説明

アクリレート基を含有するパーフルオロポリエーテル

重合性フッ素化ポリエーテルは、反応性フッ素化ポリエーテルのポリ(メタ)アクリル化合物へのマイケル型付加によって形成される。重合性フッ素化ポリエーテルは、複合物品の形成に使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
フッ素化ポリエーテル(例えば、パーフルオロポリエーテル)は、低屈折率、耐汚染性、潤滑性、および高撥水性を含む、有用な特性を有する。従って、フッ素化ポリエーテルは、低屈折率、清浄性、耐久性、および耐引掻き性の1つ以上を提供するため、様々な保護コーティングに組み込まれてきた。
【0002】
コーティングに組み込まれてきた多くのフッ素化ポリエーテルは、コーティングの表面に拡散する傾向があり、例えば、保護コーティングの表面を繰り返し清浄にすることによって、経時的に減損する場合がある。
【0003】
拡散の問題に対処するため、反応性基を有するフッ素化ポリエーテルがコーティングに組み込まれてきたが、多くのこのような方法は困難である、および/又は汎用性がない。
【0004】
フッ素化ポリエーテルが経時的に減損しにくいように、フッ素化ポリエーテルを保護コーティングに組み込むことを可能にする材料と方法が引き続き必要とされている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、本発明は、次式
(F(RfO)xQZ11NR2CH2CH2C(=O)Z2yM(Z3C(=O)CR3=CH2z
又は
X[((RfO)xQZ11NR2CH2CH2C(=O)Z2yM(Z3C(=O)CR3=CH2zb
(式中、
各Rfは、独立して、1〜6個の炭素原子を有するフッ素化アルキレン基を表し、
各xは、独立して、2以上の整数を表し、
各Qは、独立して、−CF2−、−CF(CF3)−、−CF2CF2−、−CF2CF2CF2−、−CF2CF(CF3)−、−CF(CF3)CF2−、−CF2CF2CH2−、−CF2CH2−、−CF2CF2C(=O)−、−CF2C(=O)−、−CF(CF3)C(=O)−、−CF(CF3)CH2−、1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基、又は1〜6個の炭素原子を有するヘテロアルキレン基を表し、
各Z1、Z2およびZ3は、独立して、−S−、−O−、−NH−、又は−NR2−を表し、
各R1は、独立して、アルキレン基、アラルキレン基、又はヘテロアルキレン基を表し、
各R2は、独立して、H、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、−CH2CH2C(=O)Z2M(Z3C(=O)CR3=CH2z、又は−R11Q(ORfxFを表し、
各R3は、独立して、H、F、又はメチルを表し、
各yおよびzは、独立して、1以上の整数を表し、
各Mは、y+z価の多価有機基を表し、
Xは、b価の多価有機基を表し、
bは、2以上の整数を表す)
で示される少なくとも1種類の化合物を含む、重合性組成物に関する。
【0006】
別の態様では、本発明は、反応性フッ素化ポリエーテルのポリ(メタ)アクリル化合物とのマイケル型付加によって調製可能な、少なくとも1種類の化合物を含む重合性組成物に関する。
【0007】
幾つかの実施形態では、本発明の重合性組成物は、少なくとも1種類のフリーラジカル重合性モノマーを更に含む。
【0008】
更に別の態様では、本発明は、
反応性フッ素化ポリエーテル、および
ポリ(メタ)アクリル化合物
を、そのマイケル型付加物を形成するのに十分な条件で混合することを含む、重合性組成物の製造方法を提供し、ここで、重合性化合物は少なくとも1つのアクリル基を有する。
【0009】
本発明による方法は、典型的には実施が比較的容易であり、例えば、市販の出発材料から、フッ素化ポリエーテル部分を有する広範囲の重合性化合物を調製するのに使用されてもよい。
【0010】
幾つかの実施形態では、本発明による重合性組成物は基材にコーティングされ、少なくとも部分的に重合して保護コーティングを形成する。
【0011】
従って、別の態様では、本発明は、次式
(F(RfO)xQZ11NR2CH2CH2C(=O)Z2yM(Z3C(=O)CR3=CH2z
又は
X[((RfO)xQZ11NR2CH2CH2C(=O)Z2yM(Z3C(=O)CR3=CH2zb
(式中、
各Rfは、独立して、1〜6個の炭素原子を有するフッ素化アルキレン基を表し、
各xは、独立して、2以上の整数を表し、
各Qは、独立して、−CF2−、−CF(CF3)−、−CF2CF2−、−CF2CF2CF2−、−CF2CF(CF3)−、−CF(CF3)CF2−、−CF2CF2CH2−、−CF2CH2−、−CF2CF2C(=O)−、−CF2C(=O)−、−CF(CF3)C(=O)−、−CF(CF3)CH2−、1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基、又は1〜6個の炭素原子を有するヘテロアルキレン基を表し、
各Z1、Z2およびZ3は、独立して、−S−、−O−、−NH−、−NR2−を表し、
各R1は、独立して、アルキレン基、アラルキレン基、又はヘテロアルキレン基を表し、
各R2は、独立して、H、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、−CH2CH2C(=O)Z2M(Z3C(=O)CR3=CH2z、又は−R11Q(ORfxFを表し、
各R3は、独立して、H、F、又はメチルを表し、
各yおよびzは、独立して、1以上の整数を表し、
各Mは、y+z価の多価有機基を表し、
Xは、b価の多価有機基を表し、
bは、2以上の整数を表す)
で記載される少なくとも1種類の化合物を含む重合性組成物を少なくとも部分的に重合させることによって調製可能な防汚組成物を基材上に有する基材を備える複合物品を提供する。
【0012】
更に別の態様では、本発明は、重合性組成物を少なくとも部分的に重合させることによって調製可能な防汚組成物を基材の少なくとも一部に有する基材を備える複合物品を提供し、重合性組成物は、反応性フッ素化ポリエーテルのポリ(メタ)アクリル化合物とのマイケル型付加によって調製可能な化合物を含む。
【0013】
一実施形態では、本発明による複合物品は、反対側にある第1の主面と第2の面を有する可撓性膜を備える情報表示装置プロテクタを含み、ここで、第1の面に接着剤層が支持され、第2の面にハードコート層が支持され、ハードコート層に防汚組成物の層が支持されている。
【0014】
フッ素化ポリエーテル部分をポリマー保護コーティングに化学的に組み込むことにより、保護コーティングからのフッ素化ポリエーテルの経時的な減損は、一般に低減するか又はなくなる。
【0015】
更に、普通のフリーラジカル重合性モノマーと相溶性があり、広い生成物配合許容範囲を可能にする、本発明によるマイケル型付加生成物を調製し得ることが分かる。
【0016】
本明細書で使用する場合、
「ヘテロアルキレン基」の用語は、置換ヘテロアルキレン基と非置換ヘテロアルキレン基の両方を含み、
「(メタ)アクリル」の用語は、アクリル基とメタクリル基の両方を含み、
「ポリ(メタ)アクリル化合物」の用語は、複数の(メタ)アクリル基を有する化合物を含み、
「反応性フッ素化ポリエーテル」の用語は、少なくとも1つの−NH2基又は−NR2H基(式中、R2は前記の定義通りである)を有するフッ素化ポリエーテルを指し、
「マイケル型付加」の用語は、一般に下記に示される付加反応を指し、
【化1】

式中、AおよびEは1価の残基を表す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明による重合性組成物は、1つ以上のフッ素化ポリエーテル部分が1つ以上の重合性(メタ)アクリル基に結合している、少なくとも1種類の化合物を含む。大まかには、このような化合物は、一般に、複数の(メタ)アクリル基を有する化合物(その複数のうち少なくとも1つはアクリル基である)への、反応性フッ素化ポリエーテルのマイケル型付加により調製可能である。
【0018】
マイケル型付加に関してアクリル基とメタクリル基では、典型的には反応性に差がある。マイケル型付加は、典型的には、アクリル基では容易に起こる(例えば、典型的には、しかし必然的ではないが、任意に穏やかに加熱して、アクリル基を有する化合物と反応性フッ素化ポリエーテルを単に混合するだけでマイケル型付加が起こる)が、メタクリル基の場合、起こったとしてもかろうじて起こるに過ぎない場合がある。このため、ポリ(メタ)アクリル化合物は、典型的には、少なくとも1つのアクリル基を有する(例えば、アクリロキシ又はアクリルアミド官能基の一部として)が、ポリ(メタ)アクリル化合物は、追加の(メタ)アクリル基を(例えば、メタクリレート又はメタクリルアミド官能基の一部として)有してもよい。
【0019】
反応性フッ素化ポリエーテルのポリ(メタ)アクリル化合物との反応を促進するため、酸触媒又は塩基触媒を添加してもよい。有用な酸触媒には、例えば、ルイス酸(例えば、AlCl3、MgCl2)およびブレンステッド酸が挙げられる。有用な塩基触媒には、例えば、非求核性第三級アミン(例えば、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,8−ナフタレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン)が挙げられる。
【0020】
