説明

アトルバスタチン製剤

食物のアトルバスタチンのバイオアベイラビリティに対する影響を減少させるアトルバスタチン組成物及びそのような組成物を製造するための方法が提供される。また、本発明の組成物の投与により低密度リポタンパク質を低下させる方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2005年11月21日付けで出願された米国特許仮出願番号付与待ちの当該仮出願(代理人整理番号第1662/98401)の利益を主張するものである。この内容は、引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明の分野
本発明は、食物のアトルバスタチンのバイオアベイラビリティに対する影響を減少させるアトルバスタチン組成物、そのような組成物を製造するための方法、及び本発明の組成物を投与することにより低密度リポタンパク質を低下させる方法を包含する。
【背景技術】
【0003】
アトルバスタチンは、[R−(R*,R*)]−2−(4−フルオロフェニル)−β,δ−ジヒドロキシ−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−[(フェニルアミノ)カルボニル]−1H−ピロール−1−ヘプタン酸の化学名を有し、式(I)のラクトン型及び式(II)のそのカルシウム塩において以下のように表現される:
【化1】

【0004】
アトルバスタチンは、スタチンと呼ばれる薬剤のクラスのメンバーである。スタチンは、明らかに、現在、対象の血流中の低密度リポタンパク質(LDL)粒子濃度を低下させるのに利用可能な最も治療上効果的な薬剤である。
【0005】
スタチン薬剤の作用機構は、詳細に解明されてきた。スタチンは、おそらく、還元酵素である3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリル−コエンザイム(「HMG−CoA還元酵素」)を競合阻害することにより、肝臓中でコレステロール及び他のステロールの合成を阻害する。HMG−CoA還元酵素は、HMGのメバロン酸塩への変換を触媒すると報告されており、これはコレステロールの生合成における律速段階である。
【0006】
アトルバスタチンは、一応米国特許第4,681,893号に開示されている。アトルバスタチンヘミ−カルシウム塩三水和物は、LIPITOR(登録商標)の名前でPfizer,Inc.により市販されている。
【0007】
一般的に、任意の特定の治療剤の吸収及びバイオアベイラビリティは、経口投与された場合、多くの因子により影響を受け得ることが知られている。一般的に、薬剤の胃滞留時間は、通常絶食状態よりも食物の存在下での方が顕著に長いので、このような因子には、消化(GI)管中の食物の存在が含まれる。薬剤のバイオアベイラビリティは、GI管中の食物の存在に起因して特定の程度を越えて影響を受ける場合には、薬剤は「食物効果」を示すと言われる。
【0008】
薬剤が有害な食物効果を示す場合、摂食したばかりの患者にそれを投与することに関連した危険性が存在するので、食物効果は重要である。この危険性は、血流への吸収が、薬剤が投与される症状を治療するのに不十分な吸収の危険を患者にさらす程度まで有害な影響を受け得るという可能性に由来する。
【0009】
アトルバスタチンは、単独で摂取された場合と比較して、食物を摂取した場合には非常に低い吸収を有することが報告されている。従って、アトルバスタチン製剤の開発における主な挑戦の1つは、食物のアトルバスタチンのバイオアベイラビリティに対する影響である。例えば、アトルバスタチンのバイオアベイラビリティは、食物と一緒に摂取した場合、明らかに70%まで低下し得る。
【0010】
従って、アトルバスタチンの投与が直面する食物効果を効果的に減少させるアトルバスタチン製剤及びそれらの調製方法が必要とされている。
【発明の開示】
【0011】
発明の概要
本発明は、アトルバスタチンの投与に関連した食物効果を効果的に減少させるアトルバスタチン製剤を提供する。
【0012】
1つの実施態様において、本発明は、アトルバスタチン及び医薬として許容される賦形剤を含んで成る、アトルバスタチンの投与が直面する食物効果を減少させる医薬投与形態であって、Cmax値により特徴付けられた場合に約45%未満の食物効果を示し、アトルバスタチンは、アトルバスタチンヘミ−カルシウム型V、最大で約50ミクロンの平均粒径を有するアトルバスタチン、及び微粉化アトルバスタチンから成る群から選択される少なくとも1つのアトルバスタチンを含む前記医薬投与形態を包含する。
【0013】
別の実施態様において、本発明は、アトルバスタチン及び医薬として許容される賦形剤を含んで成る、アトルバスタチンの投与が直面する食物効果を減少させる医薬投与形態であって、Cmax値により特徴付けられた場合に約45%未満の食物効果を示し、アトルバスタチンは、アトルバスタチンヘミ−カルシウム型V及び微粉化アトルバスタチンから成る群から選択される少なくとも1つのアトルバスタチンを含む前記医薬投与形態を包含する。好ましくは、微粉化アトルバスタチンは、最大で約20ミクロン、より好ましくは最大で約10ミクロンの平均粒径を有する。
【0014】
好ましくは、この投与形態は、Cmax値により特徴付けられた場合、約30%未満、より好ましくは約20%未満の食物効果を示す。
【0015】
好ましい実施態様において、本発明の投与形態は、約80mgのアトルバスタチンを投与した場合、少なくとも約20ng/mlのCmax-fedを提供する。好ましくは、約80mgのアトルバスタチンを投与した場合、Cmax-fedは、少なくとも約30ng/ml、より好ましくは少なくとも約40ng/mlである。
【0016】
好ましくは、この投与形態は、アトルバスタチンヘミ−カルシウム型V、最大で約50ミクロンの平均粒径を有するアトルバスタチンヘミ−カルシウム型VIII、微粉化ヘミ−カルシウム型V、又は微粉化ヘミ−カルシウム型VIIIのうちの少なくとも1つを含む。また好ましくは、この投与形態は、アトルバスタチンヘミ−カルシウムエタノレート(ethanolate)(最大で3%のエタノールを含む)、アトルバスタチンヘミ−カルシウムイパノレート(ipanolate)(最大で6%のイソプロパノールを含む)、又はアトルバスタチンヘミ−カルシウム水和物のうちの少なくとも1つを含む。
【0017】
別の好ましい実施態様において、この投与形態は、最大で約20ミクロン、より好ましくは最大で約10ミクロンの平均粒径を有するアトルバスタチンを含む。
