説明

アクチュエータのポジションコントロールシステム及びその方法

【解決手段】アクチュエータのポジションコントロールシステムは、アクチュエータと、該アクチュエータに取付けられた少なくとも一つのアクチュエータポジションセンサと、少なくとも一つの主ステージスプールと、該主ステージスプールのポジションをモニターする少なくとも一つのスプールポジションセンサと、一つの供給ポートと、一つのタンクポートと、第1コントロールポートと、第2コントロールポートとを有しており、アクチュエータと流体連通されている、フローコントロールバルブと、該フローコントロールバルブの供給ポートと、タンクポートと、第1コントロールポートと、第2コントロールポートでの流体の圧力をモニターする複数の流体圧力センサと、フローコントロールバルブと電気通信するコントローラとを備えており、該コントローラが、-目標アクチュエータポジションの入力を受け取り;-複数の流体圧力センサから流体圧力データ信号を受け取り;-スプールポジションセンサからスプールポジション信号を受け取り;-アクチュエータポジションセンサからアクチュエータポジションデータ信号を受け取り;-流体圧力データ信号と、スプールポジション信号と、流体圧力データ信号とスプールポジション信号の関数であるエラー修正係数とに基づいて、アクチュエータに対する流体の修正流出入量を決定し;-アクチュエータに対する流体の修正流出入量の関数である運動構成要素と、アクチュエータのチャンバの圧力の関数である動的構成要素とを含む推定アクチュエータポジションを決定し;-推定アクチュエータポジションを調整するための適当なゲイン係数をアクチュエータポジションセンサからのアクチュエータポジションデータ信号に加え;-推定アクチュエータポジションを目標アクチュエータポジション入力と比較し;-主ステージスプールを閉じてアクチュエータに流体流通するのを防止するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータのポジションコントロールシステム及びその方法に関し、さらには特にエラー修正を含むシステムとその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
流体アクチュエータは、スキッドステアローダ(skid steer loaders)やブームリフト(boom lifts)、掘削機(excavators)を含む様々な液圧応用機器に使用されている。これらの機器の流体アクチュエータは一般に、シリンダに入れられたピストンと、バケットやブームといったアクセサリに取付けられるロッドとを有している。アクチュエータのピストンを調整するために、一般にこれらの機器のオペレータが流体アクチュエータのポジションをコントロールするジョイスティックを手動で操作して、視覚に基づいてアクチュエータのポジションを接近させなければならない。オペレータの接近が正しくない場合には、オペレータがジョイスティックを通じてシリンダのポジションをマイナー調節しなければならない。電線や、ガス管や、給水主管の近くにアクチュエータをポジション調整するような状況の場合には、アクチュエータの正確なポジション調整は臨界的であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
或る製造業者は、アクチュエータにポジションセンサを使用することをこれまで推奨してきた。これらのポジションセンサは、一般にアクチュエータのポジションをセンサが正確に検知することができるように、ロッドにマーキングした形式を必要としている。このようなことは多くの機器で行われているが、センサとロッドに必要とされるマーキングは、アクチュエータのコストに重要な影響を及ぼす。その結果、液圧応用機器のこれらの形式の多くの流体アクチュエータは、ポジションセンサを使用していない。
【0004】
ポジション検知のコスト削減の試みに関連した情報は、米国特許第6,848,323号や7,114,430号に見出すことができる。しかしながら、これらの参考文献は、アクチュエータを正確に位置させるのに、充分に精密ではないという不利益を受けている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
アクチュエータのポジションコントロールシステムは、アクチュエータと、このアクチュエータに取付けられた少なくとも一つのアクチュエータポジションセンサとを備えている。アクチュエータのポジションコントロールシステムはさらに、アクチュエータと流体連通する、少なくとも一つのメインステージスプールと、少なくとも一つのスプールポジションセンサと、一つの供給ポートと、一つのタンクポートと、第1コントロールポートと、第2コントロールポートとを有するフローコントロールバルブを含んでいる。複数の流体圧力センサがフローコントロールバルブの供給ポートと、タンクポートと、第1コントロールポートと、第2コントロールポートでの流体の圧力をモニターするために含まれている。コントローラは、フローコントロールバルブと電気通信するもので、目標アクチュエータポジションの入力と、複数の流体圧力センサから流体圧力データ信号と、スプールポジションセンサからスプールポジション信号と、アクチュエータポジションセンサからアクチュエータポジションデータ信号とを受け取るように構成されている。コントローラはさらに、流体圧力データ信号と、スプールポジション信号と、流体圧力データ信号とスプールポジション信号の関数であるエラー修正係数とに基づいて、アクチュエータに対する流体の修正流出入量を決定するよう構成されている。コントローラは、アクチュエータに対する流体の修正流出入量の関数である運動構成要素と、アクチュエータのチャンバの圧力の関数である動的構成要素とを含む推定アクチュエータポジションを計算する。推定アクチュエータポジションを調整するために、適当なゲイン係数がアクチュエータポジションセンサからのアクチュエータポジションデータ信号に加えられる。コントローラは、推定アクチュエータポジションと目標アクチュエータポジション入力とを比較して、メインステージスプールバルブを閉じてアクチュエータに流体流通するのを防止する。
