説明

アナログ信号計測回路

【課題】所望の計測範囲の計測分解能を高め、精度の良い計測値を得る。
【解決手段】入力切替部1と演算処理部4との間に冷水レンジ用演算増幅部2と温水レンジ用演算増幅部3を設ける。制御機器の現在の冷暖房の制御モードを選択情報fとして演算処理部4に与える。演算処理部4は、選択情報fより現在の冷暖房の状態を判定し、冷房状態と判定すれば、入力切替部1に切替信号dを送り、信号a0を信号a11として冷水レンジ用演算増幅部2へ送り、冷水レンジ用演算増幅部2で増幅された信号bを取り込んで、冷水レンジでの計測値Tcを得る。暖房状態と判定すれば、入力切替部1に切替信号dを送り、信号a0を信号a12として温水レンジ用演算増幅部3へ送り、温水レンジ用演算増幅部3で増幅された信号cを取り込んで、温水レンジでの計測値Thを得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、冷温水などの温度計測に用いて好適なアナログ信号計測回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、建築建物内の熱源や空調設備を制御する制御装置では、各設備の熱交換器などに供給または排出される冷媒温度を検出して制御用または表示用として利用している。これらの設備は、夏季は冷水、冬季は温水を冷媒とするため、温度センサとして、−10〜100℃程度の計測レンジが必要とされる。
【0003】
温度センサとしては、一般に、温度変化に伴い抵抗値が変化するセンサ素子(白金測温抵抗体)が用いられ、センサ素子に電流を流すことで生じる電圧を検出することによって温度計測が行われる。この場合、温度変化により生じるセンサ素子間の電圧は微小であるため、センサ素子からの電圧を装置が識別できる電圧に演算増幅器で増幅する(例えば、特許文献1参照)。ここで、従来においては、通常、演算増幅器のゲインを装置に必要な全計測レンジに合わせて決定している。この場合、出力分解能(V/℃)は計測レンジが広いほど小さくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−079917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した熱源や空調設備を制御する制御装置では、全計測レンジのうち実際に計測分解能が必要な計測レンジは冷水では5〜25℃程度、温水では40〜60℃程度であるのにも拘わらず、全計測レンジに合わせて演算増幅器のゲインが定められている。このため、実際に計測分解能が必要な計測レンジにおいても出力分解能が小さいままとなり、高精度の計測値を得ることができないという問題があった。
【0006】
なお、この問題を解決するために、(1)出力分解能が小さいままで高精度のA/D変換器を使用する、あるいは(2)冷水計測用と温水計測用とで入力を分けることが考えられるが、(1)の方法では部品コストが高くなってしまうし、(2)の方法では冷温水計測回路の物理的な入力が2つとなってしまうといった欠点がある。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、高精度のA/D変換器を用いることなく、また物理的な入力を2つに分けたりすることなく、所望の計測範囲の計測分解能を高め、精度の良い計測値を得ることが可能なアナログ信号計測回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために本発明は、被測定対象として入力されるアナログ信号をその計測範囲の一部として予め定められている第1の部分計測範囲に亘って第1の増幅率で増幅する第1の増幅手段と、被測定対象として入力されるアナログ信号を計測範囲の一部として予め定められている第1の部分計測範囲とは非連続な第2の部分計測範囲に亘って第2の増幅率で増幅する第2の増幅手段と、被測定対象の現在値が第1の部分計測範囲に属しているのか第2の部分計測範囲に属しているのかを示唆する情報を選択情報として入力とし、この選択情報が第1の部分計測範囲に属する情報であった場合には第1の増幅手段によって増幅されたアナログ信号を選択し、そのアナログ信号に対応する計測値を第1の狭レンジでの計測値として演算し、選択情報が2の部分計測範囲に属する情報であった場合には第2の増幅手段によって増幅されたアナログ信号を選択し、そのアナログ信号に対応する計測値を第2の狭レンジでの計測値として演算する計測値演算手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明では、被測定対象の現在値が第1の部分計測範囲に属しているのか第2の部分計測範囲に属しているのかを示唆する情報が選択情報とされ、この選択情報が第1の部分計測範囲に属する情報であった場合、第1の増幅手段によって増幅されたアナログ信号に対応する計測値が第1の狭レンジでの計測値として演算される。また、その選択情報が第2の部分計測範囲に属する情報であった場合、第2の増幅手段によって増幅されたアナログ信号に対応する計測値が第2の狭レンジでの計測値として演算される。
【0010】
