説明

アクリレート基を含む樹脂

本発明は、25℃で液体のアクリレート基を含む樹脂であって、第一段階で、分子当り少なくとも2個のカルボキシル基と少なくとも2個のC原子を含むポリカルボン酸(a)を、カルボキシル基で末端処理された中間化合物(z)が生じるように、分子当り少なくとも2個のアミノ基と少なくとも2個のC原子を含むポリアミン(b)で変換し、第二段階で、前記化合物(z)を、その遊離カルボキシル基に一以上の段階で1個以上の(メタ)アクリレート基を与えるように官能化することにより得られる上記樹脂に関し、前記樹脂は塗膜を生成するための放射線硬化性配合物として適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、25℃で流動性のアクリレート基を含む特定の樹脂、それらの合成、及びそれらの放射線硬化性塗料のための使用に関する。
【背景技術】
【0002】
EP−B−1,828,273は、放射線硬化性アクリレート変性アミノアミド樹脂を記載している。それは、(a)重合性不飽和脂肪酸(例えば、二量体脂肪酸)から誘導できる熱可塑性アミノアミドポリマー、及び(b)分子当り少なくとも3個の(メタ)アクリレートエステル基を含有するポリオールエステルのマイケル付加生成物に関するが、そこに於いて該熱可塑性アミノアミドポリマーa)は40〜60mgKOH/gの範囲のアミン価を有し、該ポリオールエステルb)の官能性(メタ)アクリレート基の、該アミノアミドポリマーa)の最初の官能性アミン基に対する比は、少なくとも4:1であり、該樹脂は25℃で流動性である。構造的に特殊なアクリル化ポリアミドアミン(APAA)――この表現は以下でも同様に用いる――に関するこれらの樹脂は、印刷用インク及びラッカーにおける放射線硬化性成分として使用される。
【0003】
特殊なAPAA合成は、二量体脂肪酸と、適切なジアミン、例えば、ピペラジンとの縮合、及び、そこから得られるポリアミドアミンのグリセリン−3,8PO−トリアクリレート(GPTA)の様なポリオールアクリレートを用いたマイケル付加におけるその後の化学的変換により、特許公報EP−B−1,828,273に従って行われる。架橋反応を避けるために、該ポリオールアクリレートは常に大過剰量で適用し、同時に、得られる生成物の粘度も、印刷用インク配合物で要求される程度まで減少させる--該ポリオールアクリレートは、ここでは外見上反応性希釈剤として機能する。
【0004】
用語、マイケル付加は、アミン基と(典型的にはエステルである)活性化C=C二重結合との付加反応のことを言う。形式上、これは以下の化学反応式で表すことが出来る。
【化1】


かかる反応は、一般的に穏やかな加熱で自然発生的に右に移行する。しかしながら、マイケル付加を促進するために触媒を使用しても良い。厳密に言えば、このタイプの反応はマイケル類似反応と記載されるのがベターであろうが、上で引用した特許文献で使用されているより便利な用語、マイケル付加を本発明でも用いる。
【0005】
WO07/030643A1(Sun Chemical)は、印刷用インクに使用するためのポリオールエステルアクリレートとポリアミノアミドとのマイケル付加物を使用しているが、ここに於いて該ポリアミノアミドは、酸成分が二つの必須構成成分、即ち、(a)重合不飽和脂肪酸(例えば、二量体脂肪酸)及び(b)2〜22個のC原子を含有する脂肪酸を含むという条件で、この酸成分とポリアミンとの反応生成物である。従って、WO2007/030643の重要な特徴は、APAA樹脂の合成がモノカルボン酸を添加しながら行われるということであると思われる。従来の印刷用インクと比較して、最終的に得られる該生成物は印刷中インクミスチング(ink misting)の形成を減少させるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】EP−B−1,828,273
【特許文献2】WO07/030643A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
放射線硬化性アクリル化ポリアミドアミン(APAA)は、一方においてある種の伝統を有するが、他方において改良に対する連続した要求が存在する。これに関連して、25℃で流動性であり、(メタ)アクリレート基を含む新しい放射線硬化性樹脂を提供することが、本発明の目的である。これらの樹脂は一般的に、塗布目的、特に印刷用インク、好ましくはオフセット印刷用インクに適しているべきである。