【0006】
アクチュエータポジションの推定方法は、複数の流体圧力センサからの流体圧力データ信号と、スプールポジションセンサからのスプールポジション信号と、アクチュエータポジションセンサからアクチュエータポジションデータ信号とを受け取るステップを備えている。アクチュエータ対する流体の修正流出入量が、流体圧力データ信号とスプールポジション信号と、流体圧力データ信号とスプールポジション信号の関数であるエラー修正係数とに基づいて決定される。推定アクチュエータポジションが計算され、この推定アクチュエータポジション計算値は、アクチュエータ対する流体の修正流出入量の関数である運動構成要素と、アクチュエータのチャンバの圧力の関数である動的構成要素とを含んでいる。推定アクチュエータポジションを調整するための適当なゲイン係数が、アクチュエータポジションセンサからのアクチュエータポジションデータ信号に加えられる。
【0007】
添付の図面は、本発明をより理解するために含まれたものであり、この明細書の構成部分に組み込まれる。図は、本発明の例示的な実施の形態を、本発明の原理をさらに説明するための記述と共に示したものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明により作られたアクチュエータポジションコントロールシステムの回路図である。
【図2a】図2aは、本発明により作られた、第1ポジションの状態におけるフローコントロールバルブの回路図である。
【図2b】図2bは、本発明により作られた、第2ポジションの状態におけるフローコントロールバルブの回路図である。
【図3】図3は、本発明によるアクチュエータポジションのコントロール方法のブロックダイアグラムである。
【図4】図4は、本発明によるアクチュエータのポジションの推定方法のブロックダイアグラムである。
【図5】図5は、時間に対するアクチュエータのポジションをプロットした図である。
【図6】図6は、本発明によるアクチュエータのポジションを推定するための方法の変形例のブロックダイアグラムである。
【図7】図7は、本発明によるアクチュエータのポジションを推定するための方法の変形例のブロックダイアグラムである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
ここで図を参照すると、図は本発明を限定するものではないが、図1は符号11で表示したアクチュエータポジションコントロールシステムの回路図を示したものである。アクチュエータポジションコントロールシステム11は、ここでは定容量形ポンプとして示された流体ポンプ13と、システムリザーバ15と、符号17で示されたフローコントロールバルブと、コントローラ19と、リニアアクチュエータすなわちシリンダ21とを含んでいる。シリンダ21は、シリンダ21内のボア25を第1チャンバ27と第2チャンバ29とに隔てるピストン23を含んでいる。アクチュエータポジションコントロールシステム11は、シリンダ21に関して記述されているが、本発明の開示内容にさらに目を通せば、本発明がリニアアクチュエータに限定されないということは、当業者に理解されることであろう。ここに記述されるアクチュエータポジションコントロールシステム11とその方法は、ロータリーアクチュエータのポジションを決定するのにも使用することができる。したがって、添付された請求の範囲で使用されている“アクチュエータ”の名称は、ロータリーとリニアの両アクチュエータを対象としている。
【0010】
アクチュエータポジションコントロールシステム11はまた、流体ポンプ13と、システムリザーバ15と、シリンダ21の第1チャンバ27と、シリンダ21の第2チャンバ29とについてそれぞれ流体圧をモニターする複数の流体圧力センサ31a,31b,31c,31dを含んでいる。アクチュエータポジションコントロールシステム11はまた、後にさらに詳細を記述する少なくとも一つのスプールポジションセンサ33と、少なくとも一つのアクチュエータポジションセンサ35とを含んでいる。アクチュエータポジションセンサ35はシリンダ21の中心位置に示されているが、アクチュエータポジションセンサ35をシリンダ21に沿ってどこにでも配置できることは、本発明の開示内容にさらに目を通せば、当業者に理解されることであろう。さらに付け加えれば、複数のアクチュエータポジションセンサ35がアクチュエータポジションコントロールシステム11に使用できることは、本発明の開示内容にさらに目を通せば、当業者に理解されることであろう。しかしながら、アクチュエータポジションセンサ35の数を増加させることは、アクチュエータポジションコントロールシステム11のコストを増加させることになる。この実施の形態では、アクチュエータポジションセンサ35がラッチ型センサであり、アクチュエータポジションセンサ35によってシリンダ21のピストン23が検知されると、コントローラ19に信号が送られる。しかしながら、適合するアクチュエータポジションセンサ35には様々な形があり、本発明の範囲は、アクチュエータポジションセンサ35がラッチ形のセンサに限定されることはない。これらのセンサ31,33,35からのデータはコントローラ19に送られる。
【0011】
