説明

アクティブマトリクス基板、表示装置、アクティブマトリクス基板の製造方法または検査方法、および表示装置の製造方法または検査方法

【課題】引出配線が複数の層のそれぞれに形成された場合において、同じ層に形成された隣接する引出配線間の短絡を簡易な構成で確実に検出することができるアクティブマトリクス基板を提供する。
【解決手段】アクティブマトリクス基板2は、引出配線611,613,615,617が接続されたゲート端子51に接続される第1接続配線641,643,645,647と、引出配線612,614,616が接続されたゲート端子51に接続される第2接続配線642,644,646と、互いに隣接する2本の第1接続配線および第2接続配線を1本に束ねる束配線651〜654と、束配線のうちで互いに隣接しない束配線652,654へ検査信号を入力可能な第1検査配線66と、束配線のうち第1検査配線66が接続されておらずかつ互いに隣接しない束配線651,653へ検査信号を入力可能な第2検査配線67とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2層以上の層を有し、表示領域に互いに平行に形成された複数の第1配線と、端子配置領域に配置された複数の第1端子とをそれぞれ接続する複数の第1引出配線を、それぞれの層に形成したアクティブマトリクス基板、表示装置、アクティブマトリクス基板の検査方法、および表示装置の検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、PDA、カーナビゲーションシステム、パーソナルコンピュータ等の各種の電子機器において、液晶パネルが幅広く用いられている。液晶パネルは、薄くて軽量であり、消費電力が少ないという長所がある。このような液晶パネルに、ドライバを実装する方式として、液晶材料を挟んで対向する一対の基板の一方の基板(アクティブマトリクス基板)にドライバを直接実装する方式、いわゆるCOG(Chip On Glass)方式が知られている(例えば、特開平9−329796号公報、特開平8−328033号公報参照)。このCOG方式を用いることにより、液晶パネルの薄型化、小型化、軽量化、配線間、および端子間の高精細化を実現することができる。
【0003】
また、近年、携帯電話、PDA等の小型の電子機器用に用いられる液晶パネルは、表示画面の縦横の画素数が160×120のQQVGA、および176×144のQCIFから320×240のQVGA、さらには640×480のVGAへ移行しつつある。これに伴い、液晶パネルを構成するアクティブマトリクス基板上に形成されるべき配線や端子の数が増加することになる。しかしながら、近年、液晶パネルの小型化、高精細化の要請に応えるためには、アクティブマトリクス基板のサイズを大きくすることはできない。
【0004】
そこで、表示領域に形成された複数のゲート配線と、端子配置領域に配置された複数のゲート端子とをそれぞれ接続する複数の引出配線を、2層以上の層(多層)にそれぞれ形成するアクティブマトリクス基板が知られている(例えば、特開2004−53702号公報、特開2005−91962号公報参照)。具体的には、複数の引出配線のうち所定数の引出配線を、ゲート配線が形成された層と同じ層(第1層)に形成するとともに、残余の引出配線を、ゲート配線が形成された層と異なる層(第2層)に形成する。なお、第1層に形成された引出配線と、第2層に形成された引出配線との間には、絶縁材料が介在される。引出配線を多層化することにより、第1層に形成された引出配線と第2層に形成された引出配線との間隔を狭くすることができるため、アクティブマトリクス基板のサイズを大きくすることなく、液晶パネルの小型化、高精細化を実現できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、第1層に形成された引出配線と、第2層に形成された引出配線との間には、絶縁材料が介在しているので、第1層に形成された引出配線と、第2層に形成された引出配線との間で短絡(リーク)は生じ難い。しかしながら、同じ層に形成された隣接する引出配線間では、アクティブマトリクス基板の製造時等のフォトリソグラフィ工程におけるダストや、エッチング時の膜残り等が原因となって、短絡が生じる恐れがある。特に、近年では、上述したように、液晶パネルの小型化、高精細化が望まれており、配線間の間隔は近年益々狭くなりつつあるため、同じ層に形成された隣接する引出配線間の短絡も生じ易くなってきている。このため、アクティブマトリクス基板の製造時等の検査工程において、引出配線間の短絡の検査が重要となってきている。すなわち、実装工程において、配線の短絡が生じている不良なアクティブマトリクス基板上にドライバを実装することは、部材コストや作業コストのロスとなるからである。
【0006】
しかしながら、引出配線間の短絡の検査が重要となってきているにも関わらず、2層以上の層を有するアクティブマトリクス基板において、同じ層に形成された隣接する引出配線間の短絡を、複数の層のそれぞれについて検出するしくみについては確立されていなかった。具体的に言えば、2層以上の層を有する従来のアクティブマトリクス基板において、同じ層に形成された隣接する引出配線のそれぞれには、同じ検査配線から同じ検査信号が入力されていたので、引出配線の断線を検出することはできたが、同じ層に形成された隣接する引出配線間の短絡を検出することはできなかった。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、引出配線が複数の層のそれぞれに形成された場合において、同じ層に形成された隣接する引出配線間の短絡を簡易な構成で確実に検出することができるアクティブマトリクス基板、表示装置、アクティブマトリクス基板の検査方法、および表示装置の検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明におけるアクティブマトリクス基板は、表示領域に互いに平行に形成された複数の第1配線と、前記表示領域において前記複数の第1配線と交差するよう、かつ互いに平行に形成された複数の第2配線と、端子配置領域に配置された複数の第1端子と、前記端子配置領域に配置された複数の第2端子と、前記複数の第1配線と前記複数の第1端子とをそれぞれ接続する複数の第1引出配線と、前記複数の第2配線と前記複数の第2端子とをそれぞれ接続する複数の第2引出配線とを備えたアクティブマトリクス基板において、前記複数の第1引出配線は、複数の第3引出配線と、複数の第4引出配線とを含み、前記第3引出配線は、前記第1配線が形成された層と同じ層に形成されており、前記第4引出配線の少なくとも一部分は、前記第1配線が形成された層と絶縁材料を挟んで異なる層に形成されており、かつ、前記表示領域および前記端子配置領域以外の額縁配線領域において前記第3引出配線と前記第4引出配線とが、1本毎に交互に形成されており、前記アクティブマトリクス基板は、前記複数の第3引出配線のそれぞれが接続された複数の第1端子のそれぞれに接続される複数の第1接続配線と、前記複数の第4引出配線のそれぞれが接続された複数の第1端子のそれぞれに接続される複数の第2接続配線と、互いに隣接する2本の前記第1接続配線および前記第2接続配線を1本に束ねる複数の束配線と、前記複数の束配線のうちで互いに隣接しない束配線を共通接続する第1共通配線と、前記複数の束配線のうち前記第1共通配線が接続されておらずかつ互いに隣接しない束配線を共通接続する第2共通配線とを備える。
【0009】
本発明のアクティブマトリクス基板によれば、アクティブマトリクス基板の製造時等の検査工程において、第1共通配線および第2共通配線に互いに独立した検査信号を入力すれば、束配線、第1接続配線、および第2接続配線を介して、第3引出配線および第4引出配線へ検査信号を入力することが可能である。すなわち、隣接する第3引出配線へは、互いに独立した検査信号を入力することが可能である。なお、第3引出配線は、第1配線が形成された層と同じ層に形成された配線である。これにより、隣接する第3引出配線間の短絡を検出することができる。また、隣接する第4引出配線へも、互いに独立した検査信号を入力することが可能である。なお、第4引出配線は、当該第4引出配線の少なくとも一部分において、第1配線が形成された層と絶縁材料を挟んで異なる層に形成された配線である。これにより、隣接する第4引出配線間の短絡を検出することができる。