【0018】
1つの好ましい実施態様において、賦形剤は、ビタミンE、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶性セルロース、クロスポビドン、重炭酸ナトリウム、メグルミン、ポラクリリン(polacrilin)、リン酸カルシウム、ラクトース、コロイドシリコーン二酸化物、タルク、ステアリン酸マグネシウム、クロスカルメロース、炭酸ナトリウム、ポリプラスドン(polyplasdone)、マグネシウム・アルミニウム・ケイ酸塩、ナトリウム・ステアリル・フマル酸塩、及びコーティングから成る群から選択される少なくとも1つのメンバーである。
【0019】
別の好ましい実施態様において、賦形剤は、マンニトール、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、ビタミンE、トリス・ヒドロキシメチルアミノエタン、無水第二リン酸カルシウム、ナトリウム・ステアリル・フマル酸塩、及びコーティングから成る群から選択される少なくとも1つのメンバーである。
【0020】
更なる実施態様において、賦形剤は、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、カルシウム・マグネシウム炭酸塩、ナトリウム、カリウム又はアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩;リン酸のアンモニウム塩又はアルカリ金属塩又はピロリン酸塩;カルボン酸又は脂肪酸のアンモニウム塩又はアルカリ金属塩;カルシウム・マグネシウム酢酸塩、アスパラギン酸又はグルタミン酸のアンモニウム塩又はアルカリ金属塩;リジン又はアルギニンの炭酸塩;リジン、アルギニン、シスチン又はヒスチジンの重炭酸塩;リジン、アルギニン、トリプトファン、ヒスチジン、アスパラギン又はグルタミンの遊離塩基形態;リジン、アルギニン又はヒスチジンのカルボン酸塩;シスチン、フェノール、ビオフェノール(biophenol)又はフラボノイドの塩形態、ビタミンP、チロシン、イソフラボン、アミン官能基を担持するポリマー、それらの塩形態において酸官能基を担持するポリマー、酢酸ポリビニル又はフタル酸ポリビニル;及び、4.5超の等電点を有するペプチド又はタンパク質から成る群から選択される少なくとも1つのメンバーである。
【0021】
好ましくは、この投与形態は、経口投与形態、より好ましくは錠剤形態である。
【0022】
本発明は、本発明の投与形態を調製する方法も包含する。
【0023】
1つの実施態様において、本発明は、アトルバスタチンの投与が直面する食物効果を減少させる医薬投与形態を調製する方法であって、アトルバスタチン及び医薬として許容される賦形剤の混合物を調製すること、及びこの混合物を投与形態へと製剤化することを含んで成り、当該投与形態が、Cmax値により特徴付けられた場合に約45%未満の食物効果を示し、アトルバスタチンは、アトルバスタチンヘミ−カルシウム型V、最大で約50ミクロンの平均粒径を有するアトルバスタチン、及び微粉化アトルバスタチンから成る群から選択される少なくとも1つのアトルバスタチンを含む、前記方法を包含する。
【0024】
1つの実施態様において、本発明は、アトルバスタチンの投与が直面する食物効果を減少させる医薬投与形態を調製する方法であって、アトルバスタチン及び医薬として許容される賦形剤の混合物を調製すること、及びこの混合物を投与形態へと製剤化することを含んで成り、当該投与形態が、Cmax値により特徴付けられた場合に約45%未満の食物効果を示し、アトルバスタチンは、アトルバスタチンヘミ−カルシウム型V、及び微粉化アトルバスタチンから成る群から選択される少なくとも1つのアトルバスタチンを含む、前記方法を包含する。
【0025】
好ましくは、賦形剤は、ビタミンE、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶性セルロース、クロスポビドン、重炭酸ナトリウム、メグルミン、ポラクリリン(polacrilin)、リン酸カルシウム、ラクトース、コロイドシリコーン二酸化物、タルク、ステアリン酸マグネシウム、クロスカルメロース、炭酸ナトリウム、ポリプラスドン(polyplasdone)、マグネシウム・アルミニウム・ケイ酸塩、ナトリウム・ステアリル・フマル酸塩、及びコーティングから成る群から選択される少なくとも1つのメンバーである。
【0026】
また好ましくは、賦形剤は、マンニトール、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、ビタミンE、トリス・ヒドロキシメチルアミノエタン、無水第二リン酸カルシウム、ナトリウム・ステアリル・フマル酸塩、及びコーティングから成る群から選択される少なくとも1つのメンバーである。
【0027】
賦形剤は、また好ましくは、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、カルシウム・マグネシウム炭酸塩、ナトリウム、カリウム又はアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩;リン酸のアンモニウム塩又はアルカリ金属塩又はピロリン酸塩;カルボン酸又は脂肪酸のアンモニウム塩又はアルカリ金属塩;カルシウム・マグネシウム酢酸塩、アスパラギン酸又はグルタミン酸のアンモニウム塩又はアルカリ金属塩;リジン又はアルギニンの炭酸塩;リジン、アルギニン、シスチン又はヒスチジンの重炭酸塩;リジン、アルギニン、トリプトファン、ヒスチジン、アスパラギン又はグルタミンの遊離塩基形態;リジン、アルギニン又はヒスチジンのカルボン酸塩;シスチン、フェノール、ビオフェノール(biophenol)又はフラボノイドの塩形態、ビタミンP、チロシン、イソフラボン、アミン官能基を担持するポリマー、それらの塩形態において酸官能基を担持するポリマー、酢酸ポリビニル又はフタル酸ポリビニル;又は、4.5超の等電点を有するペプチド又はタンパク質から成る群から選択される少なくとも1つのメンバーである。
【0028】
好ましい実施態様において、アトルバスタチンの投与が直面する食物効果を減少させる医薬投与形態を調製する方法は、アトルバスタチン及び医薬として許容される賦形剤の混合物を調製すること、この混合物を造粒して顆粒を形成すること、及びこの顆粒を投与形態へと製剤化することを含んで成る。
【0029】