まだ図1を参照すると、フローコントロールバルブ17がここで記述されている。この実施の形態では、フローコントロールバルブ17は、流体ポンプ13および圧力センサ31aと流体流通される一つの供給ポート37と、システムリザーバ15および圧力センサ31bと流体連絡されている一つのタンクポート39と、シリンダ21の第1チャンバ27および圧力センサ31cと流体流通されている一つの第1コントロールポート41と、シリンダ21の第2チャンバ29および圧力センサ31dと流体流通されている一つの第2コントロールポート43との、複数のポートを含んでいる。この実施の形態では、フローコントロールバルブ17が供給ポート37と第1コントロールポート41との間、および、タンクポート39と第2コントロールポート43との間の流体流通を許容すると、流体が第2チャンバ29からシステムリザーバ15に流れると同時に、加圧流体が流体ポンプ13からフローコントロールバルブ17を介してシリンダ21の第1チャンバ27に流れる。この流体の流通はシリンダを伸長させることとなる。一方、フローコントロールバルブ17がタンクポート39と第1コントロールポート41との間、および、供給ポート37と第2コントロールポート43との間の流体流通を許容すると、流体が第1チャンバ27からシステムリザーバ15に流れると同時に、加圧流体が流体ポンプ13からフローコントロールバルブ17を介してシリンダ21の第2チャンバ29に流れる。この流体の流通はシリンダ21を収縮させることとなる。
【0012】
図2aと2bは、フローコントロールバルブ17の実施の形態を例示的に示した回路図である。上述した複数のポート37,39,41,43に加えて、フローコントロールバルブ17はさらに、シリンダ21と組み合わせられるパイロットステージスプール45a,45bと、2つのメインステージスプール47a、47bとを含んでいる。図2aと2bでは、フローコントロールバルブ17が単一のシリンダ21と組み合わせられるパイロットステージスプール45a,45bと、2つのメインステージスプール47a、47bとを有しているものとして示されているが、単一のシリンダ21と組み合わせられた一つだけのパイロットステージスプール45と、一つだけのメインステージスプール47とを有するものも本発明の範囲内であることは、本発明の開示内容にさらに目を通せば、当業者に理解されることであろう。
【0013】
パイロットステージスプール45a,45bのポジションは、アクチュエータ49a、49bによってそれぞれコントロールされる。アクチュエータ49a、49bは、電磁形であることが望ましいが、本発明のパイロットステージスプール45a,45bを直線的に動かせることが可能なあらゆる形のアクチュエータ49a、49bとすることができることは、本発明の開示内容にさらに目を通せば、当業者に理解されることであろう。メインステージスプール47a,47bの両端に作用する流体圧力を調整することにより、パイロットステージスプール45a,45bのポジションは、メインステージスプール47a,47bのポジションをそれぞれコントロールする。これに反して、メインステージスプール47a,47bのポジションは、シリンダ21への流体流入量をコントロールする。この実施の形態では、スプールポジションセンサ33a,33bがメインステージスプール47a,47bのポジションをそれぞれ測定して、ポジションデータをコントローラ19に送り、実質的により詳細に記述される修正アクチュエータポジションを決定するのにコントローラ19によって使用される。スプールポジションセンサ33a,33bは、多くの異なる形がこのシステムに使用するのに適しているが、リニア可変差動変圧器(Linear Variable Differential Transformers(LVDTs))であることが好ましい。図2aにおいて、フローコントロールバルブ17は第1ポジションにあり、メインステージスプール47aが供給ポート37と第1コントロールポート41との間の流体流通させるように、アクチュエータ49aがパイロットステージスプール45aを位置させており、同時に、メインステージスプール47bがタンクポート39と第2コントロールポート43との間の流体流通をさせるように、アクチュエータ49bがパイロットステージスプール45bを位置させている。この実施の形態では、第1ポジションでシリンダ21が伸長することとなる。図2bにおいて、フローコントロールバルブ17は第2ポジションにあり、メインステージスプール47aがタンクポート39と第1コントロールポート41との間の流体流通をさせるように、アクチュエータ49aがパイロットステージスプール45aを位置させており、同時に、メインステージスプール47bが供給ポート37と第2コントロールポート43との間の流体流通をさせるように、アクチュエータ49bがパイロットステージスプール45bを位置させている。この実施の形態では、第2ポジションでシリンダ21が収縮することとなる。
【0014】
再び図1を参照すると、各圧力センサ31はフローコントロールバルブ17の外にそれぞれ示されている。しかしながら、本発明の範囲は、各圧力センサ31がフローコントロールバルブ17の外にあるものに限定されることはない。好ましい実施の形態では、各圧力センサ31がフローコントロールバルブ17内に組み込まれている。このような配置は、英国特許第GB2328524号に記述されており、参考としてここに含まれる。さらに付け加えると、コントローラ19もまた、図1に示されているようにフローコントロールバルブ17の外にある。しかしながら、本発明の範囲は、コントローラ19がフローコントロールバルブ17の外にあるものに限定されることはない。好ましい実施の形態では、コントローラ19がフローコントロールバルブ17内に組み込まれている。
【0015】