【0010】
また、本発明のアクティブマトリクス基板は、互いに隣接する2本の第1接続配線および第2接続配線を1本に束ねる複数の束配線を備え、複数の束配線のそれぞれが、第1共通配線または第2共通配線に接続される態様である。このため、束配線を備えることなく、複数の第1接続配線および複数の第2接続配線のそれぞれが、第1共通配線または第2共通配線に直接接続される態様と比較して、配線間の間隔を広く取ることができ、かつ、異なる層に形成された配線同士を電気的に接続するための配線層切換部の数を低減することも可能である。すなわち、配線間(束配線間)の間隔を広く取ることができるので、配線間で短絡が生じ難くなる。また、配線層切換部の数を低減することができるので、配線層切換部の接続不良等を低減できる。
【0011】
この結果、引出配線が複数の層のそれぞれに形成された場合において、同じ層に形成された隣接する引出配線間の短絡を簡易な構成で確実に検出することができる。
【0012】
上記目的を達成するために本発明における表示装置は、本発明に係るアクティブマトリクス基板を備える。なお、前記表示装置は、液晶表示装置であることが好ましい。
【0013】
上記目的を達成するために本発明におけるアクティブマトリクス基板または表示装置の検査方法は、上記のアクティブマトリクス基板、または、上記のアクティブマトリクス基板を備えた表示装置の検査方法であって、前記第1共通配線および前記第2共通配線に互いに独立した検査信号を入力することにより、前記第3引出配線および前記第4引出配線の検査を行う検査工程と、前記検査工程の後に、前記複数の第1接続配線および前記複数の第2接続配線を切断する切断工程とを含む。
【0014】
本発明のアクティブマトリクス基板または表示装置の検査方法によれば、第1共通配線および第2共通配線に互いに独立した検査信号を入力することにより、隣接する第3引出配線間の短絡、および隣接する第4引出配線間の短絡を検出することができる。そして、切断工程において、複数の第1接続配線および複数の第2接続配線を切断する。これにより、複数の第3引出配線のそれぞれが接続された複数の第1端子と、複数の第4引出配線のそれぞれが接続された複数の第1端子とが、電気的に切り離される。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明のアクティブマトリクス基板、表示装置、およびアクティブマトリクス基板の検査方法は、引出配線が複数の層のそれぞれに形成された場合において、同じ層に形成された隣接する引出配線間の短絡を簡易な構成で確実に検出することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る液晶パネルの概略構成を示す平面図である。
【図2】図2は、図1中に示した切断線a−a´に沿って切断した断面図である。
【図3】図3は、図1中に示したE1の部分を拡大した図である。
【図4】図4は、図1中に示したE2の部分を拡大した図である。
【図5】図5は、変更例に係る液晶パネルの概略構成を示す平面図である。
【図6】図6は、図1中に示したE1の部分と同じ部分を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態において、前記複数の第3引出配線のそれぞれが接続された複数の第1端子と、前記複数の第4引出配線のそれぞれが接続された複数の第1端子とが電気的に導通しないように、前記複数の第1接続配線および前記複数の第2接続配線が切断されている態様とするのが好ましい。この態様によれば、複数の第3引出配線のそれぞれが接続された複数の第1端子と、複数の第4引出配線のそれぞれが接続された複数の第1端子とは、電気的に切り離されることになる。
【0018】
本発明の実施形態において、互いに隣接する2本の前記第1接続配線および前記第2接続配線のうち、少なくともいずれか一方の接続配線に抵抗素子が接続される態様とするのが好ましい。特に、互いに隣接する2本の前記第1接続配線および前記第2接続配線のそれぞれに抵抗素子が接続される態様とするのが好ましい。この態様によれば、アクティブマトリクス基板の製造時等の切断工程において、第1接続配線および第2接続配線の代わりに、束配線を切断することが可能となる。つまり、第1接続配線および第2接続配線を切断する場合と比較して、切断すべき配線の数が少なくなる。この結果、切断工程にかかる時間を削減することができる。また、切断すべき配線間の間隔を広く取ることができるので、切断時に生じるカット屑によって、隣接する配線が短絡する等の不良の発生を低減することができる。
【0019】
本発明の実施形態において、前記第1接続配線に接続された抵抗素子と、前記第2接続配線に接続された抵抗素子とは、略同じ抵抗値を有する態様とするのが好ましい。この態様によれば、アクティブマトリクス基板の製造時等の検査工程において、隣接する接続配線に対応する引出配線、および当該引出配線に対応する第1配線へ入力されるべき検査信号の遅延量を、略同等にすることができる。これにより、断線には至らないが配線幅が極小になった場合等の不良を検出することができる。
【0020】
本発明の実施形態において、前記複数の束配線のそれぞれが切断されている態様とするのが好ましい。この態様によれば、複数の第3引出配線および複数の第4引出配線のそれぞれが接続された第1端子と、第1共通配線および第2共通配線とが、電気的に切り離されることになる。
【0021】
本発明の実施形態において、前記第1配線は、ゲート配線であり、前記第2配線は、ソース配線である態様とするのが好ましい。ここで、例えば、第1配線の配線数と第2配線の配線数とが互いに異なる態様において、第1配線の配線数が第2配線の配線数よりも多い場合に、第1配線がゲート配線であれば、不良発生率の高いゲート配線間の短絡の検査を行うことができる。このため、ゲート配線間の短絡が生じている不良なアクティブマトリクス基板上にゲート配線用の駆動回路(ドライバ)の実装を防ぐことができる。そのため、部材コストや作業コストのロスを低減することができる。なお、ゲート配線用の駆動回路は、複数の階調に対応したソース信号(映像信号)を供給するソース配線用の駆動回路に比べて、構成が単純である。このため、端子配置領域の縮小化、アクティブマトリクス基板の低コスト化を目的として、第1配線の配線数が第2配線の配線数よりも多い場合には、第1配線がゲート配線、第2配線がソース配線であることが好ましい。
【0022】
本発明の実施形態において、前記第1配線は、ソース配線であり、前記第2配線は、ゲート配線である態様とするのが好ましい。この態様によれば、ソース配線間の短絡の検査を行うことができる。すなわち、ソース配線用の駆動回路(ドライバ)は、複数の階調に対応したソース信号(映像信号)を供給する必要があるため、ゲート配線用の駆動回路に比べて、構成が複雑である。つまり、ソース配線用の駆動回路は、ゲート配線用の駆動回路に比べて、高価である。このため、ソース配線間の短絡が生じている不良なアクティブマトリクス基板上にソース配線用の駆動回路の実装を防ぐことができる。そのため、部材コストや作業コストのロスを低減することができる。
【0023】
本発明の実施形態において、本発明の実施形態に係るアクティブマトリクス基板、または、本発明の実施形態に係るアクティブマトリクス基板を備えた表示装置の検査方法であって、前記第1共通配線および前記第2共通配線に互いに独立した検査信号を入力することにより、前記第3引出配線および前記第4引出配線の検査を行う検査工程と、前記検査工程の後に、前記複数の束配線を切断する切断工程とを含む態様とするのが好ましい。この態様によれば、第1共通配線および第2共通配線に互いに独立した検査信号を入力することにより、隣接する第3引出配線間の短絡、および隣接する第4引出配線間の短絡を検出することができる。そして、切断工程において、複数の束配線を切断する。これにより、複数の第3引出配線および複数の第4引出配線のそれぞれが接続された第1端子と、第1共通配線および第2共通配線とが、電気的に切り離される。
【0024】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本発明の一実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。したがって、本発明に係るアクティブマトリクス基板は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法および各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0025】