別の好ましい実施態様において、アトルバスタチンの投与が直面する食物効果を減少させる医薬投与形態を調製する方法は、アトルバスタチン及び少なくとも1つの医薬として許容される賦形剤の混合物を調製すること、ビタミンE及びヒドロキシプロピルセルロースを含んで成る溶液を調製すること、この溶液を上記混合物と共に造粒して顆粒を得ること、クロスポビドン又はコロイドシリコーン二酸化物の少なくとも1つをこの顆粒と混合すること、及びステアリン酸マグネシウム又はタルクの少なくとも1つを加えて投与形態を形成すること、を含んで成る。好ましくは、微結晶性セルロース、クロスポビドン、重炭酸ナトリウム、メグルミン、ポラクリリン・カリウム、無水第二リン酸カルシウム、及びラクトース一水和物から成る群から選択される少なくとも1つのメンバーを、造粒の前にアトルバスタチンと共に混合物に加える。
【0030】
より好ましい実施態様において、アトルバスタチンの投与が直面する食物効果を減少させる医薬投与形態を調製する方法は、アトルバスタチンヘミ−カルシウム、微結晶性セルロース、クロスポビドン、重炭酸ナトリウム、メグルミン、ポラクリリン・カリウム、無水第二リン酸カルシウム、及びラクトース一水和物の混合物を調製すること、ビタミンE及びヒドロキシプロピルセルロースを含んで成る溶液を調製すること、この溶液を上記混合物と共に造粒して顆粒を得ること、クロスポビドン及びコロイドシリコーン二酸化物をこの顆粒と共に混合すること、ステアリン酸マグネシウム及びタルクを加えて顆粒混合物を形成すること、この顆粒混合物を錠剤へと圧縮すること、及びこの錠剤をコーティングして投与形態を形成すること、を含んで成る。
【0031】
好ましい実施態様において、本発明の投与形態は、経口投与形態、好ましくは錠剤形態、より好ましくはコーティングされた錠剤形態に製剤化される。
【0032】
本発明の別の実施態様は、有効量の本発明の投与形態を、それを必要としている患者に投与することにより、低密度リポタンパク質を低下させる方法を包含する。
【0033】
発明の詳細な説明
本発明は、アトルバスタチンの投与が直面する食物効果を減少させる医薬投与形態、それらの調製のための方法、及びそれを使用する処置方法を包含する。
【0034】
1つの実施態様において、本発明は、アトルバスタチン及び医薬として許容される賦形剤を含んで成る、アトルバスタチンの投与が直面する食物効果を減少させる医薬投与形態であって、約45%未満の以下に規定される食物効果を示す前記医薬投与形態を包含する。好ましくは、この食物効果は、約30%未満、より好ましくは約20%未満である。
【0035】
本明細書中で使用する場合、「食物効果」は、対象中の薬物の最大の血漿中の濃度(Cmax)が、GI管中の食物の存在により、特定の程度を超えて影響を受ける場合に発生する。
【0036】
食物効果は、例えばToothaker et al.(ANN.REV.PHARMACOL.TOXICOL.,vol.20,173−199,1980)、又はWelling et al.(J.PHARM.SCI.vol.68(2),pp.150−155,(1979))に記載されているように検出及び定量することができる。食物効果は、例えば横座標(X軸)の時間に対して縦座標(Y軸)にアトルバスタチンの血清濃度(例えば、μg/mL)を示す濃度曲線下面積(AUC)を測定することにより、検出及び定量することができる。一般的に、AUCに関する値は、患者試験集団中の全ての対象から得られる多くの値を表し、従って試験集団全体を平均した平均値である。対象の摂食集団に関する濃度曲線下面積(AUCfed)を測定し、それを絶食対象の同一集団に関する面積(AUCfast)と比較することにより、与えられた薬物が有害な食物効果を示すか否かを決定することができる。例えば、食物効果は以下のように決定することができる:
食物効果=AUCfast/AUCfed*100。
【0037】
対象の集団に対してアトルバスタチンのピーク血漿濃度(Cmax)を測定することによっても、食物効果を測定することができる。絶食対象の集団に対してアトルバスタチンのピーク血漿濃度(Cmax-fast)を測定し、それを摂食対象の集団に対するアトルバスタチンのピーク血漿濃度(Cmax-fed)と比較することにより、所定の薬剤が有害な食物効果を有するか否かを決定することができる。
【0038】
本発明によると、食物効果は以下のように測定することができる:
食物効果=(Cmax-fast−Cmax-fed)/Cmax-fast×100
【0039】
本明細書中で用いる場合、Cmax値により特徴付けられた場合に約45%未満である場合に、食物効果は「減少した」とみなされる。
【0040】
別の実施態様において、本発明の投与形態は、約80mgのアトルバスタチンが投与された場合に、約20ng/ml未満のCmax-fedを提供する。好ましくは、Cmax-fedは、約80mgのアトルバスタチンが投与された場合に、少なくとも約30ng/mlであり、より好ましくは約80mgのアトルバスタチンが投与された場合に、少なくとも約40ng/mlである。当業者は、Cmax値が投与された用量に伴って変化するであることを認識するであろう。
【0041】
本明細書中で用いる場合、「摂食対象の集団」は、20分以内に食品医薬品局(FDA)推奨の標準的な高脂肪朝食を食べ、基本的にその直後に試験投与形態を摂取した(すなわち、飲み込んだ)対象から構成されるものである。標準的な高脂肪朝食は、例えば、大さじ一杯のバター中で炒められた2個の卵、2枚のベーコン、6オンスのハッシュブラウンポテト、小さじ2杯のバターを含む2切れのトースト及び2つの塊のゼリー、及び8オンスの全乳から成る。この標準的な高脂肪長足は、約964カロリーを含み、54%は脂肪として供給され(58mg)、12%はタンパク質として供給され、モノグラフ「Nutritive Value of Foods」(U.S. Department of Agriculture Home and Garden Bulletin No.72)を用いて計算された。追加の食物も20分以内に消費されることができ、この対照は「摂食」として適格とされる。定義の目的及びAUCfastの測定に関して「絶食対象」は、投与形態の摂取の前の少なくとも10時間、典型的には一晩食べていなかったものである。
【0042】
本明細書中で用いる場合、用語「アトルバスタチン」は、アトルバスタチン、その任意の無水物、水和物、溶媒和物、塩及び同等物、並びに任意の結晶又は非晶質形態を含む。アトルバスタチンヘミ−カルシウムが好ましい。アトルバスタチンの水和物、イパノレート(最大で6%のイソプロパノールを含む)、及びエタノレート(最大で3%のエタノールを含む)形態が好ましい。