ここで、主に図3を参照すると共に、図1および2で紹介された要素を参照すると、アクチュエータをコントロールするための方法301が記述されている。方法301のステップ303において、目標アクチュエータポジション51(図1に示されている)は、コントローラ19によって得られる。目標アクチュエータポジションは、限定されることはないが、オペレータがジョイスティックやキーボードを使用するなど、いろいろなやり方で入力することができる。ステップ305では、コントローラ19が流体をシリンダ21に供給するようになっている状況かどうかを決定する。この決定は、スプールポジションセンサ33a,33bから受け取った情報からコントローラによって作成することができる。流体をシリンダ21に供給するようになっていない場合には、ステップ307で、コントローラ19がアクチュエータ49a,49bに信号を送って、メインステージスプール47a,47bが作動するように、パイロットステージスプール45a,45bを作動させる。これにより、シリンダ21の適切なチャンバ27,29に対する流体の流出入が許容される。シリンダ21の適切なチャンバ27,29に対して流体が流出入している状況の場合には、方法301は、次のステップに進む。推定アクチュエータポジションは、後にさらに詳しく記述する方法309を使用して決定される。ステップ311では、目標アクチュエータポジションと方法309で決定された推定アクチュエータポジションとの間で比較が行われる。これらのアクチュエータポジションが同様の場合には、信号がアクチュエータ49a,49bに伝達されて、メインステージスプールバルブ47a,47bが閉じられ、シリンダ21に対する流体の流出入を防止することとなる。目標アクチュエータポジションと推定アクチュエータポジションがより近似した値のときにメインステージスプールバルブ47a,47bの閉鎖を開始するための信号をアクチュエータ49a,49bに伝達するステップを、ステップ311が含むことができることも、本発明の開示内容にさらに目を通せば、当業者に理解されることであろう。このステップは、シリンダ21の動きが突然停止するのを回避する。しかしながら、推定アクチュエータポジションと目標ポジションが同様でない場合、メインステージスプールバルブ47a,47bがそのポジションに残され、方法309を使用してアクチュエータポジションが再び推定される。
【0016】
ここで図4を参照して、アクチュエータポジションを推定する方法309をここで詳細に記述する。ステップ401においては、コントローラ19がアクチュエータポジションセンサ35から実アクチュエータポジションデータを受け取っているかどうかが決定される。実アクチュエータポジションデータを受け取っていない場合には、シリンダ21の第1チャンバ27と関連するメインステージスプール47aのポジションXsp1と、シリンダ21の第2チャンバ29と関連するメインステージスプール47bのポジションXsp2とが、スプールポジションセンサ33a,33bからステップ403で取り込まれる。ステップ405においては、以下Psと参照符号をつける流体ポンプ13と、以下Ptと参照符号をつけるシステムリザーバ15と、以下P1と参照符号をつけるシリンダ21の第1チャンバと、以下P2と参照符号をつけるシリンダ21の第2チャンバとの、流体の圧力と対応する流体圧力データが、流体圧力センサ31a,31b,31c,31dから取り込まれる。ステップ401,403,および405の順序が本発明の臨界範囲でないことは、当業者に理解されることであろう。
【0017】
ステップ407と407’においては、シリンダ21に対する流体の流出入に関する修正フロー量Q1,cとQ2,cが計算される。この修正フロー量は、エラー修正係数と理論フロー量を掛けることによって理論フロー量の方程式の絶対的なエラーを減少させる、すなわち“修正” するフロー量の計算値である。容易に記述するため、この計算値は、シリンダ21の第1チャンバ27のみに関して記述する。しかしながら、シリンダ21の第2チャンバ29と関連する修正フロー量Q2,cの計算は、以下に記述する修正フロー量Q1,cの計算と同様であることは、当業者に理解されることであろう。シリンダ21の第1チャンバ27と関連する修正フロー量の方程式は、:
【数1】

1は、シリンダ21の第1チャンバ27に対して流出入する流体の推定フロー量であり、K1はエラー修正係数である。これらの名称についてさらに詳細な記述は、直ぐ下に記述する。
【0018】
推定フロー量Q1は、変数Ps,Pt,P1,およびXsp1に基づく理論非直線関数である。推定フロー量Q1の計算に使用することのできる様々な方程式があるが、以下では2つの方程式で説明する。第1の方程式は、第1コントロールポート41が供給ポート37と流体連通するように、コントロールバルブ17のメインステージスプール47aが位置する場合に使用されるものである。言い換えれば、以下の方程式は、流体をポンプ12からシリンダ21の第1チャンバ27に流通させ、その結果、シリンダ21を伸長させる場合に使用される。しかしながら、第1チャンバ27内の流体の圧力が流体ポンプ13から出力される流体の圧力よりも高い場合には、たとえ流体が第1チャンバ27から流体ポンプ13に逆流してシリンダを収縮させることとなる状況であっても、以下の方程式が使用できることに注意されたい。いずれの筋書きでも、Q1が以下の方程式を使用して計算される。
【数2】

dは吐出係数(discharge coefficient)、Xsp1はメインステージスプール47aのポジション、Wは,メインステージスプールポジションの微分dA(Xsp1)/dXsp1を超えたメインステージスプールポジションの関数であるオリフィス領域の微分(オリフィスは図2aに参照符号“O1,s”で示されている)、ρは流体の密度である。
【0019】
第2の方程式は、第1コントロールポート41がタンクポート31と流体連通するように、コントロールバルブ17のメインステージスプール47aが位置する場合に使用されるものである。言い換えれば、以下の方程式は、流体をシリンダ21の第1チャンバ27からシステムリザーバ15に流通させ、その結果、シリンダ21を収縮させる場合に使用される。この筋書きでは、Q1が以下の方程式を使用して計算される。
【数3】