有用なポリ(メタ)アクリル化合物には、例えば、(a)1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノアクリレートモノメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、アルコキシ化脂肪族ジアクリレート、アルコキシ化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート、アルコキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、カプロラクトン変性ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジアクリレート、カプロラクトン変性ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、エトキシ化(10)ビスフェノールaジアクリレート、エトキシ化(3)ビスフェノールaジアクリレート、エトキシ化(30)ビスフェノールaジアクリレート、エトキシ化(4)ビスフェノールaジアクリレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートなどのジ(メタ)アクリル含有化合物;(b)グリセロールトリアクリレート、エトキシ化トリアクリレート(例えば、エトキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化(9)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化(20)トリメチロールプロパントリアクリレート)、ペンタエリトリトールトリアクリレート、プロポキシ化トリアクリレート(例えば、プロポキシ化(3)グリセリルトリアクリレート、プロポキシ化(5.5)グリセリルトリアクリレート、プロポキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート)、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートなどのトリ(メタ)アクリル含有化合物;(c)ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート、エトキシ化(4)ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリトリトールヘキサアクリレートなどの、より高官能性の(メタ)アクリル含有化合物;(d)例えば、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレートなどのオリゴマー(メタ)アクリル化合物からなる群から選択される(メタ)アクリレートモノマー;これらのポリアクリルアミド類似体;および、それらの組み合わせが挙げられる。このような化合物は、例えば、ペンシルバニア州エクストン、サートマー社(Sartomer Company,Exton,Pennsylvania);ジョージア州スミルナ、UCBケミカルズ社(UCB Chemicals Corporation, Smyrna, Georgia);およびウィスコンシン州ミルウォーキー、アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Company, Milwaukee, Wisconsin)などの供給業者から広く入手可能である。追加の有用な(メタ)アクリレート材料には、例えば、米国特許第4,262,072号明細書(ウェンドリング(Wendling)ら)に記載のヒダントイン部分含有ポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0021】
有用なポリ(メタ)アクリル化合物には、また、例えば、ペンダントの(メタ)アクリル基を有するフリーラジカル重合性(メタ)アクリレートオリゴマーおよびポリマー((メタ)アクリル基の少なくとも1つはアクリル基である)も挙げられる。
【0022】
有用な(メタ)アクリレートオリゴマーには、(メタ)アクリル化ポリエーテルおよびポリエステルオリゴマーが挙げられる。有用なアクリル化ポリエーテルオリゴマーの例には、例えば、サートマー社(Sartomer Company)から「SR259」および「SR344」の商品名で入手可能なポリエチレングリコールジアクリレートが挙げられる。アクリル化ポリエステルオリゴマーは、例えば、UCBケミカルズ社(UCB Chemicals Corporation)から「エベクリル(EBECRYL)657」および「エベクリル(EBECRYL)830」の商品名で入手可能である。
【0023】
他の有用な(メタ)アクリレートオリゴマーには、例えば、エポキシ官能性材料のジアクリル化エステル(例えば、ビスフェノールAエポキシ官能性材料のジアクリル化エステル)などの(メタ)アクリル化エポキシおよび(メタ)アクリル化ウレタンが挙げられる。有用な(メタ)アクリル化エポキシには、例えば、UCBケミカルズ社(UCB Chemicals Corporation)から「エベクリル(EBECRYL)3500」、「エベクリル(EBECRYL)3600」、「エベクリル(EBECRYL)3700」、および「エベクリル(EBECRYL)3720」の商品名で入手可能なアクリル化エポキシが挙げられる。有用な(メタ)アクリル化ウレタンには、例えば、UCBケミカルズ社(UCB Chemicals Corporation)から「エベクリル(EBECRYL)270」、「エベクリル(EBECRYL)1290」、「エベクリル(EBECRYL)8301」、および「エベクリル(EBECRYL)8804」の商品名で入手可能なアクリル化ウレタンが挙げられる。
【0024】
本発明の一実施形態では、マイケル型付加化合物は、次式で示される。
(F(RfO)xQZ11NR2CH2CH2C(=O)Z2yM(Z3C(=O)CR3=CH2z
又は
X[((RfO)xQZ11NR2CH2CH2C(=O)Z2yM(Z3C(=O)CR3=CH2zb
【0025】
各Rfは、独立して、1〜6個の炭素原子を有するフッ素化アルキレン基を表す。例えば、Rfは、−CF2CF2CH2−、−CH2CF2CH2−などの部分的にフッ素化された基、又は、−CF2−、−CF(CF3)−、−CF2CF2−、−CF2CF2CF2−、−CF(CF3)CF2−、−CF2CF(CF3)−又は−(CF26−などの1〜6個の炭素原子を有する過フッ素化アルキレン基であってもよい。各Rfは、独立して選択されるため、−(RfO)x−は、従って、例えば−(CF(CF3)CF2O)8−、−(CF2CF2O)3(CF(CF3)CF2O)12−、−(CF2CF2O)2(CF(CF3)CF2O)98(CF2CF2O)−などを表してもよい。
【0026】
各xは、独立して、2以上の整数を表す。例えば、xは3より大きくても、又は4より大きくてもよい。
【0027】
各Qは、独立して、−CF2−、−CF(CF3)−、−CF2CF2−、−CF2CF2CF2−、−CF2CF(CF3)−、−CF(CF3)CF2−、−CF2CF2CH2−、−CF2CH2−、−CF2CF2C(=O)−、−CF2C(=O)−、−CF(CF3)C(=O)−、−CF(CF3)CH2−、1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基、又は1〜6の炭素原子を有するヘテロアルキレン基を表す。
【0028】
1、Z2およびZ3はそれぞれ、独立して、−S−、−O−、−NH−、又は−NR2−を表す。
【0029】
各R1は、独立して、アルキレン基、アラルキレン基、又はヘテロアルキレン基を表す。例えば、各R1は、炭素原子数1又は2から、炭素原子数6、8、10、12又は更には18までのアルキレン基、アラルキレン基、又はヘテロアルキレン基を表してもよく、少なくとも1、2、3又は4個の任意に置換されたカテナリーヘテロ原子(例えば、−O−、−S−、−NH−、−N(R2)−)を有してもよい。例としては、次のものが挙げられる:
−CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2−、−CH2NHCH2CH2CH2NHCH2−、−CH2CH2NHCH2CH2NHCH2CH2−、−CH2CH2NHCH2CH2N(CH2CH3)CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2−および−CH2−。
【0030】
各R2は、独立して、H、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、−CH2CH2C(=O)Z2M(Z3C(=O)CR3=CH2z、又は−R11Q(ORfxFを表す。
【0031】
各R3は、独立して、H、F、又はメチルを表す。
【0032】
各yおよびzは、独立して、1以上の整数を表す。例えば、yおよび/又はzは、1、2又は3であってもよい。
【0033】
各Mは、独立して、y+z価の多価有機基を表す。一実施形態では、Mは、少なくとも3価の多価有機基であってもよい。多価基Mの例には、2,2−ビス(イロメチル)ブタン−1−イル、エチレン、2,2−ビス(イロメチル)−プロパン−1,3−ジイル、および、2,2,6,6−テトラキス(イロメチル)−4−オキサヘプタン−1,7−ジイル、ブタン−1,3−ジイル、ヘキサン−1,6−ジイル、および1,4−ビス(イロメチル)シクロヘキサンが挙げられる。
【0034】
各Xは、独立して、b価の多価有機基を表し、bは2以上の整数を表す。例えば、Xは、少なくとも3つのパーフルオロアルキレンオキシ基を含むパーフルオロアルキレンジオキシ基であってもよい。
【0035】
各bは、独立して、2以上の整数を表す。
【0036】
反応性フッ素化ポリエーテルは、例えば、対応するフッ素化ポリエーテルエステル(フッ素化ポリエーテル多エステル(multi−ester)を含む)又は対応するフッ素化ポリエーテル酸ハロゲン化物(フッ素化ポリエーテル多酸(multi−acid)ハロゲン化物を含む)、典型的には酸フッ化物と、例えば、ジ第一級、ジ第二級、又は、第一級と第二級の混合ジアミンであるアルキレンジアミン、および、より高官能性のポリアミン(higher polyamines)(例えば、トリエチレンテトラミン)などの求核性化合物との反応により調製されてもよい。このような場合、典型的には、得られる反応性フッ素化ポリエーテル付加物が平均で反応性フッ素化ポリエーテル1分子当たり少なくとも1つの求核性基を有するように、化学量論を調整しなければならない。
【0037】
従って、一実施形態では、有用な反応性フッ素化ポリエーテルは次式で示され、
F(RfO)xQZ11NR2
又は
X(RfO)xQZ11NR2
式中、Rf、x、Q、Z1、R1、R2およびXは、前記に定義される通りである。
【0038】
一実施形態では、触媒を補助として用いて又は用いずに、反応性フッ素化ポリエーテルから多官能性アクリレートへのマイケル型付加により、本発明による重合性組成物を調製してもよい。
【0039】