【0043】
本発明の投与形態において用いられるアトルバスタチンは、アトルバスタチンヘミ−カルシウム型V、又は最大で約50μmの平均粒径を有するアトルバスタチンのうちの少なくとも1つを含む。本発明の投与形態において用いられるアトルバスタチンは、微粉化アトルバスタチンも含むことができる。
【0044】
結晶性アトルバスタチンヘミ−カルシウム型Vは、国際公開WO01/36384に開示されており、これはその全てが引用により本明細書中に組み込まれる。結晶性アトルバスタチンヘミ−カルシウム型VIIIは、国際公開WO02/43732に開示されており、これもその全てが引用により本明細書中に組み込まれる。
【0045】
好ましくは、結晶性アトルバスタチンヘミ−カルシウム型Vを含んで成る本発明の投与形態は、少なくとも約50%質量%のアトルバスタチンの量のアトルバスタチンヘミ−カルシウム型Vを含む。このアトルバスタチンは、微粉化又は非微粉化形態であることができる。
【0046】
また好ましくは、結晶性アトルバスタチンヘミ−カルシウム型VIIIを含んで成る本発明の投与形態は、少なくとも約50質量%のアトルバスタチンの量のアトルバスタチンヘミ−カルシウム型VIIIを含む。アトルバスタチンヘミ−カルシウム型VIIIは、好ましくは微粉化形態である。
【0047】
好ましい実施態様において、本発明の投与形態は、最長の中心線を横断して測定した場合に、最大で約50μm、好ましくは最大で20μm、より好ましくは最大で約10μmの平均粒径を有するアトルバスタチンを含む。本明細書中で用いる場合、用語「平均粒径」は、試料中の粒子の少なくとも50%が、特定された大きさを有することを意味する。
【0048】
別の好ましい実施態様において、本発明の投与形態は微粉化アトルバスタチンを含む。一般的に、微粉化形態のアトルバスタチンは、顕著な薬学的な利点を有する。用語「微粉化アトルバスタチン」は、最長の中心線を横断して測定した場合に、粒子の少なくとも約90%が最大で約50ミクロンの粒径を有する粒径分布を有するアトルバスタチンを表す。好ましくは、微粉化アトルバスタチンは、最大で約20ミクロン、より好ましくは最大で約10ミクロンの粒径を有する。
【0049】
微粉化は、粒子に力を適用することを伴う機械的工程であり、それにより粒子の破砕を引き起こし得る。このような力は、高速で粒子の衝突により適用され得る。微粉化は、例えば粉砕、エアージェット・マイクロナイザー(micronizer)、ボールミル、又はピンミルにより実施することができ、微粉化粒子を生成する。
【0050】
粒子の大きさは、当業界で周知の任意の方法により測定される。例えば、以下の方法を用いることができる:ふるい、沈殿、エレクトロゾーン(electrozone)・センシング(coulter counter)、顕微鏡、又は小角レーザー光散乱(LALLS)。本発明に関して好ましい方法は、最も医薬産業で一般的に使用される方法であり、例えばレーザー回折又は篩分析である。
【0051】
本発明の投与形態は、当業界で知られた医薬として許容される任意の賦形剤を含むことができる。
【0052】
好ましい実施態様において、賦形剤は、ビタミンE、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶性セルロース、クロスポビドン、重炭酸ナトリウム、メグルミン、ポラクリリン・カリウムを含むポラクリリン(polacrilin)、リン酸カルシウム、例えば無水第二リン酸カルシウム、一水和物を含むラクトース、コロイドシリコーン二酸化物、タルク、ステアリン酸マグネシウム、クロスカルメロース、炭酸ナトリウム、ポリプラスドン(polyplasdone)、マグネシウム・アルミニウム・ケイ酸塩、ナトリウム・ステアリル・フマル酸塩、及びコーティング、例えばオパドライ(Opadry)のうちの少なくとも1つである。
【0053】
別の好ましい実施態様において、賦形剤は、マンニトール、クロスポビドン、ポリビニルポビドン、ビタミンE、トリス・ヒドロキシメチルアミノエタン、無水第二リン酸カルシウム、ナトリウム・ステアリル・フマル酸塩、及びコーティング、例えばオパドライ(Opadry)のうちの少なくとも1つである。
【0054】
更なる実施態様において、賦形剤は、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、カルシウム・マグネシウム炭酸塩、ナトリウム、カリウム又はアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩;リン酸のアンモニウム塩又はアルカリ金属塩又はピロリン酸塩;カルボン酸又は脂肪酸のアンモニウム塩又はアルカリ金属塩;カルシウム・マグネシウム酢酸塩、アスパラギン酸又はグルタミン酸のアンモニウム塩又はアルカリ金属塩;リジン又はアルギニンの炭酸塩;リジン、アルギニン、シスチン又はヒスチジンの重炭酸塩;リジン、アルギニン、トリプトファン、ヒスチジン、アスパラギン又はグルタミンの遊離塩基形態;リジン、アルギニン又はヒスチジンのカルボン酸塩;シスチン、フェノール、ビオフェノール(biophenol)又はフラボノイドの塩形態、ビタミンP、チロシン、イソフラボン、アミン官能基を担持するポリマー、それらの塩形態において酸官能基を担持するポリマー、酢酸ポリビニル又はフタル酸ポリビニル;及び、4.5超の等電点を有するペプチド又はタンパク質のうちの少なくとも1つである。
【0055】
本発明は、本発明の医薬投与形態を調製する方法も包含する。
【0056】
1つの実施態様において、本発明は、アトルバスタチンの投与が直面する食物効果を減少させる医薬投与形態を調製する方法であって、アトルバスタチン及び医薬として許容される賦形剤の混合物を調製すること、及びこの混合物を投与形態へと製剤化することを含んで成り、当該投与形態が、Cmax値により特徴付けられた場合に約45%未満の食物効果を示す、前記方法を包含する。
【0057】
アトルバスタチンは、アトルバスタチンヘミ−カルシウム型V、最大で約50ミクロンの平均粒径を有するアトルバスタチン、又は微粉化アトルバスタチンのうちの少なくとも1つを含む。別の実施態様において、アトルバスタチンは、アトルバスタチンヘミ−カルシウム型V、又は微粉化アトルバスタチンのうちの少なくとも1つを含む。
【0058】