dは吐出係数(discharge coefficient)、Xsp1はメインステージスプール47aのポジション、Wは,メインステージスプールポジションの微分dA(Xsp1)/dXsp1を超えたメインステージスプールポジションの関数であるオリフィス領域の微分(オリフィスは図2bに参照符号“O1,s”で示されている)、ρは流体の密度である。
【0020】
上述したように、推定フロー量Q1は、理論方程式である。流体の粘度や、流体の種類、流体の温度など、これらに限定されることはないが、複数の係数により、推定フロー量Q1は、実験上で計測されたフロー量と常に互いに関係するわけではない。そのため、エラー修正係数K1を使用して理論方程式と関連するエラーを減少させる。このエラー修正係数K1は、次の非線形関数:
【数4】

によって定義される。この係数は実験上で決定されるので、修正係数に対して独立変数を互いに関係させるのに様々な方程式を使用することができる。このような方程式の一例としては、以下のものがある:
【数5】

c0,c1,c3,およびc4は実験上で決定される係数である。
【0021】
本発明の範囲では、アクチュエータポジションコントロールシステム11の操作中にこれらの計算を行う必要がないことは、本発明の開示内容にさらに目を通せば、当業者に理解されることであろう。むしろ、修正フロー量Q1,cとQ2,cは、パラメータPs,Pt,P1,P2,Xsp1,およびXsp2の入力値に基づいて検索可能なルックアップ表に収容することができる。
【0022】
ステップ409と409’においては、シリンダ21の推定アクチュエータポジションX1,EstとX2,Estが、修正フロー量Q1,cとQ2,cに基づいて、それぞれ決定される。容易に記述するため、この決定値は、シリンダ21の第1チャンバ27の修正フロー量Q1,cのみに関して記述する。しかしながら、シリンダ21の第2チャンバ29の修正フロー量Q2,cと関連する推定アクチュエータポジションX2,Estの決定が同様であることは、本発明の開示内容にさらに目を通せば、当業者に理解されることであろう。この実施の形態では、第1チャンバ27の修正フロー量Q1,cと関連するシリンダ21のポジションは、動的構成要素と運動構成要素とを有するピストン23の速度
【数6】

の方程式である、ピストン23の時間あたりの速度
【数7】

の方程式を積分することによって計算される。このような方程式の一例としては、以下のものがある:
【数8】

βEstは流体の推定バルクモジュールであり、Aは流体に圧力をかけるピストン23の面積であり、V1はピストン23が完全に収縮したときのシリンダ21の第1チャンバ27の容積であり、X1,Estは初期の推定アクチュエータポジションであり、η1は、フィルターをかけてノイズを消去した所定のサンプル時間の間の、シリンダ21の第1チャンバ27の流体の圧力P1の変動を表しており、Q1,cは修正フロー量である。上記の速度方程式の動的構成要素は、角カッコの第1セットであり、上記速度方程式において、シリンダ21の第1チャンバ27の流体圧力P1の関数である。上記の速度方程式の運動的構成要素は、角カッコの第2セットであり、修正フロー量Q1,cに基づくものであり、圧力流体に晒されるピストン23の面積で除算される。
【0023】
ステップ411においては、シリンダ21の推定ポジションX1,EstとX2Estとが比較される。これらのポジションが互いに異なっている場合には、推定アクチュエータポジションの決定値XEstが作られる。この決定値は、ポジションX1,EstとX2Estの相加平均を取ることによって、または、他の重み付き平均関数によって作ることができる。
【0024】
ここで図5を参照すると、推定アクチュエータポジションX1,EstとX2,Estの決定値に動的および運動的構成要素の双方を含む重要性が示されている。実アクチュエータポジション501と、推定アクチュエータポジション503と、運動アクチュエータポジション505とが、速度方程式の運動構成要素にただ単に基づいて、図5にプロットされている。このプロットにおいて、シリンダ21のピストン23は、伸長すると同時に揺動している。揺動は、シリンダ21に対して及ぼす外力などの外部条件が原因である。運動アクチュエータポジション505は、ピストン23の全移動量を捕捉することができ、したがって、ピストン23の揺動を捕捉することはない。この運動アクチュエータポジションの結果は、この実施の形態においては、例示しただけであるが、5%程度のエラーを有しているが、このエラーは、シリンダ21に対して作用する外力次第である。これに対して、上述した動的および運動的構成要素を含む推定アクチュエータポジション503は、実アクチュエータポジション501に近く、シリンダ21に対して作用する外力によるピストン23の揺動を含んでいる。
【0025】
再び図4を参照しながら、アクチュエータポジションを推定する方法309の適応を、ここで記述する。コントローラ19がアクチュエータポジションセンサ35から実アクチュエータポジションXActを受け取って、シリンダ21の第1チャンバ27および第2チャンバ29に関して推定アクチュエータポジションX1,Est,X2,Estがそれぞれ実アクチュエータポジションXActと異なっている場合には、適当なゲイン係数δ1とδ2がステップ413で決定されて、推定アクチュエータポジションを実アクチュエータポジションに調整する。このように、適当なゲイン係数δ1とδ2は、それぞれ、X1,Err=X1,Est−XActとX2,Err=X2,Est−XActであるアクチュエータポジションエラーX1,ErrとX2,Errに基づいている。適当なゲイン係数δ1とδ2は、その後、修正フロー量Q1,CとQ2,Cの決定値を調整するためのものとして適用される。この修正フロー量Q1,CとQ2,Cの調整は、それぞれ適当なゲイン係数δ1とδ2による複数のエラー修正係数K1とK2によって成し遂げられる。
【0026】