この場合、第1の増幅手段での第1の増幅率は、第1の部分計測範囲に合わせて大きく設定することができ、第2の増幅手段での第2の増幅率は、第2の部分計測範囲に合わせて大きく設定することができる。このため、第1の狭レンジおよび第2の狭レンジでの出力分解能が被測定対象の全計測範囲(広レンジ)での出力分解能よりも大きくなり、第1の狭レンジおよび第2の狭レンジでの計測値の精度がアップする。
【0011】
本発明では、例えば、第1の狭レンジを冷水用の計測レンジ、第2の狭レンジを温水用の計測レンジとすることが考えられる。また、第1の増幅手段での増幅を非反転増幅、第2の増幅手段での増幅を反転増幅とすることが考えられる。このようにすると、冷水用の計測レンジと温水用の計測レンジとで同じ電圧幅を使用することが可能となる。
【0012】
また、本発明において、計測値演算手段において選択情報が第1の部分計測範囲に属する情報であると判断された場合、被測定対象として入力されるアナログ信号の入力先を第1の増幅手段へ切り替え、計測値演算手段において選択情報が第2の部分計測範囲に属する情報であると判断された場合、被測定対象として入力されるアナログ信号の入力先を第2の増幅手段へ切り替える入力切替手段を設けるようにしてもよい。
【0013】
また、計測値演算手段に、自己が演算した第1の狭レンジでの計測値が第1の部分計測範囲に含まれているか否かを判断し、第1の狭レンジでの計測値が第1の部分計測範囲に含まれていないと判断した場合、第2の狭レンジでの計測値の演算に切り替え、自己が演算した第2の狭レンジでの計測値が第2の部分計測範囲に含まれているか否かを判断し、第2の狭レンジでの計測値が第2の部分計測範囲に含まれていないと判断した場合、第1の狭レンジでの計測値の演算に切り替える機能を設けるようにしてもよい。
【0014】
また、被測定対象として入力されるアナログ信号をその計測範囲の全範囲に亘って第3の増幅率で増幅する第3の増幅手段を設け、計測値演算手段に、自己が演算した第1および第2の狭レンジでの計測値の少なくとも一方が第1および第2の部分計測範囲に含まれていないと判断した場合、第3の増幅手段によって増幅されたアナログ信号を選択し、そのアナログ信号に対応する計測値を広レンジでの計測値として演算する機能を設けるようにしてもよい。
【0015】
例えば、自己が演算した第1の狭レンジでの計測値が第1の部分計測範囲に含まれていないと判断された場合、あるいは自己が演算した第2の狭レンジでの計測値が第2の部分計測範囲に含まれていないと判断された場合、第3の増幅手段によって増幅されたアナログ信号を選択して、広レンジの計測値を演算する。
例えば、自己が演算した第1の狭レンジでの計測値が第1の部分計測範囲に含まれておらず、かつ自己が演算した第2の狭レンジでの計測値が第2の部分計測範囲に含まれていないと判断された場合、第3の増幅手段によって増幅されたアナログ信号を選択して、広レンジの計測値を演算する。
【0016】
また、本発明において、被測定対象の現在値が第1の部分計測範囲に属しているのか第2の部分計測範囲に属しているのかを示唆する情報(選択情報)は、計測値演算手段によって演算された計測値を使用する制御機器の現在の冷暖房の制御モードを示す情報としたり、外気温度としたり、被測定対象に対して定められる設定値としたりすることが考えられる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、被測定対象の現在値が第1の部分計測範囲に属しているのか第2の部分計測範囲に属しているのかを示唆する情報を選択情報として入力とし、この選択情報が第1の部分計測範囲に属する情報であった場合には第1の増幅手段によって増幅されたアナログ信号を選択し、そのアナログ信号に対応する計測値を第1の狭レンジでの計測値として演算し、選択情報が2の部分計測範囲に属する情報であった場合には第2の増幅手段によって増幅されたアナログ信号を選択し、そのアナログ信号に対応する計測値を第2の狭レンジでの計測値として演算するようにしたので、第1の増幅手段での第1の増幅率を第1の部分計測範囲に合わせて大きく設定することができるようになり、また第2の増幅手段での第2の増幅率を第2の部分計測範囲に合わせて大きく設定することができるようになり、第1の狭レンジおよび第2の狭レンジでの出力分解能を被測定対象の全計測範囲(広レンジ)での出力分解能よりも大きくし、高精度のA/D変換器を用いることなく、また物理的な入力を2つに分けたりすることなく、所望の計測範囲の計測分解能を高め、精度の良い計測値を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係るアナログ信号計測回路の一実施の形態を示す冷温水計測回路の要部の機能ブロック図(実施の形態1)である。
【図2】実施の形態1の冷温水計測回路における演算処理部での特徴的な処理動作を示すフローチャートである。
【図3】実施の形態1の冷温水計測回路における冷水レンジ用演算増幅部および温水レンジ用演算増幅部の出力波形を示す図である。
【図4】実施の形態2の冷温水計測回路の要部の機能ブロック図である。
【図5】実施の形態2の冷温水計測回路における演算処理部での特徴的な処理動作を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態3の冷温水計測回路における演算処理部での特徴的な処理動作を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態4の冷温水計測回路の要部の機能ブロック図である。