1つの実施態様において、本発明の医薬投与形態を調製する方法は、アトルバスタチンとビタミンE、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶性セルロース、クロスポビドン、重炭酸ナトリウム、メグルミン、ポラクリリン・カリウムを含むポラクリリン(polacrilin)、リン酸カルシウム、例えば無水第二リン酸カルシウム、一水和物を含むラクトース、コロイドシリコーン二酸化物、タルク、ステアリン酸マグネシウム、クロスカルメロース、炭酸ナトリウム、ポリプラスドン(polyplasdone)、マグネシウム・アルミニウム・ケイ酸塩、ナトリウム・ステアリル・フマル酸塩のうちの少なくとも1つとの混合物を調製すること、この混合物を投与形態へと製剤化することを含む。
【0059】
別の実施態様において、本発明の医薬投与形態を調製する方法は、アトルバスタチンとマンニトール、クロスポビドン、ポリビニルポビドン、ビタミンE、トリス・ヒドロキシメチルアミノエタン、無水第二リン酸カルシウム、ナトリウム・ステアリル・フマル酸塩のうちの少なくとも1つとの混合物を調製すること、この混合物を投与形態へと製剤化することを含む。
【0060】
当業者は、本明細書中で例示されたもののような他の賦形剤を、アトルバスタチンとの混合物に転換することもできることを認識するだろう。
【0061】
本発明の投与形態は、医薬製剤のための慣習の処理技術に従って調製することができ、ここで、成分は、医薬として許容される賦形剤と共に、投与形態へと安定的に処理及び製剤化され、例えば錠剤へと圧縮される。
【0062】
好ましい実施態様において、この方法は、投与形態を、経口投与形態、例えば錠剤へと製剤化することを含む。より好ましくは、この投与形態は、錠剤へと製剤化されて、コーティング、例えばオパドライ(Opadry)を用いてコーティングされる。
【0063】
1つの実施態様において、本発明の医薬投与形態を調製する方法は、アトルバスタチン及び医薬として許容される賦形剤の混合物を調製すること、この混合物を造粒して顆粒を形成すること、及びこの顆粒を投与形態へと製剤化することを含む。
【0064】
用語「造粒」は、顆粒が製造される工程を表す。造粒は、当業界で知られた任意の方法により実施することができる。
【0065】
1つの実施態様において、本発明の医薬投与形態を調製する方法は、アトルバスタチン及び少なくとも1つの医薬として許容される賦形剤の混合物を調製すること、ビタミンE及びヒドロキシプロピルセルロースを含んで成る溶液を調製すること、この溶液を上記混合物と共に造粒して顆粒を得ること、クロスポビドン又はコロイドシリコーン二酸化物の少なくとも1つをこの顆粒と混合すること、及びステアリン酸マグネシウム又はタルクの少なくとも1つを加えて投与形態を形成することを含む。
【0066】
好ましい実施態様において、微結晶性セルロース、クロスポビドン、重炭酸ナトリウム、メグルミン、ポラクリリン、リン酸カルシウム、又はラクトースの少なくとも1つを、造粒の前にアトルバスタチンと共に混合物に加える。好ましくは、全ての成分は、造粒の前に混合物へと加え、より好ましくは、アトルバスタチンカルシウム、微結晶性セルロース、クロスポビドン、重炭酸ナトリウム、メグルミン、ポラクリリン、リン酸カルシウム、及びラクトースの順で加える。
【0067】
より好ましい実施態様において、本発明は、アトルバスタチンと微結晶性セルロース、クロスポビドン、重炭酸ナトリウム、メグルミン、ポラクリリン・カリウム、無水第二リン酸カルシウム、及びラクトース一水和物の少なくとも1つとの混合物を調製すること、ビタミンE及びヒドロキシプロピルセルロースを含んで成る溶液を調製すること、この溶液を上記混合物と共に造粒して顆粒を得ること、クロスポビドン及びコロイドシリコーン二酸化物をこの顆粒と共に混合すること、ステアリン酸マグネシウム及びタルクを加えて顆粒混合物を形成すること、この顆粒混合物を錠剤へと圧縮すること、及びこの錠剤をコーティングして投与形態を形成することにより、アトルバスタチンの投与が直面する食物効果を減少させる医薬投与形態を調製する方法を包含する。
【0068】
本発明の別の実施態様は、有効量の本発明の投与形態をそれを必要とする患者に投与することにより、低密度リポタンパク質を低下させる方法を包含する。
【0069】
本明細書中で用いる場合、「有効量」は、疾患又は他の所望されない病状を処置するために患者に投与された場合に、疾患又は症状の観点から有益な効果を有するのに十分であるアトルバスタチンの量を意味する。「有効量」は、処置される患者の疾患又は症状及びその重度、及び年齢、体重などによって変わるだろう。アトルバスタチンの有効量を決定することは、当業界の通常の技術の範囲内であり、ルーチンな実験以上のものを必要としない。
【0070】
好ましい実施態様におおいて、アトルバスタチンは、約5%〜約20%、より好ましくは約5%〜約10%、より好ましくは約8%の量で存在する。
【0071】
本発明の医薬組成物の好ましい単位投与は、典型的に、0.5〜100mgのアトルバスタチンを含む。より通常には、アトルバスタチンは、2.5mg〜80mgの量の単位用量で存在する。
【0072】
本発明により意図される投与形態は、希釈剤、例えばセルロース誘導物質、例えば粉末セルロース、微結晶性セルロース、超微粒セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩、及び他の置換及び非置換セルロース;デンプン;アルファデンプン;無機希釈剤、例えば炭酸カルシウム及び二リン酸カルシウム及び医薬産業で知られた他の希釈剤を含み得る。また、他の適切な賦形剤は、ワックス、糖及び糖アルコール、例えばマンニトール及びソルビトール、アクリレート重合体及び共重合体、並びにペクチン、デキストリン及びゼラチンを含む。
【0073】
本発明の意図の範囲内である更なる賦形剤は、結合剤、例えばアカシアガム、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、グルコース、及び湿式及び乾式造粒及び直接的な圧縮錠剤化方法において使用される他の結合剤を含む。賦形剤は、更に崩壊剤、例えばナトリウムデンプングリコール酸塩、クロスポビドン、低置換ヒドロキシプロピルセルロース及び他のものを含み得る。更に、賦形剤は、錠剤化潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸カルシウム及びナトリウム・ステアリル・フマル酸塩;香味料;甘味料;防腐剤;薬剤非経口(皮下、筋肉内、及び静脈内を含む)、吸入及び点眼投与を含み得る。任意の初手の場合において最も適切な経路は、処置される症状の性質及び重度に依存するが、本発明の最も好ましい経路は経口である。薬剤は、都合良くは、単位投与形態で存在し、薬剤の当業界で周知の任意の方法により調製することができる。