エラー修正フロー量を調整を作るための調整の仕方を実演するために、アクチュエータポジションエラーX1,Errを表す理論方程式を簡単に記述する。シリンダ21の第1チャンバ27に関してアクチュエータポジションエラーX1,Errだけを記述したが、シリンダ21の第2チャンバ29に関してアクチュエータポジションエラーX2,Errrに基づいた調整が同様であることは、本発明の開示内容にさらに目を通せば、当業者に理解されることであろう。
アクチュエータポジションエラーX1,Errrの理論方程式は以下のように与えられる。
【数9】

1,Err(t+1)はサンプルタイムt+1におけるアクチュエータポジションエラーであり、ΒEstは流体の修正バルクモジュールであり、βErrは流体のバルクモジュールの関連するエラーであり、次の方程式を使用して計算される。
【数10】

Aは流体に圧力をかけるピストン23の面積であり、V1はピストン23が完全に収縮したときのシリンダ21の第1チャンバ27の容積であり、X1,Estは推定アクチュエータポジションであり、η1は、フィルターをかけてノイズを消去した所定のサンプル時間の間の、シリンダ21の第1チャンバ27の流体の圧力P1の変動を表しており、Q1,Errは次の方程式:Q1,c−Q1を使用して計算されたフロー量エラーである。
【0027】
アクチュエータポジションエラーの理論方程式において角カッコの第1セットのなかで積分項のすべては、シリンダ21の第1チャンバ27の流体圧力のフィルターをかけた変動を表すη1が乗算される。η1の項は、所定のサンプル時間の間の第1チャンバ27における流体の圧力の変動がプラスかマイナスかによるものとすることができる。シリンダ21に対して及ぶ外力など、外部の条件の結果が大きいので、η1は、幾分予想できない項である。この予想不可の結果、角カッコの第1セットの積分項の一つを第1チャンバ27に関してアクチュエータポジションエラーX1,Errと互いに関連付けて調整することは、困難である。しかしながら、上記の方程式の角カッコの第2セットの積分項は、それらの項が予想可能であることにより、よりたやすくアクチュエータポジションエラーX1,Errと互いに関連付けて調整することができる。エラー修正係数KをアクチュエータポジションエラーX1,Errと互いに関連付けてどのようにして求めることができるか、実証するための簡単な説明を例示する。角カッコの第2セットの積分は、簡単に次式のようになる。
【数11】

したがって、アクチェータポジションエラーX1,Errは、この積分によって推測され、推定アクチェータポジションX1,Estと実アクチュエータポジションXActとの間の差がプラスの場合には、エラー修正係数K1が増えるであろう。他方、推定アクチェータポジションX1,Estと実アクチュエータポジションXActとの間の差がマイナスの場合には、エラー修正係数K1が減少するであろう。このように、第1コントロールポート41が供給ポート37と流体連通し、アクチュエータポジションエラーX1,Errがゼロより大きくなるように、フローコントロールバルブ17のメインステージスプール47aが位置している場合には、修正係数K1は、適当なゲイン係数δ1(δ1>1)で乗算される。この例においては、修正フロー量Q1,cのための方程式は、Q1,c=δ1・K1・Q1となる。第1コントロールポート41が供給ポート37と流体連通するが、アクチュエータポジションエラーがゼロより少ないか同等であるように、フローコントロールバルブ17のメインステージスプール47aが位置している場合には、エラー修正係数K1は、適当なゲイン係数1/δ1(δ1>1)で乗算される。この例においては、修正フロー量Q1,cのための方程式は、Q1,c=(1/δ1)・K1・Q1となる。しかしながら、第1コントロールポート41がタンクポート39と流体連通すると共に、アクチュエータポジションエラーX1,Errがゼロより大きくなるように、フローコントロールバルブ17のメインステージスプール47aが位置している場合には、修正エラー係数K1は、適当なゲイン係数1/δ1(δ1>1)で乗算される。この例においては、修正フロー量Q1,cのための方程式は、Q1,c=(1/δ1)・K1・Q1となる。第1コントロールポート41がタンクポート39と流体連通しているが、アクチュエータポジションエラーX1,Errがゼロより小さいか同等となるように、フローコントロールバルブ17のメインステージスプール47aが位置している場合には、修正エラー係数K1は、適当なゲイン係数δ1(δ1>1)で乗算される。この例においては、修正フロー量Q1,cのための方程式は、Q1,c=δ1・K1・Q1となる。
【0028】
本発明の好ましい実施の形態では、適当なゲイン係数δ1が実ポジションエラーX1,Errの係数である。アクチュエータポジションが大きければ大きいほど、エラー修正係数K1がより積極的に変化する。しかしながら、適当なゲイン係数δ1がどのような実数値でもよいことは、本発明の開示内容にさらに目を通せば、当業者に理解されることであろう。エラー修正係数K1の過度の積極的な変化を防止するために、この実施の形態では、適当なゲイン係数δ1は、2と同等かそれより少なくされる。
【0029】
ここで、図6を参照すると、コントローラによって使用されてシリンダ21の推定ポジションを決定するための変形例の方法309’が記述されている。変形例の方法309’においては、方法309と同じまたは同様の方法ステップには同じ参照符号を付して更なる記述をしないこととする。しかしながら、追加的な方法ステップについては、“600”の参照数字を付加して詳細を記述する。
【0030】