別の実施形態では、本発明による重合性組成物は、フッ素化ポリエーテル酸ハロゲン化物と、例えば、アミノアルコール(例えば、N−メチルエタノールアミン)とポリアクリレート(例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート)との反応によって得られる材料などの、重合性部分および遊離ヒドロキシル基を有する予め形成されたマイケル型付加物との反応により、調製されてもよい。
【0040】
反応性フッ素化ポリエーテルの混合物を使用して本発明による重合性組成物を調製し得ることは、当業者に明らかである。同様に、本発明による重合性組成物は典型的には付加物の混合物(例えば、統計的混合物)として調製されることが当業者に明らかであり、これは、「そのまま」使用されても、又は、例えば慣用的な方法を使用して更に精製されてもよい。
【0041】
反応性フッ素化ポリエーテルの調製のための材料および手順に関する更なる詳細は、例えば、米国特許第3,242,218号明細書(ミラー(Miller))、同第3,322,826号明細書(ムーア(Moore))、同第3,250,808号明細書(ムーア(Moore)ら)、同第3,274,239号明細書(セルマン(Selman))、同第3,293,306号明細書(ル・ブルー(Le Bleu)ら)、同第3,810,874号明細書(ミッチュ(Mitsch)ら)、同第3,544,537号明細書(ブレイス(Brace))、同第3,553,179号明細書(バートレット(Bartlett))、同第3,864,318号明細書(カポリッチオ(Caporiccio)ら)、同第4,321,404号明細書(ウィリアムズ(Williams)ら)、同第4,647,413号明細書(サブ(Savu))、同第4,818,801号明細書(ライス(Rice)ら)、同第4,472,480号明細書(オルソン(Olson))、同第4,567,073号明細書(ラーソン(Larson)ら)、米国特許第4,830,910号明細書(ラーソン(Larson))、および同第5,306,758号明細書(ペレライト(Pellerite))に見出すことができる。
【0042】
本発明による重合性組成物は、少なくとも1種類の追加のフリーラジカル重合性モノマーを更に含んでもよい。前述のポリ(メタ)アクリル化合物モノマー、オリゴマー、およびポリマーに加えて、有用なフリーラジカル重合性モノマーには、例えば、スチレンおよび置換スチレン(例えば、1,4−ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン);ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル);ビニルエーテル(例えば、ブチルビニルエーテル);N−ビニル化合物(例えば、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム);アクリルアミドおよび置換アクリルアミド(例えば、N,N−ジアルキルアクリルアミド);一官能性(メタ)アクリレート(例えば、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエトキシレート(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、無水マレイン酸、イタコン酸、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ステアリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ官能性ポリカプロラクトンエステル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシイソプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ヒドロキシイソブチル(メタ)アクリレート、およびテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート);および、これらの組み合わせが挙げられる。このような化合物は、例えば、ペンシルバニア州エクストン、サートマー社(Sartomer Company, Exton, Pennsylvania);ジョージア州スミルナ、UCBケミカルズ社(UCB Chemicals Corporation, Smyrna, Georgia);およびウィスコンシン州ミルウォーキー、アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Company, Milwaukee, Wisconsin)などの供給業者から広く入手可能である。
【0043】
本発明による重合性組成物は、また、例えば、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート、およびフェノール樹脂などの追加の重合性材料を含んでもよい。
【0044】
また、本発明の重合性組成物中にフッ素化(メタ)アクリレート化合物を含んでもよい。好適なフッ素化(メタ)アクリレート化合物の例には、ミズーリ州セントルイス、シグマ・アルドリッチ(Sigma−Aldrich, Saint Louis, Missouri)から入手可能な1H,1H−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルアクリレート;ニューハンプシャー州ウィンダム、ランカスター・シンセシス(Lancaster Synthesis, Windham, New Hampshire)から共に入手可能な1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルアクリレートおよび/又はω−ヒドロ−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルアクリレート;米国特許第6,664,354号明細書(サブ(Savu)ら)の実施例2Aおよび2Bの手順で製造されるC49SO2N(CH3)CH2CH2OC(=O)CH=CH2;並びに、(パーフルオロシクロヘキシル)メチルアクリレートを含む、米国特許第4,968,116号明細書(ヒューム−ロウ(Hulme−Lowe)ら)および同第5,239,026号明細書(バビラッド(Babirad)ら)に記載のフッ素化(メタ)アクリル化合物が挙げられる。
【0045】
重合性組成物中に任意の量のマイケル型付加生成物が存在してもよい。例えば、清浄性、耐久性、および耐引掻き性が望ましい用途では、マイケル型付加生成物の量は、重合性組成物の総質量を基準にして、20質量%以下、例えば10質量%以下、又は、更には5質量%以下であってもよい。低屈折率が望ましい用途では、重合性組成物中のマイケル型付加生成物の量は、少なくとも50質量%、60質量%、70質量%、又は、更には80質量%、少なくとも95質量%までであってもよい。
【0046】
硬化を促進するため、本発明による重合性組成物は、少なくとも1種類のフリーラジカル熱開始剤および/又は光開始剤を更に含んでもよい。典型的には、このような開始剤および/又は光開始剤が存在する場合、それは、重合性組成物の総質量を基準にして、重合性組成物の10質量%未満、更に典型的には5質量%未満を構成する。フリーラジカル硬化法は当該技術分野で周知であり、例えば、熱硬化法、並びに、電子線又は紫外線などの放射線硬化法が挙げられる。フリーラジカル熱および/又は光重合法に関する更なる詳細は、例えば、米国特許第4,654,233号明細書(グラント(Grant)ら)、同第4,855,184号明細書(クラン(Klun)ら)、および同第6,224,949号明細書(ライト(Wright)ら)に見出し得る。更に、ミシシッピ州パスカグラ、ファースト・ケミカル社(First Chemical Corporation, Pascagoula, Mississippi)から市販されている2−イソプロピルチオキサントンなどの増感剤を、例えば、「イルガキュア(IRGACURE)369」などの光開始剤と共に使用してもよい。
【0047】
有用なフリーラジカル熱開始剤には、例えば、アゾ開始剤、過酸化物開始剤、過硫酸塩開始剤、およびレドックス開始剤、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0048】
好適なアゾ開始剤には、例えば、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(「バゾ(VAZO)33」の商品名で入手可能)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(「バゾ(VAZO)50」の商品名で入手可能)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(「バゾ(VAZO)52」の商品名で入手可能)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(「バゾ(VAZO)64」の商品名で入手可能)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル)(「バゾ(VAZO)67」の商品名で入手可能)、および、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)(「バゾ(VAZO)88」の商品名で入手可能)(これらは全てデラウェア州ウィルミントン、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I.du Pont de Nemours and Company, Wilmington, Delaware)から入手可能);並びに、2,2’−アゾビス(メチルイソブチレート)(日本、大阪、和光純薬工業(株)(Wako Pure Chemical Industries, Ltd., Osaka, Japan)から「V−601」の商品名で入手可能)が挙げられる。
【0049】
