説明

アスファルトプラント

【課題】装置の集積化を図ることで、省スペース化と、ビルディング感覚の都市近郊部にマッチするアスファルトプラントを提供する。
【解決手段】アスファルトプラント1の混合タワー2の上段に再生ドライヤ12を積み上げて配設し、再生ドライヤ12から排出される再生材を貯蔵する再生材貯蔵ビン15を混合タワー2内に組み込むと共に、再生材貯蔵ビン15から払い出される再生材をミキサ11に供給する供給手段16を備え、ミキサ11の下位にはミキサ11より排出されるアスファルト合材を保温貯蔵する合材貯蔵サイロ17を複数基配設すると共に、ミキサ11と合材貯蔵サイロ17との間にはアスファルト合材を任意の合材貯蔵サイロ17に投入することのできる投入手段18を配設して、再生ドライヤ12、再生材貯蔵ビン15、合材貯蔵サイロ17を混合タワー2に一体的に組み込んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路舗装材であるアスファルト合材を製造するアスファルトプラントに関する。
【背景技術】
【0002】
道路工事等によって掘り起こされたアスファルト舗装廃材は、加熱再生されて再生材としてアスファルト合材に混入して再利用されており、この加熱再生用のリサイクルプラントは新規アスファルト合材を製造するアスファルトプラントに併設されている。
【0003】
前記リサイクルプラントは、実開平6−63606号公報のように、アスファルトプラントの混合タワーの側部に高架台を別途立設し、該高架台上に再生ドライヤを配設すると共に、該再生ドライヤの排出部の下位に加熱再生材を一時貯蔵する再生材貯蔵ビンを配設し、該再生材貯蔵ビンの下位に計量槽を配設し、該計量槽にて計量した再生材を混合タワーに搭載したミキサに供給する供給装置を備えるようにし、アスファルトプラントの混合タワーの側部の架台上に集積して省スペース化を図るようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平6−63606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のリサイクルプラントにあっては、高架台に再生ドライヤや再生貯蔵ビンを積み上げて一体化することで省スペース化を図っているものの、アスファルトプラントの混合タワーの側部に別途設置するため、敷地内にそれ相応の設置スペースが必要となり、敷地の有効活用が図れない。また、都市近郊部に設置されるアスファルトプラントは外観が重要視され、ビルディング感覚のスマートなプラントが望まれており、敷地内に装置が散在することでビルディング感覚のプラントを構築することもできない。
【0006】
本発明は上記の点に鑑み、装置の集積化を図ることで、省スペース化と、ビルディング感覚の都市近郊部にマッチするアスファルトプラントを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の点に鑑み、上記の課題を解決するために、請求項1に記載のように、骨材ドライヤにより加熱乾燥した骨材を篩い分ける振動篩と、篩い分けた骨材を粒度別に貯蔵する骨材貯蔵ビンと、該骨材貯蔵ビンに貯蔵した骨材を計量する骨材計量槽と、アスファルト合材の材料である石粉、アスファルトの各計量槽と、前記各計量槽から払い出される材料を混合するミキサとを階層状に組み上げ、前記ミキサに骨材、石粉、アスファルトの所定量を投入して混合調整することでアスファルト合材を製造する混合タワーを備えたアスファルトプラントにおいて、前記混合タワーの上段に再生ドライヤを積み上げて配設し、再生ドライヤから排出される再生材を貯蔵する再生材貯蔵ビンを混合タワー内に組み込むと共に、前記再生材貯蔵ビンから払い出される再生材を前記ミキサに供給する供給手段を備え、ミキサの下位にはアスファルト合材を保温貯蔵する合材貯蔵サイロを複数基配設すると共に、ミキサと合材貯蔵サイロとの間にはアスファルト合材を任意の合材貯蔵サイロに投入することのできる投入手段を配設し、再生ドライヤ、再生材貯蔵ビン、合材貯蔵サイロを混合タワーに一体的に組み込んだことを特徴とするアスファルトプラントを提供することにある。
【0008】
また、請求項2のように、前記混合タワーの振動篩の上位の最上段に再生ドライヤを積み上げて配設し、再生ドライヤ、再生材貯蔵ビン、合材貯蔵サイロを混合タワー内に一体的に組み込んだことを特徴とするアスファルトプラントを提供することにある。
【0009】
さらに、請求項3のように、ミキサの下位には合材貯蔵サイロを経ずに車両にアスファルト合材を積み込む合材払い出しシュートを配設したこと特徴とするアスファルトプラントを提供することにある。
【0010】
さらにまた、請求項4のように、混合タワーの外面に外装材を取り付けてビルディング状に形成したことを特徴とするアスファルトプラントを提供することにある。
【発明の効果】
【0011】
本発明のアスファルトプラントは、請求項1のように、混合タワーの上段に再生ドライヤを積み上げて配設し、再生材貯蔵ビン、合材貯蔵サイロ等の装置を混合タワーに一体的に組み込んだので、従来、散在していたリサイクルプラントの再生ドライヤ及び再生貯蔵ビン、それに合材貯蔵サイロが混合タワーに集積化され、省スペース化を図ることができる。