方法309と同様に、変形例の方法309’のステップ401においては、コントローラ19がアクチュエータポジションセンサ35から実アクチュエータポジションデータを受け取っているかどうかが判定される。実アクチュエータポジションデータを受け取っていない場合には、シリンダ21の第1および第2チャンバ27,29と関連するメインステージスプール47a,47bのポジションXsp1,Xsp2が、それぞれ、スプールポジションセンサ33a,33bからステップ403に取り込まれる。ステップ405においては、流体圧力データPs,Pt,P1およびP2が、流体圧力センサ31a,31b,31c,31dからそれぞれ取り込まれる。ステップ401,403,および405の順序が本発明の臨界範囲でないことは、当業者に理解されることであろう。
【0031】
ステップ407と407’においては、方法309で記述した修正フロー量の決定と同様に、シリンダ21に対する流体の流出入に関する修正フロー量Q1,cとQ2,cが決定される。ステップ601においては、修正フロー量Q1,cとQ2,cに基づいて修正フロー量Qcが決定される。修正フロー量Q1,cとQ2,cが等しい場合には、修正フロー量Qcは、Q1,cとQ2,cのいずれとも等しい。しかしながら、修正フロー量Q1,cとQ2,cが互いに異なる場合には、修正フロー量Qcの決定値が作られる。この決定値は、修正フロー量Q1,cとQ2,cの相加平均を取ることによって、または、他の重み付き平均関数によって作ることができる。この決定値に従って、推定アクチュエータポジションXEstは、方法309に関して記述したのと同様の計算で、修正フロー量Qcに基づいて計算される。ステップ413における方法309’の適応性は、方法309のステップ413で記述したのと同様である。
【0032】
アクチュエータポジションを決定するために方法309と309’を使用することの優位性は、理論計算に関連するエラーが最小限となる3つのやり方が方法309と309’に組み込まれることにある。第1のやり方は、エラー修正係数K1,とK2の使用を包含している。これらエラー修正係数K1,とK2は、理論フロー量Q1とQ2を互いに関連付けて、試験的にフロー量を計測することによって理論フロー量Q1とQ2の計算に関連するエラーを最小限にする。第2のやり方は、エラー修正係数K1,とK2にそれぞれ乗算される適当なゲイン係数δ1,δ2の使用を包含している。これらの適当なゲイン係数は、推定アクチュエータポジションXEstと実アクチュエータポジションXActとの間のエラーを最小限にする。理論計算に関連するエラーを最小限にする第3のやり方は、推定アクチュエータポジションXEstの決定で、2つの修正されたフロー量Q1,cとQ2,cの使用を包含している。2つの修正されたフロー量Q1,cとQ2,cを使用することにより、2つの修正されたフロー量の間の食い違いが重み付き平均関数などを使用することによって最小限となる。これにより、推定アクチュエータポジションの決定におけるエラーを減少させる可能性が出てくる。
【0033】
図7を参照すると、これから記述する推定アクチュエータポジションの決定で、二つの修正フロー量Q1,cとQ2,cを使用する更なる利点を備えた、変形例の方法309”が示されている。変形例の方法309”においては、方法309および309’と同じまたは同様の方法ステップには同じ参照符号を付して更なる記述をしないこととする。しかしながら、追加的な方法ステップについては、“700”の参照数字を付加して詳細を記述する。
【0034】
変形例の方法309”においては、ステップ701で、修正フロー量Q1,cとQ2,cとの間で比較が行われる。修正フロー量Q1,cとQ2,cが同様の値の場合には、ステップ601で、推定アクチュエータポジションが決定される。しかしながら、修正フロー量Q1,cとQ2,cに有意差がある場合には、ステップ703で、警告がオペレータに送られる。このようにして、修正フロー量Q1,cとQ2,cは、アクチュエータポジションコントロールシステム11の障害検出形式として使用される。たとえば、シリンダ21の第1チャンバ用の修正フロー量Q1,cが、シリンダ21の第2チャンバ用の修正フロー量Q2,cより有意差がある場合、ステップ703で、オペレータにアクチュエータポジションシステム11に問題があると警告が伝達される。警告の形式は、本発明の範囲の臨界となるものではなく、視覚的または聴覚的な警告を含むことができる。圧力センサ31a,31b,31c,31dのうちの一つや、あるいは、スプールポジションセンサ33a,33bのうちの一つなど、アクチュエータポジションコントロールシステム11における特定の構成要素の問題により、修正フロー量Q1,cとQ2,cの重大な食い違いを隔離できなかったとしても、全体として、システムの潜在的な問題をオペレータに通知することができる。ステップ701の順序が本発明の臨海範囲でないことは、本発明の開示内容にさらに目を通せば、当業者に理解されることであろう。
【0035】
これまでに、本発明の詳細を説明してきたが、この明細書を読んで理解することにより、当業者にとって様々な変更・修正が明確となると思われる。これらの全ての変更・修正は、本発明の請求の範囲の限りにおいて、本発明に含まれることを意味する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータと、
該アクチュエータに取付けられた少なくとも一つのアクチュエータポジションセンサと、
アクチュエータと流体連通する、少なくとも一つのメインステージスプールと、該メインステージスプールのポジションをモニターする少なくとも一つのスプールポジションセンサと、一つの供給ポートと、一つのタンクポートと、第1コントロールポートと、第2コントロールポートとを有するフローコントロールバルブと、
該フローコントロールバルブの供給ポートと、タンクポートと、第1コントロールポートと、第2コントロールポートでの流体の圧力をモニターする複数の流体圧力センサと、
フローコントロールバルブと電気通信するコントローラとを備えており、
該コントローラが
目標アクチュエータポジションの入力を受け取り;
複数の流体圧力センサから流体圧力データ信号を受け取り;
スプールポジションセンサからスプールポジション信号を受け取り;