また、上記第1共通配線および第2共通配線は、本実施形態においては第1検査配線および第2検査配線として説明する。
【0026】
[実施の形態1]
図1は、本実施形態に係る液晶パネル1の概略構成を示す平面図である。図1に示すように、液晶パネル1は、アクティブマトリクス基板2と、アクティブマトリクス基板2に対向する対向基板3とを備えている。アクティブマトリクス基板2と対向基板3との間には、図示しない液晶材料が狭持されている。なお、本実施形態に係る対向基板3には、R(赤)、G(緑)、B(青)のカラーフィルタと、これらのカラーフィルタ間の光漏れを防止するブラックマトリクスとを含むカラーフィルタ層が形成されている。また、カラーフィルタ層の上には、共通電極が形成されている。
【0027】
ここで、本実施形態に係る液晶パネル1は、例えば、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、PHS(Personal Handy-phone System)、HHT(Hand Held Terminal)等の携帯端末用の電子機器に用いられる。また、本実施形態に係る液晶パネル1は、携帯端末用の電子機器以外に、ゲーム端末、カーナビゲーションシステム、パーソナルコンピュータ、テレビ、ビデオカメラ、デジタルカメラ等の電子機器にも用いられる。ここで、液晶パネル1を備えた電子機器が、本発明に係る液晶表示装置の一実施形態となる。なお、本実施形態に係るアクティブマトリクス基板2を電界放出ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ等の、液晶パネル1以外のパネル(表示装置)に設けるようにしてもよい。
【0028】
アクティブマトリクス基板2は、表示領域4と、端子配置領域5と、表示領域4の外側にあって、かつ表示領域4を囲む額縁配線領域6とを有している。なお、以下では、液晶パネル1の1辺を第1辺S1(図1では、下辺)とし、この第1辺S1を挟んで左右の辺を各々第2辺S2、第3辺S3とし、第1辺S1に対向する辺を第4辺S4とする。
【0029】
ここで、図1に示すように、アクティブマトリクス基板2の第2辺S2(第3辺S3)の長さHは、対向基板3の第2辺S2(第3辺S3)の長さLよりも長い。このため、アクティブマトリクス基板2と対向基板3とが図示しない液晶材料を介して互いに貼り合わされた場合に、アクティブマトリクス基板2の端子配置領域5は、対向基板3よりも第1辺S1側に位置することとなる。
【0030】
表示領域4には、第1ゲート配線401〜407と、第2ゲート配線411〜417と、ソース配線421,422,423,・・・42iとが形成されている。ここで、第1ゲート配線401〜407には、一端側にゲート信号の入力端431〜437をそれぞれ有している。また、第2ゲート配線411〜417には、他端側にゲート信号の入力端441〜447をそれぞれ有している。さらに、ソース配線421,422,423,・・・42iには、一端側にソース信号の入力端451,452,453,・・・45iをそれぞれ有している。
【0031】
図1では、説明の簡略化のために、第1ゲート配線401〜407を7本、第2ゲート配線411〜417を7本図示したが、表示領域4に形成されるべき第1ゲート配線および第2ゲート配線の数は、実際にはこれよりも多い。但し、第1ゲート配線および第2ゲート配線の数については、任意であり、ここでは特に限定されない。
【0032】
なお、以下では、個々の配線を区別する必要のある場合にのみ、例えば、ソース配線421のように、それぞれを区別するための小数字を付して説明し、特に区別する必要がない場合、あるいは、総称する場合には、例えば、ソース配線42のように、小数字を付さずに説明する。また、以下では、第1ゲート配線401〜407および第2ゲート配線411〜417を区別する必要がない場合、あるいは、総称する場合には、単に、ゲート配線40,41と称して説明する。
【0033】
ここで、本実施形態においては、第1ゲート配線401〜407と、第2ゲート配線411〜417とは、1本毎に交互に、かつ互いに平行となるように表示領域4に形成されている。すなわち、表示領域4には、第4辺S4側から第1辺S1側に向かって、第1ゲート配線401、第2ゲート配線411、第1ゲート配線402、第2ゲート配線412、第1ゲート配線403、第2ゲート配線413・・・となるように、ゲート配線40,41が形成されている。また、ソース配線421、422、423、・・・42iは、ゲート配線40,41と交差するよう、かつ互いに平行に表示領域4に形成されている。
【0034】
なお、本実施形態においては、ソース配線42は、RGB毎に表示領域4に形成されている。つまり、表示領域4には、R用のソース配線42、G用のソース配線42、B用のソース配線42が形成されている。但し、モノクロ用の液晶パネル1の場合には、これに限定されない。さらに、表示領域4には、ゲート配線40,41およびソース配線42以外に、図示しない蓄積容量配線が形成されている。蓄積容量配線は、ゲート配線40,41に平行となるように、表示領域4に形成されている。
【0035】
なお、ゲート配線40,41とソース配線42との交差部分には、図示しないTFT(Thin Film Transistor)やMIM(Metal Insulator Metal)等のスイッチング素子、および、このスイッチング素子に接続される図示しない絵素電極(R、G、またはB)等が形成されている。
【0036】
端子配置領域5は、アクティブマトリクス基板2において、複数のゲート端子51および複数のソース端子52が配置された領域である。ドライバ、またはドライバが設けられたフレキシブル配線基板が、端子配置領域5においてゲート端子51およびソース端子52と電気的に接続される。このため、ゲート端子51は、ドライバからゲート信号が入力可能な端子となる。また、ソース端子52は、ドライバからソース信号が入力可能な端子となる。なお、ドライバは、COG(Chip On Glass)方式にて端子配置領域5に接続することが可能である。また、ドライバが設けられたフレキシブル配線基板は、TCP(Tape Carrier Package)方式にて端子配置領域5に接続することが可能である。なお、接続する方式については、ここでは特に限定されない。
【0037】
なお、図1では、端子配置領域5に、1個のドライバを配置することが可能な例を示しているが、これに限定されない。例えば、アクティブマトリクス基板2上に端子配置領域5を複数設けることにより、複数の端子配置領域5のそれぞれに、複数のドライバをそれぞれ配置することが可能なようにしてもよい。
【0038】
額縁配線領域6には、第1ゲート配線401〜407の一端側に有するゲート信号の入力端431〜437と、ゲート端子51とをそれぞれ接続するゲート用右側引出配線(第1引出配線)611〜617が形成されている。すなわち、ゲート用右側引出配線611〜617は、ゲート信号の入力端431〜437から第3辺S3側に引き出され、第3辺S3に沿って額縁配線領域6に形成され、そしてゲート端子51へ接続される。
【0039】
ここで、ゲート用右側引出配線611〜617は、ゲート用右側第1引出配線(第3引出配線)611,613,615,617と、ゲート用右側第2引出配線(第4引出配線)612,614,616とを含む。ゲート用右側第1引出配線611,613,615,617は、ゲート配線40,41が形成された層と同じ層に形成された引出配線である。なお、以下では、ゲート配線40,41が形成された層を「第1層」と称する。また、ゲート用右側第2引出配線612,614,616は、当該ゲート用右側第2引出配線612,614,616の少なくとも一部分において、ゲート配線40,41が形成された層(第1層)と絶縁材料を挟んで異なる層に形成された引出配線である。なお、以下では、ゲート配線40,41が形成された層と異なる層を「第2層」と称する。つまり、第2層には、ソース配線42が形成されている。
【0040】