好適な過酸化物開始剤には、例えば、ベンゾイルパーオキシド、アセチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、デカノイルパーオキシド、ジセチルパーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(イリノイ州シカゴ、アクゾ・ケミカルズ(Akzo Chemicals, Chicago, Illinois)から「パーカドックス(PERKADOX)16」の商品名で入手可能)、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート(ニューヨーク州バッファロー、アトケム・ノース・アメリカ、ルシドール事業部(Lucidol Division, Atochem North America, Buffalo, New York)から「ルパーゾル(LUPERSOL)11」の商品名で入手可能);t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(アクゾ・ケミカルズ(Akzo Chemicals)から「トリゴノックス(TRIGONOX)21−C50」の商品名で入手可能)、およびジクミルパーオキシドが挙げられる。
【0050】
好適な過硫酸開始剤には、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、および過硫酸アンモニウムが挙げられる。
【0051】
好適なレドックス(酸化還元)開始剤には、例えば、過硫酸開始剤の還元剤(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウムおよび重亜硫酸ナトリウムを含む)との組み合わせ;有機過酸化物と第三級アミンをベースにする系(例えば、ベンゾイルパーオキシドとジメチルアニリン);および、有機ハイドロパーオキシドと遷移金属をベースにする系(例えば、クメンハイドロパーオキシドとハフテン酸コバルト)が挙げられる。
【0052】
有用なフリーラジカル光開始剤には、例えば、アクリレートポリマーの紫外線硬化に有用であることが知られているものが挙げられる。このような開始剤には、ベンゾフェノンとその誘導体(アクリル化ベンゾフェノンを含む);ベンゾイン、α−メチルベンゾイン、α−フェニルベンゾイン、α−アリルベンゾイン、α−ベンジルベンゾイン;ベンジルジメチルケタール(ニューヨーク州タリータウン(Tarrytown, New York)のチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals Corporation)から「イルガキュア(IRGACURE)651」の商品名で市販されている)、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテルなどのベンゾインエーテル;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals Corporation)から「ダロキュア(DAROCUR)1173」の商品名で市販されている)、および1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(同様にチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals Corporation)から「イルガキュア(IRGACURE)184」の商品名で市販されている)などの、アセトフェノンとその誘導体;同様にチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals Corporation)から「イルガキュア(IRGACURE)907」の商品名で市販されている2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノン;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals Corporation)から「イルガキュア(IRGACURE)369」の商品名で市販されている2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン;ベンゾフェノンとその誘導体およびアントラキノンとその誘導体などの芳香族ケトン;ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩などのオニウム塩;例えば、同様にチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals Corporation)から「CGI 784DC」の商品名で市販されているものなどのチタン錯体;ウラニル塩;ハロメチルニトロベンゼン;並びに、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals Corporation)から「イルガキュア(IRGACURE)1700」、「イルガキュア(IRGACURE)1800」、「イルガキュア(IRGACURE)1850」、「イルガキュア(IRGACURE)819」、「イルガキュア(IRGACURE)2005」、「イルガキュア(IRGACURE)2010」、「イルガキュア(IRGACURE)2020」および「ダロキュア(DAROCUR)4265」の商品名で市販されているものなどのモノ−およびビス−アシルホスフィンが挙げられる。例えば、良好な表面および完全硬化(through curing)を同時に達成するため、2種類以上の光開始剤の組み合わせを使用してもよい。
【0053】
本発明による重合性組成物は、任意に、例えば、酸化防止剤、光安定剤、充填材、香料、着色剤、帯電防止剤、無機ナノ粒子、および/又は溶媒などの1種類以上の追加の成分を含有してもよい。
【0054】
本発明による重合性組成物を基材にコーティングし、少なくとも部分的に硬化させて、例えば、図1に示すような複合物品を提供してもよい。ここで図1を参照すると、例示的な複合物品10は、少なくとも部分的に重合した重合性コーティング12が基材上に配置されている基材14を備える。幾つかの実施形態では、重合したコーティングは、耐擦傷性、落書き防止性、耐汚染性、接着剥離性、低屈折率、および撥水性の少なくとも1つのを提供する保護コーティングを形成してもよい。
【0055】
好適な基材には、例えば、ガラス(例えば、窓および光学素子(例えば、レンズおよび鏡など))、セラミック(例えば、セラミックタイル)、セメント、石、塗装面(例えば、自動車のボディパネル、ボート表面)、金属(例えば、建築用柱)、紙(例えば、接着剥離ライナー)、厚紙(例えば、食品容器)、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂(例えば、ポリカーボネート、アクリル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、フェノール樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、ポリスチレン、およびスチレン−アクリロニトリルコポリマー)およびこれらの組み合わせが挙げられる。基材は、フィルム、シートであってもよく、又は他の何らかの形態を有してもよい。基材は、透明又は半透明な表示素子、任意にその上にセラマーハードコートを有するものを含んでもよい。
【0056】
例えば、噴霧、ナイフコーティング、ノッチコーティング、リバースロールコーティング、グラビアコーティング、ディップコーティング、バーコーティング、フラッドコーティング、又はスピンコーティングなどの慣用的な技術で基材に重合性組成物を塗布してもよい。典型的には、重合性組成物は、基材に比較的薄い層として塗布され、40nm〜60nmの範囲の厚さを有する乾燥硬化層が得られるが、これより薄い又は厚い(例えば、100マイクロメートルまでの、又はそれより大きい厚さを有する)層を使用してもよい。次に、どの任意選択的溶媒も典型的には少なくとも部分的に除去され(例えば、強制空気オーブンを使用)、次いで重合性組成物を少なくとも部分的に重合(即ち、硬化)させて、例えば、前述のような耐久性コーティングを形成する。
【0057】
本発明による複合物品には、例えば、眼鏡レンズ、鏡、窓、接着剥離ライナー、および落書き防止フィルムが挙げられる。
【0058】
更に、本発明による複合物品は、情報表示装置プロテクタを含んでもよい。例示として、図2は、全体が230として識別される例示的な情報表示プロテクタを示す。可撓性透明フィルム233の第1の主面202は接着剤層234を支持し、それに任意選択的な保護ライナー232が接触する。接着剤234の外面204は、任意に、例えば図示されるようにマイクロテクスチャ加工されていてもよい。マイクロテクスチャ加工は、典型的には、表示装置スクリーンに貼付されるとき、情報表示装置プロテクタ230の下から気泡を逃がすことに役立ち、それによって情報表示装置プロテクタ230と表示装置スクリーン(図示せず)との間に良好な光学的結合を提供するのに役立つ。ハードコート層236は、フィルム233の第2の主面206に支持される。ハードコート層236は、任意選択的に、例えば、図示されるように粗い外面237を有し、使用中、情報表示装置プロテクタ230が接着される表示装置スクリーンに防眩性を提供し、スタイラスを使用して情報表示装置プロテクタ230上に書くことを容易にする。本発明による防汚コーティング組成物238は、ハードコート236の上面237に支持され、典型的には、ハードコート236の粗い上面237が観察面231に複製されるように十分に薄い。
【0059】
セラマーハードコート、基材、および表示素子に関する更なる詳細は、例えば、米国特許第6,660,389号明細書(リュウ(Liu)ら)および米国特許出願公開第2003/0068486号明細書(アーニー(Arney)ら)に見出され得る。
【0060】
以下の非限定例で本発明の目的および利点を更に例示するが、これらの例に記載する特定の材料およびその量、並びに他の条件および詳細は、本発明を不当に限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0061】
実施例では、実施例および本明細書の残りの部分における部、パーセンテージ、比などは全て、別途記載しない限り重量による。更に、別途記載しない限り、実施例で使用する試薬は全て、例えば、ミズーリ州セントルイス、シグマ・アルドリッチ社(Sigma−Aldrich Company, Saint Louis, Missouri)などの一般的な化学薬品供給業者から入手されたか若しくは入手可能であり、又は、慣用的な方法で合成されてもよい。