【0074】
投与形態は、固形投与形態、例えば錠剤、粉末、カプセル、坐剤、サッシェ(sachet)、トローチ及びロセンジ(losenge)、並びに液体懸濁液及びエリキシル剤を含む。
【0075】
カプセル製剤は、ゼラチン又は他の従来の封入物質により作られる。錠剤及び粉末はコーティングすることができる。錠剤及び粉末は、腸溶コーティングでコーティングすることができる。腸溶コーティング粉末形態は、フタル酸セルロース酢酸塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタル酸塩、ポリビニルアルコールフタル酸塩、カルボキシメチルエチルセルロース、スチレンとマレイン酸の共重合体、メタクリル酸とメチルメタクリル酸塩の共重合体などの物質を含んで成るコーティングを有することができ、必要あれば、それらは適切な可塑剤及び/又は増量剤と共に使用することができる。コーティング錠剤は、錠剤の表面上にコーティングを有することができ、或いは腸溶性コーティングで粉末又は顆粒を含んで成る錠剤であることができる。
【0076】
特定の好ましい実施態様を用いて本発明を説明したが、他の実施態様は、明細書を考慮することにより、当業者に対して明らかになるだろう。本発明は、本発明の組成物の調製及び使用方法を詳細に説明する以下の実施例を参照することにより更に規定される。本発明の範囲から逸脱することなく、材料及び方法の両方に対して多くの変更を実施することができることは、当業者に対して明らかとなるだろう。
【実施例】
【0077】
実施例9におけるアトルバスタチン製剤の調製
造粒溶液−ビタミンE(TPGS)及びヒドロキシプロピルセルロースを、95%のエタノールに溶解した。
【0078】
パートI−以下の物質を、以下の順序でDiosna高せん断ミキサー中に移した:ラクトース一水和物、クロスカルメロース・ナトリウム、アトルバスタチンヘミ−カルシウム、メグルミンナトリウム重炭酸塩、無水第二リン酸カルシウム、マグネシウム・アルミニウム・メタケイ酸塩、ポラクリリン・カリウム、及び微結晶性セルロース。物質を3分間混合し、それが乾燥により2.2%の損失に達するまでGlatt GPCG−15流動床乾燥機中で乾式造粒した。得られた顆粒を、0.8mmの篩いセットを備えた振動造粒機(Frewitt)を通して、中程度の速度でサイズ剤を施し、乾燥ブレンダー中に移した。
【0079】
パートII−クロスポビドンを10分間顆粒と混合した。
【0080】
パートIII−タルク及びステアリン酸マグネシウムを添加し、5分間混合し、そして、次いでその物質を963mgの錠剤へと圧縮した。
【0081】
錠剤を、精製水中でOpadry YS IR 7003 H ホワイトの懸濁液を用いてコーティングし、以下の条件下でコーティングした錠剤を形成した:2500錠のバッチサイズに対して、吸気温度55〜65℃、排気温度38〜44℃、スプレー速度15〜25g/分。
【0082】
実施例1〜8、10及び11は、同様に調製することができる。
【0083】
アトルバスタチン製剤のバイオアベイラビリティの結果
以下の表アトルバスタチン、実施例1〜11で調製したアトルバスタチン製剤の組成物及びバイオアベイラビリティを説明する。
【0084】
表1.実施例1〜11に関するアトルバスタチン製剤及びバイオアベイラビリティのデータ
【表1】

【0085】
実施例1〜8の製剤は、非微粉化のAPIグレードのアトルバスタチンヘミ−カルシウム型VIIIを含む。実施例9の製剤は、エアージェットミルにより微粉化したAPIグレードのアトルバスタチンヘミ−カルシウム型VIIIを含む。微粉化アトルバスタチンは、90%の10ミクロン未満の粒径を有する粒子、及び50%の6ミクロン未満の粒子を含む。
【0086】
実施例10の製剤は、微粉化したAPIグレードのアトルバスタチンヘミ−カルシウム型Vを含む。実施例11の製剤は、非微粉化のAPIグレードのアトルバスタチンヘミ−カルシウム型Vを含む。
【0087】
表1に示すように、摂食状態に置けるアトルバスタチンの投与に関連する食物効果は、実施例9、10及び11で説明するように本発明の投与形態を用いて減少する。
【0088】
対象は、80mgの用量で10時間(一晩)絶食する。本発明の投与形態を摂取する摂食状態の12〜18人のボランティアに関するAUCの平均値は摂食状態のLipitor(登録商標)を摂取する人に関するAUCの平均値と比較して、より大きい。
【0089】
アトルバスタチン製剤の溶解結果
以下の表は、溶解媒体として50RPMでのパドル法(USPタイプII)及び900ml、37℃の水を用いて得られた実施例1〜11に関する溶解データを含む。
【0090】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)有効量のアトルバスタチン;及び
(b)医薬として許容される賦形剤
を含んで成る、アトルバスタチンの投与が直面する食物効果を減少させる医薬投与形態であって、当該投与形態がCmax値により特徴付けられた場合に約45%未満の食物効果を示し、アトルバスタチンが、アトルバスタチンヘミ−カルシウム型V、最大で約50ミクロンの平均粒径を有するアトルバスタチン、及び微粉化アトルバスタチンから成る群から選択される少なくとも1つのアトルバスタチンを含む、前記医薬投与形態。
【請求項2】
アトルバスタチンヘミ−カルシウム型V及び微粉化アトルバスタチンから成る群から選択される少なくとも1つのアトルバスタチンを含んで成る、請求項1に記載の医薬投与形態。
【請求項3】
前記投与形態が、約30%未満の食物効果を示す、請求項1に記載の医薬投与形態。
【請求項4】
前記投与形態が、約20%未満の食物効果を示す、請求項1に記載の医薬投与形態。
【請求項5】
約80mgのアトルバスタチンで投与した場合に、前記投与形態が、少なくとも約20ng/mgのCmax-fedを示す、請求項1に記載の医薬投与形態。
【請求項6】
約80mgのアトルバスタチンで投与した場合に、前記投与形態が、少なくとも約30ng/mgのCmax-fedを示す、請求項1に記載の医薬投与形態。
【請求項7】
約80mgのアトルバスタチンで投与した場合に、前記投与形態が、少なくとも約40ng/mgのCmax-fedを示す、請求項1に記載の医薬投与形態。
【請求項8】
