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アスベストの封じ込め処理方法及び装置
説明

アスベストの封じ込め処理方法及び装置

【課題】アスベストの飛散が防止されて、安心・安全のアスベストの封じ込め効果が得られる方法と装置を提供すること。
【解決手段】アスベスト層10に無機質・水溶性セラミックコーティング剤を噴霧装置11により吹き付けして固化させ、次いで、これを真空吸塵装置13により集荷・集塵し、次いで、この集荷・集塵したアスベスト塊12を粉砕装置21により粉砕し、次いで、これを無機質・水溶性セラミックコーティング剤26とで混練ミキサー装置23で混練し、次いで、混練されたアスベスト27を成型プレス装置28によりブロック等に圧縮・成型し、次いで、この成型物29を乾燥装置31により乾燥し、次いで、 乾燥処理の成型物の表面全体に、無機質セラミック液を噴霧装置32により吹き付けて全周に被覆層を固化形成して、アスベストの封じ込め施工をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井や壁面等に吹き付け等により施工されたアスベスト(石綿)を固化させて大気中に飛散させることなく除去し、これをリサイクル成型物として圧縮・成型し、かつ成型物の全周に固化層を形成することによってアスベストを封じ込め、アスベストを無害化処理することを可能としたアスベストの封じ込め処理方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のように、アスベストは建築材料、耐火・断熱材、電気絶縁材料として利用されてきたが、発がん性があるとして使用が禁止されている。
【0003】
そこで、既に施工されているアスベストを処理しなければならないが、これの処理方法としては、アスベストを除去してこれをコンクリートで固め、海中等に廃棄する方法、アスベストをベニヤ板等で外に出ないように囲い込む方法、アスベストの表面に塗装加工を施して固化させる封じ込め方法の三つの方法がある。
【0004】
アスベストを除去してこれをコンクリートで固め、海中等に廃棄する方法では、アスベストが水の中、海の中で飛散する恐れがあって、完全ではなく、また、アスベストをベニヤ板等で外に出ないように囲い込む方法は、一時的な飛散防止策であって、地震等による建物崩壊時のアスベストの飛散を防止することはできず、アスベストを除去して無害化しない限り根本的な解決にはならない。
【0005】
また、アスベストの表面を固化する方法は、一時的にアスベストの飛散を防止するだけであって、いずれ行うアスベスト除去工事の先送りに過ぎない。
【0006】
特許文献1には、アスベストを回収ホースで吸引回収して、この回収アスベストをサイクロン回転破砕装置に輸送して圧縮袋詰めにし、または切換弁の切換えによって混練ミキサーに輸送して固化材と混合し、固化させる装置が開示されている。
【0007】
しかしながら、この装置では、アスベストを吸引回収する際においてアスベストが飛散する恐れがあるばかりか、圧縮して袋詰めにしたところで、いずれこれの無害化と廃棄処理が必要となり、また、固化材との混合による固化処理では、固化処理物の表面保護がなされていないために耐候性に劣り、水の中や海の中で飛散する恐れがある。
【0008】
特許文献2には、アスベスト廃材に、溶媒として一般産業廃棄物の焼却灰のほぼ同一重量を混合し、重油バーナーを有する溶融炉内でその排熱を利用する熱交換器により高温化した空気を高速度で供給しながら、約1800℃の温度で溶融したスラグを外部へ取出して固化させる方法及び装置が開示されている。
【0009】
しかしながら、この方法及び装置では、アスベスト廃材を集荷する際において、アスベスト自体に何ら飛散防止手段が施されていないため、有害物質が大気中に飛散放出する危険がある。
【特許文献1】実開平7−43605号公報
【特許文献2】特開平8−141537号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする問題点は、アスベストを集荷・集塵する際にアスベストが大気中に飛散するという点である。
【0011】
また、固化処理されたアスベストの表面保護がなされていないために、衝撃によるアスベストの飛散を防止できないという点である。
【0012】
従って、本発明の目的は、アスベスト内部に、ナノ超微粒子半透明液である無機質・水溶性セラミックコーティング剤を含浸・浸透させて固化・封じ込めることにより、アスベストの集荷・集塵する段階からアスベストの大気中への飛散を防止し得る方法と装置を提供することにある。