ここで、ゲート用右側第2引出配線612,614,616には、ゲート信号の入力端432,434,436側に形成された配線層第1切替部622,624,626と、ゲート端子51側に形成された配線層第2切替部632,634,636とをそれぞれ有している。本実施形態においては、ゲート用右側第2引出配線612,614,616のうち、ゲート信号の入力端432,434,436と配線層第1切替部622,624,626との間の配線は第1層に形成されており、配線層第1切替部622,624,626と配線層第2切替部632,634,636との間の配線は第2層に形成されており、配線層第2切替部632,634,636とゲート端子51との間の配線は第1層に形成されている。すなわち、配線層第1切替部622,624,626および配線層第2切替部632,634,636のそれぞれにおいて、第1層に形成された配線と第2層に形成された配線とが電気的に接続されることになる。
【0041】
なお、電気的に接続する方法として、第1層に形成された配線と第2層に形成された配線とを絶縁材料に形成されたコンタクトホールを介して直接接続させるようにしてもよいし、第1層に形成された配線と第2層に形成された配線とをさらに別の層に形成された電極を介して電気的に接続させるようにしてもよい。すなわち、電気的に接続する方法として、様々な任意の方法を用いることが可能であり、ここでは特に限定されない。また、配線層第1切替部622,624,626および配線層第2切替部632,634,636の位置についても図1に示す位置に限定されるものではなく、任意である。
【0042】
図2は、図1中に示した切断線a−a´に沿って切断した断面図である。図2に示すように、アクティブマトリクス基板2上には、第1層として、ゲート用右側第1引出配線611,613,615,617が形成されている。また、絶縁膜(絶縁材料)7が、ゲート用右側第1引出配線611,613,615,617を覆うように、アクティブマトリクス基板2上に形成されている。また、絶縁膜7上には、第2層として、ゲート用右側第2引出配線612,614,616が形成されている。さらに、保護膜8が、ゲート用右側第2引出配線612,614,616を覆うように、絶縁膜7上に形成されている。すなわち、ゲート用右側第1引出配線611,613,615,617と、ゲート用右側第2引出配線612,614,616との間には、絶縁膜7が介在している。
【0043】
このように、本実施形態においては、ゲート用右側第1引出配線611,613,615,617は第1層に形成され、ゲート用右側第2引出配線612,614,616の少なくとも一部分は第2層に形成されている。このため、1つの層に全てのゲート用右側引出配線611〜617が形成される態様と比較して、アクティブマトリクス基板の小型化、高精細化を実現できる。
【0044】
図3は、図1中のE1の部分を拡大した図である。図3に示すように、ゲート用右側引出配線611〜617が接続された複数のゲート端子51のそれぞれには、ゲート用右側接続配線641〜647がさらに接続されている。すなわち、ゲート用右側接続配線641〜647は、複数のゲート端子51のそれぞれから第1辺S1側(後述する検査配線66,67側)へ引き出されている。
【0045】
ここで、ゲート用右側接続配線641〜647は、ゲート用右側第1接続配線(第1接続配線)641,643,645,647と、ゲート用右側第2接続配線(第2接続配線)642,644,646とを含む。ゲート用右側第1接続配線641,643,645,647は、ゲート用右側第1引出配線611,613,615,617が接続されたゲート端子51に接続される接続配線である。また、ゲート用右側第2接続配線642,644,646は、ゲート用右側第2引出配線612,614,616が接続されたゲート端子51に接続される接続配線である。
【0046】
また、額縁配線領域6には、互いに隣接する2本のゲート用右側第1接続配線およびゲート用右側第2接続配線を1本に束ねる右側束配線(束配線)651〜654が形成されている。本実施形態においては、右側束配線651は、2本のゲート用右側第1接続配線641およびゲート用右側第2接続配線642を1本に束ねている。また、右側束配線652は、2本のゲート用右側第1接続配線643およびゲート用右側第2接続配線644を1本に束ねている。さらに、右側束配線653は、2本のゲート用右側第1接続配線645およびゲート用右側第2接続配線646を1本に束ねている。なお、右側束配線654は、ゲート用右側第1接続配線647の1本にのみ接続されている。
【0047】
また、右側束配線652、654には、ゲート用右側第1検査配線66がさらに接続されている。また、右側束配線651、653には、ゲート用右側第1検査配線66を跨いで、ゲート用右側第2検査配線67が接続されている。すなわち、ゲート用右側第1検査配線66は、右側束配線651〜654のうちで互いに隣接しない右側束配線652,654へ検査信号を入力可能な検査配線である。また、ゲート用右側第2検査配線67は、右側束配線651〜654のうちゲート用右側第1検査配線66が接続されておらずかつ互いに隣接しない右側束配線651,653へ検査信号を入力可能な検査配線である。
【0048】
なお、右側束配線651,653には、ゲート用右側第1検査配線66を挟んで、ゲート用右側第2検査配線67が接続されているので、右側束配線651,653には、配線層第3切替部681,683と、配線層第4切替部691,693とをそれぞれ有している。すなわち、配線層第4切替部691,693のそれぞれにおいて、右側束配線651,653とゲート用右側第2検査配線67とが電気的に接続されることになる。
【0049】
また、ゲート用右側第1検査配線66には、ゲート用右側第1検査パッド70がさらに接続されている。ゲート用右側第1検査パッド70は、検査信号が入力可能なパッドである。これにより、右側束配線652,654、およびゲート用右側接続配線643,644、647を介して、ゲート用右側引出配線613,614,617には、ゲート用右側第1検査パッド70から検査信号を入力することが可能となる。さらに、ゲート用右側第2検査配線67には、ゲート用右側第2検査パッド71がさらに接続されている。ゲート用右側第2検査パッド71も、検査信号が入力可能なパッドである。これにより、右側束配線651、653、およびゲート用右側接続配線641,642,645,646を介して、ゲート用右側引出配線611,612,615,616には、ゲート用右側第2検査パッド71から検査信号を入力することが可能となる。
【0050】
以上のように、本実施形態に係るアクティブマトリクス基板2は、互いに隣接する2本のゲート用右側第1接続配線およびゲート用右側第2接続配線を1本に束ねる右側束配線651〜654を形成し、右側束配線652、654がゲート用右側第1検査配線66に、右側束配線651、653がゲート用右側第2検査配線67に接続される態様である。このため、右側束配線を備えることなく、ゲート用右側接続配線641〜647のそれぞれが、ゲート用右側第1検査配線66またはゲート用右側第2検査配線67に直接接続される態様と比較して、配線間の間隔を広く取ることができ、かつ、配線層切替部の数を低減することも可能となる。すなわち、右側束配線651〜654間の間隔(図3中のK)を広く取ることができるので、右側束配線651〜654間で短絡が生じ難くなる。また、配線層切替部の数を低減することができるので、配線層切替部の接続不良等を低減できる。この結果、アクティブマトリクス基板2の検査(断線、短絡等)を確実に行うことができるので、液晶パネル1の歩留まりが向上する。
【0051】
また、本実施形態に係るアクティブマトリクス基板2は、互いに隣接する2本のゲート用右側第1接続配線およびゲート用右側第2接続配線を1本に束ねる右側束配線651〜654を形成しているので、ゲート用右側第1検査配線66を跨ぐ配線の数(つまり、右側束配線651〜654とゲート用右側第1検査配線66との交差部の数)を低減することができる。交差部の数を低減することができるので、ゲート用右側第1検査配線66にかかる負荷を低減することができる。負荷を低減することができるので、ゲート用右側第1検査パッド70からゲート用右側第1検査配線66へ入力された検査信号の遅延を低減することができる。この結果、所望の検査信号をゲート配線40,41へ入力させることができるので、絵素電極とソース配線42との間の短絡のような、木目細かい不良を検出することができる。
【0052】
