成された積層部材が、ダイシング装置によってチップ毎に切り離されて、9つの層20〜90,CBが積層された光学系のユニット(光学ユニット)が多数生成される。
【0089】
○光軸の偏芯の検査(工程D):
上記ダイシングによって生成された多数の光学ユニットについて、レンズ偏芯測定機によって、3つのレンズ部41,51,81の光軸のズレ量(すなわち偏芯)が所定の許容値域範囲(例えば、5μm以内)に入っているのか否か検査される。一般に、カメラモジュール400を構成する部品のうち、最も高価となるのは撮像素子層10である。そして、光軸の偏芯が所定の許容値域範囲から外れたカメラモジュール400は、不良品として扱われる。このため、光学ユニットの段階で不良品と良品とが選別され、良品に対してのみ撮像素子層10を取り付けられることで、カメラモジュール400の製造コストならびに資源の無駄使いの低減が図られる。
【0090】
○撮像素子層の結合(工程E):
光軸の偏芯の検査によって良品であると判別された各光学ユニットの下面(具体的には、撮像センサホルダ層20の裏面)に対して、撮像素子層10のチップが、いわゆるエポキシ樹脂系の接着剤、または紫外線硬化接着剤を用いた接合によって取り付けられて、カメラモジュール400が完成される。このとき、各カメラモジュール400のアクチュエータ層60の配線部621a,621b,622a,622bに対して、配線C1a,C1b,C2a,C2b,C3,C4、スイッチSw、および電源Psが外部から電気的に接続される。
【0091】
以上のように、本発明の実施形態に係るカメラモジュール400では、アクチュエータ層60において、第1および第2波長光の照射による第1および第2光変位素子部641,642の伸縮に応じて第1および第2可動部61,62の自由端が変位する。この構成では、小型の構成で大きな駆動力を発生させることができる。そして、この大きな駆動力で光学レンズであるレンズ部81を移動させることができる。さらに、第1および第2発光部61U,61Vが有機EL素子によって構成されているため、第1および第2可動部61,62の曲げに対する抵抗が抑制され、駆動力の低下を招かない。
【0092】
また、カメラモジュール400を構成する各層10〜90,CBは、各外周部で接着剤によってそれぞれ接合されているため、第1および第2可動部61,62、弾性部71,91、レンズ部81、およびレンズ保持部83を含む内部構成は、密閉された状態になる。したがって、駆動機構が非常に小さな隙間を有して構成されているが、例えば、クリーンルーム内でカメラモジュール400の組み立てを行うと、撮像素子部11と保護層SBと各層の外周部によって作られる空間へのゴミの進入が防がれ、密封により駆動機構の動作精度が高まる。また、密封により、空気の対流も防止されるため、駆動機構に対する負荷のバラツキも低減される。
【0093】
<4.変形例>
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
【0094】
◎例えば、上記実施形態では、第1および第2可動部61,62に対して第1および第2波長光を射出する第1および第2発光部61U,61Vが設けられたが、これに限られない。例えば、アクチュエータ層60に隣接する第2レンズ層50など、その他の層に第1および第2発光部61U,61Vが設けられても良い。但し、第1および第2可動部61,62に対して第1および第2波長光を射出する第1および第2発光部61U,61Vが設けられている方が、第1および第2可動部61,62の外部に発光部を設ける必要性がなくなり、第1および第2可動部61,62の配置の自由度が高まる。
【0095】
◎また、上記実施形態では、第1および第2発光部61U,61Vが、有機EL素子によって構成され、柔軟性を有するシート上に配列されたが、これに限られない。例えば、柔軟性を有する樹脂製のシート上に、第1および第2波長光をそれぞれ射出する無機材料によって構成される発光ダイオード(LED)のチップが市松模様を形成するように貼り付けられても良い。なお、LEDのチップが樹脂製のシート上に貼り付けられる構成では、該貼り付けに用いられる接着剤も硬化後にある程度柔軟性を有することが好ましい。
【0096】