【図8】実施の形態4の冷温水計測回路における演算処理部での特徴的な処理動作を示すフローチャートである。
【図9】図8のフローチャートにおいて計測値エラーが確定された場合に実行される広レンジでの計測値の演算処理を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態5の冷温水計測回路における演算処理部での特徴的な処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〔実施の形態1〕
図1はこの発明に係るアナログ信号計測回路の一実施の形態を示す冷温水計測回路の要部の機能ブロック図(実施の形態1)である。
【0020】
この冷温水計測回路100は、入力切替部1と、冷水レンジ用演算増幅部2と、温水レンジ用演算増幅部3と、演算処理部4と、冷房/暖房状態入力部5とを備えている。なお、6は冷温水計測回路100への冷温水の計測信号(アナログ信号)の入力部として設けられたセンサ素子である。
【0021】
この例において、入力切替部1としてはマルチプレクサが用いられ、冷水レンジ用演算増幅部2および温水レンジ用演算増幅部3としてはオペアンプが用いられ、センサ素子6としては白金測温抵抗体やサーミスタなどの温度検出素子が用いられている。
【0022】
入力切替部1は、演算処理部4からの切替信号dを入力とし、この切替信号dの指示に従ってセンサ素子6からの信号a0の出力先を切り替え、第1の出力ポートO1から信号a11として出力し、第2の出力ポートO2から信号a12として出力する。
【0023】
冷水レンジ用演算増幅部2は、入力切替部1の第1の出力ポートO1からの信号a11を入力とし、Tcmin(5℃)〜Tcmax(25℃)を温度範囲とする冷水計測レンジに対する信号a11のみを有効な出力となるように第1の増幅率A1で非反転増幅する。この増幅された信号a11は信号bとして出力される。
【0024】
温水レンジ用演算増幅部3は、入力切替部1の第2の出力ポートO2からの信号a12を入力とし、Thmin(40℃)〜Thmax(60℃)を温度範囲とする温水計測レンジに対する信号a12のみを有効な出力となるように第2の増幅率A2で反転増幅する。この増幅された信号a12は信号cとして出力される。
【0025】
演算処理部4は、冷水レンジ用演算増幅部2からの信号b、温水レンジ用演算増幅部3からの信号cを入力とし、内部で演算し確定した計測値T(後述)を出力する。冷房/暖房状態入力部5には、演算処理部4からの計測値Tを使用する制御機器(図示せず)の現在の冷暖房の制御モードが入力され、記憶される。この冷房/暖房状態入力部5が記憶する現在の冷暖房の制御モードが本発明でいう選択情報(被測定対象の現在値が第1の部分計測範囲に属しているのか第2の部分計測範囲に属しているのかを示唆する情報)に相当する。また、演算処理部4は、この冷房/暖房状態入力部5に記憶されている現在の冷暖房の制御モードを選択情報fとして入力し、入力切替部1への切替信号dを生成する。
【0026】
演算処理部4は、CPU、A/Dコンバータ、メモリなどからなるハードウェアと、これらのハードウェアと協働して演算処理部としての各種機能を実現させるプログラムとによって実現され、本実施の形態特有の機能として切替信号dの生成機能および計測値Tの演算処理機能を備えている。なお、この例において、A/DコンバータはCPUに内蔵されている。
【0027】
以下、図2に示すフローチャートに従って、演算処理部4が有する切替信号dの生成機能および計測値Tの演算処理機能について説明する。
【0028】
演算処理部4は、所定周期毎に、計測処理を行う。この場合、計測周期に入ると(ステップS101のYES)、冷房/暖房状態入力部5に記憶されている冷暖房の制御モードを選択情報fとして取り込み、演算処理部4からの計測値Tを使用する制御機器の現在の冷暖房の状態を判定する(ステップS102)。この例では、選択情報fがf=1であれば冷房状態であると判定し、f=0であれば暖房状態であると判定する。
【0029】
ここで、演算処理部4は、冷房状態であると判定すると(ステップS103の「冷房(信号f=1)」)、入力切替部1へ信号a11の選択を指示する切替信号dを出力する(ステップS104)。この時、入力切替部1には、センサ素子6からの微小電圧(アナログ信号)が信号a0として入力されている。
【0030】
入力切替部1は、演算処理部4からの切替信号dを受けると、センサ素子6からの信号a0を取り込み、第1の出力ポートO1から信号a11として出力する。この入力切替部1の第1の出力ポートO1からの信号a11は、冷水レンジ用演算増幅部2において増幅率A1で非反転増幅され、信号bとして演算処理部4の第1の入力ポートI1に与えられる。
【0031】
図3(a)に冷水レンジ用演算増幅部2の出力波形を示す。冷水レンジ用演算増幅部2は、図3(c)に示す温度範囲H1(Tcmin〜Tcmax)の信号a11(a0)に対してのみ、増幅率A1で非反転増幅を行う。これにより、冷水計測レンジの下限値Tcminに対応する信号a11が電圧値Vbminの信号bとされ、冷水計測レンジの上限値Tcmaxに対応する信号a11が電圧値Vbmaxの信号bとされる。