【0062】
実施例全体を通して、以下の略称を使用する。
【0063】
略称 化合物
FC−1 F(CF(CF3)CF2O) aCF(CF3)C(=O)OCH3、式中、
aは平均約6.3、平均分子量は1,211g/molであり、米国特許
第3,250,808号明細書(ムーア(Moore)ら)に報告されて
いる方法に従って調製することができ、分留により精製する。
FC−2 次式、CH32C(OCF2CF2p[OCF2CF(CF3)]q(OCF
2rCO2CH3を有すると考えられ、平均分子量約2,000g/mol
、ニュージャージー州ソロフェア、オージモント,USA(Ausimo
nt, USA, Thorofare, New Jersey)から
「フォンブリンZ−ディール(FOMBLIN Z−DEAL)」の商品
名で入手可能。
FC−3 F(CF(CF3)CF2O)aCF(CF3)C(=O)F、式中、aは平
均約5.7、平均分子量は1,115g/molであり、米国特許第3,
250,808号明細書(ムーア(Moore)ら)に報告されている方
法に従って調製することができ、分留により精製する。
FC−4 F(CF(CF3)CF2O)aCF(CF3)C(=O)NHCH2CH2
C(=O)CH=CH2を以下のように調製した:
オリゴマーヘキサフルオロプロピレンオキシドメチルエステルFC−1
を50.0g、200mLの丸底フラスコに入れた。そのフラスコを窒素
パージし、水浴に入れ、温度を50℃以下に維持した。このフラスコに2
−アミノエタノール3.0g(0.045mol)を加えた。反応混合物
を約1時間攪拌した後、反応混合物の赤外スペクトルは、1790cm-1
のメチルエステルバンドの完全な消失と1710cm-1の強いアミドカル
ボニル伸縮の存在を示した。メチルt−ブチルエーテル(200mL)を
反応混合物に加え、有機相を5重量%のHCl水で2回洗浄し、未反応の
アミンとメタノールを除去した。有機相の層を合わせて、無水MgSO4
で乾燥させた。メチルt−ブチルエーテルを減圧下で(まずアスピレータ
を使用し、次いで0.1mmHgの真空を使用して)除去し、HFPOC
(=O)NHCH2CH2OHを透明で粘稠な液体として得た。
オーバーヘッドスターラーを装備した3つ口丸底フラスコに、HFPO
C(=O)NHCH2CH2OH200g(0.1468mol)、トリエ
チルアミン18.07g(0.1786mol)、4−メトキシルフェノ
ール8mg、および酢酸エチル200gを投入した。次に、室温で、塩化
アクリロイル16.16g(0.1786mol)をフラスコに30分に
わたって加えた。反応物を約2.75時間攪拌した後、1重量%の硫酸水
、1重量%の重炭酸ナトリウム水、および水で連続的に洗浄した。得られ
た生成物を、ドイツ、ダルムシュタット、EMサイエンス(EM Sci
ence, Darmstadt, Germany)から「SX014
3U−3」の商品名で入手したシリカゲル(グレード62、60〜200
メッシュ)のクロマトグラフィーで、溶離液として(容積で)35/65
の酢酸エチル/ヘプタンを使用して精製した。
FC−5 ω−ヒドロ−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル
アクリレート(H−C48−CH2OC(=O)CH=CH2)は、サウス
カロライナ州ウエストコロンビア、オークウッド・プロダクツ(Oakw
ood Products, West Columbia, Sout
h Carolina)から入手した。
AM−1 N−メチル−1,3−プロパンジアミン
AM−2 N−エチル−1,2−エタンジアミン
AM−3 2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール
AM−4 ペンタエチレンヘキサアミン
AM−5 エチレンジアミン
AM−6 N−メチルエタノールアミン
AM−7 1,3−プロパンジアミン
AC−1 トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンシルバニア州エクストン
、サートマー社(Sartomer Company, Exton,
Pennsylvania)から「SR351」の商品名で入手、公称分
子量=296g/mol。
AC−2 ペンタエリトリトールトリアクリレート、サートマー社(Sartome
r Company)から「SR444」の商品名で入手、公称分子量=
298g/mol。
AC−3 ジペンタエリトリトールペンタアクリレート、サートマー社(Sarto
mer Company)から「SR399LV」の商品名で入手、公称
分子量=508g/mol。
AC−4 エトキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、サートマー
社(Sartomer Company)から「SR454」の商品名で
入手、公称分子量=428g/mol。
AC−5 エトキシ化(4)ペンタエリトリトールテトラアクリレート、サートマー
社(Sartomer Company)から「SR494」の商品名で
入手、公称分子量=526g/mol。
AC−6 1,4−ブタンジオールジアクリレート、サートマー社(Sartome
r Company)から「SR213」の商品名で入手、公称分子量=
198g/mol。
PI−1 光開始剤、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ
ン、ニューヨーク州タリータウン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社
(Ciba Specialty Chemicals, Corpor
ation, Tarrytown, New York)から「ダロキ
ュア(DAROCUR)1173」の商品名で入手可能。
PI−2 光開始剤、ベンジルジメチルケタール、サートマー社(Sartomer
Company)から「エサキュア(ESACURE) KB−1」の
商品名で入手。
FS C49OCH3、3M社(3M Company)から「3Mノベック工
学流体HFE−7100(3M NOVEC ENGINEERED F
LUID HFE−7100)」の商品名で入手可能。
HFPO− F(CF(CF3)CF2O)aCF(CF3)−、式中、aは約6.3であ
る。
S1 透明ポリエチレンテレフタレートフィルム、デラウェア州ウィルミントン
、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I
.du Pont de Nemours and Company,
Wilmington,Delaware)から「メリネックス(MEL
INEX) 618」の商品名で入手、厚さが5.0ミル(0.1mm)
でプライマー処理された面を有する。米国特許第6,299,799号明
細書(クレイグ(Craig)ら)の実施例3に記載のものと実質的に同
じであったハードコート組成物を、プライマー処理された面にコーティン
グし、硬化させた(公称硬化膜厚は5マイクロメートルであった)。
S2 ジョージア州シーダータウン、U.S.A.キモト・テック(U.S.A
.Kimoto Tech, Cedartown, Georgia)
から「N4D2A」の商品名で入手可能なハードコート表面層を有する艶
消しフィルム。
【0064】
更に、下記で使用する場合:mm=ミリメートル、g=グラム、mg=ミリグラム、mol=モル、mmol=ミリモル、meq=ミリ当量、および、mL=ミリリットル。
【0065】
表2では、「NM」は、「測定せず」を意味する。
【0066】
チーズクロス耐磨耗性試験
チーズクロスを35cm/秒の速度で揺動させることができる機械装置内に、試験される試料(S1基材:30.5cm×22.9cm;S2基材:30.5cm×15.2cm;)を取り付け、チーズクロスを12層に折り畳んでゴムガスケットでスタイラスに固定する。チーズクロスが、試料のコーティング方向に直交する方向に移動するように、試料を取り付ける。スタイラスは、平坦で円筒状の幾何学的形状を有し、直径1.25インチ(3.2cm)であった。装置は、フィルム表面に垂直なスタイラスによって及ぼされる力が増加するように様々な重りが取り付けられるプラットホームを装備した。チーズクロスは、ペンシルバニア州ハッツフィールド、EMSアクイジション社(EMS Acquisition Corp., Hatsfield, Pennsylvania)の事業部の一部門である、EMSパッケージング、サマーズ・オプティカル(Summers Optical, EMS Packaging)から「ミル・スペックCCC−C−440製品番号S12905(MIL SPEC CCC−C−440 PRODUCT#S12905)」の商品名で入手した。「清拭」は、1回の10cmの移動と定義される。各試料について、スタイラスに加えたグラム単位の重量と、試験条件のために使用した清拭の数を報告する。
【0067】
「サンフォード・シャーピ、ファイン・ポイント・パーマネント・マーカー、番号30001(SANFORD SHARPIE, FINE POINT PERMANENT MARKER, NO.30001)」の商品名で市販されているフェルトマーカーでインクマーキングを試料の表面コーティングに付ける。インクマーキングを観察し、表面に付けたときインクマーキングがビーズ状になる(「有(yes)」)か、又は、ビーズ状にならない(「無(no)」)かについて決定する。
【0068】
インクマーキングをティシューで、中程度の手圧を使用し、ジョージア州ロズウェル、キンバリー・クラーク社(Kimberly Clark Corporation, Roswell, Georgia)から「サーパス・フェイシャル・ティシュー(SURPASS FACIAL TISSUE)」の商品名で入手可能なティシューを使用して清拭する。インクマーキングを観察し、ティシューで清拭することによりインクマーキングが除去されるかについて決定する(「有(yes)」又は「無(no)」)。
【0069】
50回、100回、150回、200回、300回および500回清拭した後、表面性能を記載する。
【0070】
接触角測定手順