【0008】
上述した最先端の方法の不利点は、使用されている反応性希釈剤がAPAAの合成で使用されるアクリレートと同じでなければならないという事である。それ故に、一例として、TMP+3PO−トリアクレレート(TMPPOTA)におけるGPTA末端封鎖APAAの合成は可能ではない。これに関連して、本発明の更なる目的は、任意の希釈剤、特に反応性希釈剤を使用して、(メタ)アクリレート基を含む25℃で流動性の放射線硬化性樹脂の合成を可能にする方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、25℃で流動性のアクリレート基を含む樹脂であって、第一工程で、分子当り少なくとも2個のカルボキシル基と少なくとも2個のC原子を含有するポリカルボン酸(a)を、カルボキシル基で末端封鎖された中間成分(z)が生じるように、分子当り少なくとも2個のアミン基と少なくとも2個のC原子を含有するポリアミン(b)で化学的に変換し、第二工程で、この中間成分を、その遊離カルボキシル基に一以上の工程で1個以上の(メタ)アクリレート基を与えるように官能化することにより得ることが出来る、上記樹脂に関する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明との関連で、表現、「アクリレート基」は、アクリレート基とメタクリレート基の両方を含むことを意味し、術語を簡素化するために使用する。
【0011】
明確にするために、上述した最先端の樹脂(APAA)と本発明による樹脂との間には構造的相違があることを強調する。本発明による樹脂と該最先端の樹脂とは、該樹脂がポリマーであり、それがポリカルボン酸(特に二量体脂肪酸)とポリアミン(特にピペラジン)を基礎的要素(building blocks)として含有し、そして該樹脂がアクリレート基で末端封鎖されていることにより特徴付けられる、という共通点がある。それにも拘らず、基礎的な相違もある、即ち、上述した最先端の樹脂によれば、第一工程で、ポリカルボン酸とポリアミンとの化学的変換により、本質的にアミン基で末端封鎖されたポリアミドアミンを合成し、このポリアミドアミンに更なる基礎的要素をマイケル付加(C=CへのNHの付加)によって結合させることにより、樹脂を合成する。しかしながら、本発明に従えば、第一工程、即ち、ポリカルボン酸とポリアミンとの変換は、カルボキシル基で末端封鎖された中間成分が形成されるように行われ、次にこの中間成分を、その遊離カルボキシル基に一以上の工程で1個以上の(メタ)アクリレート基を与えるように、官能化する。
【0012】
ポリカルボン酸(a)
ポリカルボン酸(a)は、分子当り少なくとも2個のカルボキシル基と少なくとも2個のC原子を含有する。ポリカルボン酸(a)は、好ましくは、分子当り2〜54個のC原子を含有するジカルボン酸である。
【0013】
一態様において、該ジカルボン酸は、二量体脂肪酸、2〜22個のC原子を含有する脂肪族アルファ、オメガ−ジカルボン酸、及び8〜22個のC原子を含有する二塩基性芳香族カルボン酸から成る群から選択される。
【0014】
使用されているジカルボン酸は、好ましくは、二量体脂肪酸である。専門家には一般に知られているように、二量体脂肪酸は、不飽和脂肪酸、一般にはオレイン酸、リノール酸、エルカ酸等のような脂肪酸をオリゴマー化することにより得られるカルボン酸である。該オリゴマー化は、一般に、触媒、例えば、クレーの存在下昇温させて行われる。
【0015】
得られた物質、技術的品質(technical−quality)の二量体脂肪酸は、二量化生成物が過半を占める混合物である。しかしながら、該混合物はまた、少量のモノマー(専門家により、二量体脂肪酸の粗混合物中の全モノマーはモノマー脂肪酸と言われている)、及びより高級のオリゴマー、更に具体的にはいわゆる三量体脂肪酸をも含有している。二量体脂肪酸は、市販されている製品であり、種々の組成及び品質で(例えば、本出願人の製品である、Empol(登録商標)の名称で)入手できる。
【0016】