【0032】
演算処理部4は、この第1の入力ポートI1に与えられる信号bを取り込み(ステップS105)、この取り込んだ信号bをCPU内蔵のA/D変換器によってデジタル値に変換し、この変換したデジタル値から信号bに対応する計測値Tcを求める(ステップS106)。
【0033】
そして、演算処理部4は、ステップS105で取得した信号bの値を確認し(ステップS107)、信号bがVbmin<b<Vbmaxであれば、ステップS106で求めた計測値Tcを冷水計測レンジでの計測値Tとして確定する(ステップS108)。この確定された冷水計測レンジでの計測値Tは演算処理部4から出力される。
【0034】
この場合、冷水レンジ用演算増幅部2での増幅率A1は、冷水計測レンジの温度範囲H1(Tcmin〜Tcmax)に合わせて大きく設定されている。このため、冷水計測レンジでの出力分解能が被測定対象として入力される信号a0の全計測範囲(広レンジ)での出力分解能よりも大きくなり、冷水計測レンジでの計測値の精度がアップする。
【0035】
なお、演算処理部4は、信号bがb=Vbminであれば、ステップS106で求めた計測値Tcを計測値Tcminとし(ステップS109)、この計測値Tcminを冷水計測レンジでの計測値Tとして確定し(ステップS113)、信号bの取得および取得した信号bからの計測値Tcの演算を繰り返す(ステップS105〜S107、ステップS109、S110、S113)。
【0036】
この計測値Tcの演算の繰り返し中、b=Vbminの状態が連続して所定回数確認されると(ステップS110のYES)、演算処理部4は、冷水計測レンジでの計測値Tcが冷水計測レンジの温度範囲Tcmin〜Tcmaxを外れたと判断し(Tcminを下回ったと判断)、計測値エラーとして(ステップS115)、ステップS101へ戻る。
【0037】
また、演算処理部4は、信号bがb=Vbmaxであれば、ステップS106で求めた計測値Tcを計測値Tcmaxとし(ステップS111)、この計測値Tcmaxを冷水計測レンジでの計測値Tとして確定し(ステップS114)、信号bの取得および取得した信号bからの計測値Tcの演算を繰り返す(ステップS105〜S107、ステップS111、S112、S114)。
【0038】
この計測値Tcの演算の繰り返し中、b=Vbmaxの状態が連続して所定回数確認されると(ステップS112のYES)、演算処理部4は、冷水計測レンジでの計測値Tcが冷水計測レンジの温度範囲Tcmin〜Tcmaxを外れたと判断し(Tcmaxを上回ったと判断)、計測値エラーとして(ステップS115)、ステップS101へ戻る。
【0039】
これに対し、演算処理部4は、暖房状態であると判定すると(ステップS103の「暖房(信号f=0)」)、入力切替部1へ信号a12の選択を指示する切替信号dを出力する(ステップS116)。この時、入力切替部1には、センサ素子6からの微小電圧(アナログ信号)が信号a0として入力されている。
【0040】
入力切替部1は、演算処理部4からの切替信号dを受けると、センサ素子6からの信号a0を取り込み、第2の出力ポートO2から信号a12として出力する。この入力切替部1の第2の出力ポートO2からの信号a12は、温水レンジ用演算増幅部3において増幅率A2で反転増幅され、信号cとして演算処理部4の第2の入力ポートI2に与えられる。
【0041】
図3(b)に温水レンジ用演算増幅部3の出力波形を示す。温水レンジ用演算増幅部3は、図3(c)に示す温度範囲H1(Thmin〜Thmax)の信号a12(a0)に対してのみ、増幅率A2での反転増幅を行う。これにより、温水計測レンジの下限値Thminに対応する信号a12が電圧値Vcmaxの信号cとされ、温水計測レンジの上限値Thmaxに対応する信号a12が電圧値Vcminの信号cとされる。
【0042】
演算処理部4は、この第2の入力ポートI2に与えられる信号cを取り込み(ステップS117)、この取り込んだ信号cをCPU内蔵のA/D変換器によってデジタル値に変換し、この変換したデジタル値から信号cに対応する計測値Thを求める(ステップS118)。
【0043】
そして、演算処理部4は、ステップS117で取得した信号cの値を確認し(ステップS119)、信号cがVcmin<c<Vcmaxであれば、ステップS118で求めた計測値Thを温水計測レンジでの計測値Tとして確定する(ステップS120)。この確定された温水計測レンジでの計測値Tは演算処理部4から出力される。
【0044】
この場合、温水レンジ用演算増幅部3での増幅率A2は、温水計測レンジの温度範囲H2(Thmin〜Thmax)に合わせて大きく設定されている。このため、温水計測レンジでの出力分解能が被測定対象として入力される信号a0の全計測範囲(広レンジ)での出力分解能よりも大きくなり、温水計測レンジでの計測値の精度がアップする。
【0045】
なお、演算処理部4は、信号cがc=Vcminであれば、ステップS118で求めた計測値Thを計測値Thmaxとし(ステップS121)、この計測値Thmaxを温水計測レンジでの計測値Tとして確定し(ステップS125)、信号cの取得および取得した信号cからの計測値Thの演算を繰り返す(ステップS117〜S119、ステップS121、S122、S125)。