さらに、本実施形態に係るアクティブマトリクス基板2によれば、ゲート用右側第1検査配線66は、右側束配線652、654のそれぞれと接続されており、ゲート用右側第2検査配線67は、右側束配線651、653のそれぞれと接続されている。このため、アクティブマトリクス基板2にて発生した静電気を、ゲート用右側第1検査配線66およびゲート用右側第2検査配線67から除去または分散することができる。アクティブマトリクス基板2にて発生した静電気を除去または分散することができるので、当該静電気による配線の短絡や断線、TFTやMIMの特性の変化等を抑制することができる。
【0053】
なお、後述するゲート用左側接続配線751〜757、左側束配線761〜764、ゲート用左側第1検査配線77、およびゲート用左側第2検査配線78についても、上記と同様の効果が得られる。
【0054】
図1に戻り、額縁配線領域6には、第2ゲート配線411〜417の他端側に有するゲート信号の入力端441〜447と、ゲート端子51とをそれぞれ接続するゲート用左側引出配線721〜727が形成されている。すなわち、ゲート用左側引出配線721〜727は、ゲート信号の入力端441〜447から第2辺S2側に引き出され、第2辺S2に沿って額縁配線領域6に形成され、そしてゲート端子51へ接続される。
【0055】
ここで、ゲート用左側引出配線721〜727は、ゲート用左側第1引出配線721,723,725,727と、ゲート用左側第2引出配線722,724,726とを含む。ゲート用左側第1引出配線721,723,725,727は、第1層に形成された引出配線である。また、ゲート用左側第2引出配線722,724,726は、第2層に形成された引出配線である。
【0056】
ここで、ゲート用左側第2引出配線722,724,726には、ゲート信号の入力端442,444,446側に形成された配線層第5切替部732,734,736と、ゲート端子51側に形成された配線層第6切替部742,744,746とをそれぞれ有している。本実施形態においては、ゲート用左側第2引出配線722,724,726のうち、ゲート信号の入力端442,444,446と配線層第5切替部732,734,736との間の配線は第1層に形成されており、配線層第5切替部732,734,736と配線層第6切替部742,744,746との間の配線は第2層に形成されており、配線層第6切替部742,744,746とゲート端子51との間の配線は第1層に形成されている。すなわち、配線層第5切替部732,734,736および配線層第6切替部742,744,746のそれぞれにおいて、第1層に形成された配線と第2層に形成された配線とが電気的に接続されることになる。
【0057】
図4は、図1中のE2の部分を拡大した図である。図4に示すように、ゲート用左側引出配線721〜727が接続された複数のゲート端子51のそれぞれには、ゲート用左側接続配線751〜757がさらに接続されている。すなわち、ゲート用左側接続配線751〜757は、複数のゲート端子51のそれぞれから第1辺S1側(後述する検査配線77,78側)へ引き出されている。
【0058】
ここで、ゲート用左側接続配線751〜757は、ゲート用左側第1接続配線751,753,755,757と、ゲート用左側第2接続配線752,754,756とを含む。ゲート用左側第1接続配線751,753,755,757は、ゲート用左側第1引出配線721,723,725,727が接続されたゲート端子51に接続される接続配線である。また、ゲート用左側第2接続配線752,754,756は、ゲート用左側第2引出配線722,724,726が接続されたゲート端子51に接続される接続配線である。
【0059】
また、額縁配線領域6には、互いに隣接する2本のゲート用左側第1接続配線およびゲート用左側第2接続配線を1本に束ねる左側束配線761〜764が形成されている。本実施形態においては、左側束配線761は、2本のゲート用左側第1接続配線751およびゲート用左側第2接続配線752を1本に束ねている。また、左側束配線762は、2本のゲート用左側第1接続配線753およびゲート用左側第2接続配線754を1本に束ねている。さらに、左側束配線763は、2本のゲート用左側第1接続配線755およびゲート用左側第2接続配線756を1本に束ねている。なお、左側束配線764は、ゲート用左側第1接続配線757の1本にのみ接続されている。
【0060】
また、左側束配線762,764には、ゲート用左側第1検査配線77がさらに接続されている。また、左側束配線761,763には、ゲート用左側第1検査配線77を挟んで、ゲート用左側第2検査配線78が接続されている。すなわち、ゲート用左側第1検査配線77は、左側束配線761〜764のうちで互いに隣接しない左側束配線762,764へ検査信号を入力可能な検査配線である。また、ゲート用左側第2検査配線78は、左側束配線761〜764のうちゲート用左側第1検査配線77が接続されておらずかつ互いに隣接しない左側束配線761,763へ検査信号を入力可能な検査配線である。
【0061】
なお、左側束配線761,763には、ゲート用左側第1検査配線77を跨いで、ゲート用左側第2検査配線78が接続されているので、左側束配線761,763には、配線層第7切替部791,793と、配線層第8切替部801,803とをそれぞれ有している。すなわち、配線層第8切替部801,803のそれぞれにおいて、左側束配線761,763とゲート用左側第2検査配線78とが電気的に接続されることになる。
【0062】
また、ゲート用左側第1検査配線77には、ゲート用左側第1検査パッド81がさらに接続されている。ゲート用左側第1検査パッド81は、検査信号が入力可能なパッドである。これにより、左側束配線762,764、およびゲート用左側接続配線753,754,757を介して、ゲート用左側引出配線723,724,727には、ゲート用左側第1検査パッド81から検査信号を入力することが可能となる。さらに、ゲート用左側第2検査配線78には、ゲート用左側第2検査パッド82がさらに接続されている。ゲート用左側第2検査パッド82も、検査信号が入力可能なパッドである。これにより、左側束配線761,763、およびゲート用左側接続配線751,752,755,756を介して、ゲート用左側引出配線721,722,725,726には、ゲート用左側第2検査パッド82から検査信号を入力することが可能となる。
【0063】
図1に戻り、額縁配線領域6には、ソース配線421,422,423,・・・42iの一端側に有するソース信号の入力端451,452,453,・・・45iと、ソース端子52とをそれぞれ接続するソース用引出配線831,832,833,・・・83iが形成されている。すなわち、ソース用引出配線83は、ソース信号の入力端45から第1辺S1側に引き出され、そしてソース端子52へ接続される。
【0064】
ここで、ソース用引出配線831,832,833,・・・83iが接続された複数のソース端子52のそれぞれには、ソース用接続配線841,842,843,・・・84iがさらに接続されている。すなわち、ソース用接続配線841,842,843,・・・84iは、複数のソース端子52のそれぞれから第1辺S1側(後述する検査配線85,86側)へ引き出されている。
【0065】
また、ソース用接続配線841,843,845,・・・84iには、ソース用第1検査配線85がさらに接続されている。また、ソース用接続配線842,844,846,・・・84i-1には、ソース用第2検査配線86がさらに接続されている。すなわち、ソース用第1検査配線85は、ソース用接続配線841,842,843,・・・84iのうちで互いに隣接しないソース用接続配線841,843,845,・・・84iへ検査信号を入力可能な検査配線である。また、ソース用第2検査配線86は、ソース用接続配線841,842,843,・・・84iのうちソース用第1検査配線85が接続されておらずかつ互いに隣接しないソース用接続配線842,844,846,・・・84i-1へ検査信号を入力可能な検査配線である。
【0066】