おおよその寸法が2.5cm×4cmの塗工フィルムのサンプルをカットし、両面粘着接着テープを使用して、標準的な顕微鏡スライドグラスに取り付ける。受け取った状態の試薬用ヘキサデカン(ウィスコンシン州ミルウォーキー、アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Company, Milwaukee, Wisconsin))、および、ミリポア社(マサチューセッツ州ビレリカ)(Millipore Corporation(Billerica, Massachusetts))から入手可能な濾過システム「ミリQ(MIILI−Q)」で濾過された脱イオン水、および、ASTプロダクツ(マサチューセッツ州ビレリカ)(AST Products(Billerica, Massachusetts))から「VCA−2500XE」の商品名で入手可能なビデオ接触角分析機を使用して接触角の測定を行う。報告する値は、少なくとも3滴で各液滴の両側で測定される測定の平均である。液滴の容積は、静的測定では5マイクロリットル、前進および後退測定では1〜3マイクロリットルである。
【0071】
コーティング方法1
40〜60ナノメートル(nm)の乾燥厚さを提供するため、シリンジポンプを使用して溶液をダイに計量供給し、重合性組成物を基材S1又はS2上にコーティングする。慣用的な空気浮遊オーブン内で65℃に加熱して溶媒を除去した後、100万分の50部(50ppm)未満の酸素を有し、全出力で運転するメリーランド州ゲイサースバーグ、フュージョンUVシステムズ(Fusion UV Systems, Gaithersburg, Maryland)製の600ワットのH型バルブを収納する硬化チャンバに毎分3メートルのライン速度で送り通過させる。
【0072】
コーティング方法2
コーティングブロックを使用して127マイクロメートルの湿潤厚さで重合性組成物を基材S1又はS2上にコーティングする。120℃の温度で運転するオーブン内で10分間、溶媒を除去する。次に、コーティングを窒素下で35フィート/分(11メートル/分)のライン速度で、メリーランド州ゲイサースバーグ、フュージョンUVシステムズ(Fusion UV Systems, Gaithersburg, Maryland)から入手可能な全出力で運転する600ワット(600ジュール/秒)の「D型」バルブを使用して硬化させた。
【0073】
HFPOC(=O)NHCH2CH2CH2NHCH3(FC−1/AM−1)の調製
1リットルの丸底フラスコにFC−1、291.24g(0.2405mol)、およびAM−1、21.2g(0.2405mol)を共に室温で投入し、濁った溶液を得た。フラスコに渦流を生じさせ、混合物の温度が45℃に上昇して無色透明の液体が得られ、それを55℃で一晩加熱した。次いで、生成物を75℃で28インチHgの減圧のロータリーエバポレータにかけてメタノールを除去し、公称分子量=1267.15g/molの粘稠で僅かに黄色の液体(即ち、FC−1/AM−1)301.88gを得た。
【0074】
HFPOC(=O)NHCH2CH2NHCH2CH3(FC−1/AM−2)の調製
FC−1/AM−1の調製手順に従ったが、AM−1の代わりにAM−2を使用し、FC−1、50g(41.29mmol)をAM−2、3.64g(41.29mmol)と混合して、公称分子量=1267.15g/molのFC−1/AM−2を得た。
【0075】
HFPOC(=O)NHCH2CH2NHCH2CH2OH(FC−1/AM−3)の調製
FC−1/AM−1の調製手順に従ったが、AM−1の代わりにAM−3を使用し、FC−1、300g(0.2477mol)とAM−3、25.8g(0.2477mol)を反応させ、公称分子量=1283.15g/molのFC−1/AM−3、312.0gを得た。
【0076】
HFPOC(=O)NH(CH2CH2NH)4CH2CH2NHC(=O)HFPO(FC−1/AM−4)の調製
FC−1/AM−1の調製手順に従ったが、AM−1の代わりにAM−4を使用し、FC−1、50g(41.29mmol)をAM−4、4.80g(20.64mmol)と混合して濃縮し、公称分子量2590.4、公称当量=647.6g/molのFC−1/AM−4を得た。
【0077】
HFPOC(O)N(H)CH2CH2NH2(FC−1/AM−5)の調製
マグネチックスターラー(magnetic stirbar)を装備した100mLの丸底フラスコにAM−5、9.92g(165mmol)を投入した。次に、FC−1、20g(16.5mmol)を室温で約1時間にわたってフラスコに加えた。更に1時間攪拌した後、130℃までの温度で2.5mmの圧力で揮発物質を除去し、公称分子量1239.1g/molのFC−1/AM−5を得た。
【0078】
HFPOC(=O)NHCH2CH2CH2NH2(FC−1/AM−7)の調製
マグネチックスターラー(magnetic stirbar)を装備した50mLの丸底フラスコにAM−7、6.12g(82.6mmol)およびFC−1、20g(16.5mmol)を室温で投入した。次に、混合物を約30分間室温で攪拌した。最後に150℃までの温度で4.0mmの圧力で揮発物質を除去し、公称分子量1253.1g/molのFC−1/AM−7を得た。
【0079】
CH3NHCH2CH2CH2NHC(=O)−CF2O(CF2CF2O)b(CF2O)cCF2OC(=O)NHCH2CH2CH2NHCH3(FC−2/AM−1)の調製
FC−1/AM−1の調製手順に従ったが、FC−1の代わりにFC−2を使用し、FC−2、20g(20meq)をAM−1、1.76g(20meq)と混合して濃縮し、公称分子量2112.3、公称当量=1056.15g/molのFC−2/AM−1を得た。
【0080】
AM−6のAC−1とのモル比1:1の付加物(AM−6/AC−1)の調製
マグネチックスターラー(magnetic stirbar)を装備した100mLのフラスコにAM−6、7.51g(0.1mol)およびフェノチアジン1.8mgを投入した。次に、AC−1、29.61g(0.1mol)を23℃で等圧滴下ロート(pressure−equalizing funnel)を介して加えた。反応温度は51℃に上昇し、次いで元のように室温まで降下し、公称分子量371.1g/molのAM−6/AC−1を得た。
【0081】
実施例1
この実施例は、FC−1/AM−1のAC−1とのモル比約1:1の付加物(FC−1/AM−1/AC−1)の調製を説明する。
【0082】
250mLの丸底フラスコにAC−1、4.48g(15.13mmol)、テトラヒドロフラン(THF)4.45g、およびフェノチアジン1.6mgを投入し、油浴中55℃で加熱した。次に、100mLの広口瓶中で、THF32gにFC−1/AM−1、20g(15.78mmol)を溶解させた。この溶液を等圧サイドアーム(pressure−equalizing sidearm)を有する60mLの滴下漏斗に入れた。広口瓶をTHF約3mLで洗浄し、これも滴下漏斗に加え、漏斗の内容物を38分にわたって空気雰囲気でAC−1/THF/フェノチアジン混合物に加えた。反応は、最初は濁っていたが、約30分後に透明になった。添加が完了して20分後に、反応フラスコを45〜55℃で28インチHgの減圧下のロータリーエバポレータにかけると、透明で粘稠な黄色の液体24.38gが得られ、それを1Hおよび13C NMR並びにHPLC/質量分析法で特性決定した。得られた材料(即ち、FC−1/AM−1/AC−1)は、HPLC/質量分析法で決定したとき、以下のおおよそのモル生成物分布を有した。
AC−1、20%
次式を有すると考えられる一付加物(monoadduct)、40%
【化2】

および、
二付加物(diadduct)、40%。
【0083】
実施例2
この実施例は、FC−1/AM−1のAC−2とのモル比約1:1の付加物(FC−1/AM−1/AC−2)の調製を説明する。
【0084】
実施例1の手順に従ったが、FC−1の代わりにAC−2を使用し、THF約35g中のFC−1/AM−1、20g(15.78mmol)を、フェノチアジン1.6mgを有するTHF約4.5g中のAC−2、4.51g(15.13mmol)に加えて濃縮し、FC−1/AM−1/AC−2を得た。
【0085】
実施例3
この実施例は、FC−1/AM−1のAC−4とのモル比約1:1の付加物(FC−1/AM−1/AC−4)の調製を説明する。
【0086】
実施例1の手順に従ったが、FC−1の代わりにAC−4を使用し、THF約35g中のFC−1/AM−1、20g(15.78mmol)を、フェノチアジン2.0mgを有するTHF約6.8g中のAC−4、6.56g(15.33mmol)に加えて濃縮し、FC−1/AM−1/AC−4を得た。
【0087】
実施例4
この実施例は、FC−1/AM−1のAC−5とのモル比約1:1の付加物(FC−1/AM−1/AC−5)の調製を説明する。
【0088】
実施例1の手順に従ったが、AC−1の代わりにAC−5を使用し、THF約40g中のFC−1/AM−1、20g(15.78mmol)を、フェノチアジン1.6を有するTHF8.41g中のAC−5、8.14g(15.48mmol)に加えて濃縮し、FC−1/AM−1/AC−5を得た。
【0089】
実施例5
この実施例は、FC−1/AM−1のAC−6とのモル比1:3の付加物(FC−1/AM−1/AC−6)の調製を説明する。
【0090】
実施例1の手順に従ったが、AC−1の代わりにAC−6を使用し、THF約15g中のFC−1/AM−1、5.00g(3.95mmol)を、フェノチアジン0.3mgを有するTHF2.5g中のAC−6、2.35g(11.84mmol)に加え、濃縮するとFC−1/AM−1/AC−6が得られた。
【0091】
実施例6
この実施例は、FC−1/AM−2のAC−1とのモル比約1:1の付加物(FC−1/AM−2/AC−1)の調製を説明する。
【0092】
実施例1の手順に従ったが、AM−1の代わりにAM−2を使用し、THF約35中のFC−1/AM−2、20g(15.78mmol)を、フェノチアジン1.6mgを有するTHF4.5g中のAC−1、4.48g(15.14mmol)に加え、濃縮するとFC−1/AM−2/AC−1が得られた。
【0093】
実施例7
この実施例は、FC−1/AM−2のAC−3とのモル比1:1の付加物(FC−1/AM−2/AC−3)の調製を説明する。
【0094】