【0013】
また、本発明の目的は、アスベスト成型物の表面全体に、無機質セラミック液による被覆層を固化形成して、アスベストを封じ込めることにより、表面硬度を上げてアスベストの衝撃飛散を防止し得る方法と装置を提供することにある。
【0014】
また、本発明の目的は、アスベストを無公害化処理し、かつ圧縮・成型してリサイクル成型物を得ることができる方法と装置を提供することにある。
【0015】
これらの目的を達成するため、本発明の請求項1に記載のアスベストの封じ込め処理方法は、アスベストに、ナノ超微粒子半透明液である無機質・水溶性セラミックコーティング剤を噴霧装置により噴霧吹き付けして、前記無機質・水溶性セラミックコーティング剤を前記アスベスト内部に含浸・浸透させてアスベストと一体化して固化させる第一の工程と、
前記固化処理されたアスベストを、真空吸塵装置によって集荷・集塵する第二の工程と、
前記集荷・集塵されたアスベストを粉砕装置によって細かく粉砕する第三の工程と、
前記粉砕処理されたアスベストと前記無機質・水溶性セラミックコーティング剤を混練ミキサー装置に投入して混練する第四の工程と、
混練処理されたアスベストを、成型プレス装置によって目的とする成型物に圧縮・成型する第五の工程と、
圧縮・成型処理された成型物を前記成型プレス装置より搬出して、乾燥装置により乾燥する第六の工程と、
乾燥処理された成型物の表面全体に、無機質セラミック液を噴霧装置により吹き付けて全周に被覆層を固化形成して、アスベストの封じ込め施工をする第七の工程
からなる構成を特徴とするものである。
【0016】
本発明の請求項2に記載のアスベストの封じ込め処理方法は、前記第七の工程において、無機質セラミック液が着色液とされていることを特徴とするものである。
【0017】
本発明の請求項3に記載のアスベストの封じ込め処理装置は、アスベストに、ナノ超微粒子半透明液である無機質・水溶性セラミックコーティング剤を噴霧吹き付けして、前記無機質・水溶性セラミックコーティング剤を前記アスベスト内部に含浸・浸透させてアスベストと一体化して固化させるための噴霧装置と、
前記固化されたアスベストを集荷・集塵するための真空吸塵装置と、
前記集荷・集塵されたアスベストを細かく粉砕するための粉砕装置と、
前記粉砕処理されたアスベストと前記無機質・水溶性セラミックコーティング剤を投入して混練するための混練ミキサー装置と、
前記混練処理されたアスベストを目的とする成型物に圧縮・成型するための成型プレス装置と、
前記圧縮・成型処理され、搬出された成型物を乾燥するための乾燥装置と、
前記乾燥処理された成型物の表面全体に、無機質セラミック液を吹き付けて全周に被覆層を固化形成して、アスベストの封じ込め施工をするための噴霧装置
を備えた構成を特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1及び2に記載の発明によれば、 アスベストに噴霧吹き付けされた無機質・水溶性セラミックコーティング剤は、ナノ超微粒子半透明液であるから、微粒子そのものがバインダー(接着剤)機能を有して分子間結合をしながらアスベストの内部全体へ深く含浸・浸透していき、以後アスベストと一体化して固化するため、真空吸塵装置によるアスベストの集荷・集塵時において、アスベストの飛散が防止され、安心・安全のアスベストの封じ込め効果が得られる。
【0019】
また、集荷・集塵されたアスベストは細かく粉砕され、無機質・水溶性セラミックコーティング剤と混練されて圧縮・成型され、成型物の表面全体は、固化された無機質セラミック層により被覆されてアスベストは封じ込められているから、表面硬度が上がってアスベストの衝撃飛散防止の効果が得られる。
【0020】
また、アスベストの処理物を圧縮・成型し、かつ成型物の全表面に無機セラミックの被覆層を固化形成してアスベストを封じ込め処理したから、無公害のブロック等のリサイクル成型物に転用して利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態についてその作用と共に説明する。
【0022】
図1は、本発明に係るアスベストの封じ込め処理方法の一実施例でのブロック図、図2は、本発明に係るアスベストの封じ込め処理装置の一実施例での系統図、図3は、クラッシャーの概略正面図、図4は、同上の側面図である。
【0023】