◎また、上記実施形態では、アクチュエータ層60の配線部621a,621b,622a,622bに対して、配線C1a,C1b,C2a,C2b,C3,C4、スイッチSw、および電源Psが外部から電気的に接続されたが、これに限られない。例えば、撮像素子層10、撮像センサホルダ層20、赤外カットフィルタ層30、第1レンズ層40、および第2レンズ層50の各外周部を貫通し、且つアクチュエータ層60の第1および第2板状部材621,622まで至る微小な孔(貫通孔)が複数個設けられ、該複数の貫通孔に導電性を有する素材(導電材料)が充填されることで、配線部621a,621b,622a,622bに代わる複数の配線が形成され、該複数の配線に対して、配線C1a,C1b,C2a,C2b,C3,C4、スイッチSw、および電源Psが外部から電気的に接続されるようにしても良い。
【0097】
◎また、上記実施形態では、フォトクロミック材料として、ジアリールエテンが採用されたが、これに限られない。例えば、アゾベンゼンなどの他のフォトクロミック材料が採用されても良い。但し、ジアリールエテンの方が、第1および第2波長光の照射開始から第1および第2光変位素子部641,642が伸縮するまでに要する時間が短い、いわゆる応答性が優れている面で好ましい。そして、光の照射に対する伸縮の応答性が高まれば、所望のタイミングで駆動力を発生させることができる。
【0098】
◎また、上記実施形態では、アクチュエータ層60において、2枚の第1および第2可動部61,62が設けられたが、これに限られず、少なくとも、第1および第2可動部61,62のうちの一方が設けられれば良い。
【0099】
◎また、上記実施形態では、弾性部71,91がそれぞれ枠部F7,F9の2箇所に固設されたが、これに限られず、種々の構成を採用しても良い。但し、上述の如くレンズ部81の光軸を傾けることなく、レンズ部81を移動させるためには、弾性部71,91がそれぞれ枠部F7,F9の2箇所以上で固設されることが好ましい。また、弾性部71,91の態様としては、例えば、弾性部71,91をそれぞれ中央部分で2分割して、2分割された弾性部71の一方および他方の一端を枠部F7にそれぞれ固設することで合計2箇所に固設するとともに、2分割された弾性部91の一方および他方の一端を枠部F9にそれぞれ固設することで合計2箇所に固設するような構成も考えられる。
【0100】
◎また、上記実施形態では、第1および第2可動部61,62によって移動される対象物(移動対象物)が、オートフォーカス装置を構成する光学レンズであったが、これに限られない。例えば、移動対象物は、手振れ補正機構を構成する光学レンズや光ピックアップ装置を構成する光学レンズなど、その他の光学レンズであっても良いし、更に、光学レンズ以外の種々の小型の移動対象物であっても良い。つまり、本発明は、移動対象物を移動させるアクチュエータ一般に適用することができる。なお、手振れ補正機構としては、例えば、第1および第2可動部の動きにより、移動対象物である光学レンズが上下左右に2次元的に駆動する構成を挙げることができる。
【0101】
ここで、本発明を適用して製造されたアクチュエータを含む具体例について簡単に説明する。図18は、対物レンズ505を移動させるアクチュエータを含む光ピックアップ装置700の構成例を示す断面模式図である。
【0102】
光ピックアップ装置700は、光源701から射出される光ビームを光ディスク706の情報記録面707に集光させ、該情報記録面707で反射される光ビームを受光素子708で受光して、情報を読み取るものである。そして、この光ピックアップ装置700では、情報記録面707の形状に合わせて、光ビームのフォーカス位置を調節する必要がある。そこで、本具体例に係る光ピックアップ装置700には、上記実施形態に係るアクチュエータ層60、平行バネ下層70、および平行バネ上層90を用いて対物レンズ705を駆動することで光ビームの焦点を調節する駆動装置が搭載されている。
【0103】
図18で示すように、光源701から射出された光ビームは、ビームスプリッター702を透過し、コリメータレンズ703で略平行光とされ、反射プリズム704にて反射されて、対物レンズ705に入射する。そして、対物レンズ705を保持する部分が、平行バネ下層70の弾性部71と、平行バネ上層90の弾性部91とによって挟持され、弾性部71の下面にアクチュエータ層60の第1および第2可動部61,62が当接されている。このため、第1および第2可動部61,62の変形により、弾性部71の押し上げ、ならびに弾性部71の弾性力による押し下げが生じ、対物レンズ705が光軸に沿って上下に駆動可能とされている。また、対物レンズ705で屈折された光は、光ディスク706に入射し、情報記録面707に集光される。そして、情報記録面707で反射された光は、入射してきた光路を逆に辿り、ビームスプリッター702で反射されて受光素子708に至る。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の実施形態に係るカメラモジュールを搭載した携帯電話機の概略構成を例示する模式図である。