一態様において、使用されるジカルボン酸は、2〜22個のC原子を含有するアルファ、オメガ−ジカルボン酸、より具体的には、このタイプの飽和ジカルボン酸である。例としては、エタンジカルボン酸(蓚酸)、プロパンジカルボン酸(マロン酸)、ブタンジカルボン酸(琥珀酸)、ペンタンジカルボン酸(グルタル酸)、ヘキサンジカルボン酸(アジピン酸)、ヘプタンジカルボン酸(ピメリン酸)、オクタンジカルボン酸(スベリン酸)、ノナンジカルボン酸(アゼライン酸)、デカンジカルボン酸(セバシン酸)、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、トリデカンジカルボン酸(ブラシル酸)、テトラデカンジカルボン酸、ペンタデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸(タプシン酸)、ヘプタデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、ノナデカンジカルボン酸、エイコサンジカルボン酸が含まれる。
【0017】
一態様において、使用されるジカルボン酸は、8〜22個の炭素原子を含有する二塩基性芳香族カルボン酸、例えば、イソフタール酸である。
【0018】
一態様において、種々のジカルボン酸の混合物、例えば、二量体脂肪酸と2〜22個の炭素原子を含有するアルファ、オメガ−ジカルボン酸の群からの少なくとも1種の酸との混合物が使用される。
【0019】
ポリアミン(b)
該ポリアミン(b)は、分子当り少なくとも2個のアミン基と少なくとも2個のC原子を含有する。該ポリアミン(b)は、好ましくは、分子当り2〜36個のC原子を含有するジアミンである。適切なジアミンの例は、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノプロパン、ピペラジン、アミノエチルピペラジン、4,4’-ジピペリジン、トルエンジアミン、メチレンジアニリン、キシレンジアミン、メチルペンタメチレンジアミン、ジアミノシクロヘキサン、ポリエーテルジアミン、及び二量体酸から製造されるジアミンである。該ジアミンは、特に、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノプロパン、ピペラジン、及びアミノエチルピペラジンから成る群から選択される。ピペラジン、及びアミノエチルピペラジンが、最も特別に好ましい。
【0020】
一態様において、異なるジアミンの混合物が使用される。
【0021】
中間成分(z)
既に述べたように、ポリカルボン酸(a)のポリアミン(b)による化学的変換から生ずる中間成分(z)は、それがカルボキシル基で末端封鎖されていることを特徴としている。従って、中間成分(z)は、カルボキシル基で末端封鎖されたポリアミドとして特徴付けることも出来る。ポリカルボン酸(a)をポリアミン(b)で化学的に変換してカルボキシル基末端封鎖中間成分(z)を生ずる方法は、本来いかなる特別な限定をも受けない。従って、中間生成物(z)をカルボキシル基で末端封鎖するいかなる技術的手段も、適している。一例として、これは、反応体(a)及び(b)の変換率の比を制御することにより、実現することが出来る。
【0022】
必要に応じて、ポリカルボン酸(a)のポリアミン(b)による中間成分(z)への化学的変換は、希釈剤又は反応性希釈剤が遊離のヒドロキシル、カルボキシル、及び(又は)アミン基を含まないならば、該希釈剤又は反応性希釈剤の存在下で行うことが出来る。
【0023】
ジカルボン酸(a)として二量体脂肪酸を使用するならば、ジアミン(b)による化学的変換は、カルボキシル基で末端封鎖された、ポリアミドダイマーレイト(polyamidodimerate)と呼ぶことが出来るであろうポリアミド(z)を生ずる。上述した最先端のポリアミドアミン合成と比較して、ジアミン(b)の不足は、該縮合中の昇華により全くジアミンが損失されないので、単純化された反応を更に可能にする。更に、昇華したジアミンを反応室に戻すための水の添加が省略されるので、該縮合過程中にそれを再び除去する必要がない。
【0024】
得られる中間生成物(z)の官能性及び分子量に影響を与えるために、ポリカルボン酸(具体的にはジカルボン酸、より具体的には二量体脂肪酸)(a)及びポリアミン(具体的にはジアミン、より具体的にはピペラジン)(b)の化学的変換と共に、任意に、一官能性酸、特に6〜12個のC原子を含有するモノカルボン酸を使用することが出来る。好ましくは、使用されるモノカルボン酸の量は、ジカルボン酸及びモノカルボン酸の全酸基数に基づいて、1〜25%の酸基の範囲である。
【0025】
中間成分(z)のアクリル化樹脂への移行
既に述べたように、カルボキシル基で末端封鎖された中間成分(z)を、その遊離カルボキシル基に一以上の工程で1個以上のアクリレート基を与えるように、最終的に官能化する。アクリレート基は、上で明記したように、アクリレート基及びメタクリレート基の両方を含む。