実施例7の手順に従ったが、AC−1の代わりにAC−3を使用し、THF約35g中のFC−1/AM−2、19.5g(15.4mmol)を、フェノチアジン2.1mgを有するTHF8g中のAC−3、7.81g(15.4mmol)に加え、濃縮するとFC−1/AM−2/AC−3が得られた。
【0095】
実施例8
この実施例は、FC−1/AM−2のAC−4とのモル比約1:1の付加物(FC−1/AM−2/AC−4)の調製を説明する。
【0096】
実施例7の手順に従ったが、AC−1の代わりにAC−4を使用し、THF約35g中のFC−1/AM−2、20g(15.78mmol)を、フェノチアジン1.2mgを有するTHF6.6g中のAC−4、6.56g(15.33mmol)に加え、濃縮するとFC−1/AM−2/AC−4が得られた。
【0097】
実施例9
この実施例は、FC−1/AM−2のAC−5とのモル比約1:1の付加物(FC−1/AM−2/AC−5)の調製を説明する。
【0098】
実施例7の手順に従ったが、AC−1の代わりにAC−5を使用し、THF約35g中のFC−1/AM−2、20g(15.78mmol)を、フェノチアジン1.2mgを有するTHF8.2g中のAC−5、8.14g(15.48mmol)に加え、濃縮するとFC−1/AM−2/AC−5が得られた。
【0099】
実施例10
この実施例は、FC−1/AM−3のAC−1とのモル比約1:1の付加物(FC−1/AM−3/AC−1)の調製を説明する。
【0100】
実施例1の手順に従ったが、AM−1の代わりにAM−3を使用し、FC−1/AM−3、20g(15.6mmol)をAC−1、4.43g(14.97mmol)と反応させて、生成物(FC−1/AM−3/AC−1)24.37gを得たが、これは、モルベースで、アミン一付加物が約3分の2であり、
【化3】

材料の約3分の1は、前記化合物とAC−1のヒドロキシ一付加物であると考えられた。
【0101】
実施例11
この実施例は、FC−1/AM−3のAC−2とのモル比約1:1の付加物(FC−1/AM−3/AC−2)の調製を説明する。
【0102】
実施例10の手順に従ったが、AC−1の代わりにAC−2を使用し、THF約35g中のFC−1/AM−3、20g(15.6mmol)を、フェノチアジン1.8mgを有するTHF4.4g中のAC−2、4.46g(14.97mmol)に加え、濃縮するとFC−1/AM−3/AC−2が得られた。
【0103】
実施例12
この実施例は、FC−1/AM−3のAC−4とのモル比約1:1の付加物(FC−1/AM−3/AC−3)の調製を説明する。
【0104】
実施例10の手順に従ったが、AC−1の代わりにAC−3を使用し、THF約35g中のFC−1/AM−3、20g(15.59mmol)を、THF6.5g中のAC−4、6.48g(15.14mmol)に加え、濃縮するとFC−1/AM−3/AC−4が得られた。
【0105】
実施例13
この実施例は、FC−1/AM−4のAC−1とのモル比約1:4(当量1:1)の付加物(FC−1/AM−4/AC−1)の調製を説明する。
【0106】
実施例1の手順に従ったが、AM−1の代わりにAM−4を使用し、THF約40g中のFC−1/AM−4、20g(30.88meq)を、フェノチアジン1.6mgを有するTHF8.8g中のAC−1、8.77g(29.62meq)に加え、濃縮するとFC−1/AM−4/AC−1が得られた。
【0107】
実施例14
この実施例は、FC−1/AM−5のAC−1とのモル比約1:2(FC−1/AM−5/AC−1)の調製を説明する。
【0108】
実施例1の手順に従ったが、AM−1の代わりにAM−5を使用し、THF9.9gおよびFS10.1g中のFC−1/AM−5、5.0g(4.04mmol)を、フェノチアジン0.4mgを有するTHF5.6gおよびFS5.8g中のAC−1、2.39g(8.07mmol)に加え、濃縮するとFC−1/AM−5/AC−1が得られた。
【0109】
実施例15
この実施例は、FC−1/AM−7のAC−1とのモル比1:2(FC−1/AM−7/AC−1)の調製を説明する。
【0110】
実施例1の手順に従ったが、AM−1の代わりにAM−7を使用し、THF6gおよびFS6g中のFC−1/AM−7、5.0g(3.99mmol)を、フェノチアジン0.4mgを有するTHF6gおよびFS6g中のAC−1、2.36g(7.98mmol)に加え、濃縮するとFC−1/AM−7/AC−1が得られた。
【0111】
実施例16
この実施例は、FC−2/AM−1のAC−1とのモル比約1:2(当量1:1)の付加物(FC−2/AM−1/AC−1)の調製を説明する。
【0112】
実施例1の手順に従ったが、FC−1の代わりにFC−2を使用し、THF約25g中のFC−2/AM−1、10g(9.47meq)を、フェノチアジン0.6mgを有するTHF3g中のAC−1、2.80g(9.46meq)に加え、濃縮するとFC−2/AM−1/AC−1が得られた。
【0113】
実施例17
この実施例は、FC−3とAM−6/AC−1のモル比1:1の付加物(FC−3/AM−6/AC−1)の調製を説明する。
【0114】
マグネチックスターラー(magnetic stirbar)を装備した100mLのフラスコにAM−6/AC−1、3.32g(8.97mmol)、N,N−ジイソプロピル−N−エチルアミン1.17g(8.97mmol)、フェノチアジン0.7mg、酢酸エチル7.25g、およびFS8.21gを投入して40℃に加熱し、FC−3、10.0g(8.97mmol)、FS18.62g、および酢酸エチル17.92gの混合物を等圧滴下ロート(pressure−equalizing funnel)から30分にわたって投入した。一晩攪拌した後、反応を等量の脱イオン水で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、回転蒸発で濃縮した。
【0115】
実施例18a〜38b、および、比較例Aa〜Ab
表1に報告する材料および量を使用して、重合性組成物を基材にコーティングした。重合性組成物は全て、総固形分10質量%に希釈した。メチルエチルケトン中固形分10%の光開始剤溶液を使用して、重合性組成物中に光開始剤PI−1を2質量%、又は、PI−2を1質量%含んだ。最終的な総固形分質量%に希釈する前に光開始剤を加えた。PI−1を含有する配合物ではメチルイソブチルケトン、PI−2を含有する配合物ではメチルエチルケトンを使用して、最終的な総固形分質量%への希釈を達成した。前述のコーティング方法1又はコーティング方法2を使用して、各コーティング溶液をコーティング基材にコーティングした。
【0116】
【表1】

【表2】

【0117】
接触角測定手順を使用して水の接触角(静的、前進、および後退)とヘキサデカンの前進および後退を決定し、コーティングを評価した。これらの分析の結果を表2(下記)に報告する。
【0118】
【表3】

【0119】
公称コーティング厚さ60nmのコーティングされた多数の艶消しフィルムで、摩擦500回までのチーズクロス耐久性試験を行った。その結果を表3(下記)に報告するが、ここで「Y」は、有(Yes)を意味し、「N」は、無(No)を意味する。
【0120】
【表4】

【0121】
本発明の範囲および趣旨を逸脱することなく、当業者により本発明の様々な変更および改変がなされ得るが、本発明は本明細書に記載される例示的実施形態に不当に限定されるものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の1つの例示的実施形態による複合物品の概略側面図である。
【図2】本発明の1つの例示的実施形態による情報表示装置プロテクタの概略側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式
(F(RfO)xQZ11NR2CH2CH2C(=O)Z2yM(Z3C(=O)CR3=CH2z
又は
X[((RfO)xQZ11NR2CH2CH2C(=O)Z2yM(Z3C(=O)CR3=CH2zb
(式中、
各Rfは、独立して、1〜6個の炭素原子を有するフッ素化アルキレン基を表し、
各xは、独立して、2以上の整数を表し、
各Qは、独立して、−CF2−、−CF(CF3)−、−CF2CF2−、−CF2CF2CF2−、−CF2CF(CF3)−、−CF(CF3)CF2−、−CF2CF2CH2−、−CF2CH2−、−CF2CF2C(=O)−、−CF2C(=O)−、−CF(CF3)C(=O)−、−CF(CF3)CH2−、1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基、又は1〜6個の炭素原子を有するヘテロアルキレン基を表し、
各Z1、Z2およびZ3は、独立して、−S−、−O−、−NH−、又は−NR2−を表し、
各R1は、独立して、アルキレン基、アラルキレン基、又はヘテロアルキレン基を表し、
各R2は、独立して、H、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、−CH2CH2C(=O)Z2M(Z3C(=O)CR3=CH2z、又は−R11Q(ORfxFを表し、
各R3は、独立して、H、F、又はメチルを表し、
各yおよびzは、独立して、1以上の整数を表し、
各Mは、y+z価の多価有機基を表し、
Xは、b価の多価有機基を表し、
bは、2以上の整数を表す)
で示される少なくとも1種類の化合物を含む重合性組成物。
【請求項2】
各Rfが、独立して、−CF2−、−CF(CF3)−、−CF2CF2−、−CF2CF2CF2−、−CF(CF3)CF2−、又は−CF2CF2CH2−から選択される、請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項3】
各Rfが、過フッ素化されている、請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項4】
各R1が、独立して、1〜6個の炭素原子を有する、請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項5】
各xが、独立して、3以上である、請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項6】