また、ソース用第1検査配線85には、ソース用第1検査パッド87がさらに接続されている。ソース用第1検査パッド87は、検査信号が入力可能なパッドである。これにより、ソース用第1検査配線85、およびソース用接続配線841,843,845,・・・84iを介して、ソース用引出配線831,833,835,・・・83iには、ソース用第1検査パッド87から検査信号を入力することが可能となる。さらに、ソース用第2検査配線86には、ソース用第2検査パッド88がさらに接続されている。ソース用第2検査パッド88も、検査信号が入力可能なパッドである。これにより、ソース用第2検査配線86、およびソース用接続配線842,844,846,・・・84i-1を介して、ソース用引出配線832,834,836,・・・83i-1には、ソース用第2検査パッド88から検査信号を入力することが可能となる。
【0067】
さらに、額縁配線領域6には、ゲート用右側引出配線611〜617、およびゲート用左側引出配線721〜727を囲むように、共通検査配線89が形成されている。共通検査配線89には、共通電極パッド90,91が接続されている。また、共通検査配線89には、トランスファーパッド92,93がさらに接続されている。トランスファーパッド92,93は、対向基板3に形成されている図示しない共通電極に接続されている。これにより、対向基板3に形成されている共通電極には、共通電極パッド90,91から共通電圧を印加することが可能となる。
【0068】
次に、本実施形態に係る液晶パネル1の製造方法について説明する。なお、以下では、特に液晶パネル1の電気的な接続状態を検査する検査工程について、詳細に説明する。
【0069】
すなわち、透明なガラス基板上に、導電膜、絶縁膜、保護膜等の薄膜を積層し、アクティブマトリクス基板2として切り出されるべきアクティブマトリクス基板領域が複数形成されるアクティブマトリクス基板用のベース基板を製造する。また、透明なガラス基板上に、ブラックマトリクス、カラーフィルタ、導電膜、配向膜等の薄膜を積層し、対向基板3として切り出されるべき対向基板領域が複数形成される対向基板用のベース基板を製造する。両ベース基板のうちの一方のベース基板にシール剤を塗布する。そして、シール剤を塗布した後、両ベース基板を貼り合わせる。
【0070】
貼り合わされた両ベース基板は、アクティブマトリクス基板2と対向基板3とを有する液晶パネル1が所定の枚数(例えば、左右方向に4枚)形成されるマザー基板として切断する。すなわち、図1に示す液晶パネル1は、液晶材料を注入した後のマザー基板として切断した液晶パネルの1つを示している。したがって、図示は省略したが、図1の液晶パネル1の例えば左右には他の液晶パネルが存在している。そして、マザー基板として切断された液晶パネル1の個々に、アクティブマトリクス基板2と対向基板3との間に形成される注入口を介して、例えば、真空注入方式を用いることにより液晶材料を注入する。なお、真空注入方式に代えて、滴下注入方式を用いることにより液晶材料を注入してもよい。この場合、注入口は不要であり、注入口部分を封止する工程も不要である。
【0071】
そして、端子配置領域5にドライバを取り付ける前に、液晶パネル1の電気的な接続状態を検査する検査工程が行われる。すなわち、検査工程は、液晶パネル1のアクティブマトリクス基板2における配線の断線・短絡や絵素電極の欠陥を検査する。
【0072】
検査方法として、各検査パッド70,71,81,82,87,88,90,91に、例えば、検査用プローブを接触させ、所定の電圧を印加する。なお、検査用プローブを各検査パッド70,71,81,82,87,88,90,91に接触させる順番については、ここでは特に限定されない。これにより、ゲート配線40,41に、走査信号として機能する検査信号が入力される。なお、この検査信号は、各絵素が有するスイッチング素子を一定期間オンさせる信号である。また、ソース配線42に、ソース信号として機能する検査信号が入力される。なお、この検査信号は、各絵素領域の液晶を所望の方向に配向させる信号である。
【0073】
このため、各絵素のスイッチング素子がオン状態になり、各絵素電極にソース信号として機能する検査信号が入力されることで、液晶の分子配列方向が制御され、例えば、液晶パネル1の背面からバックライトのような照射手段にて照射すると、アクティブマトリクス基板2の表示領域4に対応する液晶パネル1の表示画面(以下、「液晶パネル1の表示画面」と称する)に画像が表示されるようになる。したがって、液晶パネル1の表示画面上で、例えば、検査員の目視検査により、液晶パネル1のアクティブマトリクス基板2における配線の断線・短絡を検査することが可能となる。なお、検査員の目視検査に代えてまたは加えて、画像認識装置を用いてもよいし、配線の断線・短絡を電気的に検出する検出装置等を用いて検査してもよい。
【0074】
ここで、ゲート用右側引出配線611〜617の短絡の検出方法について説明する。具体的には、まず、ソース用第1検査パッド87、ソース用第2検査パッド88、および共通電極パッド90,91に、検査用プローブを接触させておく。この状態で、ゲート用右側第1検査配線66およびゲート用右側第2検査配線67に互いに独立した検査信号を入力する。例えば、ゲート用右側第1検査パッド70のみに検査用プローブを接触させ、ゲート用右側第2検査パッド71には検査用プローブを接触させないようにする。このようにすると、右側束配線652,654、およびゲート用右側接続配線641,642,645,646を介して、ゲート用右側引出配線611,612,615,616には、ゲート用右側第1検査パッド70から検査信号が入力されることになる。一方、ゲート用右側第2検査パッド71には検査用プローブを接触させていないので、ゲート用右側引出配線613,614,617には、ゲート用右側第2検査パッド71から検査信号は入力されない。
【0075】
すなわち、第1層において、ゲート用右側第1引出配線611,613,615,617のうち、ゲート用右側第1引出配線611、615のみに検査信号が入力されることになる(図2参照)。このため、第1層に形成されたゲート用右側第1引出配線611,613,615,617間が短絡していた場合には、液晶パネル1の表示画面には、検査信号が入力されているゲート用右側第1引出配線611,615に接続された第1ゲート配線401,405に対応するラインだけでなく、検査信号が入力されていないゲート用右側第1引出配線613,617に接続された第1ゲート配線403,407に対応するラインまでも表示されることになる。そのため、検査員は、第1層に形成されたゲート用右側第1引出配線611,613,615,617間の短絡を検出することができる。
【0076】
また、第2層において、ゲート用右側第2引出配線612,614,616のうち、ゲート用右側第2引出配線612,616のみに検査信号が入力されることになる(図2参照)。このため、第2層に形成されたゲート用右側第2引出配線612,614,616間が短絡していた場合には、液晶パネル1の表示画面には、検査信号が入力されているゲート用右側第2引出配線612,616に接続された第1ゲート配線402,406に対応するラインだけでなく、検査信号が入力されていないゲート用右側第2引出配線614に接続された第1ゲート配線404に対応するラインまでも表示されることになる。そのため、検査員は、第2層に形成されたゲート用右側第2引出配線612,614,616間の短絡を検出することができる。
【0077】
また、上記と同様に、例えば、ゲート用左側第1検査パッド81のみに検査用プローブを接触させ、ゲート用左側第2検査パッド82には検査用プローブを接触させないようにする。これにより、検査員は、第1層に形成されたゲート用左側第1引出配線721,723,725,727間の短絡、および、第2層に形成されたゲート用左側第2引出配線722,724,726間の短絡を検出することができる。
【0078】
なお、ゲート用右側引出配線611〜617が断線していた場合には、液晶パネル1の表示画面には、断線したゲート用右側引出配線に接続された第1ゲート配線に対応するライン全てが表示されなくなる。また、これと同様に、ゲート用左側引出配線721〜727が断線していた場合には、液晶パネル1の表示画面には、断線したゲート用左側引出配線に接続された第2ゲート配線に対応するライン全てが表示されなくなる。これにより、検査員は、ゲート用右側引出配線611〜617、およびゲート用左側引出配線721〜727の断線を検出することができる。
【0079】