【0012】
また、請求項2記載のアスファルトプラントにあっては、前記混合タワーの振動篩の上位の最上段に再生ドライヤを積み上げて配設し、再生ドライヤ、再生材貯蔵ビン、合材貯蔵サイロを混合タワー内に一体的に組み込んだことによって、上記したようにプラント装置が混合タワーに集積化され、省スペース化を図ることができる。特に、最上段の再生ドライヤで加熱乾燥して排出される加熱廃材をできるだけ重力により落下させて貯蔵し、下位の装置に供給するようにできて、プラントの簡素化、混合タワーの省スペース化を図れる。
【0013】
さらに、請求項3記載のアスファルトプラントにあっては、ミキサの下位には合材貯蔵サイロを経ずに直接車両にアスファルト合材を積み込む合材払い出しシュートを配設することによって、合材貯蔵サイロに貯蔵するアスファルト合材と異なる種類のアスファルト合材でも柔軟に製造出荷することができる。
【0014】
さらにまた、請求項4記載のアスファルトプラントにあっては、混合タワーの外面に外装材を取り付けてビルディング状に形成したことによって、上記したようにプラント装置を混合タワーに集積化して、省スペース化を図りつつ、その外面を外装材によって一体的に囲えて外観のスマートなビルディング感覚のアスファルトプラントを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施例を示す概略正面図、
【図2】同上の概略側面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明のアスファルトプラントは、骨材ドライヤにより加熱乾燥した骨材を篩い分ける振動篩と、篩い分けた骨材を粒度別に貯蔵する骨材貯蔵ビンと、該骨材貯蔵ビンに貯蔵した骨材を計量する骨材計量槽と、アスファルト合材の材料である石粉、アスファルトの各計量槽と、前記各計量槽から払い出される材料を混合するミキサとを階層状に組み上げ、前記ミキサに骨材、石粉、アスファルトの所定量を投入して混合調整することでアスファルト合材を製造する混合タワーを備えたアスファルトプラントにおいて、前記混合タワーの上段に再生ドライヤを積み上げて配設し、再生ドライヤから排出される再生材を貯蔵する再生材貯蔵ビンを混合タワー内に組み込むと共に、前記再生材貯蔵ビンから払い出される再生材を前記ミキサに供給する供給手段を備え、ミキサの下位にはアスファルト合材を保温貯蔵する合材貯蔵サイロを複数基配設すると共に、ミキサと合材貯蔵サイロとの間にはアスファルト合材を任意の合材貯蔵サイロに投入することのできる投入手段を配設し、再生ドライヤ、再生材貯蔵ビン、合材貯蔵サイロを混合タワーに一体的に組み込んだことを特徴としている。
【0017】
アスファルトプラント1は、図1、図2のように5階層等の所要の高階層とした混合タワー2を備え、該混合タワー2に隣接して備えた骨材ドライヤ3で加熱乾燥した新規骨材をバケットエレベータ4によって前記混合タワー2の最上階に搬送して骨材を粒度別に篩い分ける振動篩5に投入し、篩い分けた骨材を下位の骨材貯蔵ビン6に粒度別に貯蔵し、該骨材貯蔵ビン6に貯蔵した骨材を骨材計量槽7で計量する一方、石粉貯蔵ビン8下流の石粉計量槽9にて計量される石粉や、アスファルト貯蔵タンク(図示せず)下流のアスファルト計量槽10にて計量されるアスファルト等と共に下位のミキサ11に払い出して混合するように階層状に組み上げ、前記ミキサ11に骨材、石粉、アスファルトを所定量ずつ投入して混合調整して所望のアスファルト合材を製造するように構成している。
【0018】
そして、この混合タワー2のアスファルトプラント1の前記振動篩5上位の最上段には、再生ドライヤ12を積み上げて配設して、図1、図2のように廃材を地上より持ち上げてドラム13内に供給するバケットエレベータ14を配設し、再生ドライヤ12から排出される再生材を貯蔵する再生材貯蔵ビン15を混合タワー2内に組み込み、前記再生材貯蔵ビン15から払い出される再生材を前記ミキサ11に供給するベルトコンベヤ等の供給手段16を備え、ミキサ11の下位にはアスファルト合材を保温貯蔵する合材貯蔵サイロ17を複数基(図上2基)配設すると共に、ミキサ11と合材貯蔵サイロ17との間にはアスファルト合材を任意の合材貯蔵サイロ17に分配投入することのできる移動ホッパー等の投入手段18を配設し、再生ドライヤ12、再生材貯蔵ビン15、合材貯蔵サイロ17を混合タワー2内に一体的に組み込んで、各プラント装置を混合タワー2に集積化して省スペース化を図っている。
【0019】
骨材ドライヤ3は、円筒状のドラム19を回転自在に傾斜枢支して所定速度で回転させており、供給された骨材をドラム19内部に配設した多数の掻き上げ羽根によって掻き上げながら転動流下させる間にバーナ20により送り込まれる熱風と接触させて所定温度まで加熱し、バケットエレベータ4によって混合タワー2最上階の振動篩5に搬送するようにしている。
【0020】
また、廃材を加熱再生する再生ドライヤ12は、その上流のバーナ21側に、図1、図2のように廃材を地上より持ち上げてドラム13内に供給するバケットエレベータ14を上記のように配設し、再生ドライヤ12下流の排出部には上記したように再生材を一時貯蔵する再生材貯蔵ビン15を配設し、再生ドライヤ12より排出された再生材が重力により落下して貯蔵されるようにしている。