各yが、独立して、1、2又は3である、請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項7】
各Z3が、−O−である、請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項8】
各Z2が、独立して、−O−を表す、請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項9】
各Mが、独立して、少なくとも3価の多価有機基である、請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項10】
Xが、パーフルオロアルキレンジオキシ基である、請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項11】
Mが、2,2−ビス(イロメチル)ブタン−1−イル、エチレン、2,2−ビス(イロメチル)−プロパン−1,3−ジイル、および、2,2,6,6−テトラキス(イロメチル)−4−オキサヘプタン−1,7−ジイル、ブタン−1,3−ジイル、ヘキサン−1,6−ジイル、および1,4−ビス(イロメチル)シクロヘキサンからなる群から選択される、請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項12】
少なくとも1つの追加のフリーラジカル重合性モノマーを更に含む、請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項13】
反応性フッ素化ポリエーテルのポリ(メタ)アクリル化合物とのマイケル型付加によって調製可能な、少なくとも1種類の化合物を含む重合性組成物。
【請求項14】
前記化合物が、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、グリセロールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート、これらのいずれかのエトキシ化誘導体、これらのいずれかのプロポキシ化誘導体、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項13に記載の重合性組成物。
【請求項15】
少なくとも1種類の追加のフリーラジカル重合性モノマーを更に含む、請求項13に記載の重合性組成物。
【請求項16】
反応性フッ素化ポリエーテル、および
ポリ(メタ)アクリル化合物、
をそれらのマイケル型付加物を形成するのに十分な条件で混合することを含む、重合性組成物の製造方法であって、前記マイケル型付加物が少なくとも1つの(メタ)アクリル基を有する方法。
【請求項17】
前記反応性フッ素化ポリエーテルが次式
F(RfO)xQZ11NR2
又は
X(RfO)xQZ11NR2
(式中、
各Rfは、独立して、1〜6個の炭素原子を有するフッ素化アルキレン基を表し、
各xは、独立して、2以上の整数を表し、
各Qは、独立して、−CF2−、−CF(CF3)−、−CF2CF2−、−CF2CF2CF2−、−CF2CF(CF3)−、−CF(CF3)CF2−、−CF2CF2CH2−、−CF2CH2−、−CF2CF2C(=O)−、−CF2C(=O)−、−CF(CF3)C(=O)−、−CF(CF3)CH2−、1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基、又は1〜6個の炭素原子を有するヘテロアルキレン基を表し、
1は、−S−、−O−、−NH−、又は−NR2−を表し、
1は、アルキレン基、アラルキレン基、又はヘテロアルキレン基を表し、
2は、独立して、H、又は1〜6個の炭素原子を有するアルキルを表し、
Xは、多価有機基を表す)
で示される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
1が、1〜6個の炭素原子を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
xが、3以上である、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
1が、−NR2−を表す、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
1が、−NH−を表す、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記マイケル型付加物と少なくとも1種類の追加の重合性モノマーを混合することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記マイケル型付加物と少なくとも1種類の追加の重合性モノマーを少なくとも部分的に重合させることを更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記マイケル型付加物と少なくとも1種類の追加の重合性モノマーを混合したものを基材に塗布することを更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記マイケル型付加物と少なくとも1種類の追加の重合性モノマーを少なくとも部分的に重合させて、重合混合物を提供することを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記マイケル型付加物、少なくとも1種類の追加の重合性モノマー、および少なくとも1種類のフリーラジカル光開始剤を混合することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項27】
前記マイケル型付加物と少なくとも1種類の追加の重合性モノマーを少なくとも部分的に重合させることを更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記少なくとも部分的に重合されるマイケル型付加物と少なくとも1種類の追加の重合性モノマーを基材に塗布することを更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記重合性混合物を少なくとも部分的に重合させることを更に含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
次式
(F(RfO)xQZ11NR2CH2CH2C(=O)Z2yM(Z3C(=O)CR3=CH2z
又は
X[((RfO)xQZ11NR2CH2CH2C(=O)Z2yM(Z3C(=O)CR3=CH2zb
(式中、
各Rfは、独立して、1〜6個の炭素原子を有するフッ素化アルキレン基を表し、
各xは、独立して、2以上の整数を表し、
各Qは、独立して、−CF2−、−CF(CF3)−、−CF2CF2−、−CF2CF2CF2−、−CF2CF(CF3)−、−CF(CF3)CF2−、−CF2CF2CH2−、−CF2CH2−、−CF2CF2C(=O)−、−CF2C(=O)−、−CF(CF3)C(=O)−、−CF(CF3)CH2−、1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基、又は1〜6個の炭素原子を有するヘテロアルキレン基を表し、
各Z1、Z2およびZ3は、独立して、−S−、−O−、−NH−、又は−NR2−を表し、
各R1は、独立して、アルキレン基、アラルキレン基、又はヘテロアルキレン基を表し、
各R2は、独立して、H、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、−CH2CH2C(=O)Z2M(Z3C(=O)CR3=CH2z、又は−R11Q(ORfxFを表し、
各R3は、独立して、H、F、又はメチルを表し、
各yおよびzは、独立して、1以上の整数を表し、
各Mは、y+z価の多価有機基を表し、
Xは、b価の多価有機基を表し、
bは、2以上の整数を表す)
によって記載される少なくとも1種類の化合物を含む重合性組成物を少なくとも部分的に重合させることによって調製可能な防汚組成物を基材の少なくとも一部に有する基材を備える、複合物品。
【請求項31】
前記防汚組成物が、少なくとも1種類の追加のフリーラジカル重合性モノマーを更に含む、請求項30に記載の複合物品。
【請求項32】
前記防汚組成物が、ハードコートに支持される、請求項31に記載の複合物品。
【請求項33】
前記複合物品が、情報表示装置プロテクタを含む、請求項31に記載の複合物品。
【請求項34】
前記情報表示装置プロテクタが、反対側にある第1の主面と第2の主面を有する可撓性透明フィルムを備え、前記第1の面に接着剤層が支持され、前記第2の面にハードコート層が支持され、前記ハードコート層に前記防汚組成物の層が支持されている、請求項33に記載の複合物品。
【請求項35】
重合性組成物を少なくとも部分的に重合させることによって調製可能な防汚組成物を基材の少なくとも一部に有する基材を備える複合物品であって、前記重合性組成物が、反応性フッ素化ポリエーテルのポリ(メタ)アクリル化合物とのマイケル型付加によって調製可能な化合物を含む複合物品。
【請求項36】
前記重合性組成物が、少なくとも1種類の追加のフリーラジカル重合性モノマーを更に含む、請求項34に記載の複合物品。
【請求項37】
前記防汚組成物が、ハードコートに支持される、請求項36に記載の複合物品。
【請求項38】
前記複合物品が、情報表示装置プロテクタを含む、請求項36に記載の複合物品。
【請求項39】
前記情報表示装置プロテクタが、反対側にある第1の主面と第2の主面を有する可撓性透明フィルムを備え、前記第1の面に接着剤層が支持され、前記第2の面にハードコート層が支持され、前記ハードコート層に前記防汚組成物の層が支持されている、請求項38に記載の複合物品。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−536393(P2007−536393A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511359(P2007−511359)
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/008572
【国際公開番号】WO2005/113642
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】