また、ゲート配線40,41が断線していた場合には、液晶パネル1の表示画面には、断線した箇所以降のゲート配線に対応するラインが表示されなくなる。また、これと同様に、ソース配線42が断線していた場合には、液晶パネル1の表示画面には、断線した箇所以降のソース配線に対応するラインが表示されなくなる。これにより、検査員は、ゲート配線40,41、およびソース配線42の断線を検出することができる。また、ソース用第1検査配線85およびソース用第2検査配線86に互いに独立した検査信号を入力することにより、検査員は、ソース配線42およびソース用引出配線83の短絡を検出することができる。
【0080】
さらに、ゲート配線40,41、およびソース配線42へ、検査員の所望するパルス波形の検査信号を入力させることにより、絵素電極とソース配線42との間の短絡等も検出することができる。すなわち、ゲート配線40,41、ソース配線42、ゲート用右側引出配線61、およびゲート用左側引出配線72の短絡・断線の検査だけでなく、絵素電極の欠陥等の検査も行うことができる。
【0081】
そして、上記の検査工程が終了すれば、ゲート用右側接続配線641〜647、およびゲート用左側接続配線751〜757を切断する切断工程が行われる。具体的には、ゲート用右側接続配線641〜647を例えば図3に示すカットラインCに沿ってレーザーにより切断する。これにより、ゲート用右側第1引出配線611,613,615,617のそれぞれが接続されたゲート端子51と、ゲート用右側第2引出配線612,614,616のそれぞれが接続されたゲート端子51とが、電気的に導通しなくなる。また、ゲート用左側接続配線751〜757を例えば図4に示すカットラインCに沿ってレーザーにより切断する。これにより、ゲート用左側第1引出配線751,753,755,757のそれぞれが接続されたゲート端子51と、ゲート用左側第2引出配線752,754,756のそれぞれが接続されたゲート端子51とが、電気的に導通しなくなる。
【0082】
なお、上記では、接続配線をカットラインCに沿ってレーザーにより切断する例について説明したが、例えば、図5に示すような液晶パネル1aであれば、接続配線を分断ラインDに沿って例えばホイールカッターにより基板とともに分断するようにしてもよい。この場合、接続配線をカットラインCに沿ってレーザーにより切断する必要がないので、液晶パネルの製造工程を簡略化することができる。また、各検査パッド70,71,81,82,87,88,90,91が形成された、図5中のAの部分の基板が切り離されるので、表示装置に搭載されるべき液晶パネルの外形を小さくすることができる。
【0083】
そして、上記の切断工程が終了すれば、端子配置領域5に、ゲート配線40,41およびソース配線42を駆動制御するドライバを実装する実装工程が行われる。その後、マザー基板から個々の液晶パネル1を切り出す。そして、切り出した液晶パネル1に偏光板などの光学フィルムを貼り付ける。これにより、液晶パネル1が製造される。なお、液晶パネル1を製造する方法は、上記の方法に限定されるものではない。例えば、モノクロ用の液晶パネルでは、対向基板にはカラーフィルタを積層しなくともよい。また、個々の液晶パネルを切り出した後に検査工程、実装工程を行ってもよい。
【0084】
以上に述べたように、本実施形態におけるアクティブマトリクス基板2によれば、引出配線が複数の層のそれぞれに形成された場合において、同じ層に形成された隣接する引出配線間(ゲート用右側第1引出配線間、ゲート用右側第2引出配線間、ゲート用左側第1引出配線間、ゲート用左側第2引出配線間)の短絡を簡易な構成で確実に検出することができる。
【0085】
[実施の形態2]
図6は、図1中に示したE1の部分と同じ部分を拡大した図である。図6に示すように、本実施形態に係るゲート用右側接続配線641〜647のそれぞれには、抵抗素子Rがさらに接続されている。ここで、抵抗素子Rは、例えば、画素電極として用いられるITOやIZO等で形成したパターン、TFTの半導体膜で形成したパターン、ダイオード、トランジスタ、任意のパターン等から構成される。なお、本実施形態に係るゲート用左側接続配線721〜727のそれぞれにも、抵抗素子Rがさらに接続されている。
【0086】
以下では、ゲート用右側接続配線641〜647、および右側束配線651〜654それぞれの場合について説明するが、ゲート用左側接続配線751〜757、および左側束配線761〜764それぞれの場合であっても同様である。
【0087】
すなわち、ゲート用右側接続配線641〜647のそれぞれには抵抗素子Rが接続されているため、切断工程において、ゲート用右側接続配線641〜647の代わりに、右側束配線651〜654を切断することが可能となる。具体的には、右側束配線651〜654を例えば図6に示すカットラインC´に沿ってレーザーにより切断する。なお、実施の形態1と同様、右側束配線651〜654を分断ラインに沿って例えばホイールカッターにより基板とともに分断するようにしてもよい。
【0088】
このように、本実施形態においては、右側束配線651〜654を切断するので、実施の形態1のように、ゲート用右側接続配線641〜647を切断する場合と比較して、切断すべき配線の数が少なくなる。この結果、切断工程にかかる時間を削減することができる。
【0089】
また、本実施形態においては、右側束配線651〜654を切断しても、ゲート用右側第1引出配線611,613,615,617のそれぞれが接続されたゲート端子51と、ゲート用右側第2引出配線612,614,616のそれぞれが接続されたゲート端子51とが、電気的に導通することになる。しかしながら、ゲート用右側接続配線641〜647のそれぞれに接続される抵抗素子Rの値を十分に大きくしておけば、本実施形態に係る液晶パネル1が電子機器に組み込まれた場合であっても、当該電子機器の動作には何ら問題は生じない。また、液晶パネル1の電気的な接続状態を検査する検査工程においても、各配線(ゲート配線、ソース配線、引出配線等)が所望の電位に到達するように検査信号を各検査パッドから入力すればよいので、何ら問題なく検査を行うことができる。
【0090】
具体的には、抵抗素子Rの値が数10〜数100MΩであれば、隣接する配線から受ける電気的な影響は少なくなる。より具体的には、数%(例えば1%)以下の電位変動しか受けないことになる。数%以下の電位変動であれば、絵素電極の充電率、表示に与える影響はほとんどない。このため、抵抗素子Rの値が数10〜数100MΩであれば、本実施形態に係る液晶パネル1が電子機器に組み込まれた場合であっても、当該電子機器の動作には何ら問題は生じない。また、仮に、抵抗素子Rの値が数100MΩ以上であれば、検査工程を行った後に配線や絵素電極に蓄積される電荷の除去が難くなる。この結果、配線や絵素電極に蓄積された電荷によって、当該配線の短絡や断線、TFTやMIMの特性の変化等が生じ、表示品位が低下してしまう。よって、抵抗素子Rの値は、上記のように、数10〜数100MΩであることが好ましい。なお、表示領域4の大きさや画素数によって、抵抗素子Rの値は、数10〜数100MΩの中から適宜任意に選択される。
【0091】
また、ゲート用右側接続配線641〜647のそれぞれに抵抗素子Rが接続されているため、仮に、ゲート用右側第1検査配線66、およびゲート用右側第2検査配線67から静電気が侵入した場合であっても、当該抵抗素子Rが静電気に対する保護素子として機能することにより、表示領域4への静電気の侵入を防ぐことができる。これにより、液晶パネル1の表示品位が向上し、液晶パネルの歩留まりを向上することができる。
【0092】
なお、ゲート用右側第1接続配線641,643,645,647に接続される抵抗素子Rの値と、ゲート用右側第2接続配線642,644,646に接続される抵抗素子Rの値とは、略同じ値であることが好ましい。すなわち、隣接する接続配線のそれぞれに接続される抵抗素子Rの値が略同じ値であれば、隣接する接続配線に対応する引出配線、および当該引出配線に対応するゲート配線へ入力されるべき検査信号の遅延量を、略同等にすることができる。このため、アクティブマトリクス基板2の配線が正常であれば、液晶パネル1の表示画面では、略同等の表示をすることになる。つまり、略同等の表示をしていない場合には、検査員は、断線には至らないが配線幅が極小になった場合等の不良が発生したことを検出することができる。
【0093】
なお、実施の形態2においては、互いに隣接する2本の接続配線のそれぞれに抵抗素子が接続されている例について説明したが、これに限定されない。すなわち、互いに隣接する接続配線のうち、少なくともいずれか一方の接続配線に抵抗素子が接続されていればよい。