【0046】
この計測値Thの演算の繰り返し中、c=Vcminの状態が連続して所定回数確認されると(ステップS122のYES)、演算処理部4は、温水計測レンジでの計測値Thが温水計測レンジの温度範囲Thmin〜Thmaxを外れたと判断し(Thmaxを上回ったと判断)、計測値エラーとして(ステップS127)、ステップS101へ戻る。
【0047】
また、演算処理部4は、信号cがc=Vcmaxであれば、ステップS118で求めた計測値Thを計測値Thminとし(ステップS123)、この計測値Thminを温水計測レンジでの計測値Tとして確定し(ステップS126)、信号cの取得および取得した信号cからの計測値Thの演算を繰り返す(ステップS117〜S119、ステップS123、S124、S126)。
【0048】
この計測値Thの演算の繰り返し中、c=Vcmaxの状態が連続して所定回数確認されると(ステップS124のYES)、演算処理部4は、温水計測レンジでの計測値Thが温水計測レンジの温度範囲Thmin〜Thmaxを外れたと判断し(Thminを下回ったと判断)、計測値エラーとして(ステップS127)、ステップS101へ戻る。
【0049】
以下、同様にして、演算処理部4は、計測周期に入る毎に(ステップS101のYES)、上述したステップS102〜S127の処理動作を繰り返す。
【0050】
このようにして、本実施の形態では、演算処理部4のCPUに内蔵されたA/D変換器を有効に利用し、高精度のA/D変換器を用いることなく、また冷温水計測回路100の物理的な入力を2つに分けたりすることなく、冷水計測レンジおよび温水計測レンジの計測分解能を高め、精度の良い計測値を得ることができるようになる。
【0051】
なお、この実施の形態1において、冷水レンジ用演算増幅部2が本発明でいう第1の増幅手段に相当し、温水レンジ用演算増幅器3が第2の増幅手段に相当し、入力切替部1が入力切替手段に相当する。また、演算処理部4において、ステップS102〜S114、ステップS116〜S126の処理を行う部分が計測値演算手段に相当する。
【0052】
また、この実施の形態1では、信号bがb=Vbminとなったり、b=Vbmaxとなった場合、また信号cがc=Vcminとなったり、c=Vcmaxとなった場合、その状態が連続して所定回数確認された時点で計測値エラーと判断するようにしたが、1回でもその状態が確認された場合、即時に計測値エラーと判断するようにしてもよい。また、その状態が一定時間続いた場合に、計測値エラーと判断するようにしてもよい。
【0053】
また、この実施の形態1では、温水レンジ用演算増幅3で信号a12を反転増幅するようにしたが、必ずしも反転増幅しなくてもよく、非反転増幅してもよい。温水レンジ用演算増幅部3において、信号a12を増幅率A2で反転増幅するようにすると、冷水用の計測レンジと温水用の計測レンジとして同じ電圧幅を使用することができるので、都合がよい。また、冷水レンジ用演算増幅部2において信号a11を反転増幅し、温水レンジ用演算増幅部3において信号a12を非反転増幅するようにしてもよい。
【0054】
〔実施の形態2〕
実施の形態1の冷温計測回路100では、演算処理部4が2つの入力ポートI1,I2を備え、第1の入力ポートI1に信号bが与えられ、第2の入力ポートI2に信号cが与えられるものとした。
【0055】
これに対し、実施の形態2の冷温計測回路101(図4)では、1つの入力ポートI1しか有さない演算処理部4を用い、この演算処理部4の前段に第2の入力切替部1−2を設け、演算処理部4からの第1の入力切替部1−1への切替信号dを分岐して第2の入力切替部1−2へも与えるようにしている。
【0056】
図5にこの冷温計測回路101における図2に対応するフローチャートを示す。この場合、ステップS104において、第2の入力切替部1−2に切替信号dが与えられ、第2の入力切替部1−2が冷水レンジ用演算増幅部2からの信号bを選択して、演算処理部4の第1の入力ポートI1に与える。また、ステップS116において、第2の入力切替部1−2に切替信号dが与えられ、第2の入力切替部1−2が温水レンジ用演算増幅部3からの信号cを選択して、演算処理部4の第1の入力ポートI1に与える。
【0057】
〔実施の形態3〕
実施の形態1では、図2に示したフローチャート中のステップS115やステップS127で計測値エラーが確定された場合、すなわち冷水計測レンジでの計測値Tcが冷水計測レンジの温度範囲を外れたと判断されたり、温水計測レンジでの計測値Thが温水計測レンジの温度範囲を外れたと判断された場合、ステップS101へ戻って、所定周期毎の冷房/暖房状態の判定から処理を再開させるようにした。
【0058】
これに対し、実施の形態3では、図6に図2に対応するフローチャートを示すように、冷水計測レンジでの計測値Tcが冷水計測レンジの温度範囲を外れたと判断された場合(ステップS115)、すなわち冷水計測レンジでの計測値Tcが冷水計測レンジの温度範囲に含まれていないと判断された場合、ステップS116へ進み、温水レンジでの計測値Thの演算に切り替える。
【0059】