アトルバスタチンヘミ−カルシウム型Vを含んで成る請求項1に記載の医薬投与形態。
【請求項9】
最大で約50ミクロンの平均粒径を有するアトルバスタチンヘミ−カルシウム型V及び微粉化ヘミ−カルシウム型Vから成る群から選択される少なくとも1つのアトルバスタチンを含んで成る、請求項1に記載の医薬投与形態。
【請求項10】
アトルバスタチンヘミ−カルシウム型VIIIを含んで成る、請求項1に記載の医薬投与形態。
【請求項11】
最大で約50ミクロンの平均粒径を有するアトルバスタチンヘミ−カルシウム型VIII及び微粉化ヘミ−カルシウム型VIIIから成る群から選択される少なくとも1つのアトルバスタチンを含んで成る、請求項1に記載の医薬投与形態。
【請求項12】
アトルバスタチンヘミ−カルシウムエタノレート、アトルバスタチンヘミ−カルシウムイパノレート、及びアトルバスタチンヘミ−カルシウム水和物から成る群から選択される少なくとも1つのアトルバスタチンを含んで成る、請求項1に記載の医薬投与形態。
【請求項13】
最大で約50ミクロンの平均粒径を有するアトルバスタチンを含んで成る、請求項1に記載の医薬投与形態。
【請求項14】
最大で約20ミクロンの平均粒径を有するアトルバスタチンを含んで成る、請求項1に記載の医薬投与形態。
【請求項15】
最大で約10ミクロンの平均粒径を有するアトルバスタチンを含んで成る、請求項1に記載の医薬投与形態。
【請求項16】
最大で約50ミクロンの粒径を有する微粉化アトルバスタチンを含んで成る、請求項2に記載の医薬投与形態。
【請求項17】
最大で約20ミクロンの粒径を有する微粉化アトルバスタチンを含んで成る、請求項2に記載の医薬投与形態。
【請求項18】
最大で約10ミクロンの粒径を有する微粉化アトルバスタチンを含んで成る、請求項2に記載の医薬投与形態。
【請求項19】
最大で約50ミクロンの粒径を有する微粉化アトルバスタチンヘミ−カルシウム型Vを含んで成る、請求項2に記載の医薬投与形態。
【請求項20】
最大で約50ミクロンの粒径を有する微粉化アトルバスタチンヘミ−カルシウム型VIIIを含んで成る、請求項2に記載の医薬投与形態。
【請求項21】
前記賦形剤が、ビタミンE、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶性セルロース、クロスポビドン、重炭酸ナトリウム、メグルミン、ポラクリリン(polacrilin)、リン酸カルシウム、ラクトース、コロイドシリコーン二酸化物、タルク、ステアリン酸マグネシウム、クロスカルメロース、炭酸ナトリウム、ポリプラスドン(polyplasdone)、マグネシウム・アルミニウム・ケイ酸塩、ナトリウム・ステアリル・フマル酸塩、及びコーティングから成る群から選択される少なくとも1つのメンバーである、請求項1に記載の医薬投与形態。
【請求項22】
前記賦形剤が、マンニトール、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、ビタミンE、トリス・ヒドロキシメチルアミノエタン、無水第二リン酸カルシウム、ナトリウム・ステアリル・フマル酸塩、及びコーティングから成る群から選択される少なくとも1つのメンバーである、請求項1に記載の医薬投与形態。
【請求項23】
前記賦形剤が、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、カルシウム・マグネシウム炭酸塩、ナトリウム、カリウム又はアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩;リン酸のアンモニウム塩又はアルカリ金属塩又はピロリン酸塩;カルボン酸又は脂肪酸のアンモニウム塩又はアルカリ金属塩;カルシウム・マグネシウム酢酸塩、アスパラギン酸又はグルタミン酸のアンモニウム塩又はアルカリ金属塩;リジン又はアルギニンの炭酸塩;リジン、アルギニン、シスチン又はヒスチジンの重炭酸塩;リジン、アルギニン、トリプトファン、ヒスチジン、アスパラギン又はグルタミンの遊離塩基形態;リジン、アルギニン又はヒスチジンのカルボン酸塩;シスチン、フェノール、ビオフェノール(biophenol)又はフラボノイドの塩形態、ビタミンP、チロシン、イソフラボン、アミン官能基を担持するポリマー、それらの塩形態において酸官能基を担持するポリマー、酢酸ポリビニル又はフタル酸ポリビニル;及び、4.5超の等電点を有するペプチド又はタンパク質からなる群から選択される少なくとも1つのメンバーである、請求項1に記載の医薬投与形態。
【請求項24】
経口投与形態の請求項1に記載の医薬投与形態。
【請求項25】
錠剤の形態の請求項1に記載の医薬投与形態。
【請求項26】
アトルバスタチンの投与が直面する食物効果を減少させる医薬投与形態を調製する方法であって、
(a)アトルバスタチン及び少なくとも1つの医薬として許容される賦形剤の混合物を調製する段階、及び
(b)この混合物を投与形態へと製剤化する段階を含んで成り、
当該投与形態が、Cmax値により特徴付けられた場合に約45%未満の食物効果を示し、アトルバスタチンは、アトルバスタチンヘミ−カルシウム型V、最大で約50ミクロンの平均粒径を有するアトルバスタチン、及び微粉化アトルバスタチンから成る群から選択される少なくとも1つのアトルバスタチンを含む前記方法。
【請求項27】
アトルバスタチンが、アトルバスタチンヘミ−カルシウム型V及び微粉化アトルバスタチンから成る群から選択される少なくとも1つのアトルバスタチンを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
約80mgのアトルバスタチンで投与した場合に、前記投与形態が、少なくとも約20ng/mgのCmax-fedを示す、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
約80mgのアトルバスタチンで投与した場合に、前記投与形態が、少なくとも約30ng/mgのCmax-fedを示す、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
約80mgのアトルバスタチンで投与した場合に、前記投与形態が、少なくとも約40ng/mgのCmax-fedを示す、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
アトルバスタチンがアトルバスタチンヘミ−カルシウム型Vを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