【0026】
これは、中間成分(z)の遊離カルボキシル基が、官能化されたカルボキシル官能基当り1個以上のアクリレート基が生ずるように、完全に又は過半において官能化されることを意味する。この官能化に対する二つの典型的な手段を、以下に述べる。
【0027】
一態様において、中間成分(z)は、分子当り少なくとも1個の遊離OH基及び少なくとも1個のアクリレート基を含有するヒドロキシ官能性ポリオールアクリレートで、化学的に変換される。本発明で言及するヒドロキシ官能性ポリオールアクリレート(ヒドロキシポリオールアクリレート)は、得られる生成物が分子当り少なくとも1個の遊離OH基を有するように化学的変換を行うという条件で、ポリオール(ポリオールの代りにそれとエチレン−及び(又は)プロピレンオキサイドとの付加物も使用できることを特に述べる)とアクリル酸又はメタクリル酸との化学的変換から生ずるエステルである。
【0028】
適切なヒドロキシ官能性ポリオールアクリレートは、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETIA)、ペンタエリスリトール+5EO−トリアクリレート(5モルのエチレンオキサイドと1モルのペンタエリスリトールとの付加物のトリアクリレート)、又はジペンタエリスリトールペンタアクリレートである。異なるヒドロキシポリオールアクリレートの混合物もまた、使用することが出来る。
【0029】
更なる態様において、中間成分(z)は最初に、ジアルカノールアミン、より具体的にはジエタノールアミン(NH[CH−CH−OH])により、該成分(z)のカルボキシル基がアミン基と反応するアミド化という意味で化学的に変換されて、ヒドロキシル基で末端封鎖された中間成分(z*)を生ずる。次に、この成分(z*)を、アクリル酸又はメタクリル酸を用いた化学的変換によりエステル化する。
【0030】
更なる態様において、中間成分(z)は最初に、分子当り少なくとも2個のOH基、好ましくは3個以上のOH基を含有するポリオールにより、分子当りただ1個のOH基が反応するように化学的に変換されて、ヒドロキシル基で末端封鎖された中間成分(z**)を生ずる。次に、この成分(z**)を、アクリル酸又はメタクリル酸を用いた化学的変換によりエステル化する。
【0031】
所望なら、中間成分(z)のアクリル化樹脂への移行は、希釈剤又は反応性希釈剤の存在下で行うことが出来る。
【0032】
本発明の更なる局面は、架橋性成分及び光開始剤を含有する放射線硬化性塗料組成物であって、該架橋性成分が本発明による少なくとも1種のアクリル化樹脂を含有する前記の塗料組成物に関する。該アクリル化樹脂に関しては、前記のすべての態様が適合する。好ましい態様において、該組成物は更に顔料を含有するので印刷インクであり、好ましくは、これらの組成物はオフセット印刷に使用される。
【0033】
本発明の更なる局面は、本発明による樹脂の合成方法であって、第一工程で、分子当り少なくとも2個のカルボキシル基と少なくとも2個のC原子を含有するポリカルボン酸(a)を、カルボキシル基で末端封鎖された中間成分(z)が生じるように、分子当り少なくとも2個のアミン基と少なくとも2個のC原子を含有するポリアミン(b)で化学的に変換し、第二工程で、この中間成分(z)を、その遊離カルボキシル基に一以上の工程で1個以上の(メタ)アクリレート基を与えるように、官能化する前記の合成方法に関する。一態様において、第一及び(又は)第二工程は、希釈剤又は反応性希釈剤を第一工程で使用する場合、それらがヒドロキシ、カルボキシル及び(又は)アミン基を有さないという条件で、希釈剤又は反応性希釈剤の存在下で行われる。更なる態様において、該方法の第一工程は、6〜12個のC原子を有するモノカルボン酸の存在下で行われる。
【実施例】
【0034】
実施例1
188.00g(0.34モル)の二量体脂肪酸(Pripol 1013、 Croda)を、窒素雰囲気下80℃に加熱され、攪拌器及び還流冷却器が装備された0.5リッター四つ口フラスコに導入し、21.28g(0.25モル)のピペラジンを添加した。該反応混合物を2時間以内で140℃の温度まで加熱した。30分後、該還流冷却器を蒸留ブリッジで交換し、205℃まで(2時間以内で)ゆっくりと加熱しながら該反応水を留去し、最後に、アミン価が2mgKOH/gより下に落ちるまで、205〜210℃で攪拌した。得られたポリアミドダイマーレイトは、室温で非常に粘ちゅうであり、明るい褐色をしていた。