アクチュエータポジションセンサからアクチュエータポジションデータ信号を受け取り;
流体圧力データ信号と、スプールポジション信号と、流体圧力データ信号とスプールポジション信号の関数であるエラー修正係数とに基づいて、アクチュエータに対する流体の修正流出入量を決定し、;
アクチュエータに対する流体の修正流出入量の関数である運動構成要素と、アクチュエータのチャンバの圧力の関数である動的構成要素とを含む推定アクチュエータポジションを決定し;
推定アクチュエータポジションを調整するための適当なゲイン係数をアクチュエータポジションセンサからのアクチュエータポジションデータ信号に加え;
推定アクチュエータポジションを目標アクチュエータポジション入力と比較し;
メインステージスプールを閉じてアクチュエータに流体流通するのを防止するように構成されているアクチュエータのポジションコントロールシステム。
【請求項2】
コントローラがさらに、アクチュエータへの修正流体流入量とアクチュエータからの修正流体流出量とを比較して、該修正流体流出入量の間に有意差がある場合に警報信号を送るように構成されている、請求項1に記載のアクチュエータのポジションコントロールシステム。
【請求項3】
警報信号が可聴式である、請求項2に記載のアクチュエータのポジションコントロールシステム。
【請求項4】
警報信号が可視式である、請求項2に記載のアクチュエータのポジションコントロールシステム。
【請求項5】
アクチュエータがリニアアクチュエータである、請求項1に記載のアクチュエータのポジションコントロールシステム。
【請求項6】
アクチュエータがシリンダである、請求項5に記載のアクチュエータのポジションコントロールシステム。
【請求項7】
アクチュエータポジションセンサがシリンダの中央位置に取付けられている、請求項6に記載のアクチュエータのポジションコントロールシステム。
【請求項8】
複数の流体圧力センサがフローコントロールバルブに配置されている、請求項1に記載のアクチュエータのポジションコントロールシステム。
【請求項9】
コントローラがフローコントロールバルブ内に配置されている、請求項1に記載のアクチュエータのポジションコントロールシステム。
【請求項10】
フローコントロールバルブが2つのメインステージスプールを含んでいる、請求項1に記載のアクチュエータのポジションコントロールシステム。
【請求項11】
パイロットステージスプールがフローコントロールバルブ内の各メインステージスプールと組み合わせられている、請求項10に記載のアクチュエータのポジションコントロールシステム。
【請求項12】
スプールポジションセンサがリニア可変差動変圧器である、請求項1に記載のアクチュエータのポジションコントロールシステム。
【請求項13】
アクチュエータポジションセンサがラッチセンサである、請求項1に記載のアクチュエータのポジションコントロールシステム。
【請求項14】
複数の流体圧力センサから流体圧力データ信号を受け取り;
少なくとも一つのスプールポジションセンサからスプールポジション信号を受け取り;
少なくとも一つのアクチュエータポジションセンサからアクチュエータポジションデータ信号を受け取り;
流体圧力データ信号とスプールポジション信号と、流体圧力データ信号とスプールポジション信号の関数であるエラー修正係数とに基づく各修正流体流量でアクチュエータ対する流体の修正流出入量を決定し;
アクチュエータ対する流体の修正流出入量の関数である運動構成要素と、アクチュエータのチャンバの圧力の関数である動的構成要素とを含む推定アクチュエータポジションを決定し;
推定アクチュエータポジションを調整するための適当なゲイン係数をアクチュエータポジションセンサからのアクチュエータポジションデータ信号に加える;
各ステップを備えたアクチュエータポジションの推定方法。
【請求項15】
さらに、アクチュエータへの修正流体流入量とアクチュエータからの修正流体流出量とを比較するステップを備えている、請求項14に記載のアクチュエータポジションの推定方法。
【請求項16】
重み関数をアクチュエータへの修正流体流入量とアクチュエータからの修正流体流出量に加えて、修正アクチュエータポジションを決定する、請求項15に記載のアクチュエータポジションの推定方法。
【請求項17】
アクチュエータへの修正流体流入量とアクチュエータからの修正流体流出量との間に有意な不一致がある場合にコントローラから警報信号を送る、請求項15に記載のアクチュエータポジションの推定方法。
【請求項18】
スプールポジションセンサがリニア可変差動変圧器である、請求項14に記載のアクチュエータポジションの推定方法。
【請求項19】
アクチュエータ変位量センサがラッチセンサである、請求項14に記載のアクチュエータポジションの推定方法。
【請求項20】
アクチュエータがリニアアクチュエータである、請求項14に記載のアクチュエータポジションの推定方法。
【請求項21】
アクチュエータがシリンダである、請求項20に記載のアクチュエータポジションの推定方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−515005(P2010−515005A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−544474(P2009−544474)
【出願日】平成20年1月2日(2008.1.2)
【国際出願番号】PCT/IB2008/000002
【国際公開番号】WO2008/084367
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(390033020)イートン コーポレーション (290)
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION
【Fターム(参考)】