【0094】
また、実施の形態1および2においては、対向基板に共通電極を形成し、対向基板の共通電極に共通電圧を印加する例について説明したが、これに限定されない。例えば、共通電極がアクティブマトリクス基板に形成されるIPS(In Plane Switching)モードの液晶パネルにも本発明を適用できることは勿論である。ここで、IPSモードの液晶パネルのアクティブマトリクス基板には、トランスファーパッドを形成しなくともよい。また、MVA(Multi-Domain Vertical Aligned)モードの液晶パネル、OCB(Optically Compensated Bend)モードの液晶パネル等にも本発明を適用できることは勿論である。
【0095】
また、実施の形態1および2においては、R用のソース配線、G用のソース配線、B用のソース配線が表示領域に形成されている例について説明したが、これに限定されない。すなわち、R用のゲート配線、G用のゲート配線、B用のゲート配線が表示領域に形成されるようにしてもよい。この場合、ソース配線は、RGB毎に設ける必要はない。
【0096】
また、各ゲート配線に接続される画素に対応する色が複数であり、かつ、各ソース配線に接続される画素に対応する色が複数であってもよい。
【0097】
また、表示領域内の各画素の配列は、ストライプ状に限定されない。例えば、1ライン毎に配置ピッチがずれる、いわゆるデルタ配列であってもよい。
【0098】
また、ゲート配線やソース配線の検査信号の入力方法は、図1や図5に記載のものに限られない。検査パッドからTFT等のスイッチング素子を介して、ゲート配線やソース配線へ検査信号を入力してもよい。また、ゲート配線やソース配線の駆動回路が、アクティブマトリクス基板上に直接形成されている態様であってもよい。また、検査時にこの駆動回路を駆動させるようにしてもよい。
【0099】
さらに、実施の形態1および2においては、各検査パッドがアクティブマトリクス基板上に形成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、アクティブマトリクス基板とは異なる基板上に各検査パッドを形成し、当該アクティブマトリクス基板上には、各検査パッドから供給される検査信号が入力可能な検査配線のみが形成されていてもよい。
【0100】
すなわち、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。つまり、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
以上のように、本発明は、引出配線が複数の層のそれぞれに形成された場合において、同じ層に形成された隣接する引出配線間の短絡を簡易な構成で確実に検出することができるアクティブマトリクス基板、表示装置、アクティブマトリクス基板の検査方法、および表示装置の検査方法として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域に互いに平行に形成された複数の第1配線と、
端子配置領域に配置された複数の第1端子と、
前記複数の第1配線と前記複数の第1端子とを各々接続する複数の第1引出配線と、
を備えたアクティブマトリクス基板において、
前記複数の第1引出配線の各々は、前記表示領域以外の領域で隣接して交互に形成される第2配線または第3配線と、前記第1端子を介して接続しており、
前記第2配線および第3配線を各々束ねる複数の束配線と接続した共通配線を備えた、アクティブマトリクス基板。
【請求項2】
前記第2配線と接続する前記第1引出配線は、前記第1配線が形成された層と同じ層に形成されており、前記第3配線と接続する前記第1引出配線の少なくとも一部分は、前記第1配線が形成された層と絶縁材料を挟んで異なる層に形成された、請求項1に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項3】
前記複数の束配線のうちで互いに隣接しない束配線を接続する第1共通配線と、
前記複数の束配線のうち前記第1共通配線が接続されておらずかつ互いに隣接しない束配線を接続する第2共通配線とを備えた、請求項1または2に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項4】
前記複数の第2配線が接続された複数の第1端子と、
前記複数の第3配線が接続された複数の第1端子とが電気的に導通しないように切断された部位を含む、
請求項1〜3のいずれか一項に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項5】
互いに隣接する前記第2配線および前記第3配線のうちの少なくともいずれか一方に、抵抗素子が接続された、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項6】
互いに隣接する2本の前記第2配線および前記第3配線のそれぞれに抵抗素子が接続される、請求項5に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項7】
前記第2配線に接続された抵抗素子と、前記第3配線に接続された抵抗素子とは、略同じ抵抗値を有する、請求項6に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項8】
前記複数の束配線のそれぞれが切断されている、請求項5〜7のいずれか一項に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項9】
前記第1配線は、ソース配線またはゲート配線である、請求項1〜8の何れか一項に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか一項に記載のアクティブマトリクス基板を備える、表示装置。
【請求項11】
前記表示装置は液晶表示装置である、請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のアクティブマトリクス基板、または、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアクティブマトリクス基板を備えた表示装置の製造方法であって、
前記複数の第2配線および前記複数の第3配線を切断する切断工程を含む、アクティブマトリクス基板または表示装置の製造方法。
【請求項13】
請求項5に記載のアクティブマトリクス基板、または、請求項5に記載のアクティブマトリクス基板を備えた表示装置の製造査方法であって、
前記複数の束配線を切断する切断工程を含む、アクティブマトリクス基板または表示装置の製造方法。
【請求項14】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のアクティブマトリクス基板、または、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアクティブマトリクス基板を備えた表示装置の検査方法であって、
前記共通配線に検査信号を入力することにより、前記第1引出配線の検査を行う検査工程と、
前記検査工程の後に、前記複数の第2配線および前記複数の第3配線を切断する切断工程とを含む、アクティブマトリクス基板または表示装置の検査方法。
【請求項15】
請求項5に記載のアクティブマトリクス基板、または、請求項5に記載のアクティブマトリクス基板を備えた表示装置の検査方法であって、
前記共通配線に検査信号を入力することにより、前記第1引出配線の検査を行う検査工程と、
前記検査工程の後に、前記複数の束配線を切断する切断工程とを含む、アクティブマトリクス基板または表示装置の検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−177927(P2012−177927A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−96671(P2012−96671)
【出願日】平成24年4月20日(2012.4.20)
【分割の表示】特願2010−521632(P2010−521632)の分割
【原出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】