これら図において、例えば、天井に吹き付け施工されているアスベスト層10を処理するには、ブロック図である図1において、先ず、1で、アスベスト層10に固化剤を含浸させる。
【0024】
固化剤は、常温で硬化するナノ超微粒子半透明液である無機質・水溶性セラミックコーティング剤(株式会社IDT日板 商品名:
セラリア)である。
【0025】
この固化剤である無機質・水溶性セラミックコーティング剤を、図2に示すように、噴霧装置11により、例えば5キロ圧程度の比較的低圧でアスベスト層10の表面に噴霧して吹き付け、含浸・浸透させる。
【0026】
すると、無機質・水溶性セラミックコーティング剤はナノ超微粒子であるから、分子間結合をしながらアスベスト層10の内部へ深く含浸していき、以後アスベスト層10と一体化して固化する。
【0027】
次いで、無機質・水溶性セラミックコーティング剤による完全に固まらない硬化状態で、図1において、2で、アスベスト層10からアスベスト12を除去して集荷・集塵する。
【0028】
アスベスト12の集荷・集塵は、図2に示すように、真空吸塵装置13により行われる。
【0029】
真空吸塵装置13は、上下に突設された複数の粉砕刃15を有するクラッシャー14、このクラッシャー14と連結された集塵ホース16、この集塵ホース16が接続された集塵タンク17、この集塵タンク17と配管18を介して連結された真空吸塵機本体19、この本体19と接続されたエアー源としてのコンプレッサー20から構成されている。
【0030】
なお、特に図示しないが、配管18、本体19等の所要部位には除塵フィルタが装着され、これらフィルタを通して吸引されてくる空気は清浄化されるようになっている。
【0031】
そして、アスベスト層10が完全に固まらない硬化の状態において、コンプレッサー20を作動させると吸引側に吸引力が発生し、その吸引力は本体19、配管18、集塵タンク17、集塵ホース16を通してクラッシャー14に作用する。すると、アスベスト層1
0は吸引されて剥がされるとともに、剥がされたアスベストは複数の粉砕刃15により適度に粉砕されて集塵ホース16内に詰まることなく、アスベスト塊12は集塵タンク17内に集荷・集塵される。
【0032】
天井の隅や剥がれ落ちることなく残っているアスベスト層は、作業者の手作業により除去され、真空吸塵装置13によって集塵タンク17内に集荷・集塵される。
【0033】
これら真空吸塵装置13によるアスベストの集荷・集塵作業時において、アスベスト層10は吹き付けされてアスベストの内部全体へ深く含浸・浸透した無機質・水溶性セラミックコーティング剤によってアスベストと一体化して固化しているため、アスベストの飛散が防止され、安心・安全にアスベストの集荷・集塵作業を行うことができる。
【0034】
集塵タンク17に集荷・集塵されたアスベスト塊12を、図1において、3で、細かくし、空隙を無くし固化感を出すために粉砕する。
【0035】
アスベスト塊12の粉砕は、図2に示すように、粉砕ローラー等を備えた公知の粉砕装置21により行われる。
【0036】
粉砕装置21で細かく粉砕されたアスベスト22を、図1において、4で、 無機質・水溶性セラミックコーティング剤と混練する。
【0037】
粉砕アスベスト22と無機質・水溶性セラミックコーティング剤26との混練は、図2に示すように、混練ミキサー、スクリュー24を備えた公知の混練ミキサー装置23により行われ、粉砕装置21からの粉砕アスベスト22と、粉砕アスベスト22の吐出量に合わせて設定されたタンク25からの無機質・水溶性セラミックコーティング剤26が適度に混練される。
【0038】
次いで、混練ミキサー装置23で混練され、スクリュー24で押し出された混練アスベスト27を、図1において、5で、圧縮・成型する。
【0039】
この圧縮・成型は、図2に示すように、上下の木枠等で圧縮・成型する公知の圧縮プレス装置28により行われる。
【0040】
次いで、圧縮・成型された成型物29を、図1において、6で、圧縮プレス装置28より搬出して乾燥する。
【0041】
成型物29は壊れ易いため、図2に示すように、成型物29が固着しないPP板30に載せたまま圧縮プレス装置28から搬出し、乾燥装置31であるアーチドライヤー内を通過させて乾燥する。
【0042】
次いで、乾燥させた成型物29を、図1において、7で、表面に無機質セラミックの固化加工を施す。
【0043】