また、温水計測レンジでの計測値Thが温水計測レンジの温度範囲を外れたと判断された場合(ステップS127)、すなわち温水計測レンジでの計測値Thが温水計測レンジの温度範囲に含まれていないと判断された場合、ステップS104へ進み、冷水レンジでの計測値Tcの演算に切り替える。
【0060】
この実施の形態3において、本発明でいう計測値演算手段には、ステップS102〜S114、ステップS116〜S126の処理に加え、ステップS115,S127の処理を行ってステップS116,S104へ進む部分も含まれる。
【0061】
〔実施の形態4〕
実施の形態1の冷温計測回路100では、冷水レンジ用演算増幅部2と温水レンジ用演算増幅部3の2つの演算増幅部を設け、演算処理部4から入力切替部1へ切替信号dを与え、冷水レンジ用演算増幅部2からの信号bと温水レンジ用演算増幅部3からの信号cとを選択的に演算処理部4に与えるようにした。
【0062】
これに対し、実施の形態4では、図7に示すように、冷水レンジ用演算増幅部2と温水レンジ用演算増幅部3に加え、さらに広レンジ用演算増幅部7を設け、演算処理部4から入力切替部1へ切替信号dを与え、冷水レンジ用演算増幅部2からの信号bと温水レンジ用演算増幅部3からの信号cと広レンジ用演算増幅部7からの信号aとを選択的に演算処理部4に与えるようにしている。
【0063】
なお、この実施の形態4の冷温計測回路102において、入力切替部1は3つの出力ポートを有し、演算処理部4からの切替信号dの指示に従って、センサ素子6からの信号a0を第1の出力ポートO1から信号a11として、第2の出力ポートO2から信号a12として、第3の出力ポートO3から信号a13として出力する。また、広レンジ用演算増幅部7は、入力切替部1の第3の出力ポートO3からの信号a13を入力とし、その信号a13を被測定対象として入力される信号a0の計測範囲の全範囲(−10〜100℃)に亘って第3の増幅率A3で非反転増幅する。この増幅された信号a13は信号aとして出力される。また、演算処理部4は、第3の入力ポートI3を有し、この第3の入力ポートI3に広レンジ用演算増幅部7からの信号aが与えられる。
【0064】
図8にこの実施の形態4における図2に対応するフローチャートを示す。この実施の形態4において、演算処理部4は、冷水計測レンジでの計測値Tcが冷水計測レンジの温度範囲を外れたと判断された場合(ステップS115)、入力切替部1へ信号a13の選択を指示する切替信号dを出力する(図9:ステップS128)。
【0065】
これにより、入力切替部1は、それまでの第1の出力ポートO1からの信号a11の出力を中断し、第3の出力ポートO3からの信号a13の出力を開始する。この入力切替部1の第3の出力ポートO3からの信号a13は、広レンジ用演算増幅部7において増幅率A3で非反転増幅され、信号aとして演算処理部4の第3の入力ポートI3に与えられる。
【0066】
演算処理部4は、この第3の入力ポートI3に与えられる信号aを取り込み(ステップS129)、この取り込んだ信号aをCPU内蔵のA/D変換器によってデジタル値に変換し、この変換したデジタル値から信号aに対応する計測値T1を求める(ステップS130)。
【0067】
そして、演算処理部4は、この求めた計測値T1が冷水計測レンジ(図3(c)に示すTcmin〜Tcmaxの温度範囲H1(第1の部分計測範囲))に含まれているのか、温水計測レンジ(図3(c)に示すThmin〜Thmaxの温度範囲H2(第2の部分計測範囲))に含まれているのか、それ以外のレンジ(温度範囲H1,H2以外の温度範囲)に含まれているのかを判断する(ステップS131)。
【0068】
ここで、計測値T1が温度範囲H1,H2以外の温度範囲に含まれていれば(T1<Tcmin、Tcmax<T1<Thmin、Thmax<T1)、広レンジでの計測値Tとして確定し(ステップS132)、信号aの取得および取得した信号aからの計測値T1の演算を繰り返す(ステップS128〜S132)。
【0069】
これに対し、計測値T1が温水計測レンジに入っていれば(Th min≦T1≦Thmax)、演算処理部4は、図8に示したフローチャートにおけるステップS116へ進み、入力切替部1へ信号a12の選択を指示する切替信号dを出力する。
【0070】
これにより、入力切替部1は、それまでの第3の出力ポートO3からの信号a13の出力を中断し、第2の出力ポートO2からの信号a12の出力を開始する。この入力切替部1の第2の出力ポートO2からの信号a12は、温水レンジ用演算増幅部3において増幅率A2で反転増幅され、信号cとして演算処理部4の第2の入力ポートI2に与えられ、演算処理部4での信号cを取得しての温水計測レンジでの計測値Thの演算が開始される。
【0071】
一方、演算処理部4は、温水計測レンジでの計測値Thが温水計測レンジの温度範囲を外れたと判断された場合(ステップS127)、入力切替部1へ信号a13の選択を指示する切替信号dを出力する(図9:ステップS128)。
【0072】
これにより、入力切替部1は、それまでの第2の出力ポートO1からの信号a12の出力を中断し、第3の出力ポートO3からの信号a13の出力を開始する。この入力切替部1の第3の出力ポートO3からの信号a13は、広レンジ用演算増幅部7において増幅率A3で非反転増幅され、信号aとして演算処理部4の第3の入力ポートI3に与えられる。
【0073】