【0021】
再生材貯蔵ビン15の下位には、上記したようにミキサ11より排出されるアスファルト合材をその種類毎に個別に保温貯蔵可能とする複数基の合材貯蔵サイロ17を配設している他、混合タワー2下部まで延びる合材払い出しシュート22を配設しており、合材貯蔵サイロ17を経ずに車両にアスファルト合材を直接積み込むことができるようにして、合材貯蔵サイロ17に貯蔵するアスファルト合材と異なる種類のアスファルト合材でも柔軟に製造出荷できるようにしている。また、前記合材貯蔵サイロ17の下端部にはアスファルト合材を計量して払い出す計量ホッパー23を備えている。
【0022】
このように、プラントの混合タワー2の上層、好ましくは最上段に再生ドライヤ12を搭載し、該再生ドライヤ12の排出部下位に再生材貯蔵ビン15、及び合材貯蔵サイロ17を一体的に配置するようにしたことにより、装置の簡素化、混合タワー2への集積化を図って省スペース化しているものである。特に、再生ドライヤ12を最上段に搭載すると、加熱乾燥して排出された再生材を重力を利用して落下させて貯蔵させ、下位の各装置に効率よく供給するようにできて、プラントの簡素化、混合タワーの省スペース化を効果的に図れる。
【0023】
また、ミキサ11の下位には、合材貯蔵サイロ17を経ずに直接車両にアスファルト合材を積み込み可能とする合材払い出しシュート22を配設しているので、合材貯蔵サイロ17に貯蔵しているアスファルト合材と異なる種類のアスファルト合材でも柔軟に製造出荷することができる。
【0024】
なお、図1、図2において一点鎖線で示したように、アスファルトプラント1の混合タワー2の外面にスレートや化粧鉄板等の外装材24を取り付けてビルディング状に形成し、上記したようにプラント装置を混合タワー2に集積化して、省スペース化したアスファルトプラント1をビルディング感覚に構築することができる。
【0025】
上記では、アスファルトプラント1の混合タワー2の最上段に再生ドライヤ12を搭載して装置の簡素化、混合タワー2への集積化を図って省スペース化したが、本発明の趣旨にもとづいて適宜の変更、追加の実施態様を採択することができる。
【符号の説明】
【0026】
1…アスファルトプラント 2…混合タワー 3…骨材ドライヤ
5…振動篩 6…骨材貯蔵ビン 7…骨材計量槽
11…ミキサ 12…再生ドライヤ 15…再生材貯蔵ビン
16…供給手段(ベルトコンベヤ) 17…合材貯蔵サイロ
18…投入手段(移動ホッパー) 24…外装材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨材ドライヤにより加熱乾燥した骨材を篩い分ける振動篩と、篩い分けた骨材を粒度別に貯蔵する骨材貯蔵ビンと、該骨材貯蔵ビンに貯蔵した骨材を計量する骨材計量槽と、アスファルト合材の材料である石粉、アスファルトの各計量槽と、前記各計量槽から払い出される材料を混合するミキサとを階層状に組み上げ、前記ミキサに骨材、石粉、アスファルトの所定量を投入して混合調整することでアスファルト合材を製造する混合タワーを備えたアスファルトプラントにおいて、
前記混合タワーの上段に再生ドライヤを積み上げて配設し、再生ドライヤから排出される再生材を貯蔵する再生材貯蔵ビンを混合タワー内に組み込むと共に、前記再生材貯蔵ビンから払い出される再生材を前記ミキサに供給する供給手段を備え、ミキサの下位にはアスファルト合材を保温貯蔵する合材貯蔵サイロを複数基配設すると共に、ミキサと合材貯蔵サイロとの間にはアスファルト合材を任意の合材貯蔵サイロに投入することのできる投入手段を配設し、再生ドライヤ、再生材貯蔵ビン、合材貯蔵サイロを混合タワーに一体的に組み込んだことを特徴とするアスファルトプラント。
【請求項2】
前記混合タワーの振動篩の上位の最上段に再生ドライヤを積み上げて配設し、再生ドライヤ、再生材貯蔵ビン、合材貯蔵サイロを混合タワー内に一体的に組み込んだことを特徴とする請求項1記載のアスファルトプラント。
【請求項3】
ミキサの下位には合材貯蔵サイロを経ずに車両にアスファルト合材を積み込む合材払い出しシュートを配設したことを特徴とする請求項1または2記載のアスファルトプラント。
【請求項4】
混合タワーの外面に外装材を取り付けてビルディング状に形成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のアスファルトプラント。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−256615(P2011−256615A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−132518(P2010−132518)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(000201515)前田道路株式会社 (61)
【出願人】(000226482)日工株式会社 (177)
【Fターム(参考)】