アトルバスタチンがアトルバスタチンヘミ−カルシウム型VIIIを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
アトルバスタチンが最大で約50ミクロンの平均粒径を有するアトルバスタチンを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項34】
前記賦形剤が、ビタミンE、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶性セルロース、クロスポビドン、重炭酸ナトリウム、メグルミン、ポラクリリン(polacrilin)、リン酸カルシウム、ラクトース、コロイドシリコーン二酸化物、タルク、ステアリン酸マグネシウム、クロスカルメロース、炭酸ナトリウム、ポリプラスドン(polyplasdone)、マグネシウム・アルミニウム・ケイ酸塩、ナトリウム・ステアリル・フマル酸塩、及びコーティングから成る群から選択される少なくとも1つのメンバーである、請求項26に記載の方法。
【請求項35】
前記賦形剤が、マンニトール、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、ビタミンE、トリス・ヒドロキシメチルアミノエタン、無水第二リン酸カルシウム、ナトリウム・ステアリル・フマル酸塩、及びコーティングから成る群から選択される少なくとも1つのメンバーである、請求項26に記載の方法。
【請求項36】
前記賦形剤が、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、カルシウム・マグネシウム炭酸塩、ナトリウム、カリウム又はアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩;リン酸のアンモニウム塩又はアルカリ金属塩又はピロリン酸塩;カルボン酸又は脂肪酸のアンモニウム塩又はアルカリ金属塩;カルシウム・マグネシウム酢酸塩、アスパラギン酸又はグルタミン酸のアンモニウム塩又はアルカリ金属塩;リジン又はアルギニンの炭酸塩;リジン、アルギニン、シスチン又はヒスチジンの重炭酸塩;リジン、アルギニン、トリプトファン、ヒスチジン、アスパラギン又はグルタミンの遊離塩基形態;リジン、アルギニン又はヒスチジンのカルボン酸塩;シスチン、フェノール、ビオフェノール(biophenol)又はフラボノイドの塩形態、ビタミンP、チロシン、イソフラボン、アミン官能基を担持するポリマー、それらの塩形態において酸官能基を担持するポリマー、酢酸ポリビニル又はフタル酸ポリビニル;及び、4.5超の等電点を有するペプチド又はタンパク質からなる群から選択される少なくとも1つのメンバーである、請求項26に記載の方法。
【請求項37】
(a)アトルバスタチン及び医薬として許容される賦形剤の混合物を調製する段階、
(b)この混合物を造粒して顆粒を形成する段階、及び
(c)この顆粒を投与形態へと製剤化する段階、
を含んで成る、請求項26に記載の方法。
【請求項38】
(a)アトルバスタチン及び少なくとも1つの医薬として許容される賦形剤の混合物を調製する段階、
(b)ビタミンE及びヒドロキシプロピルセルロースを含んで成る溶液を調製する段階、
(c)この溶液を上記混合物と共に造粒して顆粒を得る段階、
(d)クロスポビドン又はコロイドシリコーン二酸化物の少なくとも1つをこの顆粒と混合する段階、及び
(e)ステアリン酸マグネシウム又はタルクの少なくとも1つを加えて投与形態を形成する段階、
を含んで成る、請求項26に記載の方法。
【請求項39】
段階(a)の混合物に、微結晶性セルロース、クロスポビドン、重炭酸ナトリウム、メグルミン、ポラクリリン・カリウム、無水第二リン酸カルシウム、及びラクトース一水和物から成る群から選択される少なくとも1つのメンバーを添加することを更に含んで成る、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
混合物を経口投与形態に製剤化する、請求項26に記載の方法。
【請求項41】
混合物を錠剤へと圧縮する、請求項26に記載の方法。
【請求項42】
錠剤をコーティングすることを更に含んで成る、請求項37に記載の方法。
【請求項43】
(a)アトルバスタチンヘミ−カルシウム、微結晶性セルロース、クロスポビドン、重炭酸ナトリウム、メグルミン、ポラクリリン・カリウム、無水第二リン酸カルシウム、及びラクトース一水和物の混合物を調製する段階、
(b)ビタミンE及びヒドロキシプロピルセルロースを含んで成る溶液を調製する段階、
(c)この溶液を上記混合物と共に造粒して顆粒を得る段階、
(d)クロスポビドン及びコロイドシリコーン二酸化物をこの顆粒と共に混合する段階、
(e)ステアリン酸マグネシウム及びタルクを加える段階、
(f)得られた混合物を錠剤へと圧縮する段階、及び
(g)この錠剤をコーティングして投与形態を形成する段階、
を含んで成る、請求項26に記載の方法。
【請求項44】
請求項26に記載の方法により調製した投与形態。
【請求項45】
請求項27に記載の方法により調製した投与形態。
【請求項46】
請求項26に記載の方法により調製した投与形態を、それを必要とする患者に投与することを含んで成る、低密度リポタンパク質を低下させる方法。
【請求項47】
請求項27に記載の方法により調製した投与形態を、それを必要とする患者に投与することを含んで成る、低密度リポタンパク質を低下させる方法。
【請求項48】
請求項26に記載の投与形態を、それを必要とする患者に投与することを含んで成る、低密度リポタンパク質を低下させる方法。
【請求項49】
請求項27に記載の投与形態を、それを必要とする患者に投与することを含んで成る、低密度リポタンパク質を低下させる方法。

【公表番号】特表2009−516681(P2009−516681A)
【公表日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−541141(P2008−541141)
【出願日】平成17年11月23日(2005.11.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/042789
【国際公開番号】WO2007/058664
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(501079705)テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド (283)
【Fターム(参考)】