【図2】カメラモジュールの構成例を模式的に示す分解斜視図である。
【図3】カメラモジュールを構成する各層の構成例をそれぞれ示す平面図である。
【図4】カメラモジュールを構成する各層の構成例をそれぞれ示す平面図である。
【図5】アクチュエータ層の詳細な構成を説明するための図である。
【図6】アクチュエータ層の詳細な構成を説明するための図である。
【図7】アクチュエータ層に電圧を印加するための電気回路を例示する図である。
【図8】可動部の動作を説明するための図である。
【図9】可動部の動作を説明するための図である。
【図10】カメラモジュールの構造を示す図である。
【図11】カメラモジュールの構造を示す図である。
【図12】第3レンズ層に含まれるレンズ部の駆動態様を説明するための図である。
【図13】第3レンズ層に含まれるレンズ部の駆動態様を説明するための図である。
【図14】カメラモジュールの製造工程の手順を例示するフローチャートである。
【図15】準備するシートの構成例を示す平面図である。
【図16】準備するシートの構成例を示す平面図である。
【図17】複数のシートを順次に積層させて接合する工程を模式的に示す図である。
【図18】対物レンズを移動させるアクチュエータを含む光ピックアップ装置の構成例を示す断面模式図である。
【符号の説明】
【0105】
10 撮像素子層
11 撮像素子部
20 撮像センサホルダ層
30 赤外カットフィルタ層
40 第1レンズ層
41,51,81 レンズ部
50 第2レンズ層
60 アクチュエータ層
61 第1可動部
61B 第1ベース部材
61U 第1発光部
61V 第2発光部
62 第2可動部
62B 第2ベース部材
70 平行バネ下層
80 第3レンズ層
90 平行バネ上層
100 携帯電話機
400 カメラモジュール
601 固定枠層
602 発光層
603 光拡散層
604 光変位素子層
621 第1板状部材
622 第2板状部材
631 第1光拡散部
632 第2光拡散部
641 第1光変位素子部
642 第2光変位素子部
700 光ピックアップ装置
CB 保護層
F6,F61 枠部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部と、
一端が前記固定部に固設され、且つ一方向に延設される板状の可動部と、
を備え、
前記可動部が、
一端が前記固定部に固設され、且つ前記一方向に延設される板状のベース部と、
前記ベース部の一方主面上において該ベース部と一体的に形成され、且つ第1の光の照射に応じて前記一方向に伸び、第2の光の照射に応じて前記一方向に縮む光変位部と、
を有することを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
請求項1に記載のアクチュエータであって、
前記ベース部が、
前記第1および第2の光をそれぞれ発する発光部を含むことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項3】
請求項2に記載のアクチュエータであって、
前記発光部が、
前記第1の光を発する第1の有機EL素子と、前記第2の光を発する第2の有機EL素子とを含むことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れかに記載のアクチュエータであって、
前記光変位部が、
ジアリールエテンを用いて構成されることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れかに記載のアクチュエータと、
前記アクチュエータによって移動される光学レンズと、
を備えることを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−60708(P2010−60708A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−224686(P2008−224686)
【出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【出願人】(303000408)コニカミノルタオプト株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】