【0035】
以下の特性価、即ち、酸価=44.9mgKOH/g、アミン価=0.7mgKOH/g、差=44.2mgKOH/gを測定した。実施例1は、カルボキシル基で末端封鎖された中間成分(z)の合成を例示するものである。
【0036】
実施例2
実施例1によるポリアミドダイマーレイトの本発明に相当する樹脂への変換は、上述したように、種々の方法を用いて行うことが出来る。典型的な製造方法は、以下の通りである。
即ち、実施例1による100gのポリアミドダイマーレイト及び41gのペンタエリスリトール+5EO−トリアクリレート(5モルのエチレンオキサイドと1モルのペンタエリスリトールとの付加物のトリアクリレート)を、大気圧及び90℃で、2gのメタンスルホン酸及び150mgのMeHQの存在下、最初にエステル化した。該反応の全工程中、空気を該反応溶液に圧入した。進行中の蒸留がわずかに更なる反応水を生じたらすぐに、減圧を適用し、該酸価が5mgKOH/gより下に落ちるまで蒸留を行った。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
25℃で流動性のアクリレート基を含む樹脂であって、第一工程で、分子当り少なくとも2個のカルボキシル基と少なくとも2個のC原子を含有するポリカルボン酸(a)を、カルボキシル基で末端封鎖された中間成分(z)が生じるように、分子当り少なくとも2個のアミン基と少なくとも2個のC原子を含有するポリアミン(b)で化学的に変換し、第二工程で、この中間成分(z)を、その遊離カルボキシル基に一以上の工程で1個以上の(メタ)アクリレート基を与えるように官能化することにより得ることが出来る、上記樹脂。
【請求項2】
該ポリカルボン酸(a)が二量体脂肪酸である、請求項1に記載の樹脂。
【請求項3】
該ポリアミン(b)が、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノプロパン、ピペラジン、及びアミノエチルピペラジンから成る群から選択される、請求項1又は2に記載の樹脂。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂の合成方法であって、第一工程で、分子当り少なくとも2個のカルボキシル基と少なくとも2個のC原子を含有するポリカルボン酸(a)を、カルボキシル基で末端封鎖された中間成分(z)が生じるように、分子当り少なくとも2個のアミン基と少なくとも2個のC原子を含有するポリアミン(b)で化学的に変換し、第二工程で、この中間成分(z)を、その遊離カルボキシル基に一以上の工程で1個以上の(メタ)アクリレート基を与えるように官能化する、上記方法。
【請求項5】
希釈剤又は反応性希釈剤を第一工程で適用する場合、それらがOH基を有さないという条件で、希釈剤又は反応性希釈剤の存在下に第一工程及び(又は)第二工程を行う、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
6〜12個のC原子を有するモノカルボン酸の存在下で、第一工程を行う、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
架橋性成分及び光開始剤を含有する放射線硬化性塗料組成物であって、該架橋性成分が請求項1〜4に相当する少なくとも1種の樹脂を含有する、上記組成物。
【請求項8】
更に顔料を含有する、印刷用インクである請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
請求項8に記載の組成物の、オフセット印刷における使用。

【公表番号】特表2012−526866(P2012−526866A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510133(P2012−510133)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/002648
【国際公開番号】WO2010/130341
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(511105296)アイジーエム・グループ・ベスローテン・フェンノートシャップ (2)
【氏名又は名称原語表記】IGM Group B.V.
【Fターム(参考)】