演算処理部4は、この第3の入力ポートI3に与えられる信号aを取り込み(ステップS129)、この取り込んだ信号aをCPU内蔵のA/D変換器によってデジタル値に変換し、この変換したデジタル値から信号aに対応する計測値T1を求める(ステップS130)。
【0074】
そして、演算処理部4は、この求めた計測値T1が冷水計測レンジ(図3(c)に示すTcmin〜Tcmaxの温度範囲H1(第1の部分計測範囲))に含まれているのか、温水計測レンジ(図3(c)に示すThmin〜Thmaxの温度範囲H2(第2の部分計測範囲))に含まれているのか、それ以外のレンジ(温度範囲H1,H2以外の温度範囲)に含まれているのかを判断する(ステップS131)。
【0075】
ここで、計測値T1が温度範囲H1,H2以外の温度範囲に含まれていれば(T1<Tcmin、Tcmax<T1<Thmin、Thmax<T1)、広レンジでの計測値Tとして確定し(ステップS132)、信号aの取得および取得した信号aからの計測値T1の演算を繰り返す(ステップS128〜S132)。
【0076】
これに対し、計測値T1が冷水計測レンジに入っていれば(Tcmin≦T1≦Tcmax)、演算処理部4は、図8に示したフローチャートにおけるステップS104へ進み、入力切替部1へ信号a11の選択を指示する切替信号dを出力する。
【0077】
これにより、入力切替部1は、それまでの第3の出力ポートO3からの信号a13の出力を中断し、第1の出力ポートO1からの信号a11の出力を開始する。この入力切替部1の第1の出力ポートO1からの信号a11は、冷水レンジ用演算増幅部2において増幅率A1で非反転増幅され、信号bとして演算処理部4の第1の入力ポートI1に与えられ、演算処理部4での信号bを取得しての冷水計測レンジでの計測値Tcの演算が開始される。
【0078】
この実施の形態4において、本発明でいう計測値演算手段には、ステップS102〜S114、ステップS116〜S126の処理に加え、ステップS115,S127の処理を行ってステップS128〜S132の処理を実行する部分も含まれる。
【0079】
〔実施の形態5〕
実施の形態4では、図8に示したフローチャート中のステップS115やステップS127で計測値エラーが確定された場合、すなわち冷水計測レンジでの計測値Tcが冷水計測レンジの温度範囲を外れたと判断されたり、温水計測レンジでの計測値Thが温水計測レンジの温度範囲を外れたと判断された場合、ステップS128へ進んで、広レンジでの計測値T1を演算するようにした。
【0080】
これに対し、実施の形態5では、図10に図8に対応するフローチャートを示すように、冷水計測レンジでの計測値Tcが冷水計測レンジの温度範囲を外れたと判断された場合(ステップS115)、初期値を0として設定されているNをN=N+1とし(ステップS133)、NがN≠2であることを確認のうえ(ステップS134のNO)、ステップS116へ進み、温水レンジでの計測値Thの演算に切り替える。
【0081】
そして、この温水計測レンジでの計測値Thが温水計測レンジの温度範囲を外れたと判断された場合(ステップS127)、N=N+1とし(ステップS136)、NがN=2になったことを確認し(ステップS137のYES)、N=0に戻したうえ(ステップS135)、ステップS128(図9)へ進み、広レンジでの計測値T1の演算に切り替える。
【0082】
逆に、温水計測レンジでの計測値Thが温水計測レンジの温度範囲を外れたと判断された場合(ステップS127)、初期値を0として設定されているNをN=N+1とし(ステップS136)、NがN≠2であることを確認のうえ(ステップS137のNO)、ステップS104へ進み、冷水レンジでの計測値Tcの演算に切り替える。
【0083】
そして、この冷水計測レンジでの計測値Tcが冷水計測レンジの温度範囲を外れたと判断された場合(ステップS115)、N=N+1とし(ステップS133)、NがN=2になったことを確認し(ステップS134のYES)、N=0に戻したうえ(ステップS135)、ステップS128(図9)へ進み、広レンジでの計測値T1の演算に切り替える。
【0084】
この実施の形態5において、本発明でいう計測値演算手段には、ステップS102〜S114、ステップS116〜S126の処理に加え、ステップS115,S127の処理を行ってステップS128〜S137の処理を実行する部分も含まれる。
【0085】
なお、上述した実施の形態1〜5では、演算処理部4からの計測値Tを使用する制御機器の現在の冷暖房の制御モードを選択情報fとして使用するようにしたが、外気温度を選択情報fとして利用するようにしてもよい。この場合、例えば図2に示したフローチャートで言えば、ステップS103において、外気温度が低温度域にあれば冷房と判断し、外気温度が高温度域にあれば暖房と判断し、冷水計測レンジでの計測値Tcの演算処理を行うのか、温水計測レンジでの計測値Thの演算処理を行うのかを選択するようにする。
【0086】
また、演算処理部4からの計測値Tを使用する制御機器における設定値(設定温度)Tspを選択情報fとして使用するようにしてもよい。この場合、例えば図2に示したフローチャートで言えば、ステップS103において、Tcmin<Tsp<Tcmaxの場合には冷房と判断し、Thmin<Tsp<Thmaxの場合には暖房と判断し、冷水計測レンジでの計測値Tcの演算処理を行うのか、温水計測レンジでの計測値Thの演算処理を行うのかを選択するようにする。