この固化加工は、図2に示すように、成型物29の表面全体に、着色加工の無機質セラミック液を公知の噴霧装置32により吹き付けて全周に無機質セラミックの着色被覆層33を固化形成して、アスベストを封じ込め、これによりブロック等のリサイクル成型物8として転用が可能となった。
【0044】
このように、アスベストの封じ込め処理は、噴霧装置11、真空吸塵装置13、粉砕装置21、混練ミキサー装置23、圧縮プレス装置28、乾燥装置31、噴霧装置32によりなされるが、これら装置を一体化したものとしてトラックに積載して現場へ移動し、トラック上において行うようにしても良く、また、各装置をいくつかの装置群に分割してトラックに積載し、この装置群を現場において連係組立して作業を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係るアスベストの封じ込め処理方法の一実施例でのブロック図である。
【図2】本発明に係るアスベストの封じ込め処理装置の一実施例での系統図である。
【図3】クラッシャーの概略正面図である。
【図4】同上の側面図である。
【符号の説明】
【0046】
10 アスベスト層
11 噴霧装置
12 アスベスト塊
13 真空吸塵装置
14 クラッシャー
15 粉砕刃
16 集塵ホース
17 集塵タンク
18 配管
19 真空吸塵機本体
20 コンプレッサー
21 粉砕装置
22 粉砕アスベスト
23 混練ミキサー装置
24 スクリュー
25 タンク
26 無機質・水溶性セラミックコーティング剤
27 混練アスベスト
28 圧縮プレス装置
29 成型物
30 PP乗せ板
31 乾燥装置
32 噴霧装置
33 無機質セラミックの着色被覆固化層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスベストに、ナノ超微粒子半透明液である無機質・水溶性セラミックコーティング剤を噴霧装置により噴霧吹き付けして、前記無機質・水溶性セラミックコーティング剤を前記アスベスト内部に含浸・浸透させてアスベストと一体化して固化させる第一の工程と、
前記固化処理されたアスベストを、真空吸塵装置によって集荷・集塵する第二の工程と、
前記集荷・集塵されたアスベストを粉砕装置によって細かく粉砕する第三の工程と、
前記粉砕処理されたアスベストと前記無機質・水溶性セラミックコーティング剤を混練ミキサー装置に投入して混練する第四の工程と、
混練処理されたアスベストを、成型プレス装置によって目的とする成型物に圧縮・成型する第五の工程と、
圧縮・成型処理された成型物を前記成型プレス装置より搬出して、乾燥装置によって乾燥する第六の工程と、
乾燥処理された成型物の表面全体に、無機質セラミック液を噴霧装置により吹き付けて全周に被覆層を固化形成して、アスベストの封じ込め施工をする第七の工程
からなるアスベストの封じ込め処理方法。
【請求項2】
前記第七の工程において、無機質セラミック液が着色液とされている請求項1のアスベストの封じ込め処理方法。
【請求項3】
アスベストに、ナノ超微粒子半透明液である無機質・水溶性セラミックコーティング剤を噴霧吹き付けして、前記無機質・水溶性セラミックコーティング剤を前記アスベスト内部に含浸・浸透させてアスベストと一体化して固化させるための噴霧装置と、
前記固化されたアスベストを集荷・集塵するための真空吸塵装置と、
前記集荷・集塵されたアスベストを細かく粉砕するための粉砕装置と、
前記粉砕処理されたアスベストと前記無機質・水溶性セラミックコーティング剤を投入して混練するための混練ミキサー装置と、
前記混練処理されたアスベストを目的とする成型物に圧縮・成型するための成型プレス装置と、
前記圧縮・成型処理され、搬出された成型物を乾燥するための乾燥装置と、
前記乾燥処理された成型物の表面全体に、無機質セラミック液を吹き付けて全周に被覆層を固化形成して、アスベストの封じ込め施工をするための噴霧装置
を備えた構成を特徴とするアスベストの封じ込め処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−283242(P2007−283242A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−115072(P2006−115072)
【出願日】平成18年4月19日(2006.4.19)
【特許番号】特許第3831749号(P3831749)
【特許公報発行日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【出願人】(392023038)宝養生資材株式会社 (18)
【Fターム(参考)】