【0087】
また、上述した実施の形態1〜5では、センサ素子6によって温度を検出するものとしたが、被測定対象は温度に限られるものではなく、湿度などを被測定対象としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明のアナログ信号計測回路は、冷温水の温度計測などを高精度で行うアナログ信号計測回路として、建築建物内の熱源や空調設備を制御する制御装置などの装置に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0089】
1,1−1,1−2…入力切替部、O1〜O3…出力ポート、2…冷水レンジ用演算増幅部、3…温水レンジ用演算増幅部、4…演算処理部、I1〜I3…入力ポート、5…冷房/暖房状態入力部、6…センサ素子、7…広レンジ用演算増幅部、100,101,102…冷温水計測回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定対象として入力されるアナログ信号をその計測範囲の一部として予め定められている第1の部分計測範囲に亘って第1の増幅率で増幅する第1の増幅手段と、
前記被測定対象として入力されるアナログ信号を前記計測範囲の一部として予め定められている前記第1の部分計測範囲とは非連続な第2の部分計測範囲に亘って第2の増幅率で増幅する第2の増幅手段と、
前記被測定対象の現在値が前記第1の部分計測範囲に属しているのか前記第2の部分計測範囲に属しているのかを示唆する情報を選択情報として入力とし、この選択情報が第1の部分計測範囲に属する情報であった場合には前記第1の増幅手段によって増幅された前記アナログ信号を選択し、そのアナログ信号に対応する計測値を第1の狭レンジでの計測値として演算し、前記選択情報が前記第2の部分計測範囲に属する情報であった場合には前記第2の増幅手段によって増幅された前記アナログ信号を選択し、そのアナログ信号に対応する計測値を第2の狭レンジでの計測値として演算する計測値演算手段と
を備えることを特徴とするアナログ信号計測回路。
【請求項2】
請求項1に記載されたアナログ信号計測回路において、
前記計測値演算手段において前記選択情報が前記第1の部分計測範囲に属する情報であると判断された場合、前記被測定対象として入力されるアナログ信号の入力先を前記第1の増幅手段へ切り替え、前記計測値演算手段において前記選択情報が前記第2の部分計測範囲に属する情報であると判断された場合、前記被測定対象として入力されるアナログ信号の入力先を前記第2の増幅手段へ切り替える入力切替手段
を備えることを特徴とするアナログ信号計測回路。
【請求項3】
請求項1に記載されたアナログ信号計測回路において、
前記計測値演算手段は、
自己が演算した前記第1の狭レンジでの計測値が前記第1の部分計測範囲に含まれているか否かを判断し、第1の狭レンジでの計測値が第1の部分計測範囲に含まれていないと判断した場合、前記第2の狭レンジでの計測値の演算に切り替え、自己が演算した前記第2の狭レンジでの計測値が前記第2の部分計測範囲に含まれているか否かを判断し、第2の狭レンジでの計測値が第2の部分計測範囲に含まれていないと判断した場合、前記第1の狭レンジでの計測値の演算に切り替える
ことを特徴とするアナログ信号計測回路。
【請求項4】
請求項1に記載されたアナログ信号計測回路において、
前記被測定対象として入力されるアナログ信号をその計測範囲の全範囲に亘って第3の増幅率で増幅する第3の増幅手段を備え、
前記計測値演算手段は、
自己が演算した前記第1および第2の狭レンジでの計測値の少なくとも一方が前記第1および第2の部分計測範囲に含まれていないと判断した場合、前記第3の増幅手段によって増幅されたアナログ信号を選択し、そのアナログ信号に対応する計測値を広レンジでの計測値として演算する
ことを特徴とするアナログ信号計測回路。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載されたアナログ信号計測回路において、
前記選択情報は、
前記計測値演算手段によって演算された計測値を使用する制御機器の現在の冷暖房の制御モードを示す情報である
ことを特徴とするアナログ信号計測回路。
【請求項6】
請求項1〜4の何れか1項に記載されたアナログ信号計測回路において、
前記選択情報は、外気温度である
ことを特徴とするアナログ信号計測回路。
【請求項7】
請求項1〜4の何れか1項に記載されたアナログ信号計測回路において、
前記選択情報は、
前記被測定対象に対して定められる設定値である
ことを特徴とするアナログ信号計測回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−215438(P2012−215438A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79924(P2011−79924)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000006666)アズビル株式会社 (1,808)
【Fターム(参考)】